JP2014229519A - 電解液流通型二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー密度が高く、かつサイクル寿命が長い、電解液流通型二次電池を提供すること。【解決手段】正極と負極とを備えたセルに、電解液を流通させる電解液流通型二次電池であって、正極活物質と負極活物質のどちらか一方または両方が、固体の活物質粒子と、電解液に溶解した活物質イオンとの両方の状態を有しており、前記活物質粒子が電解液によって流動化され、流動化されている前記活物質粒子の層の体積が、流動化していない前記活物質粒子の層の体積に対して1.05〜3.00倍であり、充電または放電に伴い、前記活物質粒子が、イオン化されて前記電解液中に溶解する、または、前記電解液中に溶解していた前記活物質イオンが粒子状の固体として析出する、電解液流通型二次電池。【選択図】なし

Description

本発明は電解液流通型二次電池に関する。
大容量の蓄電池の一つに、レドックスフロー電池や亜鉛ハロゲン電池などの電解液流通型二次電池がある。レドックスフロー電池は、隔膜と、隔膜を介して対向する正極電極及び負極電極からなるセルに、正極電解液及び負極電解液をそれぞれ供給して充放電を行う。電解液には、酸化還元により価数が変化する金属イオンを活物質として含有する水溶液が一般的に使用されている。レドックスフロー電池としては、例えば、正極電解液に鉄イオン水溶液、負極電解液にクロムイオン水溶液を用いた鉄−クロム系レドックスフロー電池の他、特許文献1に記載されているような、正負極の電解液にバナジウムイオン水溶液を用いたバナジウム系レドックスフロー電池がよく知られている。
一方、亜鉛ハロゲン電池は、負極活物質に亜鉛、正極活物質に臭素または塩素が一般的に使用されている。正極活物質に塩素を用いた亜鉛−塩素電池は、負極材は亜鉛、正極材はカーボンからなり、負極では亜鉛の析出、溶解が起こる。すなわち、充電時には電解液中の亜鉛イオンが金属亜鉛となって亜鉛電極上に析出し、放電時には再び亜鉛イオンとなって溶解する。一方、正極では充電時には電解液中の塩素イオンが正極の電子の放出により塩素ガスとなって発生し、これは反応系外へ出て塩素水和物として水和物槽に冷却固化して貯蔵される。放電時は水和物槽を加熱して、貯蔵していた塩素水和物を塩素ガスに戻して正極に送り、正極で塩素イオンとなり、負極から溶解する亜鉛イオンと塩化亜鉛を形成する。亜鉛−塩素電池は、亜鉛と塩素ガスを隔離するための隔膜を必要としないことが特徴である。
特許文献2に記載されているような、正極活物質に臭素を用いた亜鉛−臭素電池は、亜鉛と臭素を隔離するための隔膜を用いること以外は亜鉛−塩素電池によく似ている。電池反応としては、負極では亜鉛−塩素電池と同じ亜鉛の析出−溶解が起こる。一方、正極では充電時に臭素イオンが電子を放出して臭素となり、錯化合物としてタンクに貯蔵される。放電時には錯化合物から正極に供給される臭素が電子を受け取り臭素イオンとなり、負極から溶解する亜鉛イオンと臭化亜鉛を形成する。
これらの電解液流通型二次電池は、電気出力(W)は電池セル数に、充放電時間(h)はタンクに貯蔵する活物質量に比例するので、任意の電力貯蔵量(Wh)が選定可能であり、電池材料はカーボン・プラスチック系が多く、これらは比較的安価であることから、大型の電力貯蔵システムに適している。
特開平6−188005号公報 特開昭59−87782号公報
しかしながら、上記の電解液流通型二次電池には、以下のような課題がある。
レドックスフロー電池は、エネルギー密度が低く、小型化に適していない。例えば、バナジウム系レドックスフロー電池のエネルギー密度は、リチウムイオン二次電池と比較すると約1/10、亜鉛−臭素電池と比較すると約1/4である。
一方、亜鉛ハロゲン電池は比較的エネルギー密度が高いものの、リチウムイオン二次電池と比較すると、なお改良の余地を有するものである。例えば、亜鉛ハロゲン電池のように、充放電に伴い金属の溶解、析出が起こる場合、金属のデンドライド析出ならびにそれに伴う充放電サイクル寿命の低下が見られる。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エネルギー密度が高く、かつサイクル寿命が長い、電解液流通型二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、正極活物質と負極活物質のどちらか一方または両方を粒子とし、該粒子を特定の条件で流動化させることによって、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記のとおりである。
〔1〕
正極と負極とを備えたセルに、電解液を流通させる電解液流通型二次電池であって、
正極活物質と負極活物質のどちらか一方または両方が、固体の活物質粒子と、電解液に溶解した活物質イオンとの両方の状態を有しており、
前記活物質粒子が電解液によって流動化され、流動化されている前記活物質粒子の層の体積が、流動化していない前記活物質粒子の層の体積に対して1.05〜3.00倍であり、
充電または放電に伴い、前記活物質粒子が、イオン化されて前記電解液中に溶解する、または、前記電解液中に溶解していた前記活物質イオンが粒子状の固体として析出する、電解液流通型二次電池。
〔2〕
放電に伴い、固体の負極活物質粒子がイオン化されて電解液中に溶解し、充電に伴い、電解液中に溶解していた負極活物質イオンが粒子状の固体として析出する、前項〔1〕記載の電解液流通型二次電池。
〔3〕
前記負極活物質粒子/前記負極活物質イオンの組み合わせが、Li/Li、K/K、Ca/Ca2+、Na/Na、Mg/Mg2+、Al/Al3+、Mn/Mn3+、Zn/Zn2+、Zn/ZnO 2−、Cr/Cr2+、Fe/Fe2+、Cd/Cd2+、Co/Co2+、Ni/Ni2+、Sn/Sn2+、Pb/Pb2+からなる群から選ばれる1種以上の金属/金属イオンの組み合わせである、前項〔2〕記載の電解液流通型二次電池。
〔4〕
前記活物質イオンを含む電解液を蓄えるタンクを備える、前項〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の電解液流通型二次電池。
本発明によると、エネルギー密度が高く、かつサイクル寿命が長い、電解液流通型二次電池を提供することができる。
実施例における電解液流通型二次電池の概略図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下「本実施形態」とも言う。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態における電解液流通型二次電池は、
正極と負極とを備えたセルに、電解液を流通させる電解液流通型二次電池であって、
正極活物質と負極活物質のどちらか一方または両方が、固体の活物質粒子と、電解液に溶解した活物質イオンとの両方の状態を有しており、
前記活物質粒子が電解液によって流動化され、流動化されている前記活物質粒子の層の体積が、流動化していない前記活物質粒子の層の体積に対して1.05〜3.00倍であり、
充電または放電に伴い、前記活物質粒子が、イオン化されて前記電解液中に溶解する、または、前記電解液中に溶解していた前記活物質イオンが粒子状の固体として析出する。
本実施形態における電解液流通型二次電池は、粒子状の正極活物質または負極活物質を備える。一般的に二次電池はエネルギー密度(Wh/kg)とサイクル寿命によりその性能を比較する。エネルギー密度は、エネルギー容量(Wh)/電池重量(kg)で表され、エネルギー容量は、電気出力(W)×充放電時間(h)で表される。電気出力(W)は、電流(A)×電圧(V)で表される。エネルギー密度を高くするためには、エネルギー容量を高くする必要があり、そのためには、電流を大きくする、電圧を大きくする、または充放電時間を長くする必要がある。
電池を流れる電流は、電極の表面積に比例している。そこで活物質を粒子状にして電池を作ると表面積が増えて、電流を飛躍的に大きくすることができる。その結果、エネルギー密度を大きくする効果がある。
本実施形態における負極活物質について、固体の活物質粒子(以下、単に「粒子」とも言う。)と、電解液に溶解した活物質イオン(以下、単に「イオン」とも言う。)との組み合わせは、特に限定されないが、大きい起電力を有する電池を得る観点から、標準水素電極に対して酸化還元電位が0V以下であるような組み合わせが好ましい。例えば、Li/Li、K/K、Ca/Ca2+、Na/Na、Mg/Mg2+、Al/Al3+、Mn/Mn3+、Zn/Zn2+、Zn/ZnO 2−、Cr/Cr2+、Fe/Fe2+、Cd/Cd2+、Co/Co2+、Ni/Ni2+、Sn/Sn2+、Pb/Pb2+などの金属/金属イオンの組み合わせが挙げられる。
本実施形態における正極活物質について、粒子と、電解液に溶解したイオンとの組み合わせは、特に限定されないが、大きい起電力を有する電池を得る観点から、標準水素電極に対して酸化還元電位が0V以上であるような組み合わせが好ましい。例えば、Cu/Cu2+、Hg/Hg、Ag/Ag、Pt/Pt2+などの金属/金属イオンの組み合わせが挙げられる。
上記正極活物質粒子および/または負極活物質粒子は、電解液によって流動化されている。流動化させる方法としては特に限定されないが、例えば、電解液の強制対流によって行うことができる。本実施形態における電解液流通型二次電池において、流動化されている上記粒子の層(以下、「流動層」とも言う。)の体積は、流動化していない(沈殿している)上記粒子の層(以下、「固定層」とも言う。)の体積に対して1.05〜3.00倍であり、より好ましくは1.05〜2.50倍、さらに好ましくは1.05〜2.00倍である。上記層の体積比率(以下、「体積膨張率」とも言う。)を1.05倍以上にすることによって、粒子を対流させることができる。また、層の体積比率を3.00倍以下にすることによって、粒子間の接触、または粒子と集電装置の接触抵抗を小さくすることができる。
ここで、体積膨張率は、電解液が循環していない時の、固定層の体積と、電解液を循環している時の流動層の体積を測定することにより測定することができる。
上記正極活物質粒子または負極活物質粒子の粒径は、特に限定されないが、好ましくは10μm〜3mmであり、より好ましくは30μm〜2mmである。粒径を3mm以下にすることにより、酸化還元反応に付される活物質の表面積が大きくなり、より多くの電流を流すことができる傾向にある。また、粒径が10μm以上であることにより、適切な流動化状態を保った粒子層を形成することができる傾向にある。
ここで、活物質粒子の粒径は、例えば電子顕微鏡により測定することができる。
上記正極活物質粒子または負極活物質粒子は、それ自身が粒子状であっても、また他の導電性粒子に、これらの活物質がコーティングされた複合粒子であってもよい。導電性粒子としては、表面が導電性を有する粒子であれば特に限定されず、例えば、金属粒子、酸化インジウムスズ粒子、金属メッキガラス粒子、金属メッキ樹脂粒子などが挙げられる。
本実施形態において、負極活物質が、粒子と、電解液に溶解したイオンの両方の状態を有する場合、正極活物質は、粒子の状態を有さなくてもよい。その場合の正極活物質は、特に限定されないが、大きい起電力を有する電池を得る観点から、標準水素電極に対して酸化還元電位が0V以上であるような活物質が好ましい。そのような活物質としては、例えば、2Br/Br、2Cl/Clなどのハロゲン、Ce3+/Ce4+、Fe2+/Fe3+、V3+/VO2+、Mn2+/Mn3+、Co2+/Co3+、Cr4+/Cr5+などの金属イオンが挙げられる。
本実施形態において、負極活物質が、粒子と、電解液に溶解したイオンの両方の状態を有する場合、正極活物質は、電解液に溶解したイオンの状態を有さなくてもよい。その場合の正極活物質は、特に限定されないが、大きい起電力を有する電池を得る観点から、標準水素電極に対して酸化還元電位が0V以上あるような活物質が好ましい。そのような活物質としては、例えば、Ni(OH)/NiOOH、MnOOH/MnO、PbSO/PbO、Ag/AgOなどの固体無機化合物が挙げられる。
本実施形態において、正極活物質が、粒子と、電解液に溶解したイオンの両方の状態を有する場合、負極活物質は、粒子の状態を有さなくてもよい。その場合の負極活物質は、特に限定されないが、大きい起電力を有する電池を得る観点から、標準水素電極に対して酸化還元電位が0V以下あるような活物質が好ましい。そのような活物質としては、例えば、Ti2+/Ti3+、Cr2+/Cr3+、V2+/V3+などの金属イオンが挙げられる。
本実施形態において、正極活物質が、粒子と、電解液に溶解したイオンの両方の状態を有する場合、負極活物質は、溶解したイオンの状態を有さなくてもよい。その場合の負極活物質は、特に限定されないが、大きい起電力を有する電池を得る観点から、標準水素電極に対して酸化還元電位が0V以下あるような活物質が好ましい。そのような活物質としては、例えば、MH(M=LaNi、CaCu、MgNi、FeTiなど)の水素貯蔵合金粒子や、Pb/PbSO、Cd/Cd(OH)などの固体無機化合物が挙げられる。
本実施形態における電解液流通型二次電池においては、充電または放電に伴い、前記活物質粒子が、イオン化されて前記電解液中に溶解する、または、前記電解液中に溶解していた前記活物質イオンが粒子状の固体として析出する。特に、放電に伴い、固体の負極活物質粒子がイオン化されて電解液中に溶解し、充電に伴い、電解液中に溶解していた負極活物質イオンが粒子状の固体として析出することが好ましい。
本実施形態の電解液流通型二次電池において、固体の粒子である正極活物質または負極活物質と接触する集電体は、公知の構造を有することができる。集電体の構造は、特に限定されないが、粒子状の活物質との間の接触抵抗が小さいものが好ましく、棒状、板状、筒状、メッシュ状のいずれかの構造であることが好ましい。
また、上記集電体は、公知の材質を使用することができる。集電体の材質は、特に限定されないが、粒子との間の接触抵抗が小さいもの、及び析出する金属が強固に密着するものが好ましく、カーボン、ニッケル、銅、チタン、タンタルのいずれかの材質であることが好ましい。
本実施形態における電解液流通型二次電池においては、正極活物質と、負極活物質の接触を避けるために、公知の隔膜を用いることができる。隔膜は、正極−負極間に電荷を運ぶ電荷キャリアであるイオンを選択的に通すための膜で、粒子は通過しないことが好ましい。隔膜としては、アニオン交換膜、カチオン交換膜、バイポーラ膜などのイオン交換膜や、多孔質膜を使用することができ、電荷キャリア、活物質、電解液などの種類によって適切な材料が選ばれる。
本実施形態における電解液流通型二次電池のセルには、電解液が循環される。電解液は、水溶液、有機溶媒、イオン液体のいずれかであることが好ましく、正極活物質および/または負極活物質が溶解している。電解液中の活物質濃度としては、任意に調整することができる。また、良好なイオン伝導度を保つために、公知の無機酸、有機酸、無機塩基、有機塩基、または支持電解質を含有していてもよい。
本実施形態における電解液流通型二次電池は、大容量の電力を貯蔵する観点から、活物質イオンを含む電解液を蓄えるタンクを備えることが好ましい。上記タンクは、公知の材質および構造を有するものを用いることができる。タンクの大きさは充放電時間と比例し、用途によって任意に選定することができる。
本実施形態における電解液流通型二次電池は、電解液を流動させるためのポンプを備えることができる。上記ポンプは、公知のポンプを用いることができる。ポンプの種類は、適切な体積膨張率を保つような送液流量によって任意に選定することができる。
以下、本実施形態を実施例に基づいて具体的に説明するが、本実施形態は下記実施例に制限されるものではない。
(1)体積膨張率
活物質粒子の体積膨張率は以下の方法により測定した。縦3.0cm、横3.0cm、厚み2mmの透明アクリル容器に、活物質粒子と水を注いだ。透明アクリル容器内に沈殿した活物質粒子の層(固定層)の高さを測定した。透明アクリル容器の下部から上部に向けて、300mL/minで水を流通させた。この時、流動化した活物質粒子の層(流動層)が、透明アクリル容器の高さ3.0cmまで膨張することを確認し、流動層の高さを3.0cmとした。固定層の高さに対する流動層の高さの比率を体積膨張率とした。
(2)平均粒径
活物質粒子の平均粒径は以下の方法により測定した。走査型電子顕微鏡により亜鉛粒子を観察し、任意の100個の亜鉛粒子の大きさを測定し、その平均を算出した。
(実施例1)
図1に示すような電気化学測定セル11を用いて、電池特性の評価を行った。上記電気化学測定セルは、隔膜として電解質膜1(デュポン社製、Nafion212CS)が配置され、その一方側に負極集電体2、他方側に正極3を備えていた。電解質膜1と負極集電体2との間隔、および電解質膜1と正極3との間隔は共に2mmとした。有効セル面積は3.0cm×3.0cmとした。また負極側の底面には、平均ポアサイズ10μmのPPフィルター4を備えていた。負極活物質粒子5には平均粒径100μmの亜鉛末(堺化学工業(株)製、♯4)、負極集電体2および正極3にはカーボングラファイト板(東洋炭素(株)製、ISEM−3)を用いた。負極活物質粒子5の体積膨張率が1.50倍になるよう、亜鉛末をセルの2/3の高さに到達するまで充填した。電気化学測定セル内を循環させる負極電解液6には3MZnBr溶液50mL、正極電解液7には3MZnBr+0.2MBr水溶液50mLを用いた。また、負極電解液6および正極電解液7を蓄えた負極タンク8および正極タンク9から、電解液流路10を通じて各電解液を循環させた。
電解液の流量は正極、負極共に300mL/minとし、負極活物質粒子5を流動化させて流動層を形成させた。負極活物質粒子5の流動層の体積は、固定層の体積に対して1.50倍であった。
ポテンシオガルバノスタット((株)東陽テクニカ製、1280B型)を用いて、50mA/cm定電流にて2時間充電した後、セル電圧1.5V時の放電電流を測定したところ、40mA/cmであった。また、50mA/cm定電流にて2時間の充電と2時間の放電を5サイクル繰り返し、充放電サイクル試験を行った。充放電サイクル試験においても顕著な亜鉛デンドライドは確認されず、充放電サイクル試験後のセル電圧1.5V時の放電電流を測定したところ、38mA/cmであった。その結果を表1に示す。
(実施例2)
体積膨張率が1.11倍になるよう、亜鉛末をセルの9/10の高さに到達するまで充填したこと以外は、実施例1と同様の方法で放電電流を測定したところ、35mA/cmであった。充放電サイクル試験においても顕著な亜鉛デンドライドは確認されず、充放電サイクル試験後のセル電圧1.5V時の放電電流は32mA/cmであった。その結果を表1に示す。
(実施例3)
体積膨張率が2.00倍になるよう、亜鉛末をセルの1/2の高さに到達するまで充填したこと以外は、実施例1と同様の方法で放電電流を測定したところ、32mA/cmであった。充放電サイクル試験においても顕著な亜鉛デンドライドは確認されず、充放電サイクル試験後のセル電圧1.5V時の放電電流は32mA/cmであった。その結果を表1に示す。
(比較例1)
体積膨張率が1.00倍になるよう、セルの最上部まで亜鉛末を充填したこと以外は、実施例1と同様の方法で放電電流を測定したところ、28mA/cmであった。充放電サイクル試験においても顕著な亜鉛デンドライドは確認されず、充放電サイクル試験後のセル電圧1.5V時の放電電流は27mA/cmであった。その結果を表1に示す。
(比較例2)
負極活物質に亜鉛板((株)ニラコ製、ZN−483384)を用い、前記亜鉛板を負極集電体として用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で放電電流を測定したところ、20mA/cmであった。充放電サイクル試験においても、1サイクル目の放電で亜鉛デンドライドを確認し、3サイクル目で亜鉛デンドライドが電解質膜を突き刺し、サイクル試験を続行することは困難となったため、充放電サイクル試験後の放電電流を測定することができなかった。その結果を表1に示す。
表1に示す実施例1〜3及び比較例1、2の結果から明らかなように、活物質を粒子状とし、特定の体積膨張率で流動化させることによって、放電時により大きな電流を取り出すことができ、また亜鉛デンドライドの析出を抑制できることが確認された。
本発明の電解液流通型二次電池は、活物質を粒子状とし、特定の体積膨張率で流動化させることにより、大電流を得ることができ、高エネルギー密度の電解液流通型二次電池を提供することができる。また、析出時のデンドライドが抑制され、サイクル寿命の長い電解液流通型二次電池を提供することができる。
1 電解質膜
2 負極集電体
3 正極
4 フィルター
5 負極活物質粒子
6 負極電解液
7 正極電解液
8 負極タンク
9 正極タンク
10 電解液流路
11 電気化学測定セル

Claims (4)

  1. 正極と負極とを備えたセルに、電解液を流通させる電解液流通型二次電池であって、
    正極活物質と負極活物質のどちらか一方または両方が、固体の活物質粒子と、電解液に溶解した活物質イオンとの両方の状態を有しており、
    前記活物質粒子が電解液によって流動化され、流動化されている前記活物質粒子の層の体積が、流動化していない前記活物質粒子の層の体積に対して1.05〜3.00倍であり、
    充電または放電に伴い、前記活物質粒子が、イオン化されて前記電解液中に溶解する、または、前記電解液中に溶解していた前記活物質イオンが粒子状の固体として析出する、電解液流通型二次電池。
  2. 放電に伴い、固体の負極活物質粒子がイオン化されて電解液中に溶解し、充電に伴い、電解液中に溶解していた負極活物質イオンが粒子状の固体として析出する、請求項1記載の電解液流通型二次電池。
  3. 前記負極活物質粒子/前記負極活物質イオンの組み合わせが、Li/Li、K/K、Ca/Ca2+、Na/Na、Mg/Mg2+、Al/Al3+、Mn/Mn3+、Zn/Zn2+、Zn/ZnO 2−、Cr/Cr2+、Fe/Fe2+、Cd/Cd2+、Co/Co2+、Ni/Ni2+、Sn/Sn2+、Pb/Pb2+からなる群から選ばれる1種以上の金属/金属イオンの組み合わせである、請求項2記載の電解液流通型二次電池。
  4. 前記活物質イオンを含む電解液を蓄えるタンクを備える、請求項1〜3のいずれか1項記載の電解液流通型二次電池。
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