JP2014241484A - 量子誤り訂正方法、量子誤り訂正装置、および、量子情報格納装置 - Google Patents
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量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第1の操作を行うことにより、格子構造の各頂点に配された複数の第1Zエラー用量子ビットに表面符号のZエラーシンドロームに対応した量子状態を準備するZエラー抽出ステップと、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第2の操作を行うことにより、Zエラー抽出ステップによって準備された複数の第1Zエラー用量子ビットの量子状態を、複数の第1Zエラー用量子ビットそれぞれに近接して配された複数の第2Zエラー用量子ビットにコピーするZエラーコピーステップと、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第3の操作を行うことにより、Zエラーコピーステップによって準備された第2Zエラー用量子ビットの量子状態を用いて、Zエラーシンドロームに依存したハミルトニアンの下で複数の第2Zエラー用量子ビットおよび複数のデータ量子ビットに近接して配された複数の冷却用量子ビットを冷却する第1冷却ステップと、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第4の操作を行うことにより、Zエラー冷却ステップによって準備された複数の冷却用量子ビットそれぞれの量子状態を、複数のデータ量子ビットにフィードバックするZエラー訂正ステップと、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第5の操作を行うことにより、格子構造の各面心に配された複数の第1Xエラー用量子ビットに表面符号のXエラーシンドロームに対応した量子状態を準備するXエラー抽出ステップと、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第6の操作を行うことにより、Xエラー抽出ステップによって準備された複数の第1Xエラー用量子ビットの量子状態を、複数の第1Xエラー用量子ビットそれぞれに近接して配された複数の第2Xエラー用量子ビットにコピーするXエラーコピーステップと、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第7の操作を行うことにより、Xエラーコピーステップによって準備された第2Xエラー用量子ビットの量子状態を用いて、Xエラーシンドロームに依存したハミルトニアンの下で複数の第2Xエラー用量子ビットおよび複数の冷却用量子ビットを冷却する第2冷却ステップと、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第8の操作を行うことにより、Xエラー冷却ステップによって準備された複数の冷却用量子ビットそれぞれの量子状態を、複数のデータ量子ビットにフィードバックするXエラー訂正ステップと、
を有する量子誤り訂正方法である。
本発明の実施形態により、信頼性の高い量子情報格納装置を実現するための、新しい量子誤り訂正アーキテクチャ、および、量子誤り訂正装置が実現される。本発明の実施形態による量子誤り訂正装置では、システムサイズ(例えば、量子情報を保持する量子ビットの数)に依存して、量子誤り訂正装置の規模や必要な計算負荷の増大がほとんどない。
包括制御(global control schemes)の歴史は古く、一次元スピン系において並進対称的で局所的な操作のみでユニバーサルな量子情報処理が可能であることが示されている。最近、境界面のみ選択的に操作・観測を許す包括制御のアーキテクチャにおいて誤り耐性閾値が存在することが示された。その値は10−5で、Bacon-Shor符号の連結化に基づくスキームによって達成されたものである。
本発明の実施形態による量子誤り訂正アーキテクチャにおいては、表面符号を形成しているデータ量子ビット(図2(c)における「量子ビット系」)に付随する補助古典多体系(図2(c)における「補助ビット系」)を導入する。ここでいう「古典」とは、状態間の量子コヒーレンスを積極的に使用しない、という意味である。補助古典多体系は、例えば、正方格子の辺上のデータ量子ビットの直上に位置しているイジング(Ising)スピン{|0>,|1>}からなる。これらを「冷却スピン」とも称することとする。冷却スピン系のハミルトニアンH({bv})は、式(2)で表されるような、並進対称的で局所的なものを考える。
以下では、シンドロームに依存する四体相互作用を含むハミルトニアンH({bv})(式(2))の下での冷却プロセスを、具体的にどのように実現するかについて述べる。
粒子301Bの量子ビット(Zエラー用シンドロームスピン)および粒子301Cの量子ビット(Xエラー用シンドロームスピン)(図3(a)等)の状態を、|0>に初期化する(図4(a)、図5AのステップS1)。
粒子301Aの量子ビット(データ量子ビット)と粒子301Bの量子ビット(Zエラー用シンドロームスピン)との間で、データ量子ビット301Aを制御ビットとしZエラー用シンドロームスピン301Bを標的ビットとして、CNOTゲート操作を行う(図3(b)向かって右側の図、図4(b)の量子系301面内方向矢印、図5AのステップS2)。
粒子303Bの量子ビット(Zエラー用シンドロームスピンの補助スピン)(図3(a)等)の状態を、|0>に初期化し、粒子301Bの量子ビット(Zエラー用シンドロームスピン)と粒子303Bの量子ビット(Zエラー用シンドロームスピンの補助スピン)との間で、Zエラー用シンドロームスピン301Bを制御ビットとしZエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Bを標的ビットとして、CNOTゲート操作を行う(図3(c)向かって右側の図、図4(b)の量子系301から古典系303へ向かう矢印、図5AのステップS3)。
図3(d)においてUとして表されるCNOT操作、つまり、粒子303Aの量子ビット(冷却用量子ビット(冷却スピン))と粒子303Bの量子ビット(Zエラー用シンドロームスピンの補助スピン)との間で、4つの冷却スピン303Aを制御ビットとし4つの冷却スピン303Aに囲まれたZエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Bを標的ビットとして、CNOTゲート操作Uを行う。そして、Zエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Bに対し散逸操作(D(βJ)による減衰(後述))を行い、さらに、上記したCNOT操作Uを行う。(図3(d)、図4(c)、図5AのステップS4)。
次に、図3(d)の最後部分に示されるように、Zエラー用シンドロームスピン301BとZエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Bとの間で、Zエラー用シンドロームスピン301Bを制御ビットとしZエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Bを標的ビットとしてCNOTゲート操作を行い、Zエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Bを制御ビットとして周りの4つの冷却スピン303Aのパリティ(ゼロケットの個数の偶奇)を変える操作、例えば、Zエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Bと冷却スピン303Aとの間でランダムなCNOT操作(後述)を行う。そして、冷却スピン303Aについて、散逸操作(D(βh)による減衰(後述))を行う(図4(c)、図5AのステップS5)。
上述したステップ(iii)からステップ(v)までの操作を、HPおよびHFそれぞれの下での冷却効果が十分に得られるように、予め定めた所定の回数だけ繰り返す(図5AのステップS6)。
冷却スピン303Aとデータ量子ビット301Aとの間で、冷却スピン303Aを制御ビットとしデータ量子ビット301Aを標的ビットとして、CZゲート操作を行う(図4(d)、図5AのステップS7)。
データ量子ビット粒子301Aと粒子301Cの量子ビット(Xエラー用シンドロームスピン)との間で、Xエラー用シンドロームスピン301Cを制御ビットとしデータ量子ビット301Aを標的ビットとして、HCNOTゲート操作を行う(図3(b)向かって左側の図、図5BのステップS8)。ここでのHCNOTゲート操作とは、制御ビット(Xエラー用シンドロームスピン301C)に対し先ずアダマール(Hadamard)ゲートを施し、次に、CNOTゲート操作を行い、その後で、さらに、制御ビット(Xエラー用シンドロームスピン301C)に対しアダマール(Hadamard)ゲートを施す操作を指す(図3(b)の下方の図)。
ステップ(iii)と同様に、粒子303Cの量子ビット(Xエラー用シンドロームスピンの補助スピン)(図3(a)等)の状態を、|0>に初期化し、Xエラー用シンドロームスピン301CとXエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Cとの間で、Xエラー用シンドロームスピン301Cを制御ビットとしXエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Cを標的ビットとして、CNOTゲート操作を行う(図3(c)向かって左側の図、図5BのステップS9)。
ステップ(iv)と同様に、粒子303Aの量子ビット(冷却用量子ビット(冷却スピン))とXエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Cとの間で、4つの冷却スピン303Aを制御ビットとし4つの冷却スピン303Aに囲まれたXエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Cを標的ビットとして、CNOTゲート操作を行う。そして、Xエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Cに対し散逸操作(D(βJ)による減衰(後述))を行い、さらに、上記したCNOT操作Uを行う(図5BのステップS10)。
ステップ(v)と同様に、Xエラー用シンドロームスピン301CとXエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Cとの間でCNOTゲート操作を行い、Xエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Cを制御ビットとして周りの4つの冷却スピン303Aのパリティを変える操作、例えば、Xエラー用シンドロームスピンの補助スピン303Cと冷却スピン303Aとの間でランダムなCNOT操作(後述)を行う。そして、冷却スピン303Aについて、散逸操作(D(βh)による減衰(後述))を行う(図5BのステップS11)。
上述したステップ(ix)からステップ(xi)までの操作を、HPおよびHFそれぞれの下での冷却効果が十分に得られるように、予め定めた所定の回数だけ繰り返す(図5BのステップS12)。
冷却スピン303Aとデータ量子ビット301Aとの間で、冷却スピン303Aを制御ビットとしデータ量子ビット301Aを標的ビットとして、CNOTゲート操作を行う(図5BのステップS13)。
V(t)=e^[−i(H+Hint)t]、
となる。
V(t)=e^[−i(H+Hint)t]
〜[e^[−i(HP+Hint/2)τ]
×e^[−i(HF+Hint/2)τ]]^m、
となる。ここで、t=τmである。
なお、ここでは、近似
tcycle=tcool+tg〜103/γ+105/g、
の時間を要する。
p=1−e^(−Γ2tcycle)〜Γ2tcycle〜10−2
⇔ Γ2×(103/γ+105/g)〜10−2
⇔ Γ2<10−5γ、かつ、Γ2<10−7g、
となる。前者は、補助ビット(古典系303)の散逸時間が、量子ビット(量子系301)の緩和時間T2よりも105倍だけ速いということを示している。後者は、ゲート時間gが、量子系301のコヒーレンス時間よりも107倍速いことを意味している。
複数の量子ビットが格子構造を成して配列される量子情報格納器において、格子構造の各辺上に配された複数のデータ量子ビット301Aに格納された量子情報によって構成される表面符号の誤りを訂正する量子誤り訂正装置における量子誤り訂正方法であって、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第1の操作を行うことにより、格子構造の各頂点に配された複数の第1Zエラー用量子ビット301Bに表面符号のZエラーシンドロームに対応した量子状態を準備するZエラー抽出ステップ(ステップ(ii))と、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第2の操作を行うことにより、Zエラー抽出ステップによって準備された複数の第1Zエラー用量子ビット301Bの量子状態を、複数の第1Zエラー用量子ビット301Bそれぞれに近接して配された複数の第2Zエラー用量子ビット303BにコピーするZエラーコピーステップ(ステップ(iii))と、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第3の操作を行うことにより、Zエラーコピーステップによって準備された第2Zエラー用量子ビット303Bの量子状態を用いて、Zエラーシンドロームに依存したハミルトニアンの下で複数の第2Zエラー用量子ビット303Bおよび複数のデータ量子ビット301Aに近接して配された複数の冷却用量子ビット303Aを冷却する第1冷却ステップ(ステップ(iv)、ステップ(v))と、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第4の操作を行うことにより、Zエラー冷却ステップによって準備された複数の冷却用量子ビット303Aそれぞれの量子状態を、複数のデータ量子ビット301AにフィードバックするZエラー訂正ステップ(ステップ(vii))と、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第5の操作を行うことにより、格子構造の各面心に配された複数の第1Xエラー用量子ビット301Cに表面符号のXエラーシンドロームに対応した量子状態を準備するXエラー抽出ステップ(ステップ(viii))と、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第6の操作を行うことにより、Xエラー抽出ステップによって準備された複数の第1Xエラー用量子ビット301Cの量子状態を、複数の第1Xエラー用量子ビット301Cそれぞれに近接して配された複数の第2Xエラー用量子ビット303CにコピーするXエラーコピーステップ(ステップ(ix))と、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第7の操作を行うことにより、Xエラーコピーステップによって準備された第2Xエラー用量子ビット303Cの量子状態を用いて、Xエラーシンドロームに依存したハミルトニアンの下で複数の第2Xエラー用量子ビット303Cおよび複数の冷却用量子ビット303Aを冷却する第2冷却ステップ(ステップ(x)、ステップ(xi))と、
量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第8の操作を行うことにより、Xエラー冷却ステップによって準備された複数の冷却用量子ビット303Aそれぞれの量子状態を、複数のデータ量子ビット301AにフィードバックするXエラー訂正ステップ(ステップ(xiii))と、を有する量子誤り訂正方法である。
(図4(c)の過程に相当する)第3の操作は、頂点に隣接する複数の冷却用量子ビットの間の相互作用の時間発展を模擬する操作(図3(d)の操作U)と、複数の冷却用量子ビットのエネルギー散逸の時間発展を模擬する操作(図3(d)の操作D)と、第2Zエラー用量子ビットのエネルギー散逸の時間発展を模擬する操作(図3(d)の操作D)と、を含み、
第7の操作は、第3の操作に含まれる各操作に類似した、面心に隣接する複数の冷却用量子ビットの間の相互作用の時間発展を模擬する操作と、複数の冷却用量子ビットのエネルギー散逸の時間発展を模擬する操作と、第2Xエラー用量子ビットのエネルギー散逸の時間発展を模擬する操作と、を含んでよい。
最後に、本発明の実施形態による量子誤り訂正方法(非観測型量子誤り訂正)を行うことができる量子情報格納装置(量子情報ストレージ)の構成について説明する。先の説明では、古典系303と量子系301の2層構成を用いて、各層の役割を明確に切り分け、さらに、1個の量子情報保持体が1個の量子ビットを構成するモデルを用いることにより、説明を行った。そのため、先の説明では、6種類の量子情報保持体(粒子(301A〜C、303A〜C))を用いている。しかしながら、量子情報格納装置は、物理的には正方格子上に配置された3種類の量子情報保持体(粒子)の一層構造により実現することができる。この場合、各量子情報保持体には、それぞれ複数(2つ)の量子ビットを備える粒子(原子)が用いられる。
格子構造の各辺上に配された複数のデータ量子ビットおよび複数の冷却用量子ビットは、各辺上に配された複数の第1の量子情報保持体(第1の粒子601A)の2種類の内部自由度(核スピン601ANおよび電子スピン601AE)でよく、
格子構造の各頂点に配された複数の第1Zエラー用量子ビットおよび複数の第2Zエラー用量子ビットは、各頂点に配された複数の第2の量子情報保持体(第2の粒子601B)の2種類の内部自由度(核スピン601BNおよび電子スピン601BE)でよく、
前記格子構造の各面心に配された複数の第1Xエラー用量子ビットおよび複数の第2Xエラー用量子ビットは、各面心に配された複数の第3の量子情報保持体(第3の粒子601C)の2種類の内部自由度(核スピン601CNおよび電子スピン601CE)でよい。
102a:補助ビットの冷却による初期化
102b:補助ビットのユニタリー操作
103:古典情報処理
104:補助ビット系のユニタリー操作
105:冷却プロセス
201:表面符号
202:量子ビット
205:Zエラー
207:チェーンCの端∂Cの頂点のスタビライザー演算子
301:量子系
303:古典系
301A:量子系第1粒子(データ量子ビット)
301B:量子系第2粒子(Zエラー用シンドロームスピン)
301C:量子系第3粒子(Xエラー用シンドロームスピン)
303A:古典系第1粒子(冷却スピン)
303B:古典系第2粒子(Zエラー用シンドロームスピンの補助スピン)
303C:古典系第3粒子(Xエラー用シンドロームスピンの補助スピン)
601:量子情報格納装置(量子情報ストレージ)
601A:第1粒子
601AE:第1電子スピン(冷却スピン)
601AN:第1核スピン(データ量子ビット)
601B:第2粒子
601BE:第2電子スピン(Zエラー用シンドローム補助スピン)
601BN:第2核スピン(Zエラー用シンドロームスピン)
601C:第3粒子
601CE:第3電子スピン(Xエラー用シンドローム補助スピン)
601CN:第3核スピン(Xエラー用シンドロームスピン)
701:量子誤り訂正装置を備えた量子情報格納装置
703:量子誤り訂正装置
705:量子情報格納器
711:第1操作器
712:第2操作器
713:第3操作器
715:コントローラ(操作器制御部)
801:量子情報格納器用分子
803:トリチルラジカル
805:窒素内包フラーレン
807:リチウム(Li)フタロシアニン
Claims (7)
- 複数の量子ビットが格子構造を成して配列される量子情報格納器において、前記格子構造の各辺上に配された複数のデータ量子ビットに格納された量子情報によって構成される表面符号の誤りを訂正する量子誤り訂正装置における量子誤り訂正方法であって、
前記量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第1の操作を行うことにより、前記格子構造の各頂点に配された複数の第1Zエラー用量子ビットに前記表面符号のZエラーシンドロームに対応した量子状態を準備するZエラー抽出ステップと、
前記量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第2の操作を行うことにより、前記Zエラー抽出ステップによって準備された前記複数の第1Zエラー用量子ビットの量子状態を、前記複数の第1Zエラー用量子ビットそれぞれに近接して配された複数の第2Zエラー用量子ビットにコピーするZエラーコピーステップと、
前記量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第3の操作を行うことにより、前記Zエラーコピーステップによって準備された前記第2Zエラー用量子ビットの量子状態を用いて、前記Zエラーシンドロームに依存したハミルトニアンの下で前記複数の第2Zエラー用量子ビットおよび前記複数のデータ量子ビットに近接して配された複数の冷却用量子ビットを冷却する第1冷却ステップと、
前記量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第4の操作を行うことにより、前記Zエラー冷却ステップによって準備された前記複数の冷却用量子ビットそれぞれの量子状態を、前記複数のデータ量子ビットにフィードバックするZエラー訂正ステップと、
前記量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第5の操作を行うことにより、前記格子構造の各面心に配された複数の第1Xエラー用量子ビットに前記表面符号のXエラーシンドロームに対応した量子状態を準備するXエラー抽出ステップと、
前記量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第6の操作を行うことにより、前記Xエラー抽出ステップによって準備された前記複数の第1Xエラー用量子ビットの量子状態を、前記複数の第1Xエラー用量子ビットそれぞれに近接して配された複数の第2Xエラー用量子ビットにコピーするXエラーコピーステップと、
前記量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第7の操作を行うことにより、前記Xエラーコピーステップによって準備された前記第2Xエラー用量子ビットの量子状態を用いて、前記Xエラーシンドロームに依存したハミルトニアンの下で前記複数の第2Xエラー用量子ビットおよび前記複数の冷却用量子ビットを冷却する第2冷却ステップと、
前記量子情報格納器に対し包括的に並進対称的かつ局所的な第8の操作を行うことにより、前記Xエラー冷却ステップによって準備された前記複数の冷却用量子ビットそれぞれの量子状態を、前記複数のデータ量子ビットにフィードバックするXエラー訂正ステップと、を有する量子誤り訂正方法。 - 前記第3の操作は、前記頂点に隣接する前記複数の冷却用量子ビットの間の相互作用の時間発展を模擬する操作と、前記複数の冷却用量子ビットのエネルギー散逸の時間発展を模擬する操作と、前記第2Zエラー用量子ビットのエネルギー散逸の時間発展を模擬する操作と、を含み、
前記第7の操作は、前記面心に隣接する前記複数の冷却用量子ビットの間の相互作用の時間発展を模擬する操作と、前記複数の冷却用量子ビットのエネルギー散逸の時間発展を模擬する操作と、前記第2Xエラー用量子ビットのエネルギー散逸の時間発展を模擬する操作と、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の量子誤り訂正方法。 - 前記格子構造の各辺上に配された前記複数のデータ量子ビットおよび前記複数の冷却用量子ビットは、前記各辺上に配された複数の第1の量子情報保持体の2種類の内部自由度であり、
前記格子構造の各頂点に配された前記複数の第1Zエラー用量子ビットおよび前記複数の第2Zエラー用量子ビットは、前記各頂点に配された複数の第2の量子情報保持体の2種類の内部自由度であり、
前記格子構造の各面心に配された前記複数の第1Xエラー用量子ビットおよび前記複数の第2Xエラー用量子ビットは、前記各面心に配された複数の第3の量子情報保持体の2種類の内部自由度である、ことを特徴とする請求項1に記載の量子誤り訂正方法。 - 量子情報格納器の複数のデータ量子ビットに格納された量子情報によって構成される表面符号の誤りを請求項3に記載の量子誤り訂正方法に従って訂正する量子誤り訂正装置であって、
前記複数の第1の量子情報保持体、前記複数の第2の量子情報保持体、および、前記複数の第3の量子情報保持体のうち、前記複数の第1の量子情報保持体のみに対し包括的な操作を施すことができる第1の操作器と、
前記複数の第1の量子情報保持体、前記複数の第2の量子情報保持体、および、前記複数の第3の量子情報保持体のうち、前記複数の第2の量子情報保持体のみに対し包括的な操作を施すことができる第2の操作器と、
前記複数の第1の量子情報保持体、前記複数の第2の量子情報保持体、および、前記複数の第3の量子情報保持体のうち、前記複数の第3の量子情報保持体のみに対し包括的な操作を施すことができる第3の操作器と、
前記第1の操作器、前記第2の操作器、および、前記第3の操作器を前記請求項3に記載の量子誤り訂正方法に従って制御する操作器制御部と、を有する量子誤り訂正装置。
- 前記第1の量子情報保持体、前記2種類の内部自由度として核スピンおよび電子スピンを有し、
前記第1の操作器は、前記操作において、前記量子情報格納器に対して第1周波数の電磁波を照射し、隣接する前記第1の量子情報保持体の電子スピン間の結合の強度を変化させ、
前記第2の操作器は、前記操作において、前記量子情報格納器に対して第2周波数の電磁波を照射し、隣接する前記第2の量子情報保持体の電子スピン間の結合の強度を変化させ、
前記第3の操作器は、前記操作において、前記量子情報格納器に対して第3周波数の電磁波を照射し、隣接する前記第3の量子情報保持体の電子スピン間の結合の強度を変化させる、請求項4に記載の量子誤り訂正装置。 - 請求項4に記載の量子誤り訂正装置と、
前記格子構造の前記各辺上に配された複数の前記第1の量子情報保持体、前記格子構造の前記各頂点に配された複数の前記第2の量子情報保持体、および、前記格子構造の前記各面心に配された複数の前記第3の量子情報保持体、を備えた前記量子情報格納器と、
を有する量子情報格納装置。 - 前記量子情報格納器の前記格子構造は、前記第1の量子情報保持体、前記第2の量子情報保持体、および、前記第3の量子情報保持体の少なくともいずれか1つを含んで形成される超分子構造または高分子構造により形成され、
前記第1の量子情報保持体、前記第2の量子情報保持体、および、前記第3の量子情報保持体は、それぞれ、不対電子を有する分子または不対電子を有するナノ粒子である、請求項6に記載の量子情報格納装置。
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