JP2014510158A - 膨張式製品のためのバリア層 - Google Patents

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Abstract

膨張式製品の中を通過する膨張気体の流れを妨げるためのバリア層であって、架橋性エラストマー組成物を基礎にした材料でできているバリア層であり、当該架橋性ゴム組成物が、ゴムの100重量部当たり(phr)、ハロゲン化ブチルゴム、あるいはC〜Cイソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むポリマーハロゲン化ゴムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも50phrの一次エラストマーを含むバリア層。当該ゴム組成物は、さらに、0phr〜50phrの二次ジエンエラストマーおよび板状充填剤を含み得る。さらに、ゴム組成物は、1,3−フェニレンジマレイミドを含み、そして促進剤を有するイオウ加硫系で硬化される。
【選択図】なし

Description

本発明は、概して、気体膨脹式製品に、さらに具体的には、当該製品からの気体の拡散を減少させる膨張した製品(inflated articles)内のバリア層に関する。
種々の製品、例えばタイヤは、圧力下で空気または他の気体を保持するよう構築される。しばしばこれらの製品は、何らかの弾性特性を有するポリマー物質から製造されるが、しかし典型的には、依然として気体に対してわずかに透過性でもある。検査されないまま放置されると、膨張した製品の気体透過性により経時的に当該製品が萎んでしまう。
したがって、気体透過性を低減し、当該製品を通過する酸素移動を抑制するバリア層を膨張式製品(inflatable articles、インフレータブル物品)が含有することは、しばしば有益である。タイヤに関しては、バリア層は、しばしば、膨張気体を良好に保持する材料で作られた内部チューブ(inner tube)または内張りである。ブチルゴムのような大多数のイソブチレン単位を含有するゴム状コポリマーは、他の物質を上回る膨張気体を保持するそれらの能力に関してよく知られており、したがって、内部チューブおよびタイヤ内張りとして用いるために特に望ましい。しかしながら、内部チューブおよび内張りの製造のための改良された特性を有する材料を見つけ出そうと、タイヤ産業は懸命に努めている。
本発明の実施形態は、膨張式製品のためのバリア層ならびにバリア層を有する膨張式製品を包含する。特定の実施形態は、膨張式製品の中を通過する膨張気体の流れを妨げるためのバリア層であって、架橋性エラストマー組成物を基礎にしたゴム組成物でできているバリア層であり、当該架橋性ゴム組成物が、ゴムの100重量部当たり(phr)、ハロゲン化ブチルゴム、あるいはC4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むポリマーハロゲン化ゴムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも50phrの一次エラストマーを包含する。ゴム組成物はさらに、0phr〜50phrの二次ジエンエラストマーを包含し得る。
さらにゴム組成物は、板状充填剤および1,3−フェニレンジマレイミドを含み、そしてイオウ加硫系で硬化される。エラストマー組成物に付加される1,3−フェニレンジマレイミドの量は、ゴム組成物の透過性を有意に低減するのに十分である。
特定の実施形態は、空気タイヤを通る膨張気体の流れを妨げるためのバリア層を含む空気タイヤであって、前記バリア層が架橋性エラストマー組成物を基礎にしたゴム組成物でできており、当該架橋性ゴム組成物が、ゴムの100重量部当たり(phr)、C4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むポリマーハロゲン化ゴムを少なくとも50phr含む空気タイヤを包含する。
付加的に、ゴム組成物は、0phr〜50phrの二次ジエンエラストマー、板状充填剤、1,3−フェニレンジマレイミド、およびイオウ加硫系を包含する。
特定実施形態は、40℃でASTM D3985に従って測定した場合、二次ゴム組成物の1,3−フェニレンジマレイミド含量を除いて、前記ゴム組成物と同一の二次ゴム組成物を上回る、浸透性における少なくとも5%低減を前記ゴム組成物に提供するのに十分な量で1,3−フェニレンジマレイミドが付加される上記バリア層を包含する。
本発明の前記のならびにその他の目的、特徴および利点は、本発明の特定実施形態についての以下のより詳細な説明から明らかになる。
板状充填剤を有さない種々のゴム処方物に関する経時的粘度応答を示すグラフである。 板状充填剤を有する種々のゴム処方物に関する経時的粘度応答を示すグラフである。
本発明の特定の実施形態は、タイヤおよびその他の膨張式製品のためのバリア層、例えば内張りおよび/または内部チューブを包含する。他の実施形態は、膨張式製品それ自体、バリア層を作るゴム組成物、ならびにそれらの製造方法を包含する。一実施形態では、バリア層は、ハロゲン化ゴム、板状充填剤および1,3−フェニレンジマレイミド(BMI)を含むゴム組成物から製造される。ゴム組成物へのBMIの付加は、驚くほど、バリア層の透過性を有意量低減する。すなわち、長時間に亘ってバリア層を通過する膨張気体の量を有意に低減する。
エラストマー製品の壁に組入れられる場合、バリア層は、製品の気体、蒸気および/または化学物質透過性を低減し、それによって、気体が製品から漏出するのを抑制することにより製品の性能を改良するだけでなく、その他の損害、例えば酸素移動による酸化から製品を保護する。
本明細書中で用いる場合、「ポリマー」は、ホモポリマー、コポリマー、インターポリマー、ターポリマー等を指すために用いられ得る。同様に、コポリマーは、少なくとも2つのモノマーを、任意に他のモノマーとともに含むポリマーを指し得る。
本明細書中で用いる場合、ポリマーがモノマーを含むとして言及される場合、モノマーはモノマーの重合化形態で、またはモノマーの誘導形態で、ポリマー中に存在する。同様に、官能基化ポリマーがポリマーまたは特定誘導形態を官能基化するために用いられる構成成分に関して記載される場合、官能基化する構成成分は、実際にその構成成分に由来する官能基の形態で存在する、と理解される。例えば、トリエチルアミンによる臭化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)(BIMS)の官能基化の生成物は、トリエチルアミン官能基化BIMS、トリエチルアンモニウム−BIMS(TEA−BIMS)または同様の表現として言及され、それは、ペンダント官能基がトリエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウム塩または別の誘導体を含み得る、と理解される。
本明細書中で用いる場合、「エラストマー」または「エラストマー組成物」は、ASTMD1566定義と一致する任意のポリマーまたはポリマーの組成物(例えばポリマーの配合物)を指す。当該用語は、「ゴム」という用語と互換的に用いられ得る。
本明細書中で用いる場合、「phr」は、‘百分率ゴム’であり、当該技術分野で共通の測定値であって、この場合、組成物の構成成分は、100重量部のエラストマー(単数または複数)またはゴム(単数または複数)を基礎にして、主エラストマー構成成分に比して測定される。
本明細書中で用いる場合、「イソブチレンベースのエラストマー」または「イソブチレンベースのポリマー」は、イソブチレンからの少なくとも70モルパーセントの反復単位を含むエラストマーまたはポリマーを指す。
本明細書中で用いる場合、「〜を基礎にして」は、本発明の実施形態が、それらの集合時に、硬化されなかった加硫化または硬化ゴム組成物から作られることを確認する用語である。したがって、硬化ゴム組成物は、非硬化ゴム組成物を「基礎にしている」。言い換えれば、架橋ゴム組成物は、架橋性ゴム組成物を基礎にしている。
バリア層のために有用である本明細書中に開示されるゴム組成物は、バリア層の不透過性を改良するエラストマーを含む。本発明のバリア層の一実施形態はハロゲン化ゴムを包含し、そして任意に、ジエンゴムである二次ゴムをさらに含み得る。
さらに特定的には、このようなバリア層の実施形態は、1)C4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むポリマーハロゲン化ゴム;2)ハロゲン化ブチルゴム;または3)その組合せのいずれかである多数量(少なくとも50phr)の一次エラストマーを包含する。
4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むポリマーハロゲン化ゴムをさらに記載すると、イソオレフィンは、C4〜C7化合物であり得るし、一実施形態では、イソブチレン、イソブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等から選択され得る。エラストマーは、他のモノマー誘導単位も含み得る。一実施形態では、イソオレフィンはイソブチレンである。
ポリマーハロゲン化ゴムは、少なくとも1つのスチレン系モノマーをさらに含み得るが、これは、任意の置換スチレンモノマー単位であり得る。特定の実施形態では、置換スチレンモノマー単位はパラ−アルキルスチレンから選択され得るが、この場合、アルキルは、任意のC1〜C5、代替的にはC4〜C5のアルキルまたは分枝鎖アルキルから選択され得る。一実施形態では、スチレンモノマーは、p−メチルスチレン(PMS)であり得る。
一実施形態では、ポリマーハロゲン化ゴムは、例えば、イソプレン、ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ミルセン、6,6−ジメチル−フルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、メチルシクロペンタジエン、ピペリレン等から選択されるC4〜C14ジエン(競合されるかまたはされない)である少なくとも1つのマルチオレフィンを含み得る。
特定の実施形態では、ポリマーハロゲン化ゴムは、ポリマーのスチレン系誘導単位のアルキル置換基上の塩素または臭素でハロゲン化され得る。一実施形態では、ポリマーハロゲン化ゴムは、塩素および臭素のうちの少なくとも1つでハロゲン化されるハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)(PIMS)である。一例は、イソブチレン、パラ−メチルスチレンおよび臭化パラ−メチルスチレンのターポリマーを有するが、この場合、パラ−メチルスチレン置換基の一部分は臭化され(BIMS)、すなわち、臭化PIMSであった。
一実施形態では、イソブチレンおよびパラ−メチルスチレンポリマーは、0.5〜20モル%のパラ−メチルスチレンを含有し得るが、この場合、パラ−メチルスチレン単位上のメチル置換基の60モル%までが、ハロゲンを含有し、例えばp−ブロモメチルスチレンである。
一実施形態では、ハロゲン化ポリマーハロゲン化ゴムは、当業者に既知であるように、さらに官能基化され得る。このような官能基化ポリマーは、ポリマーへの官能性置換ペンダント基を含むことが既知である。このような官能基化の一例は、米国特許出願第2010/0210779号(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に開示されたようなトリエチルアミン基によるBIMSの官能基化である。このような官能基化は、トリエチルアンモニウム−BIMS(TEA−BIMS)を生じる。
4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むハロゲン化ポリマーエラストマーは、EXXPROエラストマー(ExxonMobil Chemical Company, Houston, Texas)として入手可能である。
特定の実施形態では、バリア層のために有用なゴム組成物中に含まれる一次エラストマーは、ハロゲン化ブチルゴムを含む。当該技術分野で既知であるように、ブチルゴムは、イソブチレンと少量のイソプレンのコポリマーである。典型的には、ブチルゴムは、90モル%より多くのイソブチレン誘導単位および10モル%未満のイソプレン誘導単位を含む。ブロモブチルゴムおよびクロロブチルゴムは当業者に既知であり、連続工程で塩素または臭素をブチルゴムと反応させることにより生成される。ブロモブチルおよびクロロブチルゴムは、例えばオハイオ州フェアローンに営業所を有するLanxess社から入手可能である。
バリア層のために有用なゴム組成物の一実施形態は、バリア層のために所望される物理的特質を提供するために十分である量で、一次エラストマーを含む。上記のように、一次エラストマーは、1)C4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むポリマーハロゲン化ゴム;2)ハロゲン化ブチルゴム;または3)その組合せのいずれかである。一実施形態では、ゴム組成物は、50phr〜100phrの一次エラストマーを、あるいは代替的には70phr〜100phr、75phr〜100phr、95phr〜100phrまたは100phrの一次エラストマーを含み得る。
一次エラストマーのほかに、ゴム組成物の特定実施形態は、二次ジエンエラストマーを包含する。さらに説明するために、概して、ジエンエラストマーまたはゴムは、ジエンモノマー(共役されてもそうでなくても、2つの二重炭素−炭素結合を保有するモノマー)に少なくとも一部(すなわちホモポリマーまたはコポリマー)が起因するエラストマーである。本質的不飽和ジエンエラストマーは、15モル%より大きいジエン起源(共役化ジエン)の成員または単位の含量を有する共役化ジエンモノマーに少なくとも一部が起因するジエンエラストマーを意味する、と理解される。
したがって、例えばジエンエラストマー、例えばブチルゴム、ニトリルゴム、あるいはエチレン−プロピレンジエンターポリマー(EPDM)型またはエチレン−ビニルアセテートコポリマー型のジエンのおよびアルファ−オレフィンのコポリマーは、本質的不飽和ジエンエラストマーの前記定義の範疇でなく、特に、「本質的飽和」ジエンエラストマー(ジエン起源の単位の低または極低含量、すなわち15mol%未満)と記載され得る。
本質的不飽和ジエンエラストマーの範疇内にあるのは、高不飽和ジエンエラストマーであって、これは、50mol%より大きいジエン起源(共役化ジエン)の単位の含量を有するジエンエラストマーを特に意味する。高不飽和エラストマーの例としては、ポリブタジエン(BR)、ポリイソプレン(IR)、天然ゴム(NR)、ブタジエンコポリマー、イソプレンコポリマーおよびこれらのエラストマーの混合物が挙げられる。ポリイソプレンとしては、例えば合成シス−1,4ポリイソプレンが挙げられるが、これは、90mol%より大きい、代替的には98mol%より上のシス−1,4結合を保有するとして特性化され得る。
高不飽和ジエンの他の例としては、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)、ブタジエン−イソプレンコポリマー(BIR)、イソプレン−スチレンコポリマー(SIR)およびイソプレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SBIR)ならびにその混合物が挙げられる。
一実施形態では、ジエンエラストマーのいずれか、特に高不飽和エラストマーは、任意に、官能基化された二次エラストマーとして利用され得る、ということに留意すべきである。これらのエラストマーは、エラストマーを終止する前またはその代わりに、それらを適切な官能基化剤と反応させることにより官能基化され得る。例示的官能基化剤としては、金属ハロゲン化物、非金属ハロゲン化物、アルコキシシラン、イミン含有化合物、エステル、エステル−カルボキシレート金属錯体、アルキルエステルカルボキシレート金属錯体、アルデヒドまたはケトン、アミド、イソシアネート、イソチオシアネート、イミンおよびエポキシドが挙げられるが、これらに限定されない。これらの種類の官能基化エラストマーは、当業者に既知である。ゴム組成物の特定実施形態は、すべてが官能基化された1つ以上の二次ジエンエラストマーを含み得るが、他の実施形態は、非官能基化二次ジエンエラストマーのうちの1つ以上と混合されるこれらの官能基化エラストマーのうちの1つ以上を含み得る。
一実施形態に用いられ得る二次ジエンエラストマーの非網羅的一覧は、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)ゴム、ポリ(イソプレン−コ−ブタジエン)ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ハロゲン化イソプレン、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、ポリクロロプレン、星型分枝鎖ポリイソブチレンゴムおよびその混合物を包含する。
上記のように、ジエンエラストマーは、高不飽和ジエンエラストマー、本質的に不飽和のジエンエラストマーまたは本質的飽和ジエンエラストマーであると定義される。一実施形態では、二次ジエンエラストマーは、高不飽和ジエンエラストマー、本質的不飽和ジエンエラストマー、本質的飽和ジエンエラストマーまたはその組合せから選択され得る。一実施形態では、二次ジエンエラストマーは天然ゴムである。
バリア層のために有用である本明細書中に開示されるゴム組成物の特定実施形態は、バリア層のために所望される物理的特質を提供するのに十分な量で、二次ジエンエラストマーを包含する。ゴム組成物は、0phr〜50phr、代替的には、0phr〜30phr、0phr〜25phr、0phr〜5phrの量で二次ジエンエラストマーを含み得るし、あるいは二次ジエンエラストマーを全く含まない。
バリア層として有用である本明細書中に開示されるゴム組成物の特定実施形態は、1つ以上の充填剤構成成分、例えば炭酸カルシウム、粘土、雲母、シリカおよびケイ酸塩、タルク、二酸化チタンおよびカーボンブラックも含み得る。このような充填剤は、当該組成物から形成されるバリア層の気体透過性特質を低減し得る、そしてそれらの形態、サイズまたは形状因子のため、一般的に「板状充填剤」として既知である(すなわち、平板、小平板、層、積重層または小平板等)透過性低減無機充填剤を包含し得る。
板状充填剤の例としては、ケイ酸塩、例えばフィロケイ酸塩、スメクタイトおよびバーミキュライト粘土鉱物ならびに種々のその他の粘土物質が挙げられる。特定例としては、カオリン、モンモリロナイト、例えばナトリウム・モンモリロナイト、マグネシウム・モンモリロナイトおよびカルシウム・モンモリロナイト、ノントロナイト、ベイデライト、ボルコンスコイト、ヘクトライト、ラポナイト、サウコナイト、ソボカイト、スチーブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライト、雲母、ベントナイト、セペオライト、サポナイト等が挙げられる。用いられ得る他の物質としては、雲母様鉱物、例えばイライト、および混合層化イライト/スメクタイト鉱物、例えばレジカイト、ならびにイライトと上記粘土鉱物との混合物が挙げられる。これらのおよび他の層化粘土の多くは、一般的に、4Å以下の層間間隙で一緒に密接に結合される8〜12Åの厚みを有する複数のケイ酸塩小板を含有する粒子を含み、層間表面に存在する交換可能な陽イオン、例えばNa+、Ca+2、K+またはMg+2を含有する。
層化板状充填剤、例えば粘土は、水溶液中に板状充填剤を懸濁することにより剥脱され得る。本明細書中で用いる場合、「剥脱」は、ポリマーが各粒子を取り囲み得るよう、元の無機粒子の個々の層の分離を指す。一実施形態では、小板が無作為に間隔を置かれるよう、各小板間に十分なポリマーが存在する。例えば、剥脱または層間挿入の何らかの指標は、x線ラインがないことと、またはより大きな面間隔を示すプロットであり得るが、これは層化小板の無作為間隔または分離増大のためである。しかしながら、当該産業において、そして学会により認識されるように、他の指標、例えば透過性試験、電子顕微鏡および原子力顕微鏡は、剥脱の結果を示すために有用であり得る。
好ましくは、層化粘土を剥脱する場合、水中の粘土の濃度は、粘土粒子間の相互作用を最小限にするために、そして粘土を完全に剥脱するために十分に低い。一実施形態では、粘土の水性スラリーは、0.1〜5.0重量%、代替的には0.1〜3.0重量%の粘土濃度を有し得る。有機粘土は、有機剥脱剤、例えば第三級アミン、ジアミン、ポリアミン、アミン塩、ならびに第四級アンモニウム化合物を用いることにより得られる。例示的有機粘土は、CLOISITE 6A、15Aおよび20Aの商標名でSouthern Clay Productsから市販されており、これらは第四級アンモニウム塩で改質される天然モンモリロナイト粘土である。例えばCLOISITE 6Aは、140meq/粘土100gのジメチル二水素化獣脂第四級アンモニウム塩を含有する。
ジメチル−二水素化獣脂−第四級アンモニウム塩のほかに、粘土は、例えばオクタデシルアミンまたはメチル−獣脂−ビス−2−ヒドロキシエチル第四級アンモニウム塩でも有機的に改質され得る。粒子を改質するために用いられ得る有用な界面活性剤のさらに他の例としては、ジメチル二獣脂肪アンモニウム、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、ジメチルベンジル水素化獣脂第四級アンモニウム、ジメチル水素化獣脂2−エチルヘキシル第四級アンモニウム、メチル二水素化獣脂アンモニウム等が挙げられる。
バリア層のために有用である本明細書中に開示されるゴム組成物の特定実施形態は、板状充填剤、例えば粘土または有機的に改質された剥脱化粘土、有機的に改質されていないもの、およびその組合せを包含する。本発明に従ってゴム組成物中に組入れられる板状充填剤の量は、一般的に、選択される特定粒子、ならびにそれらが混合される物質によって決まる。一般的に、ゴム組成物の機械的特性またはバリア特性における改良、例えば引張強さまたは酸素透過性を発現するために十分である量が付加される。
例えば、板状充填剤は、約1phr〜約30phr、約1phr〜25phrまたは約1phr〜約15phrの量で、組成物中に存在し得る。他の実施形態では、充填剤は、約3phr〜約10phr、約2phr〜約8phrまたは約3phr〜約7phrの量で存在し得る。このような量としては、例えば10phr〜150phrのカーボンブラックおよび/またはシリカ、代替的には、5phr〜100phrまたは30phr〜70phrのカーボンブラックおよび/またはシリカが挙げられる。
有用なカーボンブラックの非限定例としては、N550、N650、N660、N762、N772およびN990が挙げられる。有用なシリカの非限定例としては、Perkasil KS 430(Akzo)、シリカ BV3380(Degussa)、シリカ Zeosil 1165MPおよび1115MP(Rhodia)、シリカ Hi−Sil 2000(PPG)およびシリカZeopol 8741または8745(Huber)が挙げられる。
本明細書中に開示されるゴム組成物の実施形態は、1,3−フェニレンジマレイミド(BMI)の付加をさらに包含する。一次エラストマー、BMIおよび板状充填剤間の相互作用は、有意に改良された不透過特性をバリア層に提供する。以下の実施例では、適量でBMIを含有するゴム組成物は、約7%〜約13%と見積もられるそれらの測定透過性の意外な改良を示した。一実施形態は、少なくとも0.25phr、少なくとも0.5phrまたは0.25phr〜5phr、代替的には0.25phr〜2phrまたは0.25phr〜1.5phrの量で、ゴム組成物にBMIを付加することを包含する。
BMIが、時にはゴム組成物中の促進剤として用いられる、ということは注目され得る。促進剤は、硬化工程中の加硫の速度を増大し、よく知られており、典型的にはゴム製品の製造および硬化において用いられる。BMIは特に知られており、過酸化物硬化系における、すなわち硫黄のより一般的な使用よりむしろ、硬化剤として過酸化物を利用する硬化系において硬化剤として有用である。
上記のように、開示バリア層の透過性減少という意外な結果は、BMIおよび板状充填剤をゴム組成物に付加して、バリア層を形成することにより達成される。本発明を減手呈するものではないが、説明として、BMIは板状充填剤と相互作用して透過性減少を提供する、と考えられる。そのように、BMIは加硫工程中に硬化促進剤として作用するよう利用可能でない。これらの概念は、下記の実施例で例証される。
本発明の特定の実施形態は、ゴム組成物を提供し、それから作られるバリア層は、BMI含量を欠く以外は同一である他のゴム組成物を上回る透過性の少なくとも5%低減を有する。代替的には、透過性の低減は、少なくとも7%、少なくとも10%、5%〜15%または7%〜15%であり得る。このような測定は、ASTM D3985に従ってなされる。
本明細書中に開示されるゴム組成物は、典型的にはイオウおよび促進剤を含むイオウ硬化系を用いて硬化され得る。適切な遊離イオウとしては、例えば微粉イオウ、ゴムメーカーのイオウ、市販のイオウおよび不溶性イオウが挙げられる。ゴム組成物中に含まれる遊離イオウの量は、0.5〜3phr、代替的には0.8〜2.5phrまたは1〜2phrの範囲であり得る。
イオウの存在下で硬化促進剤として作用し得る任意の化合物、特に、2−2’−ジチオビス(ベンゾチアゾール)(MTBS)、ジフェニルグアニジン(DPG)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド(DCBS)、N−tert‐ブチル−2−ベンゾ−チアゾール−スルフェンアミド(TBBS)、N−tert‐ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェン−イミド(TBSI)およびこれらの化合物の混合物からなる群から選択されるものが、用いられ得る。
当該技術分野で既知であるように、他の添加物が本明細書中に開示されるゴム組成物に付加され得る。このような添加物としては、例えば以下のうちのいくつかまたは全部が挙げられる:分解防止剤、酸化防止剤、脂肪酸、顔料、蝋、ステアリン酸、酸化亜鉛およびその他の促進剤。分解防止剤および酸化防止剤の例としては、6PPD、77PD、IPPDおよびTMQが挙げられ、0.5phrおよび5phrからの量でゴム組成物に付加され得る。酸化亜鉛は、1phr〜6phr、1phr〜4phrまたは1phr〜3phrの量で付加され得る。少量の活性剤、例えば金属酸化物(例えば酸化亜鉛)または過酸化物(例えば過酸化ジクミル、<0.1phrで)は、一次エラストマーとBMIとの間の相互作用を手助けし得る、ということが注目され得る。粘着付与樹脂(例えばオクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂)も、ゴム組成物中に含まれ得る。
本発明に従って製造されるバリア層は、多数の製品中に組み入れられ得る。一実施形態は、本明細書中に開示されるゴム組成物でできているバリア層を有する製品を包含する。例えば、一実施形態では、本発明により製造されるバリア層は、気体で膨張されるよう意図されたエラストマー製品中に組み入れられ得る。これらの用途において、バリア層は、製品の壁を通る気流を抑制する。本発明によるバリア層を組入れ得る製品の特定例としては、運動用ボール、例えばフットボール、バスケットボールなど、膨張式装置、例えば膨張式ボート、エアマットレス等が挙げられる。経時的に急速な膨張からタイヤを護るため、またはタイヤの内部からタイヤを通して移動する酸素により引き起こされる酸化からタイヤ内部を護るために、タイヤもバリア層を必要とする。
バリア層は典型的には製品の膨張小室の内壁上に存在するか、あるいは内部チューブから作られるが、バリア層は、製品の壁内にもさらに配置され得る。例えば、タイヤは典型的にはタイヤの内壁上に配置されるバリア層を含むが、バリア層は、タイヤカーカスの壁内にも包含され得る。本明細書中に開示されるようなタイヤのためのバリア層は、すべての型のタイヤのために、例えばトラックタイヤ、航空機タイヤ、乗用車タイヤおよび軽トラックタイヤのために用いられ得る。
特定実施形態のゴム組成物は、構成成分を均一に分散させるのに十分な剪断条件下で、BANBURYミキサーのような適切な混合装置で、加工処理され得る。しばしば非生産的混合段階と呼ばれる2段階工程において、エラストマーは、先ずパルプ状にされて、その温度を増大し、次いで、BMIおよび任意の他の構成成分(硬化パッケージ以外)が付加される。ゴム組成物は、140℃〜180℃の温度が達成されるまで、混合され続ける。次いで、混合物は下げられ、冷却される。
しばしば生産的混合段階と呼ばれる第二ステップでは、混合物は粉砕器で加工処理されて、硬化パッケージをゴム組成物に混合する。促進剤というよりむしろバリア特性改良剤として作用する機会をBMIが有するよう、非生産的段階でBMIが混合物に付加される。硬化パッケージは典型的には1つ以上の促進剤、イオウ、酸化亜鉛およびステアリン酸を含むが、酸化亜鉛およびステアリン酸は非生産的段階中に混合物に任意に付加され得る、と考えられる。
その結果生じるゴム組成物は、例えば膨張式製品のための内張りおよび内部チューブを含めた種々の造形製品に、押出成形され、圧縮成形され、吹込み成形され、または注入成形されることにより、生成され得る。
以下の実施例により本発明をさらに例証するが、実施例は、例証に過ぎず、如何なる点でも本発明を限定するものではない。実施例に開示される組成物の特性は、下記のように評価され、下記の方法は、本発明の特定実施形態で主張される任意のこのような特性を測定するのに適している。
ダンベル状試験片に関してASTM標準D412に基づいて、23℃の温度で、10%(MA10)、100%(MA100)および300%(MA300)で、伸び弾性率(MPa)を測定した。二次伸長で、すなわち、対応サイクル後に、測定を実施した。これらの測定値は、試験片の元の横断面を基礎にしたMPaのセカント係数である。
以下の方程式に従って、第六インパクトで60℃でのリバウンドにより、ヒステリシス損失(HL)を測定した。
HL(%)=100(W0−W1)/W1
(式中、W0は供給されたエネルギーであり、W1は回収されたエネルギーである)。
ASTM D3985に従って、40℃で、MOCON OX−TRAN 2/60透過性テスターを用いて、酸素透過率(mm cc)/(m2日)を測定した。測定厚(約0.8〜1.0mm)を有する硬化試料円板を、器機の上に載せて、真空用グリースで密封した。円板の一側面に10cc/分で窒素(2%H2含有)流を確立し、他側面に20cc/分で酸素(10%O2、残りはN2)流を確立した。窒素側でCoulox酸素検出器を用いて、酸素濃度の増大をモニタリングした。酸素が円板を通過するのに要する時間、窒素側の酸素濃度が一定値に達するのに要する時間を、気圧とともに記録して、これを用いて、酸素透過率を決定したが、これは、ASTM D3985に従った酸素透気度と試料円板厚の積である。
ムーニー可塑度 ML(1+4):ASTM標準D1646−04に従って、ムーニー可塑度を測定した。概して、非硬化状態の組成物は、円筒形の囲いの中で成形され、100℃に加熱される。1分間予熱後、ローターが2rpmで試験試料内で回転し、この動きを保持するために用いられるトルクが、4分間回転後に測定される。ムーニー可塑度は、「ムーニー単位」(MU、1MU=0.83ニュートンメートル)で表される。
実施例1
この実施例は、BMIの付加が、意外にも、バリア層の透過性を有意量低減する、すなわち長時間に亘ってバリア層を通過し得る膨張気体の量を有効に低減する、ということを実証する。
上記の二段階工程を用いて、表1に示した構成成分を用いて、エラストマー処方物F1〜F10を調製した。エラストマー処方物F1〜F10を構成する各構成成分の量を、エラストマー百重量部当たりの部(phr)で、表1に示す。試験プラークを、処方物の各々から切り出して、150℃Cで60分間硬化した。
最初の5つの処方物F1〜F5は、板状充填剤を含まなかった。処方物F1およびF6は、BMIを含まなかった。処方物F2〜F5およびF7〜F10は、種々のレベルのBMIを有した。
Figure 2014510158
BIMSエラストマーは、EXXPRO MDX 01−05(ExxonMobil Chemical Company)であった。BMIは、1,3−フェニレンジマレイミドであった。粘着付与樹脂は、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂であった。板状充填剤は、有機的改質モンモリロナイト粘土、CLOISITE 6A(140meq/100g粘土のジメチル二水素化獣脂第四級アンモニウム塩で改質された)であった。硬化パッケージは、イオウ、促進剤(MBTS)、酸化亜鉛およびステアリン酸を包含した。
硬化試験プラークを上記のように試験して、それらの物理学的特性を測定した。処方物F1〜F10の各々から得られたプラークに関して測定された物理学的特性を、表2に示す。処方物F2〜F5に関して表2に示した酸素透過度の改良%は、処方物F1を上回る各処方物の改良度であるが、一方、処方物F7〜F10に関する改良%は、処方物F6を上回る各処方物の改良度である。
Figure 2014510158
処方物F2〜F4では、BMIの付加に伴う非硬化特性の変化はほとんど認められなかった。ムーニー粘度は、BMI負荷増大に伴って相対的に変化しなかった。
処方物F7〜F10では、板状充填剤およびBMIの付加に伴う非硬化特性の有意の変化が認められた。ムーニー粘度の減少が、板状充填剤の付加に伴って観察された(すなわちF6と比較した場合のF1)が、しかしBMIを板状充填剤とともに付加した場合、ムーニー粘度の有意の増大が観察された。
処方物F2〜F4では、BMIの付加に伴う硬化特性の変化はほとんど認められなかった。酸素透過度の改良%の小変化は、機器の誤差の範囲で(すなわち3%)あった。
処方物F7〜F10では、ヒステリシスの意外な減少が、BMIの付加に伴って観察された。さらにまた、酸素透過度の改良%は意外であった。
図1および2は、ゴム処方物F1〜F10に関する経時的粘度応答を示すグラフである。ゴム処方物F1〜F5に関する粘度応答を示す図1で分かるように、BMIの量が増大されると、粘度は処方物の各々に関してより急速に増大するが、これは、これらの処方物においてBMIが関与している何らかの促進剤活性が存在する、ということを示している。しかしながら、板状充填剤を含むゴム処方物F6〜F10に関する粘度応答を示す図2で分かるように、BMIの付加は加硫に及ぼす顕著な促進剤作用を有さず、それにより、BMIが加硫工程を促進していないということを実証しているが、しかし表2に結果を示しているように、ゴム処方物のバリア特性を有意に改良している。
「〜を含む」、「〜を包含する」および「〜を有する」という用語は、特許請求の範囲および本明細書中で用いる場合、明記されない他の要素を含み得るオープングループを示しているとみなされる。「本質的に〜からなる」という用語は、特許請求の範囲および本明細書中で用いる場合、他の要素が特許請求の範囲される本発明の基本的なおよび新規の特質を物質的に変更しない限り、明記されない他の要素を包含し得る部分的オープングループを示しているとみなされる。「1つの(a)」、「1つの(an)」および単数形の単語は、同一単語の複数形を包含すると解釈され、したがって、当該用語は、1つ以上のものが提供されることを意味する。「少なくとも1つの」および「1つ以上の」という用語は、互換的に用いられる。「1つ」または「単数」という用語は、何かのうちの1つおよび1つだけが意図される、ということを示すために用いられる。同様に、他の具体的整数値、例えば「2」は、特定数のものが意図される場合に用いられる。「好ましくは」、「好ましい」、「選択する」、「任意に」、「〜かもしれない」および同様の用語は、言及されている項目、条件または段階が本発明の任意の(必要とされるわけではない)特徴である、ということを示すために用いられる。「aおよびbの間」であると記載される範囲は、「a」および「b」に関する値を含む。
前記の説明から、その真の精神を逸脱しない限り、本発明の実施形態に対して種々の修正および変更がなされ得る、と理解されるべきである。前記の説明は例示の目的のために提供されただけであり、本発明を限定するものではない。以下の特許請求の範囲の言語のみが、本発明の範囲を限定するものである。

Claims (30)

  1. 膨張式製品を通過する膨張気体の流れを妨げるためのバリア層であって、架橋性エラストマー組成物を基礎にしたゴム組成物でできているバリア層であり、当該架橋性エラストマー組成物が、ゴムの100重量部当たり(phr)、以下の
    ハロゲン化ブチルゴム、あるいはC4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むポリマーハロゲン化ゴムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも50phrの一次エラストマーと、
    0phr〜50phrの二次ジエンエラストマーと、
    板状充填剤と、
    少なくとも0.1phrの1,3−フェニレンジマレイミドと、
    イオウおよび促進剤を有するイオウ加硫系と、
    を含む、バリア層。
  2. 前記1,3−フェニレンジマレイミドがイオウ加硫系に含まれない請求項1記載のバリア層。
  3. 前記ゴム組成物が、40℃でASTM D3985に従って測定した場合、1,3−フェニレンジマレイミドを有さない二次ゴム組成物を除いて、前記ゴム組成物と同一の二次ゴム組成物を上回る、浸透性における少なくとも5%低減を提供する請求項1記載のバリア層。
  4. 前記ハロゲン化ブチルゴムが、クロロブチルゴムまたはブロモブチルゴムのうちの1つ以上から選択される請求項1記載のバリア層。
  5. 前記架橋性エラストマー組成物が、100phrのクロロブチルゴムまたはブロモブチルゴムのうちの1つ以上を含む請求項4記載のバリア層。
  6. 前記ハロゲン化ポリマーゴムがハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)である請求項1記載のバリア層。
  7. 前記ハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)が、イソブチレン、パラ−メチルスチレンおよび臭化パラ−メチルスチレンのターポリマーである請求項6記載のバリア層。
  8. 前記架橋性ゴムエラストマー組成物が100phrの前記ターポリマーを含む請求項7記載のバリア層。
  9. 前記二次ジエンエラストマーが、ポリブタジエンゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)ゴム、ポリ(イソプレン−コ−ブタジエン)ゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ハロゲン化イソプレン、ハロゲン化イソブチレンコポリマー、ポリクロロプレンまたは星型分枝鎖ポリイソブチレンゴムのうちの少なくとも1つから選択される請求項1記載のバリア層。
  10. 前記二次ジエンエラストマーが天然ゴムである請求項1記載のバリア層。
  11. 前記架橋性エラストマー組成物が70phr〜100phrの一次エラストマーを含む請求項1記載のバリア層。
  12. 前記架橋性エラストマー組成物が0.25phr〜3phrのBMIを含む請求項1記載のバリア層。
  13. 前記板状充填剤が有機変性板状充填剤である請求項1記載のバリア層。
  14. 前記板状充填剤が有機粘土である請求項13記載のバリア層。
  15. 前記架橋性エラストマー組成物が1phr〜15phrの板状充填剤を含む請求項1記載のバリア層。
  16. 空気タイヤ用に適合される内部チューブである請求項1記載のバリア層。
  17. 前記空気タイヤの内表面に配置される請求項1記載のバリア層。
  18. 空気タイヤを通る膨張気体の流れを妨げるためのバリア層を含む空気タイヤであって、前記バリア層が架橋性エラストマー組成物を基礎にしたゴム組成物でできており、当該架橋性エラストマーが、ゴムの100重量部当たり(phr)、以下の
    4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含む少なくとも50phrのポリマーハロゲン化ゴムと、
    0phr〜50phrの二次ジエンエラストマーと、
    板状充填剤と、
    少なくとも0.1phrの1,3−フェニレンジマレイミドと、
    イオウおよび促進剤を有するイオウ加硫系と、
    を含む、空気タイヤ。
  19. 前記ハロゲン化ポリマーゴムがハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)である請求項18記載の空気タイヤ。
  20. 前記ハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)が、イソブチレン、パラ−メチルスチレンおよび臭化パラ−メチルスチレンのターポリマーである請求項19記載の空気タイヤ。
  21. 前記バリア層が前記空気タイヤの内表面に配置される請求項18記載の空気タイヤ。
  22. 前記1,3−フェニレンジマレイミドがイオウ加硫系に含まれない請求項18記載の空気タイヤ。
  23. 前記ゴム組成物が、40℃でASTM D3985に従って測定した場合、二次ゴム組成物の1,3−フェニレンジマレイミド含量を除いて、前記ゴム組成物と同一の二次ゴム組成物を上回る、浸透性における少なくとも5%低減を提供する請求項18記載の空気タイヤ。
  24. 膨張式製品の中を通過する膨張気体の流れを妨げるためのバリア層であって、架橋性エラストマー組成物を基礎にしたゴム組成物でできているバリア層であり、当該架橋性エラストマー組成物が、ゴムの100重量部当たり(phr)、以下の
    ハロゲン化ブチルゴム、あるいはC4〜C7イソオレフィン誘導単位、パラアルキルスチレン誘導単位およびパラ−(ハロアルキルスチレン)誘導単位を含むポリマーハロゲン化ゴムのうちの少なくとも1つから選択される少なくとも50phrの一次エラストマーと、
    0phr〜50phrの二次ジエンエラストマーと、
    板状充填剤と、
    40℃でASTM D3985に従って測定した場合、二次ゴム組成物の1,3−フェニレンジマレイミド含量を除いて、前記ゴム組成物と同一の二次ゴム組成物を上回る、浸透性における少なくとも5%低減を前記ゴム組成物に提供するのに十分な量で付加される1,3−フェニレンジマレイミドと、
    イオウ加硫系と、
    を含む、バリア層。
  25. 前記二次ゴム組成物が1,3−フェニレンジマレイミド含量を含まない請求項22記載のバリア層。
  26. 前記低減が少なくとも7パーセントである請求項22記載のバリア層。
  27. 前記架橋性エラストマー組成物が、100 phrのクロロブチルゴムまたはブロモブチルゴムのうちの1つ以上を含む請求項22記載のバリア層。
  28. 前記ハロゲン化ポリマーゴムがハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)である請求項25記載のバリア層。
  29. 前記ハロゲン化ポリ(イソブチレン−コ−p−メチルスチレン)が、イソブチレン、パラ−メチルスチレンおよび臭化パラ−メチルスチレンのターポリマーである請求項26記載のバリア層。
  30. 請求項26記載のバリア層を含むタイヤ。
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