JP2014504613A - ポリ硫酸化多糖類を用いる骨髄浮腫(edema(oedema))の治療 - Google Patents

ポリ硫酸化多糖類を用いる骨髄浮腫(edema(oedema))の治療 Download PDF

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Abstract

哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に投与することを含む方法。

Description

本発明は、哺乳類の筋骨格系に存在し得る症候性骨髄浮腫を治療するための、硫酸化多糖の医学的使用に関する。
骨髄浮腫(BME)は、単独で、ならびに、骨折、ステロイド療法の慢性使用(低コルチゾン症(hypocortisonism))、アルコール乱用、活性化プロテインC(APC)抵抗性、プロトロンビン変異または高ホモシステイン血症および関節リウマチなどのいくつかの他の病状に伴って起こり得る一般的な多因性障害である。しかし、骨髄病変に通常関連する既知の先在する障害のない対象者における骨髄病変の出現は、その状態を、骨髄浮腫症候群(BMES)として分類することにつながっている。これらのタイプのBMEは、磁気共鳴画像法(MRI)を使用して容易に確認され、常にではないが一般に、安静時および身体活動時の疼痛を伴う[1〜5]。骨髄浮腫はまた、骨打撲、骨髄挫傷、または骨髄病変とも呼ばれており、先行する外傷に伴うことが多い。例えば、膝関節の急性前十字靭帯(ACL)断裂、または類似の外傷後関節損傷(post-traumatic joint injury)を負った患者の80%は、関節内の骨髄腔のT1強調画像での信号強度の低下域およびT2強調MRI画像での信号強度の上昇域を伴う、関節から生じる疼痛の症状を示す。そのようなMRI画像は、骨髄内のおよび最大の接触損傷を負った領域に通常直接隣接している部位(複数可)での組織液の局在化と一致する[1〜8]。ACL断裂の場合、大腿骨外側顆(lateral femoral condyl)の下の軟骨下骨髄および後外側脛骨プラトーは、最も顕著なMRI信号を示すが、高い引っ張りストレスにもさらされる靭帯付着部などの他の部位は、しばしば関与し得る。MRIにより決定される、BMEの大きさは、患者の膝関節における活動時および安静時疼痛の強度と相関すると報告されている。さらに、病変の大きさの縮小は、一般に関節痛の軽減と関連することが、MRI追跡調査から分かった[1〜8]。
MRIは、明らかに、BME診断のための最も信頼性の高い非侵襲的方法であるが、BMEの評価を最適化し、かつ、その規模の半定量化を実現するであろう最も適切なMRパルス信号について、議論が依然として続いている。この点は、BMEと、疼痛および関節機能の指数との相関、ならびに、これらのパラメーターが、どのように医学的治療の種々の様式に反応するかに関して重要である。最近公表された研究[9]では、軟骨下BME病変および軟骨下嚢胞の半定量的評価が、3テスラ(3T)のMRI装置で、中間的強調(IW)脂肪抑制(fs)スピンエコーおよびデュアルエコー定常状態(Dual Echo Steady State)(DESS)シーケンスを使用して比較された。この調査は、IW fsシーケンスが、より多くの軟骨下BME病変を特定し、それらの大きさの程度をより限定することを示した。DESSシーケンスが、軟骨下BME病変と、軟骨下嚢胞との区別を改善したのに対して、IW fsシーケンスは、病変の大きさの決定に優れているとみなされた[9]。より高い解像度のMRI装置類と合わせて、中間的強調(IW)脂肪抑制(fs)スピンエコー信号分析を将来適用することは、BMEの定量を改善し、かつ、急性筋骨格疾患および障害における疼痛および機能的能力低下の根本原因としてのこれらの病変が広く存在することを明示するのに、確実に役立つであろう。
この点において、BMEを生じさせる軟骨下または骨軟骨損傷はまた、股関節[10、11]、足および足首の関節[12〜13]手首の関節[14]および脊柱の椎体[15]についても記録されている。興味深いことに、右膝の内側側副靭帯捻挫の後に、内側区画圧迫を矯正するために靴の外側ウェッジの使用が処方された患者について述べられたように、関節を横切る、衝撃の少ない機械的ストレスでさえ、疼痛を伴うBMEを引き起こし得る。数週間の間その装具を使用した後、患者は、悪化する疼痛およびMRI病変強度の上昇を示した。そのインソールの使用を中止することにより、疼痛が弱まり、BMEがなくなった[16]。
軟骨下BMEは、滑膜性関節に限られたものではない。恥骨結合は、くさび形の線維軟骨円盤により連結された2つの骨盤骨から構成される半関節である。骨板への線維軟骨の付着の境界面の下に、骨髄を含有する骨梁が存在する。非常に強い機械的ストレス、特に、引っ張り/回転伸延に反応した骨梁は、微小骨折(microfracture)につながり、ついには、骨髄浮腫に至る疲労ストレス損傷を受け得る。これらのタイプの骨盤損傷は、まとめて、鼠径部痛、スポーツヘルニア(誤称)、恥骨結合炎(athletic pubalgia)、または恥骨骨炎と呼ばれる。それは、一流のアスリート、特に、長距離走者、サッカー選手、テニス選手、オーストラリア式フットボール(AFL)選手に最も頻繁に見られる[17〜19]。AFL研究において、MRI信号強度によって明らかとなった、恥骨BMEの発生率は、77%であったことが示された。これらの骨髄病変はまた、線維軟骨嚢胞(fibrocartilagenous cyst)および恥骨結合の二次的な変性変化を含めた、他のMRI異常とも関連する。MRI異常は、臨床的に決定されたように、選手の鼠径部痛および恥骨結合の圧痛の既往歴と相関した[17]。AFLからの最近の出版物において、鼠径部痛(恥骨骨炎を含む)が、AFLにおける、選手期間喪失の3つの最も一貫した原因の1つであることが報告されたことは、重要である[20]。
すでに示した通り、軟骨下骨髄における組織液の増加は、BMEの現れである。そのような軟骨下病変は、治療されない場合、骨壊死ならびに骨梁骨折および喪失(限局性骨粗しょう症)に進行する可能性があり、それにより、覆っている関節軟骨のための下部の機械的支えが弱まる。加えて、その後に、損傷軟骨下骨構造(the damages subchondral bone structures)を無秩序に修復することは、軟骨下骨板の肥厚および硬化につながり、その軟骨下骨板が、負荷時の機械的変形にあまり対応しなくなる可能性があり、それにより、隣接の関節軟骨に、より大きい局所的なストレスが与えられ、したがって、その変性および変形性関節症(OA)への進行が加速する[21、22]。したがって、軟骨下BMEおよび隣接する関節軟骨の変性変化の局所的位置と、OAの進行との間の強い関連性が存在するはずであることが予期されるであろう。この解釈に対する裏付けが、最近の研究においてもたらされ、そこでは、軟骨下BME(嚢胞として報告された)が、登録時のOA患者の47.7%において、T1強調脂肪抑制MRIにより検知された。2年の追跡調査期間にわたって、嚢胞MRI高信号の重症度は、内側区画での軟骨体積の減少および関節全置換術を受けるリスクにより決定される、OAの疾患進行と相関した[23]。BMEを有する多くの若年者が、OAの付随の放射線学的なまたはMRIのエビデンスを呈しないので、OAの関節の特徴的な病理学的特徴と考えられている軟骨変性は、先在するBMEの二次的事象として生じ得ると思われる。この結論は、(BME病変に存在する)軟骨下骨梁の損傷の後の、無秩序の修復によるその機械的硬化および二次骨化中心(石灰化軟骨)の再活性化が、OAの主因であると仮定したRadinらの初期の研究と一致する[21、22]。
BMEまたは嚢胞の外傷ストレス起源に対するさらなる裏付けが、競走馬の研究により与えられている[24]。競走馬の近位中手骨領域は、跛行の頻発部位である。しかし、疼痛の起源を正確に診断することは、今まで困難であった。足の不自由な馬のグループの近位中手骨/遠位手根骨の立位MRI画像の再検討は、本明細書で引用した文献から、跛行の起源の説明となるBMEの先在と一致する、第3中手骨におけるT2グラジエントエコー信号の広範な高信号域およびT1画像の強度の低下を明らかにした[24]。
症候性BMEの従来の治療法は、安静にすることおよび罹患した関節/解剖学的領域を固定することである。疼痛および関節機能不全の症状は、3〜12カ月で自然消退し得るが、この期間の間の患者の生活の質は、大幅に低下する可能性がある。MRIにより確認されたBMEを有する術後患者およびその他の患者の場合、鎮痛剤、または非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)が処方されることが多い。この状態に対してこれらの薬剤を使用する根拠は、それらが、BMEの症状を抑制するであろうということにある。しかし、それらの薬剤は、BMEの原因である根本的な病態生理に、ほとんどまたは全く治療効果を与えないので、これらの薬剤がどのような有益な効果も達成するという証拠はない。ある場合においては、特に、グラウンドでの存在が試合結果を左右すると考えられている一流のスポーツ選手におけるBMEを治療するために、コルチコステロイド注射が使用されている。NSAIDおよびコルチコステロイドが特に、軟骨および骨の代謝に悪影響を与えることを示している確実な文献[25〜30]に基づくと、そのような医薬品は、自然な組織治癒過程を妨げ得るので、禁忌であろう。さらに、コルチコステロイドは、既知の凝血促進作用、抗線維素溶解作用および骨粗しょう症誘発作用があるので、問題を悪化させる可能性さえある[28〜30]。そのような薬理活性は、骨髄腔からの血栓の除去を遅らせ、また、骨髄病変部位内での新しい骨の沈着を阻害するであろう。
ヘパリンおよび構造的に関連するポリ硫酸化多糖類、例えば、ペントサンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、フカンなどが、抗凝血剤として、長年使用されている[31〜36]。ペントサンポリ硫酸(PPS)は、ヘパリンよりも弱い抗凝血剤である[31、33、35]が、血栓溶解剤として、術後におよび予防的に使用されている[36]。しかし、経口経路および髄腔内経路を介して与えられる場合、PPSは、現在のところ、間質性膀胱炎(膀胱の炎症)を治療するために処方されている[37〜39]。PPSはまた、OAの疾患修飾薬としても提案され[40]、OA患者の症状緩和を示している[41、42]。
本発明者らは、ペントサンポリ硫酸(PPS)または構造的に関連したポリ硫酸化多糖類が、哺乳類の筋骨格系の骨髄腔における、骨梁の局所的崩壊および組織液の存在の放射線学的なまたはMRIのエビデンスとともに、疼痛および機能障害の症状により特定されるBMEを有する哺乳類に、経口または全身投与された場合に、治療上、臨床症状を消退させ、かつ、BMEの大きさを減少させることができることを発見した。本発明者はまた、(PPS)または構造的に関連したポリ硫酸化多糖類が、BMEおよび関連する病状により生じる疼痛を引き起こす、血管および細胞の変化の主要なメディエーターとして仮定されている、BMEにおける細胞による腫瘍壊死因子α(TNF−α)の局所産生を減少させることができることも発見した。
したがって、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、ポリ硫酸化多糖類の有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に投与することを含む方法にある。
別の態様では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための、ポリ硫酸化多糖類の有効量、および薬学的に許容される担体を含む組成物にある。
さらなる態様では、本発明は、骨髄浮腫を治療するための医薬の製造における、ポリ硫酸化多糖類の使用にある。
明瞭にするために、骨髄浮腫(BME)を、以下のように定義することができる:
骨への潜在的損傷は、骨打撲または骨挫傷と呼ばれることが多く、また、X線写真で、または磁気共鳴画像法(MRI)により、骨髄嚢胞または骨髄浮腫として容易に示される。これらの病変は、MRIのT1強調画像上では、信号強度の低下として、T2強調画像上では、信号強度の上昇として現れる。そのMRI信号は、骨髄内での骨梁の微小骨折および崩壊領域中の組織液の濃度の上昇から生じると考えられている。これらの病変は、骨への直接的な打撃、互いに衝突し合う隣接する骨の圧縮力、または靭帯や腱の骨への付着部においてなどの引き抜き損傷の間に生じる牽引力の結果である可能性がある。他の状況では、あるスポーツ活動で生じ得るような過度の回転/せん断/伸長ストレスが、恥骨結合において頻繁に見られ、「鼠径部痛」と診断されるような、組織内での浮腫性病変を発生させ得る。
本明細書全体を通して、単語「含む」、または「含んでいる」もしくは「含んだ」などの変化形は、ある規定の要素、整数もしくはステップ、または、要素、整数もしくはステップの群を包含することを意味するが、任意の他の要素、整数もしくはステップ、または、要素、整数もしくはステップの群を除外することを意味するものではないと理解される。
本明細書に含まれている文書、行為、材料、デバイス、物品などについてのいかなる論述も、これらの事項のいずれかまたはすべてが、先行技術の基礎の一部を形成すること、または、それらが、本出願の各クレームの優先日前に存在したような、本発明に関連している分野の一般常識であったことを認めるものであると解釈されるべきではない。
本発明は、哺乳類の治療を対象とする。しかし、本発明の説明において特に指示がない限り、ヒトまたは他の哺乳類に適用できるものと、別段の指示がない限り、理解されるべきである。他の哺乳類の中で、ネコおよびイヌなどの家庭用ペット、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダなどの家畜、ならびに、通常、野生で存在するが、動物園、野生動物公園などにもいるので治療の影響を受けやすい可能性がある哺乳類を挙げることができる。
左大腿顆の軟骨下骨に骨髄浮腫の存在を示す対象者PRのMRI(T1強調スキャン)である。浮腫は、関節軟骨の下の半月領域における信号強度の低下によって明示される。MRIは、最初の関節損傷の5日後に撮影した。 ペントサンポリ硫酸の10×100mg/mlのIM注射のコースを完了した1週間後に撮影した、対象者PRのMRI(T1強調スキャン)である。左大腿顆に骨髄浮腫が存在しないことに留意されたい。示したMRI画像の拡大率は、図1Aのものよりも少し高い。
ポリ硫酸化多糖類ファミリーは、1つまたは複数の硫酸エステル基が共有結合している2つ以上の糖環を含有する、例えば、ヘパリンおよびペントサンポリ硫酸などの、天然に存在するか、半合成/合成の任意のポリ硫酸化多糖類、またはそれらの生物学的に活性な画分であると考えることができる。
ポリ硫酸多糖類−金属錯体の調製は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,668,116号に詳細に記載されている。
ポリ硫酸多糖類およびPPSに関するさらなる情報は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれているWO02/41901で見つけることができる。
好ましい実施形態によれば、本発明で使用すべきポリ硫酸化多糖類は、これらに限定されないが、天然に存在する高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)から選択することができる。
したがって、一実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む方法にある。
別の実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための、天然に存在する高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量、および薬学的に許容される担体を含む組成物にある。
別の実施形態では、本発明は、骨髄浮腫を治療するための医薬の製造における、天然に存在する高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の使用にある。
好ましいポリ硫酸化多糖類としては、ペントサンポリ硫酸 コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸およびヘパリン(高および低分子量画分)が挙げられる。ヘパリン、分画ヘパリン、およびペントサンポリ硫酸構造、ならびに同定法の詳細について、英国および米国薬局方も参照されたい。
したがって、一実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸およびキトサンポリ硫酸からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む方法にある。
別の実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸およびキトサンポリ硫酸からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量および薬学的に許容される担体を含む組成物にある。
別の実施形態では、本発明は、骨髄浮腫を治療するための医薬の製造における、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸およびキトサンポリ硫酸からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の使用にある。
好ましいポリ硫酸化多糖類は、ペントサンポリ硫酸、ペントサンポリ硫酸のナトリウム塩(NaPPS)、ペントサンポリ硫酸のマグネシウム塩(MgPPS)、および/またはペントサンポリ硫酸のカルシウム塩(CaPPS)である。
したがって、一実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、ペントサンポリ硫酸、ペントサンポリ硫酸のナトリウム塩(NaPPS)、ペントサンポリ硫酸のマグネシウム塩(MgPPS)、および/またはペントサンポリ硫酸のカルシウム塩(CaPPS)からなる群から選択される、ポリ硫酸化多糖類の有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む方法にある。
別の実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための、ペントサンポリ硫酸、ペントサンポリ硫酸のナトリウム塩(NaPPS)、ペントサンポリ硫酸のマグネシウム塩(MgPPS)、および/またはペントサンポリ硫酸のカルシウム塩(CaPPS)からなる群から選択される、ポリ硫酸化多糖類の有効量および薬学的に許容される担体を含む組成物にある。
別の実施形態では、本発明は、骨髄浮腫を治療するための医薬の製造における、ペントサンポリ硫酸、ペントサンポリ硫酸のナトリウム塩(NaPPS)、ペントサンポリ硫酸のマグネシウム塩(MgPPS)、および/またはペントサンポリ硫酸のカルシウム塩(CaPPS)からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の使用にある。
最も好ましいポリ硫酸化多糖類は、Bene−PharmaChem GmbH&Co KG、Geretsried、Germanyにより米国のFDAおよび欧州共同体のEMEAに提出された仕様書通りに製造された、ペントサンポリ硫酸ナトリウムである。
したがって、一実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、ペントサンポリ硫酸ナトリウムの有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む方法にある。
別の実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための、ペントサンポリ硫酸ナトリウムの有効量および薬学的に許容される担体を含む組成物にある。
別の実施形態では、本発明は、骨髄浮腫を治療するための医薬の製造における、ペントサンポリ硫酸ナトリウムの使用にある。
適切な担体 組成物および製剤とともに、製造、単離および精製の方法は、本出願に組み込まれる。
ポリ硫酸化多糖類および高硫酸化(hypersulfated)多糖類という用語は、互換的に使用することができる。
本発明では、PPSの投与は、筋肉内(IM)および皮下(SC)経路を使用する注射によるものであってもよく、またはPPSは、静脈内的に(IV)、関節内的に(IA)、関節周囲的に、局所的に、座薬を介して、または経口的に投与し得る。注射経路が好ましい。
したがって、一実施形態では、本発明は、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に、筋肉内(IM)もしくは皮下(SC)経路を使用する注射、静脈内的(IV)、関節内的(IA)、関節周囲的、局所的、座薬を介したまたは経口的から選択される方法により投与するステップを含む方法にある。
別の実施形態では、本発明は、筋肉内(IM)もしくは皮下(SC)経路を使用する注射、静脈内的(IV)、関節内的(IA)、関節周囲的、局所的、座薬を介したまたは経口的から選択される方法により組成物を投与することによって、哺乳類における骨髄浮腫を治療するための、天然に存在する高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量、および薬学的に許容される担体を含む組成物にある。
別の実施形態では、本発明は、筋肉内(IM)もしくは皮下(SC)経路による注射、静脈内的(IV)、関節内的(IA)、関節周囲的、局所的、座薬を介したまたは経口的から選択される方法によりポリ硫酸化多糖類を投与することによって骨髄浮腫を治療するための医薬の製造における、天然に存在する高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)からなる群から選択される、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の使用にある。
この50年くらいの間、Bene−PharmaChemは、100mgPPS/mlを含有する1mlガラスアンプルでPPSを供給している。この滅菌した注射可能な製品は入手しやすいので、本発明において使用されることが好ましい。
典型的には、PPS約1〜2mg/kg、すなわちBene−PharmaChemの注射製剤1〜2アンプルが、平均70kgの個人への各投薬で投与される。体重のより重いまたはより軽い個人については、それに応じて、1〜2mg/kgのPPS用量が調整されるであろう。しかし、便宜上、2mlの適切な緩衝液に溶解させた、例えば200mgPPSの単回用量は、注射剤を投与する前にガラスアンプルを開けてシリンジをとじる(filing a syringe)必要性を避けるために、滅菌した2mlプレフィルドシリンジとして用意され得る。
獣医学的適用の場合、1000mgPPS(またはより多いPPS量)を含有する10mlバイアルが、滅菌したシリンジで必要な容量を吸い出すことによって約2〜3mg/kgのPPSとして投与される、反復投薬使用のために使用され得る。そのような投薬は、例えば、こうした患者の質量がより大きいために、より多量のPPSが必要となるウマの治療において適用することができるであろう。
ヒトの治療の場合、1つのレジメンは、患者が感じる疼痛の重症度に応じて1日1回または週3回投与されるBene−PharmachemのPPSの、5〜10×1mlアンプルまたは3〜6×2mlプレフィルドシリンジを含むことができる。
しかし、患者が強い疼痛を感じている場合には、できるだけ早くPPSの治療的ローディング量(therapeutic loading)に達することが望ましい。これは、疼痛が消退するまで、例えば、1日約1.0mg/kg以上のPPSの投与を必要とし得る。
例えば、一例として、患者が苦しむ疼痛がひどく衰弱させるものであったので、患者は、疼痛が消退するまで7日間にわたって合計7回の筋肉内注射(7×1mlアンプル PPS[7×100mg])を受けた。これは、1日あたり1.0mg/kgあまりのPPSに等しかった。
PPSが注射によって投与される場合、これは、看護師/医者によってPPSが投与される臨床的状況において通常行われるであろう。そうした状況では、数週間にわたり週2〜3回の訪問(注射)が、十分な治療レジメンとなることが予想される。治療を成功させる鍵は、組織病変の近辺において最適な治療用量を達成するのに十分なPPSを、患者に投与することである。PPSは結合組織に蓄積するので、ローディングは長い時間をかけて行うことができる、例えば、7〜10日の間、1日用量1mgPPS/kg(100mgPPSアンプル)、または4〜5日にわたって、1日2mgPPS/kg(2×100mlPPSアンプル、または1×2mlプレフィルドシリンジ)。そのようなプロトコールを使用すると、患者は、治療クール(course of treatment)として、最終的に、合計約200〜2000mgのPPS、好ましくは約1000mgを受けるはずである。
安全性の観点から、より長い期間(5〜10日)にわたる、より低い用量の範囲(1〜2mgPPS/kg)が好ましい。これは、PPSが既知の抗凝血剤であり、より高い用量(3mgPPS/kgより高い)で基礎APTが上昇する可能性があり、それにより開放創の出血が促される恐れがあるからである。
IV注入による投与の場合、1日あたり0.5〜1mgPPS/kgという、より低い用量が好ましい。
注射による投与が好ましいが、PPSの経口または局所製剤を、最初のIMまたはSC PPS治療のフォローアップ(維持用量)として使用することができる。これはまた、例えば、毎日100mgカプセルのNaPPS(カルシウムPPS誘導体が好ましい)を使用する経口投薬にも当てはまるであろう。
カルシウムPPSは、Bene NaPPSのナトリウムイオンの交換によって、またはPPSの水素形態と水酸化カルシウムとの中和によって調製することができる。
種々の経路による投与に適した組成物は、Remington’s Practice of Pharmacyなどの、この分野における標準のテキストを参照することにより製剤化できることが、当業者により認識されるであろう。これらの組成物は、注射によるもの、経口によるもの(胃腸の薬剤吸収増大剤(extender)または促進剤を含有する、錠剤およびカプセル剤を含む)、静脈内によるものなどを含む。
本発明の治療の適切性の決定、言い換えれば、骨髄浮腫の診断は、疼痛の症状とともに、MRIの使用を通して、確定させることができる。例えば、MRIのT1強調画像上での信号強度の低下およびT2強調画像上での信号強度の上昇として
本発明の本質をよりよく理解するために、これから、いくつかの例を説明する。
例示実施形態
A.哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に投与するステップを含む方法。
B.哺乳類における骨髄浮腫を治療するための、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量、および薬学的に許容される担体を含む組成物。
C.骨髄浮腫を治療するための医薬の製造における、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の使用。
D.ポリ硫酸化多糖類が、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)からなる群から選択される、例示実施形態Aに記載の方法、例示実施形態Bに記載の組成物、または例示実施形態Cに記載の使用。
E.ポリ硫酸化多糖類が、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸およびキトサンポリ硫酸からなる群から選択される、例示実施形態Dに記載の方法、組成物、または使用。
F.ポリ硫酸化多糖類が、ペントサンポリ硫酸、ペントサンポリ硫酸のナトリウム塩(NaPPS)、ペントサンポリ硫酸のマグネシウム塩(MgPPS)、およびペントサンポリ硫酸のカルシウム塩(CaPPS)からなる群から選択される、例示実施形態Eに記載の方法、組成物、または使用。
G.ポリ硫酸化多糖類が、ペントサンポリ硫酸ナトリウムである、例示実施形態Fに記載の方法、組成物、または使用。
H.治療が、筋肉内(IM)もしくは皮下(SC)経路による注射で、静脈内的に(IV)、関節内的に(IA)、関節周囲的に、局所的に、座薬を介してまたは経口的に投与することによるものである、例示実施形態AからGに記載の方法、組成物、または使用。
I.治療が、注射剤を投与することによるものである、例示実施形態Hに記載の方法、組成物、または使用。
J.有効量が、1用量あたり、哺乳類1kgにつき約1〜2mgである、例示実施形態AからIに記載の方法、組成物、または使用。
K.ヒトへの投与が、1日1回または週3回の治療レジメンで投薬することによるものである、例示実施形態Jに記載の方法、組成物、または使用。
L.治療レジメンで投与されるポリ硫酸化多糖類の合計用量が、約200〜2000mgである、例示実施形態Kに記載の方法、組成物、または使用。
(実施例)
全身的に良好な健康状態の年齢53歳の男性対象者(PR)は、歩道でジョギングしている間に、つまずいて横方向に倒れ、敷石に右膝をぶつけた。翌日、右膝が腫れ、極めて痛く、医師の診察を受けると側副靭帯の脛骨への付着の剥離と診断された。この診断は、MRIにより確認され、MRIはまた大腿骨軟骨下骨における大きな軟骨下BMEの存在も示した(図1A)。損傷を受けてから5日後、離れた靭帯骨の脛骨への付着部を再び付着させる外科的修復術を受けた。しかし、その後も膝痛は続き、鎮痛剤またはNSAIDの使用によって緩和されなかった。手術して5週間後、100mg/mlの注射剤を5週間週に2回筋肉内投与するPPSのクールを開始した(合計10回の注射)。6回目の注射を受けた後、疼痛および関節の腫れが消え、PPSクールの注射を終了して1週間後、その関節をT1強調MRIによって再び調べた。図1Bから明らかなように、PPS治療の開始時に存在したBMEが、PPSを投与した後に完全に消散していた。
引退した女性フィギュアスケーター(JP)(26歳で、良好な健康状態)は、引っ越し中に、強く足首の上に倒れてしまった。足首には広範囲にわたる打撲傷がみられ、彼女は1週間その関節を安静にし、ある程度疼痛は緩和された。しかし、体重をかけると疼痛はまだ非常に強く、JPは整形外科の足の専門医に相談し、その専門医は治療のために彼女に理学療法士を紹介した。6週間の理学療法後腫れおよび打撲傷は小さくなったが、足首の関節から生じる疼痛は、特に体重をかけると、まだ残っていた。2回目に整形外科の専門医を訪問すると、MRIスキャンが行われ、それにより衝撃を受けた関節の骨におけるBMEが明らかになった。JPは、その整形外科の専門医に理学療法を継続するよう勧められたものの、疼痛はまだ続いたが、10日にわたる6クールのPPS(100mg)の皮下注射により、疼痛は消退していただろう。
およそ5度の内反膝を有する健康な70歳の男性(PG)は、国際線の便に間に合うように急いでいる間に空港ターミナルの階段で滑ってしまい、その結果、左足は予期せずに地面と強くぶつかった。その日の晩遅くに目的地に到着した後PGは床に就いたが、左膝関節の内側区画から生じる激しい拍動痛で朝の早い時間に目が覚めた。3時間ごとの経口鎮痛剤によって膝痛を大幅に軽減することはできず、翌日、PGは毎日投与されるPPS(100mg)の筋肉内注射のクールを開始した。5回目の注射の後、膝痛はほぼ治まり、7回目の注射の後に完全に消退した。突然の強い機械的なインパート(impart)により受けた軟骨下骨挫傷(BME)の後に、この人物が感じた消耗性の関節痛は、PPSクール療法後の数カ月で再発しておらず、このことは、BMEの消退と一致した。
広く説明した本発明の範囲を逸脱することなく、数多くの変更および/または修正が、特定の実施形態に示した本発明に対してなされ得ることが、当業者によって理解されるであろう。したがって、本実施形態を、すべての点において、例示するものとして考えるべきであり、限定するものと考えるべきではない。
(参考文献)

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Claims (12)

  1. 哺乳類における骨髄浮腫を治療するための方法であって、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量を、そうした治療を必要とする哺乳類に投与することを含む方法。
  2. 哺乳類における骨髄浮腫を治療するための、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の有効量、および薬学的に許容される担体を含む組成物。
  3. 骨髄浮腫を治療するための医薬の製造における、その塩を含めたポリ硫酸化多糖類の使用。
  4. ポリ硫酸化多糖類が、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ヘパラン硫酸、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸、キトサンポリ硫酸、デルマタンポリ硫酸スロデキシド、デキストラン硫酸、ポリ硫酸化イヌリン、硫酸化ラクトビオン酸アミド、硫酸化ビス−アルドン酸アミド、スクロース八硫酸、フコイダン−1、フコイダン−2、硫酸化β−シクロデキストリン、硫酸化γ−シクロデキストリンおよび小さい硫酸化化合物(イノシトール六硫酸を含むがこれに限定されない)からなる群から選択される、請求項1に記載の方法、請求項2に記載の組成物、または請求項3に記載の使用。
  5. ポリ硫酸化多糖類が、高分子量ヘパリン、低分子量ヘパリン、ペントサンポリ硫酸、コンドロイチンポリ硫酸およびキトサンポリ硫酸からなる群から選択される、請求項4に記載の方法、組成物、または使用。
  6. ポリ硫酸化多糖類が、ペントサンポリ硫酸、ペントサンポリ硫酸のナトリウム塩(NaPPS)、ペントサンポリ硫酸のマグネシウム塩(MgPPS)、およびペントサンポリ硫酸のカルシウム塩(CaPPS)からなる群から選択される、請求項5に記載の方法、組成物、または使用。
  7. ポリ硫酸化多糖類が、ペントサンポリ硫酸ナトリウムである、請求項6に記載の方法、組成物、または使用。
  8. 治療が、筋肉内(IM)もしくは皮下(SC)経路による注射で、静脈内的に(IV)、関節内的に(IA)、関節周囲的に、局所的に、座薬を介してまたは経口的に投与することによるものである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  9. 治療が、注射剤を投与することによるものである、請求項8に記載の方法、組成物、または使用。
  10. 有効量が、1用量あたり、哺乳類1kgにつき約1〜2mgである、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法、組成物、または使用。
  11. ヒトへの投与が、1日1回または週3回の治療レジメンで投薬することによるものである、請求項10に記載の方法、組成物、または使用。
  12. 治療レジメンで投与されるポリ硫酸化多糖類の合計用量が、約200〜2000mgである、請求項11に記載の方法、組成物、または使用。
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