JP6187058B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、EVモードでエンジン始動要求があると、走行駆動用のモータをエンジンスタータとし、第1クラッチを介してエンジンをクランキングするハイブリッド車両の制御装置に関する。
従来、4つの学習許可判定条件(MG回転数安定条件、MGトルク安定条件、ロー側変速段条件、CL2伝達トルク安定条件)が成立したときにのみ、エンジンとモータの間に介装された第1クラッチCL1のトルク−ストロークマップの学習補正を行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−30428号公報
しかしながら、従来装置にあっては、4つの安定条件のうち何れか1つの条件が成立しないと第1クラッチCL1のトルク−ストロークマップの学習補正が許可されない。したがって、第1クラッチの摩擦係数が変化したとき、摩擦係数変化を反映した学習補正値が得られるのに長い時間を要することになる。このため、エンジン始動時、スリップ締結される第1クラッチの伝達トルクが所望のトルクから外れてしまったとき、摩擦係数変化を反映した学習補正値が得られるまで、トルク外れによるエンジンクランキングを複数回経験しなければならない、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、第1クラッチの摩擦係数が上昇したとき、クラッチ摩擦係数の上昇を反映した学習補正を応答良く行うことができるハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、駆動系に、エンジンと、第1クラッチと、モータと、駆動輪と、を備え、前記モータを駆動源とするEVモードでエンジン始動要求があると、前記モータをエンジンスタータとし、前記第1クラッチを介して前記エンジンをクランキングする。
このハイブリッド車両の制御装置において、エンジン始動制御手段と、学習補正制御手段と、を備える。
前記エンジン始動制御手段は、前記エンジン始動要求があると、前記エンジンのクランキング制御を開始すると共に、目標モータ回転数と実モータ回転数を比較し、前記実モータ回転数が前記目標モータ回転数より低くなると、前記第1クラッチへの指示トルクを下げる回転数フィードバック制御を行って前記エンジンを始動する。
前記学習補正制御手段は、前記回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、次回のエンジン始動時から前記第1クラッチへの指示トルクを低下させる学習補正を行う。
学習補正では、前記回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、前記第1クラッチの伝達トルクがモータトルク上限まで使いきってしまったときの値であると仮定したときの学習補正値に設定する。
よって、エンジン始動制御側では、クランキング制御中、実モータ回転数が目標モータ回転数より低くなると、第1クラッチへの指示トルクを下げる回転数フィードバック制御が行われる。そして、学習補正制御側では、回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、次回のエンジン始動時から第1クラッチへの指示トルクを低下する学習補正が行われる。
すなわち、クランキング制御中、第1クラッチの実伝達トルクがモータ駆動トルクを超えるようなとても大きい場合は、その負荷によりモータが目標モータ回転数を維持できなくなり、実モータ回転数が低下するモータ回転の引き込みが発生する。そして、モータ回転の引き込みが発生するのは、指示トルクに対し第1クラッチの実伝達トルクが高いことに原因がある。よって、クランキング制御中に回転数フィードバック制御が介入することで、第1クラッチの摩擦係数が上昇していると推定できる。
これに対し、回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、第1クラッチの摩擦係数が上昇しているとの推定を直ちに反映し、第1クラッチへの指示トルクを低下する学習補正が行われる。このため、次回のエンジン始動時からは、モータ回転の引き込みが生じないエンジン始動にすることが可能となる。
この結果、第1クラッチの摩擦係数が上昇したとき、クラッチ摩擦係数の上昇を反映した学習補正を応答良く行うことができる。
加えて、学習補正では、回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、第1クラッチの伝達トルクがモータ駆動トルクを超えるようなとても大きい値であると仮定したときの学習補正値に設定するため、回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験したとき、想定される第1クラッチの摩擦係数μの急上昇に応じた学習量による学習補正を行うことができる。
実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両を示す全体システム図である。 実施例1のハイブリッドコントロールモジュールにて実行されるエンジン始動制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1のハイブリッドコントロールモジュールにて実行されるCL1μ学習補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例1でのCL1μ学習補正制御処理でのCL1推定トルクの演算を説明するためのハイブリッド駆動系を示す概略図である。 CL1実トルクが多少大きいときの(CL1実トルク+補機負荷)とモータトルクを示す対比図である。 CL1実トルクがとても大きいときの(CL1実トルク+補機負荷)とモータトルクを示す対比図である。 回転数FB作動時のCL1指示トルク・CL1推定トルク・モータ回転・エンジン回転の各特性を示すタイムチャートである。 回転数FB作動検知でCL1μ学習するときのPレンジシフト時発電要求・CL1状態・初爆完了フラグ・CL1指示トルク安定判定・CL1実トルク安定判定・CL1推定温度・CL1推定温度判定・CL1μ学習許可フラグ・CL1μ学習値取得許可・通常トルク大小判定NE閾値検知・通常トルク大小判定に従い学習値算出・強制トルク大判定・強制トルク大判定に従い学習値算出・μ学習値(オフセット)・μ学習考慮μ・始動回数・CL1指示トルク・CL1推定トルク・目標モータ回転・実モータ回転・実エンジン回転の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1の制御装置が適用されたFFハイブリッド車両(ハイブリッド車両の一例)の構成を、「全体システム構成」、「エンジン始動制御の詳細構成」、「CL1μ学習補正制御の詳細構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1はFFハイブリッド車両の全体システムを示す。以下、図1に基づいて、FFハイブリッド車両の全体システム構成を説明する。
FFハイブリッド車両の駆動系としては、図1に示すように、スタータモータ1と、横置きエンジン2と、第1クラッチ3(略称「CL1」)と、モータ/ジェネレータ4と、第2クラッチ5(略称「CL2」)と、ベルト式無段変速機6(略称「CVT」)と、を備えている。ベルト式無段変速機6の出力軸は、終減速ギヤトレイン7と差動ギヤ8と左右のドライブシャフト9R,9Lを介し、左右の前輪10R,10Lに駆動連結される。なお、左右の後輪11R,11Lは、従動輪としている。
前記スタータモータ1は、横置きエンジン2のクランク軸に設けられたエンジン始動用ギヤに噛み合うギヤを持ち、エンジン始動時にクランク軸を回転駆動するクランキングモータである。
前記横置きエンジン2は、クランク軸方向を車幅方向としてフロントルームに配置したエンジンであり、電動ウォータポンプ12と、横置きエンジン2の逆転を検知するクランク軸回転センサ13と、を有する。
前記第1クラッチ3は、横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4との間に介装された油圧作動によるノーマルオープンの乾式多板摩擦クラッチであり、第1クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。なお、ストロークセンサは備えていない。
前記モータ/ジェネレータ4は、第1クラッチ3を介して横置きエンジン2に連結された三相交流の永久磁石型同期モータである。このモータ/ジェネレータ4は、後述する強電バッテリ21を電源とし、ステータコイルには、力行時に直流を三相交流に変換し、回生時に三相交流を直流に変換するインバータ26が、ACハーネス27を介して接続される。
前記第2クラッチ5は、モータ/ジェネレータ4と駆動輪である左右の前輪10R,10Lとの間に介装された油圧作動による湿式の多板摩擦クラッチであり、第2クラッチ油圧により完全締結/スリップ締結/開放が制御される。実施例1の第2クラッチ5は、遊星ギヤによるベルト式無段変速機6の前後進切替機構に設けられた前進クラッチ5aと後退ブレーキ5bを流用している。つまり、前進走行時には、前進クラッチ5aが第2クラッチ5とされ、後退走行時には、後退ブレーキ5bが第2クラッチ5とされる。
前記ベルト式無段変速機6は、プライマリ油室とセカンダリ油室への変速油圧によりベルトの巻き付き径を変えることで無段階の変速比を得る変速機である。このベルト式無段変速機6には、メインオイルポンプ14(メカ駆動)と、サブオイルポンプ15(モータ駆動)と、メインオイルポンプ14からのポンプ吐出圧を調圧することで生成したライン圧PLを元圧として第1,第2クラッチ油圧及び変速油圧を作り出す図外のコントロールバルブユニットと、を有する。なお、メインオイルポンプ14は、モータ/ジェネレータ4のモータ軸(=変速機入力軸)により回転駆動される。サブオイルポンプ15は、主に潤滑冷却用油を作り出す補助ポンプとして用いられる。
前記第1クラッチ3とモータ/ジェネレータ4と第2クラッチ5により1モータ・2クラッチの駆動システムが構成され、この駆動システムによる主な駆動態様として、「EVモード」と「HEVモード」を有する。「EVモード」は、第1クラッチ3を開放し、第2クラッチ5を締結してモータ/ジェネレータ4のみを駆動源に有する電気自動車モードであり、「EVモード」による走行を「EV走行」という。「HEVモード」は、両クラッチ3,5を締結して横置きエンジン2とモータ/ジェネレータ4を駆動源に有するハイブリッド車モードであり、「HEVモード」による走行を「HEV走行」という。
なお、図1の回生協調ブレーキユニット16は、ブレーキ操作時、原則として回生動作を行うことに伴い、トータル制動トルクをコントロールするデバイスである。この回生協調ブレーキユニット16には、ブレーキペダルと、横置きエンジン2の吸気負圧を用いる負圧ブースタと、マスタシリンダと、を備える。そして、ブレーキ操作時、ペダル操作量に基づく要求制動力から回生制動力を差し引いた分を液圧制動力で分担するというように、回生分/液圧分の協調制御を行う。
FFハイブリッド車両の電源システムとしては、図1に示すように、モータ/ジェネレータ電源としての強電バッテリ21と、12V系負荷電源としての12Vバッテリ22と、を備えている。
前記強電バッテリ21は、モータ/ジェネレータ4の電源として搭載された二次電池であり、例えば、多数のセルにより構成したセルモジュールを、バッテリパックケース内に設定したリチウムイオンバッテリが用いられる。この強電バッテリ21には、強電の供給/遮断/分配を行うリレー回路を集約させたジャンクションボックスが内蔵され、さらに、バッテリ冷却機能を持つ冷却ファンユニット24と、バッテリ充電容量(バッテリSOC)やバッテリ温度を監視するリチウムバッテリコントローラ86と、が付設される。
前記強電バッテリ21とモータ/ジェネレータ4は、DCハーネス25とインバータ26とACハーネス27を介して接続される。インバータ26には、力行/回生制御を行うモータコントローラ83が付設される。つまり、インバータ26は、強電バッテリ21の放電によりモータ/ジェネレータ4を駆動する力行時、DCハーネス25からの直流をACハーネス27への三相交流に変換する。また、モータ/ジェネレータ4での発電により強電バッテリ21を充電する回生時、ACハーネス27からの三相交流をDCハーネス25への直流に変換する。
前記12Vバッテリ22は、補機類である12V系負荷の電源として搭載された二次電池であり、例えば、エンジン車等で搭載されている鉛バッテリが用いられる。強電バッテリ21と12Vバッテリ22は、DC分岐ハーネス25aとDC/DCコンバータ37とバッテリハーネス38を介して接続される。DC/DCコンバータ37は、強電バッテリ21からの数百ボルト電圧を12Vに変換するものであり、このDC/DCコンバータ37を、ハイブリッドコントロールモジュール81により制御することで、12Vバッテリ22の充電量を管理する構成としている。
FFハイブリッド車両の制御システムとしては、図1に示すように、車両全体の消費エネルギーを適切に管理する機能を担う統合制御手段として、ハイブリッドコントロールモジュール81(略称:「HCM」)を備えている。このハイブリッドコントロールモジュール81に接続される制御手段として、エンジンコントロールモジュール82(略称:「ECM」)と、モータコントローラ83(略称:「MC」)と、CVTコントロールユニット84(略称:「CVTCU」)と、リチウムバッテリコントローラ86(略称:「LBC」)と、を有する。ハイブリッドコントロールモジュール81を含むこれらの制御手段は、CAN通信線90(CANは「Controller Area Network」の略称)により双方向情報交換可能に接続される。
前記ハイブリッドコントロールモジュール81は、各制御手段、イグニッションスイッチ91、アクセル開度センサ92、車速センサ93等からの入力情報に基づき、様々な制御を行う。エンジンコントロールモジュール82は、横置きエンジン2の燃料噴射制御や点火制御や燃料カット制御等を行う。モータコントローラ83は、インバータ26によるモータジェネレータ4の力行制御や回生制御等を行う。CVTコントロールユニット84は、第1クラッチ3の締結油圧制御、第2クラッチ5の締結油圧制御、ベルト式無段変速機6の変速油圧制御等を行う。リチウムバッテリコントローラ86は、強電バッテリ21のバッテリSOCやバッテリ温度等を管理する。
[エンジン始動制御の詳細構成]
図2は、実施例1のハイブリッドコントロールモジュール81にて実行されるエンジン始動制御処理の流れを示す(エンジン始動制御手段)。以下、エンジン始動制御処理構成をあらわす図2の各ステップについて説明する。このエンジン始動制御処理は、初爆完了が判定されるまで繰り返し実行される。
ステップS1では、エンジン始動要求があると、プリチャージ油圧により第1クラッチ3のピストン室に作動油を充填させるプリチャージ制御を行い、ステップS2へ進む。
ステップS2では、ステップS1でのプリチャージ制御に続き、モータ/ジェネレータ4をエンジンスタータとし、第1クラッチ3をスリップ締結させることで前置きエンジン2をクランキングするクランキング制御を開始する。クランキング制御を開始すると、FFトルク演算部とFBトルク演算部(トルク下げ側FBのみ記載)での演算を並行処理する。なお、FFトルクは、フィードフォワード制御により取得する第1クラッチ3の伝達トルクをいい、FBトルクは、フィードバック制御(PI制御等)により取得する第1クラッチ3の伝達トルクをいう。
ステップS3では、ステップS2でのクランキング制御開始に続き、クランキング制御開始からの時間をカウントアップし、ステップS4へ進む。
ステップS4では、ステップS3でのクランキング制御開始からの時間計測に続き、クランキング制御開始からの経過時間に応じたFFトルクを演算し、ステップS8へ進む。
ここで、クランキング制御開始からの経過時間に応じたFFトルクは、クランキング制御を開始すると目標クランキングトルクになるまでCL1指示トルクを斜めに立ち上げる。そして、目標クランキングトルクに到達すると、目標クランキングトルクを得るCL1指示トルクを維持する。さらに、クランキング制御開始からの経過時間が始動要求時間TDを超えると第1クラッチ3への指示トルクを立ち上げるバックアップ制御を行う。
ステップS5では、ステップS2でのクランキング制御開始に続き、目標モータ回転数と実モータ回転数を比較し、ステップS6へ進む。
ステップS6では、ステップS5でのモータ回転数の比較に続き、実モータ回転数が目標モータ回転数より低くなったことを判定し(実トルク特大)、ステップS7へ進む。
ステップS7では、ステップS6での実モータ回転数が目標モータ回転数より低くなったとの判定に続き、回転数乖離(目標モータ回転数−実モータ回転数)に応じてPI制御でCL1指示トルクを下げ、ステップS8へ進む。
なお、FBトルク演算部では、回転数乖離量が小さいとき、実モータ回転数を目標モータ回転数と一致させるように、偏差(回転数乖離量)に応じてCL1指示トルクを少し上げたり下げたりする演算される。
ステップS8では、ステップS4でのFFトルク演算とステップS7でのFBトルク演算に続き、FFトルク+FBトルクにより第1クラッチ3の目標伝達トルクを演算し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、ステップS8での第1クラッチ3への目標伝達トルク演算に続き、後述するCL1μ学習補正処理により更新保存されている最新のμ学習値を用い、ステップS8で取得された目標伝達トルクからCL1指示トルクを演算し、さらに、CL1指示トルクをCL1指示油圧に換算し、ステップS10へ進む。
ここで、CL1指示トルクの演算式として、
目標伝達トルク=CL1指示トルク×μ学習値×N×D
が用いられる。すなわち、目標伝達トルクが同じ場合、μ学習値が低下するとCL1指示トルクは上昇し、逆に、μ学習値が上昇するとCL1指示トルクは低下する。但し、N(クラッチプレート枚数)とD(トルク伝達面積)は、既知の諸元値により与えられる。CL1指示トルクからCL1指示油圧への換算は、両者の関係をあらわすトルク−油圧特性を用いて換算される。
ステップS10では、ステップS9でのCL1指示油圧の換算に続き、ステップS9で換算されたCL1指示油圧を得る油圧制御指令を出力し、リターンへ進む。
[CL1μ学習補正制御の詳細構成]
図3は、実施例1のハイブリッドコントロールモジュール81にて実行されるCL1μ学習補正制御処理の流れを示す(学習補正制御手段)。以下、CL1μ学習補正制御処理構成をあらわす図3の各ステップについて説明する。
ステップS21では、μ学習許可するエンジン始動であることを判定し、ステップS22へ進む。
ここで、μ学習許可するエンジン始動は、クランキング制御中、学習許可条件(CL1μ学習許可条件、CL1指示トルク安定条件、実トルク安定条件、CL1温度条件)の成立が確認され、CL1μ学習値取得許可フラグが立てられることで判定する。なお、CL1μ学習許可条件の成立は、クランキング制御の開始に合わせて立てられるCL1μ学習許可フラグにより判定する。
ステップS22では、ステップS21でのμ学習許可するエンジン始動判定に続き、上記FBトルク演算部にて、実トルク特大による回転数フィードバックが作動したか否かを判定する。YES(回転数FB作動)の場合はステップS23へ進み、NO(回転数FB非作動)の場合はステップS24へ進む。
ステップS23では、ステップS22での回転数FB作動であるとの判断に続き、CL1実トルクがモータ駆動トルクを超えるようなとても大きいとき用の学習量をセットし、ステップS29へ進む。
ステップS24では、ステップS22での回転数FB非作動であるとの判断に続き、タイマによるFF演算部でのFFトルクの演算制御において、実トルク特小によるトルクアップ有りか否かを判定する。YES(トルクup有り)の場合はステップS25へ進み、NO(トルクup無し)の場合はステップS24へ進む。
ステップS25では、ステップS24でのトルクup有りとの判断に続き、FFトルク演算においてトルクアップの作動が開始した時点からエンジン始動制御が終了した時点(初爆完了フラグON)までの経過時間に応じて決まる学習量をセットし、ステップS29へ進む。
ここで、経過時間に応じて決まる学習量は、経過時間が長いほど第1クラッチ3の摩擦係数μを小さくする値とする。
ステップS26では、ステップS24でのトルクup無しとの判断に続き、エンジン回転数が上昇してきたことを判定し、ステップS27へ進む。
ステップS27では、ステップS26でのエンジン回転数上昇判定に続き、目標トルク(CL1指示トルク)とCL1推定トルクの乖離を演算し、ステップS28へ進む。
ここで、CL1推定トルクは、エンジンクランキング時には、図4に示すように、第1クラッチ3がスリップ締結で、第2クラッチ5が開放もしくはトルク一定のシステム状態にある。このため、
モータトルク=CL1実トルク+補機負荷 …(1)
となり、(1)式にてCL1実トルクをCL1推定トルクに置き換えると、
CL1推定トルク=モータトルク−補機負荷 …(2)
となる。ここで、モータトルクは、例えば、モータ電流等により知り得る値であり、補機負荷も補機運転負荷検知により知り得る値であるため、上記(2)式によりCL1推定トルクを演算することができる。
ステップS28では、ステップS27でのトルク乖離演算に続き、トルク乖離の正負により学習量を演算し、ステップS29へ進む。
ここで、トルク乖離を(CL1指示トルク−CL1推定トルク)の式により演算すると、トルク乖離の値が正のときは、第1クラッチ3の摩擦係数μを小さくする学習量とし、トルク乖離の値が負のときは、第1クラッチ3の摩擦係数μを大きくする学習量とする。この通常の学習補正においては、1回の学習量を、ステップS23やステップS25でセットする学習量より小さい一定値により与える。
ステップS29では、ステップS23、ステップS25、ステップS28の何れかでの学習量のセット(又は演算)に続き、今回学習する更新量(=セット又は演算された学習量)を保持し、ステップS30へ進む。
ステップS30では、今回学習の更新量保持に続き、第1クラッチ3の状態がロックアップ締結状態になったら、今回学習の更新量を今回μに反映し、エンドへ進む。
今回μへの反映は、前回μ+今回更新量とし、この値を次のエンジン始動時に用いる第1クラッチ3の摩擦係数μとして保持する。
次に、作用を説明する。
実施例1のFFハイブリッド車両の制御装置における作用を、[エンジン始動制御作用]、[回転数FB作動によるCL1μ推定作用]、[強制大判定によるCL1μ学習補正制御作用]に分けて説明する。
[エンジン始動制御作用]
以下、図2に基づき、エンジン始動制御作用を説明する。
エンジン始動要求があると、図2のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2へと進む。ステップS1では、プリチャージ制御を行い、ステップS2では、モータ/ジェネレータ4をエンジンスタータとし、第1クラッチ3をスリップ締結させることで前置きエンジン2をクランキングするクランキング制御が開始される。
そして、クランキング制御が開始されると、FFトルク演算部(ステップS3,4)とFBトルク演算部(ステップS5〜S7)での演算が並行処理される。
FFトルク演算部でのFFトルク演算処理は、ステップS2からステップS3→ステップS4へと進むことで行われる。ステップS3では、クランキング制御開始からの時間がカウントアップされ、ステップS4では、クランキング制御開始からの経過時間に応じてFFトルクが演算される。FFトルクは、クランキング制御を開始すると目標クランキングトルクまでCL1指示トルクを斜めに立ち上げ、目標クランキングトルクにCL1指示トルクが到達すると、目標クランキングトルクによるCL1指示トルクを維持する。さらに、クランキング制御開始からの経過時間が始動要求時間TD(図6参照)を超えると、第1クラッチ3へのCL1指示トルクを立ち上げるバックアップ制御が行われる。
一方、FBトルク演算部での下げ側FBトルクの演算処理は、ステップS2からステップS5→ステップS6→ステップS7へと進むことで行われる。ステップS5では、目標モータ回転数と実モータ回転数が比較される。ステップS6では、実トルク特大により、実モータ回転数が目標モータ回転数より低くなったことが判定される。ステップS7では、回転数乖離(目標モータ回転数−実モータ回転数)に応じてPI制御によりCL1指示トルクを下げる負のFBトルクが演算される。
そして、ステップS4でのFFトルク演算とステップS7でのFBトルク演算がなされると、図2のフローチャートにおいて、ステップS8→ステップS9→ステップS10→リターンへと進む。ステップS8では、FFトルク+FBトルクにより第1クラッチ3の目標伝達トルクが演算される。ステップS9では、CL1μ学習補正処理により更新保存されている最新のμ学習値を用い、ステップS8で取得された目標伝達トルクからCL1指示トルクが演算され、さらに、CL1指示トルクがCL1指示油圧に換算される。ステップS10では、ステップS9で換算されたCL1指示油圧を得る油圧制御指令が出力される。なお、エンジン始動制御は、第1クラッチ3をロックアップ締結し、完爆により横置きエンジン2が自立運転状態になると終了する。
[回転数FB作動によるCL1μ推定作用]
実施例1のFFハイブリッド車両は、第1クラッチ3として油圧作動によるノーマルオープンの乾式多板摩擦クラッチを用いている。この第1クラッチ3の場合、複数の摩擦締結面を持っていることで、バラツキにより摩擦係数が初期値から大きく乖離することがあるし、各プレートのフェーシング摩耗の進行度合いにより、摩擦係数の変動幅も大きくなる。
これに対し、例えば、CL1推定トルクとCL1指示トルクを比較することにより、1回の学習量を小さい一定値により与える通常の学習補正制御を実行するものを比較例とする。この比較例の場合、摩擦係数が緩やかな変化に追従することはできるが、摩擦係数の急変に追従することができず、摩擦係数の急変を反映した学習補正値が得られるのに長い時間を要することになる。このため、エンジン始動時、スリップ締結される第1クラッチの伝達トルクが所望のトルクから外れてしまったとき、摩擦係数変化を反映した学習補正値が得られるまで、トルク外れによるエンジンクランキングを、複数回経験しなければならないことになる。
これに対し、上記エンジン始動制御においては、第1クラッチ3の実伝達トルクがとても大きい場合、その負荷により実モータ回転数が目標モータ回転数を維持できなくなり、実モータ回転数が目標モータ回転数より低下するモータ回転の引き込みを発生することがある。よって、モータ回転の引き込みを放置しておくと、クランキングによるエンジン回転数の上昇が急になり、エンジン始動ショックを生じるため、この対応として、FB演算部において、実モータ回転数が目標モータ回転数より低くなったことが判定されたら、CL1指示トルクを下げるという指示プロフィール(回転数FB制御)をとっている。
しかし、この回転数FB制御状態は、第1クラッチ3の実伝達トルクがとても大きい状態であるため、モータトルクを上限まで使い切ってしまい、上記(1)式の関係が成り立たず、第1クラッチ3の推定トルクが不確かな場合がある。つまり、CL1実トルクが多少大きいときは、モータトルクが上限まで達していないため、図4に示すように、モータトルク=CL1実トルク+補機負荷の関係が成り立つ。一方、CL1実トルクがモータ駆動トルクを超えるようなとても大きいときは、モータトルクが上限まで達するため、図5に示すように、モータトルク<CL1実トルク+補機負荷のとなり、(CL1実トルク+補機負荷)のうち、モータトルク上限から上回っているトルクは知り得ない量になる。したがって、CL1実トルクがモータトルク上限を超えるようなときは、CL1実トルク(=CL1推定トルク)が不確かとなり、通常のCL1指示トルクとCL1推定トルクの比較による学習補正を行うことができない。
これに対し、実モータ回転数が目標モータ回転数より低くなったことが判定されたら、図7の矢印Aで示すように、CL1指示トルクを下げる回転数FBが作動し、図7の矢印Bで示すように、モータ回転数の引き込みを抑えている。したがって、目標モータ回転数に対し、実モータ回転数が下がったときは、CL1推定トルクを用いた通常の学習補正ではなく、モータ回転の引き込み判定による学習補正を行う。このとき、学習補正量は、CL1指示トルクとCL1推定トルクの比較で行う通常の学習補正時とは異なる学習補正量が選択できるようにする。すなわち、回転数FB作動があると、CL1実トルクがモータ駆動トルクを超えるようなとても大きいとき用の学習量(>通常の学習量)をセットする。
[強制大判定によるCL1μ学習補正制御作用]
エンジン始動制御にて回転数FB作動もバックアップ油圧上げ作動もないと、図3のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS24→ステップS26→ステップS27→ステップS28→ステップS29→ステップS30→エンドへと進む流れとなる。すなわち、ステップS26では、エンジン回転数が上昇してきたことが判定される。ステップS27では、目標トルク(CL1指示トルク)とCL1推定トルクの乖離が演算される。ステップS28では、トルク乖離の正負により学習量が演算される。ステップS29では、ステップS28の学習量の演算に続き、今回学習する更新量(=演算された学習量)が保持される。ステップS30では、第1クラッチ3の状態がロックアップ締結状態になったら、今回学習の更新量が今回μに反映され、次のエンジン始動時に用いる第1クラッチ3の摩擦係数μとして保持される(通常のCL1μ学習補正制御)。
一方、エンジン始動制御にて回転数FB作動があると、図3のフローチャートにおいて、ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS29→ステップS30→エンドへと進む流れとなる。すなわち、ステップS23では、ステップS22での回転数FBが作動したとの判断に続き、FBトルク演算において、CL1実トルクがとても大きいとき用の学習量がセットされる。ステップS29では、ステップS23の学習量のセットに続き、今回学習する更新量(=セットされた学習量)が保持される。ステップS30では、第1クラッチ3の状態がロックアップ締結状態になったら、今回学習の更新量が今回μに反映され、次のエンジン始動時に用いる第1クラッチ3の摩擦係数μとして保持される(強制大判定によるCL1μ学習補正制御)。
この強制大判定によるCL1μ学習補正制御を時間軸であらわしたのが、図8に示すタイムチャートである。
時刻t1は、Pレンジシフト時発電要求(エンジン始動要求)の出力タイミングである。エンジン始動要求が出力される時刻t1では、第1クラッチ3はプリチャージ制御によるスタンバイモードとされ、CL1μ学習許可フラグが立てられ、モータ回転数を目標モータ回転数にする指令が出力される。
時刻t2は、エンジンクランキングの開始タイミングであり、時刻t2では、CL1推定温度判定がセットされ、CL1指示トルクが、μ学習時の目標クランキングトルクに向かって立ち上げ開始される。
時刻t3は、CL1指示トルクが、μ学習時の目標クランキングトルクに到達するCL1指示トルクの安定判定タイミングである。
時刻t4は、図8の矢印Cで示すように、回転数FB作動開始タイミングである。この時刻t4にて強制トルク大判定がONになり、強制トルク大判定に従い学習値が算出される。つまり、CL1学習許可フラグが立てられている間のどこかで強制トルク大判定した場合は、通常トルク大判定にかかわらず、その回の学習値は大きめの学習値とされる。なお、時刻t3から時刻t4までの間で、エンジン回転数が立ち上がる。
時刻t5は、時刻t3から所定時間経過したタイミングであり、この時刻t4になると、CL1学習値取得許可フラグが立てられる。時刻t6は、通常トルク大小判定NE閾値検知タイミングである。
時刻t7は、エンジンクランキングが終了し、第1クラッチ3のロックアップ締結の準備を開始するタイミングである。この時刻t7では、CL1μ学習許可フラグとCL1学習値取得許可フラグが降ろされ、強制トルク大判定がOFFになる。
時刻t8は、第1クラッチ3のロックアップ締結開始タイミングである。図8の矢印Dに示すプレロックアップからロックアップに切り替わる時刻t8のタイミングに呼応し、強制トルク大判定に従い学習値が算出され、μ学習値(オフセット)が決められ、μ学習考慮μが決められる。
実施例1では、CL1μ学習補正制御において、回転数FB制御が介入するエンジン始動を経験すると、次回のエンジン始動時から第1クラッチ3へのCL1指示トルクを低下する学習補正を行う構成を採用した。
すなわち、クランキング制御中、第1クラッチ3の実伝達トルクがとても大きい場合は、その負荷によりモータ/ジェネレータ4が目標モータ回転数を維持できなくなり、実モータ回転数が低下するモータ回転の引き込みが発生する。そして、モータ回転の引き込みが発生するのは、CL1指示トルクに対し第1クラッチ3の実伝達トルクが高いことに原因がある。よって、クランキング制御中に回転数FB制御が介入することで、第1クラッチ3の摩擦係数μが上昇していると推定できる。
これに対し、回転数FB制御が介入するエンジン始動を経験すると、第1クラッチ3の摩擦係数μが上昇しているとの推定を直ちに反映し、第1クラッチ3へのCL1指示トルクを低下する学習補正が行われる。このため、次回のエンジン始動時からは、モータ回転の引き込みが生じないエンジン始動にすることが可能となる。
この結果、第1クラッチ3の摩擦係数μが上昇したとき、クラッチ摩擦係数μの上昇を反映した学習補正を応答良く行うことができる。また、クラッチにストロークセンサを用いない廉価なシステムにおいても、学習補正を行うことができる。
実施例1では、回転数FB制御が介入するエンジン始動を経験すると、第1クラッチ3の伝達トルクがとても大きいと仮定したときの学習補正値に設定する構成を採用した。
すなわち、回転数FB制御が介入するのは、CL1実トルクが大きくてモータトルク上限まで使い切ってしまったときである。すなわち、第1クラッチ3の摩擦係数μの上昇程度までは不確かであるが、第1クラッチ3が、CL1実トルクがとても大きいときの摩擦係数μまで上昇していることをあらわす。
したがって、回転数FB制御が介入するエンジン始動を経験したとき、想定される第1クラッチ3の摩擦係数μの急上昇に応じた学習量による学習補正を行うことができる。
実施例1では、回転数FB制御が介入するエンジン始動を経験しないとき、第1クラッチ3へのCL1指示トルクとCL1推定トルクのトルク乖離の正負により学習補正を行う構成を採用した。
すなわち、回転数FB制御が介入しないエンジン始動が繰り返されるようなとき、トルク乖離の正負により学習補正を行うと、緩やかな第1クラッチ3の摩擦係数μの低下や上昇に対応することができる。
したがって、第1クラッチ3の摩擦係数μの緩やかな変化と、第1クラッチ3の摩擦係数μの急な上昇と、の両方に対応する学習制御を行うことができる。
実施例1では、前記クランキング制御中の第1クラッチ3の目標伝達トルクに基づき、CL1指示トルクを演算するときに用いるクラッチ摩擦係数μを、学習補正値とするCL1μ学習補正を行う構成を採用した。
例えば、油圧−トルク特性の傾きを学習補正値とし、精度の高い学習補正を行おうとすると、両者のきめ細かい関係を表す値の変更を要し、メモリ容量が増大する。一方、メモリ容量を少なくすると、精度の高い学習補正が望めない。
これに対し、第1クラッチ3の摩擦係数μが上昇したという強制大判定がなされると、摩擦係数μの値を直接上昇させる学習補正としたことで、メモリ容量を小さくして、精度の高い学習補正を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のFFハイブリッド車両の制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 駆動系に、エンジン(横置きエンジン2)と、第1クラッチ3と、モータ(モータ/ジェネレータ4)と、駆動輪(左右前輪10L,10R)と、を備え、
前記モータ(モータ/ジェネレータ4)を駆動源とするEVモードでエンジン始動要求があると、前記モータ(モータ/ジェネレータ4)をエンジンスタータとし、前記第1クラッチ3を介して前記エンジン(横置きエンジン2)をクランキングするハイブリッド車両の制御装置において、
前記エンジン始動要求があると、前記エンジン(横置きエンジン2)のクランキング制御を開始すると共に、目標モータ回転数と実モータ回転数を比較し、前記実モータ回転数が前記目標モータ回転数より低くなると、前記第1クラッチ3への指示トルクを下げる回転数フィードバック制御を行って前記エンジン(横置きエンジン2)を始動するエンジン始動制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)と、
前記回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、次回のエンジン始動時から前記第1クラッチ3への指示トルクを低下する学習補正を行う学習補正制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)と、
を備えた(図3)。
このため、第1クラッチ3の摩擦係数が上昇したとき、クラッチ摩擦係数μの上昇を反映した学習補正を応答良く行うことができる。
(2) 前記学習補正制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、前記回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、前記第1クラッチ3の伝達トルクがモータ駆動トルクを超えるようなとても大きい値であると仮定したときの学習補正値に設定する(図3)。
このため、(1)の効果に加え、回転数FB制御が介入するエンジン始動を経験したとき、想定される第1クラッチ3の摩擦係数μの急上昇に応じた学習量による学習補正を行うことができる。
(3) 前記学習補正制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、前記回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験しないとき、前記第1クラッチ3への指示トルクと推定トルクのトルク乖離の正負により学習補正を行う(図3)。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、第1クラッチ3の摩擦係数μの緩やかな変化と、第1クラッチ3の摩擦係数μの急な上昇と、の両方に対応する学習制御を行うことができる。
(4) 前記学習補正制御手段(ハイブリッドコントロールモジュール81)は、前記クランキング制御中の第1クラッチ3の目標伝達トルクに基づき、前記第1クラッチ3の指示トルクを演算するときに用いるクラッチ摩擦係数μを、学習補正値とするCL1μ学習補正を行う(図3)。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、メモリ容量を小さくして、精度の高い学習補正を行うことができる。
以上、本発明のハイブリッド車両の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、エンジン始動制御手段として、バックアップ油圧上げ制御を行うFFトルク演算と、トルク下げ側の回転数FB制御によるFBトルク演算を行う例を示した。しかし、エンジン始動制御手段としては、少なくともトルク下げ側の回転数FB制御によるFBトルク演算を行う例としても良い。
実施例1では、学習補正制御手段として、第1クラッチ3の伝達トルクがとても大きいと仮定したときの学習補正値(固定値)に設定する例を示した。しかし、学習補正制御手段としては、回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、例えば、実モータ回転数の引き込み回転幅に応じた学習補正値(可変値)を更新保存するような例としても良い。
実施例1では、学習補正制御手段として、第1クラッチ3のクラッチ摩擦係数μを学習補正値とするCL1μ学習補正を行う例を示した。しかし、学習補正制御手段としては、トルク−油圧特性の傾きを学習補正値とするような例としても良い。要するに、クラッチ摩擦係数μの低下判定によりCL1指示トルクを嵩上げし、クラッチ摩擦係数μの上昇判定によりCL1指示トルクを低下させるようなパラメータであれば、学習補正対象とすることができる。
実施例1では、本発明の制御装置をFFハイブリッド車両に適用する例を示した。しかし、本発明の制御装置は、FFハイブリッド車両に限らず、FRハイブリッド車両や4WDハイブリッド車両に対しても適用することができる。要するに、駆動系に、エンジンと、第1クラッチと、モータと、駆動輪と、を備えたハイブリッド車両であれば適用することができる。
1 スタータモータ
2 横置きエンジン(エンジン)
3 第1クラッチ
4 モータ/ジェネレータ(モータ)
5 第2クラッチ
6 ベルト式無段変速機
10R,10L 左右前輪(駆動輪)
11R,11L 左右後輪
21 強電バッテリ
22 12Vバッテリ
81 ハイブリッドコントロールモジュール(エンジン始動制御手段、学習補正制御手段)

Claims (3)

  1. 駆動系に、エンジンと、第1クラッチと、モータと、駆動輪と、を備え、
    前記モータを駆動源とするEVモードでエンジン始動要求があると、前記モータをエンジンスタータとし、前記第1クラッチを介して前記エンジンをクランキングするハイブリッド車両の制御装置において、
    前記エンジン始動要求があると、前記エンジンのクランキング制御を開始すると共に、目標モータ回転数と実モータ回転数を比較し、前記実モータ回転数が前記目標モータ回転数より低くなると、前記第1クラッチへの指示トルクを下げる回転数フィードバック制御を行って前記エンジンを始動するエンジン始動制御手段と、
    前記回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、次回のエンジン始動時から前記第1クラッチへの指示トルクを低下させる学習補正を行う学習補正制御手段と、を備え
    前記学習補正制御手段は、前記回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験すると、前記第1クラッチの伝達トルクがモータトルク上限まで使いきってしまったときの値であると仮定したときの学習補正値に設定する
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 請求項1に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記学習補正制御手段は、前記回転数フィードバック制御が介入するエンジン始動を経験しないとき、前記第1クラッチへの指示トルクと推定トルクのトルク乖離の正負により学習補正を行い、
    前記推定トルクは、前記モータのモータトルクから補機負荷を差し引いたトルクとする
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたハイブリッド車両の制御装置において、
    前記学習補正制御手段は、前記クランキング制御中の第1クラッチの目標伝達トルクに基づき、前記第1クラッチの指示トルクを演算するときに用いるクラッチ摩擦係数μを、学習補正値とするCL1μ学習補正を行う
    ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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