JP2005510235A - 改良型ポリメラーゼの使用方法 - Google Patents

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Abstract

本発明により、核酸ポリメラーゼ産生の改良を使用して、配列決定を行う方法およびポリメラーゼ反応を行う方法が提供される。この改良は、ポリメラーゼの伸長性が増強されるように、酵素に配列非特異的な核酸結合ドメインを融合することである。

Description

本出願は、2001年11月28日付で出願した米国特許仮出願第60/333,966号の恩典を主張するものであり、これは参照として本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明により、ポリメラーゼ反応を行うさらに効果的な方法が提供される。この方法は、核酸ポリメラーゼ産生の改良を使用する。この改良は、酵素が核酸に結合してこれを触媒的に修飾する能力を増強するように、酵素に配列非特異的な核酸結合ドメインを連結するというものである。
発明の背景
ポリメラーゼの伸長性、即ち、酵素が1回結合するごとに産生される産物量は、修飾酵素/核酸複合体の安定性を増加させることにより増強することができる。今回、本発明により、酵素、または例えば、同時係属中の米国特許出願第09/870,353号および国際公開公報第01/92501号中に開示されているその触媒ドメインに配列非特異的な二本鎖核酸結合ドメインを連結することにより、核酸の二本鎖高次構造が安定化されかつ酵素の伸長性が高められる、新規修飾酵素を用いる向上したポリメラーゼ・アッセイ法が提供される。本来、伸長性の修飾タンパク質は、結合ドメインに連結されると、酵素単独のものと比べて伸長性が増すことが示される。
多くの用途でポリメラーゼ反応を増強する必要性がある。例えば、dsDNA検出に特異的な蛍光色素SYBRグリーン(SYBR Green)I (Molecular Probes社、Eugene、OR; 米国特許第5,436,134号および米国特許第5,658,751号)は、リアルタイムPCRで増幅サイクルごとのdsDNAの産生を監視するのに広く用いられている。しかし、SYBRグリーンIを加えると、PCRで使用されるDNAポリメラーゼの活性が阻害されてしまう。同様に、多くの場合、未精製のまたは「汚い」核酸試料の解析にPCRを使用することも望まれる。例えば、コロニーPCRは有用な方法であり、この方法は、特定のDNA配列に対してコロニーを選別することを目的として、細菌のシングルコロニーの少量試料を溶解し、これをPCR反応液に直接加えるものである。しかし、コロニーPCR法は、コロニー由来の残存汚染物質のせいで失敗率が高い。従って、このような阻害剤、例えば、蛍光色素および細胞抽出物中に存在する不純物に耐性なポリメラーゼが、より効率的なポリメラーゼ反応、例えば、PCRを行うために必要とされる。
配列決定反応を改善する必要性もある。配列決定反応、例えば、サイクルシークエンシングで現在使用されているポリメラーゼは、多くの場合、効率性が悪い。例えば、サイクルシークエンシング法は、伸長性が不十分な酵素で行われることが多い。多くの場合、使用される酵素は、Taqポリメラーゼの5’から3’ヌクレアーゼドメインが除かれていて、約2塩基の伸長性を有する、ΔTaq誘導体である。同様に、ダイターミネーターシークエンシング法の場合、dGTPの代わりにdITPが使用され、これによりヌクレオチドのグアニンでポリメラーゼの休止と解離が起こる。従って、これらの酵素により、不適当に終結した大量のシークエンス産物が産生される。これらの停止により、さらにマイナスの効果として、適当に終結したシークエンス産物の産生と競合する。さらに、ポリメラーゼが反復(リピート)単位(例えば、三塩基反復)または二次構造(例えば、ステムおよびループ)を含む鋳型のプライマー伸長の間に解離する場合、3’末端は、変性および再アニーリングして鋳型の異なる位置でプライミングする可能性がある。例えば、リピートの場合、再アニーリングは異なるリピートで起こる可能性があり;または二次構造の場合、不適当な再アニーリングにより鋳型の一部が取り除かれてしまう可能性がある。従って、配列決定の間にポリメラーゼが解離してしまうと、信頼性のある配列決定情報を効率的に得る際に問題が生じる可能性がある。
本発明は、これらの必要性、即ち、阻害剤の存在下で行われるポリメラーゼ反応を増強する必要性およびDNA配列決定の用途において伸長性を増強する必要性のどちらにも対処する。本発明により、このように増強された、または改良されたポリメラーゼ反応が提供される。この改良は、ポリメラーゼに連結された配列非特異的な核酸結合ドメインの存在により、伸長性が高められたポリメラーゼを使用するものである。
発明の簡単な概要
本発明により、配列非特異的な二本鎖核酸結合ドメインに連結されたポリメラーゼドメインを含むポリメラーゼタンパク質を用いてポリメラーゼ反応をより効率的に行う方法が提供される。通常、配列非特異的な二本鎖核酸結合ドメインの存在により、配列非特異的な核酸結合ドメインが連結されていない同一タンパク質と比較して、ポリメラーゼの伸長性が増す。
ポリメラーゼドメインは、熱に安定な、例えば、ΔTaqポリメラーゼドメインのようなサーマス(Thermus)ポリメラーゼドメイン、またはパイロコッカス(Pyrococcus)ポリメラーゼドメインとすることができる。
ある態様として、配列非特異的な核酸結合ドメインは、Sac7dまたはSso7dのどちらかに対して作製されたポリクローナル抗体に特異的に結合する。または、配列非特異的な核酸結合ドメインは、Sso7dに類似のアミノ酸を50%含有する、アミノ酸50個のサブシークエンスを含む。通常、配列非特異的な核酸結合ドメインはSso7dであるかまたは、Sso7dに対して作製されたポリクローナル抗体に特異的に結合する。
ポリメラーゼ反応は、試料の未精製調製物中に存在する標的核酸に対して行うことができる。別の態様として、ポリメラーゼ反応は、通常、ポリメラーゼを阻害する分子、例えばSYBRグリーンIのような蛍光色素の存在下で行われる。さらに、ポリメラーゼをサイクルシークエンシング反応で使用して、例えば、未改変型のポリメラーゼでは配列決定が妨害されてしまう二次構造領域を経由して、より長い配列を得ることができる。
発明の詳細な説明
定義
「古細菌の小さな塩基性DNA結合タンパク質」とは、スルフォロバス・ソルファタリカス(Sulfolobus sulfataricus)由来のSso7dのような天然型の古細菌の小さな塩基性DNA結合タンパク質に対して50%の相同性を有するかまたは天然型の古細菌の小さな塩基性DNA結合タンパク質に対して作製された抗体に結合する、アミノ酸が50〜75個のタンパク質を指す。
「ドメイン」とは、タンパク質またはタンパク質複合体の単位を指し、その単位が、定義された機能を有するようにポリペプチドサブシークエンス、完全なポリペプチド配列、または複数のポリペプチド配列を含む。この機能は、広く定義されるものと理解して、リガンド結合、触媒活性とすることができる、またはタンパク質構造に安定効果をもたらすことができる。
本発明の核酸修飾酵素という文脈中で「効率性」とは、特定の反応条件下でその触媒機能を行う酵素の能力を指す。通常、本明細書で定義される「効率性」は、所定の反応条件下で産生される産物量により示される。
酵素という文脈中で「増強する」とは、酵素の活性を向上させること、即ち、単位酵素について単位時間当たりの産物量を増加させることを指す。
「融合された」とは、共有結合による連結を指す。
「異種の」とは、タンパク質の部分に関して使用される場合、タンパク質が、天然には相互に同一の関係では見られない2つまたはそれ以上のドメインを含むことを示す。このようなタンパク質、例えば、融合タンパク質は、関連性のないタンパク質に由来する2つまたはそれ以上のドメインを並べて含み、新たな機能性タンパク質を構成する。
「連結する」とは、タンパク質ドメインを機能的に連結するための当技術分野において周知の任意の方法を指し、以下に限定されることはないが、介在ドメインを有するかまたは有さない組み換え融合、インテイン媒介性の融合、非共有性の会合、ならびにジスルフィド結合;水素結合;静電結合;および立体配座的結合、例えば、抗体-抗原結合、およびビオチン-アビジン結合を含む共有結合が含まれる。
「核酸修飾酵素」とは、核酸を共有結合的に変化させる酵素を指す。
「ポリメラーゼ」とは、ポリヌクレオチドの鋳型を標的とした合成を行う酵素を指す。この用語は、本明細書で使用される際にはまた、触媒活性を有するポリメラーゼドメインを指す。
ポリメラーゼまたはポリメラーゼドメインの「エラー校正活性」とは、鋳型特異的な核酸ポリメラーゼの3’から5’方向のエキソヌクレアーゼの校正活性を指し、これにより鋳型とワトソン-クリックの塩基対を形成しないヌクレオチドが、オリゴヌクレオチドの3’末端、即ち、鋳型から合成されているストランドから、連続的に取り除かれる。エラー校正活性を有するポリメラーゼの例には、パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)、およびサーモトガ・マリティマ(Thermotoga maritima)由来のポリメラーゼが含まれる。
伸長性とは、核酸修飾酵素が、鋳型または基質との結合を維持して、複数の修飾反応を行う能力を指す。伸長性は、1回の結合事象(binding event)について起こる触媒事象(catalytic events)の数により測定される。
「配列非特異的な核酸結合ドメイン」とは、かなりの親和性で核酸に結合するタンパク質ドメインを指し、これに対して、ヌクレオチド組成は同じであるがヌクレオチド配列が異なる他の核酸よりも100倍を超える高い親和性でタンパク質ドメインに結合する周知の核酸はない。
本明細書で使用される「熱に安定なポリメラーゼ」とは、鋳型としてDNAまたはRNAを用いてヌクレオチド鎖にヌクレオチド単位を付加することによりポリヌクレオチド合成を触媒しかつ45℃を超える温度で至適活性を有する選択的な酵素を指す。
「サーマスポリメラーゼ」とは、以下に限定されることはないが、サーマス・アクアチクス(Thermus aquaticus)、サーマス・ブロキアナス(Thermus brockianus)、およびサーマス・サーモフィルス(Thermus thermophilus)を含む任意のサーマス種から単離されたファミリーA DNAポリメラーゼ; サーマス種に由来する任意の組み換え酵素、および遺伝学的改変もしくは化学修飾または当技術分野において周知の他の方法により誘導された、その機能的な任意の誘導体を指す。
「増幅反応」という用語は、核酸の標的配列のコピーを増加させるための任意のインビトロ手段を指す。このような方法には、以下に限定されることはないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)、DNAリガーゼ反応(米国特許第4,683,195号および米国特許第4,683,202号; PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (Innisら(編)、1990)を参照されたい) (LCR法)、QBeta RNAレプリカーゼ、およびRNA転写に基づく増幅反応(例えばTAS法および3SR法)のほか当業者に周知の他のものが含まれる。
「増幅する」とは、反応成分の全てが完全である場合、ポリヌクレオチドの増幅を可能とするのに十分な条件に対する解決策を提示する段階を指す。増幅反応の成分には、例えば、プライマー、鋳型ポリヌクレオチド、ポリメラーゼ、ヌクレオチドなどが含まれる。「増幅する」という用語は通常、標的核酸の「指数関数的な」増加を指す。しかし、本明細書で使用される「増幅する」とはまた、核酸の選択標的配列の数の直線的な増加を指すこともできる。
「増幅反応混合物」という用語は、標的核酸を増幅するために使用される種々の試薬を含む水溶液を指す。これらには、酵素、水性緩衝液、塩、増幅プライマー、標的核酸、およびヌクレオシド三リン酸が含まれる。状況に応じて、混合物は完全なまたは不完全な増幅反応混合物のどちらかとすることができる。
「ポリメラーゼ連鎖反応」または「PCR」とは、標的二本鎖DNAの特定部分またはサブシークエンスを、幾何級数的に増幅する方法を指す。PCR法は、当業者に周知であり; 例えば、米国特許第4,683,195号および米国特許第4,683,202号; ならびにPCR Protocols: A Guide to Methods and Applications、Innisら(編)、1990を参照されたい。典型的なPCR反応条件には通常、2段階サイクルまたは3段階サイクルのどちらかが含まれる。2段階サイクルには、変性段階、続けてハイブリダイゼーション/伸長段階がある。3段階サイクルには、変性段階、続けてハイブリダイゼーション段階、続けて別個に伸長段階が含まれる。
「ロングPCR」とは、長さが5 kbまたはそれより長いDNA断片の増幅を指す。ロングPCR法は通常、短い産物を増幅するのに従来使用されるポリメラーゼとは異なる、特別に適合されたポリメラーゼまたはポリメラーゼ混合物(例えば、米国特許第5,436,149号および米国特許第5,512,462号を参照されたい)を用いて行われる。
「プライマー」とは、標的核酸の配列にハイブリダイズして核酸合成の開始点として機能するポリヌクレオチド配列を指す。プライマーはさまざまな長さとすることができ、多くの場合、長さは50ヌクレオチド未満、例えば長さ、12〜30ヌクレオチドである。PCR法で使用するプライマーの長さと配列は、当業者に周知の原理に基づいて設計することができる。例えば、Innisら、上記を参照されたい。
温度プロフィルとは、PCRまたはサイクルシークエンシング反応の変性段階、アニーリング段階および/または伸長段階の温度と時間の長さを指す。PCRまたはサイクルシークエンシング反応の温度プロフィルは通常、類似のまたは同一の短い温度プロフィルの10〜60回の反復からなる。これらのより短い温度プロフィルのそれぞれが通常、2段階または3段階サイクルを規定することができる。温度プロフィルの選択は、当業者に周知の種々の熟慮に基づいている。例えば、Innisら、上記を参照されたい。本明細書に記載のロングPCRでは、長さが5 kbまたはそれより大きい増幅産物を得るのに必要な伸長時間は、従来のポリメラーゼ混合物と比較して短縮されている。
PCR「感度」とは、低いコピー数で存在する標的核酸を増幅する能力を指す。「低いコピー数」とは、増幅される核酸試料中の標的配列のコピーが105、多くの場合104、103、102、またはそれより少ないことを指す。
「鋳型」とは、プライマーハイブリダイゼーション部位に挟まれた、増幅されるポリヌクレオチドを含む、二本鎖ポリヌクレオチド配列を指す。従って、「標的となる鋳型」には、5’プライマーおよび3’プライマーに対するハイブリダイゼーション部位に挟まれた、標的ポリヌクレオチド配列が含まれる。
「改良型ポリメラーゼ」には、ポリメラーゼまたはポリメラーゼドメインに連結された配列非特異的な二本鎖DNA結合ドメインが含まれる。「未改良型ポリメラーゼ」は、配列非特異的な二本鎖DNA結合ドメインを有していないポリメラーゼである。
導入
本発明により、改良型ポリメラーゼを用いてポリメラーゼ反応を行う方法が提供される。これらのポリメラーゼ反応は通常、従来のポリメラーゼよりも効率性が高く、多くの産物をもたらす。これらの改良型ポリメラーゼには、結合ドメインが連結されたポリメラーゼドメインが含まれる。先行技術により、核酸結合タンパク質は核酸に対する酵素の結合親和性を増大できることが開示されたが、酵素の伸長特性を増強する能力を有する結合タンパク質の群は、特に価値がある。理論により束縛するわけではないが、本発明の結合ドメインは通常、二本鎖核酸から非常に遅い速度で解離する。これにより、本発明の結合ドメインは、酵素-核酸複合体を安定化させることで、結合ドメインが連結された修飾酵素の伸長性および/または効率性を増大させる。従って、本発明は、DNA結合ドメインにより、核酸の二本鎖立体構造を安定化できることと二本鎖基質を必要とする触媒ドメインの効率性を増大できるという発見によるものである。触媒的な核酸修飾酵素、例えば、ポリメラーゼの触媒特性および/または伸長特性に対する改良を容易に測定するための例と簡単なアッセイ法について、本明細書で説明する。
ポリメラーゼドメイン
DNAポリメラーゼは、当業者によく知られている。これらには、DNA依存性ポリメラーゼと逆転写酵素のようなRNA依存性ポリメラーゼの両方が含まれる。DNA依存性DNAポリメラーゼには少なくとも5つのファミリーが知られているが、大部分はファミリーA、BおよびCに分類される。各種のファミリー間には、構造的類似性または配列類似性が殆どまたは全くない。大部分のファミリーAポリメラーゼは、ポリメラーゼ、3’から5’方向のエキソヌクレアーゼ活性および5’から3’方向のエキソヌクレアーゼ活性を含んだ複数の酵素機能を含み得る一本鎖タンパク質である。ファミリーBポリメラーゼには通常、ポリメラーゼおよび3’から5’方向のエキソヌクレアーゼ活性のほか、副因子を伴う1つの触媒ドメインがある。ファミリーCポリメラーゼは通常、ポリメラーゼ活性および3’から5’方向のエキソヌクレアーゼ活性を有する複数サブユニットのタンパク質である。大腸菌(E. coli)では、3種類のDNAポリメラーゼとして、DNAポリメラーゼI(ファミリーA)、II(ファミリーB)、およびIII(ファミリーC)が発見されている。真核細胞では、3つの異なるファミリーBポリメラーゼである、DNAポリメラーゼα、δ、およびεは、核の複製に関与しており、ファミリーAポリメラーゼである、ポリメラーゼγは、ミトコンドリアDNAの複製に使用されている。その他の種類のDNAポリメラーゼには、ファージポリメラーゼが含まれる。
同様に、RNAポリメラーゼには通常、真核生物RNAポリメラーゼI、II、およびIII、ならびに細菌RNAポリメラーゼのほかファージおよびウイルスポリメラーゼが含まれる。RNAポリメラーゼは、DNA依存性およびRNA依存性とすることができる。
ある態様として、エラー校正活性を有するポリメラーゼドメインが、本明細書に記載の改良型ポリメラーゼの触媒ドメインとして使用される。これらのポリメラーゼは、長い、即ち、長さが5 kb、多くの場合10 kb、またはそれより大きいPCR産物を得るために使用することができる。これらの改良型ポリメラーゼを用いた「ロングPCR」は、先行技術の「ロングPCR」のポリメラーゼおよび/またはポリメラーゼ混合物と比較して、短縮された伸長時間により行うことができる。改良型ポリメラーゼを用いたPCRでは、長い産物を増幅するために、1 kb当たり30秒未満、多くの場合1 kb当たり15秒未満の伸長時間を使用することができる。さらに、これらの改変型ポリメラーゼはまた、感度の増加を示す。
Taqポリメラーゼのような先行技術のエラー非校正ポリメラーゼは、非常に少ない投入コピー濃度、例えば、極端には、1 ml当たり10コピーからDNAを増幅することができる。しかし、このようなポリメラーゼの忠実性が低いため、その増幅によりクローニングされた産物は、導入した変異を含んでいる可能性が高い。
Pfuのような先行技術のエラー校正ポリメラーゼは、Taqよりも高い忠実性でDNAを複製するが、少ない投入コピー濃度からDNAを増幅することができない。本発明のハイブリッド型エラー校正ポリメラーゼは、かなり高い伸長性を示す一方で、エラー校正活性を保持しており、これにより増幅反応で感度と忠実性の両方が得られる。
ポリメラーゼの活性は、当業者によく知られているアッセイ法を用いて測定することができる。例えば、ポリメラーゼ活性のような酵素の伸長活性は、ポリメラーゼ連鎖反応のような反応で合成される核酸の量を決定することにより測定することができる。酵素の相対効率を決定する際には、配列非特異的な二本鎖DNA結合ドメインを含むポリメラーゼにより得られた産物量を次いで、通常のポリメラーゼ酵素により得られた産物量と比較することができるが、これについては以下および実施例のなかでさらに詳細に説明する。
本発明で使用するのに適したポリメラーゼドメインは、酵素そのものまたは触媒ドメイン、例えば、Taqポリメラーゼまたはポリメラーゼ活性を有するTaqのドメインとすることができる。触媒ドメインは、付加アミノ酸を含んでもよくおよび/またはアミノ酸の置換、欠失もしくは付加を含んでもよいがそれでもなお酵素活性を保持しているバリアントとしてもよい。
配列非特異的な核酸結合ドメイン
二本鎖配列非特異的な核酸結合ドメインは、配列非依存的に二本鎖核酸に結合する、タンパク質またはタンパク質の定義領域であり、即ち、結合には特定配列に対する著しい選択性が見られない。通常、二本鎖核酸結合タンパク質は、一本鎖核酸に対して二本鎖核酸に10倍またはそれより高い親和性を示す。本発明の特定の態様において、二本鎖核酸結合タンパク質は、熱安定性であることが好ましい。このようなタンパク質の例には、以下に限定されるわけではないが、古細菌の小さな塩基性DNA結合タンパク質Sac7dおよびSso7d(例えば、Choliら、Biochimica et Biophysica Acta 950:193〜203、1988; Baumannら、Structural Biol. 1:808〜819、1994;およびGaoら、Nature Struc. Biol. 5:782〜786、1998を参照されたい)、古細菌のHMf様タンパク質(例えば、Starichら、J. Molec. Biol. 255:187〜203、1996; Sandmanら、Gene 150:207〜208、1994を参照されたい)、およびPCNA相同体(例えば、Cannら、J. Bacteriology 181:6591〜6599、1999; ShamooおよびSteitz、Cell: 99、155〜166、1999; De Feliceら、J. Molec. Biol. 291、47〜57、1999;およびZhangら、Biochemistry 34:10703〜10712、1995を参照されたい)。
Sso7dおよびSac7d
Sso7dおよびSac7dはそれぞれ、超好熱性古細菌のスルフォロバス・ソルファタリカスおよびS.アシドカルダリウス(S. acidocaldarius)由来の小さな(分子量 約7,000 kd)、塩基性染色体タンパク質である。これらのタンパク質は、リジンが豊富であり、かつ熱、酸および化学安定性が高い。それらのタンパク質は、配列非依存的にDNAに結合し、結合すると、DNAのTMをある条件下で40℃まで増加させる(McAfeeら、Biochemistry 34:10063〜10077、1995)。これらのタンパク質とその相同体は通常、ゲノムDNAのパッケージングと高温でゲノムDNAを安定化させるのに関与するものと思われる。
HMF様タンパク質
HMf様タンパク質は、真核生物のH4ヒストン(これはDNAと直接相互作用すると考えられる)とアミノ酸配列と構造の両方で相同性を共有する、古細菌のヒストンである。HMfファミリーのタンパク質は溶液中で安定な二量体を形成し、幾つかのHMf相同体が熱安定性の種から同定されている(例えば、メタノサーマス・フェルビダス(Methanothermus fervidus)およびパイロコッカス菌株GB-3a)。HMfファミリーのタンパク質を、Taq DNAポリメラーゼまたはもともとの伸長性が低い任意のDNA修飾酵素にいったん連結すれば、酵素がDNA基質に沿ってスライドする能力が増強され、これによってその伸長性が増大することができる。例えば、二量体のHMf様タンパク質は、Taq DNAポリメラーゼのN末端に、例えば、化学修飾を介して共有結合することができ、これによってポリメラーゼの伸長性が改善される。
PCNA相同体
全てのファミリーB DNAポリメラーゼとは限らないが多くのものは、補助タンパク質と相互作用して高伸長性のDNA合成を達成する。特に重要なクラスの補助タンパク質は、スライディングクランプと呼ばれる。特徴付けられた幾つかのスライディングクランプは、溶液中で三量体として存在し、二本鎖DNAを収納できる中央通路を有する環状構造を形成することができる。スライディングクランプは、特定のDNAポリメラーゼのC末端に位置するアミノ酸と特異的相互作用を形成し、複製の間、鋳型DNAにそれらのポリメラーゼをつなげておく。真核生物のスライディングクランプは、増殖性細胞核抗原(PCNA)と呼ばれる一方、他のドメインの類似タンパク質は、多くの場合、PCNA相同体と呼ばれる。これらの相同体は、著しい構造類似性を有するが配列類似性はわずかである。
最近、PCNA相同体が好熱性古細菌(例えば、スルフォロバス・ソルファタリカス、パイロコッカス・フリオサス(Pyroccocus furiosus)など)から単離された。古細菌の幾つかのファミリーBポリメラーゼは、共通のPCNA相互作用アミノ酸配列を含むC末端を有し、PCNA相同体を伸長因子として使用することができる(例えば、Cannら、J. Bacteriol. 181:6591〜6599、1999およびDe Feliceら、J. Mol. Biol. 291:47〜57、1999を参照されたい)。これらのPCNA相同体は、本発明に対して有用な配列非特異的な二本鎖DNA結合ドメインである。例えば、共通のPCNA相互作用配列を、本来はPCNA相同体と相互作用しないポリメラーゼに連結することができ、これによりPCNA相同体がポリメラーゼの伸長因子として機能することが可能になる。実例として、パイロコッカス・フリオサス PolII(2つのファミリーB様ポリペプチドを含むヘテロ二量体DNAポリメラーゼ)由来のPCNA相互作用配列を、パイロコッカス・フリオサスPolI(通常はPCNA相同体と相互作用しない単量体ファミリーBポリメラーゼ)に共有結合させることができる。得られた融合タンパク質を次に、未改変型のパイロコッカス・フリオサスPolIに対して伸長性が増大した新規の異種タンパク質を作製するため、パイロコッカス・フリオサス PCNA相同体と非共有的に会合させることができる。
その他の配列非特異的な二本鎖核酸結合ドメイン
本発明で使用するのに適したさらなる核酸結合ドメインは、周知の配列非特異的な二本鎖DNA結合タンパク質との相同性によりおよび/もしくは抗体による交差反応性により同定することができ、または生化学的アッセイ法を用いて発見してもよい。これらの方法は、例えば、国際公開公報第01/92501号中で説明されている。さらに、配列非特異的な二本鎖DNA結合タンパク質にポリメラーゼを連結する方法ならびに組み換え型のポリメラーゼおよびポリメラーゼ融合タンパク質を発現させる方法も説明されている(例えば、国際公開公報第01/92501号を参照されたい)。
ポリメラーゼドメインの活性の向上を決定するためのアッセイ法
ポリメラーゼドメインの活性は、結合ドメインに連結された修飾タンパク質ドメインの伸長および修飾活性をタンパク質単独のものと対照して、比較するのに使用できる種々のアッセイ法を用いて測定することができる。活性の向上には、伸長性の増大と効率性の増大の両方が含まれる。
ポリメラーゼの伸長性は、当業者に周知の種々の方法で測定することができる。ポリメラーゼの伸長性は一般的には、修飾酵素が、プライミングした(primed)鋳型に1回結合する間に取り込まれるヌクレオチド数と定義される。
例えば、5’FAM標識プライマーを環状または直鎖状のssM13mp18 DNAにアニーリングさせて、プライミングした鋳型を形成させる。伸長性を測定する際、プライミングした鋳型は通常、任意のプライミングした鋳型がポリメラーゼにより2回以上伸長される機会を最小化するために、アッセイされる酵素または触媒ドメインに対して有意に過剰モルで存在する。従って、緩衝液およびdNTPの存在下にて、プライミングした鋳型を測定するポリメラーゼ触媒ドメインと約4000対1(プライミングしたDNA 対 DNAポリメラーゼ)のような比率で混合する。MgCl2を添加してDNA合成を開始させる。開始後の様々な時点で、試料を停止させて、配列決定用ゲルで分析する。産物の長さの中央値が時間またはポリメラーゼ濃度とともに変化しないポリメラーゼ濃度での、その長さが酵素の伸長性に相当する。次に、本発明のタンパク質、即ち、ポリメラーゼのような伸長性の核酸修飾酵素の触媒ドメインに融合された配列非特異的な二本鎖核酸結合ドメインを含むタンパク質の伸長性を、結合ドメインがない酵素の伸長性と比較する。
効率性の増強は、酵素が産物を産生する能力の増大を測定することにより証明することもできる。そのような解析では、反応で得られる産物量を決定することにより間接的に二本鎖核酸の二本鎖の安定性を測定する。例えば、PCRアッセイ法を使用して、短い、例えば、長さが12ヌクレオチドのプライマーを高温、例えば、50℃でアニーリングさせて得られるPCR産物の量を測定することができる。この解析では、効率性の増強は、Taqポリメラーゼのようなポリメラーゼを本発明の配列非特異的な二本鎖核酸結合ドメイン、例えば、Sso7dに連結すると、50℃でアニーリングする12ヌクレオチドのプライマーを用いるPCRで、Taqポリメラーゼが単独で産生するよりも多くの産物を産生する能力により表される。対照的に、荷電残基、例えばリジンが連続する結合領域をポリメラーゼに連結すると、伸長性は増強されない。
塩感受性のようなアッセイ法をまた、本発明の伸長性の核酸修飾酵素の効率性の向上を証明するのに使用することができる。修飾酵素、またはその触媒ドメインを、本発明の配列非特異的な二本鎖核酸結合ドメインに融合すると、高塩濃度に対する耐性の増加が示される、即ち、伸長性が増大した伸長性酵素は、より高い塩濃度で、より多くの産物を産生することができる。例えば、塩が多い(例えば、80 mM)反応条件で、融合Taqポリメラーゼ(例えば、Sso7dを融合したTaqポリメラーゼ)を用いた反応で得られる産物量をTaqポリメラーゼと比較して決定するために、PCR解析を行うことができる。
本発明の改良型ポリメラーゼの効率性の増強を評価する他の方法は、当業者により、所定の修飾酵素の酵素活性の標準的なアッセイ法を用いて決定されうる。
改良型ポリメラーゼの使用
本発明により、ポリメラーゼ反応を行う改良法が提供される。ある態様として、本発明により、蛍光色素の存在下でポリメラーゼ反応を行う方法が提供される。リアルタイムPCR法のような反応でよく使用される多くの蛍光色素は、通常PCR法で使用されているポリメラーゼ、例えば、Taqポリメラーゼに対して阻害活性を有する。例えば、SYBRグリーンI (Molecular Probes社、Eugene、OR; 米国特許第5,436,134号および米国特許第5,658,751号)は、dsDNA検出に特異的な蛍光色素であり、リアルタイムPCRで増幅サイクルごとのdsDNAの産生を監視するのに広く用いられている。増幅を監視するための色素の使用法は、米国特許第5,994,056号および米国特許第6,171,785号中で説明されており、さらにこの目的でのSYBRグリーンIの使用法は、Morrisonら、Biotechniques 24:954〜962 (1998) 中で説明されている。
SYBRグリーンIを添加すると、恐らくプライマー-鋳型とのポリメラーゼの結合を阻害することにより、PCR法に用いられるDNAポリメラーゼの活性が阻害されることが観察されている。従って、色素の阻害効果を低減させるために、DMSOのような添加剤が、必要とされることが多い。しかし、DMSOは、酵素の保存安定性を減少させる可能性があり、ポリメラーゼを阻害する可能性がある。本発明により、蛍光色素の存在下で、蛍光色素に対して未改良型ポリメラーゼと同程度に感受性ではない、即ち、同程度に阻害されない、本明細書に記載の改良型ポリメラーゼを使用して、ポリメラーゼ反応を行う方法が提供される。
二本鎖DNAに結合すると、蛍光放出の変化を示す色素の存在下で機能するポリメラーゼの能力は、本明細書に記載されているもののような、周知のポリメラーゼ・アッセイ法を用いて測定することができる。通常、蛍光色素は、未改良型ポリメラーゼの活性を25%、多くの場合50%、75%、またはそれ以上まで減少させる。ポリメラーゼ活性は、本明細書に記載の方法を用いて測定することができる。
改良型ポリメラーゼが蛍光色素、例えば、SYBRグリーンIの存在下でPCRを行う能力をまた、未改良型ポリメラーゼが別の同一PCRで機能する能力と比較することができる。その比較は、検出可能なDNA量を産出するのに必要とされるサイクル数を表す、サイクル閾値(Ct)のような値を用いて行うことができる。高効率のポリメラーゼは、PCRの理論的な最大増幅効率にさらに厳密に近づくことにより、ずっと少ないサイクル数で、検出可能なDNA量を産出することができる可能性がある。従って、Ct値が低いほど酵素の増幅効率が高いことを反映する。改良型酵素は、未改良型酵素と比較した場合、蛍光色素の存在下で2倍、多くの場合5倍、またはそれより高い活性を示す。
典型的な態様として、ポリメラーゼ反応をSYBRグリーンIまたはピコグリーン(Pico Green)I (Molecular Probes社、Eugene、OR;)のような蛍光色素の存在下で行う。これらの色素は、ピリジニウム環系もしくはキノリニウム環系に規定の置換基かまたはピリジニウム環もしくはキノリニウム環の窒素原子のすぐ隣に置換基を含む非対称シアニン色素である。これらおよび同じクラスの色素の他の一員が、例えば、米国特許第5,436,134号および米国特許第5,658,751中で説明されている。SYBRグリーンIは、例えば、μM未満の範囲の解離定数でdsDNAに特異的に結合する。これが結合すると、量子収量が大幅に増加し、従って蛍光が大幅に増加する。
他の態様として、本発明のポリメラーゼ反応は、他の蛍光色素、例えば、ヨウ化プロピジウム、臭化エチジウム、アクリジン、プロフラビン、アクリジンオレンジ、アクリフラビン、フルオロクマリン、エリプチシン、ダウノマイシン、クロロキン、ジスタマイシンD、クロモマイシン、ミスラマイシン、ルテニウムポリピリジル、およびアントラマイシン(これらも二本鎖DNAに結合すると、蛍光放出の変化を示す)のような、通常、ポリメラーゼを阻害する他の蛍光化合物の存在下で行うことができる。改良型ポリメラーゼを、当技術分野に周知の方法論および本明細書に記載の方法論(例えば、実施例6を参照されたい)を用い、他の色素に対する耐性に関して試験することができる。
別の態様として、本発明により、未精製の核酸試料を用いる場合に存在するもののような汚染物質の存在下で、ポリメラーゼ反応、例えば、PCRを行う方法が提供される。ポリメラーゼ活性の阻害剤は多くの場合、未精製の核酸試料調製物中に存在しており、これによってそのような調製物をPCR法または核酸配列決定法のようなポリメラーゼ反応で使用する際に問題が生じる。改良型酵素は、そのような汚染物質にさらに耐性である。従って、改良型酵素では、未精製の核酸調製物を用いてポリメラーゼ反応、例えばPCRを行う場合、標準的な酵素に対して利点が得られる。これらの調製物は、細菌細胞、植物細胞、および他の種々の細胞種のような細胞を含む、さまざまな供給源由来とすることができる。
未精製の核酸試料には通常、核酸供給源に由来するかまたは化学的なもしくは分子生物学的な前操作に由来する汚染物質が含まれる。改良型ポリメラーゼは、このような汚染物質の存在に対する感受性がより低い。上述のように、ポリメラーゼ活性のアッセイ法は、本明細書に記載の方法を用いて行うことができる。改良型ポリメラーゼは通常、未改良型ポリメラーゼに対し、別な同一のポリメラーゼ活性アッセイ法またはPCR法において汚染物質の存在下でアッセイした場合、2倍、5倍、10倍、またはそれより高い活性を示す。未精製調製物におけるポリメラーゼ活性の典型的な解析を実施例7に示す。未精製調製物は通常、精製の繰り返しによって処理されず、通常、98%純度未満、多くの場合95%純度未満である。
改良型のポリメラーゼ酵素はまた、困難なPCRに向けた、ベタイン、DMSOのような一般的な添加剤に対してさらに耐性であるほか、塩、例えば、KClなどに対してさらに耐性である。改良型ポリメラーゼは通常、そのような作用物質の存在下で、未改良型ポリメラーゼに対して2倍、5倍、10倍、またはそれより高い活性を示す。
改良型ポリメラーゼをまた、核酸の塩基配列決定反応で使用することができる。これらの反応は、当業者によく知られている(例えば、SambrookおよびRussell、Molecular Cloning、A Laboratory Manual 3rd. 2001、Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい)。
改良型ポリメラーゼは、配列決定反応、とりわけ、サイクルシークエンシング反応のような、熱安定ポリメラーゼを使用する配列決定反応で使用される場合、特に有利である。サイクルシークエンシングとは、単一プライマーを使用して、サンガーダイデオキシ鎖終結法により標識された終結断片を産生させる、線形増幅DNA配列決定技術を指す。熱安定ポリメラーゼ酵素は、このような反応で使用される。
TaqまたはPfuのような熱安定ポリメラーゼは、dNTPの取り込み速度よりも少なくとも2桁遅い速度で、ddNTPの取り込みを触媒する。さらに、特定部位でのddNTPの取り込みの効率性は、鋳型DNAの局所配列により影響される。5’から3’方向のエキソヌクレアーゼ活性がなく且つ高い効率でddNTPの取り込みを触媒する、ポリメラーゼの改変型が開発されている。しかし、それらの伸長性は多くの場合、不十分である。例えば、熱安定酵素は、Taqポリメラーゼの5’から3’ヌクレアーゼドメインが除かれていて、約2塩基の伸長性を有する、ΔTaq誘導体のような酵素である。同様に、ダイターミネーターシークエンシング法の場合、dGTPの代わりにdITPが使用され、これによりヌクレオチドのグアニンでポリメラーゼの休止と解離が起こる。従って、これらの酵素により、不適当に終結した大量のシークエンス産物が産生される。さらに、ポリメラーゼが、特定のPCRサイクルの間にストランドが完成されない程、反復(リピート)単位(例えば、三塩基反復)または二次構造(例えば、ステムおよびループ)を含む鋳型のプライマー伸長の間に解離する場合、3’末端は続くPCRサイクルの間に、変性および再アニーリングして鋳型の異なる位置でプライミングする可能性がある。例えば、リピートの場合、再アニーリングは異なるリピートで起こる可能性があり;または二次構造の場合、不適当な再アニーリングにより鋳型の一部が取り除かれてしまう可能性がある。このように、ポリメラーゼの解離も問題である。
本明細書に記載の改良型ポリメラーゼの使用により、不適当な終結がより少なく且つ解離の事象がより少ない、改良された配列決定反応、例えば、サイクルシークエンシング反応が提供され得る。これにより、未改良型酵素で行われる反応と比較して不明確さがより少なく、配列の読み取り(即ち、配列を決定できるヌクレオチド数)がより長くなる。
ポリメラーゼは通常、F残基の代わりにY残基に置換されるように改変される(米国特許第5,614,365号)。
本明細書に引用した全ての刊行物、特許、および特許出願は、それぞれ個々の刊行物または特許出願が参照として組み入れられることを具体的かつ個別に示されているかのごとく、参照として本明細書に組み入れられる。
前述の発明について、理解を明瞭にすることを目的として、例証および実例によりかなり詳細に説明してきたが、当業者には、本発明の開示に照らして添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく本発明にある程度の変更および改変を行うことができることは容易に明らかであると思われる。
実施例
以下の実施例は、限定を目的とするのではなく例証のみを目的として提供される。当業者であれば、本質的に同じ結果を得るために変更可能なまたは変形可能な重要ではない幾つかのパラメータを容易に認識するものと思われる。
実施例1. 融合タンパク質の構築
Sso7d-ΔTaq融合タンパク質の構築
以下の実施例により、配列非特異的な二本鎖核酸結合タンパク質Sso7dをN末端が289アミノ酸だけ欠失されたサーマス・アクアチクス由来PolI DNAポリメラーゼ(Taq DNAポリメラーゼとして知られるファミリーAポリメラーゼ) (ΔTaq) に融合した、伸長性が増強したポリメラーゼタンパク質の構築が例示される。
公開されているSso7dのアミノ酸配列に基づき、Sso7dをコードする合成遺伝子を構築するうえで7個のオリゴヌクレオチドを使用した。オリゴヌクレオチドをアニーリングさせ、T4 DNAリガーゼを用いて連結させた。完全長の遺伝子を増幅させるため、2個の末端オリゴヌクレオチドをプライマーとして用い、連結した最終産物をPCRの鋳型として使用した。得られるPCR断片には、5’末端に唯一のEcoRI部位と、3’末端に唯一のBstXI部位が含まれるように設計した。Sso7dタンパク質をコードするほか、前記PCR断片はまた、Sso7dタンパク質のC末端に位置するGly-Gly-Val-Thrのアミノ酸配列を有するペプチドリンカーをコードする。Sso7dの合成遺伝子は、配列番号:1に示されるDNA配列を有し、配列番号:2に示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする。
Sso7dをコードする合成遺伝子を次に、Taqの最初の289アミノ酸がSso7dに置換される融合タンパク質を作製するために使用した。融合タンパク質を作製するため、以下のように、Sso7dをコードする断片を、Taqポリメラーゼをコードするプラスミドにサブクローニングした。手短に言えば、Sso7d合成遺伝子を含むDNA断片を制限酵素のEcoRIおよびBstXIで消化し、それからTaqをコードするプラスミドの対応部位にこれを連結した。結果として、Taqの最初の289アミノ酸をコードする領域がSso7d合成遺伝子に置換される。このプラスミド(pYW1)により、Gly-Gly-Val-Thrからなる合成リンカーを介してΔTaqのN末端に融合されたSso7dを含む単一ポリペプチドの発現が可能となる。融合タンパク質(Sso7d-ΔTaq)をコードするDNA配列およびそのタンパク質のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号:3および配列番号:4に示されている。
Sso7d-Taq融合タンパク質の構築
Sso7d/完全長Taq融合タンパク質もまた構築した。手短に言えば、Taqポリメラーゼの最初の336アミノ酸をコードする1kbのPCR断片を、2個のプライマーを用いて作製した。5’プライマーによりPCR断片の5’末端にSpeI部位が導入され、3’プライマーはTaq遺伝子のヌクレオチド1008〜1026にハイブリダイズする。この断片をSpeIおよびBstXIで消化すると、Taqポリメラーゼの最初の289アミノ酸をコードする0.9kbの断片が放出される。この0.9kb断片をプラスミドpYW1にSpeI(リンカーをコードする領域に位置する)およびBstXI部位で連結した。得られるプラスミド(pYW2)により、Sso7d-ΔTaqと同様にして、Gly-Gly-Val-Thrからなるリンカーを介して完全長Taq DNAポリメラーゼのN末端に融合されたSso7dタンパク質を含む単一ポリペプチドの発現が可能となる。融合タンパク質Sso7d-TaqをコードするDNA配列およびそのタンパク質のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号:5および配列番号:6に示されている。
Pfu-Sso7d融合タンパク質の構築
3番目の融合タンパク質は、Sso7dをパイロコッカス・フリオサス由来のDNA polI(Pfuとして知られるファミリーB DNAポリメラーゼ)のC末端に連結して作製した。Pfu DNAポリメラーゼ遺伝子を有するpETベースのプラスミドを、唯一のKpnI部位および唯一のSpeI部位が停止コドンの前のPfu遺伝子の3’末端に導入されるように改変した。結果的に得られるプラスミド(pPFKS)は、そのC末端に3個のアミノ酸(Gly-Thr-His)が付加されたPfuポリメラーゼを発現する。
上述のSso7d合成遺伝子をPCR増幅して、KpnI部位およびNheI部位をSso7d遺伝子に隣接するように導入するために、2個のプライマーを使用した。5’プライマーによってもまた、Sso7dタンパク質のN末端に、リンカーとして機能する6個の付加アミノ酸(Gly-Thr-Gly-Gly-Gly-Gly)が導入された。KpnIおよびNheIで消化後、PCR断片をpPFKSに対応部位で連結した。得られるプラスミド(pPFS)により、ペプチドリンカー(Gly-Thr-Gly-Gly-Gly-Gly)を介してPfuポリメラーゼのC末端に融合されたSso7dタンパク質を含む単一ポリペプチドの発現が可能となる。融合タンパク質(Pfu-Sso7d)をコードするDNA配列およびその融合タンパク質のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号:7および配列番号:8に示されている。
Sac7d-ΔTaq融合タンパク質の構築
4番目の融合タンパク質は、異なる種由来の配列非特異的なDNA結合タンパク質をΔTaqに連結して構築した。Sac7d遺伝子をスルフォロバス・アシドカルダリウス(Sulfolobus acidocaldarius)のゲノムDNAからPCR増幅するため、2個のプライマーを使用した。このプライマーにより、PCR断片の5’末端および3’末端のそれぞれに、唯一のEcoRI部位および唯一のSpeI部位が導入された。EcoRIおよびSpeIで制限消化後、PCR断片をpYW1(前述)に対応部位で連結した。得られるプラスミドにより、Sso7d-ΔTaqで使用されたものと同じリンカーを介してΔTaqのN末端に融合されたSac7dタンパク質を含む単一ポリペプチドが発現される。融合タンパク質(Sac7d-ΔTaq)のDNA配列およびそのタンパク質のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号:9および配列番号:10に示されている。
PL-ΔTaq融合タンパク質の構築
5番目の融合タンパク質は、14個のリジンと2個のアルギニンからなるペプチドがΔTaqのN末端に連結されている。ポリリジン(PL)-ΔTaq融合タンパク質を作製するため、2個の67ヌクレオチド(nt)のオリゴヌクレオチドをアニーリングさせて、EcoRI部位と適合する5’突出末端、およびSpeI部位と適合する3’突出末端を有する二本鎖DNA断片を形成させた。このDNA断片は、以下の組成のリジンが豊富なペプチドをコードする:
Figure 2005510235
。このペプチド中のリジンおよびアルギニンの数は、Sso7d中のものと同じである。このDNA断片を、EcoRIおよびSpeIで予め消化されたpYW1に、Sso7dをコードする領域と置換されるように連結した。得られるプラスミド(pLST)により、ΔTaqのN末端に融合されたリジンが豊富なペプチドを含む単一ポリペプチドが発現される。融合タンパク質(PL-ΔTaq)をコードするDNA配列およびそのタンパク質のアミノ酸配列はそれぞれ、配列番号:11および配列番号:12に示されている。
実施例2. 融合ポリメラーゼの伸長性評価
本実施例により、実施例1で作製された本発明の融合タンパク質の伸長性の増強を説明する。
ポリメラーゼ単位定義アッセイ法(Polymerase unit definition assay)
ポリメラーゼの単位数を定義するために以下のアッセイ法を用いた。Mg++が入っていない反応用緩衝液およびdNTPの存在下にて、オリゴヌクレオチドをssM13mp18 DNAと予めアニーリングさせた。このプライミングしたDNA混合物に、関心のあるDNAポリメラーゼを添加した。MgCl2を添加して72℃でDNA合成を開始させた。試料を様々な時点で採取して、PicoGreen(Molecular Probes社、Eugene Oregon)を含むTE緩衝液に加えた。合成されたDNA量は、蛍光プレートリーダーを用いて定量化した。関心のあるDNAポリメラーゼの単位活性は、その初速度を対照DNAポリメラーゼ(例えば、単位濃度が分かっている市販のポリメラーゼ)の初速度と比較することにより決定した。
伸長性アッセイ法(Processivity Assay)
伸長性は、ポリメラーゼがプライミングした鋳型に1回結合する間に、取り込まれるヌクレオチド数を決定することにより測定した。
手短に言えば、40 nMの5' FAM標識プライマー(34ヌクレオチド長)を環状または直鎖状の80 nMのssM13mp18 DNAにアニーリングさせて、プライミングした鋳型を形成させた。標準的なPCR用緩衝液(Mg++なし)および200 μMの各dNTPの存在下にて、プライミングした鋳型を関心のあるDNAポリメラーゼと約4000対1(プライミングしたDNA 対 DNAポリメラーゼ)のモル比で混合した。MgCl2を終濃度が2mMとなるように添加し、DNA合成を開始させた。開始後の様々な時点で、試料は、99%ホルムアミドを含有する配列決定用のローディング色素により停止させてから、配列決定用ゲルで分析した。産物の長さの中央値(これを上回るかまたは下回る等量の産物が存在する産物の長さと定義される)は、検出可能な全産物のピーク積分に基づいて決定した。産物の長さの中央値が時間またはポリメラーゼ濃度とともに変化するポリメラーゼ濃度での、その長さが酵素の伸長性に相当する。表1に示される範囲は、アッセイ法を数回繰り返して得られた値の範囲を表している。
(表1)伸長性の比較
Figure 2005510235
未改変型酵素に対して改変型酵素の伸長性を比較すると、ΔTaqが2〜6ヌクレオチドの伸長性であったのに対し、Sso7d-ΔTaq融合タンパク質では39〜58ヌクレオチドの伸長性を示した(表1)。完全長Taqの伸長性は15〜20ヌクレオチドとなり、これは伸長性が130〜160ヌクレオチドのSso7d-Taq融合タンパク質の伸長性よりもずっと低かった。これらの結果から、Taqポリメラーゼに連結されたSso7dがポリメラーゼの伸長性を増強させたことが証明される。
PfuはポリメラーゼのBファミリーに属している。Pfuは、Taqポリメラーゼと異なり、3’から5’方向のエキソヌクレアーゼ活性を有し、これによりDNA合成の間に高い忠実性を維持することが可能とされる。完全長PfuポリメラーゼのC末端にSso7dが融合された、改変型Pfuポリメラーゼ、および未改変型Pfuポリメラーゼを、上述の伸長性試験にて解析した。表1に示されるように、Pfuポリメラーゼでは2〜3ヌクレオチドの伸長性が示されたのに対し、Pfu-Sso7d融合タンパク質の伸長性は35〜39ヌクレオチドとなった。このように、Sso7dをPfuのC末端に融合した結果、未改変型酵素に対して10倍を超える伸長性の増強がもたらされた。
実施例3. オリゴヌクレオチドアニーリング温度に対する融合タンパク質の影響
本実験により、Sso7d-ΔTaq融合タンパク質はTaqに比べ、dsDNAを安定化させることにより、より高いアニーリング温度で産物を産生する効率性が高められることが証明される。
Taqポリメラーゼ遺伝子の1 kb断片(1008〜2180)を増幅させるため、プライマー1008(19 mer; TM =56.4℃)および2180R(20 mer; TM =56.9℃)という2個のプライマーを使用した。アニーリング温度を50℃から72℃までPCRサイクルプログラムにおいて変化させるため、グラジエント・サーマルサイクラー(MJ Research社、Waltham MA)を使用した。同一単位数のSso7d-ΔTaqおよびTaqを用いて産生されたPCR産物の量を定量化して、比較した。この結果を表2に示す。Sso7d-ΔTaq融合タンパク質は完全長Taqよりも、高いアニーリング温度で効率性がずっと高いことが示された。このように、Sso7dがシス位に存在すると、鋳型に対するプライマーの融解温度が高くなる。
PL-ΔTaqがPCR増幅の間に、プライマーのアニーリング温度に何らかの影響を及ぼすかどうか調べるため、上記のアニーリング温度アッセイ法を使用した。表2に示されるように、アニーリング温度が63℃かまたは63℃を上回ると、増幅産物が殆どまたは全く認められなかった。
(表2)異なるアニーリング温度での活性の比較
Figure 2005510235
nd:検出されず
実施例4. 必要とされるプライマー長に対する融合タンパク質の影響
プライマーのTMが(上述のように)高くなることから、効率的なPCR増幅を達成するために、さらに短いプライマーをTaqでは使用できないが、Sso7d-ΔTaqでは使用できる可能性があると予測される。この解析により、Sso7d-ΔTaqはTaqに比べて、さらに短いプライマーを用いたアッセイ法において効率性がより高いことが示される。
Sso7d-ΔTaqによるおよびTaqによるPCR増幅の効率性を比較するため、異なる長さのプライマーを使用した。この結果を表3に示す。2個の長いプライマー、57F(22 mer、TM =58℃)および732R(24 mer、TM =57℃)を使用した場合、低いまたは高いアニーリング温度のどちらでも、Sso7d-ΔTaqとTaqとの間で有意な差は認められなかった。中程度の長さのプライマー、57F15(15 mer、TM =35℃)および732R16(16 mer、TM =35℃) を使用した場合、Sso7d-ΔTaqは、アニーリング温度が高い場合には特に、Taqよりも効率性がより高かった。2つの酵素間での最も顕著な相違は短いプライマー、57F12(12 mer)および732R16(16 mer)で認められ、この場合には、Sso7d-ΔTaqはアニーリング温度が低くても高くてもTaqより10倍多くの産物を産生した。
プライマー57F12(12ヌクレオチド)および732R16(16ヌクレオチド)を用いたPCR法を使用して、PCRにおける、未改変型の完全長Taqに対するSac7d-ΔTaqの効率性を比較した。Sac7d-ΔTaqはSso7d-ΔTaqと同じく、短いプライマーを用いて増幅させるうえでTaqよりも効率性はずっと高い。
プライマー長によるアッセイ法を使用して、PL-ΔTaqが短いプライマーをPCR増幅で使用できるか決定した。長いプライマー(57Fおよび732R)を使用した場合、PL-ΔTaqにより産生された増幅産物は、Sso7d-ΔTaqにより産生されたものの約50%である。短いプライマー(57F12および732R16)を使用した場合、PL-ΔTaqにより産生された増幅産物は、Sso7d-ΔTaqにより産生されたものの20%未満である。
(表3)Sso7d-ΔTaqおよびTaq DNAポリメラーゼによるPCR増幅に対するプライマー長の影響の比較
Figure 2005510235
PCRにおける融合ポリメラーゼの性能向上
本発明の融合タンパク質の安定性および/または伸長性の増大により、種々の改良反応を実行するうえで効率性の増加が得られる。例えば、ポリメラーゼ融合タンパク質により、PCRにおいてさらに効率的な増幅が提供され得る。プライマーの特異性、ポリメラーゼの効率性、鋳型の質、鋳型の量およびGC含量、単位複製配列の長さなどを含め、多くの要因がPCRの結果に影響を及ぼす。実施例5〜8により、熱に安定なポリメラーゼまたはポリメラーゼドメインに連結された二本鎖配列非特異的な核酸結合ドメイン、例えば、Sso7dを含む融合タンパク質は、PCRに適用するうえで、未改変型酵素と比較して幾つかの有利な特性があることが証明される。
実施例5. Sso7d融合タンパク質はPCRにおいてさらに高く広い耐塩性を示す
プライミングした鋳型DNAへのポリメラーゼの結合は、静電相互作用により、反応緩衝液のイオン強度に影響されやすく、その結合は低塩濃度ではより強くて高塩濃度ではより弱い。Sso7dがポリメラーゼ融合タンパク質に存在すると、ポリメラーゼの鋳型DNAへの結合相互作用が安定化される。本実施例により、Sso7d融合タンパク質は、高濃度KClを含むPCRにおいて性能の向上を示すことが証明される。
λDNA(2 pM)をプライマー57Fおよび732Rを用いたPCRにおける鋳型として使用した。KCl濃度を10 mMから150 mMまで変化させたが、その他の全ての反応緩衝液成分は変化させなかった。PCRは、94℃で3分、94℃で30秒、55℃で30秒を20サイクル、および72℃で30秒、その後72℃で10分のサイクルプログラムを用いて実行した。反応完了後、産生された単位複製配列量を定量化するため、PCR反応液5 μlを取り出し、これを400倍希釈したPicoGreenのTE溶液195 μlと混合した。予測された長さの単位複製配列が産生されていることを検証するため、PCR産物をまた、並行して、アガロースゲルで分析した(データは示していない)。Sso7d-ΔTaqのPCR効率 対 ΔTaqのPCR効率、およびPfu-Sso7dのPCR効率 対 PfuのPCR効率に対するKCl濃度の影響を表4に示す。未改変型酵素ΔTaqおよびPfuは、最大活性の80%を維持するために、KCl濃度がそれぞれ25 mM未満および40 mM未満であるのが好ましいことが示された。対照的に、融合タンパク質Sso7d-ΔTaqおよびPfu-Sso7dは最大活性の80%をそれぞれ、30〜100 mM KClおよび60〜100 mM KClで維持する。このように、Sso7d融合タンパク質はその未改変型の対応物と比較して、KCl濃度の上昇にさらに耐性であった。ハイブリッドポリメラーゼのこの特性により、質の低い鋳型DNA、例えば、以下に限定されることはないが、血液、食料、および植物源から調製されたDNA試料からPCR増幅ができる可能性があると思われる。
(表4)Sso7dによる改変によりPCRにおけるポリメラーゼの耐塩性が増す
Figure 2005510235
Pfu-Sso7dはPfuよりも比活性が4倍高い。比活性は、酵素の単位/モルと定義される。
実施例6. Sso7d融合ポリメラーゼはリアルタイムPCRにおいてSYBRグリーンIに対してより耐性である
3組の未改変型酵素および改変型酵素を比較した:市販のΔTaq(ABI社、Foster City、CA) 対 Sso7d-ΔTaq、Taq 対 Sso7d-Taq、および市販のPfu(Stratagene社、La Jolla CA) 対 Pfu-Sso7d。全酵素に対する使用濃度20U/mlに加えて、5倍高い濃度(100U/ml)のΔTaqおよびPfuを同様に使用した。Ct値は、検出可能なDNA量を産出するのに必要とされるサイクル数を表し、従って、Ct値が低いほど酵素の増幅効率が高いことを反映する。また、Ct値は一定していることが好ましく、このことは、反応が色素濃度の相違に強いことを示唆する。2つの伸長時間(10秒および30秒)を使用した。SYBRグリーンI濃度を0.5×などとして示す。1×SYBRグリーンIは、495 nmでの吸光度が0.40±0.02となるSYBRグリーンIのTE溶液(10 mM Tris pH 7.5、1 mM EDTA)と定義される。SYBRグリーンIは、Molecular Probes社(Eugene、Oregon)から10,000×ストック(DMSO中)として購入した。3組の全てで、改変型ポリメラーゼは有意に高い色素耐性を示した。この相違は、ΔTaq 対 Sso7d-ΔTaqの場合に最も顕著である。
(表5)Sso7d融合タンパク質はSYBRグリーンI耐性がより高い。(記号「--」は、40サイクルで増幅が認められなかったことを示す)
Figure 2005510235
実施例7. Sso7d融合ポリメラーゼは未精製の鋳型調製物にさらに耐性である
A. PCRでの細菌汚染に対する耐性
コロニーPCRは有用な方法であり、この方法は、特定のDNA配列に対してコロニーを選別することを目的として、細菌のシングルコロニーの少量試料を溶解し、これをPCR反応液に直接加えるものである。コロニーPCR法は、恐らくコロニーから持ち込まれる汚染物質のせいで失敗率が高い。細胞抽出物に耐性であるポリメラーゼは、コロニーPCR法で成功率がより高いと思われるので、望ましい。
「汚い」PCRのための材料
鋳型λ(10 ng/ml): 単位複製配列は891 bpの断片である
プライマー 56F/55R (TM 56℃および55℃)、400 nM
酵素: Sst (Sso7d-ΔTaq) 対 PE Stf (ΔTaq)、STq (Sso7d-Taq) 対 Taq-HISまたはAmpliTaqまたはAmersham Taq、およびStratagene Pfu 対 PfS (Pfu-Sso7d)。指示されている場合を除き、酵素は全て、20 U/mlである
200 μM 各dNTP
2 mM MgCl2 (Amersham TaqおよびAmpliTaqに対しては1.5 mMである他)
反応は20 μlとした
方法:
大腸菌(E. coli)を、飽和するまで増殖させ、遠心沈殿させ、OD 100として水に懸濁させ、細胞を破壊するために凍結融解した。破壊された細菌の希釈液を、鋳型としてλDNAと2個のプライマーを含有するPCR反応液に種々の濃度で添加して、890 bpの単位複製配列を増幅させた。1×は、OD 10 (10 OD ユニット/ml)と同等である。サイクル条件は以下の通りとした:
1) 95℃-20秒
2) 94℃-5秒
3) 60℃-15秒
4) 72℃-45秒
5) ステップ2〜4を19回繰り返す
6) 72℃-5分
7) 4℃ 無限
8) 終了
本実験により、Sso7d-ΔTaqはStoffel断片(Applied Biosystems社、Foster City、CA)よりも性能が有意に優れていることが示された。Stoffel(Stf)は、ΔTaq調製物に対する商標名である。最終反応で酵素20 U/mlとして用いると、Sso7d-ΔTaqは、0.25×細胞希釈液の存在下でPCR増幅を可能とした。同じ単位濃度のStoffelを使用した場合、最も希釈した細胞溶液においてさえ、検出可能な産物は産生されなかった。220 U/mlのStoffelを使用した場合、検出可能な量の産物は、細胞希釈液濃度が0.06×またはそれ以下で産生された。このように、PCRにおけるSso7d-ΔTaqの細菌汚染に対する耐性は、未改変型酵素Stoffelの耐性よりも単に10倍高いどころではない。
同様に、Pfu-Sso7dはPfuよりも細菌汚染に対して、より耐性を示したが、両酵素ともにTaqベースの酵素よりは汚染に対してより影響されやすいことが判明した。最終反応で酵素20 U/mlとして用いると、Pfuは、0.00006×またはそれ以下の細胞希釈濃度の存在下でのみ増幅を可能とした。対照的に、Pfu-Sso7dは、0.002×細胞希釈で効率的なPCR増幅を可能とした。このように、Pfu-Sso7dは、未改変型酵素PfuよりもPCRにおいて細菌汚染に対する耐性が30倍高い。
B. PCRでの植物汚染および血液汚染に対する耐性
同じ問題がその他の未精製の鋳型調製物でも存在する。PCR法は、鋳型調製物中に持ち込まれる汚染物質が原因で失敗してしまう。本実施例により、未精製の植物および血液調製物での結果が示される。ユリの一種であるフリタラリア・アグレスティス(Fritallaria agrestis)由来の植物の葉のホモジェネート、およびヒト全血で連続希釈液を作製した。希釈液は、1×TE、pH 8.0により10倍希釈、100倍希釈、1000倍希釈を作製した。希釈液の1 μlを適当な反応混合液に添加した。PCRサイクル手順は、以下の通りとした:
94℃ 2分
94℃ 10秒
59℃ 20秒 TaqおよびSso7d-Taqでは (54℃ PfuおよびPfu-Sso7dでは)
72℃ 30秒
サイクルを34回繰り返す
72℃ 10分
反応産物をアガロースゲルで分析した(図1Aおよび図1B)。図1Aは、Pfu 対 PfSの汚染耐性の比較を示す。レーン1〜4およびレーン14〜17は、植物の葉のホモジェネートの10倍連続希釈を示す。Pfuは10倍希釈(レーン2)まで有意に阻害されているが、PfSはこの希釈に対しては完全に耐性である(レーン7)。同様に、レーン6〜9およびレーン19〜22は、血液の10倍連続希釈を示す。Pfuは血液1 μlにより有意に阻害されているが、PfSは耐性である。レーン10およびレーン23は陽性対照(植物もしくは血液ではない)であり、一方、レーン11およびレーン24は陰性対照(植物もしくは血液または鋳型ではない)である。
図1Bは、TaqとSso7d-Taqとの間の比較を示す。上パネルは20U/ml Taqで行った反応を示し、下パネルは20U/ml Sso7d-Taqで行った反応を示す。各パネルのレーン1〜4は、植物の葉のホモジェネートの10倍連続希釈を示し、レーン7〜10は、血液の10倍連続希釈を示す。Sso7d-Taqは全血1 μlの存在下でさえも産物を増幅することができるが、Taqは100倍少ない血液で阻害される。レーン5は陽性対照(植物もしくは血液ではない)であり、一方、レーン11は陰性対照(植物もしくは血液または鋳型ではない)である。
実施例8. Sso7d融合ポリメラーゼはサイクルシークエンシングに有利である
DNA配列決定法に適した改良型ポリメラーゼをコードするプラスミド・クローンを構築し、そのタンパク質産物を精製した。また、精製した。第一の酵素はSso7d-ΔTaq(Y) (変異を太字体で表示した配列番号:30および配列番号:31)であり、これは配列番号:31の表示位置で「F」残基の代わりに「Y」残基に置換されるように、TaborおよびRichardson (米国特許第5,614,365号)の方法により改変されていることを除いて、酵素Sso7d-ΔTaqと同じである。第二の酵素はSso7d-ΔTaq(E5;Y) (変異を太字体で表示した配列番号:32および配列番号:33) であり、これはTaborおよびRichardsonの方法により改変され、また5’から3’のヌクレアーゼドメインを不活性化する点突然変異を含むことを除いて、Sso7d-Taqと同じである。
各Sso7d融合ポリメラーゼの伸長性をその未改変型の対応物、即ち、Sso7dドメインがないポリメラーゼと比較した。表6の結果から、Sso7d融合ポリメラーゼは伸長性がより大きいことが示される。
(表6)10 mM KClでの伸長性産物の長さの中央値
Figure 2005510235
融合ポリメラーゼおよびその未改変型の対応物を用いた配列決定反応は、市販の配列決定用キット(BigDye terminator Kit v.3、ABI社、Foster City CA)の成分を分離することにより行った。低分子量の成分は、限外ろ過法により酵素から分離した。低分子量の画分を改良型酵素と組み合わせて行った配列決定反応では、シグナル強度 対 塩基数の曲線は良好であった。さらに、改良型ポリメラーゼ、例えば、Sso7d-ΔTaq(E5;Y)は他の酵素よりもハード・ストップ(hard stop) を経由して継続可能であった。この改良型ポリメラーゼはまた、ポリメラーゼ対応物よりもさらに効率的に、ジヌクレオチド、トリヌクレオチド、および単一塩基の長いリピートを経由して継続可能である。
配列決定反応の最適化により、ピーク高さの均一性、汚染耐性、ならびに鋳型および/または酵素濃度に対する要求性の低下という改善点が示されるものと思われる。
配列表
配列番号:1 合成Sso7d遺伝子
Figure 2005510235
配列番号:2 Sso7dのアミノ酸配列
Figure 2005510235
配列番号:3 Sso7d-ΔTaq融合タンパク質をコードするDNA配列
Figure 2005510235
Figure 2005510235
配列番号:4 Sso7d-ΔTaq融合タンパク質のアミノ酸配列
Figure 2005510235
配列番号:5 Sso7d-Taq融合タンパク質をコードするDNA配列
Figure 2005510235
Figure 2005510235
配列番号:6 Sso7d-Taq融合タンパク質のアミノ酸配列
Figure 2005510235
配列番号:7 Pfu-Sso7d融合タンパク質をコードするDNA配列
Figure 2005510235
Figure 2005510235
配列番号:8 Pfu-Sso7d融合タンパク質のアミノ酸配列
Figure 2005510235
配列番号:9 Sac7d-ΔTaq融合タンパク質をコードするDNA配列
Figure 2005510235
Figure 2005510235
配列番号:10 Sac7d-ΔTaq融合タンパク質のアミノ酸配列
Figure 2005510235
配列番号:11 PL-ΔTaq融合タンパク質をコードするDNA配列
Figure 2005510235
配列番号:12 PL-ΔTaq融合タンパク質のアミノ酸配列
Figure 2005510235
配列番号:13 プライマー L71F
Figure 2005510235
配列番号:14 プライマー L71R
Figure 2005510235
配列番号:15 プライマー L18015F
Figure 2005510235
配列番号:16 プライマー L23474R
Figure 2005510235
配列番号:17 プライマー L18015F
Figure 2005510235
配列番号:18 プライマー L29930R
Figure 2005510235
配列番号:19 プライマー L30350F
Figure 2005510235
配列番号:20 プライマー L35121R
Figure 2005510235
配列番号:21 プライマー L2089F
Figure 2005510235
配列番号:22 プライマー L7112R
Figure 2005510235
配列番号:23 プライマー L30350F
Figure 2005510235
配列番号:24 プライマー L40547R
Figure 2005510235
配列番号:25 プライマー H-Amelo-Y
Figure 2005510235
配列番号:26 プライマー H-Amelo-YR
Figure 2005510235
配列番号:27 ヒトβ-グロビン プライマー 536F
Figure 2005510235
配列番号:28 ヒトβ-グロビン プライマー 536R
Figure 2005510235
配列番号:29 ヒトβ-グロビン プライマー 1408R
Figure 2005510235
配列番号:30 Sso7d-ΔTaq(Y)タンパク質をコードするDNA配列
Figure 2005510235
配列番号:31 Sso7d-ΔTaq(Y)タンパク質のアミノ酸配列
Figure 2005510235
配列番号:32 Sso7d-ΔTaq(E5)(Y)タンパク質をコードするDNA配列
Figure 2005510235
Figure 2005510235
配列番号:33 Sso7d-ΔTaq(E5)(Y)タンパク質のアミノ酸配列
Figure 2005510235
改良型ポリメラーゼを用いて、汚染物質の存在下で行われたPCRの結果を示している。

Claims (22)

  1. ポリメラーゼ阻害剤を含む溶液中に存在する標的核酸に対してポリメラーゼ反応の産生量を増加させる方法であって、以下の段階を含む方法:
    (a) 標的核酸をポリメラーゼと接触させる段階、
    ここで前記ポリメラーゼが、(i) 二本鎖核酸に結合する、および(ii) 配列非特異的な核酸結合ドメインを有さず融合されていない同一ポリメラーゼに比べてポリメラーゼの伸長性を増強する、配列非特異的な核酸結合ドメインに連結され、ならびに
    ここで前記溶液が、結合ドメインを標的核酸に結合させることおよびポリメラーゼドメインが標的核酸配列にハイブリダイズされるプライマーを伸長することを可能とする、組成物であり;
    (b) プライマーがポリメラーゼにより伸長される条件下で、溶液をインキュベートする段階。
  2. ポリメラーゼ阻害剤が蛍光色素である、請求項1記載の方法。
  3. 色素がSYBRグリーンIである、請求項2記載の方法。
  4. ポリメラーゼドメインが熱に安定なポリメラーゼ活性を有する、請求項1記載の方法。
  5. 熱に安定なポリメラーゼドメインがΔTaqポリメラーゼドメインである、請求項4記載の方法。
  6. ポリメラーゼドメインがパイロコッカスポリメラーゼドメインを含む、請求項4記載の方法。
  7. 配列非特異的な核酸結合ドメインがSso7dに対して作製されたポリクローナル抗体に特異的に結合する、請求項1記載の方法。
  8. 配列非特異的な核酸結合ドメインが、Sso7dに類似のアミノ酸を50%含有する、アミノ酸50個のサブシークエンスを含む、請求項1記載の方法。
  9. 配列非特異的な核酸結合ドメインがSso7dである、請求項1記載の方法。
  10. 標的核酸が未精製試料である、請求項1記載の方法。
  11. 改良型ポリメラーゼを用いて水溶液中の核酸を配列決定する方法であって、以下の段階を含む方法:
    (a) 標的核酸をポリメラーゼと接触させる段階、
    ここで前記ポリメラーゼが、(i) 二本鎖核酸に結合する、および(ii) 配列非特異的な核酸結合ドメインを有さず融合されていない同一ポリメラーゼに比べてポリメラーゼの伸長性を増強する、配列非特異的な核酸結合ドメインに連結され、ならびに
    ここで前記溶液が、結合ドメインを標的核酸に結合させることおよびポリメラーゼドメインが標的核酸配列にハイブリダイズされるプライマーを伸長することを可能とする、組成物であり;
    (b) プライマーがポリメラーゼにより伸長される条件下で、溶液をインキュベートする段階。
  12. 熱に安定なポリメラーゼドメインがΔTaqポリメラーゼドメインである、請求項13記載の方法。
  13. 配列非特異的な核酸結合ドメインがSso7dに対して作製されたポリクローナル抗体に特異的に結合する、請求項11記載の方法。
  14. 配列非特異的な核酸結合ドメインが、Sso7dに類似のアミノ酸を50%含有する、アミノ酸50個のサブシークエンスを含む、請求項11記載の方法。
  15. 配列非特異的な核酸結合ドメインがSso7dである、請求項11記載の方法。
  16. DNA結合性蛍光色素を含む溶液中に存在する標的核酸に対して定量的ポリメラーゼ反応を行う方法であって、以下の段階を含む方法:
    (a) 標的核酸をポリメラーゼと接触させる段階、
    ここで前記ポリメラーゼが、(i) 二本鎖核酸に結合する、および(ii) 配列非特異的な核酸結合ドメインを有さず融合されていない同一ポリメラーゼに比べてポリメラーゼの伸長性を増強する、配列非特異的な核酸結合ドメインに連結され、ならびに
    ここで前記溶液が、結合ドメインを標的核酸に結合させることおよびポリメラーゼドメインが標的核酸配列にハイブリダイズされるプライマーを伸長することを可能とする、組成物であり;
    (b) プライマーがポリメラーゼにより伸長される条件下で、溶液をインキュベートする段階、および
    (c) 溶液を適当な励起光に曝露して蛍光色素からの蛍光放出を測定する段階。
  17. ポリメラーゼドメインが熱に安定なポリメラーゼ活性を有する、請求項16記載の方法。
  18. 熱に安定なポリメラーゼドメインがΔTaqポリメラーゼドメインである、請求項17記載の方法。
  19. ポリメラーゼドメインがパイロコッカスポリメラーゼドメインを含む、請求項17記載の方法。
  20. 配列非特異的な核酸結合ドメインがSso7dに対して作製されたポリクローナル抗体に特異的に結合する、請求項16記載の方法。
  21. 配列非特異的な核酸結合ドメインが、Sso7dに類似のアミノ酸を50%含有する、アミノ酸50個のサブシークエンスを含む、請求項16記載の方法。
  22. 配列非特異的な核酸結合ドメインがSso7dである、請求項16記載の方法。
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