JP2014237275A - 樹脂フィルム製造用ポリエステルフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 フィルム表面の平滑性およびフィルムのハンドリングに優れ、樹脂フィルムの製造用フィルムとして好適に利用することのできるポリエステルフィルムを提供する。【解決手段】 二層以上の構成からなるポリエステルフィルムであり、一方の表層(A1層)に滑剤粒子を含有し、もう一方の表層(A2層)の十点平均粗さ(Rz)が20.0nm以下であり、かつ空気漏れ指数が100000秒以下であることを特徴とする樹脂フィルム製造用ポリエステルフィルム。【選択図】 なし
Description
本発明は、表面の平滑性およびハンドリングに優れ、樹脂フィルムの製造用として好適なポリエステルフィルムに関するものである。
樹脂フィルムは、ガラスに比べて軽量である上に割れにくいという長所があるため、近年では光学用途をはじめ幅広い分野で使用されている。樹脂フィルムの中でも、熱あるいは光により硬化する硬化性樹脂フィルムは耐熱性に優れることから、車載用などの過酷な環境下での使用が期待されている。
硬化性樹脂フィルムを連続的に製造する際の基材としては、スチールベルト(特許文献1)やポリエステルフィルム(特許文献2)が提案されているが、スチールベルト法では局所的な硬化不良や、樹脂フィルムとの剥離不良が生じる問題がある。また、ポリエステルフィルムは表面硬度が低いため、製造工程や搬送工程でキズが入りやすく、ポリエステルフィルム表面の欠陥がそのまま樹脂フィルムに転写してしまうという問題がある。
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、表面の平滑性およびハンドリングに優れ、樹脂フィルムの製造用フィルムとして好適なポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を有するポリエステルフィルムによれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、二層以上の構成からなるポリエステルフィルムであり、一方の表層(A1層)に滑剤粒子を含有し、もう一方の表層(A2層)の十点平均粗さ(Rz)が20.0nm以下であり、かつ空気漏れ指数が100000秒以下であることを特徴とする樹脂フィルム製造用ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、表面の平滑性およびハンドリングに優れ、樹脂フィルムの製造用フィルムとして好適なポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明のポリエステルフィルムは、一方の表層(以下、A1層と称することがある)およびもう一方表層(以下、A2層と称することがある)を有する少なくとも2層からなる積層フィルムであって、全ての層が押出し機の口金から共溶融押出しされる、いわゆる共押出し法によって押出されたものを、延伸および熱処理されたものとして得られるものが好ましい。本発明の要旨を越えない限り、層数は2層に限定されず、3層またはそれ以上であってもよい。
本発明のフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸とジオールとから、あるいはヒドロキシカルボン酸から重縮合させて得られるものである。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、セバシン酸およびオキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)などが挙げられ、ジオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。また、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
本発明におけるポリエステルフィルムは、一方の表層(A1層)に滑剤粒子を含有させることが必要である。A1層に滑剤粒子を含有しない場合、ポリエステルフィルムを巻き上げる際のエア抜けが悪く平面性が悪化したり、樹脂フィルム製造工程でのハンドリングが悪化したりする。
A1層に含有させる滑剤粒子の平均粒径としては、通常0.5〜15.0μm、好ましくは0.8〜10.0μmの範囲である。平均粒径が0.5μm未満の場合、十分な易滑性を付与することができない。また、平均粒径が15.0μmを超える場合には、ポリエステルフィルム巻上げの際に反対側の表層(A2層)に滑剤粒子起因の突起跡が形成されて平面性が損なわれることがある。
本発明のポリエステルフィルムのもう一方の表層(A2層)は、滑剤粒子を含有させてもさせなくてもよいが、A2層表面の十点平均粗さ(Rz)は20.0nm以下であることが必要である。Rzが20.0nm以上の場合、A2層と接触する樹脂フィルムに滑剤粒子起因の突起跡が形成され好ましくない。
A2層に含有させる滑剤粒子の平均粒径としては、通常0.8μm以下、好ましくは0.5μm以下である。平均粒径が0.8μm以上の場合、A2層と接触する樹脂フィルムに滑剤粒子起因の突起跡が形成されることがある。
A1層およびA2層に添加する滑剤粒子としては、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、カオリン、酸化チタン、有機粒子などを挙げることができる。これらの粒子は、単独あるいは2成分以上を同時に使用してもよい。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法は特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、エステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し重縮合反応を進めてもよい。またベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明のフィルムの厚さは10〜400μmが好ましく、50〜300μmが特に好ましい。フィルムの厚さが10μm以下の場合、樹脂フィルムの製造工程で加えられる張力に耐えられない恐れがあり、また、樹脂フィルムの重みによりたわみやゆがみが発生しやすい。一方、400μm以上の場合、ポリエステルフィルムの巻上げが困難になることがある。
本発明において、表面平滑性と良好な巻き取り性を有するためには、後述の測定方法によるフィルムの空気漏れ指数が100000秒以下であることが必要である。空気漏れ指数が100000秒以上の場合、フィルム巻上げの際に噛み込んだエアが抜けにくく、シワや端面不揃いなどのロール外観の不良となる。また、巻き込んだエアが十分時間経過後、特に搬送中に抜けることで、巻き芯方向にフィルムがズレたり、ズレによりキズが入ったりして問題となる。なお、空気漏れ指数を上記範囲にするには、フィルム表層に添加する滑剤粒子の種類や粒径、添加量、フィルムの延伸条件などを調節することで達成できる。
本発明におけるポリエステルフィルム中には、必要に応じて従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料、顔料等を添加することができる。かかる添加物は内層のみ、あるいは最外層のみに配合してもよい。表面への析出を防止するためには内層に添加することが好ましい。
本発明におけるポリエステルフィルムの全光線透過率は、85.0%以上であることが好ましく、88.0%以上がさらに好ましい。全光線透過率が85%以下の場合、樹脂フィルムを製造する際に照射する紫外線の透過量が低下し、硬化不良となる恐れがある。
次に本発明のフィルムの製造方法に関して具体的に説明するが、本発明の要旨を満足する限り、以下の例示に特に限定されるものではない。
まず、本発明で使用するポリエステルの製造方法の好ましい例について説明する。ここではポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートを用いた例を示すが、使用するポリエステルにより製造条件は異なる。常法に従って、テレフタル酸とエチレングリコールからエステル化し、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコールをエステル交換反応し、その生成物を重合槽に移送し、減圧しながら温度を上昇させ、最終的に真空下で280℃に加熱して重合反応を進め、ポリエチレンテレフタレート得る。
ポリエステルは、溶融重合後これをチップ化し、加熱減圧下または窒素等不活性気流中に必要に応じてさらに固相重合を施してもよい。得られるポリエステルの固有粘度は0.40dl/g以上であることが好ましく、さらに好ましくは0.40〜0.90dl/g、特に好ましくは0.50〜0.80dl/gである。固有粘度が0.40dl/g未満の場合は、フィルムの強度が不足したり、フィルム製造時に破断が頻発して生産性が低下したり、また含有するオリゴマー量が多くなって、光学用として使用した場合にフィルムの透明性の低下等の問題を発生させる事がある。一方固有粘度が0.90dl/gを超えると、フィルム製造時に溶融押出する工程で、粘度が高過ぎて剪断発熱による温度上昇でポリエステルが劣化して色調が変化したり、筋状の厚みムラが発生しやすくなったりする等の問題が発生することがある。
次に上記のようにして得られたポリエステルチップを溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融する。次いで、溶融したポリマーを口金から押出し、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、本発明においては静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。
本発明においては、このようにして得られたシートを2軸方向に延伸してフィルム化する。延伸条件は、前記未延伸シートを縦方向に70〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸フィルムとした後、横方向に90〜160℃で2〜6倍延伸を行い、150〜240℃で1〜600秒間熱処理を行うことが好ましい。さらにこの際、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1〜20%弛緩する方法が好ましい。また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。さらに、前記の未延伸シートを面積倍率が10〜40倍になるように同時二軸延伸を行うことも可能である。
本発明のポリエステルフィルムは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆるインラインコーティングを施すこともできる。方法は以下に限定するものではないが、例えば、1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、帯電防止性、滑り性、2次加工性、耐候性、表面硬度等の向上の目的で水溶液、水系エマルジョン、水系スラリー等によるコーティング処理を施すことができる。このようなコートは片面、両面のいずれでもよい。コーティングの材料としては水系が好ましい。
樹脂フィルムの製造後に基材となる本フィルムを容易に剥がすことを目的にA2層の表面に非シリコーン系の塗布層を設けることが好ましい。シリコーン系の塗布層の場合、シリコーン成分が樹脂フィルムに付着して、はじきの原因となったり、工程汚染の原因となったりすることがある。
塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとして、通常0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下の範囲である。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フィルムが相互に固着しやすくなったり、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。
塗布層は、帯電防止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
塗布剤の塗布方法としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、種々の諸物性、特性は以下のように測定、または定義されたものである。実施例中の「%」は「重量%」を意味する。
(1)ポリエステルの極限粘度の測定
ポリエステルを1g精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mLに溶解させ、30℃で測定した。
ポリエステルを1g精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒100mLに溶解させ、30℃で測定した。
(2)平均粒径(d50)の測定
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP3型)を用いて測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径を平均粒径d50とした。
(3)フィルム厚さの測定
フィルムを5枚重ねてミツトヨ製(MDC-293・MDC-25MJ)デジタルマイクロメーターを使用して厚さを測定し、表示値を5で割り単枚の厚さを算出した。
フィルムを5枚重ねてミツトヨ製(MDC-293・MDC-25MJ)デジタルマイクロメーターを使用して厚さを測定し、表示値を5で割り単枚の厚さを算出した。
(4)空気漏れ指数の測定
東洋精機製のデジベック平滑度試験機DB−2を用いて温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した。加圧装置の圧力は100kPa、真空容器は容積38mlの小真空容器を使用し、1mLの空気が流れる時間、すなわち容器内の圧力が50.7kPaから48.0kPaに変化するまでの時間(秒)を計測し、得られた秒数の10倍を空気漏れ指数とした。サンプルサイズは70mm四方、A2面が下になるように20枚を積層し、空気の漏れが均一になるように積層したフィルムの中央には直径5mmの穴を開けている。
東洋精機製のデジベック平滑度試験機DB−2を用いて温度23℃、湿度50%RHの雰囲気下で測定した。加圧装置の圧力は100kPa、真空容器は容積38mlの小真空容器を使用し、1mLの空気が流れる時間、すなわち容器内の圧力が50.7kPaから48.0kPaに変化するまでの時間(秒)を計測し、得られた秒数の10倍を空気漏れ指数とした。サンプルサイズは70mm四方、A2面が下になるように20枚を積層し、空気の漏れが均一になるように積層したフィルムの中央には直径5mmの穴を開けている。
(5)フィルム表面の粗さ(十点平均粗さ、Rz)の測定
JIS B 0601−1994に準じ、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定機(SE3500)によって得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜き取った部分の断面曲線における最高から5番目までの山頂の標高の平均値と、最深から5番目までの谷底の標高の平均値との和で表わした。尚、この時使用した触針の半径は、2.0μm、荷重は30mg、カットオフ値は0.08mmである。
JIS B 0601−1994に準じ、(株)小坂研究所製の表面粗さ測定機(SE3500)によって得られた断面曲線から、基準長さ(2.5mm)だけ抜き取った部分の断面曲線における最高から5番目までの山頂の標高の平均値と、最深から5番目までの谷底の標高の平均値との和で表わした。尚、この時使用した触針の半径は、2.0μm、荷重は30mg、カットオフ値は0.08mmである。
(6)全光線透過率の測定
JIS K 7136に準拠し、日本電色工業社製の積分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの全光線透過率を測定した。
JIS K 7136に準拠し、日本電色工業社製の積分球式濁度計NDH−20Dによりフィルムの全光線透過率を測定した。
(7)キズ評価
フィルムをA4サイズに切り出し、目視にてフィルム表面に発生したキズの個数を数えた。判定基準は以下のとおりである。
○:キズ発生頻度が3本以下
×:キズ発生頻度が3本より多い
上記判定基準中、○が問題なく使用できるレベルである。
フィルムをA4サイズに切り出し、目視にてフィルム表面に発生したキズの個数を数えた。判定基準は以下のとおりである。
○:キズ発生頻度が3本以下
×:キズ発生頻度が3本より多い
上記判定基準中、○が問題なく使用できるレベルである。
(8)A2層による転写跡評価
トリメチロールプロパントリアクリレート80部、メタクリル基含有フェニルシルセスキオキサンオリゴマー20部、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.5部を混合し、基材となるポリエステルフィルムのA2層面に流延した。この流延した樹脂の上に同一種類のポリエステルフィルムのA2層面を圧着した後、メタルハライドランプにて紫外線を照射した。続いて、上下のポリエステルフィルムを剥がし、硬化樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムの両表面を株式会社ニコン製の光学顕微鏡OPTIPHOTにて観察し、観察面積(10mm四方)中にA2層起因の突起跡が形成されているかを以下の基準で評価した。
○:観察面積中に1μm以上の突起跡が形成されていない
×:観察面積中に1μm以上の突起跡が1個以上形成されている
上記判定基準中、○が問題なく使用できるレベルである。
トリメチロールプロパントリアクリレート80部、メタクリル基含有フェニルシルセスキオキサンオリゴマー20部、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン2.5部を混合し、基材となるポリエステルフィルムのA2層面に流延した。この流延した樹脂の上に同一種類のポリエステルフィルムのA2層面を圧着した後、メタルハライドランプにて紫外線を照射した。続いて、上下のポリエステルフィルムを剥がし、硬化樹脂フィルムを得た。この樹脂フィルムの両表面を株式会社ニコン製の光学顕微鏡OPTIPHOTにて観察し、観察面積(10mm四方)中にA2層起因の突起跡が形成されているかを以下の基準で評価した。
○:観察面積中に1μm以上の突起跡が形成されていない
×:観察面積中に1μm以上の突起跡が1個以上形成されている
上記判定基準中、○が問題なく使用できるレベルである。
(ポリエステルaの製造方法)
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.640に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。さらに得られたポリエステルを160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.850のポリエステルaを得た。
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒として酢酸マグネシウム・四水塩0.09重量部を反応器にとり、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェート0.04部を添加した後、三酸化アンチモン0.03部を加えて、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.640に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させた。さらに得られたポリエステルを160℃で予備結晶化させた後、温度220℃の窒素雰囲気下で固相重合し、極限粘度0.850のポリエステルaを得た。
(ポリエステルbの製造方法)
ポリエステルaの製造方法において、平均粒子径2.7μmの二酸化ケイ素粒子を0.3部添加し、ポリエステルbを得た。
ポリエステルaの製造方法において、平均粒子径2.7μmの二酸化ケイ素粒子を0.3部添加し、ポリエステルbを得た。
(ポリエステルcの製造方法)
ポリエステルaの製造方法において、平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウム粒子を1.0部添加し、ポリエステルcを得た。
ポリエステルaの製造方法において、平均粒子径1.0μmの炭酸カルシウム粒子を1.0部添加し、ポリエステルcを得た。
(ポリエステルdの製造方法)
ポリエステルaの製造方法において、平均粒子径0.3μmの酸化アルミニウム粒子を1.5部添加し、ポリエステルdを得た。
ポリエステルaの製造方法において、平均粒子径0.3μmの酸化アルミニウム粒子を1.5部添加し、ポリエステルdを得た。
(ポリエステルフィルムの製造)
上記ポリエステルa〜dを、表1および表2に示した割合で混合した原料を2台の押出機に各々供給し、層構成がA1(最外層)/B(中間層)/A2(最外層)のポリエステルフィルムを作製した。まず、ポリエステルを285℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を30℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、85℃にて縦方向に3.1倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て145℃で4.3倍の横延伸を施し、240℃で熱処理を行い、厚さ125μmのポリエステルフィルムを得た。
上記ポリエステルa〜dを、表1および表2に示した割合で混合した原料を2台の押出機に各々供給し、層構成がA1(最外層)/B(中間層)/A2(最外層)のポリエステルフィルムを作製した。まず、ポリエステルを285℃で溶融押出した後、静電印加密着法を用いて表面温度を30℃に設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シートを得た。次いで、85℃にて縦方向に3.1倍延伸した後、テンター内で予熱工程を経て145℃で4.3倍の横延伸を施し、240℃で熱処理を行い、厚さ125μmのポリエステルフィルムを得た。
本発明のフィルムは、例えば、樹脂フィルムの製造用として好適に利用することができる。
Claims (1)
- 二層以上の構成からなるポリエステルフィルムであり、一方の表層(A1層)に滑剤粒子を含有し、もう一方の表層(A2層)の十点平均粗さ(Rz)が20.0nm以下であり、かつ空気漏れ指数が100000秒以下であることを特徴とする樹脂フィルム製造用ポリエステルフィルム。
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