JP2014231264A - 乗物用シート - Google Patents
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【解決手段】乗員の体をシートに拘束するシートベルト30を備え、乗員の体を拘束しないときのシートベルト30、及び乗員の体を拘束して余ったシートベルト30を巻き取るリトラクタ41をシート内に備えた乗物用シートにおいて、シートベルト30によって拘束された乗員の体の動きに伴うリトラクタ41から引き出されたシートベルト30の移動量を検出する第1生体センサ50を備える。第1生体センサ50の検出対象であるシートベルト30を巻き取るリトラクタ41はシート内に設けられ、生体情報の検出対象である乗員の体とは互いに接近して配置され、しかも同じシート上に配置されるため、乗員の生体情報を精度良く検出することができる。
【選択図】図1
Description
このような問題に鑑み本発明の課題は、シートベルトの移動量をシート側で検出することにより、センサによる乗員の生体情報を精度良く検出することにある。
第1発明によれば、第1生体センサの検出対象であるシートベルトを巻き取るリトラクタはシート内に設けられ、生体情報の検出対象である乗員の体とは互いに接近して配置され、しかも同じシート上に配置されるため、乗員の生体情報を精度良く検出することができる。
第2発明によれば、第1生体センサは、乗員の体の前側の動きを検出し、第2生体センサは、乗員の体の後側の動きを検出することができる。そのため、第1生体センサ及び第2生体センサからの検出信号を組合わせることにより、乗員の生体情報である呼吸状態又は心拍状態を精度良く検出することができる。
図1〜6は、本発明の第1実施形態を示し、第1実施形態は、本発明を自動車用のセパレートタイプの左側シートに適用した場合を示している。各図では、矢印によりシートを車両に搭載した際の各方向を示している。以下の説明において、方向に関する記述は、この方向を基準として行うものとする。
図1に示されるように、このシートは、乗員が腰を下ろすシートクッション部2と、乗員が背中を凭せ掛けるシートバック部1と、乗員の頭部を支える枕となるヘッドレスト部3とを備える。
シートには、3点式シートベルトが設けられており、シートクッション部2の後方左側にはラップベルト31の端部が結合され、シートバック部1の上方左側にはリトラクタ41がシートバック部1内に設けられている。リトラクタ41は、ショルダーベルト32を巻き取るように構成されている。
シートクッション部2の後方右側にはバックル(不図示)が固定され、このバックルに結合されるタングプレート(不図示)がラップベルト31とショルダーベルト32との間で、シートベルト30に対して移動自在に結合されている。従って、タングプレートをバックルに結合させると、図1に示すように、シートベルト30が乗員の体を拘束するようにされ、タングプレートをバックルから分離すると、ショルダーベルト32がリトラクタ41に巻き取られ、ラップベルト31とショルダーベルト32は、乗員から離れてシートバック部1の左側に待機状態とされる。
リトラクタ41の上方で、シートバック部1の肩口には、ベルトガイド42が設けられ、このベルトガイド42に形成されたスリットを通してショルダーベルト32の位置が案内されている。以上のシート及びシートベルトの構成は、公知である。
第1生体センサ50は、ショルダーベルト32が貫通されるケーシング51の内壁に固定されて、ショルダーベルト32の表面に接するようにされている。
乗員の体がシートベルト30により拘束されている状態で、乗員の呼吸又は心拍による体の動きは、ショルダーベルト32の移動量となる。従って、第1生体センサ50によりショルダーベルト32の移動量を検出することにより、乗員の呼吸状態又は心拍状態を検出することができる。
第2生体センサ60の上には、バックパッド10よりも硬質に形成された硬質ウレタンパッド61が被せられている。第2生体センサ60は、乗員着座側に硬質ウレタンパッド61を備えるため、局部的な圧力を受けて変形してしまうことを回避している。この状態で、硬質ウレタンパッド61の表面は、バックパッド10の表面と面一となり、硬質ウレタンパッド61を含むバックパッド10の表面全体には、シート表皮20が被さられている。しかも、硬質ウレタンパッド61を含むバックパッド10の天板部の表面には、スラブウレタン22が被せられている。
図4に示されるように、バックパッド10の裏面(後面)は、硬質フェルト70によって全面が覆われている。硬質フェルト70は、不織布を熱プレスによって成形したものであり、バックパッド10を発泡成形する際に成形型内で、バックパッド10の裏面に接着させている。硬質フェルト70は、バックパッド10を成す発泡ウレタンに比べて高い剛性を備えている。
上記第2生体センサ60は、着座乗員の背中の左右方向の中央部に対応して設けられ、吊り溝11に対して離して配置されている。即ち、第2生体センサ60は、第2生体センサ60に対して着座乗員から押圧力が入る方向で吊り溝11と重ならない位置に配置されている。
乗員の体がシートバック部1に凭れかかっている状態で、乗員の呼吸又は心拍による体の動きは、第2生体センサ60により検出することができ、乗員の呼吸状態又は心拍状態を検出することができる。
検出回路80は、これらの第1生体センサ50、第2生体センサ60からの信号に基づいて、図6に示すフローチャートのように、信号処理を行い、乗員の呼吸状態又は心拍状態を検出している。
図6の検出信号処理ルーチンが起動されると、ステップS1において、第1生体センサ50と第2生体センサ60の両方から検出信号が出力されているか否か判定される。この場合、第2生体センサ60は、2個の第2生体センサ60の信号を比較して、検出感度の良い方が選択されている。
第1生体センサ50と第2生体センサ60の両方から検出信号が出力されていて、ステップS1が肯定判断されると、ステップS2では、両検出信号のうち出力の大きい方の検出信号が選択されて出力され、この検出信号に基づいて乗員の呼吸状態又は心拍状態が検出される。第1生体センサ50と第2生体センサ60の両方から検出信号が出力されるまでは、ステップS1は否定判断され、第1生体センサ50と第2生体センサ60の両方から検出信号が出力されるまで検出信号処理ルーチンは待機状態となる。
図7は、本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態が上述の第1実施形態に対して特徴とする点は、第1生体センサ50と第2生体センサ60の検出信号を受けて検出回路80において行われる検出信号処理の内容を変更した点にある。その他は両者同一であり、同一部分については再度の図示及び説明を省略する。
図7の検出信号処理ルーチンでは、このルーチンが起動されると、ステップS3において、第1生体センサ50と第2生体センサ60のいずれかから検出信号が出力されているか否か判定される。この場合、第2生体センサ60は、2個の第2生体センサ60の信号を比較して、検出感度の良い方が選択されている。
第1生体センサ50と第2生体センサ60のいずれかから検出信号が出力されていて、ステップS3が肯定判断されると、ステップS4では、出力されている検出信号が最終的な検出信号として出力され、この検出信号に基づいて乗員の呼吸状態又は心拍状態が検出される。
第2実施形態によれば、第1実施形態のように、第1生体センサ50と第2生体センサ60による検出信号が共に出力されるまで待つまでもなく、いずれか一方のセンサから検出信号が出力されれば、乗員の呼吸状態又は心拍状態を検出することができるので、短時間に効率良く乗員の呼吸状態又は心拍状態を検出することができる。
図8、9は、本発明の第3実施形態を示す。第3実施形態が上述の第1実施形態に対して特徴とする点は、第1生体センサ50を変更した点にある。その他は両者同一であり、同一部分については同一符号を付して再度の図示及び説明を省略する。
図8、9において、第1生体センサ50Aは、フィルム状の感圧センサであり、第1実施形態におけるものと同一のケーシング51の内壁に固着されている。第1生体センサ50Aの表面には、ローラ55が圧接して配置されている。ローラ55は、第1生体センサ50Aに対向するケーシング51の内壁にも同様に圧接して配置されており、両ローラ55は、クリップ本体52からケーシング51の内壁に向けて突出して設けられた一対のブラケット54によって支持されている。従って、二つのローラ55は、ケーシング51の対向する内壁間に突っ張った状態で配置されている。
クリップ本体52の内壁には一対のクリップ片53が一体に固定されており、クリップ片53は、クリップ本体52を貫通しているショルダーベルト32を摺動自在に保持している。具体的には、クリップ片53は、クリップ本体52の前後の内壁から突出して形成された対向する接片から成り、これらの接片の間にショルダーベルト32が所定圧力で挟まれている。
クリップ本体52は、図9に示されるように枠状体により形成され、その枠状体が左端部(図9の下側)のヒンジ部を中心に開閉可能とされており、右端部(図9の上側)の係合部で切り離し可能に結合されている。従って、クリップ本体52である枠状体を開いた状態で、クリップ本体52内にショルダーベルト32を挿入し、一対のクリップ片53の間にショルダーベルト32を保持することができる。
着座乗員の呼吸又は心拍による体の動きを受けてケーシング51内でショルダーベルト32が反復して方向を変えて移動するとき、クリップ本体52は上下のストッパ56の間で上下動することになり、この上下動によりローラ55が第1生体センサ50A上を移動して、第1生体センサ50Aは、着座乗員の呼吸状態又は心拍状態を検出することができる。
図10は、本発明の第4実施形態を示す。第4実施形態が上述の第1実施形態に対して特徴とする点は、第1生体センサ50を変更した点にある。その他は両者同一であり、同一部分については同一符号を付して再度の図示及び説明を省略する。
図10に示すように、図1において説明したベルトガイド42内には、ショルダーベルト32が移動するのに伴って回転されるローラ57が設けられている。即ち、ローラ57は、その外周部がベルトガイド42から露出して配置され、外周部がショルダーベルト32に常時接触している。ローラ57がベルトガイド42から露出する部位は、ベルトガイド42内でショルダーベルト32を案内するガイド片42Aの上端付近とされている。
ローラ57の回転軸には回転センサ(不図示)が結合されており、ローラ57の回転量を検出可能としている。この回転センサが第1生体センサ(50)とされている。
第4実施形態によれば、着座乗員の呼吸又は心拍による体の動きを受けてショルダーベルト32が反復して移動するとき、ローラ57が回転され、その回転量を第1生体センサ(50)を成す回転センサが検出することにより着座乗員の呼吸状態又は心拍状態を検出することができる。
1.上記実施形態では、第2生体センサを圧力センサとしたが、他のタイプのセンサとしても良い。
2.上記実施形態では、シートベルトを3点式シートベルトとしたが、2点式シートベルトとしても良い。2点式シートベルトは、例えばショルダーベルト無しでラップベルトのみの方式とすることができ、その場合、リトラクタは、シートクッション部に設けられる。
3.上記実施形態では、本発明を自動車用のセパレートタイプのシートに適用したが、ベンチタイプのリヤシートに適用しても良い。また、飛行機用、船用、電車用等のシートに適用しても良い。
2 シートクッション部
3 ヘッドレスト部
10 バックパッド
11 吊り溝
12 センサ取付溝
20 シート表皮
21 吊込線
22 スラブウレタン
30 シートベルト
31 ラップベルト
32 ショルダーベルト
41 リトラクタ
42 ベルトガイド
42A ガイド片
50、50A 第1生体センサ
51 ケーシング
52 クリップ本体
53 クリップ片
54 ブラケット
55 ローラ
56 ストッパ
57 ローラ
60 第2生体センサ
61 硬質ウレタンパッド
70 硬質フェルト
80 検出回路
Claims (2)
- 乗員の体をシートに拘束するシートベルトを備え、
乗員の体を拘束しないときのシートベルト、及び乗員の体を拘束して余ったシートベルトを巻き取るリトラクタをシート内に備えた乗物用シートにおいて、
シートベルトによって拘束された乗員の体の動きに伴う前記リトラクタから引き出されたシートベルトの移動量を検出する第1生体センサを備えることを特徴とする乗物用シート。 - 請求項1において、
シートバック部における乗員着座側には、着座乗員の背中の左右方向の中央部に対応して、着座乗員の生体情報を検出可能な第2生体センサが設けられ、
前記第1生体センサ及び第2生体センサからそれぞれ検出信号を受けて、両信号の組合せにより、着座乗員の呼吸状態又は心拍状態を検出することを特徴とする乗物用シート。
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