JP2014240796A - ハンダ劣化判断方法およびハンダ劣化判断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のパワー素子のコレクタとエミッタとの間の電圧の値を用いて、複数のパワー素子それぞれの基板への設置に使用されている複数箇所のハンダそれぞれの劣化を検出するハンダ劣化検出方法において、ハンダの劣化による電圧の変動幅が小さく、また、温度ドリフトがあっても、ハンダの劣化を検出する。
【解決手段】3つのパワー素子5A,5B,5Cそれぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値の電流を流すときの、コレクタとエミッタとの間の電圧Vce1,Vce2,Vce3を測定し、この測定した3つの電圧の差V12,V23,V31を順繰りに3つ算出し、電圧の測定と電圧差の算出とを繰り返すことで、3つの電圧の差それぞれが変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、3箇所のハンダのうちのいずれのハンダが劣化しているのか検出するハンダ劣化検出段階とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】3つのパワー素子5A,5B,5Cそれぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値の電流を流すときの、コレクタとエミッタとの間の電圧Vce1,Vce2,Vce3を測定し、この測定した3つの電圧の差V12,V23,V31を順繰りに3つ算出し、電圧の測定と電圧差の算出とを繰り返すことで、3つの電圧の差それぞれが変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、3箇所のハンダのうちのいずれのハンダが劣化しているのか検出するハンダ劣化検出段階とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、ハンダ劣化判断方法およびハンダ劣化判断装置に係り、特に、パワー素子の基板への設置に使用されているハンダの劣化を判断するものに関する。
従来、パワー素子301の基板303への設置に使用されているハンダ305(図2参照)の劣化を判断する方法として、たとえば、特許文献1に示すものが知られている。
特許文献1で示すハンダ劣化判断方法では、ある時刻で、パワー素子301の上面に設けられているエミッタと基板の回路パターン(図示せず)との間に所定の値の電流を流すときの電圧Vaを測定する。なお、基板の回路パターンは、ハンダ305を介してパワー素子301の下面に設けられているコレクタと導通している。
また、上記従来のハンダ劣化判断方法では、上記ある時刻から所定の時間が経過した時刻で、同様にして、パワー素子301の上面に設けられているエミッタと、基板の回路パターン(図示せず)との間に所定の値の電流を流すときの電圧Vbを測定する。
そして、電圧Vaと電圧と電圧Vbとの差が基準値以上である場合、ハンダ305が劣化したものとしている。ハンダ305の劣化として、たとえば、パワー素子301や基板303とハンダ305との熱膨率の違いとヒートサイクルによるハンダ305でのクラック307の発生を掲げることができる。
ところで、上記従来のハンダ劣化判断方法では、ハンダの劣化を発見(検出する)ことが難しいという問題がある。
ハンダ305に発生したクラック307が進行しても、電圧Vceの変動幅(電圧Vb−電圧Va)が小さく、しかも、温度によるドリフトにより、電圧Vceが変動するからである。
たとえば、基板303の回路パターン(コレクタ)とエミッタとの間に50Aの電流を流すときの電圧Vaが2.00Vであるとき、クラック307の発生による変動幅はわずか10mVである(電圧Vbは、2.01Vである)。また、温度によるドリフトにより、電圧Vceが変動し、温度ドリフトによる電圧Vceの変動幅がクラック307の発生による変動幅と同程度か大きくなる場合があるのである。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、複数のパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの前記コレクタと前記エミッタとの間の電圧の値を用いて、前記複数のパワー素子それぞれの基板への設置に使用されている複数箇所のハンダそれぞれの劣化を検出するハンダ劣化検出方法およびハンダ劣化検出装置において、ハンダの劣化による電圧の変動幅が小さく、また、温度ドリフトがあっても、ハンダの劣化を検出することができるものを提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの前記コレクタと前記エミッタとの間の電圧の値を用いて、前記3つのパワー素子それぞれを基板に設置している3箇所のハンダそれぞれの劣化を検出するハンダ劣化判断方法において、前記3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの、前記3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間の電圧を測定する電圧測定段階と、前記電圧測定段階で測定した3つの電圧の差を順繰りに3つ算出する電圧差算出段階と、前記電圧測定段階と前記電圧差算出段階とを繰り返すことで、前記3つの電圧の差それぞれが変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、前記3箇所のハンダのうちのいずれのハンダが劣化しているのか検出するハンダ劣化検出段階とを有するハンダ劣化判断方法である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のハンダ劣化判断方法において、前記ハンダ劣化検出段階は、前記3つの電圧の差のうちの1つの電圧の差が減少し、前記3つの電圧の差のうちの他の1つの電圧の差が増加しているときに、前記3箇所のハンダのうちの1つの箇所の半田が劣化しているのか、2つの箇所の半田が劣化しているのかを検出する段階であるハンダ劣化判断方法である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のハンダ劣化判断方法において、前記ハンダ劣化検出段階は、前記減少した電圧差と前記増加した電圧差とを算出するときの2つの算出式に共通に含まれている電圧が、減少している電圧差の中でマイナスであり、かつ、増加している電圧差の中でプラスである場合に、共通に含まれている電圧が測定された1つのパワー素子を設置しているハンダが劣化したと判断する段階であるハンダ劣化判断方法である。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のハンダ劣化判断方法において、前記ハンダ劣化検出段階は、前記減少した電圧差と前記増加した電圧差とを算出するときの2つの算出式に共通に含まれている電圧が減少している電圧差の中でプラスであり、かつ、増加している電圧差の中でマイナスである場合に、共通に含まれている電圧が測定された1つのパワー素子以外の2つのパワー素子を設置しているハンダが劣化したと判断する段階であるハンダ劣化判断方法である。
請求項5に記載の発明は、複数のパワー素子それぞれの第1の電極と第2の電極との間に所定の値の電流を流すときの前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧の値を用いて、前記各パワー素子を基板に設置しているハンダの劣化を検出するハンダ劣化検出方法において、前記各パワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流しているときの、前記各パワー素子それぞれにおける第1の電極と第2の電極との間の電圧をそれぞれ測定する電圧測定段階と、前記電圧測定段階で測定した各電圧の値相互間における電圧の差を算出する電圧差算出段階と、前記電圧測定段階と前記電圧差算出段階とを複数回繰り返して得られる電圧の差の変化によって、前記ハンダの劣化を検出するハンダ劣化検出段階とを有するハンダ劣化判断方法である。
請求項6に記載の発明は、3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの前記コレクタと前記エミッタとの間の電圧の値を用いて、前記3つのパワー素子それぞれを基板に設置している3箇所のハンダそれぞれの劣化を検出するハンダ劣化検出装置において、前記3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの、前記3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間の電圧を測定する電圧測定部と、前記電圧測定部での電圧の測定と、前記電圧測定部で測定した3つの電圧の差を順繰りに3つ算出することとを繰り返すことで、3つの電圧の差それぞれが変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、前記3箇所のハンダのうちのいずれのハンダが劣化しているのかを検出する制御部とを有するハンダ劣化検出装置である。
本発明によれば、複数のパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの前記コレクタと前記エミッタとの間の電圧の値を用いて、前記複数のパワー素子それぞれの基板への設置に使用されている複数箇所のハンダそれぞれの劣化を検出するハンダ劣化検出方法およびハンダ劣化検出装置において、ハンダの劣化による電圧の変動幅が小さく、また、温度ドリフトがあっても、ハンダの劣化を検出することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態に係るハンダ劣化判断方法(ハンダ劣化検出方法)は、ハンダ3を用いて基板1に設置されているパワー素子(パワー半導体素子;半導体素子チップ)5のコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときのコレクタ7とエミッタ9との間の電圧Vceの値を用いて、ハンダ3の劣化を検出する方法である(図1、図2参照)。
ハンダ劣化検出方法では、たとえば、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値の電流を流すときのコレクタ7とエミッタ9との間の電圧Vceの値(3つの値)を用いて、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれの基板1への設置に使用されている3箇所のハンダ(基板1の図示しない配線パターンの所定の部位とコレクタ7とをお互いに接続している層状のハンダ)3(3A,3B,3C)それぞれの劣化を検出(判断)するようになっている。
なお、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)は、たとえば、3相のインバータ(図示せず)に使用されるものである。3つのパワー素子5(5A,5B,5C)のそれぞれは、たとえば、同じ仕様のものであり、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)のそれぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に流す電流の値は、お互いがほぼ等しくなっているが、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)のそれぞれが、お互いに異なる仕様ものであり、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)のそれぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に流す電流の値がお互いに異なっていてもよい。
ハンダ劣化検出方法では、電圧測定段階と電圧差算出段階とハンダ劣化検出段階(ハンダ劣化推定段階)とを経て、ハンダ3(3A,3B,3C)の劣化を検出するようになっている。
電圧測定段階は、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間の電圧を測定する段階である。
さらに説明すると、電圧測定段階は、第1の電圧測定段階と第2の電圧測定段階と第3の電圧測定段階とで構成されている。
第1の電圧測定段階は、第1のパワー素子5Aのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、第1のパワー素子5Aにおけるコレクタ7とエミッタ9との間の第1の電圧Vce1(V1)を測定する段階である。
第2の電圧測定段階は、第2のパワー素子5Bのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、第2のパワー素子5Bにおけるコレクタ7とエミッタ9との間の第2の電圧Vce2(V2)を測定する段階である。
第3の電圧測定段階は、第3のパワー素子5Cのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、第3のパワー素子5Cにおけるコレクタ7とエミッタ9との間の第3の電圧Vce3(V3)を測定する段階である。
電圧差算出段階は、電圧測定段階で測定した3つの電圧Vce1,Vce2,Vce3の差を順繰りに、3つの算出式を用いて3つ算出する(もとめる)段階である。
さらに説明すると、電圧差算出段階は、第1の電圧差算出段階と第2の電圧差算出段階と第3の電圧差算出段階とで構成されている。
第1の電圧差算出段階は、第1の電圧測定段階で測定した第1の電圧Vce1の値から第2の電圧測定段階で測定した第2の電圧Vce2の値を引く第1の算出式(Vce1−Vce2)を用いることで第1の電圧差Vce12(V12)を算出する段階である。
第2の電圧差算出段階は、第2の電圧測定段階で測定した第2の電圧Vce2の値から第3の電圧測定段階で測定した第3の電圧Vce3の値を引く第2の算出式(Vce2−Vce3)を用いることで第2の電圧差Vce23(V23)を算出する段階である。
第3の電圧差算出段階は、第3の電圧測定段階で測定した第3の電圧Vce3の値から第1の電圧測定段階で測定した第1の電圧Vce1の値を引く第3の算出式(Vce3−Vce1)を用いることで第3の電圧差Vce31(V31)を算出する段階である。
ハンダ劣化検出段階は、電圧測定段階と電圧差算出段階とを複数回繰り返すことで、3つの電圧の差V12,V23,V31それぞれが変化しているか否かを監視し(たとえば、第1の時刻t1における第1の電圧の差V12t1に対して、第1の時刻t1から所定の時間が経過した第2の時刻t2における第1の電圧の差V12t2が変化しているか否かを監視し、同様にして、第2の電圧の差と第3の電圧の差とを監視し)、この監視の結果に応じて、3箇所のハンダ3A,3B,3Cのうちのいずれの箇所のハンダが劣化しているのかを検出する(推定する)段階である。
なお、ハンダ劣化検出段階では、電圧の差V12,V23,V31の監視の結果、電圧の差V12,V23,V31の変化量が所定の閾値を超えたときに、電圧の差V12,V23,V31が変化したものとみなし、電圧の差V12,V23,V31の変化量が所定の閾値内にあるときには、電圧の差V12,V23,V31が変化していないものとみなしている。
ところで、インバータでは、たとえば、6つのパワー素子5が、ハンダ3を用いて基板1に設置されている。そこで、6つのパワー素子5の基板1への設置に使用されているハンダ3の劣化を検出する場合には、6つのパワー素子5を、第1群の3つのパワー素子と第2群の3つのパワー素子とに適宜分けて、第1群の3つのパワー素子においてハンダ劣化検出方法を実行し、第2群の3つのパワー素子においてハンダ劣化検出方法を実行すればよい。
また、ハンダ劣化判断方法におけるハンダ劣化検出段階は、3つの電圧の差V12,V23,V31のうちの1つの電圧の差が減少し、3つの電圧の差V12,V23,V31のうちの他の1つの電圧の差が増加し、3つの電圧の差V12,V23,V31のうちのさらなる他の1つの電圧の差が変化しないときに、3箇所のハンダ3A,3B,3Cのうちの1つの箇所の半田が劣化しているのか、2つの箇所の半田が劣化しているのかを検出するようになっている。
たとえば、第1の時刻t1における第1の電圧の差Vce12t1(V12t1)と第2の時刻t2における第1の電圧の差Vce12t2(V12t2)との差(V12t12=V12t2−V12t1)が負の値であってこの絶対値が所定の閾値を超え、第1の時刻t1における第2の電圧の差Vce23t1(V23t1)と第2の時刻t2における第2の電圧の差Vce23t2(V23t2)との差(V23t12=V23t2−V23t1)が正の値であってこの絶対値が絶対値が所定の閾値を超え、第1の時刻t1における第3の電圧差Vce31t1(V31t1)と第2の時刻t2における第3の電圧差Vce31t2(V31t2)との差(V31t12=V31t2−V31t1)の絶対値が所定の閾値内におさまっているとき、増減のあった電圧差に共通に含まれている電圧はV2である。このときの増減のあった電圧差内での電圧V2の符号を調べる(電圧V2が引き算の引かれる対象になっているのか引く側になっているのかを調べる)。減少している電圧差V12の中では電圧V2はマイナスで有り(引く側になっており)、増加している電圧差V23の中では電圧V2はプラスである(引かれる対象になっている)。このとき、電圧V2が増加したと仮定すると、この変化が発生する。電圧V2は変化せずに電圧V1と電圧V3が同時に増加したと仮定すると、逆の変化、すなわち、電圧差V12は増加し、電圧差V23は減少しなければならない。電圧V1、電圧V3とも、抵抗の電圧降下で有り、抵抗分は増える方向への変化しかしないので、電圧も増える方向への変化しかせず、上記の判断が成立する。このようにして減少している電圧差の中で共通に含まれている電圧がマイナスで有り、増加している電圧差の中で共通に含まれている電圧がプラスであるには、共通に含まれている電圧が測定されたパワー素子の半田が劣化したことを検出するようになっている。
また、たとえば、第1の時刻t1における第1の電圧の差Vce12t1(V12t1)と第2の時刻t2における第1の電圧の差Vce12t2(V12t2)との差(V12t12=V12t2−V12t1)が正の値であってこの絶対値が所定の閾値を超え、第1の時刻t1における第2の電圧の差Vce23t1(V23t1)と第2の時刻t2における第2の電圧の差Vce23t2(V23t2)との差(V23t12=V23t2−V23t1)が負の値であってこの絶対値が絶対値が所定の閾値を超え、第1の時刻t1における第3の電圧差Vce31t1(V31t1)と第2の時刻t2における第3の電圧差Vce31t2(V31t2)との差(V31t12=V31t2−V31t1)の絶対値が所定の閾値内におさまっているとき、増減のあった電圧差に共通に含まれている電圧はV2である。このときの増減のあった電圧差内での電圧V2の符号を調べる。減少している電圧差V23の中では電圧V2はプラスで有り、増加している電圧差V12の中では電圧V2はマイナスである。このとき、電圧V2が増加したと仮定すると、この増加と減少は逆でなければならず。電圧V2は変わらず、電圧V1と電圧V3が同時に増加したと仮定すると、この変化が発生する。このようにして減少している電圧差の中で共通に含まれている電圧がプラスで有り、増加している電圧差の中で共通に含まれている電圧がマイナスであるには、共通に含まれている電圧が測定された1つのパワー素子以外の2つのパワー素子を設置しているハンダが劣化したことを検出するようになっている。
なお、ハンダ劣化判断方法におけるハンダ劣化検出段階で、3つの電圧の差V12,V23,V31の総ての電圧の差が変化しないときに、3箇所のハンダ3A,3B,3Cの総てが劣化していないと判断するようになっている。
さらに具体的に説明すると、ハンダ劣化検出段階における3つの電圧の差V12,V23,V31それぞれが変化しているか否かの監視は、次のようにしてなされる(以下、図5参照)。なお、図5は、横軸が時刻の経過を示しており、縦軸がエミッタ9とコレクタ7との間の電圧V(Vce)を示しており、線図GA5が、第1のパワー素子5Aにおける電圧Vceの変化を示しており、線図GB5が、第2のパワー素子5Bにおける電圧Vceの変化を示しており、線図GC5が、第3のパワー素子5Cにおける電圧Vceの変化を示している。
まず、図5に示す第1の所定の時刻t1で、第1のパワー素子5Aのコレクタ7とエミッタ9との間の第1の電圧(第1のパワー素子5Aのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値の電流を流すときの第1の時刻t1における第1の電圧)Vce1t1(V1t1)を測定し、第2のパワー素子5Bのコレクタ7とエミッタ9との間の第2の電圧Vce2t1(V2t1)を測定し、第3のパワー素子5Cのコレクタ7とエミッタ9との間の第3の電圧Vce3t1(V3t1)を測定する。
この後ただちに、第1の時刻t1における第1の電圧V1t1の値から第1の時刻t1における第2の電圧V2t1の値を引くことで第1の時刻t1における第1の電圧差V12t1(正の値)を算出し、第1の時刻t1における第2の電圧V2t1の値から第1の時刻t1における第3の電圧V3t1の値を引くことで第1の時刻t1における第2の電圧差V23t1(負の値)を算出し、第1の時刻t1における第3の電圧V3t1の値から第1の時刻t1における第1の電圧V1t1の値を引くことで第1の時刻t1における第3の電圧差V31t1(正の値)を算出する。
続いて、第1の所定の時刻t1から所定の時間が経過した第2の所定の時刻t2で、第1のパワー素子5Aのコレクタ7とエミッタ9との間の第1の電圧V1t2を測定し、第2のパワー素子5Bのコレクタ7とエミッタ9との間の第2の電圧V2t2を測定し、第3のパワー素子5Cのコレクタ7とエミッタ9との間の第3の電圧V3t2を測定する。
この後ただちに、第2の時刻t2における第1の電圧V1t2の値から第2の時刻t2における第2の電圧V2t2の値を引くことで第2の時刻t2における第1の電圧差V12t2(正の値)を算出し、第2の時刻t2における第2の電圧V2t2の値から第2の時刻t2における第3の電圧V3t2の値を引くことで第2の時刻t2における第2の電圧差V23t2(負の値)を算出し、第2の時刻t2における第3の電圧V3t2の値から第2の時刻t2における第1の電圧V1t2の値を引くことで第2の時刻t2における第3の電圧差V31t2(負の値)を算出する。
この後ただちに、第1の時刻t1における第1の電圧差V12t1に対して第2の時刻t2における第1の電圧差V12t2が変化しているか否かを判断し、第1の時刻t1における第2の電圧差V23t1に対して第2の時刻t2における第2の電圧差V23t2が変化しているか否かを判断し、第1の時刻t1における第3の電圧差V31t1に対して第2の時刻t2における第3の電圧差V31t2が変化しているか否かを判断する。
そして、上記判断結果に応じて、3箇所のハンダのうちのいずれの箇所のハンダが劣化しているのかを検出する。
たとえば、第1の時刻t1における第1の電圧差V12t1に対して第2の時刻t2における第1の電圧差V12t2が増加しており(大きくなっており)、第1の時刻t1における第2の電圧差V23t1に対して第2の時刻t2における第2の電圧差V23t2がほとんど変化しておらず、第1の時刻t1における第3の電圧差V31t1に対して第2の時刻t2における第3の電圧差V31t2が減少しているとき(小さくなっているとき;絶対値は大きくなっている)には、電圧差V12と電圧差V31とを算出する式(V1−V2、V3−V1)に共通に含まれている電圧V1を印加した第1のパワー素子5Aを基板1に設置しているハンダ3Aが劣化しているものと判断する。
このとき、さらに、第2の時刻t2における第1の電圧V1t2と第1の時刻t1における第1の電圧V1t1との差(第1のパワー素子5Aでの電圧差)V1t12を求め、第2の時刻t2における第2の電圧V2t2と第1の時刻t1における第2の電圧V2t1との差(第2のパワー素子5Bでの電圧差)V2t12を求め、第2の時刻t2における第3の電圧V3t2と第1の時刻t1における第3の電圧V3t1との差(第3のパワー素子5Cでの電圧差)V2t13を求める。
そして、これらの3つのパワー素子5A,5B,5Cでの電圧差V1t12,V2t12,V3t12うちで、2つのパワー素子(たとえば、第2のパワー素子5Bと第3のパワー素子5C)での電圧差V2t12,V3t12がほぼ「0」であり、他の1つのパワー素子(たとえば、第1のパワー素子5A)での電圧差V1t12が大きくなっている場合、他の1つのパワー素子(たとえば、第1のパワー素子5A)を基板1に設置しているハンダ3Aが劣化しているものと判断することが望ましい。ただし、第1の時刻t1におけるパワー素子5等の温度と第2の時刻t2におけるパワー素子5等の温度とがお互いに等しくなっているものとする。
また、図5において、時刻t1と時刻t2とを任意のところにしてもよい。ただし、時刻t1は、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)が使用されている3相のインバータの初期の時刻(使用開始直後)の時刻であることが望ましい。また、時刻t2を複数回設定してもよい。
ハンダ劣化検出方法によれば、電圧測定段階と電圧差算出段階とを繰り返すことで、3つの電圧の差V12,V23,V31それぞれが変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、3箇所のハンダ3(3A,3B,3C)のうちのいずれの箇所のハンダが劣化しているのかを検出するので、ハンダ3の劣化による電圧の変動幅が小さく、また、温度ドリフトがあっても、ハンダ3の劣化を検出することができる。
すなわち、第1の時刻t1では、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)の温度がたとえば第1の温度になっていることでお互いに等しくなっており、第1の時刻t1から所定の時間が経過したときの第2の時刻t2でも、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)の温度がたとえば第2の温度(第1の温度とは異なる温度であるが、同じ温度であってもよい。)になっていることでお互いに等しくなっているので、温度ドリフトによる影響をなくして、パワー素子5(5A,5B,5C)での微小な電圧Vceの変化を検出することができ、ハンダ3の劣化(たとえばクラック10の発生)を検出することができる。
また、ハンダ劣化検出方法によれば、ハンダ劣化検出段階で、減少した電圧差と増加した電圧差とを算出するときの2つの算出式に共通に含まれている電圧(エミッタ9とコレクタ7との間の電圧)が減少している電圧差の中でマイナスであり、かつ、増加している電圧差の中でプラスである場合に、共通に含まれている電圧が測定された1つのパワー素子5の設置に使用されているハンダ3が劣化したと判断するので、基板1との間に設けられている3箇所のハンダ3(3A,3B,3C)のうちの劣化した1つのハンダ3の劣化を特定することができる。
ところで、ハンダ劣化検出方法において、ハンダ劣化検出段階を、減少した電圧差と増加した電圧差とを算出するときの2つの算出式に共通に含まれている電圧(エミッタ9−コレクタ7間の電圧)Vceが測定された(電圧測定段階によって測定された)1つのパワー素子5以外の2つのパワー素子5の設置に使用されているハンダ3が劣化したと判断する段階としてもよい。
図6を参照して具体的に説明する。なお、図6は、図5と同様に、横軸が時刻の経過を示しており、縦軸がエミッタ9とコレクタ7との間の電圧Vceを示しており、線図GA6が、第1のパワー素子5Aにおける電圧Vceの変化を示しており、線図GB6が、第2のパワー素子5Bにおける電圧Vceの変化を示しており、線図GC6が、第3のパワー素子5Cにおける電圧Vceの変化を示している。
まず、図6に示す第1の所定の時刻t1で、第1のパワー素子5Aのコレクタ7とエミッタ9との間の第1の電圧V1t1を測定し、第2のパワー素子5Bのコレクタ7とエミッタ9との間の第2の電圧V2t1を測定し、第3のパワー素子5Cのコレクタ7とエミッタ9との間の第3の電圧V3t1を測定する。
この後ただちに、第1の時刻t1における第1の電圧V1t1の値から第1の時刻t1における第2の電圧V2t1の値を引くことで第1の時刻t1における第1の電圧差V12t1(正の値)を算出し、第1の時刻t1における第2の電圧V2t1の値から第1の時刻t1における第3の電圧V3t1の値を引くことで第1の時刻t1における第2の電圧差V23t1(負の値)を算出し、第1の時刻t1における第3の電圧V3t1の値から第1の時刻t1における第1の電圧V1t1の値を引くことで第1の時刻t1における第3の電圧差V31t1(正の値)を算出する。
続いて、第1の所定の時刻t1から所定の時間が経過した第2の所定の時刻t2で、第1のパワー素子5Aのコレクタ7とエミッタ9との間の第1の電圧V1t2を測定し、第2のパワー素子5Bのコレクタ7とエミッタ9との間の第2の電圧V2t2を測定し、第3のパワー素子5Cのコレクタ7とエミッタ9との間の第3の電圧V3t2を測定する。
この後ただちに、第2の時刻t2における第1の電圧V1t2の値から第2の時刻t2における第2の電圧V2t2の値を引くことで第2の時刻t2における第1の電圧差V12t2(正の値)を算出し、第2の時刻t2における第2の電圧V2t2の値から第2の時刻t2における第3の電圧V3t2の値を引くことで第2の時刻t2における第2の電圧差V23t2(負の値)を算出し、第2の時刻t2における第3の電圧V3t2の値から第2の時刻t2における第1の電圧V1t2の値を引くことで第2の時刻t2における第3の電圧差V31t2(正の値)を算出する。
この後ただちに、第1の時刻t1における第1の電圧差V12t1に対して第2の時刻t2における第1の電圧差V12t2が変化しているか否かを判断し、第1の時刻t1における第2の電圧差V23t1に対して第2の時刻t2における第2の電圧差V23t2が変化しているか否かを判断し、第1の時刻t1における第3の電圧差V31t1に対して第2の時刻t2における第3の電圧差V31t2が変化しているか否かを判断する。
そして、上記判断結果に応じて、3箇所のハンダのうちのいずれの箇所のハンダが劣化しているのかを検出する。
たとえば、第1の時刻t1における第1の電圧差V12t1に対して第2の時刻t2における第1の電圧差V12t2が増加しており(大きくなっており)、第1の時刻t1における第2の電圧差V23t1に対して第2の時刻t2における第2の電圧差V23t2が減少しており(小さくなっており;絶対値では大きくなっており)、第1の時刻t1における第3の電圧差V31t1に対して第2の時刻t2における第3の電圧差V31t2がほとんど変化していないときには、増加している第1の電圧差V12t2と減少している電圧差V23t2とを算出する式(V1−V2、V2−V3、V3−V1)に共通に含まれている電圧V2以外の電圧V1、V3が印加されていた第1のパワー素子5Aと第3のパワー素子5Cとの設置に使用しているハンダ3A,3Cが劣化したものと判断する。
このとき、さらに、第2の時刻t2における第1の電圧V1t2と第1の時刻t1における第1の電圧V1t1との差(第1のパワー素子5Aでの電圧差)V1t12を求め、第2の時刻t2における第2の電圧V2t2と第1の時刻t1における第2の電圧V2t1との差(第2のパワー素子5Bでの電圧差)V2t12を求め、第2の時刻t2における第3の電圧V3t2と第1の時刻t1における第3の電圧V3t1との差(第3のパワー素子5Cでの電圧差)V3t13を求める。
そして、これらの3つのパワー素子5(5A,5B,5C)での電圧差(V1t12,V2t12,V3t12)のうちで、1つのパワー素子(たとえば、第2のパワー素子5B)での電圧差V2t12がほぼ「0」であり、他の2つのパワー素子(たとえば、第1のパワー素子5A、第3のパワー素子5C)での電圧差V1t12,V3t12が大きくなっている場合、他の2つのパワー素子(たとえば、第1のパワー素子5A、第3のパワー素子5C)を基板1に設置しているハンダ3A、3Cが劣化しているものと判断することが望ましい。ただし、第1の時刻t1におけるパワー素子5等の温度と第2の時刻t2におけるパワー素子5等の温度とがお互いに等しくなっているものとする。
また、図6においても、図5の場合と同様にして、時刻t1と時刻t2とを任意のところにする等してもよい。
ハンダ劣化検出断方法によれば、ハンダ劣化検出段階で、減少した電圧差と増加した電圧差とを算出するときの2つの算出式に共通に含まれている電圧(エミッタ9とコレクタ7との間の電圧)が測定された1つのパワー素子以外の2つのパワー素子の設置に使用されているハンダが劣化したと判断するので、基板1との間に設けられている3箇所のハンダ3のうちの劣化した2つのハンダ3の劣化を特定することができる。
なお、上記説明では、3つのパワー素子5が用いられているケースを例に掲げて説明したが、2つのパワー素子5が用いられているケースにおいて、各パワー素子5を基板1に設置しているハンダ3の劣化を検出するようにしてもよい。
すなわち、時刻t1における第1のパワー素子5Aにおける電圧V1t1と第2のパワー素子5Bにおける電圧V2t1を測定し、この後ただちに電圧差V12t1(=電圧V1t1−電圧V2t1)をもとめ、時刻t2における第1のパワー素子5Aにおける電圧V1t2と第2のパワー素子5Bにおける電圧V2t2を測定し、この後ただちに電圧差V12t2(=電圧V1t2−電圧V2t2)をもとめ、電圧差V12t2−電圧差V12t1の値がほとんど変わらないときには、ハンダ3の劣化は無いものとし、電圧差V12t2−電圧差V12t1の値が大きく正の値であるときには、第1のパワー素子5Aのハンダ3Aが劣化したものとし、電圧差V12t2−電圧差V12t1の絶対値が大きく負の値であるときには、第2のパワー素子5Bのハンダ3Bが劣化したものと判断してもよい。
この場合も、第1の時刻t1におけるパワー素子5等の温度と第2の時刻t2におけるパワー素子5等の温度とがお互いに等しくなっていることが望ましい。
また、4つ以上の複数のパワー素子5が用いられているケースでは、複数のパワー素子5から、3つのパワー素子5を選択して組み合わせ、上述したハンダ劣化検出断方法を組み合わせを変えて繰り返し、4つ以上の複数のパワー素子5総てのハンダ3の劣化を判断すればよい。
なお、上述したハンダ劣化検出断方法は、複数のパワー素子それぞれの第1の電極(たとえばコレクタ)と第2の電極(たとえばエミッタ)との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧の値を用いて、前記各パワー素子の基板への設置に使用されているハンダの劣化を検出するハンダ劣化検出方法において、前記各パワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値(一定の値)の電流を流しているときの、前記各パワー素子それぞれにおける第1の電極と第2の電極との間の電圧をそれぞれ測定する電圧測定段階と、前記電圧測定段階で測定した各電圧の値相互間における電圧の差を算出する電圧差算出段階と、前記電圧測定段階と前記電圧差算出段階とを複数回繰り返して得られる電圧の差の変化によって、前記ハンダの劣化を検出するハンダ劣化検出段階とを有するハンダ劣化検出断方法の例である。
次に、上述したハンダ劣化検出断方法を実際に行うハンダ劣化検出装置11について説明する。ハンダ劣化検出装置11は、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときのコレクタ7とエミッタ9との間の電圧(Vce)の値を用いて、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれの基板1への設置に使用されている3箇所のハンダ3(3A,3B,3C)それぞれの劣化を検出(判断)する装置であり、上述したハンダ劣化検出断方法を実際に行う装置の例である。
ハンダ劣化検出装置11は、図3に示すように、電圧測定部(電圧検出部)13(13A,13B,13C)と制御部(CPUを含む制御部)15とを備えて構成されている。
電圧測定部13は、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間の電圧を測定するものである。
さらに説明すると、電圧測定部13は、第1の電圧測定部(第1のパワー素子5AであるchipAの電圧測定部)13Aと、第2の電圧測定部(第2のパワー素子5BであるchipBの電圧測定部)13Bと、第3の電圧測定部(第3のパワー素子5CであるchipCの電圧測定部)13Cとで構成されている。
第1の電圧測定部13Aは、第1のパワー素子5Aのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、第1のパワー素子5Aにおけるコレクタ7とエミッタ9との間の第1の電圧Vce1を測定するものである。
第2の電圧測定部13Bは、第2のパワー素子5Bのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、第2のパワー素子5Bにおけるコレクタ7とエミッタ9との間の第2の電圧Vce2を測定するものである。
第3の電圧測定部13Cは、第3のパワー素子5Cのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、第3のパワー素子5Cにおけるコレクタ7とエミッタ9との間の第3の電圧Vce3を測定するものである。
制御部15は、電圧測定部13での電圧の測定と、電圧測定部13で測定した3つの電圧Vceの差を順繰りに3つの算出式を用いて3つ算出することとを(複数回)繰り返すことで、3つの電圧の差それぞれが変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、3箇所のハンダ3(3A,3B,3C)のうちのいずれの箇所のハンダ3が劣化しているのかを検出するようになっている。
ここで、ハンダ劣化検出装置11の動作を図4を参照しつつ説明する。ハンダ劣化検出装置11は、制御部15の制御の下、メモリ17に予め格納されている動作プログラムにしたがって動作するようになっている。
まず、時刻t1において、電圧測定部13(13A,13B,13C)で、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間の電圧を測定する(S1)。
続いて、電圧測定部13で測定した3つの電圧Vceの差を順繰りに3つの算出式を用いて3つただちに算出する(S3)。
続いて、3つの電圧の差V12t1,V23t1,V31t1をメモリ17に記憶する。
続いて、所定の時刻(時間)が経過して時刻t2が到来したときに(S7)、電圧測定部13(13A,13B,13C)で、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間に所定の値(一定の値)の電流を流すときの、3つのパワー素子5(5A,5B,5C)それぞれのコレクタ7とエミッタ9との間の電圧Vceを測定する(S9)。
続いて、電圧測定部13で測定した3つの電圧Vceの差を順繰りに3つの算出式を用いて3つただちに算出する(S11)。
続いて、3つの電圧の差V12t2,V23t2,V31t2をメモリ17に記憶する。
続いて、3つの電圧の差V12t2,V23t2,V31t2のそれぞれが、ステップS3でもとめた3つの電圧の差V12t1,V23t1,V31t1のそれぞれに対して変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、3箇所のハンダ3(3A,3B,3C)のうちのいずれの箇所のハンダが劣化しているのかを判定する(検出)する(S15)。
ステップS15における判定の結果、3箇所のハンダ3(3A,3B,3C)のうちのいずれかのハンダ3が劣化している判断した場合、その旨を出力部19から外部に出力し、ステップS15における判定の結果、3箇所のハンダ3(3A,3B,3C)のうちのいずれのハンダ3も劣化していない判断した場合には、ステップS7に戻る。
1 基板
3,3A,3B,3C ハンダ
5,5A,5B,5C パワー素子
7 コレクタ
9 エミッタ
11 ハンダ劣化検出装置
13,13A,13B,13C 電圧測定部
15 制御部
Vce,Vce1,Vce2,Vce3 電圧
V12,V23,V31 電圧の差
3,3A,3B,3C ハンダ
5,5A,5B,5C パワー素子
7 コレクタ
9 エミッタ
11 ハンダ劣化検出装置
13,13A,13B,13C 電圧測定部
15 制御部
Vce,Vce1,Vce2,Vce3 電圧
V12,V23,V31 電圧の差
Claims (6)
- 3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの前記コレクタと前記エミッタとの間の電圧の値を用いて、前記3つのパワー素子それぞれを基板に設置している3箇所のハンダそれぞれの劣化を検出するハンダ劣化判断方法において、
前記3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの、前記3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間の電圧を測定する電圧測定段階と、
前記電圧測定段階で測定した3つの電圧の差を順繰りに3つ算出する電圧差算出段階と、
前記電圧測定段階と前記電圧差算出段階とを繰り返すことで、前記3つの電圧の差それぞれが変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、前記3箇所のハンダのうちのいずれのハンダが劣化しているのか検出するハンダ劣化検出段階と、
を有することを特徴とするハンダ劣化判断方法。 - 請求項1に記載のハンダ劣化判断方法において、
前記ハンダ劣化検出段階は、前記3つの電圧の差のうちの1つの電圧の差が減少し、前記3つの電圧の差のうちの他の1つの電圧の差が増加しているときに、前記3箇所のハンダのうちの1つの箇所の半田が劣化しているのか、2つの箇所の半田が劣化しているのかを検出する段階であることを特徴とするハンダ劣化判断方法。 - 請求項2に記載のハンダ劣化判断方法において、
前記ハンダ劣化検出段階は、前記減少した電圧差と前記増加した電圧差とを算出するときの2つの算出式に共通に含まれている電圧が、減少している電圧差の中でマイナスであり、かつ、増加している電圧差の中でプラスである場合に、共通に含まれている電圧が測定された1つのパワー素子を設置しているハンダが劣化したと判断する段階であることを特徴とするハンダ劣化判断方法。 - 請求項2に記載のハンダ劣化判断方法において、
前記ハンダ劣化検出段階は、前記減少した電圧差と前記増加した電圧差とを算出するときの2つの算出式に共通に含まれている電圧が減少している電圧差の中でプラスであり、かつ、増加している電圧差の中でマイナスである場合に、共通に含まれている電圧が測定された1つのパワー素子以外の2つのパワー素子を設置しているハンダが劣化したと判断する段階であることを特徴とするハンダ劣化判断方法。 - 複数のパワー素子それぞれの第1の電極と第2の電極との間に所定の値の電流を流すときの前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧の値を用いて、前記各パワー素子を基板に設置しているハンダの劣化を検出するハンダ劣化検出方法において、
前記各パワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流しているときの、前記各パワー素子それぞれにおける第1の電極と第2の電極との間の電圧をそれぞれ測定する電圧測定段階と、
前記電圧測定段階で測定した各電圧の値相互間における電圧の差を算出する電圧差算出段階と、
前記電圧測定段階と前記電圧差算出段階とを複数回繰り返して得られる電圧の差の変化によって、前記ハンダの劣化を検出するハンダ劣化検出段階と、
を有することを特徴とするハンダ劣化判断方法。 - 3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの前記コレクタと前記エミッタとの間の電圧の値を用いて、前記3つのパワー素子それぞれを基板に設置している3箇所のハンダそれぞれの劣化を検出するハンダ劣化検出装置において、
前記3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間に所定の値の電流を流すときの、前記3つのパワー素子それぞれのコレクタとエミッタとの間の電圧を測定する電圧測定部と、
前記電圧測定部での電圧の測定と、前記電圧測定部で測定した3つの電圧の差を順繰りに3つ算出することとを繰り返すことで、3つの電圧の差それぞれが変化しているか否かを監視し、この監視の結果に応じて、前記3箇所のハンダのうちのいずれのハンダが劣化しているのかを検出する制御部と、
を有することを特徴とするハンダ劣化検出装置。
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JP2013123586A JP2014240796A (ja) | 2013-06-12 | 2013-06-12 | ハンダ劣化判断方法およびハンダ劣化判断装置 |
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Cited By (1)
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CN114184982A (zh) * | 2021-12-29 | 2022-03-15 | 成都卡诺普机器人技术股份有限公司 | 一种焊接引弧爆断的检测方法、系统及焊接方法 |
-
2013
- 2013-06-12 JP JP2013123586A patent/JP2014240796A/ja active Pending
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