JP2014229412A - 加熱装置及びその製造方法 - Google Patents

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裕紀 今津
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孝一 乙黒
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Izumi Shimura
泉 志村
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Abstract

【課題】液密性に優れた加熱装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】一対の電極面を有する板片状の発熱体と、前記発熱体を挟むように前記一対の電極面のそれぞれに接合され、それぞれの一端にリード線が接続された一対の電極部材と、前記発熱体及び前記一対の電極部材とを内部に収容し、一対の板状の放熱面を有する筒体と、前記筒体の端部開口を封止する封止体と、を有し、前記筒体が表面に陽極酸化被膜が形成されたアルミニウム材からなり、前記封止体が前記筒体の端部開口の内面側及び外側面と結着した熱可塑性樹脂からなる。
【選択図】図2

Description

本発明は加熱装置及びその製造方法に関する。詳しくは、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーター及びその製造方法に関する。
PTC発熱体層と電極をシート材で覆ったPTCヒーターにおける端末で露出する電極の一部又は全部にリード線を接続したPTCヒーターの端末構造において、これら端末で露出する電極の周囲と、リード線の接続部における導体露出部の周囲を絶縁体で覆うと共に、このPTCヒーターの端末部のシート材の周囲に半連泡弾性体を配置し、かつ、このPTCヒーターの端末部を、その周辺部を覆う上下の端末保護カバーで挟み込み、半連泡弾性体とリード線の端部とを押圧しながらこれら上下の端末保護カバーを周辺部で重ね合わせて接合固定したPTCヒーターの端末構造が知られている(特許文献1参照)。
特開平11−97155号公報
本発明は、液密性に優れた加熱装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1記載の加熱装置は、
一対の電極面を有する板片状の発熱体と、
前記発熱体を挟むように前記一対の電極面のそれぞれに接合され、それぞれの一端にリード線が接続された一対の電極部材と、
前記発熱体及び前記一対の電極部材とを内部に収容し、一対の板状の放熱面を有する筒体と、
前記筒体の端部開口を封止する封止体と、を有し、
前記筒体が表面に陽極酸化被膜が形成されたアルミニウム材からなり、前記封止体が前記筒体の端部開口の内面側及び外側面と結着した熱可塑性樹脂からなる、
ことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の加熱装置において、
前記筒体の前記端部開口内部に嵌挿され、前記発熱体と前記封止体の前記筒体の内面側とを離隔する板状の位置決め部材を更に備え、
前記リード線が前記位置決め部材に挿通されて固定されている、
ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の加熱装置において、
前記位置決め部材に挿通された前記リード線が、前記筒体の前記端部開口の前記内面側において絶縁充填剤で固定されている、
ことを特徴とする。
前記課題を解決するために、請求項4記載の加熱装置の製造方法は、
筒体表面に陽極酸化被膜を形成する陽極酸化工程と、
前記陽極酸化被膜が形成された筒体の内面に、一対の電極部材を有する板片状の発熱体を収容し、前記筒体の内面と前記発熱体を圧接して密着させる圧着工程と、
前記発熱体が圧着された前記筒体の端部開口部から前記筒体の内側へ位置決め部材を嵌入する位置決め部材の嵌挿工程と、
前記発熱体が圧着された前記筒体に、熱可塑性樹脂をインサート成形して結着させる封止工程と、を含む、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、加熱装置内部に収容された発熱体を液密に保つことができる。
請求項2に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、封止体が発熱体の電極部材へ流入することを防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、リード線と封止体の接着をより強固にすることができる。
請求項4に記載の発明によれば、液密性に優れた加熱装置を製造することができる。
加熱装置1のリード線側に視点をおいた斜視図である。 加熱装置1の縦断面模式図である。 加熱装置1における角筒体20及びPTC発熱体10の平面図である。 PTC発熱体10における電極部材の取り付けを説明するための模式図である。 (a)は加熱装置1の圧着前の断面模式図、(b)は圧着後の断面模式図である。 加熱装置1の製造方法を説明するための製造工程フロー図である。 加熱装置1における角筒体20とPTC発熱体10の圧着方法を示す模式図である。 加熱装置1における位置決め部材の角筒体20への嵌挿を説明するための模式図である。 (a)は加熱装置1を用いた温水生成装置の縦断面模式図、(b)はA−A断面模式図である。 (a)は比較例の加熱装置100の縦断面模式図、(b)はリード線導出部の断面模式図である。
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び実施例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(1)加熱装置の全体構成
(1.1)加熱装置の概略構成
以下、図面を参照しながら、加熱装置1の全体構成を説明する。
図1は本実施形態に係る加熱装置1のリード線側に視点をおいた斜視図、図2は加熱装置1の縦断面模式図である。
加熱装置1は、PTC発熱体10と、PTC発熱体10を収容する角筒体20と、角筒体20におけるPTC発熱体10のリード線15導出側の端部開口を覆う封止体30及び他方の端部開口を覆う封止体40と、からなる。
図3は加熱装置1における角筒体20及びPTC発熱体10の平面図、図4はPTC発熱体10における電極部材の取り付けを説明するための模式図、図5(a)は加熱装置1の圧着前の断面模式図、(b)は圧着後の断面模式図である。以下、図面を参照しながら、加熱装置1の内部構造について説明する。
(1.2)PTC発熱体の構成
図3及び図4に示すように、PTC発熱体10は、抵抗発熱体からなり、発熱による温度上昇に伴い、電気抵抗値も上昇して電流を抑制する正温度特性(以下、PTC特性と記す)を有するPTCヒーター素子11が角筒体20の内部で長手方向に複数配置されて構成されている。
PTCヒーター素子11は、矩形の薄板状に形成され、その両面には導電性の材料からなる一対の電極面11A、11Bが形成されている。一対の電極面11A、11Bには、それぞれ電極部材12A、12Bが接合され、それぞれの電極部材12A、12Bはリード線15を介して、外部からそれぞれ逆極性の電圧が印加される。
電極面11A、11Bは、一例としてセラミックスからなるPTCヒーター素子11の表面にアルミニウムを溶射して形成され、電極部材12A、12BがPTCヒーター素子11を挟んでそれぞれシリコン系接着剤を介して面接合されている。
図4(a)に示すように、電極部材12A、12Bは、アルミニウムやステンレス等の金属からなり、板状の平板部の一端側には端子13Aが設けられている。同様に、電極部材12Bも、アルミニウムやステンレス等の金属からなり、板状の平板部の一端側には端子部13Bが設けられている。
そして、PTCヒーター素子11の電極面11A、11Bと、電極部材12A、12Bの平板部とはPTCヒーター素子11を挟んでそれぞれシリコン系接着剤を介して接着されている。
図4(b)に示すように、電極部材12A、12Bの一端側には、端子13A、13Bがロウ付けにより接合されている。端子13A、13Bの他端側は、電極部材12A、12Bの一端側から突出して、周方向の一部が切り欠かれた筒状に形成され、リード線15の一端がカシメによって接合されている。
電極部材12A、12Bを介してリード線15が接合されたPTC発熱体10は、絶縁シート14に包まれて、角筒体20の内部に収容されている(図5参照)。絶縁シート14には、熱伝導性や電気絶縁性を有し、例えば、PP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)等の薄層がラミネートされたPET(ポリエチレンテレフタレート)シートや、PI(ポリイミド)フィルム等を用いることができる。PTC発熱体10は、長手方向の両端部を除き、絶縁シート14で覆われているが、両端部は、後述する封止体30及び封止体40方法で液密に封止されている。
(1.2)角筒体
角筒体20は、互いに対抗する一対の放熱面20A、20Bを有し、内部のPTC発熱体10で発生された熱を、放熱面20A、20Bに接した被接触体へ伝熱する。
PTC発熱体10は角筒体20に収容される際に、角筒体20の内面とは間隙を有している。そのために、角筒体20の一対の放熱面20A,20BのPTC発熱体10が収納されている領域に機械的な圧力をかけて、PTC発熱体10を厚み方向に押し潰す(図7(c)矢印F参照)。その結果、PTC発熱体10が電極部材12A、12B及び絶縁シート14を介して角筒体20の内面と密着状態となり(図7(b)参照)、PTC発熱体10に発生した熱が角筒体20の内面から放熱面20A、20Bへ伝熱される。
角筒体20の側面20Cには、長手方向に溝状の凹部21が延在して形成され、角筒体20を機械的な圧力をかけて押し潰したときに、側面が外側に膨らむことを防止している。
後述するように、熱可塑性樹脂をインサート成形によって射出成形して封止体30、40を形成する際に、接着力を増加させるために、角筒体20の表面には予め陽極酸化被膜を形成する。そのために、角筒体20の材料としては、熱伝導性が高く、加工性が容易な材料で、酸性溶液中で電解法による陽極酸化処理が可能なアルミニウム等の金属が好適である。
(1.3)封止体
封止体30は、角筒体20におけるPTC発熱体10のリード線15側の端部開口を角筒体20の外側面及び内側面と結着して液密に覆っている。また、封止体30は、端子13A、13Bに接合されたリード線15を角筒体20の端部開口の略中央部で固定して支持する。
封止体40は、角筒体20の他方の端部開口を角筒体20の外側面及び内側面と結着して液密に覆っている。
封止体30及び封止体40は、共に熱可塑性樹脂からなり、後述するように角筒体20と金型を用いて射出成形によってインサート成形される。熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、耐熱性及び耐薬品性に優れるポリフェニレンサルファイド(PPS)が好ましい。
(2)加熱装置の封止方法
以下、図6ないし図8を参照しながら、加熱装置1の両端部の封止方法を具体的に説明する。
図6は加熱装置1の製造方法を説明するための製造工程フロー図、図7(a)はPTC発熱体10を角筒体20に挿入した状態の平面図、図7(b)はPTC発熱体10を角筒体20に挿入した状態の側面図、図7(c)は角筒体20のPTC発熱体10を収容した領域を押し潰した状態の側面図、図7(d)はPTC発熱体10を収容した角筒体20の全体を押し潰した状態の側面図、図7(e)は角筒体20のPTC発熱体10を収容した領域を押し潰した状態の斜視図、図8は位置決め部材の角筒体20への嵌挿を説明するための模式図である。
(2.1)角筒体の陽極酸化処理
まず、洗浄工程(S10)において、角筒体20の表面を脱脂、水洗等により洗浄して、角筒体20の表面に付着した有機物等の異物を除去する。脱脂は、角筒体20を有機溶剤に浸漬する方法や、水酸化ナトリウム等のアルカリ水溶液に浸漬する方法等により実施することができる。
次に、陽極酸化工程(S20)において、洗浄された角筒体20の表面に酸化アルミニウムの陽極酸化被膜を形成させる。陽極酸化工程(S20)においては、角筒体20を陽極とし、不溶性電極を陰極として酸性溶液中で電解する、公知の陽極酸化方法を適用することができる。
例えば、サイクリック法、定電流法、定電位法、パルス定電位法及びパルス定電流法等の電解法によって、角筒体20のアルミニウム金属表面を陽極酸化して、酸化アルミニウムの陽極酸化被膜を形成させる方法がある。
酸性溶液は特に限定されるものではないが、例えば燐酸、クロム酸、シュウ酸、硫酸溶液が例示でき、これらを1種または2種以上混合して用いることができる。
陽極酸化工程(S20)を実施することで、角筒体20のアルミニウム金属表面に微細な凹凸を有する緻密な陽極酸化被膜が形成され、凹部にインサート成形工程で溶融状態の熱可塑性樹脂が入り込み、アンカー効果によって接着性が向上する。
次に、陽極酸化被膜が形成された角筒体20を水洗して、陽極酸化被膜上に付着した酸性水溶液を除去する(S30)。水洗は、例えば常温の水道水で複数回洗浄した後、50℃の温水で15秒ないし60秒間洗浄することにより、陽極酸化被膜上に付着した酸性水溶液を除去することができる。
(2.2)PTC発熱体と角筒体との圧着
圧着工程(S40〜S60)においては、陽極酸化処理によって陽極酸化膜が形成された角筒体20の内部にPTC発熱体10を挿入して角筒体20と圧着する。
まず、電極部材12A、12Bを介してリード線15が接合されたPTC発熱体10は、絶縁シート14に包まれて、角筒体20の内部に挿入される(S40:図7(a)、(b)参照)。
この状態では、PTC発熱体10の表面(発熱面)が、角筒体20の内面と間隙を有しているために、角筒体20の一対の放熱面20A、20BのPTC発熱体10が収納されている領域に機械的な圧力をかけて、角筒体20をPTC発熱体10の厚み方向に押し潰す(S50:図7(c)矢印F参照)。この結果、PTC発熱体10は、電極部材12A、12B及び絶縁シート14を介して角筒体20の内面と密着状態となり、角筒体20に固定される。
尚、角筒体20は放熱面20A、20B全体を押し潰してもよく(図7(d)参照)、角筒体20のPTC発熱体10が収納されている領域以外の、電極部材12A、12Bに接続されたリード線15の導出側は押し潰さず、封止体30を形成する熱可塑性樹脂が充填される空間をより大きく確保することもできる(図7(e)参照)。
(2.3)位置決め部材の装着
まず、封止体30、40をインサート成形によって形成するに先立って、射出成形によって充填される熱可塑性樹脂の充填深さを規制する位置決め部材31、32を角筒体20の端部開口W1、W2側から角筒体20の内部に嵌挿する(S60)。
角筒体20のリード線15が導出される端部開口W1側においては、リード線15の挿通孔31aが形成された位置決め部材31にPTC発熱体10の一端から導出されたリード線15を挿通しながら、位置決め部材31を角筒体20の端部開口W1から内部へ嵌挿する(図8(a)参照)。
位置決め部材31の角筒体20への嵌挿位置は、後から射出成形によって充填される熱可塑性樹脂の充填深さによって決定することができる。
具体的には、封止体30としての角筒体20の端部開口W1からの充填深さは、リード線15の固定、封止体30とリード線15との界面からの浸水等を防止できる深さ、及び角筒体20表面と封止体30との接着力によって決定され、1mmないし10mmの充填深さが好適である。
封止体30の充填深さが1mmよりも小さい場合は、例えば、液体中に浸漬させて使用される場合に、液体圧により、角筒体20の両端部内面と封止体30との界面、及び封止体30とリード線15との界面からの浸水を防止できない虞がある。
封止体30の充填深さが10mmよりも大きい場合は、PTC発熱体10と封止体30との空間が必要以上に大きくなり、加熱装置1が大型化してしまい不経済である。
また、位置決め部材31は、角筒体20のリード線15が導出される端部開口W1側において、リード線15の導出方向と交差する方向の導出位置を規制する機能を有している。
そのために、位置決め部材31の角筒体20への嵌挿位置は、封止体30の好適な充填深さが1mmないし10mmであることから、この範囲内で決定することができる。
尚、図8(c)に示すように、位置決め部材31を嵌挿した後、端部開口W1におけるリード線15と角筒体20内面との間に、絶縁充填剤の一例として、液状シリコンゴムRを適量充填・硬化させてリード線15の端部開口W1における保持をより強固にしても良い。
その結果、封止体30をインサート成形する際に、溶融樹脂の流動によるリード線15の動きが抑制されてリード線15と封止体30との接着強度を向上させることができる。
角筒体20の他方の端部開口W2も、封止体40を射出成形によって充填する前に角筒体20の他方の端部開口W2から位置決め部材32を嵌挿する。位置決め部材32は、角筒体20の内面と嵌合する矩形状であり、リード線15を導出する必要がないため、リード線15の挿通孔は設けられていない(図8(b)参照)。
(2.4)封止体のインサート成形
次に、内部にPTC発熱体10が固定された状態の角筒体20の両端部を熱可塑性樹脂からなる封止体30、40によって封止する。
具体的には、内部にPTC発熱体10が固定され、端部開口W1、W2からPTC発熱体10側へ位置決め部材31、32が嵌挿された状態の角筒体20をインサート成形用金型M1に収容設置し、溶融状態の熱可塑性樹脂をインサート成形用金型M1に形成されたキャビティー内に射出し、封止体30、40を角筒体20の両端部に結着させる(S70)。
(3)作用・効果
本実施形態に係る加熱装置1は、液体を貯留したタンク内にヒーターを浸漬して温水を生成する温水生成装置300の加熱源として用いることができる。
本実施形態に係る加熱装置1の作用について説明する前に、温水生成装置300の構成及び温水生成装置300に浸漬して用いられる比較例の加熱装置100の問題点について説明する。
(3.1)温水生成装置の構成
図9(a)は温水生成装置300の縦断面模式図、図9(b)はA−A断面模式図である。
温水生成装置300は、液体の流入口315及び流出口316を備えた本体310と、本体310の内部に形成された液体貯留部311に収容された加熱装置1と、本体310の上方開口面を閉塞する蓋体320と、を備えて構成されている。
温水生成装置300は、加熱源にPTC特性を有するPTCヒーター素子11を備えた加熱装置100を、本体310と蓋体320とで画成された液体貯留室内の液体と共に浸漬して配置し、短時間で効率よく温水を生成できる。
液体と共に浸漬された加熱装置100の端部は、導出されるリード線150が、角筒体120の端部開口の中央部に位置決めされた状態で、封止材Sで封止されている。
(3.2)比較例の加熱装置の構成
図10(a)は比較例に係る加熱装置100の縦断面模式図、図10(b)はリード線導出部の断面模式図である。
図10(a)、(b)に示すように、加熱装置100は、角筒体120の端部開口が封止材Sとして液状シリコンゴムを充填した後、室温で湿気硬化させて封止されている。シリコンゴムは、電気絶縁性、耐熱性及び防水性を有しているために、温水生成装置300内で液体に浸漬してヒーターとして用いた場合にも、封止材Sによって、角筒体120の端部からPTC発熱体110への液体の侵入を防止することができる。
また、リード線150と封止材Sとの接触部及び角筒体120の内面と封止材Sとの接触部を、例えば、コロナ放電によるイオンを照射して表面改質を行うことで表面の濡れ性を向上させ、密着性を向上させることができる。
しかるに、温水生成装置300内の液体が高圧で保持されて、生成された温水を高圧で吐出する使用方法においては、角筒体120と封止材Sの接着界面から高圧の温水がPTC発熱体110側へ浸水する虞があった。
更に、リード線150と封止材Sとの接触部においては、リード線150が固定されていないために、リード線150と封止材Sとの界面が剥離しやすく、温水生成装置300の使用環境によっては、リード線150の導出部を介して外部からPTC発熱体110側へ浸水する虞もあった。
(3.3)本実施形態の加熱装置
本実施形態に係る加熱装置1は、内部にPTC発熱体10が固定された状態の角筒体20の両端部が熱可塑性樹脂の封止体30、40によって封止されている。
角筒体20は、陽極酸化工程(S20)を実施することで、角筒体20のアルミニウム金属表面に微細な凹凸を有する緻密な陽極酸化被膜が形成され、凹部にインサート成形工程で溶融樹脂が入り込み、アンカー効果によって角筒体20と封止体30、40とが強固に結着されている。
また、封止体30、40をインサート成形によって形成するに先立って、射出成形によって充填される溶融樹脂の充填深さを規制する位置決め部材31、32が嵌挿されている。その結果、充填された溶融樹脂の、角筒体20の内部に固定されたPTC発熱体10及び電極部材12A、12B側への進入が抑制されるために、溶融樹脂を高温で充分な射出圧で充填した後、必要な保圧で保持して強固な接着力を得ることができる。
また、位置決め部材31は、角筒体20のリード線15が導出される端部開口W1側において、リード線15の導出方向と交差する方向の導出位置を規制して保持するために、射出成形によって充填される溶融樹脂によるリード線の保持位置の乱れを抑制し、封止体30から導出されるリード線の導出位置を安定化することができる。
封止体30、40は熱可塑性樹脂の一例として、耐熱性及び耐薬品性に優れるポリフェニレンサルファイド(PPS)を用いて、表面に陽極酸化被膜が形成された角筒体20とインサート成形によって形成されている。そのために、高温で高圧に保持された液体中に浸漬されて使用されても、角筒体20と封止体30、40の接着界面におけるPTC発熱体10側への浸水を確実に防止することができる。
更に、封止体30から導出されるリード線15と封止体30との接触部においては、リード線15が固化したPPSによって固定されているために、リード線15の導出部において外部からPTC発熱体110側への浸水を確実に防止することができる。
本実施形態に係る加熱装置1についてPTCヒーター素子11を収容したアルミニウム製の角筒体20にインサート成形用の金型を用いて熱可塑性樹脂を射出成形して封止体30、40を形成し、加熱装置1の防水性能を確認するために、耐圧性能評価試験を行った。
「角筒体への陽極酸化膜形成」
アルミニウム材料としてA6063(JIS規格)からなる角筒体20の表面を、40℃に加熱された水酸化ナトリウム溶液に60秒間浸漬した後十分に水洗し、脱脂処理を実施した。
陽極酸化膜形成のために、60℃に加熱された精製硫酸の酸性溶液中で、脱脂された角筒体20を陽極として陽極電解を行い、水洗した後、乾燥した。
得られた陽極酸化被膜4の厚さは、略250nmであった(陽極酸化工程)。
「PTC発熱体と角筒体との圧着」
陽極酸化膜が形成された角筒体20の内部にPTC発熱体10を挿入した後、角筒体20の一対の放熱面20A、20BのPTC発熱体10が収納されている領域をプレス装置を用いて機械的な圧力をかけて、角筒体20をPTC発熱体10の厚み方向に押し潰した。
角筒体20の側面20Cには、長手方向に溝状の凹部21を予め設けておくことで、角筒体20を圧縮して押し潰したときに、角筒体20の側面が外側に膨らむことを防止することができた(図5(b)参照)。
この結果、PTC発熱体10は、電極部材12A、12B及び絶縁シート14を介して角筒体20の内面と密着状態となり、角筒体20に固定される。また、角筒体20の側面20Cは、予め設けられた溝状の凹部21を起点に内側へ屈曲し、PTC発熱体10の側面と角筒体20の側面20Cが近接してPTC発熱体10から角筒体20への伝熱が良好に行われる。
「位置決め部材の装着」
位置決め部材31、32は、角筒体20の端部開口W1、W2の形状に合わせて厚み2mmのシリコンゴムシートをビクトリア型を用いて打ち抜き成形した。
成形した位置決め部材31は、角筒体20のリード線15側の端部開口W1の端面から内面側へ4mmの位置に嵌挿し、位置決め部材32は、角筒体20の他方の端部開口W2の端面から内面側へ3mmの位置に嵌挿して、射出成形により充填される溶融樹脂のPTC発熱体10側へのストッパーとした。
角筒体20の端部開口W1側においては、位置決め部材31を挿入した後、リード線15と角筒体20内面との間に、液状シリコンゴムRを適量充填した後、室温で湿気硬化させてリード線15の端部開口W1における保持をより強固にした。
その結果、封止体30をインサート成形する際に、溶融樹脂の流動によるリード線15の動きが抑制されてリード線15と封止体30との接着強度を向上させることができる。
「封止体のインサート成形」
内部にPTC発熱体10が固定され、端部開口W1、W2からPTC発熱体10側へ位置決め部材31、32が嵌挿された状態の角筒体20をインサート成形用金型M1に収容設置し、溶融樹脂をインサート成形用金型M1に形成されたキャビティー内に射出し、封止体30、40を角筒体20の両端部に結着させた。
熱可塑性樹脂として、ポリフェニレンサルファイド(PPS:商品名ジュラファイド ポリプラスチック社製)を、陽極酸化膜が形成された角筒体20の表面に、射出成形機を用いて金型成型温度140℃、射出圧力180MPaでインサート成形を行った。
その結果、角筒体20のアルミニウム金属表面に形成された陽極酸化被膜の凹部に溶融樹脂(PPS)が入り込み、アンカー効果によって接着性が向上した封止体30、40が形成された。
また、角筒体20の端部開口W1側においては、位置決め部材31を嵌挿した後、リード線15を液状シリコンゴムRを充填して固化させた結果、射出されたPPSの流動によるリード線15の動きが抑制されてリード線15とPPSとの接着強度が向上した。
「耐圧性能評価試験」
得られた加熱装置1をヒーターとして備えた温水生成装置300に、液体として水道水を用いて漏水試験を実施した。その結果、0.3MPaの内部圧力をかけても、封止体30、40と角筒体20との結着面、具体的には、角筒体20の側面20Cの凹部21及び放熱面20A,20Bと封止体30、40との間からPTC発熱体10内部へ高圧の液体が侵入し、絶縁抵抗が低下することが無かった。
以上、本発明に係る加熱装置及びその製造方法の実施形態の具体例を詳述したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。
本発明は、防水仕様の車載用温水生成装置、車載用温水洗浄装置、湯沸し器等の液体加熱設備等に利用可能である。
また、移動式温風ヒータや浴室暖房乾燥機など、暖房設備や乾燥設備全般に対しても利用可能である。
1、100・・・加熱装置
10、110・・・PTC発熱体
11・・・PTCヒーター素子
11A、11B・・・電極面
12A、12B・・・電極部材
13A、13B・・・端子
14・・・絶縁シート
15、150・・・リード線
20、120・・・角筒体
20A、20B・・・放熱面(角筒体)
20C・・・側面(角筒体)
21・・・凹部(角筒体)
30、40・・・封止体
31、32・・・位置決め部材
300・・・温水生成装置
310・・・本体
320・・・蓋体
W1、W2・・・端部開口
M1・・・インサート成形用金型
S・・・封止材
R・・・液状シリコンゴム

Claims (4)

  1. 一対の電極面を有する板片状の発熱体と、
    前記発熱体を挟むように前記一対の電極面のそれぞれに接合され、それぞれの一端にリード線が接続された一対の電極部材と、
    前記発熱体及び前記一対の電極部材とを内部に収容し、一対の板状の放熱面を有する筒体と、
    前記筒体の端部開口を封止する封止体と、
    を有し、
    前記筒体が表面に陽極酸化被膜が形成されたアルミニウム材からなり、前記封止体が前記筒体の端部開口の内面側及び外側面と結着した熱可塑性樹脂からなる、
    ことを特徴とする加熱装置。
  2. 前記筒体の前記端部開口内部に嵌挿され、前記発熱体と前記封止体の前記筒体の内面側とを離隔する板状の位置決め部材を更に備え、
    前記リード線が前記位置決め部材に挿通されて固定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記位置決め部材に挿通された前記リード線が、前記筒体の前記端部開口の前記内面側において絶縁充填剤で固定されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の加熱装置。
  4. 筒体表面に陽極酸化被膜を形成する陽極酸化工程と、
    前記陽極酸化被膜が形成された筒体の内面に、一対の電極部材を有する板片状の発熱体を収容し、前記筒体の内面と前記発熱体を圧接して密着させる圧着工程と、
    前記発熱体が圧着された前記筒体の端部開口部から前記筒体の内側へ位置決め部材を嵌入する位置決め部材挿入工程と、
    前記発熱体が圧着された前記筒体に、熱可塑性樹脂をインサート成形して結着させる封止工程と、を含む、
    ことを特徴とする加熱装置の製造方法。
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