JP2014231291A - プラグインハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イグニッションオン時、スタータモータによりエンジンを始動するスタータ始動を許可するまでの所要時間を短縮すること。
【解決手段】駆動系にスタータモータ1と横置きエンジンとモータ/ジェネレータ4を有し、電源システムとして、強電バッテリ21と、キャパシタ23と、キャパシタ23の充放電を制御するハイブリッドコントロールモジュール81と、を備える。この強電バッテリへの外部充電が可能なFFプラグインハイブリッド車両の制御装置において、強電バッテリのバッテリSOCを検出するリチウムバッテリコントローラを設ける。スタータ始動と充放電制御を行うハイブリッドコントロールモジュールは、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における強電バッテリのバッテリSOCが所定値以下である低容量のとき、キャパシタをスタータ始動が可能な状態まで再充電する。
【選択図】図2

Description

本発明は、キャパシタを電源とするスタータモータを備え、強電バッテリへの外部充電が可能なプラグインハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、車両非使用時に常に蓄電部の電圧が既定下限電圧と既定保持電圧の間になるように制御し、かつ車両が運転者認証手段により運転者を認識すれば、蓄電部を満充電にする構成とした蓄電装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−141855号公報
しかしながら、従来装置にあっては、イグニッションオフ中、運転者が車両から降りた状態で外部充電を行うと、運転者が認識されないことで、蓄電部の電圧が既定下限電圧と既定保持電圧の間になるように低く抑えられる。このため、外部充電を開始する時に強電バッテリの充電容量が低く、すぐに外部充電を終了して車両に運転者が乗り込み、イグニッションオンにして走り出すと、スタータモータを用いてエンジン始動しょうとしても、蓄電部が満充電になるまで充電に要する時間を待つ必要がある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、イグニッションオン時、スタータモータによりエンジンを始動するスタータ始動を許可するまでの所要時間を短縮することができるプラグインハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、駆動系にスタータモータとエンジンとモータ/ジェネレータを有する。電源システムとして、前記モータ/ジェネレータの電源である強電バッテリと、前記スタータモータの電源であるキャパシタと、前記キャパシタの充放電を制御するキャパシタ充放電制御手段と、を備え、前記強電バッテリへの外部充電が可能である。
このプラグインハイブリッド車両の制御装置において、前記キャパシタを電源とするスタータモータを用い、前記エンジンをクランキングしてスタータ始動するエンジン始動制御手段と、前記強電バッテリの充電容量を検出する充電容量検出手段と、を設ける。
前記キャパシタ充放電制御手段は、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における前記強電バッテリの充電容量が所定値以下である低容量のとき、前記キャパシタを前記スタータ始動が可能な状態まで再充電する。
よって、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における強電バッテリの充電容量が所定値以下である低容量のとき、キャパシタ充放電制御手段において、キャパシタが、スタータ始動が可能な状態まで再充電される。
すなわち、強電バッテリの充電容量が高容量のときは、強電バッテリの電力を消費する電気自動車走行で走りきれる領域が広くなるため、イグニッションオン後のスタータ始動頻度は低いと予測できる。一方、強電バッテリの充電容量が低容量のときは、逆に電気自動車走行で走りきれる領域が狭くなるため、イグニッションオン後のスタータ始動頻度は高いと予測できる。また、外部充電の場合、時間制約等による事情で、強電バッテリが満充電となるまで待たないで外部充電を終了し、走行し出すときがある。
したがって、外部充電の開始時における強電バッテリの充電容量が低容量のときには、スタータ始動頻度が高いと予測し、キャパシタをスタータ始動が可能な状態まで再充電しておく。これにより、強電バッテリの充電容量が低容量のままで外部充電を終了しても、イグニッションオン後、即スタータ始動を可能な状態が整えられる。
この結果、イグニッションオン時、スタータモータによりエンジンを始動するスタータ始動を許可するまでの所要時間を短縮することができる。
実施例1の制御装置が適用されたFFプラグインハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1の制御装置が適用されたFFプラグインハイブリッド車両のスタータ電源を中心とする電源システム構成を示す電源回路図である。 実施例1の制御装置が適用されたFFプラグインハイブリッド車両の制御システム構成を示すブロック図である。 実施例1のハイブリッドコントロールモジュールにて実行されるキャパシタ充放電制御処理の流れを示すフローチャートである。 CDモードの選択時であって強電バッテリのバッテリSOCが低いときの車速に対して設定されたモータ/ジェネレータの最大出力/トルクの変化特性を示す低SOC用CDモードマップ図である。 CDモードの選択時であって強電バッテリのバッテリSOCが高いときの車速に対して設定されたモータ/ジェネレータの最大出力/トルクの変化特性を示す高SOC用CDモードマップ図である。
以下、本発明のプラグインハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1の制御装置が適用されたFFプラグインハイブリッド車両(プラグインハイブリッド車両の一例)の構成を、「駆動システム構成」、「電源システム構成」、「制御システム構成」、「キャパシタ充放電制御の詳細構成」に分けて説明する。
[駆動システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体を示す。以下、図1に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の駆動システム構成を説明する。
前記駆動システムとして、図1に示すように、スタータモータ1(略称「M」)と、横置きエンジン2(略称「ICE」)と、第1クラッチ3(略称「CL1」)と、モータ/ジェネレータ4(略称「M/G」)と、第2クラッチ5(略称「CL2」)と、ベルト式無段変速機6(略称「CVT」)と、を備えている。ベルト式無段変速機6の出力軸は、終減速ギヤトレイン7と差動ギヤ8と左右のドライブシャフト9R,9Lを介し、左右の前輪10R,10Lに駆動連結される。なお、左右の後輪11R,11Lは、従動輪としている。
前記スタータモータ1は、横置きエンジン2のクランク軸に設けられたエンジン始動用ギヤに噛み合うギヤを持ち、後述するキャパシタ23を電源とし、エンジン始動時にクランク軸を回転駆動するクランキングモータである。
前記横置きエンジン2は、クランク軸方向を車幅方向としてフロントルームに配置したエンジンであり、電動ウォータポンプ12と、横置きエンジン2の逆転を検知するクランク軸回転センサ13と、を有する。
前記第1クラッチ3は、横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4との間に介装された油圧作動による乾式多板摩擦クラッチであり、第1クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。
前記モータ/ジェネレータ4は、第1クラッチ3を介して横置きエンジン2に連結された三相交流の永久磁石型同期モータである。このモータ/ジェネレータ4は、後述する強電バッテリ21を電源とし、ステータコイルには、力行時に直流を三相交流に変換し、回生時に三相交流を直流に変換するインバータ26が、ACハーネス27を介して接続される。
前記第2クラッチ5は、モータ/ジェネレータ4と駆動輪である左右の前輪10R,10Lとの間に介装された油圧作動による湿式の多板摩擦クラッチであり、第2クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。実施例1の第2クラッチ5は、遊星ギヤによるベルト式無段変速機6の前後進切替機構に設けられた前進クラッチ5aと後退ブレーキ5bを流用している。つまり、前進走行時には、前進クラッチ5aが第2クラッチ5とされ、後退走行時には、後退ブレーキ5bが第2クラッチ5とされる。
前記ベルト式無段変速機6は、プライマリ油室とセカンダリ油室への変速油圧によりベルトの巻き付き径を変えることで無段階の変速比を得る変速機である。このベルト式無段変速機6には、メインオイルポンプ14(メカ駆動)と、サブオイルポンプ15(モータ駆動)と、ポンプ吐出圧を調圧することで生成したライン圧を元圧として第1,第2クラッチ油圧及び変速油圧を作り出す図外のコントロールバルブユニットと、を有する。
前記第1クラッチ3とモータ/ジェネレータ4と第2クラッチ5により1モータ・2クラッチの駆動システムが構成され、この駆動システムによる主な駆動態様として、「EVモード」と「HEVモード」を有する。「EVモード」は、第1クラッチ3を開放し、第2クラッチ5を締結してモータ/ジェネレータ4のみを駆動源に有する電気自動車モードであり、「EVモード」による走行を「EV走行」という。「HEVモード」は、両クラッチ3,5を締結して横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4を駆動源に有するハイブリッド車モードであり、「HEVモード」による走行を「HEV走行」という。
前記モータ/ジェネレータ4は、基本的にブレーキ操作時において回生動作を行うことに伴い、ブレーキ操作時にトータル制動トルクをコントロールする回生協調ブレーキユニット16を有する。この回生協調ブレーキユニット16は、ブレーキペダルと電動ブースタとマスタシリンダを備え、電動ブースタは、ブレーキ操作時、ペダル操作量にあらわれる要求制動力から回生制動力を差し引いた分を液圧制動力で分担するというように、回生分/液圧分の協調制御を行う。
[電源システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体システムを示し、図2はスタータ電源を中心とする電源システム構成を示す。以下、図1及び図2に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の電源システム構成を説明する。
前記電源システムとしては、図1に示すように、モータ/ジェネレータ電源としての強電バッテリ21と、12V系負荷電源としての12Vバッテリ22と、スタータ電源としてのキャパシタ23と、を備えている。
前記強電バッテリ21は、モータ/ジェネレータ4の電源として搭載された二次電池であり、例えば、多数のセルを積層したセルモジュールを、バッテリパックケース内に設定したリチウムイオンバッテリが用いられる。この強電バッテリ21には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックスが内蔵され、さらに、エアコン機能を持つバッテリ温度調整ユニット24と、バッテリ充電容量(バッテリSOC)やバッテリ温度を監視するリチウムバッテリコントローラ86と、が付設される。
前記強電バッテリ21とモータ/ジェネレータ4は、DCハーネス25とインバータ26とACハーネス27を介して接続される。インバータ26には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックス28が内蔵され、さらに、暖房回路29と電動エアコン30と、力行/回生制御を行うモータコントローラ83と、が付設される。つまり、インバータ26は、強電バッテリ21の放電によりモータ/ジェネレータ4を駆動する力行時、DCハーネス25からの直流をACハーネス27への三相交流に変換する。また、モータ/ジェネレータ4での発電により強電バッテリ21を充電する回生時、ACハーネス27からの三相交流をDCハーネス25への直流に変換する。
前記強電バッテリ21には、DCハーネス31を介して急速外部充電ポート32が接続されるとともに、DC分岐ハーネス25’と充電器33とACハーネス34とを介して普通外部充電ポート35が接続される。充電器33は、AC/DC変換や電圧変換を行う。急速外部充電時には、例えば、外出先等に設置されている充電スタンドのコネクタプラグを、急速外部充電ポート32に接続することで外部充電される(急速外部充電)。普通外部充電時には、例えば、家庭用電源からのコネクタプラグを、普通外部充電ポート35に接続することで外部充電される(普通外部充電)。
前記12Vバッテリ22は、スタータモータ1を除いた他の補機類である12V系負荷36の電源として搭載された二次電池であり、例えば、エンジン車等で一般的に搭載されている鉛バッテリが用いられる。強電バッテリ21と12Vバッテリ22は、DC分岐ハーネス25”とDC/DCコンバータ37とバッテリハーネス38を介して接続される。DC/DCコンバータ37は、強電バッテリ21からの数百ボルト電圧を12Vに変換するものであり、このDC/DCコンバータ37を、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御することで、12Vバッテリ22の充電量を管理する構成としている。
前記キャパシタ23は、スタータモータ1の専用電源として搭載された蓄電デバイスであり、大きな静電容量を有し、急速充放電性能に優れた特徴を持つ電気二重層キャパシタ(eDLC:electric Double Layer Capacitor)と呼ばれるものが用いられる。補機負荷電源系39とキャパシタ23は、図2に示すように、ヒューズ40を設けたバッテリ分岐ハーネス38’とキャパシタ充電回路41を介して接続される。また、キャパシタ23とスタータモータ1は、キャパシタハーネス42と抵抗43とリレースイッチ44を介して接続される。なお、キャパシタ23とキャパシタ充電回路41等によりDLCユニット45を構成し、スタータモータ1とリレースイッチ44等によりスタータユニット46を構成する。以下、DLCユニット45とスタータユニット46の詳しい構成を説明する。
前記DLCユニット45は、図2に示すように、キャパシタ23と、キャパシタ充電回路41と、自然放電用スイッチ47と、強制放電用スイッチ48と、セル電圧モニタ49(キャパシタ電圧検出手段)と、キャパシタ温度センサ50と、を備えている。
前記キャパシタ23は、複数個のDLCセルを直列/並列に接続して構成したもので、自然放電用スイッチ47と強制放電用スイッチ48とキャパシタ温度センサ50は、複数個のDLCセルの両端部に並列にて設けられる。また、セル電圧モニタ49は、複数個のDLCセルのそれぞれのセル電圧(=キャパシタ容量)を検出するように、各DLCセルに並列に設けられる。
前記キャパシタ充電回路41は、スイッチング方式による半導体リレー内蔵のDC/DCコンバータ回路(スイッチング素子とチョークコイルとコンデンサとダイオードの組み合わせ回路)により構成される。このキャパシタ充電回路41は、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御される半導体リレー51とDC/DCコンバータ52を有する。半導体リレー51は、半導体スイッチング素子を使用した無接点リレーであり、例えば、図2の左下部に概略を示すように、絶縁された入出力の空間を光の信号で伝達するフォトカプラと呼ばれる光半導体を用いた構成としている。この半導体リレー51は、補機負荷電源系38からキャパシタ23を切り離したり接続したりするスイッチ機能を持つ。DC/DCコンバータ52は、入力された直流をスイッチング素子によってパルス電流に細分し、それらを繋ぎ合わせて必要な電圧の直流出力を得ることで、12V直流を13.5V直流に変換する機能とキャパシタ充電電流を切り替える機能を持つ。
前記スタータユニット46は、スタータモータ1と、リレースイッチ43と、電磁アクチュエータ53と、ピニオンシフト機構54と、を備えている。
前記電磁アクチュエータ53は、2つのコイル55,56への通電による電磁力にて、リレースイッチ44をオンにするとともに、ピニオンシフト機構54のピニオン57をリングギヤ58と噛み合う位置までシフトさせる。通電遮断時は、リレースイッチ44をオフにするとともに、ピニオン57をリングギヤ58との噛み合いが解除された位置までシフトする。なお、リングギヤ58は、横置きエンジン2のクランク軸に設けられる。補機負荷電源系39と2つのコイル55,56は、スータータカットオフリレー59とHEV/IS/リレー60とスタータリレー61を設けたバッテリ分岐ハーネス38”を介して接続される。スータータカットオフリレー59の通電/遮断は、ボディコントロールモジュール87により行われる。HEV/IS/リレー60の通電/遮断は、ハイブリッドコントロールモジュール81により行われる。スタータリレー61の通電/遮断は、アンダーフードスイッチングモジュール88により行われる。なお、バッテリ分岐ハーネス38”の交わる位置には、リレー診断用の電圧センサ62が設けられている。
前記ピニオンシフト機構54は、スタータモータ1のモータ軸に対して軸方向移動可能に設けられたピニオン57と、一端側を電磁アクチュエータ53に接続し、他端側をピニオン57のシフト溝に嵌合させたシフトレバー63と、を有する。
[制御システム構成]
図1はFFプラグインハイブリッド車両の全体システムを示し、図2はスタータ電源を中心とする電源システム構成を示し、図3は制御システム構成を示す。以下、図1〜図3に基づいて、FFプラグインハイブリッド車両の制御システム構成を説明する。
前記制御システムとしては、図1〜図3に示すように、車両全体の消費エネルギーを適切に管理する機能を担う統合制御手段として、ハイブリッドコントロールモジュール81(略称:「HCM」)を備えている。このハイブリッドコントロールモジュール81に接続される制御手段として、エンジンコントロールモジュール82(略称:「ECM」)と、モータコントローラ83(略称:「MC」)と、CVTコントロールユニット84(略称:「CVTCU」)と、を有する。そして、データ通信モジュール85(略称:「DCM」)と、リチウムバッテリコントローラ86(略称:「LBC」)と、を有する。さらに、ボディコントロールモジュール87(略称:「BCM」)と、アンダーフードスイッチングモジュール88(略称:「USM」)と、を有する。これらの制御手段は、ハイブリッドコントロールモジュール81とDLCユニット45を接続するLIN通信線89(LIN:「Local Interconnect Network」の略称)を除き、CAN通信線90(CANは「Controller Area Network」の略称)により双方向情報交換可能に接続される。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81は、各制御手段、イグニッションスイッチ91、アクセル開度センサ92、車速センサ93等からの入力情報に基づき、様々な制御を行う。このうち、外部充電が可能なFFプラグインハイブリッド車両を高い燃費効率で走らせることを目的として行われる制御が、強電バッテリ21のバッテリSOCに基づく走行モード(「CDモード」、「CSモード」)の選択制御である。
前記「CDモード(Charge Depleting mode)」は、原則として、強電バッテリ21の電力を消費するEV走行を優先するモードであり、例えば、強電バッテリ21のバッテリSOCがフルSOCから設定SOCまで低下する間にて選択される。但し、EV走行では駆動力が不足する高負荷走行等において、例外的にHEV走行が行われる。この「CDモード」の選択中における横置きエンジン2の始動は、スタータモータ1による始動(スタータ始動)を基本とし、モータ/ジェネレータ4による始動(M/G始動)を例外とする。
前記「CSモード(Charge Sustain mode)」は、原則として、強電バッテリ21の電力を維持するHEV走行を優先するモードであり、強電バッテリ21のバッテリSOCが設定SOC以下になると選択される。つまり、強電バッテリ21のバッテリSOCを所定範囲に維持する必要があるとき、横置きエンジン2の駆動によりモータ/ジェネレータ4を発電させるエンジン発電によるHEV走行を行う。この「CSモード」の選択中における横置きエンジン2の始動は、モータ/ジェネレータ4による始動(M/G始動)を基本とし、スタータモータ1による始動(スタータ始動)を例外とする。なお、モード切り替え閾値である「設定SOC」は、CDモード→CSモードのときの値と、CSモード→CDモードのときの値とでヒステリシスを持たせている。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81では、「CDモード」と「CSモード」の選択制御以外に、スタータモータ1によるエンジン始動制御、キャパシタ23への充電制御、キャパシタ23からの放電制御を行う。さらに、下記のようなスタータ関連制御を行う。
(A)エンジン始動後からスタータ始動許可までの時間短縮制御。
(B)イグニッションオンからスタータ始動許可までの時間短縮制御(実施例1)。
(C)キャパシタ23の劣化進行抑制制御。
(D)キャパシタ23の高温/低温時対策制御。
(E)車両用補機の電圧瞬低防止制御。
前記エンジンコントロールモジュール82は、横置きエンジン2の燃料噴射制御や点火制御や燃料カット制御等を行う。モータコントローラ83は、インバータ26によるモータジェネレータ4の力行制御や回生制御等を行う。CVTコントロールユニット84は、第1クラッチ3の締結油圧制御、第2クラッチ5の締結油圧制御、ベルト式無段変速機6の変速油圧制御等を行う。データ通信モジュール85は、携帯リモコンキーのスイッチを遠隔操作したとき、携帯リモコンキーとの間で通信が成立すると、例えば、充電ポートリッドやコネクタロック機構のロック/アンロックの制御を行う。リチウムバッテリコントローラ86(充電容量検出手段)は、強電バッテリ21のバッテリSOCやバッテリ温度等を管理する。ボディコントロールモジュール87は、スータータカットオフリレー59の通電/遮断制御を行う。アンダーフードスイッチングモジュール87は、インヒビタースイッチ94からのレンジ位置信号に基づき、内蔵するスタータリレー61の通電/遮断制御を行う。
[キャパシタ充放電制御の詳細構成]
図4はハイブリッドコントロールモジュール81にて実行されるキャパシタ充放電制御処理流れを示す(キャパシタ充放電制御手段)。以下、キャパシタ充放電制御処理構成をあらわす図4の各ステップについて説明する。なお、このキャパシタ充放電制御処理は、イグニッションスイッチ91からのオフ信号により開始し、イグニッションスイッチ91からのオフ信号により終了する(イグニッションオフ中)。
ステップS1では、イグニッションオフ中、普通外部充電又は急速外部充電による外部充電が開始されたか否かを判断する。Yes(外部充電開始)の場合はステップS2へ進み、No(外部充電無し)の場合は終了へ進む。
ステップS2では、ステップS1での外部充電開始との判断に続き、リチウムバッテリコントローラ86からの情報として取得される強電バッテリ21のバッテリSOCが、所定値以下であるか否かを判断する。Yes(強電バッテリ低容量)の場合はステップS3へ進み、No(強電バッテリ高容量)の場合はステップS6へ進む。
ここで、強電バッテリ21のバッテリSOCが低容量であるか否かの判断閾値としての「所定値」は、「CDモード」の選択時、強電バッテリ21のバッテリSOCが閾値以上の容量領域を高容量領域と低容量領域に分ける値に設定される。
例えば、「CDモード」が選択される強電バッテリ21のバッテリSOCの閾値を、20%程度とすると、「所定値」は、20%〜100%の領域を高容量領域と低容量領域に分ける60%〜65%程度の値に設定される。
「CDモード」の選択中においては、低SOC用CDモードマップ(図5)と高SOC用CDモードマップ(図6)が、強電バッテリ21のバッテリSOCが、所定値以下の低容量時か所定値を超える高容量時かで切り替えられる。低SOC用CDモードマップは、図5に示すように、低容量時のモータ/ジェネレータ4が許容する最大出力/トルク(M/G出力)の車速特性が設定され、目標駆動力がM/G出力を超えると、EV走行からスター始動を介してHEV走行へ移行する。高SOC用CDモードマップは、図6に示すように、高容量時のモータ/ジェネレータ4が許容する最大出力/トルク(M/G出力)の車速特性が設定され、目標駆動力がM/G出力を超えると、EV走行からスター始動を介してHEV走行へ移行する。両者のM/G出力を比較すると、低SOC用CDモードマップのM/G出力よりも、高SOC用CDモードマップのM/G出力が高く設定される。この結果、CDモード選択時におけるEV走行領域を比較した場合、図5のハッチングで示す低SOC時のEV走行領域よりも、図6のハッチングで示す高SOC時のEV走行領域の方が広い。
ステップS3では、ステップS2での強電バッテリ低容量であるとの判断、或いは、ステップS4でのキャパシタ満充電未完であるとの判断に続き、キャパシタ23の再充電を行い、ステップS4へ進む。
このキャパシタ23の再充電の場合、充電電流として、キャパシタ劣化を抑える通常の電流1(例えば、15A)を選択し、電流1によるキャパシタ23の再充電を行う。
ステップS4では、ステップS3でのキャパシタ再充電に続き、キャパシタ23が満充電完了したか否かを判断する。Yes(キャパシタ満充電完了)の場合はステップS5へ進み、No(キャパシタ満充電未完)の場合はステップS3へ戻る。
ステップS5では、ステップS4でのキャパシタ満充電完了であるとの判断に続き、外部充電終了であるか否かを判断する。Yes(外部充電終了)の場合は終了へ進み、No(外部充電未終了)の場合はステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS2での強電バッテリ高容量であるとの判断、或いは、ステップS5での外部充電未終了であるとの判断、或いは、ステップS6での強電バッテリ低容量であるとの判断に続き、リチウムバッテリコントローラ86からの情報として取得される強電バッテリ21のバッテリSOCが、所定値を超えるか否かを判断する。Yes(強電バッテリ高容量)の場合はステップS7へ進み、No(強電バッテリ低容量)の場合はステップS6へ戻る。
ここで、強電バッテリ21のバッテリSOCが高容量であるか否かの判断閾値としての「所定値」は、ステップS2と同様に、「CDモード」の選択時、強電バッテリ21のバッテリSOCが閾値以上の容量領域を高容量領域と低容量領域に分ける値に設定される。
ステップS7では、ステップS6での強電バッテリ高容量であるとの判断に続き、セル電圧モニタ49により検出されるキャパシタ電圧が、キャパシタ劣化が進行しない電圧b以下であるか否かを判断する。Yes(キャパシタ電圧≦電圧b)の場合ステップS10へ進み、No(キャパシタ電圧>電圧b)の場合はステップS8へ進む。
ここで、キャパシタ劣化が進行しない電圧bは、例えば、実施例1の満充電でキャパシタ電圧が13.5Vのキャパシタ23の場合、6.0V程度に設定される。
ステップS8では、ステップS7又はステップS9でのキャパシタ電圧>電圧bであるとの判断に続き、強制放電用スイッチ48を閉じてキャパシタ23を強制放電し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、ステップS8でのキャパシタ強制放電に続き、セル電圧モニタ49により検出されるキャパシタ電圧が、キャパシタ劣化が進行しない電圧b以下であるか否かを判断する。Yes(キャパシタ電圧≦電圧b)の場合ステップS10へ進み、No(キャパシタ電圧>電圧b)の場合はステップS8へ戻る。
ステップS10では、ステップS7又はステップS9でのキャパシタ電圧≦電圧bであるとの判断に続き、外部充電終了であるか否かを判断する。Yes(外部充電終了)の場合は終了へ進み、No(外部充電未終了)の場合はステップS10の判断を繰り返す。
次に、作用を説明する。
実施例1のFFプラグインハイブリッド車両の制御装置における作用を、[キャパシタ電源回路構成による特徴作用]、[キャパシタ電源による充放電作用]、[高SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ充放電制御作用]、[低SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ充放電制御作用]に分けて説明する。
[キャパシタ電源回路構成による特徴作用]
例えば、アイドルストップ車において、スタータモータの電源を12Vバッテリとする場合、電源回路構成は、実施例1のキャパシタ電源回路構成からDLCユニット45とヒューズ40を除いた構成とされ、これを比較例とする。
この比較例の場合、スタータモータと車両補機類の電源を、1つの12Vバッテリにより共有するものとなる。このため、車両補機類での電力必要量が高い時、スタータモータによるエンジン始動を行うと、供給電力が不足し、エンジン始動開始の瞬間、車両補機類の電圧が急に低下する電圧瞬低が発生する。
これに対し、実施例1では、強電バッテリ21と12Vバッテリ22を、DC/DCコンバータ37を介して接続することで補機負荷電源系39が構成される。DC/DCコンバータ37から分岐して接続されるキャパシタ充電回路41と、キャパシタ充電回路41に接続されるキャパシタ23と、を有してDLCユニット45が構成される。そして、補機負荷電源系39とDLCユニット45との間に、キャパシタ充電回路41に内蔵してスイッチとしての半導体リレー51を設けることで、キャパシタ電源回路が構成される。
この構成により、強電バッテリ21からの電力にて12Vバッテリ22とキャパシタ23を充電しつつ、12Vバッテリ22から車両補機類である12V系負荷36に必要電力を供給し、キャパシタ23からスタータモータ1に必要電力を供給する。すなわち、スタータモータ1と12V系負荷36の電源を共有しないし、12Vバッテリ22とキャパシタ23による2つの電源は、強電バッテリ21による充電バックアップを受ける。
そして、比較例であるアイドルストップ車の電源回路構成を変更することなく、DLCユニット45(キャパシタ充電回路41+キャパシタ23)を追加することでキャパシタ電源回路が構成される。このように、補機類の追加と同じ要領でDLCユニット45を追加できるため、強電バッテリ21とDC/DCコンバータ37の制御は、比較例の制御から変更する必要がない。
さらに、補機負荷電源系39の充放電バランスが崩れそうな場合、DLCユニット45(キャパシタ充電回路41+キャパシタ23)は、充電電流を制御可能で、かつ、スイッチである半導体リレー51により補機負荷電源系39と切り離し可能である。このため、スタータ始動時に半導体リレー51を開いておくことで、車両補機類の電圧が急に低下する電圧瞬低を防止できる。加えて、DC/DCコンバータ37のコンバータ容量や12Vバッテリ22のバッテリ容量を、比較例で設定したコンバータ容量やバッテリ容量から変更する必要がない。
[キャパシタ電源による充放電作用]
上記キャパシタ電源回路に対しハイブリッドコントロールモジュール81により行われる「スタータモータ1によるエンジン始動制御作用」、「キャパシタ23への充電制御作用」、「キャパシタ23からの放電制御作用」を説明する。
スタータモータ1によるエンジン始動は、ハイブリッドコントロールモジュール81からのスタータ始動指令の出力に基づき、HEV/IS/リレー60に通電すると、リレースイッチ44がオンになり、ピニオン57がリングギヤ58と噛み合う位置までシフトする。これにより、キャパシタ23を電源とするスタータモータ1が横置きエンジン2のクランク軸を回転させることでスタータ始動が行われ、通電から所定時間後にHEV/IS/リレー60を遮断する。なお、スータータカットオフリレー59は、エンジン始動を禁止する車両条件が成立する場合を除いて、ボディコントロールモジュール87により通電が維持されている。また、アンダーフードスイッチングモジュール88に内蔵されているスタータリレー61は、Pレンジの選択時に限り通電され、Pレンジ以外のDレンジ等の選択時においては遮断状態である。
したがって、スタータモータ1によるエンジン始動制御は、原則として、スタータ始動許可条件下でのスタータ始動指令によりHEV/IS/リレー60が通電されている間、キャパシタ23の電力を用いてスタータモータ1が駆動し、横置きエンジン2を始動させる。
キャパシタ23への充電は、ハイブリッドコントロールモジュール81からの充電指令の出力に基づき、キャパシタ充電回路41の半導体リレー51を閉とし、キャパシタ充電電流を選択する。これにより、強電バッテリ21からの電力を、DC/DCコンバータ37→ヒューズ40→半導体リレー51→DC/DCコンバータ52を介してキャパシタ23へ導入することで、キャパシタ充電電流に応じた短時間充電が行われる。なお、キャパシタ充電電流としては、電流1(例えば、15A)を基本電流とし、例外として、電流1からの変更により選択可能な電流2(例えば、20A)を有する。
したがって、キャパシタ23への充電制御は、充電指令が出力されている間、強電バッテリ21からの電力を用い、選択されているキャパシタ充電電流によりキャパシタ23を充電する。
キャパシタ23からの放電は、ハイブリッドコントロールモジュール81からの自然放電指令の出力に基づき、DLCユニット45の自然放電用スイッチ47を閉とすることで、キャパシタ23からの自然放電を行う。また、ハイブリッドコントロールモジュール81からの強制放電指令の出力に基づき、DLCユニット45の強制放電用スイッチ48を閉とすることで、キャパシタ23からの強制放電を行う。この強制放電の場合、単位時間当たりの放電量が自然放電の場合よりも大きく設定されている。
したがって、キャパシタ23への強制放電制御は、強制放電指令に基づいて強制放電用スイッチ48を閉としている間、キャパシタ23の電力を抵抗熱に変換し、自然放電よりも短時間にて放電を行う。なお、キャパシタ放電電流としては、電流1を基本電流とし、例外として、電流1より小さい電流2を有する。
したがって、キャパシタ23への強制放電制御は、放電指令が出力されている間、強電バッテリ21から、選択されているキャパシタ放電電流により放電する。
[高SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ充放電制御作用]
例えば、イグニッションオフ後、所定時間(チェンジマインドによりイグニッションオンに切り替える場合を考慮した時間)を経過した後、強制放電させることでキャパシタ劣化が進行しない電圧までキャパシタ電圧を下げる制御を行うものを比較例とする。
この比較例の場合、キャパシタに付いているバランス抵抗によって自然放電してしまうため、1昼夜放置すると、ほぼ0Vまでキャパシタ電圧は下がってしまう。そのため、再イグニッションオン時に、0Vから満充電までキャパシタを再充電する必要があり、その充電時間中はスタータ始動が禁止されてしまう。言い換えると、スタータ始動を基本とするEV走行領域が狭くなる。
このイグニッションオン後のキャパシタ充電時間を短縮するため、プラグインハイブリッド車両の特徴である外部充電情報を用い、イグニッションオフ中においてもキャパシタ充電量(=キャパシタ電圧)を管理するのが、実施例1のキャパシタ充放電制御である。
ここで、強電バッテリ21のバッテリSOCが高容量のときは、強電バッテリ21の電力を消費するEV走行で走りきれる領域が広くなるため、イグニッションオン後のスタータ始動頻度は低いと予測できる。一方、強電バッテリ21のバッテリSOCが低容量のときは、逆にEV走行で走りきれる領域が狭くなるため、イグニッションオン後のスタータ始動頻度は高いと予測できる。また、外部充電の場合、時間制約等による事情で、強電バッテリ21が満充電とはならないうちに外部充電を終了し、イグニッションオンにして走行を開始するときがある。
よって、強電バッテリ21が高SOC状態で外部充電が開始されたときは、イグニッションオン後のスタータ始動頻度は低いとの予測に基づき、キャパシタ劣化防止を優先する。以下、図4に基づき、これを反映して行われる高SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ充放電制御作用を説明する。
まず、イグニッションオフ中に外部充電が開始され、かつ、強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値を超える高容量であるとき、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS6→ステップS7へと進む。そして、ステップS7にてキャパシタ電圧>電圧bと判断されると、ステップS7からステップS8→ステップS9へと進み、ステップS9にてキャパシタ電圧>電圧bと判断されている間、ステップS8→ステップS9へと進む流れが繰り返される。ステップS8では、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧bになるまで強制放電される。
そして、ステップS7又はステップS9にて、キャパシタ電圧≦電圧bであると判断されると、図4のフローチャートにおいて、ステップS7又はステップS9からステップS10へ進み、ステップS10にて外部充電終了であるか否かの判断が繰り返される。そして、ステップS10にて外部充電終了と判断されると、ステップS10→終了へと進み、高SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ強制放電制御を終える。
上記のように、実施例1では、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値を超える高容量のとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧b以下で維持する構成を採用している(図4のステップS6〜ステップS10)。
このため、外部充電の開始時、強電バッテリ21のバッテリSOCが、イグニッションオン後もスタータ始動頻度が低いと予測される高容量のとき、キャパシタ23の劣化進行が防止され、キャパシタ23の寿命を延ばすことができる。
実施例1では、強電バッテリ21が高容量のときであって、かつ、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧bを超えているとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧b以下になるように強制放電する構成を採用している(図4のステップS6〜S9)。
このため、高SOC状態で外部充電が開始され、かつ、キャパシタ電圧が電圧bを超えているとき、自然放電によりキャパシタ電圧が低下するまで待つ場合に比べ、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧bまで早期に低下させることができる。
実施例1では、CDモードの選択中であって、強電バッテリ21が高容量のとき、低容量のときに選択される低SOC用CDモードマップ(図5)に比べEV走行領域を拡大した高SOC用CDモードマップ(図6)を選択する構成を採用している。
すなわち、キャパシタ容量制御と走行モード選択制御での強電バッテリ21の高容量領域と低容量領域が一致することになり、強電バッテリ21が高容量のときのキャパシタ容量制御と走行モード選択制御が互いに協調制御される。
このように、強電バッテリ21が高容量のとき、EV走行領域が拡大されることにより、イグニッションオン後のスタータ始動頻度を低く抑えることができる。加えて、強電バッテリ21が高容量のとき、EV走行領域が拡大されることにより、例えば、強電バッテリ21の容量にかかわらず図5に示すCDモードマップを用いる場合に比べ、燃費の向上を図ることができる。
[低SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ充放電制御作用]
まず、外部充電が途中で終了されてもイグニッションオン後のスタータ始動を確保するには、外部充電の開始時における強電バッテリ21のバッテリSOCに基づいて、キャパシタ容量管理を行う必要がある。よって、強電バッテリ21が低SOC状態で外部充電が開始されたときには、スタータ始動可能電圧以上のキャパシタ電圧を維持し、イグニッションオン後の即スタータ始動を優先する。以下、図4に基づき、これを反映して行われる低SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ充放電制御作用を説明する。
まず、イグニッションオフ中に外部充電が開始され、かつ、強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値以下の低容量で、外部充電を開始直後に終了するときは、図4のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4へと進む。そして、ステップS4にてキャパシタ23が満充電でないと判断されている間、ステップS3→ステップS4へと進む流れが繰り返され、ステップS3では、キャパシタ23が再充電される。そして、ステップS4にてキャパシタ23が満充電であると判断され、次のステップS5にて、外部充電終了であるとの判断に基づき、そのまま終了へと進み、低SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ再充電制御を終える。
一方、高容量になるまで外部充電を継続するときであって、ステップS5にて外部充電未終了であるとの判断される場合は、ステップS5からステップS6へと進み、ステップS6では、強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値を超える高容量であるか否かが判断される。そして、強電バッテリ21への外部充電が進み、バッテリSOCが高容量であると判断されると、ステップS6からステップS7→ステップS8→ステップS9へと進み、ステップS9にてキャパシタ電圧>電圧bと判断されている間、ステップS8→ステップS9へと進む流れが繰り返される。ステップS8では、満充電とされているキャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧bになるまで強制放電される。そして、ステップS9にて、キャパシタ電圧≦電圧bであると判断されるとステップS10へ進み、ステップS10にて外部充電終了であるか否かの判断が繰り返される。そして、ステップS10にて外部充電終了と判断されると、ステップS10→終了へと進み、低SOC状態で外部充電が開始されたときのキャパシタ再充電&強制放電制御を終える。
上記のように、実施例1では、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値以下である低容量のとき、キャパシタ23をスタータ始動が可能な状態まで再充電する構成を採用している(図4のステップS2〜ステップS5)。
すなわち、外部充電の開始時における強電バッテリ21のバッテリSOCが低容量のときには、スタータ始動頻度が高いと予測し、キャパシタ23をスタータ始動が可能な状態まで再充電しておく。これにより、強電バッテリ21のバッテリSOCが低容量のままで外部充電を終了しても、イグニッションオン後、即スタータ始動を可能な状態が整えられる。
この結果、イグニッションオン時、スタータモータ1により横置きエンジン2を始動するスタータ始動を許可するまでの所要時間を短縮することができる。
実施例1では、強電バッテリ21のバッテリSOCが低容量のとき、キャパシタ23を満充電状態まで再充電し、キャパシタ満充電を完了した時点で外部充電が終了していると、キャパシタ23の充電状態を維持する構成を採用している。
したがって、強電バッテリ21のバッテリSOCが低容量のままで外部充電を終了しても、イグニッションオン後、即スタータ始動を可能な状態とされることで、発進域にてHEV走行に移行することができる。
実施例1では、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値以下である低容量のとき、キャパシタ23を満充電状態まで再充電する。そして、外部充電が終了する前に強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値を超えて高容量になると、満充電状態としたキャパシタ電圧を、劣化が進行しない電圧b以下まで強制放電する構成を採用している(図4のステップS5〜ステップS9)。
例えば、低SOC状態で外部充電が開始され、強電バッテリ21が満充電になるまでの外部充電を行うようなときには、強電バッテリ21が低容量の間は、再充電によりキャパシタ3を満充電とし、イグニッションオン後のスタータ始動に待機する。そして、強電バッテリ21が高容量に移行すると、強制放電により満充填状態のキャパシタ電圧を、劣化が進行しない電圧b以下まで下げる。
したがって、低SOC状態で外部充電が開始されたとき、外部充電を低容量域で終了する場合は、イグニッションオン後、即スタータ始動に備えることができると共に、外部充電を高容量域で終了する場合は、キャパシタ劣化を抑制することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のFFプラグインハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動系にスタータモータ1とエンジン(横置きエンジン2)とモータ/ジェネレータ4を有し、
電源システムとして、前記モータ/ジェネレータ4の電源である強電バッテリ21と、前記スタータモータ1の電源であるキャパシタ23と、前記キャパシタ23の充放電を制御するキャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)と、を備え、前記強電バッテリ21への外部充電が可能なプラグインハイブリッド車両(FFプラグインハイブリッド車両)の制御装置において、
前記キャパシタ23を電源とするスタータモータ1を用い、前記エンジン(横置きエンジン2)をクランキングしてスタータ始動するエンジン始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)と、
前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)を検出する充電容量検出手段(リチウムバッテリコントローラ86)と、を設け、
前記キャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が所定値以下である低容量のとき、前記キャパシタ23を前記スタータ始動が可能な状態まで再充電する(図4)。
このため、イグニッションオン時、スタータモータ1によりエンジン(横置きエンジン2)を始動するスタータ始動を許可するまでの所要時間を短縮することができる。
(2) 前記キャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が低容量のとき、前記キャパシタ23を満充電状態まで再充電し、キャパシタ満充電を完了した時点で外部充電が終了していると、前記キャパシタ23の充電状態を維持する(図4)。
このため、(1)の効果に加え、強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が低容量のままで外部充電を終了しても、イグニッションオン後、即スタータ始動を可能な状態とされることで、発進域にてHEV走行に移行することができる。
(3) 前記キャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が所定値を超える高容量のとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧b以下で維持する(図4)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、外部充電の開始時、強電バッテリ21がイグニッションオン後もスタータ始動頻度が低いと予測される高容量のとき、キャパシタ23の劣化進行が防止され、キャパシタ23の寿命を延ばすことができる。
(4) 前記キャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、前記強電バッテリ21が高容量のときであって、かつ、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧bを超えているとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧b以下になるように強制放電する(図4)。
このため、(3)の効果に加え、高SOC状態で外部充電が開始され、かつ、キャパシタ電圧が電圧bを超えているとき、自然放電によりキャパシタ電圧が低下するまで待つ場合に比べ、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧bまで早期に低下させることができる。
(5) 前記キャパシタ充放電制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が所定値以下である低容量のとき、前記キャパシタ23を満充電状態まで再充電し、外部充電が終了する前に前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が所定値を超えて高容量になると、前記満充電状態としたキャパシタ電圧を、劣化が進行しない電圧b以下まで強制放電する(図4)。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、低SOC状態で外部充電が開始されたとき、外部充電を低容量域で終了する場合は、イグニッションオン後、即スタータ始動に備えることができると共に、外部充電を高容量域で終了する場合は、キャパシタ劣化を抑制することができる。
(6) 前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が閾値以上のとき、原則として前記強電バッテリ21の電力を消費してEV走行を行う「CDモード」を選択し、前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が閾値未満のとき、原則として前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)を維持するようにHEV走行を行う「CSモード」を選択する走行モード選択制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)を有し、
前記走行モード選択制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、前記「CDモード」の選択中であって、前記強電バッテリ21の充電容量(バッテリSOC)が所定値を超える高容量のとき、低容量のときに選択される低容量用CDモードマップ(低SOC用CDモードマップ)に比べEV走行領域を拡大した高容量用CDモードマップ(高SOC用CDモードマップ)を選択する(図5、図6)。
このため、(1)〜(5)の効果に加え、イグニッションオン後のスタータ始動頻度を低く抑えることができると共に、イグニッションオン後の「CDモード」による走行中に燃費の向上を図ることができる。
以上、本発明のプラグインハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、キャパシタ充放電制御手段として、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値以下である低容量のとき、再充電によりキャパシタ23を満充電状態にする例を示した。しかし、キャパシタ充放電制御手段としては、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における強電バッテリ21のバッテリSOCが所定値以下である低容量のとき、再充電によりキャパシタ電圧をスタータ始動可能電圧(例えば、12.5V)以上まで高める例としても良い。
実施例1では、キャパシタ充放電制御手段として、バッテリSOCとキャパシタ電圧情報を用いて再充電や放電の制御を行う例を示した。しかし、キャパシタ充放電制御手段としては、バッテリSOCとキャパシタ電圧情報の代わりにキャパシタ容量情報を用いて再充電や放電の制御を行う例としても良い。つまり、キャパシタ容量をQ、静電容量をC、キャパシタ電圧をVとすると、Q=C・Vであらわされ、静電容量Cが一定であると、キャパシタ容量Qは、キャパシタ電圧Vに比例することで、キャパシタ電圧情報の代わりにキャパシタ容量情報を用いても等価制御になる。
実施例1では、キャパシタ充放電制御手段として、ハイブリッドコントロールモジュール81を用いる例を示した。しかし、キャパシタ充放電制御手段としては、独立に設けた電源系コントローラを用いても良いし、また、ハイブリッドコントロールモジュール以外のコントローラに、電源系のキャパシタ充放電制御部を設けるような例としても良い。
実施例1では、本発明の制御装置をFFプラグインハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本発明の制御装置は、FFプラグインハイブリッド車両に限らず、FRプラグインハイブリッド車両や4WDプラグインハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、スタータ電源としてキャパシタを備え、強電バッテリへの外部充電が可能なプラグインハイブリッド車両であれば適用できる。
1 スタータモータ
2 横置きエンジン(エンジン)
3 第1クラッチ
4 モータ/ジェネレータ
5 第2クラッチ
6 ベルト式無段変速機
10R,10L 左右前輪
11R,11L 左右後輪
21 強電バッテリ
22 12Vバッテリ
23 キャパシタ
32 急速外部充電ポート
33 充電器
35 普通外部充電ポート
37 DC/DCコンバータ
41 キャパシタ充電回路
45 DLCユニット
49 セル電圧モニタ
51 半導体リレー
52 DC/DCコンバータ
81 ハイブリッドコントロールモジュール(キャパシタ充放電制御手段、エンジン始動制御手段、走行モード選択制御手段)
86 リチウムバッテリコントローラ(充電容量検出手段)

Claims (6)

  1. 駆動系にスタータモータとエンジンとモータ/ジェネレータを有し、
    電源システムとして、前記モータ/ジェネレータの電源である強電バッテリと、前記スタータモータの電源であるキャパシタと、前記キャパシタの充放電を制御するキャパシタ充放電制御手段と、を備え、前記強電バッテリへの外部充電が可能なプラグインハイブリッド車両の制御装置において、
    前記キャパシタを電源とするスタータモータを用い、前記エンジンをクランキングしてスタータ始動するエンジン始動制御手段と、
    前記強電バッテリの充電容量を検出する充電容量検出手段と、を設け、
    前記キャパシタ充放電制御手段は、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における前記強電バッテリの充電容量が所定値以下である低容量のとき、前記キャパシタを前記スタータ始動が可能な状態まで再充電する
    ことを特徴とするプラグインハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたプラグインハイブリッド車両の制御装置において、
    前記キャパシタ充放電制御手段は、前記強電バッテリの充電容量が低容量のとき、前記キャパシタを満充電状態まで再充電し、キャパシタ満充電を完了した時点で外部充電が終了していると、前記キャパシタの充電状態を維持する
    ことを特徴とするプラグインハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載されたプラグインハイブリッド車両の制御装置において、
    前記キャパシタ充放電制御手段は、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における前記強電バッテリの充電容量が所定値を超える高容量のとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧以下で維持する
    ことを特徴とするプラグインハイブリッド車両の制御装置。
  4. 請求項3に記載されたプラグインハイブリッド車両の制御装置において、
    前記キャパシタ充放電制御手段は、前記強電バッテリが高容量のときであって、かつ、キャパシタ電圧が、劣化が進行しない電圧を超えているとき、キャパシタ電圧を劣化が進行しない電圧以下になるように強制放電する
    ことを特徴とするプラグインハイブリッド車両の制御装置。
  5. 請求項1から4までの何れか一項に記載されたプラグインハイブリッド車両の制御装置において、
    前記キャパシタ充放電制御手段は、イグニッションオフ中であって、外部充電の開始時における前記強電バッテリの充電容量が所定値以下である低容量のとき、前記キャパシタを満充電状態まで再充電し、外部充電が終了する前に前記強電バッテリの充電容量が所定値を超えて高容量になると、前記満充電状態としたキャパシタ電圧を、劣化が進行しない電圧以下まで強制放電する
    ことを特徴とするプラグインハイブリッド車両の制御装置。
  6. 請求項1から5までの何れか一項に記載されたプラグインハイブリッド車両の制御装置において、
    前記強電バッテリの充電容量が閾値以上のとき、原則として前記強電バッテリの電力を消費してEV走行を行うCDモードを選択し、前記強電バッテリの充電容量が閾値未満のとき、原則として前記強電バッテリの充電容量を維持するようにHEV走行を行うCSモードを選択する走行モード選択制御手段を有し、
    前記走行モード選択制御手段は、前記CDモードの選択中であって、前記強電バッテリの充電容量が所定値を超える高容量のとき、低容量のときに選択される低容量用CDモードマップに比べEV走行領域を拡大した高容量用CDモードマップを選択する
    ことを特徴とするプラグインハイブリッド車両の制御装置。
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