JP2014234598A - 弾性マクラギ軌道構造及び軌道変位調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 吸音効果を持たせた弾性マクラギ軌道の横移動、調整を可能にする。
【解決手段】 コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート(10)上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレール(12)を締結する軌道構造において、前記高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設するとともに、マクラギを前記コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリートに固定する水平移動防止ボルト(16)を備え、マクラギに作用する水平方向の荷重を前記水平移動防止ボルトで受け持つ構造としたものである。
【選択図】 図1
【解決手段】 コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート(10)上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレール(12)を締結する軌道構造において、前記高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設するとともに、マクラギを前記コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリートに固定する水平移動防止ボルト(16)を備え、マクラギに作用する水平方向の荷重を前記水平移動防止ボルトで受け持つ構造としたものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は横移動可能な弾性マクラギ軌道構造及び変位した軌道の調整方法に関する。
弾性マクラギ軌道は、スラブ軌道と同様にメンテナンスミニマムを目指した軌道であり、弾性材と吸音バラストの効果によりバラスト軌道なみの低騒音、低振動性能を有している。また、そのライフサイクルコストはスラブ軌道、バラスト軌道に比べ大幅に低減される。構造はマクラギを高さ調整コンクリートにより線路方向、線路直角方向において固定しているため、軌道変位が少なく、保守を大幅に低減することが可能である。以下、図14、図15により従来の弾性バラスト軌道構造について概略説明する。
図14はマクラギ下充填型の弾性マクラギ軌道構造を説明する図で、図14(a)は便宜上片側のみ示した軌道の平面図、図14(b)は図14(a)のA−A断面図、図14(c)は図14(a)のB−B断面図である。
マクラギ1はコンクリート床版または路盤コンクリート(図示せず)上に施工され、軌道の高さを調整するための高さ調整コンクリート6内に一定深さ埋め込まれる。マクラギ1に取り付けたタイプレート3上にレール2が施工され、マクラギ1と高さ調整コンクリート6との間にはレール2の下方に相当する位置に弾性材5が設けられる。また、図示は省略するが、コンクリート床版または路盤コンクリート上、軌道の周囲には吸音バラストが敷き詰められる。このように、マクラギ1は高さ調整コンクリート6内に一定深さ埋め込まれることにより、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。
図14はマクラギ下充填型の弾性マクラギ軌道構造を説明する図で、図14(a)は便宜上片側のみ示した軌道の平面図、図14(b)は図14(a)のA−A断面図、図14(c)は図14(a)のB−B断面図である。
マクラギ1はコンクリート床版または路盤コンクリート(図示せず)上に施工され、軌道の高さを調整するための高さ調整コンクリート6内に一定深さ埋め込まれる。マクラギ1に取り付けたタイプレート3上にレール2が施工され、マクラギ1と高さ調整コンクリート6との間にはレール2の下方に相当する位置に弾性材5が設けられる。また、図示は省略するが、コンクリート床版または路盤コンクリート上、軌道の周囲には吸音バラストが敷き詰められる。このように、マクラギ1は高さ調整コンクリート6内に一定深さ埋め込まれることにより、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。
図15は両端支持型の弾性マクラギ軌道構造を説明する図で、図15(a)は便宜上片側のみ示した軌道の平面図、図15(b)は図15(a)のA−A断面図、図15(c)は図15(a)のB−B断面図で、図14と同一参照数字は同一内容を示している。
両端支持型の場合、コンクリート床版または路盤コンクリート(図示せず)上に打設される高さ調整コンクリート7はマクラギの両端側領域にだけ施工され、マクラギ両端がここに一定深さ埋め込まれ、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。軌道中心部は空いているため、その分余計に吸音バラストを敷くことができるためマクラギ下充填型に比して吸音効果を一層上げることができる。
このような弾性マクラギ軌道は、高さ調整コンクリート内にマクラギを深く埋め込むため、高さ調整コンクリートを厚くすると高さ調整コンクリートの使用量が増して工事費が嵩み、一方高さ調整コンクリートを薄くしてマクラギを高さ調整コンクリート内に浅めに埋め込むとマクラギの抜け上がり抵抗力が小さくなってしまう。本出願人はマクラギの高さ調整コンクリート内に埋め込まれる部分の側面部にテーパーをつけ、高さ調整コンクリート内に浅めに埋め込んでもマクラギの抜け上がり抵抗力を大きくする方法も提案している(特許文献1)。
両端支持型の場合、コンクリート床版または路盤コンクリート(図示せず)上に打設される高さ調整コンクリート7はマクラギの両端側領域にだけ施工され、マクラギ両端がここに一定深さ埋め込まれ、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。軌道中心部は空いているため、その分余計に吸音バラストを敷くことができるためマクラギ下充填型に比して吸音効果を一層上げることができる。
このような弾性マクラギ軌道は、高さ調整コンクリート内にマクラギを深く埋め込むため、高さ調整コンクリートを厚くすると高さ調整コンクリートの使用量が増して工事費が嵩み、一方高さ調整コンクリートを薄くしてマクラギを高さ調整コンクリート内に浅めに埋め込むとマクラギの抜け上がり抵抗力が小さくなってしまう。本出願人はマクラギの高さ調整コンクリート内に埋め込まれる部分の側面部にテーパーをつけ、高さ調整コンクリート内に浅めに埋め込んでもマクラギの抜け上がり抵抗力を大きくする方法も提案している(特許文献1)。
従来の弾性マクラギ軌道は、マクラギを高さ調整コンクリート内に埋め込む構造であるため、軌道構造物に線路直角方向の変位が生じた場合には、軌道(マクラギ)を変位させることはできず、そのためタイプレート上でレールを移動させる程度のことしかできず、調整変位量も限定されたものであった。そのため軟弱地盤等で大きく軌道が直角方向に変位が生じるような箇所には適用できないという課題があった。
本発明は上記課題を解決しようとするもので、吸音効果を持たせた弾性マクラギ軌道の横移動、調整を可能にすることを目的とする。
本発明は、コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレールを締結する軌道構造において、前記高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設するとともに、マクラギを前記コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリートに固定する水平移動防止ボルトを備え、マクラギに作用する水平方向の荷重を前記水平移動防止ボルトで受け持つ構造としたことを特徴とする。
また、本発明は、前記弾性マクラギ軌道に、吸音バラストを、バラスト軌道と同程度の騒音低減効果が得られる各粒径の粒形物に対する必要厚さをDk (k=1〜n)、全体の散布厚をD、全体の散布厚Dに対する各粒径の粒形物の散布厚の割合(成分割合)をak としたとき、
n
Σ ak D/Dk ≧1
k=1
となるように各粒径の粒形物を混合して敷き詰めたことを特徴とする。
また、本発明は、前記水平移動防止ボルトをマクラギ端部に設置したマクラギ移動止め金具に形成した長円孔を介して設置したことを特徴とする。
また、本発明は、コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリート内にカーテンレール式埋め込み栓を埋設し、前記水平移動防止ボルトをマクラギを通して軌道直交方向にスライド可能に前記埋め込み栓に設置したことを特徴とする。
また、本発明は、コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリート内に多重埋め込み栓を埋設し、前記水平移動防止ボルトをマクラギを通して軌道直交方向に位置変更可能に前記埋め込み栓に施工することを特徴とする。
また、本発明は、コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレールを締結し、吸音バラストを敷き詰める軌道構造の高さ調整コンクリートをマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設し、水平移動防止ボルトにより前記コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリートにマクラギを固定し、軌道変位時、前記水平移動防止ボルトを緩めてマクラギを水平移動させた後、前記水平移動防止ボルトを締めつけて軌道を固定することを特徴とする。
また、本発明は、軌道変位時、マクラギを水平移動させた後、前記水平移動防止ボルトを後施工アンカーにより施工することを特徴とする。
本発明は、コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレールを締結する軌道構造において、前記高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設するとともに、マクラギを前記コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリートに固定する水平移動防止ボルトを備え、マクラギに作用する水平方向の荷重を前記水平移動防止ボルトで受け持つ構造としたことを特徴とする。
また、本発明は、前記弾性マクラギ軌道に、吸音バラストを、バラスト軌道と同程度の騒音低減効果が得られる各粒径の粒形物に対する必要厚さをDk (k=1〜n)、全体の散布厚をD、全体の散布厚Dに対する各粒径の粒形物の散布厚の割合(成分割合)をak としたとき、
n
Σ ak D/Dk ≧1
k=1
となるように各粒径の粒形物を混合して敷き詰めたことを特徴とする。
また、本発明は、前記水平移動防止ボルトをマクラギ端部に設置したマクラギ移動止め金具に形成した長円孔を介して設置したことを特徴とする。
また、本発明は、コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリート内にカーテンレール式埋め込み栓を埋設し、前記水平移動防止ボルトをマクラギを通して軌道直交方向にスライド可能に前記埋め込み栓に設置したことを特徴とする。
また、本発明は、コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリート内に多重埋め込み栓を埋設し、前記水平移動防止ボルトをマクラギを通して軌道直交方向に位置変更可能に前記埋め込み栓に施工することを特徴とする。
また、本発明は、コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレールを締結し、吸音バラストを敷き詰める軌道構造の高さ調整コンクリートをマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設し、水平移動防止ボルトにより前記コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリートにマクラギを固定し、軌道変位時、前記水平移動防止ボルトを緩めてマクラギを水平移動させた後、前記水平移動防止ボルトを締めつけて軌道を固定することを特徴とする。
また、本発明は、軌道変位時、マクラギを水平移動させた後、前記水平移動防止ボルトを後施工アンカーにより施工することを特徴とする。
本発明は、コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレールを締結する軌道構造において、コンクリート床版上に直接マクラギを設置する場合はマクラギ周囲のズレ止めコンクリートは省略し、コンクリート床版上の高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまでしか打設せず、マクラギに作用する水平方向の荷重は水平移動防止ボルトで受け持つ構造とすることにより、マクラギの横移動、変位調整を行うことを可能にし、軟弱地盤等で大きく軌道が直角方向に変位が生じるような箇所にも適用可能となる。
本発明は、コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレールを締結する軌道構造において、コンクリート床版上に直接マクラギを設置する場合はマクラギ周囲のズレ止めコンクリートは省略し、コンクリート床版上の高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔、例えばマクラギ下面に付いている弾性材の厚さ程度の間隔を開けた高さまでしか打設しないでマクラギを高さ調整コンクリート内に埋め込ませず、何れの場合もマクラギに作用する水平方向の荷重は水平移動防止ボルトで受け持つ構造とすることで、マクラギの横移動、変位調整を可能にしたことを特徴としており、以下に本発明の実施形態について説明する。
なお、以下の説明では、便宜的に図の右方向へ軌道変位が生じた場合について説明するが、左右どちらの方向へ移動した場合でも同様に調整できる。また、以下の各例は、便宜的に両端支持型の弾性バラスト軌道、マクラギ下充填型の弾性バラスト軌道のいずれかで説明するが、どちらの型の軌道構造であってもよい。
なお、以下の説明では、便宜的に図の右方向へ軌道変位が生じた場合について説明するが、左右どちらの方向へ移動した場合でも同様に調整できる。また、以下の各例は、便宜的に両端支持型の弾性バラスト軌道、マクラギ下充填型の弾性バラスト軌道のいずれかで説明するが、どちらの型の軌道構造であってもよい。
図1は本発明の1例を説明する図である。
図1は図13で説明した両端支持型の弾性バラスト軌道で移動止め金具を用いる例を示す図で、図1(a)、図1(b)、図1(c)は軌道平面図、図1(d)、図1(e)、図1(f)は各軌道平面図におけるA−A断面図であり、図1(a)、図1(d)は建設時、図1(b)、図1(e)は軌道が線路直角方向へ変位した時、図1(c)、図1(f)は軌道(マクラギ)を元位置へ移動させた時をそれぞれ示している。
コンクリート床版または路盤コンクリート(図示せず)上に軌道の高さを調整する高さ調整コンクリート10がマクラギ11の両端側に施工される。図1(d)に示すように、高さ調整コンクリート10はマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまでしか打設せず、マクラギを高さ調整コンクリート内に埋め込ませないようにする。この所定の間隔は、高さ調整コンクリート10とマクラギ11との間には、軟質ポリエチレンフォーム等の間隔材17、レールに対応する位置には弾性材18を設けるためである。レール12は犬釘13等でマクラギ11に固定される。
図2に示すように、移動止め金具15はマクラギ端部の両側面と端面を囲むコの字形の面と、高さ調整コンクリートの上面と接し、長孔15aが形成された二つの面からなり、長孔15aを通して水平移動防止ボルト16が高さ調整コンクリート内に埋め込まれ、ナットにより締めつけて固定する。こうして、マクラギ11は高さ調整コンクリート10内に埋め込まれず、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。また、図示は省略するが軌道の周囲には、後述する吸音バラストが敷き詰められる。
図1は図13で説明した両端支持型の弾性バラスト軌道で移動止め金具を用いる例を示す図で、図1(a)、図1(b)、図1(c)は軌道平面図、図1(d)、図1(e)、図1(f)は各軌道平面図におけるA−A断面図であり、図1(a)、図1(d)は建設時、図1(b)、図1(e)は軌道が線路直角方向へ変位した時、図1(c)、図1(f)は軌道(マクラギ)を元位置へ移動させた時をそれぞれ示している。
コンクリート床版または路盤コンクリート(図示せず)上に軌道の高さを調整する高さ調整コンクリート10がマクラギ11の両端側に施工される。図1(d)に示すように、高さ調整コンクリート10はマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまでしか打設せず、マクラギを高さ調整コンクリート内に埋め込ませないようにする。この所定の間隔は、高さ調整コンクリート10とマクラギ11との間には、軟質ポリエチレンフォーム等の間隔材17、レールに対応する位置には弾性材18を設けるためである。レール12は犬釘13等でマクラギ11に固定される。
図2に示すように、移動止め金具15はマクラギ端部の両側面と端面を囲むコの字形の面と、高さ調整コンクリートの上面と接し、長孔15aが形成された二つの面からなり、長孔15aを通して水平移動防止ボルト16が高さ調整コンクリート内に埋め込まれ、ナットにより締めつけて固定する。こうして、マクラギ11は高さ調整コンクリート10内に埋め込まれず、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。また、図示は省略するが軌道の周囲には、後述する吸音バラストが敷き詰められる。
次に、弾性バラスト軌道構造物が線路直角方向に変位を生じた場合の調整方法について説明する。
建設時の状態を示す図1(a)、図1(d)において、破線CRはレール中心、破線COは軌道中心を示している。軌道変位時の状態を示す図1(b)、図1(e)において、軌道が矢印Aで示すように線路直角方向へδだけ変位(軌道中心が破線C1へ変位)したものとする。この変位を調整するために、軌道(マクラギ)を元の位置へ移動させる図1(c)、図1(f)において、まず水平移動防止ボルト16のナットをゆるめてマクラギ11と移動止め金具15とを矢印Bで示す方向へδだけ移動させた後、水平移動防止ボルト16のナットを締めつけて固定する。このとき、水平移動防止ボルト16は長孔15aの右端側に位置する。このように、マクラギを高さ調整コンクリート上で移動できるので変位調整量が自由に設定可能となる。
建設時の状態を示す図1(a)、図1(d)において、破線CRはレール中心、破線COは軌道中心を示している。軌道変位時の状態を示す図1(b)、図1(e)において、軌道が矢印Aで示すように線路直角方向へδだけ変位(軌道中心が破線C1へ変位)したものとする。この変位を調整するために、軌道(マクラギ)を元の位置へ移動させる図1(c)、図1(f)において、まず水平移動防止ボルト16のナットをゆるめてマクラギ11と移動止め金具15とを矢印Bで示す方向へδだけ移動させた後、水平移動防止ボルト16のナットを締めつけて固定する。このとき、水平移動防止ボルト16は長孔15aの右端側に位置する。このように、マクラギを高さ調整コンクリート上で移動できるので変位調整量が自由に設定可能となる。
図3は図12で説明したマクラギ下充填型の弾性バラスト軌道でカーテンレール式埋め込み栓を用いる例を示す図で、図3(a)、図3(b)、図3(c)は軌道平面図 、図3(d)、図3(e)、図3(f)は各軌道平面図におけるA−A断面図であり、図3(a)、図3(d)は建設時、図3(b)、図3(e)は軌道が線路直角方向へ変位した時、図3(c)、図3(f)は軌道(マクラギ)を元位置へ移動させた時をそれぞれ示している。
コンクリート床版または路盤コンクリート(図示せず)上に軌道の高さを調整する高さ調整コンクリート20がマクラギ21下側に施工される。図3(d)に示すように、高さ調整コンクリート20はマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまでしか打設せず、マクラギを高さ調整コンクリート内に埋め込ませないようにするのは図1の場合と同じである。レール22はタイプレート23に固定される。高さ調整コンクリート20をマクラギ下端までしか打設しないため、軌道の水平方向に作用する荷重はカーテンレール式埋め込み栓に埋設される水平移動防止ボルト26で受け持つ。なお、高さ調整コンクリート20とマクラギ21との間には、軟質ポリエチレンフォーム等の間隔材27、レールに対応する位置には弾性材28が設けられるのは図1の場合と同様である。
コンクリート床版または路盤コンクリート(図示せず)上に軌道の高さを調整する高さ調整コンクリート20がマクラギ21下側に施工される。図3(d)に示すように、高さ調整コンクリート20はマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまでしか打設せず、マクラギを高さ調整コンクリート内に埋め込ませないようにするのは図1の場合と同じである。レール22はタイプレート23に固定される。高さ調整コンクリート20をマクラギ下端までしか打設しないため、軌道の水平方向に作用する荷重はカーテンレール式埋め込み栓に埋設される水平移動防止ボルト26で受け持つ。なお、高さ調整コンクリート20とマクラギ21との間には、軟質ポリエチレンフォーム等の間隔材27、レールに対応する位置には弾性材28が設けられるのは図1の場合と同様である。
図4に示すように、カーテンレール式埋め込み栓25は、上面が開口した断面コの字形のレール25aを2本の支持棒25bで支える構造(図4(a))で、高さ調整コンクリート20内に埋め込まれるとともに、この埋め込み栓25のレールに水平移動防止ボルト26の下端がスライド可能に嵌合する(図4(b))とともに、高さ調整コンクリート内をボルトが移動可能に空間を形成しておく。こうして高さ調整コンクリート、マクラギを貫通して上端のナットを締めつけて支圧板26aにより固定する。こうして、マクラギ21は高さ調整コンクリート20内に埋め込まれず、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。また、図示は省略するが軌道の周囲には、後述する吸音バラストが敷き詰められる。
次に、弾性バラスト軌道構造物が線路直角方向に変位を生じた場合の調整方法について説明する。
建設時の状態を示す図3(a)、図3(d)において、破線CRはレール中心、破線COは軌道中心を示している。軌道変位時の状態を示す図3(b)、図3(e)において、軌道が矢印Aで示すように線路直角方向へδだけ変位(軌道中心は破線C1へ変位)したものとする。この変位を調整するために、軌道(マクラギ)を元の位置へ移動させる図3(c)、図3(f)において、まず水平移動防止ボルト26のナットをゆるめてマクラギ21と水平移動防止ボルト26の下端を矢印Bで示す方向へδだけ移動させた後、水平移動防止ボルト26のナットを締めつけて固定する。このとき、水平移動防止ボルト26の下端はカーテンレール式埋め込み栓25内をスライドしてその左端側に位置する。このように、マクラギを高さ調整コンクリート上で移動できるので変位調整量を自由に設定可能となる。
次に、弾性バラスト軌道構造物が線路直角方向に変位を生じた場合の調整方法について説明する。
建設時の状態を示す図3(a)、図3(d)において、破線CRはレール中心、破線COは軌道中心を示している。軌道変位時の状態を示す図3(b)、図3(e)において、軌道が矢印Aで示すように線路直角方向へδだけ変位(軌道中心は破線C1へ変位)したものとする。この変位を調整するために、軌道(マクラギ)を元の位置へ移動させる図3(c)、図3(f)において、まず水平移動防止ボルト26のナットをゆるめてマクラギ21と水平移動防止ボルト26の下端を矢印Bで示す方向へδだけ移動させた後、水平移動防止ボルト26のナットを締めつけて固定する。このとき、水平移動防止ボルト26の下端はカーテンレール式埋め込み栓25内をスライドしてその左端側に位置する。このように、マクラギを高さ調整コンクリート上で移動できるので変位調整量を自由に設定可能となる。
図5は図3と同様のマクラギ下充填型の弾性バラスト軌道で多重埋め込み栓を用いる例を示す図である。多重埋め込み栓の受栓の数は、少なくとも2つ以上あればよく、本例では3つの場合を示す。3重埋め込み栓と水平移動防止ボルト以外は図3の場合と同じ参照数字を用い、その意味するところは同じであるのでその説明は省略する。
図5(a)、図5(b)、図5(c)は軌道平面図、図5(d)、図5(e)、図5(f)は各軌道平面図におけるA−A断面図であり、図5(a)、図5(d)は建設時、図5(b)、図5(e)は軌道が線路直角方向へ変位した時、図5(c)、図5(f)は軌道(マクラギ)を元位置へ移動させた時をそれぞれ示している。
図6に示すように、3重埋め込み栓31は、水平移動防止ボルト33が嵌合する3本の受栓を繋ぎ合わせた構造であり(図6(a),図6(b))、水平移動防止ボルト33は受栓の孔に嵌合し、高さ調整コンクリート、マクラギを貫通して上端のナットを締めつけて支圧板33aにより固定する。なお、マクラギには3重埋め込み栓と対応する位置に長孔を形成しておく。こうして、マクラギ21は高さ調整コンクリート20内に埋め込まれず、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。また、図示は省略するが軌道の周囲には、後述する吸音バラストが敷き詰められる。
次に、弾性バラスト軌道構造物が線路直角方向に変位を生じた場合の調整方法について説明する。
建設時の状態を示す図5(a)、図5(d)の状態から、図5(b)、図5(e)に示す状態の軌道変位δが生じたとき、この変位を調整するために、軌道(マクラギ)を元の位置へ移動させる図5(c)、図5(f)において、まず水平移動防止ボルト33を3重埋め込み栓31から取り外し、マクラギ21を矢印Bで示す方向へδだけ移動させた後、水平移動防止ボルト33のナットを締めつけて固定する。3重埋め込み栓31では各栓がとびとびで連続的な移動ができないが、水平移動防止ボルト33を3重埋め込み栓31に埋込む位置と、マクラギに設置した長孔を組み合わせて調整することにより、変位調整量を自由に設定可能となる。
図5(a)、図5(b)、図5(c)は軌道平面図、図5(d)、図5(e)、図5(f)は各軌道平面図におけるA−A断面図であり、図5(a)、図5(d)は建設時、図5(b)、図5(e)は軌道が線路直角方向へ変位した時、図5(c)、図5(f)は軌道(マクラギ)を元位置へ移動させた時をそれぞれ示している。
図6に示すように、3重埋め込み栓31は、水平移動防止ボルト33が嵌合する3本の受栓を繋ぎ合わせた構造であり(図6(a),図6(b))、水平移動防止ボルト33は受栓の孔に嵌合し、高さ調整コンクリート、マクラギを貫通して上端のナットを締めつけて支圧板33aにより固定する。なお、マクラギには3重埋め込み栓と対応する位置に長孔を形成しておく。こうして、マクラギ21は高さ調整コンクリート20内に埋め込まれず、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。また、図示は省略するが軌道の周囲には、後述する吸音バラストが敷き詰められる。
次に、弾性バラスト軌道構造物が線路直角方向に変位を生じた場合の調整方法について説明する。
建設時の状態を示す図5(a)、図5(d)の状態から、図5(b)、図5(e)に示す状態の軌道変位δが生じたとき、この変位を調整するために、軌道(マクラギ)を元の位置へ移動させる図5(c)、図5(f)において、まず水平移動防止ボルト33を3重埋め込み栓31から取り外し、マクラギ21を矢印Bで示す方向へδだけ移動させた後、水平移動防止ボルト33のナットを締めつけて固定する。3重埋め込み栓31では各栓がとびとびで連続的な移動ができないが、水平移動防止ボルト33を3重埋め込み栓31に埋込む位置と、マクラギに設置した長孔を組み合わせて調整することにより、変位調整量を自由に設定可能となる。
図7は図3、図5と同様のマクラギ下充填型の弾性バラスト軌道で後施工アンカーを用いる例を示す図で、あと施工アンカーで固定する水平移動防止ボルト以外は図3の場合と同じ参照数字を用い、その意味するところは同じであるのでその説明は省略する。
図7(a)、図7(b)、図7(c)は軌道平面図、図7(d)、図7(e)、図7(f)は各軌道平面図におけるA−A断面図であり、図7(a)、図7(d)は建設時、図7(b)、図7(e)は軌道が線路図7(c)、図7(f)は軌道(マクラギ)を元位置へ移動させた時をそれぞれ示している。なお、本発明では高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまでしか打設せず、高さ調整コンクリートにマクラギのずれ止め機能をもたせないようにしているので、図示の例では高さ調整コンクリートはマクラギ両端部を超えない範囲しか打設しないようにしている。このような構造とすることで高さ調整コンクリート打設量を節約することができる。なお、かかる構造は図1〜図6の各例においても適用可能である。
図7において、水平移動防止ボルト35はマクラギを貫通して下端は高さ調整コンクリートに埋め込まれ、上端のナットを締めつけて支圧板35aによりマクラギ21を固定する。こうして、マクラギ21は高さ調整コンクリート20内に埋め込まれず、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。また、図示は省略するが軌道の周囲には、後述する吸音バラストが敷き詰められる。
次に、弾性バラスト軌道構造物が線路直角方向に変位を生じた場合の調整方法について説明する。
建設時の状態を示す図7(a)、図7(d)の状態から、図7(b)、図7(e)に示す状態の軌道変位δが生じたとき、この変位を調整するために、水平移動防止ボルト35を取り外し、不要となった埋め込み栓35aはモルタル等を注入して後埋めし、軌道(マクラギ)を元の位置へ移動させる(図7(c)、図7(f))。次いで、新しい水平移動防止ボルトの位置に後施工アンカーで削孔し、そこにさや管付きボルトを水平移動防止ボルト35として定着させ固定する。
図7(a)、図7(b)、図7(c)は軌道平面図、図7(d)、図7(e)、図7(f)は各軌道平面図におけるA−A断面図であり、図7(a)、図7(d)は建設時、図7(b)、図7(e)は軌道が線路図7(c)、図7(f)は軌道(マクラギ)を元位置へ移動させた時をそれぞれ示している。なお、本発明では高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまでしか打設せず、高さ調整コンクリートにマクラギのずれ止め機能をもたせないようにしているので、図示の例では高さ調整コンクリートはマクラギ両端部を超えない範囲しか打設しないようにしている。このような構造とすることで高さ調整コンクリート打設量を節約することができる。なお、かかる構造は図1〜図6の各例においても適用可能である。
図7において、水平移動防止ボルト35はマクラギを貫通して下端は高さ調整コンクリートに埋め込まれ、上端のナットを締めつけて支圧板35aによりマクラギ21を固定する。こうして、マクラギ21は高さ調整コンクリート20内に埋め込まれず、線路方向及び線路直角方向に移動しないように固定される。また、図示は省略するが軌道の周囲には、後述する吸音バラストが敷き詰められる。
次に、弾性バラスト軌道構造物が線路直角方向に変位を生じた場合の調整方法について説明する。
建設時の状態を示す図7(a)、図7(d)の状態から、図7(b)、図7(e)に示す状態の軌道変位δが生じたとき、この変位を調整するために、水平移動防止ボルト35を取り外し、不要となった埋め込み栓35aはモルタル等を注入して後埋めし、軌道(マクラギ)を元の位置へ移動させる(図7(c)、図7(f))。次いで、新しい水平移動防止ボルトの位置に後施工アンカーで削孔し、そこにさや管付きボルトを水平移動防止ボルト35として定着させ固定する。
なお、上記説明では、高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設してマクラギを高さ調整コンクリート内に埋め込ませず、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを高さ調整コンクリート上に設置してマクラギに作用する水平方向の荷重は水平移動防止ボルトで受け持つ構造とする例について説明したが、本発明は、コンクリート床版上に直接、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置する場合も同様に適用可能である。従来、コンクリート床版上に直接マクラギを設置する場合は、マクラギ周囲にズレ止めコンクリートを施工していたが、本発明はマクラギに作用する水平方向の荷重を水平移動防止ボルトで受け持つ構造とすることによりズレ止めコンクリートを省略する。このような構造にして水平移動防止ボルトを脱着することでマクラギの横移動、変位調整を行うことが可能になり、軟弱地盤等で大きく軌道が直角方向に変位が生じるような箇所にも適用可能となる。
次に、上記各弾性マクラギ軌道において使用する粒形物吸音材について説明する。
図8は各種粒形物吸音材の吸音率(試料単位面積当たりの値で、完全に音を吸収する場合を1とする)の測定結果を示す図である。吸音率は残響室法で求めたものであり、次式により求めた。
α=(55.3V/cS)(1/T1 −1/T2 ) ……(1)
ここで、α:残響室法吸音率(/m2 )
T1 :試料を入れた状態における残響時間(s)
T2 :試料を入れない状態における残響時間(s)
V:残響室容積(=75m3 )
S:試料面積(=6m2 (3m×2m))
c:空気中の音速(=331.5+0.61t)
t:空気の温度
図8に記載の散布厚は、粒形物吸音材を敷きつめたときの底面からの高さ(単位mm)を示しており、騒音としては列車走行に伴って発生する160〜4000Hzについて実験し、その中の500Hz、1000Hzについて示した。また、粒形物としては、バラスト(25〜50mm径)、単粒度砕石7号(2.5〜5mm径)、単粒度砕石6号(5〜13mm径)、単粒度砕石5号(13〜20mm径)、単粒度砕石4号(20〜30mm径)、洗い砂(荒目1〜2mm径)、鉄鋼スラグ(MSー25)、再生砕石(0〜40mm径)、溶岩(20〜40mm径)を対象とした。図8から分かるように、砂等の粒径の小さいもの程吸音率が高く、例えば、洗い砂では50mm厚に敷きつめるだけで、バラスト300mm厚よりも吸音率が高い。図の再生砕石は、ビル、舗装道路、古いコンクリートマクラギ等を壊した細かい砕片であり、極めて吸音率が高い。
図8は各種粒形物吸音材の吸音率(試料単位面積当たりの値で、完全に音を吸収する場合を1とする)の測定結果を示す図である。吸音率は残響室法で求めたものであり、次式により求めた。
α=(55.3V/cS)(1/T1 −1/T2 ) ……(1)
ここで、α:残響室法吸音率(/m2 )
T1 :試料を入れた状態における残響時間(s)
T2 :試料を入れない状態における残響時間(s)
V:残響室容積(=75m3 )
S:試料面積(=6m2 (3m×2m))
c:空気中の音速(=331.5+0.61t)
t:空気の温度
図8に記載の散布厚は、粒形物吸音材を敷きつめたときの底面からの高さ(単位mm)を示しており、騒音としては列車走行に伴って発生する160〜4000Hzについて実験し、その中の500Hz、1000Hzについて示した。また、粒形物としては、バラスト(25〜50mm径)、単粒度砕石7号(2.5〜5mm径)、単粒度砕石6号(5〜13mm径)、単粒度砕石5号(13〜20mm径)、単粒度砕石4号(20〜30mm径)、洗い砂(荒目1〜2mm径)、鉄鋼スラグ(MSー25)、再生砕石(0〜40mm径)、溶岩(20〜40mm径)を対象とした。図8から分かるように、砂等の粒径の小さいもの程吸音率が高く、例えば、洗い砂では50mm厚に敷きつめるだけで、バラスト300mm厚よりも吸音率が高い。図の再生砕石は、ビル、舗装道路、古いコンクリートマクラギ等を壊した細かい砕片であり、極めて吸音率が高い。
ところで、吸音材による吸音率は周波数特性をもっているため、騒音低減効果は対象となる音のスペクトルに依存する。一般にレール近傍での騒音のスペクトルは500〜2000Hzになだらかなピークをもっているので、例えば、0〜4000Hzにおいて、騒音レベルをLとしたとき、図9に示すような騒音スペクトルL(fn )を仮定し、このスペクトルをもつ音に対する吸音率(平均吸音率αm )を求めて騒音低減効果を評価する。平均吸音率αm は次式のように定義される。
αm =Σαn Wn /ΣWn ……(2)
ここで、αn :周波数fn の音に対する吸音率
Wn :10A (A=L(fn )/10)
次に、レール近傍を拡散音場とすると、吸音材の騒音低減効果は、
ΔL=10・log{(αm S+X)/X} ……(3)
で表される。但し、Sは吸音材の散布面積(軌道全面に敷いてある場合を1とする)で、αm Sは試料による吸音力、Xは吸音材を散布しない状態でのレール近傍場の吸音力を表しており、αm S+Xは試料を散布したときのレール近傍場の吸音力である。Xは、例えばスラブ面の平均吸音率を0、スラブ面とバラスト軌道の吸音率の差を5dB(A)となるように定めると、X=0.23となる。
αm =Σαn Wn /ΣWn ……(2)
ここで、αn :周波数fn の音に対する吸音率
Wn :10A (A=L(fn )/10)
次に、レール近傍を拡散音場とすると、吸音材の騒音低減効果は、
ΔL=10・log{(αm S+X)/X} ……(3)
で表される。但し、Sは吸音材の散布面積(軌道全面に敷いてある場合を1とする)で、αm Sは試料による吸音力、Xは吸音材を散布しない状態でのレール近傍場の吸音力を表しており、αm S+Xは試料を散布したときのレール近傍場の吸音力である。Xは、例えばスラブ面の平均吸音率を0、スラブ面とバラスト軌道の吸音率の差を5dB(A)となるように定めると、X=0.23となる。
図10は、図8に示す各試料を直置きし、図9に示すような騒音スペクトルに基づいて求めた騒音低減効果(単位dB(A)値)を示すものである。図10より、バラスト軌道と同等の騒音低減効果5dB(A)がほぼ達成できる散布厚は、おおよそ、
単粒度砕石4号:200mm
単粒度砕石5号:200mm
単粒度砕石6号:100mm
単粒度砕石7号:50mm
洗い砂(荒目):50mm以下
鉄鋼スラグ :100mm
溶岩 :100mm
再生砕石 :50mm以下
であることが分かる。また、乾燥した鹿島砂について1〜4cmで同様に試験したところ2cm以上でほぼ達成できることが分かった。この結果は、各試料単独で使用したものについてであるが、これらのものを組み合わせることによっても、同様な騒音低減効果が達成できる。
単粒度砕石4号:200mm
単粒度砕石5号:200mm
単粒度砕石6号:100mm
単粒度砕石7号:50mm
洗い砂(荒目):50mm以下
鉄鋼スラグ :100mm
溶岩 :100mm
再生砕石 :50mm以下
であることが分かる。また、乾燥した鹿島砂について1〜4cmで同様に試験したところ2cm以上でほぼ達成できることが分かった。この結果は、各試料単独で使用したものについてであるが、これらのものを組み合わせることによっても、同様な騒音低減効果が達成できる。
図11は3種類の試料を3層(下層、中層、上層で各層の厚み5cm、総散布厚15cm)にした場合(試料1〜5)、2種類の試料を2層にした場合(7号砕石5cm、6号砕石10cm:試料6)、試料5の混合型(試料5における3種類の試料を混合した場合で総散布厚15cm:試料7)についての騒音低減効果を示したもので、図11から分かるように異なる試料を組み合わせて多層にしても混合させても同じ効果が得られることが分かる。
図8で説明したように、騒音低減効果は粒径に応じて異なり、バラスト軌道と同じ程度の騒音低減効果5dB(A)が得られる粒径毎の必要厚さ(最小の厚さ)について求めたところ、図12に示すような結果が得られた。すなわち、
粒径30〜50mm:40cm
粒径25〜30mm:30cm
粒径20〜25mm:25cm
粒径15〜20mm:20cm
粒径10〜15mm:15cm
粒径 5〜10mm:10cm
粒径 2.5〜10mm: 5cm
粒径 1.2〜 2.5mm: 2.5cm
粒径 1.2mm以下 : 2.0cm
前述したように、異なる粒径のものを層状あるいは混合させても、同一粒径のものを単独使用した場合と同様な効果が得られる。いま、異なる粒径n種類の試料Sk (k=1〜n)を層状、或いは混合する場合を考える。各試料Sk 単独使用により5dB(A)騒音低減効果が得られる必要厚さをDk 、n種類の試料全体の散布厚をD、試料Sk の全体の散布厚Dに対する割合をak とすると、ak D/Dk は試料Sk の必要厚さDk に対する割合を意味し、この値が1以上であれば試料Sk 単独で5dB(A)以上の騒音低減効果が得られる。また、Σak D/Dk が1以上であればn種類の試料全体で5dB(A)以上の騒音低減効果が得られることが分かる。
つまり、
n
Σ ak D/Dk ≧1 ……(4)
k=1
が満たされれば5dB(A)以上の騒音低減効果が得られることになる。なお、(4)式を満たすように吸音材を敷きつめれば5dB(A)以上の騒音低減効果が得られるが、効果的な騒音低減を図り、かつ吸音材の使用量を節約するために、吸音材の最大径は50mm以下、総散布厚は2cm〜40cmであることが望ましい。
図8で説明したように、騒音低減効果は粒径に応じて異なり、バラスト軌道と同じ程度の騒音低減効果5dB(A)が得られる粒径毎の必要厚さ(最小の厚さ)について求めたところ、図12に示すような結果が得られた。すなわち、
粒径30〜50mm:40cm
粒径25〜30mm:30cm
粒径20〜25mm:25cm
粒径15〜20mm:20cm
粒径10〜15mm:15cm
粒径 5〜10mm:10cm
粒径 2.5〜10mm: 5cm
粒径 1.2〜 2.5mm: 2.5cm
粒径 1.2mm以下 : 2.0cm
前述したように、異なる粒径のものを層状あるいは混合させても、同一粒径のものを単独使用した場合と同様な効果が得られる。いま、異なる粒径n種類の試料Sk (k=1〜n)を層状、或いは混合する場合を考える。各試料Sk 単独使用により5dB(A)騒音低減効果が得られる必要厚さをDk 、n種類の試料全体の散布厚をD、試料Sk の全体の散布厚Dに対する割合をak とすると、ak D/Dk は試料Sk の必要厚さDk に対する割合を意味し、この値が1以上であれば試料Sk 単独で5dB(A)以上の騒音低減効果が得られる。また、Σak D/Dk が1以上であればn種類の試料全体で5dB(A)以上の騒音低減効果が得られることが分かる。
つまり、
n
Σ ak D/Dk ≧1 ……(4)
k=1
が満たされれば5dB(A)以上の騒音低減効果が得られることになる。なお、(4)式を満たすように吸音材を敷きつめれば5dB(A)以上の騒音低減効果が得られるが、効果的な騒音低減を図り、かつ吸音材の使用量を節約するために、吸音材の最大径は50mm以下、総散布厚は2cm〜40cmであることが望ましい。
図13は粒度分布・散布厚と吸音効果を説明する図である。図の横軸は粒径、縦軸は粒度分布と散布厚を示し、階段状の折れ線Aは各粒径に対する必要厚さ、曲線Bは粒度分布の一例を示し、この例では、総散布厚を15cmとしたときの各粒径の成分割合は、
粒径1.2mm以下 7%
粒径1.2〜2.5mm 17%
粒径2.5〜5mm 26%
粒径5〜10mm 20%
粒径10〜15mm 14%
粒径15〜20mm 9%
粒径20〜25mm 5%
粒径25〜30mm 2%
である。ある粒径以下の粒形物の散布量の総散布量に対して占める割合を縦軸の数値として示されており、例えば、粒径5mm以下の割合は0.5であることが分かる。各粒径の粒形物の総散布厚に対する比率と総散布厚との積が折れ線Cであり、折れ線Cで示される各粒径の粒形物の各値と、各粒径の粒形物の必要厚さに対する比率の総和が前述した(4)式であり、この値が1以上であれば、5dB(A)以上の騒音低減を図ることができる。粒度分布曲線Bは任意にひくことができ、このとき(4)式を満足するように各成分を散布すればよい。
粒径1.2mm以下 7%
粒径1.2〜2.5mm 17%
粒径2.5〜5mm 26%
粒径5〜10mm 20%
粒径10〜15mm 14%
粒径15〜20mm 9%
粒径20〜25mm 5%
粒径25〜30mm 2%
である。ある粒径以下の粒形物の散布量の総散布量に対して占める割合を縦軸の数値として示されており、例えば、粒径5mm以下の割合は0.5であることが分かる。各粒径の粒形物の総散布厚に対する比率と総散布厚との積が折れ線Cであり、折れ線Cで示される各粒径の粒形物の各値と、各粒径の粒形物の必要厚さに対する比率の総和が前述した(4)式であり、この値が1以上であれば、5dB(A)以上の騒音低減を図ることができる。粒度分布曲線Bは任意にひくことができ、このとき(4)式を満足するように各成分を散布すればよい。
10,20…高さ調整コンクリート、11、21…マクラギ、12、22…レール、15…移動止め金具、16、26、33、35…水平移動防止ボルト、17…間隔材、18…弾性材、25…カーテンレール式埋め込み栓、31…3重埋め込み栓。
Claims (7)
- コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレールを締結する軌道構造において、前記高さ調整コンクリートはマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設するとともに、マクラギを前記コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリートに固定する水平移動防止ボルトを備え、マクラギに作用する水平方向の荷重を前記水平移動防止ボルトで受け持つ構造としたことを特徴とする弾性マクラギ軌道構造。
- 前記弾性マクラギ軌道に、吸音バラストを、バラスト軌道と同程度の騒音低減効果が得られる各粒径の粒形物に対する必要厚さをDk (k=1〜n)、全体の散布厚をD、全体の散布厚Dに対する各粒径の粒形物の散布厚の割合(成分割合)をak としたとき、
n
Σ ak D/Dk ≧1
k=1
となるように各粒径の粒形物を混合して敷き詰めたことを特徴とする請求項1記載の弾性マクラギ軌道構造。 - 前記水平移動防止ボルトをマクラギ端部に設置したマクラギ移動止め金具に形成した長円孔を介して設置したことを特徴とする請求項1又は2記載の弾性マクラギ軌道構造。
- コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリート内にカーテンレール式埋め込み栓を埋設し、前記水平移動防止ボルトをマクラギを通して軌道直交方向にスライド可能に前記埋め込み栓に設置したことを特徴とする請求項1又は2記載の弾性マクラギ軌道構造。
- コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリート内に多重埋め込み栓を埋設し、前記水平移動防止ボルトをマクラギを通して軌道直交方向に位置変更可能に前記埋め込み栓に施工することを特徴とする請求項1又は2記載の弾性マクラギ軌道構造。
- コンクリート床版上に直接、或いはコンクリート床版上に設けられた高さ調整コンクリート上に、下面の一部に弾性材を取り付けたマクラギを設置してレールを締結し、吸音バラストを敷き詰める軌道構造の高さ調整コンクリートをマクラギ下端面と所定の間隔を開けた高さまで打設し、水平移動防止ボルトにより前記コンクリート床版、或いは高さ調整コンクリートにマクラギを固定し、軌道変位時、前記水平移動防止ボルトを緩めてマクラギを水平移動させた後、前記水平移動防止ボルトを締めつけて軌道を固定することを特徴とする弾性マクラギ軌道変位調整方法。
- 軌道変位時、マクラギを水平移動させた後、前記水平移動防止ボルトを後施工アンカーにより施工することを特徴とする請求項6記載の弾性マクラギ軌道変位調整方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013115144A JP2014234598A (ja) | 2013-05-31 | 2013-05-31 | 弾性マクラギ軌道構造及び軌道変位調整方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111560795A (zh) * | 2020-04-29 | 2020-08-21 | 中铁二院工程集团有限责任公司 | 一种调整量大且易安装的无砟轨道结构 |
CN113957757A (zh) * | 2021-11-16 | 2022-01-21 | 中国二十冶集团有限公司 | 轨道螺栓定位装置及轨道螺栓施工方法 |
-
2013
- 2013-05-31 JP JP2013115144A patent/JP2014234598A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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