JP2014504952A - 改良された反応器供給ノズル - Google Patents

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Abstract

改良された反応器供給ノズルが開示される。一実施の形態によれば、供給ノズルは、外側熱シールド管の中に入れられている内側管、第1直径を有しかつ排出孔としての役割を果たす、内側管に加工された、第1円形孔、第1直径よりも大きい第2直径を有し、外側熱シールド管に加工された、第2円形孔、および、下降角度で流路を延長させる溶接先端部であって、内側管と既定角度を成して排出孔まで延在している区域を含む、溶接先端部、を備えている。

Description

関連出願の説明
本出願は、あらゆる目的のためにその全体が参照することにより本書に組み込まれる、2011年12月29日に出願された「重質炭化水素原料の熱処理において使用される供給ノズル(FEED NOZZLES FOR USE IN THERMAL PROCESSING OF HEAVY HYDROCARBONS FEEDSTOCKS)」と題する米国仮特許出願第61/428,104号の優先権と利益を主張するものである。
本発明は、一般に、粘性の原料油の迅速な熱処理に関する。より具体的には、本発明は、短滞留時間の熱分解反応器内に原料を供給するための注入ノズルに関する。
重質油およびビチューメンは、従来の軽質原油や中質原油の生産量の下落を補う資源であり、こういった資源からの生産量は着実に増加している。原油をパイプラインで移送する際には、希釈剤を加えてその粘度および比重をパイプラインの仕様に合わせて減少させなければ移送することができない。あるいは、初期のアップグレーディングによって望ましい特性が得られる。しかしながら、希釈された原油またはアップグレードされた合成原油は、従来の原油とは著しく異なる。結果として、ビチューメン混合物または合成原油を、従来の流動接触分解精製装置で処理するのは容易ではない。そのため、いずれの場合でも、希釈された原料またはアップグレードされた原料を取り扱うように構成された精製装置において、さらなる処理を行わなければならない。
当技術では、ビチューメン原料を直接処理するために流動接触分解(FCC)ユニットまたは他のユニットを使用するものが知られている。しかしながら、これらの処理は、原油原料内に存在する多くの化合物が接触材料自体の上に堆積することによって妨げられる。原料のこういった混入物質としては、例えば、バナジウムおよびニッケルなどの金属、(コンラドソン)残留炭素などのコークス前駆体、およびアスファルテンが挙げられる。再生器内で燃焼させて取り除かなければ、これらの材料が堆積することによって、汚染が生じ得るし、また接触材料の早期の交換が必要となり得る。これは特にFCCプロセスに採用された接触材料に言えることであり、というのもプロセスの効率的な分解および適切な温度制御には、触媒プロセスを妨げる可燃性の堆積材料または金属をほとんどまたは全く含まない、接触材料が必要であるためである。
原料用の注入ノズルにおいては、フローライン内でコークスが形成されることがある。これは、液体や、さらに例えば限定するものではないが、水蒸気、生成ガス、排煙、窒素、二酸化炭素などの分散ガスのための、混合ノズル内の通路を最終的には減少させることになり得、混合ノズルに亘り圧力損失を増加させることになる可能性がある。
さらに、分離ユニット内での油の蒸発および分解を強化するために、原料油を予熱することが一般的である。原料をこのように加熱すると、いくらかの油は、分散のためにノズルに導入される前に蒸発する。すなわち原料流は、分散のためにノズルに注入されるとき、水蒸気および油蒸気と、液体油とから成る、2相の流れを含み得る。2相の流体の分散は、ノズルの摩耗を増加させる。また、2相の流体のノズル分散では、単一の液相がノズルに導入されたときよりも分散効率が低下する。さらに、ノズルから放出される液体および気体の小塊により、ユニット内の固体熱媒体と油との割合が瞬間的に乱れて、生成物の分布が変化することがある。固体熱媒体と接触させるために反応器に導入する際に、2相の炭化水素原料流の液相を十分に分散させ得るような、装置およびプロセスを提供することが明らかに望ましいであろう。
改良された反応器供給ノズルが開示される。一実施の形態によれば、供給ノズルは、外側熱シールド管の中に入れられている内側管、第1直径を有しかつ排出孔としての役割を果たす、内側管に加工された、第1円形孔、第1直径よりも大きい第2直径を有し、外側熱シールド管に加工された、第2円形孔、および、下降角度で流路を延長させる溶接先端部であって、内側管と既定角度を成して排出孔まで延在している区域を含む、溶接先端部、を備えている。
本発明のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すると、当業者には明らかである、あるいは明らかになるであろう。この追加される全ての方法、特徴、および利点は、本説明の中に含まれ、本発明の範囲内であり、さらに添付の請求項によって保護されると意図されている。さらに本発明は、実施形態例の細部を必要とするものに限定されないことも意図されている。
本明細書の一部として含まれている添付の図面は、現在の好適な実施形態を示したものであり、上記の一般的な説明と以下の好適な実施形態の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明しかつ教示する役割を果たす。
従来技術の反応器設計を示した図 一実施の形態による、本システムで使用される例示的な反応器設計を示した図 一実施の形態による、本システムで使用される例示的な反応器構成を示した図 従来技術の供給ノズルを示した図 反応器内の従来技術の供給ノズル構成を詳細に示した図 反応器内の従来技術の供給ノズル構成の底面図 従来技術の供給ノズルの側面図 従来技術の供給ノズルの前面または上面図 熱シールドを備えていない、従来技術の供給ノズルの内側管を示した図 従来技術の供給ノズルの熱シールドを示した図 図7A〜7Dに描いた従来技術の供給ノズル設計により生成された噴霧パターンを示す図 図7A〜7Dに描いた従来技術の供給ノズル設計により生成された噴霧パターンを示す図 図7A〜7Dに描いた従来技術の供給ノズルにより生成された不均等な噴霧パターンに起因する不備を示した図 一実施の形態による例示的な改良された反応器供給ノズルの側面図 一実施の形態による例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図 一実施の形態による例示的な改良された反応器供給ノズルの内側管の側面図 一実施の形態による例示的な改良された反応器供給ノズルの内側管の前面または上面図 一実施の形態による、熱シールドを備えた例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図 図10A〜11Cによる例示的な改良された反応器供給ノズルにより生成された例示的な噴霧パターンの分析を示した図 図10A〜11Cによる例示的な改良された反応器供給ノズルにより生成された例示的な噴霧パターンの分析を示した図 一実施の形態による例示的な改良された供給ノズルの側面図 一実施の形態による例示的な改良された供給ノズルの前面または上面図 図13Aおよび13Bによる例示的な反応器供給ノズルの噴霧パターンを示した図 一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの側面図 一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図 図15Aおよび15Bによる例示的な反応器供給ノズルの噴霧パターンを示した図 一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの側面図 一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図 図17Aおよび17Bによる例示的な反応器供給ノズルの噴霧パターンを示した図 従来技術の反応器供給ノズルの2相の流れを説明した図 一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの側面図 一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図 図20Aおよび20Bによる例示的な反応器供給ノズルの噴霧パターンを示した図
図は必ずしも一定の縮尺で描かれたものではなく、さらに同様の構造または機能の要素は、説明のために図面を通じて類似の参照番号で概して表されることに留意されたい。また図面は、本書で説明される種々の実施形態の説明を助けるよう単に意図されたものであることも留意されたい。図面は必ずしも、本書で開示される教示の全ての態様を示したものではなく、また請求項の範囲を限定するものではない。
改良された反応器供給ノズルを開示する。一実施の形態によれば、供給ノズルは、外側熱シールド管の中に入れられている内側管、第1直径を有しかつ排出孔としての役割を果たす、内側管に加工された第1円形孔、第1直径よりも大きい第2直径を有し、外側熱シールド管に加工された第2円形孔、および、下降角度で流路を延長させる溶接先端部であって、内側管と既定角度を成して排出孔まで延在している区域を含む、溶接先端部、を備えている。
本開示は、反応器内への気体(例えば、水素含有気体、生成リサイクルガス、排煙、窒素、二酸化炭素、および水蒸気)および液体(液体炭化水素など)の混合物の流れを、従来技術の装置に関連するような不完全さを含まず、一様かつ円滑な優れた流れとして生み出すことが可能な装置すなわち注入ノズルアセンブリと、これを使用する方法とを提供する。反応器の目的は、循環床の固体熱媒体移送反応器システム内部での熱分解反応(熱クラッキング)を介して、重質油原料をより軽質の最終生成物に転換することである。
本開示は、反応器内に入る原料の液滴サイズ分布において小さい液滴サイズの割合が増えるように、反応器内での原料の均一な液体分布を実現させる、改良された注入ノズルをさらに提供する。
本開示は、反応器内への材料の流れを均質に分散させることが可能な改良された注入ノズル、および、反応器のフローラインに亘り注入ノズルからの自由なコークスの形成を減少させて、固体熱媒体との接触の改善を可能とする、改良された注入ノズル、をさらに提供する。
本発明は、粘性重質炭化水素原料の急速熱処理およびアップグレーディングのための注入ノズルを提供することによって、その望ましい目標を達成するものである。この注入ノズルは、管状内腔と少なくとも1つの開口を画成する構造とを有している第1管部材、および、管状内腔を有し、かつこの管状内腔が第1管部材の少なくとも1つの開口と通じているように第1管部材に結合された、少なくとも1つの第2管部材、を含む。少なくとも1つの管部材は、1対の開口端を有している。管部材は、管状軸と、この管状軸に概して垂直な1つの開口軸を有する、管状開口と、管状軸に直角に交わる1つの開口とを有している。本発明はさらにその望ましい目標を、円筒状の内壁を有する容器を備えた反応器を広く提供することによって達成するものであり、分配器アセンブリをこの容器の円筒状内壁に固定する。
本発明の注入ノズルは、原料を部分的に化学アップグレードする、または穏やかに分解する、重質油原料またはビチューメン原料のアップグレーディングプロセスにおいて利用される。これらのプロセスは原料内の混入物質のレベルをさらに低減し、それにより、重質油原料内またはビチューメン原料内に存在している成分による、流動接触分解、水素処理、または水素化分解において使用されるものなどの触媒接触材料の汚染が軽減される。このようなプロセスおよび/または方法、さらに関連する装置および生成物は、その全体が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許第7,572,365号明細書、同第7,572,362号明細書、同第7,270,743号明細書、同第5,792,340号明細書、同第5,961,786号明細書、同第7,905,990号明細書、さらに係属中の米国特許出願第12/046,363号明細書および同第09/958,261号明細書に記載されている。
米国特許第5,792,340号明細書に記載されているように(その全体が参照することにより本書に組み込まれる)、現行タイプの熱分解反応器システムでは、液体原料のために供給物分散システムが必要である。移送ガス(リフトガス)が、ガス分配板の下方に位置するプレナムチャンバを通じて反応器に導入される。供給物分散システムの目的は、液体供給物の液滴サイズを減少させて容積に対する表面積比を増加させることにより、液体原料に対するより効率的な熱伝達条件を得ることである。リフトガス分配板(分配プレート)の目的は、固体熱媒体を反応器に亘って上昇させる気体の最適な流動様式を提供して、供給物と固体熱媒体との混合を助けることである。
「原料」または「重質炭化水素原料」は、(これらに限定するものではないが)重質原油、重質油、(オイルサンド)ビチューメン、または精製残油(油またはアスファルト)としばしば称される、密度および粘度の高い石油系の油を一般に意味するものである。しかしながら「原料」という用語は、常圧塔底部または真空塔底部などの、原油の底部の留分をさらに含み得る。さらに、この原料は著しい量のBS&W(Bottom Sediment and Water;泥水分)を含み得、例えば限定するものではないが、BS&Wの含有量は0.5wt%である。重質油およびビチューメンは好適な原料である。本発明の実施形態は、限定するものではないが、任意の有機材料および混合物による、プラスチック、ポリマー、炭化水素、石油、石炭、頁岩、製油原料、ビチューメン、軽質油、タールマット、微粉炭、バイオマス、バイオマススラリー、およびバイオマス液体など、他の原料の転換に適用することもできる。好適にはバイオマス原料は乾燥木材原料であって、おがくず状のものでもよいが、液相または蒸気相の供給システムを代わりに用いて、液相および蒸気相(気相)のバイオマス材料を急速熱変換システム内で効果的に処理することもできる。使用可能なバイオマス原料材料としては、限定するものではないが、硬材、軟材、樹皮、農業残渣、林業残渣、および他のバイオマス炭素質原料が挙げられる。
図1は従来技術の反応器設計を示したものである。反応器設計100は管状反応器101を含み、管状反応器101の最低地点102aから再循環ガスすなわちリフトガス102が入ってくる。再生された固体熱媒体103が若干上方の地点103aから入り、また反応器供給液体104が最高地点104aから導入される。反応器の上部から出てくるコークス化された/使用済みの固体熱媒体、生成物、および他の気体および微粒子105は、サイクロン分離器106に入り、ここで気体(生成蒸気および他の気体)と固体(固体熱媒体および微粒子)に分離される。生成蒸気および他の気体は、生成物107をさらに分離するためにプロセスの下流へと続いていく。固体流108は再加熱器系109に入り(図には描かれていないが、システム内に含まれている再加熱器系109は、通常の当業者には明らかであろう)、固体熱媒体が再生される。その後、再生された固体熱媒体103は、側面区域を通過し、反応器101に戻るよう移送される。
図2は、一実施の形態による、本システムで使用される例示的な反応器設計を示したものである。図1に描いた従来技術の反応器100に類似して、反応器設計200は、再循環ガスすなわちリフトガス202が最低地点202aから入ってくる管状反応器201を含んでいる。再生された固体熱媒体203は若干上方の地点203aから反応器201に入る。反応器供給液体204は、リフトガスの入口地点(202a)および固体熱媒体の入口地点(203a)に対して最高地点204aから、供給ノズル204bを通って導入される。反応器の上部から出てくるコークス化された/使用済みの固体熱媒体、生成物、および他の気体および微粒子205は、サイクロン分離器206に入り、ここで気体(生成蒸気および他の気体)および固体(固体熱媒体および微粒子)に分離される。生成蒸気および他の気体は、生成物207をさらに分離するためにプロセスの下流へと続いていく。固体は反応器系208に再び入り、固体熱媒体が再生され、その後再生された固体熱媒体203は側面区域から反応器に戻るよう移送される。固体熱媒体の再生と反応器への移送とに関する具体的な方法は、本開示の範囲から逸脱することなく実施形態間で変形可能であることは通常の当業者には明らかであろう。
図1に描いた従来技術の反応器設計100の性能は、特定の設備構成の有効性を示す特性により評価することができる。この特性とは、望ましい生成物およびあまり望ましくない生成物への、供給材料の分布や、最終生成物の物理的特性を示すものである。得られる生成物で望ましいものとは、熱分解プロセスで残存した炭化水素液体をいくらか含むものであり、これはこの液体を再生して最終生成物内に混合させることができる、すなわち再処理することができるためである。一方、その場所に応じて水蒸気または電気を生成するための天然ガスに取って代わるコークスおよび気体は、あまり望ましくない、より価値の低い材料である。
従来技術の設計100を使用してアサバスカビチューメン原料の処理を行ったセットアップでは、反応器の温度が525℃(典型的な運転温度)に設定され、アサバスカビチューメン全原油(whole crude)のバナジウム含有量が209ppm、かつラン(run)生成物のバナジウム含有量が88ppmであり、さらにアサバスカビチューメン全原油のニッケル含有量が86ppm、かつラン生成物のニッケル含有量が24ppmであった。表1は得られた特性を示したものである。
Figure 2014504952
表1に示した特性は、本開示を通じて、反応器の供給ノズルに重点を置いた設計比較の基準値としての役割を果たす。この基準値は、米国特許第7,572,365号明細書による評価基準に関するものであり、必ずしも直接の比較のためのものではないことは明らかであろう。
図3は、一実施の形態による、本システムで使用される例示的な反応器構成を示したものである。反応器301は、上端301bおよび下端301aを有する鉛直の管状容器である。再利用される生成ガス(リフトガス)302は、最低地点302aで極下端301aから反応器に入るように設計されている。再生された固体熱媒体303は若干上方の地点303aから反応器301に入り、さらに最後に重質油供給物304が固体熱媒体入口303aの上方の地点304aで供給ノズル304bから反応器301に入る。
リフトガスは、まずパイプから出て、下部にボウルを備えた短い円筒状構造であり管状反応器301のすぐ下に作られた、ウインドボックス305に入る。一実施の形態によれば、ウインドボックス305の円筒部は直径14インチ(35.56cm)に及び、フランジ307および308を介して直径4インチ(10.16cm)の管状反応器301の下端301aに接続されている。分配プレート306が反応器の下端301aとウインドボックス305との間に位置し、フランジ307および308によって共に保持されている。リフトガス302はウインドボックス305を出ると、分配プレート306を通過して直径4インチ(10.16cm)の反応器301内に入る。分配プレート306は、反応器301に入るリフトガス302の流れ特性を、分配プレート306の孔の構成を通して変更する。
図4および5は、従来技術の供給ノズル設計を示している。図6は、反応器内の従来技術の供給ノズル構成の底面図を示している。従来技術の供給ノズル設計400は、管状反応器201に水平に挿入された供給ノズル401を含む。供給ノズル401は、リフトガスおよび固体熱媒体402の鉛直な流れ方向に対して垂直(直角すなわち90°)に位置付けられる。供給ノズル401は、反応器201のおよそ半径の距離だけ延在している。供給物は、供給物噴霧403を生成する供給ノズル401から出て、固体熱媒体と接触しない供給物噴霧403の一部分404が、供給ノズル401に対向する反応器201の壁に接触する。
図7Aは、従来技術の供給ノズルの側面図を示している。図7Bは従来技術の供給ノズルの前面または上面図を示している。従来技術の供給ノズル700は、外径(OD)が0.25(1/4)インチ(0.635cm)かつ内径(ID)が0.15インチ(0.381cm)(壁厚0.05インチ(0.127cm))の、ステンレス鋼製の端部閉口管701を含む。この1/4インチ(0.635cm)管701は、熱シールド702内に入れられている。熱シールド702は、ODが0.5インチ(1.27cm)かつIDが0.4インチ(1.016cm)(壁厚0.05インチ(0.127cm))の、より大きい端部閉口管である。外側管の端部から0.375(3/8)インチ(0.9525cm)の位置で、直径0.1563(5/32)インチ(0.397cm)の孔703が内側管701上に加工されてノズルの排出孔703として働き、さらに直径0.375(3/8)インチ(0.9525cm)の孔704が、熱シールド702上のノズル排出孔703のすぐ上に加工されている。内側孔703および外側孔704の両方の形状は円形である。図7Cは熱シールドを備えていない従来技術の供給ノズルの内側管を示し、さらに図7Dは、従来技術の供給ノズルの熱シールドを示している。
反応器供給ノズルの性能を評価する1つの方法は、供給材料を固体熱媒体粒子に分散させる能力を評価するものである。供給ノズルから排出された液体流の噴霧パターンを観察することによって、性能を大まかに評価することができる。
図8Aおよび8Bは、図7A〜7Dに示した従来技術の供給ノズル設計によって生成される噴霧パターンを示している。
図8Aおよび8Bに見られるように、供給ノズル700からの液体排出流は、おおよそ円錐状の一般的な噴霧パターンを呈する。この一般的な噴霧パターンは、液体がノズル700からさらに離れるよう進むときに液体を広げるのに十分な容積が与えられれば、ノズル700が液体をより細かい液滴に適切に分散させることができることを示している。さらに詳しく調べると、液体排出流の大部分は、一般的な噴霧パターン(円錐形)の前半分付近に集中していることが分かる。点線は、一般的な噴霧流801の輪郭を描いたものであり、また実線はバルク液体噴霧流802の輪郭を描いたものである。
ノズル700は液体流を分散させることができるが、より多くの液体を、供給ノズルポートに対向する反応器壁の側面に向けて噴霧する。これは恐らく、液体がノズル700の導管の側面の排出孔704を通ってノズル700から出るまでの間に、ノズル700を通過する液体の流れが、その流れを鉛直に方向転換させ得る区域を全く通らず、水平のままであるという事実によるものであろう。
図9は、図7A〜7Dに示したような従来技術の供給ノズルにより生成された不均等な噴霧パターンに起因する不備を示したものである。得られた固体の蓄積901の大きさは、従来技術の供給ノズル700の噴霧パターンを示している。供給油材料から反応器壁上に堆積される微細な固体の被覆によって、引続き固体が蓄積し、さらに反応生成物が生じることが知られている。すなわち、供給物と反応器壁表面との間の任意の直接の接触を減らすことが望ましい。従来技術の供給ノズル700は、供給油材料をより小さい液滴へと分散させて、流動固体熱媒体粒子との混合および熱伝達を助けることができるが、これは分散した液滴を大量に散布することによってなされる。内径4インチ(10.16cm)の例示の反応器内では利用可能な容積が限定されているため、微細な固体材料を含むかなりの量の供給油が反応器壁上に噴霧される。
供給ノズルの性能を評価する別の方法は、ノズルから排出された液体の液滴サイズを判定するものである。この目的のために、窒素を使用している反応器への供給物の分散を特徴付けるパラメータに関する調査を、水およびN2ガスを使用して周囲条件で行った。各実験のランにおいて、特有の液滴サイズ分布が示された。噴霧ノズル(最も代表的なノズル700)内の2つの相の流れに対し、El-ShanawanyおよびLefebvreの相関を用いて、夫々の液滴サイズ分布の主なパラメータを計算した。使用されたデータおよび水の液滴サイズ分布の結果を表2に示す。
検証ランにおいて見られる液滴のスペクトルを特徴付けるために、カイ二乗分布が通常この種の実験では使用される。
Figure 2014504952
水滴サイズ分布データを基準として使用すると、反応器条件でのアサバスカビチューメンの粘度および表面張力を適用することによって、アサバスカビチューメン油の液滴サイズ分布が推定される。また、供給物は高速で注入され、かつバルク流体は噴霧されるまで周囲と熱交換するような熱伝達エリアをほとんど有していないため、250℃を平均温度としてアサバスカビチューメンおよび窒素の特性を評価した。使用されたデータおよびアサバスカビチューメン油の液滴サイズ分布に対する結果を表3に示す。
Figure 2014504952
粒子サイズ分析から、このプロセスにおいて使用される固体熱媒体(オタワF−17サンド;Ottawa F-17 sand)の平均(ザウター径)はおよそ360μmであるということが判定された。表3に示されている通常のラン条件(供給物流量30〜60lb/h(13.61〜27.22kg/h)かつN2流量2〜4lb/h(0.907〜1.814kg/h))によると、ノズル700は、固体熱媒体のサイズよりも小さい液滴サイズを、流量50.2lb/h(22.77kg/h)および35.1lb/h(15.92kg/h)、分散窒素流量3lb/h(1.361kg/h)および4lb/h(1.814kg/h)で生み出すことができる。しかしながら、最も一般的なラン条件(N2流量2lb/h(0.907kg/h))では、ノズル700は固体熱媒体の2倍の直径を有する液滴を生成することができるのみである。
理論的には、熱分解の目的に対し、液滴サイズが固体熱媒体のサイズよりも小さいと、より効率的な熱伝達がもたらされる。これは、各液滴の容積に対する表面積比が高くなることや、各固体熱媒体粒子が多くの基材(液滴)と相互に作用する可能性が高くなるためである。表4はこの理論を示している。
Figure 2014504952
熱分解プロセスの効率を最大にするためには、反応器供給油と流動固体熱媒体粒子とを最大限混合させると同時に、反応器供給油および微細固体の反応器内壁上への噴霧を低減させることが好ましい。従って本書では、反応器供給油の一般的な排出方向が流動固体熱媒体の流れ方向に平行(鉛直の管状反応器を通って上向き)であり、排出地点(供給油の入口)が反応器断面の中心に位置するような、供給ノズルが開示される。
図10Aは、一実施の形態による、例示的な改良された反応器供給ノズルの側面図を示している。図10Bは、一実施の形態による、例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図を示している。改良された反応器供給ノズル1000は、外径(OD)および内径(ID)を有する、ステンレス鋼製の端部閉口内側管1001を含む。内側管1001は、熱シールド1002内に入れられている。熱シールド1002は外径(OD2)および内径(ID1)を有し、内側管1001よりも大きい端部閉口管である。外側管すなわち熱シールド1002の端部1002aから既定の長さの位置に、直径diの孔1003が内側管1001上に加工され、ノズル1000の排出孔としての機能を果たす。直径doの孔1004が、ノズル排出孔1003の真上で熱シールド1002上に加工される。
排出孔1003は、(一例として)直径0.1563インチ(0.397cm)の円形孔1006の周りに加工された、直径dh(この例では直径0.03125(1/32)インチ(0.079cm))の半円孔1005(または「花弁」)をさらに8個含んで、(この例では)8つの花弁が均一に分布したクローバーに似た最終的なノズル排出孔1003の形状を形成している。クローバー形状のノズル排出孔1003は、このクローバーの尖ったエッジを使用して液体を分散させるように設計されている。
図11Aは、一実施の形態による、例示的な改良された反応器供給ノズルの内側管の側面図を示している。図11Bは、一実施の形態による、例示的な改良された反応器供給ノズルの内側管の前面または上面図を示している。図11Cは、一実施の形態による、熱シールドを備えた例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図を示している。
図12Aおよび12Bは、図10A〜11Cの例示的な改良された反応器供給ノズルにより生成された例示的な噴霧パターンの分析を示している。
ノズル1000からの液体排出流は、ノズル1000の先端部から外へと向かって延びた、不規則な円錐形に似た一般的な噴霧パターン1201を呈している。ノズル1000からの液体排出の全容積でカバーされる、より幅広の一般的な噴霧容積と、液体排出流の大部分から成るより狭い噴霧容積とが存在する。改良されたノズル1000では、一般的な噴霧流1203(点線)は、バルク噴霧流1202(実線)よりもわずかに幅広であるに過ぎず、すなわちより多くの液体がバルク噴霧流1202内またはその付近に含まれる。ただし、バルク噴霧流1202内の液体は、適切かつ均一に分散されているように見える。これはクローバー形状のノズル排出孔によるものであり得、この場合、孔のエリアを拡張することで、ノズルのオリフィス効果によって液体が広く広がって分散されるのを抑えることができ、同時にクローバーの尖ったエッジによってバルク液体流が細分化される。均一な分散は、より多くの割合の供給液体をより小さい液滴サイズへと分散させることに寄与し、これは熱分解のセットアップでは、より効率的な熱伝達のために好まれる。
バルク噴霧流の外縁1202では液体がより少なくなるため、改良された供給ノズル1000が反応器内壁の側面に対して噴霧する液体原料からの微細固体は潜在的に少なくなる。しかしながら、円錐形の噴霧パターンが不規則であるために、ノズル1000が排出液体の多くを供給ノズルポートに対向する反応器壁の側面に向けて噴霧することにもなるという事実により、これは相殺されてしまう。重質油原料を反応器内壁に噴霧することは反応器システムでは望ましくなく、というのも原料からの微細固体が壁上で極微細な溝に捉えられ、移動不能となって蓄積され、最終的にいくらかの反応生成物を含むサイズの増した固体となって増大するためである。
図13Aは、一実施の形態による、例示的な改良された供給ノズルの側面図を示している。図13Bは、一実施の形態による、例示的な改良された供給ノズルの前面または上面図を示している。例示的な供給ノズル1300は、ステンレス鋼製の熱シールド1302(この例では、そのODが0.5インチ(1.27cm)かつIDが0.4インチ(1.016cm))内に入れられた、ステンレス鋼製の内側管1301(この例では、そのODが0.25インチ(0.635cm)かつIDが0.15インチ(0.381cm))を含む。外側管すなわち熱シールド1302の端部1305から既定の長さ(この例では、3/8インチ(0.9525cm))の位置で、円形孔1303(この例では、直径0.0938インチ(0.238cm)を有する)が内側管1301上に加工され、ノズルの排出孔としての機能を果たす。円形孔1304(この例では、直径0.375インチ(0.9525cm)を有する)が、ノズル排出孔1303の真上で熱シールド1302上に加工される。
図14は、図13Aおよび13Bによる例示的な反応器供給ノズルの噴霧パターンを示している。図14は、ノズル1300からの液体排出流1403が、ほとんど分散を示さない狭い範囲にあるバルク液体流を含んだ、一般的な噴霧パターン1401を呈し、微細な分散をあまり含んでいない液体の小塊から成るより幅広の一般的な噴霧流の状態であることを示している。ノズル1300からの液体排出の流路1401は完全な鉛直(地面に対して垂直)ではなく、ノズル先端部から離れて流れるよう傾斜している。地面に垂直な鉛直ライン1402が参照のために図示されている。
ノズル1300が提供する液体はほとんど分散されていないが、流量が低い可能性がある。流量が低いとノズルから排出される液体の乱流が減少し、液体はあまり細分化されずに反応器環境に入り得る。流れ1403はさらに、恐らく排出孔がより小さいために狭い範囲にあり、これが排出孔を通る液体の表面的な速度をより速くする。より高速であることから、液体流の大部分は上方への運動量をより長く維持することができるため、分散が多くなる前にバルク液体流はより高い位置にそのまま到達する。ノズル1300はさらに、より多くの液体を、供給物のノズルポートに対向する反応器壁の側面に向けて噴霧する。これは恐らく、液体がノズルの導管の側面の排出孔を通ってノズルから出るまでの間に、ノズル1300を通過する液体の流れが、その流れを方向転換させ得る区域を全く通らず、水平のままであるという事実によるものであろう。
図15Aは、一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの側面図を示している。図15Bは、一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図を示している。例示的なノズル1500は、ステンレス鋼製の内側管1501(この例では、そのODが0.25インチ(0.635cm)かつIDが0.179インチ(0.4547cm))を含み、このステンレス鋼製の内側管1501は、ステンレス鋼製の熱シールド1502内に入れられている。ノズル1500は、ノズルの水平な流路1501からわずかな下り勾配1504で(角度α1506で)溶接先端部1503のある長さまで(この例では、先端から長さ0.258インチ(0.655cm)まで)延在する溶接先端部1503を有する。流路はその後、角度θ1505(この例ではθ=90°)だけ向きを変え、ノズル排出孔1507を出る前に短い鉛直区域1508に入る。鉛直区域1508は液体排出流を反応器の管の中心に向かって導き、一方水平流路のわずかな下り勾配1504によって、鉛直区域1508の長さを最大にするための距離が作り出される。
鉛直区域1508は、最大で排出孔1507までの直径(この例では0.1563インチ(0.397cm))を有する。排出孔1507は、星型八角形パターン1509に成形されている。星型1509の排出孔1507は液体流を分散させて、鉛直区域1508により生成された、より凝縮されたジェット流を補正する。
図16は、図15Aおよび15Bによる例示的な反応器供給ノズルの噴霧パターンを示している。図16は、ノズル1500先端部の鉛直区域1508によって、ノズル1500で生成される噴霧の方向1601が地面と完全に垂直な方向にごく近くなることを示している。しかしながら、同じく流れを真っ直ぐにするよう機能する鉛直区域1508によって、ノズル1500で生成される噴霧パターン1602は、バルク液体ジェット外縁で液体が分散する兆候をあまり示さない狭い範囲のものとなる。
図16は、ノズル1500を使用すると、供給油材料の反応器内壁上への噴霧が最小になり得ることを示している。より鉛直でありかつより狭い範囲の流れが組み合わさることによって、より多くの供給油材料をより長時間の間、反応器壁から離れた状態とすることができ、すなわち供給油材料と流動固体熱媒体とを混合させる可能性を増加させることができる。しかしながら、ノズル1500から出てくるこの狭い範囲の凝縮された流体ジェットでは、小さい液滴サイズを生成するような液体の分散が明らかに得られないため、熱分解における最も効率的な手法とはなり得ない。
図17Aは、一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの側面図を示している。図17Bは、一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図を示している。例示的な供給ノズル1700は、ステンレス鋼製の熱シールド1702内に入れられた、ステンレス鋼製の内側管1701(この例では、そのODが0.25インチ(0.635cm)かつIDが0.150インチ(0.381cm))を含む。ノズル1700は、ノズル1700の水平な流路をわずかな下り勾配1704へと(角度α1706で)延長させる溶接先端部1703を含む。流路はその後、角度θ1705(この例ではθ=45°)だけ向きを変えた後に、ノズル排出孔1707を出る。斜めの区域1708は、最大で排出孔1707までの直径(この例では、その直径は0.1563インチ(0.397cm))を有する。斜めの区域1708は45°の角度(θ1705)で途切れるため、排出孔1707は長円形状1709となる。斜めの区域1708は液体排出流をノズル1700に対向する反応器内壁に向かって導き、一方水平流路のわずかな下り勾配1704によって、斜めの区域1708の長さを最大にするための距離が作り出される。
ノズル1700より生成される噴霧経路のために、液体原料の壁への噴霧を最小にするよう反応器壁とノズル排出孔1707との間の距離は増加され得る。従って、排出孔1707が位置しているノズル1700の極前部のみが、実際には反応器内に突出する。
図18は、図17Aおよび17Bによる例示的な反応器供給ノズルの噴霧パターンを示している。図18は、ノズル1700が、全体的に狭い範囲の噴霧パターン1803と、水平に対しておよそ45°の角度の一般的な噴霧方向1802とを生じさせることを示している。これは斜めの区域1708や円形の排出孔1707の、流れを真っ直ぐにする効果に起因し得る。液体が排出地点からさらに離れると、ノズル1700からの液体排出1801は分散する兆候が見られる。ノズル排出孔1707を対向する壁からできるだけ離して位置付けることと組み合わせると、液体流の水平移動距離が最大になり、ノズル1700のセットアップは潜在的に供給物と固体熱媒体とを高度に混合させることになる。
図19は、従来技術の反応器供給ノズルの2相の流れを示している。図20Aおよび20Bに描かれている例示的なノズル2000は、多相の流れを排除するものである。従来技術の供給ノズルの場合、供給ノズル内部に液体(供給油材料)と気体(N2ガス)とが同時に流れることによって、図19に示されているように少なくとも2相の流れが生じる。N2ガスは、排出孔1903から排出されるかなり前に、供給油の流れ1902の中に注入1901される。
図20Aは、一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの側面図を示している。図20Bは、一実施の形態による、さらなる例示的な改良された反応器供給ノズルの前面または上面図を示している。ノズル2000では、液体流2005および気体流2004をノズル排出孔2001まで分離したままにすることで、供給油とN2ガスとが早期に混合しないようにする。ノズル2000は、円形の5/32インチ(0.397cm)のノズル排出孔2001と、さらに鉛直区域2003を含む溶接された分散先端部2002とを含んでいる。分散先端部2002は2つの分離された流路を含み、1つは液体供給物2005のためのものであり、もう1つは気体2004のためのものであり、そして両方の流路が鉛直区域2003へと出て、さらに鉛直区域2003はノズル排出孔2001へと出る。ノズル2000は、液体供給路2005を収容しかつ分散先端部2002と結合される、ステンレス鋼製の内側管2006(この例では、そのODが0.25インチ(0.635cm)かつIDが0.179インチ(0.4547cm))を有している(この例では、分散先端部2002の位置で、0.179インチ(0.4547cm)の液体流路を通って流れが継続される)。内側管2006は、より小さい気体流路2004(この例では、そのIDは0.069インチ(0.175cm))をさらに収容する。気体流路2004のより小さい断面積は、気体と液体とが交わる鉛直区域2003内へのN2ガスの排出速度を増加させるように設計されたものである。液体内に衝突させるN2ガスをより高速にするのは、より大きい状態の液体の分散を、ノズル排出孔2001から出るときにより細かい液滴へとさせるためである。鉛直区域2003は、流れを反応器管の中心へと壁から離れるように導くために含まれる。内側管2006は、ステンレス鋼製の熱シールド2007内に入れられている。
図21は、図20Aおよび20Bによる例示的な反応器供給ノズルの噴霧パターンを示している。円形のノズル排出孔により、ノズル2000の一般的な噴霧パターン2101は円錐形に略類似したものとなっている。分散先端部の鉛直区域により、ノズル2000の一般的な噴霧方向は地面に対して垂直となる。この鉛直区域が流れを真っ直ぐにするよう作用するにも拘わらず、さらにノズル2000により生み出される液体分散の度合いは大きなものとなる。この液体分散は、分散先端部において液相が気相と衝突することにより細分化されるためであろう。バルク液体流(実線)2103の領域と、バルク液体流の外側に分散された液体(点線)2102とが存在する。しかしながら、バルク液体流2103は、密度が最も大きい排出地点近傍でもかなりの液体分散を示しているため、その差異は最小である。
様々な反応器供給ノズルの反応器ランの特性への影響を検証した。その検証結果をここに記載する。基準値データを、必ずしも直接の比較のためではなく評価基準として提供する。アサバスカビチューメンは、カナダ、アルバータ州フォートマクマレー(Fort McMurray, Alberta)近傍のオイルサンドから生産された、非常に重質の油である。ベルリッジ(Belridge)は、カリフォルニア州ベーカーズフィールド(Bakersfield, California)近傍で生産された重質油である。EHOS(調査用重質油サンプル;Exploratory Heavy Oil Sample)は、技術実証のために提供された試掘井からのサンプルである。EHOSサンプルは、最初の油田生産からのものであってその活動特有のものであり、また1つのサンプリング活動からのものであった。EHOSサンプルは、そのサンプル自体の単に代表的なものである。UHOS(未確認重質油サンプル;Unidentified Heavy Oil Sample)は、供給源または発生源を指定せずに受け取った、重質油処理現場からのサンプルである。UHOSは、技術実証のためのブラインドサンプルとして扱った。API比重はASTM D70に従って測定した。粘度はASTM D445に従って測定した。「C7A」は以下の表におけるC7アスファルテンを表す。C7アスファルテンはASTM D3279に従って測定した。バナジウムおよびニッケルの含有量は、誘導結合プラズマ質量分析(Inductively Coupled Plasma Mass Spectroscopy;ICP−MS)によりASTM D5185に従って測定した。沸点範囲は、高温模擬蒸留(High Temperature Simulated Distillation;HTSD)に基づいてASTM D6352に従って計算した。基準値の供給物および生成物に対する以下の表における沸点範囲は、米国特許第7,572,365号明細書に示されている蒸留カットポイントから推定した。以下の表において、「nr」は報告されなかった測定を表している。
表5は、アサバスカビチューメンランに対し同じ種類のリフトガス分配プレートと組み合わせた供給ノズルの一覧である。特定の構成の名目上のAPI比重および液体重量収率に基づいて、代表的ランを各構成に割り当てた。
Figure 2014504952
本書で示される比較において、参照される基準値ランは上記の表1で示したデータを含む。また、ここで示される比較において、分配器Iは標準の従来技術によるリフトガス分配プレートの代表的なものである。参考のため、分配器Iは厚さ1/4インチ(0.635cm)および直径18インチ(45.72cm)の円形のステンレス鋼製プレートである。分配器Iの中心区域には、185個の均一な直径1/17インチ(0.149cm)の孔が設けられている。各孔は、プレート表面に垂直(90°)に開けられ、正八角形に似た格子パターンで配置されている。孔の総面積Aが0.502in2(3.239cm2)である全185個の孔は、直径2.58インチ(6.553cm)の単位円の中に集中している。
重質油原料を軽質の最終生成物に転換することを反応器システムの目標として、特定の構成に対する成功の度合いを、ランおよび生成物の測定可能な特性により判定する。
主となる重要なラン特性は、液相で残存する原料の割合として定義される、液体重量収率である。熱分解ユニット内には生成物が、液相、気相、および固相(コークス)で存在し得る。液体重量収率は高ければ高いほど良い。液体収率は、熱分解がもたらす最大の成果である。
液体収率の次に重要な生成物特性は、生成物の密度に関係がありかつ生成物の「軽さ」の目安を与える、API比重である。APIの値が高ければ高いほど、生成物はより軽質なものとなり、すなわちより成功度の高い熱分解プロセスが達成されたことになる。
興味深い他の生成物特性は、粘度、バナジウム除去、およびニッケル除去である。粘度は生成物の「濃さ(thickness)」を評価し、この粘度が生成物の移送能力の実際の目安となる。多くの場合、粘度の低下はAPIよりも重要である。バナジウムおよびニッケルは、製油所の処理において有害な化学合成物を形成する2つの重要な金属であり、生成物内の含有量は少ないほど良い。
表6は、基準値ランや様々なアサバスカビチューメンランにおいて用いられた全原油の特性を示している。表7は、基準値ランや様々なアサバスカビチューメンランにおいて用いられた生成物(合成原油すなわちSCO)の特性を示している。表8は、基準値ランによる特性を様々なアサバスカビチューメンランによる特性と共にまとめたものである。
Figure 2014504952
Figure 2014504952
Figure 2014504952
表8では、全ての4つのランが少なくとも1つの分野で、基準値、さらにノズル700を超えて、改善を示していることが説明されている。従って、ノズル1500、1700、および2000は全て、改良された供給ノズルである。
本反応器設計において、ノズル700は最も基本的な一般的セットアップである。他の全てのノズルは、ノズル700を改良するように作られている。従って、ノズル1500、1700、および2000を、ノズル700に対して評価する。
Figure 2014504952
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表9に示した各供給ノズルにより生成されるラン特性に基づくと、ノズル1700が液体保持力に関して非常に成功していることが実証され、一方ノズル1500およびノズル2000が次に高い液体収率を有しかつ互いに近い値となっている。従って、液体収率性能に基づくと、ノズル1500およびノズル1700はより好適な構成である。
表10に示した各供給ノズルにより生成される生成物特性に基づくと、ノズル1500はノズル700、1700、および2000に比べ、全般に亘って優れた生成物特性を実証している。従って、生成物特性に基づくと、ノズル1500は最も改良された供給ノズルである。
液体生成物の増加値が高いため、分配器Iを使用したアサバスカビチューメンランではノズル1700が最も好適な供給ノズルである。
表11は、ベルリッジ重質油サンプル(BHOS;Belridge Heavy Oil Sample)ランに対し同じ種類のリフトガス分配プレートと組み合わせた供給ノズルの一覧である。特定の構成の名目上のAPI比重および液体重量収率に基づいて、代表的ランを各構成に割り当てた。
Figure 2014504952
重質油原料を軽質の最終生成物に転換することを反応器システムの目標として、特定の構成に対する成功の度合いを、ランおよび生成物の測定可能な特性により判定する。表12は、基準値ランや様々なベルリッジ重質油サンプル(BHOS)ランにおいて用いられた全原油の特性を示している。表13は、基準値ランや様々なベルリッジ重質油サンプル(BHOS)ランにおいて用いられた生成物(合成原油すなわちSCO)の特性を示している。表14は、基準値ランによる特性を様々なベルリッジ重質油サンプル(BHOS)ランによる特性と共にまとめたものである。
Figure 2014504952
Figure 2014504952
Figure 2014504952
表14では、両方のランが少なくとも1つの分野で、基準値を超えて改善を示していることが説明されている。従って、ノズル700および1300の両方は、改良された供給ノズルである。
本反応器設計において、ノズル700は標準の以前の設計を表している。他の全てのノズルは、ノズル700を改良するよう作られている。従って、ノズル1300をノズル700に対して評価する。
Figure 2014504952
Figure 2014504952
表15に示した各供給ノズルにより生成されるラン特性に基づくと、ノズル1300の液体収率がより高くなっている。従って、ラン特性に基づくと、ノズル1300はノズル700よりも好適な構成である。
表17は、未確認重質油サンプル(UHOS)ランに対し同じ種類のリフトガス分配プレートと組み合わせた供給ノズルの一覧である。特定の構成の名目上のAPI比重および液体重量収率に基づいて、代表的ランを各構成に割り当てた。
Figure 2014504952
重質油原料を軽質の最終生成物に転換することを反応器システムの目標として、特定の構成に対する成功の度合いを、ランおよび生成物の測定可能な特性により判定する。表18は、基準値ランや様々な未確認重質油サンプル(UHOS)ランにおいて用いられた全原油の特性を示している。表19は、基準値ランや様々な未確認重質油サンプル(UHOS)ランにおいて用いられた生成物(合成原油すなわちSCO)の特性を示している。表20は、基準値ランによる特性を様々な未確認重質油サンプル(UHOS)ランによる特性と共にまとめたものである。
Figure 2014504952
Figure 2014504952
Figure 2014504952
表20では、両方のランが少なくとも1つの分野で、標準の設計基準値を超えて改善を示していることが説明されている。従って、ノズル700および2000の両方は、好適な供給ノズルである。
本反応器設計において、ノズル700は標準の以前の設計を表している。他の全てのノズルは、ノズル700を改良するよう作られている。従って、ノズル2000をノズル700に対して評価する。
Figure 2014504952
Figure 2014504952
表21に示した各供給ノズルにより生成されるラン特性に基づくと、ノズル2000が液体保持力に関して非常に成功していることが実証される。従って、液体収率に基づくと、ノズル2000はノズル700よりも好適な供給ノズルである。
様々な構成の反応器供給ノズルおよびリフトガス分配プレートを検証した。本書で参照した各リフトガス分配プレートに関する完全な議論は、あらゆる目的のためにその全体が参照することにより本書に組み込まれる、米国特許出願第XX/XXX,XXX号明細書において得ることができる。表23は、アサバスカビチューメンランにおいて使用された供給ノズルと分配プレートとの選択された組合せに番号を付してまとめたものである。特定の構成の名目上のAPI比重および液体重量収率に基づいて、代表的ランを各構成に割り当てた。
Figure 2014504952
表24は、基準値ランや様々なアサバスカビチューメンラン構成において用いられた全原油の特性を示している。表25は、様々なアサバスカビチューメンラン構成において用いられた生成物(SCOすなわち合成原油)の特性を示している。表26は、様々なアサバスカビチューメンラン構成による特性をまとめたものである。
Figure 2014504952
Figure 2014504952
Figure 2014504952
表26に示されているように、全ての5つの構成は少なくとも1つの分野で基準値を超えて改善を示している。従って、構成1、2、3、4、および5は全て好適な構成である。
Figure 2014504952
Figure 2014504952
表27に示した各構成のラン特性に基づくと、構成2が液体保持力に関して非常に成功していることが実証される。この収率の数値は、構成2、3、4、および5の全ての液体収率が優れていることを示唆している。構成2は、液体収率がより高いことから、他の構成よりも明らかに優れている。
表28に示した各構成の生成物特性に基づくと、構成2および3が全5つの構成で比較すると、全般に亘ってより優れた生成物特性を実証している。API、粘度低下、重質留分の除去、アスファルテン除去、および金属除去に関し、構成2および3はほとんどまたは全ての分野において最も著しい改善を示している。
液体収率および生成物特性の両方の評価を組み合わせると、構成2のみが両分野において優れた性能を実証している。従って、構成2(ノズル1300+分配器800の組合せ)がアサバスカランにとって最も好適な構成である。
表29は、ベルリッジ重質油サンプル(BHOS)ランにおいて使用された供給ノズルと分配プレートとの組合せに番号を付してまとめたものである。特定の構成の名目上のAPI比重および液体重量収率に基づいて、代表的ランを各構成に割り当てた。
Figure 2014504952
表30は、基準値ランや様々なBHOSラン構成において用いられた全原油の特性を示している。表31は、様々なBHOSラン構成において用いられた生成物(SCOすなわち合成原油)の特性を示している。表32は、様々なBHOSラン構成による特性をまとめたものである。
Figure 2014504952
Figure 2014504952
Figure 2014504952
表33は、BHOSラン構成のラン特性比較である。表34は、BHOSラン構成の生成物特性の比較である。
Figure 2014504952
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表33に示した各構成のラン特性に基づくと、構成7が液体保持力に関して最も成功していることが実証される。この収率の数値は、構成7の液体収率が構成6および8よりも優れていることを示唆している。従って、ラン特性に基づくと、構成8がより好適な構成であり、これに構成6が続く。
表34に示した各構成の生成物特性に基づくと、構成7はAPIおよびアスファルテン除去の分野で優れた生成物特性を実証している。一方構成6は、粘度低下、金属除去、および重質留分除去において優れている。
ラン特性および生成物特性の両方の評価を組み合わせると、構成7のみが両分野において優れた性能を実証している。従って、構成7(ノズル700+分配器800の組合せ)がBHOSランにとって最も好適な構成である。
表35は、調査用重質油サンプル(EHOS)ランにおいて使用された供給ノズルと分配プレートとの組合せを記載して番号を付したものである。特定の構成の名目上のAPI比重および液体重量収率に基づいて、代表的ランを各構成に割り当てた。
Figure 2014504952
表36は、基準値ランや様々なEHOSラン構成に用いられた全原油の特性を示している。表37は、様々なEHOSラン構成において用いられた生成物(SCOすなわち合成原油)の特性を示している。表38は、様々なEHOSラン構成による特性をまとめたものである。
Figure 2014504952
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表39は、EHOSラン構成のラン特性比較である。表40は、EHOSラン構成の生成物特性の比較である。
Figure 2014504952
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表39に示した各構成のラン特性に基づくと、構成10が液体保持力に関して最も成功していることが実証される。この収率の数値は、構成10の液体収率が構成9および11よりもはるかに優れていることを示唆している。従って、構成10は、より好適な構成である。
表40に示した各構成の生成物特性に基づくと、構成9および10の両方は全般に亘って優れた生成物特性を実証している。構成9は粘度低下、重質材料除去、および金属除去において最も良いが、構成10はAPIおよびアスファルテン除去において最も良い。構成10は、最高値ではない分野でも、依然として他の2構成に同程度に近い。
ラン特性および生成物特性の両方の評価を組み合わせると、構成10のみが両分野において優れた性能を実証している。従って、構成10(ノズル700+分配器1100の組合せ)がEHOSランにとって最も好適な構成である。
表41は、未確認重質油サンプル(UHOS)ランにおいて使用された供給ノズルと分配プレートとの組合せを記載して番号を付したものである。特定の構成の名目上のAPI比重および液体重量収率に基づいて、代表的ランを各構成に割り当てた。
Figure 2014504952
表42は、基準値ランや様々なUHOSラン構成に用いられた全原油の特性を示している。表43は、様々なUHOSラン構成において用いられた生成物(SCOすなわち合成原油)の特性を示している。表44は、様々なUHOSラン構成による特性をまとめたものである。
Figure 2014504952
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表45は、UHOSラン構成の全原油基準ラン特性比較である。表46は、UHOSラン構成の生成物特性の比較である。
Figure 2014504952
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表45に示した各構成のラン特性に基づくと、構成15が液体保持力に関して非常に成功していることが実証される。従って、構成15はより好適である。
表46に示した各構成の生成物特性に基づくと、構成14が全般に亘って優れた生成物特性を実証し、これに構成15が続く。
液体収率および生成物特性の評価を組み合わせると、液体容積収率がより高いことから構成15が非常に好ましい。従って、構成15(ノズル2000+分配器400の組合せ)がUHOSランにとって最も好適な構成である。
上記の説明においては、本開示を完全に理解できるよう、単に説明のために特定の用語を明記している。しかしながら、これらの具体的な詳細は、本開示の教示を実施するために必須のものではないことは当業者には明らかであろう。
さらに、本教示のさらなる有用な実施形態を提供するために、具体的に、また明確に列挙されていないやり方で、代表例および従属する請求項の種々の特徴を組み合わせてもよい。値の範囲や要素の群を示しているものは全て、本来の開示のために、また請求される主題を制限するために、全ての可能性のある中間値または中間的要素を開示していることも明確に留意されたい。また、図面に示されている構成要素の寸法および形状は、本教示がどのように実施されるかを理解する助けとなるように描かれたものであり、その例で示されている寸法および形状に限定することを意図したものではないことも明確に留意されたい。
改良された反応器供給ノズルを開示してきた。本書で説明した実施形態は、説明のためのものであり、本開示の主題を限定するものであると見なされるべきではないことを理解されたい。本発明の範囲または精神から逸脱することのない、種々の改変、用途、置換え、組合せ、改良、製造方法が、当業者には明らかであろう。
201、301 反応器
202、302 リフトガス
203、303 固体熱媒体
204 反応器供給液体
204b、304b 供給ノズル
207 生成物
304 重質油供給物
305 ウインドボックス
306 分配プレート
1500、1700 ノズル
1501、1701 内側管
1502、1702 熱シールド
1503、1703 溶接先端部
1504、1704 下り勾配
1507、1707 ノズル排出孔
1508 鉛直区域
1509 星型八角形パターン
1708 斜めの区域
1709 長円形状

Claims (11)

  1. 供給ノズルであって、
    外側熱シールド管の中に入れられている内側管、
    第1直径を有しかつ排出孔としての役割を果たす、前記内側管に加工された、第1円形孔、
    前記第1直径よりも大きい第2直径を有し、前記外側熱シールド管に加工された、第2円形孔、および、
    下降角度で流路を延長させる溶接先端部であって、前記内側管と既定角度を成して前記排出孔まで延在している区域を含む、溶接先端部、
    を備えていることを特徴とする供給ノズル。
  2. 管状反応器内に垂直に挿入されるものであることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  3. 前記内側管がステンレス鋼製であることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  4. 前記外側熱シールド管がステンレス鋼製であることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  5. 前記既定角度が90°であることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  6. 前記既定角度が45°であることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  7. 前記排出孔が、星型八角形パターンに従って成形されたものであることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  8. 前記排出孔が長円形であることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  9. 前記区域が鉛直なものであることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  10. 前記区域が斜めのものであることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
  11. 前記内側管が、液体供給路と気体供給路とを有していることを特徴とする請求項1記載の供給ノズル。
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