JP2014508742A - ジアゼニウムジオレート誘導体 - Google Patents
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Abstract
高血圧、肺動脈高血圧、鬱血性心不全、過度の水保持によりもたらされる病態、心血管疾患、糖尿病、酸化的ストレス、内皮機能不全、肝硬変、子癇前症、骨粗しょう症または腎臓症の治療に有用な、構造(I)を有する化合物。
【化1】
【化1】
Description
国際公開WO09103875号パンフレットは、高血圧および心血管疾患の治療のための、特定の式のジアゼニウムジオレートジヒドロインドール誘導体を記載している。国際公開WO07144512号パンフレットは、高血圧および心血管疾患の治療のための、特定の式のジアゼニウムジオレートテトラゾール−ビフェニル誘導体を記載している。米国特許出願公開US2005137191号明細書は、加齢、敗血症性ショック、潰瘍、胃炎、潰瘍性大腸炎およびクローン病に伴う組織および/または細胞の損傷の予防または軽減に有用な硝酸エステル化合物、例えば1,2−ジクロロ−4−(2−メチル−ブチルジスルファニル)−ベンゼンを記載している。米国特許出願公開US2005065194号明細書は、内皮遺伝子分化受容体モジュレーター、例えばl−(2−エトキシフェニル)−3−(ヒドロキシフェニルアミノ)−ピロリジン−2,5−ジオンの、受容体介在生物活性、例えば卵巣がんおよびがんの他の形態につながる、リゾホスファチジン酸により刺激される細胞増殖を調節するための、および、がん、心血管疾患、虚血およびアテローム性動脈硬化などの病態を治療するための使用を記載している。国際公開WO9746521号パンフレットは、神経学的病態、特にパーキンソン病、アルツハイマー病およびハンチントン病の治療に有用な脂肪族硝酸エステルを記載している。国際公開WO2009/0094242号パンフレットは、1−(N−tert−ブチルメチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレートを含む化合物とともに調製されるアンジオテンシンII受容体拮抗薬を記載している。Saavedra,et al.,J.Med.Chem.,1996,39,4361−4365は、抗血栓作用および血管拡張作用を酸化窒素供与体を用いて局在化させる方法を記載している。
ジアゼニウムジオレートは、脈波分析を用いたラジアルトノメトリ法により、間接的および非侵襲的に得られた中枢血圧の構成要素に対して有意な効果を有するが、特定の生理的状態下で、ジアゼニウムジオレートが副産物として少量の対応するN−ニトロソアミンを放出することが知られている。
本発明は、抗高血圧剤として有用な、新規なジアゼニウムジオレート誘導体に関する。
Saavedra,et al.,J.Med.Chem.,1996,39,4361−4365
本発明は、ジアゼニウムジオレート誘導体を含み、これらの形態の様々な医薬的に許容される塩および水和物、ならびにジアゼニウムジオレート誘導体を含む医薬製剤を含む。該誘導体は、高血圧の治療のための血管拡張剤として、さらにこのような化合物の成分として有用である。該化合物は、発がん性N−ニトロソアミンを形成することなく一酸化窒素を放出することにより、高血圧を有利に調節する。
本発明は、以下のような病態を有するまたは以下のような病態を有するリスクのある患者に本発明の化合物を投与するステップを含む、高血圧、肺動脈高血圧、鬱血性心不全、過度の水保持によりもたらされる病態、心血管疾患、糖尿病、酸化的ストレス、内皮機能不全、肝硬変、子癇前症、骨粗しょう症または腎臓症を治療する方法もまた含む。
(式中、
M+は、医薬的に許容される陽イオンであり、
R1、R2およびR3は、独立して−C1−6アルキルであり、そして
R4は、−C1−6アルキル、−CH2CH=CH2、アリール、C3−8の炭素環、ヘテロアリールまたは複素環であり、
ここで、アルキルは非置換であるかまたは任意の炭素原子において−OH、アリール、C3−8の炭素環、ヘテロアリールまたは複素環により独立して置換されており、そしてここで、
R1、R2およびR3が−CH3である場合、R4は−CH3または−CH2CH3ではない)、の化合物である。
一実施形態において、
R1、R2およびR3は独立して−C1−6アルキルであり、そして
R4は、−C1−6アルキルまたは−CH2CH=CH2であり、
ここで、アルキルは非置換であるかまたは任意の炭素原子において−OHもしくは−C6H5により独立して置換されており、そしてここで、
R1、R2およびR3が−CH3である場合、R4は−CH3または−CH2CH3ではない。
R1、R2およびR3は独立して−C1−6アルキルであり、そして
R4は、−C1−6アルキルまたは−CH2CH=CH2であり、
ここで、アルキルは非置換であるかまたは任意の炭素原子において−OHもしくは−C6H5により独立して置換されており、そしてここで、
R1、R2およびR3が−CH3である場合、R4は−CH3または−CH2CH3ではない。
である。
別の実施形態において、R4は、−OHまたは−C6H5で置換されたC1−2アルキルである。
別の実施形態において、R4は非置換のC3−6アルキルである。
別の実施形態において、R4は、−CH2C6H5、−CH2CH2C6H5、−CH2CH2OH、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH3、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH2CH(CH3)2または−CH2CH2C(CH3)3である。
別の実施形態において、該化合物は、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−プロピルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−アリルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ブチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウムl−[N−tert−ブチル−N−(3’−メチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、または
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−フェニルエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレートである。
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−プロピルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−アリルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ブチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウムl−[N−tert−ブチル−N−(3’−メチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、または
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−フェニルエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレートである。
別の実施形態において、陽イオンはナトリウムまたはカリウムである。
別の実施形態において、陽イオンはナトリウムである。
(式中、
M+は、医薬的に許容される陽イオンであり、
R1、R2およびR3は、独立して−C1−6アルキルであり、そして
R4は、−C1−6アルキルまたは−CH2CH=CH2であり、
ここで、アルキルは、非置換であるかまたは−OHもしくは−C6H5で置換されている)の化合物、および医薬的に許容されるこれらの塩、を患者に投与するステップを含む、患者において高血圧を治療する方法である。
である。
本方法の別の実施形態において、R4は、−OHまたは−C6H5で置換されたC1−2アルキルである。
本方法の別の実施形態において、R4は非置換のC3−6アルキルである。
本方法の別の実施形態において、R4は、−CH2C6H5、−CH2CH2C6H5、−CH2CH2OH、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH3、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH2CH(CH3)2または−CH2CH2C(CH3)3である。
本方法の別の実施形態において、該化合物は、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−プロピルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−アリルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ブチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’−メチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、または
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−フェニルエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、である。
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−プロピルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−アリルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ブチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’−メチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、または
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−フェニルエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、である。
別の実施形態において、陽イオンはナトリウムまたはカリウムである。
別の実施形態において、陽イオンはナトリウムである。
本発明の化合物は、高血圧の治療、狭心症の治療、インスリン感受性の改善および腎臓保護の提供に使用できる。この化合物は、単独でまたは他の抗高血圧剤、例えばアンジオテンシンII受容体ブロッカー、利尿薬、ACE阻害剤、βブロッカーおよびカルシウムチャネルブロッカーとの併用(例えば、別々にしかし同時投与で、または固定用量で投与)で使用できる。
医薬的に許容される塩には、非毒性の塩、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などの無機酸由来の塩、或いは、例えば無機または有機の酸もしくは塩基から形成される第4級アンモニウム塩を含む。酸付加塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、炭酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコへプタン酸塩、グルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、へプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩を含む。追加の特定の陰イオン塩には、アスコルビン酸塩、グルセプト酸塩、グルタミン酸塩、グルクロン酸塩、べシル酸塩、カプリル酸塩、イセチオン酸塩、ゲンチジン酸塩、マロン酸塩、ナプシル酸塩、エジシル酸塩、パモ酸塩、キシナホ酸塩およびナパジシル酸塩を含む。
塩基塩には、アンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N−メチル−D−グルカミンなどの有機塩基との塩、およびアルギニン、リジンなどのアミノ酸との塩などを含む。さらに、塩基性窒素含有基は、低級ハロゲン化アルキルなどの薬剤、例えばメチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物、ジアルキル硫酸塩、例えばジメチル、ジエチル、ジブチル;およびジアミル硫酸塩、長鎖ハロゲン化物、例えばデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物、ハロゲン化アラルキル、例えばベンジルおよびフェネチルの臭化物などを用いて四級化できる。追加の特定の陽イオン塩には、トロメタミン、ベンザチン、ベネタミン、ジエチルアンモニウム、エポラミン、ヒドラバミンを含む。本発明の一実施形態において、塩はナトリウム塩である。
本発明の化合物が1つの不斉中心を含有する場合、「立体異性体」という用語には、エナンチオマーおよびエナンチオマーの混合物、例えばラセミ混合物と称される特定の50:50混合物の両方を含む。本発明の化合物は、複数の不斉中心を含んでもよく、複数の立体異性体を提供する。本発明は、すべての立体異性体およびこれらの混合物を含む。特に明記しない限り、1つの立体異性体に対する言及は、任意の可能な立体異性体に適用される。立体異性体の構成が特に明記されなくても、すべての可能な立体異性体が含まれる。使用してある場合、構造マーク「*」は不斉中心である炭素原子の位置を示す。不斉炭素に対する結合が直線で表される場合、不斉炭素の(R)および(S)配置の両方、したがって、エナンチオマーおよびこれらの混合物の両方を表していると理解すべきである。
本明細書に記載の化合物のいくつかは、互変異性体として存在してもよい。個々の互変異性体およびこれらの混合物は、記載の化合物に包含される。
特に明記された場合を除いて、本明細書において使用する場合、「アルキル」は、特定の数の炭素原子を有する、分枝型および直鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される。アルキル基に関して一般的に使用される略称が本明細書を通して使用され、例えばメチルは、「Me」もしくはCH3または末端基として結合の伸長である記号、例えば
を含む従来の略称により表すことができ、エチルは「Et」またはCH2CH3で表すことができ、プロピルは「Pr」またはCH2CH2CH3で表すことができ、ブチルは「Bu」またはCH2CH2CH2CH3で表すことができる。例えば、「C1−4アルキル」(または「C1−C4アルキル」)は、特定の数の炭素原子を有する、すべての異性体を含む直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味する。C1−4アルキルには、n−、イソ−、sec−およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルおよびメチルを含む。特に数が特定されていない場合、1−4個の炭素原子が直鎖または分枝のアルキル基に対して意図される。
「アルキレン」という用語は、特定の範囲の炭素原子数を有する、任意の2価の直鎖または分枝型の脂肪族炭化水素基を指す。したがって、例えば、「−C1−C6アルキレン−」は、C1からC6の直鎖または分枝型のアルキレンのいずれかを指し、「−C1−C4アルキレン−」はC1からC4の直鎖または分枝型のアルキレンのいずれかを指す。本発明に関する特に対象となるアルキレンのクラスは−(CH2)1−6−であり、特に対象となるサブクラスは、−(CH2)1−4−、−(CH2)1−3、−(CH2)l−2−および−CH2−である。別の対象となるサブクラスは、−CH2−、−CH(CH3)−および−C(CH3)2−からなる群から選択されるアルキレンである。「C1−C4アルキレン−フェニル」および「フェニルにより置換されたC1−C4アルキル」などの表現は、同じ意味を有し、互換的に使用される。
アルキル基およびアルキレン基は、非置換であっても、または、任意の1以上の炭素原子において、1から3の置換基、すなわちハロゲン、C1−C20アルキル、CF3、NH2、−NH(C1−C6アルキル)、−N(C1−C6アルキル)2、NO2、オキソ、CN、N3、−OH、−OC(O)C1−C6アルキル、−O(C1−C6アルキル)、C3−C10シクロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、(C1−C6アルキル)S(O)0−2−、HS(O)0−2−、(C1−C6アルキル)S(O)0−2(C1−C6アルキル)−、HS(O)0−2(C1−C6アルキル)−、(C0−C6アルキル)C(O)NH−、H2N−C(NH)−、−O(C1−C6アルキル)CF3、HC(O)−、(C1−C6アルキル)C(O)−、HOC(O)−、(C1−C6アルキル)OC(O)−、HO(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)O(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)C(O)1−2(C1−C6アルキル)−、HC(O)1−2(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)C(O)1−2−、HOC(O)NH−、(C1−C6アルキル)OC(O)NH−、アリール、アラルキル、複素環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール,シアノ−アラルキル、シアノ−複素環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルにより、このような置換が安定な化合物の形成をもたらす場合、置換されていてよい。
「アリール」という用語は、単独または組み合わせて、フェニル、ナフチルまたはインダニル基、好ましくはフェニル基を指す。略称「Ph」はフェニルを表す。
本明細書において使用する場合、「炭素環」という用語(およびこれらの変形、例えば、「炭素環の」または「カルボシクリル」)という用語は、特に明記しない限り、C3からC8の単環式の飽和または不飽和の環を指す。炭素環は、その他の分子の任意の炭素原子において結合してよく、安定な化合物をもたらす。飽和炭素環は、シクロアルキル環、例えば、シクロプロピル、シクロブチルなどとも称される。
「ヘテロアリール」という用語は、特定の原子の員数(例えば、5員または6員)を有し、特定の数のヘテロ原子(N、OまたはSから独立して選択される、1、2、3または4のヘテロ原子)を含む不飽和の環を指し、例えば、1つの窒素原子(ピロール)、1つの酸素原子(ピラン)または1つのイオウ原子(チオフェン)を含有する5員環、1つの窒素原子および1つのイオウ原子(チアゾール)原子を含有する5員環、1つの窒素原子および1つの酸素原子(オキサゾールまたはイソオキサゾール)を含有する5員環、2つの窒素原子(イミダゾールまたはピラゾール)を含有する5員環、3つの窒素原子を含有する5員芳香環、1つの酸素原子、1つの窒素原子または1つのイオウ原子を含有する5員芳香環、酸素、窒素またはイオウから独立して選択される2つのヘテロ原子を含有する5員芳香環、1つの窒素原子(ピリジン)または1つの酸素原子(フラン)を含有する6員環、2つの窒素原子を含有する6員環(ピラジン、ピリミジンまたはピリダジン)、3つの窒素原子を含有する6員環(トリアジン)、テトラゾリル環、チアジニル環またはクマリニルを指す。このような環系の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、ピリジニル、ピリミジニル、インドリル、イミダゾリル、トリアジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピラゾリル、オキサゾリルおよびイソオキサゾリルである。
「複素環」および「複素環の(heterocyclic)」は、特定の原子員数および特定の数のヘテロ原子を有し、全体の環系(単環式または多環式のいずれであっても)が飽和している飽和環を指し、例えば、炭素原子およびN、OおよびSから選択される1以上のヘテロ原子からなる4から8員の飽和単環または安定な7から12員の二環系、N、OまたはSである1または2個のヘテロ原子を有する5−または6員複素環などを指す。代表例には、ピペリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニルおよびテトラヒドロフリル(またはテトラヒドロフラニル)を含む。
アリール基および炭素環は、非置換であってもよく、または1、2もしくは3の置換基により任意の1以上の炭素原子において、ハロゲン、C1−C20アルキル、CF3、NH2、−NH(C1−C6アルキル)、−N(C1−C6アルキル)2、NO2、オキソ、CN、N3、−OH、−O(C1−C6アルキル)、C3−C10シクロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、HS(O)0−2−、(C1−C6アルキル)S(O)0−2−、(C1−C6アルキル)S(O)0−2(C1−C6アルキル)−、HS(O)0−2(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)S(O)0−2、(C1−C6アルキル)C(O)NH−、HC(O)NH−、H2N−C(NH)−、−O(C1−C6アルキル)CF3、(C1−C6アルキル)C(O)−、HC(O)−、(C1−C6アルキル)OC(O)−、HOC(O)−、(C1−C6アルキル)O(C1−C6アルキル)−、HO(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)C(O)1−2(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)C(O)1−2−、HC(O)1−2(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)OC(O)NH−、HOC(O)NH−、アリール、アラルキル、複素環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール,シアノ−アラルキル、シアノ−複素環およびシアノ−ヘテロシクリルアルキルにより、このような置換が安定な化合物の形成をもたらす場合、置換されていてよい。
ヘテロアリール基および複素環は、非置換であってもよく、または1、2または3の置換基により任意の1以上の炭素原子において、ハロゲン、C1−C20アルキル、CF3、NH2、−NH(C1−C6アルキル)、−N(C1−C6アルキル)2、NO2、オキソ、CN、N3、−OH、−O(C1−C6アルキル)、C3−C10シクロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、(C1−C6アルキル)S(O)0−2−、HS(O)0−2−、(C1−C6アルキル)S(O)0−2(C1−C6アルキル)−、HS(O)0−2(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)S(O)0−2−、(C1−C6アルキル)C(O)NH−、HC(O)NH−、H2N−C(NH)−、−O(C1−C6アルキル)CF3、HC(O)−、(C1−C6アルキル)C(O)−、(C1−C6アルキル)OC(O)−、HOC(O)−、(C1−C6アルキル)O(C1−C6アルキル)−、HO(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)O−、(C1−C6アルキル)C(O)1−2(C1−C6アルキル)−、HC(O)1−2(C1−C6アルキル)−、(C1−C6アルキル)C(O)1−2、(C1−C6アルキル)OC(O)NH−、HOC(O)NH−、アリール、アラルキル、複素環、ヘテロシクリルアルキル、ハロ−アリール、ハロ−アラルキル、ハロ−複素環、ハロ−ヘテロシクリルアルキル、シアノ−アリール,シアノ−アラルキル、シアノ−複素環またはシアノ−ヘテロシクリルアルキルにより、このような置換が安定な化合物の形成をもたらす場合、置換されていてよく、または1もしくは2置換基により、任意の1以上の利用可能な窒素原子において、C1−C20アルキル、オキソ、C3−C10シクロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、アリール、−C(O)C1−6アルキル、−C(O)NHC1−C6アルキル、−C(O)NH2、−C1−C6アルキルC(O)NH2、−C1−C6アルキルOC(O)NH2により、独立してまたは追加で置換されてもよく、または1置換基により、任意の1以上のイオウ原子において、C1−C20アルキル、オキソ、C3−C10シクロアルキル、C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、アリールにより、このような置換が安定な化合物の形成をもたらす場合、独立してまたは追加で置換されていてよい。置換複素環は、環状尿素、例えば、イミダゾリジン−2−オンおよびテトラヒドロピリミジン−2(1H)−オンを含み、この環は、3つの連続する窒素、炭素および窒素原子を含有し、炭素原子がオキソ置換基により置換されている。
本発明の化合物は、以下のような病態を有するまたは以下のような病態を有するリスクのある患者に本発明の化合物を投与するステップを含む、高血圧、肺動脈高血圧、鬱血性心不全、狭心症、過度の水保持によりもたらされる病態、心血管疾患、糖尿病、酸化的ストレス、内皮機能不全、肝硬変、子癇前症、骨粗しょう症または腎臓症の治療に有用である。
本発明は、上記の疾患の治療および/または予防用の医薬の調製のための、本発明の化合物の使用にも関する。
本発明の上記の化合物は、
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(例えば、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(例えば、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルチプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリルまたはトランドラプリル)、中性エンドペプチターゼ阻害薬(例えば、チオルファンおよびホスホラミドン)、アルドステロン拮抗薬、レニン阻害薬(例えば、ジペプチドおよびトリペプチドの尿素誘導体(米国特許第5,116,835号明細書を参照されたい)、アミノ酸および誘導体(米国特許第5,095,119号明細書および同第5,104,869号明細書)、非ペプチド結合により連結されたアミノ酸鎖(米国特許第5,114,937号明細書)、ジペプチドおよびトリペプチド誘導体(米国特許第5,106,835号明細書)、ペプチジルアミノジオール(米国特許第5,063,208号明細書および同第4,845,079号明細書)ならびにペプチジルベータ−アミノアシルアミノジオールカルバマート(米国特許第5,089,471号明細書);さらに、以下の米国特許第5,071,837号明細書;同第5,064,965号明細書;同第5,063,207号明細書;同第5,036,054号明細書;同第5,036,053号明細書;同第5,034,512号明細書および同第4,894,437号明細書に記載の様々な他のペプチドアナログならびに低分子レニン阻害薬(ジオールスルホンアミドおよびスルフィニル(米国特許第5,098,924号明細書)、N−モルホリノ誘導体(米国特許第5,055,466号明細書)、N−複素環アルコール(米国特許第4,885,292号明細書)およびピロールイミダゾロン(pyrolimidazolones)(米国特許第5,075,451号明細書)を含む);さらに、ペプスタチン誘導体(米国特許第4,980,283号明細書)およびスタトン(statone)含有ペプチドのフルオロ誘導体およびクロロ誘導体(米国特許第5,066,643号明細書)、エナルキレン(enalkrein)、RO42−5892、A65317、CP80794、ES1005、ES8891、SQ34017、アリスキレン((2S,4S,5S,7S)−N−(2−カルバモイル−2−メチルプロピル)−5−アミノ−4−ヒドロキシ−2,7−ジイソプロピル−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]−オクタンアミドヘミフマラート)SPP600、SPP630およびSPP635)、エンドセリン受容体拮抗薬、血管拡張剤、カルシウムチャネルブロッカー(例えば、アムロジピン、ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ガロパミル、ニルジピン、ニモジピン、ニカルジピン)、カリウムチャネルアクチベーター(例えば、ニコランジル、ピナシジル、クロマカリム、ミノキシジル、アプリカリム(aprilkalim)、ロプラゾラム)、利尿薬(例えば、ヒドロクリリチアジド)、交感神経遮断薬(sympatholitics)、ベータアドレナリン遮断薬(例えば、プロプラノロール、アテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロールまたはメトプロロール酒石酸塩)、アルファアドレナリン遮断薬(例えば、ドキサゾシン(doxazocin)、プラゾシン(prazocin)またはアルファメチルドパ)、中枢性アルファアドレナリン作動薬、抹消血管拡張剤(例えば、ヒドララジン)、脂質低下薬(例えば、シンバスタチン、ロバスタチン、エゼチミブ(ezetamibe)、アトルバスタチン、プラバスタチン)、インスリン抵抗性改善薬を含む代謝改善薬(metabolic altering agents)、ならびに(i)PPARガンマ作動薬、例えば、グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾンなど)およびPPARアルファ/ガンマ二重作動薬、例えば、KRP−297、ムラグリタザール、ナベグリタザール、Galida、テサグリタザール、TAK−559、PPARアルファ作動薬、例えば、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびベザフィブラート)および(SPPARガンマMの)選択的PPARガンマモジュレーター、例えば国際公開WO02/060388号パンフレット、同WO02/08188号パンフレット、同WO2004/019869号パンフレット、同WO2004/020409号パンフレット、同WO2004/020408号パンフレットおよび同WO2004/066963号パンフレットに記載のものを含む他のPPARリガンド;(ii)ビグアニド、例えばメトホルミンおよびフェンホルミン、ならびに(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害薬、グリピジド、DPP−IV阻害薬、例えばシタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチンおよびサクサグリプチンを含む、ジペプチジルペプチダーゼ−IV酵素を阻害し、糖尿病の治療に有用である関連化合物、
を含む他の薬理活性化合物との併用、またはニトロプルシドおよびジアゾキシドを含む、上記の疾患の予防または治療に有益な他の薬剤との併用において有用である。このような併用は、2種以上の独立した活性成分、例えばアンジオテンシンII受容体拮抗薬および本発明の化合物を含有する単一の投薬製剤中に2種以上の活性成分を組み合わせることにより、または、2種以上の活性成分の同時であるが別々の投与により得ることができる。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(例えば、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン)、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(例えば、アラセプリル、ベナゼプリル、カプトプリル、セロナプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、エナラプリラート、フォシノプリル、イミダプリル、リシノプリル、モベルチプリル、ペリンドプリル、キナプリル、ラミプリル、スピラプリル、テモカプリルまたはトランドラプリル)、中性エンドペプチターゼ阻害薬(例えば、チオルファンおよびホスホラミドン)、アルドステロン拮抗薬、レニン阻害薬(例えば、ジペプチドおよびトリペプチドの尿素誘導体(米国特許第5,116,835号明細書を参照されたい)、アミノ酸および誘導体(米国特許第5,095,119号明細書および同第5,104,869号明細書)、非ペプチド結合により連結されたアミノ酸鎖(米国特許第5,114,937号明細書)、ジペプチドおよびトリペプチド誘導体(米国特許第5,106,835号明細書)、ペプチジルアミノジオール(米国特許第5,063,208号明細書および同第4,845,079号明細書)ならびにペプチジルベータ−アミノアシルアミノジオールカルバマート(米国特許第5,089,471号明細書);さらに、以下の米国特許第5,071,837号明細書;同第5,064,965号明細書;同第5,063,207号明細書;同第5,036,054号明細書;同第5,036,053号明細書;同第5,034,512号明細書および同第4,894,437号明細書に記載の様々な他のペプチドアナログならびに低分子レニン阻害薬(ジオールスルホンアミドおよびスルフィニル(米国特許第5,098,924号明細書)、N−モルホリノ誘導体(米国特許第5,055,466号明細書)、N−複素環アルコール(米国特許第4,885,292号明細書)およびピロールイミダゾロン(pyrolimidazolones)(米国特許第5,075,451号明細書)を含む);さらに、ペプスタチン誘導体(米国特許第4,980,283号明細書)およびスタトン(statone)含有ペプチドのフルオロ誘導体およびクロロ誘導体(米国特許第5,066,643号明細書)、エナルキレン(enalkrein)、RO42−5892、A65317、CP80794、ES1005、ES8891、SQ34017、アリスキレン((2S,4S,5S,7S)−N−(2−カルバモイル−2−メチルプロピル)−5−アミノ−4−ヒドロキシ−2,7−ジイソプロピル−8−[4−メトキシ−3−(3−メトキシプロポキシ)フェニル]−オクタンアミドヘミフマラート)SPP600、SPP630およびSPP635)、エンドセリン受容体拮抗薬、血管拡張剤、カルシウムチャネルブロッカー(例えば、アムロジピン、ニフェジピン、ベラパミル、ジルチアゼム、ガロパミル、ニルジピン、ニモジピン、ニカルジピン)、カリウムチャネルアクチベーター(例えば、ニコランジル、ピナシジル、クロマカリム、ミノキシジル、アプリカリム(aprilkalim)、ロプラゾラム)、利尿薬(例えば、ヒドロクリリチアジド)、交感神経遮断薬(sympatholitics)、ベータアドレナリン遮断薬(例えば、プロプラノロール、アテノロール、ビソプロロール、カルベジロール、メトプロロールまたはメトプロロール酒石酸塩)、アルファアドレナリン遮断薬(例えば、ドキサゾシン(doxazocin)、プラゾシン(prazocin)またはアルファメチルドパ)、中枢性アルファアドレナリン作動薬、抹消血管拡張剤(例えば、ヒドララジン)、脂質低下薬(例えば、シンバスタチン、ロバスタチン、エゼチミブ(ezetamibe)、アトルバスタチン、プラバスタチン)、インスリン抵抗性改善薬を含む代謝改善薬(metabolic altering agents)、ならびに(i)PPARガンマ作動薬、例えば、グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エングリタゾン、MCC−555、ロシグリタゾン、バラグリタゾンなど)およびPPARアルファ/ガンマ二重作動薬、例えば、KRP−297、ムラグリタザール、ナベグリタザール、Galida、テサグリタザール、TAK−559、PPARアルファ作動薬、例えば、フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブラート、フェノフィブラートおよびベザフィブラート)および(SPPARガンマMの)選択的PPARガンマモジュレーター、例えば国際公開WO02/060388号パンフレット、同WO02/08188号パンフレット、同WO2004/019869号パンフレット、同WO2004/020409号パンフレット、同WO2004/020408号パンフレットおよび同WO2004/066963号パンフレットに記載のものを含む他のPPARリガンド;(ii)ビグアニド、例えばメトホルミンおよびフェンホルミン、ならびに(iii)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害薬、グリピジド、DPP−IV阻害薬、例えばシタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチンおよびサクサグリプチンを含む、ジペプチジルペプチダーゼ−IV酵素を阻害し、糖尿病の治療に有用である関連化合物、
を含む他の薬理活性化合物との併用、またはニトロプルシドおよびジアゾキシドを含む、上記の疾患の予防または治療に有益な他の薬剤との併用において有用である。このような併用は、2種以上の独立した活性成分、例えばアンジオテンシンII受容体拮抗薬および本発明の化合物を含有する単一の投薬製剤中に2種以上の活性成分を組み合わせることにより、または、2種以上の活性成分の同時であるが別々の投与により得ることができる。
本発明の化合物を利用する投与レジメは、患者のタイプ、種、年齢、体重、性別および病態を含む様々な要因、治療すべき病態の重症度、投与経路、患者の腎機能および肝機能ならびに用いる具体的化合物またはこれらの塩に従って選択される。通常の知識を有する医師および獣医師は、病態の進行を予防、対抗または停止するために必要な薬剤の有効量を容易に決定でき、処方できる。
示された効果のために使用する場合、本発明の化合物の経口投与量は、0.0125mg/kg体重/日(mg/kg/日)から約7.5mg/kg/日、好ましくは0.0125mg/kg/日から3.75mg/kg/日、より好ましくは、0.3125mg/kg/日から1.875mg/kg/日の間の範囲である。例えば、80kgの患者は、約1mg/日および600mg/日の間、好ましくは1mg/日から300mg/日、より好ましくは25mg/日から150mg/日、さらに好ましくは5mg/日から100mg/日を与えられることになる。1日1回の投与用の適切に調製された医薬は、したがって、1mgおよび600mgの間、好ましくは1mgおよび300mgの間、より好ましくは25mgおよび300mgの間、例えば25mg、50mg、100mg、150、200、250および300mgを含有するものである。有利には、本発明の化合物は、1日あたり、2、3または4回に分けて投与することができる。1日2回の投与のためには、適切に調製された医薬は、0.5mgおよび300mgの間、好ましくは0.5mgおよび150mgの間、より好ましくは12.5mgおよび150mgの間、例えば、12.5mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mgおよび150mgを含有するものである。
本発明の化合物は、錠剤、カプセルおよび顆粒などの経口形態で投与できる。本発明の化合物は、典型的には、活性成分を、以下に説明するような適切な医薬結合剤と混合して通常投与される。%w/wは、全組成物と比べた、指定した組成物の構成成分の重量パーセントを表す。これらの剤形に使用するのに適切な賦形剤には、微結晶セルロース、ケイ化微結晶セルロース、二リン酸カルシウム、ラクトース、マンニトール、およびスターチ、好ましくは微結晶セルロース、二リン酸カルシウム、ラクトースおよびこれらの混合物を含む。適切な結合剤には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スターチ、ゼラチン、天然糖、例えばグルコースまたはベータ−ラクトース、コーン甘味料、天然および合成のゴム、例えばアカシアゴム、トラガカントゴムまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースおよびポリビニルピロリドンを含む。これらの剤形に使用する滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸などを含み、好ましくはステアリン酸マグネシウムである。適切なコーティング組成物には、例えばエチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロースおよびEudragit(登録商標)として商業上公知のアクリレートコポリマーなどの不溶性ポリマーの、水性分散液または有機溶液を含む。可塑剤には、クエン酸トリエチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジブチル、トリアセチンおよびヒマシ油を含む。付着防止剤(antitacking agents)には、タルク、カオリン、コロイド状シリカまたはこれらの混合物を含む。
一般的な合成方法
本発明の化合物の調製方法を、以下の実施例に記載する。出発物質および中間物質は、特に例示されない限り公知の手順により作製される。特に指定がない限り、上記のような変更が可能である。
本発明の化合物の調製方法を、以下の実施例に記載する。出発物質および中間物質は、特に例示されない限り公知の手順により作製される。特に指定がない限り、上記のような変更が可能である。
スキーム1は、ジアゼニウムジオレート塩1−1を、アミンから調製する方法を記載している。アミンを、適切な溶媒、例えばメタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリジノンに、一般式M+A−の塩基、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ペントキシドもしくはナトリウムトリメチルシラノラート、またはカリウムの同等物の存在下で溶解し、ここで、M+は、ナトリウムまたはカリウムを表す。次いで、反応混合物を、一酸化窒素の存在下で、長時間例えば24時間撹拌しジアゼニウムジオレート塩を得る。
スキーム2は、ジアゼニウムジオレート塩をアミンから調製する別の方法を記載している。アミンを、適切な溶媒、例えばメタノール、アセトニトリル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN−メチルピロリジノンに溶解する。次いで、反応混合物を、一酸化窒素の存在下で、長時間例えば24時間撹拌し、構造2−1のジアゼニウムジオレート塩を得る。金属対イオンが所望の場合、反応混合物を、一般式M+A−の塩基、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ペントキシドもしくはナトリウムトリメチルシラノラート、またはそれらのカリウムの等価物を用いて帯電させることができ、式中、M+は、ナトリウムまたはカリウムを表し、構造2−2のジアゼニウムジオレート塩を得る。
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−プロピルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート
N−tert−ブチル−N−プロピルアミン(1.88g、16.3mmol)のメタノール(2.5mL)溶液に、25重量%のナトリウムメトキシド(3.73mL、16.3mmol)のメタノール性溶液を加えた。この溶液を、25℃において一酸化窒素下(350psi)で24時間撹拌した。メタノールを真空下で除去し、ジエチルエーテルを加え、白い固体を沈殿させた。この固体をろ過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させ、表題の化合物を得た。1H NMR(500MHz,D20)δ2.95(t,J=7.2Hz,2H),1.25(六重線,J=7.4Hz,2H),1.15(s,9H),0.87(t,J=7.4Hz,3H)。
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−アリルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート
表題の化合物を、N−tert−ブチル−N−アリルアミンをN−tert−ブチル−N−プロピルアミンの代わりに使用して、実施例1に記載の手順に従って作製した。1H NMR(500MHz,D2O)δ5.75(ddt,J=17.2,10.1,6.7Hz,1H),5.23(dd,J=17.2,1.7Hz,1H),5.14(d,J=10.2Hz,1H),3.64(d,J=6.8Hz,2H),1.21(s,9H)。
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート
表題の化合物を、2−(tert−ブチルアミノ)エタノールを、N−tert−ブチル−N−プロピルアミンの代わりに使用して、実施例1に記載の手順に従って作製した。1H NMR(500MHz,D2O)δ3.50(t,J=5.8Hz,2H),3.21(t,J=5.8Hz,2H),1.21(s,9H)。
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート
表題の化合物を、N−tert−ブチル−N−ベンジルアミンをN−tert−ブチル−N−プロピルアミンの代わりに使用して、実施例1に記載の手順に従って作製した。1H NMR(500MHz,D2O)δ7.53(br s,5H),4.24(s,2H)1.50(s,9H)。
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ブチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート
表題の化合物を、N−tert−ブチル−N−ブチルアミンをN−tert−ブチル−N−プロピルアミンの代わりに使用して、実施例1に記載の手順に従って作製した。1H NMR(500MHz,D2O)δ3.09−2,99(m,2H),1.39−1.31(m,2H),1.27(五重線,J=7.4Hz,2H),1,21(s,9H),0.91(t,J=7.0Hz,3H)。
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’−メチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート
表題の化合物を、N−tert−ブチル−N−(3−メチルブチル)アミンをN−tert−ブチル−N−プロピルアミンの代わりに使用して、実施例1に記載の手順に従って作製した。1H NMR(500MHz,D2O)δ3.01(t,J=7.3Hz,2H),1.66−1.55(m,1H),1.16(s,9H),1.13(q,J=8.3Hz,2H),0.86(d,J=6.6Hz,6H)。
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート
表題の化合物を、N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミンをN−tert−ブチル−N−プロピルアミンの代わりに使用して、実施例1に記載の手順に従って作製した。1H NMR(500MHz,D2O)δ3.05(t,J=7.8Hz,2H),1.21(s,9H),1.24−1.16(m,2H),0.92(s,9H)。
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−フェニルエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート
表題の化合物を、N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミンをN−tert−ブチル−N−プロピルアミンの代わりに使用して、実施例1に記載の手順に従って作製した。
活性
本発明の化合物を、以下に説明する以下のプロトコルを使用して、NO放出の速度に関して評価した。すべての実施例がNO放出を示した。
本発明の化合物を、以下に説明する以下のプロトコルを使用して、NO放出の速度に関して評価した。すべての実施例がNO放出を示した。
Maragos,C.M,et al.J.Med Chem.1991,34,3242−3247により記載された方法に従った。100mMのpH7.4のバッファー溶液を、626mgのNaH2PO4・H2Oおよび4155mgのNa2HPO4・7H2Oを200mLの水に溶解することによって調製した。個々のジアゼニウムジオレートの0.01M溶液を、ナトリウムジアゼニウムジオレートを0.01Mの水酸化ナトリウム溶液に溶解することによって調製した。使用したすべての溶液を室温に保った。キュベット・インキュベーターを、22℃に設定した。25μLの0.01Mジアゼニウムジオレート溶液をキュベットに加え、その後、975μLのpH7.4バッファーで希釈し、0.25(25uLの0.01Mを1000ulに希釈し、0.25mMとした)mM溶液を得た。キュベットをUV分光計に挿入し、λ=248nmにおけるその吸光度を、3秒ごとに取得した。
である。
Kezdy,F.J.;Jaz,J.;Bruylants,A.Bull Soc.Chim.Belg.1958,67,687−706、後にSchwartz,L.M.;Gelb,R.I.Anal Chem.1978,50,1592−1594により精巧に作り上げられた方法を、A∞の測定をすることなく、データの分析に使用した。測定値Atがtにおいて測定され、At+Δtがt+Δtにおいて測定される場合、2つの反応式が得られる。これら2つの反応式を分割し、得られた反応式を並べ替えることにより、本発明者らは、
に達した。
Claims (20)
- R1、R2およびR3が独立して−C1−6アルキルであり、そして
R4が、−C1−6アルキルまたは−CH2CH=CH2であり、
ここで、アルキルは、非置換であるかまたは任意の炭素原子において−OHまたは−C6H5により独立して置換されている、請求項1に記載の化合物。 - R4が、−OHまたは−C6H5で置換されたC1−2アルキルである、請求項1に記載の化合物。
- R4が非置換のC3−6アルキルである、請求項1に記載の化合物。
- R4が、−CH2C6H5、−CH2CH2C6H5、−CH2CH2OH、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH3、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH2CH(CH3)2または−CH2CH2C(CH3)3である、請求項1に記載の化合物。
- ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−プロピルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−アリルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ブチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’−メチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、または
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−フェニルエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、である、請求項1に記載の化合物。 - 陽イオンがナトリウムまたはカリウムである、請求項1に記載の化合物。
- 陽イオンがナトリウムである、請求項1に記載の化合物。
- R4が、−OHまたは−C6H5で置換されたC1−2アルキルである、請求項10に記載の方法。
- R4が非置換のC3−6アルキルである、請求項10に記載の方法。
- R4が、−CH2C6H5、−CH2CH2C6H5、−CH2CH2OH、−CH2CH=CH2、−CH2CH2CH3、−CH2CH2CH2CH3、−CH2CH2CH(CH3)2または−CH2CH2C(CH3)3である、請求項10に記載の方法。
- 化合物が、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−プロピルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−アリルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−ヒドロキシエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ベンジルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−(N−tert−ブチル−N−ブチルアミノ)ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’−メチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(3’,3’−ジメチルブチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、または
ナトリウム1−[N−tert−ブチル−N−(2’−フェニルエチル)アミノ]ジアゼン−1−イウム−1,2−ジオレート、である、請求項10に記載の方法。 - 陽イオンがナトリウムまたはカリウムである、請求項10に記載の方法。
- 陽イオンがナトリウムである、請求項10に記載の方法。
- 請求項1に記載の化合物および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
- 請求項7に記載の化合物および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
- 請求項7に記載の化合物、利尿薬および医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
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