JP2014231507A - 新規有機化合物、有機発光素子及び画像表示装置 - Google Patents

新規有機化合物、有機発光素子及び画像表示装置 Download PDF

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方規 村椿
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Abstract

【課題】有機発光素子及び画像表示装置に用いる新規な有機化合物の提供。【解決手段】下式に示すジベンゾ[8,9:10,11]テトラフェノ[5,6−b]カルバゾール骨格を基本骨格に有する有機化合物。(式中、R1乃至R19は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立して選ばれ、Ar1乃至Ar3は、アリール基、またnは0または1である。)【選択図】なし

Description

本発明は、新規な有機化合物、並びにこれを用いた有機発光素子及び画像表示装置に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは有機EL素子と呼ぶ)は、一対の電極とこれら電極間に配置される有機化合物層とを有する電子素子である。これら一対の電極から電子及び正孔を注入することにより、有機化合物層中の発光性有機化合物の励起子を生成し、該励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。
有機発光素子の最近の研究は著しく、低駆動電圧、多様な発光波長、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化を目指している。
電荷輸送性の有機化合物の創出が行われている。素子の駆動電圧を低下させ、低消費電力化させるためである。
例えば、特許文献1に記載されている下記化合物1−A、または特許文献2に記載されている下記化合物1−Bがある。
国際公開第WO2013/009095号パンフレット 米国特許出願公開第2013/0043460号公報
これら特許文献1、2に記載の化合物が有する基本骨格では、高いホール輸送特性は得られず、改善の余地がある。
よって本発明は以下の構造式で示されることを特徴とする有機化合物を提供する。

(1)
乃至R19は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立して選ばれる。Ar乃至Arは、アリール基である。また、nは0または1である。
前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基は置換基を有してよい。
前記置換基はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシル基、シアノ基、ハロゲン原子から選ばれる。
nが0である場合、式(1)中の11H−ジベンゾ[8,9:10,11]テトラフェノ[5,6−b]カルバゾール骨格は水素原子を有する。
また本発明は下記一般式(A)、(B)、(C)のいずれかで示されることを特徴とする有機化合物を提供する。

(A)

(B)

(C)
、R、R11、R12は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立して選ばれる。Ar乃至Arは、アリール基である。また、nは1である。
前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基は置換基を有してよい。
前記置換基はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシル基、シアノ基、ハロゲン原子から選ばれる。
本発明によりホール輸送特性に優れた有機化合物を提供できる。このため駆動電圧の低い有機発光素子を提供することができる。
本発明の有機発光素子と、この有機発光素子に電気接続されたトランジスタと、を有する表示装置の例を示す断面模式図である。
まず本発明に係る有機化合物について説明する。
(化合物の説明)
本発明に係る有機化合物の一例は以下の構造式(1)で示される。

(1)
乃至R19は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立して選ばれる。Ar乃至Arは、アリール基である。また、nは0または1である。nが0である場合、式(1)中の11H−ジベンゾ[8,9:10,11]テトラフェノ[5,6−b]カルバゾール骨格は水素原子を有する。
アルキル基は具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、iso−ペンチル基、ネオペンチル基、tert−オクチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、3−フルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、4−フルオロブチル基、パーフルオロブチル基、5−フルオロペンチル基、6−フルオロヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、4−フルオロシクロヘキシル基である。より好ましくはメチル基、エチル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、トリフルオロメチル基である。
アルコキシ基は具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、iso‐プロポキシ基、n‐ブトキシ基、iso‐ブトキシ基、sec‐ブトキシ基、tert‐ブトキシ基、n‐ペンチルオキシ基、n‐ヘキシルオキシ基、フェノキシ基である。より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基である。
アリール基は具体的には、フェニル基、ナフチル基、インデニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、トリフェニル基、ペリレニル基である。より好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基である。
前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基は置換基を有してよい。
前記置換基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ベンジル基などのアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基などのアリール基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、フェノキシル基などのアルコキシル基、シアノ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子から選ばれる。
更により好ましくはAr1がフェニル基で、R乃至R19は全て水素原子であることが好ましい。
Ar2とAr3は好ましくはフェニル基、フルオレニル基であり且つnは1である。
一般式(1)で示される有機化合物は、11H−ジベンゾ[8,9:10,11]テトラフェノ[5,6−b]カルバゾール骨格を基本骨格に有する縮合多環化合物である。これは直線性が高く配向度が向上するためであり、優れたホール輸送性を示すため好ましい。
そしてこの化合物は配向度パラメータSが−0.50≦S<−0.15の範囲となる。配向度パラメータとは、下記式(A)により表わされるSの値である。
S=(1/2)<3cos2θ−1>=(K−K)/(K+2K) (A)
基板上に形成した薄膜内における分子軸と基板法線方向のなす角をθ、薄膜の多入射角分光エリプソメトリー測定により得られる基板平行方向および垂直方向の消衰係数をそれぞれKおよびKとする。また、多入射角分光エリプソメトリー測定とは、入射角と波長を変えながら、消衰係数などの光学定数を測定することにより、求めることができる。全ての分子が基板と平行方向に配向した場合に−0.50となる。逆に全ての分子が基板に対して垂直に配列した場合、+1.00となる。また、分子が配向せずランダムにある場合は0.00となる。
本発明に係る有機化合物の具体例を以下に示す。しかし、本発明はこれらに限られるものではない。なお式(1)に関する例示化合物は、A群とB群(但しB5、B9は参考例である)である。
更に本発明はC群の例示化合物で示される有機化合物を含む。
上記例示化合物のうち、A群(A1〜A4)に属するものは、分子全体でアリールアミン部位は1つのみで構成されているため、A群に属する化合物は酸化電位が高い。即ち酸化に対して安定である有機化合物であることを意味し、ホール輸送材料、ホスト材料として有用である。
一方、上記例示化合物のうち、B群(B1〜B9)に属するものは、異なったアリールアミン部位を1つずつ、合計2つ含んでおり、C群(C1〜C12)に属する化合物は、同じアリールアミン部位を2つ含んでいる。そのため、B群およびC群に属する化合物は、酸化電位が低い、また、ホールの移動度がより高いため、ホール注入材料、ホール輸送材料、ホスト材料として有用である。さらに、B群は二つのアリールアミン部位が異なるため、左右非対称の構造を有している。そのため、合成工程がC群よりも長くなる。
例示化合物A群、B群、C群はそれぞれ以下の式(A)、(B)、(C)で示すことができる。

(A)

(B)

(C)
、R、R11、R12は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立して選ばれる。Ar乃至Arは、アリール基である。また、nは1である。
前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基は置換基を有してよい。
前記置換基はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシル基、シアノ基、ハロゲン原子から選ばれる。
Arが示す前記アリール基は、例えばフェニル基、ナフチル基のいずれかである。
、R12は例えばそれぞれ独立に水素原子、イソプロピル基、エトキシ基、メチル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、フッ素原子から選ばれる置換基である。
、R11は例えばそれぞれ独立に水素原子、フェノキシ基、トリメチルシリル基、ナフチル基、メチル基から選ばれる置換基である。
(基本骨格の説明)
次に、比較化合物を挙げながら、本発明に係る有機化合物の基本骨格の性質を説明する。
背景技術で説明した化合物1−A、1−Bは、基本骨格において、平面性が低く分子同士が配向しにくいため、ホール輸送能が低いと本発明者は考える。分子の平面性が高くなると、分子同士の重なりが大きくなり、分子同士が配向し易くなる。分子が配向している場合、分子間の分子軌道の重なりが大きくなるため、ホッピング伝導が起こり易く、ホール輸送性は向上する。このため、分子が配向し易い、つまり平面性の高い分子構造を有することが好ましい。本実施形態において、平面性が高い基本骨格とは、骨格内に回転軸が無いことが好ましい。
本発明に係わる有機化合物は式(1)も式(A)、(B)、(C)も基本骨格11H−ジベンゾ[8,9:10,11]テトラフェノ[5,6−b]カルバゾールを有する。
一例に11−フェニル−11H−ジベンゾ[8,9:10,11]テトラフェノ[5,6−b]カルバゾールを下記構造式(2)に示す。

(2)
式(2)と1−A、1−Bの基本骨格(3)(4)を比較する。

(3)

(4)
密度汎関数法(Density Functional Theory)を用いて、B3LYP/6−31Gレベルでの分子軌道計算を行い、分子構造の平面性を比較した。結果を表1に示す。
ここで分子軌道計算は、現在広く用いられているGaussian03(Gaussian 03,Revision D.01,M.J.Frisch,G.W.Trucks,H.B.Schlegel,G.E.Scuseria,M.A.Robb,J.R.Cheeseman,J.A.Montgomery,Jr.,T.Vreven,K.N.Kudin,J.C.Burant,J.M.Millam,S.S.Iyengar,J.Tomasi,V.Barone,B.Mennucci,M.Cossi,G.Scalmani,N.Rega,G.A.Petersson,H.Nakatsuji,M.Hada,M.Ehara,K.Toyota,R.Fukuda,J.Hasegawa,M.Ishida,T.Nakajima,Y.Honda,O.Kitao,H.Nakai,M.Klene,X.Li,J.E.Knox,H.P.Hratchian,J.B.Cross,V.Bakken,C.Adamo,J.Jaramillo,R.Gomperts,R.E.Stratmann,O.Yazyev,A.J.Austin,R.Cammi,C.Pomelli,J.W.Ochterski,P.Y.Ayala,K.Morokuma,G.A.Voth,P.Salvador,J.J.Dannenberg,V.G.Zakrzewski,S.Dapprich,A.D.Daniels,M.C.Strain,O.Farkas,D.K.Malick,A.D.Rabuck,K.Raghavachari,J.B.Foresman,J.V.Ortiz,Q.Cui,A.G.Baboul,S.Clifford,J.Cioslowski,B.B.Stefanov,G.Liu,A.Liashenko,P.Piskorz,I.Komaromi,R.L.Martin,D.J.Fox,T.Keith,M.A.Al−Laham,C.Y.Peng,A.Nanayakkara,M.Challacombe,P.M.W.Gill,B.Johnson,W.Chen,M.W.Wong,C.Gonzalez,and J.A.Pople,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2004).を用いた。
表1内の点線の四角い囲みで示される部分は、化合物(2)、(3)、(4)の差異となる構造部位である。そこに着目して分子形状の平面性を比較した。化合物(2)の点線で囲んだ部位はトリベンゾ[f,k,m]テトラフェン骨格であり、その短辺の長さ(Ly)と長辺の長さ(Lx)からなる平面の面積(Lx・Ly)は113.4Åである。ここで、Lx・Lyの数値が大きいほど、分子構造の平面性が高いと言える。同様にして、化合物(3)の点線で囲んだ部位はトリフェニレン骨格であり、Lx・Lyは43.7Åである。また、化合物(4)の点線で囲んだ部位はピレン骨格であり、Lx・Lyは34.6Åであった。よって、化合物(2)は、化合物(3)、(4)よりもLx・Lyの数値が大きく、平面性が高いため、基板方向への分子配向しやすく、ホール輸送特性に優れる。
すなわち、化合物(2)を基本骨格として有する本発明の式(1)と式(A)、(B)、(C)のいずれに示す有機化合物は、分子配向しやすく、ホール輸送特性に優れるため、有機発光素子に用いた際、駆動電圧を低下させることができる。
以上より、本発明の有機化合物は、基本骨格に11H−ジベンゾ[8,9:10,11]テトラフェノ[5,6−b]カルバゾールを有しているため、優れたホール移動能を有し、有機発光素子にした際に駆動電圧を低下することができる。
本発明者は、本発明に関する有機化合物が配向しやすいのはこの基本骨格を有しているからだと考える。
また、薄膜を形成する方法としては、真空蒸着、スピンコート法、キャスト法などの公知の方法を適用することができる。
次に、本実施形態の有機発光素子について説明する。
本実施形態の有機発光素子は、一対の電極である陽極と陰極と、これら電極間に配置される有機化合物層と、を少なくとも有する。本実施形態の有機発光素子において、有機化合物層は発光層を有していれば単層であってもよいし複数層からなる積層体であってもよい。
ここで有機化合物層が複数層からなる積層体である場合、有機化合物層は、発光層の他に、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等を有してもよい。また発光層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
本実施形態の有機発光素子において、上記有機化合物層の少なくとも一層に本実施形態に係る有機化合物が含まれている。具体的には、本実施形態に係る有機化合物は、上述した発光層、ホール注入層、ホール輸送層、電子ブロッキング層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、電子注入層等のいずれかに含まれている。本実施形態の係る有機化合物は、好ましくは、ホール輸送層に含まれる。
本実施形態の有機発光素子において、本実施形態に係る有機化合物が発光層に含まれる場合、発光層は、本実施形態に係る有機化合物のみからなる層であってもよいし、本実施形態に係る有機化合物と他の化合物とからなる層であってもよい。ここで、発光層が本実施形態に係る有機化合物と他の化合物とからなる層である場合、本実施形態に係る有機化合物は、発光層のホストとして使用してもよいし、ゲストとして使用してもよい。また発光層に含まれ得るアシスト材料として使用してもよい。
また本実施形態の有機発光素子を白色発光素子等の混色発光素子として提供する場合、発光層は単数の層であっても複数層であってもよい。複数層とは陽極と陰極の間に複数の発光層が積層、即ち二層以上積層していてもよく、混色発光素子を有する基板の基板面内方向に発光層が並んでいてもよい。
ここでホストとは、発光層を構成する化合物の中で重量比が最も大きい化合物である。またゲストとは、発光層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さい化合物であって、主たる発光を担う化合物である。またアシスト材料とは、発光層を構成する化合物の中で重量比がホストよりも小さく、ゲストの発光を補助する化合物である。尚、アシスト材料は、第2のホストとも呼ばれている。
本発明者らは種々の検討を行い、本実施形態に係る有機化合物を、ホール輸送層に用いると、高効率で高輝度な光出力を呈し、かつ極めて耐久性が高い素子が得られることを見出した。このホール輸送層は単層でも複層でも良く、複層とはホール輸送性を有する有機層と、別のホール輸送性を有する有機層とが積層している状態を意味する。この場合、有機発光素子の発光色は特に限定されない。より具体的には白色でもよいし、中間色でもよい。
また、製膜方法も蒸着もしくは塗布製膜で製膜を行う。
ここで、本実施形態に係る有機化合物以外にも、低分子あるいは高分子の有機化合物を一緒に使用することができる。この低分子あるいは高分子の有機化合物とはホール注入性化合物あるいはホール輸送性化合物、ホストとなる化合物、発光性化合物、電子注入性化合物あるいは電子輸送性化合物等として使用することができる。
以下にこれらの化合物例を挙げる。
ホール注入性化合物、ホール輸送性化合物としては、ホール移動度が高い材料であることが好ましい。正孔注入性能あるいは正孔輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン、その他導電性高分子が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ホストとしては、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、ピレン誘導体、カルバゾール誘導体、キノキサリン誘導体、キノリン誘導体等)、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機亜鉛錯体、及びトリフェニルアミン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリフェニレン誘導体等の高分子誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
電子注入性化合物、電子輸送性化合物としては、ホール注入性化合物、ホール輸送性化合物のホール移動度とのバランス等を考慮した上で適宜選択される。電子注入性能あるいは電子輸送性能を有する化合物としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
陽極の構成材料としては、仕事関数がなるべく大きい導電体がよい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれら金属単体を複数組み合わせてなる合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物である。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーでもよい。これらの電極物質は1種類を単独で使用してもよいし複数種を併用して使用してもよい。また、陽極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
一方、陰極の構成材料としては、仕事関数が小さい導電体がよい。例えば、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を複数組み合わせた合金も使用することができる。例えば、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は1種類を単独で使用してもよいし、複数種を併用して使用してもよい。また、陰極は一層構成でもよく、多層構成でもよい。
本実施形態の有機発光素子において、本実施形態に係る有機化合物を含有する層及びその他の有機化合物からなる層は、以下に示す方法により形成される。一般には真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマあるいは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により薄膜を形成する。ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として1種単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
本発明の有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも電子写真方式の画像形成装置の露光光源、液晶表示装置のバックライト、カラーフィルターレスの白色光源、カラーフィルターと白色光源等とを有する発光装置などの用途がある。電子写真方式の画像形成装置は例えば複写機やレーザービームプリンタであり、露光光源と感光体を有する。感光体は、露光光源が有する複数の有機発光素子の発光非発光により感光し潜像を得る。複数の有機発光素子は、それぞれがスイッチング素子により発光と非発光が制御される。露光光源は有機発光素子を複数有し、それらは一列に配置され、感光体の長手方向に沿って配置されている。一列に配置された有機発光素子が感光体が近くに配置されるので装置の小型化が可能となる。
カラーフィルタは例えば赤、緑、青の3つの色の少なくともいずれかが透過するフィルターである。白色の色度を調整するためのフィルターと白色光源とを組み合わせた発光装置でもよい。
表示装置は、本実施形態の有機発光素子を表示部に有する。この表示部は複数の画素を有する。そしてこの画素は本実施形態の有機発光素子と、発光輝度を制御するためのスイッチング素子或いは増幅素子の一例であるトランジスタとを有し、この有機発光素子の陽極又は陰極とトランジスタのドレイン電極又はソース電極とが電気接続されている。ここで表示装置は、PC等の画像表示装置として用いることができる。表示装置はトランジスタの他カラーフィルタを有してもよい。
表示装置は、エリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力する入力部を有し、入力された画像を表示部に出力する画像入力装置でもよい。また、撮像装置やインクジェットプリンタが有する表示部として、外部から入力された画像情報を表示する画像出力機能と操作パネルとして画像への加工情報を入力する入力機能との両方を有していてもよい。また表示装置はマルチファンクションプリンタの表示部に用いられてもよい。
照明装置は例えば室内を照明する装置である。照明装置は白色発光(昼白色発光を含む)、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。照明装置は本実施形態に係る有機発光素子とそれに接続されるインバータ回路を有してよい。白とは色温度が4200Kで昼白色とは色温度が5000Kである。照明装置は更にカラーフィルターを有してもよい。
また、本発明の化合物は有機発光素子以外の用途として、有機太陽電池、有機TFT、生体などの蛍光認識材料、フィルム、フィルターなどに用いることができる。
次に、本実施形態の有機発光素子を使用した表示装置について図1を用いて説明する。
図1は、本実施形態の有機発光素子と、この有機発光素子に接続されたトランジスタの一例であるTFT素子と、を有する表示装置の例を示す断面模式図である。図1の表示装置20は、有機発光素子とTFT素子との組み合わせが2組図示されている。構造の詳細を以下に説明する。
図1の表示装置20は、ガラス等の基板1とその上部にTFT素子又は有機化合物層を保護するための防湿性を有する保護膜2が設けられている。また符号3は金属のゲート電極3である。符号4はゲート絶縁膜4であり、5は半導体層である。
TFT素子8は半導体層5とドレイン電極6とソース電極7とを有している。TFT素子8の上部には絶縁膜9が設けられている。コンタクトホール10を介して有機発光素子の陽極11とソース電極7とが接続されている。表示装置はこの構成に限られず、陽極又は陰極のうちいずれか一方とTFT素子のソース電極又はドレイン電極のいずれか一方とが接続されていればよい。
尚、図1の表示装置20において、有機化合物層12は、単層あるいは多層の有機化合物層を1つの層の如く図示をしている。陰極13の上には有機発光素子の劣化を抑制するための第一の保護層14や第二の保護層15が設けられている。
本実施形態に係る表示装置においてトランジスタに代えてスイッチ素子としてMIM素子を用いることもできる。トランジスタは単結晶シリコンウエハを用いたトランジスタに限らず、基板の絶縁性表面上に活性層を有する薄膜トランジスタでもよい。活性層として単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてアモルファスシリコンや微結晶シリコンなどの非単結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、活性層としてIZO(インジウム亜鉛酸化物)やIGZO(インジウムガリウム亜鉛酸化物)などの非単結晶酸化物半導体を用いた薄膜トランジスタであってもよい。薄膜トランジスタはTFT素子とも呼ばれる。
以下、実施例により本発明を説明する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)例示化合物A1の合成
(1)中間体M3−1合成
200mlのナスフラスコに、(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸2.21g(7.7mmol)、2,5−ジブロモ−4−ヨード−1,1‘−ビフェニル2.70g(6.16mmol)、Pd(PPh0.07g、トルエン30ml、エタノール15ml、2M―炭酸ナトリウム水溶液30mlを仕込んだ。次に、反応溶液を、窒素気流下において、80℃で5時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加えて洗浄、抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、メタノールで再結晶を行うことにより、白色固体を1.5g(収率:36%)得た。
(2)中間体M5−1の合成
100mlのナスフラスコに、M3−1を0.5g(1.14mmol)、(2−クロロフェニル)ボロン酸0.54g(3.43mmol)、Pd(PPh0.066g、キシレン50ml、エタノール25ml、4M―炭酸ナトリウム水溶液50mlを仕込んだ。次に、反応溶液を、窒素気流下で5時間加熱還流した。反応終了後、クロロホルム、水を用いて抽出、濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行い、白色固体を0.55mg(収率:78.2%)得た。
(3)例示化合物A1の合成
50ml反応容器内に、M5−1を0.5g(0.81mmol)、酢酸パラジウム0.29g、P(Cy)HBF0.97g、炭酸カリウム1.9g、ジメチルアセトアミド21mlを仕込んだ。次に、反応溶液を窒素気流下で7時間加熱還流した。反応終了後、メタノール、水を加え撹拌し、析出させた個体をろ過により回収した。これを、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)を用いて精製し、得られた固体をo―キシレンを用いて再結晶し、例示化合物A1を0.24g(収率:54.2%)得た。
この化合物の純度はHPLCを用いて純度99%以上であることを確認した。
さらに、MALDI−TOF−MS(Bruker社製Autoflex LRF)を用いて質量分析を行った。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=543.48443.49 計算値:C4225N=543.65
次に、純水、アセトン、イソプロピルアルコールで超音波洗浄したシリコン基板を真空蒸着装置に設置し、真空度4×10−5Pa下において例示化合物A1を蒸着速度1.0nm/secで蒸着し、膜厚50nmの薄膜を作製した。作製した薄膜について、多入射角分光エリプソメータ(J.A.Woollam社製)を用い、入射角を5°毎に45〜75°の範囲、波長を200〜1000nmの範囲でエリプソメトリパラメータを測定した。得られたデータをJ.A.Woollam社製の解析ソフトWVASE32で解析し、KとKの関係から、配向パラメータSを算出した。その結果、例示化合物A1の配向パラメータS=−0.22であり、分子平面は基板に対して平行に配向していることが分かった。
(実施例2)例示化合物B3の合成
(1)中間体M3−2の合成
200mlのナスフラスコに、(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸2g(7.0mmol)、1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン3.40g(7.0mmol)、Pd(PPh0.40g、トルエン40ml、エタノール20ml、2M―炭酸ナトリウム水溶液40mlを仕込んだ。次に、反応溶液を、窒素気流下において、80℃で4時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加えて洗浄、抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、メタノールで再結晶を行うことにより、白色固体を2.18g(収率:52%)得た。
(2)中間体M3−3の合成
M3−2の合成において、(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸をM1−2に、1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼンをM3−2に置き換えた以外は、M3−2の合成と同様の方法により、M3−3を得た。
(3)中間体M5−2の合成
100mlのナスフラスコに、M3−3を0.5g(0.60mmol)、(2−クロロフェニル)ボロン酸0.37g(2.39mmol)、Pd(PPh0.069g、キシレン20ml、エタノール10ml、4M―炭酸ナトリウム水溶液20mlを仕込んだ。次に、反応溶液を、窒素気流下で5時間加熱還流した。反応終了後、クロロホルム、水を用いて抽出、濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、メタノールで分散洗浄を行い、白色固体を0.39g(収率:72.8%)得た。
(4)例示化合物B3の合成
実施例1の(3)A1の合成において、M5−1をM5−2に置き換えた以外は、実施例1の(3)A1の合成と同様の方法により例示化合物B3を得た。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=826.96 計算値:C5432=827.02
次に、実施例1と同様の方法により、例示化合物B3の配向パラメータSの測定を行ったところ、S=−0.25であった。
(実施例3)例示化合物C1の合成
(1)中間体M3−4の合成
200mlのナスフラスコに、(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)ボロン酸2g(7.0mmol)、1,4−ジブロモ−2,5−ジヨードベンゼン1.36g(2.79mmol)、Pd(PPh0.03g、トルエン30ml、エタノール15ml、2M―炭酸ナトリウム水溶液30mlを仕込んだ。
次に、反応溶液を、窒素気流下において、80℃で6時間加熱攪拌した。反応終了後、水を加えて洗浄、抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロベンゼン)にて精製後、メタノールで再結晶を行うことにより、白色固体を0.78g(収率:39%)得た。
(2)中間体M5−3の合成
実施例2の(3)M5−2の合成において、M3−3をM3−4に置き換えた以外は、実施例2の(3)M5−2の合成と同様の方法によりM5−3を得た。
(3)例示化合物C1の合成
実施例1の(3)A1の合成において、M5−1をM5−3に置き換えた以外は、実施例1の(3)A1の合成と同様の方法により例示化合物C1を得た。
[MALDI−TOF−MS]
実測値:m/z=708.80 計算値:C6342=708.85
次に、実施例1と同様の方法により、例示化合物C1の配向パラメータSの測定を行ったところ、S=−0.27であった。
(比較例1)有機発光素子のホール輸送材料として汎用されている化合物4,4‘−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル]ビフェニル(以下、NPD)の配向パラメータSの測定
実施例1と同様の方法によりNPDの配向パラメータSの測定を行ったところ、S=−0.02であり、薄膜内でNPD分子はランダムに配置していることが分かった。
(実施例4)
本実施例では、基板上に、陽極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、陰極が順次形成された有機発光素子を作製した。以下に、本実施例で使用した材料の一部を示す。
まずガラス基板上に、ITOを成膜し、所望のパターニング加工を施すことによりITO電極(陽極)を形成した。このときITO電極の膜厚を100nmとした。このようにITO電極が形成された基板をITO基板として、以下の工程で使用した。
上記ITO基板上に、下記表3に示す有機化合物層及び電極層を連続成膜した。尚、このとき対向する電極(金属電極層、陰極)の電極面積が3mmとなるようにした。各層の材料とその厚みを表2に示す。
得られた素子について、素子の特性を測定・評価した。ITO電極を正極、Al電極を負極にして印加電圧5.9Vをかけたところ、発光効率が8.8cd/Aで、輝度2000cd/m2の青色発光が観測された。発光素子の最大発光波長は460nmであり、色度は(X,Y)=(0.16、0.24)であった。また、得られた素子の安定性を評価するために、10000cd/m2の初期輝度で駆動させた時の輝度が50%減少する寿命を測定したところ700時間を越えた。測定装置は、具体的には電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度は、トプコン社製BM7で測定した。測定の結果を表3に示す。
(実施例5乃至12)
実施例4において、ホール輸送層及びホストを、本発明に係る化合物に適宜変更する以外は、実施例4と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例4と同様に素子の特性を測定・評価した。測定の結果を表3に示す。
(結果と考察)
以上のように、本発明に係わる新規縮合環化合物をホール輸送層、または発光層特にホストとして用いることで、長寿命で低電圧駆動可能な有機発光素子を提供できる。
本発明に係る有機化合物は、高い配向度を有し、ホール輸送性に優れた化合物である。このため本発明に係る有機化合物を有機発光素子の構成材料として用いることで、良好な発光特性を有する有機発光素子を得ることができる。
8 TFT素子
11 陽極
12 有機化合物層
13 陰極

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)に示されることを特徴とする有機化合物。

    (1)
    乃至R19は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立して選ばれる。Ar乃至Arは、アリール基である。また、nは0または1である。
    前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基は置換基を有してよい。
    前記置換基はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシル基、シアノ基、ハロゲン原子から選ばれる。
    nが0である場合、式(1)中の11H−ジベンゾ[8,9:10,11]テトラフェノ[5,6−b]カルバゾール骨格は水素原子を有する。
  2. 下記一般式(A)、(B)、(C)のいずれかで示されることを特徴とする有機化合物。

    (A)

    (B)

    (C)
    、R、R11、R12は、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基からそれぞれ独立して選ばれる。Ar乃至Arは、アリール基である。また、nは1である。
    前記アルキル基、前記アルコキシ基、前記アリール基は置換基を有してよい。
    前記置換基はアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシル基、シアノ基、ハロゲン原子から選ばれる。
  3. 前記Arが示す前記アリール基は、フェニル基、ナフチル基のいずれかであること特徴とする請求項2に記載の有機化合物。
  4. 、R12はそれぞれ独立に水素原子、イソプロピル基、エトキシ基、メチル基、シアノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、フッ素原子から選ばれる置換基であることを特徴とする請求項2あるいは3に記載の有機化合物。
  5. 、R11はそれぞれ独立に水素原子、フェノキシ基、トリメチルシリル基、ナフチル基、メチル基から選ばれる置換基であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  6. 陽極と陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に配置される有機化合物層と、を有する有機発光素子において、
    前記有機化合物層は、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の有機化合物を含有することを特徴とする有機発光素子。
  7. 前記有機化合物層が発光層であることを特徴とする請求項6に記載の有機発光素子。
  8. 前記有機化合物層がホール輸送層であり、前記有機発光素子は発光層を更に有することを特徴とする請求項6に記載の有機発光素子。
  9. 発光層が二層以上積層して配置され、各発光層が発する発光色は、それぞれ異なる色を発光することを特徴とする請求項7あるいは8に記載の有機発光素子。
  10. 白色発光することを特徴とする請求項9に記載の有機発光素子。
  11. 複数の画素を有し、前記複数の画素が、請求項6乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタとを有することを特徴とする表示装置。
  12. 複数の画素を有し、前記複数の画素が、請求項6あるいは10に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に接続されたトランジスタと、カラーフィルターを有することを特徴とする表示装置。
  13. 画像情報を入力するための入力部と、画像を出力するための表示部と、を有し、
    前記表示部が、請求項11あるいは12に記載の表示装置を有することを特徴とする、画像表示装置。
  14. 請求項6乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子と前記有機発光素子に接続するインバータ回路とを有する照明装置。
  15. 更にカラーフィルターを有する請求項14に記載の照明装置。
  16. 請求項6乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子を複数有する光源と、前記光源による露光で潜像を得る感光体とを有する電子写真方式の画像形成装置。
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