JP2014233250A - 搾乳システムの制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 疾病牛の存在等の異常に対する早期発見を可能にし、常に最適な条件による搾乳を可能にする。
【解決手段】 搾乳機2…に搭載した搾乳機コントローラ3…の通信部3t…と管理コンピュータ4の管理通信部4tを相互通信可能にし、搾乳時に、搾乳機2…に搾乳された乳Mから得られる搾乳時の搾乳データD…を、搾乳機コントローラ3…の通信部3t…から管理コンピュータ4の管理通信部4tに送信するとともに、管理コンピュータ4により、受信した搾乳データD…を監視し、当該搾乳データD…に対して、予め設定した判定基準Dsに基づく特異態様Dxを検出したなら、当該特異態様Dxを生じた搾乳時の動作を、当該特異態様Dxに対応する予め設定した特異処理モードにより制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、繋留牛舎における各ストールに対して搾乳機を移動させて搾乳を行う搾乳システムの制御方法に関する。
一般に、繋留牛舎(スタンチョン牛舎)には、多数のストールが配列するストール群が設置され、各ストールに乳牛が係留されるとともに、各ストールに対して搾乳機を自動で移動させて搾乳を行う搾乳システムが設置されている。また、この種の搾乳システムでは、搾乳時における乳量計から得られる乳量等の搾乳データに対する管理が必要となるため、通常、得られた搾乳データを搾乳機コントローラから管理コンピュータへ転送する送信処理が行われる。
従来、搾乳データの検出には特許文献1に開示されるような乳量計が用いられ、また、搾乳データの転送には特許文献2に開示されるような無線通信手段が用いられていた。特許文献1に開示される乳量計は、送乳ラインの中途に接続し、流入口から流入する乳を貯留可能な計量容器部と、この計量容器部の内部に貯留される乳の液面を検出する液面検出部と、計量容器部の流出口を開閉可能な弁機構部を備える乳量計を構成するに際して、円筒状に形成した周面部における縦方向中間部の少なくとも一個所に括れ部を形成し、この括れ部の内周面を流出口とした計量容器部を備えるとともに、括れ部の内周面の下方に、流出口から流出した乳の一部を採取する分取口を配し、この分取口から採取した乳を計量容器部の外部に導くサンプリング手段を設けて構成したものである。また、特許文献2に開示される無線通信手段は、搾乳時に検出された乳量データ(搾乳データ)を被管理データに付加し、搾乳処理終了後にまとめて、或いは所定の時間間隔毎に管理コントローラに送信するように構成したものである。
特開2011−125322号公報 特開2009−112206号公報
しかし、上述した従来における搾乳データを管理する搾乳システムは、次のような解決すべき課題も存在した。
第一に、搾乳データの管理は、データ収集の意味合いが強いため、搾乳機コントローラで得られる搾乳データは、搾乳の終了後或いは所定の時間間隔毎に管理コントローラに送信され、主にデータ解析に用いられていた。したがって、具体的に利用するとしても次回の搾乳に利用せざるを得ず、必ずしも有効に利用されているとはいえなかった。このため、疾病牛の存在等の発見に対する遅れを生じやすいとともに、搾乳データに対応して常に最適な条件により搾乳を行うことができないなど、搾乳データを有効に利用する観点からは更なる改善の余地があった。
第二に、搾乳機コントローラから管理コントローラに搾乳データを送信するに際し、例えば、Bluetooth(登録商標)等の短距離無線通信方式を用いた場合、その通信規格故に、搾乳機(搾乳機コントローラ)の使用台数や搾乳データの送信形態が制限され、特に、大規模な搾乳システムを構築する際のネックになっていた。したがって、繋留牛舎における搾乳システムの規模に応じた最適な通信システムを構築する観点からも更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した搾乳システムの制御方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る搾乳システム1の制御方法は、上述した課題を解決するため、繋留牛舎100における各ストールAc…に対して搾乳機2…を移動させて搾乳を行うに際し、搾乳機2…に搭載した搾乳機コントローラ3…の搾乳機通信部3t…と管理コンピュータ4の管理通信部4tを相互通信可能にし、搾乳時に、搾乳機2…により搾乳された乳Mから得られる搾乳時の搾乳データD…を、搾乳機コントローラ3…の搾乳機通信部3t…から管理コンピュータ4の管理通信部4tに送信するとともに、管理コンピュータ4により、受信した搾乳データD…を監視し、当該搾乳データD…に対して、予め設定した判定基準Dsに基づく特異態様Dxを検出したなら、当該特異態様Dxを生じた搾乳時の動作を、当該特異態様Dxに対応する予め設定した特異処理モードにより制御するようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、搾乳機通信部3t…と管理通信部4tは、通信制御機能を有する中継機6を介して相互通信可能にすることができる。この際、搾乳機通信部3t…と中継機6は、短距離無線通信方式により通信を行うことができる。一方、搾乳データD…には、搾乳時間tに対する乳量変化データDm,乳温データDt,乳の電気伝導度データDe,の一又は二以上を含ませることができる。また、特異態様Dxには、乳量Qの変化に対する予め設定した乳量変化パターンQx,乳温Tに対する予め設定した閾値Tsを外れた乳温Tx,乳Mの電気伝導度Eに対する予め設定した閾値Esを外れた電気伝導度Ex,の一又は二以上を含ませることができる。さらに、特異処理モードには、アラーム7の動作処理,動作制御の変更処理,動作制御の停止処理,の一又は二以上を含ませることができる。
このような手法による本発明に係る搾乳システム1の制御方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 搾乳時に、搾乳機2…により搾乳された乳Mから得られる搾乳時の搾乳データD…を、搾乳機通信部3t…から管理通信部4tに送信するとともに、管理コンピュータ4により、受信した搾乳データD…を監視し、当該搾乳データD…に対して、予め設定した判定基準Dsに基づく特異態様Dxを検出したなら、当該特異態様Dxを生じた搾乳時の動作を、当該特異態様Dxに対応する予め設定した特異処理モードにより制御するようにしたため、例えば、疾病牛の存在等を含む異常の早期発見が可能になるとともに、常に最適な条件による搾乳を可能にすることができる。
(2) 好適な態様により、搾乳機通信部3t…と管理通信部4tを、通信制御機能を有する中継機6を介して相互通信可能にすれば、通信方式の規格や性能等により管理コンピュータ4に対して直接相互通信できる搾乳機2…(搾乳機コントローラ3…)の台数が制限されるような場合であっても、中継機6を介在させることにより、搾乳機2…の使用台数を必要な数だけ増やすことができる。
(3) 好適な態様により、搾乳機通信部3t…と中継機6を、短距離無線通信方式により通信を行うようにすれば、広く汎用されているBluetooth(以下、BTと略記)等の無線通信技術を利用できるため、実施の容易化及び低コスト化に寄与できるとともに、特に上述した中継機6と組み合わせることにより、本発明に係る搾乳システム1の制御方法を最適な態様により実施できる。
(4) 好適な態様により、搾乳データD…に、搾乳時間tに対する乳量変化データDm,乳温データDt,乳の電気伝導度データDe,の一又は二以上を含ませれば、乳量計5に対して新たな検出用部品を追加することなく既設の検出構成をそのまま利用できるため、容易かつ低コストに実施できる。
(5) 好適な態様により、特異態様Dxに、乳量Qの変化に対する予め設定した乳量変化パターンQx,乳温Tに対する予め設定した閾値Tsを外れた乳温Tx,乳Mの電気伝導度Eに対する予め設定した閾値Esを外れた電気伝導度Ex,の一又は二以上を含ませれば、いずれもリアルタイムで検出可能かつ判定可能な検出要素となる、乳量Q,乳温T,電気伝導度Eを利用できるため、本発明に係る搾乳システム1の制御方法を有効かつ確実に実施できる。
(6) 好適な態様により、特異処理モードに、アラーム7の動作処理,動作制御の変更処理,動作制御の停止処理,の一又は二以上を含ませれば、本発明に係る搾乳システム1の制御方法を有効かつ容易に実施できるとともに、特に、これらの処理を組み合わせることにより、同制御方法をより効果的に機能させることができる。
本発明の好適実施形態に係る制御方法の処理手順を含む搾乳システムの動作を説明するためのフローチャート、 同搾乳システムの搾乳機に備える乳量計の動作を説明するためのフローチャート、 同搾乳システムを備える繋留牛舎における内部のレイアウト構成を示す平面概略図、 同搾乳システムの一部を側面から見た構成図、 同搾乳システムの搾乳機における搾乳ユニットの前面図、 同搾乳システムにおける通信系を含む制御系の全体の構成を示すブロック系統図、 同搾乳システムの搾乳機に備える乳量計の断面構成図、 同乳量計における検出ブロックの外観斜視図、 同制御方法における特異処理モードの処理手順を抽出して説明するためのフローチャート、 同特異処理モードにおける処理の一例を示す作用説明図、 同特異処理モードにおける処理の他の一例を示す作用説明図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る制御方法を実施できる搾乳システム1の全体構成について、図3〜図8を参照して説明する。
図3及び図4は繋留牛舎100の内部概要を示す。この繋留牛舎100には多数のストールAc…が配列するストール群Aが設置され、各ストールAc…に乳牛C…が係留されている。そして、このストール群Aの上方に、ストール群Aに沿った搾乳システム1が設置されるとともに、このストール群Aの前方に、ストール群Aに沿った給餌システム210が設置される。なお、給餌システム210は、ストール群Aの前上方に配したガイドレール部211と、このガイドレール部211に沿って移動する給餌機212を備える。この給餌システム210により、各ストールAc…に対して給餌機212を自動で移動させて給餌を行うことができる。Bsは給餌機212により投与された給餌飼料を示す。
一方、搾乳システム1は、ストール群Aの上方に配したガイドレール部21を備える。ガイドレール部21は、ストール群Aに沿って配した主レール21mと、この主レール21mの中途位置から直角方向に分岐し、かつストールAc…間に配した複数の分岐レール21s…を備える。この場合、分岐レール21s…は、配列するストールAc…に対して一つ置き、即ち、相隣る分岐レール21sと21s…間に二つのストールAc…が入るように配する。また、分岐レール21s…の先端前方には、図4に示すミルクライン22及び真空ライン23を配置する。ミルクライン22及び真空ライン23はストールAc…に沿って配し、各分岐レール21s…に対向する位置には、後述する搾乳機2のディストリビュータ26を接続するミルクタップ22t…を設ける。
さらに、搾乳システム1には、ガイドレール部21に沿って移動する複数の搾乳機2…を備える。一つの搾乳機2は、ガイドレール部21に装填した自走式の移動部25と、この移動部25の両側に吊下げた左右一対の搾乳ユニット27p,27qと、移動部25の先端に設けたディストリビュータ26を備える。この場合、移動部25には駆動モータを用いた駆動部及び駆動用のバッテリを搭載する。なお、移動部25の停止や移動方向の制御は、移動部25に設けた検出部(検出センサ)がガイドレール部21の所定位置に配した被検出部を検出することにより行われる。これにより、各ストールAc…に対して複数の搾乳機2…を自動で移動させて搾乳を行うことができる。
搾乳ユニット27p(27qも同じ)は、パルセータ装置や自動離脱装置等を含むユニット本体30と、乳牛Cの各乳房Cb…に装着する四つのティートカップ31…と、ミルククロー32を備え、ティートカップ31…,ミルククロー32,ユニット本体30,後述する乳量計5,ディストリビュータ26は、所定のミルクチューブにより接続するとともに、ティートカップ31…,ユニット本体30,ディストリビュータ26は、所定の真空チューブにより接続する。また、ミルククロー32とユニット本体30は離脱用ワイヤ33により接続する。図5に、ユニット本体30の前面から見た外観図を示す。ユニット本体30は前面に操作パネル30fを備え、この操作パネル30fには、一般に搾乳処理作業において必要となるデジタル表示方式の表示器35をはじめ、操作部36及び搾乳開始ボタン37等を配する。表示器35には、リアルタイム乳量や搾乳時間等を表示する。一方、本実施形態に係る制御方法の実施に関連してアラーム7を配設する。例示のアラーム7には、点滅するアラームランプ7aとアラーム音を鳴らすチャイム(ブザー)7bが含まれる。
さらに、搾乳ユニット27pの背面には、図4に示すように乳量計5を搭載する。図7及び図8に乳量計5の具体的構成を示す。乳量計5は、図7に示すように、全体を円筒状に形成した透明の計量容器部41を備える。また、周面部における縦方向中間部の所定位置には、上下二つの括れ部41su,41sdを設け、上側の括れ部41suにより中間口41mを形成するとともに、下側の括れ部41sdにより流出口41eを形成する。これにより、中間口41mよりも上側を気液分離室Rs、中間口41mと流出口41e間を計量室Rm、流出口41eよりも下側を気液混合緩衝室Rd、としてそれぞれ構成する。そして、気液分離室Rsの周面上端付近には、外面から接線方向に突出し、上流側のミルクチューブPuを接続可能な流入口41iを設ける。
一方、計量容器部41(気液分離室Rs及び計量室Rm)の内部には弁機構部42を配設する。弁機構部42は、流出口41e及び中間口41mに挿通し、上端口を気液分離室Rsの上端に臨ませ、かつ下端口を気液混合緩衝室Rdに臨ませて気液分離室Rsと気液混合緩衝室Rdを連通させるパイプシャフト43と、このパイプシャフト43の上端を支持し、かつ当該パイプシャフト43を昇降させる弁駆動部44と、計量室Rm内に位置するパイプシャフト43の外周面上側に設けた第一バルブ42u及び外周面下側に設けた第二バルブ42dを備える。弁駆動部44は、パイプシャフト43の上端を支持部材45を介して支持し、かつ気液分離室Rsを閉塞、即ち、計量容器部41の上面部41uに設けた円形の開口部41uhを閉塞して気液分離室Rsの上面部を形成するダイヤフラム部46と、気液分離室Rsに対して反対側でダイヤフラム部46に臨ませた切換室部Rcを備える。この切換室部Rcは、制御系の制御により真空圧又は大気圧に切換えられる。なお、48は切換室部Rcから突出する接続口を示す。
他方、計量容器部2の内部には、図8に示す検出ブロック51を配設する。検出ブロック51は、計量室Rmの下面部Rmdに取付可能な基部52を備えるとともに、この基部52から上方へ突出させることにより、気液分離室Rs内の乳Mの液面を検出可能な電極53p,53qにより構成する液面検出部53と、基部52から上方へ突出させることにより、計量室Rm内における乳の電気伝導度を検出可能な電極54p,54qにより構成する電気伝導度検出部54と、基部52上に突出させることにより計量室Rm内に流入した乳Mの温度を検出する乳温センサ55とを備える。検出ブロック51はプラスチック等の絶縁素材を用いてインサート成形等により一体成形可能である。なお、56p,56qは電極53p,53qを被覆する絶縁素材による被覆部であり、電極53p,53qは上端部のみを露出させる。
これにより、液面検出部53の電極53p,53qにより液面を検出したなら、弁機構部41の第一バルブ41uを閉位置、かつ第二バルブ41dを開位置に切換制御するとともに、予め設定した設定時間が経過することにより、第一バルブ41uを開位置、かつ第二バルブ41dを閉位置に切換制御することができる。なお、電気伝導度検出部54は、液面検出部53に対して、深い位置における乳の電気伝導度を時間的な余裕をもって検出できることから、乳の正確な電気伝導度を確実に検出できる。この結果、電気伝導度検出部54により検出される正確な電気伝導度により、液面検出部53において液面を検出する際の閾値を牛体単位で補正し、液面検出部53により液面を検出する際の最適化を図れるなど、乳の液面、更には乳量を正確に検出できるとともに、電気伝導度検出部54の検出と液面検出部53の検出の時間差から得られる乳流速度に基づく搾乳終了時期の予測等にも利用できる。
また、乳量計5は、計量容器部41における下面部41dの一側にサンプリング手段57を設け、流出口41eから流れ落ちる乳の一部をサンプリング可能に構成する。さらに、下面部41dの他側には、排出口41tを設ける。この排出口41tには下流側のミルクチューブPdを接続する。
次に、搾乳システム1の通信系及び制御系の構成について、図3〜図6を参照して説明する。
まず、搾乳機2の各搾乳ユニット27p,27qには搾乳機コントローラ3…をそれぞれ搭載する。搾乳機コントローラ3は、図6に示すように、搾乳機コントローラ3の主要部を構成する本体部61と、この本体部61の通信機能を司る搾乳機通信部3tを備える。本体部61は処理部62を内蔵し、この処理部62に搾乳機通信部3tを接続するとともに、さらに、処理部62には、乳量計5(液面検出部53,電気伝導度検出部54),乳温センサ55及び乳汁センサ63をそれぞれ接続する。この場合、処理部62は、コンピュータ機能を備え、メモリに格納した処理プログラムに基づく一連の制御処理(シーケンス制御処理)をはじめ、演算処理,記憶処理,通信処理及び入出力処理等の各種データ処理(コンピューティング処理)を実行する。また、乳汁センサ63は搾乳した乳汁の品質を検出する機能を有する。なお、この乳汁センサ63には乳汁の品質(特性)が正常か否かを検出する様々なセンサを適用可能である。乳量計5の機能(動作)については後に詳述する。
一方、各搾乳機コントローラ3…の搾乳機通信部3t…は、図3及び図6に示すように、通信制御機能を有する中継機6を介して管理コンピュータ4の管理通信部4tに接続可能となるように全体の通信システムXを構成する。この場合、中継機6は、図6に示すように、通信制御部6sを備えるとともに、この通信制御部6sに接続し、各搾乳機コントローラ3…の搾乳機通信部3t…に対して双方向通信を行う複数の対搾乳機通信部6tm…と、当該通信制御部6sに接続し、管理コンピュータ4に対して双方向通信を行う対管理通信部6tcを備える。通信制御部6sは、対管理通信部6tcに対して各対搾乳機通信部6tm…を選択的に接続し、管理コンピュータ4(管理通信部4t)と選択された対搾乳機通信部6tmに接続された搾乳機コントローラ3の搾乳機通信部3tを接続する機能を有している。
他方、管理コンピュータ4は、繋留牛舎100の内部又は外部における管理室等に設置する。管理コンピュータ4は、図3に示すように、汎用コンピュータシステム70により構成することができる。汎用コンピュータシステム70は、本体部71と、この本体部71に接続したディスプレイ72,入出力部73,及び上述した管理通信部4tを備える。本体部71は、図6に示すように、CPU等のハードウェアを含む処理部71sやデータメモリ71d及びプログラムメモリ71p等の内部メモリなどを有するコンピュータ機能を備え、プログラムメモリ71pに格納した処理プログラムに基づく各種管理処理をはじめ、演算処理,記憶処理,通信処理及び入出力処理等の各種データ処理(コンピューティング処理)を実行するとともに、データメモリ71dに登録した各種データベースを備える。ディスプレイ72は、カラー液晶ディスプレイ等を利用できるとともに、入出力部73には、外部メディア用ドライブ,キーボードやマウス等の入力部、及びプリンタ等の出力部を含む。なお、管理コンピュータ4は、スマートフォン等を含むモバイル端末装置に対しても相互通信可能に構成する。このように、管理コンピュータ4とモバイル端末装置を相互通信可能に構成すれば、管理コンピュータ4を有効に補助(支援)することができ、更なる多様性,汎用性及び発展性を高めることができる。
次に、通信システムXについてより詳細に説明する。まず、各搾乳機コントローラ3…に備える各搾乳機通信部3t…と中継機6に備える対搾乳機通信部6tm…は短距離無線通信方式により通信可能に接続する。例示の場合、広く汎用されているBT規格による短距離無線通信方式を用いるとともに、ネットワークとしてピコネットを用いた。したがって、各搾乳機通信部3t…及び各対搾乳機通信部6tm…は、それぞれBT用RFモジュール(BTM)により構成する。なお、各BT用RFモジュールは、単一ユニットとして構成し、搾乳機コントローラ3及び中継機6の回路基板に対してはコネクタを介して着脱可能に構成した。
ところで、複数の搾乳機コントローラ3…が接近した際に、BT規格を用いたピコネットでは、最大で七台までの搾乳機コントローラ3…が参加できる。したがって、搾乳機コントローラ3…が全部で7台以下の搾乳システムでは、中継機6を必ずしも用いることを要しない。しかし、搾乳機コントローラ3…を全部で8台以上使用する大規模の搾乳システム1が構築される場合、各搾乳機コントローラ3…と管理コンピュータ4間で直接相互通信を行うことは困難になる。そこで、本実施形態に係る通信システムXでは、各搾乳機コントローラ3…と管理コンピュータ4間に中継機6を介在させ、搾乳機コントローラ3…を全部で8台以上、搾乳機2…では全部で4台以上を使用する大規模の搾乳システム1に対しても対応できるようにした。したがって、一例として、搾乳機コントローラ3…を20台使用する場合には、(20台)/(7台)≒2.8となり、中継機6には、3台の対搾乳機通信部6tm…を設ければ対応可能となる。
また、搾乳機コントローラ3…は、第1グループG1から第nグループGnにグループ分けし、各搾乳機コントローラ3…における各搾乳機通信部3t…にID(識別符号)を付した。これにより、各グループG1,G2…Gnと各対搾乳機通信部6tm…が対応し、各対搾乳機通信部6tm…は、対応するグループG1,G2…Gn内における搾乳機通信部3t…とのみ通信可能となる。このため、中継機6は、いわばデータ(信号)の交通整理を行う機能を有しており、任意の対搾乳機通信部6tmと搾乳機通信部3tが接続されたなら、接続された順番に従って、対搾乳機通信部6tmと対管理通信部6tcを接続する。
このように、搾乳機コントローラ3…の搾乳機通信部3t…と管理コンピュータ4の管理通信部4tを、通信制御機能を有する中継機6を介して相互通信可能にすれば、通信方式の規格や性能等により管理コンピュータ4に対して直接相互通信できる搾乳機2…(搾乳機コントローラ3…)の台数が制限されるような場合であっても、中継機6を介在させることにより、搾乳機2…の使用台数を必要な数だけ増やすことができる利点がある。加えて、搾乳機コントローラ3…の搾乳機通信部3t…と中継機6を、短距離無線通信方式により通信を行うようにすれば、広く汎用されているBluetooth(以下、BTと略記)等の無線通信技術を利用できるため、実施の容易化及び低コスト化に寄与できるとともに、特に上述した中継機6と組み合わせることにより、本実施形態に係る搾乳システム1の制御方法を最適な態様により実施できる利点がある。
他方、中継機6に備える対管理通信部6tcと管理コンピュータ4に備える管理通信部4tは、最低限1対1の相互通信が可能な各種通信方式を利用でき、この場合、無線通信方式であってもよいし有線通信方式であってもよい。実施形態は、無線LANを用いた通信方式を例示した。
次に、本実施形態に係る制御方法を含む搾乳システム1の全体の動作について、各図を参照しつつ図1,図2及び図9に示すフローチャートに従って説明する。
搾乳時には、図1に示すフローチャートに従って一連の搾乳工程が行われる。まず、搾乳機2はガイドレール部21に沿って移動する(ステップS1)。即ち、搾乳ユニット27p,27qが自走式の移動部25により自動で搬送される。なお、最初は不図示のホームポジションから移動を開始する。そして、搾乳機2が搾乳を行う分岐レール21sに進入し、分岐レール21sの先端側となる搾乳位置まで移動すれば、図4に示すように、ディストリビュータ26がミルクタップ22tに自動で接続(装着)されるため、作業者は、各ティートカップ31…を乳房Cb…にそれぞれ装着する(ステップS2,S3)。この後、搾乳ユニット27p又は27qの搾乳開始ボタン37を押せば(ONすれば)搾乳が開始し、予め設定された搾乳条件が加味された一連の搾乳処理が行われる(ステップS4,S5)。この場合、搾乳条件には、被管理データDcが予め管理コンピュータ4から各搾乳機コントローラ3…に送信されているため、搾乳を行う牛番に対応する被管理データDcが加味されている。なお、被管理データDcには、閾値等の固有の設定条件をはじめ、予め疾病牛と判っている場合の搾乳禁止データ等、各牛体毎の各種データが含まれる。したがって、搾乳禁止データが含まれている場合には、その乳牛Cに対する搾乳処理は中止となる。
一方、搾乳時における乳量(流量)が低下する等により搾乳終了条件を満たせば、自動で搾乳処理が終了する(ステップS6,S7)。また、搾乳処理の終了によりユニット本体30に内蔵する自動離脱装置によりティートカップ31…の自動離脱処理が行われる(ステップS8)。これにより、乳牛C一頭の搾乳処理が終了する。例示の搾乳機2では、左右二頭の乳牛C…に対して搾乳ユニット27p,27qを用いて搾乳処理が同時に並行して行われる。搾乳処理の終了により、搾乳機2は次の分岐レール21sへ自動で移動するとともに、次の分岐レール21sにおいても同様の搾乳処理を行う(ステップS9,S1…)。そして、受け持つ全ての乳牛C…に対する搾乳処理が終了すれば、搾乳機2がホームポジションに戻る搾乳工程終了処理が行われる(ステップS10)。以上が搾乳工程の概要となる。
ところで、搾乳処理(ステップS5)が行われている際には、乳量計5により乳量Qに係わる乳量データDqの検出(測定)が行われるとともに、付随して搾乳時間tに対する乳量変化データDm,乳温データDt,乳の電気伝導度データDe等を含む搾乳データD…の検出が行われる。
以下、乳量計5による乳量Qの検出方法(検出動作)及び付随する搾乳データD…の検出方法について説明する。乳量Qの検出動作は、図2に示すフローチャートに従って行われる。搾乳処理の開始により、上流側のミルクチューブPuに、搾乳された乳Mが間欠的に送られるため、乳Mは乳量計5の流入口41iから計量容器部41の内部に流入する(ステップMS1)。流入初期では第一バルブ42u及び第二バルブ42dは下降位置、即ち、中間口41mは開、流出口41eは閉になっている。そして、流入した乳Mは、気液分離室Rsにおける周面部の内壁面に沿って螺旋状に流れる。これにより、良好な気液分離(遠心分離)が行われるとともに、気液分離室Rsの内壁面を乳Mが流れ落ちる際に、流速が小さくなり、乳量測定の誤差要因となる泡の発生や液面の波打が大きく低減される。また、中間口41mを通った乳Mは計量室Rmに貯留される(ステップMS2)。乳Mの流入が進むに従って貯留される乳Mの液面は上昇する。乳Mの液面が電気伝導度検出部54を構成する電極54p及び54qを越えて上昇すれば、電極54pと54q間の電気抵抗が低下するため、処理部62は、予め設定した閾値以下になったことにより乳Mの液面が越えたことを検出する(ステップMS3)。
これにより、処理部62では、各種搾乳データDの採取処理を行う(ステップS11)。採取処理では、まず、電極54pと54q間の電気抵抗の検出により、電気伝導度データDeを採取する。即ち、電極54pと54q間の電気抵抗に基づいて、乳Mの電気伝導度を算出し、電気伝導度データDeとして採取する。この場合、乳Mの液面が液面検出部53を構成する電極53p,53qにより検出されるまでには、ある程度の時間がかかるため、この時間を利用して電気伝導度検出部54による検出が可能となる。したがって、電気伝導度検出部54により検出した時点から、予め設定した所定の時間が経過した後に検出したり、或いは所定時間おきに複数回測定し、平均値を求めてもよい。また、電気伝導度検出部54により検出した時点から、所定の設定時間が経過した後に、乳温センサ55により計量室Rm内における乳の温度(乳温T)を検出し、乳温データDtとして採取する。
この後、計量室Rmにおける貯留は、更に進行するとともに、これに伴って乳Mの液面も上昇する(ステップMS4)。したがって、乳Mの液面が電極53p(53q)を越えて上昇すれば、電極53pと53q間の電気抵抗が低下するため、処理部62は、予め設定した閾値以下になったことにより乳Mの液面が越えたことを検出する(ステップMS5)。そして、処理部62では、弁機構部42を制御して第一バルブ42u及び第二バルブ42dを上昇位置へ変位させる(ステップMS6)。これにより、中間口41mが閉、流出口41eが開になり、計量室Rm内の乳Mは、流出口41eから流出し、気液混合緩衝室Rdに流入する(ステップMS7,MS8)。
第一バルブ42u及び第二バルブ42dを上昇位置へ変位させた後、予め設定した設定時間が経過すれば、処理部62は、弁機構部42を制御して第一バルブ42u及び第二バルブ42dを下降位置へ復帰させる(ステップMS9,MS10)。これにより、中間口41mが開、流出口41eが閉になるため、気液分離室Rs内の乳Mは、中間口41mを通って計量室Rm内に流入し、計量室Rm内に貯留される(ステップMS12,MS13)。以後、搾乳が終了するまで、以上の動作(処理)が繰り返される(ステップMS14,MS1…)。搾乳が終了すれば、終了処理が行われる(ステップMS14,MS15)。また、処理部62では、計量室Rmにより計量した回数をカウントすることにより全乳量Q、更には流量(速度)等を演算処理により求めるとともに、計量開始からの経過時間となる搾乳時間tに対する乳量変化データDmとして採取する。
次に、本実施形態に係る搾乳システム1の制御方法について具体的に説明する。本実施形態に係る制御方法は、図1及び図9に示すフローチャートに従って行われる。
まず、上述したステップS5の搾乳処理におけるステップS11で採取された搾乳データDは、処理部62内のメモリに書込まれるとともに、同時に、搾乳機通信部3tから送信処理が行われる(ステップS12)。この場合、搾乳データDには、例示した、乳量データDq,搾乳時間tに対する乳量変化データDm,乳温データDt,乳の電気伝導度データDeを含ませる。搾乳データDとして、これらのデータの一又は二以上を含ませれば、乳量計5に対して新たな検出用部品を追加することなく既設の検出構成をそのまま利用できるため、容易かつ低コストに実施できる利点がある。
一方、搾乳機通信部3tから送信された搾乳データDは、中継機6における対応する対搾乳機通信部6tmで受信する(ステップS13)。中継機6の通信制御部6sでは、搾乳データDを受信したなら識別可能な固有のヘッダを付与する(ステップS14)。そして、ヘッダの付与された搾乳データDは、対管理通信部6tcから管理コンピュータ4の管理通信部4tに送信(転送)される(ステップS15)。この際、複数の搾乳機通信部3t…から同時に送信される場合があるため、対応する各対搾乳機通信部6tm…によりそれぞれ受信した各搾乳データD…は、通信制御部6sの機能により、順番に従って管理コンピュータ4の管理通信部4tに送信される。
他方、管理コンピュータ4では、受信した搾乳データDを随時監視する(ステップS16)。この場合、管理コンピュータ4のデータメモリ71dには、予め、搾乳データDの特異態様Dxを判別するための判定基準Dsを設定する。これにより、搾乳データDを監視し、判定基準Dsに基づく特異態様Dxの発生有りと判断したなら所定の対応制御処理を行う(ステップS17)。この特異態様Dxには、少なくとも、乳量Qの変化に対する予め設定した乳量変化パターン(泌乳特性)Qx,乳温Tに対する予め設定した閾値Tsを外れた乳温Tx,乳Mの電気伝導度Eに対する予め設定した閾値Esを外れた電気伝導度Ex,の一又は二以上を含ませることができる。このように、特異態様Dxとして、乳量変化パターンQx,乳温Tx,電気伝導度Ex,の一又は二以上を含ませれば、いずれもリアルタイムで検出可能かつ判定可能な検出要素となる、乳量Q,乳温T,電気伝導度Eを利用できるため、本実施形態に係る搾乳システム1の制御方法を有効かつ確実に実施できる利点がある。
一方、対応制御処理としては、特異態様Dxを生じた搾乳時の動作を、当該特異態様Dxに対応する予め設定した特異処理モードにより制御することができる。この特異処理モード(ステップS17)の一例について、図10及び図11を参照しつつ図9に示すフローチャートを参照して説明する。
特異処理モードでは、アラーム7の動作処理,動作制御の変更処理,動作制御の停止処理,の一又は二以上を実行させることができる。特異処理モードに、このような各処理の一又は二以上を含ませれば、本実施形態に係る搾乳システム1の制御方法を有効かつ容易に実施できるとともに、特に、これらの処理を組み合わせることにより、同制御方法をより効果的に機能させることができる。
まず、図10は、特異態様Dxとして、乳温Tに対する予め設定した閾値Tsを外れた乳温Txが発生した例を示す。同図中、Tr1,Tr2…Tr5は、任意の乳牛Cにおける過去の搾乳時における乳温を示している。乳温Tr1,Tr2…Tr5は、いずれも閾値Ts(判定基準Ds)以下となる健康時におけるいわば平温である。これに対して、今回の搾乳時に検出した乳温Txは閾値Tsを越えているため、特異態様Dxとして検出される。
この場合、乳牛Cは発熱による疾病が考えられるため、図9に示す対応する特異処理モードを実行する。即ち、特異態様Dxとして検出することにより、動作制御の停止処理となる搾乳の一時停止処理とアラーム7の動作処理となるアラームランプ7aの点滅及びチャイム(ブザー)7bのアラーム音を鳴らす処理を実行する(ステップS171)。これにより、作業者は、乳牛Cの状態を確認することができる(ステップS172)。そして、乳牛Cの状態から疾病の可能性が高いと判断した場合には、搾乳処理をその時点で強制終了させる処理を行うとともに、他方、何らかの外乱或いは故障等が原因と判断した場合には、特異処理モードをリセットし、再び搾乳処理を継続させる処理を行うことができる(ステップS173,S174)。特に、搾乳処理の初期段階で判定を行えば、搾乳した乳Mが乳量計5から流出する前に、搾乳の一時停止処理を行うことができる。
また、図11は、特異態様Dxとして、乳量Qの変化に対する予め設定した乳量変化パターンQxが発生した例を示す。同図中、ts1,ts2は基準検出時間(判定基準Ds)、Qs1,Qs2は第一閾値,第二閾値(判定基準Ds)、Qnは、ある乳牛Cにおける標準的な乳量変化パターンを示している。例示の場合、標準的な乳量変化パターンQnは、基準検出時間ts1,ts2における乳量Qは、いずれも第一閾値Qs1,第二閾値Qs2をそれぞれ上回っている。これに対して、今回の搾乳時における特異態様Dxとして検出された乳量変化パターンQxは、基準検出時間ts1,ts2における乳量Qは、いずれも第一閾値Qs1,第二閾値Qs2をそれぞれ下回っている。
この場合、搾乳をそのまま継続すれば、通常よりも遅く終了する可能性があり、標準的な乳量変化パターンQnに基づく搾乳終了タイミングにより動作させた場合、搾乳不足を生じる虞れがある。したがって、標準よりも遅めに搾乳を終了させることが有効となるため、図9に示す対応する特異処理モードを実行する。即ち、特異態様Dxとして検出されることにより、搾乳終了タイミングを判断する閾値の大きさを変更するなどの搾乳条件の変更処理を行い、搾乳終了タイミングを遅くする処理を行う(ステップS175,S176)。図11において、teが標準的な搾乳終了時間を示しているが、搾乳条件の変更処理を行うことにより、この搾乳終了時間teを搾乳終了時間teiまで遅くすることができる。
なお、一例として二つの例を挙げたが、乳Mの電気伝導度データDeに対しても乳温データDtと同様に判定することができる。即ち、電気伝導度Eが高い場合、乳M内の不純物濃度が高いことを示しているため、白血球が多くなっている可能性がある。したがって、乳牛Cは疾病の可能性が考えられるため、上述した乳温データDtに対する場合と同様の処理を行うことができる。また、乳汁センサ63により検出される乳汁の品質に対しても、乳汁の品質に対応する必要な判断を行うことができる。他方、特異態様Dxを全く検出しなかった場合には、通常の搾乳処理が継続して行われ、搾乳処理が終了したなら搾乳データDの監視が解除される(ステップS18,S19,S20)。
よって、このような本実施形態に係る搾乳システム1の制御方法によれば、基本的な制御手法として、搾乳時に、搾乳機2…により搾乳された乳Mから得られる搾乳時の搾乳データD…を、搾乳機通信部3t…から管理通信部4tに送信するとともに、管理コンピュータ4により、受信した搾乳データD…を監視し、当該搾乳データD…に対して、予め設定した判定基準Dsに基づく特異態様Dxを検出したなら、当該特異態様Dxを生じた搾乳時の動作を、当該特異態様Dxに対応する予め設定した特異処理モードにより制御するようにしたため、例えば、疾病牛の存在等を含む異常の早期発見が可能になるとともに、常に最適な条件による搾乳を可能にすることができる。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、実施形態は、搾乳システム1を中心に説明したが、搾乳機コントローラ3…の搾乳機通信部3t…に対して、給餌システム210側における通信部を加えたシステムを構築してもよい。また、搾乳機コントローラ3…の搾乳機通信部3t…と中継機6は、短距離無線通信方式により通信を行う場合を示したが、他の通信方式を排除するものではない。一方、搾乳データD…として、乳量データDq,搾乳時間tに対する乳量変化データDm,乳温データDt,乳Mの電気伝導度データDeを例示したが、これらはいずれか一つであってもよいし、二つ以上であってもよい。さらに、他のデータを搾乳データD…として付加することも自由である。他方、搾乳機2は自動で移動するタイプを例示したが手動で移動するタイプを排除するものではない。
本発明に係る制御方法は、繋留牛舎における各ストールに対して搾乳機を移動させて搾乳を行う各種の搾乳システムに利用できる。
1:搾乳システム,2…:搾乳機,3…:搾乳機コントローラ,3t…:搾乳機通信部,4:管理コンピュータ,4t:管理通信部,6:中継機,100:繋留牛舎,M:乳,Ac…:ストール,D…:搾乳データ,Ds:判定基準,Dx:特異態様,t:搾乳時間,T:乳温,Ts:閾値,Tx:乳温,Q:乳量,Qx:乳量変化パターン

Claims (6)

  1. 繋留牛舎における各ストールに対して搾乳機を移動させて搾乳を行う搾乳システムの制御方法であって、前記搾乳機に搭載した搾乳機コントローラの搾乳機通信部と管理コンピュータの管理通信部を相互通信可能にし、搾乳時に、前記搾乳機により搾乳された乳から得られる搾乳時の搾乳データを、前記搾乳機通信部から前記管理通信部に送信するとともに、前記管理コンピュータにより、受信した搾乳データを監視し、当該搾乳データに対して、予め設定した判定基準に基づく特異態様を検出したなら、当該特異態様を生じた搾乳時の動作を、当該特異態様に対応する予め設定した特異処理モードにより制御することを特徴とする搾乳システムの制御方法。
  2. 前記搾乳機通信部と前記管理通信部は、通信制御機能を有する中継機を介して相互通信可能にすることを特徴とする請求項1記載の搾乳システムの制御方法。
  3. 前記搾乳機通信部と前記中継機は、短距離無線通信方式により通信を行うことを特徴とする請求項2記載の搾乳システムの制御方法。
  4. 前記搾乳データには、搾乳時間に対する乳量変化データ,乳温データ,乳の電気伝導度データ,の一又は二以上を含むことを特徴とする請求項1,2又は3記載の搾乳システムの制御方法。
  5. 前記特異態様には、乳量の変化に対する予め設定した乳量変化パターン,乳温に対する予め設定した閾値を外れた乳温,乳の電気伝導度に対する予め設定した閾値を外れた電気伝導度,の一又は二以上を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の搾乳システムの制御方法。
  6. 前記特異処理モードでは、アラームの動作処理,動作制御の変更処理,動作制御の停止処理,の一又は二以上を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の搾乳システムの制御方法。
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