JP2014511693A - 非特異的活性が低下したSso7ポリメラーゼコンジュゲート - Google Patents

非特異的活性が低下したSso7ポリメラーゼコンジュゲート Download PDF

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Abstract

改善されたSso7-ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を提供する。本発明は、ポリメラーゼに連結されたSso7ドメインを含むSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質であって、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸がリジン(K)ではなく; かつ/またはSEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸がアルギニン(R)ではない、Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を提供し、ここで、該コンジュゲートタンパク質は、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸がリジン(K)でありかつSEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸がアルギニン(R)であること以外は同一である対照コンジュゲートタンパク質と比べて、低下した非特異的増幅活性を有する。

Description

関連特許出願の相互参照
本出願は、2011年4月8日付で出願された米国仮特許出願第61/473,682号および2011年6月22日付で出願された米国仮特許出願第61/499,873号の優先権の恩典を主張し、各出願は参照により組み入れられる。
発明の背景
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような核酸増幅反応は一般に、標的核酸の別々の相補鎖を過剰の二種類のオリゴヌクレオチドプライマーで処理することによって所望の核酸配列が増幅される鋳型依存的な反応である。プライマーは伸長して相補的なプライマー伸長産物を形成し、これが所望の核酸配列を合成するための鋳型として働く。そのような過程で、各DNA鎖上のプライマー間の核酸配列が選択的に増幅される。
ポリメラーゼの活性は、この酵素またはその触媒ドメインに、配列非特異的二本鎖核酸結合ドメインを連結させることで改善されうる(例えば、国際公開公報第0192501号(特許文献1)参照)。そのような修飾ポリメラーゼは非修飾酵素と比べて処理能力の増大を示す。
国際公開公報第0192501号
本発明は、ポリメラーゼに連結されたSso7ドメインを含むSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質であって、
SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸がリジン(K)ではなく; かつ/または
SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸がアルギニン(R)ではない、
Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を提供し、ここで、該コンジュゲートタンパク質は、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸がリジン(K)でありかつSEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸がアルギニン(R)であること以外は同一である対照コンジュゲートタンパク質と比べて、低下した非特異的増幅活性を有する。
いくつかの態様において、Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質の非特異的増幅活性は、対照コンジュゲートタンパク質の非特異的増幅活性と比べて少なくとも10%低減している。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、リジン(K)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、セリン(S)、トレオニン(T)、シトシン(cytosine)(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アルギニン(R)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アラニン(A)、シトシン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびプロリン(P)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、ポリメラーゼは、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠いている。
いくつかの態様において、Sso7ドメインは、SEQ ID NO:2の最初の58個もしくは60個のアミノ酸とまたはSEQ ID NO:2の全長と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である。いくつかの態様において、Sso7ドメインは、SEQ ID NO:2と少なくとも90%同一である。
いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61を含む。
いくつかの態様において、ポリメラーゼドメインは、熱安定性ポリメラーゼ活性を有する。いくつかの態様において、ポリメラーゼドメインは、ファミリーAポリメラーゼドメインである。いくつかの態様において、ポリメラーゼドメインは、ΔTaqポリメラーゼドメインである。
いくつかの態様において、ポリメラーゼドメインは、ファミリーBポリメラーゼドメインである。いくつかの態様において、ポリメラーゼドメインは、パイロコッカス属(Pyrococcus)由来である。
本発明はまた、上記のまたは本明細書の他の箇所に記述のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を含む反応混合物を提供する。いくつかの態様において、キットは、一つもしくは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、一つもしくは複数の検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、緩衝液、ヌクレオシド三リン酸(dNTP)、塩、DNA結合色素、または安定剤のうちの少なくとも一つをさらに含む。
本発明はまた、上記のまたは本明細書の他の箇所に記述のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を含むキットを提供する。いくつかの態様において、キットは、コンジュゲートタンパク質を含有する容器と同じまたは異なる容器の中に、一つもしくは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、一つもしくは複数の検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、緩衝液、ヌクレオシド三リン酸(dNTP)、塩、または安定剤のうちの少なくとも一つをさらに含む。
いくつかの態様において、組成物は、20℃〜37℃の場合に1℃あたり0.027 pH単位未満の変化を(0.1 Mの濃度で測定した場合に)有する緩衝液を含む。いくつかの態様において、緩衝液は、HEPES、ACES、PIPES、MOPSO、BES、MOPS、TES、TAPSO、POPSO、BICINE、TAPS、およびAMPSOからなる群より選択される。
本発明はまた、サンプル中の標的核酸を増幅する方法を提供する。いくつかの態様において、本方法は、
a. 少なくとも一つのプライマー; および
b. 上記のまたは本明細書の他の箇所に記述のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質
を含む反応混合物中で、標的核酸を、該プライマーによる該標的核酸の増幅を可能とする条件の下でインキュベートし、それによって該標的核酸を増幅させる段階
を含む。
いくつかの態様において、本方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む。
本発明はまた、上記のまたは本明細書の他の箇所に記述のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を提供する。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、リジン(K)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、セリン(S)、トレオニン(T)、シトシン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アルギニン(R)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アラニン(A)、シトシン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびプロリン(P)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、ポリメラーゼは、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠いている。
いくつかの態様において、Sso7ドメインは、SEQ ID NO:2の最初の58個もしくは60個のアミノ酸とまたはSEQ ID NO:2の全長と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である。いくつかの態様において、Sso7ドメインは、SEQ ID NO:2と少なくとも90%同一である。
いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61を含む。
本発明はまた、上記のまたは本明細書の他の箇所に記述のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターを含む組換え発現カセットを含む細胞を提供する。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、リジン(K)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、セリン(S)、トレオニン(T)、シトシン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アルギニン(R)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アラニン(A)、シトシン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびプロリン(P)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、ポリメラーゼは、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠いている。
いくつかの態様において、Sso7ドメインは、SEQ ID NO:2の最初の58個もしくは60個のアミノ酸とまたはSEQ ID NO:2の全長と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である。いくつかの態様において、Sso7ドメインは、SEQ ID NO:2と少なくとも90%同一である。
いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61を含む。
さまざまなSso7アミノ酸配列(それぞれSEQ ID NO:2、3、6、4および5)の整列。
定義
別段の定義がない限り、本明細書において用いられる全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野において当業者が通常理解するのと同じ意味を一般に有する。一般的に、本明細書において用いられる専門用語ならびに以下に記述される細胞培養、分子遺伝学、有機化学、核酸化学、およびハイブリダイゼーションにおける実験手順は、当技術分野において周知とされ通常利用されるものである。核酸およびペプチド合成には標準的な技術が用いられる。その技術および手順は、当技術分野における従来の方法、および本書の全体にわたって示される各種一般的な参考文献(一般的に、Sambrook et al. MOLECULAR CLONING: A LABORATORY MANUAL, 2d ed. (1989) Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.を参照されたく、これは参照により本明細書に組み入れられる)に従って一般に行われる。本明細書において用いられる専門用語ならびに以下に記述される分析化学および有機合成における実験手順は、当技術分野において周知とされ通常利用されるものである。
「Sso7」または「Sso7 DNA結合ドメイン」または「Sso7様DNA結合ドメイン」または「Sso7ドメイン」という用語は、(1) SEQ ID NO:2に対する約60%超のアミノ酸配列同一性、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%もしくは99%またはそれ以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を有する; (2) ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の下で、SEQ ID NO:1のSso7d核酸配列およびその保存的に改変された変種と特異的にハイブリダイズする; あるいは(3) SEQ ID NO:1に対する約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%超のまたはそれ以上のヌクレオチド配列同一性を有する核酸配列を有する、核酸およびポリペプチド多型変種、対立遺伝子、変異体、ならびに種間相同体をいう。この用語には、全長Sso7dポリペプチド、および配列非特異的二本鎖結合活性を有するポリペプチドの断片の両方が含まれる。Sso7様タンパク質は、Sso7d、Sac7dおよびSac7eを含むが、これらに限定されることはない。
「ドメイン」は、その単位が定義された機能を持つような、ポリペプチド部分配列、完全ポリペプチド配列または複数のポリペプチド配列を含む、タンパク質またはタンパク質複合体の単位をいう。この機能は広く定義されるものと理解されており、これはリガンド結合、触媒活性であってもよく、またはタンパク質の構造に対して安定化効果をもたらしてもよい。
「異種」とは、タンパク質の一部分に関連して用いられる場合、タンパク質が、自然下では相互にそれと同じ関係では見だされない二つまたはそれ以上のドメインを含むことを示す。このようなタンパク質、例えば、融合タンパク質は、新たな機能性タンパク質を生じるように配置された、関連のないタンパク質に由来する二つまたはそれ以上のドメインを含む。
「連結する」とは、介在ドメインを伴うまたは伴わない組換え融合、インテインを介した融合、非共有性結合、およびジスルフィド結合を含む共有結合; 水素結合; 静電結合; ならびにコンフォメーション結合、例えば、抗体-抗原会合およびビオチン-アビジン会合を含むが、これらに限定されない、タンパク質ドメインを機能的に接続するための当技術分野において公知の任意の方法をいう。
本明細書において用いられる「熱安定性ポリメラーゼ」は、DNAまたはRNAを鋳型として用いたヌクレオチド鎖へのヌクレオチド単位の付加によるポリヌクレオチド合成を触媒し、かつ45℃超の温度で最適な活性を有する任意の酵素をいう。
「サーマスポリメラーゼ」とは、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)、サーマス・ブロキアナス(Thermus brockianus)、およびサーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)を含むがこれらに限定されない、任意のサーマス属種から単離されたファミリーA DNAポリメラーゼ; サーマス属種に由来する任意の組換えポリメラーゼ、ならびに遺伝子改変もしくは化学的修飾または当技術分野において公知の他の方法によって誘導されたのであろうとなかろうと、任意のその機能的誘導体をいう。
「増幅反応」という用語は、核酸の標的配列のコピーを増やすための任意のインビトロ手段をいう。そのような方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、DNAリガーゼ連鎖反応(米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号; PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (Innis et al., eds, 1990)を参照のこと)、(LCR)、QβRNAレプリカーゼ、およびRNA転写に基づく(TASおよび3SRなどの)増幅反応、ならびに当業者に公知の他の方法を含むが、これらに限定されることはない。
「増幅すること」とは、反応構成要素の全てが完全である場合に、溶液を、ポリヌクレオチドの増幅を可能とするのに十分な条件に供することをいう。増幅反応の構成要素には、例えば、プライマー、ポリヌクレオチド鋳型、ポリメラーゼ、ヌクレオチドなどが含まれる。「増幅すること」という用語は、典型的には、標的核酸の「指数関数的」増加をいう。しかしながら、本明細書において用いられる「増幅すること」とは、サイクル配列決定で得られるような、核酸の選択標的配列の数の直線的増加をいうこともできる。
「増幅反応混合物」という用語は、標的核酸を増幅するために用いられるさまざまな試薬を含む水溶液をいう。これらには、酵素、水性緩衝液、塩、増幅プライマー、標的核酸、およびヌクレオシド三リン酸が含まれる。本明細書においてさらに論じられるように、増幅反応混合物は、効率および特異性を最適化するために安定剤および他の添加物をさらに含んでもよい。状況に応じて、混合物は完全または不完全な増幅反応混合物のいずれかであってよい。
「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」は、標的二本鎖DNAの特定のセグメントまたは部分配列が等比級数的に増幅される方法をいう。PCRは当業者に周知であり; 例えば、米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号; ならびにPCR Protocols: A Guide to Methods and Applications, Innis et al., eds, 1990を参照されたい。例示的なPCR反応条件は、典型的には、2段階サイクルまたは3段階サイクルのいずれかを含む。2段階サイクルでは変性段階、その後にハイブリダイゼーション/伸長段階がある。3段階サイクルでは変性段階、その後にハイブリダイゼーション段階、その後に別個の伸長段階を含む。
核酸増幅に関して用いられる「特異性」という用語は、非特異的増幅産物と比べて特異的増幅産物を産生する核酸増幅反応の可能性をいう。「特異的増幅産物」は、正しく一致したプライマーと鋳型による増幅で産生されたポリヌクレオチド(すなわち、真の標的配列)をいう。「非特異的増幅産物」は、不一致のプライマーと鋳型による増幅で産生されたポリヌクレオチドをいう。
核酸増幅に関して用いられる「特異性を改善する」または「特異性を改善すること」という語句は、産生された非特異的増幅産物の量と比べて、核酸増幅で産生された特異的増幅産物の量の検出可能な増加をいう。増幅反応の特異性は、融解曲線分析またはゲル分析を含むがこれらに限定されない、任意の方法によって測定することができる。いくつかの態様において、核酸増幅反応の特異性は、一方が、予想されるTmを持つ特異的産物であり、他方が、特異的産物のTmよりも低いまたは高いTmを持つ非特異的産物である、二つの産物の相対収率を比較することによって判定される。本明細書において記述されるK28および/またはR43変異を持つSso7ドメインを有するSso7-ポリメラーゼコンジュゲートを含んだ反応混合物での増幅反応の非特異的産物と比べた特異的産物の相対収率(すなわち、非特異的産物の融解ピークの高さと比べた特異的産物の融解ピークの高さにより測定される収量の比率)は、野生型Sso7ドメインを持つ対照ポリメラーゼを有する反応混合物での非特異的産物と比べた特異的産物の相対収率よりも高い。いくつかの態様において、本明細書において記述されるK28および/またはR43変異を持つSso7ドメインを有するSso7-ポリメラーゼコンジュゲートは、野生型Sso7ドメインを有する対照ポリメラーゼでの反応と比べて前記比率が少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、100%、2倍(200%)、2.5倍(250%)、3倍(300%)またはそれ以上増加した、改善された増幅特異性を有する。
「プライマー」とは、標的核酸の配列とハイブリダイズし、核酸合成の開始点となるポリヌクレオチド配列をいう。プライマーは種々の長さであってよく、多くの場合、長さが50ヌクレオチド未満、例えば、長さが12〜30ヌクレオチドである。PCRで用いるプライマーの長さおよび配列は、当業者に公知の原理に基づいてデザインすることができ、例えば、Innis et al., 前記を参照されたい。
「鋳型」とは、プライマーハイブリダイゼーション部位によって挟まれた、増幅されるポリヌクレオチドを含むポリヌクレオチド配列をいう。したがって、「標的鋳型」は、5'プライマーおよび3'プライマーのハイブリダイゼーション部位によって挟まれた標的ポリヌクレオチド配列を含む。
本明細書において用いられる場合、「核酸」とは、DNA、RNA、一本鎖の、二本鎖の、またはより高度に凝集したハイブリダイゼーションモチーフ、およびその任意の化学的修飾物を意味する。修飾には、核酸リガンド塩基に、または全体としての核酸リガンドに、さらなる電荷、分極率、水素結合、静電相互作用、付着点および官能性を取り込む化学基を提供するものが含まれるが、これらに限定されることはない。このような修飾には、ペプチド核酸(PNA)、ホスホジエステル基修飾(例えば、ホスホロチオエート、メチルホスホネート)、2'位糖修飾、5位ピリミジン修飾、8位プリン修飾、環外アミンでの修飾、4-チオウリジンの置換、5-ブロモまたは5-ヨード-ウラシルの置換; 主鎖修飾、メチル化、イソ塩基であるイソシチジンおよびイソグアニジンなどの異常な塩基対合の組み合わせなどが含まれるが、これらに限定されることはない。核酸は、例えば、ニトロインドールなどの、非天然塩基を含むこともできる。修飾は、フルオロフォア(例えば、量子ドット)または別の成分(moiety)を用いたキャッピングなどの3'および5'修飾を含むこともできる。
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、アミノ酸残基の重合体をいうように本明細書において互換的に用いられる。この用語は天然アミノ酸重合体および非天然アミノ酸重合体ばかりでなく、一つまたは複数のアミノ酸残基が、対応する天然アミノ酸の人工的な化学模倣体であるアミノ酸重合体に当てはまる。
「アミノ酸」という用語は、天然および合成アミノ酸、ならびに天然アミノ酸と類似の様式で機能するアミノ酸類似体およびアミノ酸模倣体をいう。天然アミノ酸とは遺伝暗号によってコードされるアミノ酸、ならびにヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸およびO-ホスホセリンといった後に修飾されるアミノ酸である。アミノ酸類似体とは、例えばホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムといった、天然アミノ酸と同じ基本化学構造、すなわち水素原子、カルボキシル基、アミノ基およびR基に結合している炭素原子を有する化合物をいう。そのような類似体は修飾されたR基(例えばノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然アミノ酸と同じ基本化学構造を保持する。アミノ酸模倣体はアミノ酸の一般的化学構造とは異なる構造を有する化合物をいうが、天然アミノ酸と類似の様式で機能する。
アミノ酸は、本明細書において、IUPAC-IUB生化学命名法委員会の推奨する一般に知られている3文字記号または1文字記号によって言及することができる。同様に、ヌクレオチドは、一般に是認されている1文字表記によって言及することができる。
「保存的に改変された変種」は、アミノ酸配列にも核酸配列にも当てはまる。特定の核酸配列に関して、保存的に改変された変種とは、同一または本質的に同一のアミノ酸配列をコードする核酸をいい、または、核酸がアミノ酸配列をコードしない場合には本質的に同一の配列をいう。遺伝暗号の縮重により、数多くの機能的に同一の核酸が所与のタンパク質をコードする。例えば、コドンGCA、GCC、GCGおよびGCUは全て、アミノ酸のアラニンをコードする。このため、コドンによってアラニンが指定されるあらゆる位置で、コードされるポリペプチドを変化させずに、そのコドンを対応する上記のコドンのいずれかに変化させることができる。そのような核酸の変化は「サイレント変化」であり、これは保存的に改変された変種の一種である。ポリペプチドをコードする本明細書のあらゆる核酸配列は、核酸のあらゆる可能なサイレント変化も表す。当業者は、核酸内の各コドン(通常メチオニンに対する唯一のコドンであるAUGおよび通常トリプトファンに対する唯一のコドンであるTGGを除く)を改変して、機能的に同一の分子を産生できることを認識するであろう。したがって、ポリペプチドをコードする核酸の各サイレント変化が、記述されている各配列において暗に意味されている。
アミノ酸配列に関して、コードされる配列内の単一アミノ酸またはほんの小数のアミノ酸を変化、付加または欠失させる核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質配列への個々の置換、欠失または付加が、その変化によって化学的に類似したアミノ酸によるアミノ酸の置換を生じる場合に「保存的に改変された変種」であることを、当業者は認識するであろう。機能的に類似したアミノ酸をもたらす保存的置換の表は、当技術分野において周知である。そのような保存的に改変された変種は、本発明の多型変種、種間相同体、および対立遺伝子に追加されるものであり、これらを排除するものではない。
「コードする」という用語は、一つまたは複数のアミノ酸をコードするポリヌクレオチド配列をいう。この用語は開始コドンまたは停止コドンを要しない。アミノ酸配列は、ポリヌクレオチド配列がもたらす6つの異なるリーディングフレームのいずれか一つにコードされうる。
「プロモーター」という用語は、転写の開始場所から上流および/または下流に位置する領域または配列をいい、これは転写を開始するためのRNAポリメラーゼおよび他のタンパク質の認識および結合に関わる。
「ベクター」は、宿主染色体に依存していないが、宿主生物中で複製ができるポリヌクレオチドをいう。好ましいベクターはプラスミドを含み、典型的には、複製起点を有する。ベクターは、例えば、転写および翻訳終結因子、転写および翻訳開始配列、ならびに特定の核酸の発現の調節に有用なプロモーターを含むことができる。
「組換え」とは、ヒトにより操作されたポリヌクレオチドまたはヒトにより操作されたポリヌクレオチドのコピーもしくは相補体をいう。例えば、第二のポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターを含む組換え発現カセットは、発現カセットを含む単離核酸のヒトによる操作(例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning - A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, N.Y., (1989)またはCurrent Protocols in Molecular Biology Volumes 1-3, John Wiley & Sons, Inc. (1994-1998)に記述されている方法による)の結果として第二のポリヌクレオチドに対して異種であるプロモーターを含むことができる。別の例において、組換え発現カセットは、ポリヌクレオチドが、自然界に見られる可能性が極端に低くなるように組み合わされたポリヌクレオチドを含むことができる。例えば、ヒトにより操作された制限部位またはプラスミドベクター配列は、第二のポリヌクレオチド由来のプロモーターに隣接していてもよく、またはそれとは離れていてもよい。当業者は、ポリヌクレオチドは多くの方法で操作されうること、および上記の例に限定されないことを認識するであろう。
「ポリメラーゼ」は、ポリヌクレオチド、例えばDNAおよび/またはRNAの鋳型指向性合成を行う酵素をいう。この用語には、完全長ポリペプチド、およびポリメラーゼ活性を有するドメインの両方が包含される。パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)およびサーモトガ・マリチマ(Thermotoga maritime)から単離されたもしくはそれらに由来するDNAポリメラーゼ、またはその修飾型を含むが、これらに限定されない、DNAポリメラーゼが当業者に周知である。それらはDNA依存性ポリメラーゼ、および逆転写酵素などのRNA依存性ポリメラーゼの両方を含む。DNA依存性DNAポリメラーゼは少なくとも5つのファミリーが知られているが、ほとんどはファミリーA、BおよびCに分類される。異なるファミリー間には配列類似性はほとんどまたは全くない。ほとんどのファミリーAポリメラーゼは、ポリメラーゼ活性、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性および5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を含む複数の酵素機能を含みうる一本鎖タンパク質である。ファミリーBポリメラーゼは典型的には、ポリメラーゼ活性および3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を持つ単一の触媒ドメイン、ならびにアクセサリー因子を有する。ファミリーCポリメラーゼは典型的には、重合活性および3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を持つ多サブユニットタンパク質である。大腸菌(E. coli)では、3種類のDNAポリメラーゼ、つまりDNAポリメラーゼI (ファミリーA)、II (ファミリーB)およびIII (ファミリーC)が見つかっている。真核生物細胞では、3種類の異なるファミリーBポリメラーゼであるDNAポリメラーゼα、δおよびεが核複製に関与しており、ファミリーAポリメラーゼの1つであるポリメラーゼγがミトコンドリアDNAの複製に用いられる。他の種類のDNAポリメラーゼはファージポリメラーゼを含む。同様に、RNAポリメラーゼは典型的には、真核生物RNAポリメラーゼI、IIおよびIII、ならびに細菌RNAポリメラーゼのほかに、ファージおよびウイルスのポリメラーゼも含む。RNAポリメラーゼはDNA依存性でもRNA依存性でもありうる。
2つの核酸配列またはポリペプチドは、以下に記述されるように最大の対応関係が得られるように整列を行った場合、2つの配列における、それぞれ、ヌクレオチドまたはアミノ酸残基の配列が同じなら「同一である」と言われる。二つまたはそれ以上の核酸またはポリペプチド配列についての文脈で「同一の」または「同一性」割合という用語は、一定の比較ウィンドウにわたって最大の対応関係が得られるように比較および整列を行った場合、以下の配列比較アルゴリズムの一つを用いてもしくは手作業による整列および目視検査によって測定したときに、同じものである、または同じものであるアミノ酸残基もしくはヌクレオチドの指定の割合を持つ、二つまたはそれ以上の配列または部分配列をいう。配列同一性の割合がタンパク質またはペプチドに関して用いられる場合、同一でない残基位置は多くの場合、アミノ酸残基が類似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を持つ他のアミノ酸残基に置換され、それゆえ分子の機能的特性を変化させない保存的アミノ酸置換によって、異なるものであると認識される。配列が保存的置換で異なる場合、配列同一性の割合は置換の保存的性質を補正するよう高めへと調整されうる。この調整を行うための手段は当業者に周知である。典型的には、これは保存的置換を完全な不一致ではなく部分的な不一致としてスコア化することを伴い、それによって配列同一性の割合を高めている。したがって、例えば、同一のアミノ酸に1のスコアが与えられ、非保存的置換にゼロのスコアが与えられる場合、保存的置換にはゼロと1の間のスコアが与えられる。保存的置換のスコアリングは、例えばMeyers & Millerのアルゴリズム、Computer Applic. Biol. Sci. 4:11-17 (1988)に従って、例えば、プログラムPC/GENE (Intelligenetics, Mountain View, Calif., USA)において実施されるように計算される。
配列は、比較ウィンドウ、すなわち以下の配列比較アルゴリズムの一つを用いてもしくは手作業による整列および目視検査によって測定される指定領域にわたり、最大の対応関係が得られるように比較および整列を行ったときに、同じであるヌクレオチドまたはアミノ酸残基の指定の割合(例えば、特定領域にわたる少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の同一性)を有するなら、それらの配列は互いに「実質的に同一」である。
配列比較の場合、典型的には、ある配列が参照配列となり、これと被験配列とを比較する。配列比較アルゴリズムを用いる場合、被験配列および参照配列をコンピュータに入力し、必要に応じて、部分配列の座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムのパラメータを指定する。デフォルトのプログラムパラメータが用いられてもよく、または別のパラメータが指定されてもよい。次に、プログラムのパラメータに基づき、参照配列に対する被験配列の配列同一性の割合を配列比較アルゴリズムで計算する。
本明細書において用いられる「比較ウィンドウ」は、二つの配列を最適に整列させた後に、ある配列が同数の連続位置の参照配列と比較されうるような、20〜600個、通常は約50〜約200個、より通常は約100〜約150個からなる群より選択される数の連続位置のいずれか一つのセグメントに対する言及を含む。比較のための配列の整列の方法は当技術分野において周知である。比較のための配列の最適な整列は、例えば、Smith & Waterman, Adv. Appl Math. 2:482 (1981)の局所相同性アルゴリズムにより、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)の相同性整列アルゴリズムにより、Pearson & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988)の類似性検索法により、これらのアルゴリズムのコンピュータによる実行(Wisconsin Genetics Software Package, AccelrysのGAP、BESTFIT、FASTAおよびTFASTA)により、または手作業による整列ならびに目視検査により行うことができる。
配列同一性および配列類似性の割合を決定するのに適したアルゴリズムは、BLASTおよびBLAST 2.0アルゴリズムであり、これらは、それぞれ、Altschul et al. (Nuc. Acids Res. 25:3389-402, 1977)およびAltschul et al. (J. Mol. Biol. 215:403-10, 1990)に記述されている。BLAST解析を行うためのソフトウエアは国立生物工学情報センター(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公的に利用可能である。このアルゴリズムでは、データベース配列中の同じ長さのワードと整列を行った場合に何らかの正値の閾値スコアTと一致するまたはそれを満たす、長さWの短いワードを問い合わせ配列中で特定することにより、高スコア配列ペア(HSP)をまず初めに特定することを伴う。Tは隣接ワードスコア閾値といわれる(Altschul et al, 前記)。これらの初期の隣接ワードでのヒットは、それらを含む長いHSPを見いだすための検索を開始する源となる。ワードヒットは、累積整列スコアが増加されうる限り、各配列に沿って両方向に拡張される。各方向でのワードヒットの拡張は、以下の場合に停止される: 累積整列スコアが、その最大達成値から量X低下した場合; 一つもしくは複数の負のスコアリング残基整列の蓄積に起因して、累積スコアがゼロ以下になる場合; またはいずれかの配列の末端に達した場合。BLASTアルゴリズムのパラメータW、TおよびXは、整列の感度および速度を決定する。BLASTプログラムはデフォルトとしてワード長(W) 11、BLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915 (1989)を参照のこと)の整列(B) 50、期待値(E) 10、M=5、N=-4および両鎖の比較を用いる。
BLASTアルゴリズムは、二つの配列の間の類似性に関する統計分析も行う(例えば、Karlin & Altschul, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 90:5873-5787 (1993)を参照のこと)。BLASTアルゴリズムによって得られる類似性の指標の一つは最小合計確率(P(N))であり、これは二つのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の間での一致が偶然に起こる確率の指標となる。例えば、ある核酸は、被験核酸と参照核酸との比較による最小合計確率が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満の場合に、参照配列と類似していると見なされる。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という語句は、典型的には核酸の複雑な混合物中で、プローブがその標的部分配列とはハイブリダイズするが、他の配列とはハイブリダイズしないと考えられる条件をいう。ストリンジェントな条件は配列依存的であり、環境が異なれば異なると考えられる。配列が長いほど高い温度で特異的にハイブリダイズする。核酸のハイブリダイゼーションに関する詳細な手引きは、Tijssen, Techniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nucleic Probes,「Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid assays」(1993)に見られる。一般に、高度にストリンジェントな条件は、規定のイオン強度pHでの特定の配列の熱融解点(Tm)よりも約5〜10℃低くなるように選択される。低いストリンジェンシー条件は、Tmを約15〜30℃下回るように一般に選択される。Tmは、標的に対して相補的なプローブの50%が平衡状態で標的配列とハイブリダイズする温度(規定のイオン強度、pHおよび核酸濃度の下で)である(標的配列が過剰に存在するため、Tmでは、平衡状態でプローブの50%が占有される)。ハイブリダイゼーション条件は、典型的には、塩濃度がナトリウムイオン濃度で約1.0 M未満、典型的にはナトリウムイオン(または他の塩の)濃度で約0.01〜1.0 M、pH 7.0〜8.3であり、かつ温度が短いプローブ(例えば、10〜50ヌクレオチド)では少なくとも約30℃であり、長いプローブ(例えば、50ヌクレオチドを超える)では少なくとも約60℃であるものである。ストリンジェントな条件は、ホルムアミドなどの脱安定化剤の添加によっても得ることができる。選択的または特異的なハイブリダイゼーションの場合、陽性シグナルはバックグラウンド値の少なくとも2倍、好ましくはバックグラウンドのハイブリダイゼーションの10倍である。
ストリンジェントな条件下で互いにハイブリダイズしない核酸でも、それらがコードするポリペプチドが実質的に同一であれば、やはり実質的に同一である。これは、例えば、遺伝暗号によって許容される最大限のコドン縮重を用いて核酸のコピーが作り出される場合に起こる。このような場合、それらの核酸は、典型的には、中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。例示的な「中程度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、40%ホルムアミド、1 M NaCl、1%SDSの緩衝液中、37℃でのハイブリダイゼーション、および1×SSC中、45℃での洗浄を含む。例示的な「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、40%ホルムアミド、1 M NaCl、1%SDSの緩衝液中、37℃でのハイブリダイゼーション、および0.2×SSC中、少なくとも約50℃、通常は約55℃〜約60℃の温度で20分間の少なくとも1回の洗浄、または等価な条件を含む。陽性のハイブリダイゼーションは、バックグラウンドの少なくとも2倍である。当業者は、代替のハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を利用して、同様のストリンジェンシーの条件を提供できることを容易に認識するであろう。
発明の詳細な説明
I. 導入
本発明は、野生型Sso7ドメインを含むSso7ポリメラーゼコンジュゲートと比べて低減された非特異的増幅活性を示す変種Sso7ポリメラーゼコンジュゲートを提供する。変種Sso7ポリメラーゼコンジュゲートは、少なくとも、変種Sso7結合ドメインに連結されたポリメラーゼドメインを含む。変種Sso7 DNA結合ドメインは、二つの位置(SEQ ID NO:2におけるK28および/またはR43に対応する)の一方または両方に、その位置の野生型アミノ酸と比べてアミノ酸の変化を含む。実施例において実証されるように、野生型からのこの位置でのいくつかの異なるアミノ酸の置換が、非特異的ポリメラーゼ活性を低減することが示された。非特異的ポリメラーゼ活性は、ハイブリダイズしたプライマーの鋳型特異的な伸長によるもの以外に行われる核酸の増幅を含む。
II. 本発明のSso7ドメイン
本発明のポリメラーゼコンジュゲートは、天然(野生型) Sso7d配列と比べてアミノ酸の置換を有するSso7ポリペプチド配列を含む。Sso7dは、超好熱古細菌スルホロブス・ソルファタリカス(Sulfolobus solfataricus)由来の小型の(63アミノ酸、約7 kdのMW)塩基性染色体タンパク質である。このタンパク質は、リジンに富み、高い熱安定性、酸安定性、および化学安定性を有する。このタンパク質は、配列非依存的にDNAに結合し、結合時に、ある条件の下でDNAのTmを40℃まで増大する(McAfee et al., Biochemistry 34:10063-10077, 1995)。Sso7dおよびその相同体は、典型的には、高温でゲノムDNAをパッケージングすること、およびゲノムDNAを安定化させることに関与すると考えられている。Sso7dタンパク質配列は、SEQ ID NO:2に記載されている。
超好熱古細菌スルホロブス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)由来の、Sac7a、Sac7b、Sac7d (SEQ ID NO:4)、Sac7e (SEQ ID NO:5); スルホロブス・トコダイイ(Sulfolobus tokodaii)由来のSto7e (SEQ ID NO:6)、ならびにスルホロブス・シバタエ(Sulfolobus shibatae)由来のSsh7aおよびSsh7b (SEQ ID NO:3)を含むが、これらに限定されない、いくつかの公知のSso7d様タンパク質(「Sso7タンパク質」ともいわれる)が存在する(例えば、UniProtデータベースアクセッション番号: P39476 (Sso7d); O59632 (Ssh7b); P13123 (Sac7d); P13125 (Sac7e); およびQ96X56 (Sto7e)を参照のこと)。これらのタンパク質は、78%〜98%にわたる、Sso7dとの同一性を有する。本発明で用いるための他のSso7ドメインは、以下に記載されるように特定されてもよい。
本明細書に記載されるように、本発明は、SEQ ID NO:2のK28および/またはR43に対応する位置に天然アミノ酸からのアミノ酸変化を提供する。そのような位置指定は、特許請求する分子それ自体におけるアミノ酸の番号を示すのではなく、特許請求する分子配列をSEQ ID NO:2と最大限に整列させたときの、特許請求する分子におけるその残基の存在位置を示すと理解すべきである。変種Sso7ドメインについての文脈で、Sso7様タンパク質配列との「対応」は、特定の配列(すなわち、SEQ ID NO:2)のアミノ酸位置番号に従って番号付けするという慣例と、さらには、SEQ ID NO:2との配列同一性の割合を最大化するようにSso7様タンパク質配列を整列させることとに基づく。整列は、手作業でまたは配列比較アルゴリズムを用いて(例えば、NCBI BLASTプログラムを初期設定パラメータで用いて)行うことができる(例えば、Altschul et al., Nucl. Acids Res. 25:3389-3402, 1997を参照のこと)。SEQ ID NO:2を持ついくつかのSso7様タンパク質の整列の例を図1に示す。対応する配列は、以下のようにまとめることができる。
Figure 2014511693
SEQ ID NO:2に対応するK28および/またはR43の位置で、いずれかのSso7 DNA結合タンパク質ドメインを置換することができる。したがって、例えば、いくつかの態様において、変種Sso7ポリペプチド配列は、例えば、SEQ ID NO:2、3、4、5、または6のいずれかと実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一であり、K28に対応するアミノ酸の位置にK以外のアミノ酸を含む。いくつかの態様において、K28に対応するアミノ酸の位置には、セリン(S)、トレオニン(T)、シトシン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、またはチロシン(Y)が存在する。
いくつかの態様において、変種Sso7ポリペプチド配列は、例えば、SEQ ID NO:2、3、4、5、または6のいずれかと実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一であり、R43に対応するアミノ酸の位置にR以外のアミノ酸を含む。いくつかの態様において、R43に対応するアミノ酸の位置には、アラニン(A)、シトシン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、またはプロリン(P)が存在する。
いくつかの態様において、変種Sso7ポリペプチド配列は、例えば、SEQ ID NO:2、3、4、5、または6のいずれかと実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一であり、K28に対応するアミノ酸の位置にK以外のアミノ酸を含み、かつR43に対応するアミノ酸の位置にR以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの態様において、位置K28のアミノ酸は、セリン(S)、トレオニン(T)、シトシン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、バリン(V)、トリプトファン(W)、またはチロシン(Y)より選択され、かつ位置R43のアミノ酸は、アラニン(A)、シトシン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、またはプロリン(P)より選択される。
所与の核酸配列のこれらの改変または変種を作出する多くの方法が存在する。周知の方法には、例えば、部位特異的突然変異誘発、縮重オリゴヌクレオチドを用いたPCR増幅、所望のオリゴヌクレオチドの化学合成(例えば、大きな核酸を作出するためのライゲーションおよび/またはクローニングと組み合わせて)、および他の周知の技法が含まれる。Giliman & Smith, Gene 8:81-97 (1979)、Roberts, et al., Nature 328:731-734 (1987)ならびにSambrook、InnisおよびAusubel (全て上記)を参照されたい。
いくつかの態様において、変種Sso7ドメインまたはポリペプチド配列は、SEQ ID NO:7〜32のいずれかのアミノ酸配列と同一または実質的に同一である(例えば、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列同一性を有する)。いくつかの態様において、Sso7ドメインまたはタンパク質は、SEQ ID NO:7〜32のいずれかのアミノ酸配列を有する。
本発明のSso7配列を作出する一つの例において、部位特異的突然変異誘発を用いて、アミノ酸残基を置換する。核酸配列は、変異を含むオリゴヌクレオチドプライマーを合成することによって置換される。いくつかの態様において、プライマーは、Sso7核酸配列、例えば、SEQ ID NO:1にハイブリダイズし、新しい配列が増幅される。変異を持つ増幅産物は次いで、発現ベクターにライゲーションされうる。
いくつかの態様において、上記のように、すなわち、対応する核酸配列を変更し、ポリペプチドを発現させることにより、ポリペプチド配列は改変される。しかし、市販のペプチド合成機を用い、ポリペプチド配列を合成により作出して、所望のポリペプチドを産生することもできる(Merrifield、およびStewart & Young、前記を参照のこと)。
最終的に、本明細書において記述されるものなどの技法を用いることにより、置換Sso7配列を評価して、低減した非特異的ポリメラーゼ活性を示す融合ポリメラーゼを特定する。
III. ポリメラーゼ
概して、本質的に任意のポリメラーゼを本発明の変種Sso7タンパク質配列に連結させて、本発明のSso7-ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を形成させ、それにより、ポリメラーゼのさまざまな活性を改善させられるものと考えられる。一つの例示的な態様において、Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質はPfuおよびDeep Ventのような、二つの親ポリメラーゼに由来するポリメラーゼドメインを含む。そのようなポリメラーゼは、例えば、米国特許出願公開第20040219558号; 同第20040214194号; 同第20040191825号; 同第20030162173号に記述されており、これらはそれぞれ、全ての目的のために、具体的には、ハイブリッドポリメラーゼに関連する全ての教示のために、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一である。
種々のポリメラーゼを、ポリメラーゼのポリメラーゼドメインの少なくとも一部分として用いることができる。DNA依存性DNAポリメラーゼは少なくとも5つのファミリーが知られているが、ほとんどはファミリーA、BおよびCに分類される。異なるファミリー間には構造または配列類似性はほとんどまたは全くない。ほとんどのファミリーAポリメラーゼは、ポリメラーゼ活性、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性および5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を含む複数の酵素機能を含みうる一本鎖タンパク質である。ファミリーBポリメラーゼは典型的には、ポリメラーゼ活性および3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を持つ単一の触媒ドメイン、ならびにアクセサリー因子を有する。ファミリーCポリメラーゼは典型的には、重合活性および3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を持つ多サブユニットタンパク質である。大腸菌では、3種類のDNAポリメラーゼ、つまりDNAポリメラーゼI (ファミリーA)、II (ファミリーB)およびIII (ファミリーC)が見つかっている。真核生物細胞では、3種類の異なるファミリーBポリメラーゼであるDNAポリメラーゼα、δおよびεが核複製に関与しており、ファミリーAポリメラーゼの1つであるポリメラーゼγがミトコンドリアDNAの複製に用いられる。他の種類のDNAポリメラーゼはファージポリメラーゼを含む。これらのポリメラーゼのいずれか、これらのポリメラーゼの全部または一部の組み合わせ、およびこのようなポリメラーゼまたはその等価物の二つまたはそれ以上の間でのキメラまたはハイブリッドを用いて、本発明のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質のポリメラーゼドメインの一部または全部を形成させることができる。
一つの例示的な態様において、本発明のポリメラーゼコンジュゲートはPfuおよびDeep Ventのような、二つの親ポリメラーゼに由来するポリメラーゼドメインを有する。そのようなポリメラーゼは、例えば、米国特許出願公開第20040219558号; 同第20040214194号; 同第20040191825号; 同第20030162173号に記述されており、これらはそれぞれ、全ての目的のために、具体的には、ハイブリッドポリメラーゼに関連する全ての教示のために、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:34(任意でSEQ ID NO:62のようなリンカーを含んでもよい)またはSEQ ID NO:33(任意でSEQ ID NO:62のようなリンカーを含んでもよい)またはSEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一である。
さらに、いくつかの態様において、非耐熱性ポリメラーゼが本発明によって用いられてもよい。例えば、変異(D355A、E357A)を持つ大腸菌DNAポリメラーゼIの大断片(Klenow) (Klenow断片)は3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を消失している。この酵素または等価な酵素を、例えば、増幅反応が高温で行われないような態様において用いることができる。
いくつかの態様において、本発明のハイブリッドポリメラーゼは、変異を含んだポリメラーゼドメインを含み、この変異は、このようなポリメラーゼドメインを含む任意のハイブリッドポリメラーゼのエキソヌクレアーゼ活性を、そのような変異を有しないポリメラーゼドメインを含むSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質と比べて低減するか、または消失させる。種々の変異を天然のポリメラーゼドメインに導入して、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を除去または排除することができる。例えば、米国特許第6,015,668号; 同第5,939,301号および同第5,948,614号には、TmaおよびTne DNAポリメラーゼの3'から5'方向のエキソヌクレアーゼドメインにおける金属結合アスパラギン酸残基のアラニン残基への変異が記述されている。これらの変異は、これらの酵素の3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を検出可能なレベル未満にまで低減する。同様に、米国特許第5,882,904号には、サーモコッカス・バロッシ(Thermococcus barossi)における類似のアスパラギン酸からアラニンへの変異が記述されており、米国特許第5,489,523号には、パイロコッカス・ウォセイ(Pyrococcus wosei) DNAポリメラーゼの二重変異体D141A E143Aが教示されている。これらの変異ポリメラーゼのどちらも、検出可能な3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を実質的に有しない。3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性をアッセイする方法は、当技術分野において周知である。例えば、Freemont et al., Proteins 1:66 (1986); Derbyshire et al., EMBO J. 16:17 (1991)およびDerbyshire et al., Methods in Enzymology 262:363 85 (1995)を参照されたい。上記の変異はあるポリメラーゼにおいてもともと特定されたものであるが、一般的にそのような変異を他のポリメラーゼに導入して、エキソヌクレアーゼ活性を低減または排除できることが理解されよう。具体的な態様において、本発明のポリメラーゼはポリメラーゼドメイン中の二重点突然変異D141A/E143Aを含む。ポリメラーゼアミノ酸に関連して「位置に対応する」という語句は、参照ポリメラーゼアミノ酸配列(例えば、SEQ ID NO:62のようなリンカーを任意で含んでもよい、SEQ ID NO:2)におけるその同一のアミノ酸(例えば、D141またはE143)と整列するアミノ酸をいう。それぞれ、Altschul et al., Nuc. Acids Res. 25:3389 3402 (1977)およびAltschul et al., J. Mol. Biol. 215:403 410 (1990)に記述されているデフォルトパラメータでBLAST 2.2アルゴリズムを含む任意のBLASTを用いて、配列比較を行うことができる。したがって、いくつかの態様において、Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質は、エキソヌクレアーゼドメインの中に変異を含む。例えば、いくつかの態様において、Sso7dポリメラーゼコンジュゲートは、SEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも80%、85%、90%、95%、98%または100%)同一であり、ポリメラーゼ活性を実質的に保持しながらもエキソヌクレアーゼ活性を低減する一つまたは複数の変異を含み、本明細書において記述されるSso7d DNA結合ドメインとコンジュゲートしている。さらなる態様において、そのようなSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質はSEQ ID NO:33 (SEQ ID NO:62のようなリンカーを任意で含んでもよい)に記載のアミノ酸配列を含む。
IV. コンジュゲート
当業者に周知の方法によって、Sso7 DNA結合ドメインとポリメラーゼを連結して、Sso7-ポリメラーゼコンジュゲートを形成する。これらの方法は化学的手段および/または組換え手段の両方を含む。
Sso7タンパク質とポリメラーゼとの化学的連結は、例えば、Bioconjugate Techniques, Hermanson, Ed., Academic Press (1996)に記述されているように行うことができる。連結には、例えば、タンパク質化学の技術分野において周知の方法により、直接的にまたは連結化合物を通して、その二つのタンパク質を互いに連結させるための誘導体化が含まれうる。例えば、一つの化学的コンジュゲーションの態様において、触媒ドメインと核酸結合ドメインとを連結する手段には、二つの成分間の分子間ジスルフィド結合の形成に最終的に寄与するヘテロ二官能性カップリング試薬が含まれる。本発明のためのこの能力において有用な他の種類のカップリング試薬は、例えば、米国特許第4,545,985号に記述されている。あるいは、分子間ジスルフィドは、天然に存在するか、または遺伝子操作によって挿入される、各成分におけるシステインの間で好都合に形成されてもよい。成分を連結する手段では、ヘテロ二官能性架橋試薬もしくは特定の低pH切断性架橋剤もしくは特定のプロテアーゼ切断性リンカー間のチオエーテル結合、または他の切断性もしくは非切断性化学結合を用いることもできる。
コンジュゲートタンパク質のポリメラーゼドメインとSso7とを連結する手段は、標準的なペプチド合成化学または組換え手段によって別々に合成される成分の間で形成されるペプチジル結合を含むこともできる。コンジュゲートタンパク質それ自体が、全部または一部としてアミノ酸配列を合成するための化学的方法を用いて産生されてもよい。例えば、ペプチドは、例えば、アミノ酸が成長中のアミノ酸鎖に連続的に付加されるMerrifield固相合成法などの、固相技術によって合成することができる(Merrifield (1963) J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2146を参照のこと)。ポリペプチドの自動合成のための装置は、PE Corp. (Foster City, CA)などの供給業者から市販されており、一般的に、製造業者の使用説明書に従って操作することができる。次いで、合成されたペプチドを樹脂から切断し、例えば、分取高性能液体クロマトグラフィーによって精製することができる(Creighton, Proteins Structures and Molecular Principles, 50-60 (1983)を参照のこと)。合成ポリペプチドの組成またはポリペプチドの部分断片の組成は、アミノ酸分析または配列決定によって確認することができる(例えば、エドマン分解手順; Creighton, Proteins, Structures and Molecular Principles, pp. 34-49 (1983)を参照のこと)。
さらに、非古典的アミノ酸または化学的アミノ酸類似体が、置換または付加として配列中に導入されてもよい。非古典的アミノ酸には、通常のアミノ酸のD-異性体、α-アミノイソ酪酸、4-アミノ酪酸、Abu、2-アミノ酪酸、γ-Abu、ε-Ahx、6-アミノヘキサン酸、Aib、2-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、オルニチン、ノルロイシン、ノルバリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、システイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルアラニン、β-アラニン、フルオロ-アミノ酸、デザイナーアミノ酸、例えばβ-メチルアミノ酸、Cα-メチルアミノ酸、Nα-メチルアミノ酸、および一般的アミノ酸類似体が含まれるが、これらに限定されることはない。さらに、アミノ酸はD (右旋性)またはL (左旋性)であってもよい。
別の態様において、Sso7とポリメラーゼドメインは連結基を介して連結される。連結基は、例えば、スクシンイミジル-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)を含む、化学架橋剤であってよい。連結基は、例えば、ポリアラニン、ポリグリシン、または同様の連結基を含む、さらなるアミノ酸配列であってもよい。
または、いくつかの態様において、融合タンパク質における各ポリペプチドのコード配列を、ペプチド結合を介して任意の順序で、そのアミノ末端またはカルボキシ末端に直接連結する。あるいは、アミノ酸リンカー配列を利用して、各ポリペプチドがその二次および三次構造に折り畳まれることを確実とするのに十分な距離だけ、第一ポリペプチド構成要素と第二ポリペプチド構成要素を分離してもよい。そのようなアミノ酸リンカー配列は、当技術分野において周知の標準的な技術を用いて融合タンパク質に組み込まれる。適当なペプチドリンカー配列は、以下の要因に基づき選択することができる: (1) 可動性の拡張構造をとる能力; (2) 第一および第二ポリペプチド上で機能的エピトープと相互作用し得る二次構造をとることができないこと; および(3) ポリペプチドの機能的エピトープと反応する可能性のある疎水性残基または荷電残基を欠いていること。典型的なペプチドリンカー配列は、Gly、Ser、ValおよびThr残基を含む。Alaなどの、他の中性に近いアミノ酸もリンカー配列に用いることができる。リンカーとして有用に利用されうるアミノ酸配列には、Maratea et al. (1985) Gene 40:39-46; Murphy et al. (1986) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 83:8258-8262; 米国特許第4,935,233号および同第4,751,180号に開示されているものが含まれる。リンカー配列は一般に、長さが1〜約50アミノ酸、例えば、長さが3、4、6または10アミノ酸でありうるが、長さが100または200アミノ酸であってもよい。第一および第二のポリペプチドが、機能的ドメインを分離しかつ立体障害を妨げるために使用されうる非必須N末端アミノ酸領域を有する場合には、リンカー配列が必要とされないこともある。例示的なペプチドリンカーは、SEQ ID NO:62に示されている。
本発明の例示的なコンジュゲートには、配列の中に非天然のK28またはR43アミノ酸を含む限り、SEQ ID NO:35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60のいずれかと同一、または実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一のポリペプチドを含むものが含まれる。
他の化学的リンカーには、炭水化物リンカー、脂質リンカー、脂肪酸リンカー、ポリエーテルリンカー、例えば、PEGなどが含まれる。例えば、ポリ(エチレングリコール)リンカーは、Shearwater Polymers, Inc. Huntsville, Alabamaから入手できる。これらのリンカーは、アミド結合、スルフヒドリル結合またはヘテロ二官能性結合を任意で有していてもよい。
Sso7とポリメラーゼドメインとを連結する他の方法には、陰性および陽性の尾部を発現することによるイオン結合、ならびに抗体およびストレプトアビジン-ビオチン相互作用を通じた間接的結合が含まれる。(例えば、Bioconjugate Techniques, 前記を参照のこと)。ドメインは、中間体相互作用配列を通じて連結することもできる。例えば、Sso7d相互作用配列、すなわち、Sso7dに結合する配列を、ポリメラーゼに連結することができる。次に、得られた融合タンパク質をSso7dと非共有結合的に結合させて、Sso7d-ポリメラーゼコンジュゲートを作出することができる。
いくつかの態様において、本発明のコンジュゲートSso7-ポリメラーゼタンパク質は、このタンパク質をコードする核酸の組換え発現によって産生される。そのような融合産物は、所望のアミノ酸配列をコードする適切な核酸配列を、当技術分野において公知の方法によって相互に、正しいコーディングフレームで、ライゲートし、当技術分野において公知の方法によって産物を発現させることにより作製されうる。
本発明の融合タンパク質へと組み込まれるドメインをコードする核酸は、組換え遺伝学の分野における通常の技術を用いて得ることができる。本発明で役に立つ一般的方法を開示している基本テキストは、Sambrook and Russell, Molecular Cloning, A Laboratory Manual (3rd ed. 2001); Kriegler, Gene Transfer and Expression: A Laboratory Manual (1990); およびCurrent Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., eds., 1994-1999)を含む。
Sso7およびポリメラーゼポリペプチドをコードする核酸配列は、種々の方法のいずれかを用いて得ることができる。いくつかの態様において、プローブとのハイブリダイゼーションにより、ポリペプチドをコードする核酸配列をcDNAおよびゲノムDNAライブラリーからクローニングするか、またはオリゴヌクレオチドプライマーを用いた増幅技法を用いて単離する。より一般的には、DNAまたはRNA鋳型を用いて、増幅技法によりSso7およびポリメラーゼ配列を増幅および単離する(例えば、Dieffenfach & Dveksler, PCR Primers: A Laboratory Manual (1995)を参照のこと)。あるいは、重複オリゴヌクレオチドを合成により生成し連結して、一つまたは複数のドメインを生成することもできる。触媒ドメインまたは二本鎖核酸結合ドメインをコードする核酸は、プローブとして抗体を用い、発現ライブラリーから単離することもできる。
PCRにより、Sso7またはポリメラーゼドメインをコードする核酸を得る例においては、一つの制限部位を含むセンスプライマーおよび別の制限部位を含むアンチセンスプライマーを用いて、核酸配列または部分配列をPCR増幅する。これにより、所望のドメイン配列または部分配列をコードしかつ末端制限部位を有する核酸が産生されることになる。次に、第二のドメインをコードする核酸を含みかつ対応する適切な制限部位を有するベクターに、この核酸をライゲートすることができる。ドメインは直接連結してもよく、またはリンカーもしくは他のタンパク質配列によって分離されてもよい。適当なPCRプライマーは、GenBankまたは他の供給源から提供される配列情報を用い、当業者によって決定されうる。適切な制限部位は、部位特異的突然変異誘発によって、タンパク質またはタンパク質部分配列をコードする核酸に付加することもできる。標準的な方法によって、ドメインをコードするヌクレオチド配列または部分配列を含むプラスミドを適切な制限エンドヌクレアーゼで切断し、次いで、増幅および/または発現に適したベクターにライゲートする。
また、生物学的活性を低下させることなくSso7およびポリメラーゼドメインに修飾がさらに行われうることを、当業者は認識するであろう。何らかの修飾を行って、クローニング、発現、または融合タンパク質内へのドメインの組み込みを容易にすることができる。そのような修飾は当業者に周知であり、結合ドメインをコードするポリヌクレオチドのいずれかの末端において、例えば、開始部位を提供するようにアミノ末端に付加されるメチオニンを提供するために、または好都合に位置付けられた制限部位もしくは終止コドンもしくは精製配列を作り出すようにいずれかの末端に位置するさらなるアミノ酸(例えば、ポリHis)を提供するために、コドンを付加することが含まれる。
一つまたは複数のドメインを修飾し、二つのドメインの結合を容易にして、本発明の融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを得ることも可能である。したがって、そのような方法により修飾されたSso7およびポリメラーゼドメインもまた、本発明の一部である。例えば、システイン残基に対するコドンをドメインのいずれかの末端に配置することができ、その結果、例えば、スルフィド結合によってドメインを連結することができる。修飾は、組換え法または化学的方法のどちらかを用いて行われうる(例えば、Pierce Chemical Co. catalog, Rockford ILを参照のこと)。
組換え融合タンパク質のSso7およびポリメラーゼドメインは、リンカードメイン、通常は上記のものなどのGly、Ser、AlaおよびValを含むポリペプチド配列によって連結することができる。いくつかの態様において、プロリン残基をリンカーに組み込み、リンカーによる著しい二次構造エレメントの形成を妨げる。
いくつかの態様において、本発明のタンパク質をコードする組換え核酸を改変して、選択生物での核酸の翻訳を増強する好ましいコドンを提供する(例えば、酵母での発現のために、酵母の好ましいコドンをコード核酸内に置き換える)。
当業者に公知である種々の発現システムを使用して本発明のタンパク質コンジュゲートを発現させることができる。いくつかの態様において、融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、所望の宿主細胞において機能するプロモーターの制御下に配置する。非常に多種多様なプロモーターが利用可能であり、特定の用途に依って、本発明の発現ベクターにて使用することができる。通常、選択されるプロモーターは、プロモーターが活性となる細胞に依る。リボソーム結合部位、転写終結部位などの他の発現制御配列が、任意で含まれてもよい。一つまたは複数のこれらの制御配列を含む構築物を「発現カセット」という。したがって、連結されたポリペプチドをコードする核酸を、所望の宿主細胞における高レベルの発現を目的に組み入れる。
多くの場合、特定の宿主細胞で用いるのに適した発現制御配列は、その細胞において発現される遺伝子をクローニングすることによって得られる。一般に使用される原核生物制御配列(リボソーム結合部位配列に加えて、任意でオペレーターを持ってもよい、転写開始のためのプロモーターを含むと本明細書において定義される)には、β-ラクタマーゼ(ペニシリナーゼ)およびラクトース(lac)プロモーターシステム(Change et al., Nature (1977) 198: 1056)、トリプトファン(trp)プロモーターシステム(Goeddel et al., Nucleic Acids Res. (1980) 8: 4057)、tacプロモーター(DeBoer, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. (1983) 80:21-25)などの、一般に使用されるプロモーター、ならびにλ由来PLプロモーターおよびN遺伝子リボソーム結合部位(Shimatake et al., Nature (1981) 292: 128)が含まれる。本発明にとって特定のプロモーターシステムが重要なわけではなく、原核生物において機能する任意の利用可能なプロモーターを用いることができる。標準的な細菌発現ベクターにはpBR322に基づくプラスミド、例えば、pBLUESCRIPT、pSKF、pET23Dなどのプラスミド、ならびにGSTおよびLacZなどの融合発現システムが含まれる。エピトープタグを組換えタンパク質に付加して、簡便な単離法を提供することもできる。
大腸菌以外の原核細胞での融合ポリペプチドの発現の場合、特定の原核生物種において機能するプロモーターが必要とされる。そのようなプロモーターは、その種からクローニングされた遺伝子から得ることができ、または異種プロモーターを使用することもできる。例えば、ハイブリッドtrp-lacプロモーターは、大腸菌に加えてバシルス属においても機能する。これらのおよび他の適当な細菌プロモーターは当技術分野において周知であり、例えば、SambrookらおよびAusubelらに記述されている。本発明のタンパク質を発現させるための細菌発現システムは、例えば、大腸菌、バシルス属種およびサルモネラ属において利用可能である(Palva et al., Gene 22:229-235 (1983); Mosbach et al., Nature 302:543-545 (1983))。そのような発現システムのためのキットが市販されている。
哺乳動物細胞、酵母および昆虫細胞のための真核生物発現システムは当技術分野において周知であり、市販もされている。酵母では、ベクターには、酵母組み込みプラスミド(例えば、YIp5)および酵母複製プラスミド(YRpシリーズのプラスミド)ならびにpGPD-2が含まれる。真核生物ウイルス由来の調節要素を含む発現ベクターは、典型的には、真核生物発現ベクター、例えば、SV40ベクター、パピローマウイルスベクター、およびエプスタイン・バーウイルスに由来するベクターで用いられる。他の例示的な真核生物ベクターには、pMSG、pAV009/A+、pMTO10/A+、pMAMneo-5、バキュロウイルスpDSVE、およびCMVプロモーター、SV40初期プロモーター、SV40後期プロモーター、メタロチオネインプロモーター、マウス乳腺腫瘍ウイルスプロモーター、ラウス肉腫ウイルスプロモーター、ポリヘドリンプロモーター、または真核細胞内での発現に効果的なことが示されている他のプロモーターの指令下でタンパク質の発現を可能にする任意の他のベクターが含まれる。
本発明においては構成性プロモーターまたは調節性プロモーターのいずれを用いることもできる。調節性プロモーターは、その宿主細胞を、融合ポリペプチドの発現を誘導する前に高い密度に増殖させることができるため、好都合でありうる。場合によっては、異種タンパク質の高レベル発現により細胞増殖が遅くなる。誘導性プロモーターとは、遺伝子の発現を指令するプロモーターの一つであり、その発現レベルを、例えば、温度、pH、嫌気性または好気性条件、光、転写因子および化学物質などの環境的または発生的因子によって変化させることができる。
大腸菌および他の細菌宿主細胞の場合、誘導性プロモーターは当業者に公知である。これらには、例えば、lacプロモーター、バクテリオファージλPLプロモーター、ハイブリッドtrp-lacプロモーター(Amann et al. (1983) Gene 25: 167; de Boer et al. (1983) Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 80: 21)およびバクテリオファージT7プロモーター(Studier et al. (1986) J. Mol. Biol.; Tabor et al. (1985) Proc. Nat'l Acad. Sci. USA 82: 1074-8)が含まれる。これらのプロモーターおよびその使用は、Sambrookら、前記に論じられている。
他の生物のための誘導性プロモーターもまた当業者に周知である。これらには、例えば、メタロチオネインプロモーター、熱ショックプロモーターはもとより、多くの他のものも含まれる。
発現を増強するために翻訳カップリングを用いることができる。この戦略では、翻訳システムに固有の高発現遺伝子に由来する短い上流オープンリーディングフレームと、リボソーム結合部位とを用い、オープンリーディングフレームはプロモーターの下流に配置し、リボソーム結合部位の後に少数のアミノ酸コドンを介して終結コドンが続く。終結コドンの直前には別のリボソーム結合部位があり、終結コドンに続いて翻訳開始のための開始コドンが存在する。このシステムはRNA中の二次構造を解消し、効率的な翻訳開始を可能にする。Squires, et. al. (1988), J. Biol. Chem. 263: 16297-16302を参照されたい。
ポリヌクレオチド構築物の構築では一般に、細菌内で複製できるベクターの使用を必要とする。このようなベクターは当技術分野において一般的に用いられている。細菌からのプラスミドの精製に向けて多数のキットが市販されている(例えば、Pharmacia BiotechのEasyPrepJ、FlexiPrepJ; StratageneのStrataCleanJ; およびQIAexpress Expression System, Qiagen)。次いで、単離かつ精製されたプラスミドをさらに操作して他のプラスミドを生成し、これを用いて細胞を形質転換することができる。
融合ポリペプチドは細胞内で発現させることができ、または細胞から分泌させることができる。細胞内発現は高い収量をもたらすことが多い。必要に応じて、再折り畳み手順を行うことで、可溶性の活性融合ポリペプチドの量を増加させてもよい(例えば、Sambrook et al., 前記; Marston et al., Bio/Technology (1984) 2: 800; Schoner et al., Bio/Technology (1985) 3: 151を参照のこと)。本発明の融合ポリペプチドは、大腸菌、他の細菌宿主、酵母、ならびにCOS、CHOおよびHeLa細胞株および骨髄腫細胞株などのさまざまな高等真核細胞を含む、種々の宿主細胞において発現させることができる。宿主細胞は、哺乳動物細胞、昆虫細胞、または例えば酵母細胞、細菌細胞もしくは真菌細胞などの微生物であってよい。
発現されたら、硫酸アンモニウム沈殿、アフィニティーカラム、カラムクロマトグラフィー、ゲル電気泳動などを含む当技術分野の標準的手順に従って組換え融合ポリペプチドを精製することができる(一般的にはR. Scopes, Protein Purification, Springer-Verlag, N. Y. (1982), Deutscher, Methods in Enzymology Vol. 182: Guide to Protein Purification., Academic Press, Inc. N.Y. (1990)を参照のこと)。少なくとも約90〜95%の均一性である実質的に純粋な組成物が好ましく、98〜99%またはそれ以上の均一性が最も好ましい。要望どおり、部分的にまたは均一に精製されたら、(例えば、抗体産生用の免疫原として)ポリペプチドを用いることができる。
本発明の融合ポリペプチドの精製を容易にするために、融合ポリペプチドをコードする核酸に、親和性結合試薬が利用可能なエピトープまたは「タグ」のコード配列を含めることもできる。適当なエピトープの例としてはmycおよびV-5レポーター遺伝子が挙げられ; これらのエピトープを有する融合ポリペプチドの組換え産生に有用な発現ベクターが市販されている(例えば、Invitrogen (Carlsbad CA)のベクターpcDNA3.1/Myc-HisおよびpcDNA3.1/V5-Hisは、哺乳動物細胞での発現に適している)。本発明の融合タンパク質にタグを付け加えるのに適したさらなる発現ベクター、および対応する検出システムは当業者に公知であり、いくつか市販されている(例えば「FLAG」(Kodak, Rochester NY))。適当なタグの別の例は、金属キレート親和性リガンドに結合できるポリヒスチジン配列である。典型的には、6個の隣接するヒスチジン(SEQ ID NO:63)が用いられるが、6個よりも多いまたは少ないものも使用できる。ポリヒスチジンタグの結合成分となりうる適当な金属キレート親和性リガンドには、ニトリロ三酢酸(NTA)が含まれる(Hochuli, E. (1990) 「Purification of recombinant proteins with metal chelating adsorbents」 In Genetic Engineering: Principles and Methods, J. K. Setlow, Ed., Plenum Press, NY; Qiagen (Santa Clarita, CA)から市販されている)。
V. 方法
本明細書において論じられるように、本発明は、核酸増幅反応で用いるためのコンジュゲートタンパク質を提供する。そのような増幅反応には非限定的に、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、DNAリガーゼ連鎖反応(LCR)、QベータRNAレプリカーゼ、およびRNA転写に基づく(TASおよび3SRなどの)増幅反応、ならびに当業者に公知の他の方法が含まれる。本明細書において記述される組成物を用いて行うことができるポリメラーゼ連鎖反応には非限定的に、逆転写PCR (rt-PCR)および定量的PCR (qPCR)が含まれる。
理解されるように、本発明の異なる構成要素の任意の組み合わせを利用する増幅反応がそうであるように、本明細書において記述される異なる構成要素の任意の組み合わせが本発明により包含される。例えば、本発明の増幅反応では、エキソヌクレアーゼ活性、特に3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を取り除くまたは完全に消失させる一つまたは複数の変異を含むSso7ポリメラーゼコンジュゲートを利用することができる。そのような増幅反応では、そのような変異ハイブリッドポリメラーゼをホットスタート抗体と組み合わせてさらに利用することができる。本発明のいくつかの増幅反応では、D141A/E143A二重点突然変異を含む変異ハイブリッドポリメラーゼをサルコシンまたはヘパリンなどの添加物と組み合わせて利用することができる。本発明のいくつかの増幅反応ではまた、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を欠く変異ハイブリッドポリメラーゼをホットスタート抗体と、およびサルコシンまたはヘパリンなどの添加物と組み合わせて利用することもできる。
いくつかの態様において、色素に基づくqPCR検出法を用いて、本発明の構成要素を利用した増幅反応をモニタリングする。そのような検出法は一般に、増幅されたDNAとDNA結合色素との結合による蛍光シグナルの増加をモニタリングすることに依る。例えば、よく使われる蛍光DNA結合色素SYBR Green Iは、全ての二本鎖DNAに結合するので、全サイクルを通じて蛍光の増加を測定することにより検出をモニタリングする。
他の態様において、プローブに基づくqPCR検出法を用いて、本発明の構成要素を利用した増幅反応をモニタリングする。そのような検出法は一般に、所望のPCR産物の配列特異的な検出に依る。全ての二本鎖DNAを検出する色素に基づくqPCR法とは異なり、プローブに基づくqPCRでは蛍光標識された標的特異的プローブを利用し、これによって、増幅されたDNAにおける特異的配列が検出される。
VI. 反応混合物
本発明はまた、本発明のSso7-ポリメラーゼコンジュゲートを含む反応混合物を提供する。任意で、抗体がポリメラーゼと複合体化されてもよい。反応混合物は任意で、一種もしくは複数種のdNTP、一つもしくは複数のオリゴヌクレオチド、標的核酸を含む生物学的サンプル、および/または二本鎖DNA結合色素、またはPCRもしくはプライマー伸長反応に有用な他の試薬を含んでもよい。
特定の局面において、qPCRを含むがこれに限定されない増幅反応における効率を改善するための添加物としてさらなる化合物を含めることが望ましいこともある。いくつかの態様において、添加物を含めることは、添加物を欠く対照混合物と比べて少なくとも5、10、15、20、25、35、40もしくは50%またはそれ以上ポリメラーゼの効率を高めるのに十分である。
いくつかの態様において、添加物は、効率を改善するために本発明の増幅反応に含まれる浸透圧調節物質である。浸透圧調節物質群のメンバーは、タンパク質の熱安定性を改善すること(Santoro, Biochemistry, 1992)、およびDNA二重らせん安定性を低下させること(Chadalavada, FEBS Letters, 1997)が示されている。いくつかの態様において、浸透圧調節物質は、極端な温度、脱水または塩分濃度のような環境ストレスに応答して生物により産生される、および、その細胞構成要素を保護し、最適な細胞質の状態を維持するために役立つ、小分子または化合物である。本発明で役に立つ浸透圧調節物質は非限定的に、サルコシン、トリメチルアミンN-オキシド(TMAO)、ジメチルスルホニオプロピオン酸、およびトリメチルグリシンを含むことができる。
いくつかの態様において、約100〜約1000 mM濃度の浸透圧調節物質が本発明の方法およびキットにおいて用いられる。さらなる態様において、約50〜約700 mM、約100〜約600 mM、約150〜約500 mM、約200〜約400 mMおよび約300〜約350 mM濃度の浸透圧調節物質が本発明の方法およびキットにおいて用いられる。いくつかの態様において、本発明の方法、反応混合物およびキットにおいて用いられる浸透圧調節物質は、サルコシン(任意で上記の濃度の)である。
いくつかの態様において、特に低コピーの標的核酸の増幅においては、プライミングされていない二本鎖核酸標的とのポリメラーゼの結合によって効率が低減する。ポリメラーゼと二本鎖標的との結合により、標的は、変性すること、プライマーとハイブリダイズすること、および増幅反応を受けることが妨げられる。プライミングされる鋳型に対するポリメラーゼの特異性を改善するために、いくつかの態様において、本発明の反応混合物ではヘパリンを利用する。負に帯電しているヘパリン分子を反応混合物の中に含めて、二本鎖核酸の静電的特性を模倣することができる。ヘパリンの添加により、作用機序に限定されるわけではないが、プライミングされる一本鎖の鋳型が現れるまで、過剰のポリメラーゼが二本鎖の鋳型に結合するのを防ぐことができる。いくつかの例示的な態様において、ヘパリンは約50〜約750 pg/μlの濃度で本発明の方法およびキットにおいて用いられる。さらなる例示的な態様において、ヘパリンは約75〜約700、約100〜約600、約125〜約500、約150〜約400、約175〜約300および約200〜約250 pg/μlの濃度で本発明の方法およびキットにおいて用いられる。当技術分野において公知の他の分子を同じように用いて、ポリメラーゼとプライミングされていない二本鎖鋳型との非特異的結合を防ぐことができる。
いくつかの態様において、反応混合物は、標的核酸分子の増幅の前に増幅反応混合物に添加された場合に核酸増幅の特異性を改善する作用物質を含む。いくつかの態様において、作用物質は、アルギニン(例えば、L-アルギニンまたはD-アルギニン)、スペルミジン、およびスペルミンより選択される。いくつかの態様において、作用物質は、アルギニンである。
いくつかの態様において、核酸増幅の特異性を改善する作用物質は、約1 mM〜約500 mMの濃度で増幅反応混合物中に存在する。いくつかの態様において、作用物質は、約1 mM〜約100 mM、約1 mM〜約75 mM、約1 mM〜約50 mM、約1 mM〜約25 mMまたは約5 mM〜約15 mMの濃度で存在する。
本発明のアルギニン、スペルミジン、および/またはスペルミン作用物質は、塩として提供されてもよい。適用可能な塩形態の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、メタンスルホン酸、硝酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩(例えば、(+)-酒石酸塩、(-)-酒石酸塩またはラセミ混合物を含むその混合物)、コハク酸塩、および安息香酸塩が挙げられる。これらの塩は、当業者に公知の方法によって調製されうる。ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミノ、もしくはマグネシウム塩のような塩基付加塩、または類似の塩も含まれる。本発明の作用物質が比較的塩基性の官能基を含む場合、中性形態のそのような化合物を、そのままで、または適当な不活性溶媒中で、十分な量の所望の酸と接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。許容される酸付加塩の例としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、一水素炭酸(monohydrogencarbonic)、リン酸、一水素リン酸(monohydrogenphosphoric)、二水素リン酸(dihydrogenphosphoric)、硫酸、一水素硫酸(monohydrogensulfuric)、ヨウ化水素酸、または亜リン酸などのような無機酸に由来する塩、および酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トリルスルホン酸、クエン酸、酒石酸、メタンスルホン酸などのような有機酸に由来する塩が挙げられる。いくつかの態様において、アルギニン、スペルミジン、および/またはスペルミンの塩は、一塩酸塩、二塩酸塩、三塩酸塩、または四塩酸塩である。
いくつかの態様において、本発明の増幅反応混合物は約1 U/ml〜約75 U/ml (例えば、約1 U/ml、5 U/ml、10 U/ml、15 U/ml、20 U/ml、25 U/ml、30 U/ml、35 U/ml、40 U/ml、45 U/ml、50 U/ml、55 U/ml、60 U/ml、65 U/ml、70 U/mlまたは75 U/ml)の濃度の本明細書において記述されるポリメラーゼ(例えば、ポリメラーゼ-Sso7コンジュゲート); 約1 mM〜約100 mM (例えば、約 1 mM、5 mM、10 mM、15 mM、20 mM、25 mM、30mM、35 mM、40 mM、45 mM、50 mM、55 mM、60 mM、65 mM、70 mM、75 mM、80 mM、85 mM、90 mM、95 mMまたは100 mM)の濃度のアルギニン、スペルミジン、もしくはスペルミン、またはそれらの塩; 約0.1 mM〜約10 mM (例えば、約0.1 mM、0.2 mM、0.3 mM、0.4 mM、0.5 mM、0.6 mM、0.7 mM、0.8 mM、0.9 mM、1 mM、2 mM、3 mM、4 mM、5 mM、6 mM、7 mM、8 mM、9 mMまたは10 mM)の濃度のdNTP; 約1 mM〜約20 mM (例えば、約1 mM、2 mM、3 mM、4 mM、5 mM、6 mM、7 mM、8 mM、9 mM、10 mM、11 mM、12 mM、13 mM、14 mM、15 mM、16 mM、17 mM、18 mM、19 mMまたは20 mM)の濃度のマグネシウム、例えば、MgCl2; 約10 mM〜約100 mM (例えば、約10 mM、20 mM、30 mM、40 mM、50 mM、60 mM、70 mM、80 mM、90 mMまたは100 mM)の濃度の(NH4)2SO4; 約50 mM〜約200 mM (例えば、約50 mM、60 mM、70 mM、80 mM、90 mM、100 mM、110 mM、120 mM、130 mM、140 mM、150 mM、160 mM、170 mM、180 mM、190 mMまたは200 mM)の濃度のカリウム、例えば、KCl; 約50 mM〜約200 mM (例えば、約50 mM、60 mM、70 mM、80 mM、90 mM、100 mM、110 mM、120 mM、130 mM、140 mM、150 mM、160 mM、170 mM、180 mM、190 mMまたは200 mM)の濃度の緩衝液、例えば、Tris pH 8.5〜9.5または約5 mM〜約200 mM (例えば、約5 mM、10 mM、25 mM、40 mM、50 mM、60 mM、70 mM、80 mM、90 mM、100 mM、110 mM、120 mM、130 mM、140 mM、150 mM、160 mM、170 mM、180 mM、190 mMまたは200 mM)の濃度の、20℃〜37℃の場合に1℃あたり0.027 pH単位未満の変化を(0.1 Mの濃度で測定した場合に)有する緩衝液; 約100 mM〜約500 mM (例えば、約100 mM、125 mM、150 mM、175 mM、200 mM、225 mM、250 mM、275 mM、300 mM、325 mM、350 mM、375 mM、400 mM、425 mM、450 mM、475 mMまたは500 mM)の濃度の二糖類、例えば、トレハロース; 約50 mM〜約200 mM (例えば、約50 mM、60 mM、70 mM、80 mM、90 mM、100 mM、110 mM、120 mM、130 mM、140 mM、150 mM、160 mM、170 mM、180 mM、190 mMまたは200 mM)の濃度の、一種または複数種の浸透圧調節物質、例えば、サルコシン、トリメチルアミンN-オキシド(TMAO)、ジメチルスルホニオプロピオネートおよびトリメチルグリシン; 約0.1%〜約0.5% (例えば、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%または0.5%)の濃度のTween-20; 約1%〜約10% (例えば、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%)の濃度のグリセロール; 約1%〜約10% (例えば、約1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%または10%)の濃度のDMSO; 約0.001%〜約0.01% (例えば、約0.001%、0.002%、0.003%、0.004%、0.005%、0.006%、0.007%、0.008%、0.009%または0.01%)の濃度のフルオレセイン; ならびに約0.5×〜約5×(例えば、約0.5×、0.6×、0.7×、0.8×、0.9×、1×、1.5×、2×、2.5×、3×、3.5×、4×、4.5×または5×)の濃度のDNA結合色素(例えば、シアニン色素)を含む。
増幅反応にPOPSOを含めることで、増幅特異性を改善できることが発見されたが、この発見に基づけば、20℃〜37℃の場合に1℃あたり0.027 pH単位未満の変化を有するいずれの緩衝液(例えば、POPSO)も同じ効果を有するものと考えられる。したがって、上記の反応混合物は、例えば、HEPES ((4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸))、ACES (N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸)、PIPES (ピペラジン-N,N'-ビス(2-エタンスルホン酸)、MOPSO (3-(N-モルホリノ)-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、BES (N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸)、MOPS (3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸)、TES (N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸)、TAPSO (3-[N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)、POPSO (ピペラジン-N,N'-ビス(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸))、BICINE (N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン)、TAPS (N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸)、またはAMPSO (N-(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)を含むことができる。
VII. キット
一つの局面において、本発明は、核酸増幅反応を行うためのキットを提供する。いくつかの態様において、そのようなキットは、Sso7-ポリメラーゼコンジュゲート、および任意でdNTP、および少なくとも一種類の緩衝液(例えば、Trissまたは20℃〜37℃の場合に1℃あたり0.027 pH単位未満の変化を有する緩衝液(例えば、HEPESまたはPOPSO))を含む。そのようなキットは、プライマー、プローブ、安定剤および増幅反応の効率を高めるための他の添加物(例えば、アルギニン、スペルミジン、スペルミン、ヘパリン、および/またはサルコシン)を含んでもよい。そのようなキットは、一つまたは複数のプライマーと、キットの構成要素を用いて核酸増幅反応を行うための使用説明書とを含んでもよい。
さらなる局面において、本発明は、従来の反応条件および反応物質を用いて行われた反応と比べて核酸増幅反応の効率および特異性を改善する構成要素を含んだキットを提供する。そのようなさらなる構成要素は、本明細書においてさらに記述されており、非限定的に、ホットスタート抗体、ならびに/またはサルコシンおよびヘパリンなどの添加物を含む。
以下の実施例は、特許請求する発明を例証することを意図するが、これに限定されることはない。
実施例1
ポリメラーゼドメインについてはSEQ ID NO:2に基づき、かつSso7dドメインとしてはSEQ ID NO:3に基づき、一連のSso7d-ポリメラーゼコンジュゲートを作出した。Sso7dドメインは位置番号28 (野生型K)または43 (野生型R)で変異させた。得られたコンジュゲートは、鋳型DNA分子を増幅させることにより、および得られた産物を融解温度分析を用いてSYBR GREENで検出することにより試験した。HeLa細胞由来のcDNA 1 ngを鋳型として用い、二段階PCRを行って18sアンプリコン(18s68)を増幅させた。各増幅サイクルにおいて95℃で5秒の変性段階、その後に61℃で30秒のアニール・伸長段階を伴う常用の2段階PCRプロトコルを用い、Bio-Rad CFX96 qPCR機器にてqPCRを行った。40サイクルのPCR増幅を行い、その後、各段階ごとに5秒の保持を伴う0.5℃の温度増分により融解曲線分析を行った。融解曲線分析は、温度(Tm)の増加とともに二本鎖DNA(dsDNA)から一本鎖DNA (ssDNA)に移行する際の、その解離(融解)挙動に基づいてdsDNAを特徴付ける技法であり、その融解曲線分析を用いてPCR特異性を評価した。概して、融解曲線分析の前にPCRによって標的配列を増幅させた。PCR産物の融解は、ヌクレオチド配列、長さ、GC含量および鎖相補性に従って、特定の融解温度の単一のピークを与える。それゆえ、単一の融解ピークは、一つの特異的PCR産物を示す。複数のピークは、特異的産物に加えて非特異的産物の存在を示す。
野生型コンジュゲートはかなりの非特異的産物を生じた(すなわち融解曲線分析において二本のピーク)が、K28に対応する位置でのいくつかの置換は、活性の改善、すなわち、非特異的ポリメラーゼ活性の低減をもたらした。R28がS、T、C、P、D、E、N、またはQのいずれかに変えられた変異体は、R28野生型と比べて改善した活性(特異性)を有していた。R28MおよびR28Rは、野生型よりも有意に良好というわけではなかった。試験したK28変種Sso7d-ポリメラーゼコンジュゲートには、SEQ ID NO:35〜42に記載の配列を有するものが含まれた。
次に、R43変種Sso7d-ポリメラーゼコンジュゲートに対するPCR特異性を評価するために、HeLa細胞由来のcDNA 1 ngを鋳型として用いて上記と同じ条件の下で二段階PCRを行って、β-アクチンアンプリコン(ActB86)を増幅させた。いくつかの置換は、非特異的ポリメラーゼ活性の低下をもたらした。例えば、R43がG、A、S、T、C、V、L、I、M、F、Y、D、E、N、Q、H、K、またはWのいずれかに変えられた変異体は、R43野生型と比べて改善した活性(特異性)を有していた。R43Mには、ほんのわずかに非特異的なショルダーがあったが、それでもなお、R43Mは野生型と比べて有意に改善されていた。試験したR43変種Sso7-ポリメラーゼコンジュゲートには、SEQ ID NO:43〜60に記載の配列を有するものが含まれた。
さらに、非特異的なポリメラーゼ活性は、PCR反応混合物に試薬を加えることによっても低減されうることが発見された。HeLa細胞由来のcDNA 10 ng、1 ng、100 pgおよび10 pgを鋳型として用いてPCRを行い、18sアンプリコン(18s68)を増幅させた。各増幅サイクルにおいて98℃で5秒の変性段階、その後に60℃で30秒のアニール・伸長段階を伴う常用の2段階PCRプロトコルを用いてqPCRを行った。40サイクルのPCR増幅を実行し、その後、上記のように融解曲線分析を行った。L-アルギニン一塩酸塩(10 mM)、スペルミジン三塩酸塩(5 mM)、またはスペルミン四塩酸塩(5もしくは10 mM)を加えることで、試験したSso7d-ポリメラーゼコンジュゲート変種の非特異的活性がさらに低減された。これは、さまざまな鋳型濃度(10 ng〜10 pg)で10 mMのL-アルギニン一塩酸塩を含有する反応混合物を用いたqPCRの結果においてさらに実証された。遊離アルギニンを欠く対照と比べて、遊離アルギニンを含む対応する反応では、各鋳型濃度において、特異的な産物がより多く、非特異的な産物がかなり少なかった。
次に、qPCR試薬混合物の阻害物質耐性を増強するうえでのアルギニンの効果について試験した。増幅反応混合物には、約24 U/mlの終濃度の、変異Sso7dドメイン(SEQ ID NO:38)とコンジュゲートしているエキソヌクレアーゼ欠損ポリメラーゼ(SEQ ID NO:33)およびポリメラーゼ阻害物質(一般的なPCR阻害物質である異なる二種類のチョコレート(EnlveonetまたはTanzanie)のうちの一種類)が含まれた。アルギニンは、一つのサンプルセットからは除かれ、もう一つのサンプルセットには10 mMの濃度で加えられた。qPCR反応におけるチョコレートの最終百分率濃度は、0〜2%に及んだ。HeLa細胞由来のcDNA 1 ngを鋳型として用いてPCRを行い、ADARアンプリコン(ADAR_162)を増幅させた。各増幅サイクルにおいて95℃で5秒の変性段階、その後に60℃で30秒のアニール・伸長段階を伴う常用の2段階PCRプロトコルを用いてqPCRを行った。40サイクルのPCR増幅を実行し、その後、上記のように融解曲線分析を行った。さまざまな濃度の阻害物質の存在下でのPCR増幅の成功(増幅によって反映され、Ct値によっても評価される)は、反応混合物がPCR阻害物質にどれくらい耐性であるかを示す。どちらのチョコレートの場合にも、より高い濃度の阻害物質の存在下で、アルギニンを欠く試薬混合物については、増幅または十分な増幅は認められなかった。対照的に、アルギニンを補充した試薬混合物は、2%阻害物質の存在下でさえも良好なPCR増幅を依然として示し、より高い阻害物質耐性を示唆するものであった。
本明細書において記述される実施例および態様は、例示的な目的のものでしかなく、かつそれらに照らしてさまざまな修正または変更が当業者に示唆されるはずであり、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲のなかに含まれるものと理解されよう。本明細書において引用される全ての刊行物、特許および特許出願は、全ての目的でその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
非公式の配列表
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いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、リジン(K)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アルギニン(R)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アラニン(A)、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびプロリン(P)からなる群より選択される。
本発明はまた、上記のまたは本明細書の他の箇所に記述のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む核酸を提供する。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、リジン(K)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アルギニン(R)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アラニン(A)、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびプロリン(P)からなる群より選択される。
本発明はまた、上記のまたは本明細書の他の箇所に記述のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質をコードするポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターを含む組換え発現カセットを含む細胞を提供する。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、リジン(K)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アルギニン(R)ではない。いくつかの態様において、SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸は、アラニン(A)、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびプロリン(P)からなる群より選択される。
いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である。いくつかの態様において、ポリメラーゼは、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:34またはSEQ ID NO:61を含む。
[本発明1001]
ポリメラーゼに連結されたSso7ドメインを含み、
SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸がリジン(K)ではなく; かつ/または
SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸がアルギニン(R)ではない、
Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質であって、
SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸がリジン(K)でありかつSEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸がアルギニン(R)であること以外は同一である対照コンジュゲートタンパク質と比べて、低下した非特異的増幅活性を有する、前記Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1002]
Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質の非特異的増幅活性が、対照コンジュゲートタンパク質の非特異的増幅活性と比べて少なくとも10%低減している、本発明1001のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1003]
SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸が、リジン(K)ではない、本発明1001のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1004]
SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸が、セリン(S)、トレオニン(T)、シトシン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群より選択される、本発明1003のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1005]
SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸が、アルギニン(R)ではない、本発明1001のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1006]
SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸が、アラニン(A)、シトシン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびプロリン(P)からなる群より選択される、本発明1005のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1007]
ポリメラーゼが、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠いている、本発明1001のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1008]
Sso7ドメインが、SEQ ID NO:2の最初の58個もしくは60個のアミノ酸とまたはSEQ ID NO:2の全長と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である、本発明1001のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1009]
Sso7ドメインが、SEQ ID NO:2と少なくとも90%同一である、本発明1001のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1010]
ポリメラーゼが、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である、本発明1001のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1011]
ポリメラーゼが、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:61を含む、本発明1010のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1012]
ポリメラーゼドメインが、熱安定性ポリメラーゼ活性を有する、本発明1001のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1013]
ポリメラーゼドメインが、ファミリーAポリメラーゼドメインである、本発明1012のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1014]
ポリメラーゼドメインが、ΔTaqポリメラーゼドメインである、本発明1013のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1015]
ポリメラーゼドメインが、ファミリーBポリメラーゼドメインである、本発明1012のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1016]
ポリメラーゼドメインが、パイロコッカス属(Pyrococcus)由来である、本発明1015のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
[本発明1017]
本発明1001〜1016のいずれかのSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を含む、反応混合物。
[本発明1018]
一つもしくは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、一つもしくは複数の検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、緩衝液、ヌクレオシド三リン酸、塩、DNA結合色素、または安定剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、本発明1017の反応混合物。
[本発明1019]
本発明1001〜1016のいずれかのSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を含む、キット。
[本発明1020]
コンジュゲートタンパク質を含有する容器と同じまたは異なる容器の中に、一つもしくは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、一つもしくは複数の検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、緩衝液、ヌクレオシド三リン酸、塩、DNA結合色素、または安定剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、本発明1019のキット。
[本発明1021]
a. 少なくとも一つのプライマー; および
b. 本発明1001〜1016のいずれかのSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質
を含む反応混合物中で、標的核酸を、該プライマーによる該標的核酸の増幅を可能とする条件の下でインキュベートし、それによって該標的核酸を増幅させる段階
を含む、サンプル中の標的核酸を増幅する方法。
[本発明1022]
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む、本発明1021の方法。
[本発明1023]
本発明1001〜1016のいずれかのSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、核酸。
[本発明1024]
本発明1023のポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターを含む組換え発現カセットを含む、細胞。
SEQ ID NO:2に対応するK28および/またはR43の位置で、いずれかのSso7 DNA結合タンパク質ドメインを置換することができる。したがって、例えば、いくつかの態様において、変種Sso7ポリペプチド配列は、例えば、SEQ ID NO:2、3、4、5、または6のいずれかと実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一であり、K28に対応するアミノ酸の位置にK以外のアミノ酸を含む。いくつかの態様において、K28に対応するアミノ酸の位置には、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、またはチロシン(Y)が存在する。
いくつかの態様において、変種Sso7ポリペプチド配列は、例えば、SEQ ID NO:2、3、4、5、または6のいずれかと実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一であり、R43に対応するアミノ酸の位置にR以外のアミノ酸を含む。いくつかの態様において、R43に対応するアミノ酸の位置には、アラニン(A)、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、またはプロリン(P)が存在する。
いくつかの態様において、変種Sso7ポリペプチド配列は、例えば、SEQ ID NO:2、3、4、5、または6のいずれかと実質的に(例えば、少なくとも60、70、80、85、90、または95%)同一であり、K28に対応するアミノ酸の位置にK以外のアミノ酸を含み、かつR43に対応するアミノ酸の位置にR以外のアミノ酸を含む。例えば、いくつかの態様において、位置K28のアミノ酸は、セリン(S)、トレオニン(T)、システイン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、バリン(V)、トリプトファン(W)、またはチロシン(Y)より選択され、かつ位置R43のアミノ酸は、アラニン(A)、システイン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、またはプロリン(P)より選択される。

Claims (24)

  1. ポリメラーゼに連結されたSso7ドメインを含み、
    SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸がリジン(K)ではなく; かつ/または
    SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸がアルギニン(R)ではない、
    Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質であって、
    SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸がリジン(K)でありかつSEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸がアルギニン(R)であること以外は同一である対照コンジュゲートタンパク質と比べて、低下した非特異的増幅活性を有する、前記Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  2. Sso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質の非特異的増幅活性が、対照コンジュゲートタンパク質の非特異的増幅活性と比べて少なくとも10%低減している、請求項1記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  3. SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸が、リジン(K)ではない、請求項1記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  4. SEQ ID NO:2のK28に対応するSso7ドメインのアミノ酸が、セリン(S)、トレオニン(T)、シトシン(C)、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、アラニン(A)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アルギニン(R)、バリン(V)、トリプトファン(W)、およびチロシン(Y)からなる群より選択される、請求項3記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  5. SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸が、アルギニン(R)ではない、請求項1記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  6. SEQ ID NO:2のR43に対応するSso7ドメインのアミノ酸が、アラニン(A)、シトシン(C)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、フェニルアラニン(F)、グリシン(G)、ヒスチジン(H)、イソロイシン(I)、リジン(K)、ロイシン(L)、メチオニン(M)、アスパラギン(N)、グルタミン(Q)、セリン(S)、トレオニン(T)、バリン(V)、トリプトファン(W)、チロシン(Y)、およびプロリン(P)からなる群より選択される、請求項5記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  7. ポリメラーゼが、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を実質的に欠いている、請求項1記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  8. Sso7ドメインが、SEQ ID NO:2の最初の58個もしくは60個のアミノ酸とまたはSEQ ID NO:2の全長と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である、請求項1記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  9. Sso7ドメインが、SEQ ID NO:2と少なくとも90%同一である、請求項1記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  10. ポリメラーゼが、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:61と実質的に(例えば、少なくとも60、75、80、85、90、または95%)同一である、請求項1記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  11. ポリメラーゼが、SEQ ID NO:33またはSEQ ID NO:61を含む、請求項10記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  12. ポリメラーゼドメインが、熱安定性ポリメラーゼ活性を有する、請求項1記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  13. ポリメラーゼドメインが、ファミリーAポリメラーゼドメインである、請求項12記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  14. ポリメラーゼドメインが、ΔTaqポリメラーゼドメインである、請求項13記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  15. ポリメラーゼドメインが、ファミリーBポリメラーゼドメインである、請求項12記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  16. ポリメラーゼドメインが、パイロコッカス属(Pyrococcus)由来である、請求項15記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を含む、反応混合物。
  18. 一つもしくは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、一つもしくは複数の検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、緩衝液、ヌクレオシド三リン酸、塩、DNA結合色素、または安定剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項17記載の反応混合物。
  19. 請求項1〜16のいずれか一項記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質を含む、キット。
  20. コンジュゲートタンパク質を含有する容器と同じまたは異なる容器の中に、一つもしくは複数のオリゴヌクレオチドプライマー、一つもしくは複数の検出可能に標識されたオリゴヌクレオチドプローブ、緩衝液、ヌクレオシド三リン酸、塩、DNA結合色素、または安定剤のうちの少なくとも一つをさらに含む、請求項19記載のキット。
  21. a. 少なくとも一つのプライマー; および
    b. 請求項1〜16のいずれか一項記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質
    を含む反応混合物中で、標的核酸を、該プライマーによる該標的核酸の増幅を可能とする条件の下でインキュベートし、それによって該標的核酸を増幅させる段階
    を含む、サンプル中の標的核酸を増幅する方法。
  22. ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含む、請求項21記載の方法。
  23. 請求項1〜16のいずれか一項記載のSso7ポリメラーゼコンジュゲートタンパク質をコードするポリヌクレオチドを含む、核酸。
  24. 請求項23記載のポリヌクレオチドに機能的に連結されたプロモーターを含む組換え発現カセットを含む、細胞。
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