JP2014505743A - 2成分型硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

少なくとも1つのシリル-末端化ポリマーに基づく硬化性剤の場合、プラスチックの結合における接着スペクトル、および、接着の構築速度は、改善すべき課題である。これは、互いに接触していない2つの成分(1)および(2)を提供することにより達成され、ここで、成分(1)は式(I):-A-CH-SiXYZ(I)[式中、Aは2価の連結基であり、X、YおよびZは、互いに独立して、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、またはC-Cアシルオキシ基であり、該置換基の少なくとも1つはC-Cアルコキシ基またはC-Cアシルオキシ基であり、nは0または1である]で示される少なくとも1個の末端基を有する少なくとも1種のポリマーを含有し、成分(2)は、少なくとも水および少なくとも1種のシラノール縮合触媒を含有する。本発明は、さらに、接着剤および/またはシーラントとしての本発明の組成物の使用を提供する。

Description

本発明は、例えば接着剤、シーラントおよびコーティング物質に見られるような硬化性剤の分野にある。本発明は、特に、少なくとも1種のシラン末端化ポリマーに基づく2成分型湿分硬化性剤、その製造方法、ならびにその使用に関する。
反応性シリル基を有するポリマー系は既知である。大気中水分の存在下において、加水分解性置換基を有するシリル基を持つポリマーは、室温でさえ、加水分解された残基の放出を伴って互いに縮合することができる。これに関して生じるものは、加水分解性置換基を有するシリル基の濃度およびこれらのシリル基の配位に応じて、主に長鎖ポリマー(熱可塑性)、比較的広い網目の三次元ネットワーク(エラストマー)、または高架橋系(熱硬化性プラスチック)である。
ポリマーは、通常、例えばアルコキシ基またはアシルオキシシリル基を末端に有する有機主鎖を含む。有機主鎖は、例えばポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル等を含んでよい。これらの種類のα,ω-シラン置換ポリマーは、優れた柔軟性および凝集のために、しばしば注目される。
欧州特許出願公開第0931800号には、例えば末端不飽和をほとんど有さないポリオール成分と、ジイソシアネートとを反応させてヒドロキシ末端化プレポリマーを得て、続いてイソシアナトシランでキャッピングして得られる、シリル化ポリウレタンが記載されている。記載されたポリマーは、シーラント製造に使用される。
シリル末端化ポリオキシアルキレンポリマーに基づく組成物は、欧州特許出願公開第1396513号にも記載されている。第1の変法において、該組成物は、1個のみ、または、2個の加水分解性基を有するシリル末端基を有するポリマー、および、3個の反応性基を有するシリル末端基を有するポリマーの両方を含有する。第2の変法において、2つの異なる種類のシリル末端基は、1つのポリオキシアルキレンポリマーに同時に存在する。欧州特許出願公開第1396513号によれば、かかる組成物は、弾性、速硬性接着剤およびシーラントにおいて使用される。
国際公開第03/014226号の主題は、特別に置換された低分子量シランの他に、炭化水素残基を介してポリマー主鎖に結合する、1〜3個のメトキシ基またはエトキシ基を有する、末端シリル基を含有するポリマーを含有する1成分型アルコキシ架橋性物質である。該ポリマーは、特に、式:-NR-CH-Si(R)(CH)3−a(R=メトキシまたはエトキシ残基;R=水素、アルキルまたはアリール残基;a=1〜3)で示される末端基、いわゆるα-シリル基を含有してよい。
錫系硬化触媒に加えて加水分解性シリル基を含有する有機ポリマーを含む硬化性組成物は、欧州特許出願公開第1304354号に記載されている。
特に接着剤およびシーラント分野におけるある種の用途のために、基材を互いに接触させる固定時間を最小化することが必要とされる。それにもかかわらず、基材の互いの良好な接着が当然に達成されるべきである。このような問題の1つは、例えば、ある部分が接着結合されるとできるだけ迅速に次の処理工程(この工程において、取り付けられた固定装置がじゃまになりうる)が行われる必要がある工業用製造ラインについて想定されうる。さらなる興味は、可能な限り広く使用可能であり、異なる基材への良好な接着において注目される、接着剤およびシーラントである。プラスチックを互いに結合する際に良好な接着を達成することは、特に困難である場合が多いが、特に望まれることでもある。
欧州特許出願公開第0931800号明細書 欧州特許出願公開第1396513号明細書 欧州特許出願公開第1304354号明細書
したがって、本発明の課題は、接着の迅速な増大を可能にし、プラスチックを互いに接合する際に安定な耐力性接着結合を可能にする、硬化性剤を提供することである。さらに、本発明の剤は、室温で使用可能であり、最新の接着剤および/またはシーラントについての全ての一般的要求に合致することが意図される。例えば、剤は塗布が容易であり、良好な生理学的適合性を有することが意図される。
上記課題は、本発明の主題により達成される。本発明の主題は、互いに接触していない2つの成分(1)および(2)を含有する硬化性剤であって、成分(1)は、一般式(I):
Figure 2014505743
[式中、
Aは、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する2価の結合基であり、
X、Y、Zは、Si原子上の置換基であり、互いに独立して、C-Cアルキル、C-CアルコキシまたはC-Cアシルオキシ残基であり、ここで、該置換基の少なくとも1つは、C-CアルコキシまたはC-Cアシルオキシ残基であり、
nは0または1である]
で示される少なくとも1個の末端基を有する少なくとも1種のポリマーを含有し、
成分(2)は、少なくとも水および少なくとも1種のシラノール縮合触媒を含有する。
この種の剤は、凝集の迅速な増大を示し、また、プラスチック、例えばポリカーボネーまたはポリプロピレンの互いに対する特に安定かつ強い結合を可能にする。さらに、それらを用いて製造した接着結合またはシーリング接合は、非常に良好な接着値を持続的に示す。
用語「硬化性」は、外部条件の影響下で、特に環境中に存在するおよび/または意図的に送られる水分、また、場合により剤中にすでに存在する水分の影響下で、剤が、可塑的に変形しうる状態からより硬質の状態へと変わることを意味する。硬化は、一般に、化学的および/または物理的影響の結果として、すなわち前述の水分の他に、例えば熱、光または他の電磁放射の形態でのエネルギーの導入の結果としても生じるが、また、単に組成物を空気または反応性成分と接触させることによっても生じうる。
成分(1)および(2)は、互いに接触していない。これは、(1)および(2)は、例えば2つの異なる容器中に、互いに別々に存在することを意味し、したがって、特に互いに化学反応を開始することができない。かかる反応は、該成分を一緒にした後でのみ可能である。
「ポリマー」は、複数の分子から作られた物質として理解され、該物質において、1種類または数種類の原子または原子群(いわゆる「構成要素単位」、「基本モジュール」または「反復単位」)が繰り返して連続的に配列される。本発明の目的において、「ポリマー分子」は少なくとも10個の反復単位を含有する。
成分(1)は、式(I):
Figure 2014505743
で示される少なくとも1個の末端基を有する少なくとも1種のポリマーを含有する。
成分(1)のポリマーは、好ましくはポリエーテルまたはポリ(メタ)アクリル酸エステルであり、特に好ましくはポリエーテルである。「ポリエーテル」は、有機反復単位がC-O-Cエーテル官能基を主鎖において含有するポリマーとして理解される。したがって、側部エーテル基を有するポリマー、例えばセルロースエーテル、デンプンエーテル、およびビニルエーテルポリマーは、ポリエーテルに含まれない。ポリアセタール、例えばポリオキシメチレン(POM)も、通常、ポリエーテルとして分類されない。「ポリ(メタ)アクリル酸エステル」は、(メタ)アクリル酸エステルに基づくポリマーとして理解され、したがって、反復単位として、構造モチーフ-CHCR(COOR)-[式中、Rは、直鎖状、分枝状および/または環状アルキル残基および/または官能性置換基(例えばメチル、エチル、イソプロピル、シクロヘキシル、2-エチルヘキシルまたは2-ヒドロキシエチル残基)を含有するものを表し、Rは、水素原子(ポリアクリル酸エステル)またはメチル基(ポリメタクリル酸エステル)のいずれかを表す]を含む。
基本骨格としてポリエーテルを含有するポリマーは、末端基においてだけでなく、ポリマー主鎖においても、軟質かつ弾性の構造を有する。それをもって、優れた弾性を示す剤を製造することができる。ポリエーテルはその主鎖において軟性であるだけでなく、同時に、強くもある。例えば、ポリエーテルは水および細菌によって攻撃または分解されない。本発明に関して、成分(1)において、ポリエチレンオキシドおよび/またはポリプロピレンオキシドに基づくポリエーテルを使用することが特に好ましく、ポリプロピレンオキシドに基づくポリエーテルがきわめて好ましい。
成分(1)は、4000〜100,000、好ましくは8,000〜50,000、特に好ましくは10,000〜30,000、特に15,000〜25,000g/molの分子量Mを有する少なくとも1つのアルコキシ-および/またはアシルオキシシラン-末端化ポリエーテルを含有することが好ましい。「分子量M」は、ポリマーの数平均分子量として理解される。本発明の目的において、数平均分子量Mならびに重量平均分子量Mは、ポリスチレンを標準として用いるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定される。このような方法は、当業者に知られている。示された分子量は、対応する剤が粘度(簡単な加工性)、強さおよび弾力性の間でバランスのとれた関係を示すため、特に有利である。そのため、この組合せは、好ましい分子量範囲(M)12,000〜30,000、より好ましくは14,000〜27,000、特に16,000〜24,000g/molで、非常に有利に表される。
本発明に関して、割合M/Mが1.5未満である少なくとも1つのポリエーテルが成分(1)に含有されることが好ましい。割合M/M(「多分散性」とも称される)は、モル質量分布の広さを示し、そのため、多分散ポリマーにおける個々の鎖の種々の重合度を示す。多くの重合体および重縮合物に対して適用しうる多分散性値は約2である。1の値については、厳しい単分散性が存在するだろう。本発明に関して好ましい1.5未満の多分散性は比較的狭い分子量分布を示し、そのため、分子量に関連する特性(例えば粘度)の特定の表現を示す。成分(1)の少なくとも1つのアルコキシ-および/またはアシルオキシシラン-末端化ポリエーテルは、1.3未満の多分散性(M/M)を有することが特に好ましい。
成分(1)において使用することが好ましいポリエーテルは、ポリマー鎖の末端における二重結合の数が少ないことも好ましくは注目すべきである。これは、低分子量ジオールとアルキレンオキシドとの重合に関する望ましくない副反応に起因する、いわゆる「末端不飽和」である。その結果、特定の割合のモノヒドロキシポリエーテルが存在し、これは鎖末端でのみシリル化されうるため鎖末端を介して架橋できるのみである。これは、ポリエーテルおよびそのポリエーテルから製造した組成物の機能性に不都合な効果を有する。少数の末端二重結合を有するポリエーテルは、例えば複金属シアン化物(DMC)触媒により製造することができる。成分(1)は、好ましくは、ASTM D4671法を用いて測定して、0.07meq/g未満の末端不飽和を有する少なくとも1種のポリエーテルを含有する。
成分(1)のポリマーは、式(I):
Figure 2014505743
[式中、
Aは、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する2価の結合基であり、
X、Y、Zは、Si原子上の置換基であり、互いに独立して、C-Cアルキル基、C-Cアルコキシ基またはC-Cアシルオキシ基であり、ここで少なくとも1つの置換基は、C-Cアルコキシ基またはC-Cアシルオキシ基であり、および
nは0または1である]
で示される少なくとも1個の末端基を含む。
「2価の」(または「二重結合」)結合基Aは、アルコキシ-および/またはアシルオキシシラン-末端化ポリマーのポリマー主鎖を末端基のメチレン残基へ連結する化学基として理解される。2価の結合基Aは、例えば、アルコキシ-および/またはアシルオキシシラン-末端化ポリエーテルポリマーまたはポリ(メタ)アクリル酸エステルポリマーの製造に関連して、ヒドロキシ基で官能価させたポリエーテルとイソシアナトシランとの反応により、例えばカルバメート基として形成させてよい。2価の結合基は、基本ポリマー骨格に生じる構造的特徴から区別できても区別できなくてもいずれでもよい。後者の状況は、例えばポリマー骨格の反復単位の架橋点に等しい場合に存在する。
Aは、好ましくは、アミド、カルバメートまたはウレタン、尿素、イミノ、カルボキシレート、カルバモイル、アミジノ、カルボネート、スルホネートまたはスルフィネート基、または酸素または窒素原子である。式(I)における2価の結合基Aは、特に好ましくは、カルバメート基または尿素基である。これらの基は、プレポリマーの特定の官能基と、さらなる官能基を有する有機シランとの反応により得ることができる。
「カルバメート基」または「ウレタン基」は、式-NH-C(O)-O-で示される構造モチーフとして理解される。カルバメート基は、例えば、ポリマー骨格が末端ヒドロキシ基を含有し、イソシアナトシランをさらなる成分として使用する際、または反対に、末端イソシアネート基を含むポリマーとアルコキシシランを含有する末端ヒドロキシ基とを反応させる際のいずれかにおいて、製造することができる。ウレタン基は、それぞれの反応パートナーに存在する末端イソシアネート基と反応する(シランまたはポリマーのいずれか上の)末端第1級または第2級アミノ基を使用する際、同様の方法で得ることができる。これは、アミノシランと末端イソシアネート基を含むポリマーとの間、または、イソシアナトシランとアミノ基で末端置換されたポリマーとの間のいずれかで反応がもたらされることを意味する。それに対して、「尿素基」は、式:-NH-C(O)-NR-[式中、Rは水素原子または任意の置換または非置換炭化水素残基を表す]で示される構造モチーフとして理解される。
カルバメート基および尿素基は、ポリマー鎖および架橋ポリマー全体の強さを有利に高める。
変数「n」は、0または1の値をとってよく、すなわち2価の結合基Aは、基本ポリマー骨格をメチレン基へ連結する(n=1)、または、ポリマー主鎖がメチレン基へ直接に結合または連結する(n=0)。
ポリマー骨格を(場合により結合基Aを介して)シリル基へと連結するメチレン基は、末端シリル基の、特に本発明による高い反応性のため、そして短縮された硬化時間および非常に早い製剤の硬化のために、きわめて重要であることがわかった。
X、YおよびZは、互いに独立して、C-Cアルキル残基、C-Cアルコキシ残基またはC-Cアシルオキシ残基である。少なくとも1つの置換基X、Y、Zは、加水分解性基、すなわちC-Cアルコキシ残基またはC-Cアシルオキシ残基であるべきである。アルコキシ基、特にメトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシおよびブチルオキシ基を加水分解性基として選択することが好ましい。これは、このようなアルコキシ基を含有する剤は、硬化に際して、粘膜を刺激する物質を何ら放出しないため有利である。形成されるアルコールは、放出される量において無害であり、揮発する。したがって、このような剤は、日曜大工分野に特に適当である。しかしながら、アシルオキシ基、例えばアセトキシ基-O-CO-CHを加水分解性基として用いることもできる。
式(I)における置換基または残基X、Y、Zの1つは、C-Cアルキル基であり、他の2つの置換基は、互いに独立して、C-Cアルコキシ基であるか、または、全ての置換基X、YおよびZが、互いに独立して、C-Cアルコキシ基であることが好ましい。概して、ジアルコキシシリル基またはトリアルコキシシリル基を含有するポリマーは、迅速な硬化、高い架橋度を可能にする高い反応性の結合サイトを有し、そのため良好な最終強度値を有する。ジアルコキシシリル基の特別な利点は、対応する組成物が、硬化後に、トリアルコキシシリル基を含有する系よりも弾性、より軟性およびより柔軟性であることである。これらは、さらに、硬化の際にさらに少ないアルコールを放出し、したがって、放出されるアルコールの量を減らす必要がある場合に、特に興味深い。
他方で、トリアルコキシシリル基については、より高い架橋度を得ることができ、これは、硬化後により硬質の、より固形の物質が所望される場合に、特に有利である。さらに、トリアルコキシシリル基はより反応性であり、すなわちより迅速に架橋するため必要とされる触媒の量を減らし、それらは「常温流れ(cold flow)」、すなわち応力の影響下、および該当する場合、温度の影響下での対応する接着剤の寸法安定性に関して利点を有する。
特に好ましくは、式(I)中の置換基X、YおよびZは、それぞれの場合において互いに独立して、メチル残基、エチル残基、メトキシ残基またはエトキシ残基である。低い立体的要求を有する比較的小さい加水分解性基であるメトキシ残基およびエトキシ残基は、高反応性であるため、少量の触媒を使用する場合でさえ迅速な硬化が可能であり、したがって、迅速な接着増大ならびに高い初期接着が可能である。
特に好ましくは、X、YおよびZは、それぞれの場合において互いに独立して、メチル残基またはメトキシ残基である。アルコキシシリル基を有する化合物は、酸素原子上のアルキル残基の性質に応じて、化学反応における異なるレベルの反応性を有する。アルコキシ基の中で、メトキシ基は最大の反応性を示す。したがって、この種のシリル基は、特に迅速な硬化が所望される場合に利用されうる。より高級の脂肪族残基(例えばエトキシ)は、メトキシ基と比較してより低い末端アルコキシシリル基における反応性を既に生じ、段階的な架橋速度を実行するために有利に使用することができる。
興味深い配置可能性は、2つの基の組み合わせによっても与えられる。例えば、メトキシがXについて選択され、エトキシが同一のアルコキシシリル基中のYについて選択される場合、意図される用途に対ししてメトキシ基のみを有するシリル基は反応性が高すぎて、エトキシ基のみを有するシリル基は反応が遅すぎるとると思われる場合に、末端シリル基の所望の反応性を特定の正確さで調整することができる。
メトキシ基およびエトキシ基に加えて、より大きな残基(これは、より低い反応性を本来有する)を加水分解性基として使用することももちろん可能である。これは、アルコキシ基の配置を用いて遅延硬化を得ることが意図される場合にも特に興味深い。
式(1)の−SiXYZ基は、特に好ましくは、メチルジメトキシシリル基である。この種のシリル基は、プラスチック間の安定な結合を得るために特に適当であることがわかった。これらは、さらに、本発明の剤における迅速な接着増大の観点でも有利である。
成分(1)のアルコキシ-および/またはアシルオキシシラン-末端化ポリマーは、好ましくは式(I)で示される少なくとも2個の末端基を含む。したがって、それぞれのポリマー鎖は、大気中水分の存在下で、加水分解された残基の放出を伴ってポリマーの縮合が起こりうる少なくとも2個の架橋サイトを含有する。したがって、十分に制御された、迅速な架橋性能を達成することができ、そのため、良好な強度値を有する接着結合を得ることができる。さらに、長鎖系(熱可塑性樹脂)として達成可能なネットワークの配置、比較的広い網目の3次元ネットワーク(エラストマー)または高架橋系(熱硬化性プラスチック)を、加水分解性基の量および構造(例えばジ-またはトリアルコキシシリル基、メトキシ基またはより長い残基の使用等)によって制御することができるため、完全に架橋された組成物の他の特徴のうち、弾力性、柔軟性および高温強度に影響を与えることができる。成分(1)のアルコキシ-および/またはアシルオキシシラン-末端化ポリマーが、式(I)で示される平均して1個より多くの末端基、好ましくは式(I)で示される1.1〜5個の末端基を含むことがさらに好ましい。
特に好ましくは、成分(1)のポリマーは、式-O-CO-NH-CH-Si(OMe)Meまたは-N(R)-CO-NH-CH-Si(OMe)Me[式中、Rは水素原子または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を表す]で示される、少なくとも1個の末端基を有する。この種の末端基は、特にプラスチックを互いに結合する際に、迅速な接着増大および高い接着強度を可能にするのに特に適当であることがわかった。
式(I)で示される少なくとも1個の末端基を有するポリマーの成分(1)における総含量は、それぞれの場合において成分(1)の総重量に基づいて、好ましくは5〜45重量%、より好ましくは10〜40重量%、特に15〜35重量%、きわめて好ましくは20〜30重量%である。式(I)で示される少なくとも1個の末端基を有するポリマーは、成分(1)においてのみ、本発明の剤に含有されることが好ましい。
本発明の硬化性剤の成分(2)は、少なくとも水および少なくとも1種のシラノール縮合触媒を含有する。「シラノール縮合触媒」は、2個のSi-OH基からの水分子の放出を伴うSi-O-Si結合の形成を触媒することができる化合物として理解される。シラノール縮合触媒は、好ましくは、有機錫化合物、モノアミンまたはポリアミン、および/または複素環アミンである。本発明のシラノール縮合触媒は、特に好ましくは、有機錫化合物である。
適当な有機錫化合物は、例えば、2価または4価錫の1,3-ジカルボニル化合物、例えばアセチルアセトネート、例えばジ(n-ブチル)錫(IV)ジ(アセチルアセトネート)、ジ(n-オクチル)錫(IV)ジ(アセチルアセトネート)、(n-オクチル)(n-ブチル)錫(IV)ジ(アセチルアセトネート);ジアルキル錫(IV)ジカルボキシレート、例えばジ-n-ブチル錫ジラウレート、ジ-n-ブチル錫マレエート、ジ-n-ブチル錫ジアセテート、ジ-n-オクチル錫ジアセテート、または対応するジアルコキシレート、例えばジ-n-ブチル錫ジメトキシド;ならびに錫(II)カルボキシレート、例えば錫(II)オクトエートまたは錫(II)フェノレートである。
以下の錫化合物も適当である:エチルシリケート、ジメチルマレエート、ジエチルマレエート、ジオクチルマレエート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ(n-ブチル)錫(IV)ジ(メチルマレエート)、ジ(n-ブチル)錫(IV)ジ(ブチルマレエート)、ジ(n-オクチル)錫(IV)ジ(メチルマレエート)、ジ(n-オクチル)錫(IV)ジ(ブチルマレエート)、ジ(n-オクチル)錫(IV)ジ(イソオクチルマレエート)、ジ(n-ブチル)錫(IV)硫化物、ジ(n-ブチル)錫(IV)オキシド、ジ(n-オクチル)錫(IV)オキシド、(n-ブチル)Sn(SCHCOO)、(n-オクチル)Sn(SCHCOO)、(n-オクチル)Sn(SCHCHCOO)、(n-オクチル)Sn(SCHCHCOOCHCHOCOCHS)、(n-ブチル)Sn(SCHCOO-i-C17)、(n-オクチル)Sn(SCHCOO-i-C17)、(n-オクチル)Sn(SCHCOO-n-C17)。シラノール縮合触媒は、特に好ましくは、ジアルキル錫(IV)ジカルボキシレート、特にジ-n-ブチル錫ジラウレートである。
適当なモノアミンまたはポリアミンは、例えば、脂肪族モノアミン、例えばブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミンまたはラウリルアミン;脂肪族ジアミン、例えばエチレンジアミンまたはヘキサンジアミン;脂肪族ポリアミン、例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンまたはテトラエチレンペンタミン;芳香族アミン、例えばm-フェニレンジアミン;また、エタノールアミン、トリエチルアミンおよび変性アミン、例えばエポキシ樹脂用の硬化触媒としても知られているものである。
使用可能な複素環アミンの例は、N-メチルピロリジン、N-メチルピペリジン、N,N-ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、N-(2-ヒドロキシエトキシエチル)-2-アザノルボルナン、1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)、N-ドデシル-2-メチルイミダゾール、N-メチルイミダゾール、2-エチル-2-メチルイミダゾール、N-メチルモルホリン、ビス(2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)-(2-(4-モルホリノ)エチル)アミン、ビス(2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)-(2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)プロピル)アミン、トリス(2-(4-モルホリノ)ブチル)アミン、トリス(2-(2,6-ジメチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(2-メチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、トリス(2-(2-エチル-4-モルホリノ)エチル)アミン、ジメチルアミノプロピルモルホリン、ビス-(モルホリノプロピル)メチルアミン、ジエチルアミノプロピルモルホリン、ビス(モルホリノプロピル)エチルアミン、ビス(モルホリノプロピル)プロピルアミン、モルホリノプロピルピロリドン、N-モルホリノプロピル-N’-メチルピペラジン、ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)、またはジ-2,6-ジメチルモルホリノエチル)エーテル、ならびに置換グアニジンである。1,8-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン(DBU)は特に好ましい。
シラン縮合触媒は、好ましくは、それぞれの場合において本発明の剤の成分(2)の総重量に基づいて、0.01〜3重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、特に0.1〜1.5重量%、きわめて好ましくは0.3〜1重量%の量で存在する。複数の触媒の混合物を用いることもできる。好ましくは、本発明の硬化性剤の成分(2)のみが、1種以上のシラン縮合触媒を含有する。
水は、それぞれの場合において成分(2)の総重量に基づいて、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは1〜12重量%、特に2〜10重量%、きわめて好ましくは4〜8重量%の量で存在する。好ましくは、本発明の硬化性剤の成分(2)のみが、水を含有する。
本発明の剤の成分(1)および(2)は、すでに上記に述べたものに加えて、改善された弾性、改善された弾性回復および低い残存粘着性を剤に付与するさらなる原料を含有してもよい。これらの補助物質および添加剤に含まれるものは、例えば、接着促進剤、可塑剤および充填剤である。剤は、さらなる添加剤として、例えば安定剤、酸化防止剤、反応性希釈剤、乾燥剤、UV安定剤、老化防止剤、レオロジー補助物質、着色顔料または着色ペースト、防かび剤、難燃剤および/または場合によりわずかな溶媒もさらに含有してよい。
「可塑剤」は、剤の粘度を低下させる物質として理解され、そのため、加工性を容易にし、さらに、剤の柔軟性および伸長特性を改善する。
本発明に関して、可塑剤は以下から選択することが好ましい:脂肪酸エステル、ジカルボン酸エステル、OH基含有脂肪酸のエステル、エポキシ化脂肪酸のエステル、脂肪、グリコール酸エステル、フタル酸エステル、安息香酸エステル、リン酸エステル、スルホン酸エステル、トリメリット酸エステル、エポキシ化可塑剤、ポリエーテル可塑剤、ポリスチレン、炭化水素可塑剤、および塩素化パラフィン、ならびにそれらの2またはそれ以上の混合物。これらの可塑剤または特定の組合せの目標とされる選択は、本発明の剤のさらに有利な特性、例えばポリマーのゲル化特性、低温弾力性または低温強度、または帯電防止特性さえを実現可能にする。
フタル酸エステルの群の適当なものは、例えば、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジイソウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレートまたはブチルベンジルフタレートであり;アジペートの群の適当なものは、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ならびにジイソデシルスクシネート、ジブチルセバケート、またはブチルオレエートである。ポリエーテル可塑剤の中で、末端キャップ化ポリエチレングリコール、例えばポリエチレンまたはポリプロピレングリコールジ-C1-4アルキルエーテル、特にジエチレングリコールまたはジプロピレングリコールのジメチルまたはジエチルエーテル、ならびにそれらの2種以上の混合物を使用することが好ましい。可塑剤として、例えばアビエチン酸のエステル、酪酸エステル、酢酸エステル、プロピオン酸エステル、チオ酪酸エステル、クエン酸エステル、およびニトロセルロースおよび酢酸ポリビニルに基づくエステル、ならびにそれらの2種以上の混合物も適当である。例えば、アジピン酸モノオクチルエステルと2-エチルヘキサノールとの非対称エステル(Edenol DOA、Cognis Deutschland GmbH、Dusseldorf)も適当である。単官能性、直鎖状または分枝状C4-16アルコールの純粋または混合エーテル、または、このようなアルコールの2種以上の異なるエーテルの混合物、例えばジオクチルエーテル(Cetiol OEとして、Cognis Deutschland GmbH(Duesseldorf)より入手可能)も、可塑剤として適当である。本発明に関して、可塑剤として同様に適当なものはジウレタンであり、これは、例えばOH末端基を有するジオールと単官能性イソシアネートとの反応により、実質的に全ての遊離のOH基が完全に反応するように化学量論的に選択することにより、製造することができる。次いで、いずれの過剰のイソシアネートも、反応混合物から、例えば蒸留によって除去することができる。ジウレタンを製造するためのさらなる方法は、全てのNCO基ができるだけ完全に反応するように、単官能性のアルコールとジイソシアネートとを反応させることを含む。
本発明に関して、剤の両方の成分に可塑剤を含有させることが好ましい。可塑剤は、成分(1)中に、それぞれの場合において成分(1)の総重量に基づいて、好ましくは1〜40重量%、特に好ましくは5〜35重量%、特に10〜30重量%、きわめて好ましくは15〜30重量%の量で含有される。可塑剤は、成分(2)中に、それぞれの場合において成分(2)の総重量に基づいて、好ましくは20〜95重量%、特に好ましくは30〜85重量%、特に40〜80重量%、きわめて好ましくは50〜70重量%の量で含有される。
特定の用途に対しては高すぎる本発明の剤の粘度は、反応性希釈剤を用いることにより、硬化物質において不混和現象(例えば可塑剤移行)を引き起こすことなく、簡便かつ有益な方法で、低下させることもできる。反応性希釈剤は、好ましくは、適用後に、例えば湿度または大気中酸素と反応する少なくとも1つの官能基を含む。このような基の例は、シリル基、イソシアネート基、ビニル不飽和基、およびポリ不飽和系である。粘度の低下を伴って本発明の剤と混和性であり、結合剤と反応性の少なくとも1つの基を有する全ての化合物が、単独または複数の化合物の組合せとして、反応性希釈剤として適当である。反応性希釈剤の粘度は、好ましくは20,000mPas未満、特に好ましくは約0.1〜6000mPas、きわめて好ましくは1〜1000mPas(Brookfield RVT、23℃、スピンドル7、10rpm)である。
例えば、反応性希釈剤として、以下の物質を使用してよい:イソシアナトシランと反応させたポリアルキレングリコール(例えばSynalox 100-50B、Dow)、アルキルトリメトキシシラン、アルキルトリエトキシシラン、例えばメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、およびビニルトリメトキシシラン(XL10、Wacker)、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ビニルジメトキシメチルシラン(XL12、Wacker)、ビニルトリエトキシシラン(GF56、Wacker)、ビニルトリアセトキシシラン(GF62、Wacker)、イソオクチルトリメトキシシラン(IO Trimethoxy)、イソオクチルトリエトキシシラン(IO Triethoxy、Wacker)、N-トリメトキシシリルメチル-O-メチルカルバメート(XL63、Wacker)、N-ジメトキシ(メチル)シリルメチル-O-メチルカルバメート(XL65、Wacker)、ヘキサデシルトリメトキシシラン、3-オクタノイルチオ-1-プロピルトリエトキシシラン、およびこれらの化合物の部分加水分解物。株式会社カネカ製の以下のポリマーも、反応性希釈剤として使用可能である:MS S203H、MS S303H、MS SAT 010、および MS SAX 350。ビニルシランとのグラフト化、または、ポリオール、ポリイソシアネートおよびアルコキシシランとの反応により、有機骨格から製造することができるポリマーも、反応性希釈剤として適当である。
「ポリオール」は、分子中に複数のOH基を含有しうる化合物として理解される。OH基は、第1級および第2級の両方であってよい。適当な脂肪族アルコールに含まれるものは、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、および、より高級のグリコール、ならびに他の多価アルコールである。ポリオールは、さらなる官能基、例えばエステル、カルボネート、アミドを追加的に含有してよい。ポリオールとポリイソシアネートおよびアルコキシシランとを反応させることにより反応性希釈剤を製造するために、対応するポリオール成分を、それぞれ、少なくとも2官能性のイソシアネートと反応させる。原則として、少なくとも2個のイソシアネート基を有する任意のイソシアネートは少なくとも2官能性のイソシアネートとして適当であるが、2〜4個のイソシアネート基を有する化合物、特に2個のイソシアネート基を有する化合物が、原則として、本発明に関して好ましい。ジ-およびトリアルコキシシリル基が、アルコキシシリル基の中で好ましい。
反応性希釈剤の製造に適当なポリイソシアネートは、例えば以下である:エチレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,4-テトラメトキシブタンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、シクロブタン1,3-ジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-および1,4-ジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ならびにそれらの2以上の混合物、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、2,4-および2,6-ヘキサヒドロトルイレンジイソシアネート、ヘキサヒドロ-1,3-または-1,4-フェニレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、ナフタレン1,5-ジイソシアネート、1,6-ジイソシアナト-2,2,4-トリメチルヘキサン、1,6-ジイソシアナト-2,4,4-トリメチルヘキサン、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,3-および1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-または2,6-トルイレンジイソシアネート(TDI)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート、または4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、またはそれらの部分水素化または完全水素化シクロアルキル誘導体、例えば完全水素化MDI(H12-MDI)、アルキル置換ジフェニルメタンジイソシアネート、例えばモノ-、ジ-、トリ-またはテトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネートならびにそれらの部分水素化または完全水素化シクロアルキル誘導体、4,4'-ジイソシアナトフェニルパーフルオロエタン、フタル酸ビスイソシアナトエチルエステル、1-クロロメチルフェニル-2,4-または-2,6-ジイソシアネート、1-ブロモメチルフェニル-2,4-または-2,6-ジイソシアネート、3,3-ビスクロロメチルエーテル-4,4'-ジフェニルジイソシアネート、硫黄含有ジイソシアネート、例えばジイソシアネート2モルとチオジグリコール1モルとを反応させて得られる硫黄含有ジイソシアネートまたはジヒドロキシヘキシル硫化物、二量体および三量体脂肪酸のジ-およびトリイソシアネート、または上記ジイソシアネートの2種以上の混合物。
ポリイソシアネートとして、例えばジイソシアネートのオリゴマー化、特に上記イソシアネートのオリゴマー化によって得られるような、三価またはより多原子価のイソシアネートを使用することも可能である。このような三価またはより多原子価のポリイソシアネートの例は、HDIまたはIPDIのトリイソシアヌレートまたはそれらの混合物、またはそれらの混合トリイソシアヌレート、ならびにアニリン-ホルムアルデヒド縮合生成物のホスゲン化によって得られるようなポリフェニルメチレンポリイソシアネートである。
反応性希釈剤と共にまたは反応性希釈剤に替えて溶媒を用いて、本発明の剤の粘度を低下させることもできる。脂肪族または芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、ケトン、エーテル、エステル、エステルアルコール、ケトアルコール、ケトエーテル、ケトエステルおよびエーテルエステルが、溶媒として適当である。しかしながら、貯蔵安定性が向上するため、アルコールを使用することが好ましい。C-C10アルコール、特にメタノール、エタノール、イソプロパノール、イソアミルアルコール、およびヘキサノールが特に好ましい。
本発明の剤は、さらに、接着促進剤を含んでよい。「接着促進剤」は、表面への接着剤層の接着性を改善する物質として理解される。当業者に知られている通常の接着促進剤(粘着付与剤)を、単独で、または、複数の化合物の組合せとして使用してよい。例えば、樹脂、テルペンオリゴマー、クマロン/インデン樹脂、脂肪族石油化学樹脂および変性フェノール樹脂が適当である。本発明に関して適当なものは、例えば、テルペン、主にα-またはβ-ピネン、ジペンテンまたはリモネンの重合によって得られるような炭化水素樹脂である。これらのモノマーの重合は、通常、カチオン的に、フリーデルクラフツ触媒を用いる開始と共に行われる。例えば、テルペンコポリマー、および、他のモノマー、例えばスチレン、α-メチルスチレン、イソプレンなどのコポリマーも、テルペン樹脂中に含まれる。上記の樹脂は、例えば、触圧接着剤およびコーティング材料用の接着促進剤として使用される。フェノールのテルペンまたはコロフォン(colophon)への酸触媒付加によって製造されるテルペン−フェノール樹脂もまた適する。テルペン−フェノール樹脂は、ほとんどの有機溶媒および油に可溶であり、その他の樹脂、ワックスおよびラバーと混和性を有する。本発明に関して、こういった意味においては、コロフォン樹脂およびその誘導体、例えば、それらのエステルまたはアルコールも接着促進剤として適する。シラン接着促進剤、特にアミノシラン接着促進剤は、特によく適する。
本発明の硬化性剤の特別な態様において、剤は、式(II):
Figure 2014505743
[式中、
R'およびR''は、互いに独立して、水素またはC-Cアルキル残基であり、
R'''は、1〜12個の炭素原子を有し、任意にヘテロ原子を含有する2価の炭化水素残基であり、
X、Y、Zは、それぞれの場合に互いに独立して、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、またはC-Cアシルオキシ残基であり、ここで、置換基X、Y、Zの少なくとも1つは、C-Cアルコキシ基またはC-Cアシルオキシ基である]
で示されるシランを接着促進剤として含む。
このような化合物は、本発明の硬化性剤の結合性ポリマー成分に対して高い親和性をもちろん有するが、幅広い範囲の極性ならびに非極性表面にも高い親和性を有し、そのため、接着剤組成物と結合される個々の基材との間に特に安定な接着を形成するのに役立つ。
結合基R'''は、例えば、直鎖状または分枝状または環状、置換または非置換アルキレン残基である。窒素(N)または酸素(O)は、ヘテロ原子として、そこに任意に含有される。X、Yおよび/またはZはアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基-OCO-CHであってよい。
接着促進剤は、本発明に関して、好ましくは成分(1)中に含有される。
本発明の剤に適当な充填剤は、例えば、白亜、石灰粉、沈降および/または焼成ケイ酸、ゼオライト、ベントナイト、マグネシウムカルボネート、珪藻土、アルミナ、粘度、タルク、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、砂、石英、フリント、マイカ、ガラス粉末、およびその他の粉末鉱物物質である。有機充填剤、特にカーボンブラック、黒鉛、木質繊維、木粉、おがくず、セルロース、綿、パルプ、木質チップ、細断わら、モミ殻、クルミ殻粉、およびその他の短繊維を用いることもできる。ガラス繊維、グラスフィラメント、ポリアクリロニトリル、炭素繊維、ケブラー繊維あるいはポリエチレン繊維などの短繊維も添加してよい。アルミニウム粉末も、同様に、充填剤として適当である。鉱物シェルまたはプラスチックシェルを有する中空球も充填剤として適当である。これらは、例えば、Glass Bubbles(登録商標)の市販名で市販されている中空ガラス球であってよい。プラスチック系中空球、例えばExpancel(登録商標)またはDualite(登録商標)は、無機物質または有機物質から構成され、それぞれ、1mm以下、好ましくは500μm以下の直径を有する。製剤にチキソトロピーを付与する充填剤は、多くの用途において好ましい。このような充填剤は流動学的補助物質としても記載され、例えば水素添加ヒマシ油、脂肪酸アミド、または膨潤性プラスチック、例えばPVCである。
好ましくは、本発明の硬化性剤の両方の成分が、充填剤または複数の充填剤の組合せを含有する。充填剤は、それぞれの場合において成分(1)の総重量に基づいて、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは30〜70重量%、特に40〜60重量%、きわめて好ましくは43〜55重量%の量で、成分(1)中に含有される。成分(2)は、それぞれの場合において成分(2)の総重量に基づいて、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは15〜45重量%、特に20〜40重量%、きわめて好ましくは25〜35重量%の量で、充填剤を含有する。
例えば10〜500m/gのBET表面積を有する高分散性ケイ酸を充填剤として使用する。この種のケイ酸を使用する場合、ケイ酸は、本発明の剤の粘度の実質的な増大を生じないが、硬化製剤の強化に寄与する。この強化により、例えば、本発明の組成物を使用する接着剤、シーラントまたはコーティング材料の、初期強度値、引張剪断強さ、および接着が改善される。好ましくは100未満、より好ましくは65m/g未満のBET表面積を有する未被覆ケイ酸、および/または、100〜400、より好ましくは100〜300、特に150〜300、きわめて好ましくは200〜300m/gのBET表面積を有する被覆ケイ酸が使用される。
ゼオライトまたは異なるゼオライトの混合物を充填剤として用いることもできる。アルカリアルミノケイ酸塩、例えば経験的一般式aKO*bNaO*Al*2SiO*nHO[ここで、0<a、b<1、およびa+b=1]で示されるナトリウム-カリウムアルミノケイ酸塩は、ゼオライトとして好ましく使用される。使用するゼオライトの気孔の大きさは、好ましくはちょうど、水分子を受け入れるのに十分な大きさである。したがって、0.4nm未満のゼオライトの有効な気孔の大きさが好ましい。特に好ましくは、有効な気孔の大きさは、0.3nm+/−0.02nmである。このようなゼオライトは、好ましくは粉末形態で使用される。
特に好ましくは、本発明の剤は1種以上の白亜を充填剤として含有する。立方晶、非立方晶、非晶質および他の変性形態の炭酸カルシウムを白亜として使用してよい。使用する白亜または白亜の少なくとも1種は、表面処理または被覆されていることが好ましい。脂肪酸、脂肪酸石鹸および脂肪酸エステル、例えばラウリン酸、パルミチン酸またはステアリン酸、このような酸のナトリウム塩またはカリウム塩またはこれらのアルキルエステルが、コーティング剤として好ましくは使用される。しかしながら、さらにその他の界面活性物質、例えば長鎖アルコールの硫酸エステル、または、アルキルベンゼンスルホン酸またはそのナトリウム塩またはそのカリウム塩、あるいはシランまたはチタネートに基づくカップリング試薬も適当である。白亜の表面処理は、組成物の加工性および接着強度ならびに耐候性における改善に関連する場合も多い。コーティング剤は、通常、未処理の白亜の総重量に基づいて、0.1〜20重量%、好ましくは1〜5重量%の割合で使用される。表面処理白亜および非表面処理白亜の混合物を本発明の剤において充填剤として使用することが特に好ましい。
沈降白亜または粉砕白亜を、所望する特性プロフィールに応じて使用してよい。粉砕白亜は、例えば天然石灰、石灰岩または大理石から、機械的粉砕により製造することができ、乾式法または湿式法を使用することができる。粉砕方法によって、異なる平均粒径を有する画分が得られる。有利な比表面積値(BET)は、1.5m/g〜50m/gである。
本発明の剤は、さらに、酸化防止剤を含有してよく、酸化防止剤は特に好ましくは成分(1)中に存在する。成分(1)における酸化防止剤の割合は、成分(1)の総重量に基づいて、好ましくは4重量%以下、特に1重量%以下である。本発明の剤は、さらに、UV安定剤を含有してよく、UV安定剤は、好ましくは成分(1)中に存在する。成分(1)におけるUV安定剤の割合は、好ましくは約1重量%以下、特に約0.2重量%以下である。いわゆるヒンダードアミン光安定剤(HALS)はUV安定剤として特に適当である。本発明に関して、シリル基を有し、架橋または硬化に際して最終生成物中に導入されるUV安定剤を使用する場合が好ましい。製品Lowilite 75、Lowilite 77(Great Lakes company、USA)は、この目的に対して特に適当である。ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、ベンゾエート、シアノアクリレート、アクリレート、立体障害フェノール、リンおよび/または硫黄を添加してもよい。
保存寿命をさらに高めるために、透過水分に関して本発明の剤の成分(1)をさらに安定化することが有利であることが多い。このような保存寿命における改良を、例えば乾燥剤の使用により達成することができる。水と反応して、組成物中に存在する反応性基に対して不活性な基を形成するあらゆる化合物が、乾燥剤として適当であり、その意味で、その分子量において可能な限り少ない変化となる。さらに、組成物中に浸透した水分に対する乾燥剤の反応性は、組成物中に存在する本発明のシリル基含有ポリマーの末端基の反応性よりも大きくあるべきである。例えばイソシアネートは、乾燥剤として適当である。
有利には、シランも乾燥剤として使用され、例えば3-ビニルプロピルトリエトキシシランなどのビニルシラン、メチル-O,O',O"-ブタン-2-オントリオキシモシランまたはO,O',O",O'”-ブタン-2-オンテトラオキシモシラン(CAS nos. 022984-54-9および034206-40-1)などのオキシモシラン、または、ビス(N-メチルベンズアミド)メチルエトキシシラン(CAS no.16230-35-6)などのベンズアミドシラン、または、カルバマトメチルトリメトキシシランなどのカルバマトシランである。しかしながら、メチル-、エチル-またはビニルトリメトキシシラン、テトラメチル-または-エチルエトキシシランを使用することも可能である。ここで、有効性およびコストに関して、ビニルトリメトキシシランおよびテトラエトキシシランが特に好ましい。上記に記載した反応性希釈剤も、同様に、乾燥剤として適当であり、ただし、それらは約5000g/mol未満の分子量(M)を有し、浸透した水分に対する反応性が、本発明のシリル基含有ポリマーの反応性基の反応性と少なくとも同等、好ましくはより大きい末端基をする。最後に、アルキルオルトホルメートまたはアルキルオルトアセテート、例えばメチルまたはエチルオルトホルメート、メチルまたはエチルオルトアセテートを、乾燥剤として用いることもできる。本発明の剤は、好ましくは成分(1)において、成分(1)の総重量に基づいて、好ましくは約0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%の乾燥剤を含有する。
本発明の剤は、好ましくは、成分(1)中に、
a)式(I)で示される少なくとも1個の末端基を有するポリマー、10〜40重量%、
b)充填剤、30〜70重量%、
c)可塑剤、5〜30重量%、
d)補助物質、0〜10重量、
を含有し、
成分(2)中に、
e)充填剤、0〜50重量%、
f)可塑剤または反応性希釈剤、30〜95重量%、
g)水、1〜10重量%、
h)シラノール縮合触媒、0.05〜2重量%、
i)さらなる補助物質、0〜5重量%
を含有し、
「重量%」表示は、それぞれの場合において、対応する成分の総重量に基づき、2つの成分における原料の割合は、それぞれの場合において、合計して100重量%である。このことは、例えば、成分(1)における充填剤30〜70重量%は、成分(1)の総重量に基づき、さらに、例えば成分(1)の原料の重量割合の合計は100重量%になることを意味する。
多成分系としての本発明の剤の製剤は、良好な使用に必須である。上記の成分(水を除く)を含有する1成分系製剤は、満足のいく硬化を示さなかった。
本発明によれば、硬化性剤の成分(1)および(2)を使用前に混合するようになっており、成分(1):成分(2)の重量比は、好ましくは2:1〜8:1、特に好ましくは3:1〜7:1、特に4:1〜6:1である。
本発明のさらなる主題は、本発明の硬化性剤の接着剤および/またはシーラントとしての使用である。本発明の剤が良好な接着を有する迅速な結合を可能にするということは、本明細書に既に記載されている。
本発明の剤を、プラスチック、特に合成、熱可塑性の、例えばポリカーボネートおよびポリプロピレンまたはポリアクリレートを結合するための接着剤として使用することが特に好ましい。特に、基剤の少なくとも1つが透明である場合でさえ、このようなプラスチック基材の安定な結合を得ることができる。透明な基材は、例えば、ポリカーボネートまたはポリアクリレートである。本発明の剤のきわめて好ましい使用は、車両におけるヘッドライトを結合するための接着剤としての使用であり、これに関して、それに備えられた台に、透明な成分が結合される。
引張剪断試験用の試験品の製造:
試験品を製造する直前に、2成分を激しく混合して(60秒)2成分接着剤/シーラントを使用可能な状態にする。
それぞれの測定に、3個の試験品が必要である。一端に2×2cmの正方形領域を有する全長7.3cmの基材要素を使用する。基材要素のこの正方形領域は、試験する接着剤/シーラントでコートされている。2mm厚の4個の金属球を接着剤/シーラントフィルム中にスペーサーとして置く。次いで、第2の基材要素を、同じ領域で、接着剤/シーラント上に置き、2つの基材要素間に、接着剤/シーラントフィルム2mm厚(金属球により測定)が生じるまで、手で互いに押し付ける。側面から出てきた物質は、スパチュラで除去する。次いで、試験品を23℃で、種々の時間で保持する。
引張試験-測定の実施:
規定の時間後、試験品を引張試験機で破断されるまで伸ばす。最大力値を測定し、3回の測定から、それぞれの時間単位について平均値を算出する。
表1に記載の製剤を種々のポリマー(表2参照)を用いて製造し、個々の成分は、Speedmixer(30秒)で混合して製造した。
〔製剤〕
Figure 2014505743
成分(1)および(2)を、100:19の重量比で混合した。
表1に記載の組成物を使用し、2つの異なるポリマーに基づいて、次の表2に示す結果が得られた。
〔使用したポリマーの機能としての結果〕
Figure 2014505743
本発明の剤は、一貫して、引張剪断試験において凝集破壊(接着層中で破断)を示し、したがって、基材に対する接着に優れている。一方で、本発明によらない製剤を用いた引張剪断試験では、いくつかの場合において、接着破壊パターン(接着剤層と基材との間で破断)を生じ、そのため、基材および接着剤環での不十分な接着を示した。したがって、この結果は、本発明の剤を用いると、本発明によらない製剤とは対照的に、プラスチックを安定に接着結合することができる。
表1および表2に示した製剤を使用して、凝集増大を測定する試験を行った。この目的において、ポリプロピレン試験品(PP/PP)を用いる引張剪断実験を、4、6、7、8、9および10分後に行った。結果を以下の表3にまとめる。
〔凝集増大の結果〕
Figure 2014505743
この結果は、本発明の製剤のより迅速な凝集増大を示す。

Claims (10)

  1. 互いに接触していない2つの成分(1)および(2)を含有する硬化性剤であって、
    成分(1)は、一般式(I):
    Figure 2014505743
    [式中、
    Aは、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する2価の結合基であり、
    X、Y、Zは、Si原子上の置換基であり、互いに独立して、C-Cアルキル、C-Cアルコキシ、またはC-Cアシルオキシ残基であり、ここで、該置換基の少なくとも1つはC-CアルコキシまたはC-Cアシルオキシ残基であり、
    nは0または1である]
    で示される少なくとも1個の末端基を有する少なくとも1つのポリマーを含有し、
    成分(2)は、少なくとも水および少なくとも1種のシラノール縮合触媒を含有する、硬化性剤。
  2. 式(I)中、2価の結合基Aはカルバメート基または尿素基である、請求項1に記載の硬化性剤。
  3. 式(I)中、X、Y、Zは、それぞれの場合において互いに独立して、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシ残基である、請求項1または2に記載の硬化性剤。
  4. 式(1)の-SiXYZ基はメチルジメトキシシリル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性剤。
  5. 成分(1)のポリマーは、式-O-CO-NH-CH-Si(OMe)Meまたは-N(R)-CO-NH-CH-Si(OMe)Me[式中、Rは水素原子または1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を表す]で示される少なくとも1個の末端基を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性剤。
  6. 式(I)で示される少なくとも1個の末端基を有するポリマーの合計含量は、剤の総重量に基づいて5〜50重量%である、請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性剤。
  7. 成分(1)のポリマーはポリエーテルである、請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性剤。
  8. 剤は、成分(1)において、
    a.式(I)で示される少なくとも1個の末端基を有するポリマー、10〜40重量%、
    b.充填剤、30〜70重量%、
    c.可塑剤、5〜30重量%、
    d.補助物質、0〜10重量%
    を含有し、
    成分(2)において、
    e.充填剤、0〜50重量%、
    f.可塑剤、30〜95重量%、
    g.水、1〜10重量%、
    h.シラノール縮合触媒、0.05〜2重量%、
    i.さらなる補助物質、0〜5重量%
    を含有する、
    ここで、「重量%」表示は、それぞれの場合において、対応する成分の総重量に基づき、2つの成分における原料の割合は、それぞれ、合計して100重量%である、
    請求項1〜7のいずれかに記載の硬化性剤。
  9. 請求項1〜9のいずれかに記載の硬化性剤の、接着剤および/またはシーラントとしての使用。
  10. 合成熱可塑性物質を結合するための接着剤としての、請求項9に記載の使用。
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