JP2014511907A - マイクロおよびナノ結晶セルロースの製造方法 - Google Patents

マイクロおよびナノ結晶セルロースの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、酸の存在下でのマイクロおよびナノ結晶セルロース材料の製造方法に関する。より具体的には、本発明は、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を得るために、セルロース材料が、気相での酸の存在下、加水分解され、セルロースの水分含量が1%〜80%であり、セルロース材料が、表面改質され、機械的に処理される方法に関する。本発明はまた、前記方法によって製造されるセルロース生成物、食品および液晶の用途におけるその使用、ならびに光学、美容および医学的用途におけるその使用に関する。
【選択図】なし

Description

発明の分野
本発明は、気相での酸の存在下でのマイクロおよび/またはナノ結晶セルロース(micro- and/or nanocrystalline cellulose)材料の製造方法に関する。本発明はまた、前記方法によって製造されるセルロース生成物と、その使用にも関する。
発明の背景
植物の細胞壁において、セルロースは、ミクロフィブリルへと組織化しており、その中で大抵のセルロースが結晶形である。ミクロフィブリルはまた、それほど組織化していない部分または非結晶部分を含む。非結晶部分は、化学反応、つまり、選択的酸加水分解によって取り除くことができ、この後で、セルロースの結晶部分だけが残る。結果は、条件によって、マイクロ結晶(microcrystalline)またはナノ結晶(nanocrystalline)セルロースとなる。両方とも、現代の材料科学的用途において積極的に使用されている。
酸の影響により、セルロースは加水分解し、つまり、それは、グルコシドの酸素橋で分断し、そして同時に、1つの水分子がそれに結合する。従って、セルロース加水分解には、水分子の存在が必要とされる。有機酸または無機酸が、セルロース加水分解において使用できる。酸加水分解プロセスにおいて、高温(約100℃から約200℃までの間)または高濃度の酸、例えば、65%のHSO(aq)が、ナノ結晶の製造に使用されてきた。
Dong et al. 1998(Dong et al., Effect of microcrystalline preparation conditions on the formation of colloid crystals of cellulose. Cellulose 5:19-32, 1998)は、液体酸を使ったナノ結晶セルロースの製造を開示している。
特許公報RU2281993は、気体状の塩酸(HCl)を使うことによってマイクロ結晶セルロースを製造する方法を開示している。HCl気体は、濃縮した液体HClと塩化カルシウムとの間の反応によって、別々に調製され、その後で、放出された気体状の塩酸は、空気と混ざり、その混合物は、加水分解するセルロース基質へと移される。
特許公報EP0248252およびFI872378は、マイクロ結晶セルロースの製造方法を開示している。
Higgins et al. 1982(Higgins and Ho, Hydrolysis of cellulose using hydrogen chloride: a comparison between liquid phase and gaseous phase processes. Agricultural Wastes 4(2):97-116, 1982)は、液状の41.7%の塩酸および気体状の塩酸の両方を使って、新聞印刷用紙、板紙、および麦わらから得られるセルロースの加水分解を開示している。
特許公報WO1996/025553は、加圧条件下、160℃〜230℃の温度で、リグノセルロース材料を加水分解するための方法および装置を開示している。
米国特許US5,123,962は、前処理したセルロースの微細懸濁液を開示している。
しかしながら、上に示した先行技術の方法は、問題を伴う。公知の方法において、ナノおよびマイクロ結晶セルロースの製造には、高濃度の酸と、加熱と、加水分解の後のすすぎのための大量の水が必要である。効率的かつ速いセルロース加水分解には、高濃度の酸が必要とされてきた。さらに、液体酸の使用とその取り扱いは、高濃度では困難である。精製に使用する透析は、工業的規模で行うことは困難であり、かなりの量の廃水が生じる。加えて、加水分解において塩酸または硝酸を使用するとき、問題は、セルロース結晶の表面が中性を保つということである。この場合、セルロース固有の凝集する傾向が、例えば、水での加水分解によって生じるマイクロまたはナノ結晶の分散を妨げ、水中で結晶の分散を達成するためには、別途分散剤が必要になる。
発明の簡単な説明
本発明の目的は、上述の問題を解決することである。より具体的には、本発明の目的は、セルロース材料を化学的に改質する方法を提供することであり、この方法によって、マイクロまたはナノ結晶セルロース材料が、別途分散剤なしで、分散できる。
本発明の目的は、気相での酸の存在下で、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を製造する方法によって達成され、該方法は、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を得るために、気相での少なくとも1つの酸の存在下、セルロース材料が加水分解され、セルロースの水分含量が、1%〜80%であり、加水分解したセルロース材料が機械的に処理される工程を含む。
結晶が水中で均質な分散を生じるように、マイクロおよびナノ結晶の表面を改質させる。化学的に改質した塊を酸加水分解した結果として、水に分散するナノ結晶を得ることができる。前処理および/または後処理のいずれかによって、新たな官能基が、化学反応で、マイクロおよびナノ結晶の表面に導入できる。言い換えれば、セルロース材料は、加水分解の前および/または後に改質することができる。水溶液におけるナノ結晶の良好な分散には、個別のセルロースナノ結晶間で静電反発力が必要である。例えば、疎水性の複合物において、強度をあたえるためにナノ結晶を使用するには、ナノ結晶の表面を、疎水性をもたらすべく改質させる。
本発明の方法において、気相へと気化し、室温でセルロース表面に吸着するような蒸気圧を有する酸が使用できる。例えば、以下の酸の1つが使用できる:塩酸(HCl)、硝酸(HNO)および/またはトリフルオロ酢酸。使用する酸の濃度は、少なくとも1体積%であり得る。
本発明の方法において、加水分解したセルロースは、水、または、ギ酸もしくは酢酸エチル等の好適な溶媒に分散できる。加水分解したセルロースは、機械的に分解できるが、これは、例えば、機械的撹拌および/または超音波処理を含み得る。
本発明のさらなる目的は、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を含む生成物である。本発明はまた、本発明の前記方法によって製造されるセルロース生成物、食品用途におけるその使用、ならびに光学、美容および医学的用途におけるその使用に関する。
気相において酸を使用することによって、環境に有害であり、また工業的規模で適用することが困難となり得るマイクロおよびナノ結晶セルロース材料を製造する工程のいくつかを回避することが可能である。気相での加水分解とセルロースの表面改質とにおいて、使用する水の量は、可能な限り少ない。従って、本発明の方法において、試料をすすぐための大量の水が必要とされず、酸の再生利用がより簡単で、精製のために使用する透析を省略できる。従って、材料の再生利用とその処理可能性とが改良される。加えて、加水分解速度は、室温および通常の大気圧で比較的高い。塩酸または硝酸等の気体状酸は、セルロースをマイクロおよび/またはナノ結晶へと分解する。塩酸の加水分解速度は、より高い気圧のため、硝酸の加水分解速度よりも高い。
開示される本発明の好ましい実施形態については、以下の発明の詳細な説明において記載している。
図面の簡単な説明
以下に、本発明のいくつかの好ましい実施形態が、添付の図面を参照することによって、より詳細に示される。
図1は、気体状の塩酸(HCl)の存在下、セルロースを加水分解する実験装置を示す。液体HClは、デシケーターの底に置かれている。セルロース材料、ここでは綿でできた濾紙は、気体状の塩酸の存在下、デシケーター内で加水分解される。 図2は、異なる塩酸濃度での分解率を示しており、LODP(LODP=レベルオフ重合度(level-off degree of polymerization))に達した時間を示している。 図3は、異なる塩酸濃度での時間の関数としての、セルロースの重合度(DP)の変化を示す。 図4Aは、気体状HClの存在下、綿セルロース(ワットマン1濾紙)のサンプルにおける、セルロースの重合度(DP)の推移を示す。図4Bは、HCl気体で加水分解し、ギ酸に分散した濾紙からできたセルロースナノ結晶の原子間力顕微鏡法(AFM)の5×5μmの画像を示す。 図5は、気体状HNOの存在下、綿セルロース(ワットマン1濾紙)のサンプルにおけるセルロースの重合度(DP)の推移を示す。液相の酸濃度は、7.7mol/lおよび15.4mol/lである。 図6は、基質(濾紙)が、最初に(A)3時間、35%のHCl蒸気で加水分解されるか、または(B)未処理のまま放置されるときの、セルロースの表面へのスルフェート基の付加を示す(55%のHSO、60℃、2時間)。 図7は、HClで加水分解し、ギ酸に分散した綿繊維のAMF画像を示す。(A)5×5μm、(B)2×2μm 図8は、HNOで加水分解し、ギ酸に分散した綿繊維のAMF画像を示す。(A)5×5μm、(B)2×2μm 図9は、酸蒸気で製造され、かつ、液体酸で製造されたときと同じ長さ(7nm)を有するナノ結晶が、ギ酸で分散することを示す透過電子顕微鏡(TEM)画像を示す。 図10は、HNOで加水分解し、かつ、酢酸エチルに分散した綿繊維のAMF画像を示す。
発明の詳細な説明
以下に、例示的な、好ましい実施形態および図面を参照しながら、本発明を、より詳細に説明する。
本発明は、気相での酸の存在下で、マイクロおよびナノ結晶セルロース材料を製造する方法に関する。本発明はまた、前記方法によって製造されるセルロース生成物、食品および液晶の用途におけるその使用、並びに光学、美容および医学的用途におけるその使用に関する。
本明細書および特許請求の範囲に使用する用語は、該分野において一般的にそれらに付された意味を有する。本明細書および特許請求の範囲に使用する以下の用語は、以下に定義する意味を有する。
「セルロース材料」という用語は、任意のセルロース原料源のことをいう。ほぼあらゆるタイプのセルロース原料が、下記に記載する通り、本発明の方法およびプロセスのためのセルロース材料として好適である。本発明において使用するセルロース材料は、木質系または非木質系材料から得ることができる。本発明においては、ケミカルパルプ、メカニカルパルプ、サーモメカニカルパルプまたはケミサーモメカニカルパルプ等のパルプを含むセルロース材料を使用することが可能である。セルロース材料は、セルロースを含む任意の植物材料に基づき得る。植物材料は、木質系または非木質系であり得る。木は、トウヒ、マツ、モミ、カラマツ、ダグラスモミもしくはツガ等の軟木、または、カバノキ、アスペン、ポプラ、ハンノキ、ユーカリもしくはアカシア等の堅木、または、軟木および堅木の混合物であり得る。非木質材料は、綿、トウモロコシ、小麦、オート麦、ライ麦、大麦、米、亜麻、麻、マニラ麻、サイザル麻、ジュート、ラミー、ケナフ、バガス、竹もしくは葦の、農業残物、草、または、わら、葉、樹皮、種子、殻、花、野菜もしくは果実等のその他の植物材料であり得る。セルロース材料は、セロファンであり得る。セルロースはまた、原索動物(尾索類または被嚢類)由来であり得る。
セルロース「ナノ結晶」(ウィスカー)は、結晶質セルロースのナノサイズのロッドである。ナノおよびマイクロ結晶セルロースは、それらの粒子サイズにおいて、互いに異なる。ナノ結晶は、単一のセルロース結晶(single cellulose crystals)であり、セルロース源に応じて、その幅は、天然セルロースミクロフィブリルの幅に対応し、約3〜10nm(例えば、綿セルロースでは、7nm)であり、その長さはミクロフィブリルにおける結晶質領域の長さに対応し、約50〜2000nm(例えば、綿セルロースでは、5nm〜300nm)である。マイクロ結晶セルロース粒子の直径は、数マイクロメーターまたは数十マイクロメーターである。原理的には、セルロースマイクロ結晶は、ナノ結晶粒子からなる、つまり、マイクロ結晶は、ナノ結晶の凝集体である。マイクロ結晶では、起こりやすい凝集を制御するまたは防ぐ必要がないので、マイクロ結晶は、ナノ結晶よりも製造しやすい。
科学文献においては、セルロースナノ結晶は、通常、セルロースナノ結晶、ナノ結晶セルロース、セルロースウィスカー、セルロースナノウィスカーと呼ばれている。より古い刊行物においては、ナノ結晶セルロースはまた、マイクロ結晶セルロースとも呼ばれてきた。
マイクロおよびナノ結晶の両方に関して、ミクロフィブリルの非結晶部分において酸加水分解が完了していることは、不可欠である。すべての非結晶部分が加水分解しているときに、LODP(レベルオフ重合度)点に達する。この後、酸加水分解は、重合度(DP)を、ごくわずかに、かつ、非常にゆっくりと低減させる。ナノ結晶セルロースの製造は、正確な反応窓(reaction window)を有する。マイクロ結晶セルロースの場合、安定した分散を達成することは望まれない。マイクロ結晶セルロースは、ろ過されなければならない。ナノ結晶セルロースは、透析を必要とする。
典型的には、ナノ結晶は、加水分解によって、約64重量%の液体硫酸中で製造される。反応は、10倍希釈で停止され、次いで、遠心分離、透析、イオン交換および超音波による分散を行う。HSOによる加水分解は、環境にやさしい方法ではない。該方法は、大量の水を必要とし、反応生成物を洗浄するとき、大量の廃水が生じる。高濃度の液体酸の使用もまた、再利用の問題を伴う:酸をマイクロおよびナノ結晶から洗い出す必要があるため、それは、相当希釈されて、完全に回収することができない。加えて、該方法は、非常に大変であり、また、硫酸が非常に腐食性であるため、予防措置が必要である。
酸加水分解の後、ナノ結晶の表面は、加水分解用の酸によっては荷電し得るか、または、ある程度中性であり得る。硫酸による酸加水分解は、負の電荷を帯びたスルフェート基(SO )をナノ結晶の表面へと導入する。気体状HClまたはHNOによる酸加水分解の後は、ナノ結晶の表面は中性であり、ナノ結晶は、凝集体を形成する傾向にある。表面改質なしでは、セルロースナノ結晶は、凝集する傾向を有する。精製後、中性セルロースナノ結晶は、強力な超音波処理を使って、ギ酸中で均質に分散できる。
セルロースナノ結晶は、使用する加水分解用の酸によって、主に中性である。セルロースナノ結晶は、エステル化、(気体状の塩化パルミトイルで行われる)パルミテート基の付加、または気体状トリフルオロ酢酸でのアセチル化によって、疎水性に改質することができる。
気体状の塩酸(HCl)によって、重合度が室温で低減するが、これは、マイクロおよびナノ結晶セルロース材料の形成には必要である。重合度の低減は、数時間で、好ましくは30分で起こり得る。マイクロおよびナノ結晶は、加水分解後の機械的な分解、例えば、機械的撹拌および/またはこれに続く超音波処理によって得られる。
気体状酸を使用することによって、環境に有害であり、また工業的規模で適用することが困難となり得るマイクロおよびナノ結晶セルロース材料を製造する工程のいくつかを回避することが可能である。試料をすすぐための大量の水が必要とされず、酸の再生利用がより簡単で、精製のために使用する透析を省略できる。従って、材料の再生利用とその処理可能性とが改良される。
セルロース繊維の表面には、薄い水の層があり、つまり、気体状酸が繊維表面に吸着するとき、高い局所濃度の酸が生じる。セルロースは、好ましくは乾燥しているが、完全には乾燥していない。セルロースの水分含量は、1%〜80%である。セルロースの水分含量は、好ましくは1%〜10%であり、より好ましくは2%〜9%であり、さらにより好ましくは3%〜8%、4%〜7%、または5%〜6%である。繊維表面上の水の絶対量が非常に小さいため、Hの局所濃度が高い。これにより、驚くほど高い分解率がもたらされる。
本発明の方法によって、乾式加水分解した(dry hydrolyzed)表面改質マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース基質を得ることができ、そこから、糖類(sugars)等の単糖およびオリゴ糖を、水を使って分離でき、セルロースを、機械的に分解できる。
本発明の一実施形態は、気相での酸の存在下、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を製造する方法を提供し、該方法は、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を得るために、セルロース材料が、気相での少なくとも1つの酸の存在下で加水分解され、セルロース材料の水分含量が1%〜80%であり、セルロース材料が表面改質され、加水分解したセルロース材料が機械的に処理される工程を含む。
本発明の方法は、水溶性の単糖およびオリゴ糖を、加水分解したセルロースから抽出によって分離できる工程を含み得る。単糖およびオリゴ糖は、例えば、グルコースおよびそのオリゴマー、アラビノース、キシロース、マンノース、ならびに、その他のヘミセルロースの壊変生成物を含み得る。単糖および/またはオリゴ糖、例えば、糖類(sugars)を、加水分解したセルロースから、抽出によって分離できる。糖類のTOCが決定され、それらは、HPLCによって分析され、最終的な残留酸の量が測定される。分離した糖類は、さらに発酵してエタノールになり得る。
セルロース材料の表面改質は、化学的または物理的改質であり得る。化学的改質は、例えば、セルロース分子のアセチル化反応、カルボキシメチル化反応、酸化反応、エステル化反応またはエーテル化反応に基づき得る。改質はまた、アニオン性薬剤、カチオン性薬剤もしくは非イオン性薬剤またはそれらの任意の組み合わせが、セルロースの表面へ物理的に吸着することによって実行できる。説明する改質は、セルロース材料の酸加水分解の前後またはその間に行うことができる。化学的改質は、例えば、TEMPO酸化、アセチル化および/またはカルボキシメチル化を含み得る。セルロース材料は、不安定な、化学的に改質したパルプまたはセルロース原料から構成され得る。
TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル)は、式(CH(CMENOの化合物である。それは、安定したラジカルであって、第一級アルコールが酸化してアルデヒドになるための触媒として使用される。TEMPO酸化において、カルボキシル基は、ナノ結晶の表面に導入され、そのため、それは、水に均質に分散する。N−オキシル媒介の酸化、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシド(TEMPO)では、非常に不安定なセルロース材料がもたらされることがある。
気体状HClによるカルボキシメチル化したパルプの酸加水分解は、ナノ結晶の表面に電荷を導入するため、それは、水に分散する。TEMPO酸化して、カルボキシメチル化したパルプは、HCl蒸気で加水分解し、その後、水または他の溶媒で分散するため、多くのプロセス工程が回避できる。
機械的処理は、機械的分解、例えば粉砕(grinding)、破砕(crushing)、分散、超音波処理または他の分解をいうが、これらに限定されない。機械的処理は、任意の公知の分解方法によって実行できる。機械的処理は、精製機、粉砕機(grinding machine)、ホモジナイザー、破砕機(crusher)、摩擦粉砕機、マイクロフリューダイザー、マクロフリューダイザーもしくはフリューダイザー型ホモジナイザー等のフリューダイザー、または超音波発生装置等の好適な装置によって実行できる。
本発明による方法は、好ましくは大気条件下、つまり、通常の大気および常圧で、実行される。該方法は、0℃〜100℃の温度で実行でき、該温度は、好ましくは10℃〜40℃、より好ましくは15℃〜35℃、最も好ましくは18℃〜22℃である。該温度は、例えば、室温である。
本発明によれば、該方法は、気相での少なくとも1つの酸を使用する。本発明において使用する気体の蒸気圧は、酸がセルロース表面に吸着するように、室温で気化するようなものである。例えば、以下のうち1つが、酸として使用できる:塩酸、硝酸および/またはトリフルオロ酢酸。酸の濃度は、少なくとも1体積%であり得る。気相での酸の濃度は、好ましくは2%〜99体積%、例えば15体積%、38体積%、または68体積%である。
酸/水の混合物、例えば、HCl/水の混合物の自然蒸気圧は、HClを蒸気相へと気化するのに十分に高いため、本発明の方法において利用できる、つまり、別途反応を必要としない。その結果、HClはまた、別途空気と混ぜることなく、かつ、機械的な流れなくして、セルロース基質へと移すことができる。
疎水基が、マイクロおよび/またはナノ結晶の表面に導入されているため、トルエンまたはクロロホルム等の疎水性の溶媒でのナノ結晶の分散が可能である。
本発明の好ましい実施形態において、出発物質として使用するセルロース材料は、加水分解の前に改質および/または処理される。さらに、または、代替的には、加水分解したセルロースを、加水分解の後に改質および/または処理できる。前処理および後処理は、分散に貢献することができ、かつ/または、ナノ結晶の異なる応用を可能にする。加水分解の前後の処理の例には、疎水化、TEMPO媒介の酸化およびカルボキシメチル化が含まれる。
加水分解したセルロースを、該技術分野において知られる好適な分散プロセスを使って分散できる。機械的分散プロセスも、本発明の方法において使用できる。セルロース材料を分散できる溶媒の例には、ギ酸および酢酸エチルが含まれる。HClで加水分解したセルロースを、セルロースナノ結晶が粉末へと精製された後、強力な超音波処理を使って、ギ酸に分散できる。硝酸で加水分解したセルロース材料を、精製後、強力な超音波処理を使って、ギ酸に分散できる。
気相でのHClは、TEMPO酸化したパルプをセルロースナノ結晶へと加水分解する。これは、TEMPO酸化によってナノ結晶の表面にカルボキシル基が付加されることによるものであり、そうして水または他の溶媒に均質に分散する。気相でのHClは、カルボキシメチル化したパルプをセルロースナノ結晶へと加水分解し、ナノ結晶の表面に電荷を生じさせ、水または他の溶媒での分散に貢献する。
本発明の方法は、数時間、好ましくは、例えば、30分で、実行できる。
加水分解し、分解したセルロースの粘度が測定される。また、以下の分析ツールが、本発明の方法において使用できる:クエン粘度(Cuen viscosity)、ゲル浸透クロマトグラフィー、およびCCOA法。
本発明の目的はまた、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロースを含む生成物である。本発明はまた、前記方法によって製造されるセルロース生成物、食品および液晶の用途におけるその使用、ならびに光学、美容および医学的用途におけるその使用とに関する。加えて、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロースを、例えば、以下の用途において使用できる:堅木フローリングの水性ワニス、証券用紙の玉虫色のNCCフィルム(iridescent NCC films in security papers)、建築用用途およびポリマー補強材。
以下の実施例は、本発明をさらに説明するために示されていて、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでない。本明細書に鑑みて、当業者は、気相での酸の存在下、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を製造するための多くの異なるやり方で、本発明を修正することができるであろう。
実施例1
綿セルロースの酸加水分解
綿セルロースの濾紙シート(ワットマン1タイプ、固形分は約95%)を、底に少量の液体塩酸(HCl)を有するデシケーター内に置いた。試験条件は、通常の大気圧(normal air pressure)および室温を含んだ。使用した酸は、20%、25%、30%および37%の液体酸にそれぞれ対応して、気相において、2.1%、15%、68%および99%のHClであった。表1は、対応する液体塩酸に照らした、気体状の塩酸の濃度を示す。
実験装置が、図1において示されている。液体HClの自然蒸気圧は、HClを室温で気相へと気化し、綿セルロースであるセルロース基質へとHClを移すのに十分高かった。
結果は、例えば、以下の方法によって分析できる:
クエン粘度:DPv、
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC):DPおよびDP
CCOA法(カルバゾール−9−カルボン酸[2−(2−アミノオキシエトキシ)エトキシ]アミド):カルボニル基の量。
CCOA測定は、気体状HClの加水分解中に、系中でセルロースの酸化が起こらなかったことを示した。
図2は、20%、25%、30%、および37%の液体塩酸に対応する2.1%、15%、68%、および99%の気体状の塩酸を使用したときの酸加水分解の結果を示す。塩酸の濃度が室温で上がったときには、LODP点により速く達した。LODP値が100を超えたとき、ナノ結晶セルロースは形成された。
表2は、異なる酸濃度での加水分解時間、粘度、およびDPを示す。
実施例2
気相での、HClおよびHNOによるセルロースナノ結晶の酸加水分解
通常の大気圧および室温で、真空デシケーター内で加水分解を行った。液体塩酸、HCl(35%)または硝酸、HNO(65%)を、デシケーターの底に置き、蒸発するにまかせた。6〜12時間にわたってデシケーターバルブを繰り返し開閉することによって、酸/蒸気の混合物による過剰空気の入れ替えをできるようにした。35重量%のHClによりナノ結晶を得るために必要な加水分解時間は、3時間であった。15.5mol/lのHNOを使用したときは、ナノ結晶は24時間で形成された(図4および5)。
加水分解した濾紙へのスルフェート基の付加を、55%のHSOで、60℃で2時間行った。こうして、セルロースナノ結晶が、HCl酸加水分解および気体状硝酸によって得られることが実証された。図6Aの原子間力顕微鏡法(AMF)画像は、気体状HClで加水分解した(35%、3時間)セルロース基質にスルフェート基を付加すると、ナノ結晶の安定した分散を得ることが可能であることを示している。気相での酸で前加水分解を行わないとき、ナノ結晶は観察されたが、より少なく、さらに、その硫酸化は不十分であることが、図6Bにおいて実証されている。
実施例3
HClおよびHNO加水分解によって得られたナノ結晶のギ酸中の分散
実施例2の通り、綿繊維の加水分解を行った。HCl(g)およびHNO(g)の加水分解の後、濾紙をウィリーミル(Wiley mill)内で粉末へと精製した。その後、粉末を、超音波浴を使用することによって、85%のギ酸に分散させた(1g/l 分散液)(図7および8)。酸蒸気で製造され、かつ、液体酸で製造された時と同じ長さ(7nm)を有するナノ結晶を、ギ酸に分散させた(図9)。
実施例4
HNO加水分解によって得られたナノ結晶の酢酸エチル中の分散
実施例2の通り、綿繊維の加水分解を実行した。HNO加水分解の後、ウィリーミル内で濾紙を粉末へと精製した。その後、超音波浴を使って、粉末を酢酸エチルに分散させた(1g/l 分散液)(図10)。
実施例5
TEMPOパルプの酸加水分解
通常の大気圧で、室温にて、真空デシケーター内でTEMPOパルプの加水分解を行った。液体塩酸をデシケーターの底に置き、蒸発するにまかせた。6〜12時間にわたってデシケーターバルブを繰り返し開閉することによって、酸/蒸気の混合物による過剰空気の入れ替えをできるようにした。加水分解の後、TEMPOパルプをナノ結晶へと分解した。該ナノ結晶は、超音波浴によって水に分散する。
実施例6
カルボキシメチル化したパルプの加水分解
通常の大気圧で、室温にて、真空デシケーター内でカルボキシメチル化したパルプの加水分解を行った。液体HClをデシケーターの底に置き、蒸発するにまかせた。6〜12時間にわたってデシケーターバルブを繰り返し開閉することによって、酸/蒸気の混合物による過剰空気の入れ替えをできるようにした。加水分解の後、カルボキシメチル化したパルプをナノ結晶へと分解した。該ナノ結晶は、超音波浴によって水に分散する。
実施例7
疎水化
以下の処理が加水分解後に実行される、つまり、LOPD値が気相での酸によって得られるときに、これらが実行される。
1.気相での表面のエステル化
2.試薬としての塩化パルミトイルによるパルミテート基の付加
パルミテート基の付加は、試薬としての塩化パルミトイルにより行われる。反応は開放した容器内で行われるが、該容器内では、液体塩化パルミトイルが底にあり、加水分解セルロース基質が、その液体の上の格子(grate)に置かれる。容器は真空オーブン内に置かれ、160〜190℃で、100ミリバールの圧力で、2〜6時間、反応が生じさせられる。
3.気体状トリフルオロ酢酸無水物によるアセチル化
トリフルオロ酢酸無水物(TFAA)の高い蒸気圧のため、例えば、真空ポンプが真空デシケーターに取り付けられている場合、反応を、室温にて、陰圧で行うことができる。24時間の反応時間は、任意のセルロース基質の表面を改質するためには十分である。
技術が進歩するため、本発明の基本原理をいくつかの異なるやり方で実施し得ることは、当業者にとって明らかである。従って、本発明と、その実施形態は、上述の実施例に限定されず、特許請求の範囲内で変化し得る。

Claims (17)

  1. 気相での酸の存在下におけるマイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料の製造方法であって、マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を得るために、セルロース材料が、気相での少なくとも1つの酸の存在下で加水分解され、セルロース材料の水分含量は1%〜80%であり、セルロース材料が表面改質され、加水分解したセルロース材料が、機械的に処理される工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 水溶性の単糖およびオリゴ糖が、加水分解したセルロース材料から分離される工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 表面改質が、化学的改質であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 化学的改質が、TEMPO酸化、アセチル化および/またはカルボキシメチル化を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. セルロース材料が、加水分解前に改質されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. セルロース材料が、加水分解後に改質されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 使用する酸の蒸気圧が、酸が室温で気相へ気化して、セルロース材料の表面に吸着するようなものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 以下のうち1つ:塩酸、硝酸および/またはトリフルオロ酢酸が酸として使用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 気相での酸の濃度が、少なくとも1体積%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 加水分解したセルロース材料が、機械的に分解されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 機械的分解が、機械的撹拌および/または超音波処理を含むことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 通常の大気圧で実行されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 温度0℃〜100℃、好ましくは10℃〜40℃、より好ましくは15℃〜35℃、より好ましくは18℃〜22℃、最も好ましくは室温で実行されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. マイクロおよび/またはナノ結晶セルロース材料を含む生成物であって、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法で製造されていることを特徴とする生成物。
  15. 補強剤または充填剤としての請求項14に記載の生成物の使用。
  16. 光学および液晶用途における請求項14に記載の生成物の使用。
  17. 食品、美容または医学的用途における請求項14に記載の生成物の使用。
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