JP2014235174A - 中赤外波長変換光源 - Google Patents

中赤外波長変換光源 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、2〜4.5μm帯における広い波長範囲に渡る光を発生できる波長変換光源を提供する。【解決手段】本発明の波長変換光源は、光周波数コム種光発生手段と、光周波数コム種光発生手段に接続されたEr添加ファイバ増幅器と、前記Er添加ファイバ増幅器に接続された高非線形ファイバとを少なくとも備え、光周波数コムを出力する光周波数コム光源と、光周波数コム光源から出力された光周波数コムを入力し、2次の非線形光学効果を発する非線形光学媒質とを備え、非線形光学媒質は、入力した光周波数コムの多数の光の中から選択された差周波発生により変換光を出力し、差周波発生が光周波数コムのそれぞれの波長を有する光の中から複数の組み合わせで行われることによって複数の変換光を発生させることを特徴とする。【選択図】図8

Description

本発明は、波長変換光源に関し、より具体的には、ガスのセンシングや分光に好適な中赤外波長域の光を発生する波長変換光源に関する。
近年、地球温暖化の問題などがクローズアップされており、高感度にメタンや二酸化炭素などを検出するために、2〜5μmの波長を出力する中赤外域の光源が必要とされている。このような波長域では、従来から半導体レーザの研究開発がなされている。しかしながら、室温で簡易に使用できるような光源が実現されていないのが現状である。そこで、このような光源から直接発生させることが困難な波長領域の光を、非線形光学効果を用いた波長変換を利用して発生させる技術が知られている。
波長変換素子としては様々な形態のものが利用可能であるが、実用的な観点から非線形光学定数を周期的に変調した擬似位相整合を用いた導波路型の波長変換素子が最も有望である。非線形定数の周期変調構造を形成するためには、非線形定数の符号を交互に反転するか、あるいは非線形定数が大きい部分と小さい部分をほぼ交互に配置する方法が考えられる。
LiNbOのような強誘電体結晶においては、非線形定数の正負は自発分極の極性に対応するため、自発分極を反転することにより非線形定数の符号を反転することができる。中赤外波長域を発生させるための方法として、非特許文献1に示されるような2つの半導体レーザおよび擬似位相整合を利用した導波路型波長変換素子による差周波発生による方法が知られている。
図1は、従来の波長変換光源の構成を示す。図1に示される光源10は、光導波路12が形成されたLiNbO基板11と、合波器15と、信号光13及び励起光14をそれぞれ出力する2個の半導体レーザ(図示せず)とから構成される。信号光13及び励起光14は合波器15で合波され、周期的に分極反転されたLiNbO基板11に形成された光導波路12に入射する。光導波路12では、信号光13と励起光14との差周波光である変換光16が発生する。信号光の波長をλ、変換光(アイドラー光)の波長をλ、励起光の波長をλとすると、これら3つの波長は以下の(式1)を満たす。
1/λ3=1/λ2+1/λ1 (式1)
例えば、信号光波長λを1.56μm、励起光波長λを1.06μmとすれば、λ=3.31μmの変換光を発生させることができる。信号光波長λにおける屈折率をn、変換光波長λにおける屈折率をn、励起光波長λにおける屈折率をn、非線形定数の変調周期をΛとすると、位相不整合量Δβは以下の(式2)で与えられる。
Δβ=2π(n/λ−n/λ2−n/λ1) (式2)
上記(式2)で示された位相不整合量Δβに対して、変換効率ηが以下の(式3)で表される。ここで、Lは波長変換光源の非線形媒質の光の進行方向の長さを表す。
Figure 2014235174
(式3)より、変換効率ηはΔβ=2π/Λのときに最大となる。例えば、励起光波長λを固定して考えると、(式2)で与えられる位相不整合量Δβ=2π/Λとなるいわゆる擬似位相整合条件を満たす信号光波長λおよび励起光波長λは、非線形材料の屈折率の波長分散に依存し、変調周期Λを決定すると実質的に一意に決定される。信号光波長λまたは励起光波長λを、擬似位相整合条件を満たすいわゆる擬似位相整合波長から変化させると、(式2)および(式3)に従って変換効率が減少してしまう。
図2に、波長変換光源における位相不整合量に対する変換効率の変化を示す。図2では、横軸は(Δβ−2π/Λ)L/πを示し、縦軸は波長変換光源における変換効率の最大値を1として規格化した変換効率を示す。例えば、励起光波長λを固定して信号光波長λを変換させたとき、図2に示される変換効率が最大値の半分となる位相不整合量に相当する波長帯域は、非線形媒質の長さLが50mmのLiNbO導波路を用いた場合、3.31μm帯の変換光波長に換算すると約6.8nm程度であり狭い。
そこで、特許文献1に示されるように、波長1μm帯の励起光と波長3μm帯の変換光との群速度を一致させ、波長1.55μm帯の信号光を固定し、波長1μm帯の励起光を掃引すると、図2に示される変換効率が最大値の半分となる位相不整合量に相当する波長帯域は、長さLが50mmのLiNbO導波路を用いた場合、3.31μm帯の変換光波長に換算すると約123nmと広がる。また、特許文献には、波長1μm帯光にYb添加ファイバを用いた短パルス光を用いて波長3μm帯に広スペクトルを有する波長変換光源が示されている。
ここで、この群速度整合がとれた分極反転LiNbOにおいて励起光波長許容幅が広いということを別の観点から説明をする。図3は、バルクLiNbOの分極反転周期Λ=30μmの場合における励起波長と信号光波長との位相整合関係を示す。図3においては、励起光波長及び信号光波長を変化させた場合における分極反転周期Λ=30μmのときのバルクLiNbOにおいて位相整合がとれる組み合わせがΛ=30μmの曲線で示されている。すなわち、図3においてΛ=30μmを示す曲線上の各励起光波長および信号光波長においては位相整合がとれているため(式2)を満たし、(式3)はη=ηmaxになる。
図3においては、Λ=30μmの曲線に加えて、(式1)で一義的に決定される変換光波長を等高線表示した曲線が示されている。すなわち、例えば励起光波長1μm及び信号光波長1.5μmのとき、変換光3μmの曲線上にあるため、変換光波長は3μmということである。この時、信号光波長を1.54μmに固定し、励起光波長を1.05μmから1.08μmに変化させた場合、その励起光波長及び信号光波長が示す線分はほぼΛ=30μmの曲線に沿っており、励起光波長を変化させてもほぼΛ=30μmの分極反転周期に近い分極反転周期で位相整合する。このことを別の言い方をすると、図2で示した位相不整合量は励起光波長を変化させても大きく変化せず、0から少しずれるだけで規格化変換効率の落ちは大きくない。よって、励起光波長を変化させても広い位相整合波長幅が得られる。
特開2011−203376号公報
O. Tadanaga, T. Yanagawa, Y. Nishida, H. Miyazawa, K. Magari, M. Asobe, H. Suzuki, "Efficient 3-μm difference frequency generation using direct-bonded quasi-phase-matched LiNbO3 ridge waveguides", 2006年, APPLIED PHYSICS LETTERS, Vol.88, No.6, 061101-1 - 061101-3. Y. Nishida, H. Miyazawa, M. Asobe, O. Tadanaga, and H. Suzuki, "Direct-bonded QPM-LN ridge waveguide with high damage resistance at room temperature", 2003年, Electronics Letters, Vol.39, No.7, p.609-611. K. Iwakuni, H. Inaba, Y. Nakajima, T. Kobayashi, K. Hosaka, A. Onae, F-L. Hong, "Narrow linewidth comb realized with a mode-locked fiber laser using an intra-cavity waveguide electro-optic modulator for high-speed control", 2012年, OPTICS EXPRESS, Vol.20, No.13, p.13769-13776. A. Ishizawa, T. Nishikawa, A. Mizutori, H. Takara, S. Aozasa, A. Mori, H. Nakano, A. Takada, M. Koga, "Octave-spanning frequency comb generated by 250 fs pulse train emitted from 25 GHz externally phase-modulated laser diode for carrier-envelope-offset-locking", 2010年, Electronics Letters, Vol.46, No.19, p.1343-1344.
中赤外域において、3.0〜3.4μmの波長域にはメタン、エタンなどの炭化水素系ガス、2.3μm帯と4.6μm帯には一酸化炭素、2.7μm帯と4.3μm帯には二酸化炭素、4.5μm帯には亜酸化窒素など、様々なガスが2〜4.5μmに点在している。前述のような波長1μm帯光の励起光と波長1.55μm帯の信号光とを合波し、非線形光学媒質で差周波発生を起こす中赤外光源においては、波長1μm帯光を掃引することにより波長3.3μm帯において123nmと広いチューニング幅を持たせることができる。
しかしながら、このような従来の波長変換光源では、広い波長範囲に渡る変換光を効率よく発生できず、また3.0〜3.4μmの波長域に存在するメタンガスなどの一種のガスしか計測できず、2〜4.5μmの波長域に点在している様々なガスをセンシングする必要がある場合などには適応することができないという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、2〜4.5μm帯における広い波長範囲に渡って、中赤外波長域の光を発生させることができる波長変換光源であって、発生波長範囲は少なくとも特許文献1に示された0.1μmオーダーの波長範囲の10倍以上である1μm以上の発生波長幅を有する中赤外波長変換光源を提供することにある。
本発明の請求項1に記載の中赤外波長変換光源は、光周波数コム種光発生手段と、前記光周波数コム種光発生手段に接続されたEr添加ファイバ増幅器と、前記Er添加ファイバ増幅器に接続された高非線形ファイバとを少なくとも備え、光周波数コムを出力する光周波数コム光源と、前記光周波数コム光源から出力された光周波数コムを入力し、2次の非線形光学効果を発する非線形光学媒質とを備え、前記非線形光学媒質は、入力した前記光周波数コムの多数の光の中から選択された波長λpを有する光と波長λsを有する光との差周波発生により、1/λi=1/λp−1/λsの式を満たす波長λiの変換光を出力し、前記差周波発生が前記光周波数コムのそれぞれの波長を有する光の中から複数の組み合わせで行われることによって、複数の変換光を発生させることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の波長変換光源は、本発明の請求項1に記載の波長変換光源であって、前記非線形光学媒質の後段に、2μm以下の光を減衰させるフィルタを配置したことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の中赤外波長変換光源は、本発明の請求項1又は2に記載の波長変換光源であって、前記光周波数コム光源の出力光を分岐する分岐手段と、前記分岐手段により分岐された一方の出力光を入力するYb添加ファイバ増幅器と、前記分岐手段により分岐された他方の出力光と前記Yb添加ファイバ増幅器の出力光とを合波して、当該合波光を前記非線形光学媒質に出力する合波手段とをさらに備えたことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の中赤外波長変換光源は、本発明の請求項1乃至3のいずれかに記載の波長変換光源であって、前記非線形光学媒質は、非線形光学材料の分極を周期的に反転した構造を有することを特徴とする。
本発明の請求項5に記載の中赤外波長変換光源は、本発明の請求項4に記載の波長変換光源であって、前記非線形光学材料は、LiNbOまたはLiNbOにMg、Zn、Sc、およびInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料から成ることを特徴とする。
本発明の請求項6に記載の中赤外波長変換光源は、本発明の請求項4又は5に記載の波長変換光源であって、前記非線型光学媒質は、光導波路構造を有することを特徴とする。
本発明の請求項7に記載の中赤外波長変換光源は、本発明の請求項6に記載の波長変換光源であって、前記光導波路構造を有する非線形光学媒質の分極反転周期Λ(μm)が、前記光導波路構造のコア面積A(μm)に対して、−280/A+29≦Λ≦−280/A+32を満たすことを特徴とする。
本発明の請求項8に記載の中赤外波長変換光源は、本発明の請求項1乃至7のいずれかに記載の波長変換光源であって、前記光周波数コム種光発生手段は、Er添加ファイバ及びアイソレータを少なくとも含むファイバループと、前記Er添加ファイバを励起するための励起光を出力する励起光源と、前記励起光源から出力された励起光を前記ファイバループに合波する合波手段と、前記ファイバループ中の光を取り出して前記Er添加ファイバ増幅器に出力する分波手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項9に記載の中赤外波長変換光源は、本発明の請求項1乃至7のいずれかに記載の波長変換光源であって、前記光周波数コム種光発生手段は、出力光を連続発振する半導体レーザと、前記半導体レーザの前記出力光を変調する変調手段とを少なくとも備えることを特徴とする。
本発明によれば、光周波数コム光源から発生する広い帯域を有する光を非線形光学媒質に入力することにより、差周波発生によって非常に広い変換光を有する中赤外光周波数コム光源を実現することができ、ガスの吸収を受けた後に出力光を分光器で観測すれば広い波長帯の分光が可能となる。また、繰り返し周波数が異なる中赤外光周波数コム光源をもう一台用意し、2つの中赤外光周波数コム光源から出力された光を1つの受光器で受け取り、電気スペクトルアナライザーで観測する、いわゆるデュアルコム分光を用いると、瞬時に吸収スペクトルを観測することができる。
従来の波長変換光源の構成を示す図である。 波長変換光源における位相不整合量に対する変換効率の変化を示す図である。 バルクLiNbOの分極反転周期がΛ=30μmの場合における励起波長と信号光波長との位相整合関係を示す図である。 バルクLiNbOの分極反転周期がΛ=20、25、30、35μmの場合における励起波長と信号光波長との位相整合関係を示す図である。 Yb添加ファイバ増幅器を用いた場合における、バルクLiNbOの分極反転周期がΛ=20、25、30、35μmの場合の励起波長と信号光波長との位相整合関係を示す図である。 Er添加ファイバ増幅器を用いた場合における、バルクLiNbOの分極反転周期がΛ=20、25、30、35μmの場合の励起波長と信号光波長の位相整合関係を示す図である。 導波路構造を有するLiNbOの分極反転周期がΛ=28、29、30、31μmの場合の励起波長と信号光波長の位相整合関係を示す図である。 本発明の実施例1に係る波長変換光源の構成を示す図である。 本発明の実施例1に係る波長変換光源におけるLiNbO導波路の入力光スペクトルと透過光スペクトルを示す図である。 本発明の実施例2に係る波長変換光源におけるLiNbO導波路の入力光スペクトルと透過光スペクトルを示す図である。 本発明の実施例3に係る波長変換光源の構成を示す図である。 本発明の実施例3に係る波長変換光源におけるLiNbO導波路の入力光スペクトルと透過光スペクトルを示す図である。 本発明の実施例4に係る波長変換光源の構成を示す図である。 本発明の実施例4に係る波長変換光源におけるLiNbO導波路の入力光スペクトルと透過光スペクトルを示す図である。 本発明に係る波長変換光源の構成の概略図である。
図15は、本発明に係る波長変換光源の構成の概略図を示す。図15に示されるように、本発明に係る波長変換光源100は、光周波数コム光源110と、非線形光学媒質120とを備える。光周波数コム光源110は、光周波数コム種光発生手段101と、光周波数コム種光発生手段101の後段に接続されたEr添加ファイバ増幅器102と、Er添加ファイバ増幅器102の後段に接続された高非線形ファイバ103とを含む。
本発明の発明者は、種々のガスが大きな吸収を示す2〜4.5μm帯の波長域において、広い波長帯域に渡る出力光が得られる光源の構成について鋭意検討を行った。その結果、図15に示されるような光周波数コム光源110から出力された光周波数コムを非線形光学媒質120に入力することにより、光周波数コムの各波長における様々な励起光波長と信号光波長との組み合わせを実現することができ、周期分極反転を有するLiNbO光導波路を有する非線形光学媒質120を用いて各組み合わせの差周波発生を行うことにより、広い波長範囲で位相整合条件を保つ様々な波長の光を発生することができるため、広帯域な中赤外波長域に効果的に変換することができることを発見した。以下に、その動作原理を説明する。
図1に示される光周波数コム光源110としては、例えば非特許文献3又は非特許文献4に示されるような光周波数コム光源があるが、どちらの光周波数コム光源も高非線形ファイバの出力は1.0μm〜2.1μmの波長域に広がっている。この様な光源は、少なくとも2波長のレーザ光を含む等間隔の周波数差を有するレーザ光の集団をEr添加ファイバ増幅器により増幅し、高非線形ファイバ中において4光波混合によってその周波数差をもった光が長波長側および短波長側に次々と発生し、発生する光の波長幅が広がっていく。
光周波数コム光源110が出力する光周波数コムの各波長は、繰り返し周波数frep、周波数の余りの部分を示すfCEO、整数nを用いて、様々な整数nにおいて下記の(式4)を満たすfnの波長の集合体とみなすことができる。
n=fCEO+n・frep (式4)
また、その各周波数fnを有する光はレーザ光であり、すなわち光周波数コムはレーザ光の塊ともいえる。そして、この周波数群を有するレーザ光群を非線形光学媒質120に入力するとき、n=a、n=bの場合(a>b)とすると、その差周波発生によって2つの周波数の差をとった以下の(式5)で示される余りの項であるfCEOがない周波数f’a-bを有する光が発生する。
f’a-b=(a−b)frep (式5)
図4は、バルクLiNbOの分極反転周期がΛ=20、25、30、35μmの場合における励起波長と信号光波長との位相整合関係を示す。図4には、図3に示されるΛ=30μmの曲線に加えてΛ=20μm、Λ=25μm、Λ=35μmの曲線を加え、図3に示される場合よりも励起光波長と信号光波長との範囲を広げたグラフが示されている。図4においても非線形光学媒質としてバルクLiNbOを用いて示している。
光周波数コム光源110が非線形光学媒質120に出力する光は、波長域が1〜2.1μm帯に広がった光周波数コムであり、この光周波数コムの光は励起光にも信号光にもなり得ることができ、光周波数コム内の光は図4に示されるハッチング領域402及び403が重なる波長域401に存在することとなる。光周波数コム内に存在する光は(式4)に従い、すなわち光周波数コムの光周波数間隔frepごとに光が存在する。この周波数間隔frepは、光周波数コム光源110が非特許文献3に示されるような形態をとると、Er添加ファイバを含む光ループの光路長によって決定することができ、また光周波数コム光源110が非特許文献4に示されるような形態をとると、変調手段の変調周波数によって規定することができる。この周波数間隔frepは、50MHz程度に設定可能である。
一方、図4に示した様々な分極反転周期の場合における位相整合条件を満たす関係のグラフ上、その位相整合条件を満たす関係はある限られた曲線上のみで満たすが、図2にも示したように位相整合条件からずれても全く光が変換されないわけではなく、ある幅をもってゆっくり変換効率が低下する。前述した通り、この位相整合幅は、1μm帯の励起光波長を固定し、1.55μm帯の信号光波長を変化させた場合における位相整合波長幅3.31μm帯の変換光波長に換算すると、約6.8nm程度であって狭いが、光周波数に直すと100GHz程度はあるため、光周波数コム周波数幅の50MHzに比して十分広い。すなわち、50MHz程度のメッシュ間隔を有する光周波数コムの励起光及び信号光において、位相整合許容幅100GHzの幅内で存在する励起光及び信号光の組み合わせは、差周波発生により効率よく変換光を発生する。
図4中のΛ=30μmの位相整合条件でいうと、図4に示されるハッチング領域402及び403が重なる波長域401中で、Λ=30μmの曲線が存在する励起光波長の励起光と信号光波長の信号光とにより変換光が発生する。このとき発生する変換光波長は、図4に示される変換光波長の関係を読み取ると、波長2〜4.5μmの変換光が発生可能であることがわかる。さらに発生した波長2〜4.5μmの変換光も非線形光学媒質120内に存在するため、これが新たな信号光となり、4.5〜4.7μmまで発生する中赤外光波長の範囲が広がる。
なお、図4中には示していないが、Λ=29μmなどでは、波長3〜5μmの変換光を得ることができる。さらに、Λ=25μmの非線形光学素子を用いると、波長5〜6μmの変換光を得ることができ、1μmの変換光幅を持たせることができる。一番広い波長幅が得られるのは、前述したΛ=30μmの非線形光学素子のように、励起光波長1μm付近で急激に位相整合する信号光波長が長波長化する場合である。一方、Λ=33μmなど分極反転周期を長くすると、ハッチングの重なる波長域401から位相整合を示す曲線がはみ出し、変換光を生じなくなる。そこで、可能ならば、バルクLiNbOの場合は、Λ=29〜32μmの素子を選択することが望ましい。
このように、光周波数コム光源を用いて波長が1〜2.1μm帯に広がった光周波数コムを非線形光学媒質に入力することにより、非線形光学媒質に入力された光周波数コムが1〜2.1μmの間の様々な波長を有するため、様々な励起光波長の励起光と信号光波長の信号光との組み合わせにより変換光が生じ、広い波長域をカバーできる中赤外光源を構成することができる。
ここで、図15に示される波長変換光源100において、変換光出力を増強するためにファイバ増幅器を用いる場合を考える。一般に、波長1μm帯の光を増幅する場合にはYb添加ファイバ増幅器が利用でき、波長1.55μm帯の光を増幅する場合にはEr添加ファイバ増幅器が利用することができる。ここでは、図15に示される波長変換光源100において、高非線形ファイバ103からの出力を、例えば波長1.2μm以下の光と波長1.2μm以上の光とに分岐する分岐手段で分岐し、波長1.2μm以下の光が透過する分岐手段出力側にYb添加ファイバ増幅器を接続し、Yb添加ファイバ増幅器の出力と分岐手段の波長1.2μm以上を透過する出力側とを合波し、非線形光学媒質104に入力した場合を考える。
この場合において、非線形光学媒質に周期分極反転されたバルクLiNbOを用いた場合における励起波長と信号光波長との位相整合関係を図5に示す。図5に示されるように、図4に示される場合と比べて、励起光波長の範囲がYb添加ファイバ増幅器によって制限されているが、Λ=30μmの場合には2〜4μmの波長範囲の変換光が得られる。
一方、上記Yb添加ファイバ増幅器に代えて、1.2μm以上を透過する分岐手段の分岐ポート側にEr添加ファイバ増幅器を用いることを考える。図6にそのときの励起波長と信号光波長との位相整合関係を示す。図6に示されるように、Λ=30μmの曲線とハッチングが重なる領域601とを考慮すると、3〜4μmの波長範囲の変換光が得られるが、その波長範囲は1μmと制限を受けることとなる。このようにEr添加増幅器を高非線形ファイバの後段に配置すると、1〜2μm帯に広がった光がEr添加ファイバ増幅器の帯域内でフィルタリングされるため、使用するのは得策ではないことから、高非線形ファイバと非線形光学媒質の間にEr添加ファイバ増幅器を設置しないことが好ましい。
次に、非線形光学媒質に導波路構造を持たせることを考える。導波路作製法としては、例えば非特許文献1にも示されるような直接接合リッジ導波路を作製する方法がある。この直接接合リッジ導波路は、コア層となるLiNbO基板に先に分極反転を施し、このLiNbO基板と、クラッド層となるLiTaO基板を直接接合し、その後LiNbO基板を10μm厚程度まで薄膜化して、ダイシングにより横方向の閉じ込めを行い導波路構造とするものである。
図7に直接接合法で作製したコア厚10μmでコア幅14μmのLiNbO導波路の場合における励起光波長と信号光波長とに対する位相整合関係を示す。図7に示されるように、Λ=28μmのとき、2〜4.2μmまでの変換光が得られることがわかる。また、Λ=29μm、30μmと長くするにつれて、発生波長範囲が狭まることがわかる。一方、図示していないが、Λを27μmと短くすると、3〜5μmの広い波長範囲の変換光が得られる。以上のことを鑑みると、コア厚10μmでコア幅14μmのLiNbO導波路の場合、27μm〜30μmの分極反転周期が最適だと考えられる。
同様に、様々なコアサイズについて鋭意検討を行い、最適な分極反転周期を求めたところ、コアサイズと分極反転周期との範囲について、以下のような関係を見出した。コア面積A(μm)に対して、分極反転周期Λ(μm)が以下の(式6)を満たすことが望ましい。
−280/A+29≦Λ≦−280/A+32 (式6)
[実施例1]
図8に、本発明の実施例1に係る波長変換光源を示す。図8には、励起LD810と、ファイバループ820と、Er添加ファイバ増幅器830と、偏波コントローラ840と、高非線形ファイバ850と、周期分極反転LiNbO導波路(以下、LiNbO導波路とする)860と、Geからなる2μm以下の光をカットする光学的なフィルタ870とを備えた波長変換光源800が示されている。
ファイバループ820中には、Er添加ファイバ821と、偏波コントローラ822と、発振するレーザ光の進行方向を決めるためのアイソレータ823と、Er添加ファイバ821の励起を行うためにファイバループ820の外部に配置した励起LD810から出力された励起光をファイバループ820に挿入するカプラ824と、ファイバループ820中の光を外部に出力するための分岐手段825とが配置されている。本実施例1に係る波長変換光源800では、励起LDには1.48μm帯レーザを用い、また光周波数コム種光発生手段としてEr添加ファイバ821を利得媒質としたファイバレーザ型のファイバループ820を用いた。
LiNbO導波路860は、直接接合法により作製した。LiNbO導波路860のコアとしては、Znを7mol%添加したLiNbO、クラッドにはLiTaOを用い、ダイシングによりリッジ型の光導波路を形成した。LiNbO導波路860のコア厚は10μmとし、コア幅は14μmとした。LiNbO導波路860の分極反転周期Λを29.0μmとし、素子長は50mmとした。
励起LD810から出力された励起光は、カプラ824を介してファイバループ820に入力され、ファイバループ820の出力光が分岐手段825を介してEr添加ファイバ増幅器830に出力され、Er添加ファイバ増幅器830に通して偏波コントローラ840及び高非線形ファイバ850に出力され、その出力がLiNbO導波路860へ注入される。
図9に、実施例1におけるLiNbO導波路860への入力光スペクトルとLiNbO導波路860から出力された透過光スペクトルとフィルタを透過後のスペクトルとを示す。図9において、出力値は相対強度で示している。図9に示されるように、波長が1〜2μm帯に広がった光周波数コムがLiNbO導波路860を透過することによって、2〜4.5μmの範囲の波長の透過光に変換され、フィルタを透過することによって効率的に中赤外域の光が選択出力されていることがわかる。すなわち、実施例1に係る波長変換光源800では、2.5μmもの広範囲において出力光を得ることができた。
本実施例1では、LiNbO導波路860のコアとしてZnを添加したLiNbOを用いた。Znを添加したLiNbOを用いることにより、特に短波長の励起光の強度が大きい場合の光損傷を防ぐことができる。光損傷を防ぐ目的でZn以外にもMg、Sc、Inなどを添加したLiNbOを同様に用いることもできる。
本実施例1の構成では、偏波コントローラを2か所に挿入しているが、適宜必要な場所に追加してもよい。また、系を偏波保存系で構成して偏波コントローラをなくしてもよい。また、本実施例1では、ファイバループ820の長さを調整する機構を用いなかったが、ファイバループ長で光周波数コムの繰り返し周波数が決定されるので、繰り返し周波数を安定化するために、ファイバ長制御機構を挿入してもよい。その他、光周波数コムの波長安定化のために励起LD810を制御したり、制御信号を出すために高非線形ファイバ850の出力を分岐しモニタしてもよい。
[実施例2]
本実施例2に係る波長変換光源として、実施例1とは唯一分極反転LiNbO導波路だけが異なるものを用いた。本実施例2では、LiNbO導波路として分極反転LiNbOの分極反転周期Λが27.5μmのものを用いた。図10に、実施例2におけるLiNbO導波路への光スペクトルとLiNbO導波路から出力された透過光スペクトルとを示す。図10において、出力値は相対強度で示している。図10に示されるように、波長が1〜2μm帯に広がった光周波数コムがLiNbO導波路を透過することによって、実施例1に比較して長波長側の3〜5μmの波長範囲の透過光に変換されていることがわかる。すなわち、本実施例2においても、2μmもの広範囲において出力光を得ることができた。
[実施例3]
図11に、本発明の実施例3に係る波長変換光源を示す。図11には、例えば1.55μm帯の光を出力するLD1110と、位相変調器1121及び強度変調器1122からなる変調手段1120と、偏波コントローラ1130と、Er添加ファイバ増幅器1140と、高非線形ファイバ1150と、LiNbO導波路1160とを備えた波長変換光源1100が示されている。本実施例3に係る波長変換光源1100は、実施例1のファイバループ820からなる光周波数コム種光発生手段の部分をLD1110及び変調手段1120に変更したものである。
実施例3に係る波長変換光源1100において、連続発振する1.55μm帯のLD1110から出力された励起光は位相変調器1121及び強度変調器1122からなる変調手段1120で変調され、その出力がEr添加ファイバ増幅器1140に入力される。Er添加ファイバ増幅器1140の出力は高非線形ファイバ1150に入力され、LiNbO導波路1160に入力される。実施例3では、LiNbO導波路1160は実施例1に係るLiNbO導波路860と同様のものを用いた。
図12に、実施例3におけるLiNbO導波路1160への入力光スペクトルとLiNbO導波路1160から出力された透過光スペクトルとを示す。図12において、出力値は相対強度で示している。図12に示されるように、波長が1〜2μm帯に広がった光周波数コムがLiNbO導波路1160を透過することによって、2〜4.5μmの波長範囲の透過光に変換されていることがわかる。すなわち、本実施例3においても、2.5μmもの広範囲において出力光を得ることができた。
本実施例3では、位相変調器1121及び強度変調器1122からなる変調手段1120として用いた。この変調手段1120によって光周波数コムの繰り返し周波数が決定される。本構成の光学系の一部を分離して観測し、繰り返し周波数を安定化するように変調手段1120の変調周波数を安定化してもよい。
また、本実施例3では、偏波コントローラ1130を強度変調器1122とEr添加ファイバ増幅器1140の間に挿入したが、適宜位置を変更してもよい。また偏波保存系で光学系を組んで偏波コントローラを省いてもよい。また、本実施例3では、連続発振するLD1110を一定電流制御で駆動させている。LD1110の発振波長の揺らぎは光周波数コムの全体の波長を左右するため、本構成の光学系の一部を分離して観測し、LDにフィードバックし発振波長を安定化させてもよい。
[実施例4]
図13に、本発明の実施例4に係る波長変換光源を示す。図13には、LD1310と、位相変調器1321及び強度変調器1322からなる変調手段1320と、偏波コントローラ1330と、Er添加ファイバ増幅器1340と、高非線形ファイバ1350と、増幅手段1360と、LiNbO導波路1370とを備えた波長変換光源1300が示されている。増幅手段1360は、分波器1361と、Yb添加ファイバ増幅器1362と、合波器1363と、偏波コントローラ1364とで構成される。本実施例4に係る波長変換光源1300は、実施例3に係る波長変換光源1100とほぼ同じ構成を用いているが、増幅手段1360が高非線形ファイバ1350とLiNbO導波路1370との間に挿入されている点で実施例3に係る波長変換光源1100と異なる。
本実施例4に係る波長変換光源1300では、高非線形ファイバ1350の後段に、入力した光を波長1.2μm以下の光と波長1.2μm以上の光とに分波する分波器1361を配置し、波長1.2μm以下を透過するポートにYb添加ファイバ増幅器1362を配置した。Yb添加ファイバ増幅器1362の出力と分波器1361の波長1.2μm以上の光を透過するポートの出力とを合波器1363で合波し、偏波コントローラ1364を介してLiNbO導波路1370へ入力した。本構成により、LiNbO導波路1370には、増幅手段1360のYb添加ファイバ増幅器1362によって波長1〜1.1μm付近の光の光強度が増強された入力光が入力される。
図14に、実施例4におけるLiNbO導波路1370への入力光スペクトルとLiNbO導波路1370から出力された透過光スペクトルとを示す。図14において、出力値は相対強度で示している。図14に示されるように、波長が1〜2μm帯に広がった光周波数コムがLiNbO導波路1370を透過することによって、2〜4.5μmの波長範囲の透過光に変換されていることがわかる。すなわち、本実施例4においても、2.5μmもの広範囲において出力光を得ることができた。
図14では相対強度で示しているため全体の光レベルは下がったように見えるが、Geによって2μm以下の光を遮断し、2μm以上の出力光強度を分光器を通さず測ったところ、実施例4に係る波長変換光源1300では実施例2に比して10倍の出力を得ることができた。
本実施例4では、偏波コントローラ1330を強度変調器1322とEr添加ファイバ増幅器1340の間に挿入したが、適宜位置を変更してもよい。また偏波保存系で光学系を組んで偏波コントローラを省いてもよい。また、本実施例4では、実施例2と同様に、本構成の光学系の一部を分離して観測し、繰り返し周波数を安定化するように変調手段の変調周波数を安定化してもよい。また本構成の光学系の一部を分離して観測し、LD1310にフィードバックし、発振波長を安定化させてもよい。
実施例3及び4では光周波数コム種光発生手段の部分を1.55μm帯のLD及び変調手段からなる構成としたが、実施例1及び2の様に1.48μm帯の励起LDとファイバループとを具備し、少なくともEr添加ファイバと、発振するレーザ光の進行方向を決めるためのアイソレータと、Er添加ファイバの励起を行うためにファイバループの外部に配置した励起LDから出力された励起光をファイバループに挿入するカプラと、ファイバループ820中の光を外部に出力するための分岐手段とが配置された構成の光周波数コム種光発生手段を用いてもよいことは明らかである。また、図11、13、15に示される構成においては、図8に示される構成のように非線形光学媒質の後段にGeからなる2μm以下の光をカットする光学的なフィルタが設けられていないが、図11、13、15に示される構成においても非線形光学媒質の後段に上記光学的なフィルタを配置してもよいことは明らかである。
10、100、800、1100、1300 波長変換光源
11 LiNbO基板
12 光導波路
13 信号光
14 励起光
15、1363 合波器
16 変換光
101 光周波数コム種光発生手段
102、830、1140、1340 Er添加ファイバ増幅器
103、850、1150、1350 高非線形ファイバ
110 光周波数コム光源
120 非線形光学媒質
810 励起LD
820 ファイバループ
821 Er添加ファイバ
822、840、1130、1330、1364 偏波コントローラ
823 アイソレータ
824 カプラ
825 分岐手段
860、1160 周期分極反転LiNbO導波路
870 フィルタ
1110、1310 LD
1120、1320 変調手段
1121、1321 位相変調器
1122、1322 強度変調器
1360 増幅手段
1361 分波器
1362 Yb添加ファイバ増幅器

Claims (9)

  1. 光周波数コム種光発生手段と、前記光周波数コム種光発生手段に接続されたEr添加ファイバ増幅器と、前記Er添加ファイバ増幅器に接続された高非線形ファイバとを少なくとも備え、光周波数コムを出力する光周波数コム光源と、
    前記光周波数コム光源から出力された光周波数コムを入力し、2次の非線形光学効果を発する非線形光学媒質とを備え、
    前記非線形光学媒質は、入力した前記光周波数コムの多数の光の中から選択された波長λpを有する光と波長λsを有する光との差周波発生により、1/λi=1/λp−1/λsの式を満たす波長λiの変換光を出力し、前記差周波発生が前記光周波数コムのそれぞれの波長を有する光の中から複数の組み合わせで行われることによって、複数の変換光を発生させることを特徴とする中赤外波長変換光源。
  2. 前記非線形光学媒質の後段に、2μm以下の光を減衰させるフィルタを配置したことを特徴とする請求項1に記載の中赤外波長変換光源。
  3. 前記光周波数コム光源の出力光を分岐する分岐手段と、
    前記分岐手段により分岐された一方の出力光を入力するYb添加ファイバ増幅器と、
    前記分岐手段により分岐された他方の出力光と前記Yb添加ファイバ増幅器の出力光とを合波して、当該合波光を前記非線形光学媒質に出力する合波手段と
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の中赤外波長変換光源。
  4. 前記非線形光学媒質は、非線形光学材料の分極を周期的に反転した構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中赤外波長変換光源。
  5. 前記非線形光学材料は、LiNbOまたはLiNbOにMg、Zn、Sc、およびInからなる群から選ばれた少なくとも一種が添加物として含有された材料から成ることを特徴とする請求項4に記載の中赤外波長変換光源。
  6. 前記非線型光学媒質は、光導波路構造を有することを特徴とする請求項4又は5に記載の中赤外波長変換光源。
  7. 前記光導波路構造を有する非線形光学媒質の分極反転周期Λ(μm)が、前記光導波路構造のコア面積A(μm)に対して、
    −280/A+29≦Λ≦−280/A+32
    を満たすことを特徴とする請求項6に記載の中赤外波長変換光源。
  8. 前記光周波数コム種光発生手段は、
    Er添加ファイバ及びアイソレータを少なくとも含むファイバループと、
    前記Er添加ファイバを励起するための励起光を出力する励起光源と、
    前記励起光源から出力された励起光を前記ファイバループに合波する合波手段と、
    前記ファイバループ中の光を取り出して前記Er添加ファイバ増幅器に出力する分波手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の中赤外波長変換光源。
  9. 前記光周波数コム種光発生手段は、出力光を連続発振する半導体レーザと、前記半導体レーザの前記出力光を変調する変調手段とを少なくとも備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の中赤外波長変換光源。
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