JP2014508822A - フタロシアニン色素、その製造方法、および、色素増感型太陽電池におけるその使用 - Google Patents

フタロシアニン色素、その製造方法、および、色素増感型太陽電池におけるその使用 Download PDF

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Abstract

色素、その製造方法、および、特に色素増感型太陽電池といった光電変換素子におけるその使用が記載されている。色素化合物は、式(X)を有する大環構造中に要素Mを含むフタロシアニンおよびナフタロシアニン類似体である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2011年1月14日に出願の米国仮特許出願第61/433179号明細書および2011年6月17日に出願の欧州特許出願公開11170427.6号明細書に基づく優先権を主張し、これらの出願の各々の全内容は、本明細書においてすべての目的について参照により援用されている。
本発明は、色素化合物、特にフタロシアニン系およびナフタロシアニン類似体系、より具体的にはフッ素化フタロシアニン類似体系色素化合物、これらの製造方法、ならびに、光電変換素子、特に色素増感型太陽電池(DSSC)における色素としてのこれらの使用に関する。
従来の太陽電池は、半導体接合に存在する光起電力効果を利用することにより光を電気に変換する。換言すると、市販の太陽電池は、可視光からエネルギーを吸収し、その励起された電荷キャリアを電気エネルギーに変換するものである。現在では、市販されている太陽電池は主にシリコン系太陽電池である。シリコン系太陽電池に関しては、材料の加工に必要とされるエネルギーコストが高いという欠点があり、また、環境への負担およびコストおよび材料の供給が限定的であるなどの解決されるべき多くの問題が付随している。アモルファスシリコン太陽電池に関しても、短期間での劣化により長期にわたって使用するとエネルギー変換効率が低下してしまうという欠点がある。
近年、低コストの有機系太陽電池を開発するための多くの試みが成されており、これにより、特定の一タイプの太陽電池として色素増感型太陽電池(DSSC)の開発が促進されており、これは、薄膜型太陽電池に分類され、光増感陽極と電解質との間に形成される半導体に基づき、一般に入射光を吸収して励起電子を得るために有機色素を用いる。
DSSCは、太陽電池の大量生産のための安価で多用途の技術をもたらす見込みがある。色素増感型太陽電池(DSSC)は、経済的に生産可能である有機および無機成分の組み合わせにより形成される。色素増感型太陽電池は、簡素化された加工ステップ、低い工費、透明度および多色性の点でシリコン系太陽電池を超える利点を有する。色素増感型太陽電池は、可撓性の基材から製造されて、易動性および可搬性のセルとして機能することが可能である。色素増感型太陽電池はまた、軽量であるという利点も有する。
色素増感型太陽電池はシリコン系太陽電池よりも低いエネルギー(光電)変換効率を有しており、エネルギー変換効率を高めるための広範なリサーチが活発に行われている。エネルギー変換効率を改善するために、赤外領域までの波長の拡張に多大な関心がもたれている。太陽電池において用いられるエネルギーバンドギャップ(eV)は1.4eV(電子ボルト)を超えていなければいけないことは公知である。
DSSCの基本的な要素は、一般に、色素分子で増感されてDSSCのコアを形成するTiO(二酸化チタン)ナノ微粒子構造である。二酸化チタンナノ粒子のアセンブリはその隣接物に良好に結合される。TiOは、その表面が継続的な電子輸送に高度に耐性であるために、ナノ粒子のための好ましい材料である。しかしながら、TiOは太陽光子(UV中のもの)の一部しか吸収しない。半導体表面に付着させた色素分子が、太陽光の大部分をとり入れるために用いられている。
主な色素分子は、要求される特性(広い吸収範囲、速い電子注入および安定性)をもたらす、ルテニウム錯体などの1種の金属原子および大きな有機構造からなる。色素は可視光に感度を有する。光は、高エネルギー電子からなる励起色素をもたらし、これが直ぐに半導体(通常はTiO)ナノ粒子に注入される。ナノ微粒子半導体は、外部端子に向けた光誘起電子のトランスポータとして機能し、透明コンダクタが、半導体(通常はTiO)フィルムの基部に設けられている。
一方で、フタロシアニンは、染色に広く用いられている濃色の大環式化合物である。フタロシアニンは、周期律表の元素のほとんどと一緒に配位を形成する。これらの錯体もまた濃色であり、これらもまた色素として用いられる。すべての人工有機顔料のおよそ25%はフタロシアニン誘導体である。
太陽電池用の電極において色素として用いられるフタロシアニン(Pc)化合物は、可視光に対する高い透過率、近赤外領域における優れた選択的な吸収率、高い熱抵抗性、高い耐候性、および、高い耐熱性などの利点を有しており、従って、フタロシアニン化合物は広範な用途を有している。
例えば、DSSCにおける亜鉛フタロシアニンの使用が、Md.Nazeeruddin et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,2007,46,373−376、および、M.Graetzel et al.,Solar Energy Materials & Solar Cells,2007,91,1611−1617によって開示されている。
しかしながら、特に向上した変換効率といったDSSCの改善をもたらすことが可能である色素に対する要求が未だ存在する。より具体的には、幅広いスペクトルの吸光を示し(すなわち、可能な限り多くの太陽スペクトルを吸収する)、高いモル吸光係数を示し、素子の長期安定性に寄与し、および/または、向上した変換効率を実現する色素に対する要求が未だ存在する。
上記の観点から、本発明は、特に色素増感型太陽電池(DSSC)といった光電変換素子において用いられた場合に、特に素子またはセルの向上した変換効率といった特に有利な特性を示す新規の色素を提供することを目的とする。より具体的には、本発明は、特に可視領域および近IR領域における広い吸収スペクトルを有する、すなわち、可能な限り多くの太陽スペクトルを吸収する新規の色素を提供することを目的とする。本発明の新規の色素はまた高いモル吸光係数を示すべきである。従って、>10L mol−1cm−1の高い吸光係数で、約850nm以下に吸収を示すフタロシアニンおよびナフタロシアニン類似体が用いられる。このような色素は、きわめて高いか、または、従前の色素よりものさらに高い半導体への電子注入速度を示すことが好ましいべきであり、一般に、増感剤から半導体電極に輸送される際に電子の向上した伝達および指向性を有する。このような色素はまた、例えば、素子中に微量に含有される水に対するより良好な耐性、および、三ヨウ化物/ヨウ化物対などの電解質中に存在する成分を介した腐食に対するTi電極のより良好な遮蔽といった、このような素子の長期安定性に寄与すべきである。これらの色素はまた、半導体表面および/または光電極の表面に連結および/または持続的に結合されているべきである。結合は、数ヶ月、好ましくは数年の期間にわたって色素が結合されたままであるようなものであるべきである。
本発明の一実施形態は、式(X)を有する大環構造中に要素Mを含む、フタロシアニンおよびナフタロシアニン類似体に基づく特に色素化合物といった化合物に関する。

(式中:
・Mは、2H(金属非含有類似体)、亜鉛(Zn(II))、マグネシウム(Mg(II))、Al(III)X、Si(IV)X、Sn(IV)Xであって、ここで、Xは、ハロゲン化物、OHおよびORから選択され、ここでRはアルキルまたはアリール基であり;
・Rは、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されたアルキル基またはHであり;
・Rは、−CN、−COOH、または、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されたアルキル基であり;
・Rは、H、F、−C2n+1、−OR’およびNR’から独立して選択され;ならびに
・Rは、H、F、−C2n+1、−OR’、−NR’から、および、大環構造の外方芳香族環に隣接して任意により置換されている芳香族環を形成する基から独立して選択され、
ここで、R’は、H、または、任意によりフッ素化されているアルキルもしくはアリール基から独立して選択される)
本発明の化合物において、Mは、好ましくは亜鉛(Zn(II))、マグネシウム(Mg(II))、Al(III)X、Si(IV)X、Sn(IV)Xから選択され、式中、Xは、ハロゲン化物から、好ましくはF、ClおよびBrから;より好ましくはZn(II)およびハロゲン化錫(SnHal)から選択される。Mはまた、有利に2Hから選択され得、これは、金属非含有類似体に相当すると共に、半導体への効率的な電子輸送のための高励起状態寿命をももたらし得る。
本発明の化合物において、R’は、好ましくは、任意によりフッ素化されたアルキルまたはアリール基から、より好ましくは過フッ素化アルキル(−C2n+1)またはアリール基から、例えば(過)フッ素化メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチルおよびフェニル基から選択される。R’はまた、特に、アルコキシテルフェニルなどの任意により置換されているテルフェニル基であることが可能である。

例えば、R’は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、フェニル、および、−CF、−C、ヘプタフルオロイソプロピル(−CF(CF)またはヘキサフルオロイソプロピル(−CH(CF)などのこれらの対応する過フッ素化基からなる群から選択され得る。
本発明において、Rは、Hと、特に、例えば−CHF、−CHF、−CF、−CFClおよび−Cといった過ハロゲン化アルキル基といった少なくとも1個のハロゲン原子により置換されたアルキル基とから選択され得る。Rは、より具体的には、H、−CFまたは−Cから選択され得る。
本発明において、Rは、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換された−CNおよびアルキル基から選択され得る。少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されたアルキル基の特定の例は、例えば−CHF、−CHF、−CF、−CFClおよび−Cといった過ハロゲン化アルキル基である。Rは、さらに特に、−CNおよび−CFから選択され得る。他の態様において、Rは−COOHであり得る。
本発明の化合物において、Rは同一であるかまたは異なり、特に同一であって、−C2n+1、−OR’およびNR’から;好ましくは、−C2n+1、−OC2n+1および−OC2n+1(例えば

)、−OCH、−OCF、−OCF(CFまたは−OCH(CFから有利に選択される。
本発明の化合物において、Rは同一であるかまたは異なり、通常同一であって、典型的には、H、F、−C2n+1、−OR’およびNR’から;好ましくは、−C2n+1、−OC2n+1および−OC2n+1(例えば

)、−OCH、−OCF、−OCF(CFまたは−OCH(CFから選択される。さらなる特定の実施形態において、Rは、大環構造の外方芳香族環に隣接して任意により置換されている芳香族環を形成する基から選択される。前記のさらなる特定の実施形態において、芳香族環は特にC6芳香族環であり、それ故、大環構造のベンゼン部分と共にナフタレン部分を形成する。この特定の事例において、この化合物はナフタロシアニン類似体であろう。前記外方芳香族環は、特に、ハロゲン原子により、特にF原子により任意により置換されていてもよい。
いくつかの好ましい実施形態において、Rは、−CFまたは−Cである。いくつかの実施形態において、RはHであり、Rは−CNである。いくつかの他の実施形態において、Rは−CNであり、RはHである。いくつかの代替的な実施形態において、Rは−CFであり、RはHである。いくつかのさらに代替的な実施形態において、Rは−CFであり、RはFである。
本発明の特定の実施形態は、式(X)を有する大環構造中に要素Mを含む化合物に関する。

(式中:
・Mは、亜鉛(Zn)またはハロゲン化錫(SnHal2)であり;
・Rは、H、−CFまたは−Cであり;
・Rは、−CF、−COOHまたは−CNであり;
・Rは、−OCF、−OCHまたは

であり;および
・RはHまたはFである)
この特定の実施形態において、R2は、CFまたは−CNであり得る。本特定の実施形態の他の態様において、R2は−COOHである。
例えばメトキシまたはフルオロメトキシベンゼンといったいずれかの置換ベンゼンは、本明細書中後述されているいずれかのチオフェン部分と組み合わされることが可能である。特に有利な実施形態において、メトキシベンゼンはいずれかのチオフェン部分と組み合わされている。他の特に有利な実施形態において、フッ素化ベンゼンはフッ素化チオフェン部分と組み合わされる。
本発明の他の実施形態は、式(X)と同様であるが、2つ以上のチオフェン部分を含む式を有する大環構造中に要素M(上記に定義されているものと同一)を含む化合物に関する。
要素M(上記に定義されているものと同一)を含む本発明による好ましい化合物は:












から、好ましくは構造I、II、V、VI、XおよびXIIからなる群から選択される式の構造を有する。
本明細書に記載の本発明の化合物のいずれかは、特に色素増感型太陽電池(DSSC)といった光電変換素子における使用に好適である色素である。
本発明はまた、TiOF(オキシフッ化チタニル(titanyl oxyfluoride)、チタンオキシフロリドまたはチタンフッ化酸化物)の特に色素増感型太陽電池といった光電変換素子における半導体としての使用に関する。TiOFは、TiOと比して低いエネルギーの伝導帯レベルを有しており、これは、励起された色素から半導体への光誘起電子輸送を向上するはずである。従って本発明はまた、透明導電性ガラス電極(例えば、導電性材料としてFドープSnO)上に少なくともTiOFを含有する半導体層を備える、特に色素増感型太陽電池(DSSC)といった光電変換素子にも関する。TiOFは、15〜50nmの平均一次粒径を有する、特にTiOF粒子といったTiOFナノ粒子の形態で用いられることが好ましい。典型的には、層厚は500nm〜10μmである。TiOFは、DSSC半導体層における半導体として単独で用いられても、例えばTiOといったいずれかの他の好適な半導体化合物との混合物中に組み合わされてもよい。他の可能性としては、導電性ガラス上に密度の高いTiO層を備え、続いて、ナノ多孔性TiOF層を備えていることである。
本発明のフッ素化化合物は、特に色素増感型太陽電池における半導体として用いられるTiOFと組み合わされる場合に、特に有利である。いずれかの理論に束縛されることはないが、実際のところ、TiOFの伝導帯端はTiOの伝導帯と比して低エネルギーであり、一方で、本発明のフッ素化化合物は、同様の非フッ素化化合物と比してより低いLUMOレベルを示すと考えられている。それ故、このような組み合わせが特に有利である。
本発明は、光電変換素子、好ましくは、本発明の化合物を含む色素増感型太陽電池にさらに関する。本発明の化合物は、このような素子またはセルにおいて色素として、特に増感色素として用いられる。
好ましい実施形態において、本発明は、本発明の少なくとも1種のフッ素化化合物を色素として、および、少なくともTiOFを半導体として備える色素増感型太陽電池に関する。本発明のフッ素化化合物は、そのR、R、RまたはR基の少なくとも一部を介してフッ素化されていてもよい。本発明のフッ素化化合物は、例えば、構造I〜XXIXの化合物(式中、Rは上記に定義されているハロゲン化基から選択される)のいずれかから、特に構造II、III、IV、V、VI、VII、VIII、XI、VIIおよびVIIIの化合物のいずれかから、より具体的には、構造II、III、IV、VおよびVIの化合物のいずれかから選択され得る。
本発明は、上記の化合物の製造方法にさらに関する。この方法は、例えばフッ素化アルコキシフタロニトリルといった1種以上の芳香族ジニトリル、および、1種以上のチオフェンを大環構造のための構築ブロックとして利用するステップを含む。この方法は、M含有前駆体を利用するステップをさらに含み得る。本発明はさらに、このような方法により得られる化合物に関する。芳香族ジニトリルは、例えば、アリールオキシフタロニトリル、アリールオキシナフタロニトリル、アルキルチオフタロニトリルおよびアルキルチオナフタロニトリルからなる群から選択され得る。
本発明の化合物の調製において用いられるチオフェンは、フッ素化されていることが好ましい。
本発明の方法において、フッ素化フタロニトリルまたはフッ素化アルコキシフタロニトリルおよびフッ素化2,3−ジシアナトチオフェンを大環構造の調製のための構築ブロックとして用いることが特に有利である。
この方法は、1種の芳香族ジニトリル(例えばフッ素化アルコキシフタロニトリル)構築ブロック(1つの式)を用いるステップを含み得;あるいは、この方法は、異なる式の2種以上の芳香族ジニトリル(例えばフッ素化アルコキシフタロニトリル)を用いるステップを含み得る。この方法は単一種のチオフェン構築ブロックを用いるステップを含み得;あるいは、この方法は、2,3−ジシアナトチオフェンおよび3,4−ジシアナトチオフェンの混合物を含む、異なる式の2種以上のチオフェン構築ブロックを用いるステップを含み得る。
本発明の化合物を製造するための芳香族ジニトリルは、以下の式:

のいずれかの好適な置換芳香族ジニトリルから選択され得、式中、RおよびRは、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。特に、芳香族ジニトリルは、とりわけアルコキシフタロニトリル、アミノフタロニトリル、アミノ−アルコキシフタロニトリル、フッ素化フタロニトリル、フッ素化アルコキシフタロニトリル、または、アルコキシナフトハロジニトリル、フッ素化ナフトハロジニトリルもしくはフッ素化アルコキシナフトハロジニトリルなどの任意により置換されているナフトハロジニトリルを含む、好適に置換されたフタロニトリルおよびナフトハロジニトリルから選択され得る。
好適なアルコキシフタロニトリルは、例えば、以下の式(A)の化合物:

から選択され得、式中、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。R’は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フェニルなどの任意によりフッ素化されているアルキルまたはアリール基、および、−CF、−Cまたはヘキサフルオロイソプロピル(−CH(CF)などのこれらの対応する過フッ素化基から選択され得る。
好適なアミノフタロニトリルは、以下の式(B)の化合物:

から選択され得、式中、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。R’は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルおよびフェニル基などのアルキルおよびアリール基から選択され得る。アミノフタロニトリルは、好ましくは4−置換フタロニトリルおよび4,5−置換フタロニトリルである。
以下の式(C)のアミノ−アルコキシフタロニトリルもまた本方法において好適に用いられ得:

式中、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有し、より好ましくは、−OR’基に係る式(A)の化合物およびNR’基に係る式(B)の化合物について定義されているものと同一の意味を有する。
好適なフッ素化フタロニトリルおよびフッ素化アルコキシフタロニトリルは:

好ましくは(D)、(E)、(G)、(H)および(J)からなる群から選択され得る。
好適なアルコキシナフトハロジニトリルは、例えば以下の式(M)の化合物であり:

式中、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。R’は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フェニルなどの任意によりフッ素化されているアルキルまたはアリール基および−CF、−C、ヘプタフルオロイソプロピル(−CF(CF)またはヘキサフルオロイソプロピル(−CH(CF)などのこれらの対応する過フッ素化基から、より好ましくはメチル、エチル、t−ブチル、フェニル、ヘプタフルオロイソプロピル(−CF(CF)およびヘキサフルオロイソプロピル(−CH(CF)基から、最も好ましくはメチル、ヘプタフルオロイソプロピル(−CF(CF)およびヘキサフルオロイソプロピル(−CH(CF)基から選択され得る。
好適なフッ素化アルコキシナフトハロジニトリルは、例えば、以下の式:

の化合物であり、式中、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。R’は、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、フェニルなどの任意によりフッ素化されているアルキルまたはアリール基および−CF、−C、ヘプタフルオロイソプロピル(−CF(CF)またはヘキサフルオロイソプロピル(−CH(CF)などのこれらの対応する過フッ素化基から、より好ましくはメチル、エチル、t−ブチル、フェニル、ヘプタフルオロイソプロピル(−CF(CF)およびヘキサフルオロイソプロピル(−CH(CF)基から、最も好ましくは、メチル、ヘプタフルオロイソプロピル(−CF(CF)およびヘキサフルオロイソプロピル(−CH(CF)基から選択され得る。
好適なフッ素化ナフトハロジニトリルは、例えば以下の式:

の化合物である。
好適なアリールオキシフタロニトリルは、例えば以下の式:

の化合物である。
好適なアリールオキシナフタロニトリルは、例えば以下の式:

の化合物である。
好適なアルキルチオフタロニトリルは、例えば以下の式:

の化合物であり、式中、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。
好適なアルキルチオナフタロニトリルは、例えば以下の式:

の化合物であり、式中、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。
式(A)のアルコキシフタロニトリルは、市販されている2,3−ジシアノヒドロキノンから出発して、以下のとおり調製され得る。
式(B)のアミノフタロニトリルは、市販されている3−ニトロまたは4−ニトロフタロニトリルから出発して、以下のとおり調製され得る。
式(C)のアミノ−アルコキシフタロニトリルは、例えば、1,2−ジブロモ−3−メトキシ−5−ニトロベンゼンとCuCNとを反応させて3−メトキシ−5−ニトロフタロニトリルを形成し、次いで、これを、第二級アミンで処理して3−メトキシ−5−ジアルキルアミノフタロニトリルを得ることにより調製され得る。
式(D)のフッ素化アルコキシフタロニトリルは、以下のとおり調製され得る。
式(E)のフッ素化アルコキシフタロニトリルは以下のとおり調製され得:

式中、CDFAはクロロジフルオロ酢酸を意味し、式中、CDFA誘導体は例えば酸塩化物誘導体である。
式(G)のフッ素化アルコキシフタロニトリルは以下のとおり調製され得:

式中、DMSOはジメチルスルホキシドを意味する。
式(H)のフッ素化アルコキシフタロニトリルは以下のとおり調製され得る。
式(J)のフッ素化アルコキシフタロニトリルは以下のとおり調製され得:

式中、Red.は例えばHといった還元剤を意味し、式中、CDFAはクロロジフルオロ酢酸を意味し、式中、CDFA誘導体は、例えば酸塩化物誘導体である。
式(L)のフッ素化フタロニトリルは、市販されているテトラフルオロフタロニトリルから出発して、以下のとおり調製され得る。
この反応は、例えば約−78℃といった低温で実施されることが好ましい。
式(M)のアルコキシナフトハロジニトリルは、市販されている2,3−ジシアノナフタレン−1,4−ジオールから出発して、以下のとおり調製され得る。
このような反応は、典型的には、塩基の存在下に実施される。式(M)のアルコキシナフトハロジニトリルはまた、ナフトキノン前駆体をヘキサフルオロイソプロパノールで、乾燥条件下(例えば、SOまたはPで)で転換させることにより、または、ナフトキノン前駆体を2当量のヘキサフルオロプロピレンで、直接的にラジカル反応条件下(例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)または光の存在下に)で転換させることにより調製され得る。
式(N)のフッ素化アルコキシナフトハロジニトリルは以下のとおり調製され得る。
式(Q)および(T)のフッ素化ナフトハロジニトリルは以下のとおり調製され得る。
これらの反応は、例えば約−78℃といった低温で実施されることが好ましい。
式(U)のアリールオキシフタロニトリルは以下のとおり調製され得:

式中、Tsはトシル基を表していると理解される。
式(V)のアリールオキシフタロニトリルは以下のとおり調製され得る。
式(W)のアリールオキシナフタロニトリルは以下のとおり調製され得:

式中、Tsはトシル基を表していると理解され、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。
式(X)のアルキルチオフタロニトリルが以下のとおり調製され得:

式中、Tsはトシル基を表していると理解され、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。
式(Y)のアルキルチオナフタロニトリルは以下のとおり調製され得:

式中、Tsはトシル基を表していると理解され、R’は、式(X)の化合物について上記に定義されているものと同一の意味を有する。
本発明の化合物の調製方法において用いられるチオフェン構築ブロックは、以下の2,3−ジシアナトチオフェン化合物からなる群から選択され得る。
本発明はまた、上記の式(1)〜式(9)の2,3−ジシアナトチオフェン化合物に関する。
本発明の化合物を調製するための方法において用いられるチオフェン構築ブロックは、通常は、以下の前駆体から調製される。
調製方法において用いられるチオフェンはフッ素化チオフェンであり得る。これは、式(1)、(3)、(4)、(5)または(6)のフッ素化チオフェンからなる群から選択され得る。また、これは、式(8)または(9)のフッ素化チオフェンであり得る。
チオフェンは、式(1)または(2)の「F−無含有」チオフェンであり得る。
式(1)または(2)の「F−無含有」2,3−ジシアナトチオフェンは、以下のステップを含む方法によって、前駆体(A’)を介して調製され得る。
式(1)または(2)の「F−無含有」2,3−ジシアナトチオフェンはまた、以下のステップを含む方法により、前駆体(A’)の保護形体を介して調製され得る。
4,5−ジブロモチオフェン−2−カルバルデヒドとCuCNとの間の第1の反応は、例えばDMFまたはピリジンなどの極性非プロトン溶剤中に実施され得る。
チオフェンは、式(3)または(4)の「CF」フッ素化チオフェンであり得る。式(3)または(4)のフッ素化チオフェンは、例えば以下のとおり、チオフェン前駆体(B’)を採用するプロセスによって調製され得る。
チオフェン前駆体(B’)は、以下のステップを含むプロセスによって調製され得る。
チオフェンは、式(5)または(6)のペンタフルオロチオフェンであり得る。式(5)または(6)のペンタフルオロチオフェンは、チオフェン前駆体(C’)を採用するプロセスにより調製され得る。
このプロセスは、フッ素化チオフェン前駆体(C’)を調製するステップ、および/または、式(5)のフッ素化チオフェンもしくは(6)のフッ素化チオフェンのいずれかをフッ素化チオフェン前駆体(C’)から以下の通り形成するステップを含んでいてもよい。
式(7)、(8)または(9)のジシアナトチオフェンは、以下のステップを含む方法により、前駆体(A’)の保護形体から調製され得る。
式CF−CO−CH=CH−SHの化合物は、例えば、エトキシ−4,4,4−トリフルオロ−3−ブテン−2−オン(ETFBO、CF−CO−CH=CH−OEt)と、HSまたはNaSとを反応させることにより調製され得る。
第1の実施形態によれば、チオフェン構築ブロックと芳香族ジニトリル構築ブロックとを、任意によりMの金属塩または誘導体の存在下で反応させて、統計的環化四量化反応により本発明の化合物を形成することが可能である。このような反応は、典型的には、芳香族ジニトリル構築ブロックとチオフェン構築ブロックとを約3:1のモル比で反応させることにより行われる。
第2の実施形態によれば、先ず、芳香族ジニトリル構築ブロックとチオフェン構築ブロックの前駆体とを、Mの金属塩または誘導体の存在下において、統計的環化四量化反応により反応させて、さらに、得られた化合物を反応させて本発明の化合物を形成することが可能である。このような第2の実施形態において、反応は、典型的には、芳香族ジニトリル構築ブロックとチオフェン構築ブロックの前駆体とを約3:1のモル比で、任意によりMの金属塩または誘導体の存在下で反応させることにより行われる。前記第2の実施形態において、チオフェン構築ブロックの前駆体は、例えば、上記のとおり前駆体(A’)、(B’)もしくは(C’)から、または、アルデヒド基がアセタール基によって保護されている対応する化合物から選択され得る。前駆体(A’)に対応する化合物の一例が以下に示されている。
このような保護された前駆体化合物は、例えば、式(A’)の前駆体化合物とエチレングリコール(HOCH−CHOH)とを反応させることにより調製され得る。このような保護された前駆体が用いられる場合、保護基は、対応するアルデヒド基を得るために除去される。アルデヒド基は、次いで、例えばCFCHCOH、CFCOCOHまたはNCCHCOHとの反応により、必要とされる官能基(すなわち、−CH=C(CF)(COH)または−CH=C(CN)(COH))に変換され得る。
本発明の方法において、Mの金属塩または誘導体は、例えば、酢酸亜鉛などのZn塩、酸化マグネシウム、塩化アルミニウムもしくは臭化アルミニウムなどのアルミニウム誘導体、テトラクロロシランなどのシリコン誘導体、または、二塩化錫(TiCl)などのハロゲン化錫(SnHal)であり得る。
本発明の化合物は、さらに、例えばカラムクロマトグラフィーにより、好ましくは高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)により単離され得る。
本発明の好ましい実施形態が図示および記載されているが、本発明の趣旨または教示から逸脱することなく当業者によるその変更が可能である。本明細書に記載の実施形態は単なる例示であり、限定的ではない。システムおよび方法の多くの変形および変更が可能であり、これらも本発明の範囲内である。従って、本明細書に記載の実施形態に保護範囲が限定されることはなく、以下の特許請求の範囲によってのみ限定され、その範囲には特許請求の範囲の主題のすべての均等物が含まれるものとする。
参照により本明細書において援用されている特許、特許出願および公報のいずれかの開示が用語を不明確とし得る程度に本出願の記載と抵触する場合、本記載が優先されるべきである。
図1は、実施例における化合物ZnPc1〜7に係るHOMO/LUMOの算出レベルを示す。
HOMO/LUMO計算
HOMO/LUMO計算を、プログラムHyperchem,Release 4.5,PM3法、勾配10exp−3、次の最低RHFを用いて行った。
図1に、以下の化合物に係るHOMO/LUMO算出レベルがまとめられている:
−ZnPc1:未置換亜鉛フタロシアニン;
−ZnPc2:式(X)の化合物(式中、R1=R3=R4=HおよびR2=CN);
−ZnPc3:式(X)の化合物(式中、R1=R3=R4=HおよびR2=CF);
−ZnPc4:化合物IaとR1=H(すなわち式(X)の化合物(式中、R1=R4=H、R2=CNおよびR3=OCH));
−ZnPc5:化合物VaとR1=H(すなわち式(X)の化合物(式中、R1=R4=H、R2=CFおよびR3=OCH));
−ZnPc6:化合物VIaとR1=H(すなわち式(X)の化合物(式中、R1=R4=H、R2=CFおよびR3=OCF));
−ZnPc7:化合物XIIIaとR1=H(すなわち式(X)の化合物(式中、R1=H、R2=CN;R3=FおよびR4=CF(CF))。
これらの計算は、未置換亜鉛フタロシアニン(ZnPc1)と比して、シアノ−またはトリフルオロメチルアクリレート基に結合するチオフェン単位を有するZnPc2およびZnPc3のHOMO/LUMOレベルは、より低エネルギー側にシフトしていることを示す。ZnPc4およびZnPc5における3つのベンゼン単位でのメトキシ基のさらなる導入は、HOMO/LUMOエネルギーレベルを上方にシフトする。ZnPc6およびZnPc7におけるフッ素化残渣のさらなる導入は、HOMO/LUMOエネルギーレベルを再度下方にシフトする。
ZnPc1、ZnPc4およびZnPc5の場合、LUMOレベルは、二酸化チタン(TiO)の伝導帯レベルよりも上である。他のZnPcの場合、LUMOレベルは、二酸化チタン(TiO2)の伝導帯レベルより下である。TiOと比して低い伝導帯レベルを有する酸化二フッ化チタン(TiOF)を用いることにより、励起状態のZnPc2、ZnPc3、ZnPc6およびZnPc7電子をこの半導体に輸送することが可能である。
吸収領域
フタロシアニンの最長吸収波長(Qバンド)はλ=670〜700nmで、ナフタロシアニンでは760〜780nmで見られる。アルコキシ基などの置換基を導入することにより、フタロシアニンの最長吸収波長は、約750nmにシフトし、ナフタロシアニンでは約860nmにシフトし、>10L mol−1cm−1の吸光係数となる。本特許中に記載のフタロシアニンおよびナフタロシアニンは、置換基の種類に応じて、それぞれ、>10L mol−1cm−1の吸光係数で、700〜750nmまたは790〜860nmで吸収を示す。

Claims (15)

  1. 以下の式(X):

    (式中:
    ・Mは、2H(金属非含有類似体)、亜鉛(Zn(II))、マグネシウム(Mg(II))、Al(III)X、Si(IV)X、Sn(IV)Xであって、ここで、Xは、ハロゲン化物、OHおよびORから選択され、ここでRはアルキルまたはアリール基であり;
    ・Rは、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されたアルキル基またはHであり;
    ・Rは、−CN、−COOH、または、少なくとも1個のハロゲン原子によって置換されたアルキル基であり;
    ・Rは、H、F、−C2n+1、−OR’および−NR’から独立して選択され;ならびに
    ・Rは、H、F、−C2n+1、−OR’、−NR’から、および、前記大環構造の外方芳香族環に隣接して任意により置換されている芳香族環を形成する基から独立して選択され;
    ここで、R’は、H、または、任意によりフッ素化されているアルキルもしくはアリール基から独立して選択される)
    を有する大環構造中の要素Mを含む化合物。
  2. が、H、−CHF、−CHF、−CF、−CFClおよび−Cから;特に、H、−CFおよび−Cから選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. が、−CN、−COOH、−CHF、−CHF、−CF、−CFClおよび−Cから、特に−CNおよび−CFから選択される、請求項1または2に記載の化合物。
  4. が同一であるかまたは異なり、特に同一であり、ならびに、H、F、−C2n+1、−OR’および−NR から、好ましくは、−C2n+1、−OC2n+1および−OC2n+1から、より好ましくは

    、−OCH、−OCF、−OCF(CF)および−OCH(CFから選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載。
  5. 基が、隣接するR基が、好ましくはC6芳香族環である前記大環構造の前記外方芳香族環に隣接して任意により置換されている芳香族環を形成するようなものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
  6. 2H(金属非含有類似体)、亜鉛(Zn(II))、マグネシウム(Mg(II))、Al(III)X、Si(IV)X、Sn(IV)Xから選択される要素Mを含む大環構造を有する化合物であって、式中、Xはハロゲン化物、OHおよびORから選択され、ここで、Rは、アルキルまたはアリール基であり、前記構造は:













    から、好ましくは構造I、II、V、VI、XおよびXIIからなる群から選択される化合物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物が、特に色素増感型太陽電池といった光電変換素子における使用に好適な色素である化合物。
  8. アルコキシフタロニトリル、アミノフタロニトリル、アミノ−アルコキシフタロニトリル、フッ素化フタロニトリル、フッ素化アルコキシフタロニトリル、任意により置換されているナフトハロジニトリル、アリールオキシフタロニトリル、アリールオキシナフタロニトリル、アルキルチオフタロニトリルまたはアルキルチオナフタロニトリルなどの少なくとも1種の芳香族ジニトリル、および、少なくとも1種のチオフェンを前記大環構造のための構築ブロックとして利用するステップを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物の製造方法。
  9. M含有前駆体、好ましくはMの金属塩もしくは誘導体、より好ましくは酢酸亜鉛、酸化マグネシウムなどのZn塩、塩化アルミニウムもしくは臭化アルミニウムなどのアルミニウム誘導体、テトラクロロシランなどのシリコン誘導体、または、二塩化錫(TiCl)などのハロゲン化錫(SnHal)を利用するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記芳香族ジニトリル構築ブロックが:



    (式中、R’は、H、または、任意によりフッ素化されているアルキルもしくはアリール基から選択される)
    からなる群から選択される、請求項8または9に記載の方法。
  11. 前記チオフェン構築ブロックが:

    からなる群から選択される、請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記少なくとも1種の芳香族ジニトリル構築ブロックが、統計的環化四量化反応において、前記少なくとも1種のチオフェン構築ブロックと約3:1のモル比で、任意によりMの金属塩または誘導体の存在下で反応される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記少なくとも1種の芳香族ジニトリル構築ブロックが、統計的環化四量化反応において、前記少なくとも1種のチオフェン構築ブロックの前駆体と約3:1のモル比で、任意によりMの金属塩または誘導体の存在下で反応され、ここで、前記チオフェン構築ブロックの前記前駆体は:

    から、または、対応する化合物からなる群から選択され、ここで、前記アルデヒド基は、アセタール基によって保護される、請求項8〜11のいずれか一項に記載の方法。
  14. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物を色素として含む色素増感型太陽電池。
  15. 少なくとも請求項1〜6のいずれか一項に記載のフッ素化化合物を色素として、および、少なくともTiOFを半導体として含む色素増感型太陽電池。
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