以下、図面を参照して本発明の実施形態に対して具体的に説明する。本明細書の実施例を説明するにあたって、関連した公知構成又は機能に対する具体的な説明が本明細書の要旨を不明にすると判断される場合にはその詳細な説明は省略する。
一構成要素が他の構成要素に“連結されている”又は“接続されている”と言及された場合、該当他の構成要素に直接的に連結されている、又は接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならない。また、本発明において、特定構成を“含む”と記述する内容は、該当構成以外の構成を排除するものではなく、追加的な構成が本発明の実施又は本発明の技術的思想の範囲に含まれることができることを意味する。
第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使われることができるが、前記構成要素は、前記用語により限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を外れない限り、第1の構成要素は第2の構成要素と命名することができ、同様に、第2の構成要素も第1の構成要素と命名することができる。
また、本発明の実施例に示す構成部は、互いに異なる特徴的な機能を示すために独立的に図示されるものであり、各構成部が分離されたハードウェアや一つのソフトウェア構成単位に構成されることを意味しない。即ち、各構成部は、説明の便宜上、各々の構成部として羅列して含むものであり、各構成部のうち少なくとも2個の構成部が統合されて一つの構成部からなり、又は一つの構成部が複数個の構成部に分けられて機能を遂行することができ、このような各構成部の統合された実施例及び分離された実施例も本発明の本質から外れない限り本発明の権利範囲に含まれる。
また、一部の構成要素は、本発明で本質的な機能を遂行する必須な構成要素ではなく、単に性能を向上させるための選択的構成要素である。本発明は、単に性能向上のために使われる構成要素を除外した本発明の本質を具現するのに必須な構成部のみを含んで具現されることができ、単に性能向上のために使われる選択的構成要素を除外した必須構成要素のみを含む構造も本発明の権利範囲に含まれる。
図1は、本発明が適用される映像符号化装置の一実施例による構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、前記映像符号化装置100は、動き予測部111、動き補償部112、イントラ予測部120、スイッチ115、減算器125、変換部130、量子化部140、エントロピー符号化部150、逆量子化部160、逆変換部170、加算器175、フィルタ部180、及び参照ピクチャバッファ190を含む。
映像符号化装置100は、入力映像に対してイントラ(intra)モード又はインター(inter)モードに符号化を実行し、ビットストリームを出力することができる。イントラ予測は画面内予測を意味し、インター予測は画面間予測を意味する。イントラモードの場合、スイッチ115がイントラに転換され、インターモードの場合、スイッチ115がインターに転換されることができる。映像符号化装置100は、入力映像の入力ブロックに対する予測ブロックを生成した後、入力ブロックと予測ブロックとの差分(residual)を符号化することができる。
イントラモードの場合、イントラ予測部120は、現在ブロック周辺の既に符号化されたブロックのピクセル値を利用して空間的予測を実行することで、予測ブロックを生成することができる。
インターモードの場合、動き予測部111は、動き予測過程で参照ピクチャバッファ190に格納されている参照映像で入力ブロックと最もよくマッチされる領域を探して動きベクトルを求めることができる。動き補償部112は、動きベクトルを利用して動き補償を実行することによって予測ブロックを生成することができる。
減算器125は、入力ブロックと生成された予測ブロックとの差分により残差ブロック(residual block)を生成することができる。変換部130は、残差ブロックに対して変換(transform)を実行することで、変換係数(transform coefficient)を出力することができる。また、量子化部140は、入力された変換係数を量子化パラメータによって量子化することで、量子化された係数(quantized coefficient)を出力することができる。
エントロピー符号化部150は、量子化部140で算出された値又は符号化過程で算出された符号化パラメータ値などに基づき、シンボル(symbol)を確率分布によってエントロピー符号化することで、ビットストリーム(bit stream)を出力することができる。エントロピー符号化方法は、多様な値を有するシンボルの入力を受けて統計的重複性を除去しながら、復号化可能な2進数の列で表現する方法である。
ここで、シンボルとは、符号化/復号化対象シンタックス要素(syntax element)及び符号化パラメータ(coding parameter)、残留信号(residual signal)の値などを意味する。符号化パラメータは、符号化及び復号化に必要な媒介変数であり、シンタックス要素と共に符号化器で符号化されて復号化器に伝達される情報だけでなく、符号化又は復号化過程で類推されることができる情報を含むことができ、映像を符号化したり復号化したりする時に必要な情報を意味する。符号化パラメータは、例えば、イントラ/インター予測モード、移動/動きベクトル、参照ピクチャインデックス、符号化ブロックパターン、残留信号有無、量子化パラメータ、ユニット大きさ、ユニットパーティション(partition)情報などの値又は統計を含むことができる。
エントロピー符号化が適用される場合、高い発生確率を有するシンボル(symbol)に少ない数のビットが割り当てられ、低い発生確率を有するシンボルに多い数のビットが割り当てられてシンボルが表現されることによって、符号化対象シンボルに対するビット列の大きさが減少されることができる。したがって、エントロピー符号化を介して映像符号化の圧縮性能が高まることができる。
エントロピー符号化のために、指数ゴロム(exponential golomb)、CAVLC(Context−Adaptive Variable Length Coding)、CABAC(Context−Adaptive Binary Arithmetic Coding)のような符号化方法が使われることができる。例えば、エントロピー符号化部150には可変長さ符号化(VLC:Variable Lenghth Coding/Code)テーブルのようなエントロピー符号化を実行するためのテーブルが格納されることができ、エントロピー符号化部150は、格納された可変長さ符号化(VLC)テーブルを使用してエントロピー符号化を実行することができる。また、エントロピー符号化部150は、対象シンボルの2進化(binarization)方法及び対象シンボル/ビン(bin)の確率モデル(probability model)を導出した後、導出された2進化方法又は確率モデルを使用してエントロピー符号化を実行することもできる。
ここで、2進化(binarization)とは、シンボルの値を2進数の列(bin sequence/string)で表現することを意味する。ビン(bin)は、シンボルが2進化を介して2進数の列で表現される時、各々の2進数の値(0又は1)を意味する。確率モデルとは、文脈モデル(context model)を介して導出されることができる符号化/復号化対象シンボル/ビンの予測された確率を意味する。文脈モデルは、一つ又はそれ以上の2進化されたシンボルのビン(bin)に対する確率モデルであり、最近符号化されたデータシンボルの統計により選択されることができる。
より詳細に、CABACエントロピー符号化方法は、2進化されないシンボルを2進化(binarization)してビンに変換し、周辺及び符号化対象ブロックの符号化情報又は以前ステップで符号化されたシンボル/ビンの情報を利用して文脈モデルを決定し、決定された文脈モデルによってビン(bin)の発生確率を予測してビンの算術符号化(arithmetic encoding)を実行することで、ビットストリームを生成することができる。この時、CABACエントロピー符号化方法は、文脈モデル決定後、次のシンボル/ビンの文脈モデルのために符号化されたシンボル/ビンの情報を利用して文脈モデルをアップデートすることができる。
図1の実施例による映像符号化装置は、インター予測符号化、即ち、画面間予測符号化を実行するため、現在符号化された映像は、参照映像として使われるために、復号化されて格納される必要がある。したがって、量子化された係数は、逆量子化部160で逆量子化され、逆変換部170で逆変換されることができる。逆量子化、逆変換された係数は、加算器175を介して予測ブロックと加えられて復元ブロックが生成される。
復元ブロックは、フィルタ部180を経て、フィルタ部180は、デブロッキングフィルタ(deblocking filter)、SAO(Sample Adaptive Offset)、ALF(Adaptive Loop Filter)のうち少なくとも一つ以上を復元ブロック又は復元ピクチャに適用することができる。フィルタ部180を経た復元ブロックは、参照ピクチャバッファ190に格納されることができる。
図2は、本発明が適用される映像復号化装置の一実施例による構成を示すブロック図である。
図2を参照すると、前記映像復号化装置200は、エントロピー復号化部210、逆量子化部220、逆変換部230、イントラ予測部240、動き補償部250、加算器255、フィルタ部260、及び参照ピクチャバッファ270を含む。
映像復号化装置200は、符号化器で出力されたビットストリームの入力を受けてイントラモード又はインターモードに復号化を実行することで、再構成された映像、即ち、復元映像を出力することができる。イントラモードの場合、スイッチがイントラに転換され、インターモードの場合、スイッチがインターに転換されることができる。映像復号化装置200は、入力を受けたビットストリームから残差ブロック(residual block)を得て予測ブロックを生成した後、残差ブロックと予測ブロックとを加えて再構成されたブロック、即ち、復元ブロックを生成することができる。
エントロピー復号化部210は、入力されたビットストリームを確率分布によってエントロピー復号化し、量子化された係数(quantized coefficient)形態のシンボルを含むシンボルを生成することができる。エントロピー復号化方法は、2進数の列の入力を受けて各シンボルを生成する方法である。エントロピー復号化方法は、前述したエントロピー符号化方法と同様である。
より詳細に、CABACエントロピー復号化方法は、ビットストリームで各シンタックス要素に該当するビンを受信し、復号化対象シンタックス要素情報と周辺及び復号化対象ブロックの復号化情報又は以前ステップで復号化されたシンボル/ビンの情報を利用して文脈モデルを決定し、決定された文脈モデルによってビン(bin)の発生確率を予測してビンの算術復号化(arithmetic decoding)を実行することで、各シンタックス要素の値に該当するシンボルを生成することができる。この時、CABACエントロピー復号化方法は、文脈モデル決定後、次のシンボル/ビンの文脈モデルのために復号化されたシンボル/ビンの情報を利用して文脈モデルをアップデートすることができる。
エントロピー復号化方法が適用される場合、高い発生確率を有するシンボルに少ない数のビットが割り当てられ、低い発生確率を有するシンボルに多い数のビットが割り当てられてシンボルが表現されることによって、各シンボルに対するビット列の大きさが減少されることができる。したがって、エントロピー復号化方法を介して映像復号化の圧縮性能が高まることができる。
量子化された係数は、逆量子化部220で逆量子化され、逆変換部230で逆変換され、量子化された係数が逆量子化/逆変換された結果、残差ブロック(residual block)が生成されることができる。
イントラモードの場合、イントラ予測部240は、現在ブロック周辺の既に符号化されたブロックのピクセル値を利用して空間的予測を実行することで、予測ブロックを生成することができる。インターモードの場合、動き補償部250は、動きベクトル及び参照ピクチャバッファ270に格納されている参照映像を利用して動き補償を実行することによって、予測ブロックを生成することができる。
残差ブロックと予測ブロックは、加算器255を介して加えられ、加えられたブロックは、フィルタ部260を経ることができる。フィルタ部260は、デブロッキングフィルタ、SAO、ALFのうち少なくとも一つ以上を復元ブロック又は復元ピクチャに適用することができる。フィルタ部260は、再構成された映像、即ち、復元映像を出力することができる。復元映像は、参照ピクチャバッファ270に格納されてインター予測に使われることができる。
以下、ユニット(unit)は、映像符号化及び復号化の単位を意味する。映像符号化及び復号化時の符号化又は復号化単位は、映像を分割して符号化又は復号化する時のその分割された単位を意味するため、ブロック、符号化ユニット(CU:Coding Unit)、符号化ブロック、予測ユニット(PU:Prediction Unit)、予測ブロック、変換ユニット(TU:Transform Unit)、変換ブロック(transform block)などで呼ばれることもある。また、一つのユニットは、大きさが小さい下位ユニットに分割されることができる。
ここで、予測ユニットは予測及び/又は動き補償実行の単位となる基本ユニットを意味する。予測ユニットは、複数のパーティション(partition)に分割されることができ、各々のパーティションは、予測ユニットパーティション(prediction unit partition)と呼ばれることもある。予測ユニットが複数のパーティションに分割された場合、複数のパーティションの各々が予測及び/又は動き補償実行の単位となる基本ユニットである。以下、本発明の実施例では予測ユニットが分割された各々のパーティションも予測ユニットと呼ばれることもある。
一方、イントラ予測は、符号化/復号化対象ユニットのイントラ予測モードによって実行されることができる。この時、イントラ予測モードの各々は、これに該当する予測方向(prediction direction)を有することができ、各々の予測方向は、所定の角度値を有することができる。したがって、符号化/復号化対象ユニットのイントラ予測モードは、前記符号化/復号化対象ユニットに対する予測方向情報を示すこともできる。
符号化器は、イントラ予測モードを符号化して復号化器に送信することができる。符号化器は、符号化対象ユニットに対するイントラ予測モードを符号化して送信する時、送信されるビット量を減少させて符号化の効率を上げるために、イントラ予測モードを予測する方法を使用することができる。
符号化対象ユニットの予測モードは、復元された隣接ユニットの予測モードと同じである確率が高いため、符号化器は、符号化対象ユニットに隣接した復元された隣接ユニットの予測モードを利用して符号化対象ユニットの予測モードを符号化することができる。以下、符号化対象ユニットのイントラ予測モードに対する予測値として使われる予測モードは、MPM(Most Probable Mode)という。ここで、復元された隣接ユニットは、既に符号化又は復号化されて復元されたユニットであり、符号化/復号化対象ユニットに隣接したユニット、符号化/復号化対象ユニットの右側上段コーナーに位置したユニット、符号化/復号化対象ユニットの左側上段コーナーに位置したユニット及び/又は符号化/復号化対象ユニットの左側下段コーナーに位置したユニットを含むことができる。
図3は、符号化/復号化対象ユニットに対する復元された隣接ユニットの実施例を概略的に示す概念図である。
図3を参照すると、符号化/復号化対象ユニット(E)に対する復元された隣接ユニットには、Eユニットの左側に隣接した左側隣接ユニット(A)、Eユニットの上段に隣接した上段隣接ユニット(B)、Eユニットの右側上段コーナーに位置した右側上段コーナーユニット(C)、及びEユニットの左側上段コーナーに位置した左側上段コーナーユニット(D)などがある。
以下、後述する本明細書の実施例において、左側隣接ユニットはユニットA、上段隣接ユニットはユニットB、右側上段コーナーユニットはユニットC、左側上段コーナーユニットはユニットDという。また、符号化/復号化対象ユニットはユニットEという。
図4は、本発明によるイントラ予測モード符号化方法の一実施例を概略的に示すフローチャートである。
図4を参照すると、符号化器は、符号化対象ユニットのイントラ予測モードを決定することができる(S410)。
また、符号化器は、隣接予測モードに対する情報を導出することができる(S420)。ここで、隣接予測モードは、復元された隣接ユニットのイントラ予測モードを意味する。以下、隣接予測モードに対する情報は、隣接予測モード情報という。
復元された隣接ユニットの各々は、イントラ予測モードを有することができる。この時、符号化器は、復元された隣接ユニットのうちイントラ予測モードを有するユニットに対し、隣接予測モード情報を導出することができる。隣接予測モード情報には、隣接予測モード間の角度差及び/又は隣接予測モードのモード番号などがある。
前述したように、イントラ予測モードの各々は、これに該当する予測方向を有することができ、各々の予測方向は、所定の角度値を有することができる。したがって、隣接予測モードの各々は、所定の角度値を有することができ、符号化器は、隣接予測モード間の角度差を導出することができる。以下、隣接予測モード間の角度差に対する情報は、角度差情報という。
また、イントラ予測モードの各々は、これに該当するモード番号を有することができ、符号化器は、隣接予測モードのモード番号を導出及び/又は判別することができる。イントラ予測モードに割り当てられるモード番号は、前記イントラ予測モードの発生確率によって決定されることができる。例えば、発生確率が高い予測モードには、低いモード番号が割り当てられることができる。したがって、符号化器により導出された、隣接予測モードのモード番号は、隣接予測モードのモード順序を示すこともできる。以下、隣接予測モードのモード番号に対する情報は、モード番号情報という。
再び図4を参照すると、符号化器は、導出された隣接予測モード情報を利用し、符号化対象ユニットに対するイントラ予測モードを符号化することができる(S430)。
符号化器は、符号化対象ユニットに対するイントラ予測モードを符号化するために、符号化対象ユニットに対するMPM候補を導出することができる。MPM候補は、復元された隣接ユニットのイントラ予測モードを利用して導出されることができる。この時、符号化器は、A、B、C、Dユニットの予測モードのうち少なくとも一つ以上を利用することができる。
復元された隣接ユニットのうち可用しないユニットが存在する場合、符号化器は、前記可用しないユニットをMPM候補導出に利用しない。また、復元された隣接ユニットのうち、PCM(Pulse Code Modulation)方式により符号化/復号化されたユニット及び/又はインター予測により符号化/復号化されたユニットは、イントラ予測モードに関連した情報を含めない。したがって、PCM方式により及び/又はインター予測により符号化/復号化されたユニットは、MPM候補導出に利用されない。また、復元された隣接ユニットのうち、CIP(Constrained Intra Prediction)方式により符号化/復号化されたユニットが存在することができる。前記CIP方式により符号化/復号化されるユニットでは、インター予測により符号化されたユニットが参照ユニットとして利用されず、イントラ予測モードのうちDCモードのみを利用してイントラ予測が実行されることもできる。この時、符号化器は、前記DCモードで符号化/復号化されたユニットを、MPM候補導出に利用しない。
MPM候補導出方法の一実施例として、符号化器は、左側隣接ユニットAの予測モード及び上段隣接ユニットBの予測モードのうち最も小さいテーブルインデックス(table index)が割り当てられた予測モード(例えば、Min(A,B))を、MPMリストに含まれるMPM候補として選択することができる。この時、前記角度差情報が、ユニットAの予測モード角度とユニットBの予測モード角度が同じであることを指示する場合、即ち、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号が同一の場合、符号化器は、テーブルインデックスに関係無しに予測モードを選択することができる。
前記テーブルインデックスは、予測モードの発生頻度及び統計に基づいて予測モードに割り当てられることができる。例えば、発生頻度が最も高い予測モードには最も小さいテーブルインデックス値が割り当てられ、発生頻度が最も低い予測モードには最も高いテーブルインデックス値が割り当てられることができる。
前記テーブルインデックスは、前記予測モードの発生頻度に合うように割り当てられないこともある。即ち、前記テーブルインデックスは、発生頻度によって整列されていない。この時、符号化器は、テーブルインデックス値に関係無しに、ユニットAの予測モード及びユニットBの予測モードのうち発生頻度がより高い予測モードを、MPMリストに含まれるMPM候補として選択することもできる。
符号化器は、イントラ予測モードを符号化するために、所定の固定された個数(N)のMPM候補を利用することもできる。ここで、Nは正の整数である。
一実施例として、MPMリストに含まれるMPM候補の個数は2個である。例えば、符号化器は、左側隣接ユニットAの予測モード及び上段隣接ユニットBの予測モードを、MPM候補として選択することができる。
この時、ユニットA及びユニットBから導出されるMPM候補の個数が2個未満である。一例として、角度差情報が、ユニットAの予測モード角度とユニットBの予測モード角度が同じであることを指示する場合、即ち、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号が同一の場合、符号化器で導出されるMPM候補の個数は1個である。この時、ユニットA及びユニットBから導出されるMPM候補を除外した、残りのMPM候補は、所定のモードに設定及び/又は導出されることができる。即ち、符号化器は、所定のモードを追加MPM候補として選択することができる。一例として、前記所定のモードはDCに固定されてもよい。また、前記所定のモードは、ユニットA及びユニットBの予測モードがプラナーモードでない場合には、プラナー(planar)モードであってもよく、ユニットA及びユニットBの予測モードがプラナーモードである場合には、DCモードであってもよい。
また、復元された隣接ユニットのうち可用しないユニットが存在する場合、符号化器で導出されるMPM候補の個数は1個である。この時、ユニットA及びユニットBから導出されるMPM候補を除外した、残りのMPM候補は、所定のモードに設定及び/又は導出されることができる。即ち、符号化器は、所定のモードを追加MPM候補として選択することができる。ここで、前記所定のモードは、例えば、DCモード又はプラナー(planar)モードである。
他の実施例として、MPMリストに含まれるMPM候補の個数は3個である。例えば、符号化器は、左側隣接ユニットAの予測モード、上段隣接ユニットBの予測モード、及び以前に符号化されたユニットの予測モードのうち最も発生頻度が高い予測モードを、MPM候補として選択することができる。
この時、ユニットA及びユニットBから導出されるMPM候補の個数が2個未満である。一例として、角度差情報が、ユニットAの予測モード角度とユニットBの予測モード角度が同じであることを指示する場合、即ち、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号が同一の場合、符号化器で導出されるMPM候補の個数は1個である。また、復元された隣接ユニットのうち可用しないユニットが存在することもできる。ユニットA及びユニットBから導出されるMPM候補の個数が2個未満である場合、符号化器は、以前に符号化されたユニットの予測モードのうち、発生頻度が高い順序に複数個の予測モードをMPM候補として選択することもできる。
発生頻度が高い予測モードを選択する単位、即ち、予測モード選択単位は、符号化対象ユニットが含まれた、符号化対象ピクチャ、符号化対象スライス、LCU(Largest Coding Unit)、CU(Coding Unit)及び/又はPU(Prediction Unit)単位である。符号化器は、予測モードの発生頻度を計算するために、カウンタ(counter)を利用することもできる。カウンタが使われる場合、符号化器は、前記予測モード選択単位に対する符号化を実行した後、前記カウンタを初期化することができる。即ち、前記カウンタは、前記予測モード選択単位に初期化されることができる。
前述した方法によりMPM候補が導出されると、符号化器は、導出されたMPM候補を利用してMPMリストを生成することができる。符号化器は、MPMリスト内に符号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在するかどうかを判断することができる。この時、符号化器は、MPMリスト内に符号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在するかどうかを指示するフラッグを復号化器に送信することができる。以下、前記フラッグは、MPMフラッグという。
一実施例として、復号化器に送信されるMPMフラッグは、prev_intra_luma_pred_flagで示される。例えば、MPMリスト内に符号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在する場合、MPMフラッグに1が割り当てられることができ、そうでない場合、0が割り当てられることができる。
MPMリスト内に符号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在する場合、符号化器は、符号化対象ユニットの予測モードがMPMリスト内のMPM候補のうちいずれのMPM候補と同一かを指示するインデックス(index)を復号化器に送信することができる。以下、前記インデックスは、MPMインデックスという。この時、符号化器及び復号化器は、MPMインデックスが指示するMPM候補を、符号化対象ユニットのイントラ予測モードに使用することができる。
MPMリストに含まれているMPM候補の個数が1個の場合、符号化器は、MPMインデックスを符号化しない。また、復号化器が復号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が分かる場合にも、符号化器はMPMインデックスを符号化しない。この時、符号化器は、MPMフラッグのみを符号化して復号化器に送信することもできる。
MPMリスト内に符号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在しない場合、符号化器は、現在符号化対象ユニットの予測モード及びMPMリストを利用してリメイニングモード(remaining mode)を導出することができる。ここで、リメイニングモードは、MPM候補を除外したイントラ予測モードを利用して導出されることができる。符号化器は、生成されたリメイニングモードを符号化して復号化器に送信することができる。一実施例として、前記リメイニングモードは、rem_intra_luma_pred_modeで示される。
符号化器は、符号化対象ユニットのイントラ予測モードを符号化するとき、復元された隣接ユニット及び/又はMPM候補を利用しないこともある。この時、符号化器は、符号化対象ユニットのイントラ予測モード自体をエントロピー符号化して復号化器に送信することができる。
一方、符号化器は、前述したMPMフラッグ、MPMインデックス、リメイニングモード及び/又はイントラ予測モード自体をエントロピー符号化して復号化器に送信することができる。この時、シンタックス要素の各々に対するエントロピー符号化を実行するとき、符号化器は、一つの文脈モデルのみを利用して算術符号化を実行することができ、固定ビット符号化を使用することもできる。しかし、この場合、復元された隣接ユニットのイントラ予測モード情報を使用しないため、符号化の効率が低い。したがって、復元された隣接ユニットのイントラ予測モードに対する情報、即ち、隣接予測モード情報を利用してエントロピー符号化を実行する方法が提供されることができる。前述したように、隣接予測モード情報には隣接予測モード間の角度差及び/又は隣接予測モードのモード番号などがある。以下、隣接予測モード情報を利用して符号化対象ユニットに対するエントロピー符号化を実行する方法の実施例が叙述される。
図5は、隣接予測モード情報を利用したエントロピー符号化実行方法の一実施例を示すフローチャートである。
図5を参照すると、符号化器は、隣接予測モード情報を利用し、符号化対象ユニットに対する文脈モデル及び/又はVLCテーブルを選択することができる(S510)。ここで、VLC(Variable Length Coding)テーブルは、可変長さ符号化テーブルと同じ意味を有することができる。
符号化器は、エントロピー符号化を実行するとき、複数の文脈モデルのうち一つの文脈モデルを選択して使用することができる。この時、符号化器は、隣接予測モード間の角度差情報を利用して文脈モデルを選択することができ、隣接予測モードのモード番号及び/又はモード順序を利用して文脈モデルを選択することもできる。また、符号化器は、角度差情報及びモード番号情報を共に利用して文脈モデルを選択することもできる。
また、符号化器は、エントロピー符号化を実行するとき、複数のVLCテーブルのうち一つのVLCテーブルを選択して使用することができる。この時、符号化器は、隣接予測モード間の角度差情報を利用してVLCテーブルを選択することができ、隣接予測モードのモード番号及び/又はモード順序を利用して文脈モデルを選択することもできる。また、符号化器は、角度差情報及びモード番号情報を共に利用して文脈モデルを選択することもできる。
符号化器は、前記選択された文脈モデル及び/又はVLCテーブルを利用し、符号化対象ユニットのイントラ予測モードに対するエントロピー符号化を実行することができる(S520)。この時、エントロピー符号化が実行されるシンタックス要素には、前述したように、MPMフラッグ、MPMインデックス、リメイニングモード及び/又はイントラ予測モード自体などがある。
図6は、角度差情報によって文脈モデルを選択する方法の実施例を示すテーブルである。
図6の610は、隣接予測モード間の角度差情報の実施例を示すテーブルである。図6の610において、VERは垂直方向予測、HORは水平方向予測、DCはDC予測を示すことができる。
前述したように、イントラ予測モードの各々は、これに該当する予測方向を有することができ、各々の予測方向は、所定の角度値を有することができる。したがって、隣接予測モード間の予測方向差は、隣接予測モード間の角度差で定義されることができる。符号化器及び復号化器には角度差情報を含むテーブルが同一に格納されていることができ、符号化器及び復号化器は前記格納されたテーブルを利用して隣接予測モード間の角度差を導出することができる。
図6の620は、隣接予測モード間の角度差による文脈カテゴリの一実施例を示すテーブルである。図6の620において、dは角度差分値を示し、ctxN(Nは、1、2、3又は4)は符号化対象ユニットのシンタックス要素に適用される文脈モデルを示すことができる。また、Th1(Threshold1)、Th2(Threshold2)、Th3(Threshold3)、Th4(Threshold4)は、各々、角度差の閾値を示すことができる。
図6の620を参照すると、符号化器は、角度差情報を利用し、互いに異なる4個の文脈モデルのうち一つの文脈モデルを選択することができる。例えば、隣接予測モード間の角度差がTh1より大きくTh2以下である場合、符号化器は、ctx2を符号化対象ユニットに対する文脈モデルとして選択することができる。
図6の630は、隣接予測モード間の角度差による文脈カテゴリの他の実施例を示すテーブルである。図6の630を参照すると、符号化器は、角度差情報を利用し、互いに異なる4個の文脈モデルのうち一つの文脈モデルを選択することができる。
例えば、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが1(HOR)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが33(HOR+7)であると仮定する。ここで、1(HOR)は、モード番号が1である予測モードを示し、33(HOR+7)は、モード番号が33である予測モードを示すことができる。この時、図6の610を参照すると、隣接予測モード間の角度差は35である。したがって、符号化器は、ctx1を符号化対象ユニットに対する文脈モデルとして選択することができる。
前述した実施例では、左側隣接ユニットA及び上段隣接ユニットBを利用して角度差情報を導出する場合が叙述されているが、角度差情報を導出する方法は、前記実施例に限定されない。隣接予測モード間の角度差情報は、復元された隣接ユニットのうち可用したユニットを利用して多様な方法により導出されることができる。
また、前述した実施例で各文脈モデル(ctx1乃至ctx4)は互いに異なる初期値を有することができる。この時、各文脈モデルでは互いに異なる初期値を利用してMPS(Most Probable State)及びMPSの確率値が決定されることができ、MPS及びMPS確率値決定には量子化パラメータなどの符号化パラメータが使われることができる。
図7は、角度差情報によってVLCテーブルを選択する方法の実施例を示すテーブルである。
図7の710は、隣接予測モード間の角度差情報の実施例を示すテーブルである。前述したように、イントラ予測モードの各々は、これに該当する予測方向を有することができ、各々の予測方向は、所定の角度値を有することができる。したがって、隣接予測モード間の予測方向差は、隣接予測モード間の角度差で定義されることがきる。符号化器及び復号化器には角度差情報を含むテーブルが同一に格納されていることができ、符号化器及び復号化器は前記格納されたテーブルを利用して隣接予測モード間の角度差を導出することができる。
図7の720は、隣接予測モード間の角度差によるVLCテーブルカテゴリの一実施例を示すテーブルである。図7の720において、dは角度差分値を示し、VLCN(Nは、1、2、3又は4)は符号化対象ユニットのシンタックス要素に適用されるVLCテーブルを示すことができる。また、Th1(Threshold1)、Th2(Threshold2)、Th3(Threshold3)、Th4(Threshold4)は、各々、角度差の閾値を示すことができる。
図7の720を参照すると、符号化器は、角度差情報を利用し、互いに異なる4個のVLCテーブルのうち一つのテーブルを選択することができる。例えば、隣接予測モード間の角度差がTh1より大きくTh2以下である場合、符号化器は、VLC2を符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択することができる。
図7の730は、隣接予測モード間の角度差によるVLCテーブルカテゴリの他の実施例を示すテーブルである。図7の730を参照すると、符号化器は、角度差情報を利用し、互いに異なる4個のVLCテーブルのうち一つのテーブルを選択することができる。図7の730では、角度差分値が45以下である時はVLC1、角度差分値が45より大きく90以下である時はVLC2、角度差分値が90より大きく135以下である時はVLC3、角度差分値が135より大きい時はVLC4が符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択されることができる。
例えば、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが1(HOR)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが33(HOR+7)であると仮定する。ここで、1(HOR)は、モード番号が1である予測モードを示し、33(HOR+7)は、モード番号が33である予測モードを示すことができる。この時、図7の710を参照すると、隣接予測モード間の角度差は35である。したがって、符号化器は、VLC1を符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択することができる。
図7の740は、隣接予測モード間の角度差によるVLCテーブルカテゴリの他の実施例を示すテーブルである。図7の740を参照すると、符号化器は、角度差情報を利用し、互いに異なる2個のVLCテーブルのうち一つのテーブルを選択することができる。図7の740では、角度差分値が0の場合、即ち、隣接予測モードが互いに同じである場合(d=0)には、VLC1が符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択されることができる。また、角度差分値が0でない場合、即ち、隣接予測モードが互いに同じでない場合(d!=0)には、VLC2が符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択されることができる。
例えば、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが1(HOR)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが1(HOR)であると仮定する。ここで、1(HOR)は、モード番号が1である予測モードを示すことができる。この時、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードと上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが同じであるため、隣接予測モード間の角度差は0である。したがって、符号化器は、VLC1を符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択することができる。
他の例として、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが1(HOR)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが33(HOR+7)であると仮定する。ここで、1(HOR)は、モード番号が1である予測モードを示し、33(HOR+7)は、モード番号が33である予測モードを示すことができる。この時、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードと上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが同じでないため、隣接予測モード間の角度差は0ではない。したがって、符号化器は、VLC2を符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択することができる。
前述した実施例では、左側隣接ユニットA及び上段隣接ユニットBを利用して角度差情報を導出する場合が叙述されているが、角度差情報を導出する方法は、前記実施例に限定されない。隣接予測モード間の角度差情報は、復元された隣接ユニットのうち可用したユニットを利用して多様な方法により導出されることができる。
図8は、複数のVLCテーブルの各々に割り当てられるコードワードの一実施例を示すテーブルである。
図8を参照すると、各々のVLCテーブルでは、各々のシンボル値及び/又は各々のシンタックス要素値によって、割り当てられるコードワードが変わることができる。この時、符号化器は、発生確率が高いシンボルに短い長さのコードワードを割り当てることによって、符号化の効率を向上させることができる。
符号化器は、符号化過程で各々のVLCテーブルをアップデートすることもできる。例えば、図8のVLC1において、シンボル値2の発生頻度がシンボル値1の発生頻度より高い場合、符号化器は、シンボル値1に割り当てられたコードワード‘01’とシンボル値2に割り当てられたコードワード‘001’を変えることができる。アップデート実行後、符号化器は、アップデートされたVLCテーブルを利用してエントロピー符号化を実行することができる。
図9は、隣接予測モードのモード番号によって文脈モデルを選択する方法の実施例を示すテーブルである。
図9の910は、隣接予測モードに割り当てられるモード番号の実施例を示すテーブルである。図9の910は、復元された隣接ユニットが有することができるイントラ予測モードの個数が34個である場合の実施例を示す。
前述したように、イントラ予測モードに割り当てられるモード番号は、イントラ予測モードの発生確率によって決定されることができる。この時、発生確率が高い予測モードには低いモード番号が割り当てられることができる。例えば、図9の910のテーブルでは、VER予測モードの発生確率が最も高い。したがって、隣接予測モードのモード番号は、隣接予測モードのモード順序を示すこともできる。
図9の920は、隣接予測モードのモード番号による文脈カテゴリの一実施例を示すテーブルである。図9の920において、ctxN(Nは、1、2、3又は4)は、符号化対象ユニットのシンタックス要素に適用される文脈モデルを示すことができる。図9の920を参照すると、符号化器は、隣接予測モードのモード番号を利用し、互いに異なる4個の文脈モデルのうち一つの文脈モデルを選択することができる。
一例として、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが0(VER)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが6(VER+6)であると仮定する。ここで、0(VER)は、モード番号が0である予測モードを示し、6(VER+6)は、モード番号が6である予測モードを示すことができる。この時、図9の920を参照すると、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号は、同じ文脈カテゴリに含まれることができる。前記文脈カテゴリに該当する文脈モデルはctx1であるため、符号化器はctx1を符号化対象ユニットに対する文脈モデルとして選択することができる。
他の例として、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが8(HOR+4)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが21(VER−1)であると仮定する。ここで、8(HOR+4)は、モード番号が8である予測モードを示し、21(VER−1)は、モード番号が21である予測モードを示すことができる。図9の920を参照すると、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号は、互いに異なる文脈カテゴリに含まれることができる。この時、符号化器は、より小さいモード番号(例えば、モード番号8)に対応する文脈モデルを選択することができる。モード番号8に該当する文脈モデルはctx2であるため、符号化器はctx2を符号化対象ユニットに対する文脈モデルとして選択することができる。
前述した実施例では、左側隣接ユニットA及び上段隣接ユニットBを利用して文脈モデルを選択する場合が叙述されているが、文脈モデルを選択する方法は、前記実施例に限定されない。文脈モデル選択に使われるモード番号情報は、復元された隣接ユニットのうち可用したユニットを利用して多様な方法により導出されることができる。
図10は、隣接予測モードのモード番号によってVLCテーブルを選択する方法の実施例を示すテーブルである。
図10の1010は、隣接予測モードに割り当てられるモード番号の実施例を示すテーブルである。図10の1010は、復元された隣接ユニットが有することができるイントラ予測モードの個数が34個である場合の実施例を示す。
前述したように、イントラ予測モードに割り当てられるモード番号は、イントラ予測モードの発生確率によって決定されることができる。この時、発生確率が高い予測モードには低いモード番号が割り当てられることができる。例えば、図10の1010のテーブルでは、VER予測モードの発生確率が最も高い。したがって、隣接予測モードのモード番号は、隣接予測モードのモード順序を示すこともできる。
図10の1020は、隣接予測モードのモード番号によるVLCテーブルカテゴリの一実施例を示すテーブルである。図10の1020において、VLCN(Nは、1、2、3又は4)は、符号化対象ユニットのシンタックス要素に適用されるVLCテーブルを示すことができる。図10の1020を参照すると、符号化器は、隣接予測モードのモード番号を利用し、互いに異なる4個のVLCテーブルのうち一つのテーブルを選択することができる。
一例として、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが0(VER)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが6(VER+6)であると仮定する。ここで、0(VER)は、モード番号が0である予測モードを示し、6(VER+6)は、モード番号が6である予測モードを示すことができる。この時、図10の1020を参照すると、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号は、同じカテゴリに含まれることができる。前記カテゴリに該当するVLCテーブルはVLC1であるため、符号化器はVLC1を符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択することができる。
他の例として、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが8(HOR+4)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが21(VER−1)であると仮定する。ここで、8(HOR+4)は、モード番号が8である予測モードを示し、21(VER−1)はモード番号が21である予測モードを示すことができる。図10の1020を参照すると、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号は、互いに異なるカテゴリに含まれることができる。この時、符号化器は、より小さいモード番号(例えば、モード番号8)に対応するVLCテーブルを選択することができる。モード番号8に該当するVLCテーブルはVLC2であるため、符号化器はVLC2を符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択することができる。
前述した実施例では、左側隣接ユニットA及び上段隣接ユニットBを利用して文脈モデルを選択する場合が叙述されているが、文脈モデルを選択する方法は、前記実施例に限定されない。文脈モデル選択に使われるモード番号情報は、復元された隣接ユニットのうち可用したユニットを利用して多様な方法により導出されることができる。
図11は、隣接予測モード間の角度差情報及び隣接予測モードのモード番号情報を利用して文脈モデルを選択する方法の一実施例を示すテーブルである。
図11において、ctxN(Nは、1、2、3又は4)は、符号化対象ユニットのシンタックス要素に適用される文脈モデルを示すことができる。図11を参照すると、符号化器は、隣接予測モード間の角度差及び隣接予測モードのモード番号を利用し、互いに異なる4個の文脈モデルのうち一つの文脈モデルを選択することができる。
例えば、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが1(HOR)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが33(HOR+7)であると仮定する。ここで、1(HOR)は、モード番号が1である予測モードを示し、33(HOR+7)は、モード番号が33である予測モードを示すことができる。この時、隣接予測モード間の角度差は35である。また、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号が互いに異なるカテゴリに含まれるため、符号化器は、より小さいモード番号(例えば、モード番号1)に対応する文脈モデルを選択することができる。したがって、符号化器は、ctx1を符号化対象ユニットに対する文脈モデルとして選択することができる。
図12は、隣接予測モード間の角度差情報及び隣接予測モードのモード番号情報を利用してVLCテーブルを選択する方法の一実施例を示すテーブルである。
図12において、VLCN(Nは、1、2、3又は4)は、符号化対象ユニットのシンタックス要素に適用されるVLCテーブルを示すことができる。図12を参照すると、符号化器は、隣接予測モード間の角度差及び隣接予測モードのモード番号を利用し、互いに異なる4個のVLCテーブルのうち一つのテーブルを選択することができる。
一例として、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが0(VER)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが0(VER)であると仮定する。ここで、0(VER)は、モード番号が0である予測モードを示すことができる。この時、隣接予測モード間の角度差は0である。また、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号が同じカテゴリに含まれるため、符号化器は、前記同じカテゴリに該当するVLCテーブルを選択することができる。したがって、符号化器は、VLC1を符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択することができる。
他の例として、左側隣接ユニットAのイントラ予測モードが1(HOR)であり、上段隣接ユニットBのイントラ予測モードが33(HOR+7)であると仮定する。ここで、1(HOR)は、モード番号が1である予測モードを示し、33(HOR+7)はモード番号が33である予測モードを示すことができる。この時、隣接予測モード間の角度差は、0でなく、35である。また、ユニットAのモード番号とユニットBのモード番号が互いに異なるカテゴリに含まれるため、符号化器は、より小さいモード番号(例えば、モード番号1)に対応するVLCテーブルを選択することができる。したがって、符号化器は、VLC2を符号化対象ユニットに対するVLCテーブルとして選択することができる。
一方、前述したように、符号化器は、復元された隣接ユニットを利用し、符号化対象ユニットに対する隣接予測モード情報を導出することができる。ここで、隣接予測モード情報には、隣接予測モード間の角度差及び/又は隣接予測モードのモード番号などがある。
前記復元された隣接ユニットの個数は2以上であってもよい。この時、符号化器は、復元された隣接ユニットのうち、符号化対象予測ユニットの符号化パラメータと最も類似する符号化パラメータを有する2個のユニットを選択し、隣接予測モード情報導出に利用することができる。
また、符号化対象ユニットが有することができるイントラ予測モードの個数と復元された隣接ユニットが有することができるイントラ予測モードの個数は互いに異なってもよい。この時、符号化器は、隣接予測モード情報を導出するとき、符号化対象ユニットと復元された隣接ユニットが共通的に有することができるイントラ予測モードのみを利用することもできる。
また、エントロピー符号化に使われるVLCテーブルでは、イントラ予測モードに関連した第1のシンタックス要素及び前記第1のシンタックス要素と異なる所定の第2のシンタックス要素が共に表現されることができる。このような場合のVLCテーブルは、統合VLCテーブルと呼ばれることもある。この時、符号化器は、統合VLCテーブルを利用し、前記第1のシンタックス要素と前記第2のシンタックス要素を共に符号化することができる。
前述したイントラ予測モード符号化方法によると、符号化器は、隣接予測モードに対する情報を利用し、イントラ予測モードを効率的に符号化することができる。したがって、隣接状況の変化による効率的な符号化が可能であり、符号化の効率が向上することができる。
図13は、本発明によるイントラ予測モード復号化方法の一実施例を概略的に示すフローチャートである。
図13を参照すると、復号化器は、隣接予測モードに対する情報を導出することができる(S1310)。ここで、隣接予測モード情報には、隣接予測モード間の角度差及び/又は隣接予測モードのモード番号などがある。復号化器は、符号化器と同じ方法を利用して隣接予測モード情報を導出することができる。
隣接予測モード情報が導出されると、復号化器は、導出された隣接予測モード情報を利用し、復号化対象ユニットに対するイントラ予測モードを復号化することができる(S1320)。
復号化器は、復号化対象ユニットに対するイントラ予測モードを導出するために、復号化対象ユニットに対するMPM候補を導出することができる。MPM候補は、復元された隣接ユニットのイントラ予測モードを利用して導出されることができる。復号化器は、MPM候補を導出するとき、隣接予測モード情報(例えば、隣接予測モード間の角度差及び/又は隣接予測モードのモード番号)を利用することもできる。MPM候補導出方法は、符号化器におけるMPM候補導出方法と同様であるため省略する。MPM候補が導出されると、復号化器は、導出されたMPM候補を利用してMPMリストを生成することができる。
前述したように、符号化器は、MPMフラッグを符号化して復号化器に送信することができる。ここで、MPMフラッグは、MPMリスト内に符号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在するかどうかを指示するフラッグである。この時、復号化器は、前記MPMフラッグを受信して復号化することができる。復号化器は、前記復号化されたMPMフラッグを利用し、MPMリスト内に復号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在するかどうかを判断することができる。
MPMリスト内に符号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在する場合、符号化器は、MPMインデックスを符号化して復号化器に送信することができる。ここで、MPMインデックスは、符号化対象ユニットの予測モードがMPMリスト内のMPM候補のうちいずれのMPM候補と同じであるかを指示するインデックスである。この時、復号化器は、前記MPMインデックスを受信して復号化することができる。復号化器は、MPMリスト内のMPM候補のうち復号化されたMPMインデックスが指示するMPM候補を、復号化対象ユニットのイントラ予測モードに使用することができる。
MPMリストに含まれているMPM候補の個数が1個の場合、符号化器は、MPMインデックスを符号化しない。また、復号化器が復号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が分かる場合にも、符号化器は、MPMインデックスを符号化しない。この時、復号化器は、前記MPMインデックスの受信、復号化過程を省略することができる。
MPMリスト内に符号化対象ユニットの予測モードと同一のMPM候補が存在しない場合、符号化器は、リメイニングモードを符号化して復号化器に送信することができる。この時、復号化器は、前記リメイニングモードを受信して復号化することができる。
符号化器は、符号化対象ユニットのイントラ予測モードを符号化するとき、復元された隣接ユニット及び/又はMPM候補を利用しないこともある。即ち、符号化器は、符号化対象ユニットのイントラ予測モード自体をエントロピー符号化して復号化器に送信することができる。この時、復号化器は、前記符号化されたイントラ予測モード自体を受信してエントロピー復号化することができる。
一方、復号化器は、前述したMPMフラッグ、MPMインデックス、リメイニングモード及び/又はイントラ予測モード自体に対するエントロピー復号化を実行することができる。この時、シンタックス要素の各々に対するエントロピー復号化を実行するとき、復号化器は、一つの文脈モデルのみを利用して算術復号化を実行することができ、固定ビット復号化を使用することができる。しかし、この場合、復元された隣接ユニットのイントラ予測モード情報を使用しないため、復号化の効率が低い。したがって、復元された隣接ユニットのイントラ予測モードに対する情報、即ち、隣接予測モード情報を利用してエントロピー復号化を実行する方法が提供されることができる。
図14は、隣接予測モード情報を利用したエントロピー復号化実行方法の一実施例を示すフローチャートである。
図14を参照すると、復号化器は、隣接予測モード情報を利用し、復号化対象ユニットに対する文脈モデル及び/又はVLCテーブルを選択することができる(S1410)。
復号化器は、エントロピー復号化を実行するとき、複数の文脈モデルのうち一つの文脈モデルを選択して使用することができる。この時、復号化器は、隣接予測モード間の角度差情報を利用して文脈モデルを選択してもよく、隣接予測モードのモード番号及び/又はモード順序を利用して文脈モデルを選択してもよい。また、復号化器は、角度差情報及びモード番号情報を共に利用して文脈モデルを選択してもよい。
また、復号化器は、エントロピー復号化を実行するとき、複数のVLCテーブルのうち一つのVLCテーブルを選択して使用することができる。この時、復号化器は、隣接予測モード間の角度差情報を利用してVLCテーブルを選択することができ、隣接予測モードのモード番号及び/又はモード順序を利用して文脈モデルを選択することもできる。また、復号化器は、角度差情報及びモード番号情報を共に利用して文脈モデルを選択することもできる。
復号化器は、符号化器と同じ方法により、復号化対象ユニットに対する文脈モデル及び/又はVLCテーブルを選択することができる。文脈モデル選択方法及びVLCテーブル選択方法の具体的な実施例は、前述したため省略する。
復号化器は、前記選択された文脈モデル及び/又はVLCテーブルを利用し、復号化対象ユニットのイントラ予測モードに対するエントロピー復号化を実行することができる(S1420)。この時、エントロピー復号化が実行されるシンタックス要素には、前述したように、MPMフラッグ、MPMインデックス、リメイニングモード及び/又はイントラ予測モード自体などがある。
前述したイントラ予測モード復号化方法によると、復号化器は、隣接予測モードに対する情報を利用してイントラ予測モードを効率的に復号化することができる。したがって、隣接状況の変化による効率的な復号化が可能であり、復号化の効率が向上することができる。
前述した実施例において、方法は一連のステップ又はブロックで順序図に基づいて説明されているが、本発明はステップの順序に限定されるものではなく、あるステップは前述と異なるステップと異なる順序に又は同時に発生することができる。また、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、順序図に示すステップが排他的でなく、他のステップが含まれ、又は順序図の一つ又はそれ以上のステップが本発明の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であることを理解することができる。
前述した実施例は、多様な態様の例示を含む。多様な態様を示すための全ての可能な組合せを記述することはできないが、該当技術分野の通常の知識を有する者は他の組合せが可能であることを認識することができる。したがって、本発明は、特許請求の範囲内に属する全ての交替、修正、及び変更を含む。