JP2014239231A - インプリント方法およびインプリント装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モールドの製造に複雑な工程を要することなく、モールド材と同じ材料からなるアライメントマークを光学的に識別することを可能とし、高いアライメント精度で位置合わせすることができるインプリント方法およびインプリント装置を提供する。【解決手段】少なくとも、基板側アライメントマーク領域13上に形成する硬化型樹脂21bの屈折率を、従来の硬化型樹脂21bの屈折率の値とは異なる大きさにして、モールド1材料の有する屈折率との差を広げる。【選択図】図2

Description

本発明は、インプリント用モールドに形成された微細な凹凸の転写パターンを、被転写基板上に形成された硬化型樹脂に転写するインプリント方法およびインプリント装置に関し、より詳しくは、インプリントにおける位置合わせ技術に関するものである。
近年、特に半導体デバイスについては、微細化の一層の進展により高速動作、低消費電力動作が求められ、また、システムLSIという名で呼ばれる機能の統合化などの高い技術が求められている。このような中、半導体デバイスのパターンを作製する要となるリソグラフィ技術は、パターンの微細化が進むにつれ、露光装置などが極めて高価になってきており、また、それに用いるマスク価格も高価になっている。
これに対して、1995年Princeton大学のChouらによって提案されたナノインプリント法(インプリント法とも呼ばれる)は、装置価格や使用材料などが安価でありながら、10nm程度の高解像度を有する微細パターン形成技術として注目されている(特許文献1)。
インプリント法は、予め表面にナノメートルサイズの凹凸パターンを形成したモールド(テンプレート、スタンパ、金型とも呼ばれる)を、半導体ウエハなどの被転写基板表面に塗布形成された樹脂に押し付けて、前記樹脂を力学的に変形させて前記凹凸パターンを転写し、このパターン転写された樹脂をレジストマスクとして被転写基板を加工する技術である。一度モールドを作製すれば、ナノ構造が簡単に繰り返して成型できるため高いスループットが得られて経済的であるとともに、有害な廃棄物が少ないナノ加工技術であるため、近年、半導体デバイスに限らず、さまざまな分野への応用が期待されている。
このようなインプリント法には、熱可塑性樹脂を用いて熱により凹凸パターンを転写する熱インプリント法や、光硬化性樹脂を用いて紫外線により凹凸パターンを転写する光インプリント法などが知られている(特許文献2)。
光インプリント法は、室温で低い印加圧力でパターン転写でき、熱インプリント法のような加熱・冷却サイクルが不要でモールドや樹脂の熱による寸法変化が生じないために、解像性、アライメント精度、生産性などの点で優れていると言われている。
ここで、上述のようなインプリント法を用いて凹凸パターンを被転写基板に転写する際
には、モールドと被転写基板との位置合わせを精密に行う必要がある。
一般的には、モールド側に設けられているアライメントマークと、被転写基板に設けられているアライメントマークとを、モールド側から光学的に検出することにより位置合わせを行う。
図5は、従来のインプリント用モールドの例を示す模式的断面図である。
図5に示すように、一般に、インプリント用モールド101は透明な材料からなるメサ構造をしており、このメサ構造のトップ面に転写領域102とモールド側アライメントマーク領域103を有している。そして、通常、モールド側アライメントマークは、インプリント用モールド101を凹凸状に加工した段差構造のマークが用いられる。
次に、従来のインプリント方法の一例を図6に示す。ここで、図6(a)は、インプリント用モールドと被転写基板上に設けられた樹脂との関係を示す模式的断面図であり、図6(b)はアライメントマークにおける検出光の光路長を説明する模式図である。
図6(a)に示すように、インプリント用モールドの凹凸の転写パターンをアライメント転写する際には、まず、被転写基板111上に形成された硬化前の硬化型樹脂121にインプリント用モールド101を接触させ、検出器131により、モールド側アライメントマーク領域103のアライメントマークと基板側アライメントマーク領域113のアライメントマークとを光学的に検出し、そのズレを補正するようにモールド101と被転写基板111を相対的に移動させて両者の位置を合わせる。
そして、位置合わせした状態で硬化型樹脂121を硬化させることにより、前記モールドの凹凸の転写パターンを転写する。
上述のように、モールド101を被転写基板111上の硬化型樹脂121に接触させた状態で位置合わせを行う理由は、モールド101が被転写基板111から離れた状態でアライメントを行った後にモールド101を被転写基板111上の硬化型樹脂121に接触させる方法では、モールド101を被転写基板111上の硬化型樹脂121に接触させる過程で位置ズレ(いわゆるロックズレ)が生じてしまうからである。
特表2004−504718号公報 特開2002−93748号公報 特開2007−103915号公報
しかしながら、アライメントのためにモールドを硬化型樹脂に接触させると、モールド側アライメントマークの凹凸に硬化型樹脂が充填されてしまい、このような状態になると、モールド側アライメントマークを構成するモールド材料の屈折率と、硬化型樹脂の屈折率とがほとんど同じであることから、モールド側アライメントマークを光学的に識別することが困難になってしまうという課題がある。
ここで、一般に、屈折率が大きく異なる物質間では、その界面における光の屈折や散乱、若しくは反射によって構造物を認識することができる。しかしながら、上述のように屈折率の差が小さい場合は、構造物を認識することは困難になり、特に微細な構造体においてコントラストを得るためには、光路長の差が重要になる。
例えば、図6(b)に示すように、モールド側アライメントマークの凸部と凹部に、モールド101の裏面側(図6(b)において上側)から入射し、樹脂121を通過して被転写基板111表面で反射する検出光132a、132bの光路長の差は、モールド材料の屈折率をn1、硬化型樹脂の屈折率をn2、モールド側アライメントマークの凸部と凹部の段差をtとすると、2t|n2−n1|になる。
ここで、検出光132a、132bには、光硬化樹脂が硬化しない波長域の光が用いられ、一般的には可視光域の波長が用いられる。
また、一般的なモールド材料であるSiO2の波長633nmの光における屈折率は、1.45であり、また、インプリント法に用いられる硬化型樹脂の屈折率は、一般的には1.5程度である。
そこで、例えば、検出光の光源として、633nmの単波長の光源を用いる場合を仮定し、モールド側アライメントマークの凸部と凹部の段差tを150nm、モールド材料の屈折率n1を1.45、硬化型樹脂の屈折率n2を1.50として、上式を計算すると、得られる光路長の差は15nmになり、この値は波長633nmの1/40程の違いしかないため、モールド側アライメントマークを良好に識別することは困難になってしまう。
この課題に対して、例えば、SiO2等の材料により形成されたモールド基板上に屈折率が1.7よりも大きい第2の材料による表面層を成膜し、前記表面層をエッチングしてモールド側アライメントマークを形成する方法が提案されているが(特許文献3)、この方法ではモールド作成の工程が複雑になってしまう。
また、上記のような高屈折率材料をモールド表面に成膜する技術や、上記のような高屈折率材料をアライメントマーク構造に加工する技術も開発が必要となり、さらに、上記のような高屈折率材料を用いたモールドのインプリント耐性や洗浄耐性などの信頼性も評価する必要が生じ、好ましくない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、モールドの製造に複雑な工程を要することなく、モールド材と同じ材料からなるアライメントマークを光学的に識別することを可能とし、高いアライメント精度で位置合わせすることができるインプリント方法、およびインプリント装置を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究した結果、少なくとも、基板側アライメントマーク領域上に形成する硬化型樹脂の屈折率を、従来の硬化型樹脂の屈折率の値とは異なる大きさにして、モールド材料の有する屈折率との差を広げることで、上記課題を解決できることを見出して本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、凹凸の転写パターンが形成された転写領域とモールド側アライメントマークが形成されたモールド側アライメントマーク領域とを有するインプリント用モールドと、前記凹凸の転写パターンが転写される被転写領域と基板側アライメントマークが形成された基板側アライメントマーク領域とを有する被転写基板とを用い、前記モールド側アライメントマークと前記基板側アライメントマークとを光学的に位置合わせして、前記モールドの転写パターンを前記被転写基板上に形成された硬化型樹脂に転写するインプリント方法であって、前記被転写基板上に形成される前記硬化型樹脂は、前記被転写領域上と前記基板側アライメントマーク領域上とで異なる樹脂が形成されており、前記被転写基板上に形成される前記硬化型樹脂は、インクジェット法を用いて所望の位置に滴下形成されることにより、前記被転写領域上と前記基板側アライメントマーク領域上とで、異なる屈折率を有する硬化型樹脂がそれぞれ形成されることを特徴とするインプリント方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、凹凸の転写パターンが形成された転写領域とモールド側アライメントマークが形成されたモールド側アライメントマーク領域とを有するインプリント用モールドと、被転写領域と基板側アライメントマークが形成された基板側アライメントマーク領域とを有する被転写基板とを用いて、前記モールド側アライメントマークと前記基板側アライメントマークとを位置合わせし、前記モールドの転写パターンを前記被転写基板上に形成された硬化型樹脂に転写するインプリント装置であって、前記モールドを保持するモールド保持手段と、前記被転写基板を保持する被転写基板保持手段と、前記被転写基板の被転写領域上と基板側アライメントマーク領域上とに、異なる屈折率を有する硬化型樹脂をそれぞれ形成する樹脂形成手段と、前記モールドと前記被転写基板とを相対的に移動させる移動手段と、前記モールドのモールド側アライメントマークと前記被転写基板の基板側アライメントマークとを光学的に検出する検出手段と、前記モールド保持手段、前記被転写基板保持手段、前記樹脂形成手段、前記移動手段、前記検出手段を制御する制御手段と、を備え、前記被転写基板の被転写領域上と基板側アライメントマーク領域上とに、異なる屈折率を有する硬化型樹脂をそれぞれ形成する樹脂形成手段が、インクジェット法を用いて所望の樹脂を所望の位置に滴下形成する手段であり、前記検出手段により、前記モールド側アライメントマークと、前記基板側アライメントマークとの相対位置情報を検出し、前記検出した相対位置情報に基づいて、前記制御手段を介した前記移動手段により、前記モールドと前記被転写基板とを移動させて位置合わせを行うことを特徴とするインプリント装置である。
本発明によれば、モールドの製造に複雑な工程を要することなく、モールド材と同じ材料からなるアライメントマークを光学的に識別することを可能とし、高いアライメント精度でモールドと被転写基板とを位置合わせして、転写パターンをインプリントすることができる。
本発明に係るインプリント方法の一例を示す説明図であり、(a)はインプリント用モールドと被転写基板上に設けられた樹脂との関係を示す模式的断面図であり、(b)はアライメントマークにおける検出光の光路長を説明する模式図である。 本発明に係るインプリント方法の他の例を示す説明図であり、(a)はインプリント用モールドと被転写基板上に設けられた樹脂との関係を示す模式的断面図であり、(b)はアライメントマークにおける検出光の光路長を説明する模式図である。 本発明に係るインプリント方法を用いたパターン転写工程の一例を示す工程図である。 本発明に係るインプリント装置の構成を示す概略図である。 従来のインプリント用モールドの例を示す模式的断面図である。 従来のインプリント方法の一例を示す説明図であり、(a)はインプリント用モールドと被転写基板上に設けられた樹脂との関係を示す模式的断面図であり、(b)はアライメントマークにおける検出光の光路長を説明する模式図である。
[インプリント方法]
まず、本発明に係るインプリント方法について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るインプリント方法の一例を示す説明図であり、(a)はインプリント用モールドと被転写基板上に設けられた樹脂との関係を示す模式的断面図であり、(b)はアライメントマークにおける検出光の光路長を説明する模式図である。
図1(a)に示すように、本実施形態においては、まず、被転写基板11上に形成された本発明に係る硬化前の硬化型樹脂21に、インプリント用モールド1を接触させ、検出器31により、モールド側アライメントマーク領域3のアライメントマークと基板側アライメントマーク領域13のアライメントマークとを光学的に検出し、そのズレを補正するようにモールド1と被転写基板11を相対的に移動させて両者の位置を合わせる。
そして、位置合わせした状態で硬化型樹脂21を硬化させることにより、前記モールドの凹凸の転写パターンを転写する。
ここで、アライメントのためにモールド1を硬化型樹脂21に接触させると、モールド側アライメントマークの凹部に硬化型樹脂21が充填される。
従来の硬化型樹脂ではその屈折率が1.5程度であったため、モールド側アライメントマークの凹部に硬化型樹脂が充填されると、モールド側アライメントマークを光学的に識別することが困難であった。
しかし、本発明に係る硬化型樹脂21は、光学的位置合わせに用いる光源の平均波長における屈折率が1.7以上であるため、例えば、検出光の光源として、633nmの単波長の光源を用いる場合、図1(b)に示すように、モールド側アライメントマークの凸部と凹部に、モールド1の裏面側(図1(b)において上側)から入射し、樹脂21を通過して被転写基板11表面で反射する検出光32a、32bの光路長の差は、モールド材料の屈折率n1を1.45、モールド側アライメントマークの凸部と凹部の段差tを150nmとすると、硬化型樹脂の屈折率n2が1.7以上であることから、2t|n2−n1|≧75nmになる。
この値は波長633nmの1/8以上に相当するため、モールド側アライメントマークを光学的に識別することが十分に可能となる。
上述のような、光学的位置合わせに用いる光源の平均波長における屈折率が1.7以上である硬化型樹脂21は、従来の硬化型樹脂に屈折率の高い物質を混入させる方法を用いて得ることができる。例えば、従来の硬化型樹脂に、屈折率2.4のチタン酸化物を微細な粒状にして分散混入させる方法を用いればよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係るインプリント方法の他の実施形態について説明する。
図2は、本発明に係るインプリント方法の他の例を示す説明図であり、(a)はインプリント用モールドと被転写基板上に設けられた樹脂との関係を示す模式的断面図であり、(b)はアライメントマークにおける検出光の光路長を説明する模式図である。
図2(a)に示すように、本実施形態においては、被転写基板11上に形成される硬化型樹脂は、被転写領域12上と基板側アライメントマーク領域13上とで、異なる樹脂21a、21bが形成されており、基板側アライメントマーク領域13上に形成される硬化前の硬化型樹脂21bの、光学的位置合わせに用いる光源の平均波長における屈折率は、1.7以上である。
一方、被転写領域12上に形成される硬化前の硬化型樹脂21aの、光学的位置合わせに用いる光源の平均波長における屈折率は、1.7以上である必要はなく、従来の1.5程度のものを用いてよい。
このような形態とすることで、上述の第1の実施形態で説明したような、モールド側アライメントマークの検出精度向上の効果に加えて、パターン転写解像度の劣化も防止する効果を奏することができる。
例えば、基板側アライメントマーク領域13上の樹脂21bには、第1の実施形態と同様に、チタン酸化物等の屈折率の高い物質を混入させた硬化型樹脂を用いることでアライメント精度を向上させることができ、一方、モールドの転写パターンを解像性良く転写形成することを求められる被転写領域12上の樹脂21aには、実績のある従来の硬化型樹脂や、より高解像度を追及した樹脂を用いることができ、チタン酸化物等の異物混入による解像力劣化の影響を受けることなく、微細なパターンを形成することができる。
被転写基板11の被転写領域12上と基板側アライメントマーク領域13上とで、異なる樹脂21a、21bを形成する方法は、例えば、インクジェット法を用いて所望の位置に所望の樹脂を所望の量だけ滴下形成する方法を用いることができる。
例えば、被転写基板11の基板側アライメントマーク領域13上には、上述のような屈折率が1.7以上の硬化型樹脂を滴下形成し、被転写領域12を含むその他の被転写基板11上には、従来のインプリントに用いられてきた硬化型樹脂を滴下形成すればよい。
図3は、本発明に係る第2の実施形態のインプリント方法を用いたパターン転写工程の一例を示す工程図である。
本発明に係るインプリント方法は、上述のような、従来とは屈折率の異なる硬化型樹脂を用いること、およびその硬化型樹脂を少なくとも基板側アライメントマーク領域上に形成することに特徴があり、その他の工程、例えば、モールド接触工程、樹脂硬化工程、およびモールド離型工程については、従来の方法を用いることができる。
まず、図3(a)に示すように、本発明に係るインプリント用モールド1を準備し、被転写基板11上の被転写領域12上に未硬化の硬化型樹脂21aを形成し、基板側アライメントマーク領域13上に未硬化の硬化型樹脂21bを形成する。
ここで、基板側アライメントマーク領域13上に形成される硬化前の硬化型樹脂21bの、光学的位置合わせに用いる光源の平均波長における屈折率は、1.7以上である。一方、被転写領域12上に形成される硬化前の硬化型樹脂21aの、光学的位置合わせに用いる光源の平均波長における屈折率は、1.7以上である必要はなく、従来の1.5程度のものを用いることができる。
次に、図3(b)に示すように、モールド1と被転写基板11上の樹脂21a、21bとを接触させ、モールド側アライメントマークおよび相対する基板側アライメントマークの位置情報を、検出光32を用いて検出器31で検出することにより、モールド1と被転写基板11との位置合わせを行う。
この際、モールド側アライメントマークの凹部は硬化型樹脂21bで充填されるが、硬化型樹脂21bの、光学的位置合わせに用いる光源の平均波長における屈折率は1.7以上であるため、一般的なモールド材料であるSiO2で構成されているモールド側アライメントマークを十分識別することができる。
次に、図3(c)に示すように、例えば、紫外線42を所定量照射することにより、樹脂21a、21bを硬化させ、その後、図3(d)に示すように、モールド1を離型して硬化した樹脂パターン22a、22bを得る。
なお、図3においては、上述した第2の実施形態の例を示しているが、第1の実施形態の場合も同様な工程により、パターン転写することができる。この場合、被転写基板11上に形成される硬化型樹脂は、被転写領域12上と基板側アライメントマーク領域13上とで違いは無く、同一の硬化型樹脂が形成される。
[インプリント装置]
次に、本発明に係るインプリント装置について説明する。
本発明に係るインプリント装置は、上述のような、従来とは屈折率の異なる硬化型樹脂を、少なくとも基板側アライメントマーク領域上に形成することに特徴があり、その他の構成、例えば、モールド接触機構、樹脂硬化機構、およびモールド離型機構については、従来の構成を用いることができる。
図4は、本発明に係るインプリント装置の構成を示す概略図である。
図4に示すように、本発明に係るインプリント装置50は、インプリント用モールド1を保持するモールド保持手段52a、被転写基板11を保持する被転写基板保持手段52b、被転写基板11上の所望の位置に未硬化の樹脂を滴下形成するディスペンサーなどからなる樹脂形成手段51、モールド1を被転写基板11の上に形成された樹脂と接触させ、若しくは離型させ、さらにモールド1と被転写基板11との位置合わせを行うために、モールド1、および被転写基板11を移動させるモールド移動手段53aおよび被転写基板移動手段53b、モールド1のモールド側アライメントマークと、相対する基板側アライメントマークとを光学的に検出する検出手段54と、前記樹脂形成手段51、モールド保持手段52a、被転写基板保持手段52b、モールド移動手段53a、被転写基板移動手段53b、検出手段54等を制御する制御手段55とを備えており、検出手段54により、モールド側アライメントマークと、相対する基板側アライメントマークとの相対位置情報を検出し、前記検出した相対位置情報に基づいて、制御手段55を介してモールド移動手段53a、被転写基板移動手段53bによりモールド1と被転写基板11とを移動させて位置合わせを行うものである。
なお、インプリントに光硬化型樹脂を用いる場合には、本発明に係るインプリント装置は、露光手段56を備えた構成になる。
上述の樹脂形成手段51は、被転写基板11の被転写領域上と基板側アライメントマーク領域上とに、異なる屈折率を有する硬化型樹脂をそれぞれ形成する。例えば、インクジェット法を用いて、基板側アライメントマーク領域上には、光学的位置合わせに用いる光源の平均波長における屈折率が1.7以上の硬化型樹脂を滴下形成し、被転写領域12を含むその他の被転写基板11上には、従来のインプリントに用いられてきた硬化型樹脂を滴下形成する。
これにより、例えば、基板側アライメントマーク領域上に形成する硬化型樹脂には、上述したようなチタン酸化物等の屈折率の高い物質を混入させた硬化型樹脂を用いることでアライメント精度を向上させることができ、一方、被転写領域上の硬化型樹脂には、実績のある従来の硬化型樹脂や、より高解像度を追及した樹脂を用いることができ、チタン酸化物等の異物混入による解像力劣化の影響を受けることなく、微細なパターンを形成することができる。
本発明に係るインプリント装置によれば、アライメントマーク凹部への樹脂充填による不具合を解消して、モールド材と同じ材料からなるモールド側アライメントマークを光学的に識別することを可能とし、高いアライメント精度でモールドと被転写基板とを位置合わせして、転写パターンをインプリントすることができる。
以上、本発明に係るインプリント方法およびインプリント装置についてそれぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と、実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
モールド用基板として、縦152mm、横152mm、厚さ0.25インチの合成石英基板を用い、この合成石英基板の一主面上に、電子線レジストを厚さ200nmで塗布し、電子線描画し、現像した後、ドライエッチングして、深さ150nm、幅100nm、ピッチ200nmのライン/スペースパターンの転写パターンが形成された転写領域2と、深さ150nmの凹凸形状の周期構造のアライメントマークが形成されたモールド側アライメントマーク領域3とを有するインプリント用モールド1を形成した。
次に、被転写基板11として、直径200mmのシリコン・ウェハに、被転写領域12と基板側アライメントマーク領域13とを有する基板を用意した。
次に、上記の被転写基板11上に、硬化型樹脂21として光硬化型樹脂PAK−01(東洋合成工業社製)に屈折率2.4のチタン酸化物を分散混入させて、波長633nmの光に対する屈折率を1.7に調整した樹脂を形成し、モールド1を、この樹脂21に接触させ、波長633nmの検出光を用いて、モールド側アライメントマークを光学的に検出した。
モールド1のモールド側アライメントマークを構成するSiO2の波長633nmの光に対する屈折率は1.45であり、モールド側アライメントマークの凸部と凹部の段差は150nmであり、モールド側アライメントマークの凹部に充填される樹脂の波長633nmの光に対する屈折率は1.7であることから、モールド1の裏面側から入射し、樹脂21を通過して被転写基板11表面で反射する検出光32a、32bの光路長の差は75nmあり、モールド側アライメントマークを良好に識別することができた。
次に、モールド1と被転写基板11を位置合わせした後、波長320nmの紫外線を照射して樹脂21を硬化させ、モールド1を被転写基板11から離型して、被転写基板11上に硬化した樹脂パターン22を得た。
(実施例2)
上述の実施例1と同様にして、インプリント用モールド1を形成し、被転写基板11を用意した。
次に、上記の被転写基板11の基板側アライメントマーク領域13上には、硬化型樹脂21bとして光硬化型樹脂PAK−01(東洋合成工業社製)に屈折率2.4のチタン酸化物を分散混入させて、波長633nmの光に対する屈折率を1.7に調整した樹脂を形成し、被転写領域12を含むその他の被転写基板11上には、硬化型樹脂21aとして光硬化型樹脂PAK−01(東洋合成工業社製)を形成した後に、モールド1を、この樹脂21aおよび21bに接触させ、波長633nmの検出光を用いて、モールド側アライメントマークを光学的に検出した。
モールド1のモールド側アライメントマークを構成するSiO2の波長633nmの光に対する屈折率は1.45であり、モールド側アライメントマークの凸部と凹部の段差は150nmであり、モールド側アライメントマークの凹部に充填される樹脂の波長633nmの光に対する屈折率は1.7であることから、モールド1の裏面側から入射し、樹脂21bを通過して被転写基板11表面で反射する検出光32a、32bの光路長の差は75nmあり、モールド側アライメントマークを良好に識別することができた。
次に、モールド1と被転写基板11を位置合わせした後、波長320nmの紫外線を照射して樹脂21aおよび21bを硬化させ、モールド1を被転写基板11から離型して、被転写基板11上に硬化した樹脂パターン22aおよび22bを得た。
(比較例1)
上述の実施例1と同様にして、インプリント用モールド1を形成し、被転写基板11を用意した。
次に、上記の被転写基板11上に、硬化型樹脂21として光硬化型樹脂PAK−01(東洋合成工業社製)を形成し、モールド1を、この樹脂21に接触させ、波長633nmの検出光を用いて、モールド側アライメントマークを光学的に検出することを試みた。
モールド1のモールド側アライメントマークを構成するSiO2の波長633nmの光に対する屈折率は1.45であり、モールド側アライメントマークの凸部と凹部の段差は150nmであり、モールド側アライメントマークの凹部に充填される樹脂の波長633nmの光に対する屈折率は1.5程度であることから、モールド1の裏面側から入射し、樹脂21を通過して被転写基板11表面で反射する検出光32a、32bの光路長の差は15nm程度しかなく、モールド側アライメントマークを良好に識別することは困難であった。
1・・・モールド
2・・・転写領域
3・・・モールド側アライメントマーク領域
11・・・被転写基板
12・・・被転写領域
13・・・基板側アライメントマーク領域
14・・・基板側アライメントマーク
21、21a、21b・・・硬化型樹脂
22、22a、22b・・・硬化した樹脂パターン
31・・・検出器
32、32a、32b・・・検出光
42・・・紫外線
50・・・インプリント装置
51・・・樹脂形成手段
52・・・保持手段
52a・・・モールド保持手段
52b・・・被転写基板保持手段
53・・・移動手段
53a・・・モールド移動手段
53b・・・被転写基板移動手段
54・・・検出手段
55・・・制御手段
56・・・露光手段
101・・・モールド
102・・・転写領域
103・・・モールド側アライメントマーク領域
111・・・被転写基板
112・・・被転写領域
113・・・基板側アライメントマーク領域
114・・・基板側アライメントマーク
121・・・硬化型樹脂
131・・・検出器
132、132a、132b・・・検出光

Claims (2)

  1. 凹凸の転写パターンが形成された転写領域とモールド側アライメントマークが形成されたモールド側アライメントマーク領域とを有するインプリント用モールドと、前記凹凸の転写パターンが転写される被転写領域と基板側アライメントマークが形成された基板側アライメントマーク領域とを有する被転写基板とを用い、前記モールド側アライメントマークと前記基板側アライメントマークとを光学的に位置合わせして、前記モールドの転写パターンを前記被転写基板上に形成された硬化型樹脂に転写するインプリント方法であって、
    前記被転写基板上に形成される前記硬化型樹脂は、前記被転写領域上と前記基板側アライメントマーク領域上とで異なる樹脂が形成されており、
    前記被転写基板上に形成される前記硬化型樹脂は、インクジェット法を用いて所望の位置に滴下形成されることにより、前記被転写領域上と前記基板側アライメントマーク領域上とで、異なる屈折率を有する硬化型樹脂がそれぞれ形成されることを特徴とするインプリント方法。
  2. 凹凸の転写パターンが形成された転写領域とモールド側アライメントマークが形成されたモールド側アライメントマーク領域とを有するインプリント用モールドと、被転写領域と基板側アライメントマークが形成された基板側アライメントマーク領域とを有する被転写基板とを用いて、前記モールド側アライメントマークと前記基板側アライメントマークとを位置合わせし、前記モールドの転写パターンを前記被転写基板上に形成された硬化型樹脂に転写するインプリント装置であって、
    前記モールドを保持するモールド保持手段と、
    前記被転写基板を保持する被転写基板保持手段と、
    前記被転写基板の被転写領域上と基板側アライメントマーク領域上とに、異なる屈折率を有する硬化型樹脂をそれぞれ形成する樹脂形成手段と、
    前記モールドと前記被転写基板とを相対的に移動させる移動手段と、
    前記モールドのモールド側アライメントマークと前記被転写基板の基板側アライメントマークとを光学的に検出する検出手段と、
    前記モールド保持手段、前記被転写基板保持手段、前記樹脂形成手段、前記移動手段、前記検出手段を制御する制御手段と、を備え、
    前記被転写基板の被転写領域上と基板側アライメントマーク領域上とに、異なる屈折率を有する硬化型樹脂をそれぞれ形成する樹脂形成手段が、インクジェット法を用いて所望の樹脂を所望の位置に滴下形成する手段であり、
    前記検出手段により、
    前記モールド側アライメントマークと、前記基板側アライメントマークとの相対位置情報を検出し、
    前記検出した相対位置情報に基づいて、
    前記制御手段を介した前記移動手段により、
    前記モールドと前記被転写基板とを移動させて位置合わせを行うことを特徴とするインプリント装置。
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