JP2014237900A - 導電性繊維の製造方法及び装置 - Google Patents

導電性繊維の製造方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】均質な電気抵抗を有する導電性繊維を量産する製造方法および製造装置を提供する。
【解決手段】導電性繊維の製造方法は、導電性物質を含む所定の導電体溶液に浸漬することにより絶縁性の基材繊維に導電性皮膜を成膜して導電性繊維を形成する導電性皮膜成膜ステップと、導電性繊維を長手方向に搬送しながら、導電性繊維に接触させた少なくとも一組の電極により導電性繊維の電気抵抗値を測定する抵抗値測定ステップと抵抗値測定ステップで測定した導電性繊維の電気抵抗値に基づき導電性皮膜の膜厚を制御する皮膜膜厚制御ステップとを備える。導電体溶液は導電性物質として、導電性高分子を含む溶液である。
【選択図】図3

Description

本発明は、導電性繊維の製造方法及び装置に関する。
従来、導電性を有する繊維素材は、生体電極、バイオインターフェース、静電気防止衣料などに幅広く利用されており、均質な特性を持つ導電性繊維を製造する技術が求められている。
導電性繊維の製造方法として、めっき法により銅や銀などの金属を繊維表面にコーティングするもの(例えば、非特許文献1参照)や、導電性高分子を繊維表面に化学的又は電気化学的に重合固定するもの(例えば、非特許文献2参照)などが知られている。
Jayoung Cho, Jihye Moon, Keesam Jeong, and Gilsoo Cho, "An Exploration of Electrolessly Cu/Ni Plated Polyester Fabrics as E-Textiles", Proceedings of the 2005 Ninth IEEE International Symposium on Wearable Computers (ISWC’05), pp.206-207, 2005. Seiichi Takamatsu, Takahiko Imai, Takahiro Yamashita, Takeshi Kobayashi, Koji Miyake, Toshihiro Itoh, "Flexible fabric keyboard with conductive polymer-coated fibers ", Proceedings of IEEE Sensors, pp.659-662, 2011.
しかしながら、例えば、図12に示すような従来の導電性繊維の製造方法および製造装置においては、気温・湿度の変動等の影響によりめっき液や導電性高分子を含む溶液の液性が変化するため、めっきにより形成した金属や重合固定した導電性高分子などの導電性皮膜の膜厚が長時間の製造途中でバラつき、均質な電気抵抗を有する導電性繊維を製造することが困難であるという問題があった。
本発明は、以上のような問題を解消するためになされたものであり、均質な電気抵抗を有する導電性繊維を量産する製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
上述したような課題を解決するために、本発明の導電性繊維の製造方法は、導電性物質を含む所定の導電体溶液に浸漬することにより絶縁性の基材繊維に導電性皮膜を成膜して導電性繊維を形成する導電性皮膜成膜ステップと、前記導電性繊維を長手方向に搬送しながら、前記導電性繊維に接触させた少なくとも一組の電極により前記導電性繊維の電気抵抗値を測定する抵抗値測定ステップと前記抵抗値測定ステップで測定した導電性繊維の電気抵抗値に基づき前記導電性皮膜の膜厚を制御する皮膜膜厚制御ステップとを備える。
前記皮膜膜厚制御ステップでは、前記抵抗値測定ステップで測定した前記導電性繊維の電気抵抗値が予め定めた電気抵抗値の範囲よりも大きい場合は、前記導電性皮膜の膜厚を厚くし、前記抵抗値測定ステップで測定した前記導電性繊維の電気抵抗値が予め定めた電気抵抗値の範囲よりも小さい場合は、前記導電性皮膜の膜厚を薄くする。
また、本発明の導電性繊維の製造装置は、導電性物質を含む所定の導電体溶液が収容された浸漬容器と、前記浸漬容器に絶縁性の基材繊維を浸漬し、前記基材繊維に導電性皮膜を成膜して導電性繊維を形成する導電性皮膜成膜手段と、前記導電性繊維を長手方向に搬送しながら、前記導電性繊維に接触させた少なくとも一組の電極により前記導電性繊維の電気抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、前記抵抗値測定手段で測定した導電性繊維の電気抵抗値に基づき前記導電性皮膜の膜厚を制御する皮膜膜厚制御手段と、前記導電性繊維を前記浸漬容器から引き上げ、搬送された前記導電性繊維を巻き取る導電性繊維巻き取り手段とを備える。
前記導電性繊維巻き取り手段は、前記皮膜膜厚制御手段からの制御信号に従って、前記導電性繊維の巻き取り速度を変更するようにしてもよい。
前記導電体溶液は導電性物質として導電体高分子を含む溶液であり、前記導電性皮膜成膜手段は、前記皮膜膜厚制御手段からの制御信号に従って、前記導電体溶液の量、温度、濃度、粘度の少なくともいずれか1つを変更するようにしてもよい。
前記導電体溶液は導電性物質として金属を含む無電解または電気めっき液であり、前記導電性皮膜成膜手段は、前記皮膜膜厚制御手段からの制御信号に従って、前記導電体溶液の量、温度、濃度、pH値の少なくともいずれか1つを変更するようにしてもよい。
前記導電体溶液は導電性物質として導電体高分子を含む溶液であり、前記導電性皮膜成膜手段は、前記導電性繊維に接触または離間が可能な可動スキージを有し、前記皮膜膜厚制御手段からの制御信号に従って、前記可動スキージと前記導電性繊維との距離、接触圧力の少なくともいずれかを変更するようにしてもよい。
前記抵抗値測定手段は前記導電性繊維の長手方向で互いに離間した位置に配置された二組の前記電極を有し、前記二組の電極を用いて前記導電性繊維の電気抵抗値を測定するようにしてもよい。
本発明によれば、製造された導電性繊維の抵抗値をフィードバックして製膜される導電性皮膜の膜厚が制御されるため、均質な電気抵抗を有する導電性繊維を製造する製造方法及び製造装置を提供することが可能となる。
図1は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の他の例を示す概略図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の製造装置の一構成例を示す図面であり、可動スキージを用いて導電性繊維の皮膜膜厚を制御するものである。 図4は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の製造装置の他の構成例を示す図面であり、導電体溶液の量や濃度を変更して導電性繊維の皮膜膜厚を制御するものである。 図5は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の製造装置の他の構成例を示す図面であり、導電体溶液の温度を変更して導電性繊維の皮膜膜厚を制御するものである。 図6は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の製造装置の他の構成例を示す図面であり、導電体繊維の巻き取り速度を変更して導電性繊維の皮膜膜厚を制御するものである。 図7は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の製造装置の他の構成例を示す図面であり、導電性繊維の電気抵抗値を測定する電極に回転子形状の電極を用いたものである。 図8は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の製造装置の他の構成例を示す図面であり、導電性繊維の電気抵抗値を測定する電極に溝部を有する電極を用いたものである。 図9は、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の製造装置の他の構成例を示す図面であり、4端子法を用いて導電性繊維の電気抵抗値を測定するものである。 図10は、本発明の実施形態に係る導電性繊維の膜厚を制御する方法の手順を表すフローチャートである。 図11は、本発明の実施形態に係る導電性繊維の電気抵抗値の測定例を示すグラフである。 図12は、従来の導電性繊維の製造装置の構成例である。
以下、本発明に係る発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。まず、本発明に係る製造方法及び製造装置を説明する前に、本発明に係る製造方法及び製造装置によって得られる導電性繊維の一例について説明する。
<導電性繊維>
図1(a)、(b)に示す導電性繊維10は、基材繊維11に、導電体12が被覆されてなるものである。図1(a)は、導電性繊維10の長手方向の断面図であり、図1(b)は、その長手方向に直交する方向の断面図である。導電体12は、導電性高分子(導電性ポリマー)を含むものであってよく、導電性高分子だけからなるものであっても良いし、他の添加剤を含むものであっても良い。また、導電体12は銅や銀などの金属であっても良い。上記導電性高分子は、導電性高分子としてPEDOT−PSS{ポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)}を含んでいて良い。
導電性繊維10は、基材繊維11を芯として、その周囲に導電体12が被覆されているので、両者の密着面積が大きくなっており、互いに充分に接着した複合繊維となっている。この構成であると、導電体12が基材繊維11によって補強されているので、導電体12だけからなる繊維と比べて強度を強くすることができ、特に、乾燥状態及び湿潤状態における強度に優れたものとなる。また、芯である基材繊維11の柔軟性が導電性繊維10に付与されるという特徴もある。
基材繊維11の直径(太さ)は特に制限されず、用途に応じて適宜選択できる。例えば、衣料品、生体電極、バイオインターフェース等に用いる場合には、1μm〜100μmの直径であることが好ましい。基材繊維11の長さは特に制限されず、用途に応じて適宜選択できる。例えば、生体組織への埋め込み用の電極としては10μm〜10cm、体表のバイオインターフェースに用いる場合は1mm〜50cm、衣料品への織り込み又は編み込みには、繊維材料として1cm〜100mとすれば良い。
また、基材繊維11としては、図1(a)、(b)中に示すものには限定されず、例えば、図2のように複数の基材繊維を撚り合わせて、所望の太さの撚り糸にしたものや、種類の異なる基材繊維を混紡した混紡糸を使用しても構わない。
本実施形態において説明する基材繊維は、複数の基材繊維を撚り合わせた繊維束を含むものである。また、基材繊維の形状は、上記の糸状のみに限定されるものではなく、例えば、紐状、布状、リボン状等の基材繊維を使用しても構わない。
また、基材繊維11の親水性を向上させる目的で、プラズマ処理や細孔処置、化学的コーティングを施したものを使用しても構わない。
基材繊維11の周囲に被覆された導電体12の厚さhは特に制限されず、例えば、基材繊維11の直径Lの0.001〜2倍の厚さとすれば良い。より具体的には、例えば、基材繊維11として2〜3デニール(D)の蚕のシルク繊維、即ち、繊維直径が約10〜15μmのシルク繊維を用いた場合、0.01〜10μmの厚さとすればよい。
導電体12が基材繊維11の周囲を被覆することにより、導電性繊維10に高い導電性が付与されるとともに、複数の導電性繊維10を接触させて導通させることがより容易となる。
また、導電体12の厚さが上記範囲であると、導電性繊維10の柔軟性を損なわずに、より優れた導電性を有する繊維とすることができ、また、上記範囲において厚いほど、より高い導電率を有する繊維とすることができる。つまり、導電体12の厚さを調整することにより、導電性繊維10の導電率又は電気抵抗を調整できる。
ここで、図2のように、複数の基材繊維11の間に、導電体12が基材繊維11に密着して配され、複数の基材繊維11が撚り合わされたり編まれたりすることにより、導電性繊維10を、撚り紐、織布、不織布等の高次構造体として構成することができる。この場合、導電体12が複数の基材繊維11同士を接着する役割を担うので、高次構造体の強度を高めることができる。さらに、複数の基材繊維11の間には導電体12を比較的大量に配することができるので、より導電性に優れた導電性繊維が実現できる。
複数の基材繊維11間の繊維間隔としては、例えば、直径10μm〜15μmの基材繊維11を用いた場合、0.01μm〜50μmとすることができる。この範囲の繊維間隔であると、導電体12を繊維間に充分な量で配することができる。
本実施形態の導電性繊維10は、高湿度の使用条件においても十分な強度、導電性及び柔軟性を有するので、例えば、生体電極やバイオインターフェースのみならず衣料品に好適に用いられる。また、導電性繊維を複数束ねて糸や紐を構成することにより、生体信号の測定に充分な導電性が得られる。当該繊維表面には導電体が配されているため、当該繊維と測定対象とが接触することにより、直ちに導通を得ることができる。従って、当該繊維(糸)を、測定対象に対して接触させるか、あるいは、結紮、巻き付け、縫い込み、折り込むこと等により、生体信号を長期間安定して記録することが可能となる。
上述の導電性繊維10を電極として用いて生体電極を構成する場合には、例えば、当該繊維を束ねた糸を結んだり、編んだり、縫い込んだり、あるいは束ねたりすることによって、布、ベルト、ストラップなどの様々な形状の生体電極を提供できる。さらに、この導電性繊維10を結合して不織布等に成形することにより、パッチ状(布状)の生体電極を作製することも可能である。
基材繊維11の種類は、高分子(ポリマー)からなるものであれば特に制限されず、例えば、合成繊維、植物性の繊維、動物性の繊維などが用いられる。前記合成繊維としては、例えばナイロン、ポリエステル、アクリル、アラミド、ポリウ
レタン、炭素繊維などが挙げられる。前記植物性の繊維としては、例えば綿、麻、ジュートなどが挙げられる。前記動物性の繊維としては、例えば絹、羊毛、コラーゲン、動物組織を構成する弾性繊維などが挙げられる。
上記の如く例示した基材繊維材料の中でも、導電体12との密着性に優れ、乾燥状態及び湿潤状態における強度が強く、且つ、衣料品等の用途に適した柔軟性を有する動物製の繊維(蛋白質含有繊維)が好ましい。さらに、導電体12としてPEDOT−PSSを含む場合には、PEDOT−PSSに対する接着性及び親水性に特に優れたシルク(絹)繊維がより好ましい。基材繊維11として使用し得るシルク繊維としては、例えば、蚕蛾、クモ、蜂の天然シルク繊維及び遺伝子組み換え技術を用いた人工のシルク繊維が挙げられる。シルクはフィブロインと呼ばれる蛋白質を含有し、衣料や手術用の糸に利用されるように、親水性、生体親和性、染色性に優れた繊維であり、最も古くから人類に利用されてきた繊維の一つであるため、基材繊維11として好適に用いられる。
基材繊維11に用いるシルク繊維は、膠質成分であるセリシンを除去していない無加工の生糸、セリシンの一部又は全部を除去した練糸の何れであっても良いが、導電体12との密着性及び繊維強度を高める観点から、練糸がより好ましい。本発明者らは、PEDOT−PSSとシルク等の蛋白質を含む繊維との接着性が特に優れ、両者の接着面が容易には剥離しないことを見出した。この知見に基づき、本実施形態では、基材繊維11としてシルク繊維を使用し、且つ、導電体12に含まれる導電性高分子としてPEDOT−PSSを使用することがより好ましい。但し、本実施形態で用いる基材繊維は、シルク繊維に限定されるものではなく、その他、一般的な繊維材料を何ら制限無く用いることができる。
以下に、基材繊維11を芯として、その周囲に導電体12が被覆されてなる導電性繊維10において、導電体12を導電性高分子とし、前記導電性高分子としてPEDOT−PSSを含む場合に、導電性繊維10の導電性を特に高め、また生体電極としての使用時における生体組織(皮膚や組織)との親和性を向上させるための手法を示す。
本実施形態においては、導電体として導電性高分子を用いる場合,導電性高分子としてPEDOT−PSSを含むことを必須としたうえで、他に使用しうる導電性高分子としては、ポリアニリンスルフォン酸やポリピロールが例示できる。このように、導電体12に含まれる導電性高分子は1種であっても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本実施形態において用いられる導電性高分子は、導電性及び親水性に優れるPEDOT−PSS{ポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)}である。このPEDOT−PSSは、モノマーである3、4−エチレンジオキシチオフェンが、ポリ(4−スチレンスルホン酸)の存在下で重合して得られる導電性ポリマーである。ここで、PSSは、PEDOTに負電荷を付与するドーパントとして機能する。本実施形態では、導電性繊維10の導電性を高める観点から、導電性高分子にはドーパントが含有されていることが好ましい。
また、本実施形態で用いる導電性高分子の分子量は特に制限されず、例えば数千〜数十万の範囲のものが使用できる。
本実施形態においては、後述の製造方法及び製造装置によって導電性繊維10を製造するにあたり、まず、基材繊維11を導電体12の溶液中に浸漬することで、基材繊維11に導電体12を含浸及び/又は付着させる。この際、導電体12の溶液としては、導電性高分子であるPEDOT−PSSに加えて希釈溶媒を含み、さらに、必要に応じて導電性高分子以外の添加剤を含有することができる。
上記の添加剤としては、例えば、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールコポリマー、エチレングリコール、スフィンゴシン、ホスファチジルコリン等が挙げられる。導電体12に含まれる添加剤は1種であっても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記添加剤は、導電性繊維の濡れ特性を調整する目的や、柔軟性を付与することにより、生体電極としての使用時における生体組織(皮膚や組織)との親和性を向上させる目的で使用することができる。なお、前記濡れ特性の調整の具体例としては、例えば吸水性の調整、湿潤・乾燥時の過剰な膨張・収縮の防止等が挙げられる。PEDOT−PSSと添加剤とを組み合わせて用いると、導電体12の濡れ特性の調整が容易となり、特に、過剰な膨張及び収縮の防止が図られる点から好ましい。この理由としては、導電体12において、高い吸水性を有するPEDOT−PSSが、予め添加剤とともに含有されることにより、水分が浸入する余地が少なくなることが一因と考えられる。
また、PEDOT−PSSの濡れ特性を調整し、さらに柔軟性を付与する目的で用いる添加剤としては、上記例のうち、特に、グリセロール、ポリエチレングリコール、及びポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコールコポリマーが好ましい。上記の添加剤及びPEDOT−PSSを含有する導電体12を備える導電性繊維10は、高湿度環境で使用した場合にも、過剰な吸水が起こらず、高い繊維強度を有し、導電性に優れたものとなる。また、優れた柔軟性も併せ持つので、PEDOT−PSSのごわごわした感触(剛直性)が緩和され、生体組織との接触性、親和性に優れるので、ノイズの少ない生体信号の測定が可能な生体電極を構成することが可能となる。
なお、導電体12に含まれる添加剤としては、上記の例に限定されず、例えば、界面活性剤、アルコール、天然多糖類、糖アルコール、アクリル系樹脂、ジメチルスルホキシド等の公知の有機溶媒等を用いることもできる。
上記の界面活性剤としては、公知の、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記のカチオン性界面活性剤としては、例えば、第4級アルキルアンモニウム塩、ハロゲン化アルキルピリジニウム等が挙げられる。また、上記のアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩等が挙げられる。また、上記の非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。
上記のアルコールとしては、公知の1価アルコール及び多価アルコールを幅広く使用することができる。これらのアルコールは、1種を単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。上記の1価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等が挙げられる。これらのアルコールを構成する炭素骨格は、直鎖状、分岐状又は環状のいずれであってもよい。
上記の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール等のグリコール類、グリセリン等の鎖状多価アルコール、グルコースやスクロース等の環状多価アルコール、ポリエチレングリコールやポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールコポリマー等のポリマー状多価アルコール、等が挙げられる。
上記の天然多糖類としては、例えばキトサン、キチン、グルコース、アミノグリカンなどが挙げられる。上記の糖アルコールとしては、例えばソルビトール、キシリトール、エリトリトールなどが挙げられる。上記のアクリル樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリル酸メチル樹脂などが挙げられる。
以下、本発明にかかる上述した導電性繊維の製造方法及び製造装置の実施の形態について、図を参照しながら説明する。尚、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
まず、本実施の形態で用いる製造装置について説明する。導電性皮膜の膜厚の制御方法は、導電体の種類(導電性高分子、金属)により異なるため、以下の説明では、導電体の種類毎に導電性皮膜の膜厚の制御方法を説明する。
<導電体12が、導電性高分子(導電性ポリマー)を含むものである場合>
<製造装置>
図3に示す導電性繊維の製造装置(以下、製造装置と略称することがある)10は、基材繊維11が捲回された糸巻き20と、導電性皮膜成膜部30として、導電性高分子としてPEDOT−PSS{ポリ(3、4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)}を含む導電体の溶液31が内部に収容され、糸状、紐状、布状又はリボン状の繊維束からなる絶縁性の基材繊維11を導電体の溶液31に浸漬させることで、基材繊維11に導電体を含浸及び/又は付着させるための浸漬容器32と、導電体の溶液31を撹拌して均質に保つための撹拌装置33と、後述する制御部40によって導電体12が含浸及び/又は付着した基材繊維11との離間/接触及び接触圧が制御される可動スキージ機構34と、抵抗値測定部50として、抵抗測定装置51と、導電体の溶液4が含浸及び/又は付着した基材繊維11を走行させながら電気的に接触し、相互に離間して配置される電極52、53と、上記抵抗値測定部50で取得された導電性繊維10の抵抗値をもとに上記可動スキージ機構34を駆動する制御部40と、上記基材繊維11を上記導電体の溶液31から引き上げるための巻き取り部60とを備えている。
ここで、糸巻き20は、従来公知のものを使用することができ、例えば、ロールボビン状等の形状とされ、モータ等で回動可能とされることで、基材繊維11を捲回することが可能な構成のものを用いる。この糸巻き20には、導電体12が含浸及び/又は付着させる処理が行われる前の基材繊維11が捲回されており、以下に説明する巻き取り部60により、処理後の基材繊維11、即ち、導電性繊維10が巻き取られるのに伴い、糸巻き20に捲回された基材繊維11が解かれてゆく。なお、糸巻き20の形状は、上記のロールボビンに限定されず、例えば、布状あるいは紐状の基材繊維を用いる場合には、その形態に適合した巻き取り軸を用いればよい。
巻き取り部60は、浸漬容器32に収容された導電体の溶液31から、基材繊維11を垂直方向に引き上げて基材繊維11を巻き取り、捲回するものであるが、これについても、糸巻き20と同様、ロールボビン状等の形状とされた回動可能なものを用いることができる。
本構成例では、巻き取り部60によって、導電体の溶液31から基材繊維11を引き上げる角度を垂直にすることで、基材繊維11に対する導電体12の含浸及び/又は付着する量が一定となるようにしたが、これに限定されるものではなく、導電体の溶液31から基材繊維11を引き上げる角度は任意に設定して良い。
<導電性皮膜成膜部>
本構成例では、基材繊維11が捲回された糸巻き20を浸漬容器32外に設置したが、これに限るものではなく、糸巻き20は、導電体の溶液31に浸漬されるように浸漬容器32内に収容されていてもよい。糸巻き20を浸漬容器32外に設置すると、後述する巻き取り部60による基材繊維11の捲回速度の制御により、基材繊維11に含浸される導電体の溶液31の量を調整可能になるという効果が得られる。糸巻き20を、導電体の溶液31に浸漬されるように浸漬容器32内に収容すると、予め基材繊維11が導電体の溶液31に十分時間浸漬されるようになるため、基材繊維11に含浸及び/又は付着する導電体の溶液31の量を安定化できるという効果が得られる。特に、図2に示すように、基材繊維11が複数の繊維が撚り合わされたり編まれたりしてなる撚り紐、織布、不織布等の高次構造体である場合には、繊維と繊維との間に含浸及び/又は付着する導電体の溶液4の量が安定化できる。
浸漬容器32は、上述したような、導電性高分子としてPEDOT−PSSを含む導電体の溶液31が内部に収容される容器であり、従来公知のものを用いることができる。この糸巻き20に捲回された糸状、紐状、布状又はリボン状の繊維束からなる絶縁性の基材繊維11が導電体の溶液31に浸漬されることで、基材繊維11に導電体の溶液31を含浸及び/又は付着させる。
<可変スキージによる膜厚制御>
基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量は、後述する制御部40によって制御される可動スキージ機構34と、導電体の溶液31が含浸及び/又は付着した基材繊維11との離間/接触及び接触圧によって変化させることができる。すなわち、可動スキージ機構34と、導電体の溶液31が含浸及び/又は付着した基材繊維11とが接触すると、その接触圧に応じて導電体の溶液31が基材繊維11から可動スキージ機構34に移しとられ、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量が減ることとなる。基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量が変わると、導電性繊維10において基材繊維11を被覆する導電体12の厚さが変化する。すなわち、上述したような可動スキージ機構34により、導電性皮膜の膜厚を可変とすることができ、導電性繊維10の導電率又は電気抵抗を変えることができる。
本構成例では、可動スキージを平板状とし、一つのみ設置したが、これに限るものではなく、ロールツーロールの回転子形状としても良く、複数設けても良い。複数設ける場合は、導電性繊維10に対して多方向から接触するようにしても良い。回転子形状とした場合、基材繊維11とスキージの摩擦を軽減し、巻取り部14による導電性繊維10の走行速度の調整が容易になる効果が得られる。
導電性繊維10に対して多方向から接触するようにすると、一方向のみから接触するようにした場合に比べて基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31をより多くスキージに移しとることができるため導電体12の厚さの可変範囲が拡大する効果が得られ、さらに導電性繊維10の断面における導電体12の厚さの均一性が向上する効果が得られる。本構成例では、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量を可動スキージ機構34と物理的に接触させることで変化させたが、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量を変化させる手法はこれに限るものではない。
<導電体溶液の量、温度、濃度、粘度の変更による膜厚制御>
導電体の溶液31から引き上げられる基材繊維11に含浸及び/又は付着する導電体12の量は、導電体の溶液31に含有される導電体12の濃度、導電体の溶液31の粘度、及び基材繊維11が導電体の溶液31に浸漬される時間によって変化し、導電体の溶液31の粘度は導電体の溶液31の液温によって変化する。
これらの性質を利用して、導電性繊維に成膜する導電体の膜厚を制御することができる。図4は、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体12の膜厚を制御するため、制御部40によって流量が制御されるバルブ35および薬液槽36とを備え、薬液槽36内には、基材繊維11に含浸及び/又は付着する導電体の溶液31の量を制御するための薬液37をそれぞれ少なくとも一つずつ備えている。上記薬液37は、制御部40からの制御信号によって浸漬容器32内に滴下される。
ここで、上記薬液37に例えば導電体12の濃度の高い溶液や導電体12を含有しない溶媒を用いると、導電体の溶液31に含有される導電体12の濃度を変化させることができる。上記溶媒は、通常、水で良いが、エタノール等の水親和性の有機溶媒を50堆積%程度以下含んだ水性液でも良い。
また、上記薬液37に増粘剤溶液や上記溶媒を用いると、導電体の溶液31の粘度を変化させることができる。上記増粘剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、水溶性ポリマー、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、キサンタンガム、グアーガム、寒天、デキストリン、デンプン、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ゼラチン、リグニンスルフォン酸塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセロール、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸エステル系重合体、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアセテート鹸化物、アクリル酸エステル系重合体、イソブチルマレイン酸共重合物、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、アクリル酸/マレイン酸共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体、ウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。増粘剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、上記薬液37に上記導電体の溶液31を用いると、上記浸漬容器32内に収容される上記導電体の溶液31の量を増加させ、上記浸漬容器32内における上記導電体の溶液31の液面高さを高くことができ、これにより基材繊維11が導電体の溶液31に浸漬される時間を長くすることができる。
このとき、上記浸漬容器32内における上記導電体の溶液31の液面よりも低い位置に、後述する制御部40によって流量が制御される別のバルブを設け、上記浸漬容器32から上記導電体の溶液31を排出できるようにすると、基材繊維11が導電体の溶液31に浸漬される時間を短くすることもできるようになり、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量の制御性が向上する効果が得られる。これら後述する制御部40によって流量が制御されるバルブ35、薬液槽36および薬液37は、一種を単独で用いてもよいが、バルブ35、薬液槽36および薬液37をそれぞれ複数用意し、後述する制御部40によってそれぞれ独立に添加制御できるようにすると、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量の制御性を向上することができる。
また、図5に示すように、上記浸漬容器32に、制御部40によって上記導電体の溶液31の液温を制御させるためのヒータやペルティエ素子などの温度制御装置38を備え、液温を変化させることで上記導電体の溶液31の粘度を変化させ、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量を変化させても良い。
<導電性繊維の巻き取り速度の変更による膜厚制御>
また、上記浸漬容器32に収容された導電体の溶液31から基材繊維11を引き上げる走行速度を、制御部40によって変化させることで、基材繊維11が導電体の溶液31に浸漬される時間を変化させ、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量を変化させても良い。図6の構成例は、巻き取り部は回転速度を調整可能なモータ61を備え、制御部40の制御信号により、導電性繊維の巻き取り装置のモータ61の回転速度を変化させ、導電体繊維の巻き取り速度を変化するように構成されている。
上述した導電性皮膜成膜部30は、図示を省略するが、上記導電性繊維10が巻き取り部60によって上記浸漬容器32から引き上げられた後に、上記導電体12を基材繊維11に公知の化学的ないし電気化学的な手法で重合固定を行う重合部や、上記導電体の溶液31に含まれる溶媒を蒸発させる公知の乾燥部を含んでいて良い。
<抵抗値測定部>
図2に示すように、製造装置10には、巻き取り部60によって引き上げられる導電性繊維10を走行させながら抵抗測定を行うための抵抗値測定部50が設けられている。抵抗値測定部50には公知の2端子法や4端子法による抵抗測定装置を何ら制限なく用いることができる。
本構成例では、導電性繊維10に接触する電極を電極52および電極53として、2端子法を用いて電極52、53間の導電性繊維10の抵抗値を測定する例を示しているが、図9に示すように、電極を4つ導電性繊維10に接触させ、4端子法を用いて抵抗値を測定しても良い。
この場合、電極と導電性繊維10との接触抵抗や電極と抵抗測定装置をつなぐ配線の抵抗成分を排除して、導電性繊維10の抵抗値のみを精度よく測定できるようになる効果が得られる。
本構成例では、電極形状を平板状とし、導電性繊維10の片側のみに配置したが、これに限るものでは無く、例えば図7に示すように、電極形状はロールツーロールの回転子様としてもよく、一方の電極を導電性繊維10の右側に接するように配置し、他方の電極を導電性繊維10の左側に接するように配置し、2つの電極で導電性繊維10を挟み込むように配置しても良い。
この場合、電極が回転子形状となることで基材繊維11と電極との摩擦を軽減し、後述する巻き取り部60による導電性繊維10の走行速度の調整が容易になる効果が得られる。
また、導電性繊維10を挟みこむように電極を配置することで、巻き取り部60によって導電性繊維10を引き上げる際に導電性繊維10が電極から離れることを防止することができ、接触不良に起因する導電性繊維10の抵抗値測定精度の劣化を抑制することができる。
また、図8に示すように、電極がそれぞれ導電性繊維10を挟み込む機構を有していても良い。この場合も、巻き取り部60によって導電性繊維10を引き上げる際に導電性繊維10が電極から離れることを防止することができ、接触不良に起因する導電性繊維10の抵抗値測定精度の劣化を抑制することができる。
<制御部>
制御部40は、上記抵抗値測定部50の測定結果に基づいて、導電性皮膜の膜厚を制御する。可動スキージを用いて膜厚を制御する構成においては可動スキージを駆動し、バルブ35と薬液槽36と薬液37とを用いて、導電体溶液の量、濃度、粘度を変更することにより膜厚を制御する構成においてはバルブ35の流量制御を行い、導電体の溶液31の液温を変化させて膜厚を制御する構成においては温度制御装置38を制御し、基材繊維11の巻き取る速度を変更する構成においては巻き取り部60に備えられた回転速度を調整可能なモータ61の回転速度を変更する。
このように、制御部40は、上記抵抗値測定部50からの電気抵抗値の測定結果に基づいて、上記基材繊維11を被覆する導電体12の厚さ、すなわち導電性繊維10の電気抵抗を制御することができる。具体的には、上記抵抗値測定部50において検出された電気抵抗値が所望の電気抵抗値の範囲より大きい場合には上記基材繊維11を被覆する導電体12の厚さを厚くし、上記抵抗値測定部50において検出された電気抵抗値が所望の電気抵抗値の範囲より小さい場合には上記基材繊維11を被覆する導電体12の厚さを薄くするような制御を行うようにすると、一回の製造プロセスで製造される導電性繊維10の電気抵抗を均質化することができる。
また、本実施形態の製造装置においては、図示を省略するが、上記各構成に加え、さらに、例えば、エタノールやアセトン浴により、殺菌消毒を行う、容器状の消毒洗浄部が設けられていても良い。さらに、消毒洗浄部には、生理的食塩水等の洗浄バスで残存モノマーの除去を行うことが可能な構成が付加されていても良い。さらに、消毒洗浄部には、導電性繊維10の乾燥を行う公知の乾燥部を付加されていても良い。
<導電体12が、銅や銀などの金属である場合>
<製造装置>
以下では、導電体12が、銅や銀などの金属である場合について、導電体12が導電性高分子(導電性ポリマー)を含むものである場合に用いた図4を参照しながら、説明する。
図4に示す導電性繊維の製造装置(以下、製造装置と略称することがある)10は、基材繊維11が捲回された糸巻き20と、導電性皮膜成膜部30として、公知の無電解又は電気めっきを行うための導電体の溶液31(めっき液)が内部に収容され、浸漬容器32と、導電体の溶液31を撹拌して均質に保つための撹拌装置33と、後述する制御部40によって流量が制御されるバルブ35および薬液槽36とを備え、薬液槽36内には、基材繊維11表面に形成される導電体12(めっき皮膜)の厚さを制御するための薬液37をそれぞれ少なくとも一つずつ備え、抵抗値測定部50として、抵抗測定装置51と、導電体12の皮膜が表面に形成された基材繊維11を走行させながら電気的に接触し、相互に離間して配置される電極52、53と、上記抵抗値測定部50で取得された導電性繊維10の抵抗値をもとにバルブ35の流量を制御する制御部40と、上記基材繊維11を上記導電体の溶液31から引き上げるための巻き取り部60とを備え、構成されている。本構成では基材繊維11が捲回された糸巻き20は浸漬容器32外に設置される。
ここで、糸巻き20は、従来公知のものを使用することができ、例えば、ロールボビン状等の形状とされ、モータ等で回動可能とされることで、基材繊維11を捲回することが可能な構成のものを用いる。この糸巻き20には、導電体12の皮膜を成膜する処理が行われる前の基材繊維11が捲回されており、以下に説明する巻き取り部60により、処理後の基材繊維11、即ち、導電性繊維10が巻き取られるのに伴い、糸巻き20に捲回された基材繊維11が解かれてゆく。なお、糸巻き20の形状は、上記のロールボビンに限定されず、例えば、布状あるいは紐状の基材繊維を用いる場合には、その形態に適合した巻き取り軸を用いればよい。
巻き取り部60は、浸漬容器32に収容された導電体の溶液31から、基材繊維11を垂直方向に引き上げて基材繊維11を巻き取り、捲回するものであるが、これについても、上記の糸巻き20と同様、ロールボビン状等の形状とされた回動可能なものを用いることができる。
<導電性皮膜成膜部>
浸漬容器32は、上述したような、導電体の溶液31(めっき液)が内部に収容される容器であり、従来公知のものを用いることができる。この糸巻き20に捲回された糸状、紐状、布状又はリボン状の繊維束からなる絶縁性の基材繊維11が導電体の溶液31(めっき液)に浸漬されることで、公知の無電解又は電気めっき法により、基材繊維11に導電体12の皮膜が成膜される。本実施形態において使用可能な無電解又は電気めっきとしては、無電解銅めっき、無電解ニッケルめっき、無電解銀めっき、電気銅めっき、電気ニッケルめっき、電気銀めっき、電気金めっき、電気Snめっきが好適な例として挙げられるが、特に限定されない。
<導電体溶液の量、温度、濃度、pHの変更による膜厚制御>
基材繊維11表面に成膜される導電体12の皮膜の厚さは、導電体の溶液31に含有される導電体12の濃度、導電体の溶液31のpH、導電体の溶液31の温度、及び基材繊維11が上記導電体の溶液31に浸漬される時間によって変化する。
これらの性質を利用して、基材繊維11表面に成膜される導電体12の皮膜の厚さを変更することができる。例えば、薬液37に導電体12の濃度の高い溶液や導電体12を含有しない溶媒を用いると、導電体の溶液31に含有される導電体12の濃度を変化させることができる。この溶媒は、通常、水で良いが、エタノール等の水親和性の有機溶媒50体積%程度以下含んだ水性液でも良い。
また、上記薬液37にpH調整剤を用いると、導電体の溶液31のpHを変化させることができる。上記のpH調整剤としては、特に限定されるものではないが、例えば水酸化アルカリ、炭酸塩、アンモニア等の塩基性物質、硫酸、酢酸等の酸性物質などが挙げられる。
また、上記薬液37に上記導電体の溶液31を用い、後述する制御部40によって上記導電体の溶液31上記浸漬容器32内に滴下することで、上記浸漬容器32内に収容される上記導電体の溶液31の量を増加させると、上記浸漬容器32内における上記導電体の溶液31の液面高さを高くことができ、これにより基材繊維11が導電体の溶液31に浸漬される時間を長くさせることができる。
このとき、上記浸漬容器32内における上記導電体の溶液31の液面よりも低い位置に、後述する制御部40によって流量が制御される別のバルブを設け、上記浸漬容器32から上記導電体の溶液31を排出できるようにすると、基材繊維11が導電体の溶液31に浸漬される時間を短くさせることもできるようになり、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量の制御性が向上する効果が得られる。
これら後述する制御部40によって流量が制御されるバルブ35、薬液槽36および薬液37は、一種を単独で用いてもよいが、バルブ35、薬液槽36および薬液37をそれぞれ複数用意し、後述する制御部40によってそれぞれ独立に添加制御できるようにすると、基材繊維11に含浸及び/又は付着した導電体の溶液31の量の制御性を向上することができる。
また、図5に示したように、上記浸漬容器32に後述する制御部40によって上記導電体の溶液31の液温を制御させるためのヒータやペルティエ素子などの温度制御装置38を備え、液温を変化させることで基材繊維11表面に成膜される導電体12の皮膜の厚さを変化させても良い。
<導電性繊維の巻き取り速度の変更による膜厚制御>
また、図6に示したように、上記浸漬容器32に収容された導電体の溶液31から基材繊維11を引き上げる走行速度を、後述する制御部40によって変化させることで、基材繊維11が導電体の溶液31に浸漬される時間を変化させ、基材繊維11表面に成膜される導電体12の皮膜の厚さを変化させても良い。
上述した導電性皮膜成膜部30は、図示を省略するが、上記基材繊維11が上記浸漬容器32に浸漬される前に公知の精錬工程、プラズマ処理工程、アルカリ処理工程、カチオン処理工程、触媒浸漬工程、アクセレーター処理工程、熱処理工程、水洗工程、乾燥工程を行う前処理部を含んでいてよく、上記導電性繊維10が巻き取り部60によって上記浸漬容器32から引き上げられた後に、公知の水洗工程、乾燥工程を行う後処理部を含んでいて良い。
<抵抗値測定部>
抵抗値測定部の構成については、前述した導電体高分子を用いた場合と同じであるため説明を省略する。
<制御部>
制御部40は、上記抵抗値測定部50の測定結果に基づいて、導電性皮膜の膜厚を制御する。バルブ35と薬液槽36と薬液37とを用いて、導電体溶液の量、濃度、粘度を変更することにより膜厚を制御する構成においてはバルブ35の流量制御を行い、導電体の溶液31の液温を変化させて膜厚を制御する構成においては温度制御装置38を制御し、基材繊維11の巻き取る速度を変更する構成においては巻き取り部60に備えられた回転速度を調整可能なモータ61の回転速度を変更する。
<製造方法>
以下に、上述の製造装置を用いて導電性繊維10を製造する方法について、図10を参照しながら、その手順を説明する。本実施形態で説明する導電性繊維10の製造方法は、以下に示す3つのステップからなり、これら(1)乃至(3)のステップを、雰囲気湿度を調湿しながら行うものである。
(1)導電性皮膜成膜ステップ(S1):糸状の繊維束からなる絶縁性の基材繊維11を、導電体の溶液31に浸漬することにより、基材繊維11に導電体12からなる皮膜を成膜させ導電性を付与し、導電性繊維を形成するステップ。
(2)抵抗値測定ステップ(S2):導電体繊維を搬送させながら、導電性繊維に接触させた電極により電気抵抗値の測定行うステップ。
(3)皮膜膜厚制御ステップ(S3、S4):上記抵抗値測定ステップで測定された導電性繊維10の抵抗値と、所望の抵抗値との比較を行い、所望の抵抗値が得られているか判定し、所望の抵抗値が得られていない場合には、導電性皮膜の成膜の条件(導電性溶液の量、温度等)を変更し、上記導電性皮膜成膜ステップにおける導電体皮膜の膜厚を変化させるステップ。
また、基材繊維11の巻き取る速度を変更する構成の場合、この皮膜膜厚制御ステップでは巻き取り部60に備えられた回転速度を調整可能なモータ61の回転速度を変更することにより導電体皮膜の膜厚を変化させる。
本発明にかかる導電性繊維の製造方法は、従来の手法に比較して、(2)製造された導電性繊維の電気抵抗値を測定するステップ及び(3)測定された電気抵抗値をもとに皮膜膜厚を制御するステップが付加されており、これらのステップを付加することによって一回の製造プロセスで製造される導電性繊維の電気抵抗の均質性を向上させることができる。
<導電性皮膜成膜ステップ(S1)>
導電性皮膜成膜ステップ(S1)では、上述したように、基材繊維11を、導電体の溶液31に浸漬することにより、基材繊維11に導電体12からなる皮膜を成膜させる。
具体的には、例えば図3に示すような浸漬容器32に、導電体の溶液31を収容し、この溶液中に基材繊維(繊維束)11を浸漬させる。これにより、導電性を有する導電体12からなる皮膜が、基材繊維11に成膜されるため、基材繊維11が導電性を有するものとなる。
上述のような導電体の溶液を調整する場合には、例えば、導電体として導電性高分子を用いる場合には、市販のPEDOT−PSS溶液(HeraeusCLEVIOSP等)に、さらに、必要に応じて添加剤等を加えることができる。
即ち、PEDOT−PSSを含む導電体の溶液中に添加剤を混合させた混合溶液を調整し、導電性高分子及び添加剤を、基材繊維11に対して同時に塗布又は浸漬させる方法も適用できる。このような混合液の一例として、PEDOT−PSS等の導電性高分子が0.1〜50(V/V)%、グリセロール等の添加剤が0.1〜50(V/V)%の濃度で含有される水溶液が挙げられる。また、導電体の溶液中における添加剤の濃度は、特に制限されず、例えば0.1〜50wt%の範囲とすることで、高い導電性を得ることができる。このとき、公知の化学的ないし電気化学的重合工程を含んでいても良い。
また、導電体として公知の無電解又は電気めっき法により形成される金属を用いる場合には、市販の無電解銅めっき液、無電解ニッケルめっき液、無電解銀めっき液、電気銅めっき液、電気ニッケルめっき液、電気銀めっき液、電気金めっき液、電気Snめっき液などを何ら制約なく用いることができる。このとき、上記基材繊維11が上記浸漬容器32に浸漬される前に精錬工程、プラズマ処理工程、アルカリ処理工程、カチオン処理工程、触媒浸漬工程、アクセレーター処理工程、熱処理工程、水洗工程、乾燥工程を行う前処理部を含んでいてよく、上記導電性繊維10が巻き取り部60によって上記浸漬容器32から引き上げられた後に、公知の水洗工程、乾燥工程を行う後処理部を含んでいて良い。
<抵抗値測定ステップ(S2)>
次に、抵抗値測定ステップ(S2)においては、導電性繊維10に電極を接触させ、2端子法又は4端子法により製造された導電性繊維10の電気抵抗を測定する。具体的には、2端子法を用いる場合、例えば導電性の金属材料あるいはカーボン材料からなる電極対と市販の電気抵抗測定機とを配線で接続し、電極対間の導電性繊維10の抵抗値を連続的に取得していく。
図11に、高分子繊維に上記PEDOT−PSS溶液を染み込ませた場合に、電極間隔2cmとして、電極に対して一定速度で導電性繊維10を走行させた際の、導電性繊維10の抵抗値の時間変化を測定した結果を示す。横軸は時刻、縦軸は、所望の抵抗値に対する導電性繊維10の相対的な抵抗値を示す。
<皮膜膜厚制御ステップ(S3、S4)>
次に、皮膜膜厚制御ステップ(S3、S4)においては、上述した抵抗値測定ステップで得られた導電性繊維10の抵抗値を所望の抵抗値と比較し、所望の抵抗値が得られているか判定し、所望の抵抗値が得られていない場合には、導電性皮膜の成膜の条件(導電性溶液の量、温度等)を変更し、上記導電性皮膜成膜ステップにおける導電性皮膜の膜厚を制御する。
例えば、図4に示す液体37の滴下により膜厚を可変とする手段を用い、液体37として導電体12の濃度の高い溶液と希釈溶媒(水)を用いる時、図11のような抵抗値変動が示された場合には、所望の抵抗値よりも測定された抵抗値が大きい領域Aでは、導電体12の濃度の高い溶液を滴下し、所望の抵抗値よりも測定された抵抗値が小さい領域Bでは、希釈溶媒(水)を滴下する制御を行う。
また、基材繊維11の巻き取る速度を変更する構成の場合には、所望の抵抗値よりも測定された抵抗値が大きい領域Aでは、巻き取り速度を遅くし、所望の抵抗値よりも測定された抵抗値が小さい領域Bでは、巻き取り速度を早くするようにモータの回転速度を制御する。このように制御することで、一回の製造工程に亘って、電気抵抗の均一性を保ちながら導電性繊維10を製造することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る導電性繊維の製造方法及び装置によれば、導電体の皮膜の膜厚を変更可能な導電性皮膜成膜手段と、導電繊維の電気抵抗値測定手段と、測定した電気抵抗値に基づき導電性皮膜の膜厚制御手段とを備えるようにしたため、一回の製造工程に亘って、電気抵抗の均一性を保ちながら導電性繊維10を製造することが可能となる。
本発明は、生体電極、バイオインターフェース、静電気防止衣料等に利用される導電性繊維素材の製造に利用することができる。
10…導電性繊維、11…基材繊維、12…導電体、20…糸巻き、30…導電性皮膜成膜部、31…導電体の溶液,32…浸漬容器、33…撹拌装置 34…可動スキージ、35…バルブ、36…薬液槽、37…薬液、38…温度制御装置、40…制御部、50…抵抗値測定部、51…抵抗測定装置、52、52−1、52−2、53、53−1、53−2…電極、60…巻き取り部、61…モータ。

Claims (8)

  1. 導電性物質を含む所定の導電体溶液に浸漬することにより絶縁性の基材繊維に導電性皮膜を成膜して導電性繊維を形成する導電性皮膜成膜ステップと、
    前記導電性繊維を長手方向に搬送しながら、前記導電性繊維に接触させた少なくとも一組の電極により前記導電性繊維の電気抵抗値を測定する抵抗値測定ステップと
    前記抵抗値測定ステップで測定した導電性繊維の電気抵抗値に基づき前記導電性皮膜の膜厚を制御する皮膜膜厚制御ステップと
    を備えた導電性繊維の製造方法。
  2. 前記皮膜膜厚制御ステップでは、
    前記抵抗値測定ステップで測定した前記導電性繊維の電気抵抗値が予め定めた電気抵抗値の範囲よりも大きい場合は、前記導電性皮膜の膜厚を厚くし、
    前記抵抗値測定ステップで測定した前記導電性繊維の電気抵抗値が予め定めた電気抵抗値の範囲よりも小さい場合は、前記導電性皮膜の膜厚を薄くすること
    を特徴とする請求項1記載の導電性繊維の製造方法。
  3. 導電性物質を含む所定の導電体溶液が収容された浸漬容器と、
    前記浸漬容器に絶縁性の基材繊維を浸漬し、前記基材繊維に導電性皮膜を成膜して導電性繊維を形成する導電性皮膜成膜手段と、
    前記導電性繊維を長手方向に搬送しながら、前記導電性繊維に接触させた少なくとも一組の電極により前記導電性繊維の電気抵抗値を測定する抵抗値測定手段と、
    前記抵抗値測定手段で測定した導電性繊維の電気抵抗値に基づき前記導電性皮膜の膜厚を制御する皮膜膜厚制御手段と、
    前記導電性繊維を前記浸漬容器から引き上げ、搬送された前記導電性繊維を巻き取る導電性繊維巻き取り手段と
    を備えた導電性繊維の製造装置。
  4. 前記導電性繊維巻き取り手段は、前記皮膜膜厚制御手段からの制御信号に従って、前記導電性繊維の巻き取り速度を変更すること
    を特徴とする請求項3記載の導電性繊維の製造装置。
  5. 前記導電体溶液は導電性物質として導電体高分子を含む溶液であり、
    前記導電性皮膜成膜手段は、前記皮膜膜厚制御手段からの制御信号に従って、前記導電体溶液の量、温度、濃度、粘度の少なくともいずれか1つを変更すること
    を特徴とする請求項3記載の導電性繊維の製造装置。
  6. 前記導電体溶液は導電性物質として金属を含む無電解または電気めっき液であり、
    前記導電性皮膜成膜手段は、前記皮膜膜厚制御手段からの制御信号に従って、前記導電体溶液の量、温度、濃度、pH値の少なくともいずれか1つを変更すること
    を特徴とする請求項3記載の導電性繊維の製造装置。
  7. 前記導電体溶液は導電性物質として導電体高分子を含む溶液であり、
    前記導電性皮膜成膜手段は、前記導電性繊維に接触または離間が可能な可動スキージを有し、
    前記皮膜膜厚制御手段からの制御信号に従って、前記可動スキージと前記導電性繊維との距離、接触圧力の少なくともいずれかを変更すること
    を特徴とする請求項3記載の導電性繊維の製造装置。
  8. 前記抵抗値測定手段は前記導電性繊維の長手方向で互いに離間した位置に配置された二組の前記電極を有し、前記二組の電極を用いて前記導電性繊維の電気抵抗値を測定すること
    を特徴とする請求項3乃至7のいずれか一つに記載の導電性繊維の製造装置。
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