JP2014502840A - 植物のバキュームインフィルトレーション方法およびシステム - Google Patents

植物のバキュームインフィルトレーション方法およびシステム Download PDF

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Abstract

本発明は、マクロ分子または微生物により植物組織に浸潤するためのシステム(1)に関する。システムは植物組織を収容するための少なくとも1つのシール可能なハッチを有するインフィルトレーションチャンバー(2)と、インフィルトレーションチャンバー内の圧力を低下させるための手段(P1)と;インフィルトレーションチャンバーと流体連通させる第1の放出バルブ(V1)とを含む。システムは、第1の放出バルブおよび圧力低下手段を協調的に操作するための制御装置(C1)をさらに含み、その結果、インフィルトレーションチャンバー中の圧力が、(i)第1の時間の期間中に開始圧力から300ミリバール以下の標的圧力まで減少され、(ii)第2の時間の期間の間標的圧力で維持され、(iii)5秒以下の第3の時間の期間内に標的圧力から少なくともおよそ1バールの最終的な圧力まで増加される。本発明は、細菌細胞により植物組織に浸潤する方法にも関する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タンパク質および対象となる他の化合物の組換え産生のための植物のバキュームインフィルトレーション方法およびシステムに関する。
タンパク質およびポリペプチドの組換え産生は植物および植物細胞の重要な応用を構成し、多くの植物種はタンパク質およびポリペプチドの組換え産生のために成功して使用されてきた。組換えタンパク質およびポリペプチドの植物における産生における興味を考慮すると、特定のタバコ植物において、経済的で労働集約型でない様式でかかるタンパク質およびポリペプチドを植物において産生する方法を開発する必要性がある。特に、工業規模で短い期間内に実質的な量の組換えタンパク質またはポリペプチドを産生する必要性がある。
発現ベクターを含むアグロバクテリウム細胞をインフィルトレーション(アグロ−インフィルトレーション)によって送達して、他の技法(粒子衝撃等)よりも有意に多数の細胞へ外来遺伝子を送達することができる。一過性発現のためのアグロバクテリウムインフィルトレーションのオリジナルの方法はKapila et al.,Plant Sci.122:101−108 (1997)によって記述され、植物組織の耐病性に有用であると考えられるタンパク質の機能性の迅速な試験のために開発された。
インタクトな植物における一過性発現によって価値のあるタンパク質を産生する能力を考慮すると、高ターンオーバーにより多数のインタクトな植物をインフィルトレーションする方法および装置の必要性がある。
本発明は、対象となるマクロ分子または微生物を含む流体と接触させたインタクトな植物全体、植物全体の部分、または植物部分(植物器官または植物組織等)の処理のためのシステムに関する。一般的には、本発明のシステムは、複数の植物全体、特にインタクトな植物全体または複数の植物部分(植物器官または植物組織等)を収容するためのインフィルトレーションチャンバー、およびチャンバーにおける圧力を低下させるための手段を含む。チャンバーは、複数の植物全体または植物組織を収容および回収することができる開口部と、チャンバーとのシール係合に適合してインフィルトレーションチャンバーを閉じるカバーと、インフィルトレーションチャンバーおよびカバーをロック位置へシール係合で放出可能に維持することのための締結手段とを含む。インフィルトレーションチャンバーは、インフィルトレーションチャンバーと圧力低下手段との間の流体経路に加えて、インフィルトレーションチャンバーまたはカバーの側面または上部を介して少なくとも1つの開口部をさらに含む。
圧力低下のための手段および放出バルブは、1つまたは複数の標的圧力をチャンバー中で達成できるように、チャンバー中の圧力を調節するために協調的に使用される。この例に限定されなるものではないが、チャンバー内部の気圧の低下を開始するために、外部への開口部はすべて閉じられ、続いて標的圧力よりも低い圧力で真空ポンプまたはバッファーチャンバーに対するバルブを開け、それによって気体(または空気)を排出し、チャンバー中の圧力を標的圧力まで低下させることが意図される。あらかじめ決定された期間が経過した後に、真空ポンプへの流体経路をバルブによって閉じ、放出バルブを開けてチャンバーが周囲気圧に戻ることを可能にする。上記のものは圧力サイクルを構成し、1または複数回反復することができる。
本発明の一実施形態において、圧力サイクルの少なくとも1つは、0.5バール未満、特に0.25バール未満、特に0.15バール未満、特に0.1バール未満、特に0.05バール未満の圧力で、植物全体、植物全体の部分、または植物部分を処理することを含む。
インフィルトレーションチャンバーは、本発明の目的のための一定の形状を維持し、本発明において使用される流体に対する透過性がない当該技術分野において公知の任意の材料から作製することができる。インフィルトレーションチャンバーは任意の形状、例えば、円筒状であるが、これに限定されないものであり得、50リットル、100リットル、200リットル、300リットル、400リットル、500リットル、750リットル、1000リットル、1500リットル、2000リットルもしくは3000リットル以上、またはその体積の任意の中間値の内部体積を有することができる。
第1の態様では、本発明は、マクロ分子または微生物により植物組織に浸潤するためのシステムであって、(i)植物組織を収容するための少なくとも1つのシール可能なハッチを有するインフィルトレーションチャンバーと;(ii)インフィルトレーションチャンバー内の圧力を低下させるための手段と;(iii)インフィルトレーションチャンバーと流体連通させる第1の放出バルブと;(iv)第1の放出バルブおよび圧力低下手段を協調的に操作するための制御装置とを含み、その結果、インフィルトレーションチャンバー中の圧力が、(i)第1の時間の期間中に開始圧力から300ミリバール以下の標的圧力まで減少され、(ii)第2の時間の期間の間標的圧力で維持され、(iii)5秒以下の第3の時間の期間内に標的圧力から少なくともおよそ1バールの最終的な圧力まで増加される、システムを提供する。システムは、圧力低下手段とインフィルトレーションチャンバーとの間に提供される第2のバルブをさらに含むことができる。第2のバルブはインフィルトレーションチャンバー内の圧力の調節に好適であり得る。制御装置は第1の放出バルブ、圧力低下手段および第2のバルブを制御することができる。
システムは、標的(操作)圧力のコントロールを可能にし、いったん経過してから放出バルブの開口を引き起こすあらかじめ決定された第2の時間の期間を設定することも可能である。システムは、インフィルトレーションチャンバー内に圧力の測定のための圧力センサー;および/またはインフィルトレーションチャンバー内に温度の測定のための温度センサーを含むことができる。センサー(複数可)を制御装置に連結することができる。使用に際して、センサー(複数可)は制御装置へのフィードバックを行なうことができ、それによってシステム内に条件の調整を可能にする。
インフィルトレーションチャンバーは、5分以下、特に4分以下、特に3分以下、特に2分以下、または特に1分以下の期間の間標的圧力で維持することができる。
インフィルトレーションチャンバー内の圧力は、5秒以下、特に4秒以下、特に3秒以下、特に2秒以下、または特に1秒以下の期間内に少なくとも実質的に1バールに戻すことができる。
圧力低下手段は、インフィルトレーションチャンバー内の陰圧の確立のためにバッファーチャンバー、真空ポンプまたは両方を含むことができる。インフィルトレーションチャンバーおよびバッファーチャンバーは流体経路を介して互いに連結することができ、経路を介する流体のフローは制御バルブによって調節される。使用に際して、真空ポンプはバッファーチャンバー中の圧力を所望される標的圧力以下の圧力まで低下させることができ、次いで制御バルブを開いて、インフィルトレーションチャンバーおよびバッファーチャンバーを互いと連通させる。インフィルトレーションチャンバー内の圧力は、それによって所望される標的圧力まで減少させることができる。このアプローチは、インフィルトレーションチャンバー内の圧力を所望される標的圧力まで迅速に減少させ、それによってサイクル時間を減少させるので、有利である。真空ポンプは例えば前記バッファーチャンバー中の圧力を低下させることができ、一方植物全体、植物全体の部分、または植物部分が、次のサイクルのために準備ができているインフィルトレーションチャンバーから導入/取り出される。1つ以上のバッファーチャンバーを提供することができる。互いに連続でまたは並列でバッファーチャンバーを連結することができる。
システムは、およそ300ミリバール、200ミリバール、150ミリバール、100ミリバール、75ミリバール、50ミリバールまたは25ミリバール以下の標的圧力をインフィルトレーションチャンバー内で確立するように操作可能であり得る。Nicotiana benthamianaのインフィルトレーションには、200ミリバールの標的圧力が十分であることが見出されているが、100ミリバールのより低い標的圧力がNicotiana tabacumのために好ましい。
制御装置は、4分、3分、2分または1分以下の第2の時間の期間の維持に適合させることができる。さらに、第1の放出バルブが開けられるとき、インフィルトレーションチャンバーは、およそ5秒、4秒、3秒、2秒または1秒以下の第3の時間の期間内に1バールの圧力まで戻るように構成することができる。
システムは、圧力低下手段によってインフィルトレーションチャンバーからマクロ分子および微生物(細菌等)を回収および取り出すための回収器具(Woulffボトル等)をさらに含むことができる。フィルター(Hepaフィルター等)は、マクロ分子および微生物が適切に捕捉されることを保証するように提供できる。フィルターは典型的には、圧力低下手段と回収器具との間に提供されるだろう。
本発明に従ってインフィルトレーションできるマクロ分子の例は、タンパク質、タンパク質複合体、脂質、リポタンパク質複合体、ミセル、リポソーム、炭水化物ポリマー、ポリヌクレオチド、誘導体化ポリヌクレオチド、プラスミド、人工染色体、細胞内小器官、核、葉緑体、ミトコンドリア、油体、タンパク質顆粒、ウイルス様粒子、デンドリマー、結晶、分子的スキャフォールド、ナノ粒子、微粒子、磁気粒子、および100nm〜100マイクロメートルにわたるサイズの製造された物体を含む。本発明に従ってインフィルトレーションすることができる微生物の例は、ウイルス、細菌、原虫類および菌類(胞子)を含むが、これらに限定されない。好ましい実施形態において、細菌細胞はインフィルトレーションにおいて使用され、かかる細胞は以下の属の任意の1つのメンバーであり得る。Agrobacterium、Rhizobium、Sinorhizobium、Mesorhizobium、Pseudomonas、Azospirillum、Rhodococcus、Phyllobaterium、Xanthomonas、BurkholderiaおよびErwinia。最も好ましいアグロバクテリウム種はA.tumefaciensまたはA.rhizogenesである。本発明の好ましい実施形態において、植物全体、植物全体の部分、または植物部分は、アグロバクテリウム細胞と接触される。接触は植物またはその部分をアグロバクテリウム細胞の懸濁物に浸すことを含み、懸濁物は、少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0または4.5のOD600を含む。
システムは、対象となるマクロ分子または微生物(細菌細胞等)と複数の植物全体または植物部分が接触される手段を任意で提供することができる。特定の実施形態において、対象となるマクロ分子または微生物と植物全体または植物部分の接触は、インフィルトレーションチャンバーの内部で実行される。特定の実施形態において、本発明では、インタクトな植物全体をチャンバーの内部で上下逆さまで配置し、葉をマクロ分子または微生物(細菌細胞等)を含む液体中に完全に浸漬すると規定する。本発明の様々な実施形態において、インフィルトレーションチャンバーまで複数の植物を輸送するための手段、インフィルトレーションチャンバーの中に複数の植物を入れるための手段はシステムの中へ組込まれる。好ましくは、輸送のための手段、ローディングのための手段、または両方は各々機械化され、より好ましくは少なくとも部分的に自動化される。
システムは、イノキュレーション間のインフィルトレーションチャンバーを洗浄する蒸気発生器を含むことができる。あるいは、インフィルトレーションチャンバーは、微生物インフィルトレーション(アグロバクテリウムを使用するアグロインフィルトレーション等)間に、例えば漂白剤または好適な化学的薬剤(VirkonまたはNaOH等)を使用して、化学的に洗浄することができる。微生物イノキュラムが次のサイクルについて同じである限り、インフィルトレーションの間に洗浄を実行する必要はない。イノキュラムは、第1のセットの植物をインフィルトレーションし、取り出し、および第2のセットの植物をインフィルトレーションするなどのように、複数回使用することができる。異なるイノキュラムを使用する予定ならば、汚染除去が適切である。
別の実施形態において、インフィルトレーションチャンバーはチャンバーの側面に1つの放出バルブまたは複数の注入口もしくは放出バルブを含む。注入口(複数可)、放出バルブ(複数可)または両方は一般的なマニホールドに連結することができ、それはそして外部または空気、気体もしくは不活性ガスを含む他の容器に他のバルブを介して連結される。複数の注入口は、チャンバーを周囲気圧またはより高い圧力に急速に戻すことにおいて有用である。インフィルトレーションチャンバー中の注入口または放出バルブの配置は、空気または気体が注入口および放出バルブを介してチャンバーの中へ再導入されるとき、チャンバー内部の乱流を最小限にするようにデザインされる。
上記の機器に加えて、本発明のシステムは、バルブ(例えば逃がしバルブ、チェックバルブ、手動バルブ、作動バルブ、ニードルバルブおよび同種のものに加えて前述のバルブのうちの少なくとも1つを含む組み合わせ)、フィルター(例えば細菌用フィルター、粒子用フィルターおよび同種のものに加えてその組み合わせ)、センサー(例えば圧力、温度、フロー、湿度、伝導性、気体混合物、液体レベルおよび同種のものに加えて前述のセンサーのうちの少なくとも1つを含む組み合わせ)、温度の制御(加熱器、熱交換器、冷却器、ドライヤーおよび同種のもの等)、圧力の制御(真空ポンプ、コンプレッサーおよび同種のもの等)、フロー制御(ポンプ、ファン、ブロワーおよび同種のもの等)に加えて、前述の制御のうちの少なくとも1つを含む組み合わせ、および導管(例えば流体用導管および電線用導管および同種のもの)に加えて、前述の導管の少なくとも1つを含む組み合わせ等の様々な他の機器をさらに任意で含むことができる。
上記の機器に加えて、本発明のシステムは、複数の植物全体または植物部分(植物器官または植物組織等)をある場所からチャンバーへ輸送するための機械化または自動化された手段、細菌細胞と複数の植物全体または植物組織の接触を促進するための機械化または自動化された手段、チャンバー中の複数の植物全体または植物組織を収容するための機械化または自動化された手段、チャンバー中の複数の植物全体または植物部分(植物器官または植物組織等)を配置および再配置するための機械化または自動化された手段、チャンバーから複数の植物全体または植物部分を回収するための機械化または自動化された手段をさらに任意で含むことができる。好ましくは、1つまたは複数の前述の手段は、プログラム可能な電気的機械システムであり、モーターによる輸送システム、工場自動化システム、セキュリティーシステム、プロセス制御システム、データ通信システム、データ保存システムおよび計算システムを含むが、これらに限定されない。
当業者は、本明細書において記載される様々な実施形態を、広範囲の電気部品(ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはその実質的な任意の組み合わせ等);および機械力または運動を与え得る広範囲の部品(剛体、バネもしくはねじり体、液圧機械および電磁気によって作動する装置、またはその任意の組み合わせ等)を有する様々なタイプの電気的機械システムによって、個別にまたは集合的に実施できることを認識するだろう。機械力または運動は典型的には、様々なバルブの開口もしくは閉鎖または本発明のシステムの特異的な部分内の流体フローの調節をもたらす。したがって、本明細書において使用される時「電気的機械システム」は、トランスデューサー(例えば作動装置、モーター、圧電性結晶など)と操作可能にカップルされた電気回路、少なくとも1つの個別の電気回路を有する電気回路、少なくとも1つの集積回路を有する電気回路、少なくとも1つの特定用途向け集積回路を有する電気回路、コンピュータープログラムによって構成された汎用計算装置を形成する電気回路(例えば本明細書において記述されるプロセスもしくは装置または両者を少なくとも部分的に実行するコンピュータープログラムによって構成される汎用コンピューター、または本明細書において記述されるプロセスもしくは装置または両者を少なくとも部分的に実行するコンピュータープログラムによって構成されるマイクロプロセッサー)、メモリー装置を形成する電気回路(例えばランダムアクセスメモリの形態)、コミュニケーション装置を形成する電気回路(例えばモデム、コミュニケーションスイッチまたは光学電気機器)、およびそれらに対する任意の非電気的アナログ(光学的アナログまたは他のアナログ等)を含むが、これらに限定されない。
システムは、1つ以上のインフィルトレーションチャンバー、1つ以上のバッファーチャンバー、または1つ以上のインフィルトレーションチャンバーおよび1つ以上のバッファーチャンバーを含むことができる。
本システムは、植物(または植物部分)、例えば穀類作物植物(コムギ、カラスムギ、オオムギ、トウモロコシ、ライムギ、ライコムギ、コメ、キビ、ソルガム、キノア、アマランサスおよびソバ等);飼料作物植物(アルファルファ、カラスノエンドウ、クローバおよび同種のものを含む飼料用草および飼料用双子葉植物等);脂肪種子作物植物(綿、ベニバナ、ヒマワリ、ダイズ、キャノーラ、ナタネ、アマ、ピーナッツおよびアブラヤシ等);樹木の木の実(クルミ、カシュー、ヘーゼルナッツ、ピーカン、アーモンドおよび同種のもの等);サトウキビ、ココナッツ、ナツメヤシ、オリーブ、テンサイ、茶およびコーヒー;木材またはパルプを産生する樹木;マメ科植物(例えばマメ、エンドウ、ヒラマメ、アルファルファ、ピーナッツ)、レタス、アスパラガス、アーティチョーク、セロリ、ニンジン、ラディッシュ、アブラナ科植物(例えばキャベツ、ケール、カラシナおよび他の葉が多いアブラナ科植物、ブロッコリ、カリフラワー、メキャベツ、カブ、コールラビ)、ウリ科植物(例えばキュウリ、メロン、夏カボチャ、冬カボチャ)、ネギ科植物(例えばタマネギ、ニンニク、リーキ、エシャロット、チャイブ)、ナス科植物のメンバー(例えばトマト、ナス、ジャガイモ、コショウ、ホオズキ)、およびアカザ科の植物のメンバー(例えばビート、フダンソウ、ホウレンソウ、キノア、アマランサス);リンゴ、西洋ナシ、柑橘類(例えばオレンジ、ライム、レモン、グレープフルーツおよび他のもの)、核果(例えばアプリコット、モモ、プラム、ネクタリン)、バナナ、パイナップル、ブドウ、キーウィフルーツ、パパイア、アボカドおよびベリー;ならびに観賞用顕花植物、観賞用樹木および低木、観賞用地被植物ならびに観賞用草を含む観賞用植物の大スケールインフィルトレーションに好適である。双子葉植物のさらなる例は、キャノーラ、綿、ジャガイモ、キノア、アマランサス、ソバ、ベニバナ、ダイズ、テンサイおよびヒマワリ、より好適にはダイズ、キャノーラおよび綿を含むが、これらに限定されない。単子葉植物のさらなる例は、コムギ、カラスムギ、オオムギ、トウモロコシ、ライムギ、ライコムギ、コメ、観賞用草および飼料草、ソルガム、キビならびにサトウキビを含むが、これらに限定されない。
植物または植物部分は、以下の科のうちの1つからの種を含む単子葉植物もしくは双子葉植物またはそれらの植物細胞システムであり得るかまたはそれらに由来し得る。Acanthaceae、Alliaceae、Alstroemeriaceae、Amaryllidaceae、Apocynaceae、Araceae、Asteraceae、Berberidaceae、Bixaceae、Brassicaceae、Bromeliaceae、Cannabaceae、Caryophyllaceae、Cephalotaxaceae、Chenopodiaceae、Colchicaceae、Cucurbitaceae、Dioscoreaceae、Ephedraceae、Erythroxylaceae、Euphorbiaceae、Fabaceae、Lamiaceae、Lemnaoideae、Linaceae、Lycopodiaceae、Malvaceae、Melanthiaceae、Musaceae、Myrtaceae、Nyssaceae、Papaveraceae、Pinaceae、Plantaginaceae、Poaceae、Rosaceae、Rubiaceae、Salicaceae、Sapindaceae、Solanaceae、Taxaceae、Theaceae、またはVitaceae。好適な種は、属、Abelmoschus、Abies、Acer、Agrostis、Allium、Alstroemeria、Ananas、Andrographis、Andropogon、Artemisia、Arundo、Atropa、Berberis、Beta、Bixa、Brassica、Calendula、Camellia、Camptotheca、Cannabis、Capsicum、Carthamus、Catharanthus、Cephalotaxus、Chrysanthemum、Cinchona、Citrullus、Coffea、Colchicum、Coleus、Cucumis、Cucurbita、Cynodon、Datura、Dianthus、Digitalis、Dioscorea、Elaeis、Ephedra、Erianthus、Erythroxylum、Festuca、Fragaria、Galanthus、Glycine、Gossypium、Helianthus、Hevea、Hordeum、Hyoscyamus、Jatropha、Lactuca、Linum、Lolium、Lupinus、Lycopersicon、Lycopodium、Manihot、Medicago、Mentha、Miscanthus、Musa、Nicotiana、Oryza、Panicum、Papaver、Parthenium、Pennisetum、Petunia、Phalaris、Phleum、Pinus、Poa、Poinsettia、Populus、Rauwolfia、Ricinus、Rosa、Saccharum、Salix、Sanguinaria、Secale、Solanum、Sorghum、Spartina、Spinacea、Tanacetum、Taxus、Theobroma、Triticosecale、Triticum、Uniola、Veratrum、Vinca、Vitis、およびZeaのメンバーを含み得る。
他の好適な種は、Panicum属の種、Sorghum属の種、Miscanthus属の種、Saccharum属の種、Erianthus属の種、Populus属の種、Andropogon gerardii(ビッグブルーステム)、Pennisetum purpureum(エレファントグラス)、Phalaris arundinacea(クサヨシ)、Cynodon dactylon(バミューダグラス)、Festuca arundinacea(ヒロハノウシノケグサ)、Spartina pectinata(プレーリーコードグラス)、Medicago sativa(アルファルファ)、Arundo donax(ダンチク)、Secale cereale(ライムギ)、Salix属の種(ヤナギ)、Eucalyptus属の種(ユーカリ)、Triticosecale(Triticum属−コムギ×ライムギ)、タケ、Helianthus annuus(ヒマワリ)、Carthamus tinctorius(ベニバナ)、Jatropha curcas(ジャトロファ)、Ricinus communis(キャスター)、Elaeis guineensis(ヤシ)、Linum usitatissimum(アマ)、Brassica juncea、Beta vulgaris(テンサイ)、Manihot esculenta(キャッサバ)、Lycopersicon esculentum(トマト)、Lactuca sativa(レタス)、Musa paradisiaca(バナナ)、Solanum tuberosum(ジャガイモ)、Brassica oleracea(ブロッコリ、カリフラワー、芽キャベツ)、Camellia sinensis(茶)、Fragaria ananassa(イチゴ)、Theobroma cacao(ココア)、Coffea arabica(コーヒー)、Vitis vinifera(ブドウ)、Ananas comosus(パイナップル)、Capsicum annum(トウガラシおよび甘トウガラシ)、Allium cepa(タマネギ)、Cucumis melo(メロン)、Cucumis sativus(キュウリ)、Cucurbita maxima(カボチャ)、Cucurbita moschata(カボチャ)、Spinacea oleracea(ホウレンソウ)、Citrullus lanatus(スイカ)、Abelmoschus esculentus(オクラ)、Solanum melongena(ナス)、Rosa属の種(バラ)、Dianthus caryophyllus(カーネーション)、Petunia属の種(ペチュニア)、Poinsettia pulcherrima(ポインセチア)、Lupinus albus(ルピナス)、Uniola paniculata(カラスムギ)、ベントグラス(Agrostis属の種)、Populus tremuloides(アスペン)、Pinus属の種(マツ)、Abies属の種(モミ)、Acer属の種(カエデ)、Hordeum vulgare(オオムギ)、Poa pratensis(ブルーグラス)、Lolium属の種(ライグラス)およびPhleum pratense(オオアワガエリ)、Panicum virgatum(スイッチグラス)、Sorghum bicolor(ソルガム、スーダングラス)、Miscanthus giganteus(ススキ)、Saccharum属の種(エネルギー用サトウキビ)、Populus balsamifera(ポプラ)、Zea mays(トウモロコシ)、Glycine max(ダイズ)、Brassica napus(キャノーラ)、Triticum aestivum(コムギ)、Gossypium hirsutum(綿)、Oryza sativa(コメ)、Helianthus annuus(ヒマワリ)、Medicago sativa(アルファルファ)、Beta vulgaris(テンサイ)、Pennisetum glaucum(トウジンビエ)、ウキクサ、またはレタスを含み得る。
特に好適な実施形態において、植物または植物部分は、天然に存在するタバコ植物、突然変異タバコ植物、天然に存在しないタバコ植物またはトランスジェニックタバコ植物であり得るか、またはそれらに由来し得る。タバコ植物は、Nicotiana属の植物、N.rusticaおよびN.tabacumを含むNicotiana属の様々な種を含む。他の種は、N.acaulis、N.acuminata、N.acuminata多花性変種、N.africana、N.alata、N.amplexicaulis、N.arentsii、N.attenuata、N.benavidesii、N.benthamiana、N.bigelovii、N.bonariensis、N.cavicola、N.clevelandii、N.cordifolia、N.corymbosa、N.debneyi、N.excelsior、N.forgetiana、N.fragrans、N.glauca、N.glutinosa、N.goodspeedii、N.gossei、N.hybrid、N.ingulba、N.kawakamii、N.knightiana、N.langsdorffii、N.linearis、N.longiflora、N.maritima、N.megalosiphon、N.miersii、N.noctiflora、N.nudicaulis、N.obtusifolia、N.occidentalis、N.occidentalis亜種hesperis、N.otophora、N.paniculata、N.pauciflora、N.petunioides、N.plumbaginifolia、N.quadrivalvis、N.raimondii、N.repanda、N.rosulata、N.rosulata亜種ingulba、N.rotundifolia、N.setchellii、N.simulans、N.solanifolia、N.spegazzinii、N.stocktonii、N.suaveolens、N.sylvestris、N.tabacum、N.thyrsiflora、N.tomentosa、N.tomentosiformis、N.trigonophylla、N.umbratica、N.undulata、N.velutina、N.wigandioidesおよびN.xsanderaeを含む。
栽培品種または選良栽培品種であるかまたはそれらに由来する植物または植物部分の本システムにおける使用も意図される。品種または栽培品種の非限定例は以下のとおりである。BD64、CC101、CC200、CC27、CC301、CC400、CC500、CC600、CC700、CC800、CC900、Coker 176、Coker 319、Coker 371 Gold、Coker 48、CD 263、Denzizli、DF911、Galpaoタバコ、GL26H、GL350、GL600、GL737、GL939、GL973、HB04P、K149、K326、K346、K358、K394、K399、K730、KDH959、KT200、KT204LC、KY10、KY14、KY160、KY17、KY171、KY907、KY907LC、KTY14×L8LC、Karabaglar、Little Crittenden、McNair 373、McNair 944、msKY14×L8、Narrow Leaf Madole、NC100、NC102、NC2000、NC291、NC297、NC299、NC3、NC4、NC5、NC6、NC7、NC606、NC71、NC72、NC810、NC BH129、NC2002、Neal Smith Madole、OXFORD 207、「Perique」タバコ、PVH03、PVH09、PVH19、PVH50、PVH51、R610、R630、R7−11、R7−12、RG17、RG81、RGH51、RGH4、RGH51、RS1410、Speight 168、Speight 172、Speight 179、Speight 210、Speight 220、Speight 225、Speight 227、Speight 234、Speight G−28、Speight G−70、Speight H−6、Speight H20、Speight NF3、TI1406、TI1269、TN86、TN86LC、TN90、TN97、TN97LC、TND94、TN D950、TR (Tom Rosson) Madole、Turkish Samson、VA309、VA359、DAC、Mata、Fina、PO2、BY−64、AS44、RG17、RG8、HB04P、Basma Xanthi BX 2A、Coker 319、Hicks、McNair 944(MN944)、Burley、K149、Yaka JB 125/3、Kasturi Mawar 21、NC297、Coker 371 Gold、PO2、Wislica、Simmaba、Turkish Samsun、AA37−1、B13P、BU21×Hoja Parado系統97の交配からのF4、Samsun、PO1、LA B21、LN KY171、TI 1406、Basma、Galpao、Beinhart 1000−1、またはPetico。N.tabacum栽培品種の非限定例は、AA 37−1、B 13P、Xanthi(Mitchell−Mor)、KTRD#3ハイブリッド107、Bel−W3、79−615、Samsun Holmes NN、KTRDC#2ハイブリッド49、KTRDC#4ハイブリッド110、Burley 21、BY−64、KTRDC#5 KY 160 SI、KTRDC#7 FCA、KTRDC#6 TN 86 SI、Coker 371 Gold、K149、K326、K346、K358、K394、K399、K730、KY10、KY14、KY160、KY17、KY8959、KY9、KY907、MD609、McNair 373、NC2000、PG01、PG04、M066、PO1、PO2、PO3、RG11、RG17、RG8、Speight G−28、TN86、TN90、VA509、AS44、Banket A1、Basma Drama B84/31、Basma I Zichna ZP4/B、Basma Xanthi BX 2A、Batek、Besuki Jember、C104、Coker 319、Coker 347、Criollo Misionero、DAC Mata Fina、Delcrest、Djebel 81、DVH 405、Galpao Comum、HB04P、Hicks Broadleaf、Kabakulak Elassona、Kasturi Mawar、Kutsage E1、KY14×L8、KY171、LA BU 21、McNair 944 、NC2326、NC71、NC297、NC3、PVH 03、PVH09、PVH19、PVH2110、Red Russian、Samsun、Saplak、Simmaba、Talgar 28、Turkish Samsun、Wislica、Yayaldag、NC4、TR Madole、Prilep HC−72、Prilep P23、Prilep PB 156/1、Prilep P12−2/1、Yaka JK−48、Yaka JB 125/3、TI−1068、KDH−960、TI−1070、TW136、Samsun NN、Izmir、Basma、TKF4028、L8、TKF2002、TN90、GR141、Basma xanthi、GR149、GR153、Petit HavanaまたはXanthi NNである。
さらなる態様では、本発明は、マクロ分子または微生物により植物組織に浸潤する方法であって、(a)インフィルトレーションチャンバーの中へ植物組織を導入する工程と;(b)インフィルトレーションチャンバー内の圧力を第1の時間の期間中に300ミリバール以下の標的圧力まで低下させる工程と;(c)インフィルトレーションチャンバー内の前記標的圧力を5分以下の第2の時間の期間の間維持する工程と;(d)インフィルトレーションチャンバー内の圧力を5秒以下の第3の時間の期間内に少なくとも実質的に1バールに戻す工程とを含む方法に関する。
標的圧力は、インフィルトレーションチャンバー内で、およそ300ミリバール、200ミリバール、150ミリバール、100ミリバール、75ミリバール、50ミリバールまたは25ミリバール以下であり得る。Nicotiana benthamianaのインフィルトレーションには、200ミリバールの標的圧力が十分であることが見出されているが、100ミリバールのより低い標的圧力がNicotiana tabacumのために好ましい。
インフィルトレーションチャンバー内で圧力を低下させる工程(工程(b))は、(i)バッファーチャンバー内の圧力をインフィルトレーションチャンバーの標的圧力よりも低く低下させる工程と、(ii)インフィルトレーションチャンバーおよびバッファーチャンバーを互いと流体連通させる工程とを含み得る。圧力サイクルは、典型的には工程(b)、(c)および(d)を含む。しかしながら、各々の中間の圧力サイクルにおいて、各回でインフィルトレーションチャンバー内の圧力(工程(d))を1バールに戻す必要はない。例えば、圧力は、圧力サイクルが反復される各回で、部分的にまたは実質的に1バールまで戻すことができる。
本発明の一実施形態において、方法は、植物全体、植物全体の部分、または植物部分を処理する工程を含む。工程は、少なくとも1サイクル、特に少なくとも2サイクル、特に少なくとも3サイクル、特に少なくとも4サイクル、特に少なくとも5サイクル、特に少なくとも6サイクルを含む。方法は、イノキュレーション間のインフィルトレーションチャンバーを洗浄する工程を含むことができる。蒸気または化学物質によって洗浄を実行することができる。
定義
本出願の範囲内で使用される専門的な用語および表現は、概して植物生物学の関連技術において一般に適用される意味が与えられるべきである。
すべての以下の用語の定義は本出願の全部の内容へ適用される。単語「含むこと」は、他のエレメントまたは工程を除外せず、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は複数を除外しない。単工程は請求項中に列挙された複数の特徴の機能を満たすことができる。「本質的に」、「約」、「およそ」という用語および同種のものは、特に属性または値と関連して、正確な属性または正確な値もそれぞれ定義する。「約」という用語は、与えられた数の値または範囲の文脈において、与えられた値または範囲の20%内、10%内、5%内、または2%内にある値または範囲を指す。
本発明内で使用される時「植物」は、任意の発生ステージの、インタクトな植物、実質的にインタクトな植物、植物全体、または実質的に植物全体、およびその子孫を指す。
本発明内で使用される時「植物部分」は、切り枝、植物器官、植物組織または植物細胞を含む、植物のいずれかの部分を指し、その植物部分は、植物の分離された部分またはインタクトな植物全体の部分であり得る。
本発明内で使用される時「植物細胞」は、花粉、胚珠および接合子を含む植物の構造的単位および生理的単位を指す。植物細胞は、細胞壁のないプロトプラスト、分離された単一細胞、培養された細胞、またはより高度に組織化された単位(インタクトな植物全体を含む、植物組織、植物器官、または植物全体等であるがこれらに限定されない)の部分としての細胞の形態であり得る。
本明細書において使用される時「植物組織」は、構造的単位または機能的単位へと組織化される複数の植物細胞を意味する。これは植物体または培養における植物の任意の組織を含む。
本明細書において使用される時「植物器官」は、植物の別個の部分または分化した部分(根、茎、葉、花、花部分、花芽、胚、種子または果物等であるが、これらに限定されない)を指す。
本発明内で使用される時「植物材料」は、葉、茎、根、花または花部、果物、花粉、胚珠、接合子、種子、切り枝および植物の任意の他の部分を含む、植物体または培養のいずれかにおける、植物、その組織および器官から得ることができる分泌物または抽出物を含むが、これらに限定されない任意の固体、液体または、気体の組成物、またはその組み合わせを指す。
本発明内で使用される時「植物細胞培養」は、プロトプラスト、細胞培養細胞、培養された植物の組織中の細胞、外植体中の細胞および花粉培養等であるが、これらに限定されない植物細胞の培養を包含する。
本発明内で使用される時「タバコ植物」は、Nicotiana tabacum(またはN.tabacum)を含むがこれらに限定されないNicotiana属に属する種の植物を指す。本発明の特定の実施形態は、Nicotiana tabacumに特定せずに「タバコ植物」という用語を使用して本明細書において記載され、かかる記述はNicotiana tabacumを特に含むと解釈される。
「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書においてヌクレオチドのポリマー(非修飾または修飾されたデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)であり得る)を指すとして使用される。本明細書において使用される時「バキュームインフィルトレーション」という用語は、細胞間または間質空間の中へ病原菌(例えばアグロバクテリウム)の浸透を可能にする方法および植物と病原菌との間の相互作用を研究する方法に関する。物理的に、真空は、植物の組織中の細胞の間の空気空間を減少させる陰性の大気圧を生成する。継続期間が長いほどおよび真空の圧力が低いほど、植物の組織内の空気空間は少ない。圧力の増加により、インフィルトレーション培地(感染性形質転換ベクターを含む)が植物の組織の中へ移動することが可能になる。植物形質転換のために、細菌細胞の存在下において植物部分に一定の時間の期間で真空を適用することができる。
本明細書において使用される時「大気圧」という用語は、地球大気においてその表面より上の空気の重さによって表面に対してかけられる単位面積あたりの力を定義する。圧力は、単位面積あたりの表面上にかけられる力または重さであり、パスカル(Pa)で測定される。キログラム質量によって表面上にかけられる圧力は9.8Paに等しい。全大気によって地球表面上にかけられる圧力はおよそ100,000Paである。通常、大気圧はミリバール(mb)で示される。1mbは100Paと等しく、したがって標準大気圧は約1000mbである。実際、大気圧の実際の値は場所、高度および天候に依存して変動する。海面で、一般的には観測値は970mb〜1040mbの範囲にわたる。圧力が高度とともに減少するので、様々な位置で観察された圧力を同じレベル(通常海面)に調節しなければならない。
特別に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。当業者に公知の様々な方法論が本明細書において参照される。参照されたかかる公知の方法論を説明する出版物および他の材料は、それらの全体の参照によって完全に説明されるかのように本明細書に援用される。本発明の実行は、特別の指示の無い限り、化学、分子生物学、微生物学および植物生物学の従来の技法を用い、これらは当該技術分野の技術内である。
当業者に公知の任意の好適な材料および方法を本発明の実行において利用することができるが、好ましい材料および方法が記載される。以下の記述および実施例において参照される材料、試薬および同種のものは、特に断りのない限り商業的供給源から得ることができる。
流体圧力が、本発明の方法が実施される場所で、閉鎖システムの外側の周囲気圧未満である場合、陰圧と称される。植物全体、植物全体の部分または植物部分(植物器官または植物組織等)および細菌が、周囲気圧よりも低い標的圧力に曝露された場合、陰圧が提供される。周囲気圧は方法が実施される場所の高度および方法が実施される時間の天候に依存して変動し、当該技術分野において公知の技法および機器によって容易に決定することができる。
多くの単位を使用して圧力の値を表現することができる。例えば、バールは100キロパスカルと等しく、海面での地球上の大気圧とおよそ等しい圧力の単位である。大気圧は多くの場合ミリバールで与えられ、標準的な海面圧力(1気圧)は1013.25ミリバール(hPa)として定義され、1.01325バールと等しい。
本発明において有用な陰圧値は周囲気圧のパーセンテージ値に換算して表現することができ、例えばそして限定されずに、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、または任意の中間値、または前述のものよりも低い任意の値である。あるいは陰圧は絶対値に換算して表現することができ、例えばそして限定されずに、0.9atm、0.8atm、0.7atm、0.6atm、0.5atm、0.4atm、0.3atm、0.2atm、0.1atm、0.05atm、0.03atm、0.02atm、0.01atm、または任意の中間値、または前述のものを超える任意の値である。周囲気圧が記述中で比較のために本明細書において提供されない場合、周囲気圧は海面での地球上の標準大気圧であることが意図される。
本明細書において使用される「圧力サイクル」という用語は、一定の時間の期間にわたる圧力における1シリーズの変化を指す。一実施形態において、圧力サイクルは標的圧力(すなわち、与えられた期間内で到達されるべき圧力)を含む。例えば、チャンバー中の所望される圧力は、圧力サイクルの間に周囲気圧と平衡状態から開始し標的圧力へ変化し周囲気圧に戻る。したがって、本発明において使用されるチャンバーは、大気より下に圧力を減少させることによって圧力サイクルを開始し、大気と平衡化することによって圧力サイクルを終えることができる。
本発明の様々な実施形態において、開始圧力および終末圧力が異なり、各々は周囲気圧と異なり得る。圧力サイクルは、特定の実施形態において複数の標的圧力(例えば第1の標的圧力、第2の標的圧力、第3の標的圧力など)を含み得る。したがって、異なる圧力サイクルは、各々異なる開始圧力および終末圧力、ならびに任意の数の不連続の中間標的圧力または開始圧力から終末圧力への連続的な推移を有することができる。
本発明の好ましい実施形態は、ここで以下に添付の図を参照して単なる例として記述される。
本発明に記載のシステムの概略図面を示した図である。 装置中の圧力を低下させるための修飾した構成の概略図面を示した図である。
植物の中へのアグロバクテリウム細胞のインフィルトレーションのためのシステム1の好ましい実施形態を、ここで図1および2を参照して記述する。植物は、Nicotiana属、および本実施形態においてNicotiana tabacumであり得る。システムは工業プロセスの一部として使用することが意図される。
図1中で示されるように、システム1は、制御バルブV1、放出バルブV2、圧力センサーM1および温度センサーTfを有するインフィルトレーションチャンバー2を含む。インフィルトレーションチャンバー2中の真空の形成のための真空ポンプP1に接続された真空ラインにおいて、制御バルブV1が提供される。
制御バルブV1、放出バルブV2および真空ポンプP1はすべて、プログラマブル制御装置C1によって制御される。圧力センサーM1は、インフィルトレーションチャンバー2内の圧力の測定に好適である。圧力センサーM1は制御装置C1にも連結されて、インフィルトレーションチャンバー2内の圧力に関するフィードバックを提供する。温度センサーが提供されて、インフィルトレーションチャンバー2内の温度をモニタリングし、制御装置C1にさらなるフィードバックを提供する。制御バルブV1は、オン/オフタイプのバルブまたは比例バルブであり得る。
インフィルトレーションチャンバー2は、イノキュラムタンクを収容するサイズにされる。本実施形態において、インフィルトレーションチャンバー2の内部寸法は565mm×325mm×500mm[長×幅×高]であり、92リットルの全体積を提供する。植物をインフィルトレーションチャンバー2中に置いて、イノキュレーションを行ない、一旦イノキュレーションサイクルが完了したならば取り出す。インフィルトレーションチャンバーの中へ一度に最高54の植物(各々90mm×120mm(3.5″×4.7″)の典型的な寸法を有する)をロードできることが意図される。植物の1つの層を細菌の溶液中に上下逆さまで吊り下げ、真空を適用することによって一度に処理することができる。したがって、処理のためにロードされる植物の数が植物を成長させたポットサイズおよび密度に応じることは理解されるだろう。例えば、100×100×100mmのポットサイズでは、1×1×1メートルの内部寸法を持つチャンバー中に100の植物を有することができる。インフィルトレーションのための植物は、1平方メートルあたり25、50、75、100、1000までの植物の密度で成長されている。
植物の導入/取り出しを可能にするために、ハッチ(図示せず)をインフィルトレーションチャンバー2の上部に形成する。システム1はローディング機構(図示せず)も備えて提供されて、人間工学的ストレスの減少を支援または自動化を促進することができる。好適なイノキュラムは、実施例1として以下に記述される。
インフィルトレーションチャンバー2の上部においてハッチを形成するのではなく、インフィルトレーションチャンバー2の側面でのローディングを可能にするように、側面壁において1つまたは複数のハッチを提供することができる。これはプロセス効率を改善(例えばローディング/アンローディング時間を減少させることによる)することができ、操作者への重圧およびストレスも最小限するかまたは減少させる。例えば、インフィルトレーションチャンバー2の側面中に2つのハッチを形成して、トロリー、コンベアーなどのインフィルトレーションチャンバー2を介する単一パスを可能にすることができる。このアレンジの短所は、植物(複数可)がイノキュラムタンクから引き上げられることを可能にするように、追加スペースをインフィルトレーションチャンバー2内に提供しなくてはならないか、またはイノキュラムタンクを植物(複数可)と共に取り出さなくてはならないことである。
制御バルブV1および放出バルブV2はインフィルトレーションチャンバー2の上部部分において配置される。これは、液体(イノキュラム)が真空ラインに入るリスクの回避を支援するために、制御バルブV1に特に重要である。
インフィルトレーションチャンバー2中で真空が形成される場合、イノキュラムはアエロゾル化され得る。イノキュラムが真空ラインを介して真空ポンプP1の中へ吸引されることを防止するために、0.2マイクロメートルのHepaフィルターにカップルしたWoulffボトルが提供される。他のタイプのフィルターを使用することができる。
本発明に記載のシステム1の操作は、ここで図1を参照して以下のとおり説明される。
植物はハッチを介してインフィルトレーションチャンバーの中へ導入される。次いで、植物を転倒させ、真空チャンバー2中に保持されるイノキュラム中に沈め、その結果、植物が成長しているポットのみが曝露され続ける。
制御装置C1は放出バルブV2を閉じ、制御バルブV1を開ける。次いで真空ポンプP1を操作して、インフィルトレーションチャンバー2内の圧力をおよそ50ミリバールの標的圧力まで低下させる。1バールから開始して、好ましくは、インフィルトレーションチャンバー2内の標的圧力への到達には90秒未満かかる(すなわち、76mmから37.5mm水銀柱に真空を引く)。2セットの試験機器を作製して本発明を検証し、第1のセットの機器において15〜60秒および第2のセットの機器においておよそ70秒で標的圧力を達成できることが見出された。標的圧力の達成に必要とされる時間は、用いられた特定の真空ポンプに依存する。
次いで制御装置C1は、制御バルブV1の調節もしくは真空ポンプP1の制御または両方によって、インフィルトレーションチャンバー2を標的圧力で保持する。圧力センサーM1は、標的圧力が維持されることを可能にするようにフィードバックを備えた制御装置C1を提供する。
インフィルトレーションチャンバー2は、3分、2分または1分の間標的圧力で維持される。この期間が経過した後、制御装置C1は真空ポンプV1を停止し、次いで最終的に放出バルブV2を開ける前に制御バルブV1を閉じて、インフィルトレーションチャンバー内の圧力が約1バールに戻ることを可能にする(すなわち約37.5mmから約76mm水銀柱)。インフィルトレーションチャンバー2内の圧力を標的圧力から1バールに急速に(好ましくは放出時間は5秒以下である)戻すことによって、改善された効率を達成できることが見出された。本実施形態における放出バルブV2は、インフィルトレーションチャンバー2が1〜3秒内に標的圧力からおよそ1バールへ戻ることを可能にするように構成される。第1のセットの試験機器は3秒未満の放出時間を達成し、第2のセットの試験機器は2秒未満の放出時間を達成した。排出口パイプの直径は所望される放出時間を達成するように選択される。
本発明に記載の方法は、真空(または部分真空)を使用して植物による細菌の取り込みを支援することを含む。典型的には、植物をインフィルトレーションチャンバーの内部に上下逆さまで置き、葉を細菌懸濁液の中に完全に浸漬する。チャンバー中の圧力を約10分の数ミリバールにする。最初に空気を真空まで葉から引き抜き、空気を再導入するときに、葉は液体を引き込む。本発明のインフィルトレーションチャンバーは、Nicotiana benthamianaおよびNicotiana tabacumについては成功して使用され、短い期間内でかなりの数の植物をインフィルトレーションする手段を提供する。
実施例1 一過性発現のための植物のインフィルトレーション
インフィルトレーションイノキュラムの調製。
対象となる遺伝子または複数の遺伝子および遺伝子サイレンシングの抑制因子の発現のためのバイナリーベクターを、植物細胞において機能的な調節エレメントの制御下に置き、Agrobacterium tumefaciens系統Agl1中に導入する。それぞれのアグロバクテリウム株およびバイナリーベクター(複数可)の選択のために、2g/L牛肉エキス、0.4g/L酵母エキス、2g/L Bacto−Peptone、2g/Lショ糖、0.1g/L MgSO4および適切な抗生物質を含むYEB培地中で、細菌を増殖させる。細菌は、28℃および250rpmでOD600が1.6を超えるまで、ロータリーシェーカー上の三角フラスコ中でまたはバイオリアクター(使い捨ての滅菌済みビニールバッグを使用するWaveバイオリアクター等)中で増殖させることができる。次いで、細菌培養物を10mM 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)および適切な抗生物質を含有する新鮮なLBブロスMiller培地中で1:100に希釈し、OD600が2を超えるまでロータリーシェーカー上で28℃および250rpmでさらに増殖させた。増殖はバイオリアクターを使用する使い捨ての滅菌済みビニールバッグ中であり得る。滅菌済みバッグは、1L、5L、10L、25L、50L、100L、250Lまたは500L以上である。増殖後に、細菌を8000gおよび4℃で15分間の遠心分離によって回収することができる。ペレットにした細菌を、10mM MgCl2および5mM MESを含むインフィルトレーション溶液中に、最終的にpH5.6およびOD600=2で再懸濁する。
Nicotiana benthamiana植物のインフィルトレーション
4週齢のNicotiana benthamiana植物は、トマトブッシースタントウイルス(TBSV)p19遺伝子サイレンシングサプレッサー(Swiss−Prot P50625)を含有するAgrobacterium tumefaciens系統Agl1および植物細胞において機能的な調節エレメントの制御下に対象となる遺伝子を含有するバイナリーベクターにより共インフィルトレーションすることができる。細菌のイノキュラムは1:1の比率および最終OD600nm=0.3で混合することができる。バキュームインフィルトレーションは本発明中で記述された通りである。
発現の収穫、試料採取および分析。インフィルトレーションの6日後に、葉材料をヒートシール可能なパウチ中に回収し、シールし、ドライアイスの層の間に少なくとも10分間置く。収穫後に、すべての葉サンプルをさらなるプロセッシングまで−80℃で保存する。収穫した葉をドライアイス上でコーヒーグラインダーを使用して細粉までホモジナイズし、50mMトリス(pH7.4)、150mM NaCl、0.1%トリトンX−100、4M尿素および2mM DTTを含む3体積/重量の抽出バッファー中で抽出した。対象となる遺伝子の発現は標準的な方法に従っている。
本発明の上記の実施形態の修飾されたアレンジは、ここで図2を参照して記述されるだろう。真空ポンプP1を直接使用して植物(複数可)が位置するインフィルトレーションチャンバー2を排出させる代わりに、真空ポンプP1でバッファーチャンバー3を排出させる。バッファーチャンバー3は第1のインフィルトレーションチャンバー2よりも大きな内部体積を有する。制御バルブV3は、インフィルトレーションチャンバー2とバッファーチャンバー3との間に提供される接続ラインにおいて提供される。
使用に際して、真空ポンプP1は、インフィルトレーションチャンバー2の標的圧力未満の圧力までバッファーチャンバー3を排出する。制御装置C1は放出バルブV2を閉じることによってインフィルトレーションチャンバー2をシールする。次いで制御バルブV3を開き、インフィルトレーションチャンバー2およびバッファーチャンバー3を互いと流体連通させる。インフィルトレーションチャンバー2およびバッファーチャンバー3内の圧力を等しくする。インフィルトレーションチャンバー2内の初期圧力と比較してバッファーチャンバー3内で開始圧力を制御することによって(チャンバー2、3の相対的体積および圧力によって決定されるように)、所望される標的圧力をインフィルトレーションチャンバー2中で達成することができる。1つまたは複数の圧力センサーをインフィルトレーションチャンバー2もしくはバッファーチャンバー3または両方のチャンバー中に提供することができる。次いで制御バルブV3を閉鎖して、インフィルトレーションチャンバー2中の標的圧力を維持することができる。所望される標的圧力を維持するために任意で二次的な真空ポンプを提供され得る。必要とされる圧力は、インフィルトレーションチャンバー2の操作状態に関係なくバッファーチャンバー3中で再確立することができる。
本発明から逸脱せずに本明細書において記載されるシステム1への様々な変化および修飾を組み入れることができることが認識されるだろう。
例えば、インフィルトレーションチャンバー2の上方または下方に真空ポンプP1を提供することができる。システム1は定期的に完全に汚染除去されなくてはならないので、ポンプを汚染から保護することまたはポンプが洗浄できることを保証することが所望される。
インフィルトレーションチャンバー2を洗浄するために、蒸気発生器を提供することができる。蒸気発生器はUSP水(米国薬局方の規格に対して試験した精製水)を利用することが意図される。あるいは、インフィルトレーションチャンバー2の内部は、例えば化学物質(例えばVirkon、漂白剤)の噴霧および徹底したすすぎによって、化学洗浄を促進するように適合させることができる。インフィルトレーションチャンバー2をイノキュレーションの間に洗浄することができる。しかしながら複数のサイクルのためにイノキュラムタンク中に保持されたイノキュラムを再び使用することも可能であるべきである。
システムは、植物が転倒されイノキュラム中に沈められるように、植物を支援するフレーム構造をさらに含むことができる。システムは、植物のためのスロットのあるサポートグリッドもしくは排水できるイノキュラムリザーバーまたは両方を含むことができる。支持構造をローラーにマウントして取り扱いを促進することができる。さらに、ローディング/アンローディングを容易にするために、ローディングプラットフォーム(シザーリフト等)を提供することができる。
1 システム
2 インフィルトレーションチャンバー制御V1 バルブ
V2 放出バルブ
M1 圧力センサー
Tf 温度センサー

Claims (15)

  1. マクロ分子または微生物により植物組織に浸潤するためのシステムであって、
    植物組織を収容するための少なくとも1つのシール可能なハッチを有するインフィルトレーションチャンバーと;
    インフィルトレーションチャンバー内の圧力を低下させるための手段と;
    インフィルトレーションチャンバーと流体連通させる第1の放出バルブと;
    第1の放出バルブおよび圧力低下手段を協調的に操作するための制御装置とを含み、
    その結果、インフィルトレーションチャンバー中の圧力が、(i)第1の時間の期間中に開始圧力から300ミリバール以下の標的圧力まで減少され、(ii)第2の時間の期間の間標的圧力で維持され、(iii)5秒以下の第3の時間の期間内に標的圧力から少なくともおよそ1バールの最終的な圧力まで増加される、システム。
  2. 圧力低下手段とインフィルトレーションチャンバーとの間に提供される第2のバルブを圧力の調節のためにさらに含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記制御装置が、インフィルトレーションチャンバー内で圧力を調節する第2のバルブを操作するのに好適である、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記システムが、属、Agrobacterium、Rhizobium、Sinorhizobium、Mesorhizobium、Pseudomonas、Azospirillum、Rhodococcus、Phyllobaterium、Xanthomonas、BurkholderiaおよびErwiniaのメンバーから選択される細菌細胞、ならびに好ましくはAgrobacterium tumefaciensまたはAgrobacterium rhizogenesによる植物組織の浸潤に適合する、請求項1、2または3のいずれか一項に記載されるシステム。
  5. 前記圧力低下手段が、少なくとも1つのバッファーチャンバー、真空ポンプまたは両方を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 制御バルブを介して互いに連結されたインフィルトレーションチャンバーおよびバッファーチャンバーを含み;真空ポンプを操作してバッファーチャンバー中の圧力を標的圧力以下まで低下させ、制御バルブを開いてインフィルトレーションチャンバーおよびバッファーチャンバーを互いと流体連通させるように、制御装置がプログラムされる、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記少なくとも1つのハッチが、インフィルトレーションチャンバーの側面において、またはインフィルトレーションチャンバーの上部において形成され;前記インフィルトレーションチャンバーが、50リットル、100リットル、200リットル、500リットル、750リットル、1000リットル、1500リットルまたは2000リットル以上の内部体積を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記システムが、およそ300ミリバール、200ミリバール、150ミリバール、100ミリバール、50ミリバールまたは25ミリバール以下の標的圧力をインフィルトレーションチャンバー内で確立するように操作可能であり;前記制御装置が、4分、3分、2分または1分以下の第2の時間の期間の維持に適合する、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 前記インフィルトレーションチャンバーが5秒、4秒、3秒、2秒または1秒未満の第3の時間の期間内に1バールの圧力に少なくとも実質的に戻ることができるように、前記第1の放出バルブが構成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシステム。
  10. インフィルトレーションチャンバーから取り出されたマクロ分子および微生物の回収のためのフィルターをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシステム。
  11. 前記第1の放出バルブが、1バールを超える圧力を有する流体源、不活性ガス、または両方と選択的に連通される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。
  12. マクロ分子または微生物により植物組織に浸潤する方法であって、
    (a)インフィルトレーションチャンバーの中へ植物組織を導入する工程と;
    (b)インフィルトレーションチャンバー内の圧力を第1の時間の期間中に300ミリバール以下の標的圧力まで低下させる工程と;
    (c)インフィルトレーションチャンバー内の前記標的圧力を5分以下の第2の時間の期間の間維持する工程と;
    (d)インフィルトレーションチャンバー内の圧力を5秒以下の第3の時間の期間内に部分的にまたは少なくとも実質的に1バールに戻す工程と
    を含む方法。
  13. 前記標的圧力が、およそ300ミリバール、200ミリバール、150ミリバール、100ミリバール、75ミリバール、50ミリバールまたは25ミリバール以下であり;前記第3の時間の期間が、5秒、4秒、3秒、2秒または1秒以下である、請求項12に記載の方法。
  14. インフィルトレーションチャンバー内で圧力を低下させる前記工程が、(i)バッファーチャンバー内の圧力をインフィルトレーションチャンバーの標的圧力よりも低く低下させる工程と、(ii)バッファーチャンバーをインフィルトレーションチャンバーと流体連通させる工程とを含む、請求項12または13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記植物組織が、Nicotiana属、好ましくはNicotiana tabacumのメンバーである植物全体または植物の部分を含み、前記微生物がAgrobacterium種である、請求項12、13または14のいずれか一項に記載の方法。
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