JP2014507192A - ラッチオンを案内する装置及び方法 - Google Patents

Abstract

本発明は装置（１）及び対応する方法を提案する。装置（１）は、授乳する母親の乳房に取り付けられる第１の要素（１０）；前記第１の要素（１０）の外面（１００）に位置する第１のマーカ（１１）であって、前記第１のマーカ（１１）は、母親の乳房を正しく保持するために赤ちゃんの唇が接触することが期待される前記母親の乳房の位置を示すために用いられる、第１のマーカ（１１）；を有する。装置（１）は母親の乳房に取り付けられ、第１のマーカ（１１）は、赤ちゃんの唇が接触することが期待される位置を示し、授乳する母親は、第１のマーカ（１１）と赤ちゃんの唇との間の距離に従って、赤ちゃんが母親の乳房を正しく保持しているか否かを明らかに見ることができる。

Description

本発明は、授乳に関し、特に授乳する母親のための正しいラッチオン位置を案内する装置及び方法に関する。

赤ちゃんの唇が乳首で刺激されると、赤ちゃんは、頭を乳首の方向に向け、舌を口の底に置いて口を大きく開ける。赤ちゃんの大きく空いた口は、赤ちゃんの口の中に出来るだけ乳房を多く挿入するために使える。正しいラッチオン位置は、乳首、乳輪（乳首の周りの有色の皮膚のような円形領域）、及び基礎的乳房組織が赤ちゃんの口の中に深く引き込まれることを意味する。そして、赤ちゃんの上唇と下唇は外側に向けられるべきである。言い換えると、赤ちゃんの上唇と下唇は外にめくり返される。

通常の授乳中、赤ちゃんは、陰圧を用いて乳房に付着し、乳首と乳輪を自身の口の中に引き込んで密閉し、陽圧を用いて乳房を刺激し、その結果、陰圧と陽圧が共に乳房から乳を引き出す。大きな乳房が口の中に入れられていると、乳首は、基本的に、口の中の表面に対して動き（factional movement）がない。

赤ちゃんが不適切な量の組織しか口の中に有しないとき、例えば、赤ちゃんが乳首しか口の中に入れていないとき、乳頭が口の中へ十分に伸びず、口から出し入れされ、舌及び歯茎に対する摩擦を生じ、結果として、痛み又は亀裂した乳首のような乳首の損傷（factional damage）を生じる。同時に、誤ったラッチオンは、授乳している母親の乳首及び乳輪への不適切な刺激を生じ、結果として乳の除去の効果及び効率も影響を受ける。さらに、赤ちゃんの吸啜反射が正しく刺激されず、結果として赤ちゃんは授乳中に十分な栄養を受け取れない。

赤ちゃんが乳房に正しくラッチオンすれば、母親は乳首の痛みを感じる可能性が少なく、赤ちゃんは、赤ちゃんが下に乳管洞、言い換えると乳の容器がある乳輪を圧迫するとき多くの乳を得る可能性がある。

授乳する母親、特に初めての母親は、赤ちゃんを乳房に正しくラッチオンさせる経験が少ない。さらに、授乳中、母親は、赤ちゃんの下顎及び舌に接触する乳房の下部の視界を妨げられる。しかしながら、この領域は、正しいラッチオンのために重要である。したがって、正しくないラッチオンの発生が一般的であり、授乳に悪影響を及ぼしている。

上述の問題に鑑み、赤ちゃんのために正しいラッチオン位置を達成するよう、授乳する母親を案内し得る技術的解決策を提供することは有利であり得る。

上述の問題を良好に解決するために、本発明の実施形態によると、装置が提供される。当該装置は、授乳する母親の乳房に取り付けられる第１の要素；前記第１の要素１の外面に位置する第１のマーカであって、前記第１のマーカは、母親の乳房を正しく保持するために赤ちゃんの唇が接触することが期待される前記母親の乳房の位置を示すために用いられる、第１のマーカ；を有する。

装置は母親の乳房に取り付けられ、第１のマーカは、赤ちゃんの唇が接触することが期待される位置を示し、授乳する母親は、第１のマーカと赤ちゃんの唇との間の距離に従って、赤ちゃんが母親の乳房を正しく保持しているか否かの明らかに認識できる。

別の実施形態では、第１のマーカは、第１の要素の上部又は第１の要素の下部に位置付けられても良い。

別の実施形態では、装置は、２つのマーカ、つまり第１のマーカと第２のマーカを有する。前記の実施形態では、前記第１のマーカ及び前記第２のマーカは、それぞれ前記第１の要素の下部及び上部に位置付けられ、それぞれ赤ちゃんの下唇及び上唇が接触することが期待される母親の乳房の位置を示し、前記第１の要素の下部及び上部は、それぞれ前記乳房の下部及び上部に取り付けられる。

本実施形態では、マーカにより示される位置は、母親の乳房を正しく保持するために、赤ちゃんの上唇及び／又は下唇を母親の乳房に対して案内するために用いられる。これは、母親が、正しいラッチオンのために赤ちゃんの上唇及び／又は下唇の位置を決定することを助けることができる。

別の実施形態では、第１の要素の上部にあるマーカは、可視的マーカ又は触知性マーカであっても良く、第１の要素の下部にあるマーカは触知性マーカであっても良い。

一方で、授乳する母親は、彼女の乳房の下部がよく見えない。第１の要素の下部にあるマーカが触知性であるので、母親は、赤ちゃんの下唇のために正しいラッチオン位置を決定するために、該マーカを容易に触ることができる。他方で、母親は、彼女の乳房の上部を見ることができるので、可視的マーカは、赤ちゃんの上唇のための正しいラッチオン位置を決定するために十分である。さらに、上部のマーカ及び下部のマーカは、授乳する母親が装置を装着するときにマーカが逆さまである状況を回避するために、異なるパターンで設計される。

別の実施形態では、触知性マーカは、少なくとも１つの突起又は凹みを有する。少なくとも１つの突起は、突起リブ、突起ノブの形状、又は如何なる他の形状を取ることもできる。一方で、少なくとも１つの凹みは、溝若しくは凹形の点の形状、又は触ることのできる如何なる他の形状を取ることもできる。

可視的マーカは、例えば、母親により明らかに見ることができる有色線を有する。

望ましくは、マ―カは、赤ちゃんの唇の形状、例えば赤ちゃんの唇の輪郭と一致するよう形成され、赤ちゃんの唇の場所を決定する正確な基準を母親に提供し、快適な感触を赤ちゃんに提供するようにする。

別の実施形態では、前記授乳する母親の乳首と前記マーカとの間の距離範囲は、２０ｍｍ乃至３５ｍｍである。授乳コンサルタントにより、赤ちゃんの口が乳首の後にある乳輪の約１インチを覆うことが推奨されている。したがって、乳首から２０ｍｍ乃至３５ｍｍ離れた乳輪の部分が、正しいラッチオンのために赤ちゃんの口により吸い付かれるべきである。

別の実施形態では、前記第１の要素は、漏斗状形状、扇状形状又は細長い形状である。漏斗状形状の第１の要素は、その形状が母親の乳房の形状に似ているので、母親の乳房に装着し易い。しかしながら、扇状形状又は細長い形状の第１の要素は、包装しやすく、スペースを節約できる。

別の実施形態では、装置は、乳房の乳首を覆う突起部を有する。突起部は、母乳を放出する少なくとも１つの開口を有する。突起部は、母親の乳首を損傷から保護できる。さらに、本実施形態は、既に痛み又は亀裂乳首を有する母親に特に適し、突起部は、彼女の乳首を更なる摩耗から保護できる。突起部は、装置を乳房に置くのを助けることができる。突起部の助けを得て、母親は、装置の第１の要素を乳房の正しい位置に装着できる。

有利なことに、突起部の形状は、乳房の乳首の形状に適合する。したがって、赤ちゃんが装置の突起部に吸い付くとき、突起部と母親の乳房との間の差を殆ど感じることなく、装置を除去した後、赤ちゃんは乳房に容易に戻ることができる。

別の実施形態では、突起部は装置から取り外し可能である。突起部の除去は、赤ちゃんが可能な限り母親の乳房と直接接触できるようにし、したがって乳房がより良く刺激され、その結果、乳房がより多くの乳を生産できる。

更に別の実施形態では、装置は、第１の要素を乳房に取り付けるための第２の要素を更に有する。一実施形態では、第２の要素は、第１の要素を乳房に取り付けるためのストラップを有する。例えば、装置は、ブラジャーと同様の方法で、母親の乳房に装着され得る。

別の実施形態では、第１の要素の内面は、接着剤を有する。接着剤は、授乳する母親の乳房に取り付けられる。

別の実施形態では、装置は、シリコン、ラテックス又はプラスチックのような粘着性物質を有する。このような物質は、母親の皮膚に似た感触であり、赤ちゃんは、その物質に接触することを拒まないので、乳房の吸い付きが影響を受けないだろう。
本発明の別の態様の一実施形態によると、方法が提供される。当該方法は、装置を授乳する母親の乳房に取り付けるステップであって、前記装置は第１のマーカを有し、前記第１のマーカは、母親の乳房を正しく保持するために、赤ちゃんの唇が接触することが期待される前記母親の乳房の位置を示すために用いられる、ステップ、を有する。

本発明の上述の及び他の特徴、態様及び利点は、添付の図面を参照して非限定的な実施形態の以下の説明を読むことにより明らかになるだろう。
本発明の一実施形態による装置の斜視図を示す。 図１の装置が赤ちゃんに授乳している授乳中の母親の乳房に装着されたときの図１の装置の説明図を示す。 本発明の別の実施形態による装置の斜視図を示す。 図３の装置が赤ちゃんに授乳している授乳中の母親の乳房に装着されたときの図１の装置の説明図を示す。 突起部が装置から取り外し可能である、本発明の別の実施形態による装置の斜視図を示す。 母親が自身の乳首の大きさを測定するのを支援する説明のための定規である。

図中、同一又は同様の参照符号は、同一又は同様の構成要素を表す。

図１〜６を参照し、本発明の概念は、本発明の実施形態による装置及び方法を説明することにより、明らかになるだろう。

図１は、本発明の一実施形態による装置１の斜視図を示す。図１の装置１は、授乳する母親の乳房に取り付けられるべき第１の要素１０を有する。第１のマーカ１１は、第１の要素１０の外面１００に位置する。第１のマーカ１１は、母親の乳房を正しく保持するために赤ちゃんの唇が接触することが期待される母親の乳房の位置を示すために用いられる。言い換えると、第１のマーカ１１は、赤ちゃんの唇に対して、赤ちゃんが母乳を吸うために母親の乳房を保持するときに、赤ちゃんの唇が母親の乳房に近付き又は乳房に置かれることが期待される位置を示すために用いられる。

第１の要素１０は、外面１００及び内面１０１を有する。外面１００は、装置１が母親の乳房に取り付けられるとき外側を向き、内面１０１は、内面を向き、つまり授乳する母親の乳房に面する。図１で、領域１３は、母親の乳首又は乳房の一部を赤ちゃんの唇に直接接触させるための穴である。

図２は、図１の装置１が赤ちゃんに授乳している授乳する母親の乳房に装着されたときの装置１の説明図を示す。第１の要素１０は、下部Ｌ及び上部Ｕを有する。第１の要素１０の下部Ｌは、乳首より下の乳房の部分である乳房の下部に取り付けられるためのものである。一方、第１の要素１０の上部Ｕは、乳首より上の乳房の部分である乳房の上部に取り付けられるためのものである。装置１を装着しているとき、授乳する母親は、第１の要素１０の下部Ｌを乳房の下部に取り付け、第１の要素１０の上部Ｕを乳房の上部に取り付ける。

一実施形態によると、第１のマーカ１１は、第１の要素１０の下部Ｌに位置付けられる。第１のマーカ１１は、複数の突起ノブであり得る。図２に示すように、下部にある第１のマーカ１１は、赤ちゃんの下唇に対する母親の乳房の位置を示すために用いられる。

別の実施形態では、第１の要素１０の下部に位置する代わりに、第１のマーカ１１（図２に図示しない）は、第１の要素１０の上部Ｕに位置付けられ、赤ちゃんの上唇に対する母親の乳房の位置を示すために用いられる。

別の実施形態では、第１のマーカ１１に加えて、装置１は、第１のマーカ１１が位置付けられた部分と反対の第１の要素の一部に位置付けられた第２のマーカ１２を更に有する。つまり、第１のマーカ及び第２のマーカは、上下方向に延在する。言い換えると、第１のマーカ１１および第２のマーカ１２は、赤ちゃんの下唇及び上唇がそれぞれ接触することが期待される母親の乳房の位置を示すために、それぞれ第１の要素１０の下部Ｌ及び上部Ｕに位置付けられる。具体的には、第１のマーカ１１が第１の要素１０の下部Ｌに位置するとき、装置１は、第１の要素１０の上部Ｕに位置する第２のマーカ１２を更に有する。そして、第２のマーカ１２は、赤ちゃんの上唇が近接すべき位置を示す。

図２から分かるように、第１の要素１０の上部Ｕにあるマーカ、例えば第２のマーカ１２は、明らかな曲線、つまり明らかなマーカである。授乳する母親は自身の乳房の上部の良好な視界を有するので、可視的な線は位置を示すのに十分である。また、第１の要素１０の下部にあるマーカ、例えば第１のマーカ１１は、複数の触知可能な突起ノブ、つまり触知性マーカの形式を取る。授乳する母親の乳房にラッチオンしている赤ちゃんは母親の視界を覆ってしまうので、母親はこの部分が良く見えないが、母親は触知可能な突起ノブを触ることができる。

別の実施形態では、第１の要素１０の上部Ｕにあるマーカは、触知性マーカであり、赤ちゃんが乳房に正しくラッチオンしているか否かを決定するために、母親が上部Ｕにあるマーカも触れるようにする。したがって、上部にあるマーカが触知性マーカであるとき、母親は、該マーカを触ることにより、赤ちゃんが乳房に正しくラッチオンしているか否かを決定できる。上部にあるマーカが触知性マーカ又は可視的マーカであるとき、母親は、該マーカを触ることにより又は該マーカを見ることにより、赤ちゃんが乳房に正しくラッチオンしているか否かを決定できる。

勿論、図２に示した曲線の形式に加え、可視的マーカの形状は、例えば、母親の乳房に対する赤ちゃんの上唇の位置を示すために用いることができる如何なるパターンに変更できる。また、触知性マーカは種々の形状、例えば触知性マーカは、突起ノブ、突起リブ、突起点、凹み、凹型溝、凹型点であり得る。或いは、マーカは、表面の粗さが他の領域の粗さと明らかに異なる領域であり、授乳する母親が該マーカを容易に触り識別できるようにしても良い。一実施形態では、可視的マーカ又は触知性マーカの外形は、赤ちゃんの唇の形状に適する。可視的有色線は、赤ちゃんの上唇の形状に適する。また、複数の触知性突起ノブは、赤ちゃんの下唇の形状に適合するように配置される。

「Anatomy of the lactating human breast redefined with ultrasound imaging」、J.Anat、(２００５)２０６, pp.５２５-５３４, Anatomical Society of Great Britain and Ireland ２００５で引用された実験によると、左及び右の乳房で、それぞれ乳輪半径は２７．８±５．５ｍｍ、２５．６±５．５ｍｍである。したがって、マーカは、乳首を中心として約２０ｍｍ乃至３５ｍｍの半径を有するアーチに沿って位置付けられ得る。それにより、装置１が授乳する母親の乳房に装着されるとき、マーカは、授乳する母親の乳房の乳輪の端に隣接される。したがって、赤ちゃんが授乳する母親の乳房にラッチオンしているとき、赤ちゃんの唇は、マーカに従って乳房の乳輪の大部分を覆うように指示される。

別の実施形態では、上部Ｕにあるマーカ、例えば第２のマーカ１２から乳首までの距離は、下部Ｌにあるマーカ、例えば第１のマーカ１１から乳首までの距離よりも短い。授乳コンサルタントにより、赤ちゃんの口は乳首、乳輪の大部分、屡々、乳房組織の一部を、頂点より僅かに乳房の下を多く覆い、授乳する母親の乳首が赤ちゃんの口蓋に接触でき、赤ちゃんの吸啜活動が刺激されるようにすることが推奨されている。

図２、４では、装置１の輪郭は実線を用いて示され、母親の乳房の輪郭は破線を用いて示されている。装置１の輪郭及び母親の乳房の輪郭は図２、４で互いに別個に示されるが、当業者は、装置１が母親の乳房に対して押し付けられ、２つの輪郭が重なり合うようにできることを理解する。

図３は、本発明の別の実施形態による装置１の斜視図を示す。

実施形態では、装置１は、乳房の乳首を覆う突起部３０を更に有する。突起部３０は、母乳を放出する少なくとも１つの開口３００を有する。突起部３０は、概して、授乳する母親の乳首及び乳房の一部の形状に実質的に適合する漏斗状の形状を有する。

突起部３０を有する装置は、少なくとも２つの機能を有する。第１の機能は、授乳する母親の乳首を保護することである。この場合、装置１は、赤ちゃんを正しくラッチオンに導く機能を有する乳首プロテクタと考えられる。突起部３０の第２の機能は、装置１を母親の乳房に配置するのを案内することである。突起部３０及び第１の要素１０は、図３に示すように一体型の要素であり得る。突起部３０は、図５を参照して更に説明するように、装置１から取り外し可能でもあり得る。

図４は、図３の装置が赤ちゃんに授乳している授乳する母親の乳房に装着されたときの図１の装置の説明図を示す。

図５は、突起部が装置から取り外し可能である、本発明の更に別の実施形態による装置の斜視図を示す。

図５で、破線５０で囲まれている突起部３０は、破線５０に沿って装置１から取り外すことができる。突起部３０が装置１から破線５０に沿って取り外されるとき、装置１は、図１に示した装置１と同様である。図１を再び参照すると、第１の要素１０は環状形状であり、第１のマーカ１１及び第２のマーカ１２は、それぞれ２つの対向する側に位置付けられることが分かる。具体的には、第１のマーカ１１は、外面１００の下部Ｌに位置付けられ、第２のマーカ１２は、外面１００の上部Ｕに位置付けられる。

突起部３０は、母親が装置１を正しく配置するのを、したがって装置１を正しい位置に装着するのを助ける。装置１を配置するとき、母親は、先ず、装置１全体を装着し、突起部３０が母親の乳首を覆うようにする。その結果、第１の要素１０は、母親の乳房に正しく取り付けられ、マーカは正しい位置に置かれる。装置１が乳房の上に正しく配置された後、母親は、装置１から突起部３０を取り外すことができる。装置１から突起部３０を取り外した後に、赤ちゃんは、母親の更に多くの実際の皮膚組織に接触でき、それが授乳する母親の乳房により良い刺激となり、結果として赤ちゃんは十分な乳を得るだろう。さらに、突起部の除去は、母親の皮膚がもっと空気に接触するのを助け、母親と赤ちゃんの両者を自然に感じさせる。

勿論、母親が痛い又は亀裂した乳首を有する場合には、母親は、突起部３０を装置１から取り外さなくても良い。言い換えると、母親は、図２に示すように突起部３０と第１の要素１０が１つの要素であるかのように、突起部３０を有する装置１を装着しても良い。したがって、乳首と赤ちゃんの口との間の直接接触が無いので、突起部３０は乳首の痛みを緩和できる。つまり、乳首は突起部３０により保護される。

第１の要素１０の形状は、上述の実施形態に限定されない。例えば、第１の要素１０は、扇形形状又は細長い形状等であり得る。第１の要素１０が扇形形状又は細長い形状であるとき、例えば、装置１を装着しているとき、母親は、さらに、装置１を彼女の乳房にどのように取り付けるかに関する指示を提供される。例えば、第１の要素１０が細長い形状であり、第１のマーカ１１及び／又は第２のマーカ１２が外面１００の大部分を占めるとき、母親は、第１のマーカ１１及び／又は第２のマーカ１２を、乳首から２５乃至３０ｍｍ離して、一方のマーカが乳首の下に置かれ、他方のマーカが乳首の上に置かれ、それらが乳輪の端に揃うように取り付けるよう指示されても良い。

一実施形態では、装置１は、異なる母親の乳房の異なる大きさ及び／又は異なる赤ちゃんの口の大きさに適合するよう異なる大きさで設計される。母親の乳房の大きさが考慮されるとき、母親が彼女の乳首の大きさを測定するのを助けるための定規が設けられる。図６は、母親が、彼女に適する装置１を選択するために、彼女の乳首の大きさを測定するのを助けるための定規の説明図である。複数の黒い開口６０の各々は、異なる内径を有し、母親はこれらの開口を用いて彼女の乳首の大きさを測定できる。例えば、彼女の乳首全体が特定の開口を通過できるとき、その開口６０に対応する内径は、母親の乳首の直径と考えることができる。乳輪と乳首との間の一般的な比率があり、マーカの場所は乳首及び乳輪に関連付けられるので、母親は、図６に示した定規を用いて、乳首の直径に従って適切な大きさを有する装置１を選択できる。当業者は、図６に示した定規が説明目的のためのみであり、開口の実際の数及び大きさが異なる適用に従って異なっても良いことを理解する。

一実施形態によると、装置１は、第１の要素１０を乳房に取り付けるための第２の要素（図示しない）を更に有する。第２の要素は、第１の要素１０を乳房に取り付けるストラップを有する。該ストラップは、母親の背中を一回りするのに十分な程長い。或いは、２つのストラップが、それぞれ第１の要素１０の２つの対向する側に設けられ、該２つのストラップは、バックルと結合されるために母親の背中で出会い、装置１が母親の乳房に対して位置を保持されるようにする。

当業者は、装置１が第２の要素と共に例えばブラジャーと同様に装着できることを理解する。

別の実施形態では、装置１は、第１の要素１０の内面１０１上に接着剤を有しても良く、内面１０１が該接着剤により乳房に取り付けられるようにしても良い。接着剤は、シリカゲル等であり得る。

別の実施形態では、装置１の第１の要素１０は、シリコン、ラテックス又はプラスチックのような粘着性物質を有するので、第２の要素の必要がなく、第１の要素１０の内面が母親の乳房の表面に取り付けられる。このような種類の物質は、母親の実際の皮膚と同様の感触であり、したがって赤ちゃんは装置１を通じて乳を飲む多くの困難を有しないので、有利である。別の実施形態では、装置１の物質は安全であり、例えば、哺乳瓶の乳首であり、殺菌され得る。

本発明の別の態様によると、方法が提案される。該方法は、装置１を授乳する母親の乳房に取り付けるステップを有し、装置１は第１のマーカ１１を有し、第１のマーカ１１は、母親の乳房を正しく保持するために、赤ちゃんの唇が接触することが期待される母親の乳房の位置を示すために用いられる。

理解されるべきことに、本発明の文脈における用語「接触」は、実際に「触ること」を意味しない。異なる基準に従って、「接触」の意味は、赤ちゃんの唇がマーカにより示された位置に触ると期待されることを意味し、又は赤ちゃんの唇がマーカにより示された位置に近接すると、つまりその特定の距離範囲内にあると期待されることを意味し得る。

母親の乳房を正しく保持するために、赤ちゃんの唇が接触すると期待される母親の乳房の位置を示すための複数の基準が存在する。例えば、マーカが母親により見えない又は触れないとき、マーカは完全に赤ちゃんの口の中にあり、赤ちゃんが母親の乳房に正しく吸い付いていることを意味する。或いは、マーカが赤ちゃんの唇から特定の距離範囲内、例えば赤ちゃんの唇から指１本の距離範囲内に見える又は触れるとき、赤ちゃんは母親の乳房を正しく保持していることを意味する。その他の場合、マーカが赤ちゃんの唇から特定の距離を超えて見え又は触れるとき、赤ちゃんは母親の乳房に正しく吸い付いていないと決定できる。勿論、異なる基準で、マーカと乳首との間の距離は変えられても良く、当業者は、本発明の実施形態で提案した装置及び方法に基づき、ラッチオンの正しさを示すための他の基準を考案することができる。

上述の実施形態は、赤ちゃんが実際に母親の乳房に吸い付く状況を説明したが、当業者は、本発明の実施形態が教示目的を供することを理解する。例えば、装置１の実施形態は、マーカに従って正しい赤ちゃんのラッチオン位置を学ぶために、妊娠後期の女性により鏡の前で装着され得る。

当業者は、説明、図面及び添付の請求項の研究を通じて、開示の実施形態を理解し変更を行うことができる。本発明の精神から逸脱しないこのような全ての変形は、添付の請求の範囲の範囲内に包含されると考えられる。用語「有する（comprising）」は、請求項及び説明中に列挙された以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素の前にある単数を表す語（「ａ」、「an」）は、このような要素の複数の存在を排除しない。本発明の実施において、請求項中の幾つかの技術的特徴は、１つの構成要素により具現化され得る。請求項中、括弧内に記載された如何なる参照符号も、請求項を制限すると見なされるべきではない。

Claims (15)

1. 授乳する母親の乳房に取り付けられる第１の要素；
   前記第１の要素１の外面に位置する第１のマーカであって、前記第１のマーカは、母親の乳房を正しく保持するために赤ちゃんの唇が接触することが期待される前記母親の乳房の位置を示すために用いられる、第１のマーカ；
   を有する装置。
2. 前記第１のマーカは前記第１の要素の上部に位置付けられ、前記赤ちゃんの上唇が接触することが期待される前記母親の乳房の位置を示し、前記第１の要素の上部は、前記乳房の上部に取り付けられ、又は
   前記第１のマーカは前記第１の要素の下部に位置付けられ、前記赤ちゃんの下唇が接触することが期待される前記母親の乳房の位置を示し、前記第１の要素の下部は、前記乳房の下部に取り付けられる、
   請求項１に記載の装置。
3. 前記装置は、第２のマーカを更に有し、前記第１のマーカ及び前記第２のマーカは、それぞれ前記第１の要素の下部及び上部に位置付けられ、それぞれ赤ちゃんの下唇及び上唇が接触することが期待される母親の乳房の位置を示し、前記第１の要素の下部及び上部は、それぞれ前記乳房の下部及び上部に取り付けられる、請求項１に記載の装置。
4. 前記第１の要素の上部にあるマーカは、可視的マーカ又は触知性マーカであり、及び／又は前記第１の要素の下部にあるマーカは、触知性マーカである、請求項２又は３に記載の装置。
5. 前記触知性マーカは、少なくとも１つの突起又は凹みを有し、前記可視的マーカは、有色線を有する、請求項４に記載の装置。
6. 前記授乳する母親の乳首と前記第１のマーカとの間の距離範囲は、２０ｍｍ乃至３５ｍｍである、請求項１に記載の装置。
7. 前記第１の要素は、漏斗状形状、扇状形状又は細長い形状である、請求項１に記載の装置。
8. 前記装置は、前記母親の乳房の乳首を覆う突起部を更に有し、前記突起部は、母乳を放出する少なくとも１つの開口を有する、請求項１に記載の装置。
9. 前記突起部の形状は、前記母親の乳房の乳首の形状に適合する、請求項８に記載の装置。
10. 前記突起部は、前記装置から取り外し可能である、請求項８に記載の装置。
11. 前記装置は、前記第１の要素を乳房に取り付けるための第２の要素を更に有する請求項１に記載の装置。
12. 前記第２の要素は、前記第１の要素を乳房に取り付けるためのストラップを有する、請求項１１に記載の装置。
13. 前記第１の要素の内面は、接着剤を有する、請求項１に記載の装置。
14. 前記装置は、シリコン、ラテックス又はプラスチックを有する、請求項１に記載の装置。
15. 装置を授乳する母親の乳房に取り付けるステップであって、前記装置は第１のマーカを有し、前記第１のマーカは、母親の乳房を正しく保持するために、赤ちゃんの唇が接触することが期待される前記母親の乳房の位置を示すために用いられる、ステップ、
    を有する方法。

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