JP2014503513A - [((1r,2s,5r)−2−イソプロピル−5−メチル−シクロヘキサンカルボニル)−アミノ]−酢酸イソプロピルエステル及び関連化合物並びにそれらの療法における使用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、一般に冷却材及び医薬療法の分野に関する。より具体的には、本発明は幾つかの抗侵害受容剤、例えば[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステルに関し、該抗侵害受容剤は強力かつ長時間作用性であり、角化上皮組織と比べて、非角化上皮組織を選択的に冷却し、かつ例えば非角化重層上皮(NKSE)組織の不快感の治療(例えば、症状の緩和;寛解)のため、並びに:眼表面、まぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜、若しくは角膜、口腔の表層、唇の内部、咽頭表面、食道表面、又は肛門生殖器表面の不快感;例えば、コンタクトレンズの長期着用によって、眼疲労及び/又は眼精疲労によって、大気汚染物質によって、太陽への過度な暴露によって、結膜炎によって、ドライアイ症候群によって、引き起こされる目の不快感;口腔粘膜炎に伴う不快感; 、例えば喘息及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難;の治療のために有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、一般に冷却材及び医薬療法の分野に関する。より具体的には、本発明は幾つかの抗侵害受容剤、例えば[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステルに関し、該抗侵害受容剤は強力かつ長時間作用性であり、角化上皮組織と比べて、非角化上皮組織を選択的に冷却し、かつ例えば非角化重層上皮(non-keratinized stratified epithelial(NKSE))組織の不快感の治療(例えば、症状の緩和;寛解)のため、並びに:眼表面、まぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜、若しくは角膜、口腔の表層、唇の内部、咽頭表面、食道表面、又は肛門生殖器表面の不快感;例えば、コンタクトレンズの長期着用によって、眼疲労及び/又は眼精疲労によって、大気汚染物質によって、太陽への過度な暴露によって、結膜炎によって、ドライアイ症候群によって、引き起こされる目の不快感;口腔粘膜炎に伴う不快感;例えば喘息及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難;の治療のために有用である。
本発明及び本発明が属する分野の技術常識をより完全に記載し、開示するために、幾つかの刊行物が本明細書において引用される。これらの参考文献は、それぞれの参考文献が参照により具体的かつ個々に組み込まれているのを示すのと同程度に、それぞれ参照により全体的に本明細書において本開示に組み込まれる。
添付の特許請求の範囲を含む本明細書を通じて、文脈が他に必要としない限り、用語「含む」、及びそのバリエーションである「含み」及び「含んでなる」等は、言及される要素若しくはステップ又は要素若しくはステップの群を含むことを意味するが、他のいずれの要素若しくはステップ又は要素若しくはステップの群を除くことを意味しないと理解されるだろう。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられる単数形の用語は、文脈が明確に他に示さない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば「医薬担体」に対する言及は、かかる担体の二以上の混合物等を含む。
本明細書において、範囲は多くの場合ある特定の「約」の付いた値から、及び/又は他の特定の「約」の付いた値までとして表現される。かかる範囲が表現されるとき、他の実施形態はある特定の値から、及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行する「約」の使用によって値が近似で表されるとき、該特定の値が他の実施形態を形成すると理解されるだろう。
本開示は、本発明を理解するのに有用であり得る情報を含む。これは、本明細書で提供される任意の情報が従来技術であること又は本願特許請求の範囲に記載の発明に関連する事、又は具体的に若しくは暗示的に引用される任意の引用文献が従来技術であることを認めるものではない。
侵害受容
侵害受容は、侵害刺激をコード化し処理する神経のプロセスとして定義され得る。とりわけ興味深いのは、末梢に作用する抗侵害受容薬である。「抗侵害受容」は、薬物が侵害刺激の物理的及び生理的な知覚を抑制することを意味する。「末梢」は、薬物作用の主要な部位が、中枢神経系の外側、すなわち脳及び脊髄の外側に位置する事を意味する。
現在、末梢に作用し、侵害受容(侵害性の)シグナルの中枢神経系への伝達を減弱する二つの主要なクラスの抗侵害受容薬が存在する。第一のクラスは、末梢神経線維に作用し、中枢神経系に向かう侵害受容シグナルの神経伝導を阻害するプロカイン及びリドカイン等の局所麻酔薬である。もう一方のクラスは、幾つかのプロスタグランジンの合成を阻害するアスピリン及びイブプロフェン等の薬剤である。これらのプロスタグランジンは、傷害又は炎症の間に組織によって放出されるときに、侵害刺激に反応する感覚神経線維の興奮に対する閾値を低下させる。さらに別のクラスの抗侵害受容薬は、末梢の作用を介しては疼痛を抑制しないが、代わりに脳及び脊髄における神経の要素に直接作用する麻酔性鎮痛薬である。
Sir Charles Sherringtonによって「不可避的防御反射の精神的付属物」として定義された疼痛は、ポリモーダルC繊維と呼ばれる無髄小直径の感覚繊維の増加した放電によって活性化される。疼痛は侵害受容又は神経障害として分類される。侵害受容性疼痛は細胞の傷害によって引き起こされ、神経障害性疼痛は疼痛シグナルを伝達する神経線維に対する損傷によって引き起こされる。疼痛をもたらす状況は多く存在し、最も一般的なものとして、例えば外傷、炎症、及び免疫疾患がある。疼痛に伴い得る感覚として、刺激、掻痒(痒み)、並びに倦怠感及び不満感(disaffection)がある。本明細書で用いられる、侵害受容の精神的付属物は、共に「不快感」として分類される。
動物の組織には4つの基本的なタイプ:結合組織、筋肉組織、神経組織、及び上皮組織が存在する。上皮細胞は、体中の腔及び器官の表面を覆っている。層が一細胞の厚さである時、単層上皮と呼ばれる。二以上の層の細胞が存在する場合には、重層上皮と呼ばれる。重層上皮は主に(平らな)扁平細胞及び幾つかの立方細胞で構成される。皮膚、外部唇、及び舌では、重層上皮の細胞の外層は死に、丈夫で水不浸透性のケラチンと呼ばれるタンパク質になっている。ケラチンを含まない重層扁平上皮は、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜、及び角膜をはじめとする眼表面;唇の内部をはじめとする口腔の表層;咽頭表面;食道表面;及び肛門生殖器表面に存在する。角化組織は、非角化組織よりも、より障害に耐えられる。非角化上皮の表面は、乾燥を防ぐために、腺の(漿液及び粘液の)分泌によって湿性を維持されなければならない。
現在の局所抗侵害受容(疼痛抑制)化合物は、非角化重層上皮(NKSE)の疼痛に対して限られた効力しか有さない。これは、眼表面の不快感にとって特に真である。
リドカイン等の局所麻酔化合物は、肛門生殖器表面の(例えば、外陰膣の疼痛)、及び咽頭の(例えば、咳及び咽頭炎)疼痛及び不快感のために用いられるが、これらの薬物は過敏性応答を引き起こし得、接触及び圧力に対して組織を麻痺させるという望ましくない特徴を有する。局所麻酔薬は、眼表面、特に角膜の疼痛のために緊急時に用いられ得るが、このクラスの薬物は上皮細胞の増殖を阻害するため、長期の使用は危険である。
非ステロイド性の抗炎症性化合物(non-steroidal anti-inflammatory compounds(NSAID))、例えばケトロラクは、短い時間、例えば白内障手術の急性疼痛を減少させるために眼表面に対して用いられ得るが、眼に対する長期の使用のためには用いられない。局所的なNSAIDは、肛門生殖器又は口腔NKSEから生じる疼痛に対しては、作用しない。
メントールは、痔の不快感のための軟膏において幾つかの限られた鎮痛作用を有する。薬用キャンディー及び菓子において、メントールは痛んだ若しくは刺激された喉に対して、及び咳に対して幾つかの利点を有する。メントールは眼に対し高刺激性であるが、日本では幾つかの点眼剤において用いられる。角化した皮膚では、高濃度の(例えば2 重量%より多い)メントールが、皮膚への直接の刺激なしに用いられ得る。例えば、5 重量%のメントールを含む局所パッチ(例えば、IcyHot Medicated Patch;Chattem, Inc)が、筋肉痛を軽減するために、胴体の皮膚に対して用いられ得る。しかしながら、非角化上皮に対しては、メントールの刺激効果がその使用を限定し;例えば、単位あたり8 mg以上のメントールを含む薬用キャンディーは味覚嫌悪される。
NKSEから生じる不快感を抑制し得るが刺激性及び毒性の問題を伴なわない新しいクラスの薬剤が必要とされている。
Watsonらは1978年に、皮膚及び舌等の角化上皮に対して生理的冷却効果を有する幾つかの化合物を記載している。そこに記載されている研究は、NKSEに対してより選択的作用を有する他の化合物の発見のための基礎を提供する。
Watsonらは1979年に、以下の式の「N-置換パラメンタンカルボキサミド」を記載している。その例として、R’が-Hであり、R’'が-CH2C(=O)OCH3、-CH2C(=O)OCH2CH3、又は-CH2C(=O)OCH2CH2CH3である化合物が挙げられている。R’’が-CH2C(=O)OCH(CH32である対応化合物は、示されていない。
Figure 2014503513
米国特許第4,178,459号(Watson et al., 1979, “N-Substituted paramenthane carboxamides”)
Watson et al., 1978, "Compounds with the Menthol Cooling Effect", J. Soc. Cosmet. Chem., Vol. 29, pp. 185-200.
本発明の一側面は、本明細書に記載のIPE化合物に関する。
本発明の別の側面は、本明細書に記載のIPE化合物を含む組成物に関する。
本発明の別の側面は、療法によるヒト又は動物の体の治療のための、本明細書に記載のIPE化合物に関する。
本発明の別の側面は、本明細書に記載のヒトにおける不快感の治療のための、本明細書に記載のIPE化合物に関する。
本発明の別の側面は、治療有効量の本明細書に記載のIPE化合物の投与を含む、本明細書に記載のヒトにおける不快感の治療方法に関する。
本発明の別の側面は、本明細書に記載のヒトにおける不快感の治療のための薬剤の製造における、本明細書に記載のIPE化合物の使用に関する。
当業者に理解されるように、本発明の一側面の特徴及び好適な実施形態は、本発明の他の側面にも関する。
化合物
本発明者は幾つかの化合物が、驚くべきことに、かつ予想外のことに、非角化重層上皮(NKSE)組織のための効果的な冷却剤であることを見出した。これらの化合物は強力かつ長時間作用性であり、角化上皮組織と比べて、非角化上皮組織を選択的に冷却する。
これらの化合物は本明細書ではまとめて、「イソプロピルエステル化合物」又は「IPE化合物」と呼ばれ、かつ:[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル(Gly-O-iPr)、及び[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-メチル-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル(N-Gly-O-iPr);並びにそれらの薬学的に許容可能な塩、水和物、及び溶媒和物である。
したがって、本発明の一側面は:[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル(Gly-O-iPr)、又は[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-メチル-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル(N-Gly-O-iPr);又はそれらの薬学的に許容可能な塩、水和物、若しくは溶媒和物である化合物である。
化合物Gly-O-iPr及びN-Gly-O-iPrは以下の表に示される。
Figure 2014503513
これらの化合物は(-)-メントールに構造的に関連し、(-)-メントールに見出されるのと同じ立体配置において、同じキラル中心を有する。
Figure 2014503513
構造上、前記化合物はそれぞれ、便宜的に(-)-メントールに対応するカルボン酸のグリシンアミド及びN-メチル-グリシンアミドのイソプロピルエステルとして、記載され得る。
一実施形態では、化合物は、[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル又はそれらの薬学的に許容可能な塩、水和物、若しくは溶媒和物である。
一実施形態では、化合物は、[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル又はそれらの薬学的に許容可能な塩である。
一実施形態では、化合物は、[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステルである。
化学合成
一つのアプローチにおいて、(-)-メントールに対応するカルボン酸のグリシンアミドのアルキルエステルは、(-)-メントールに対応するカルボン酸の酸ハロゲン化物(例えば酸塩化物)を、例えば以下に示すように、適切なグリシンアルキルエステルと反応させることによって調製され得る。
Figure 2014503513
多くの(メチル及びエチルグリシンエステルをはじめとする)グリシンアルキルエステルは、例えばSigma-Aldrichによって市販されている。他のグリシンアルキルエステルは、当業者によって公知の及び/又は通常の方法を用いて調製され得る。
例えば、本明細書でGly-O-Etと記載される(RがEtである)エチルエステル化合物は、以下のように調製された:1.0 gのグリシンエチルエステル塩酸塩(Sigma-Aldrich)を、28 mLのジエチルエーテル及び1 mLの再蒸留水に溶解し、0℃まで冷却した。一つまみの触媒ジアミノピリミジンを加えた。1.62 mLのp-メントイルクロリドを液滴で加え、続いて2 mLのトリエチルアミンを加えた。白い沈殿の凝集塊が混合物中に現れ、これを室温で一晩攪拌した。沈殿を回収し、エチルアセテートに溶解し、再蒸留水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。その後、有機相を減圧下で蒸発させて最終産物(2 g)を得、これを室温で結晶化した。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)は、この物質の95 %以上を占める単一のピークを明らかにした。質量分析(MS)及び核磁気共鳴(NMR)を、その同一性を確認するために用いた。
本明細書でGly-O-iPrと記載される(RがiPrである)イソプロピル化合物は、Phoenix Pharmaceuticals(Burlingame、カリフォルニア(www.phoenixpeptide.com))によって調製された:Lot No. 427497;C16H29NO3;分子量283.41;純度≧95 重量%;外観:白色結晶性粉末。さらなる化合物は、Diapharm Ltd(St. Petersburg、ロシア)によって調製された。
以下の化合物が調製された。
Figure 2014503513
PA09-336生物学的評価
冷却の熱感覚を誘起する化学物質は、ヒト被験者において試験されたときに、幾つかの観察可能な特徴を有する。第一に、感覚自体が存在し;例えば被験者に:穏やかな涼しさ、涼しさ、又は冷たさを感じるかを尋ねることができる。第二に、感覚の強度が存在し;例えば被験者に:爽やかな涼しさ、強い涼しさ、強い冷たさ、又は燃えるような冷たさであるかを尋ねることができる。第三に、作用の持続時間が存在し;被験者に:効果がどれくらいの間続くかを尋ねることができる。作用の持続時間は、典型的に感覚の開始と停止により測定され、通常数分又は数時間である。第四に、作用強度が存在し;冷却を惹起することについての特定の試験化合物の作用強度は、典型的に適用濃度(例えば、重量%;mg/mL;等)又は投与量(例えば、単位体重当たりのmg)を用いて報告される。
角化重層上皮に対する生物アッセイ:人中(Philtrum)アッセイ
人中は、上部唇の境界より上の正中溝である。薬物試験の部位は、上部唇の上方(赤唇縁より上)、人中上、ほうれい線までの人中の側部、及び時には下部鼻孔上(鼻下点)の皮膚である。顔のこの部分は、眼球及び肛門生殖器の表面に次いで二番目に、涼しさ/冷たさ受容体を有する神経が高密度に分布していることが知られている。唇周辺の領域が高密度の「涼しさ点(cooling spot)」を有することもまた、科学文献により知られている(例えば、Dhakaら., 2008を参照されたい)。
抗侵害受容活性を試験するために、試験物質を最初、5 mg/mLで軟膏(Aquaphor(登録商標)、41%のペトロラタム、並びに残りは鉱物油、セレシン、及びラノリンアルコールである)に溶解し、プラスチックの棒を用いて人中の皮膚表面上に単独で(40〜70 mg)塗布する。この部位において、皮膚における涼しさ及び冷たさ感覚が経験され、開始時間及び強度によって評価され得る。被験者の皮膚感覚の強度は、0、1、2、又は3(0は変化なし;1は僅かな涼しさ又は冷たさ;2は涼しさ又は冷たさの明瞭なシグナル;3は強い涼しさ又は冷たさ)として評価される。記録の間隔は5〜10分であり、二回連続的に0が得られるまで行う。薬物作用の開始は涼しさ強度が2単位に達する時として記録し、薬物作用の停止は、涼しさ強度が2単位を超えた後に、2より下に下がる時である。涼しさ作用の持続時間は、停止時間から開始時間を引いたものとして定義される。不活性な化合物は、適用後の5分間一度も涼しさが2単位を超えないものとして定義される。
Watsonらは1979年に、既知量の試験化合物を浸透させたろ紙(1x1 cm)を、試験の被験者の舌背表面上に置くことによる、N-置換p-メンタンカルボキサミドの特徴の、ボランティアに対する試験について記載している。30秒後、被験者は涼しさ効果の有無を報告する事を要求された。これらのデータは、「閾値、μg」として報告され、ヒトボランティアの回答者の舌に適用した際に涼しさ感覚をもたらす試験化合物の閾値量を意味する。6人の被験者に対する(-)-メントール平均閾値は、0.25 μgであったが、個人の感受性には100倍のばらつきがあった。舌背表面は角化されている。ケラチンは、味覚に関与する乳頭と呼ばれる指のような突起の構成要素である。Watsonらに1979年に記載された方法を用いて検出される涼しさシグナルは、NKSEに対する薬物作用を反映しないかもしれない。
非角化重層上皮:眼表面に対する生物アッセイ
眼表面に対する試験のために、試験化合物を含むタオレットを送達ユニットとして用いた。試験化合物を最初無水エタノールに溶解し、その後蒸留水を加えて、3〜5 重量%エタノール-水溶液において標準的な1 mg/mL溶液を形成した。その後、3 mLの試験溶液を0.4 gの長方形(50 mm×60 mm)の綿(CS-being、Daisan Cotton、日本)に加え、真空装置(Foodsaver(登録商標)、Jarden Corp.)で個々に密閉した。サンプルは冷凍庫又は冷蔵庫に保管し、使用前に室温まで解凍した。綿パッドによって拭くことにより、閉じたまぶたに40〜45 μL(片眼表面につき〜20〜22 μLまで)の液体組成物が送達される。したがって、試験化合物の濃度が1 mg/mLであったならば、両眼に送達される投与量は、合計で〜40〜42 μgまで、又は片眼につき〜20μgまでである。眼表面において感じられた涼しさ感覚の有無は、5〜10分間隔で、二つの連続的な試験間隔において何の涼しさも気付けなくなるまで、有無として記録した。感覚強度の定量化を試みることなく、眼表面に対する涼しさの持続時間のみを記録した。
非角化重層上皮:中咽頭表面に対する生物アッセイ
咽頭の感受性の尺度として、咳の感覚を誘起する幾つかの刺激剤を評価した(例えば、Morice et al., 2001を参照されたい)。通常、クエン酸又はカプサイシンを、吸入経路を介してボランティアに送達し、咳の数を数える。本発明者は、咳払いの衝動を伴う下部咽頭における感覚が、0.2〜0.25 mLのチリペッパーソースを後部舌背表面に(注射器又はプラスチックの棒を用いて)置くことによって再現され得る事を見出した。唾液とチリペッパーソースを混合し、その後唾液を中咽頭の後部に載せる。用いたチリペッパーソースはYank Sing(登録商標)チリペッパーソース(YS Gourmet Productions、Inc.、PO Box 26189、サンフランシスコ、CA 94126)であり、点心(中国の懐石)と共に用いるための周知の香辛料である。チリペッパーソースに伴う感覚は口の後部の壁に位置し、試験の被験者によって明確に認識され、咳払いしたい願望を伴う。チリペッパーソースによって誘起された感覚は、氷冷水を飲むこと又は涼しさ成分を含む口腔内崩壊錠(ODT)を用いることによって簡単に抑制され得るが、賦形剤のみを含むODTによっては影響されない。
ODTを、成分を用意し、これを無水エタノールに溶解し、その後10 重量%のマルチトール及び90 重量%のマンニトールを添加し、その後等容量の蒸留水を添加する事により製剤化した。その混合物をガラスの棒により攪拌し、使い捨てのプラスチックピペットにより、ワックスペーパー上に分注した。それぞれ平均150 mgに秤量した個々の乾燥錠剤は、舌背表面において、唾液中に完全に溶解し、中咽頭表面を覆った。平均して、試験物質の量は錠剤につき2.5〜3 mgであった。
抗侵害受容活性を試験するために、試験化合物を含むODTを、最初に舌背表面に投与し;45〜50分後に、チリペッパーソースの負荷を与えた。この時点で、試験化合物の涼しさ感覚は消滅し、試験は抗侵害受容効果が残っているかどうかを決定することである。結果を以下のように報告した:負荷刺激の減弱が存在しなかった場合スコアは(0)であり、部分的な阻害が存在した場合スコアは(+)であり、刺激シグナルの完全な減弱が存在した場合スコアは(++)であった。(++)スコアをもたらす活性成分を含むODTの存在下では、刺激シグナルは完全に存在しなかったが、調味料の醤油において用いられる塩味は簡単に識別され、味わうことができた。
調査1
角化重層上皮及び非角化重層上皮(NKSE)に対する試験において記録したデータを、以下の表に要約する。
Figure 2014503513
Gly-O-iPrは、角化上皮に対してはより短い持続時間を有するが、非角化上皮に対しては、はるかに、かつ最も長い持続時間を有する。眼表面に対するGly-O-iPrの非常に長い効果は、驚くべき、かつ予想し得ないものであった。涼しさ効果は平均で5時間続いた。Gly-O-iPrの試験濃度を1 mg/mLから1.5 mg/mLまで増加させることで、眼表面に対する持続時間は約6.5時間までさらに増加した。それに対し、Gly-O-Etの濃度を1 mg/mLから2 mg/mLまで、又はさらに5 mg/mLまで増加させても、涼しさ感覚の強度は増加したが、持続時間はそれぞれ15分から22分しか増加しなかった。非角化眼表面に対するGly-O-iPrの選択的な作用は、薬理活性のタイプの相違を反映しており、単純な投与用量の問題ではない。
6人の被験者が、無作為二重盲検において、ワイプごとに三回の試験により、Gly-O-Et、Gly-O-iPr、及びGly-O-nPrの眼ワイプを試験することに同意した。結果は明白であり、Gly-O-iPr >> Gly-O-nPr > Gly-O-Etの活性持続時間を示した。
中咽頭表面においては、Gly-O-iPrとGly-O-Etの両方が、爽やかな涼しさ感覚を発揮した。しかしながら、Gly-O-iPrは、Gly-O-Et又はGly-O-nPrのどちらでも経験されず、かつチリペッパーソースに対する反応を遮る、長く残存する爽やかな「感覚」を口腔内に生み出した。Gly-O-Et及びGly-O-nPrは、同じ試験条件下で有効ではなかった。
したがって、Gly-O-iPrは、Gly-O-Me、Gly-O-Et、Gly-O-nPr、及びGly-O-nBuのものとは異なる、驚くべき、かつ予想し得ない特徴を有する。
調査2
エイムス試験(バークレイのカリフォルニア大学のB.N.エイムス教授の名をとって命名された)は、バクテリアにおいて行われる、試験化合物の変異原性の可能性を決定するためのアッセイである。陽性の結果が得られた場合、試験化合物は核酸と相互作用し、遺伝物質に対するリスクとなり得る。エイムス試験は、安全性評価において標準的なツールである。
Gly-O-Etの物質安全データシート(MSDS番号2984、2005年11月09日、SCM Europe SA/NV(141 Rue St. Lambert Suite 2、B-1200、Brussels、ベルギー))では、変異原性のカテゴリーにおいて、「エイムス試験は[Gly-O-Et]について、該試験条件下でTA1535株に対して弱い変異原性の結果を示した。反応は小さく、ある程度の再現性を示した」と記載されている。
Gly-O-iPrは、Notox, BV(Hambakenwetering、PO Box 34763、Hertogenbosch、オランダ)(安全性評価及び試験を専門とする受託研究組織)によって、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)試験株TA1535(Amesはこの株を試験する)において、変異原性活性について評価された。Gly-O-iPrは、S9-混合物(フェノバルビタール及びβ-ナフトフラボンの組み合わせによって誘導されたラット肝臓S9-混合物)の存在及び非存在下で、TA1535において試験された。Gly-O-iPrは、Phoenix Pharmaceuticals、inc.(Burlingame、カリフォルニア)によって合成された≧95 重量%の純度を有する白色結晶性粉末として準備され、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に溶解された。
Gly-O-iPrは、8つの投与レベルで、3〜5000 μg/プレートに及ぶ濃度で試験された。Gly-O-iPrは、最大投与量の5000 μg/プレートのプレートにおいて、沈殿しなかった。バックグラウンドの菌叢は試験されたどの濃度でも減少せず、復帰変異体の数の生物学的に意味のある減少は観察されなかった。
Gly-O-iPrは、S9-代謝活性化の存在及び非存在下において、TA1535における復帰変異体(His+)コロニーの数の、投与量に関連する有意な増加を誘導しなかった。この調査において、陰性及び株特異的陽性コントロールの値(アジ化ナトリウム又は2-アミノアントラセンによって誘導される)は、研究室の過去のコントロールデータの範囲内であり、これは試験条件が適切であったこと及び代謝活性化系が適切に機能したことを示している。この調査の結果に基づいて、Gly-O-iPrはネズミチフス菌試験株TA1535において変異原性がないと結論付けられた。
したがって、Gly-O-iPrはGly-O-Etの毒物特性を共有しない。この結果は、これら二つの化合物の構造が密接に関連していることから、驚くべき、かつ予想し得ないものであった。
調査3
研究室の科学者は季節性アレルギー性結膜炎を患っていた。この状態は、彼が実験動物(ラット及びマウス)による実験を行い始めたときにひどく悪化し、彼は関連アレルゲンに対して敏感になった。結膜炎は抗ヒスタミン剤を含む経口又は局所点眼剤によって軽減せず、被験者はしぶしぶ抗炎症性のステロイド軟膏の使用を検討した。試験中、彼の眼は充血し、涙ぐんでおり、彼はその行為がかゆみと不快感をさらに悪化させ得ると知っていながら、まぶたを指でこすり続けた。彼は1.0 mg/mLのGly-O-iPrを含む眼ワイプを試すことを志願した。かゆみと不快感の軽減は5分以内に得られ、少なくとも4時間続いた。彼は3日間「必要に応じて」該ワイプを用い、彼の全体的なかゆみ及び赤みが有意に減少したことに気付き、驚いた。
調査4
52歳の男性の娘が、大学へ行くために彼の近所から引っ越し、彼は娘の二匹の猫の世話を担当することになった。最初は何も問題はなかったが、まもなく彼は猫が汚したあとの猫用トイレを片付けているときに生じるほこりに対して過敏になった。彼の喉は乾燥し、かゆく、咳を伴うようになり、これは牧草花粉に対する彼の季節性アレルギーによってひどく悪化させられたので、彼は常に咳払いをしていた。標準的な非鎮静型抗ヒスタミン剤は、彼の刺激された上部気道を緩和しなかった。約2週間の咳及び不快感の後、彼は、最初リグレー(Wrigley)スペアミントチューインガムのウェハー(wafer)ごとに3 mgを広げたGly-O-iPrを、その後単位投与量ごとに3 mgを口腔内崩壊錠中に製剤化したGly-O-iPrを試すことに同意した。薬用チューインガム及びODTは、両方投与後5分以内に軽減をもたらした。喉の不快感は減弱し、その効果は約4時間続き、投与を、同じ有益な効果を伴って繰り返すことができた。彼はODTがチューインガムよりもより効果的であると考えたので、ODTによる送達方法を好んだ。Gly-O-iPrを含むODTを10日間「必要に応じて」用いた後、彼の咳及び喉のかゆみは消え、彼は今も健康である。
調査5
60歳のベンチャーキャピタリストは、ストレスに満ちた生活を送っており、一日につき二箱のタバコを吸っていた。彼は喫煙家の咳を患っており、医者は彼を慢性閉塞性肺疾患(COPD)の境界例であると診断した、と彼は言った。彼は2.5 mgのGly-O-iPrを含むODTを試し、とてもいい気分だが、もしこれを用いればもっと喫煙するだろうことが怖い、と言った。その夜遅く、彼は北部中華料理の晩餐会へ行き、チリペッパーによって香辛料がよく効いた魚をひとかけ食べたとき、咳を始めた。夕食のテーブルの誰もが、かなり激しく、かつ彼の顔を真っ赤にした咳込みに不安を感じた。彼はすぐにGly-O-iPrを含む二つのODT錠剤を摂取し、誰もが驚いたことに咳は数分以内で止まった。
調査6
66歳の男性は、過去10年間にわたって成人発症喘息を発症しており、これは樹木花粉に対する季節性アレルギーによって悪化させられていた。彼は気管支拡張剤の吸入具及びSingulair(登録商標)を投薬されており、かつ抗ヒスタミン剤も用い、時折ステロイドも吸入した。彼はしばしば咳をし、彼の胸骨付近の胸の領域における圧迫感及び不快感を訴えた。彼はマンニトールを賦形剤として含む180mgの錠剤中に製剤化された3 mgのGly-O-iPrと共に12 mgのイシリンを含むODTを試すことに同意した。Gly-O-iPr/イシリンを含む最初のODTの使用後、彼は最初の15分間、非常に良いと感じたが、反復投与は喉及び気道の不快感の軽減をもたらし、これは10時間続いた。彼はより簡単に、かつより不快感が少なく動き回れると感じた。彼はGly-O-iPr/イシリンを含むODTの使用を1週間続け、あまり咳をしなくなったこと、あまり咳払いをしなくなったこと、及びより良く眠れるようになったことに気付いた。
組成物
本発明の一側面は、本明細書に記載のIPE化合物、及び薬学的に許容可能な担体、希釈剤、若しくは賦形剤を含む組成物(例えば医薬組成物)に関する。
本発明の別の側面は、本明細書に記載のIPE化合物、及び薬学的に許容可能な担体、希釈剤、若しくは賦形剤を混ぜることを含む組成物(例えば医薬組成物)を調製する方法に関する。
幾つかの組成物
一実施形態では、組成物は液体(例えば水性液体)の形態である。
その一実施形態では、化合物は0.01〜5 % w/vの濃度で組成物中に存在する。
一実施形態では、組成物は点眼剤溶液の形態である。
その一実施形態では、化合物は0.01〜1 % w/vの濃度で組成物中に存在する。
一実施形態では、組成物は軟膏又はクリームの形態である。
その一実施形態では、化合物は0.5〜5 mg/mLの濃度で組成物中に存在する。
一実施形態では、組成物は粉末、錠剤、薬用キャンディー、トローチ、フィルム、ペースト、又はガムの形態である。
一実施形態では、組成物は錠剤の形態である。
一実施形態では、組成物は口腔内崩壊錠(ODT)の形態である。
一実施形態では、組成物はシュガーキャンディー(例えば、香料及び着色剤を加える、砂糖の水中濃縮溶液から作られる菓子)の形態である。
一実施形態では、組成物はガムの形態である。
一実施形態では、組成物はチューインガム(例えば、典型的に天然のラテックス産物であるチクル、又はポリイソブチレン等の合成ゴムから作られる菓子)の形態である。
その一実施形態では、化合物は0.5〜5 重量%の濃度で組成物中に存在する。
局所投与に好適な組成物
一実施形態では、組成物はヒトへの局所投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトへの局所眼投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトのまぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜又は角膜への局所眼投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトへの局所経口投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトの口腔の表層への局所投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトの唇の内部への局所投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトへの局所咽頭投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトの咽頭表面への局所投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトへの局所食道投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトの食道表面への局所投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトへの局所肛門生殖器投与に好適である。
一実施形態では、組成物はヒトの肛門生殖器表面への局所投与に好適である。
ワイプ、パッド、及びタオレット
本発明の別の側面は、IPE化合物を含む水性組成物を保持しているワイプ、パッド、又はタオレットである。
一実施形態では、水性組成物は化合物をさらに含む水である。
一実施形態では、水性組成物は化合物をさらに含む等張食塩溶液である。
一実施形態では、化合物は0.01〜1 % w/vの濃度で水性組成物中に存在する。
一実施形態では、水性組成物は補助の眼用薬物をさらに含む。
一実施形態では、補助の眼用薬物は、ポリマー潤滑油、ヒプロメロース、ポリエチレングリコール400、ヒアルロナン、又はプロパンジオールである。
一実施形態では、ワイプ、パッド、又はタオレットはヒトへの化合物の局所投与における使用のために好適である。
一実施形態では、ワイプ、パッド、又はタオレットはヒトへの化合物の局所眼投与における使用のために好適である。
一実施形態では、ワイプ、パッド、又はタオレットはヒトのまぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜又は角膜への化合物の局所眼投与における使用のために好適である。
例えば、活性薬理成分(API)として単一の涼しさ剤(例えばGly-O-iPr)を有する眼ワイプは、単体で鎮痛ワイプとして用いられ得る。あるいは、APIは療法を改善するためにワイプ中で他の剤と組み合わされ得る。かかる補助の眼用薬物の例として、粘滑剤、例えばポリマー「潤滑油」、ヒプロメロース、ポリエチレングリコール400、ヒアルロナン、及びプロパンジオールが挙げられる。潤滑油は眼用液の弾粘(elastoviscous)特性を増加させ(通常これは20〜50 センチポイズの眼科用溶液によって達成され得る)、ドライアイ症候群にとって特に有用である。
使用
本明細書に記載のIPE化合物は、例えば本明細書に記載のヒトにおける不快感の治療において有用である。
治療方法における使用
本発明の別の側面は、療法によるヒト又は動物の体の治療方法における使用のための、本明細書に記載のIPE化合物に関する。
医薬の製造における使用
本発明の別の側面は、治療における使用のための医薬の製造における、本明細書に記載のIPE化合物の使用に関する。
一実施形態では、医薬はIPE化合物を含む。
治療方法
本発明の別の側面は、治療有効量の本明細書に記載のIPE化合物を、好適には医薬組成物の形態で、治療を必要とする患者に投与することを含む治療方法に関する。
指標
(例えば、治療方法における使用の、医薬の製造における使用の、治療方法の)一実施形態では、治療は非角化重層上皮(NKSE)組織の不快感の治療又は予防である。
本明細書で用いる用語「非角化重層上皮(NKSE)組織」は、非角化重層上皮(NKSE)細胞を含む(例えば主として含む)組織を意味することが意図される。NKSE組織の例として、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜、及び角膜をはじめとする眼表面;唇の内部をはじめとする口腔の表層;咽頭表面;食道表面;並びに肛門生殖器表面が挙げられる。
(例えば、治療方法における使用の、医薬の製造における使用の、治療方法の)一実施形態では、治療は以下の一以上の治療又は予防である:
まぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜、又は角膜の不快感;
口腔の表層、唇の内部、咽頭表面、又は食道表面の不快感;
肛門生殖器表面の不快感;
眼の不快感;
コンタクトレンズの長期着用によって引き起こされる眼の不快感、眼疲労及び/又は眼精疲労によって引き起こされる眼の不快感、大気汚染物質によって引き起こされる眼の不快感、又は太陽への過度な暴露によって引き起こされる眼の不快感;
結膜炎によって引き起こされる眼の不快感;
ドライアイ症候群によって引き起こされる眼の不快感;
口腔粘膜炎に伴う不快感;
気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難;
気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、及び/又は気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感;
咳;
喘息に伴う気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難;並びに、
慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難。
幾つかの指標:眼
眼表面は、外部環境に曝される。眼表面の解剖学的な構造−まぶた、眼球の前面(前)部、結膜、涙器系、前角膜、及び角膜−は、物理的、化学的、及び生物学的な要因による傷害を受けやすい。眼表面に対する傷害の結果は、典型的に視界のぼやけ、かゆみ、刺激、視覚の疲労、乾燥の感覚、ヒリヒリする感覚、及び/又は疼痛をはじめとする不快症状である。眼における傷害のサインは、典型的に赤み、腫れ、及び/又は血流の増加である。眼科用製品、例えば溶液(例えば点眼剤)、軟膏、及び挿入物が、眼の傷害の症状及びサインに対処するために用いられる。
眼表面の刺激は、涙の形成の減少によって引き起こされ、例えば乾燥した気候、コンタクトレンズの長い使用、コンピューター画面を過度に見つめること及び加齢によって悪化させられる、「ドライアイ」として知られる状態の特に一般的な症状である。米国におけるドライアイの推定患者は40歳以上の人口の約10〜30%であり、特定の治療を必要とする約490万の重い症例を含む。治療の改善が必要とされる。
眼の不快感を引き起こすさらなる眼疾患として:
例えば、コンタクトレンズの長期着用によって、眼疲労及び/若しくは眼精疲労によって、大気汚染物質によって、又は太陽への過度な暴露によって引き起こされる一般的な眼の不快感;
アレルゲン、喫煙、及び/又は汚染物質によって最も一般的に引き起こされるが、細菌及びウイルスの感染、若しくは物理的要因、例えば外傷、風、及び日光によっても引き起こされ得る結膜の炎症:結膜炎;
例えば、不十分な涙の分泌、又は涙の質が悪いために急速に涙が蒸発することによって引き起こされる、不十分な眼表面の湿度:ドライアイ症候群(乾性角結膜炎);が挙げられる。
幾つかの指標:口腔及び咽頭
舌背表面は角化上皮で覆われている。口腔及び咽頭表面は、非角化重層上皮(NKSE)で覆われている。咽頭は三つの領域:上咽頭、中咽頭、及び下咽頭に分けられる。中咽頭は、成人では毎日平均12000 Lの空気と2 kgの食物が通過するため、特に交通が激しい区域であり、その交通の流れが正しく、かつ食物が気道に入らないことは生存にとって必要不可欠である。嚥下反射及び咳反射は、気道を固形粒子から保護する。前記交通区域の最も狭い場所は、下部口蓋帆咽頭(lower retropalatal oropharynx(LRO))と呼ばれ、約1 cm2の断面を有する。
口腔及び咽頭表面の不快感を導く感覚は多因子的であり、短期の状態、例えば感染、アレルギー、癌化学療法、汚染物質によって引き起こされる炎症、並びに慢性的な状態、例えば咽頭炎、喉頭炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、胃食道反射疾患、肺癌、肺炎、肺水腫、及び鬱血性心不全が挙げられる。
口腔及び咽頭表面の傷害及び疼痛に対する感受性は、頭部及び頸部癌のための放射線療法及び化学療法等の癌治療によって(20〜40 %の発生率で)引き起こされる口腔粘膜炎として知られる状態によって例証される。粘膜炎は、口腔/咽頭の表層に由来し、落屑によって自然に失われた細胞の上層を回復させ、置換する事を不可能にする上皮幹細胞に対する毒性傷害に起因する。口腔粘膜炎は乾燥;特に摂食及び咀嚼時の疼痛;嚥下困難;及び生活の質の低下の感覚をもたらす。その状態は数週間にわたって進行し、潰瘍および感染形態では生命を脅かし、治療を妨げる。顕著な症状である疼痛は、結合組織基質の感覚神経末端を暴露する、炎症性メディエーター及び基底膜に至る上皮細胞の喪失によって、おそらく引き起こされる。疼痛の軽減は、局所麻酔薬、モルヒネ、抗ヒスタミン剤、又はハチミツ等の緩和治療薬を含む口内洗浄液により、試みられる。これらの薬剤は限られた有効期間しか有さず、望ましくない副作用を有する;例えば、局所麻酔薬は食物の適切な咀嚼を妨げ得る。
口腔/咽頭中のNKSE中の感覚神経末端は、組織の局所又は管腔表面に存在し、したがって局在性の薬剤送達が利用可能である。
治療
疾患治療の文脈において本明細書で用いる用語「治療」は、幾つかの望ましい治療効果、例えば疾患の進行の阻害が達成されるヒトの治療及び療法に一般に関し、進行速度の減少、進行速度の中断、疾患の症状の緩和、疾患の寛解、及び疾患の治癒を含む。予防手段としての治療(すなわち予防)もまた含まれる。例えば、まだ疾患を発症していないが、疾患を発症するリスクがある患者への使用は、用語「治療」に含まれる。
例えば、治療には眼の不快感の予防、眼の不快感の発生率の減少、眼の不快感の症状の軽減等が挙げられる。
本明細書で用いる用語「治療有効量」は、望ましい治療計画に従って投与されるときに、合理的な便益/リスク比に見合った幾つかの望ましい治療効果を生じるのに有効である、化合物、又は化合物を含む物質、組成物、若しくは投与形態の量に関する。
併用療法
用語「治療」は、二以上の治療又は療法が、例えば連続して又は同時に組み合わされる、併用治療及び療法を含む。例えば、本明細書に記載の化合物は、例えば他の薬剤と共に、併用療法において用いられ得る。
本発明の一側面は、一以上の(例えば、1、2、3、4等)さらなる治療剤と組み合わせた本明細書に記載の化合物に関する。
特定の組み合わせは、熟練した開業医に公知の一般常識及び投与計画を用いて投与量を選択する医師の裁量である。
薬剤(すなわち、一以上の他の薬剤を加えた本明細書に記載の化合物)は、同時に又は連続的に投与され得、個々に投与スケジュールを変更し、様々な経路を介して投与され得る。例えば、連続的に投与されるとき、薬剤は、治療剤の特性に見合った正確な投与計画で、近接した間隔で(例えば、5〜10分の時間で)、又はより長い間隔で(例えば1、2、3、若しくは4時間以上離して、又は必要に応じてさらにより長い時間離して)投与され得る。
薬剤(すなわち、一以上の他の薬剤を加えた本明細書に記載の化合物)は単一の投与形態に共に製剤化され得、あるいは個々の薬剤は分けて製剤化され、任意にその使用のためのインストラクションを有するキットの形態で共に存在し得る。
咽頭及び食道での適用
TRP-M8アゴニストの咽頭及び食道部位への局所送達は、喘息及び/又は慢性閉塞性肺疾患(COPD)等の状態における気道の圧迫感、息苦しさ、咳、及び呼吸困難の症状を軽減するという利点を有し得る。この作用機構は間接的であり、上部消化管(咽頭及び食道)から、並びに上部気道(咽頭、気管、及び気管支)における求心性神経からの感覚入力の脳幹における収束に基づく。これらの感覚入力は二つの脳神経、舌咽神経(第9神経)及び迷走神経(第10神経)に由来する。したがって、中咽頭及び食道表面へのTRP-M8アゴニストの送達は、舌咽/迷走神経を介して脳幹にシグナルを送り、これは迷走神経からの侵害受容シグナルを間接的に「ゲート開閉」し、これにより咳及び気道の刺激を減少させるという治療目標を達成する。
本発明者は実験的に、イシリン(公知のTRP-M8アゴニスト)と共に製剤化したGly-O-iPrが、おそらくは咽頭及び食道の受容体に対する作用のために、剣状突起にまで至る胸において穏やかな涼しさ感覚を引き起こす望ましい特徴を有する事を見出した。Gly-O-iPr単独では、その作用が局所的に中咽頭にとどまるために、効果がより小さい。Gly-O-iPr/イシリンの組み合わせに由来する胸における涼しさ感覚は、喘息及びCOPD等の状態における気道(咽頭、気管、気管支)の不快感の症状の軽減をもたらし得る。
したがって、一実施形態ではさらなる治療剤はイシリンである。例えば一実施形態では、本発明はイシリンと組み合わせた、本明細書に記載の化合物又は本明細書に記載の化合物の使用に関する。
キット
本発明の一側面は、(a)例えば好適には好適な容器において及び/又は好適な包装により提供される、本明細書に記載のIPE化合物又は本明細書に記載のIPE化合物を含む組成物、並びに(b)使用のためのインストラクション、例えば化合物又は組成物の投与方法についての書面のインストラクションを含むキットに関する。
書面のインストラクションは、活性成分を好適な治療とするための適用疾患のリストもまた含み得る。
投与経路
IPE化合物又はIPE化合物を含む医薬組成物は、被験者に局所的に(すなわち、望ましい作用部位において)投与される。
一実施形態では、投与はヒトへの局所投与である。
一実施形態では、投与はヒトへの局所眼投与である。
一実施形態では、投与はヒトのまぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜又は角膜への局所眼投与である。
一実施形態では、投与はヒトへの局所経口投与である。
一実施形態では、投与はヒトの口腔の表層への局所投与である。
一実施形態では、投与はヒトの唇の内部への局所投与である。
一実施形態では、投与はヒトへの局所咽頭投与である。
一実施形態では、投与はヒトの咽頭表面への局所投与である。
一実施形態では、投与はヒトへの局所食道投与である。
一実施形態では、投与はヒトの食道表面への局所投与である。
一実施形態では、投与はヒトへの局所肛門生殖器投与である。
一実施形態では、投与はヒトの肛門生殖器表面への局所投与である。
被験者/患者
一実施形態では、被験者/患者はヒトである。
製剤
IPE化合物を単独で投与することが可能であるが、当業者に周知の一以上の他の薬学的に許容可能な成分と共に、少なくとも一つの明細書に記載のIPE化合物を含む医薬製剤(例えば、組成物、調製品、医薬)として提供することが好ましく、該他の成分として、限定するのものではないが、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、賦形剤、アジュバント、増量剤、緩衝剤、保存料、抗酸化剤、潤滑剤、安定化剤、可溶化剤、界面活性剤(例えば湿潤剤)、マスキング剤、着色剤、香味剤、及び甘味剤が挙げられる。製剤は他の活性剤、例えば他の治療又は予防剤をさらに含み得る。
したがって、本発明は前記定義に従う医薬組成物;並びに、当業者に周知の一以上の薬学的に許容可能な成分、例えば、担体、希釈剤、賦形剤等と共に、少なくとも一つの本明細書に記載のIPE化合物を混ぜることを含む医薬組成物の製造方法をさらに提供する。別々の単位(例えば錠剤等)として製剤化された場合、各単位は所定の量(用量)の化合物を含む。
本明細書で用いる用語「薬学的に許容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内における、過度な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題若しくは合併症の問題を含まない、合理的な便益/リスク比に見合った、被験者の組織と接する使用のために好適な化合物、成分、物質、組成物、投与形態等に関する。それぞれの担体、希釈剤、賦形剤等は、製剤の他の成分と適合性があるという意味においてもまた、「許容可能」でなければならない。
好適な担体、希釈剤、賦形剤等は、標準的な薬学の教科書(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th edition, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1990;及びHandbook of Pharmaceutical Excipients, 5th edition, 2005)において見出され得る。
製剤は、薬学の分野で周知の任意の方法によっても調製され得る。かかる方法は、化合物を一以上の補助成分を構成する担体と結びつけるステップを含む。一般に、製剤は化合物を担体(例えば、液体担体、微粉固体担体)と均一かつ密接に結びつけ、その後必要に応じて製品を成形することによって調製される。
製剤は好適には、液体、溶液(例えば水性、非水性)、懸濁液(例えば水性、非水性)、エマルション(例えば水中油型、油中水型)、エリキシル剤、シロップ、舐剤、口内洗浄液、ドロップ、(例えば被覆錠剤をはじめとする)錠剤、顆粒、粉末、薬用キャンディー、トローチ、(例えば硬い及び柔らかいゼラチンカプセルをはじめとする)カプセル、カシェー、ピル、ゲル、ペースト、軟膏、クリーム、ローション、油、フォーム、スプレー、ミスト、又はエアロゾルの形態であり得る。
局所経口投与に好適な製剤として、液体、溶液(例えば水性、非水性)、懸濁液(例えば水性、非水性)、エマルション(例えば水中油型、油中水型)、エリキシル剤、シロップ、舐剤、錠剤、顆粒、粉末、カプセル、カシェー、及びピルが挙げられる。
局所経口(頬)投与に好適な製剤として、口内洗浄液、薬用キャンディー、トローチ、並びにパッチ、絆創膏、デポー及びリザーバーが挙げられる。薬用キャンディーは、典型的に風味付けされた基材、通常はスクロース及びアカシア若しくはトラガカント中に化合物を含む。トローチは、典型的に不活性なマトリクス、例えばゼラチン及びグリセリン、又はスクロース及びアカシア中に化合物を含む。口内洗浄液は典型的に適切な液体担体中に化合物を含む。
局所経口(舌下)投与に好適な製剤として、錠剤、薬用キャンディー、トローチ、カプセル、及びピルが挙げられる。
局所経口(経粘膜)投与に好適な製剤として、液体、溶液(例えば水性、非水性)、懸濁液(例えば水性、非水性)、エマルション(例えば水中油型、油中水型)、口内洗浄液、薬用キャンディー、トローチ、並びにパッチ、絆創膏、デポー及びリザーバーが挙げられる。
局所(非口腔経粘膜的)投与に好適な製剤として、液体、溶液(例えば水性、非水性)、懸濁液(例えば水性、非水性)、エマルション(例えば水中油型、油中水型)、ゲル、ペースト、軟膏、クリーム、ローション、オイル、並びにパッチ、絆創膏、デポー及びリザーバーが挙げられる。
局所(経皮)投与に好適な製剤として、ゲル、ペースト、軟膏、クリーム、ローション、及びオイル、並びにパッチ、絆創膏、救急絆、包帯、デポー及びリザーバーが挙げられる。
錠剤は、従来の手段、例えば任意に一以上の補助成分と共に圧縮又は成形することによって製造され得る。圧縮錠剤は、好適な機械において粉末又は顆粒等の自由流動形態の化合物を、任意に一以上の結合剤(例えば、ポビドン、ゼラチン、アカシア、ソルビトール、トラガカント、ヒドロキシプロピルメチルセルロース);増量剤又は希釈剤(例えば、ラクトース、微結晶性セルロース、リン酸水素カルシウム);潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカ);崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム):界面活性剤又は分散剤若しくは湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム);保存料(例えば、メチルp-ヒドロキシベンゾエート、プロピルp-ヒドロキシベンゾエート、ソルビン酸);香味料、香味向上剤、及び甘味料と圧縮することによって製造され得る。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械において成形することによって製造され得る。
軟膏は、典型的に化合物及びパラフィン系又は水混和性の軟膏ベースから調製される。
クリームは、典型的に化合物及び水中油型クリームベースから調製される。必要であれば、クリームベースの水相は、例えば少なくとも約30% w/wの多価アルコール、すなわち二以上のヒドロキシル基を有するアルコール、例えばプロピレングリコール、ブタン-1,3-ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、及びポリエチレングリコール並びにそれらの混合物を含み得る。
エマルションは、典型的に任意に乳化剤(エマルジェント(emulgent)としても知られる)のみを含み得るか、又は少なくとも一の乳化剤と脂肪若しくは油との、又は脂肪及び油の両方との混合物を含み得る化合物及び油相から調製される。好適には、親水性の乳化剤は安定化剤として作用する親油性の乳化剤と共に含有される。油と脂肪の両方を含むこともまた好適である。安定化剤を伴うか又は伴わない乳化剤はいわゆる乳化ワックスを作り出し、該ワックスは油及び/又は脂肪と共にクリーム製剤の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏ベースを作り出す。
好適なエマルジェント及びエマルション安定化剤として、ツイーン60、スパン80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、グリセリルモノステアレート、及びラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。医薬エマルション製剤において用いられるであろうほとんどの油における化合物の可溶性がとても低いものであり得るために、製剤のための好適な油又は脂肪の選択は、望ましい化粧品特性の達成に依存する。したがって、クリームは好適には、チューブ又は他の容器からの漏出を防ぐための好適な粘度を有する、非脂肪性、非汚染性、及び洗浄可能な製品であるべきである。直鎖又は分岐鎖の一若しくは二塩基性アルキルエステル、例えばジ-イソアジペート、イソセチルステアレート、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、イソプロピルミリステート、デシルオレエート、イソプロピルパルミテート、ブチルステアレート、2-エチルヘキシルパルミテート、又はクロダモル(Crodamol)CAPとして知られる分岐鎖エステルの混合物が用いられ得、最後の三つが好適なエステルである。これらは必要とされる特徴に依存して、単独で又は組み合わせて用いられ得る。あるいは、高融点の脂質、例えば白色軟パラフィン及び/又は液体パラフィン若しくは他の鉱物油が用いられ得る。
担体が液体である局所(鼻腔内)投与に好適な製剤として、例えば、鼻スプレー、鼻ドロップ、又は噴霧器によるエアロゾル投与によるものが挙げられ、化合物の水性又は油性溶液が挙げられる。
担体が固体である局所(鼻腔内)投与に好適な製剤として、例えば、嗅ぎタバコが摂取されるように、すなわち鼻の近くに保持した粉末の容器からの鼻孔を介する急速な吸入によって投与される、例えば約20〜約500ミクロンの範囲の粒径を有する、粗粉末として提供される製剤が挙げられる。
(例えば吸入又は送気療法による)局所(肺)投与に好適な製剤として、好適な推進剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロメタン、二酸化炭素、又は他の好適なガスの使用を伴う、加圧パックからのエアロゾルスプレーとして提供される製剤が挙げられる。
局所(眼)投与に好適な製剤として、化合物が好適な担体、特に化合物のための水性溶媒に溶解または懸濁されている点眼剤が挙げられる。
口腔及び/又は中咽頭のための好適な製剤として、例えば液体、粉末、錠剤、フィルム又はペースト等の組成物が挙げられる。本明細書において考慮される口腔内崩壊錠(ODT)は、舌の表面への局所投与から30秒以内に唾液において崩壊する医薬投与形態である。典型的なODTは、主に不活性なビヒクル、希釈剤、又は担体で構成される。薬剤(例えばGly-O-iPr)はこの担体中に散在する。ODTは舌背表面に置かれたとき溶解し、それにより薬剤を放出することで、薬剤が下部中咽頭(LRO)の組織と接触し得る。典型的な希釈剤、担体又はビヒクルは、以下の物質:キシリトール、マンニトール、ソルビトール、マルチトール、イソマルチトール、マルトトリイトール、ラクチトール、及びβ結合-グルコピラノシド-ソルビトールを表すと解釈される「多価アルコール」であり得る。香味剤、例えば甘味料、アスパルテーム、スクラロース、又はアリタームは、任意の味をマスクするために添加され得る。典型的に、混合物は均一に分散した混合物に顆粒化され;分散剤、抗固化剤、及び/又は潤滑剤が添加され得;そしてその後、混合物はODTを形成するために圧縮される。
(本明細書に記載の生物学的評価研究において用いられる)一つの製剤では、口腔内崩壊錠(ODT)は、マンニトール-マルチトールの80:20重量混合物(PearlitolTM及びSweetpearlTM:Roquette Freres、フランス)を用いて調製された。この担体は、試験化合物の幾つかにおいて存在し得る苦味を完全にマスクするという利点を有する。試験化合物を最初に乳鉢と乳棒を用いてマンニトール-マルチトールと混合し、その後等容量の10:90 v/vのエタノール-蒸留水に懸濁した。その後、使い捨てピペットを、液体混合物をワックス紙のシート上に等分するのに用い、室温で乾燥させた。その後乾燥した錠剤を秤量し、分類した。2〜3 mgの試験化合物を含む80 mgの錠剤が舌背表面に置かれた時に15秒以内に溶解し、良好な試験投与量を提供することが、実験的に見出された。
参考文献
幾つかの刊行物が、本発明及び本発明が属する分野の技術常識をより完全に記載し開示するために、前記の通り引用される。これらの参考文献の完全な引用を以下に示す。これらの参考文献は、それぞれの参考文献が参照により具体的かつ個々に組み込まれているのを示すのと同程度に、それぞれ参照により全体的に本明細書において本開示に組み込まれる。
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Morice et al., 2001, “Cough Challenge in the Assessment of Cough Reflex”, Brit. J. Clin. Pharmacol., Vol. 52, pp. 365-375.
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Watson et al., 1979, “N-Substituted paramenthane carboxamides”, US Patent No 4,178,459 granted 11 December 1979.

Claims (72)

  1. [((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル;又は[((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-メチル-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル;又はそれらの薬学的に許容可能な塩、水和物、若しくは溶媒和物である化合物。
  2. [((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、若しくは溶媒和物である、請求項1に記載の化合物。
  3. [((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステル、又はその薬学的に許容可能な塩である、請求項1に記載の化合物。
  4. [((1R,2S,5R)-2-イソプロピル-5-メチル-シクロヘキサンカルボニル)-アミノ]-酢酸イソプロピルエステルである、請求項1に記載の化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、及び薬学的に許容可能な担体、希釈剤、若しくは賦形剤を含む組成物。
  6. 液体の形態の、請求項5に記載の組成物。
  7. 化合物が、0.01〜5 % w/vの濃度で組成物中に存在する、請求項6に記載の組成物。
  8. 点眼剤溶液の形態の、請求項5に記載の組成物。
  9. 化合物が、0.01〜1 % w/vの濃度で組成物中に存在する、請求項8に記載の組成物。
  10. 軟膏又はクリームの形態の、請求項5に記載の組成物。
  11. 化合物が、0.5〜5 mg/mLの濃度で組成物中に存在する、請求項10に記載の組成物。
  12. 粉末、錠剤、薬用キャンディー、トローチ、フィルム、ペースト、又はガムの形態の請求項5に記載の組成物。
  13. 錠剤の形態の、請求項5に記載の組成物。
  14. 口腔内崩壊錠(ODT)の形態の、請求項5に記載の組成物。
  15. シュガーキャンディーの形態の、請求項5に記載の組成物。
  16. ガムの形態の、請求項5に記載の組成物。
  17. チューインガムの形態の、請求項5に記載の組成物。
  18. 化合物が、0.5〜5重量%の濃度で組成物中に存在する、請求項12〜17のいずれか1項に記載の組成物。
  19. ヒトへの局所投与に好適である、請求項5〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  20. ヒトへの局所眼投与に好適である、請求項5〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  21. ヒトのまぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜、又は角膜への局所眼投与に好適である、請求項7〜11のいずれか1項に記載の組成物。
  22. ヒトへの局所経口投与に好適である、請求項5〜7及び12〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  23. ヒトの口腔の表層への局所投与に好適である、請求項5〜7及び12〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  24. ヒトの唇の内部への局所投与に好適である、請求項5〜7及び12〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  25. ヒトへの局所咽頭投与に好適である、請求項5〜7及び12〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  26. ヒトの咽頭表面への局所投与に好適である、請求項5〜7及び12〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  27. ヒトへの局所食道投与に好適である、請求項5〜7及び12〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  28. ヒトの食道表面への局所投与に好適である、請求項5〜7及び12〜18のいずれか1項に記載の組成物。
  29. ヒトへの局所肛門生殖器投与に好適である、請求項5〜7、10、及び11のいずれか1項に記載の組成物。
  30. ヒトの肛門生殖器表面への局所投与に好適である、請求項5〜7、10、及び11のいずれか1項に記載の組成物。
  31. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物を含む水性組成物を保持しているワイプ、パッド、又はタオレット。
  32. 水性組成物が化合物をさらに含む水である、請求項31に記載のワイプ、パッド、又はタオレット。
  33. 水性組成物が化合物をさらに含む等張食塩液である、請求項31に記載のワイプ、パッド、又はタオレット。
  34. 化合物が0.01〜1 % w/vの濃度で水性組成物中に存在する、請求項31〜33のいずれか1項に記載のワイプ、パッド、又はタオレット。
  35. 水性組成物が補助の眼用薬物をさらに含む、請求項31〜34のいずれか1項に記載のワイプ、パッド、又はタオレット。
  36. 補助の眼用薬物が、ポリマー潤滑油、ヒプロメロース、ポリエチレングリコール400、ヒアルロナン、又はプロパンジオールである、請求項35に記載のワイプ、パッド、又はタオレット。
  37. ヒトへの化合物の局所投与における使用のために好適である、請求項31〜36のいずれか1項に記載のワイプ、パッド、又はタオレット。
  38. ヒトへの化合物の局所眼投与における使用のために好適である、請求項31〜36のいずれか1項に記載のワイプ、パッド、又はタオレット。
  39. ヒトのまぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜又は角膜への化合物の局所眼投与における使用のために好適である、請求項31〜36のいずれか1項に記載のワイプ、パッド、又はタオレット。
  40. ヒト又は動物の体の療法による治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  41. ヒトの非角化重層上皮(NKSE)組織の不快感の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  42. ヒトの眼表面、口腔の表層、唇の内部、咽頭表面、食道表面、又は肛門生殖器表面の不快感の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  43. ヒトのまぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜、又は角膜の不快感の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  44. ヒトの口腔の表層、唇の内部、咽頭表面、又は食道表面の不快感の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  45. ヒトの肛門生殖器表面の不快感の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  46. ヒトにおける眼の不快感を治療するための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  47. 目の不快感が、コンタクトレンズの長期着用によって引き起こされる眼の不快感、眼疲労及び/又は眼精疲労によって引き起こされる眼の不快感、大気汚染物質によって引き起こされる眼の不快感、又は太陽への過度な暴露によって引き起こされる眼の不快感である、請求項46に記載の使用のための化合物。
  48. 眼の不快感が結膜炎によって引き起こされる眼の不快感である、請求項46に記載の使用のための化合物。
  49. 眼の不快感がドライアイ症候群によって引き起こされる眼の不快感である、請求項46に記載の使用のための化合物。
  50. ヒトにおける口腔粘膜炎に伴う不快感の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  51. ヒトにおける気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  52. ヒトにおける気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、及び/又は気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  53. ヒトにおける咳の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  54. ヒトにおける喘息に伴う気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  55. ヒトにおける慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難の治療のための、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。
  56. 治療が局所投与による、請求項40〜55のいずれか1項に記載の使用のための化合物。
  57. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトの非角化重層上皮(NKSE)組織の不快感の治療方法。
  58. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトの眼表面、口腔の表層、唇の内部、咽頭表面、食道表面、又は肛門生殖器表面の不快感の治療方法。
  59. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトのまぶた、まぶたの縁、眼球の前部、結膜、涙器系、前角膜、又は角膜の不快感の治療方法。
  60. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトの口腔の表層、唇の内部、咽頭表面、又は食道表面の不快感の治療方法。
  61. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトの肛門生殖器表面の不快感の治療方法。
  62. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトにおける眼の不快感の治療方法。
  63. 目の不快感が、コンタクトレンズの長期着用によって引き起こされる眼の不快感、眼疲労及び/又は眼精疲労によって引き起こされる眼の不快感、大気汚染物質によって引き起こされる眼の不快感、又は太陽への過度な暴露によって引き起こされる眼の不快感である、請求項62に記載の方法。
  64. 眼の不快感が結膜炎によって引き起こされる眼の不快感である、請求項62に記載の方法。
  65. 眼の不快感がドライアイ症候群によって引き起こされる眼の不快感である、請求項62に記載の方法。
  66. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトにおける口腔粘膜炎に伴う不快感の治療方法。
  67. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトにおける気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難の治療方法。
  68. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトにおける気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、及び/又は気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感の治療方法。
  69. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトにおける咳の治療方法。
  70. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトにおける喘息に伴う気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難の治療方法。
  71. 治療有効量の請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物の投与を含む、ヒトにおける慢性閉塞性肺疾患(COPD)に伴う気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)の圧迫感、気道(例えば、咽頭、気管、及び/又は気管支)における不快感、息苦しさ、咳、及び/又は呼吸困難の治療方法。
  72. 投与が局所投与である、請求項57〜71のいずれか1項に記載の方法。
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