航空会社は、現在、乗客のためにブロードバンド接続を提供するための解決策を研究している。候補としては、たとえばロング・ターム・エボリューション(LTE)などの商用システムであり、これはユニバーサル移動体通信システム(UMTS)の後継として標準化されている。ダウンリンク送信、すなわち、基地局(BS、ノードB、またはeNodeB)からモバイル端末またはUE(ユーザ装置)への方向について、LTEでは、特に周波数選択性フェージングのシナリオにおいて、高データ・レートでの送信を可能にする物理レイヤ技術として直交周波数分割多元接続(OFDMA)を利用している。地上セルラ方式よる直接空対地(DA2G)通信システムの技術の基礎としてのLTEは、より低コストでより高い帯域幅を供給できるため、衛星による解決策と比較して、航空会社の大陸をまたがる飛行機群にとって好ましいオプションである。
LTEエア・インターフェースは、地上セルラ・ネットワーク用に最適化されている。地上環境において、移動体通信チャネルには多くのフェージングがあり、伝搬損失は、多くの場合、建物および他の障害の存在のために自由空間での損失よりはるかに大きい。直接空対地のシナリオでは、航空機内に位置するモバイル端末と土地に位置する基地局との間の通信に、地上移動体通信ネットワークが使用され、一部の部分的なフェージングはまだ発生する場合があるが、通常は、地上にある地上UEが遭遇する可能性があるフェージングより、はるかに弱いであろう。代わりに、DA2Gシナリオは、優勢なライン・オブ・サイト(LOS)成分を有するワイヤレス通信チャネルを特徴としている。反射経路は、無視できるか、または観測できる場合は、直接的な(LOS)経路を下回る最大20dBの出力であり、LOS成分とほとんど同じドップラー・シフトを持つ。優勢なLOS成分のために、DA2Gシナリオは、地上の地対地システムのような、ドップラー・スプレッドのシナリオではなく、ドップラー・シフトのシナリオである。DA2Gシナリオで観察されるドップラー・シフトは、最大1200km/hの航空機速度に関する。たとえば、中心または搬送周波数fc=2GHz、および速さv=1200km/hと想定すると、最大ドップラー・シフトfDoppler,max=(v/c)fc=2.2kHzを観察することができ、cは光速度を示している。
直交周波数分割多重(OFDM)の欠点の1つは、搬送波周波数オフセットに対するその脆弱性である。LTEでは、15kHzの固定サブキャリア間隔を用いる。したがって、補正しなければ、ドップラー効果によるたとえば2.2kHzの搬送周波数シフトは、すでに無視できないキャリア間干渉につながり、隣接するサブキャリア間で直交性を破壊する可能性がある。しかし、LTEは地上で使用するために設計されており、LTEにおけるパイロット支援によるチャネル推定方法の使用は、高速直接空対地伝播のシナリオでは十分ではない。結果として生じる高いドップラー・シフトは、利用可能なパイロット信号から明白に推定できず、したがって、受信信号および/または送信信号に対する適切なドップラー補正は可能ではない。
基地局からモバイル端末へのダウンリンク(すなわち、DA2Gシナリオにおいて、基地局から航空機搭載ユニットOBU)において、個別のドップラー・シフトは、モバイル端末受信機または航空機搭載ユニットには、送信ダウンリンク信号の基地局搬送周波数fc,txからのオフセットとして見える。モバイル端末受信機は、最先端技術の周波数推定方法によって受信ダウンリンク信号から送信ダウンリンク信号の搬送周波数を導き出し、基地局送信機の周波数オフセットまたはドップラー効果によって引き起こされた周波数シフトを区別することができない。端末の受信機は、(DA2Gシナリオで観察されるドップラー・シフトの範囲内で)パフォーマンスに対する影響なくシフトされた周波数にちょうど適合する。
モバイル端末から基地局へのアップリンク送信(すなわちDA2Gシナリオにおいて航空機搭載ユニットから基地局)について、モバイル端末送信機は、ドップラー・シフトした基地局搬送周波数fc,tx+fo,Dopplerから得た搬送周波数を使用する。LTE FDD(周波数分割複信)システムについて、このモバイル端末アップリンク搬送周波数は、ドップラー・シフトした基地局搬送周波数(fc,tx+fo,Doppler)に二重オフセット(duplex offset)ΔfFDDを加えたものである。LTE TDD(時分割複信)について、それはドップラー・シフトされた基地局搬送周波数(fc,tx+fo,Doppler)である。航空機搭載ユニットのモバイル端末送信機からのアップリンク信号も、ドップラー・シフトfo,Dopplerを受けるため、基地局に到達するときに、ドップラー・シフトの2倍の周波数オフセットを有する。
ドップラー・シフトの2倍のこの周波数オフセットは、直接空対地シナリオにおける基地局の推定能力を超える可能性がある。同時に、基地局は、最大ドップラー・シフトの4倍の周波数差を有する可能性がある複数のモバイル端末または航空機搭載ユニットからアップリンク信号を受信する必要がある。4倍の理由は、1つのモバイル端末(航空機)は基地局から離れることができ、もう1つのモバイル端末(航空機)は、最大許容速度で基地局に近づくことができるからである。
したがって、モバイル端末または航空機搭載ユニットで、ドップラー・シフトの2倍でドップラー事前補正を実行することが望ましい。
地上に位置する基地局の位置に関する情報(これは搭載端末のデータベースに格納することができる)、ならびに搭載端末に組み込まれた航空機の航行システムまたはGPS(全地球測位システム)受信機から得られた航空機のヘディングおよび速度に基づいて、幾何学的な計算によって直接空対地シナリオにおいてドップラー・シフトを推定することが知られている。この理由のため、モビリティ・クライアント・エンティティは、GPS情報および基地局位置情報を受信し、ドップラー・シフトを計算することができ、次に、ドップラー・シフトは特定のDA2G処理エンティティで補正することができる。
この解決策には2つの欠点がある。第1に、システムはGPSまたは他の航行データに依存している。このため、追加的なインターフェースまたは構成要素が必要になるため複雑さが増す。航行データを運ぶ航空機データ・バスへの必要なアクセスまたは必要な追加GPSアンテナの両方ために、航空機内の据え付け位置が制限される。GPS信号または航行データが破損している場合、システムを運用することができない。第2に、基地局およびそれらの位置の最新のデータベースが必要である。新しい基地局が通信システムに追加された場合、または単一の基地局障害が生じた場合、データベースは不正確になり、システムは、システムの通信領域の少なくとも一部で適切に運用することができない。
したがって、移動体通信ネットワーク、特に直接空対地シナリオにおいて、速度またはドップラー周波数を推定するために改善された推定概念を提供することが望ましい。
一実施形態は、受信信号の搬送周波数と送信信号の搬送周波数との間の周波数オフセットの推定を決定するための装置を提供する。装置は、受信信号に基づいて、受信信号の搬送周波数の推定を決定するためのプロセッサを含む。事前定義された許容範囲内で、送信信号の搬送周波数に対応する基準周波数を有する参照信号を生成するために、参照信号源が提供される。推定器は、受信信号の推定された搬送周波数に基づいて、かつ参照信号の基準周波数に基づいて、周波数オフセットを推定することができる。
直接空対地通信シナリオでは、航空機内に位置するモバイル端末と地上に位置する基地局との間の通信に、地上移動体通信ネットワークが使用され、周波数オフセットは、地上に対する航空機の動きから得られるドップラー周波数オフセットでもよい。そのようなシナリオでは、受信信号は、受信信号の受信機(たとえばモバイルの航空機搭載端末)と送信信号の送信機(たとえば地上基地局)との間のワイヤレス通信チャネルによって損なわれた、または破損した、送信信号の一種である。送信信号および受信信号はどちらもダウンリンク信号の可能性があり、送信ダウンリンク信号は、地上移動体通信システムの地上に位置する基地局から航空機に向けて送信される。
送信され、したがって受信された信号は、使用される地上通信システムに依存して、符号分割多重信号(CDMA)または直交周波数分割多重信号(OFDM)でもよい。CDMA信号は、たとえば、UMTSシステムなど、第3世代の移動体通信システムで使用される。すでに説明したように、LTEシステムのダウンリンクはOFDM/OFDMAに基づいている。実施形態はCDMA信号またはOFDM信号に限定されないことが強調される。実施形態は、また、TDMA(時分割多元接続)もしくはFDMA(周波数分割多元接続)、または、たとえばGSM/EDGE通信システムで使用されるように、それらの組み合わせなど、他の多重アクセス技術に用いることができる。
実施形態によると、プロセッサは、受信信号の中心周波数またはその周波数スペクトルに基づいて、受信信号搬送波周波数の周波数オフセットの推定を決定するように適合させることができる。これは、時間領域信号が送信機アンテナ・デバイスから受信機アンテナ・デバイスに送信される周波数である。
実施形態は、モバイル端末受信機において非常に正確な基準クロックを用いることができる。この基準クロックは、送信機の既知の搬送周波数で受信された信号のために、RF(無線周波数)およびデジタル処理端末受信機部で使用される他のクロックから独立して実行することができる。実施形態によると、送信機は、移動体通信システムの基地局でもよい。周波数オフセットは、ドップラー効果によって引き起こすことができ、非常に正確な基準クロックと、受信信号の推定された中心周波数または搬送周波数との間の周波数差であると推定することができる。後者は、送信機の搬送周波数に、受けたドップラー・シフトを加えたものだからである。
実施形態では、周波数オフセット推定を決定するための装置は、航空機の搭載端末内に位置することができる。したがって、実施形態は、また、周波数オフセットの推定を決定するための装置を含む航空機を含む。この場合、電力消費、バッテリ寿命、および/またはコストは、たとえば携帯電話など、典型的な消費者モバイル端末と比較してそれほど決定的ではない問題である。したがって、そのような航空機搭載端末において、より正確かつ/または安定した基準クロックを用いることが可能である。いくつかの実施形態では、参照信号源は、基地局で通常使用される基準クロックと同じくらい正確な場合があり、これは、参照信号源が±0.05ppm(百万分率)の精度を有してよいことを意味し、1百万分率は、1,000,000部当たり1部、106における1部、および1×10−6の値を示している。代表的な公称基準周波数fc=2GHzについて、±0.05ppmの精度が意味するのは、基準クロックによって生成される実際の周波数は、±100Hzを超えて公称基準周波数を外れないということである。
一実施形態では、参照信号源は、基地局送信機でもよい、送信機と同じ周波数で動作する非常に正確な基準クロックを含む。推定器は、非常に正確な基準クロック信号と、受信信号の中心周波数またはその周波数スペクトルに調整される局部発振器の信号との比較によって、周波数オフセットまたはドップラー・シフトを推定するために周波数比較器を含むことができる。言い換えると、参照信号源は、調整可能な局部発振器を含むことができ、受信信号の搬送周波数の推定として調整可能な局部発振器の同期された周波数を得るために、プロセッサは、受信信号に基づいて、調整可能な局部発振器の周波数を受信信号の搬送周波数に同期させるように適合させることができる。推定器は、調整可能な局部発振器の同期された周波数と、非常に正確な参照信号の基準周波数との間の差に基づいて、周波数オフセットを推定するように適合させることができる。その目的のために、推定器は、同期された周波数と基準周波数との間の周波数差を決定するための周波数比較器を含むことができる。
他の実施形態によると、プロセッサは、参照信号、および参照信号を受信信号と混合することにより得られる、ダウンコンバートされた信号に基づいて、受信信号の搬送周波数の推定を決定するように適合させることができる。本実施形態では、ドップラー・シフトに、たとえば参照信号源の不正確さに由来する任意の追加のオフセットを加えたものから得られる周波数オフセットは、局部発振器を調整することによって補正されない。代わりに、周波数オフセットは、適切な信号処理アルゴリズムによってデジタル・ドメインで完全に補正することができる。搬送周波数推定器からの出力は、周波数オフセット、すなわちドップラー・シフトに任意の他の不正確オフセット(inaccuracy−offset)を加えたものの推定を得るために、参照信号源の周波数と直接的に比較することができる。参照信号源(たとえば固定局部発振器)の精度は、それ自身の不正確さから生じる周波数オフセットが無視できるほどしなかいように十分に高いことが好ましい。すなわち、この実施形態でも、参照信号源は、その基準周波数が、±0.05ppmの範囲内で送信信号の搬送周波数に対応するように、参照信号の組を生成するように適合させることができる。
実施形態では、モバイル端末内で独立して動作する非常に正確な参照信号源によって達成する必要がある精度は、その不正確さによる望まれない周波数オフセットが、モバイル端末のダウンリンク受信機、そのアップリンク送信機、および基地局のアップリンク受信機の処理連鎖で規定されたパフォーマンスの境界内で許容できる範囲にあるべきであることに留意されたい。さらに、ダウンリンク信号を生成するために使用される送信機(基地局)の局部発振器の精度は、任意の周波数オフセットを無視できるように十分高いことが想定される。
一部の実施形態によると、装置は、逆通信リンク(たとえばアップリンク)を介して、送信信号の出所、たとえば地上に位置する基地局に、無線信号を送信するための送信機をさらに含む。周波数オフセット補正器について、推定された周波数オフセットに基づいて、無線信号の搬送周波数を構成することを予見することができる。すなわち、たとえば航空機の搭載端末から基地局へのアップリンクなど、逆通信リンクで無線信号を送信する前に、アップリンク信号の搬送周波数を、推定された(ドップラー)周波数オフセットに基づいて調整することができる。次に、補正されたアップリンク搬送周波数fc,uplink,compは、負の周波数オフセット推定、すなわち、fc,uplink,comp=fc,uplink,nom−fDoppler,estだけ、公称アップリンク搬送周波数fc,uplink,nomから外れることができる。この場合、移動している航空機から送信されたアップリンク信号は、ほぼ公称アップリンク搬送周波数fc,uplink,nomで基地局に到達する。
実施形態は、受信信号の搬送周波数と送信信号の搬送周波数との間の周波数オフセットの推定を決定する方法をさらに含むことができる。方法は、受信信号に基づいて、受信信号の搬送周波数の推定を決定するステップと、事前定義された許容範囲内において、送信信号の搬送周波数に対応する基準周波数を有する参照信号を生成するステップと、受信信号の推定された搬送周波数および受信信号の基準周波数に基づいて周波数オフセットを推定するステップとを含む。
さらに、実施形態は、コンピュータ・プログラムがコンピュータまたはプロセッサで実行されるときに、上記の方法の1つを実行するためのプログラム・コードを有するコンピュータ・プログラムを含むことができる。
この場合、および他の場合において、情報は通常はシグナリングを使用して交換することができる。信号の交換は、メモリへの書き込みおよび/またはメモリからの読み取り、電子的、光学的、または任意の他の適切な手段による信号の送信を含むことができる。
実施形態は、航空機のLTE搭載ユニットにおけるアップリンク送信のためのドップラー事前補正に必要なドップラー推定の効率的で堅牢な実装を可能にすることができる。実施形態は、ドップラー補正に関してLTE DA2G搭載ユニットの内蔵につなげることができる。すなわち、GPSまたは他の航行情報システムのような追加的なシステムへのインターフェースは必要ない。これにより、障害の可能性を減らし、航空機内での据え付けプロセスを容易にすることができる。さらに、LTE DA2G搭載ユニット内に最新の基地局データベースを維持する必要がない。
装置および/または方法の一部の実施形態について、例示のみを目的として、添付の図面を参照して以下に記述する。
図1は、受信信号12の搬送周波数fc,rxと、送信信号の搬送周波数fc,txとの間の周波数オフセットfoの推定17を決定するための装置10の略ブロック図を示している。
装置10は、受信信号12に基づいて、受信信号12の搬送周波数fc,rxの推定13を決定するためのプロセッサ11を含む。装置10は、事前定義された許容範囲Δfref内で、送信信号の搬送周波数fc,txに対応する、基準周波数frefを有する参照信号15を生成するための参照信号源14をさらに含む。周波数オフセット17は、受信信号12の搬送周波数fc,rxおよび参照信号15の基準周波数frefの推定13に基づいて推定器16によって推定することができる。
たとえば、装置10は、航空機と、地上移動体通信ネットワークの少なくとも1つの基地局との間で直接空対地通信(DA2G)のために、航空機のモバイル搭載端末に結合するか、または組み込むことができる。そのような実施形態では、装置10は、周波数オフセットfoとしてドップラー・シフトfo,Dopplerの推定を決定するために用いることができる。航空機の動きにより、ドップラー周波数シフトが生じる。航空機と基地局との間の直接空対地通信は、移動している航空機と地上基地局との間の主要なライン・オブ・サイト・チャネル・コンポーネントによって特徴づけられるため、ライン・オブ・サイトでないモバイルのフェージング・チャネルにとってより一般的であるドップラー・スペクトルの代わりに、かなり離散的なドップラー・シフトを想定することができる。
受信信号12は、たとえば、地上基地局から発生するダウンリンク信号として解釈され、移動している航空機に向けて送信することができる。その受信のために、装置10は、アンテナまたはアンテナ・アレー18に結合することができる。DA2Gシナリオなど、ライン・オブ・サイト(LOS)シナリオでは、受信ビームフォーミング・アルゴリズムおよび送信ビームフォーミング・アルゴリズムは、そのようなLOSシナリオで効果的に用いることができるため、アンテナ・アレーは特に有利になりうる。
装置10の実施形態の使用法は、一般的にOFDM信号の処理に限定されない。しかし、受信信号12、および送信信号は、LTEなど第4世代の移動通信システムのダウンリンクに使用される、そのようなOFDM信号と見なすことができる。LTEは、また、航空機の乗客にブロードバンド・サービスを送ることができるため、本発明の一部の実施形態は、LTE−OFDM/OFDMAに対するものである。すでに説明したように、この変調方式は相互に直交する副搬送波に依存しているため、補正されていない周波数オフセットfoは、OFDMベースの信号にとって特に重要である。この理由から、および深刻なパフォーマンス低下を避けるために、受信時間領域OFDM信号をさらに処理するために周波数領域に変換する前に、周波数オフセット補正を実行するべきである。直接空対地シナリオでは、すでに説明したように、ドップラー・シフトの2倍の周波数オフセットは、DA2Gシナリオの基地局の推定能力を超えることがあるため、周波数オフセット補正は、受信ダウンリンク信号の推定されたドップラー・シフトに基づいてアップリンク搬送周波数を調整することによって実行することができる。
実施形態によると、受信信号(および送信信号)の搬送周波数fc,rxは、使用された通信帯域の中心周波数として理解することができる。したがって、ワイヤレス送信信号および/またはワイヤレス受信信号の中心周波数は、利用可能なスペクトルに依存しており、これは異なるオペレータおよび/または異なる国で異なる場合がある。プロセッサ11は、したがって、受信信号周波数スペクトルの中心周波数に基づいて、受信信号12の搬送周波数fc,rxの推定17を決定するように適合させることができる。受信信号周波数スペクトルの帯域幅は、無線通信システムの動作モードに依存している。たとえば、UMTS/WCDMAが基礎をなす通信システムとして使用された場合、受信された(送信された)信号の帯域幅は5MHzであろう。LTEシステムでは、拡張可能な信号の帯域幅は、5MHz、10MHz、15MHz、および20MHzの間で変わる場合がある。
実施形態は、基地局送信機の既知の搬送周波数fc,txで動作するモバイル端末内の非常に正確な参照信号源14に依存している。そのため、参照信号源14は、受信信号12用のRFおよび受信信号デジタル信号処理端末の受信機部で使用される他の信号源から、独立して動作する。基地局のキャリア周波数fc,txは、たとえば、装置10に含まれる専用デジタル記憶装置またはデータベースに格納することができる。典型的には、LTEは、周波数再利用率1を使用する。それが意味するのは、近接もしくは隣接するセルまたは基地局は、同じ周波数帯、したがって、同じ送信搬送または中心周波数fc,txを使用することになるということである。しかし、基地局の使用された搬送周波数は、利用可能なスペクトルのリソースに依存して、ワイヤレス通信システムの異なるオペレータについては変わる場合がある。したがって、装置10内の記憶装置は、異なるネットワーク・プロバイダについて、異なる送信信号搬送波周波数を提供することができる。
推定器16は、ドップラー効果によって引き起こされた周波数オフセットfoを、基準周波数frefを持つ非常に正確な参照信号15と、受信ダウンリンク信号12の搬送周波数fc,rxの推定13との間の周波数差であると推定することができる。後者は、基地局送信機の搬送周波数fc,txに、受けたドップラー・シフトfo,Dopplerを加えたものに対応するからである。
ここで図2を参照すると、周波数オフセット推定を決定するための装置20の他の実施形態が記述されている。図1と同じ参照番号は、同じ機能コンポーネントおよび/または信号を示している。
ここで、プロセッサ11は、RF(無線周波数)処理部111、デジタル・ベースバンド処理部112、および調整可能な局部発振器113を含む。受信信号12が、受信アンテナ・デバイス18から、アナログのRFのフロントエンド受信機であってよいRF処理部111に入力されるように、無線周波数処理部111は、受信アンテナ・デバイス18に結合することができる。したがって、RF処理部111は、受信されたアナログ信号12をアナログRF信号ドメインから中間周波数ドメインに、またはアナログもしくはデジタルのベースバンド・ドメインにダウンコンバートするための電気回路を含むことができる。ダウンコンバートされたベースバンド信号121は、RF処理ブロック111からデジタル・ベースバンド処理ブロック112に供給される。fc,tx+fo,Dopplerに対応する中心周波数または搬送周波数fc,rxを有する、受信信号12の中間周波数またはベースバンド・ドメインへのダウン・コンバージョンは、受信信号12を調整可能な局部発振器113の出力信号122に混合することによって達成することができる。実施形態では、調整可能な局部発振器113は、受信信号12をベースバンド・ドメインに直接的にダウン・コンバージョンするために使用することができる。
RFフロントエンド111、搬送周波数推定器123を含むデジタル・ベースバンド・プロセッサ112、および調整可能な局部発振器113は、局部発振器の出力信号122の周波数を受信信号12の中心周波数fc,rxに同期させるための制御ループをともに形成する。この理由で、LO信号122またはその周波数情報は、一部の実施形態ではベースバンド処理部112に実装できる、搬送周波数推定器123に提供することができる。局部発振器113の出力信号122またはその周波数情報は、あいまいなドップラー周波数オフセット推定をクリアするために、ベースバンド・プロセッサ112および/または搬送周波数推定器123で使用することができる。他の実施形態では、搬送周波数推定器123は、また、RFフロントエンド111に含まれているアナログまたはデジタルの回路によって実現することができる。
一部の実施形態によると、搬送周波数推定器123は、受信信号12の搬送周波数fc,rxの第1の推定を導き出すためにセル探索手順を実行することができる。LTEでは、セル探索手順は、一次同期信号および二次同期信号の使用に基づく。セル探索について、搬送周波数推定器123は、当該の周波数帯で可能な中心周波数fc,txで一次同期信号を検索するように適合させることができる。この目的のために、制御信号124は、可能な中心周波数fc,txに調整可能な局部発振器113を制御するために使用することができる。一次同期信号は、3つの物理レイヤ・セル識別情報(PCI:Physical−layer Cell Identities)の1つを指し示すことができるため、一次同期信号には3つの異なる可能性が存在する。一次同期信号が検出されると、モバイル端末は、168個のPCIグループの1つを指し示す二次同期信号を探すことができる。
168個の可能な二次同期信号に対して1つの代替案が検出されていれば、UEは、504個のIDのアドレス空間からPCI値を算出し終えている。PCIから、UEは、ダウンリンク参照信号に使用されるパラメータに関する情報を導き出すことができ、したがってUEは、移動体通信システムにアクセスするために必要なシステム情報を運ぶPBCH(物理ブロードキャスト・チャネル)を復号することができる。
最初の搬送周波数推定の後に、搬送周波数推定器123は、一実施形態では、ダウンコンバートされたデジタル・ベースバンド信号121の検出された消失しない残留周波数オフセットに応じて、消失しない制御信号124を出力するように適合させることができる。残留周波数オフセットを推定するときにあいまい性を回避するために、LO信号122の周波数情報は、ベースバンド部112、123で使用することができる。それによって、残留周波数オフセットは、たとえば、共分散法、レベルクロッシング・レート法、またはパワースペクトル測定によって得ることができる。残留周波数オフセットに基づいて、制御信号124は、受信信号12のシフトされた中心周波数fc,rxに局部発振器113を制御または調整するために使用することができる。言い換えると、プロセッサ11は、受信信号12に基づいて、調整可能な局部発振器113の同期された周波数を得るために、受信信号12の搬送周波数fc,rxに、調整可能な局部発振器113の周波数を同期させように適合される。これは次いで、受信搬送周波数の推定17としても使用することができる。図2に示すように、同期は、位相同期ループ(PLL)に類似する制御ループで達成することができ、制御ループは、RFフロントエンド111、デジタル・ベースバンド・プロセッサ112、および調整可能な局部発振器113を含む。
図2に描写した実施形態において、搬送周波数推定器123は、プロセッサ11のデジタル・ベースバンド部112内に存在する。しかし、搬送周波数推定器123は、無線周波数処理回路111に存在するアナログ回路によっても実装することができる。搬送周波数推定器123は、その出力周波数が、周波数シフトされた受信信号12の中心周波数または搬送周波数fc,rxに一致するように、プロセッサ11の局部発振器113を制御するように適合させることができる。受信信号12の中心周波数fc,rxは、基地局送信機の搬送周波数fc,rxに、ドップラー効果によって引き起こされた周波数オフセットfo,Dopplerを加えたものである。
図2の実施形態によると、局部発振器113の出力信号122は、受信信号の搬送周波数の推定13として、搬送周波数fc,rxの推定13に基づいて、かつ非常に正確な参照信号源14から来る参照信号15の基準周波数frefに基づいて、周波数オフセットfo=fo,Dopplerを推定するために、推定器16に供給される。推定器16は、局部発振器113(またはその出力信号122)の同期された周波数fLO(fc,tx+fo,Doppler)と、参照信号15の基準周波数fref=fc,txとの間の差に基づいて、周波数オフセットfo,Dopplerのために推定17を決定するように適合させることができる。この理由で、推定器16の実施形態は、同期されたLO周波数fLO(fc,tx+fo,Doppler)と、基準周波数fref=fc,txとの間の差を決定するために周波数比較器を含むことができる。言い換えると、周波数比較器16において、局部発振器113の出力信号122の可変周波数fLOは、周波数オフセット推定17を導き出すために、非常に正確な参照信号源または基準クロック14の安定した周波数frefと比較される。周波数比較器16は、デジタルもしくはアナログの回路またはその組み合わせを使用して実装することができる。
実施形態によると、その基準周波数frefが、±0.1ppm、または好ましくは±0.05ppmの範囲内で送信信号の搬送周波数fc,txに対応するように、参照信号源14は、(独立した)参照信号15を生成するように適合される。この目的のために、参照信号源14は、温度補償型水晶発振器(TCXO)、マイクロコンピュータ補正された水晶発振器(MCXO)、および/または恒温槽付水晶発振器(OCXO:Oven−Controlled Crystal Oscillator)の群からの補正された水晶発振器を含むことができる。ヒーターを運転するのに必要な電力のために、OCXOは、室温で運転する発振器より多くの電力を必要とし、ヒーター、サーマル・マス、および断熱が必要ということは、それらが物理的により大きいことを意味している。したがって、OCXOは、通常は、携帯電話など電池式または小型のモバイル端末では使用されない。実施形態では、装置10、およびよって参照信号源14は航空機に実装されるので、バッテリの電力またはサイズに関して制限はない。OCXOは、水晶により可能な最善の周波数安定度を達成する。OCXOの短期的な周波数安定度は、通常は、数秒にわたって1×10−12である一方、長期間的な安定度は、水晶の老化により1年当たり1×10−8(10ppb)程度に限定される。より優れたパフォーマンスを達成するには、ルビジウム標準、セシウム標準、または水素メーザーなど、原子振動数標準への切り替えを必要とする。他のより安価な代替案は、GPS時報信号を用いて水晶発振器を統制して、いわゆるGPS統制型発振器(GPSDO:GPS Disciplined oscillator)を作り出すことである。正確な時報信号(UTCの約30ns以内まで)を生成できる航空機の搭載GPSレシーバを使用して、GPSDOは、長い期間、10−13という発振精度を維持することができる。
ここで図3を参照して、受信信号12の搬送周波数または中心周波数fc,rxと、送信信号の搬送周波数または中心周波数fc,txとの間の周波数オフセットfoの推定17を決定するための装置30の他の実施形態について説明する。ここでも、図1および/または図2と同じ参照番号は、同様の機能コンポーネントおよび/または信号を示している。
装置10および装置20だけでなく、装置30も、地上移動体通信ネットワークの基地局とのDA2G通信のために航空機搭載端末に組み込むことができる。装置30は、受信信号12に調整可能な局部発振器の変更可能な出力を混合する代わりに、受信信号12に固定周波数参照信号15を混合することによって、受信(アップリンク)信号12のベースバンド・ドメインへのダウン・コンバージョンが行われるという点が装置20と異なる。図3の実施形態では、独立した参照信号源14は、固定基準周波数frefを用いる局部発振器を含む。固定基準周波数frefは、少なくとも事前定義された許容範囲、すなわちfref=fc,tx+Δfref内において、送信搬送周波数または中心周波数fc,txに対応することができる。±0.05ppmの範囲内の公称送信搬送周波数fc,txからの小さな変動Δfrefは、前述のTCXO、MCXO、OCXO、およびGPSDOのように、高精度な参照信号源14を用いても、ほとんど回避できない。ここでも、参照信号源14は、他の信号または受信信号12を処理するために使用されるクロック源から独立して参照信号15を生成するように適合させることができる。
参照信号源14、すなわち固定局部発振器の出力信号15は、基準周波数fref=fc,tx+Δfrefを有し、Δfrefは、事前定義された許容範囲を有する発振器周波数の変動を示している。参照信号源14の出力信号15は、受信信号周波数fc,rx=fc,tx+fo,Dopplerを有する受信信号12をダウンコンバートするために、RF処理ブロック111に供給される。次に、ベースバンド周波数オフセットfo=fc,rx−fref=fo,Doppler−Δfrefを有する、結果として生じるダウンコンバートされたベースバンド信号121は、搬送周波数またはドップラー周波数の推定のためにデジタル・ベースバンド・プロセッサ112に供給される。デジタル・ベースバンド・プロセッサ112は、デジタル・ベースバンド処理アルゴリズムによって実装できる搬送周波数推定器123を使って、受信搬送周波数fc,rxを推定するように適合される。搬送周波数fc,rxの粗推定13は、たとえば、受信信号12、およびしたがってダウンコンバートされたベースバンド信号121に含まれる一次同期信号および/または二次同期信号を使用して、上に説明したセル探索手順によって得ることができる。また、参照信号源14の周波数frefも、前述したセル探索手順の結果に基づいて選択することができる。すでに上に説明したように、参照信号15の周波数情報は、搬送周波数またはドップラー周波数オフセットを推定するときにあいまい性を回避するため、または取り除くために、ベースバンド部112、123で使用することができ、参照信号15の周波数情報は、その基準周波数fref=fc,tx+Δfrefを示している。
受信信号搬送波周波数fc,rxの推定13は、ベースバンド・ドメインに実装できる、推定器16への第1の入力として機能する。基準周波数fref=fc,tx+Δfrefまたはその周波数情報を持つ参照信号15は、周波数オフセット推定器16への第2の入力として機能する。第1および第2の入力13、15に基づいて、周波数オフセット推定器16は、ドップラー周波数シフトfo,Dopplerおよび局部発振器周波数変動Δfrefの組み合わせである、周波数オフセットfoの推定を実行することができる。
図3の実施形態では、ドップラー・シフトfo,Dopplerからの搬送波周波数オフセットに参照信号源14の不正確さに由来する任意のオフセットΔfrefを加えたものは、アナログ無線周波数の基準として使用される局部発振器ならびにデジタル・ベースバンド処理部111および112を調整することによって補正されない。しかし、周波数オフセットfoは、適切なアルゴリズムによってデジタル・ドメインで搬送波周波数オフセット補正器131によって完全に補正することができる。したがって、搬送波周波数オフセット補正について、モバイル端末内の装置30の実施形態は、推定された周波数オフセット17に基づいて、逆方向リンク(アップリンク)無線信号の搬送周波数を構成するように適合された周波数オフセット補正器131と、逆通信リンク(アップリンク)を介して、送信信号の出所、すなわち地上に位置する基地局に、逆方向リンク無線信号を送信するための送信機とをさらに含む。搬送周波数推定器123からの出力13は、ドップラー・シフトfo,Dopplerの推定17を得るために、基準局部発振器14の周波数fref=fc,tx+Δfrefと直接的に比較することができる。この実装では、ドップラー・シフトによって引き起こされた周波数オフセットに加えて、無視できる周波数オフセットΔfrefしかないように、基準局部発振器14は、場合によっては、十分に正確であるべきである。そうでない場合、TDDの場合−2fo,Dopplerだけ、およびFDDの場合−(fo,Doppler+fo,Doppler,UL)だけ、アップリンク送信の周波数補正は、基地局アップリンク受信機で±Δfrefの残留オフセットにつながる。したがって、アップリンク・ドップラー・シフト推定fo,Doppler,ULは、規定されたダウンリンクの搬送周波数fc,tx,DL、およびアップリンクの搬送周波数fc,tx,ULの間の二重の周波数オフセットΔfFDDを計上することによって、ダウンリンク・ドップラー・シフト推定fo,Dopplerから得ることができる。すなわち、fo,Doppler,UL=fo,Dopplerfc,tx,UL/fc,tx,DLである。
実施形態では、非常に正確な参照信号源14および/または航空機の搭載端末受信機に含まれる局部発振器113によって達成する必要のある周波数精度は、発振器の不正確さによる望まれない周波数オフセットΔfrefが、端末のダウンリンク受信機、端末のアップリンク送信機、および基地局のアップリンク受信機の処理連鎖で規定されたパフォーマンス境界内で許容できるべきであることに留意されたい。さらに、ダウンリンク信号を生成するために使用される地上に位置する基地局の局部発振器の精度は、それに由来する任意の周波数オフセットを無視できるように十分に高いものと想定される。
実施形態は、また、受信信号の搬送周波数と、送信信号の搬送周波数との間の周波数オフセットの推定を決定するための方法を含むことができる。そのような方法40の実施形態は、図4の略ブロック図に描写されている。
周波数オフセット推定を決定するための方法40は、第1のステップ41において、受信信号12に基づいて、受信信号12の搬送周波数fc,rxの推定を決定するステップを含む。図2および図3による実施形態ですでに説明したように、これは、RFおよびベースバンド処理部111、112、および113を有することができるプロセッサ11を用いて行うことができる。さらに、方法40は、事前定義された許容範囲Δfref内で、送信信号の搬送周波数fc,txに対応する基準周波数frefを有する参照信号15を生成するためのステップ42を含む。そのため、参照信号15は、たとえば基地局で一般的に使用される高精度参照信号源と同等の周波数安定度を有する非常に安定した発振器を含む、非常に正確な参照信号源14を用いて生成される。他のステップ43では、周波数オフセットfoは、受信信号12の推定された搬送周波数fc,rxおよび生成された参照信号15の基準周波数frefに基づいて推定される。前記の推定ステップの可能な物理的な実現については、図2および図3を参照して説明している。
当業者は、さまざまな上記方法のステップをプログラムされたコンピュータまたは信号プロセッサによっても実行することができることを容易に理解するであろう。本明細書において、一部の実施形態は、マシン可読またはコンピュータ可読プログラム命令および符号化マシン実行可能またはコンピュータ実行可能プログラム命令である、デジタル・データ記憶メディアなどのプログラム記憶装置を包含することも意図しており、前記命令は、前記の上述した方法のステップの一部またはすべてを実行する。プログラム記憶装置は、たとえば、デジタル・メモリ、磁気ディスクや磁気テープなどの磁気記憶メディア、ハード・ドライブ、または光学可読デジタル・データ記憶メディアなどでもよい。実施形態は、上述の方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータを包含することも意図するものである。
記述および図面は、単に本発明の原理を示すものである。したがって、本明細書に明示的に記述または表示されていないが、本発明の原理を具体化し、かつその精神および範囲に含まれるさまざまな装置を当業者であれば考案できることを理解されるであろう。さらに、本明細書に詳述したすべての例は、原則として、読者が本発明の原理、およびその技術を推進する発明者(ら)によって提供された概念を理解するのを支援するために、教育のみを目的とすることを明確に意図するものであり、そのような具体的に詳述された例および条件に限定しないものとして解釈するべきである。さらに、本明細書において、本発明の原理、態様、および実施形態を詳述するすべての記述、およびその特定の例は、その等価物を包含することを意図するものである。
「プロセッサ」、「信号源」、または「推定器」と書かれた任意の機能ブロックを含む、図に示すさまざまな要素の機能は、たとえばプロセッサなどの専用ハードウェア、および適切なソフトウェアと連携してソフトウェアを実行する機能を持つハードウェアの使用を通じて提供することができる。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、またはその一部を共有できる複数の個々のプロセッサによって提供することができる。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行できるハードウェアを排他的に指すものと解釈するべきではなく、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワーク・プロセッサ、特定用途向けIC(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納するための読み取り専用メモリ(ROM)、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、および不揮発性記憶装置を、限定することなく、暗黙的に含むことができる。従来型および/またはカスタムの他のハードウェアも含むことができる。
本明細書に示すブロック図はいずれも、本発明の原理を具体化する実例となる回路についての概念図を表していることが当業者には理解されるであろう。同様に、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に示されているかどうかに関わりなく、任意のフローチャート、流れ図、状態遷移図、擬似コードなどは、コンピュータ可読媒体において実質的に表され、したがって、コンピュータまたはプロセッサによって実行できる、さまざまなプロセスを表していることが理解されるであろう。