JP2014232153A - 消音器 - Google Patents

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Abstract

【課題】吹奏感を損なうことなく、管楽器のマウスピースから発生された音の音量を低減させることができる消音器を提供する。【解決手段】本発明による消音器(120)は、吹奏体が一端に取り付けられる管路部(121)と、前記管路部の他端に接続され、前記管路部から延びる通気管(1221)と、前記通気管に充填された吸音材(1224)と、を備え、前記通気管は、前記通気管の内径が前記管路部の内径よりも小さい部分を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、消音器に関する。
周囲に対する音量を配慮する必要のある例えば住宅環境等での楽器演奏を支援するための技術として、本願と同一の出願人による特許第3304443号公報に開示された技術が知られている(特許文献1)。この技術によれば、管楽器の共鳴管の音響特性を電気的に模擬することにより、管楽器特有の自励発振現象を再現することができる。従って、この技術によれば、マウスピースに管楽器の共鳴管を装着することなく、自励発振現象に伴うバックプレッシャ(演奏者が管楽器を吹奏した場合に管楽器から演奏者の唇に作用する圧力)をマウスピース内に発生させることができ、これにより演奏者は管楽器特有の吹奏感を得ることができる。また、この技術によれば、管楽器の共鳴管の音響特性を電気的に模擬するので、マウスピースから共鳴管を取り外した状態で音を電気的に合成することができる。従ってこの技術によれば、管楽器の共鳴管から音を発生させることなく、音量が電気的に調整された音を得ることができる。
特許第3304443号公報
特許文献1に開示された上述の技術によれば、出力される音の音量を電気的に調整することはできるものの、マウスピースから漏れる音が依然として存在するため、音量の低減には限界がある。具体的には、上述の技術では、マウスピース内に、空気振動を抑制するための綿などの詰め物が設けられており、この詰め物により、僅かながら音量の低減効果が得られる。しかし、この詰め物は、マウスピースから楽器の共鳴管を取り外したことによるマウスピース端部(開放端)での不要な反射を抑制して、上述の自励発振現象を精度よく再現するために設けられたものであり、音量を低減させるためのものではない。仮に、音量を低減させるために詰め物の量を増やせば、演奏者がマウスピースに吹き込んだ呼気に対する抵抗が高まるため、管楽器の吹奏感が損なわれる。従って、上述の技術によれば、マウスピースから漏れる音の音量の低減効果に限界がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、吹奏感を損なうことなく、管楽器のマウスピースから発生された音の音量を低減させることができる消音器を提供することを目的とする。
本発明の一態様による消音器は、吹奏体が一端に取り付けられる管路部と、前記管路部の他端に接続され、前記管路部から延びる通気管と、前記通気管に充填された吸音材と、を備え、前記通気管は、前記通気管の内径が前記管路部の内径よりも小さい部分を有する消音器の構成を有する。
本発明の一態様によれば、吹奏感を損なうことなく、吹奏体(例えばマウスピース)から発生された音の音量を低減させることができる。
本発明の第1実施形態による楽音装置の全体構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態による楽音装置の構成を補足説明するための説明図である。 本発明の第1実施形態による楽音装置が備える消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態による楽音装置が備える消音器を構成する管路部の詳細を説明するための説明図である。 本発明の第1実施形態における第1変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第2変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第3変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第4変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第5変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第6変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第7変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第8変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第9変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態における第10変形例による消音器の断面構造の一例を模式的に示す図である。 本発明の第2実施形態による楽音装置が備える信号処理部の仮想管体部の物理モデルの一例を説明するための説明図である。 本発明の第2実施形態による楽音装置が備える信号処理部の仮想管体部の物理モデルを補足説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態による楽音装置が備える信号処理部の仮想管体部の物理モデルの一例を説明するための説明図である。 本発明の第3実施形態による楽音装置が備える信号処理部の仮想管体部の物理モデルを補足説明するための説明図である。 本発明の第4実施形態による楽音装置の全体構成の一例を模式的に示す図である。 本発明の第4実施形態による楽音装置の波動発生部の取り付け構造の一例を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
なお、全図面にわたって、同一または対応する要素には同一符号を付す。
(第1実施形態)
[構成の説明]
図1は、本発明の第1実施形態による楽音装置100の全体構成の一例を模式的に示している。楽音装置100は、管楽器の共鳴管として機能する管体部(例えば管楽器のボディ、ボウ、ベルから構成される部分)の音響特性を電気的に模擬することにより、管楽器特有の自励発振現象を再現し、この自励発振現象に伴うバックプレッシャを管楽器のマウスピース(吹奏体)内に発生させながら、その管楽器の音を電気的に合成する。
なお、本実施形態では、サクソフォン等の木管楽器の音を合成するものとして楽音装置100を説明するが、この例に限定されることなく、本実施形態による楽音装置100は、トランペット等の金管楽器を含む管楽器全般に適用可能である。
また、以下の説明では、「上流側」なる用語は、管楽器のマウスピースから共鳴管に吹き込まれる呼気の流入側を指し、「下流側」なる用語は、その呼気の流出側を指す。また、「終端部」なる用語は、自然管楽器の上流側から下流側に伝搬する波動が反射する位置を指し、管楽器の音孔が開くことによって形成される開放端と、管楽器の下流側(ベル側)の端部に相当する開放端または閉端を含む。
楽音装置100は、マウスピース110、消音器120、操作子130、信号処理部140、放音部170、連結部190を備える。このうち、マウスピース110は、リード111を備え、自然管楽器に用いられるものである。ただし、この例に限定されず、マウスピース110は管楽器のマウスピースと同様の機能を有するものであればよい。
消音器120は、マウスピース110から発生された音の音量を低減させるためのものであり、管路部121と吸音部122を備える。管路部121は、自然管楽器のネック部に対応した構造を有する管体であり、マウスピース110の着脱が可能に構成されている。吸音部122は、管路部121の管内を通じてマウスピース110から伝搬する音を吸収するものである。消音器120の構造の詳細については後述する。
消音器120の管路部121には、検出部123と加振部124が設けられている。このうち、検出部123は、マウスピース110から管路部121の内部に伝搬する音の波動を検出して検出信号SAを出力するものであり、管路部121の長手方向の中途部に設けられている。検出信号SAは信号処理部140に入力される。検出部123は、例えばマイクロフォンである。加振部124は、信号処理部140から出力された音響信号SBに基づいて管路部121の内部空間を加振するものである。加振部124は、検出部123の近傍に位置するようにして管路部121の長手方向の中途部に設けられている。加振部124は、例えばスピーカである。
操作子130は、自然管楽器に備えられた操作キーに相当し、演奏者の運指により操作されるものである。操作子130は、音高に対応した複数のスイッチ(図示なし)から構成され、演奏者の運指に伴う操作子130の各スイッチの開閉に応じた運指信号SCを出力する。操作子130は、連結部190を介して消音器120に固定される。ただし、この例に限定されず、操作子130は、消音器120から分離されてもよい。操作子130として、例えばウインドシンセサイザーやブレスコントローラの操作キーの機能を用いることができる。
信号処理部140は、演奏者による操作子130の操作に応じて、検出部123から出力された検出信号SAに対し後述の楽器管体部の音響特性(波動の伝達特性)を模擬するための信号処理を施して音響信号SBを生成するものである。信号処理部140は、この音響信号SBにより加振部124を駆動して、加振部124の振動板を振動させる。信号処理部140は、例えば、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)を用いて構成される。信号処理部140は、消音器120または操作子130と一体に構成されてもよく、これらとは別体に構成されてもよい。
図2は、図1の楽音装置100の構成を補足説明するための説明図であり、上述の「楽器管体部」の意味を説明するための図である。図2では、木管楽器である自然管楽器10の断面構造が模式的に示され、音孔の個数や配置などは簡略化されている。
図2に示す自然管楽器10は、木管楽器の一種である例えばソプラノサックスであり、マウスピース11とネック部12と主管体部13から構成される。主管体部13は、ボディ、ボウ、ベルなどを含む共鳴管を構成し、複数の音孔Ha,Hb,Hcと、各音孔の開閉を行うための複数の操作キーKa,Kb,Kcを備える。主管体部13の上流側にはネック部12が取り付けられ、ネック部12の上流側にはマウスピース11が取り付けられる。図2において、位置Aは、図1に示す検出部123および加振部124が設けられた管路部121上の長手方向中途部の位置に対応している。位置Bは、開かれた音孔のうち、最も上流側に位置する音孔の位置を表し、音孔が開くことによって形成される終端部の位置を表している。位置Cは、自然管楽器10の下流側の端部の位置を表している。図2の例では、演奏者の運指により、上流側の音孔Haが操作キーKaで閉じられ、その下流側の音孔Hb,Hcが開かれた状態となっている。従って、この例では、音孔Hbの位置Bが終端部となる。なお、ネック部12と主管体部13は必ずしも分離できるとは限らず、一体となって形成される場合もある。
上述の「楽器管体部」は、図2に示す自然管楽器10において、図1の検出部123および加振部124が設けられた位置に相当する位置Aから、自然管楽器10の下流側の端部である位置Cまでの部分を指す。従って、信号処理部140は、検出部123および加振部124が設けられた位置に対応する自然管楽器10の位置Aを基点とした下流側の音響特性を模擬する。
なお、検出部123および加振部124の取り付け位置は任意に設定することができ、これらの取り付け位置に対応した位置Aに応じて定まる楽器管体部の音響特性に合わせて、信号処理部140が模擬する音響特性を適切に設定すればよい。
説明を図1に戻す。信号処理部140は、増幅器141、アナログ/デジタル(A/D)変換器142、フィルタ143、仮想管体部144、デジタル/アナログ(D/A)変換器145、増幅器146、運指情報生成部147、増幅器148を備える。増幅器141は、検出部123から出力された検出信号SAを増幅するものである。アナログ/デジタル変換器142は、増幅器141により増幅された検出信号SAをデジタル信号SADに変換するものである。フィルタ143は、ハウリング防止用のフィルタである。フィルタ143は例えばイコライザ等から構成してもよい。
仮想管体部144は、フィルタ143を介してアナログ/デジタル(A/D)変換器142から入力されるデジタル信号SADに対し、物理モデルに基づいて上述の楽器管体部の音響特性を電気的に模擬するための信号処理を施してデジタル信号SBDを出力するものである。本実施形態では、仮想管体部144は、楽器管体部の長さ(楽器管体部の内部の波動の伝搬距離)に対応した遅延特性を有する遅延部1441から構成される。本実施形態では、遅延部1441の機能はデジタル信号処理により実現されるが、この例に限定されず、例えばアナログ回路により実現することも可能である。
一般に、管楽器の下流側(ベル側)の端部は開放端になっている。このため、例えば全ての音孔が閉じられていれば、管楽器の上流側から下流側に伝搬する波動の位相は、管楽器の下流側の端部の位置(図2の位置C)で反転し、この位相反転された波動が上流側に戻ることにより管楽器特有の自励発振現象が発生する。管体の形状がストレートに近い管楽器では、その下流側の端部で波動の位相が反転する場合、管楽器の倍音の周波数は基音の周波数の奇数倍になるが、図1の例では、仮想管体部144は、管楽器の下流側の端部での反射波に相当する遅延部1441の出力信号を位相反転させないことにより、基音の周波数の整数倍の音を発生させる音響特性を模擬する。ただし、この例に限定されず、仮想管体部144が模擬する管楽器の音響特性は任意に設定し得る。
デジタル/アナログ変換器145は、フィルタ143を介して仮想管体部144から入力されるデジタル信号SBDをアナログ信号に変換するものである。増幅器146は、デジタル/アナログ変換器145からのアナログ信号を増幅して音響信号SBとして加振部124に出力するものである。上述の増幅部141,146の増幅度は、楽音装置100が再現する管楽器特有の自励発振現象が発生するように適切に設定される。
運指情報生成部147は、操作子130から出力された運指信号SCから、演奏者により操作された操作子のスイッチに対応する音高を決定し、その音高を示す運指情報SCCを生成して出力するものである。後述するように、運指情報SCCに基づいて、仮想管体部144が、遅延部1441の遅延特性を制御することにより、演奏者が操作した操作子130のスイッチに対応する音高に応じて楽器管体部の音響特性を模擬する。
増幅器148は、フィルタ143からのデジタル信号SADに基づいて、演奏者に対して放音される音を形成するための音信号を生成するものである。放音部170は、例えばヘッドフォンであり、増幅器148からの音信号に応じて演奏者に音を放音するものである。なお、演奏者がマウスピース110、リード111、消音器120等からの漏れ音を聴取して演奏することができれば、必ずしも増幅器148と放音部170を備える必要はなく、これら増幅器148と放音部170を省略することもできる。
次に、消音器120の構造について詳細に説明する。
図3は、消音器120の断面構造の一例を模式的に示す図である。
消音器120は、一端が楽器のマウスピースに着脱可能に取り付けられる筒状の管体からなる管路部121と、管路部121の他端に設けられた吸音部122とを備える。
管路部121は、前述の図2に示す自然管楽器10のネック部12をなす管部に相当する。管路部121の上流側の端部は、マウスピース110が取り付け可能な形状に形成されている。具体的には、管路部121をなす管体の外周においてマウスピース110に嵌め込まれる部分には、自然管楽器のネック部と同様に、例えばコルク1211が設けられている。これにより、自然管楽器のネック部への取り付けと同様の要領で、管路部121にマウスピース110を取り付けることができる。好ましくは、管路部121は、自然管楽器のネック部と同じ部材で構成されるが、これに限定されない。
管路部121において、前述の図2に示す位置Aに対応する部位には、検出部123と加振部124が設けられる。検出部123は、その収音部の一部(例えばマイクロフォンの振動板)が管路部121の管内(内部)に露出するように取り付けられる。これにより、検出部123は、管路部121の管内に発生する音の波動を検出することができる。加振部124は、その振動板(例えばスピーカのコーン部)が管路部121の管内(内部)に露出するように取り付けられる。これにより、加振部124は、管路部121の管内に音の波動を発生させることができる。
なお、図3に示した例では、検出部123及び加振部124が互いに対向するように管路部121に設けられているが、これに限定されるものではなく、前述の自励発振現象を発生させることを限度として、検出部123と加振部124は、任意に配置することができる。
管路部121の下流側の端部には、吸音部122が設けられる。吸音部122は、管路部121の下流側の端部において音を吸収する。吸音部122は、筒状に形成された管体からなる通気管1221の管内に吸音材1224を充填して構成される。通気管1221は、管路部121の下流側の端部に接続され、管路部121から離れる方向に延びるように形成されている。本実施形態では、通気管1221は、直線状に延びた形状を有するものとするが、例えば屈曲した形状であってもよく、吹奏感を損なわないことを限度に、その形状は任意である。通気管1221の延在方向(図3では長手方向)の先端は外部に開口している。通気管1221は、息抜きダクトとしての機能を兼ねている。なお、吸音材の材料としては、例えば、ウレタン、綿、グラスウール、ロックウールなど、吸音効果のある材料であれば、任意の材料を用いることができる。
通気管1221は、通気管1221の内径が管路部121の内径よりも小さい部分を有している。本実施形態では、管路部121と通気管1221との接続部分において、通気管1221の内径が管路部121の内径よりも小さく設定され、通気管1221の長手方向の全体にわたって、通気管1221の内径が管路部121の内径よりも小さい部分が形成されている。ただし、この例に限らず、例えば後述する図6に示す第2変形例のように、通気管の一部に、この通気管の内径が管路部121の内径よりも小さい部分(第2管部1221B)が形成されていてもよい。また、管路部121及び通気管1221は、通気管1221の径方向外側に延びる段差壁部1222によって相互に接続されている。
上記の構造により、演奏者がマウスピース110から管路部121に吹き込んだ呼気を、通気管1221を通して外部に抜くことができる。このように呼気が外部に抜けていく過程で、管路部121から通気管1221経由で外部に漏洩しようとする音は吸音材1224により吸収される。この場合、通気管1221の内径が小さいほど、管路部121から通気管1221に直進して入射する波動成分が少なくなると同時に、外部に開口する部位である通気管1221の先端部の内周円の面積(以下、管体の内周円の面積を「内径面積」と称す。)が小さくなるので、吸音部122による消音効果が高くなる。
また、通気管1221の延在方向の寸法が長いほど、通気管1221に入射した波動が通気管1221の端部に到達するまでに通過する吸音材1224の量が増えるので、吸音部122による消音効果は高くなる。このため、吸音材1224の密度を増やすことなく、演奏者がマウスピース110から吹き込んだ呼気に対する抵抗を抑制しつつ、消音効果を有効に得ることが可能となる。
管路部121に対して遮音部125が設けられる。遮音部125は、外側遮音ケース1251と、防振材1252と、内側遮音ケース1253と、吸音材1254,1255とを備える。内側遮音ケース1253は、検出部123と加振部124とを覆うように管路部121の外周側に設けられる。内側遮音ケース1253からは、マウスピース110が取り付けられる管路部121の上流側の端部と、吸音部122全体が突出する。吸音材1255は、内側遮音ケース1253の内部空間を埋めるように設けられる。
外側遮音ケース1251は、内側遮音ケース1253を覆うように設けられる。外側遮音ケース1251からは、マウスピース110が取り付けられる管路部121の上流側の端部と、吸音部122の先端側の所定長の部分が突出する。吸音材1254は、外側遮音ケース1251と内側遮音ケース1253との間の内部空間を埋めるように設けられる。防振材1252は、外側遮音ケース1251の外面全体に設けられる。ただし、防振材1252は、外側遮音ケース1251の外面の一部(例えば、加振部124に近い面)に設けられてもよいし、外側遮音ケース1251の内面に設けられてもよい。
以上のように遮音部125を設けることで、加振部124から放出された音が遮音部125の外部に漏れることを抑制することができる。
次に、検出部123と加振部124が取り付けられた管路部121の詳細構造を説明する。
上述のように、本実施形態では、スピーカからなる加振部124は、振動板であるコーン部を備えている。コーン部は、例えば平面形状ではなく、テーパー状となっている。このため、加振部124を管路部121に設けることにより、管路部121を構成する管体の内壁面には凹部が形成される。このため、管路部121の内径面積が、自然管楽器のネック部の内径面積と一致しなくなる。このように管路部121における内径面積が自然管楽器のネック部の内径面積と異なると、吹鳴される音高がずれるおそれがある。そこで、本実施形態では、管路部121の管内に内径面積調整部を設けることにより、加振部124が取り付けられた管路部121の管内の内径面積が自然管楽器のネックの内径面積とほぼ同じになるように、管路部121の管内の形状を調整している。本実施形態では、管路部121の管内の内径面積が自然管楽器のネックの管内の内径面積とほぼ同じであることは、例えば、人間の聴覚上、管内の音響特性がほぼ同じであることを意味する。従って、人間の聴覚上の音響特性がほぼ同じである限りにおいて、加振部124等が取り付けられた管路部121の管内の内径面積と、この管路部121に対応する自然管楽器のネックの管内の内径面積とが異なってもよい。
図4は、消音器120を構成する管路部121の詳細を説明するための説明図である。
管路部121の管内においては、加振部124と対向する位置に内径面積調整部121aが突出して設けられる。内径面積調整部121aは、加振部124のコーン部124aのテーパー形状に対応して円錐に近い形状を有している。内径面積調整部121aが設けられる位置の管路部121には検出部123が取り付けられることから、例えば図示するように検出部123は内径面積調整部121aの中央部分から、例えばその先端が表出するように設けられる。内径面積調整部121aが設けられることによって、管路部121の管内の内径面積は、自然管楽器のネック部の対応する部分の内径面積とほぼ同じになる。具体的には、図4に示すように、加振部124のコーン部124aの中央部分に位置する管路部121の管内の内径面積S11は、加振部124等が取り付けられていない場合の内径面積S12(即ち、管路部121に対応する自然管楽器のネック部の内径面積)とほぼ同じになる。
このように、管路部121における管体の内径面積が自然管楽器の内径面積とほぼ同じになるように管路部121の管内の形状が調整されている。これにより、加振部124の形状に起因した管体共鳴の音高のずれを解消し、吹鳴される音高の精度を向上させることができる。
なお、内径面積調整部121aは、管路部121の管内に対して後付けされるように取り付けられてもよいし、管路部121と一体化されるように形成されてもよい。
次に、上述した消音器120の変形例を説明する。
<第1変形例>
図5は、第1変形例による消音器120Aの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Aは、前述の図3に示す消音器120の構成において、遮音部125を取り除いた構成を有する。その他の構成は、上述の消音器120と同様である。
図3に示す前述の消音器120の構成によれば、加振部124の加振動作に伴って発生する音、または管路部121の管壁の振動により管路部121から漏れる音の音量が大きい場合であっても、優れた消音効果を得ることができるが、これらの音の音量が許容し得る環境においては遮音部125を必ずしも備える必要はない。遮音部125を省略すれば、装置構成を簡略化し、軽量化することができる。
<第2変形例>
図6は、第2変形例による消音器120Bの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Bは、上述の図5の消音器120Aの構成において、吸音部122に代えて吸音部122Bを備える。吸音部122Bは、通気管1221Bと、通気管1221Bに充填された吸音材1224とを備え、通気管1221Bは、第1管部1221Bと、段差壁部1221Bと、第2管部1221Bとから構成される。その他の構成は上述の消音器120Aと同様である。
なお、本変形例では、上述した遮音部125は設けられていないが、本変形例においても、遮音部125を設けてもよい。
本変形例では、通気管1221Bの一部に、その内径が管路部121の内径よりも小さい部分に相当する第2管部1221Bを有している。即ち、管路部121と第1管部1221Bとの接続部分における管路部121及び第1管部1221Bの内径が同等に設定される。また、吸音部122Bを構成する通気管1221Bの延在方向先端における内径(第2管部1221Bの内径)が、この通気管1221Bの延在方向基端における内径(第1管部1221Bの内径)よりも小さく設定されている。具体的には、通気管1221Bを構成する第1管部1221Bは、その一端が管路部121の他端に接続され、管路部121の内径と同等の内径を有する。また、通気管1221Bを構成する第2管部1221Bは、その一端の周縁が第1管部1221Bの他端の周縁に段差壁部1221Bを介して接続され、第1管部1221Bの内径よりも小さい内径を有する。即ち、段差壁部1221Bは、環状に形成され、第1管部1221Bの他端の周縁と第2管部1221Bの一端の周縁との間を接続するように、通気管1221Bの径方向に延在している。また、段差壁部1221Bは、第1管部1221Bの内周面と第2管部1221Bの内周面とを結ぶ段差面(符号なし)を有し、この段差面は管路部121の管内に面している。
前述の第1変形例によれば、管路部121の下流側端部と接合する通気管1221の内径は、管路部121の下流側端部の内径よりも小さい。この場合、管路部121と通気管1221との間の段差壁部1222において波動が反射する。これに対し、図6に示す本変形例によれば、段差壁部1221Bの上流側に位置する第1管部1221Bに吸音材1224が充填されているので、マウスピース110から直進して第1管部1221Bに入射した波動成分のうち、段差壁部1221Bに向かう波動成分と、段差壁部1221Bの段差面での反射成分が抑制される。従って、第1変形例に比較して、吸音部122Bからの反射波が管路部121の内部の波動に与える影響を抑制することができる。これにより、第1変形例に比較して、管楽器特有の自励発振現象を精度よく再現することができ、より優れた吹奏感と遮音効果を両立させることができる。
<第3変形例>
図7は、第3変形例による消音器120Cの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Cは、前述の図5の消音器120Aの構成において、吸音部122に代えて吸音部122Cを備える。吸音部120Cをなす通気管1221Cは、管路部121の下流側端部と接合する基端部における開口部の形状を、管路部121の下流側端部と同じに設定している。また、通気管1221Cは、その基端から先端にかけて徐々に内径が小さくなるテーパー状に形成されている。つまり、通気管1221Cは、その内径が通気管の延在方向基端から先端に向かうに従って小さくなるように形成されている。その他の構成は上述の消音器120Aと同様である。
なお、本変形例では、上述した遮音部125は設けられていないが、本変形例においても、遮音部125を設けてもよい。
本変形例によれば、第1変形例による吸音部1222の段差壁部1222に相当する要素が存在しないので、吸音部122Cからの波動の反射の影響が小さくなる。また、通気管1221Cは、その先端の内径が基端の内径よりも小さくなるテーパー形状を有するので、その内部を伝搬する波動が先端部において制限される。これにより、第2変形例と同様に、管楽器特有の自励発振現象を精度よく再現することができ、より優れた吹奏感と遮音効果を両立させることができる。なお、通気管1221Cは先端部が細いほど遮音効果が高まる。さらに、通気管1221Cはテーパー形状を有することで、通気管1221Cの管壁に反射する波動が散乱する。これにより、通気管1221C自体の共鳴の影響が小さくなるので、通気管1221Cの共鳴に起因した管体共鳴の音高のずれを解消し、吹鳴される音高の精度を向上させることができる。
<第4変形例>
図8は、第4変形例による消音器120Dの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Dは、前述の図5の消音器120Aの構成において、吸音部122に代えて吸音部122Dを備える。吸音部122Dをなす通気管1221Dは、管路部121の下流側端部と接合する基端から先端にかけて管路部121の端部と同じ開口部の形状である。その他の構成は上述の消音器120Aと同様である。
なお、本変形例では、上述した遮音部125は設けられていないが、本変形例においても、遮音部125を設けてもよい。
本変形例によれば、上述の消音器120と比較して通気管1221Dの内径が大きいので、マウスピース110から通気管1221Dに入射する波動成分が増える。そのため、仮に通気管1221Dの長さが通気管1221と同じであれば、マウスピース110から発生された音が外部に漏れる音量が大きくなる。しかし、通気管1221Dの長さを増やせば、上述の消音器120と同等の消音効果を得ることができる。
また、本変形例によれば、上述の消音器120と比較して通気管1221Dの内径が大きいので、演奏者により吹き込まれる呼気に対する抵抗が低減される。加えて、本変形例によれば、第1変形例による吸音部1222の段差壁部1222に相当する要素が存在しないので、吸音部122Dからの波動の反射の影響が小さくなる。従って、本変形例によれば、管楽器の自励発振現象を精度よく再現することができ、上述した第1から第3変形例に比較して、よりいっそう自然管楽器に近い吹奏感を得ることができる。
<第5変形例>
図9は、第5変形例による消音器120Eの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Eは、前述の図5の消音器120Aの構成において、吸音部122に代えて吸音部122Eを備える。吸音部122Eをなす通気管1221Eは、第4変形例と同様に、管路部121の下流側端部と接合する基端から先端にかけて管路部121の端部と同じ開口部の形状である。本変形例では、通気管1221Eに充填された吸音材1224Eは、その密度が通気管1221Eの延在方向基端から先端に向かうに従って増すように充填され、これにより、通気管1221Eの基端側の密度を低くし、通気管1221Eの先端側の密度を高くしている。その他の構成は上述の消音器120Aと同様である。
なお、本変形例では、上述した遮音部125は設けられていないが、本変形例においても、遮音部125を設けてもよい。
本変形例によれば、通気管1221Eの基端側の吸音材1224Eの密度を低くすることにより、上述の第4変形例に比較して、吸音材1224Eでの波動の反射を有効に抑制することができる。一方、通気管1221Eの先端側の吸音材1224Eの密度を高くすることにより遮音効果も保つことができる。従って、本変形例によれば、管楽器の自励発振現象を精度よく再現することができ、上述した第1から第4変形例に比較して、よりいっそう自然管楽器に近い吹奏感を得ることができる。
<第6変形例>
図10は、第6変形例による消音器120Fの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Fは、前述の図6に示す第2変形例による消音器120Bの構成において、図3に示す遮音部125の構成要素である内側遮音ケース1253と吸音材1255を更に備える。その他の構成は、上述の消音器120Bと同様である。
なお、本変形例では、上述した遮音部125は設けられていないが、本変形例においても、遮音部125を設けてもよい。その他の構成は上述の消音器120Aと同様である。
本変形例によれば、上述の第2変形例による効果に加え、加振部124の加振動作に伴って加振部124から発生する音を遮音することができる。従って、本変形例によれば、第2変形例に比較して消音効果を改善することができる。
<第7変形例>
図11は、第7変形例による消音器120Gの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Gは、前述の図6に示す第2変形例による消音器120Bの構成において、図3に示す遮音部125の構成要素である外側遮音ケース1251と吸音材1254を更に備える。その他の構成は、上述の消音器120Bと同様である。
本変形例によれば、上述の第2変形例による効果に加え、加振部124の加振動作に伴って加振部124から発生する音に加えて、管路部121の管壁の振動により管路部121の内部から漏れる音を遮音することができる。従って、第6変形例に比較して更に消音効果を改善することができる。
<第8変形例>
図12は、第8変形例による消音器120Hの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Hは、前述の図6に示す第2変形例による消音器120Bの構成において、図3に示す遮音部125の構成要素である外側遮音ケース1251と、内側遮音ケース1253と、吸音材1254,1255を更に備える。その他の構成は、上述の消音器120Bと同様である。
本変形例によれば、加振部124が、外側遮音ケース1251と内側遮音ケース1253とにより二重に覆われるので、上述の第7変形例に比較して更に消音効果を改善することができる。
<第9変形例>
図13は、第9変形例による消音器120Jの断面構造の一例を模式的に示す図である。消音器120Jは、前述の図6に示す第2変形例による消音器120Bの構成において、図3に示す遮音部125の構成要素である外側遮音ケース1251と、内側遮音ケース1253と、吸音材1254,1255と、防振材1252を更に備える。その他の構成は、上述の消音器120Bと同様である。
本変形例によれば、外側遮音ケース1251の表面が防振材1252で覆われているので、加振部124または管路部121の振動による外側遮音ケース1251の振動が抑制される。従って、上述の第8変形例に比較して更に消音効果を改善することができる。
<第10変形例>
図14は、第10変形例による消音器120K,120L,120Mの断面構造の一例を模式的に示す図である。
図14(A)に示す変形例では、消音器120Kが備える吸音部122Kは、通気管1221Kと吸音材1224とを備える。ここで、通気管1221Kは、前述の第2変形例の通気管1221Bと同様の第1管部1221Bと段差壁部1221Bとを備えると共に、第2変形例の第2管部1221Bに対応する要素として第2管部1221Bを備える。第10変形例では、第2管部1221Bは、その延在方向中途部にマフラーとして機能する拡幅部Jを備えている。また、この変形例では、拡幅部Jは中空とされ、拡幅部Jに吸音材は充填されていない。その他の構成は、前述の第2変形例による消音器120Bと同様である。
この変形例によれば、拡幅部Jを通過する呼気が膨張及び収縮し、呼気の圧力が減衰することで、外部に放出される音の音量が抑制されるというマフラーとしての機能が発揮される。従って、通気管1221Kに充填された吸音材1224による吸音と拡幅部Jによる消音とを組み合わせて、消音効果を更に改善することができる。
図14(B)に示す変形例では、拡幅部Jにも吸音材1224が充填されている。その他の構成は、図14(A)に示す例と同様である。図14(B)の変形例によれば、図14(A)に示した例に比較して、拡幅部Jにおいても吸音材1224による吸音効果が得られるので、消音効果を更に改善することができる。
図14(C)に示す変形例では、拡幅部Jの一部に吸音材1224が充填されている。また、この変形例では、拡幅部Jを形成する管部の内周面に吸音材1224が設けられている。その他の構成は、図14(A)に示す例と同様である。図14(C)の変形例によれば、拡幅部Jにおいて拡散した波動が吸音材1224に吸収されるので、マフラーによる消音効果と吸音材による吸音効果を最適化することができる。
なお、図14(A)〜(C)に示す変形例では、上述した遮音部125は設けられていないが、本変形例においても、遮音部125を設けてもよい。
[動作の説明]
次に、図1を用いて楽音装置100の動作を説明する。
演奏者がマウスピース110に呼気を吹き込むと、マウスピース110に取り付けられたリード111が振動して音圧の変化が発生する。この音圧の変化は、波動となってマウスピース110から管路部121の管内に伝搬する。管路部121に設けられた検出部123は、管路部121の管内を伝搬する波動を検出し、その波動の振幅に応じた信号レベルを有する検出信号SA(アナログ信号)を信号処理部140に出力する。
信号処理部140の増幅器141は、検出部123からの検出信号SAを、後段のアナログ/デジタル変換部142の入力特性に適合した信号に増幅する。アナログ/デジタル変換部142は、増幅器141により増幅された検出信号SAをデジタル信号SADに変換してフィルタ143に出力する。フィルタ143は、デジタル信号SADに含まれるハウリングを引き起こす周波数成分を抑圧して仮想管体部144に出力する。
仮想管体部144は、フィルタ143から入力されたデジタル信号SADを、遅延部1441における遅延処理により遅延させてデジタル信号SBDとして出力する。この遅延処理により、仮想管体部144は、楽器管体部における波動の遅延、即ち、図2に示す位置Aから下流側の楽器管体部の音響特性(波動の伝達特性)を模擬する。この信号処理により得られるデジタル信号SBDは、図2に示す自然管楽器10の終端部(開放端)で反射した後、上流側へ伝搬して戻ってくる波動の振幅の時間波形を表す。
一方、操作子130は、演奏者の操作(運指)に応じて、図2に示す自然管楽器10の複数の音孔Ha,Hb,Hcの開閉に対応した操作子130のスイッチの開閉を示す運指信号SCを信号処理部140に出力する。信号処理部140の運指情報生成部147は、操作子130からの運指信号SCに基づいて、演奏者による操作子130の操作に応じた音高を決定し、その音高を示す音高情報SCCを生成する。仮想管体部144は、上記の音高情報SCCに基づいて遅延部1441の遅延量を設定する。
ここで、仮想管体部144は、遅延部1441の遅延量として、図2に示す自然管楽器10の位置Aから終端部(例えば音孔Hbの位置B)まで波動が伝搬するのに要する時間を設定する。これにより、仮想管体部144は、図2に示す位置Aから下流側の自然管楽器10の管体部の音響特性を再現し、演奏者の運指に応じた音高の音に対応したデジタル信号SBDを生成してフィルタ143に戻す。
フィルタ143は、デジタル信号SBDに含まれたハウリングを引き起こす周波数成分を抑圧してデジタル/アナログ変換器145に出力する。デジタル/アナログ変換器145は、フィルタ143からのデジタル信号SBDをアナログ信号に変換して増幅器146に出力する。増幅器146は、自励発振現象を発生させるために必要な条件を満たす(自然管楽器内を波動が伝搬することによって生じる波動の損失を再現する)ように、デジタル/アナログ変換器145からのアナログ信号を増幅し、これを音響信号SBとして加振部124に出力する。
加振部124は、音響信号SBにより駆動され、上述の検出信号SAが検出された管路部121の管内の位置(図2の位置Aに相当する位置)において管路部121の内部空間を加振し、その管内に波動を発生させる。これにより、図2に示す自然管楽器10の位置Aから下流側に伝搬して終端部で反射し、上流側の位置Aへ伝搬して戻ってくる波動とほぼ同じ波動が管路部121の管内に形成される。加振部124により管路部121の管内に形成された波動は、管路部121から上流側のマウスピース110の内部に伝搬してバックプレッシャを発生させ、リード111を押し戻す。これにより、図2に示す自然管楽器10と同様の自励発振現象が再現され、その発振周波数の定在波が管路部121の管内に形成される。管路部121の管内に形成された音の波動は、前述したように、図3の吸音部122を構成する通気管1221を伝搬する過程で吸音材1224により吸音される。これにより、外部に放出される音の音量が抑制され、静音性が得られる。
また、管路部121の管内に形成された音は、検出部123により検出され、信号処理部140のフィルタ143を介して仮想管体部144と増幅器148に供給されるデジタル信号SADに反映される。信号処理部140の増幅器148は、音が反映されたデジタル信号SADを増幅して放音部170(例えばヘッドフォン)を駆動する。これにより、演奏者による操作子130の操作に応じた音高の音が放音部170から演奏者に対して放音される。なお、増幅器148の入力は、フィルタ143からのデジタル信号SADに限られず、信号処理部140内の信号であって、検出部123から出力された検出信号に基づく信号であれば、どのような信号でもよい。例えば、増幅器148の入力は、仮想管体部144からフィルタ143に入力されるデジタル信号SBDでもよく、デジタル/アナログ変換器145から出力されるアナログ信号でも良い。また、増幅器148の入力がデジタル信号の場合は、増幅器148に入力されるデジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル/アナログ変換器を増幅器148内に備えてもよい。
ここで、演奏者の操作により操作子130のスイッチの開閉が変化すると、そのスイッチの開閉を示す運指信号SCに基づいて、信号処理部140は、仮想管体部144の遅延部1441の遅延量を変化させる。これにより、加振部124が管路部121の内部空間を加振することにより形成される波動の周波数が変化し、管路部121の管内の音の音高が変化する。管路部121の管内の音の音高が変化すると、信号処理部140のフィルタ143から出力されるデジタル信号SADにより示される音の音高が変化するため、このデジタル信号SADに基づいて放音部170から放出される音の音高が変化する。従って、演奏者は放音部170から放音される音を聴取しながら操作子130を操作することにより、演奏を行うことができる。
以上により、本実施形態の楽音装置100によれば、自然管楽器の管体部をマウスピースに装着することなく、自然管楽器と同様の吹奏感を得ながら、その音を再現することができる。従って、管楽器の管体部から実際に音を発生させることなく、所望の音量で管楽器の演奏を楽しむことができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
図15は、本発明の第2実施形態による楽音装置が備える信号処理部(図示なし)の仮想管体部244の物理モデルの一例を説明するための説明図である。また、図16は、本実施形態による仮想管体部の物理モデルの一例を補足説明するための説明図である。図16の上段に模式的に例示する自然管楽器10aは、下流側の端部が閉じている閉管楽器であり、マウスピース11a、ネック部12a、主管体部13aを備え、主管体部13aにオクターブ孔OHを備えている。図16の例では、説明の簡略化のため、ネック部12aと主管体部13aを含む共鳴管をストレート形状とみなしている。
本実施形態による楽音装置は、上述の第1実施形態による楽音装置100の構成において、仮想管体部144に代えて、図16に示す自然管楽器10aのオクターブ孔OHの機能を有する仮想管体部244(図15)を備える。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
トランペットのような金管楽器の音を再現する場合、前述の検出部123により検出した検出信号SCから得られるデジタル信号SADを遅延させ、正相でフィードバックさせることにより、基音の整数倍の周波数にピークを持つ特性を実現することができる。これにより、演奏者は、唇を緊張させることで、自然数倍のN次モード(Nは自然数)の音高を発生させ、広い音域で演奏することができる。しかしながら、上述の第1実施形態による仮想管体部144は、各音高の基音の発生は可能であるが、サクソフォンのような木管楽器のリードの特性上、2次モード以上の音高を発生させることができないため、音域が狭くなる。
そこで、本実施形態では、信号処理部244は、管楽器のオクターブ孔の開閉に応じた楽器管体部の内部における波動の振る舞いを反映させた物理モデルに基づき、この楽器管体部の音響特性を模擬する。即ち、本実施形態では、単純な遅延部によって表現される閉−閉管の途中に、仮想的に1オクターブだけ上の2次モードの音高の音を誘発させるためのオクターブ孔を、ウェーブガイド等の技術を用いて実現する。これにより、再現する音の音域を広げる。
仮に図16の自然管楽器10aがオクターブ孔OHを備えず、単純な遅延信号を正相でフィードバックさせた場合、自然管楽器10aのマウスピース11aと、位置Aから上流側のネック部12aと、位置Aから下流側のネック部12aおよび主管体部13aの内部の波動は、マウスピース11aやネック部12aを含む共鳴管を仮にストレート形状とみなせば、図16の下段に実線で示すように、管楽器の下流側の端部(閉端)の位置P3(図2の位置C)で位相が反転しない場合の音圧に関する定在波により表される。このような管楽器において、上記の定在波を基音として1オクターブ上の2次モードの音高の音を発生させるためには、図16の下段に破線で示す波形のように、節の位置を変化させればよい。そのためには、図16の例では、自然管楽器10aの全長が半波長に相当し、自然管楽器10aの下流側の端部の位置P3から上流側に向かって8分の1波長に相当する位置P2にオクターブ孔OHを形成すればよい。図16の例では、自然管楽器10aの上流側の端部の位置P1から下流側に8分の1波長の位置P4で節を発生させてもよい。
なお、位置P4が仮想管体内に相当する場合、仮想管体のオクターブ孔OHは位置P2もしくは位置P4のいずれか1箇所に設置してもよいし、位置P2および位置P4の両方に設置してもよい。また、位置P4が仮想管体外つまりマウスピース11aやネック部12aの位置となった場合には、その位置に実際のオクターブ孔を開け、実際に開閉させても良い。
図15に示す仮想管体部244は、次のように、図16の下段に点線で例示する波形のうち、位置Aから下流側の波動を模擬し得るように構成される。
仮想管体部244は、遅延部201,206,211と、ゲイン調整器202,208,209,213,214と、減算器203,205,210と、加算器204と、ローパスフィルタ207,212とから構成される。このうち、ゲイン調整器202,209,214と加算器204とにより、オクターブ孔OHが分岐している分岐点へ向かう方向の進行波の信号から、オクターブ孔OHの分岐点での音圧が計算される。また、減算器203,205,210により、加算器204の出力信号を元に、上記オクターブ孔OHが分岐している分岐点からそれぞれ、上流管体側、下流管体側、オクターブ孔へ向かう後退波の波形が生成される。
ここで、遅延部201は、図16の下段に示す自然管楽器10の位置A(即ち、検出部123および加振部124の位置)からオクターブ孔の位置P2までの主管体部13aにおける波動の遅延を表現し、遅延部206は、図16の下段に示す自然管楽器10aのオクターブ孔OHの位置P2から自然管楽器10の終端部の位置P3までの主管体部13aの遅延を表現し、遅延部211は、オクターブ孔OHでの遅延を表現している。また、ローパスフィルタ207は、主管体部13a内の伝搬による周波数依存の損失を表現している。ローパスフィルタ212は、オクターブ孔OH内の伝搬や、オクターブ孔OHが開口した場合の各開口端での反射による周波数依存の損失を表現している。ゲイン調整器202,209,214は、仮想管体内の波動の散乱現象を模擬するためのウェーブガイド係数α1、α2、αtを表現している。ゲイン調整器208,213は、主管体部13aおよびオクターブ孔OHの各閉口端もしくは開口端での反射係数γ,γtを表現している。
本実施形態におけるウェーブガイドの物理モデルでは、ウェーブガイド係数α1、α2、αtと、主管体部13aの内径面積Sと、オクターブ孔OHの内径面積Stは次の関係を有する。
α1=α2=2・S/(2・S+St)
αt=2・St/(2・S+St)
本実施形態では、ゲイン調整器208が表現する反射係数γは「+a」(aは正の数)であり、管体の下流側の端部が閉じている閉管楽器の端部での反射特性を仮想的に表現している。ゲイン調整器213の反射係数γtは、自然管楽器10aのオクターブ孔OHに対応する仮想管体部のオクターブ孔が閉じた状態では「+a」であり、開いた状態では「−a」である。即ち、ゲイン調整器213の反射係数γtは、演奏者によるオクターブ孔OHに対応する操作子の操作に応じて「+a」または「−a」の値をとる。
以上の構成によれば、仮想管体部244は自然管楽器10aのオクターブ孔OHの機能を模擬することができるので、基音の整数倍の音高の音を発生させることができ、広い音域での演奏が可能になる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図17は、本実施形態による楽音装置の全体構成の一例を模式的に示す図である。図18は、本実施形態による楽音装置が備える信号処理部の仮想管体部の物理モデルの一例を補足説明するための説明図である。
本実施形態による楽音装置は、上述の第1実施形態による楽音装置100の構成において、仮想管体部144に代えて、テーパー状の円錐管の音響特性を模擬する仮想管体部344を備える。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
図17に示す仮想管体部344は、円錐管からなる管楽器の楽器管体部の音響特性を複数の円筒管の音響特性を用いて近似する物理モデルに基づいて、円錐管の管楽器の管体部の音響特性を模擬する。本実施形態では、円錐管を近似する2本の円筒管をウェーブガイドフィルタにより実現する。
ここで、図18を参照して、2本の円筒管による円錐管の近似について説明する。図18の上段には、円錐管の自然管楽器10bの全体が示されている。この例では、自然管楽器10bは、マウスピース11bと、ネック部12bと、円錐管からなる主管体部13bとから構成されている。図18の下段には、2本の円筒管で自然管楽器10bの円錐管を近似した例が示されている。この例では、自然管楽器10bの主管体部13bをなす円錐管が2本の円筒管131b,132bにより近似されている。以下では、円筒管131bを「主管部131b」と称し、円筒管132bを「副管部132b」と称す。主管部131bの一端は、管楽器のネック部12bに接続され、この位置から分岐するように副管部132bが取り付けられている。主管部131bの長さは、自然管楽器10bをなす主管体部13bの下流側の端部の位置P3からネック部12bの下流側の端部の位置P5までの長さに相当し、主管部131bの内径面積S1は、ネック部12bの内径面積とほぼ同じである。また、副管部132bの長さはL2であり、その内径面積はS2である。
図17に示す仮想管体部344は、図18に示すように、主管部131bおよび副管部132bの2本の円筒管を用いて円錐管である自然管楽器10bの主管体部13bを近似する場合を想定したものであり、概略的には、上述の図15に示す仮想管体部244の構成要素と対応する要素から構成される。ただし、本実施形態では、各構成要素が表現するパラメータの意味が異なる。
図17において、遅延部301は、図18の下段に示す楽器の先端部の位置P1から主管部131bの上流側の一端の位置P5までの管体の遅延を表現し、遅延部306は、主管部131bにおける遅延を表現し、遅延部311は、副管部132bにおける遅延を表現している。また、ローパスフィルタ307,312は、主管部131bおよび副管部132bの各開口端での反射による周波数依存の損失を表現している。ゲイン調整器302,309,314は、仮想管体内の波動の散乱現象を模擬するためのウェーブガイド係数αi、αL、αxを表現している。ゲイン調整器308,313は、それぞれ、主管部131bおよび副管部132bの開口端での反射係数γL,γxを表現している。加算器304は、主管部131bと副管部132bとの分岐位置P5から上流側の波動の伝達特性と、主管部131bの波動の伝達特性と、副管部132bの波動の伝達特性とを合成するものである。本実施形態では、ゲイン調整器308,313が表現する反射係数γL,γxは、いずれも開放端を表す「−a」(aは正の数)である。
なお、本実施形態では、図18に示すマウスピース11bおよびネック部12bに対応する図1のマウスピース110およびネック部120として、仮想管体ではなく、自然楽器と同様のパーツが使用されるので、図17に示す遅延部301は省略される。この場合、図1のアナログ/デジタル変換器142からフィルタ143を通じてデジタル信号SADが図17のゲイン調整器302に直接入力される。
本実施形態におけるウェーブガイドの物理モデルでは、ウェーブガイド係数αi、αL、αxと、主管部131bの内径面積S1と、副管部132bの内径面積S2は次の関係を有する。
αi=αL=2・S1/(2・S1+H・S1)
αx=2・H・S1/(2・S1+H・S1)
S2=H・S1
L2=H・r
ここで、Hは任意の正の値であり、通常、0<H<1の値に設定される。Hの値が小さい程、円錐管の特性を正確に近似できる。rは、自然管楽器10bの主管体部13bをなす円錐管の斜辺を延長して得られる仮想的な円錐の頂点の位置P0から、主管部131bの上流側の一端(主管体部13bをなす円錐管の上流側の一端)の位置P5までの距離である。L1は主管部131bの長さであり、L2は副管部132bの長さである。
上述の例では、仮想管体部344は、円錐管からなる自然管楽器10bの主管体部13bを、分岐する2本の円筒管(主管部131bおよび副管部132b)により表現したが、太さの異なる円筒管を長手方向に細かく輪切りにして接続した物理モデルを、ウェーブガイドで実現したものを用いてもよい。また、自然管楽器のように、主管体部13bの途中に音孔を設けた物理モデルをウェーブガイドにより構成し、音孔の開閉により各音高を実現してもよい。
また、演奏者の好みに応じて、ワンタッチで管楽器の種類を変更できるように、仮想管体部344を構成してもよい。例えば、ソプラノサックスやアルトサックスなど、形状の異なる複数の自然管楽器の音響特性を模擬する複数の物理モデルを準備し、デジタル・シグナル・プロセッサ上で実現する管体形状に応じて物理モデルをプログラム切替手段によって切り替えてもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図19は、本実施形態による楽音装置400の全体構成の一例を模式的に示す図である。図1に示す構成要素と同一または対応する要素には同一符号を付す。
楽音装置400は、前述の図1に示す第1実施形態による楽音装置100の構成において、信号処理部140に代えて信号処理部440を備えると共に、自然管楽器の主管体部40と波動発生部160を更に備える。また、本実施形態による楽音装置400は、第1実施形態による楽音装置100の操作子130に対応する要素として、運指検出部150を備える。この運指検出部150は、演奏者の運指を検出するものである点で第1実施形態の操作子130と同様のものであるが、本実施形態では、自然管楽器の主管体部に取り付けられた状態で演奏者の運指を検出するものである。また、本実施形態では、管路部121における検出部123及び加振部124の取り付け位置は、主管体部40に取り付けられた加振部163の取り付け位置に対応している。
信号処理部440は、前述の図1に示す第1実施形態による楽音装置100が備える信号処理部140の構成において、仮想管体部144に代えて、開管楽器の音響特性を模擬する物理モデルに基づく仮想管体部444を備える。なお、仮想管体部444が模擬する管楽器の音響特性は、この例に限定されることなく、任意である。
波動発生部160は、主管体部40の上流側の一端に取り付けられ、検出部123から出力された検出信号SAに基づき、主管体部40の内部空間を加振し、その上流側から下流側に向かう波動を発生させるものである。波動発生部160は、増幅部161、音量調整部162、加振部163を備える。増幅部161は、検出部123から出力された検出信号SAを増幅するものである。音量調整部162は、増幅部161の出力信号の振幅を調整して音の音量を調整するものである。加振部163は、音量調整部162により調整された信号に基づき主管体部40の上流側の内部空間を加振するものである。その他の構成は第1実施形態の楽音装置100と同様である。
上述の第1から第3実施形態では、演奏者が自然管楽器の操作キーとは異なる操作子130を用いて運指操作が行われ、この運指操作に応じて合成された音を放音部170から放出するものとして構成したが、本実施形態では、演奏者は自然管楽器の主管体部40に備えられた操作キーを操作することにより演奏を行う。そして、演奏者の演奏に応じて合成された音に基づいて主管体部40の上流側から波動を主管体部40に入射させることにより、自然管楽器の主管体部40を共鳴させる。これにより、自然管楽器に近い音色を再現する。
図20は、本実施形態による楽音装置400の波動発生部160の取り付け構造の一例を模式的に示す図である。主管体部40の上流側の一端は、連結部1601に形成された挿通孔(符号なし)に嵌め込まれる。消音器120を構成する外側遮音ケース1251には連結部1601が固定される。これにより、主管体部40は、連結部1601を介して消音器120に固定される。また、主管体部40の上流側の開口部には、加振部163が取り付けられる。加振部163は、遮音ケース1602に覆われ、遮音ケース1602の外面は防振材1603で覆われている。このような遮音構造により、主管体部40に取り付けられた加振部163の加振動作に伴って発生する不要な音が抑制される構造となっている。
以下では図19、図20を用いて、本実施形態の特徴部である波動発生部160に着目して楽音装置400の動作を説明する。
前述した第1実施形態と同様に、演奏者がマウスピース110に呼気を吹き込むと、前述した管楽器特有の自励発振現象が発生し、演奏者が操作した主管体部40の操作キーに対応する音高の音が管路部121の管内に形成される。検出部123は、管路部121の管内に形成された音の波動を検出し、その波動の振幅に応じた信号レベルを有する検出信号SAを生成して波動発生部160と信号処理部440に出力する。
波動発生部160において、増幅器161は、検出信号SAを増幅して音量調整部162に出力する。音量調整部162は、増幅器161により増幅された信号の振幅を調整して音量を調整する。加振部163は、音量調整部162により音量が調整された信号に駆動され、主管体部40の上流側の内部空間を加振する。これにより、加振部163により波動が発生されて主管体部40に送り込まれる。
ここで、加振部163が発生させる波動は、自然管楽器と同様に形成された管路部121の管内と同じ位相の波動であるから、波動の振幅の違いを除けば、主管体部40が管路部121の下流側端部に直接接続された場合と同様の音響効果を得ることができる。従って、本実施形態によれば、自然管楽器に近い音色の音を再現することができる。また、本実施形態では、運指検出部150は自然管楽器の主管体部40に装着されるので、自然管楽器と同様の操作感を得ることができる。
また、本実施形態によれば、音量調整部162により、加振部163の加振量を調整することができる。これにより、主管体部40から放出される音の音量を任意に調整することができる。従って、音量調整部162により音量を下げれば、例えば夜中などに消音状態で演奏することができる。また、例えば日中など、音量を上げても許容される環境であれば、音量調整部162により音量を上げて、自然管楽器と同様の音量で演奏を楽しむことができる。
上述した本実施形態によれば、演奏者は自然管楽器の主管体部を操作し、この主管体部を利用して音を発生させるので、より自然管楽器に近い運指の操作感覚と音色で演奏を楽しむことができる。また、音量を自由に設定して管楽器の練習/演奏を行うことができる。
上述した各実施形態によれば、仮想管体を利用した管楽器用の消音器を実現することができる。また、可搬性に優れ、静音性能に優れ、音質の良好な木管用ミュート機能を、広い音域で実現する楽音装置を実現することができる。
また、自然管楽器のマウスピースをそのまま用いて演奏することができる。
更に、例えば、自宅で夜中に行う小音量での楽器の演奏や旅行先での演奏などを支援することができる。
100,400…楽音装置、110…マウスピース、111…リード、120,120A,120B,120C,120D,120E,120F,120G,120H,120J,120K,120L,120M…消音器、121…管路部、121a…内径面積調整部、122,122B,122C,122D,122E,122F,122K,122L,122M…吸音部、123…検出部、124…加振部、124a…コーン部、125…遮音部、140,440…信号処理部、144,244,344,444…仮想管体部、1211…コルク、1221,1221B,1221C,1221D,1221E,1221K…通気管、1221B…第1管部、1221B…1221B…第2管部、1222,1221B…段差壁部、1224…吸音材、1251…外側遮音ケース、1252…防振材、1253…内側遮音ケース、1254,1255…吸音材、J…拡幅部。

Claims (5)

  1. 吹奏体が一端に取り付けられる管路部と、
    前記管路部の他端に接続され、前記管路部から延びる通気管と、
    前記通気管に充填された吸音材と、
    を備え、
    前記通気管は、前記通気管の内径が前記管路部の内径よりも小さい部分を有する消音器。
  2. 前記管路部と前記通気管との接続部分における前記管路部及び前記通気管の内径が同等に設定され、
    前記通気管の延在方向先端における前記通気管の内径が、前記通気管の延在方向基端における前記通気管の内径よりも小さい、請求項1に記載の消音器。
  3. 前記通気管は、
    一端が前記管路部の他端に接続され、前記管路部の内径と同等の内径を有する第1管部と、
    前記第1管部の内径よりも小さい内径を有する第2管部と、
    前記第1管部の他端の周縁と前記第2管部の一端の周縁との間を接続する環状の段差壁部と、
    を備えた、請求項2に記載の消音器。
  4. 前記通気管は、その内径が前記通気管の延在方向基端から先端に向かうに従って小さくなるように形成された、請求項2に記載の消音器。
  5. 前記吸音材は、その密度が前記通気管の延在方向基端から先端に向かうに従って増すように前記通気管に充填された、請求項1から4の何れか1項に記載の消音器。
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