JP2014510899A - 自動バルブ着座完全性テスト - Google Patents

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Abstract

本発明は、バルブ(102)のバルブ着座完全性をテストする方法を含む。バルブ着座完全性を決定するバルブ構成要素は、典型的には、バルブシート(104)と、バルブシートに係合してバルブを閉止するバルブ閉止要素(103)である。本明細書で説明するテスト方法の例は、バルブの開放中およびバルブの閉止中にそれぞれバルブ着座完全性をテストし、全ての例において、バルブを含むプロセス制御システムの動作を中断することなく、バルブを隔離することなく、ユーザの分析に頼ることなくテストを行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、概して、バルブを含むプロセス制御システムに関し、より詳細には、通常のバルブ動作中にバルブのうちの1つまたは複数のバルブ着座完全性を自動的にテストする方法に関する。
化学プロセス、石油プロセス、または他のプロセスで使用されるようなプロセス制御システムは、典型的には、パイプを含み、そのパイプを通る流体または気体の流れが、バルブを開放または閉止することによって調節される。バルブは、1つまたは複数のプロセスコントローラによって制御され、それらのプロセスコントローラは、バスと呼ばれる、アナログ信号伝送リンク、デジタル信号伝送リンク、またはアナログ−デジタル複合信号伝送リンクを介して1つまたは複数のフィールド機器に通信可能に接続されている。フィールド機器は、例えば、バルブポジショナ、スイッチ、および伝送器(例えば、温度、圧力、流体レベル、流量、およびバルブステム位置のセンサからの情報の伝送器)でもよい。フィールド機器は、プロセスプラント環境内に配置されており、バルブの開閉、プロセスパラメータの測定、診断データ収集などのプロセス機能を遂行する。
プロセスコントローラは、プロセスプラント環境内に配置されることもあり、しないこともある。プロセスコントローラは、フィールド機器によって行われるプロセス測定値を表す信号、および/またはフィールド機器に関する他の情報を受信し、コントローラアプリケーションを実行する。そのコントローラアプリケーションは、例えば、様々な制御モジュールを実行し、それらの制御モジュールは、(a)プロセス制御決定を行う制御モジュール、(b)受信した情報に基づいて制御信号を生成する制御モジュール、および(c)フィールド機器に配置されたプロセッサによって遂行される制御モジュールと連携して働く制御モジュールである。コントローラ内の制御モジュールは、伝送リンクによってフィールド機器に制御信号を送信し、それにより、プロセスの動作を制御する。
フィールド機器およびコントローラからの情報は、通常、より過酷なプラント環境から離れた制御室または他の位置に典型的には配置された、オペレータワークステーション、パーソナルコンピュータ、データヒストリアン、レポートジェネレータ、集中型データベースなど、1つまたは複数の他のハードウェアデバイスまたはソフトウェアデバイスへの通信リンクによって利用可能である。これらのハードウェアデバイスは、例えば、プロセス制御ルーチンの設定変更、コントローラもしくはフィールド機器内の制御モジュールの動作の修正、プロセスの現在状態の視認、フィールド機器およびコントローラによって生成される警報の視認、作業者の訓練、プロセス制御ソフトウェアのテスト、コンフィギュレーションデータベースの維持および更新などを目的としたプロセス動作のシミュレーション、または、プロセス制御システム内で使用される任意のタイプのバルブなど、プロセス制御システムのデバイスのいずれかについてのデータのテストもしくは収集など、オペレータがプロセスに関する機能を遂行するのを可能にするアプリケーションを実行する。
プロセス制御システムで使用されるバルブは、従来、構成要素として、バルブシートと、バルブシートに係合してバルブを閉止するバルブ閉止要素とを備える。これらの構成要素が適切に係合しているときは、バルブの閉止が適切になり、バルブは十分なバルブ着座完全性を有する。バルブ構成要素は、プロセス制御システムの動作で繰り返し使用されると、通常の摩耗、浸食、腐食などのせいで劣化する場合がある。バルブ構成要素がどのように一緒に働いているかを観察することによって、それらの構成要素の健全性および状況を判断することができる。バルブ構成要素とそれらの動作との組み合わせの健全性および状況は、特定のバルブのバルブ着座完全性と呼ばれることがあり、場合によっては、バルブシグネチャプロフィルとも呼ばれる。バルブ着座完全性が損なわれるときにそのことを検出することが望ましい。というのは、バルブ着座完全性が損なわれるときは、バルブは適切に閉止されておらず、したがって、システム全体に問題を生じさせる恐れがあるからである。例えば、バルブ着座完全性が損なわれているときは漏出が起こる恐れがある。
バルブ着座完全性の低下の結果生じる恐れがある問題の別のより具体的な例は、プロセスプラントシステムが高圧蒸気を用いて発電する(例えば、数千psi)場合にある。発電システム内の蒸気の流れを調整するためにバルブが使用されることがある。バルブに問題がある場合、例えば、バルブ構成要素がわずかに浸食されている場合は、多量の蒸気の圧力がバルブ中を通過するときに、そのわずかに浸食された構成要素は、制御されていない高圧の蒸気がシステムに危険になるレベルまですぐに浸食する恐れがある。バルブ着座構成要素に対して起こる恐れがあるさらなる損傷、およびプロセス制御システムの動作に対する悪影響に加えて、金銭的損失も生じる恐れがある。具体的には、金銭的損失は、着座完全性が不良なバルブを通って無駄になるエネルギー損失の結果生じる。したがって、バルブ着座完全性に関する問題点をできるだけ早く見つけることが極めて重要な場合がある。
バルブ着座完全性をチェックする従来のテストには、音響的バルブテストおよびバルブシグネチャテストが含まれる。音響的バルブテストは、気体または液体の物質がバルブ中を流れるときにバルブ近傍で音響信号を発生させるように設計されている。従来の音響的テストでは、良好な状況にあるバルブの音レベルおよび音の周波数を示す構造伝搬ノイズスペクトルデータは、許容可能なレベルを超えて劣化したバルブから得られるデータとは明らかに異なる。こうした音響的バルブテストは、演算を多用し追加のハードウェアを必要とし、したがって、実装するのに費用がかかる。
従来のバルブシグネチャテストは、バルブステム完全性、消耗したシート構成要素、最大または最小の摩擦閾値の超過、トルク閾値、シート位置の問題、シートの浸食の問題、およびスティックスリップ状況など、バルブの問題を検出するために使用される。しかし、従来のバルブシグネチャテストは、テスト中にプロセスを中断するか、またはプロセスの中断を避けるためにバルブを閉じ込める(すなわち、隔離する)ことが必要である。さらに、バルブシグネチャテストでは、ユーザがテストを遂行し視覚的に検査しテスト結果を解釈する必要がある。バルブシグネチャテストによって生み出された結果により、バルブステム位置対圧力がプロットされる。ユーザが、一般に、問題があるときにそれを判定するためには、バルブシグネチャのグラフに関して経験を積む必要がある。経験のあるユーザが結果を解釈する必要があることに加えて、バルブシグネチャテストは、バルブが着座位置にまたはそこから移動する度ごとに実行および解釈するのが難しい。
概して、バルブ着座完全性を判定するのに使用される従来のテストには、人間の関与および分析が必要であり、かつ/またはプロセス制御動作を停止させる必要がある場合がある。具体的には、従来のバルブシグネチャテストが、人間の関与および分析を必要とし、それと共に、(1)メンテナンスルーチンの一部としてバルブシグネチャテストを遂行するためにプロセス制御システムを中断するか、または(2)プロセス制御システムにブロックバルブおよびバイパスバルブを実装し、これにより、そのブロックバルブおよびバイパスバルブを使用して、隔離されたバルブがテストされているときにプラントを通る物質(例えば、液体または気体)の流れをルート変更することが可能でなければならない。ブロックバルブおよびバイパスバルブはまた、隔離バルブとも呼ばれることがある。
(1)の場合には、プロセスプラントは多量の生産物を失うことがある。(2)の場合には、プラントの所有者は、ブロックバルブおよびバイパスバルブを実装するのにまず多量の資源を投資し、そのバルブに対して着座完全性テストを遂行するときにブロックバルブおよびバイパスバルブを動作させることが求められる人的資源を投資しなければならない。具体的には、バイパスバルブの近くに物理的に配置されたユーザが、そのバルブからバイパスバルブに動作の切り換えを管理する別のユーザと調整しなければならない。バイパスバルブの近くに物理的に配置されたユーザは、管理ユーザからの命令に従ってバイパスバルブを手作業で開放しなければならない。バイパスバルブへの動作の切り換えが完了した後で、ユーザは、バルブがプロセスから締め出されているかどうかを手作業で保証および検証しなければならない。ユーザは、テストされるバルブの両端に配置された2つのブロックバルブを回すことによってバルブがプロセスから締め出されていることを保証および検証する。バルブの遮断には、追加のバルブ、追加の人的資源、および多数の従業員の協働、ならびに時間が必要である。
さらに、従来のバルブシート着座完全性テストを使用するときに必要となる追加のコスト、生産性の損失、および追加の労働のせいで、テストはあまり頻繁に実行されていない。典型的には、バルブ着座完全性テストは、1年に1回または5年ごとに実行されている。以下に提示する開示では、同様のテスト結果は、より頻繁に生成することができ、かつ/または従来のバルブシート着座完全性テストと関連した本明細書で説明する問題点なしに生成することができる。
本発明は、プロセス制御システムの動作を中断することもバルブを遮断することもなしにバルブ着座完全性をテストする方法を含む。本発明は、バルブの閉止および/または開放の通常の動作中にバルブ着座完全性を自動的にテストすることをさらに含む。その方法は、バルブを含むプロセス制御システムを提供することを含み、そのバルブは、バルブが開放される程度を反映し、実質的に0%(または設定点が較正のずれを補償することが必要な場合は0%より下)から100%の範囲で完全開放の割合として表される、設定点で動作する。
一実施形態では、その方法は、プロセス制御システムに含まれるコントローラから、所望の設定点に対応する制御信号値を受信することと、その設定点に従ってバルブ閉止動作を遂行することを含む。その方法はまた、閉止動作中に、バルブのバルブ着座完全性と関連して、受信した制御信号値が所定のカットオフ値以下であるかどうかを判定することも含んでよい。設定点がカットオフ値以下のときは、位置データがカットオフ値を超えているかどうかを判定することができる。位置データは、設定値に従ってバルブシートに達するように応答するときのバルブステムの位置を表す。設定値がカットオフ以下であり位置データがカットオフを超えている場合は、その方法は、バルブの閉止と関連した圧力データおよび位置データの読み取りに進む。
閉止動作中に読み取られたそれらの圧力データおよび位置データは、リアルタイムで既知の良好なデータセットと比較されてもよい。あるいは、またはさらに、閉止動作中に読み取られた圧力データおよび位置データは、リアルタイムで十分な着座完全性と関連した閾値と比較されてもよい。例えば、閾値は、以前に記憶されたもしくは既知の良好な位置データセットおよび/もしくは圧力データセットと関連した数理的な公差を決定することによって、または位置データおよび/もしくは圧力データのスロープの決定によって、あるいはバルブが許容できるバルブ着座完全性を有するかどうかを判定するために使用されてもよい他の任意の技法によって計算されてもよい。
一実施形態では、圧力データおよび位置データは、閉止動作中に読み取りかつ記憶されてもよく、許容できるバルブ着座完全性に対応する、以前に記憶された圧力データセットおよび位置データセットと比較されてもよい。その方法はさらに、比較動作から、十分な着座完全性と関連した公差値を超えているかどうかを判定することと、所定の閾値を超えているという判定に応答して警告を発生することとを含んでもよい。
圧力データおよび位置データを読み取ることおよび圧力データと位置データを比較することは、収集した位置データがバルブの移動を示す限り、またはバルブが設定点に従ってまだ定常状態に達していない間は続けられる。
上記の段落で説明した実施形態は、バルブ閉止動作中に用いられる。バルブ着座完全性テスト方法の他の実施形態は、バルブ開放動作中に用いられてもよい。
開放テストの実施形態は、コントローラから、所望の設定点に対応する制御信号値を受信することと、その設定点に従ってバルブ開放動作を遂行することとを含む。その方法はまた、開放動作の設定点に対応する、受信した制御信号値が、開放動作中にバルブのバルブ着座完全性と関連した所定のカットオフ値以上であるかどうかを判定することも含む。設定点がカットオフ値以上であり、位置データがカットオフ値未満であるときは、バルブの開放と関連した圧力データおよび位置データの読み取りが行われる。収集した圧力データおよび位置データは、既知の良好なデータセットと比較されてもよい。
あるいは、開放動作中に収集した圧力データおよび位置データは、リアルタイムで許容できる着座完全性と関連した公差値と比較されてもよい。例えば、圧力読み取り値、位置データ、圧力読み取り値と位置データの両方、または圧力データおよび位置データのスロープの決定、あるいはバルブが許容できるバルブ着座完全性を有するかどうかを判定するために使用される他の任意の技法と関連した数理的な公差があってもよい。あるいは、読み取られ記憶された圧力データおよび位置データは、許容できるバルブ着座完全性に対応する以前に記憶された圧力データセットおよび位置データセットと比較されてもよい。
その方法はさらに、比較動作から、許容できるバルブ着座完全性と関連した公差値を超えているかどうかを判定することと、所定の閾値(例えば、公差)が超えられているという判定に応答して警告を発生させることとを含んでもよい。
位置データおよび/または圧力データを読み取ることならびに位置データおよび/または圧力データを閾値または公差と比較することは、収集した位置データが移動を示す限り、またはバルブが設定点に従った状態にまだ達していないことを示す限り続けられる。
請求項により追加の概要情報が提示される。その概要は、本明細書で説明する全ての実施形態の完全な概要ではない。その概要は、本明細書で説明する方法の導入を意図したものである。
通常のプロセス動作中にバルブを制御してもよい、プロセスプラント内に配置されたプロセス制御システムのブロック線図である。 図1のプロセス制御システムと共に使用する制御バルブおよび関連の装置の立面図であり、それらの制御バルブおよび関連の装置に対して、本発明の一例に従ってバルブ着座完全性テストが遂行される。 バルブが閉止しているときに遂行される、本発明による例示的なバルブ着座完全性テスト方法の概略的な3つのステージ中に、位置データが設定値を追従してもよい方法を示す。 バルブが開放しているときに遂行される、本発明による例示的なバルブ着座完全性テスト方法の概略的な3つのステージ中に、位置データが設定値を追従してもよい方法を示す。 バルブが閉止しているときに遂行される本発明によるバルブ着座完全性テスト方法の一例を示す流れ図である。 位置データおよび圧力データをリアルタイムで本発明に従って比較し、バルブが閉止しているときに遂行される、バルブ着座完全性テスト方法の別の例を示す流れ図である。 バルブが開放しているときに遂行されるバルブ着座完全性テスト方法の一例を示す流れ図である。 位置データおよび圧力データをリアルタイムで本発明に従って比較し、バルブが開放しているときに遂行される、バルブ着座完全性テスト方法の別の例を示す流れ図である。 バルブテストデータの図表の表示を2つ示しており、データの1つのプロットがバルブ閉止動作中に読み取られかつ/または記憶され、データの第2のプロットがバルブ開放動作中に読み取られかつ/または記憶され、両方のプロットが良好なバルブ着座完全性を表すデータの一例を示している。 バルブテストデータの図表の表示を2つ示しており、データの1つのプロットがバルブ閉止動作中に読み取られかつ/または記憶され、データの第2のプロットがバルブ開放動作中にかつ/または記憶され、閉止時のプロットは不良のバルブ着座完全性を表すデータの一例である。
以下の詳細な説明は本発明の実施形態を説明する。他の実施形態は、特許請求および開示される主題において固有のものであり、あるいは図面と併せて以下の説明から当業者には明らかになるであろう。
図1に様々な機能上の領域を含むプロセスプラント10の一例を示す。その機能上の領域はそれぞれ、本発明によるバルブ着座完全性テストシステムの実施形態を備えてもよい。プロセスプラント10は分散プロセス制御システムを含み、その分散プロセス制御システムはコントローラ12を1つまたは複数有し、コントローラ12はそれぞれ、入力/出力(I/O)デバイスまたは入力/出力(I/O)カード18を介して1つまたは複数のフィールド機器14または16につながっている。コントローラ12はまた、データハイウェイ25を介して1つまたは複数のホストワークステーションまたはオペレータワークステーション20〜23にも接続されている。データハイウェイ25にはデータベース28が接続されており、そのデータベース28は、プラント10内のコントローラおよびフィールド機器と関連したパラメータ、状態、および他のデータを収集および記憶するデータヒストリアンとして動作し、かつ/あるいは、コントローラ12ならびに/またはフィールド機器14および16からダウンロードされるかまたはそれらの内部に記憶される、プラント10の現在または以前のテストデータを記憶するデータヒストリアンデータベースとして動作する。データベース28はさらに、プロセスプラント10の様々な図表の表示を提供するようにグラフィックオブジェクトを記憶してもよい。本明細書で説明する自動着座完全性テスト方法の実施形態は、ソフトウェアアプリケーション30〜33のうちのいずれか1つまたは複数としてルーチンとして、それぞれ1つまたは複数のホストワークステーションまたはオペレータワークステーション20〜23に記憶されてもよい。あるいは、またはさらに、本明細書で説明する自動着座完全性テスト方法の実施形態は、コントローラ12(例えば、ソフトウェアアプリケーション50)におよび/または図2のポジショナ109の記憶装置114)に記憶されてもよい。
フィールド機器14および16は、過酷なプロセスプラント環境内に配置されることがあり、一方で、コントローラ12、I/Oカード18、オペレータワークステーション20〜23、およびデータベース28は、メンテナンス作業者および様々な他のプロセスプラント作業者によってより簡単にアクセス可能な制御室または他のあまり過酷でない環境に配置されてもよい。場合によっては、プロセスプラント作業者は、可動式デバイス、無線デバイス、手持ち式デバイスを使用して本明細書で説明する自動バルブ着座完全性テスト方法の実施形態によって生成される情報にアクセスしてもよい。
本明細書で説明するバルブ着座完全性テスト方法は、様々なタイプの制御システムに統合されてもよい。その制御システムは、独立型制御システムでも分散制御システムでもよい。分散制御システムがコントローラ要素を含み、そのコントローラ要素は、位置が中心ではないがそのシステム全体に分散されており、各サブシステムが分散コントローラのうちの1つまたは複数によって制御される。分散制御システムの一例が図1に示されており、その分散制御システムは、プロセス制御システム動作全体のサブシステムの一部分として図2に示すバルブを含み、システムコントローラ12は、図2に示すバルブ102を制御する。例えば、アナログフィールド機器14またはデジタルフィールド機器16のいずれかは、図2に示すバルブ着座完全性システムのポジショナを表してもよい。
あるいは、本明細書で説明するバルブ着座完全性テスト方法は、図2に示すバルブ着座完全性システムなど、バルブ自体によって全面的に実行されてもよい制御システムに統合されてもよい。制御システムならびにその制御および診断の実施形態についてのさらなる情報は、その全体が参照により本明細書に援用されるFisher−Rosemount Systems,Inc.に譲渡された米国特許第6,298,454号「Diagnostics in a Process Control System」で見出される場合がある。
図2に、図1のプロセスプラント10などのプロセスプラントのパイプ101に取り付けられたバルブ着座完全性テストシステム100の実施形態を示す。パイプ101中を通る物質105の流れは、制御バルブ102によって制御され、その制御バルブ102は、バルブロッド106またはステムに接続されたバルブ閉止要素103と、バルブシート104とを備える。物質105は液体でも気体でもよい。バルブロッド106は、閉止要素103を上に移動させて制御バルブ102を開放するか、または下に移動させて制御バルブ102を閉止する。バルブは、空圧駆動などのバルブアクチュエータ107によって生じる力で、閉止されかつ/または開放される。アクチュエータ107は、ヨーク108を介してバルブ102のハウジングに接続されている。ヨーク108にはインテリジェントポジショナなどのポジショナ109が配設されており、そのポジショナ109を使用して、フィードバックロッドなどのバルブ移動指示器110を介してバルブロッド106の移動を検出するために使用される。バルブ移動指示器110はバルブ位置センサ113に接続されており、そのバルブ位置センサ113は、中央処理装置(CPU)などのプロセッサであってもよいバルブ制御ユニット111に接続されている。制御ユニット111は、インターフェース112から設定値または制御信号を受信し、そのインターフェース112は、図1のワークステーション20、21、22、23、またはコントローラ12、12などの制御デバイスに接続されている。例えば、制御ユニット111は、図1の任意のコントローラ12から設定点または制御信号を受信することができる。その設定点は、自動制御システムが、それが制御するデバイスに送信する目標値である。
あるいは、バルブ移動指示器110はリンケージレス位置フィードバックデバイスであってもよく、これは、バルブロッド106との直接的なつながりを有することなくバルブロッド106に接続しかつ/またはその移動をモニタリングする方法を用いる。例えば、バルブ移動指示器110は電磁的にリンクした移動指示器であってもよい。
上記で述べたように、制御ユニット111は、コントローラ12から設定値を受信してもよく、次いで、受信した設定値に従って制御バルブ102を制御してもよい。その設定値はバルブを開放または閉止すべき程度を示す。制御ユニット111は、受信した設定値に従ってバルブを移動させる。制御ユニット111は、位置センサ113からのフィードバック情報をチェックし、ストレージデバイス114内にセンサ113からの位置データを記憶する。ポジショナ109はまた圧力センサ115も含み、その圧力センサ115は、アクチュエータ107のタイプに応じて、1つまたは複数の圧力センサであってもよい。圧力センサ115によって得られるデータは、設定値に従って、移動するバルブ102の基礎として制御ユニット111によって使用されてもよい。センサ115からの圧力データは、ストレージデバイス114に記憶されてもよい。さらに、上記で示したように、本明細書で説明するバルブ完全性テスト方法のソフトウェアアプリケーションの一部または全体をストレージデバイス114に記憶してもよい。
図1〜図2を参照すると、バルブ102を含むプロセス制御システムの通常の動作中には、バルブは、上記で述べたように、図2のポジショナ109の制御ユニット111に対する入力である設定点で動作する。やはり上記で言及したように、設定点は、バルブを開放する範囲を定義し、完全に開放したバルブの割合として表現される。したがって、設定値100%は、完全に開放したバルブを定義し、バルブ閉止要素103はバルブシート104から最大距離だけ離間している。設定値0%は、完全に閉止されたバルブに対応し、閉止要素103はバルブシート104上に着座している。実質的に0%と100%との間の設定値は、部分的に開放したバルブに対応する。
バルブ着座完全性を検証するテストがバルブ閉止動作中に遂行されるか、またはバルブ開放動作中に遂行されるかに応じて、テストが、例えば、(i)バルブが閉止しているときは設定値が所定のカットオフ値未満であるときに、または(ii)バルブが開放しているときは設定値が所定のカットオフ値を超えるときに行われる。あるテストは、バルブ102を備えたプロセス制御システムの通常の動作、場合によっては、バルブの閉止またはバルブの開放のいずれかを含む動作を遂行する間に自動的に行われる。閉止中および開放中に行うことができるテストは、図3、図5、図6、ならびに図4、図7、および図8をそれぞれ参照しながら以下に詳細に説明する。
図5および図6に、バルブを閉止するように信号が送られているときに遂行される方法の実施形態を示す。図7および図8に、バルブを開放するように信号が送られているときに遂行される方法の実施形態を示す。以下により完全に論じるように、図5、図6、図7、および図8に示す方法は、いつ位置データおよび/または圧力データを自動的に蓄積し始めるかを判定するために使用されるカットオフ値を用いる。このようにして、データの自動収集は、プロセスプラントのプロセス制御システムの通常の動作中に、バルブの閉止または開放中にバルブ着座完全性の問題を検出するのに有用である。図5、図6、図7、および図8のブロックの一部または全ては、テストされているバルブを含むプロセスプラントの通常の動作中に遂行することができる。
図3および図4は、本明細書で説明する方法をさらに説明するために提示されている。図3に、バルブの閉止動作中の設定値(Oとして示すSP)と、位置データ(Xとして示すT)と、カットオフ値との間の関係を示す。図9に、バルブの開放動作中の設定値SPと位置データTとカットオフ値との間の関係を示す。
図3に、通常のバルブ閉止動作中に行われるバルブ着座完全性テスト方法の実施形態異なる3つの局面を示す。図3に、図5および図6の動作ブロックを理解するための追加の説明を提示する。例えば、図3に、カットオフ値(CUTOFF)に対する設定点SPおよび位置データT(位置データは「トラベル」データと呼ばれることもある)の値を示す。(1)で示す第1の段階では、バルブは開放されており、定常状態、例えば、位置データが設定値と等価である状態に達している。したがって、設定点SPも位置データTも、バルブが開いていることを表す値にあり、それらの値は、カットオフ値CUTOFFよりも大きい。(2)で示す第2の段階では、バルブは開放しており、閉止する信号、例えば、0%開放の設定値の信号を受信している。
理想的な状況では、コントローラからの信号は、単に0%開放の設定値であればよい場合がある。しかし、実際の状況では、−5%開放の設定値が使用されることがある。というのは、設定点は、バルブシステムに存在することがある較正のずれを補償することが必要な場合があるからである。第2の段階(2)中では、設定点は値0%開放であり、位置データTは、バルブシート104(図2)に対するバルブロッド106(図2)の位置を示しており、設定値SPに達する可能性を有していない。第2の段階(2)中は、位置データTはカットオフ値よりも大きい。第2の段階(2)中は、位置データおよび/または圧力データは、閾値との比較のために読み取られ始めてもよい。位置データTが依然としてバルブロッド106がバルブを閉止するように移動していることを示す一方で、位置データおよび/または圧力データは、連続して読み取られ、1つまたは複数の閾値と比較されてもよく、1つまたは複数の閾値と比較するために読み取られ、記憶されてもよい。位置データおよび/または圧力データの読み取りおよび閾値との比較は、第3の段階(3)まで続き、位置データは、バルブロッド106が定常状態の位置、例えば、0%開放の位置に達したことを示している。
上記で述べたように、図5に示す方法では、バルブは閉止するように信号が送られている。インテリジェントポジショナ109(図2)は、コントローラ(例えば、図1のコントローラ12)から設定点を受信する。ポジショナ109は設定点および位置データを読み取る(ブロック500)。上記で簡潔に述べたように、設定点の信号は、バルブを開放するべき割合を示し、0%は0%開放(すなわち、閉止)を示し、100%は100%の開放を示し、必要な場合は、それらの間またはそれを超える全ての可能な値を有する。上記で述べたように、設定点は、誤差を過剰に補償するように生成されてもよく、したがって、−5%など、0%から100%を超える範囲にあってもよい。位置データは、フィードバックロッド11(図2)および位置センサ113(図2)を使用することで得られる。位置データは、バルブシート104(図2)に対するバルブロッド106(図2)の位置を示す。
ポジショナ109は、設定点がカットオフ値などの所定の値未満であるかどうかを判定する(ブロック502)。カットオフは0.5%開放などの値でもよい。例えば、バルブが完全に開放しているときのバルブのスパンの全長が、バルブシート104から閉止要素103まで測定して6インチである場合は、0.5%開放の値は、バルブシート104から閉止要素103まで測定して0.03インチの距離に対応することになる。カットオフ値は、ユーザによって指定されても、製造業者によって提供されてもよい。
設定点が例示的な0.5%開放のカットオフ値未満であると判定された場合は(ブロック502)、ポジショナ109は位置データがカットオフ値を超えているかどうかを判定する(ブロック504)。位置データがカットオフ値を超えている場合は、ポジショナ109がそれぞれの位置センサおよび圧力センサを使用して位置データおよび圧力データを読み取りかつ記憶する(ブロック506)。ポジショナ109はバルブロッド106が依然として移動しているかどうかをチェックする(ブロック508)。これは、位置データが依然として変化しているかどうか、または設定値と関連した定常状態の値にまだ達していないかどうかをチェックすることによって判定されてもよい。依然として変化しているかまたは設定値に向かって移動していると位置データが示すようにバルブロッド106が依然として移動している場合は、ポジショナ109は、位置データおよび圧力データを読み取りかつ記憶し続ける(ブロック506)。バルブロッド106が移動を停止すると、ポジショナ109は位置データおよび圧力データの収集を停止する(ブロック510)。閉止動作の追加の記録が必要な場合は、ポジショナ109は1つまたは複数の設定値を記憶しても、その位置データおよび圧力データを読み取りかつ記憶する。
閉止テスト中は、設定値は0%開放とすることができ、または0%開放よりもわずかに低い値からカットオフ値未満の値までの任意の値にすることができる(すなわち、この例では0.5%開放よりも小さい)。バルブの移動は、バルブが図1のコントローラ12から受信した所望の設定点に一致する最終の所望の位置にあるときに停止する。バルブが所望の設定値に応答して停止しているかまたは定常状態の値に達していると判定される場合は、ポジショナ109は、現在収集したデータを、「良好な」セットとして知られたモデルとなるデータセットまたは以前に記憶されたデータセットと比較し(ブロック512)、その比較が閾値を超えているかまたは所定の値についての公差内にあるかどうかを判定してもよい(ブロック514)。
用語、公差は、本明細書では、既知の「良好な」データセットなど、記憶されたデータセットに近い1つまたは複数の何らかの値を指すために用いられる。一方、用語、閾値は、本明細書では、収集した位置データおよび/または圧力データが着座完全性に関する問題を示すときにそのことを判定するために使用してもよい、既知の「良好な」セットまたは他の任意の数値の分析から導かれてもよい数値を指すために用いられる。用語、閾値は、1つまたは複数の公差値よりも広く、それを含む。
さらに、閾値が、以前に収集した、位置データおよび圧力データの既知の「良好な」セットから決定されたスロープ値を含んでもよい。位置の変化に対する圧力の変化を示すスロープ値は、位置データおよび圧力データをそれぞれ読み取った後で決定してもよい。決定されたスロープ値を、予期されたスロープ値または所定のスロープ値とデータを読み取る度に比較してもよい。あるいは、位置データまたは圧力データのいずれかは、経時的に読み取ってもよく、位置データの経時的な変化または圧力データの経時的な変化を用いて、リアルタイムのスロープ値を決定することができる。そのリアルタイムのスロープ値を予期される対応するスロープ値と比較して、着座完全性の低下が起きたかどうかおよび起きた時期を判定してもよい。あるいは、公差を、比較動作で使用されてもよい所定のスロープ値前後に決定することができる。
既知の「良好な」データセットの一例は、設置前にまたは何らかの初期の動作時間中に得られた測定値から導かれるシグネチャバルブテストを用いて収集されてもよいデータなど、バルブが新しかったときまたは適切に働いていると判定されるときに収集されたテストデータである。製造業者はまた、比較に使用されてもよい「良好な」データセットを提供するベースラインシグネチャバルブテストのグラフを提供してもよい。他の「良好な」データセットは、プロセスプラントの内部または外部の他のバルブのモデルから得られてもよい。さらに他の「良好な」データセットが、テストされているバルブに関する、以前に記憶されたトラベル(位置)データおよび圧力データから得られる場合がある。さらに、記憶データを用いてトレンドデータを生成してもよい。あるいは、記憶データから生成されたトレンドデータを他のトレンドデータと比較してもよい。
トレンドデータは、データセットをモデル化するために使用されてもよいデータである。データの解釈を助ける統計的技法を使用することによって、データセットからトレンドを見積もられる場合がある。例えば、データセットの測定値がランダムな挙動からは統計的に区別可能な増大するトレンドをとるかまたは減少するトレンドをとるかを判定することが有用なことがある。
既知の「良好な」セットとの収集データの比較が閾値を超える場合は、ポジショナ109は、ローカルな光のONもしくはOFFまたはバルブの近くに配置された他の任意の可視程度に単純であってもよい、警告表示設定してもよい(ブロック516)。さらに、または代替として、ポジショナ109は、警報メッセージを送信してもよく(ブロック516)、これは、ローカル位置および/またはリモート位置に配置された任意のデバイスに通信情報を送信することを含むことができる。その警報メッセージはアナログまたはデジタルのメッセージであってもよく、そのメッセージは、離れた位置にあるワイヤレスのポータブル通信デバイスに送信されるか、またはプラント10の診断/メンテナンスワークステーション23のディスプレイに送信される。比較が閾値を超えない場合は、その方法は、図7に示すように、バルブが閉止する次の時にバルブ着座完全性をテストするか、またはバルブが開放しているときにバルブ着座完全性をテストするために開始時に戻る。
公差値の一例は、収集した位置データおよび/または圧力データが許容できるときにそのことを判定するためにユーザによって予め定められるか設定された値である。公差は、位置データおよび/または圧力データと関連したデータの前後1%の範囲で示されるような選択した値である場合がある。例えば、図9に線900で示しているのは、バルブの閉止中に取られ、縦軸に沿って圧力値をグラフ化し、横軸に沿って位置の値をグラフ化する手作業で遂行されるシグネチャバルブテストから取られた、「良好な」データセットの一例である。
ボックス910の破線は、線900の個別の位置データおよび圧力データセットのプロットの周りの1%公差の範囲を描写している。図は推算であり、縮尺通りではない。同様に、図9の線950は、バルブの開放中に、手作業で遂行されるシグネチャバルブテストから取られる「良好な」データセットの一例を示し、ボックス920の破線は、線950の個別の位置データおよび圧力データセットのプロットの周りの1%公差の範囲を描写している。例えば、収集した位置データおよび圧力データセット(ブロック506に対応する)が「良好な」圧力データ(ブロック514および線900に対応する)と比較され、収集データが破線910で示す1%公差外にある場合は、警告を発する場合がある(ブロック516)。
図10の線1000は、閉止動作中にバルブによって生成された、収集した位置データセットおよび収集した圧力データセットのグラフ化したプロットの一例である。線1000のプロットしたデータは、訓練を受けたメンテナンス要員によって、許容できないバルブ着座完全性を有するバルブを示すように決定された。訓練を受けたメンテナンス要員は、シートが接触する瞬間に鋭利な角がないことが、不良または許容できないバルブ着座完全性を示すことを認識することの経験を有する。本明細書で説明するポジショナ109が図10の線1000のグラフ化したプロットに似たデータを読み取った場合は(データが図9のグラフに対応するように縮尺調整されていると仮定する)、ポジショナ109は、線1000のデータを1つまたは複数の公差値910と比較する(ブロック514)。1つまたは複数の公差値を超えている場合は、ポジショナ109は警告を設定するかまたは警報を送信する(ブロック516)。
したがって、プロセスプラント動作をオフラインにする必要がないこと、またはバルブを追加のために投資する必要がないことに加えて、本明細書で説明する方法は、ポジショナ109がバルブ着座完全性テストを通常のプロセスプラント動作中に自動的に遂行できるので、バルブの着座完全性をテストするときのメンテナンス作業者の判断への依存を無くすことができる。
あるいは、図10の線1000に似ている場合がある、閉止動作中にバルブが生じた位置データセットおよび圧力データセットのプロットと、図9の線900などの既知の良好なセットとの間の比較は、より集中していても、またはより特定のデータ範囲に特定されていてもよい。例えば、閉止要素103とバルブシート104との間のより狭い範囲の位置決めと関連したデータ値の範囲内で比較を行うことができる。あるいは、例えば、良好な位置データセットまたは特定のタイプのバルブおよびその特定の仕様と関連した他の特定の範囲前後の1%公差と、圧力データの特定の範囲に生じる位置データを比較するだけで、例えば、6.75から6.25psiの範囲の圧力と関連した位置データのみを比較することで、位置データまたは圧力データのいずれかとの比較を行うことができる。
さらに、または代替的に、圧力データおよび/または位置データの読み取りの後の各状態で、比較動作を実行してもよい(ブロック512)。例えば、図6に、バルブが閉止しているときに遂行されるバルブ着座完全性テスト方法の代替の実施形態を示す。図6に示す実施形態は、必要とするデータの記憶がより少ない場合がある代替の比較動作を有する方法を示す。具体的には、動作ブロック600、602、604、606、608、および616は、それぞれ図5の動作ブロック500、502、504、506、508、および516と同様である。したがって、図6に示す方法の以下の説明は、図5と図6との間の動作の違いに焦点を当てる。
図6に図5の代替の実施形態を示し、その実施形態では、データ読み取り動作によりデータの追加の記憶が要求されず、比較動作はデータの読み取り後、より迅速に遂行される。圧力データおよび位置データを読み取り、次いで、より長期にわたる記憶を必要とせずに公差または閾値とリアルタイムで比較される場合がある。例えば、ポジショナ109は、圧力データおよび位置データを読み取り(ブロック606)、次いで、圧力データおよび位置データを閾値と比較し(ブロック640)、次いで、比較が閾値を超えているかどうかを判定してもよい(ブロック642)。
バルブが開放している間に使用されてもよい、本明細書で説明する着座完全性テスト方法の代替の実施形態は、図4に示されている。図4に、バルブの開放中の設定値SPと位置データTとカットオフ値との間の関係を示す。図4に、図7および図8の動作ブロックの説明を読むときに追加の説明を提供するために、バルブ着座完全性テスト方法の異なる3つの局面を示す。例えば、図4に、カットオフ値CUTOFFに対する設定点SPおよび位置データTの値を示す。(1)で示す第1の段階では、バルブは、閉止されており、定常状態に達している。そのときに、位置データは、設定値と等価であり、設定点SPも位置データTも0%開放の値である。(2)で示す第2の段階では、バルブは、閉止されており、0.6%開放の設定値を受信している。
この第2の段階(2)中には、設定点は、0.6%開放の値であり、位置データTは、バルブシート104(図2)に対するバルブロッド106(図2)の位置を示し、設定値SPに達する可能性はない。第2の段階(2)中には、位置データTはカットオフ未満である。第2の段階(2)中に、位置データおよび/または圧力データは、公差または閾値との比較のために読み取り始めてもよい。位置データTは、バルブロッド106がバルブを開放するように移動していることを依然として示しており、位置データおよび/または圧力データは、連続して読み取られ、公差または閾値と比較されてもよく、あるいは公差または閾値と比較されるために読み取られ記憶されてもよい。閾値との位置データおよび/または圧力データの読み取りおよび比較は、第3の段階(3)まで続き、位置データは、バルブロッド106が、もはやカットオフ値未満ではない(すなわち、カットオフ値以上である)定常状態の位置に達していることを示す。
図7に、バルブ開放動作中にバルブ着座の完全性をテストする方法の実施形態を示す。例えば、バルブは、閉位置にあってもよく、システムコントローラ12(図1)から、バルブを開放しようとすることを示す設定値を受信してもよい。例えば、受信された設定点は、値0%(すなわち、閉止)から値0.6%開放まで変更してもよい。バルブ開放のカットオフ値が0.5%であり、受信した設定値が0.5%カットオフ値を超える(例えば、設定点0.6%の)場合は、インテリジェントポジショナ109は、設定値を読み取り(ブロック700)、設定値がカットオフ値を超えていることを判定するであろう(ブロック702)。
設定値がカットオフ値を超えている場合は、ポジショナ109は、位置データがカットオフ値未満であるかどうかを判定する(ブロック704)。位置データがカットオフ値未満である場合は、ポジショナ109は、位置データおよび圧力データを読み取りかつ記憶し(ブロック706)、位置データがカットオフ値未満である間は、データを読み取りかつ記憶し続ける(ブロック706、708)。
より詳細には、ポジショナ109は、図1のシステムコントローラ12から所望の設定値を受信し、その所望の設定値に従ってバルブ閉止要素103を移動させる。ポジショナ109は、それ自体の制御プロセス能力を有してもよい。その場合は、ポジショナ109は、コントローラ12から所望の設定値を受信し、その所望の設定値を実現するためにそれ自体の局所化された第2の設定値を生成する。第2の設定値が、制御ユニット111によって生成されてもよい。代替の実施形態では、ポジショナ109は、位置情報を移動指示器110から読み取り、その位置情報をフィードバック情報として用いるためにシステムコントローラ12に送信する。対応する動作はバルブ閉止動作の場合でも可能である。
上記で述べたように、所望の設定値は、場合によって(a)より低いシステムレベルのコントローラによって生成される所望の設定値(ポジショナ109)または(b)より高いシステムレベルのコントローラ(コントローラ12)によって生成する所望の設定値のうちのいずれであってもよい。いずれにしても、実際の位置が、所望のシステム設定値に従う定常状態の値に到達するまで所望の設定値を追従すべきである。
所望のシステム設定値の一例は、0.6%開放、50%開放、75%開放、または他の任意の所望の開放値である。例えば、位置データがまだカットオフ値に達していない間は、バルブ102は依然として開放動作を遂行していると考えられる。位置データが所望のカットオフ値に達するまで、ポジショナ109は、位置データおよび圧力データを読み取りかつ記憶する(ブロック706、708)。位置データがカットオフ値に達した後、または依然として所望の設定点に達することを目指して変化している場合には、ポジショナ109は、さらなるデータの収集を停止し(ブロック710)、記憶された開放データを既知の「良好な」データセットと比較し(ブロック712)、比較が公差または閾値外にあるかどうかを判定する(ブロック714)。公差は、バルブ閉止テストに関連して上記で説明した公差(図5)と同様の1%公差であってもよい。比較が公差外にある場合は、ポジショナは、警告表示を設定するかまたは警報メッセージを送信する(ブロック716)。
図8に図7の代替の実施形態を示し、その実施形態では、データの比較(840)および公差または閾値のチェック(842)がデータの読み取り(806)の後すぐに遂行される。図6の実施形態のように、図8の実施形態は、読み取られたデータの追加の記憶装置を必要としない。具体的には、動作ブロック800、802、804、806、808、および816は、それぞれ図7の動作ブロック700、702、704、706、708、および716と同様である。したがって、図8に示す方法の以下の説明は、図7と図8との間の動作の違いに焦点を当てる。
図8に、図7の代替の実施形態を示し、その実施形態では、データ読み取り動作によりデータの記憶が要求されず、データの比較がデータの読み取り後より迅速に遂行される。圧力データおよび位置データを読み取り、次いで、いかなるより長期にわたる記憶も必要とせずに公差または閾値とリアルタイムで比較してもよい。例えば、ポジショナ109は、圧力データおよび位置データを読み取り(ブロック800)、次いで、圧力データおよび位置データを既知の良好なデータセットと比較し(ブロック840)、次いで、比較が公差内にあるかどうかを判定してもよい(ブロック842)。
上記で論じたように、ポジショナ109は、設定点がカットオフ未満であるかそれを超えているかによって、図5、図6、図7、または図8の方法のいずれかを実行してもよい。図5、図6、図7、または図8の代替の実施形態では、ポジショナ109は、異なる期間または他の任意の指定の期間にわたってデータを読み取りかつ記憶してもよい。読み取り動作の異なる期間は、異なるカットオフ値を用いることで達成されてもよい。
あるいは、ポジショナ109は、バルブの開放動作のときも閉止動作のときも、開放動作と閉止動作との中間でも、通常の動作中にデータを連続して読み取りかつ記憶してもよい。ポジショナ109により、所望の設定値を受信すると、その比較動作を開始してもよい(例えば、ブロック512、712)。例えば、開放動作の場合、所望の設定点が、0.6%など、任意の指定のカットオフ値を超えているかもしくはそれ未満であるときに、または閉止動作の場合、設定値が0%以下であるときに、比較を開始してもよい。
図5および図6ならびに図7および図8のブロックのいずれかを組み込む変更形態を含む、図5、図6、図7、および図8で実施する方法の変更形態は、ソフトウェアプログラミングまたはバルブ動作の分野の当業者およびこの開示から利益を得る者に思い付くであろう。バルブ動作を評価するためのコンピュータの使用に関するより詳細な情報については、その全体が参照により本明細書に援用されるFisher Controls International LLCに譲渡された米国特許第7,478,012号「Computerized Evaluation of Valve Signature Graphs」を参照されたい。
本明細書で説明するバルブ着座完全性テストの別の例の実施形態は、プロセス制御システム内のバルブのバルブ着座完全性を自動的にテストすることを含んでもよく、そのバルブは、バルブシートと、それぞれバルブの閉止動作中はバルブシートに向かう方に移動し、開放動作中はバルブシートから離れる方に移動するバルブ閉止要素とを含む。その方法は、プロセス制御システムのコントローラから設定点を受信することと、バルブの設定点に対応する位置に向かってバルブ閉止要素を移動させることと、バルブ閉止要素が設定点に対応する位置に向かって移動する間にバルブ着座完全性テストデータを収集することによってバルブ着座完全性テストを自動的に遂行することとを含む。その方法はまた、プロセス制御システムの動作を中断することなく、プロセス制御システムからバルブを隔離することなく、バルブ着座完全性テストデータを評価することによってバルブ着座完全性テストを遂行することも含む。プロセス制御システムの動作は、閉ループプロセス制御動作の設定点または他の任意の定義に対応する位置に向かってバルブ閉止要素が移動することを含む、閉ループプロセス制御動作を含む。
さらに、ポジショナ109は、設定点を受信し、バルブ着座完全性テストデータを収集し、バルブ着座完全性テストデータを評価してもよい。あるいは、ポジショナ109は、設定点を受信し、バルブ着座完全性テストデータを収集し、バルブ着座完全性テストデータを評価のためにコントローラ12に送信してもよい。
さらに、ポジショナ109は、設定点を受信し、バルブ着座完全性テストのデータを収集し、連続して、またはバルブ閉止動作もしくはバルブ開放動作が評価の状態に達したと判定された後で、永久にまたは一時的に制御システムにつながれたコントローラ、I/Oカード、ワークステーション、または他のプラットフォームに常駐するソフトウェアアプリケーションにテストデータを送信してもよい。バルブ閉止動作またはバルブ開放動作は、図3〜図10による任意の値またはバルブ閉止動作もしくは開放動作の他の任意の定義を含む、収集したバルブ着座完全性テストデータおよび/または設定値が上記で説明した方法のいずれかによって定義される値のいずれかに達したときに、評価されるべき状態に達する場合がある。あるいは、ポジショナ109は、データをコントローラ12に送信する前に、テストデータを収集し、テストデータの編集、集約、または変換のうちのいずれか1つまたは複数を遂行することができ、そのため、ポジショナとコントローラとの間の通信リンクをより効率的に使用してもよい。
ポジショナ109(またはコントローラ12)は、収集したバルブ着座完全性テストデータに対応する所定のバルブ着座完全性テストデータセットを比較することによって、または収集したバルブ着座完全性テストデータに基づいた数理的に算出したスロープ値を決定し、数理的に算出したスロープ値を閾値スロープ値と比較することによって、全てのまたは一部の通常のプロセス制御動作(例えば、バルブの閉止動作または開放動作)中に連続してバルブ着座完全性テストデータを評価するように構成されてもよい。バルブ着座完全性テストデータは、位置データおよび/または圧力データ、および時間データ、あるいは位置データおよび圧力データ、またはバルブ閉止動作中またはバルブ開放動作中に観察されるデータの任意の組み合わせを含んでもよい。
本明細書で説明するバルブ着座完全性テストの実施形態のいずれかは、警告を生成するかまたは警報メッセージをローカル位置またはリモート位置に送信してもよい。例えば、図2のポジショナ109は、図1の遠隔の診断/メンテナンスアプリケーション33またはコントローラ12に警告を生成するかまたは警報メッセージを送信してもよい。さらに、または代替的に、ポジショナ109は、バルブ102のハウジング内に配置された発光ダイオードを点灯することによって、または液晶表示装置(LCD)を変更することによって、警告を生成してもよい。
本明細書で説明するバルブ着座完全性テストの実施形態は、プロセス制御システムメンテナンス動作の間に、プロセス制御システム内のバルブのうちのいずれか1つまたは複数に対して遂行されてもよい。上記で論じたように、本発明の実施形態は、消耗したシート構成要素の問題、シートの位置合わせの問題、およびシートの浸食の問題を含むバルブの問題を検出する場合がある。本明細書で説明する本発明の実施形態を用いて回避される場合があるバルブのこれらのおよび他の問題に関する情報については、(1)Fisher−Rosemount Systems,Inc.に譲渡された米国特許第米国特許第6,298,454号「Diagnostics in a Process Control System」、および(2)Fisher Controls International LLCに譲渡された米国特許第7,478,012号「Computerized Evaluation of Valve Signature Graphs」を参照されたい。それらの文献は両方ともその全体が参照により本明細書に援用される。
上記で論じたように、従来のバルブシグネチャテストに勝る本自動バルブ着座完全性テストの利点は、テストがバルブの動作を停止する必要がないか、またはバルブを使用するプロセスを停止する必要がないか、またはプロセスの中断を避けるためにバルブを隔離する必要がないか、または人間のオペレータの分析を必要としないことを含む場合がある。ユーザは、本明細書で説明するバルブ着座完全性テストの実施形態を手作業で遂行する必要はなく、本明細書で説明するバルブ着座完全性テストの実施形態の結果を手作業で解釈する必要はない。したがって、本明細書で説明するテストの実施形態は、バルブ着座完全性が損なわれているかどうか、および損なわれた時期をより良好に判定することを可能にする場合がある。さらに、本明細書で説明するバルブ着座完全性テストの実施形態は、バルブがその一部である動作の生産性および安全性のレベルをより良好に維持することを可能にする場合がある。
例えば、バルブは、バルブポジショナ109(図2)自体によってローカルに制御される単一の制御ループ動作の一部である場合があり、またはコントローラ12(図1)によって制御される、より複雑なプロセス制御システムを含む動作の一部である場合がある。いずれにしても、本明細書で説明する自動バルブシグネチャテスト方法により、テストを受けるバルブを含む通常のプロセス制御動作中にテストを実行することが可能になる。通常のプロセスプラント動作は、コントローラによって実行されるように構成された制御ルーチンの閉ループプロセス制御動作に応答してコントローラがバルブに制御信号を送信する動作を含む。通常のプロセスプラント動作はまた、コントローラによって実行されるように構成された閉ループ制御ルーチンによって使用するためにフィードバック情報として位置データを処理するようにコントローラが構成される動作も含む。
以下の考察は、主に、図1に示す主題を参照している。
Emerson Process Managementから販売されているDeltaV(商標)コントローラなど、任意のタイプのプロセスコントローラであってもよく、より特定のタイプのプロセスコントローラでもよい、各コントローラ12は、独立に実行される様々な制御モジュールまたは制御ブロック50、50を任意の数だけ用いて制御戦略を実装するコントローラアプリケーションを記憶および実行する。制御モジュール50はそれぞれ、通常、機能ブロックと呼ばれるものから構成されてもよく、各機能ブロックは、制御ルーチン全体の一部分またはサブルーチンであり、プロセスプラント10内でプロセス制御ループを実装するように(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと共に動作する。機能ブロックは、オブジェクト指向のプログラミングプロトコル内のオブジェクトでもよい。機能ブロックは、伝送器、センサ、または他のプロセスパラメータ測定デバイスと関連した入力機能、PID制御、ファジー論理制御などを遂行する制御ルーチンと関連した制御機能を遂行してもよい。機能ブロックは、プロセスプラント10内の何らかの物理的機能を遂行する、バルブなど、何らかのデバイスの動作を制御する出力機能を遂行してもよい。モデル予測コントローラ(MPC)、オプティマイザなど、ハイブリッドおよび他のタイプの複合機能ブロックが存在する。FieldbusプロトコルおよびDeltaVシステムプロトコルは、オブジェクト指向のプログラミングプロトコルで設計および実装された制御モジュールおよび機能ブロックを用いているが、これらの制御モジュールは、例えば、シーケンシャル機能ブロック、ラダーロジックなどを含む任意の所望の制御プログラミングスキームを用いて設計することもでき、機能ブロックまたは他の任意の特定のプログラミング技法を用いて設計および実装されることに限定されない。コントローラ12はそれぞれ、AMS(登録商標)Suiteアプリケーションを支援する場合があり、予測インテリジェンスを用いて機械設備、電気システム、プロセス用機器、計器、フィールド機器およびスマートフィールド機器14、16、ならびにバルブを含む、生産用資産の可用性および性能を改善する場合がある。
図1に示すプラント10では、コントローラ12につながれたフィールド機器14および16は、標準型4〜20mAデバイスでもよく、プロセッサおよびメモリを含む、HART、Profibus、もしくはFOUNDATION(商標)Fieldbusフィールド機器などのスマートフィールド機器でもよく、または他の任意の所望のタイプのデバイスでもよい。Fieldbusフィールド機器などのこれらのデバイスの一部(図1にそれぞれ参照番号16で示す)は、コントローラ12に実装された制御戦略と関連した、機能ブロックなどのモジュールまたはサブモジュールを記憶および実行してもよい。Fieldbusフィールド機器16のうちの異なる2つに配設されている、図1に示す機能ブロック40は、周知のようにプロセス制御を実装するためにコントローラ12内の制御モジュール50の実行と併せて実行されてもよい。勿論、フィールド機器14および16は、センサ、バルブ、伝送器、ポジショナなど、任意のタイプのデバイスでもよく、I/Oデバイス18は、HART、Fieldbus、Profibusなど、任意の所望の通信またはコントローラプロトコルに適合する任意のタイプのI/Oデバイスでもよい。
図1のプロセスプラント10では、ワークステーション20〜23は、プラント10内の同じまたは異なる作業者によって遂行される様々な異なる機能のために使用される様々なアプリケーションを含んでもよい。ワークステーション20〜23はそれぞれ、メモリおよびプロセッサを含む。そのメモリは、様々なアプリケーション、プログラム、データ構造などを記憶し、そのプロセッサは、本明細書で説明する着座完全性テストシステムおよび/または着座完全性テスト方法のうちの全てまたは任意の部分を含むルーチンなど、メモリに記憶されたアプリケーションのうちのいずれかを実行するために使用することができる。
ワークステーション20〜23はハードウェアおよび/またはソフトウェアを含み、そのハードウェアおよび/またはソフトウェアは、より高いレベルのプロセス制御システムからより低い動作レベルの単一のフィールド機器まで、動作、構成、シミュレーション、ならびに診断および/またはメンテナンス動作をプラントに対して行う。それらの機能のうちの1つに専用の異なるワークステーションに配置された様々な関連のアプリケーション30〜33を図1に示すが、これらのまたは他のプラント機能と関連した様々なアプリケーション30〜33が、プラント10の必要性および設定に応じて、プラント10内の同じまたは異なるワークステーションまたはコンピュータ内に配置および実行できることが理解されよう。したがって、例えば、1つまたは複数の制御アプリケーション30ならびにメンテナンス/診断アプリケーション33は、同じワークステーション20〜23で実行されてもよく、一方異なる個別のメンテナンス/診断アプリケーション33または異なる個別の制御アプリケーション30は、ワークステーション20〜23および/またはコントローラ12のうちの異なるものにおいて実行されてもよい。
図1に示す例では、ワークステーション23は、診断/メンテナンスワークステーションとして示されており、プラント10全体の必要性をテストまたは視認し、かつ/または様々なデバイス12、14、16などの動作状況または作用状況をテストまたは視認するために様々な作業者が使用されてもよいいくつかの診断および/またはメンテナンスアプリケーション33を含む。アプリケーション33は、プラント10内のメンテナンス/診断機能を遂行する作業員を支援するために使用されてもよいテスト分析アプリケーションなど、他のメンテナンス/診断アプリケーション、較正アプリケーション、振動分析アプリケーション、レポート生成アプリケーション、または他の任意の支援アプリケーションなどの支援アプリケーション33Aを含んでもよい。例えば、メンテナンス/診断アプリケーション33Aは、バルブ着座完全性テストアプリケーション33Bを含んでもよい。あるいは、またはさらに、バルブ着座完全性テストアプリケーション33Bを、任意のコントローラ12もしくは任意のフィールド機器14、16、またはそれら3つの組み合わせにおいて全体的におよび/または部分的に実装してもよい。バルブ着座完全性テストアプリケーション33bは、機能ブロック40、制御モジュール50、制御アプリケーション30、およびメンテナンス/診断アプリケーション30〜33の任意の組み合わせを組み込んでもよい。バルブ着座完全性テストアプリケーション33bはまた、任意のバルブフィールド機器14、16のローカルプロセッサに全面的に内蔵されたソフトウェアアルゴリズムでもよい。
上記で論じたように、アプリケーション30、31、32、33、33A、33Bなど、システム全体のアプリケーションのうちのいずれか、および/またはポジショナ109の制御ユニット111またはストレージデバイス114(もしくは別々に機能するローカルテスト制御ユニット111)に記憶されてもよいローカルアプリケーションのうちのいずれかは、本明細書で説明する方法のうちのいずれかを実装してもよい。本明細書で説明する方法は、図2のバルブ着座完全性テストシステム100によって、またはバルブポジショナをバルブ着座完全性テストシステムの制御ユニットから分離してもよい実施形態など、代替の実施形態によって実装されてもよい。
本発明の範囲が以下の請求項によって定義されるので前述の詳細な説明は単なる例示である。

Claims (40)

  1. バルブのバルブ着座完全性をテストする方法であって、
    バルブを含むプロセス制御システムを提供することと、
    前記プロセス制御システムのコントローラから制御信号値を受信することと、
    前記バルブを開放する範囲を反映する前記制御信号値に従って前記バルブを動作させることと、
    前記受信した制御信号値に従ってバルブ閉止動作を遂行することと、
    前記制御信号値および前記バルブの位置データを読み取ることと、
    前記制御信号値が前記バルブ着座完全性と関連した所定のカットオフ値未満であるかどうかを判定することと、
    前記制御信号値が前記所定のカットオフ値未満であると判定されるとき、前記位置データが前記カットオフ値を超えているかどうかを判定することと、
    前記位置データが前記カットオフ値を超えていると判定されるとき、前記バルブ閉止動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データを読み取りかつ記憶することと、
    前記位置データが前記バルブ閉止動作の継続を示しているかどうかを判定することと、
    前記位置データが前記バルブ閉止動作の継続を示している間に、前記バルブ閉止動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データを前記読み取りかつ記憶することを継続することと、
    前記バルブ閉止動作中に蓄積された前記記憶された位置データおよび圧力データと、許容できるバルブ着座完全性に対応する、以前に記憶された位置データセットおよび圧力データセットとの比較を遂行することと、
    以前に記憶された前記位置データセットおよび前記圧力データセットと関連した所定の閾値を超えているかどうかを前記比較から判定を行うことと、
    前記閾値が超えられていたという前記判定に応答して警告を生成することと
    を含む方法。
  2. 前記バルブ閉止動作を遂行することが、通常のプロセスプラント動作中に行われるように構成されており、前記コントローラが、前記コントローラによって実行されるように構成された制御ルーチンの閉ループプロセス制御動作に応答して前記バルブに前記制御信号を送信する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記バルブ閉止動作を遂行することが、通常のプロセスプラント動作中に行われるように構成されており、前記コントローラが、前記コントローラによって実行されるように構成された閉ループ制御ルーチンで使用するためのフィードバック情報として前記位置データを処理するように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  4. 前記バルブ閉止動作のための前記カットオフ値が0.5%である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  5. 前記制御信号値が設定点である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  6. 前記位置データがバルブシートに対するバルブ閉止要素の相対位置を示す、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 前記閾値が、記憶された前記位置データおよび前記圧力データに対応する所定の位置データセットおよび圧力データセットごとに決定される公差値である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 前記閾値が、記憶された前記位置データおよび前記圧力データに対応する所定の位置データセットおよび圧力データセットごとに決定される、数理的に算出されたスロープ値である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 前記バルブ閉止動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データを前記読み取りかつ記憶することを前記継続することは、前記読み取った位置データが、前記バルブが移動していないことを示すまで続く、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 前記警告が可視の警告表示または警報メッセージを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  11. 前記圧力データおよび位置データの複数例の読み取りかつ記憶することと、
    前記データのうちの各例ごとに比較を遂行することと、
    前記読み取りかつ記憶したデータのうちの全ての例が前記比較に含まれるときに前記比較を完了することと
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記以前に記憶されたデータセットが、(i)前記バルブの製造業者によって提供されるデータセット、または(ii)前記バルブ着座完全性が低下しなかったときに前記バルブから以前に収集したデータセットのうちのいずれか少なくとも1つを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  13. 前記以前に記憶されたデータセットが、テストを受けているバルブ以外のバルブから収集した圧力データおよび位置データに基づいた、モデルとなるデータセットを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  14. バルブのバルブ着座完全性をテストする方法であって、
    バルブを含むプロセス制御システムを提供することと、
    前記プロセス制御システムのコントローラから制御信号値を受信することと、
    前記バルブを開放する範囲を反映する前記制御信号値に従って前記バルブを動作させることと、
    前記受信した制御信号値に従ってバルブ閉止動作を遂行することと、
    前記制御信号値および前記バルブの位置データを読み取ることと、
    前記制御信号値が前記バルブ着座完全性と関連した所定のカットオフ値未満であるかどうかを判定することと、
    前記制御信号値が前記所定のカットオフ値未満であると判定されるとき、前記位置データが前記カットオフ値を超えているかどうかを判定することと、
    前記位置データが前記カットオフ値を超えていると判定されるとき、前記バルブ閉止動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データを読み取ることと、
    前記バルブ閉止動作中に読み取られた前記位置データおよび前記圧力データに基づいた値と、許容できるバルブ着座完全性に対応する閾値との比較を遂行することと、
    所定の閾値に適合しているかどうかを前記比較から判定を行うことと、
    前記閾値に適合しているという前記判定に応答して警告を生成することと
    を含む方法。
  15. 前記バルブ閉止動作中に読み取られた前記位置データおよび前記圧力データに基づいた値が、数理的に決定されたスロープ値であり、前記閾値が、許容できるバルブ着座完全性に対応する、以前に記憶された位置データセットおよび圧力データセットから決定された閾値のスロープ値である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記位置データが前記バルブ閉止動作の継続を示しているかどうかを判定することと、
    前記位置データが前記バルブ閉止動作の継続を示している間に、前記バルブ閉止動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データの読み取りを継続することと
    をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  17. 前記閾値が、前記読み取られた位置データおよび圧力データに対応する所定の位置データセットおよび圧力データセットごとに決定される公差値である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  18. バルブのバルブ着座完全性をテストする方法であって、
    バルブを含むプロセス制御システムを提供することと、
    前記プロセス制御システムのコントローラから制御信号値を受信することと、
    前記バルブを開放する範囲を反映する前記制御信号値に従って前記バルブを動作することと、
    前記受信した制御信号値に従ってバルブ開放動作を遂行することと、
    前記制御信号値および前記バルブの位置データを読み取ることと、
    前記制御信号値が前記バルブ着座完全性と関連した所定のカットオフ値を超えているかどうかを判定することと、
    前記制御信号値が前記所定のカットオフ値を超えていると判定されるとき、前記位置データが前記カットオフ値未満であるかどうかを判定することと、
    前記位置データが前記カットオフ値未満であると判定されるとき、前記バルブ開放動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データを読み取りかつ記憶することと、
    前記位置データが前記バルブ開放動作の継続を示しているかどうかを判定することと、
    前記位置データが前記バルブ開放動作の継続を示している間に、前記バルブ開放動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データを前記読み取りかつ記憶することを継続することと、
    前記バルブ開放動作中に蓄積された前記記憶された位置データおよび圧力データと、許容できるバルブ着座完全性に対応する、以前に記憶された位置データセットおよび圧力データセットとの比較を遂行することと、
    前記以前に記憶された位置データセットおよび圧力データセットと関連した所定の閾値が適合しているかどうかを前記比較から判定を行うことと、
    前記閾値に適合しているという前記判定に応答して警告を生成することと
    を含む方法。
  19. 前記バルブ開放動作を遂行することが、通常のプロセスプラント動作中に行われるように構成されており、前記コントローラが、前記コントローラによって実行されるように構成された制御ルーチンの閉ループプロセス制御動作に応答して前記バルブに前記制御信号を送信する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  20. 前記バルブ開放動作を遂行することが、通常のプロセスプラント動作中に行われるように構成されており、前記コントローラが、前記コントローラによって実行されるように構成された閉ループ制御ルーチンで使用するためのフィードバック情報として前記位置データを処理するように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  21. 前記バルブ開放動作のための前記カットオフ値が0.5%である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  22. 前記制御信号値が設定点である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  23. 前記置データがバルブシートに対するバルブ閉止要素の相対位置を示す、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  24. 前記閾値が、前記記憶された位置データおよび圧力データに対応する所定の位置データセットおよび圧力データセットごとに決定される公差値である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  25. 前記閾値が、前記記憶された位置データおよび圧力データに対応する所定の位置データセットおよび圧力データセットごとに決定される、数理的に算出されたスロープ値である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  26. 前記バルブ閉止動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データを読み取りかつ記憶することを継続することは、前記読み取られた位置データが、前記バルブが移動していないことを示すまで続く、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  27. 前記警告が可視の警告表示または警報メッセージを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  28. 複数例の前記圧力データおよび位置データを読み取りかつ記憶することと、
    前記データのうちの各例ごとに前記比較を遂行することと、
    前記読み取りかつ記憶したデータのうちの全ての例が前記比較に含まれるときに前記比較を完了することと
    をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  29. 前記以前に記憶されたデータセットが、(i)前記バルブの製造業者によって提供されるデータセット、または(ii)前記バルブ着座完全性が低下しなかったときに前記バルブから以前に収集したデータセットのうちの少なくとも1つを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  30. 前記以前に記憶されたデータセットが、テストを受けている前記バルブ以外のバルブから収集した圧力データおよび位置データに基づいた、モデルとなるデータセットを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  31. バルブのバルブ着座完全性をテストする方法であって、
    バルブを含むプロセス制御システムを提供することと、
    前記プロセス制御システムのコントローラから制御信号値を受信することと、
    前記バルブを開放する範囲を反映する前記制御信号値に従って前記バルブを動作させることと、
    前記受信した制御信号値に従ってバルブ開放動作を遂行することと、
    前記制御信号値および前記バルブの位置データを読み取ることと、
    前記制御信号値が前記バルブ着座完全性と関連した所定のカットオフ値を超えているかどうかを判定することと、
    前記制御信号値が前記所定のカットオフ値を超えていると判定されるとき、前記位置データが前記カットオフ値未満であるかどうかを判定することと、
    前記位置データが前記カットオフ値未満であると判定されるとき、前記バルブ開放動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データを読み取ることと、
    前記バルブ開放動作中に読み取られた前記位置データおよび前記圧力データに基づいた値と、許容できるバルブ着座完全性に対応する閾値との比較を遂行することと、
    所定の閾値に適合しているかどうかを前記比較から判定を行うことと、
    前記閾値に適合しているという前記判定に応答して警告を生成することと
    を含む方法。
  32. 前記バルブ開放動作中に読み取られた前記位置データおよび前記圧力データに基づいた値が、数理的に決定されたスロープ値であり、前記閾値が、許容できるバルブ着座完全性に対応する、以前に記憶された位置データセットおよび圧力データセットから決定された閾値のスロープ値である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  33. 前記位置データが前記バルブ開放動作の継続を示しているかどうかを判定することと、
    前記位置データが前記バルブ開放動作の継続を示す間は、前記バルブ閉止動作と関連した前記位置データおよび前記圧力データの前記読み取りを継続することと
    をさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  34. 前記閾値が、前記読み取られた位置データおよび圧力データに対応する所定の位置データセットおよび圧力データセットごとに決定される公差値である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  35. プロセス制御システム内のバルブのバルブ着座完全性を自動的にテストする方法であって、前記バルブが、バルブシートと、前記バルブの閉止動作中は前記バルブシートに向かう方に移動し、開放動作中は前記バルブシートから離れる方に移動するバルブ閉止要素とを含み、
    前記方法が、
    前記プロセス制御システムのコントローラから設定点を受信することと、
    前記バルブの設定点に対応する位置に向かって前記バルブ閉止要素を移動させることと、
    前記バルブ閉止要素が前記設定点に対応する位置に向かって移動する間にバルブ着座完全性テストデータを収集することによって、バルブ着座完全性テストを自動的に遂行することと、
    前記プロセス制御システムの動作を中断することなく、前記プロセス制御システムから前記バルブを隔離することなく、バルブ着座完全性テストデータを評価することによって前記バルブ着座完全性テストを遂行することと
    を含み、
    前記プロセス制御システムの前記動作が、前記設定点に対応する前記位置に向かう前記バルブ閉止要素の前記移動を含む閉ループプロセス制御動作を含む、方法。
  36. 前記設定点がポジショナによって受信され、
    前記ポジショナが、前記バルブ着座完全性テストデータを評価するように構成される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  37. 前記設定点がポジショナによって受信され、
    前記ポジショナが、前記バルブ着座完全性テストデータを記憶し、前記バルブ着座完全性テストデータをソフトウェアアプリケーションに送信し、前記ソフトウェアアプリケーションが前記バルブ着座完全性テストデータを評価するように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  38. 前記設定点がポジショナによって受信され、
    前記ポジショナが、連続して、または前記バルブ閉止動作もしくは前記バルブ開放動作が評価の状態に達したと判定された後で、前記バルブ着座完全性テストデータをソフトウェアアプリケーションに送信する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  39. 前記設定点がポジショナによって受信され、
    前記ポジショナが、前記収集したバルブ着座完全性テストデータに対応する所定のバルブ着座完全性テストデータセットを比較すること、または前記収集したバルブ着座完全性テストデータに基づいて数理的に算出されたスロープ値を判定し、前記数理的に算出されたスロープ値を閾値スロープ値と比較すること、のいずれかによって、前記バルブ着座完全性テストデータを連続して評価するように構成されている、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  40. 前記設定点がポジショナによって受信され、
    前記ポジショナが、前記収集したバルブ着座完全性テストデータに対応する所定のバルブ着座完全性テストデータセットを比較すること、または前記収集したバルブ着座完全性テストデータに基づいて数理的に算出されたスロープ値を判定し、前記数理的に算出されたスロープ値を閾値スロープ値と比較すること、のいずれかによって、前記バルブ着座完全性テストデータを連続して評価するように構成されており、
    前記バルブ着座完全性テストデータが、位置データおよび/もしくは圧力データ、および時間データ、または位置データおよび圧力データを含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
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