JP2014237260A - プラスチックレンズ及びレンズユニット並びにプラスチックレンズの製造金型 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ウエルドを有するおそれが少なく、或いは形状誤差の少ない高品質なプラスチックレンズ及びレンズユニット並びにプラスチックレンズの製造金型の提供を目的とする。【解決手段】本発明のプラスチックレンズ1は、レンズ有効部2と、レンズ枠部3と、レンズ有効部2とレンズ枠部3との間におけるレンズ有効部2の全周に亘って配設されレンズ有効部2及びレンズ枠部3との一体成形によってレンズ枠部32よりも厚さが薄く形成された円環部4とを備える。レンズ枠部3は、成形に際して成形樹脂材料が4つのゲートからレンズ枠部3に流入されることにより形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、撮像装置等に好適に用いられるプラスチックレンズ及びレンズユニット並びにプラスチックレンズの製造金型に関するものである。
携帯電話やパソコン、あるいは車載やセキュリティ用途などに搭載可能な小型の撮像装置(カメラモジュール)が従来から知られている。近年、スマートフォンやタブレット端末の普及もあり、カメラ機能に対して、端末の薄型化、小型化に伴うカメラの低背化、小型化、高画質化に対するレンズ口径の大型化、また、大量生産、低コスト化に対する組立タクトタイムの短縮などへの要求が高まっている。
このようなカメラモジュールに用いられるレンズの製造方法が、例えば特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示されたレンズの製造方法では、レンズ有効部を形成するためのレンズ有効部用形成部と、レンズ有効部用形成部を囲むように配設されレンズ枠部を形成するための円筒状のレンズ枠部用形成部と、レンズ枠部用形成部の外周にレンズ枠部用形成部と連通するように配設された1つのゲートとを備え、又、レンズ枠部用形成部の外周のコーナ部に、角をカットするように形成した角落としを有する製造金型を用い、その製造金型にゲートから成形樹脂材料が流入されることにより、プラスチックレンズが製造される。
しかしながら、上記特許文献1では、レンズ枠部用形成部の外周に配設された1つのゲートからレンズ枠部用形成部に成形樹脂材料が流入される。そのため、ゲートからレンズ枠部用形成部内に成形樹脂材料が冷却されながら流入されて、中心(光軸)を挟んでゲートの反対側で2方向から合流する。そのように合流した樹脂は温度差がある等のために、均質化し難く、ウエルドの発生や、形状誤差が生じやすい。その結果、製造されたプラスチックレンズがウエルド或いは形状誤差を有するおそれが高いものになってしまうという問題点がある。特に、レンズが薄型化してくると、樹脂の流れが悪化し、前記ウエルドや形状誤差が、より一層、生じやすくなる。
本発明は、ウエルドを有するおそれが少なく、或いは形状誤差の少ない高品質なプラスチックレンズ及びレンズユニット並びにプラスチックレンズの製造金型の提供を目的とする。
本発明のプラスチックレンズは、レンズ有効部と、前記レンズ有効部を囲むように配設されたレンズ枠部と、前記レンズ有効部と前記レンズ枠部との間に、前記レンズ有効部と前記レンズ枠部とのそれぞれの全周に亘って連結されるように配設され、前記レンズ枠部よりも厚さが薄く形成された円環部とを備え、成形に際して成形樹脂材料が複数のゲートから前記レンズ枠部に流入されることにより形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、成形に際して成形樹脂材料が複数のゲートから流入されることにより形成されているため、成形樹脂材料が、1つのゲートから流入される場合に較べて、小さい温度差で全体に流入される。
又、円環部はレンズ枠部より厚さが薄く形成されているため、円環部はフィルムゲートと同様の役割を果たす。即ち、成形樹脂材料は円環部よりもレンズ枠部に流入し易くなり、円環部への流入に先立ってレンズ枠部内への流入が進み、レンズ枠部内での成形樹脂材料の圧力が十分高まるとレンズ枠部から円環部に成形樹脂材料が高圧で流入する。そして、成形樹脂材料は円環部の全周部から中心側のレンズ有効部に向けて流入する。
従って、レンズ有効部に流入した成形樹脂材料は、均質化し、ウエルドの発生や形状誤差が生じ難くなる。よって、レンズ有効部は、ウエルドを有するおそれが少なく、或いは、形状誤差が少ない。
他の一態様では、前記プラスチックレンズにおいて、前記成形樹脂材料が複数のゲートから前記レンズ枠部の厚さ方向の一面に流入されるようにして形成されたことを特徴とする。
この構成によれば、成形樹脂材料は、円環部への流入に先立ってレンズ枠部の全体に、より流入し易くなり、円環部の全周部から中心側のレンズ有効部に向けて確実に流入する。
従って、レンズ有効部は、より一層確実に、ウエルド或いは形状誤差を有するおそれが少ないものになる。
他の一態様では、前記プラスチックレンズにおいて、前記レンズ有効部は、中心部の径方向外側に、前記中心部よりも厚さが厚くなるように形成された厚肉部を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、複数のゲートからレンズ枠部に流入されるとともに、レンズ枠部より厚さが薄い円環部によって、レンズ有効部における径方向外側の厚肉部よりも厚さが薄い中心部への流れを良好にでき、レンズ有効部がウエルドの発生や形状誤差が生じ難く、本発明のプラスチックレンズのレンズ有効部に適したものになる。
又、本発明のレンズユニットは、上述の何れかのプラスチックレンズを複数、備え、前記各プラスチックレンズのレンズ枠部は、円筒状を呈し、前記各レンズ枠部の厚さ方向の一面及び他面は、光軸と垂直な平面に形成され、前記複数のプラスチックレンズは、互いに隣接する2つのプラスチックレンズにおける一方の前記一面に他方の前記他面が当接するように組み付けられていることを特徴とする。
この構成によれば、各プラスチックレンズのレンズ枠部は円筒状を呈しているため、レンズ枠部の外周を基準にして複数のプラスチックレンズを組み付けることで、光軸合わせしながら組み付けでき、組立性の向上を図ることができる。
他の一態様では、前記レンズユニットにおいて、前記複数のプラスチックレンズは、それぞれ、前記一面から突出したゲート残りを備え、前記複数のプラスチックレンズの内の少なくとも1つは、前記他面に前記ゲート残りを受容する受容凹部を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、隣接する2つのプラスチックレンズの一方のゲート残りを他方の受容凹部に受容するようにして組み付ければ、ゲート残りが組み付けに際して弊害になることがない。従って、ゲート残りをカットする等の処理を施す必要のないものにできる。又、隣接する2つのプラスチックレンズを接着する場合は、受容凹部が接着たまりとして接着剤を保持でき、容易に安定的に結合できる。
他の一態様では、前記レンズユニットにおいて、前記受容凹部は、前記他面の全周に亘って形成された環状溝であることを特徴とする。
この構成によれば、ゲート残りを受容凹部に受容する際に、周方向の位置合わせを行う必要のないものにでき、より一層、組み付け易いものにできる。
他の一態様では、前記レンズユニットにおいて、前記受容凹部は、前記他面からの深さが前記ゲート残りの前記一面からの突出高さよりも小さくなるように形成され、前記互いに隣接する2つのプラスチックレンズは、前記一方のゲート残りが前記他方の受容凹部に受容した状態で、超音波溶着されていることを特徴とする。
この構成によれば、接着剤によって接着する場合に比較して、容易に確実に結合でき、タクトタイムを短縮できる。
又、本発明のプラスチックレンズの製造金型は、レンズ有効部を形成するためのレンズ有効部用形成部と、前記レンズ有効部用形成部を囲むように配設され、レンズ枠部を形成するためのレンズ枠部用形成部と、前記レンズ有効部用形成部とレンズ枠部用形成部との間に、前記レンズ有効部用形成部とレンズ枠部用形成部とのそれぞれと全周に亘って連通されるように配設されているとともに、前記レンズ枠部用形成部の厚さよりも厚さが薄く形成され、円環部を形成するための円環部用形成部と、前記レンズ枠部用形成部と連通され、成形樹脂材料が前記レンズ枠部用形成部に流入される複数のゲートと、を備えていることを特徴とする。
この構成によれば、成形樹脂材料が、1つのゲートから流入される場合に較べて、小さい温度差で全体に流入される。又、円環部はレンズ枠部より厚さが薄く形成されているため、円環部はフィルムゲートと同様の役割を果たし、成形樹脂材料は、均質化した状態でレンズ有効部に流入し、ウエルドの発生や形状誤差が生じ難いものにできる。従って、ウエルドを有するおそれが少なく、或いは、形状誤差を有するおそれが少ないプラスチックレンズを製造できる。
他の一態様では、前記プラスチックレンズの製造金型において、前記複数のゲートは、前記レンズ枠部用形成部の厚さ方向の一面に連通されたピンゲートであることを特徴とする。
この構成によれば、成形樹脂材料は、円環部への流入に先立ってレンズ枠部内に、より流入し易くなり、円環部の全周部から中心側のレンズ有効部に向けて確実に流入し、より一層確実に、ウエルド或いは形状誤差を有するおそれが少ないレンズ有効部を得ることができる。
又、複数のゲートは、ピンゲートからなるため、ゲート残りを小さくでき、例えばゲート残りをカット処理せずに用いることも可能になり、プラスチックレンズの大量生産化を図ることも可能になる。
本発明のプラスチックレンズ及びレンズユニットは、ウエルドを有するおそれが少なく、或いは形状誤差が少なく、プラスチックレンズの製造金型は、ウエルドを有するおそれが少なく或いは形状誤差が少ないプラスチックレンズを製造できる。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態のプラスチックレンズの平面図、図2は、図1のII―II線断面図である。
本発明のプラスチックレンズ1は、例えば携帯電話などに好適に搭載可能な撮像装置に用いられる。この実施形態のプラスチックレンズ1は、図1、図2に示すように、レンズ有効部2と、レンズ有効部2を囲むようにレンズ有効部2の径方向外側の周部に配設されたレンズ枠部3と、レンズ有効部2とレンズ枠部3との間に配設された円環部4とを備えている。
レンズ有効部2は、円板状を呈している。又、この第1実施形態のレンズ有効部2は、中心部の径方向外側(外周部)に、中心部よりも厚さが厚い厚肉部21を備えている。
レンズ枠部3は、円筒状を呈している。又、レンズ枠部3は、断面が四角形状に形成されており、厚さ方向の一面31(図の上面)及び他面32の両面は、夫々、レンズ有効部2の光軸に垂直な平面になっている。又、このレンズ枠部3の軸心は、レンズ有効部2の光軸と一致している。
又、レンズ枠部3の一面31は、4つのゲート残り33を備えている。これらのゲート残り33は、プラスチックレンズ1の成形に際して、後述のゲート18からレンズ枠部用形成部15に流入された成形樹脂材料の一部がゲート18に残って固化したもので、各ゲート残り33は、一面31から厚さ方向に突出している。
このように構成されたゲート残り33は、一面31における周方向に、等間隔に配設されている。
円環部4は、内周側がレンズ有効部2の外周に連結され、外周側がレンズ枠部3の内周に連結され、これにより、円環部4は、レンズ有効部2とレンズ枠部3との間におけるレンズ有効部2の全周に亘って連結されて配設されている。
このように構成されたプラスチックレンズ1は、この実施形態では、図3に示す製造金型10を用いて射出成形により製造されている。
この製造金型10は、コア11と、コア11と対向したキャビティ12とを備え、それらのコア11とキャビティ12との間に、プラスチックレンズ1を成形するレンズ成形部13が形成されるようになっている。
レンズ成形部13は、プラスチックレンズ1のレンズ有効部2を形成するためのレンズ有効部用形成部14と、レンズ枠部3を形成するためのレンズ枠部用形成部15と、円環部4を形成するための円環部用形成部16とを備えている。
レンズ枠部用形成部15は、レンズ有効部用形成部14を囲むようにレンズ有効部用形成部14の全周に亘って配設されている。
円環部用形成部16は、フィルムゲートとして機能させるためのもので、レンズ有効部用形成部14とレンズ枠部用形成部15との間におけるレンズ有効部用形成部14の全周に亘って配設され、レンズ有効部用形成部14とレンズ枠部用形成部15とのそれぞれの全周部と連通されている。
又、円環部用形成部16は、その厚さt1が径方向の幅L1よりも小さい円筒状に形成されている。又、この厚さt1は、レンズ枠部用形成部15の厚さt2よりも薄く設定されている。
キャビティ12は、4つ(複数)のランナー17と、4つ(複数)のゲート18とを備えている(図3では、ランナー17及びゲート18は2つずつ表れている)。
ランナー17は、コア11側に漸次径小の略円錐状のものから構成されており、その軸心がレンズ枠部用形成部15の軸方向(光軸方向)に沿って延ばされるようにして、レンズ枠部用形成部15の厚さ方向の一面15a側に形成されている。
そして、4つのランナー17は、レンズ枠部用形成部15の周方向に等間隔に配設されている。
ゲート18は、ピンゲートから構成されており、各ランナー17の先端に、各ランナー17とレンズ枠部用形成部15とのそれぞれに連通するように配設されている。
このように構成された製造金型10は、キャビティ12とコア11とが合わさってレンズ成形部13が形成された図3に示す状態で、成形樹脂材料がランナー17のそれぞれに送られる。そして、ランナー17に送られた成形樹脂材料は、各ゲート18からレンズ枠部用形成部15に流入される。
その際、円環部用形成部16の厚さt1が径方向の幅L1よりも小さく、かつ、レンズ枠部用形成部15の厚さt2よりも薄く形成され、なおかつ、ゲート18がレンズ枠部用形成部15の厚さ方向の一面に形成されている。そのため、成形樹脂材料は、各ゲート18から円環部用形成部16への流入に先立ってレンズ枠部用形成部15内の全体に流入する。
又、ゲート18がレンズ枠部用形成部15の周方向の4箇所に等間隔に配設されているため、成形樹脂材料は、レンズ枠部用形成部15内に、大きな温度差が生じることなく短時間で流入される。
そして、レンズ枠部用形成部15内での成形樹脂材料の圧力が十分高まると、成形樹脂材料がレンズ枠部用形成部15から円環部用形成部16に高圧で円周全体から略同時期に流入する。そして、成形樹脂材料は円環部用形成部16の全周部から径内側のレンズ有効部用形成部14に向けて流入する。
従って、成形樹脂材料は、そのレンズ枠部用形成部15から円環部用形成部16を通ってレンズ有効部用形成部14に、1つのゲートから流出する従来品に比べて短時間で流入し、レンズ枠部用形成部15内に大きな温度差が生じることなく流入して、均質化し、ウエルドを有するおそれが少なく、或いは、形状誤差が少ないものになる。
その後、レンズ成形部13に流入した成形樹脂材料が冷却固化した後、キャビティ12とコア11とが開く。その際、冷却固化した成形樹脂材料がゲート18で破断し、ゲート18内に固化した成形樹脂材料の一部がレンズ枠部用形成部15の一面に残ってゲート残り33を有するものになる。
又、このようにして得られたプラスチックレンズ1は、レンズ有効部2とレンズ枠部3と円環部4とを備えた図1に示すものと同形状のもので、ゲート残り33は、一面31における周方向に、等間隔に配設されている。
次に、第2実施形態のプラスチックレンズ100について、図4に基づいて説明する。第2実施形態のプラスチックレンズ100のレンズ枠部3は、図4(b)(c)に示すように、厚さ方向の一面31と反対側の他面32に、受容凹部134を備えている。
この受容凹部134は、レンズ枠部3の一面31に形成されたゲート残り33を受容するためのもので、ゲート残り33に対応する径方向位置に、他面32から窪まされるようにして他面32の全周に亘って形成された環状溝から構成されている。
又、この実施形態では、受容凹部134は、他面32からの深さh1がゲート残り33の一面31からの突出高さh2よりもやや大きくなるように設定され、一のプラスチックレンズ100の受容凹部134に、他のプラスチックレンズ100のゲート残り33を受容した状態で、一のプラスチックレンズ100の一面31と他のプラスチックレンズ100の他面32とが当接できるようになっている。
次に、本発明のレンズユニット200について、図5に基づいて説明する。このレンズユニット200は、複数のプラスチックレンズ1、101〜103を備えている。この実施形態では、受容凹部134を有しない1つの上記第1実施形態のプラスチックレンズ1(図の下側に表れたもの)と、上記第2実施形態のプラスチックレンズ100と同様に、レンズ枠部3に受容凹部134を有する複数(この実施形態では3つ)のプラスチックレンズ101〜103から構成されている。
これらのプラスチックレンズ1、101〜103は、隣接する2つのプラスチックレンズ1の一方の一面31と他方の他面32とを対向させるようにして、受容凹部134にゲート残り33を受容するように配設されている。又、その状態で、隣接する2つのプラスチックレンズ1の一方の一面31と他方の他面32とが当接して互い接着材によって接着されている。
尚、レンズユニット200は、必要に応じてプラスチックレンズ1、101〜103同士間に遮光板や絞りなどを挟み結合してもよいし、あらかじめ成形後のプラスチックレンズ1、101〜103の必要な部分に墨塗りを施し、組み立ててもよい。
そして、このように構成されるレンズユニット200は、この実施形態では、レンズ組み付け装置500を用いて組み付けられている。この実施形態のレンズ組み付け装置500は、図6に示すようにレンズ移送部501と、レンズ移送部501に配設されたプラスチックレンズ103の受容凹部134に接着剤を充填する接着剤充填用ディスペンサー502と、プラスチックレンズ101〜103同士を位置合わせするレンズ位置合わせ部503(図7に図示)とを備えている。
レンズ移送部501は、一定の速度で間欠的に移動しプラスチックレンズ101〜103を搬送する搬送ベルト501aと、搬送ベルト501a上に形成されたレンズ保持部501bとを備えている。
レンズ保持部501bは、この実施形態では、搬送ベルト501a上に配設された3つの柱状部材501cを備えている(図7参照)。各柱状部材501cは、図6に示すように搬送ベルト501aから上方に延ばされるように配設されている。そして、3つの柱状部材501cは、図7に示すようにプラスチックレンズ101〜103の外径よりも大きい円周状に配設され、それらの柱状部材501cの内側にプラスチックレンズ101〜103を遊びを持って保持できるようになっている。
接着剤充填用ディスペンサー502は、搬送ベルト501a上におけるレンズ保持部501bに供給されたプラスチックレンズ103の受容凹部134に接着剤を充填する。
レンズ位置合わせ部503は、図7に示すようにプラスチックレンズ101〜103の外周を受ける外周受け部503aを有するレンズ位置合わせ本体503bと、レンズ位置合わせ本体503bの外周受け部503aにプラスチックレンズ101〜103の外周を押し付ける押圧部503cとを備えている。
レンズ位置合わせ本体503bは、搬送ベルト501aの側方から搬送ベルト501aの上方側まで、搬送ベルト501aの搬送方向と直交する方向(図7のZ−Z方向)に移動可能に配設されている。
押圧部503cは、搬送ベルト501a上のプラスチックレンズ101〜103を挟んでレンズ位置合わせ本体503bと反対側に、搬送ベルト501aの側方から搬送ベルト501aの上方側まで、搬送ベルト501aの搬送方向と直交する方向に移動可能に配設されている。
以上のように構成されたレンズ組み付け装置500は、図6に示すようにレンズ移送部501が一定の速度で間欠的に移動する。そして、第1ステージAで、プラスチックレンズ103がレンズ保持部501bに供給される。この実施形態では、第1ステージAで、上記受容凹部134を有するプラスチックレンズ103が、その受容凹部134を上側にしてレンズ保持部501bに載置される。
次に、第1ステージAにおけるレンズ移送部501の移送方向の後方側の第2ステージBで、接着剤充填用ディスペンサー502によって、レンズ保持部501bに載置されたプラスチックレンズ103の受容凹部134に接着剤が充填される。
次に、第2ステージBにおけるレンズ移送部501の移送方向の後方側の第3ステージCで、2枚目のプラスチックレンズ102が受容凹部134を上側にしてレンズ保持部501bにおける1枚面のプラスチックレンズ103に載置されるように供給される。
そして、第3ステージCで、2枚目のプラスチックレンズ102が供給されると、図7に示すようにレンズ位置合わせ本体503bと押圧部503cとがそれぞれ、搬送ベルト501aの側方から搬送ベルト501aの上方に移動して、押圧部503cがプラスチックレンズ102のレンズ枠部3の外周をレンズ位置合わせ本体503bの外周受け部503aに押し当てる。
これにより、1枚目のプラスチックレンズ103と2枚目のプラスチックレンズ102との外周が位置合わせされ、それぞれの光軸が一致する。又、この状態で、受容凹部134とゲート残り33との径方向の位置が一致して受容凹部134にゲート残り33が入り込んだ状態になる。
そして、この状態で、図示しないがプラスチックレンズ102が上方側から押圧されて接着剤(例えば紫外線硬化型)によって1枚目のプラスチックレンズ103と2枚目のプラスチックレンズ102とが接着する。その際、受容凹部134は、接着たまりとして接着剤を保持でき、プラスチックレンズ103、102を容易に安定的に結合できる。
次に、第3ステージCにおけるレンズ移送部501の移送方向の後方側の第4ステージDで、接着剤充填用ディスペンサー502によって、レンズ保持部501bに載置された2枚目のプラスチックレンズ102が受容凹部134に接着剤が充填される。
同様に、第4ステージDの後方側で、順次、3枚目、4枚目のプラスチックレンズ101が供給され、接着剤充填用ディスペンサー502によってプラスチックレンズ101が受容凹部134に接着剤が充填される(図6では、4枚目のプラスチックレンズ1は表れていない)。その後、レンズ位置合わせ本体503bと押圧部503cとにより、供給されたプラスチックレンズ101と既に載置されたプラスチックレンズ103、102との外周が位置合わせされ、光軸が合わされる。又、その状態で、3枚目、4枚目のプラスチックレンズ101の受容凹部134と2枚目のプラスチックレンズ102のゲート残り33との径方向の位置が一致して受容凹部134にゲート残り33が入り込んだ状態になる。
このようにしてレンズ組み付け装置500を用いて組み付けることにより、自動連続的に組み付けることができる。
又、プラスチックレンズ101〜103の一面31と他面32とは、光軸に垂直な平面に形成されているため、各プラスチックレンズ101〜103の光軸が傾くことなく一致する。
以上のようにして得られたレンズユニット200は、例えば図9〜図11に示すように撮像装置本体401に保持されて撮像装置400のレンズユニットとして使用される。
この撮像装置本体401は、この実施形態では、ホルダ402と、ホルダ402に保持されたアクチュエータ403と、アクチュエータ403に保持された移動体404と、カバー408と、センサ基板407を備えている。
アクチュエータ403は、軸方向に伸縮する電気機械変換素子である圧電素子431と、圧電素子431の一端に接合された駆動軸432と、圧電素子431の他端に接合された錘433とを備えている。そして、アクチュエータ403は、錘33がホルダ402に接着剤によって接着されるようにして保持されている。
移動体404は、駆動軸432に所定の摩擦力で係合され、駆動軸432の軸方向に沿って摺動する。この実施形態の移動体404は、金属製の円筒状の移動体本体部405と、移動体本体部405の外周側に配設された金属製の円弧状板体406とを備えている。
移動体本体部405は、内周側にレンズ収納部454を備え、このレンズ収納部454にレンズユニット200が収納されて固定的に保持される。又、移動体本体部405は、外周側に第1摺動面451を備えている。
円弧状板体6は、一端側に形成されたガイド部462と、押圧片463とを備えている。
そして、この移動体404は、押圧片463の押圧力によって第1摺動面51とガイド部462とが駆動軸432の外周に押し付けられてアクチュエータ403の駆動軸432に軸方向移動可能に保持されている。
センサ基板407は、図10に示すように移動体404のレンズ収納部454の下面側に、IRカットフィルタ471と、CCD型のイメージセンサやCMOS型のイメージセンサ等から構成される撮像素子472とを備えている。
そして、撮像装置400は、例えば携帯電話機の回路基板に、撮像装置400に設けられた電極端子が接続されるようにして携帯電話機の筐体内に設置される。
そして、駆動回路から電極端子に電力が供給されると、アクチュエータ403の圧電素子431が軸方向に振動してその振動によって駆動軸432が往復移動し、その往復移動によってレンズユニット200を保持した移動体404が駆動軸432の軸方向(光軸方向)に移動する。
より詳しくは、圧電素子431に所定のデューティ比の矩形波が付与されることによって圧電素子431の変位が三角波状となり、その矩形波のデューティ比を変えることによって振幅の上昇時と下降時とで傾きの異なる三角波が発生する。アクチュエータ403の駆動メカニズムは、これを利用するものである。
例えば、駆動軸432をゆっくりと振動させることで、その駆動軸432に摩擦係合している移動体404もその振動に応じて移動し、摩擦係合した摩擦力を超える程の瞬時に、駆動軸432を振動させると、レンズユニット200を保持した移動体404がそのまま取り残される。このような駆動軸432の軸方向の振動を繰返し行うことで、移動体404が駆動軸432の軸方向に移動し、レンズユニット200が移動体404と共にする。
尚、上記実施形態では、レンズユニット200における隣接する2つのプラスチックレンズ1、101〜103は、接着剤によって接着されたが、この形態のものに限らず、適宜変更でき、例えば隣接する2つのプラスチックレンズ1、101〜103は、超音波溶着によって結合されてもよい。
詳しくは、プラスチックレンズ101〜103の受容凹部134は、他面32からの深さh1がゲート残り33の一面31からの突出高さh2よりもやや小さくなるように設定され(図4参照)、図8に示すように、一のプラスチックレンズ101の受容凹部134に、他のプラスチックレンズ1のゲート残り33を受容した状態で、それら2つのプラスチックレンズ1、101を超音波溶着した場合に、ゲート残り33が変形して、一のプラスチックレンズ101の一面31と他のプラスチックレンズ1の他面32とが当接できるようになっている。
そして、受容凹部134にゲート残り33が入り込んだ状態で複数のプラスチックレンズ1、101〜103を厚さ方向に押圧しつつ複数のプラスチックレンズ1、101〜103に超音波振動を付与するようにして受容凹部134の内面とゲート残り33とを溶着する。
このようにして超音波溶着すれば、接着剤によって接着する場合に比較して、容易に確実に結合でき、タクトタイムを短縮できる。尚、図6に示すレンズ組み付け装置500において、接着剤充填用ディスペンサー502に代えて超音波溶着部を配置し、超音波溶着するようにしてもよい。
又、上記実施形態では、受容凹部134は、環状溝から構成されたが、この形態のものに限らず、適宜変更できる。例えば受容凹部134は、ゲート残り33を受容可能な大きさのものであればよく、例えばゲート残り33に対応する位置に配設された半球状の凹部から構成されてもよい。
1、100、101、102、103 プラスチックレンズ
2 レンズ有効部
3 レンズ枠部
4 円環部
10 製造金型
11 コア
12 キャビティ
13 レンズ成形部
14 レンズ有効部用形成部
15 レンズ枠部用形成部
16 円環部用形成部
17 ランナー
18 ゲート
33 ゲート残り
134 受容凹部
200 レンズユニット
2 レンズ有効部
3 レンズ枠部
4 円環部
10 製造金型
11 コア
12 キャビティ
13 レンズ成形部
14 レンズ有効部用形成部
15 レンズ枠部用形成部
16 円環部用形成部
17 ランナー
18 ゲート
33 ゲート残り
134 受容凹部
200 レンズユニット
Claims (9)
- レンズ有効部と、
前記レンズ有効部を囲むように配設されたレンズ枠部と、
前記レンズ有効部と前記レンズ枠部との間に、前記レンズ有効部と前記レンズ枠部とのそれぞれの全周に亘って連結されるように配設され、前記レンズ枠部よりも厚さが薄く形成された円環部とを備え、
成形に際して成形樹脂材料が複数のゲートから前記レンズ枠部に流入されることにより形成されていることを特徴とするプラスチックレンズ。 - 前記成形樹脂材料が前記レンズ枠部の厚さ方向の一面側から流入されるようにして形成されたことを特徴とする請求項1記載のプラスチックレンズ。
- 前記レンズ有効部は、中心部の径方向外側に、前記中心部よりも厚さが厚くなるように形成された厚肉部を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のプラスチックレンズ。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載のプラスチックレンズを複数、備え、
前記各プラスチックレンズのレンズ枠部は、円筒状を呈し、
前記各レンズ枠部の厚さ方向の一面及び他面は、光軸と垂直な平面に形成され、
前記複数のプラスチックレンズは、互いに隣接する2つのプラスチックレンズにおける一方の前記一面に他方の前記他面が当接するように組み付けられていることを特徴とするレンズユニット。 - 前記複数のプラスチックレンズは、それぞれ、前記一面から突出したゲート残りを備え、
前記複数のプラスチックレンズの内の少なくとも1つは、前記他面に前記ゲート残りを受容する受容凹部を備えていることを特徴とする請求項4記載のレンズユニット。 - 前記受容凹部は、前記他面の全周に亘って形成された環状溝であることを特徴とする請求項5記載のレンズユニット。
- 前記受容凹部は、前記他面からの深さが前記ゲート残りの前記一面からの突出高さよりも小さくなるように形成され、
前記互いに隣接する2つのプラスチックレンズは、前記一方のゲート残りが前記他方の受容凹部に受容した状態で、超音波溶着されていることを特徴とする請求項5又は6記載のレンズユニット。 - レンズ有効部を形成するためのレンズ有効部用形成部と、
前記レンズ有効部用形成部を囲むように配設され、レンズ枠部を形成するためのレンズ枠部用形成部と、
前記レンズ有効部用形成部とレンズ枠部用形成部との間に、前記レンズ有効部用形成部とレンズ枠部用形成部とのそれぞれと全周に亘って連通されるように配設されているとともに、前記レンズ枠部用形成部の厚さよりも厚さが薄く形成され、円環部を形成するための円環部用形成部と、
前記レンズ枠部用形成部と連通され、成形樹脂材料が前記レンズ枠部用形成部に流入される複数のゲートと、を備えていることを特徴とするプラスチックレンズの製造金型。 - 前記複数のゲートは、前記レンズ枠部用形成部の厚さ方向の一面に連通されたピンゲートであることを特徴とする請求項8記載のプラスチックレンズの製造金型。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121002A JP2014237260A (ja) | 2013-06-07 | 2013-06-07 | プラスチックレンズ及びレンズユニット並びにプラスチックレンズの製造金型 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013121002A JP2014237260A (ja) | 2013-06-07 | 2013-06-07 | プラスチックレンズ及びレンズユニット並びにプラスチックレンズの製造金型 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014237260A true JP2014237260A (ja) | 2014-12-18 |
Family
ID=52134876
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013121002A Pending JP2014237260A (ja) | 2013-06-07 | 2013-06-07 | プラスチックレンズ及びレンズユニット並びにプラスチックレンズの製造金型 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014237260A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018020470A (ja) * | 2016-08-02 | 2018-02-08 | 株式会社小糸製作所 | 射出成形品 |
TWI692400B (zh) * | 2018-12-14 | 2020-05-01 | 大立光電股份有限公司 | 光學鏡頭及電子裝置 |
-
2013
- 2013-06-07 JP JP2013121002A patent/JP2014237260A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11671689B2 (en) | 2018-12-14 | 2023-06-06 | Largan Precision Co., Ltd. | Optical lens assembly and electronic device |
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