JP2014508148A - ハイブリッドオピオイド化合物および組成物 - Google Patents

ハイブリッドオピオイド化合物および組成物 Download PDF

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Abstract

開示されているのは、ハイブリッドオピオイド化合物、混合オピオイド塩、ハイブリッドオピオイド化合物および混合オピオイド塩を含む組成物、ならびにその使用方法である。より特定すると、一態様において、ハイブリッドオピオイド化合物は、リンカー部分に共有結合している少なくとも2つのオピオイド化合物を含む。別の態様において、ハイブリッドオピオイド化合物は、少なくとも2つの異なるオピオイド化合物、またはオピオイド化合物および異なる活性剤を含む混合オピオイド塩に関する。また開示されているのは、薬学的組成物、ならびにハイブリッド化合物および混合オピオイド塩を使用してヒトにおいて疼痛を処置する方法である。

Description

本出願は、2011年2月9日に出願された米国特許出願第13/024,298号への優先権を主張し、上記米国特許出願第13/024,298号の全容は、参考として本明細書に援用される。
背景
技術分野
本発明は、ハイブリッドオピオイド化合物、混合オピオイド塩、ならびにハイブリッドオピオイド化合物および混合オピオイド塩を含む組成物を対象とする。有効量のハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩を投与して疼痛を有するヒトを処置することを含む使用方法もまた提供する。
関連技術の説明
オピオイド化合物は、依然として多種多様の急性および慢性疼痛の処置のための重要な薬剤である。世界保健機構は重度のがん疼痛の処置のために好まれて用いられる鎮痛剤としてモルヒネを推奨してきた。さらに、モルヒネおよび関連するオピオイドは、手術もしくは外傷後の、または医学的疾病、例えば、心臓発作と関連する、中等度から重度の疼痛を軽減するために広範に使用されている。明らかに同様の疼痛状態を有する患者は、オピオイドの投与必要量において大きな差異を有する。この可変性の一因となる要因には、心理社会的状態、疼痛のタイプ(侵害受容性、炎症性、神経障害性または混合)およびその重症度、併用の医薬品、性別および他の遺伝的態様、ならびに患者がオピオイドの投与を受けたことがないかまたはオピオイド耐性であるか否かが含まれる。
残念ながら、モルヒネおよび同様のオピオイド化合物によって生じる作用は、乱用の影響を受けやすく、全てがμ(MOR)および他のオピオイド受容体の活性化によって媒介される多くの望ましくない副作用と関連する。これらの作用は、嗜癖および他の多様な病態生理学的状態に至る身体的および精神的依存を含む。オピオイドの使用に関連する他の望ましくない副作用には、術後悪心および嘔吐、傾眠、呼吸抑制ならびに胃腸および膀胱の機能障害が含まれる。
上記に一覧表示する有害な生理学的作用に加えて、主要な関連する危険性は、モルヒネまたはモルヒネ様オピオイドの繰り返される毎日の投与が、薬物の治療効果に対するかなりの耐性を結果として誘発し、ある程度の身体的依存を惹起することである。オピオイド耐性とは、薬物への慢性の曝露が薬物の抗侵害受容作用もしくは鎮痛作用を減少させる現象、またはその作用を維持するためにより多くの用量の必要性を生じさせる現象である。
耐性および身体的依存の程度は、用いる特定のオピオイド、モルヒネオピオイド受容体−選択的オピオイドとの相関関係(例えば、モルヒネは高い)、投与の頻度、および投与するオピオイドの量によって変化する。
オピオイドの長期の使用を必要とする多種多様の臨床適応症において、耐性誘発および嗜癖は密接に連結しており、身体的および精神的依存の発生は常に主要な懸念事項である。身体的依存を伴う嗜癖は、依存と関連する離脱の作用によって処置することが困難であり得る。オピオイド耐性の別の望ましくない作用は、オピオイドおよび潜在的に有毒なオピオイド代謝物のより高い循環濃度によって、疼痛の処置を受けている高度耐性患者におけるより高いオピオイド必要量が不快な非鎮痛性副作用の可能性を増加させることである(非特許文献1;非特許文献2)。
オピオイド受容体は、4つの受容体サブタイプ、すなわち、μ(モルヒネ受容体)、σ(フェンシクリジン受容体)、κ(ケトシクラゾシン受容体)およびδ(エンドルフィン/エンケファリン受容体)を有すると考えられる。鎮痛を含めたモルヒネの生化学的作用および細胞作用は、中枢神経系(CNS)内において高濃度で見出されるμオピオイド受容体(MOR)によって伝達される。慢性がん疼痛の管理のための世界保健機構のガイドラインによると、臨床医は、強力なオピオイド、例えば、オキシコドンおよびモルヒネを中等度から重度のがん疼痛の緩和のために取っておくこと(World Health Organization、1986年)、ならびに、おそらく全てのオピオイドが中枢神経系における同じ受容体機序によってそれらの鎮痛作用を発揮すると一般に考えられているため、2種の強力なオピオイドを共投与すべきではないことが推奨されている。しかし、Maree Smithおよび共同研究者による最近の研究は、構造的に関連するオキシコドンおよびモルヒネの抗侵害受容作用が、nor−BNI(κ−選択的オピオイドアンタゴニスト)およびナロキソナジン(選択的μ−オピオイド受容体アンタゴニスト)によって異なってアンタゴナイズされることを示し、このことは、これらが、異なるオピオイド受容体機序によって抗侵害受容を生じさせることを示す(非特許文献2を参照されたい)。さらに、ラットへの抗侵害受容用量未満のオキシコドンとモルヒネとの共投与は、相乗的レベルの抗侵害受容をもたらしたことが見出された(非特許文献3)。重要なことに、抗侵害受容用量未満のオキシコドンおよびモルヒネを投与された動物は、CNS副作用に関して対照動物と同様であったことが見出された。等効力用量のいずれかのオピオイド単独の投与は、ラットの鎮静をもたらした。患者への鎮痛性用量未満のオキシコドンおよびモルヒネの共投与は、CNSが関連する副作用の減少と共に、相乗的抗侵害受容緩和を実現し得ることをこれは示唆し得る。
感染症の処置の最も困難な態様の1つは、感染病原体の薬物耐性株の発生である。薬物療法に対して耐性となった、疾患をもたらす微生物は、次第に高まっている公衆衛生問題である。結核、淋病、マラリア、および小児耳感染は、抗生物質薬物で処置するのに困難となってきた疾患のほんの一握りである。アフリカおよび東南アジアにおけるマラリアの多剤耐性型の広範な発生は、1つのこのような厄介な現象である。関与する原生動物の寄生虫であるplasmodium falciparumは、40年超使用されてきた安価で有効な抗マラリア薬物であるクロロキンを含めた単独療法の大部分の形態に対して耐性を獲得してきた。
科学コミュニティは、これらおよび他の感染病原体の次第に薬物耐性となっている株と戦う新規な薬物を積極的に開発してきた。薬物耐性株と戦う1つの興味深いアプローチは、独立した作用様式を有する活性剤を合わせたハイブリッド薬物の開発である。この戦略を使用して、耐性微生物処置の大きな見込みを示す新規な活性剤が調製されてきた。例えば、Walshおよび共同研究者は、薬物アルテミシニンおよびキニーネの活性成分を含む新規なハイブリッド分子を調製した(非特許文献4)。ハイブリッド薬物は、培養液中のPlasmodium falciparumの3D7(薬剤耐性)およびFcB1株に対して強力な活性を有することが報告された。その活性は、アルテミシニンおよびキニーネ単独よりも優れていることが見出された。Dechy−Cabaretらは(非特許文献5)、トリオキサン含有薬物アルテミシニンのペルオキシド実体と、感染赤血球に侵入することが公知であるクロロキニーネと関連するアミノキノリン基とを合わせた新規なトリオキサキン(trioxaquine)分子の調製を報告した。このように得られたハイブリッド薬物は、クロロキニーネ耐性株に対して高度に活性であることが見出された。Burgessらは、薬物クロロキニーネの成分、およびクロロキニーネ耐性を阻害することが公知であるファルマコフォアを含むように設計されたハイブリッド薬物分子の調製および評価を報告した(非特許文献6)。ハイブリッド化合物は、インビトロでおよび経口投与後にインビボで、P.falciparum(クロロキニーネに対して耐性)の増殖を阻害することが見出された。
Smith, Clin. Exp. Pharmacol. Physiol.、2000年、27巻、524〜528頁 Rossら、Pain、1997年、73巻、151〜157頁 Rossら、Pain、2000年、84巻、421〜428頁 Walshら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、2007年、17巻(13号)、3599頁 Dechy−Cabaretら、Chembiochem、2000年、4号、281〜283頁 Burgessら、J. Med. Chem.、2006年、49巻、5623〜5625頁
本発明の様々な実施形態は、ハイブリッドオピオイド化合物、または薬学的に許容されるその塩に関する。特定の実施形態において、ハイブリッドオピオイド化合物は、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、生物活性化合物およびリンカーを含み、第1のオピオイドアゴニスト化合物および生物活性化合物は、共有結合を介してリンカーにそれぞれ結合している。
いくつかの実施形態において、生物活性化合物は、第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物である。さらなる実施形態において、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーは、μ−オピオイド受容体アゴニスト化合物、κ−オピオイド受容体アゴニスト化合物およびδ−オピオイド受容体アゴニスト化合物からなる群より選択される。別の実施形態において、第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーは、μ−オピオイド受容体アゴニスト化合物、κ−オピオイド受容体アゴニスト化合物およびδ−オピオイド受容体アゴニスト化合物からなる群より選択される。他の実施形態において、第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーは、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーと同じである。特定の実施形態において、第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーは、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーと同じでない。
別の実施形態において、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物は、モルヒネ、アルビモパン、ベンゾモルファン、ブプレノルフィン、コデイン、6−デソモルヒネ、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルヒノン、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン、3,6−ジアセチルモルヒネ、6−メチレン−ジヒドロモルヒネ、ジフェノキシレート、ドロテバノール、エセロリン、エトルフィン、エトニタジン、フェンタニル、ヒドロコドン、レボフェナシルモルファン、メタドン、オキシモルホン、α−オキシモルファミン、ニコモルヒネ、ペチジン、ピセナドール、タペンタドール、テバイン、トリメブタン、アシマドリン、ブトルファノール、ブレマゾシン、シクラゾシン、デキストロメトルファン、ダイノルフィン、エナドリン、ケタゾシン、ナルブフィン、ナルフラフィン、ノルブプレノルフィン、オキシコドン、ペンタゾシン、サルビノリンA、2−メトキシメチルサルビノリンBならびにそのエトキシメチルおよびフルオロエトキシメチルホモログ、スピラドリン、チフルアドム、デルトルフィン、エトキシメトポン、leu−エンケファリン、met−エンケファリン、mitragyna speciosa(クラトム)、ミトラギニン、ミトラギニン−プソイドインドキシル、N−フェネチル−14−ノルブプレノルフィン、ノルクロザピンならびに7−スピロインダニルオキシモルホンからなる群より選択される。
さらなる実施形態において、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物は、モルヒネまたはオキシモルホンである。一実施形態において、モルヒネは、モルヒネの3−ヒドロキシル、6−ヒドロキシルまたは3,6−ジヒドロキシル位においてリンカーに結合している。
別の実施形態において、第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物は、モルヒネ、アルビモパン、ベンゾモルファン、ブプレノルフィン、コデイン、6−デソモルヒネ、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルヒノン、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン、3,6−ジアセチルモルヒネ、6−メチレン−ジヒドロモルヒネ、ジフェノキシレート、ドロテバノール、エセロリン、エトルフィン、エトニタジン、フェンタニル、ヒドロコドン、レボフェナシルモルファン、メタドン、オキシモルホン、α−オキシモルファミン、ニコモルヒネ、ペチジン、ピセナドール、タペンタドール、テバイン、トリメブタン、アシマドリン、ブトルファノール、ブレマゾシン、シクラゾシン、デキストロメトルファン、ダイノルフィン、エナドリン、ケタゾシン、ナルブフィン、ナルフラフィン、ノルブプレノルフィン、オキシコドン、ペンタゾシン、サルビノリンA、2−メトキシメチルサルビノリンBならびにそのエトキシメチルおよびフルオロエトキシメチルホモログ、スピラドリン、チフルアドム、デルトルフィン、エトキシメトポン、leu−エンケファリン、met−エンケファリン、mitragyna speciosa(クラトム)、ミトラギニン、ミトラギニン−プソイドインドキシル、N−フェネチル−14−ノルブプレノルフィン、ノルクロザピンならびに7−スピロインダニルオキシモルホンからなる群より選択される。
さらなる実施形態において、第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物は、オキシコドンである。特定の実施形態において、オキシコドンは、オキシコドンのC−6位においてリンカーに結合している。
いくつかの実施形態において、生物活性化合物は、μ−オピオイド受容体アンタゴニスト化合物およびκ−オピオイド受容体アンタゴニスト化合物からなる群より選択されるオピオイド受容体アンタゴニスト化合物である。別の実施形態において、生物活性化合物は、非オピオイド剤である。特定の実施形態において、非オピオイド剤は、アミトリプチリン、ベフィラドール、ビシファジン、ブピバカイン、カリソプロドール、ショウノウ、カプサイシン、カルバマゼピン、シメチジン、クロニジン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、デュロキセチン、エスレボキセチン、フルピルチン、ガバペンチン、ガバペンチンエナカルビル、グラフェニン、ヒドロキシジン、ケタミン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム(levitiracetam)、リドカイン、メントール、メフェノキサロン、メトカルバモール、ネホパム、ノルトリプチリン、オルフェナドリン、オクスカルバゼピン、パロキセチン、プレガバリン、プログルミド、スコポラミン、テバニクリン、チアガビン、トピラマート、トラマドール、トラゾドン、ベンラファキシンおよびジコノチドからなる群より選択される。
さらに、本発明の様々な実施形態は、ハイブリッドオピオイド化合物に関し、リンカーは、水素、炭素、酸素、硫黄、窒素、リンおよびケイ素原子からなる群より選択される2〜200個の原子を含む。別の実施形態において、リンカーの共有結合は、エステル結合、オキシイミノ結合、カーボネート結合および前記結合の組合せからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、リンカーの共有結合は、酸素−炭素単結合、窒素−炭素単結合、アミド結合および前記結合の組合せからなる群より選択される。さらなる実施形態において、リンカーは、グリコール残基が側面に配置された複素環基を含む。いくつかの実施形態において、複素環基は、1つもしくは複数のフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ピラン、ピロリジン、ピロール、ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イソチアゾリジン、チアゾリジン、イソオキサゾリジン、オキサゾリジン、トリアゾール、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、チアジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ピリジン、チオフェン、ジチオラン、ジチアンまたはチオピランを含む。さらに別の実施形態において、グリコール残基は、メチレングリコール、エチレングリコールまたはプロピレングリコールを含む。
本発明のいくつかの実施形態は、ヒトに、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、生物活性化合物およびリンカーを含む、有効量のハイブリッドオピオイド化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することによって、それを必要としているヒトにおいて疼痛を処置する方法に関し、第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、共有結合を介してリンカーにそれぞれ結合している。別の実施形態において、疼痛は、神経障害性疼痛である。さらに別の実施形態において、疼痛は、神経障害性疼痛および侵害受容性疼痛を含む混合疼痛状態である。
本発明の別の実施形態は、ヒトに、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、生物活性化合物およびリンカーを含む、有効量のハイブリッドオピオイド化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することによって、それを必要としているヒトにおいて線維筋痛症を処置する方法に関し、第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、共有結合を介してリンカーにそれぞれ結合している。
他の実施形態において、本発明は、ヒトに、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、生物活性化合物およびリンカーを含む、有効量のハイブリッドオピオイド化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することによって、それを必要としているヒトにおいて発作を処置する方法に関し、第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、共有結合を介してリンカーにそれぞれ結合している。
本発明の一実施形態は、ヒトに、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、生物活性化合物およびリンカーを含む、有効量のハイブリッドオピオイド化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することによって、それを必要としているヒトにおいてうつ病を処置する方法に関し、第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、共有結合を介してリンカーにそれぞれ結合している。
本発明の別の実施形態は、ヒトに、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、生物活性化合物およびリンカーを含む、有効量のハイブリッドオピオイド化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することによって、それを必要としているヒトにおいて中枢神経系障害を処置する方法に関し、第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、共有結合を介してリンカーにそれぞれ結合している。
図1は、CD1マウスにおける、単独で、組み合わせて、またはプロドラッグMLN2−31およびMLN2−45としての、モルヒネおよびオキシコドンの投与による経口抗侵害受容のインビボの評価の結果を示す。 図2は、CD1マウスにおける、モルヒネまたはハイブリッドオピオイド化合物MLN2−83、MLN2−120、もしくはMLN2−121の投与によるICV抗侵害受容のインビボの評価の結果を示す。 図3は、ハイブリッドオピオイド化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、エステル、誘導体もしくは類似体を表す構造(1)を示す。環Aは、リンカーLを介してオピオイドまたは非オピオイド活性剤でよい生物活性化合物Bへ共有結合によって連結している、1つのオピオイド化合物を表す。
本開示は、リンカーによって共有結合しているハイブリッドオピオイド化合物を提供する。ハイブリッドオピオイド化合物は、リンカーによって一緒に連結している2つ以上のオピオイド化合物、または1つもしくは複数の非オピオイド化合物に連結している1つもしくは複数のオピオイド化合物を含み得る。また提供するのは、ポリプロトン酸に由来する1つの対イオンを有する2つ以上のオピオイド化合物を含む混合オピオイド塩である。別の実施形態において、1つもしくは複数のオピオイド化合物および1つもしくは複数の非オピオイド活性剤を含む混合オピオイド塩を提供する。一実施形態において、混合オピオイド塩は、1つもしくは複数の塩基性オピオイド化合物、および酸性残基を有する1つもしくは複数の非オピオイド活性剤から、さらなる酸を使用せずに形成される。別の実施形態において、混合オピオイド塩は、イオン性液体である。化合物、またはその塩、および混合オピオイド塩は、薬学的組成物に処方し得る。一実施形態において、組成物は、オピオイド受容体アゴニストとして作用する、有効量のハイブリッドオピオイド化合物または化合物の混合オピオイド塩を含む。化合物、ならびに疼痛を軽減するのに有効な量のハイブリッドオピオイド化合物、および薬学的に許容されるキャリア、アジュバント、またはビヒクルを含むその薬学的組成物は、ヒトへの投与のために処方し得る。
本発明の別の態様は、ヒトにおいて疼痛を軽減する方法に関し、この方法は、このような処置を必要としているヒトに、治療有効量のハイブリッドオピオイド化合物、混合オピオイド塩、またはその薬学的組成物を投与することを含む。
オピオイドアゴニストとして作用するのに有効な量は、オピオイド受容体に測定可能な程度に結合することが見出される量である。オピオイド受容体には、受容体サブタイプμ(モルヒネ受容体)、σ(フェンシクリジン受容体)、κ(ケトシクラゾシン受容体)およびδ(エンドルフィン/エンケファリン受容体)、ならびにさらに分類された受容体サブタイプが含まれる。実験動物における本発明の化合物のインビボの抗侵害受容活性は、広く受け入れられているテールフリック潜時試験を使用して評価する(D’Armourら、「A Method for Determining Loss of Pain Sensation」、J. Pharmacol. Exp. Ther.、1941年、72巻、74〜79頁)。
定義
本明細書において使用する用語は、他に示さない限り当技術分野でのそれらの通例の意味を有することを意図する。「任意選択で置換されている」という語句は、「置換もしくは非置換」という語句と互換的に使用する。他に示さない限り、任意選択で置換されている基は、基のそれぞれの置換可能な位置において置換基を有してもよく、各置換は他と独立している。
「脂肪族」という用語は、本明細書において使用する場合、完全に飽和であるか、または不飽和の1つもしくは複数の単位を含有するが芳香族ではない、直鎖状、分岐状または環状の炭化水素を意味する。例えば、適切な脂肪族基は、置換または非置換の直鎖状、分岐状または環状のアルキル、アルケニル、アルキニル基およびそのハイブリッド、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルを含む。
「アルキルアリール」という用語は、当技術分野でのその通例の意味を有することを意図し、アリール環を介して付着しているアルキル基を含む。
「アリールアルキル」または「アラルキル」という用語は、当技術分野でのそれらの通例の意味を有することを意図し、アルキル基を介して付着しているアリール基を含む。
「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を意味し、窒素および硫黄の任意の酸化型、ならびに任意の塩基性窒素の四級化された形態が含まれる。
「炭素環」、「カルボシクリル」という用語は、本明細書において使用する場合、それらの当技術分野での通例の意味、例えば、脂肪族環系を有することを意味する。
「アリール」という用語は、当技術分野でのその通例の意味を有することを意図し、これらに限定されないが、フェニル、ベンジル、フェネチル、ナフチル、アントラシル基が含まれる。また、付着点が芳香族環に対してである限り、非芳香族炭素環または複素環に付加しているアリール環も含まれる。非限定的例には、インダニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチルなどが含まれる。
「複素環」、「ヘテロシクリル」、または「複素環の」という用語は、本明細書において使用する場合、当技術分野でのこれらの通例の意味を有することを意図し、これらに限定されないが、3−1H−ベンゾイミダゾール−2−オン、(1−置換)−2−オキソ−ベンゾイミダゾール−3−イル、2−テトラヒドロ−フラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラ−ヒドロピラニル、[1,3]−ジオキサラニル、[1,3]−ジチオラニル、[1,3]−ジオキサニル、2−テトラ−ヒドロ−チオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、2−チオモルホリニル、3−チオモルホリニル、4−チオモルホリニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、4−チアゾリジニル、ジアゾロニル、N−置換ジアゾロニル、1−フタルイミジニル、ベンゾオキサニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾオキソラニル(benzoxolanyl)、ベンゾチオラニル(benzothiolanyl)、およびベンゾチアニル(benzothianyl)が含まれる。
「ヘテロアリール」という用語は、単独で、または「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアリールアルコキシ」におけるようにより大きな部分の一部として使用されて、当技術分野でのそれらの通例の意味を有することを意図する。ヘテロアリール環の例には、これらに限定されないが、2−フラニル、3−フラニル、3−フラザニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサジアゾリル、5−オキサジアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、1−ピラゾリル、2−ピラゾリル、3−ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、3−ピリダジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、5−テトラゾリル、2−トリアゾリル、5−トリアゾリル、2−チエニル、3−チエニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソキノリニル、インダゾリル、イソインドリル、アクリジニル、およびベンゾイソオキサゾリルが含まれる。
アリール(アラルキル、アラルコキシ、アリールオキシアルキルなどを含めた)またはヘテロアリール(ヘテロアラルキルおよびヘテロアリールアルコキシなどを含めた)基は、1つまたは複数の置換基を含有し得る。アリール、ヘテロアリール、アラルキル、またはヘテロアラルキル基の任意の不飽和炭素原子上の適切な置換基の非限定的例には、ハロゲン、−R、−OR、−SR、N(R、保護されたOH、フェニル(Ph)、−O(Ph)、ベンジル、−NO、−CN、−NRC(O)R、−NRC(O)N(R、−NRCO、−NRNRC(O)R、−NRNRC(O)N(R、−NRNR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−CO、−C(O)R、−C(O)N(R、−OC(O)N(R、−S(O)、−SON(R、−S(O)R、−NRSON(R、−NRSO、−C(=S)N(R、−C(=NH)−N(Rが含まれ、式中、各Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル基、非置換もしくは置換アリール、ヘテロアリールもしくは複素環、フェニル(Ph)、置換Ph、−O(Ph)、置換−O(Ph)、−CH(Ph)、または置換−CH(Ph)から独立に選択される。Rの脂肪族基またはフェニル環上の置換基の例には、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルが含まれる。
脂肪族基または非芳香族複素環または縮合アリールもしくはヘテロアリール環は、1つまたは複数の置換基を含有し得る。脂肪族基の、あるいは非芳香族複素環または縮合アリールもしくはヘテロアリール環の任意の飽和炭素上の適切な置換基の例には、アリールまたはヘテロアリール基の不飽和炭素について上記で一覧表示したもの、および下記:=O、=S、=NNHR、=NN(R、=N−、=NNHC(O)R、=NNHCO(アルキル)、=NNHSO(アルキル)、または=NR(各Rは、水素、非置換脂肪族基、または置換脂肪族基から独立に選択される)が含まれる。脂肪族基上の置換基の例には、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、ハロアルコキシ、およびハロアルキルが含まれる。
特に明記しない限り、本明細書において示される構造はまた、構造の全ての立体化学的形態;すなわち、各不斉中心についてのRおよびS配置を含むことを意味する。したがって、本化合物の単一の立体化学異性体、ならびにエナンチオマーおよびジアステレオマー混合物は本発明の範囲内である。
範囲が本明細書において言及されるときはいつでも、その範囲は、独立におよび別々に範囲の各メンバーを含む。非限定的例として、「C〜C10アルキル」という用語は、例えば、C〜C10アルキルが、直鎖状、分岐状および適切な場合には環状のC、C、C、C、C、C、C、C、CおよびC10アルキル官能基を含むように、独立に、群の各メンバーを含むと考えられる。同様に、別の非限定的例として、1〜10%は、独立に、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%および10%、ならびにその間の範囲、例えば、1〜2%、2〜3%などを含む。
ハイブリッドオピオイド化合物
本発明は、図3に示すような構造(1)によって表されるハイブリッドオピオイド化合物、またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグ、エステル、誘導体もしくは類似体を提供する。環Aは、リンカーLを介して共有結合によって生物活性化合物B(オピオイドまたは非オピオイド活性剤でよい)に連結している1つのオピオイド化合物を表す。一実施形態において、環Aは、2つ以上のリンカーLを介して2つ以上の生物活性化合物に連結し得る。別の実施形態において、環Aは、生物学的活性化合物Bと同一でも異なっていてもよい。
一般に、本発明のオピオイド化合物は、オピオイド受容体への結合において活性であり、オピオイド受容体アゴニストまたはアンタゴニストでよい。一実施形態において、環AおよびBの両方は、オピオイド受容体アゴニスト(例えば、μ−、κ−、またはδ−オピオイドアゴニスト)でよい。μ−オピオイド受容体アゴニスト(完全または部分)の例には、これらに限定されないが、モルヒネ(ならびに構造的に関連する類似体および誘導体)、アルビモパン、ベンゾモルファン、ブプレノルフィン、コデイン、6−デソモルヒネ、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルヒノン、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン、3,6−ジアセチルモルヒネ、6−メチレン−ジヒドロモルヒネ、ジフェノキシレート、ドロテバノール、エセロリン、エトルフィン、エトニタジン、フェンタニル、ヒドロコドン、レボフェナシルモルファン、メタドン、オキシモルホン、α−オキシモルファミン、ニコモルヒネ、ペチジン、ピセナドール、タペンタドール、テバイン、ならびにトリメブタンが含まれてもよい。
κ−オピオイド受容体アゴニスト(完全または部分)の例には、これらに限定されないが、アシマドリン、ブトルファノール、ブレマゾシン、シクラゾシン、デキストロメトルファン、ダイノルフィン、エナドリン、ケタゾシン、ナルブフィン、ナルフラフィン、ノルブプレノルフィン、オキシコドン、ペンタゾシン、サルビノリンA、2−メトキシメチルサルビノリンBならびにそのエトキシメチルおよびフルオロエトキシメチルホモログ、スピラドリンならびにチフルアドムが含まれてもよい。
δ−オピオイド受容体アゴニスト(完全または部分)の例には、これらに限定されないが、デルトルフィン、エトキシメトポン、leu−エンケファリン、met−エンケファリン、mitragyna speciosa(クラトム)、ミトラギニン、ミトラギニン−プソイドインドキシル、N−フェネチル−14−ノルブプレノルフィン、ノルクロザピンならびに7−スピロインダニルオキシモルホンが含まれてもよい。
いくつかのオピオイド化合物は、アゴニストまたはアンタゴニストとして、オピオイド受容体サブタイプについて選択的/非選択的であるが、本明細書における分類は、これらのオピオイド化合物の特異性および使用に関して当技術分野における知識と一致することを意味する。いくつかのオピオイドアンタゴニストは純粋なアンタゴニストではないが、実際にいくらかの弱いオピオイド部分アゴニスト作用を生じ、オピオイドの投与を受けたことがない個人に高用量で投与されたときに、鎮痛作用を生じさせることができる。これらのアンタゴニストの例には、ナロルフィン、レバロルファンおよびシクラゾシンが含まれる。しかし、これらの薬物からの鎮痛作用は限定されており、κ−オピオイド受容体における作用による可能性が最も高い、神経不安を伴う傾向がある。これらの薬物はオピオイドアゴニストを摂取しているか、または最近使用した人においてオピオイド離脱作用を誘発するため、これらの薬物は、実用的な目的についてアンタゴニストであると考えられる。
別の実施形態において、オピオイドアンタゴニストには、ナロキソンおよびナルトレキソンが含まれる。さらに、シプロジムは、公知の選択的μ−オピオイド受容体アンタゴニストであり、ナルトリンドールは、公知の選択的δ−オピオイド受容体アンタゴニストであり、ノルビナルトルフィミンは、公知の選択的κ−オピオイド受容体アンタゴニストである。
別の実施形態において、少なくとも1つのオピオイド化合物Aは、少なくとも1つの生物活性化合物BにリンカーLによって連結しており、生物活性剤は、疼痛緩和特性を有し得る非オピオイドである。疼痛緩和特性を有し得る非オピオイド活性剤の例には、これらに限定されないが、アミトリプチリン、ベフィラドール、ビシファジン、ブピバカイン、カリソプロドール、ショウノウ、カプサイシン、カルバマゼピン、シメチジン、クロニジン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、デュロキセチン、エスレボキセチン、フルピルチン、ガバペンチン、ガバペンチンエナカルビル、グラフェニン、ヒドロキシジン、ケタミン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、リドカイン、メントール、メフェノキサロン、メトカルバモール、ネホパム、ノルトリプチリン、オルフェナドリン、オクスカルバゼピン、パロキセチン、プレガバリン、プログルミド、スコポラミン、テバニクリン、チアガビン、トピラマート、トラマドール、トラゾドン、ベンラファキシンおよびジコノチドが含まれる。
一実施形態において、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物が、μ−オピオイド受容体アゴニスト化合物であるとき、オピオイド受容体アンタゴニスト化合物は、δ−オピオイド受容体アンタゴニスト化合物ではない。別の実施形態において、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物が、オキシモルホンであるとき、オピオイド受容体アンタゴニスト化合物は、ナルトリンドールではない。
リンカー
オピオイド受容体アゴニストまたは生物活性剤は、種々のリンカーによって活性剤上の反応性官能基に連結し得る。これらの活性剤をリンカーに連結する結合の性質は限定されず、使用する個々の化合物およびリンカーによって決まる。
リンカーは好ましくは、受容体標的への活性剤の結合を変化させない位置において活性剤に結合している。例えば、オピオイド化合物の1つがモルヒネである場合、モルヒネの6−ヒドロキシ基の修飾がモルヒネの鎮痛活性に対する作用を最小化するため、この基にリンカーを結合させることが好ましい。対照的に、メチルエーテルへの3−ヒドロキシ基の変換は、誘導体の活性を有意に低下させる可能性が高い。3−および6−ヒドロキシ基の両方がリンカーに結合している実施形態がまた意図される。
一実施形態において、リンカーは、変化しやすく、生理学的条件下で反応/加水分解することが予想され、これは、2つの認められた活性剤を放出することができる単一の分子的実体を有するという利点を伴う。例えば、変化しやすいリンカーは、モルヒネおよびオキシコドンに結合し、両方の活性剤をインビボで放出し得る。別の実施形態において、リンカーは安定的であり、生理学的条件下で反応して活性剤を容易に放出することが予想されない。理論に束縛されるものではないが、安定的なリンカーを使用したハイブリッドオピオイド化合物の活性は、関連するプロトマーの占有を介して、このようなリガンドによって活性化される特異的受容体ヘテロマーのインビボでの存在の可能性に基づいていてもよい。この二重の相互作用は、オキシコドンおよびモルヒネの混合物の合計より大きな鎮痛の効力増強をもたらし得る。
リンカーは、オピオイド受容体アゴニストおよび生物活性剤を分離する約2〜約200個の原子を含有し得る。一実施形態において、十分な長さのリンカーは、オピオイド受容体ヘテロマーの架橋を許容し得る。別の実施形態において、リンカーは、リンカーから放出される2つの活性剤を分離する約2〜約100個の原子または約2〜約50個の原子を含有する。この実施形態において、リンカーは、2つの活性剤を分離する約2〜約20個または約2〜約10個の原子を含有する。リンカーは、これらに限定されないが、水素、炭素、酸素、硫黄、窒素またはケイ素を含めた種々の原子を含むことができる。さらに、リンカーは、脂肪族、ヒドロキシ、アルコキシ、アシル、アミノ、モノまたはジアルキルアミン、スルホニル、チオール基を含めた基で、任意選択で置換することができる。一実施形態において、リンカーは、官能基、例えば、エステル、カーボネートもしくはオキソイミノ基、またはこれらの組合せを含有し得る。
一実施形態において、リンカーは、下記の官能基を含み、
式中、Aは、第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物であり、Bは、生物活性剤である。
オキシコドンおよびモルヒネに適用されるように、リンカーを使用するハイブリッドオピオイド化合物の例を下記に提供する。
別の実施形態において、リンカーは、飽和または不飽和の炭素−炭素結合を含み、1つもしくは複数の酸素、硫黄または窒素ヘテロ原子を含み得る。ポリアルキレンオキシド基、例えば、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドを形成する炭素−酸素結合を有するリンカーはまた、本発明に包含される。
リンカーは、活性剤に結合することができるか、または活性剤と反応する活性中間体の形成を可能とする基を含む官能基を有することができる。例えば、リンカーは、活性剤上の求電子性中心と反応する反応性アニオン種の形成を可能とする電子吸引基を含有し得る。一実施形態において、リンカーは、同じかまたは異なる2つ以上の官能基を含み得る。例えば、リンカーは、ジ−カルボン酸、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などを含み得る。
他の実施形態において、リンカーは、2つ以上の異なる官能基を含み得る。例えば、リンカーは、天然または合成アミノ酸を含めたアミノ酸を含み得る。例えば、リンカーは、いくつかの実施形態において、アラニンまたはβ−アラニンを含み得る。リンカーはまた、ペプチドを含み得る。ヒドロキシ−置換カルボン酸を含むリンカーはまた、本発明に包含される。リンカーが、2つ以上の異なる官能基、例えば、アミノ基およびカルボキシル基を含むとき、各基を典型的には使用して、活性剤上の反応部位に結合し得る。例えば、リンカー上のカルボキシル基を使用して、活性剤上の求核試薬、例えば、アミノ基と反応し得る。同じリンカー上のアミノ基を使用して、活性剤上の求電子基と反応させ、別の結合を形成し得る。当然ながら、2つを超える化合物と結合を形成するための2つを超える反応性基を有するリンカーもまた包含される。
さらに別の実施形態において、リンカーはまた、リンカーが少なくとも2つの活性剤と結合を形成し得るように、適切に置換されている炭素環、アリールまたはヘテロアリール環を含んでもよい。例えば、リンカーは、オピオイド化合物と共有結合を形成することができる2つ以上の官能基で置換されているアリール環を含み得る。リンカーとして使用し得る2つ以上の官能基を含む芳香族化合物の非限定的例には、これらに限定されないが、テレフタル酸、4−カルボキシフェノキシ酢酸、1,4−フェニレン二酢酸、4−(ブロモメチル)フェニル酢酸、α−ブロモ−p−トルイル酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、4−(4−アミノフェニル)酪酸、4−アミノ安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、2−ヒドラジノ安息香酸などが含まれる。また、芳香族酸ハロゲン化物および活性エステルも包含される。他の非限定的例には、芳香族多環、例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが含まれる。炭素環基、アリールまたはヘテロアリール基はまた、活性剤と反応する反応中間体の形成を可能とする基で置換されていてもよい。当然ながら、環系上の官能基は、芳香族環上のオルト−、メタ−またはパラ−配向におけるものを含めて、オピオイド化合物への結合を可能とする任意の様式で配向していてもよい。オピオイド化合物と結合を形成することができる2つ以上の官能基を組み込む二環式および三環式の炭素環、アリールまたはヘテロアリール環系はまた、リンカーとして意図される。
別の実施形態において、リンカーは、グリコール残基が側面に配置され、かつ適切な結合を介して活性剤に結合している複素環基を含む。一実施形態において、複素環は、1つもしくは複数の酸素、窒素または硫黄原子を含み得る。別の実施形態において、複素環は、フラン、ジオキサン、ジオキソラン、ピラン、ピロリジン、ピロール、ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イソチアゾリジン、チアゾリジン、イソオキサゾリジン、オキサゾリジン、トリアゾール、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、チアジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ピリジン、チオフェン、ジチオラン、ジチアン、チオピランなどを含む。別の実施形態において、グリコール残基は、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール残基などを含む。
さらに別の実施形態において、リンカーは、エチレングリコール残基が側面に配置されたトリアゾール基を含み、活性剤への結合は、アミド結合を含む。一実施形態において、リンカーは、(2)において下記で示され、
式中、mおよびnは、0〜5である。
オキシモルホンおよびオキシコドンに適用されるように、リンカーを使用する化学構造の例を、(3)、(4)および(5)において下記で示す。
リンカーが不斉中心を含むとき、エナンチオマーまたはラセミ混合物のいずれかを使用し得る。さらに、リンカーが1つより多い不斉中心を含むとき、可能性のある異性体形態または異性体形態の混合物のいずれかを使用し得る。例えば、1つの非限定的な実施形態において、リンカーは、D、LまたはD,L型のα−アミノ酸でよい。
活性剤への連結
いくつかの実施形態において、リンカーは、酸素−炭素結合を含めた種々の化学結合によって活性剤に結合して、エーテル結合またはエステル結合、窒素−炭素単結合、アミド結合などを形成し得る。他の実施形態において、リンカーは、オピオイド上のカルボニル基と反応して、窒素−炭素二重結合種、例えば、置換イミンまたはシッフ塩基、ヒドラゾン、アジンまたはセミカルバゾンなどを形成する。さらに別の実施形態において、リンカーは、炭素−炭素結合によってオピオイド化合物に結合する。この実施形態において、炭素−炭素結合は、リンカー上の求核性炭素とオピオイド上の求電子基とを反応させることによって形成し得る。代わりに、炭素−炭素結合は、オピオイド化合物上の求核性炭素とリンカー上の求電子基とを反応させることによって形成し得る。リンカーはまた、炭素−炭素二重結合によってオピオイド化合物に接続し得る。
上記のように、化合物が標的受容体に結合する能力に有害な影響を与えないか、または化合物の活性にその他の点で有害な影響を与えない部位において、活性剤は好ましくはリンカーに結合している。ハイブリッドオピオイド化合物は典型的には、第1の化合物とリンカーとの間に共有結合を形成し、第1の化合物−リンカー構築物を形成し、これを次いで少なくとも第2の化合物と反応させて、第1の化合物−リンカー構築物と第2の化合物との間に第2の共有結合を形成し、ハイブリッドオピオイド化合物を実現することによって調製される。
オピオイド化合物とリンカーとの間の共有結合を形成させるためのいくつかの非限定的実施形態を、本明細書において提供する。同じタイプの反応順序を使用して、第1の化合物−リンカー化合物と第2の化合物との間の第2の共有結合を形成し、ハイブリッドオピオイド化合物を形成できることが理解される。本明細書において提供する非限定的例を適用して、リンカーと非オピオイド化合物との間の共有結合を形成し得ることはまた明らかである。
オピオイドモルヒネについてスキーム1において示す一実施形態において、活性化カルボニル基で置換されているリンカーの1つの部位は、オピオイド化合物上のヒドロキシ基と反応して、エステル結合を形成する。リンカーとオピオイド化合物との間のエステル結合は、当技術分野において公知の任意の標準的方法によって形成し得る。典型的には、リンカー上の他の官能基は、エステル形成条件に対して非反応性であるか、または他の官能基は適切に保護され、ヒドロキシル基との反応を防止する。多種多様の機能的保護基は、Greeneら、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、第3版、1999年によって教示されている。
一実施形態において、エステル結合は、ヒドロキシル基と、ハロゲン化アシル(Xは、クロロ、ブロモ、ヨードもしくはフルオロである)、または活性化カルボン酸(Xは、活性化脱離基である)との反応によって形成し得る。カルボキシル基を活性化させて、求核試薬と反応させる多くの試薬が公知である。例えば、当技術分野で周知の種々のペプチドカップリング試薬を使用して、カルボキシル基をin situで活性化させ、保護されたアミノ酸のアミノ基と反応させ、ペプチド結合を形成する。これらの試薬はまた、カルボン酸を活性化させて、オピオイド化合物上のヒドロキシ基と反応する反応中間体を形成させることができる。カルボキシル活性化基の非限定的例には、カルボジイミド試薬、ホスホニウム試薬、例えば、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)など、ウロニウムまたはカルボニウム試薬、例えば、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)など;1−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ);1−メチル−2−クロロピリジニウムヨージド(向山試薬)などが含まれる。他の実施形態において、エステルは、活性エステルを含めた別のエステル基のトランス−エステル化によって形成し得る(例えば、p−ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル、1−ヒドロキシベンゾトリアゾリルエステルなど)。リンカー上のアシルアジド基をまた使用して、エステル結合を形成し得る。
別の実施形態において、エステルはまた、ヒドロキシ基とリンカーを含む対称性または混合無水物との反応によって形成し得る(Xは、RC(O)O−である)。触媒、例えば、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)などを使用して、エステル形成を促進し得る。
スキーム2において示す別の実施形態において、エステル結合は、光延反応条件下で、オピオイド化合物、およびカルボキシル基を含むリンカーを、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)およびトリフェニルホスフィンで処理することによって形成し得る(Mitsunobuら、Bull. Chem. Soc. Japan、1967年、40巻、2380〜2382頁)。リンカー上の代わりの基、例えば、フタルイミド基または光延条件下で反応する他の求核試薬をまた使用して、ヒドロキシル基と反応させて、オピオイド化合物への代わりの連結を形成し得る。代わりの試薬、例えば、ポリマー結合ホスフィンおよびポリマー結合DEADを、光延反応において使用し得る。
さらに別の実施形態において、オピオイド化合物上のヒドロキシル基を脱離基に変換し、次いでリンカー上の求核基で置き換える。ヒドロキシ基は、種々の試薬と反応して、これらに限定されないが、p−トルエンスルホニル(トシル)基、p−ブロモベンゼンスルホニル(ブロシル)基、4−ニトロベンゼンスルホニル(ノシル)基またはトリフルオロメタンスルホニル(トリフレート)基などを含めた反応性求電子性脱離基を生じさせ得る。別の実施形態において、ヒドロキシ基は、リンカー上の求核基で置き換えることができるハロゲン基に変換し得る。これらに限定されないが、塩化チオニル、塩化オキサリルなどを含めた、ヒドロキシル基をハロゲン原子に変換させる当技術分野において公知の多くの試薬が存在する。脱離基は、オピオイドへの共有結合を形成することができるリンカー上の任意の求核基で置き換え得る。求核試薬には、これらに限定されないが、アミノ基、ヒドロキシ基、チオール基、カルボキシレート、アミド、尿素、カルバメート基などが含まれる。オピオイドヒドロキシル基から調製される求電子性脱離基はまた、リンカー上の求電子性炭素−炭素二重結合で置き換えてもよい(エノールエーテル、アリルシランまたはアリルスタンナンなど)。別の実施形態において、オピオイド化合物上の脱離基は、グリニャール試薬、有機リチウム試薬、有機亜鉛試薬などを含めた、リンカー上の求核性有機金属基で置き換え得る。スキーム3は、オピオイド上の脱離基の置換えの1つの非限定的例を例示する。ヒドロキシル基は、トシル(p−トルエンスルホニル)クロリドと反応して、保護されたモルヒネ化合物上にトシル脱離基を形成し、次いでこれをリンカー上のアミノ基で置き換える。当然ながら、トシル脱離基を置き換えることができるリンカー上の他の適切な求核試薬を使用し得る。
スキーム4において例示する別の実施形態において、オピオイド化合物とリンカーとの間の結合は、オピオイド化合物上の求核基によるリンカー上の脱離基の置換えによって形成される。一実施形態において、オピオイド化合物上の求核基は、ヒドロキシ基である。別の実施形態において、求核基は、塩基を伴うオピオイドケトン基上のα−水素の脱プロトン化から形成されるエノレートアニオンである。典型的には、バルキー塩基(bulky base)、例えば、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムヘキサメチルジシラザンなどが好ましい。脱離基Xは、ハロゲン原子、またはオピオイド上の求核基で置き換えることができる当技術分野において公知の別の脱離基でよい。上記のように、多くの異なるタイプの脱離基が、ヒドロキシ基から形成し得る。これらの脱離基の全ては、リンカー−オピオイド結合を形成させるのに適している。
スキーム5において例示した別の実施形態において、二官能性リンカーの一端は、オピオイド上のケトン基と反応して、共有結合を形成し得る。リンカーは、これらに限定されないが、アミン、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンおよびセミカルバジドなどを含めた、ケトン基と反応することができる官能基で置換されて、炭素−窒素二重結合を形成し得る。リンカーとケトンとの反応の生成物の非限定的例には、シッフ塩基(RR’C=NR’’)、置換オキシム(RR’C=NOR’’)、ヒドラゾン(RR’C=NNR’’)、アジン(RR’C=NNR’’R’’)およびセミカルバゾン(RR’C=NNHC(O)NHR’’)(R、R’は、オピオイド上の基を表し、R’’は、水素、アルキルアリール、アラルキルまたはヘテロアリールである)が含まれる。置換ヒドロキシルアミンおよびヒドラジン化合物の合成のための方法は、当技術分野において公知である(例えば、Boazへの米国特許第5,777,164号;Pearceら、Dubuisson−Brengelらへの米国特許第6,096,890号、J. Chem. Soc., Perkin Trans.、1巻、1998年、847〜852頁;Feuerら、J. Org. Chem.、1965年、30巻、2880頁;Beckettら、Tetrahedron、1973年、29巻、4189頁;Beckettら、Tetrahedron、1975年、31巻、1531頁を参照されたい)。リンカーが置換ヒドロキシルアミンを含むとき、ヒドロキシルアミン基は、酸素または窒素においてライナーに結合し得る。多種多様のO−置換ヒドロキシルアミンの合成のための有用な方法は、Albrechtら、Synthesis、2006年、10号、1635〜1638頁)に記載されている。ヒドロキシルアミン置換アミノ酸を含めたN−置換ヒドロキシルアミンは、相当するオキシムの還元によって容易に調製することができる(Ahmad、Bull. Chem. Soc. Japan、1974年、47巻(7号)、1819〜1820頁およびBorchら、J. Am. Chem. Soc.、1971年、93巻(12号)、2897〜2904頁を参照されたい)。
別の実施形態において、オピオイド化合物上のケトン基は、リンカー上の求核性炭素と反応して、炭素−炭素結合を形成し得る。カルボニル基から炭素−炭素二重結合を生じさせる当技術分野において公知の多くの反応が存在する。例えば、スキーム6は、ウィッティヒ反応による炭素−炭素二重結合の形成を示す。リンカーは、ホスホニウム塩を含み、これは塩基による処理によってホスホニウムイリドに変換され、これはケトン基と反応して、炭素−炭素二重結合を形成する(Wittigら、Ber.、1954年、87巻、1318頁)。ホスホニウム塩の調製は、当技術分野で周知である。例えば、ホスホニウム塩は、ホスフィン求核試薬、例えば、トリフェニルホスフィンと、ハロゲン化アルキルとの反応によって容易に調製される(Kolodiazhnyi、「Methods of Preparation of C−substituted Phosphorus Ylides and Their Application in Organic Synthesis」、Russ. Chem. Rev.、1997年、66巻(3号)、225〜254頁を参照されたい)。別の実施形態において、リンカーは、これらに限定されないが、ホスホン酸基を含めた代わりの官能基を含んでもよく、これは塩基による処理によってケトン基と反応してオレフィンを形成する(Horner−Wadsworth−Emmons修飾、Hornerら、Ber.、1958年、91巻、61〜63頁;Wadsworthら、J. Am. Chem. Soc.、1961年、83巻、1733頁;Wadsworthら、Organic Syntheses, Coll.、5巻、547頁(1973年);45巻、44頁(1965年)を参照されたい)。別の実施形態において、オレフィン結合は、Petersonオレフィン化反応によって形成させてもよく、これはケトンとリンカー上のα−シリルアニオンとの反応が関与し、α−シリルアルコールが形成され、これは引き続いて除去され、酸による処理によってオレフィンが形成される(Peterson、「Carbonyl Olefination Reaction Using Silyl−substituted Organometallic Compounds」、J. Org. Chem.、1968年、33巻(2号):780〜784頁を参照されたい)。さらに別の実施形態において、オレフィン結合はまた、ケトンと反応する安定化したアニオンを形成する、リンカー上のフェニルスルホンの組込みによって形成し得る(Juliaオレフィン化)。このように得られたアルコキシドのその後の官能化、およびナトリウムアマルガム還元によって、置換オレフィンが形成される(Juliaら、Tetrahedron Lett.、1973年、14巻、4833〜4836頁)。別の実施形態において、炭素−炭素二重結合は、オピオイド中のケトン基と、メチレン基に隣接する電子吸引性官能基を含むリンカーとの反応によって形成し得る。例えば、構造Z−CH−Z’を有する基である(電子吸引基ZおよびZ’には、これらに限定されないが、−CHO、−COR、−COOH、−COOR、−CN、−NO、−SOR、−SOR、−SOORまたは同様の基(Rは、アルキルまたはアリールである)が含まれる)。このタイプの反応は典型的には、「クネーフェナーゲル縮合」反応と称される。例示的オレフィン化反応の修正は可能であり、これらのオレフィン化反応がまた本発明に包含されることは当業者には明らかであろう。
別の実施形態において、オピオイド化合物は、リンカー上の反応性アニオン種とオピオイド上のケトン基との反応によってリンカーに連結し、炭素−炭素結合を形成し得る。この場合、リンカーは典型的には、塩基による処理によって、または還元によって炭素を中心とするアニオンを形成する電子吸引性官能基(EWG)を含む。例えば、リンカーは、ケトンと反応するヒンダード塩基による処理によって、エノレートアニオンを形成するα−水素を有するカルボニル基を含み得る(アルドール反応)。アルドール反応は周知の反応であり、この反応の多くの修正を使用して、リンカーとオピオイド化合物との間の炭素−炭素結合を形成し得ることは当業者には明らかであろう。リンカー上の炭素を中心とするアニオンとオピオイド上のケトン基との反応を可能とする全ての適切な修正したアルドール反応は、本発明に包含される。例えば、炭素−炭素結合を形成するためにルイス酸触媒と共にシリルエノールエーテルを使用することがまた意図される(Mukaiyamaら、J. Am. Chem. Soc.、1974年;96巻(24号)、7503〜7509頁)。
また意図されるのは、これらに限定されないが、Baylis−Hillman反応を含めた、カルボニル基と炭素−炭素結合を形成させる代わりの反応であり、ここではα,β−不飽和電子吸引基は、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)によって触媒されてオピオイド上のケトン基と反応し、アリル型アルコールが得られる(Moritaら、Bull. Chem. Soc. Jpn.、1968年、41巻、2815頁)。炭素を中心とするアニオンの形成は、カルボニル基を有する化合物に限定されず、これらに限定されないが、−CN、−COR、−COOH、−COOR、−NO、−SOR、−SOR、−SOORなど(Rは、脂肪族、アリール、アラルキルまたはヘテロアルキルである)を含めて、α−アニオンを安定化させる多種多様の他の電子吸引基をリンカー上に使用し得ることは当業者には明らかであろう。
スキーム8に示される別の実施形態において、オピオイド−リンカー構築物は反応して、非オピオイド化合物との第2の共有結合を形成する。非限定的例として、スキーム8は、モルヒネおよびカルシウムチャネルバインダーであるガバペンチンを含むオピオイドハイブリッド化合物の形成を示す。スキーム8において示される実施形態において、モルヒネリンカー構築物を、二官能性リンカーと共に最初に調製する。次いで、リンカー上の第2の官能基を脱保護して、カルボキシル基で置換されているオピオイド−リンカー構築物を生成させる。次いで、カルボキシル基を当技術分野において公知の適切なカップリング剤で活性化し、ガバペンチンのアミノ基と反応させ、保護されたオピオイドハイブリッド化合物を形成する。他の実施形態において、反応中間体、例えば、ハロゲン化アシルまたは活性エステルを、第1のオピオイド−リンカー構築物から形成し、ガバペンチンのアミノ求核試薬と反応させ得る。保護基の除去によって、オピオイドハイブリッド化合物が得られる。
代わりの合成シークエンスを使用して、オピオイド−ガバペンチンハイブリッド化合物または他のオピオイド−非オピオイドハイブリッド化合物を形成し得ることは当業者には明らかである。例えば、保護されたアミノ基を含むオピオイド−リンカー構築物を最初に調製し、続いて脱保護、および保護されたガバペンチンのカルボキシル基とのカップリングによって、保護されたハイブリッド化合物を形成し得る。別の実施形態において、非オピオイド化合物をリンカーと最初に反応させ、非オピオイド−リンカー構築物を形成し、次いで、この構築物をオピオイド化合物と反応させて、所望のオピオイドハイブリッド化合物を形成する。さらに、オピオイドハイブリッド化合物は、上記のような別のオピオイド化合物と共に形成し得ることは明らかである。
一実施形態において、オピオイドハイブリッド化合物は、下記で示すカルシウムチャネル結合剤であるプレガバリンと共に形成し得る。ガバペンチンのように、プレガバリンは、カルボキシル基および第一級アミノ基を含有し、スキーム8において示したものと同様の合成戦略を使用し得る。
上記で示したスキームのいずれかにおいて、保護基は、存在する場合、リンカーへの共有結合が形成されると除去することができる。基の調製および除去のための条件を含めた多種多様の有機保護基は、参照により組み込まれている「Protective Groups in Organic Synthesis」(Greeneら、第3版、Wiley−Interscience、New York、NY、1999年)に記載されている。
混合オピオイド薬学的塩
本発明はまた、ポリプロトン酸と関連している少なくとも2つの異なるオピオイド化合物を含む混合オピオイド塩鎮痛性組成物を提供する。構造的に関連するオピオイド化合物は典型的には、N−メチルピペリジンD環の一部として塩基性第三級アミン基を含み、これは、薬学的に許容される酸と塩を形成することができる。ポリプロトン酸、例えば、硫酸は、2つのオピオイド化合物と塩を形成することができることは公知である(2:1のモル比率のモルヒネとスルフェート)。例えば、薬学的処方物MS CONTIN(登録商標)は、1つの硫酸基毎に2つのモルヒネ分子の硫酸塩を含有する。鎮痛性用量未満のモルヒネおよびオキシコドンの共投与が、CNS副作用のより低い発生率を伴って相乗的有効性を実現することを示す研究を考慮すれば、2つ以上の異なるオピオイド化合物と共に、2つ以上の酸性プロトンを有する酸の塩は、2つの異なるオピオイドを1つの投薬形態で投与することにおいて相乗的利益を実現し得る。
本発明の投薬形態は硫酸塩に限定されず、任意の薬学的に適切なポリプロトン酸および2つ以上の異なるオピオイド化合物から調製し得る。同様に、混合オピオイド塩はモルヒネおよびオキシコドンに限定されず、2つ以上のオピオイド化合物の任意の組合せによって形成し得る。好ましくは、2つ以上の異なるオピオイド化合物は、望ましくない副作用がより少ない一方で、異なるオピオイド受容体のサブクラスに対して活性であり、相乗的有効性を実現する。ポリプロトン酸、および酸性プロトンの数によって、種々の混合オピオイド塩を生成することができることを理解されたい。
一実施形態において、混合オピオイド塩は、ジプロトン酸、例えば、硫酸を含む。別の実施形態において、混合オピオイド塩は、リン酸を含む。さらに別の実施形態において、混合オピオイド塩は、ポリプロトン性カルボン酸を含む。適切なポリプロトン性カルボン酸には、これらに限定されないが、アジピン酸、アスパラギン酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、ショウノウ酸などが含まれる。
ポリプロトン酸の酸性プロトンの解離についての異なる酸解離平衡定数は、典型的には実質的に異なり(平衡定数の対数に負号をつけたものを参照−pKa)、酸性度におけるこの差異を利用して、本発明の混合オピオイド塩を形成することができる。例えば、水中の硫酸について、最も酸性のプロトンのpKaであるpKは−3であり、次に最も酸性のプロトンのpKaであるpKは1.92である。リン酸について、pKは2.12であり、pKは7.20である。一実施形態において、混合オピオイド塩は、塩基性窒素を有する1当量または複数当量のオピオイド化合物を、溶液中の1当量のポリプロトン酸塩に最初に加え、1つのオピオイド化合物およびポリプロトン酸塩の第1のオピオイド塩を形成させ、次いで第2またはその後の当量の第2のオピオイド化合物を、ポリプロトン酸の第1のオピオイド塩に加えることによって調製し、混合オピオイド塩を形成し得る。この実施形態において、1つの酸残基と関連する2分子の同じオピオイドを含有する塩の形成を回避するために、添加の順序は重要である。典型的には、第2のオピオイド化合物を加える前に、第1のオピオイド塩を単離および精製する。好ましくは、第2のオピオイド化合物を、ジ−オピオイド塩が難溶解性を有し、かつ形成されるにつれ溶液から沈殿する条件下で、モノ−オピオイド塩に加える。
別の実施形態において、混合オピオイド塩は、ポリプロトン酸を2つ以上の異なるオピオイド化合物の等モル溶液に加えることによって形成し得る。この状況において、塩の混合物が形成されることが可能である。混合物は、所望の混合オピオイド塩、および1分子のポリプロトン酸塩と共に2分子の同じオピオイド化合物を含有するいくらかの量の塩を含み得る。
一実施形態において、混合オピオイド塩は、ジプロトン酸と組み合わせた、1:1のモル比の1当量の第1のオピオイド化合物および1当量の第2のオピオイド化合物を含む。別の実施形態において、混合オピオイド塩は、トリプロトン酸と組み合わせた、1:2のモル比の1当量の第1のオピオイド化合物および2当量の第2のオピオイド化合物を含む。別の実施形態において、混合オピオイド塩は、トリプロトン酸と組み合わせた、1:1:1のモル比の1当量の第1のオピオイド化合物、1当量の第2のオピオイド化合物および1当量の第3のオピオイド化合物を含む。
一実施形態において、混合オピオイド塩は、モルヒネおよび少なくとも1つの他のオピオイドを含む。別の実施形態において、混合オピオイド塩は、オキシコドンおよび少なくとも1つの他のオピオイド化合物を含む。一実施形態において、混合オピオイド塩は、1:1の比のモルヒネおよびオキシコドンを含む。別の実施形態において、混合オピオイド塩は、モルヒネおよびオキシコドンの硫酸塩であり、スルフェート、モルヒネおよびオキシコドンの比は、1:1:1である。別の実施形態において、混合オピオイド塩は、ジ−カルボン酸と共にモルヒネおよびオキシコドンを含む。
本発明の別の態様において、少なくとも1つのオピオイドと少なくとも1つの非オピオイド化合物との混合塩が提供される。一実施形態において、第2の非オピオイド化合物は、非オピオイド性鎮痛剤である。典型的には、第2の非オピオイド化合物は塩基性残基を有し、2つのオピオイド化合物を有する混合オピオイド塩についての上記のような、少なくとも1つのオピオイド化合物およびポリプロトン酸を有する混合塩を形成する。この実施形態において、混合塩は、1つまたは2つのオピオイド化合物と1つまたは2つの非オピオイド化合物とを様々な比で含むことができる。オピオイド化合物は同一でも異なっていてもよく、非オピオイド化合物は、同一でも異なっていてもよい。例えば、上記の少なくとも2つのオピオイド化合物を含む混合塩と同様に、1当量または2当量のオピオイド化合物および1当量または2当量の非オピオイド化合物を含む混合塩は、ジプロトン酸塩と組み合わせて、1:1のモル比で存在することができ、またはオピオイド化合物および非オピオイド化合物は、トリプロトン酸と組み合わせて、2:1または1:2のモル比でよい。
別の実施形態において、鎮痛性化合物は、塩基性部位を含む非ステロイド性抗炎症性化合物(NSAID)である。例えば、NSAIDであるピロキシカム、ロルノキシカムおよびテノキシカムは、オピオイド化合物と組み合わせて適切なポリプロトン酸と塩を形成し得るアミン塩基を含有する。別の実施形態において、NSAIDは、COX−2阻害剤化合物である。COX−2阻害剤であるセレコキシブ(Celebrex(登録商標))は、弱塩基として機能し、かつポリプロトン酸と塩を形成することができるピラゾール基を含有する。
別の実施形態において、第2の非オピオイド化合物は、カルシウムチャネル結合剤、例えば、ガバペンチンまたはプレガバリンである。ガバペンチンおよびプレガバリンの両方は、ポリプロトン酸と塩を形成し得る塩基性アミノ基を有する。
混合オピオイド塩は、混合オピオイド塩についての上記と同じ様式で形成させてもよく、ここではポリプロトン酸およびオピオイド化合物または非オピオイド性鎮痛性化合物の第1の塩を最初に形成させ、それに続いて第2の化合物を添加する。オピオイド性または非オピオイド性鎮痛性化合物を最初に使用して、2つの化合物の相対的塩基性度によってポリプロトン酸のモノ塩を形成し得る。典型的には、より酸性のプロトンはより弱い塩基との塩の形成を好むため、より弱い塩基である化合物を最初に使用して、ポリプロトン酸とモノ塩を形成させる。
本発明の別の態様において、非オピオイド化合物は、オピオイド化合物の塩基性窒素をプロトン化し、かつ別の酸を使用することなしにオピオイド化合物と塩を形成することができる酸性官能基を有する。この実施形態において、混合塩は、オピオイド化合物の遊離塩基と酸性活性剤とを直接合わせることによって形成される。非オピオイド性鎮痛性化合物とオピオイド化合物の比は、非オピオイド化合物上の酸性官能基の数によって、ならびに所望の化学量論および混合塩の特性によって決まる。多くのNSAID化合物は、これらに限定されないが、サリチル酸(アスピリン)および他のサリチル酸塩、例えば、ジフルニサル;2−アリールプロピオン酸、例えば、イブプロフェン、カルプロフェン、フェンブフェン、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラク、ロキソプロフェン、ナプロキセン、オキサプロジン、チアプロフェン酸およびスプロフェン;n−アリールアントラニル酸、例えば、メフェナム酸(metenamic acid)およびメクロフェナム酸;アリールアルカン酸、例えば、ジクロフェナク、アセクロフェナク、アセメタシン、エトドラク、インドメタシン(idomethacin)、スリンダクおよびトルメチンなどを含めた、酸性カルボン酸部分を含有する。
一実施形態において、混合塩は、オピオイド化合物およびガバペンチンを含む。別の実施形態において、混合塩は、オピオイド化合物およびプレガバリンを含む。上記で考察するように、ガバペンチンおよびプレガバリンの両方は、塩基性第三級アミノ基をプロトン化することによってオピオイド化合物と塩を形成することができるカルボキシル基を含有する。ガバペンチンおよびプレガバリンは第一級アミノ基を含有するが、第三級アミンは典型的にはより塩基性であり、これは、混合オピオイド−ガバペンチンまたはオピオイド−プレガバリン混合塩の形成を好むことが公知である。
酸性非オピオイド化合物と塩基性オピオイド化合物との塩が形成されるとき、典型的には、いずれかの化合物の溶液を第2の化合物で処理し、塩を当業者に公知の標準的方法によって沈殿させる。当然ながら、非オピオイド性鎮痛性化合物は酸として作用するため、この実施形態において酸は必要ない。添加の順序は決定的ではない。別の実施形態において、混合塩は、代わりの塩の形態の各成分のメタセシス反応によって調製し得る。例えば、代わりの塩の形態のカチオン性およびアニオン性成分は、撹拌した水性溶媒中で混合し得る。十分な時間の後、混合塩を、非混和性有機溶媒によって水性溶媒から抽出し得る。次いで、抽出された混合塩を、揮発性溶媒を除去することによって単離する。
別の実施形態において、混合オピオイド塩は、異なる治療効果を有する別の活性剤と共に1つもしくは複数のオピオイド化合物を含み、それによって1つを超える治療上の有用性を有する薬学的組成物を提供する。この実施形態は、塩基性または酸性残基を有する活性剤を包含する。混合塩は、混合塩のカチオン性およびアニオン性成分、ならびにその調製において用いられる化学量論に基づいて、調整可能な生物学的特性を有し得る。例えば、一実施形態において、混合オピオイド塩は、少なくとも1つのオピオイド化合物と関連しているポリプロトン酸、および塩基性残基を含有する少なくとも1つの第2の活性剤を含み得る。別の実施形態において、混合オピオイド塩は、別の酸を使用することなしに、酸性残基を含有する活性剤を有する塩基性オピオイド化合物の塩でよい。非オピオイド活性剤の性質は限定されず、混合オピオイド塩の所望の治療効果によって決まる。例えば、混合オピオイド塩は、術後疼痛を処置し、日和見感染を予防する抗菌剤と関連しているオピオイド化合物を含み得る。多くの抗菌剤、例えば、βラクタム抗生物質は、塩基性オピオイド化合物と塩を形成し得るカルボキシル基を含有する。別の例として、混合オピオイド塩は、抗炎症剤と共にオピオイド化合物を含み、医学的状態と関連する疼痛および炎症を処置し得る。非オピオイド活性剤が塩基性残基を有する別の実施形態において、混合オピオイド塩は、オピオイド化合物とポリプロトン酸との1:1塩を最初に形成させ、次いで第2の(またはその後の)当量の塩基性非オピオイド活性剤を加えることによって調製し、2つの異なるオピオイド化合物を有する塩についての上記のような混合塩を形成し得る。別の実施形態において、塩は、塩基性非オピオイド化合物とポリプロトン酸とを最初に反応させ、次いで1当量のオピオイド化合物を加えることによって作製し、混合オピオイド塩を形成し得る。非鎮痛性活性剤が酸性残基を含有するまた別の実施形態において、酸性活性剤と塩基性オピオイド化合物との塩を、上記のような別の酸を伴わずに形成し得る。
本発明の一態様において、混合オピオイド塩は、イオン性液体である。イオン性液体は、100℃未満の融点を有する塩と広範に定義され、周囲温度で液体である多くのイオン性液体が公知である。
最近まで、イオン性液体は、それらの独特の物理的および化学的性質、ならびに特化された代わりの溶媒および電気化学的流体としてのそれらの使用について研究されてきた。しかし、これらの材料は、滑沢剤、熱流体、磁性流体、光学的流体および他の特化された材料として今や興味を引いている。イオン性液体はまた、特化された生物学的特性を有するハイブリッド生物学的塩として最近研究されてきた。例えば、Houghらは、それぞれ、ヒスタミンH−受容体アンタゴニストであるラニチジンおよび軟化剤であるドキュセート、ならびに疼痛緩和剤であるリドカインおよびドキュセートの塩を含む、ラニチジンドキュセート(RD)およびリドカインドキュセート(LD)のイオン性液体塩の調製を報告した(Houghら、New J. Chem.、2007年、31巻、1429〜1436頁およびHoughおよびRogers, Bull. Chem. Soc. Jpn.、2007年、80巻(12号)、2262〜2269頁を参照されたい)。この研究によって、LDイオン性液体が局所的に適用されたときに、塩酸リドカインと比較して、溶解度の変化、熱安定性の増加および抗侵害受容活性の改善を示したことが見出された。薬学的イオン性液体が取り組む1つの一般の問題は、薬学的固体が、異なる物理的性質、例えば、溶解度、安定性およびバイオアベイラビリティーを示す異なる多形の形態で存在する傾向である。活性薬学成分(API)の1つの多形固体形態は保存または加工の間に別の形態に再結晶することがあり、不利益であり得る変化した特性を有する処方物をもたらすことは珍しくはない。可能性のある固体形態の全て、これらの形態の相対的安定性およびバイオアベイラビリティーを決定し、安定的で活性のある薬物処方物を確実にするために、APIの開発の間にかなりの時間、努力および金銭が薬学的産業において投資されている。実際は、薬物の異なる多形形態の評価は、薬物の安全性および有効性を確実にするための規制基準である。
この実施形態において、上記の塩基性オピオイド化合物および酸性非オピオイド活性剤を含む混合オピオイド塩と同様に、この混合オピオイド塩は、少なくとも1つのカチオン性オピオイド成分および少なくとも1つのアニオン性成分の混合物であり、差異は、この混合塩が周囲温度で液体であることである。例えば、オピオイド成分は、プロトン化したアンモニウム種の形態でよく、アニオン性成分は、酸性種のアニオン、例えば、カルボキシレート、スルホネートなどでよい。いくつかの実施形態において、イオン性液体混合オピオイド塩におけるオピオイドカチオンと非オピオイドアニオンの化学量論は、アニオン種の性質(すなわち、モノプロトン性またはポリプロトン性)、ならびに混合塩の所望の生物学的および物理的性質によって1:1、2:1または3:1でよい。別の実施形態において、2つ以上の異なるオピオイド化合物は、1つのポリプロトン性アニオン性対イオンと関連している。
イオン性液体塩は、塩基性オピオイド成分の遊離塩基と上記のような酸性成分とを合わせることによって調製し得る。代わりに、イオン性液体塩は、代わりの塩の形態の各成分のメタセシス反応によって調製し得る。カチオン性およびアニオン性成分を溶媒中で混合し、撹拌させる。イオン性液体は、非混和性溶媒で溶液から抽出する。例えば、水またはアルコール−水混合物が溶媒として使用されるとき、イオン性液体は、非水混和性溶媒、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、エーテル、酢酸エチルなどで溶液から抽出し得る。抽出されたイオン性液体は、水で洗浄し、次いで減圧中で濃縮し、有機溶媒を除去し得る。
一実施形態において、混合オピオイド塩は、疼痛の処置において、モルベースで等しい用量の個々の活性化合物自体のいずれかより大きな有効性を有する。例えば、1モルのモルヒネおよび1モルのオキシコドンを含む混合塩は、2モルのモルヒネまたはオキシコドン自体のいずれかより大きな有効性を有する。
別の実施形態において、混合オピオイド塩は、モルベースで等しい用量のいずれかの活性化合物自体より少ない、望ましくない副作用を有する。
好ましい実施形態において、混合オピオイド塩は、神経障害性疼痛の処置において個々の活性剤と比較して相乗的有効性を有する。特定の一実施形態において、モルヒネおよびオキシコドンを含む混合オピオイド塩は、等しい用量のいずれかのオピオイド単独と比較して、神経障害性疼痛の処置において相乗的有効性を示す。他の特定の実施形態において、カルシウムチャネル結合剤、例えば、ガバペンチン、プレガバリン、またはガバペンチンエナカルビルを含む混合オピオイド塩は、等しい用量のオピオイド化合物単独またはカルシウムチャネル結合剤単独と比較して、神経障害性疼痛の処置において相乗的有効性を示す。
別の実施形態において、混合オピオイド塩は、個々の活性剤と比較して、侵害受容性疼痛の処置において相乗的有効性を示す。
さらに別の実施形態において、混合オピオイド塩は、等しい用量の個々の活性剤単独と比較して、混合疼痛状態、すなわち、神経障害性疼痛および侵害受容性疼痛の組合せの処置において相乗的有効性を示す。混合疼痛状態の処置における特定の実施形態において、モルヒネおよびオキシコドンを含む混合オピオイド塩は、等しい用量のモルヒネまたはオキシコドン単独の有効性と比較して相乗的有効性を示す。混合疼痛状態の処置のための別の特定の実施形態において、オピオイドおよびカルシウムチャネル結合剤、例えば、ガバペンチン、プレガバリン、またはガバペンチンエナカルビルを含む混合塩は、等しい用量のオピオイド自体またはカルシウムチャネル結合剤自体の有効性と比較して相乗的有効性を示す。
薬学的組成物
「薬学的に許容されるキャリア、アジュバント、またはビヒクル」という用語は、本発明の化合物と一緒にヒトに投与してもよく、かつその薬理活性を破壊または低下させない、無毒性のキャリア、アジュバント、またはビヒクルを指す。
これらの薬学的組成物において使用し得る薬学的に許容されるキャリアは、一般に当技術分野において公知である。これらには、これらに限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、血清タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、緩衝物質(例えば、ホスフェート)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的グリセリド混合物、水、溶媒、塩または電解質(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、シリケート、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースをベースとする物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、油、炭水化物ポリマー、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。薬学的に受け入れられているビヒクルは、1つを超える賦形剤の混合物を含有することができ、成分および比は、これらに限定されないが、保存寿命、安定性、薬物負荷、送達部位、溶解速度、自己乳化、放出速度および放出部位の制御、ならびに代謝を含めた処方物の所望の特徴を最適化するために選択することができる。
本発明の組成物は、経口的、非経口的、吸入、局所的、直腸、経鼻、口腔、経膣的、経皮的に、または埋込レザバーによって投与し得る。「非経口」という用語は、本明細書において使用する場合、皮下、静脈内、筋内、関節内、滑液嚢内、胸骨内、くも膜下腔内、肝臓内、病巣内および頭蓋内の注射または注入技術を含む。好ましくは、組成物は、経口的、皮下、腹腔内または静脈内に投与される。
本発明の組成物の無菌注射用形態は、水性または油性の懸濁物でよい。これらの懸濁物は、適切な分散化剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して当技術分野で公知の技術によって処方し得る。無菌の注射可能な調製物はまた、無毒性の非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の無菌の注射可能な溶液または懸濁物、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液としてでよい。用いてもよい許容されるビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌不揮発性油を、溶媒または懸濁媒として通常通りに用いる。この目的のために、合成モノ−またはジ−グリセリドを含めた任意の無刺激性の不揮発性油を用い得る。脂肪酸、例えば、オレイン酸およびそのグリセリド誘導体は、天然の薬学的に許容される油、例えば、オリーブ油またはヒマシ油、特にそれらのポリオキシエチル化バージョンのように、注射剤の調製において有用である。これらの油溶液または懸濁物はまた、長鎖アルコール希釈剤または分散剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、または乳剤および懸濁物を含めた薬学的に許容される投薬形態の処方において一般に使用される同様の分散化剤を含有し得る。他の一般に使用される界面活性物質、例えば、Tween、Span、および薬学的に許容される固体、液体、または他の投薬形態の製造において一般に使用される他の表面活性乳化剤またはバイオアベイラビリティー増強剤をまた、処方の目的のために使用し得る。
本発明の薬学的組成物は当技術分野で公知の技術によって調製してもよく、これらに限定されないが、カプセル剤、錠剤、水性懸濁物または溶液を含めた任意の経口的に許容される投薬形態で経口的に投与し得る。経口使用のための錠剤の場合、一般に使用されるキャリアには、これらに限定されないが、セルロース、ラクトース、またはトウモロコシデンプンが含まれる。滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムをまた典型的には加える。カプセル形態での経口投与のために、有用な希釈剤またはキャリアには、ラクトースおよび乾燥トウモロコシデンプンが含まれる。水性懸濁物または溶液が経口使用のために必要とされるとき、活性成分を、乳化剤および懸濁化剤と合わせる。必要に応じて、特定の甘味剤、矯味矯臭剤または着色剤をまた加えてもよい。
代わりに、本発明の薬学的組成物は、直腸投与のための坐剤の形態で投与し得る。これらは、例えば、薬剤を、室温で固体であるが直腸の温度で液体であり、したがって直腸内で融解して薬物を放出する適切な非刺激性の賦形剤と混合することを含めた、当技術分野で公知の技術を使用して調製することができる。このような材料には、カカオバター、蜜蝋およびポリエチレングリコールが含まれる。
本発明の薬学的組成物はまた、特に、処置の標的が、局所適用によって容易に到達可能な領域または器官(目、皮膚、気道、もしくは下部腸管の疾患を含めた)を含むとき、局所的に投与し得る。適切な局所処方物は、当技術分野で公知の技術を使用して、これらの領域または器官のそれぞれのために容易に調製される。例えば、下部腸管のための局所適用は、直腸の坐剤処方物(上記を参照されたい)または適切な浣腸処方物において成し遂げることができる。局所的経皮パッチをまた使用し得る。
局所または経皮的適用のために、薬学的組成物は、1つもしくは複数のキャリアに懸濁または溶解した活性成分を含有する適切な軟膏剤または基剤に、当技術分野で公知の技術によって処方し得る。本発明の化合物の局所投与のためのキャリアは当技術分野で周知であり、これらに限定されないが、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ろう、および水が含まれる。代わりに、薬学的組成物は、1つもしくは複数の薬学的に許容されるキャリアに懸濁または溶解した活性成分を含有する適切なローション剤またはクリーム剤に処方することができる。適切なキャリアには、これらに限定されないが、鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート60、セチルエステルワックス、セテアリルアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水が含まれる。
さらに、本発明の化合物を処方して、当業者には周知である方法によって化合物のバイオアベイラビリティーを増加させることができる。本発明の化合物を処方する方法、および処方の例は、参照により本明細書中にその全体が組み込まれている「Water−Insoluble Drug Formulation」、Rong Liu編、CRC Press LLC、2000年に記載されている。
本発明の一部として意図される処方物には、これらに限定されないが、制御された沈殿法によって、および参照により本明細書にその全体が組み込まれている米国特許出願第10/392,403号(出願公開第2004/0033267号)に開示されている方法によって作製されるナノ粒子処方物が含まれる。当技術分野において公知のナノ粒子のための一般の賦形剤には、水、表面活性剤、例えば、糖ポリマー(変性セルロース)および洗剤、ならびにまた任意選択で保存剤、例えば、ベンザルコニウム塩、安息香酸もしくはその塩、またはパラベンが含まれる。ナノ粒子を形成させることによって、本明細書において開示されている組成物は、バイオアベイラビリティーを増加させてきた。好ましくは、本発明の化合物の粒子は、光散乱法、顕微鏡、または当業者には周知である他の適当な方法によって測定して、約2ミクロン未満、約1900nm未満、約1800nm未満、約1700nm未満、約1600nm未満、約1500nm未満、約1400nm未満、約1300nm未満、約1200nm未満、約1100nm未満、約1000nm未満、約900nm未満、約800nm未満、約700nm未満、約600nm未満、約500nm未満、約400nm未満、約300nm未満、約250nm未満、約200nm未満、約150nm未満、約100nm未満、約75nm未満、または約50nm未満の有効な平均粒径を有する。ナノ粒子調製物は、例えば、懸濁物またはクリーム剤または軟膏剤(局所または経皮的投与のため)、懸濁物または散剤または錠剤またはカプセル剤またはペレット剤(坐剤または経口投与のため)、懸濁物(無菌注射用処方物のため)、およびポリマー処方物を含めた、ここに記載する処方アプローチの多くに組み込むことができる。
本発明を構成する化合物は、化合物の持続放出を可能とする生分解性または非生分解性ポリマーに組み込むことができる。薬物が体を通して非経口的に送達されるようにポリマーを植え込むことができ、または本発明を構成する化合物を有するポリマーを腫瘍近傍において植え込むことができる。制御された薬物送達におけるポリマーの概説は、例えば、参照により本明細書中にその全体が組み込まれている「Biodegradable Polymers as Drug Delivery Systems」、Chasin MおよびLanger R(編)、New York、Marcel Dekker、1990年に見出すことができる。別の概説は、参照により本明細書中にその全体が組み込まれている「Handbook of Biodegradable Polymers」、D. Weseman、J. KostおよびA. Domb、Taylor & Francis、1998年に見出すことができる。
「薬学的に許容される誘導体またはプロドラッグ」とは、レシピエントへの投与によって、直接的または間接的に、本発明の化合物または阻害剤活性代謝物またはその残渣を提供することができる、本発明の化合物の任意の薬学的に許容される塩、エステル、アミド、エステルもしくはアミドの塩、または他の誘導体を意味する。特に好ましい誘導体またはプロドラッグは、このような化合物をヒトに投与するときに本発明の化合物のバイオアベイラビリティーを増加させるもの(例えば、経口的に投与された化合物が血液中により容易に吸収されることを可能にすることによって)、または親種と比較して生物学的コンパートメント(例えば、脳もしくはリンパ系)への親化合物の送達を増強するものである。
本発明の化合物の薬学的に許容されるプロドラッグには、これらに限定されないが、本化合物の下記の誘導体:エステル、アミノ酸エステル、アミノ酸アミド、リン酸エステル、金属塩、スルホネートエステル、カルバメート、およびアミドが含まれる。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機酸および有機酸および塩基に由来するものが含まれる。適切な酸性塩の例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩およびウンデカン酸塩が含まれる。
適当な塩基に由来する塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウムおよびカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)塩、アンモニウム塩ならびにN(C1〜4アルキル)塩が含まれる。本発明はまた、本明細書において開示されている化合物の任意の塩基性窒素含有基の四級化を想定する。水溶性または油溶性または分散性の生成物は、このような四級化によって得てもよい。
本発明の化合物はまた、これらに限定されないが、分子、例えば、シクロデキストリンを有するホスト−ゲスト錯体、非イオン性錯体、安定化したアモルファス固体、ガラス、固溶体、および共沈殿物を含めた、混合物または錯体として処方することができる。これらの処方物における化合物は、個々の分子、アモルファス粒子、または結晶粒子に分散させることができる。これらの処方物は、これらに限定されないが、溶媒が媒介する共沈殿、噴霧乾燥、粉砕、ホットメルト押出、および造粒を含めた当業者には公知の技術によって調製することができる。
単一の投薬形態を生じさせるためにキャリア材料と合わせてもよい本発明の化合物または混合オピオイド塩の量は、処置を受けるヒト、処置の目的、疼痛状態、およびヒトがオピオイドの投与を受けたことがないか、または耐性が発生したか否かによって変化する。特定の投与方式はまた、ヒトに投与する化合物の用量に影響を与える。
任意の特定のヒトについての特定の投与量および処置レジメンは、用いる特定の化合物の活性、年齢、体重、身体全体の健康、性別、食事、投与の時間、排せつ率、薬物の組合せ、および処置を行う医師の判断、および鎮痛剤処置を必要とする状態の重症度を含めた種々の要因によって決まることをまた理解すべきである。
一実施形態において、本発明は、上記のようなハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩、および薬学的に許容されるキャリア、アジュバントまたはビヒクルを含む組成物を提供する。
一実施形態において、キャリアは、経口、非経口、吸入、局所、または皮内の投与に適している。
別の実施形態において、組成物は、生分解性または非生分解性ポリマーに組み込まれる。
さらに別の実施形態において、組成物は、ハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩および添加物を含む。添加物は、抗酸化剤、緩衝剤、制菌剤、液体キャリア、溶質、懸濁化剤、増粘剤、矯味矯臭剤、ゼラチン、グリセリン、バインダー、滑沢剤、不活性な希釈剤、保存剤、表面活性剤、分散化剤、生分解性ポリマー、または任意のこれらの組合せから選択し得る。
処置方法
本発明の別の態様は、ヒトにおいて疼痛を処置または軽減する方法に関し、この方法は、このような処置を必要としているヒトに、治療有効量のハイブリッドオピオイド化合物、混合オピオイド塩、またはその薬学的組成物を投与することを含む。一実施形態において、本発明の化合物および塩を使用して、神経障害性疼痛を緩和または処置する。別の実施形態において、化合物および塩を使用して、侵害受容性疼痛を緩和または処置する。様々な実施形態において、ハイブリッドオピオイド化合物および混合オピオイド塩を使用して、線維筋痛症、糖尿病性ニューロパシー、三叉神経痛、ヘルペス後帯状疱疹疼痛(末梢性疼痛)、および視床痛症候群(中枢痛)と関連する疼痛を緩和または処置する。神経障害性疼痛は侵害受容性疼痛と共存することが多く、本発明の化合物および塩を使用して、神経障害性疼痛および侵害受容性疼痛の組合せを処置し得る。例には、組織および神経を損傷する外傷、火傷(皮膚および神経終末を火傷させる)、ならびに外部神経圧迫が含まれる。後者の例には、腫瘍の神経圧迫、および神経を圧迫する椎間板ヘルニアからの坐骨神経痛が含まれる。さらに別の実施形態において、本発明の化合物および塩を使用して、体性痛または内臓痛を処置する。様々な他の実施形態において、本発明の化合物を使用して、炎症、関節疾患および骨痛と関連する疼痛を処置する。本発明のハイブリッドオピオイド化合物および混合オピオイド塩を使用して、がん疼痛、手術または外傷後の疼痛、医学的疾病と関連する疼痛などを含めた種々の状態によってもたらされる疼痛を処置し得る。
別の実施形態において、有効量の本発明のハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩を投与することを含む、疼痛を予防する方法を提供する。この実施形態において、ハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩は、疼痛状態を予期しているヒトに投与して、これらに限定されないが、上記で考察した疼痛タイプのいずれかを含めた任意のタイプの疼痛を予防し得る。
治療有効量の本発明のハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩を含む薬学的組成物は、それらの意図した投与経路、例えば、非経口、皮内、皮下、注射剤、静脈内、経口、皮内、皮下、経皮的(局所)、経粘膜的、および直腸投与と適合するように処方され、ヒトにおいて鎮痛を達成するために投与される。
一実施形態において、本発明は、それを必要としているヒトに、薬学的に許容されるキャリアと組み合わせて、有効量の本発明のハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩を投与することを含む、オピオイド化合物に対して耐性となったヒトを処置する方法を提供する。
別の実施形態において、本発明は、薬学的に許容されるキャリアと組み合わせて、有効量のハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩を投与することを含む、麻薬離脱を経験しているか、またはメタドン処置を経験しているヒトを処置する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、本発明のハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩は、別の活性剤と組み合わせて投与する。一実施形態において、ハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩は、別の鎮痛性化合物と組み合わせて投与する。他の鎮痛性化合物は、オピオイド化合物または非オピオイド性鎮痛性化合物でよい。別の実施形態において、本発明のハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩は、異なる治療上の有用性を有する活性剤と組み合わせて投与する。例えば、本発明の化合物は、抗炎症性化合物、抗菌化合物、抗ウイルス性化合物、または抗増殖性化合物、例えば、抗がん治療法と組み合わせて投与し得る。
一実施形態において、ハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩を使用して、それを必要としているヒトにおいて発作を処置する。別の実施形態において、ハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩を使用して、それを必要としているヒトにおいてうつ病を処置する。別の実施形態において、ハイブリッドオピオイド化合物または混合オピオイド塩を使用して、それを必要としているヒトにおいて中枢神経系障害を処置する。
生物学的実験:抗侵害受容のアセスメント
広く受け入れられているテールフリック潜時試験を使用して、抗侵害受容を定量化する。この方法は、参照によりその全体が組み込まれているD’Armourら、「A Method for Determining Loss of Pain Sensation」、J. Pharmacol. Exp. Ther.、1941年、72巻、74〜79頁に記載されている。手短に言えば、経口(po)、icvおよびip研究のために、放射熱をラットの尾の下3分の1の背側面上に集中させ、一方、sc研究のために、Columbus Instruments Analgesia Meter(OH、US)を使用して侵害性の熱をラットの尾の腹側面に当てる。9.0sのカットオフを使用して、組織の損傷を最小化する。注射前の反応時間は典型的には、3〜4.5sである。概ね5分の間を開けた3回の読み取り値の平均を使用する。テールフリック潜時は、最初のテールフリック潜時を10分および20分に決定して、試験を120分に停止するsc投与を除いて、投与の5分、10分、15分、30分、45分、60分、90分、120分および180分後に決定する。
下記の略語を、実施例において使用する。
℃:摂氏温度
anh:無水
Boc:tert−ブチルオキシカルボニル
CDI:1,1’−カルボニルジイミダゾール
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM:ジクロロメタン
DMAP:ジメチルアミノピリジン
DMF:ジメチルホルムアミド
cat:触媒量
EDCI:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド
eq.:モル当量
EtOAc:酢酸エチル
EtOH:エチルアルコール
g:グラム
h:時間
O:水
HOBt:ブチルアルコール
hplc:高速液体クロマトグラフィー
IC50値:測定した活性において50%の低下をもたらす阻害剤の濃度
icv:脳室内
ip:腹腔内
mg:ミリグラム
mL:ミリリットル
mmol:ミリモル
MeOH:メチルアルコール
NaBHCN:シアノ水素化ホウ素ナトリウム
NaH:水素化ナトリウム
PTSA:パラ−トルエンスルホン酸
r.t.:室温
s:秒
sc:皮下
TFA:トリフルオロ酢酸
THF:テトラヒドロフラン
TLC:薄層クロマトグラフィー。
本明細書において使用するさらなる略語は、The ACS Style Guide、第3版、Coghillら編、Oxford University Press、New York、2006年に記載されている。
本明細書に記載されている合成手順のいずれかにおいて必要な場合、適当な保護基を使用し得る。保護基の例は、「Protective Groups in Organic Synthesis」(Greeneら、第3版、Wiley−Interscience、New York、NY、1999年)を含めた文献において見出すことができる。
例示として提示し、かつ本発明を制限することを意図しない下記の実施例を参照することにより、本発明はより容易に理解される。
水性後処理:反応が完了した後、反応混合物を典型的には、生成物の単離および精製の前に水性後処理に供する。典型的には、混合物を、等しい容積の非水混和性有機溶媒、例えば、酢酸エチルまたは塩化メチレン、および水または塩の希釈溶液、例えば、塩化アンモニウムを含有する分液漏斗中に注ぐ。混合物を撹拌し、層を作らせる。有機層を取り出し、水層を別の容積の有機溶媒で数回逆抽出する。有機層を合わせ、飽和塩溶液(ブライン)で洗浄し、次いで乾燥剤、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウムなどの上で乾燥させ、濾過する。濾過した溶液をロータリーエバポレーター上で減圧中にて濃縮し、恒量までさらに乾燥させる。
ステップ1:オキシコドン−リンカーオキシムの形成
オキシコドン遊離塩基を、撹拌しながら周囲温度で窒素雰囲気下にてエタノール(概ね1Mの溶液)に溶解する。この溶液に、概ね1.1当量のO−(カルボキシメチル)ヒドロキシルアミンヘミ塩酸塩を1回で加える。次いで、概ね0.1当量の酢酸を加え、TLCまたはHPLC分析によってオキシコドンが消滅するまで溶液を周囲温度で撹拌する。次いで、反応物を水性後処理に供する。生成物を、シリカゲルもしくはアルミナクロマトグラフィーによって、または分取HPLCによって精製する。
ステップ2:3−tert−ブチルジメチルシリルモルヒネ(TBDMSモルヒネ)
3−tert−ブチルジメチルシリルモルヒネ(TBDMSモルヒネ)の調製は、本明細書にその全体が組み込まれている米国特許第5,977,326号に記載されている。手短に言えば、撹拌した無水モルヒネの無水THF(概ね0.5M)懸濁物に−78℃で、僅かに過剰な1.6Mのn−ブチルリチウム(概ね1.1当量)をゆっくりと加える。このように得られた混合物を、撹拌しながら−78℃で熟成させる。僅かに過剰な塩化tert−ブチルジメチルシリル(概ね1.2当量)の無水THF溶液を、10分に亘りゆっくりと加え、混合物を周囲温度にゆっくり温め、その時点で均一溶液が存在する。次いで、混合物を水性後処理に供する。粗生成物を、塩化メチレン/メタノール(5:1)を使用したシリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、純粋な生成物を得る。
ステップ3:モルヒネ−オキシコドンハイブリッド化合物の調製
3−tert−ブチルジメチルシリルモルヒネ(1当量)およびステップ1からのオキシコドン−リンカーオキシム(1当量)の無水溶媒、例えば、THF(概ね0.1M)溶液に、2当量のアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)および2当量のトリフェニルホスフィンを加える。このように得られた混合物を、TLCまたはHPLCによってモニターして、3−tert−ブチルジメチルシリルモルヒネおよび/またはオキシコドン−リンカーオキシムが消費されるまで周囲温度で撹拌する。次いで、このように得られた混合物を水性後処理に供し、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは分取HPLCによって精製し、保護されたハイブリッドモルヒネ−オキシコドン化合物を得る。
ステップ4:脱保護
ステップ3からの、よく撹拌した保護されたモルヒネ−オキシコドン化合物の有機溶媒、例えば、THF溶液(1当量)に0℃にて、1.2当量のテトラ−n−ブチルアンモニウムフルオリドのTHF溶液(1M)をゆっくりと加える。混合物を0℃で概ね30分間保持し、次いで周囲温度に温め、出発材料が消費されるまで熟成させる。次いで、混合物を水性後処理に供し、粗生成物を、シリカゲルを使用したカラムクロマトグラフィーによって、または分取HPLCによって精製する。
ステップ1:オキシコドンの保護
オキシコドン遊離塩基(1当量)を、周囲温度で無水溶媒、例えば、THF(概ね1M)と混合する。この溶液に、5当量の無水酢酸、概ね20当量のピリジンおよび0.3当量の4−ジメチルアミノピリジン(触媒として)を加える。このように得られた混合物を、反応が完了するまで周囲温度で撹拌する(TLCまたはHPLCによって出発材料の消滅によって証明される)。混合物を40〜50℃に僅かに加熱して、反応速度を増加し得る。次いで、反応混合物を水性後処理に供し、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは分取HPLCによって精製し、14−O−アセチル誘導体を得る。
ステップ2:保護されたオキシコドンのウィッティヒ反応
(5−カルボキシペンチル)トリフェニルホスホニウムブロミド(1.3当量)を、窒素雰囲気下にて無水溶媒、例えば、THFと混合し、−78℃に冷却する。2.2当量のn−ブチルリチウムを、ホスホニウム塩の事前冷却した溶液にゆっくりと加え、混合物を−78℃で撹拌し、リンイリド中間体を形成する。別々のフラスコ中で、ステップ1からの生成物を窒素雰囲気下にてTHF(概ね1Mの溶液)に溶解し、撹拌する。次いで、事前形成されたリンイリドの溶液を、保護されたオキシコドンのTHF溶液に−78℃にてゆっくりと加える。混合物を−78℃で撹拌し、次いで周囲温度にゆっくりと温める。反応の完了を、保護されたオキシコドン化合物の消滅についてクロマトグラフィーによってモニターする。反応混合物を水性後処理に供し、次いで、シリカゲルクロマトグラフィーまたは分取HPLCによって精製し、オキシコドンオレフィン化合物を得る。
ステップ3:保護されたオキシコドンオレフィン化合物の脱保護
Plattnerら、J. Am. Chem. Soc.、1974年、94巻、8613頁に記載されているように、ステップ2からの生成物を95%エタノールに溶解し、過剰な炭酸カリウムで周囲温度にて処理し、出発材料が消費されるまで撹拌する。このように得られた混合物を水性後処理に供し、カラムクロマトグラフィーまたは分取HPLCによって精製する。
ステップ4:保護されたモルヒネ−オキシコドンオレフィンハイブリッド化合物の形成
3−tert−ブチルジメチルシリルモルヒネ(1当量)およびステップ3からのオキシコドンオレフィン化合物(1当量)の無水溶媒、例えば、THF(概ね0.1M)溶液に、2当量のアゾジカルボン酸ジエチル(DEAD)および2当量のトリフェニルホスフィンを加える。このように得られた混合物を、TLCまたはHPLCによってモニターして、3−tert−ブチルジメチルシリルモルヒネまたはオキシコドンオレフィンが消費されるまで周囲温度で撹拌する。次いで、このように得られた混合物を水性後処理に供し、生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーまたは分取HPLCによって精製し、保護されたハイブリッドモルヒネ−オキシコドン化合物を得る。生成物であるtert−ブチルジメチルシリル保護基を、実施例1において上記のようにモルヒネ成分から除去する。
実施例3:モルヒネ−オキシコドン混合硫酸塩の形成
1当量のモルヒネ遊離塩基を、撹拌しながら硫酸希釈溶液にゆっくりと加える。混合物をさらに20分間撹拌し、次いで溶液が飽和するまでエタノールをゆっくり加える。種結晶を加え、モルヒネ硫酸塩結晶が形成されるにつれより遅い速度でエタノールの添加を続ける。混合物を周囲温度にてさらなる時間撹拌し、次いで0〜5℃に冷却し、さらに熟成させる。モルヒネ硫酸塩結晶の大部分が溶液から沈殿した後、固体を濾過によって単離し、水性エタノールで数回洗浄する。洗浄した結晶を恒量まで減圧中で乾燥させる。
モルヒネ硫酸塩を最低限の水−メタノール混合物(概ね0.1M)に溶解し、モルヒネ−オキシコドン硫酸塩の種結晶を加える。モノおよび混合オピオイド塩に関して適切な溶解度特性を有する代わりの溶媒または溶媒混合物を使用し得る。例えば、所望の混合オピオイド塩が形成されるにつれ結晶化するように、溶媒混合物中でモノ−オピオイド塩が混合オピオイド塩より可溶性である溶媒系が望ましい。1当量のオキシコドン遊離塩基のメタノール/水溶液を、ゆっくりと加える。混合オピオイド塩の結晶は、オキシコドン遊離塩基の添加が進行するにつれ、種結晶上で成長する。オキシコドン溶液の全てを加えた後、混合物をさらなる時間周囲温度で撹拌し、次いで0〜5℃に冷却し、さらに撹拌する。結晶を濾過によって単離し、水または少量のメタノールを含有する水で洗浄し、次いで減圧中で恒量まで乾燥させる。
実施例4:モルヒネ−オキシコドンオキシムの形成
ステップ1:モルヒネ硫酸塩の保護
モルヒネ硫酸塩の3−OHフェニル基を、Boc保護基で選択的に保護し、2を得た(スキーム9)。
スキーム9.反応物:a.BocO、DMAP触媒、DMF/HO(9/1、v/v)、84%。
ステップ2:オキシコドンオキシムの調製
オキシコドン塩酸塩を、オキシム3および4に誘導体化した(スキーム10)。
スキーム10.反応物:a.3についてO−(カルボキシメチル)ヒドロキシルアミンヘミ塩酸塩、または4についてヒドロキシルアミン塩酸塩、ピリジン、MeOH還流、一晩。
ステップ3:オキシコドンおよびモルヒネのカップリング
オキシコドンオキシムカルボン酸3と3−O−Boc−モルヒネ2とのカップリング(エステル化)を、無水DMF中、塩基としてEDCI、DMAPを使用して行い、所望のエステルMLN II−31を中等度の収率(43%)で得た。モルヒネの3−O−Boc保護基の脱保護が、このような条件下において起こったことは注目すべきである(スキーム11)。
スキーム11.反応物:3、EDCI、DMAP、DMF、r.t.、20h、43%。
実施例5:モルヒネ−オキシコドンオキシムの形成
オキシコドンオキシム4と3−O−Boc−モルヒネ誘導体2とのカップリングは、4の活性化を必要とした(スキーム12)。CDIを使用することによって活性化を達成し、CDI誘導体7を良好な収率(77%)で得た。カップリング反応は、無水THF中でNaHの存在下で0℃にて進行し、DCM中のTFAを使用したBoc保護基の除去の後、カーボネート誘導体MLN II−45を得た。
スキーム12.反応物:a.CDI、NaH、無水THF、0℃からr.t.、一晩、77%;b.i)2、NaH、THF、0℃、30分、次いで、THF中の7、0℃からr.t.、一晩;ii)TFA/DCM(20%容積)、r.t.、6時間、2ステップに亘り64%。
実施例6:MLN II−31およびMLN II−45のインビボの評価
図1に示すように、研究を行って、モルヒネとオキシコドンとの間に鎮痛性相乗作用が存在するか否かを決定した。観察されるED50値を計算および決定するための、モルヒネおよびオキシコドンについての等効果比は1:1であった(これらは有意差があるとはいえなかった)。組合せについての観察されたED50値は、4.84mg/kg(3.6〜6.50)であり、一方では相加効果に基づいた理論的ED50値は2.36mg/kgであった。これらの値は、1mg/kg溶液の経口投与後に決定した。ピークアゴニスト作用を、経管栄養の60分後に観察した。MLN II−31で同じ研究を行った(経口投与の4時間後に10mg/kgで最大25%を有した)。抗侵害受容を15分から24時間まで測定し、活性は僅か7〜20%のMPEであり、一方化合物MLN II−45は、オキシコドンおよびモルヒネが1:1の比で一緒に投与されるときと同じ活性を示した。MLN II−31の弱い抗侵害受容活性は、4時間後でさえ、エステル連結の予想を上回る安定性の結果であり得る。
実施例7:オキシモルホン−オキシコドン二価リガンドの形成
オキシモルホンをオキシコドンにカップリングするために、各オピオイドをそれらの相当するアミンに変換し、各アミンをリンカーで誘導体化する。オキシモルファミン−リンカーは、末端アジド基を有し、オキシコダミン−リンカーは、末端アルキン基を有する。末端アルキンリンカーは、様々なエチレングリコール単位を有し、異なる長さのリンカー基が調製されることを可能とする。末端アジドおよびアルキン基を、クリックケミストリーを使用して一緒にカップリングし、二価リガンドを得る。
ステップ1:オキシコダミンおよびオキシモルファミンの調製
オキシモルホンをα−オキシモルファミンに変換した手順を適応することによって、オキシコドンを相当するオキシコダミン16に変換した(スキーム13)。Voorsuijら、Arch. Int. Pharmacodyn.、1957年、109巻、211〜228頁を参照されたい。手短に言えば、オキシコドンを、PTSAの存在下でベンゼン中還流させてディーン−スターク装置を使用して水を除去しながらベンジルアミンで処理した。次いで、反応混合物をEtOH中のNaBHCNの混合物で処理し、オキシコダミンを良好な収率(78%)で得た。同様の手順を使用して、オキシモルホンをオキシモルファミンに変換した。
スキーム13.反応物:a.i)ベンジルアミン、PTSA(10%モル)、還流ベンゼン、ディーン−スターク;ii)NaBHCN、EtOH、r.t、78%。
ステップ2:オキシモルファミンのためのリンカーの調製
オキシモルファミンのためのアジドリンカー18を、トシレート基をアジ化ナトリウム(NaN)で置き換えることによって調製し、17を非常に良好な収率で得た(スキーム14)。アジド化合物17を、ブロモエチルアセテート(BrCHCOOEt)で処理し、続いて水酸化リチウム(LiOH)を使用したエステルの加水分解によって、18のカルボン酸官能基を得た。
スキーム14.反応物:a.NaN、CHCN還流、93%;b.i)NaH、BrCHCOOEt、THF、0℃からr.t;ii)LiOH、THF/HO、r.t、2ステップに亘り85%。
ステップ3:オキシコダミンのためのリンカーの調製
オキシコダミンのためのアルキンリンカーは、t−ブチルグリコレート(glyclate)、THF、およびNaHの混合物と臭化プロパルギルとの0℃での反応によって調製し、19を70%収率で得た(スキーム15)。化合物19をDCM中のTFAで加水分解し、所望のリンカー20を72%収率で得た。
スキーム15.反応物:a.NaH、臭化プロパルギル、THF、0℃からr.t.、70%;b.TFA、DCM、r.t、72%。
エチレングリコールまたはジエチレングリコール、THFおよびNaHを含有する混合物を臭化プロパルギルで処理することによって、オキシコダミンのための2つのさらなるアルキンリンカー23および24を調製し、中間体21および22を良好な収率(60〜71%)で得る(スキーム16)。アルキン21および22を、tert−ブチルブロモアセテート(BrCHCOOtBu)および水素化ナトリウムの混合物と引き続いて反応させ、続いてけん化し、化合物23および24を得る。
スキーム16.反応物:a.NaH、臭化プロパルギル、THF、0℃からr.t、60〜71%;b.i)NaH、BrCHCOOtBu、THF、0℃からr.t;ii)TFA、DCM、r.t.、2ステップに亘り46〜53%。
ステップ4:カップリング反応およびクリックケミストリー
α−オキシモルファミンを、カルボジイミド手順を使用してアジドリンカー(化合物18)とカップリングし、中間体25を中等度の収率で得た(スキーム17)。同様に、オキシコダミン誘導体16を、カルボジイミド手順に従ってアルキンリンカー(化合物20、23および24)とカップリングして、中間体26〜28を中等度の収率で得た。
オキシモルファミンアジドリンカー25を、HO/EtOH混合物中で、アスコルビン酸ナトリウムおよび触媒量の硫酸銅(CuSO)の存在下で、プロパルギル誘導体26〜28とカップリングした(スキーム17)。このように得られた1,3−双極性環化付加反応によって、予想される1,2,3−トリアゾール標的化合物であるMLN II−83、MLN II−120およびMLN II−121を中等度の収率で得た(スキーム17)。標的化合物を全て、アセトニトリル/水/TFA混合物を使用して分取HPLCによって精製した。
スキーム17.反応物:a.18、DCC/HOBt、DMF、r.t、63%;b.20、23または24、DCC/HOBt、DMF、r.t、43〜57%;c.アスコルビン酸ナトリウム(20%mol)、CuSO(10%mol)、HO/EtOH(1/1)、50〜57%。
実施例8:CD1マウスにおけるモルヒネおよび二価リガンドのインビボの評価
二価リガンドの脳室内(icv)抗侵害受容活性(ED50)および24時間耐性研究を、CD1マウスにおいて測定した(表1)。3つの二価リガンドについてのED50値は同じ範囲であるようであった(0.190〜0.571nmol/マウス)。このデータは、これらのリガンドが、脊柱上に投与されたときモルヒネより強力であることを示す。
興味深いことに、化合物MLN II−83は、24時間後にある程度の耐性を誘発したようである。
図2は、モルヒネと比較した二価リガンドについての用量反応曲線を示す。これらの曲線はED50値の決定を可能とした。モルヒネ、化合物120および121は、icv投与したときに10分のピーク時間(pt)を有し、一方化合物83は、最大作用を示すのにより長い期間を必要とする(20分)。いくつかの挙動についての観察をまた報告する。
MLN II−83を投与された動物は、異常な挙動を示した。MLN II−120を投与された動物のうちの約50%が、icv注射の2分以内にバレルローリングおよび広げた四肢を示した。注射の10分後にこの挙動は観察されなかった。MLN II−121を投与された動物は歩き回り、icv投与の20分後に挙尾(尾を上方に曲げること)を有した。動物は約2時間活発であった。24時間後、動物は、約20%MPEを維持した。
詳細な実験手順
化学。全ての市販の試薬および無水溶媒は、特に明記しない限り、供給業者から購入し、それ以上精製または蒸留することなく使用した。EM Scienceシリカゲル60F254でコーティングしたプレート上で分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)を行った(0.25mm)。化合物を、紫外線によって可視化し、かつ/または過マンガン酸カリウム溶液によって染色、続いて加熱した。フラッシュカラムクロマトグラフィーを、E.Merck60シリカゲル(230〜400メッシュ)上で行った。NMR(H)スペクトルを、Bruker Avance400MHz分光計で記録し、内部参照を使用して較正した。ESIモード質量スペクトルを、BrukerBioTOF II質量分析計で記録した。
モルフィナン−6−オール,7,8−ジデヒドロ−4,5−エポキシ−17−メチル−(5α,6α)−,3−O−tert−ブチルカーボネート(2):
モルヒネ硫酸塩(5mmol)をDMF/HO混合物(9/1:v/v)に溶解し、DMAP(5%モル)を加えた。DMFに溶解したBoc−無水物(1.1当量)を30分に亘りゆっくり加えた。次いで、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣をSiOフラッシュクロマトグラフィー(3%MeOH/DCM/1%NHOH)によって精製し、4(84%収率)を白色の泡として得た。
H NMR (CDCl) δ : 1.41 (s, 9H); 1.62−1.75 (m, 2H); 1.75 (m, 1H); 1.94 (m, 1H); 2.13−2.15 (m, 2H); 2.30 (s, 3H); 2.44−2.66 (m, 2H); 2.93 (m, 1H); 3.22 (m, 1H); 4.03 (m, 1H); 4.80 (d, 1H, JH5−H6= 7.8 Hz); 5.13 (d, 1H, JH8−H7= 8.7 Hz); 5.59 (d, 1H, JH7−H8= 8.7 Hz); 6.46 (d, 1H, JH1−H2= 8.1 Hz); 6.65 (d, 1H, JH2−H1= 8.1 Hz);ESI−TOF MS m/z:386.275(MH)、408.262(MNa)。
7,8−ジヒドロ−8,14−ジヒドロキシコデイノン−6−O−(カルボキシメチル)オキシム(3):
オキシコドン塩酸塩(0.6mmol、1当量)をMeOHに溶解し、4当量のピリジンを加えた。次いで、O−(カルボキシメチル)ヒドロキシルアミンヘミ塩酸塩(2当量)を加え、混合物を一晩還流させた。溶液を室温に冷却し、このように形成した白色の固体を濾過し、DCMで洗浄した。3を94%収率で得て、それ以上精製することなく使用することができた。
H NMR (DMSO) δ: 1.17 (m, 1H); 1.55 (m, 1H); 1.70 (m, 1H); 2.42−2.60 (m, 4H); 2.80 (s, 3H); 2.91−3.05 (m, 2H); 3.32−3.43 (m, 2H); 3.60 (m, 1H); 3.76 (s, 3H); 4.55 (s, 2H); 5.06 (s, 1H); 6.74 (d, 1H, JH1−H2= 8.1 Hz); 6.86 (d, 1H, JH2−H1= 8.1 Hz);ESI−TOF MS m/z:389.523(MH)。
7,8−ジヒドロ−8,14−ジヒドロキシコデイノン−6−オキシム(4):
オキシコドン塩酸塩(0.6mmol、1当量)をMeOHに溶解し、4当量のピリジンを加えた。次いで、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2当量)を加え、混合物を一晩還流させた。溶液を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を0.1NのHCl溶液に入れ、DCMで抽出した。次いで、有機相をブラインおよび水で逐次的に洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣を、DCM混合物中の5%MeOHを使用したSiOフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、4を白色の固体(86%収率)として得た。
H NMR (CDCl) δ: 1.33 (m, 2H); 1.57 (m, 3H); 2.25 (m, 2H); 2.38 (s, 3H); 2.42−2.58 (m, 3H); 2.82 (m, 1H); 3.17 (d, 1H, J= 9.3 Hz); 3.85 (s, 3H); 4.98 (s, 1H); 6.62 (d, 1H, JH1−H2= 8.1 Hz); 6.71 (d, 1H, JH2−H1= 8.1 Hz);ESI−TOF MS m/z:332.433(MH)。
7,8−ジヒドロ−8,14−ジヒドロキシコデイノン−6−O−(イミダゾールカルボキシレート)オキシム(7):
水素化ナトリウム(0.46mmol)の乾燥THF(5mL)懸濁物に0℃にて窒素下で、4のTHF溶液(0.3mmol)を加えた。生成した反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、カルボニルジイミダゾール(0.35mmol)を添加した。次いで、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応物をHOでクエンチし、THFを減圧下で除去した。混合物をDCMに入れ、有機相をブラインで2回、次いで水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム下で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をSiOフラッシュクロマトグラフィー(3%MeOH/DCM)によって精製し、7を白色の固体(77%)として得た。
H NMR (CDCl) δ: 1.32 (m, 1H); 1.56 (m, 2H); 2.21 (m, 2H); 2.32 (s, 3H); 2.38−2.60 (m, 3H); 2.74−2.88 (m, 3H); 3.12 (d, 1H, J= 9.3 Hz); 3.73 (s, 3H); 4.98 (s, 1H); 6.58 (d, 1H, JH1−H2= 8.1 Hz); 6.66 (d, 1H, JH2−H1= 8.1 Hz); 7.00 (brs, 1H); 7.60 (brs, 1H); 7.94 (brs, 1H);ESI−TOF MS m/z:425.337(MH)。
MLN II−45
水素化ナトリウム(0.4mmol)の乾燥THF(5mL)懸濁物に0℃にて窒素下で、4のTHF溶液(0.25mmol)を加えた。生成した反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、2(0.25mmol)を添加した。次いで、反応混合物を、室温で一晩撹拌した。反応物をHOでクエンチし、減圧下でTHFを除去した。混合物をDCMに溶解し、有機相をブラインで2回、次いで水で洗浄した。有機相を硫酸マグネシウム下で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗混合物をDCM(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸を加えた(20%容積)。生成した溶液を室温で一晩撹拌した。有機層を水層が中性となるまで水で洗浄した(3×)。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をSiOフラッシュクロマトグラフィー(6%MeOH/DCM)によって精製し、MLN II−45を白色の固体として得た(2ステップに亘り64%)。
H NMR (CDCl) (特徴的ピーク) δ: 2.85 (s, 3H); 2.89 (s, 3H); 3.84 (s, 3H); 4.03 (m, 1H); 4.23 (m, 1H); 4.92 (d, 1H, J = 6.6 Hz); 5.05 (s, 1H); 5.19 (d, 1H, JH8−H7= 9.8 Hz); 5.75 (d, 1H, JH7−H8= 9.8 Hz); 6.54 (d, 1H, JH1−H2= 8.2 Hz); 6.69−6.72 (m, 2H); 6.78 (d, 1H, JH2−H1= 8.3 Hz);ESI−TOF MS m/z:642.678(MH);664.582(MNa)。
MLN II−31
3(0.855mmol)の乾燥DCM(1mL)懸濁物に、2(107μL、1.28mmol)、EDCI(1.28mmol)およびDMAP(1.28mmol)を加えた。このように得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を、DCMによる希釈、ならびに1NのHCl溶液およびブラインによる洗浄によって後処理した。硫酸マグネシウム上の乾燥および溶媒の蒸発後、粗生成物を2%MeOH/DCMを溶離液として使用してカラムクロマトグラフィーによって精製し、MLN II−31を白色の固体(43%)として得た。
H NMR (CDCl) (特徴的ピーク) δ: 2.83 (s, 3H); 2.86 (s, 3H); 3.87 (s, 3H); 4.03 (m, 1H); 4.26 (m, 1H); 4.67 (s, 2H); 4.94 (d, 1H, J = 6.6 Hz); 5.05 (s, 1H); 5.17 (d, 1H, JH8−H7= 9.8 Hz); 5.73 (d, 1H, JH7−H8= 9.8 Hz); 6.54 (d, 1H, JH1−H2= 8.1 Hz); 6.67−6.71 (m, 2H); 6.76 (d, 1H, JH2−H1= 8.3 Hz);ESI−TOF MS m/z:656.874(MH)。
6,6−エチレンジチオ−14−ヒドロキシジヒドロデオキシコデイン(16)
オキシコドン(2g、6.34mmol)をエタン−1,2−ジチオール(2ml)と混合し、冷却およびBF−エーテラート(2ml)との撹拌で処理した。混合物を室温で1時間静置し、次いで過剰な2NのNaOHと共に撹拌した。水相をEtOAcで2回抽出し、合わせた有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、残渣を1%MeOH/DCM溶離液系を使用したフラッシュクロマトグラフィーによる精製に供し、16を白色の固体として得た。収率:86%。
H NMR (CDCl) δ: 1.47 (m, 1H); 1.55 (m, 1H); 1.70 (m, 1H); 1.92 (m, 1H); 2.10−2.25 (m, 2H); 2.34 (s, 3H); 2.37−2.61 (m, 3H); 2.75 (m, 1H); 3.10 (m, 2H); 3.21−3.40 (m, 4H); 3.88 (s, 3H); 4.85 (s, 1H); 6.62 (d, 1H, JH1−H2= 8.2 Hz); 6.73 (d, 1H, JH2−H1= 8.2 Hz);ESI−TOF MS m/z:392.478(MH)。
2−(2−アジドエトキシ)エタノール(17)
モノトシル化エチレングリコール(12.4mmol)を、アジ化ナトリウム(15.5mmol)の水(0.5mL)溶液に加えた。次いで、生成した溶液を、90℃で24h加熱した。出発材料が存在しないことについて、反応を13C−NMRによってモニターした。完了次第、反応物を冷却し、DCMで希釈し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、無色の油を得た。17を、それ以上精製することなく使用した。収率:93%。
2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)酢酸(18)
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物)(6mmol)の乾燥THF(20mL)懸濁物に0℃にて窒素下で、17(3.8mmol)を0.5hに亘り徐々に加えた。生成した反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、ブロモ酢酸エチル(4.4mmol)を添加した。次いで、反応混合物を室温で8h撹拌した。反応物を減圧中で濃縮し、水(30mL)で希釈した。次いで、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗残渣を得た。これをヘキサンおよび酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィーに供し、透明な油を得た。
H−NMR (CDCl) : δ4.22 (q, 2H, J = 7.2 Hz); 4.16 (s, 2H); 3.73 (m, 6H); 3.41 (t, 2H, J = 5.1 Hz); 1.29 (t, 3H, J = 7.1 Hz)。
次いで、この油をTHF/水混合物(1/1容積)に溶解し、LiOH(6mmol)を少しずつ加えた。溶液を室温で一晩撹拌した。THFを減圧下で除去し、水層を中性pHまで1NのHClで酸性化し、次いでDCM(3×)で抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、18を無色の油として得た。粗材料は、それ以上精製することなく使用することができる。収率:2ステップに亘り85%。
H−NMR (CDCl) : δ4.20 (s, 2H); 3.73 (m, 6H); 3.43 (t, 2H, J = 5.16 Hz)。
tert−ブチル2−(プロパ−2−イニルオキシ)アセテート(19)
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物)(23mmol)の乾燥THF(10mL)懸濁物に0℃にて窒素下で、tert−ブチルグリコレート(19.1mmol)を徐々に加えた。生成した反応混合物を、室温で30分間撹拌した。次いで、臭化プロパルギル(23mmol)を添加した。次いで、反応混合物を室温で8h撹拌した。反応物を減圧中で濃縮し、水(30mL)で希釈した。次いで、混合物をDCM(3×)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗残渣を得た。これをヘキサンおよび酢酸エチルを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、19を透明な油(70%収率)として得た。
H−NMR (CDCl) : δ4.32 (d, 2H, J = 2.4 Hz); 4.20 (s, 2H); 2.48 (t, 1H, J = 2.4 Hz); 1.39 (s, 9H)。
2−(プロパ−2−イニルオキシ)酢酸(20)
19(5mmol)をDCM(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸を加えた(20%容積)。生成した溶液を室温で一晩撹拌した。有機層を水層が中性となるまで水で洗浄した(3×)。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、20を僅かに黄色の油(72%)として得た。
H−NMR (CDCl) : δ4.33 (d, 2H, J = 2.3 Hz); 4.28 (s, 2H); 2.52 (t, 1H, J = 2.3 Hz)。
2−(プロパ−2−イニルオキシ)エタノール(21)
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物)(9.2mmol)の乾燥THF(20mL)懸濁物に0℃にて窒素下で、エチレングリコール(42mmol)を徐々に加えた。生成した反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで、臭化プロパルギル(8.4mmol)を添加した。次いで、反応混合物を室温で8h撹拌した。反応物を減圧中で濃縮し、水(30mL)で希釈した。次いで、混合物をDCM(3×)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗残渣を得た。これをヘキサンおよび酢酸エチルを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、21を透明な油(60%収率)として得た。
H−NMR (CDCl) : δ4.22 (d, 2H, J = 2.4 Hz); 3.77 (t, 2H, J = 4.8 Hz); 3.66 (t, 2H, J = 4.8 Hz); 2.46 (t, 1H, J = 2.4 Hz)。
2−(2−(プロパ−2−イニルオキシ)エトキシ)酢酸(23)
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物)(2.9mmol)の乾燥THF(5mL)懸濁物に0℃にて窒素下で、21(1.9mmol)を徐々に加えた。生成した反応混合物を、室温で30分間撹拌した。次いで、tert−ブチルブロモアセテート(2.9mmol)を添加した。次いで、反応混合物を室温で8h撹拌した。反応物を減圧中で濃縮し、水(30mL)で希釈した。次いで、混合物をDCM(3×)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、粗残渣を得た。これをヘキサンおよび酢酸エチルを使用したフラッシュカラムクロマトグラフィーに供し、透明な油を得た。
H−NMR (CDCl) : δ4.21 (d, 2H, J = 2.4 Hz); 4.14 (s, 2H); 3.75 (m, 4H); 2.44 (t, 1H, J = 2.4 Hz); 1.37 (s, 9H)。
この油(1.1mmol)をDCM(5mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸を加えた(20%容積)。生成した溶液を室温で一晩撹拌した。有機層を水層が中性となるまで水で洗浄した(3×)。有機物を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、23を僅かに黄色の油(2ステップに亘り53%)として得て、これはそれ以上精製することなく使用することができる。
H−NMR (CDCl) : δ4.19 (d, 2H, J = 2.4 Hz); 4.11 (s, 2H); 3.73 (m, 4H); 2.41 (t, 1H, J = 2.4 Hz)。
2−(2−(プロパ−2−イニルオキシ)エトキシ)エタノール(22)
水素化ナトリウム(鉱油中60%分散物)(23mmol)の乾燥THF(20mL)懸濁物に0℃にて窒素下で、ジエチレングリコール(110mmol)のTHF溶液(100mL)を0.5hに亘り加えた。生成した反応混合物を、室温で1h撹拌した。次いで、臭化プロパルギル(21mmol)を添加した。次いで、反応混合物を8h加熱還流した。これに続いて、反応物を冷却し、減圧中で濃縮し、水(30mL)で希釈した。次いで、混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、粗残渣を得た。これをヘキサンおよび酢酸エチルを使用したカラムクロマトグラフィーに供し、22を透明な油として得た。収率2.1g(71%)。
H NMR (CDCl): δ 4.21 (d, 2H, J = 2.4 Hz), 3.71 (m, 6H), 3.61 (m, 2H), 2.45 (t, 1H, J = 2.4 Hz)。
2−(2−(2−(プロパ−2−イニルオキシ)エトキシ)エトキシ)酢酸(24)
氷水浴中、水素化ナトリウム(22mmol)の乾燥THF(30mL)懸濁物に窒素下で、22(14.5mmol)を徐々に加えた。反応混合物を10分間撹拌し、次いでtert−ブチルブロモアセテート(17mmol)を加えた。次いで、反応混合物を室温に温めた。これに続いて、反応物を8h加熱還流した。次いで、反応物を冷却し、減圧中で濃縮し、水(30mL)で希釈した。次いで、溶液を酢酸エチル(3×30mL)で抽出した。有機物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗残渣をヘキサンおよび酢酸エチルを使用したカラムクロマトグラフィーに供し、エステルを透明な黄色の油として得た。
H NMR (CDCl): δ 4.21 (d, 2H, J = 2.4 Hz), 4.03 (s, 2H), 3.71 (m, 8H), 2.43 (t, 1H, J = 2.4 Hz), 1.48 (s, 9H)。
このエステル(4.3mmol)のDCM(30mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(20%容積)を加えた。生成した溶液を、室温で撹拌した。出発材料が完全に消滅すると、溶媒を減圧下で除去した。粗反応混合物を、トルエンを使用して共沸乾燥に供した。次いで、残渣を高減圧ライン上で3h乾燥させ、24を色が濃い油として得た(これらのステップに亘り46%収率)。
H NMR (CDCl): δ 4.22 (d, 2H, J = 2.4 Hz), 4.18 (s, 2H), 3.74 (m, 8H), 2.45 (t, 1H, J = 2.4 Hz)
13C NMR (CDCl): δ172.58, 79.38, 74.79, 71.51, 70.53, 70.18, 68.93, 68.77, 58.48。
ファルマコフォアへの酸のカップリングのための一般手順
DCC(0.35mmol)、カルボン酸(0.29mmol)、およびHOBt(0.32mmol)を、5mLの無水DMFに溶解した。溶液を0℃に冷却し、窒素雰囲気下に置いた。0℃で15分後、α−オキシモルファミンまたはα−オキシコダミン(0.29mmol)を加えた。溶液を窒素雰囲気下にて密封し、温め、室温で一晩撹拌した。ジシクロヘキシル尿素を水中に取り出すために反応混合物を濾過し(DMFの最初の容積の10×)、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。次いで、残渣をSiOクロマトグラフィーによって精製した。
5α,6α−6−(2−(2−(2−アジドエトキシ)エトキシ)アセトアミド)−4,5−エポキシ−3,14−ジヒドロキシ−17−メチル−モルフィナン(25)
カップリングのための一般手順を、酸18およびα−オキシモルファミンについて使用した。収率:63%。
H NMR (CDCl): δ (特徴的ピーク) 7.11 (d, 1H, J = 8.8 Hz, NH); 6.71 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 6.56 (d, 1H, J = 8.0 Hz); 2.35 (s, 3H)
ESI−TOF MS m/z:474.12(MH)。
6α−(2−(プロパ−2−イニルオキシ))エトキシ)アセトアミド)−オキシコデインアミン(26)
カップリングのための一般手順を、酸20およびアミン17について使用した。収率(57%)
H NMR (CDCl): (特徴的ピーク) δ 7.03 (d, 1H, J = 8.9 Hz, NH); 6.73 (d, 1H, JH2−H1= 8.2 Hz); 6.62 (d, 1H, JH1−H2= 8.2 Hz); 4.43 (d, 1H, J = 7.8 hz); 4.09 (d, 2H, J = 2.3 Hz); 3.97 (d, 2H, J =2.8 Hz); 3.88 (s, 3H);ESI−TOF MS m/z:399.334(MH)。
6α−(2−(2−(プロパ−2−イニルオキシ)エトキシ)アセトアミド)−オキシコデインアミン(27)
カップリングのための一般手順を、酸23およびアミン17について使用した。収率(43%)
H NMR (CDCl): (特徴的ピーク) δ 7.11 (d, 1H, J = 8.8 Hz, NH); 6.71 (d, 1H, JH2−H1= 8.2 Hz); 6.59 (d, 1H, JH1−H2= 8.2 Hz); 4.08 (d, 2H, J = 2.3 Hz);ESI−TOF MS m/z:443.457(MH)。
6α−(2−(2−(2−(プロパ−2−イニルオキシ)エトキシ)エトキシ)アセトアミド)−オキシコデインアミン(28)
カップリングのための一般手順を、酸24およびアミン17について使用した。収率(46%)
ESI−TOF MS m/z:487.834(MH)。
クリックケミストリーによる二価リガンドの合成についての一般手順
磁気撹拌棒を備えたバイアル中で、それぞれの6−オキシコダミン共役アルキン(1.2当量)を、エタノール(0.3mL)に入れた。水(0.3mL)中のCuSO(0.1当量)、アスコルビン酸ナトリウム(0.2当量)からなるクリック試薬混合物を加え、反応混合物を5分間撹拌した。最終的に、オキシモルファミンアジド(1.0当量)を、EtOH(0.3mL)中に加えた。次いで、反応バイアルに蓋をし、反応混合物を室温で撹拌し、TLCによってモニターした。次いで、水を蒸発させ、反応混合物を、80%アセトニトリル/20%水+1%TFA溶媒系を使用した逆相HPLCによる精製に供した。
MLN II−83
溶媒としての水/EtOH混合物中のアルキン26およびアジド25の塩酸塩を使用して一般手順に従う。収率54%。
ESI−MS:868.78(M+H)。
MLN II−120
溶媒としての水/EtOH混合物中のアルキン27およびアジド25の塩酸塩を使用して一般手順に従う。収率57%。
ESI−MS:913.23(M+H)。
MLN II−121
溶媒としての水/EtOH混合物中のアルキン28およびアジド25の塩酸塩を使用して一般手順に従う。収率50%。
ESI−MS:958.54(M+H)。

Claims (30)

  1. 第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、
    生物活性化合物、および
    リンカー
    を含む、ハイブリッドオピオイド化合物または薬学的に許容されるその塩であって、該第1のオピオイドアゴニスト化合物および該生物活性化合物は、それぞれ、共有結合を介して該リンカーに結合している、ハイブリッドオピオイド化合物または薬学的に許容されるその塩。
  2. 前記生物活性化合物が、第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物である、請求項1に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  3. 前記第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーが、μ−オピオイド受容体アゴニスト化合物、κ−オピオイド受容体アゴニスト化合物およびδ−オピオイド受容体アゴニスト化合物からなる群より選択される、請求項2に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  4. 前記第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーが、μ−オピオイド受容体アゴニスト化合物、κ−オピオイド受容体アゴニスト化合物およびδ−オピオイド受容体アゴニスト化合物からなる群より選択される、請求項3に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  5. 前記第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーが、前記第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーと同じである、請求項4に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  6. 前記第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーが、前記第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物のカテゴリーと同じではない、請求項4に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  7. 前記第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物が、モルヒネ、アルビモパン、ベンゾモルファン、ブプレノルフィン、コデイン、6−デソモルヒネ、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルヒノン、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン、3,6−ジアセチルモルヒネ、6−メチレン−ジヒドロモルヒネ、ジフェノキシレート、ドロテバノール、エセロリン、エトルフィン、エトニタジン、フェンタニル、ヒドロコドン、レボフェナシルモルファン、メタドン、オキシモルホン、α−オキシモルファミン、ニコモルヒネ、ペチジン、ピセナドール、タペンタドール、テバイン、トリメブタン、アシマドリン、ブトルファノール、ブレマゾシン、シクラゾシン、デキストロメトルファン、ダイノルフィン、エナドリン、ケタゾシン、ナルブフィン、ナルフラフィン、ノルブプレノルフィン、オキシコドン、ペンタゾシン、サルビノリンA、2−メトキシメチルサルビノリンBならびにそのエトキシメチルおよびフルオロエトキシメチルホモログ、スピラドリン、チフルアドム、デルトルフィン、エトキシメトポン、leu−エンケファリン、met−エンケファリン、mitragyna speciosa(クラトム)、ミトラギニン、ミトラギニン−プソイドインドキシル、N−フェネチル−14−ノルブプレノルフィン、ノルクロザピン、ならびに7−スピロインダニルオキシモルホンからなる群より選択される、請求項1に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  8. 前記第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物が、モルヒネである、請求項7に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  9. 前記第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物が、オキシモルホンである、請求項7に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  10. モルヒネが、モルヒネの3−ヒドロキシル、6−ヒドロキシルまたは3,6−ジヒドロキシル位において前記リンカーに結合している、請求項8に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  11. 前記第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物が、モルヒネ、アルビモパン、ベンゾモルファン、ブプレノルフィン、コデイン、6−デソモルヒネ、ジヒドロモルヒネ、ジヒドロモルヒノン、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノン、3,6−ジアセチルモルヒネ、6−メチレン−ジヒドロモルヒネ、ジフェノキシレート、ドロテバノール、エセロリン、エトルフィン、エトニタジン、フェンタニル、ヒドロコドン、レボフェナシルモルファン、メタドン、オキシモルホン、α−オキシモルファミン、ニコモルヒネ、ペチジン、ピセナドール、タペンタドール、テバイン、トリメブタン、アシマドリン、ブトルファノール、ブレマゾシン、シクラゾシン、デキストロメトルファン、ダイノルフィン、エナドリン、ケタゾシン、ナルブフィン、ナルフラフィン、ノルブプレノルフィン、オキシコドン、ペンタゾシン、サルビノリンA、2−メトキシメチルサルビノリンBならびにそのエトキシメチルおよびフルオロエトキシメチルホモログ、スピラドリン、チフルアドム、デルトルフィン、エトキシメトポン、leu−エンケファリン、met−エンケファリン、mitragyna speciosa(クラトム)、ミトラギニン、ミトラギニン−プソイドインドキシル、N−フェネチル−14−ノルブプレノルフィン、ノルクロザピン、ならびに7−スピロインダニルオキシモルホンからなる群より選択される、請求項2に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  12. 前記第2のオピオイド受容体アゴニスト化合物が、オキシコドンである、請求項11に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  13. オキシコドンが、オキシコドンのC−6位において前記リンカーに結合している、請求項12に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  14. 前記生物活性化合物が、μ−オピオイド受容体アンタゴニスト化合物およびκ−オピオイド受容体アンタゴニスト化合物からなる群より選択されるオピオイド受容体アンタゴニスト化合物である、請求項1に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  15. 前記生物活性化合物が、非オピオイド剤である、請求項1に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  16. 前記非オピオイド剤が、アミトリプチリン、ベフィラドール、ビシファジン、ブピバカイン、カリソプロドール、ショウノウ、カプサイシン、カルバマゼピン、シメチジン、クロニジン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン、デュロキセチン、エスレボキセチン、フルピルチン、ガバペンチン、ガバペンチンエナカルビル、グラフェニン、ヒドロキシジン、ケタミン、ラコサミド、ラモトリギン、レベチラセタム、リドカイン、メントール、メフェノキサロン、メトカルバモール、ネホパム、ノルトリプチリン、オルフェナドリン、オクスカルバゼピン、パロキセチン、プレガバリン、プログルミド、スコポラミン、テバニクリン、チアガビン、トピラマート、トラマドール、トラゾドン、ベンラファキシンおよびジコノチドからなる群より選択される、請求項15に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  17. 前記リンカーが、水素、炭素、酸素、硫黄、窒素、リンおよびケイ素原子からなる群より選択される2〜200個の原子を含む、請求項1に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  18. 前記リンカーの前記共有結合が、エステル結合、オキシイミノ結合、カーボネート結合および該結合の組合せからなる群より選択される、請求項1に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  19. 前記リンカーの前記共有結合が、酸素−炭素単結合、窒素−炭素単結合、アミド結合および該結合の組合せからなる群より選択される、請求項1に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  20. 前記リンカーが、グリコール残基が側面に配置された複素環基を含む、請求項1に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  21. 前記複素環基が、1つまたは複数のフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ピラン、ピロリジン、ピロール、ピラゾール、ピラゾリジン、イミダゾリジン、イソチアゾリジン、チアゾリジン、イソオキサゾリジン、オキサゾリジン、トリアゾール、ピペリジン、ピペラジン、ピリダジン、チアジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、ピリジン、チオフェン、ジチオラン、ジチアンまたはチオピランを含む、請求項20に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  22. 前記グリコール残基が、メチレングリコール、エチレングリコールまたはプロピレングリコールを含む、請求項20に記載のハイブリッドオピオイド化合物。
  23. 疼痛の処置を必要としているヒトにおける疼痛を、該ヒトに、有効量のハイブリッドオピオイド化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することによって処置する方法であって、該ハイブリッドオピオイド化合物は、
    第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、
    生物活性化合物、および
    リンカー
    を含み、該第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、それぞれ、共有結合を介して該リンカーに結合している、方法。
  24. 請求項23に記載の疼痛の処置を必要としているヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該疼痛が、神経障害性疼痛である、方法。
  25. 請求項23に記載の疼痛の処置を必要としているヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該疼痛が、神経障害性疼痛および侵害受容性疼痛を含む混合疼痛状態である、方法。
  26. 請求項23に記載の疼痛の処置を必要としているヒトにおける疼痛を処置する方法であって、該疼痛が、侵害受容性疼痛である、方法。
  27. 線維筋痛症の処置を必要としているヒトにおける線維筋痛症を、該ヒトに、有効量のハイブリッドオピオイド化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することによって処置する方法であって、該ハイブリッドオピオイド化合物は、
    第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、
    生物活性化合物、および
    リンカー
    を含み、該第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、それぞれ、共有結合を介して該リンカーに結合している、方法。
  28. 発作の処置を必要としているヒトにおける発作を、該ヒトに、有効量のハイブリッドオピオイド化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することによって処置する方法であって、該ハイブリッドオピオイド化合物は、
    第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、
    生物活性化合物、および
    リンカー
    を含み、該第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、それぞれ、共有結合を介して該リンカーに結合している、方法。
  29. うつ病の処置を必要としているヒトにおけるうつ病を、該ヒトに、有効量のハイブリッドオピオイド化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することによって処置する方法であって、該ハイブリッドオピオイド化合物は、
    第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、
    生物活性化合物、および
    リンカー
    を含み、該第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、それぞれ、共有結合を介して該リンカーに結合している、方法。
  30. 中枢神経系障害の処置を必要としているヒトにおける中枢神経系障害を、該ヒトに、有効量のハイブリッドオピオイド化合物または薬学的に許容されるその塩を投与することによって処置する方法であって、該ハイブリッドオピオイド化合物は、
    第1のオピオイド受容体アゴニスト化合物、
    生物活性化合物、および
    リンカー
    を含み、該第1のオピオイドアゴニスト化合物および第2の生物活性化合物は、それぞれ、共有結合を介して該リンカーに結合している、方法。
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