JP2014228598A - 電子写真装置用導電性エラストマー部材 - Google Patents

電子写真装置用導電性エラストマー部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2014228598A
JP2014228598A JP2013106456A JP2013106456A JP2014228598A JP 2014228598 A JP2014228598 A JP 2014228598A JP 2013106456 A JP2013106456 A JP 2013106456A JP 2013106456 A JP2013106456 A JP 2013106456A JP 2014228598 A JP2014228598 A JP 2014228598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon black
conductive elastomer
graphite
glycol
less
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013106456A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6116364B2 (ja
Inventor
浩 三田
Hiroshi Mita
浩 三田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP2013106456A priority Critical patent/JP6116364B2/ja
Publication of JP2014228598A publication Critical patent/JP2014228598A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6116364B2 publication Critical patent/JP6116364B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Wet Developing In Electrophotography (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Electrophotography Configuration And Component (AREA)
  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Abstract

【課題】安定した電気特性を発揮しうる電子写真装置用導電性エラストマー部材を提供すること。
【解決手段】特定のポリエステルポリオールを用いたポリウレタンエラストマーに黒鉛とともに小サイズなカーボンブラックを多量に含有させた導電性エラストマーによって形成された電子写真装置用導電性エラストマー部材を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真装置用導電性エラストマー部材に関する。
従来、プリンター、複写機、ファクシミリなどの電子写真装置には、一部又は全部をエラストマーによって形成させたエラストマー部材が備えられており、該エラストマー部材としては、ローラ状、ベルト状、又はシート状などの形状を有するものが知られている。
また、この種のエラストマー部材としては、カーボンブラックや金属粉末などの導電性フィラーを含有させて所定の導電性を付与した導電性エラストマー部材などが知られている。
そして、電子写真装置用の導電性エラストマー部材としては、具体的には、現像部材、帯電部材、及び転写部材などが知られており、例えば、表面担持したトナーを帯電させるための導電性エラストマー部材たる現像ローラは、芯金の外周に弾性体層が所定の肉厚で備えられており、該弾性体層が前記導電性エラストマーによって形成されている。
斯かる電子写真装置用導電性エラストマー部材は、導電性エラストマーに配合されているカーボンブラックなどの導電性フィラーが鎖状の集合体を弾性体層中に形成することなどにより、導電性が発現されているものと考えられている。
ところで、近年、電子写真装置においては、トナーを微細化させて印刷精度を向上させることが行われており、流動パラフィン、シリコンオイル、鉱物油、あるいは、植物油などのキャリアと呼ばれる液体に、例えば、1μm程度にまで微細化したトナーを分散させた液体現像剤が用いられるようになってきている。
この液体現像剤を使用する液体現像電子写真装置は、印刷品質にも優れ、写真やイラストなどを一度に数百枚、或いは、千枚以上印刷するような用途において広く用いられている。
しかしながら、導電性エラストマー部材は、継続して電圧が加えられ続けると導電性エラストマーの導電性が徐々に低下する(電気抵抗値が高くなる)という問題を有しており、液体現像電子写真装置のように長時間の連続運転が実施されると電気的な特性を変化させてしまうおそれを有する。
特に現像ローラのように帯電粒子であるトナーの移動を制御する役割を担っている導電性エラストマー部材においては、弾性体層の電気抵抗が上昇するとトナーの移動を制御しにくくなるため、画像濃度の低下など、画質の悪化を招くおそれを有する。
このような問題に対し下記特許文献1に記載の発明においては、DBP吸油量が71〜168cm3/100gのカーボンブラックを黒鉛とともに導電性フィラーとして採用することが記載されている。
特開2009−271328号公報
黒鉛は、カーボンブラックに比べて粒子サイズが1オーダー程度大きく、且つ、金属的な電気特性を示すことからカーボンブラックともに導電性エラストマー部材中に分散させることで当該黒鉛を中継点とした導電ネットワークを形成し、カーボンブラックのみで導電ネットワークを形成させた場合よりも連続通電時における抵抗安定性を導電性エラストマー部材に発揮させ得る。
しかしながら、黒鉛とカーボンブラックとを併用した場合においても導電性エラストマー部材に十分な抵抗安定性を発揮させるのが困難な場合があり、従来、さらなる改善が要望されている。
なお、導電性エラストマー部材に対するこのような要望は、長時間の連続使用が実施される機会の多い液体現像電子写真装置において特に強く求められているものであるが、乾式現像電子写真装置に利用される導電性エラストマー部材にも同様に求められている事項である。
そして、本発明は、このような要望を満足させることを課題としており安定した電気特性を発揮しうる電子写真装置用導電性エラストマー部材を提供することを課題としている。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行い、導電性エラストマー部材中における電荷の蓄積と抵抗値の時間変化とに相関性を見出した。
また、本発明者は、導電性エラストマー部材中でカーボンブラック間やカーボンブラックと黒鉛との間がオングストロームオーダーやナノオーダーで離間して電気的に不連続になっており、通電時においてこの不連続箇所にトンネル電流が生じていること、及び、連続通電によって許容範囲を超えた電荷の蓄積が起きることでトンネル電流による通電が阻害されることが抵抗値の時間変化に関連していると判断して上記課題の解決を図った。
そして、本発明者は、特定のエラストマーに特定のカーボンブラックと黒鉛とを分散させて導電性エラストマーを形成させることで、電荷の蓄積量を大きく確保させることができ当該導電性エラストマーに優れた抵抗安定性を発揮させ得ることを見出して本発明を完成させるに至った。
即ち、上記課題を解決するための電子写真装置用導電性エラストマー部材に係る本発明は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるポリウレタンエラストマーと、黒鉛と、カーボンブラックとを含有する導電性エラストマーによって形成されている電子写真装置用導電性エラストマー部材であって、前記導電性エラストマーが前記カーボンブラックを1質量%以上3質量%以下の割合で含有し、前記黒鉛を3質量%以上8質量%以下の割合で含有しており、前記カーボンブラックのDBP吸油量が45cm3/100g以上64cm3/100g以下で、前記黒鉛の平均粒子径が3μm以上10μm以下であり、前記ポリウレタンエラストマーは、前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上のグリコール(A1)と、炭素数2又は3の直鎖状のグリコール(A2)と、水酸基を3個以上有するグリコール(A3)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をアジピン酸(B)と反応させた数平均分子量が2000以上3000以下で水酸基価が80mg/KOHg以上88mg/KOHg以下のポリエステルポリオールであることを特徴としている。
本発明において導電性フィラーとして用いるカーボンブラックは、DBP吸油量の値の小さな、小サイズのものである。
従って、導電性エラストマーの体積に対する当該カーボンブラックの表面積の割合を大きくすることができ数多くの導電ネットワークを形成させることができる。
即ち、本発明においては、導電性エラストマーを電荷の蓄積量が大きなものとすることができる。
ただし、カーボンブラックは凝集を生じ易いために単にDBP吸油量の値の小さなカーボンブラックを用いるだけでは導電性エラストマー中に良好な状態で導電ネットワークを形成することが困難であるものの本発明においては特定のポリウレタンエラストマーに前記カーボンブラックを分散させることから該カーボンブラックが従来の導電性エラストマーに比べて均一分散されやすく、該導電性エラストマーに良好な状態で導電ネットワークを形成させ得る。
一態様の電子写真装置用導電性エラストマー部材(現像ローラ)を示す概略斜視図。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について、電子写真装置用導電性エラストマー部材として現像ローラを例示しつつ添付図面に基づき説明する。
図1は、現像ローラを示す斜視図であり、この斜視図にも示されているように、該現像ローラ1は、軸周りに回転可能な状態で電子写真装置に備えられるべく中心部に金属の丸棒からなる芯金2を備えている。
本実施形態における前記現像ローラ1は、該芯金2の外周に略一定の厚みで備えられた弾性体層3と、該弾性体層3の表面を覆う表面層4とを有している。
即ち、本実施形態における前記現像ローラ1は、円筒状の弾性体を芯金2の外周に装着させた状態となって形成されている。
なお、前記弾性体層3は、当該現像ローラ1が他の部材との接触によって所望の弾性変形を示すように設けられたものであり、前記表面層4は、表面の耐摩耗性、並びに離型性を向上させるべく現像ローラ1の最表面側に設けられたものである。
この弾性体層3の厚みや表面層4の厚みについては、本実施形態の現像ローラ1がどのような電子写真装置に組み込まれるかによっても異なるが、通常、前記弾性体層3の厚みは、1mm〜10mmとされ、前記表面層4は、1μm〜100μmの厚みとされる。
本実施形態の現像ローラに必要とされる導電性は、特に限定されるものではないが、通常、1×104Ω以上1×108Ω以下の電気抵抗値となるように形成されることが求められており、JIS A硬度は、通常、10〜60°程度であることが好ましく、20〜50°であることが特に好ましい。
また、前記現像ローラは、芯金の片端に5Nずつ、合計10Nの荷重をかけてステンレス板に外周面を当接させた状態で、前記芯金と前記ステンレス板との間に100μAの直流電流を5時間通電し続けた際における抵抗値が通電開始直後における抵抗値の2倍以下となるように形成されていることが好ましい。
そして、前記現像ローラは、前記のようにステンレス板に当接させた状態で前記芯金と前記ステンレス板との間に実効値500mVの交流電圧を1Hzから20kHzにわたる周波数で印加して電圧に対する電流の位相差を測定した際にこの周波数領域全域にわたって前記位相差が−90°以上−60°以下となるように形成されていることが好ましい。
本発明者が見出した事項によれば、前記位相差と連続通電を行う前後における弾性体層の電気抵抗値の変化量とは正の相関関係があり、特に電圧に対する電流の位相差が1Hzから20kHzの間のいずれかにおいて−60°を超えた(例えば、−50°などの)値を示す状況になると連続通電による抵抗値の増大が顕著になる傾向を示す。
従って、電気特性の安定性に優れた現像ローラを得る上においては、上記測定方法にて測定した位相差が上記範囲となるように弾性体層の使用材料や配合割合等を調整することが好ましい。
なお、より具体的には、この現像ローラの電気特性は、実施例記載の方法により求めることができる。
また、現像ローラ以外の、例えば、シート状の導電性エラストマー部材であれば、2枚の金属板の間に挟んで上記と同様に金属板間に電気をかけて位相差や抵抗値変化を測定することができる。
上記のような特性を現像ローラに付与することが容易となる点において、前記弾性体層は所定の材料にて形成されることが好ましい。
具体的には、前記弾性体層3は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるポリウレタンエラストマーと、黒鉛と、カーボンブラックとを含有する導電性エラストマーによって形成されていることが重要である。
さらに、詳細に説明すると、前記弾性体層3は、前記導電性エラストマーが前記カーボンブラックを1質量%以上3質量%以下の割合で含有し、前記黒鉛を3質量%以上8質量%以下の割合で含有しており、前記カーボンブラックのDBP吸油量が45cm3/100g以上64cm3/100g以下で、前記黒鉛の平均粒子径が3μm以上10μm以下であることが重要である。
また、前記弾性体層3は、前記ポリウレタンエラストマーを構成する前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上のグリコール(A1)と、炭素数2又は3の直鎖状のグリコール(A2)と、水酸基を3個以上有するグリコール(A3)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をアジピン酸(B)と反応させた数平均分子量が2000以上3000以下で水酸基価が80mg/KOHg以上88mg/KOHg以下のポリエステルポリオールであることが重要である。
なお、カーボンブラックが、通常、1μm以下(数十nm)の大きさを有しているのに対して黒鉛は、通常、1μmを超える大きさを有しており、粒子サイズがカーボンブラックよりも1オーダー以上大きなものある。
しかも、黒鉛は、カーボンブラックに比べて結晶構造を発達させており、電子状態が半金属的で、通常、粒子自体の導電性がカーボンブラックに比べて優れている。
そのため、黒鉛だけで弾性体層全体を比較的均一に前記のような中抵抗値とすることは難しい。
そして、本実施形態においては上記に示すようにDBP吸油量の値が小さく、サイズの小さなカーボンブラックを多量に用いて弾性体層に安定した電気特性を付与している。
しかし、このカーボンブラックは、使用量が過度に多くなるとポリオールに分散させて得られる分散液が高粘度となるためにカーボンブラックだけでも弾性体層を前記のような中抵抗とすることは難しい。
即ち、本実施形態においては、カーボンブラック及び黒鉛の含有量を前記範囲とすることで弾性体層3への好適な電気特性の付与するのに際して互いの短所を相手側に補完させるようにしている。
前記のようなDBP吸油量を示すカーボンブラックは、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどの呼称で市販されているものを採用することができ、前記黒鉛は、天然黒鉛、人造黒鉛のいずれであってもよいが、入手しやすく品質がより安定しているという点で人造黒鉛が好ましい。
なお、前記DBP吸油量は、一定質量のカーボンブラック中の空隙容積を液体で置換し、その容量を指標とするもので、具体的には、カーボンブラック100gあたりに包含される油の量(cm3)をいい、ASTM D3493−85aに準拠した方法で測定し得る。
なお、DBP吸油量が前記の範囲内の値となるカーボンブラックを弾性体層3に含有させることが重要なのは、カーボンブラックのDBP吸油量の値が前記範囲の下限値以上であることにより弾性体層3に安定した導電性を発揮させ易く、前記DBP吸油量の値が前記範囲の上限値以下であることで当該カーボンブラックをポリオールに分散させて得られる分散液に優れた流動性を発揮させることができ、この分散液にポリイソシアネートを混合した混合液も型内成形などの簡便な成形方法を行わせるのに適した状態になるためである。
また、前記導電性エラストマーに前記カーボンブラックを1質量%以上3質量%以下の割合で含有させることが重要であるのは、前記カーボンブラックを1質量%以上含有させることで導電性エラストマーに安定した導電性を発揮させることができ、前記カーボンブラックの含有量を3質量%以下とすることで当該カーボンブラックをポリオールに分散させた分散液に良好なる流動性を発揮させることができるためである。
なお、弾性体層3の形成に用いる前記黒鉛の平均粒子径を3〜10μmとしているのは、前記黒鉛の平均粒子径が3μm以上であることにより、当該黒鉛を前記カーボンブラックとともにポリオールに分散させた分散液に良好な流動性を付与しやすく、弾性体層3の形成をより容易にさせ得るためであり、前記黒鉛の平均粒子径を10μm以下とすることにより弾性体層の導電性に均質性を発揮させ易いためである。
また、弾性体層の表面を平滑にし易い点においても、黒鉛は、平均粒子径が10μm以下であることが好ましい。
このようなことから黒鉛の平均粒子径は、4μm以上6μm以下であることが特に好ましい。
この黒鉛の平均粒子径とは、レーザ回折・散乱法による粒度分布分析における累積50%径(d50)を意味する。
そして、前記導電性エラストマーに前記黒鉛を3質量%以上8質量%以下の割合で含有させることが重要であるのは、前記黒鉛を3質量%以上含有させることで導電性エラストマーに安定した導電性を発揮させることができ、前記黒鉛の含有量を8質量%以下とすることでポリオールに当該黒鉛をカーボンブラックとともに分散させた分散液に対して良好な流動性を発揮させることができるためである。
このような導電性フィラーとともに弾性体層を形成させるポリウレタンエラストマーは、本実施形態においては前記のようにポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させたものである。
このポリエステルポリオールは、前記のようにグリコール成分(A)とアジピン酸(B)とを反応させてなるもので、前記グリコール成分(A)には、側鎖を有する炭素数4以上の第一グリコール(A1)と、炭素数2又は3の直鎖状の第二グリコール(A2)と、水酸基を3個以上有する第三グリコール(A3)とを少なくとも含んでいる。
(第一グリコール)
前記ポリエステルポリオールの出発物質の一つである第一グリコール(A1)は、グリコール成分(A)における主成分たるもので、側鎖を含めて炭素数が4以上のグリコールである。
なお、該第一グリコールとしては、前記炭素数が9以下であることが好ましい。
該第一グリコール(A1)としては、例えば、炭素数4〜9のジオールが挙げられ、具体的には、2−メチルプロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールや3−メチル−2,4−ペンタンジオールといった3−メチルペンタンジオール(略称3MPD)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
また、前記第一グリコール(A1)としては、ラクトン開環重合系ポリエステルポリオールも用いることができ、例えば、ペンタノ−4−ラクトン系化合物、γ−バレロラクトン系化合物、4,4−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−オン化合物等の側鎖を含有した環状エステル化合物(即ち、ラクトン類)の開環重合により得られるラクトン開環重合系ポリエステルポリオールを挙げることができる。
本実施形態の現像ローラを、液体現像方式の電子写真装置に用いる場合には、流動パラフィン、シリコンオイル、鉱物油、又は、植物油などといったキャリアに対する耐性に優れた弾性体層の形成に有利である点において前記第一グリコール(A1)として、2−メチルプロパンジオール、3−メチルペンタンジオールの何れかを採用することが好ましく、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを採用することが特に好ましい。
なお、これら第一グリコールは上記例示の化合物を1種単独で用いても2種以上を組み合わせて前記グリコール成分に含有させるようにしてもよい。
(第二グリコール)
炭素数2〜3の直鎖構造を有する前記第二グリコールは、圧縮永久歪の低減(残留歪み抑制)効果を導電性エラストマーに対して発揮させるのに有効な成分であり、また、キャリア耐性(膨潤抑制)効果を有する。
該第二グリコール(A2)としては、例えば、エチレングリコール(略称EG)、1,3−プロピレングリコール(1,3PD)等の炭素数2〜3のジオールが挙げられる。
なお、これら第二グリコールは上記例示の化合物を1種単独で用いても2種以上を組み合わせて前記グリコール成分に含有させるようにしてもよい。
(第三グリコール)
水酸基を3個以上有する三官能以上のポリオールである前記第三グリコール(A3)は、弾性体層を構成する導電性エラストマーに架橋構造を導入させて変形に対する優れた復元力を弾性体層に付与するのに有効な成分である。
また、本実施形態の現像ローラを、液体現像方式の電子写真装置に用いる場合には、当該第三グリコールは、弾性体層にキャリアによる膨潤を抑制する効果を発揮させることができる。
該第三グリコールとしては、例えばトリメチロールプロパン(略称TMP)、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール等の三官能化合物、又は、トリメチロールプロパンやペンタエリスリトール等の二量体(ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリストール)、ソルビトール等の糖類等の三官能を超える化合物が挙げられる。
これらの中では、前記第三グリコールとして、トリメチロールプロパン、グリセリンを採用することが好ましく、ハンドリングの点からはトリメチロールプロパンを採用することがより好ましい。
なお、これら第三グリコールは上記例示の化合物を1種単独で用いても2種以上を組み合わせて前記グリコール成分に含有させるようにしてもよい。
前記グリコール成分は、弾性体層の変形に対する復元性や必要に応じてキャリア耐性などの観点から第一グリコール(A1)、第二グリコール(A2)、及び、第三グリコール(A3)が所定の割合で含有されることが好ましい。
具体的には前記グリコール成分(A)は、第一グリコール(A1)と第二グリコール(A2)とが90/10〜30/70のモル比((A1)/(A2))となって含有されることが好ましく、80/20〜50/50の前記モル比で含有されることが特に好ましい。
前記第一グリコール(A1)と前記第二グリコール(A2)との合計に対し、3官能以上の前記第三グリコール(A3)は、モル比[{(A1)+(A2)}/(A3)]で、99/1〜85/15となるようにグリコール成分に含有させることが好ましく、97/3〜90/10の前記モル比でグリコール成分に含有させることが特に好ましい。
このようなグリコール成分(A)と前記アジピン酸(B)とは、80/20〜20/80のモル比で反応させることが好ましく、該反応によって得られる前記ポリエステルポリオールを数平均分子量が2000以上3000以下、且つ水酸基価が80mg/KOHg以上88mg/KOHg以下となるように反応させることが重要である。
なお、ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定することができ、例えば、東ソー社製GPC:型名「HLC−8020」を用いて、カラム「G−4000」、「G−3000」、「G−2000」(いずれも東ソー社製)を三本連結させて、移動相にクロロホルムを使用することにより測定することができる。
また、前記水酸基価は、JIS K0070に準じた方法により求められる値である。
このようなポリエステルポリオールは、前記カーボンブラックや前記黒鉛の弾性体層中における分散状況を良好なものとすることができる。
そのため、本実施形態の弾性体層は、カーボンブラックどうしやカーボンブラックと黒鉛との間がオングストロームオーダーで離間するような箇所が従来の弾性体層に比べて多く形成され、従来の弾性体層に比べて大きな静電容量を示す状態となる。
このことから本実施形態の弾性体層は、トンネル電流による導電パスを従来の弾性体層よりも多く存在させているとともにトンネル電流が阻害されるまでの電荷の蓄積量を大きく確保することができるため連続通電時における優れた抵抗安定性が発揮されることになる。
なお、弾性体層が前記キャリアなどによって膨潤された場合には、導電性フィラーどうしの間隔も変化し、静電容量を変化させるおそれがあるが、本実施形態の弾性体層は、上記のようにその形成にキャリアに対する耐性に優れたポリエステルポリオールが用いられる。
従って、本実施形態の現像ローラは、キャリアによっても抵抗安定性が変化し難いという利点を有する。
そのため、本実施形態の現像ローラは、その効果をより顕著に発揮させ得る点において液体現像電子写真装置において使用されることが好ましいといえる。
上記のようなポリエステルポリオールとともにポリウレタンエラストマーを構成する前記ポリイソシアネートとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4'−MDI)、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4'−MDI)、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアナートメチル(NBDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの脂肪族ポリイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、H6XDI(水添XDI)、H12MDI(水添MDI)などの脂環式ポリイソシアネート、上記の各ポリイソシアネートのカルボジイミド変性ポリイソシアネート、又は、これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートなどを採用することができる。
なお、これらのポリイソシアネートは、1種が単独で、又は2種以上が組み合わされて用いられ得る。
なかでも、前記ポリイソシアネートは、トリレンジイソシアネートが好ましく、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)と2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)とを併用することが特に好ましい。
また、前記ポリイソシアネートは、2,4−TDIと2,6−TDIとを7:3〜9:1の質量比率で併用することが最も好ましい。
弾性変形後の復元性に優れ、キャリアによる影響を受け難い弾性体層を得る上においては、前記ポリエステルポリオールとともにポリウレタンエラストマーを構成するポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネートを構成成分として含有するポリイソシアネートを用いることが好ましい。
即ち、前記ポリイソシアネートとしては、一般に“変性HDI”などと呼ばれているポリイソシアネートものを好適に採用することができる。
また、本実施形態におけるポリイソシアネートとしては、イソシアネート基と反応する官能基を2以上有する有機化合物によって複数のヘキサメチレンジイソシアネートが結合されて、分子末端がヘキサメチレンジイソシアネートで構成されたポリイソシアネートが特に好ましい。
このポリイソシアネートは、分岐のない直線的な分子構造を有するものであっても、分岐構造を有するものであってもよいが、弾性体層を硬度の低い柔軟なものとする上においては、分子内に芳香族基や脂環族基といった剛直性を発揮する構造を存在させないことが好ましい。
即ち、ヘキサメチレンジイソシアネートどうしを結合する前記有機化合物としては、置換もしくは非置換の飽和脂肪族炭化水素が好ましく、本実施形態のポリイソシアネートとしては、この置換もしくは非置換の飽和脂肪族炭化水素を介して複数のヘキサメチレンジイソシアネートが結合され、且つ、分子末端がヘキサメチレンジイソシアネートとなるように前記結合されたものが好ましい。
なお、ヘキサメチレンジイソシアネートどうしを結合する前記有機化合物としては、主鎖にエーテル結合を備えた分子構造、及び、アルキル基を側鎖として備えた分子構造の内、少なくともいずれかの分子構造を有する分子量500以下のグリコールが好ましい。
即ち、本実施形態のポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート基と前記グリコールの水酸基とを縮合反応によって結合させたものが好ましい。
より具体的には、前記ポリイソシアネートとしては、下記構造式(1)、(2)に示すようなヘキサメチレンジイソシアネートの多量体(下記構造式(1))か、トリメチロールプロパン等の低分子量のグリコールとヘキサメチレンジイソシアネートとをウレタン結合によって結合させたアダクト体(下記構造式(2))かのいずれか、又は、これらの内の1種以上の混合物であることが好ましく、特に下記構造式(1)で表されるポリイソシアネートの1種以上と、下記構造式(2)で表されるポリイソシアネートの1種以上とを混合して用いることが好ましい。
なお、下記構造式(1)で表されるポリイソシアネートと、下記構造式(2)で表されるポリイソシアネートとを含有する混合物を、前記ポリウレタンエラストマーを構成するためのポリイソシアネートとして採用する場合には、下記構造式(2)で表されるポリイソシアネートの分子の数よりも下記構造式(1)で表されるポリイソシアネートの分子の数が多くなるように前記混合物を形成させることが好ましい。
Figure 2014228598
また、前記ポリイソシアネートとしては、前記のような構造式(1)、(2)で表されるものの一部、又は、全部に代えてジエチレングリコールなどのエーテル結合を有する多価アルコール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオールなどの側鎖アルキル基を有する多価アルコール、若しくは、ジプロピレングリコールなどのようにエーテル結合と側鎖アルキル基との両方を有する多価アルコールとヘキサメチレンジイソシアネートとをウレタン結合で結合させたポリイソシアネートを採用しても良い。
即ち、これらの多価アルコールの水酸基とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート基とを結合させた分子末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネートも本実施形態のポリウレタンエラストマーを構成するためのポリイソシアネートとして好適に採用しうる。
また、本実施形態のポリイソシアネートは、平均官能基数が2.5以上6.0以下であることが好ましく、該平均官能基数は3.0以上5.8以下であることがより好ましく、3.5以上5.5以下であることが特に好ましい。
また、本実施形態におけるポリイソシアネートは、そのNCO%が、12%以上20%以下であることが好ましい。
なお、本実施形態の弾性体層3を形成させるためのポリウレタンエラストマーは、弾性体層の物性に実質的に悪影響を及ぼさない範囲において前記ポリエステルポリオール以外のポリオールや鎖伸長剤などを適宜含有させうる。
また、本実施形態の弾性体層3には、弾性体層の物性に実質的に悪影響を及ぼさない範囲において前記カーボンブラック及び前記黒鉛以外の導電性フィラーや、その他の無機フィラー、シランカップリング剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、抗菌剤等を適宜含有させることができる。
このような弾性体層3の外周に形成させる前記表面層4は、一般的な現像ローラの表面層と同様の材料によって形成させることができ、フッ素樹脂や熱可塑性ポリウレタンなどのベースポリマーに前記カーボンブラックや前記黒鉛などの導電性フィラーを含有させた樹脂組成物などによって形成させ得る。
さらに、前記芯金2も一般的な現像ローラと同様のものとすることができ、該芯金2は、例えば、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属及びその合金からなるものや、これらに、溶融めっき、電解めっき、無電解めっきなどが施されたものとすることができる。
本実施形態の現像ローラ1は上記のような原材料を用いて例えば次のようにして製造することができる。
まず、作製する弾性体層3の外径よりも僅かに径大な円柱状のキャビティを有する金型の中心部に芯金2をセットするとともに上述した前記ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネートと前記カーボンブラックと前記黒鉛とを準備し、一旦、前記カーボンブラックと前記黒鉛とを前記ポリエステルポリオールにミキサーやビーズミル等を用いて分散させて分散液を作製する。
次いで、この分散液と前記ポリイソシアネートとを混合した混合液を前記金型に流し込み、該混合液を前記金型ごと加熱することにより型内で硬化させた後、脱型し、さらに加熱してポリウレタンエラストマーの後架橋を実施し、表面研磨による外径調整を行って芯金2の外周に弾性体層3が設けられた半製品を作製する。
さらに、例えば、表面層を形成させるための樹脂組成物を溶媒に分散させて適度な粘度となるように調製されたコーティング液を前記半製品の表面に塗布、乾燥させて本実施形態の現像ローラを作製することができる。
このとき前記ポリエステルポリオールが前記のような出発物質からなることで、DBP吸油量の値が小さなカーボンブラックを比較的大量に分散させても低粘度なものとなり、注型における作業性を良好なものとすることができる。
しかも、本実施形態の現像ローラ1は、黒鉛とともに小サイズなカーボンブラックが多量に含有されることで導電性エラストマーの体積に占める導電性フィラーの表面積を従来の現像ローラなどに比べて増大させている。
従って、前記導電性エラストマーによって形成されている弾性体層3は、長期通電を行っても電気特性の変化が少なく、電子写真装置に安定した印刷品質を発揮させることができる。
なお、本発明の電子写真装置用導電性エラストマー部材は、、液体現像電子写真装置に限らず乾式現像電子写真装置においても好適に用いられ、具体的には、例えばレーザービームプリンターなどのプリンター、複写機、ファクシミリなどに用いられうる。
また、本発明の電子写真装置用導電性エラストマー部材は、トナーを感光体に付着させるための現像ローラなどの部材(現像部材)に限定されるものではなく、光の照射により導電性が変化する感光体を帯電させるための帯電ローラ等の帯電部材、前記感光体に付着したトナーを転写媒体へと転写させる転写ローラ等の転写部材が挙げられる。
また、本実施形態においては、芯金という導電性エラストマー以外の材料を用いて形成された現像ローラを本発明の電子写真装置用導電性エラストマー部材の例として挙げているが、導電性エラストマーのみで形成されたベルト状やシート状の部材も、現像ローラなどのローラ状の部材と同様に本発明の電子写真装置用導電性エラストマー部材として意図するものであり形態等に関して特に限定されるものでもない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<導電性ローラの製造>
電子写真装置用導電性エラストマー部材としてローラを作製した。
そして、このローラの作製には、下記のような材料を用いた。
(導電性フィラー)
・カーボンブラック1(CB1):
三菱化学社製カーボンブラック(粒子径24nm、DBP吸油量約45cm3/100g)、商品名「#45L」

・カーボンブラック2(CB2):
三菱化学社製カーボンブラック(粒子径23nm、DBP吸油量約64cm3/100g)、商品名「#47」

・カーボンブラック3(CB3):
三菱化学社製カーボンブラック(粒子径24nm、DBP吸油量約78cm3/100g)、商品名「#44」

・黒鉛1(GF1):
日本黒鉛社製天然黒鉛(平均粒子径5μm) 、商品名「UP5」
(ポリオール)
・ポリオール1(PO1):
側鎖を有する炭素数4以上のグリコール(A1):3−メチル−1,5−ペンタンジオール
炭素数2又は3の直鎖状のグリコール(A2):エチレングリコール
水酸基を3個以上有するグリコール(A3):トリメチロールプロパン
を(A1):(A2):(A3)の質量比で100:5.8:14.8となるように含有するポリオール成分(A)、及び、アジピン酸(B)を100:111.8(A:B)の質量比率で反応させてなる数平均分子量が2000で、水酸基価が86mg/KOHgのポリエステルポリオール

・ポリオール2(PO2):
ジエチレングリコールとトリメチロールプロパンとアジピン酸との縮重合エステルである低分岐ポリオール(日本ポリウレタン工業社製、商品名「ニツポランN−4032」、平均官能基数2.35、水酸基価60mg/KOHg)
(ポリイソシアネート)
・ポリイソシアネート1(PI1):
トリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートの混合物[(2,4−TDI)/(2,6−TDI)=80/20 質量比]
(ローラ試料の形成:実施例1)
前記ポリオール1(PO1)、前記カーボンブラック1(CB1)、及び、前記黒鉛1(GF1)とが100:1.9:3.5(PO1:CB1:GF1)の質量比となるように分散液(DL)を調整した後に、この分散液(DL)と前記ポリイソシアネート1(PI1)とを100:11.1(DL:PI1)の質量比で混合して混合液を作製した。
内径20mm、長さ300mmの細長い円柱状の内部空間を有する成形型に前記内部空間の中心を通るように直径6mmの芯金を仕込み、前記混合液を注型した。
そして、前記混合液を成形型ごと加熱して硬化させて芯金の外周に弾性体層が装着された太さ(直径)20mmの成形物を作製し、該成形物の外周を研磨してローラ試料を作製した。
なお、ローラ試料は、前記弾性体層の径方向における厚みが6mm、軸方向における長さが23cmとなるように形成させて当該弾性体層形成部分における太さ(直径)が18mmとなるように作製した。
そして、前記混合液は、低粘度な物となっており、注型作業が容易であった。
また、前記弾性体層における最終的なカーボンブラック1(CB1)の含有量は1.6質量%であり、前記黒鉛1(GF1)の含有量は3.0質量%であった。
(通電抵抗安定性評価)
前記ローラ試料に形成させた弾性体層の平面視における面積よりも大面積なステンレス板を用意し、該ステンレス板を平置きした上に前記ローラ試料を乗せ、弾性体層が全長に亘ってステンレス板の上面と接するように前記ローラ試料を配置した。
この状態で芯金の両端に片端5Nずつ(合計10N)の荷重をかけて前記ローラ試料をステンレス板に向けて加圧し、前記弾性体層の外周面を略一定のニップ幅でステンレス板に当接させた。
そして、前記芯金と前記ステンレス板との間に100μAの直流電流を高圧電源(トレック・ジャパン社製、型名「610C」)を使って5時間通電し続け、通電開始直後における抵抗値(R0)に対する通電開始1時間後の抵抗値(R1)の比率(R1/R0)及び通電開始5時間後の抵抗値(R5)の比率(R5/R0)をそれぞれ求め通電抵抗安定性を評価した。
結果を、各抵抗値(R0、R1、R5)とともに下記の表1に示す。
(インピーダンス測定)
前記の通電抵抗安定性評価と同様にローラ試料をステンレス板に合計10Nの荷重をかけて加圧した状態で、LCRメータ(日置電機社製、型名「3522−50」)を用いて前記芯金と前記ステンレス板との間に実効値500mVの交流電圧を1Hzから20kHzにわたる周波数で印加してインピーダンス測定を行い電圧に対する電流の位相差を測定した。
このとき、電圧波形に対する電流波形の遅れ角は、1Hzから20kHzまでの間、−90°から−60°までの間に収まっていた。
そして、電圧波形に対する電流波形の遅れ角の内、最も遅れ角の小さな値(位相差の最大値)を下記表1に示す。
(実施例2〜18)
用いるカーボンブラックの種類や、当該カーボンブラック、及び、黒鉛の含有量を表1、2に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にローラ試料を作製して実施例1と同様に評価した。
結果を、表1、2に示す。
(比較例1〜8)
用いるカーボンブラックやポリオールの種類、カーボンブラック及び黒鉛の含有量を表3に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にローラ試料を作製して実施例1と同様に評価した。
結果を、表3に示す。
なお、比較例1、4、7、8については、カーボンブラック及び黒鉛をポリオールに分散させた分散液の粘度が高く、注型成形自体が困難であったため評価可能なローラ試料を得ることができなかった。
Figure 2014228598
Figure 2014228598
Figure 2014228598
これらの表からも、本発明によれば電気抵抗値の安定した電子写真装置用導電性エラストマー部材が提供され得ることがわかる。
1:現像ローラ(電子写真装置用導電性エラストマー部材)、2:芯金、3:弾性体層、4:表面層

Claims (3)

  1. ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるポリウレタンエラストマーと、黒鉛と、カーボンブラックとを含有する導電性エラストマーによって形成されている電子写真装置用導電性エラストマー部材であって、
    前記導電性エラストマーが前記カーボンブラックを1質量%以上3質量%以下の割合で含有し、前記黒鉛を3質量%以上8質量%以下の割合で含有しており、前記カーボンブラックのDBP吸油量が45cm3/100g以上64cm3/100g以下で、前記黒鉛の平均粒子径が3μm以上10μm以下であり、前記ポリウレタンエラストマーは、前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上のグリコール(A1)と、炭素数2又は3の直鎖状のグリコール(A2)と、水酸基を3個以上有するグリコール(A3)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をアジピン酸(B)と反応させた数平均分子量が2000以上3000以下で水酸基価が80mg/KOHg以上88mg/KOHg以下のポリエステルポリオールであることを特徴とする電子写真装置用導電性エラストマー部材。
  2. 前記導電性エラストマーからなる円筒状の弾性体が芯金の外周に装着されてなるローラである請求項1記載の電子写真装置用導電性エラストマー部材。
  3. 前記ローラは、芯金の片端に5Nずつ、合計10Nの荷重をかけてステンレス板に外周面を当接させた状態で、前記芯金と前記ステンレス板との間に実効値500mVの交流電圧を1Hzから20kHzにわたる周波数で印加して電圧に対する電流の位相差を測定した際に該位相差が−90°以上−60°以下であり、且つ前記当接させた状態で前記芯金と前記ステンレス板との間に100μAの直流電流を5時間通電し続けた際における抵抗値が通電開始直後における抵抗値の2倍以下である請求項2記載の電子写真装置用導電性エラストマー部材。
JP2013106456A 2013-05-20 2013-05-20 電子写真装置用導電性エラストマー部材 Active JP6116364B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013106456A JP6116364B2 (ja) 2013-05-20 2013-05-20 電子写真装置用導電性エラストマー部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013106456A JP6116364B2 (ja) 2013-05-20 2013-05-20 電子写真装置用導電性エラストマー部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014228598A true JP2014228598A (ja) 2014-12-08
JP6116364B2 JP6116364B2 (ja) 2017-04-19

Family

ID=52128516

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013106456A Active JP6116364B2 (ja) 2013-05-20 2013-05-20 電子写真装置用導電性エラストマー部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6116364B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10268147B2 (en) 2017-01-30 2019-04-23 Canon Kabushiki Kaisha Addition-curable liquid silicone rubber mixture, electrophotographic member and production method therefor, and fixing apparatus

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006330229A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Bando Chem Ind Ltd 弾性部材
JP2009271328A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用導電性エラストマー部材
JP2011074217A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Dic Corp 弾性層用ポリウレタン樹脂組成物、及びそれを用いてなる画像形成用ロール
JP2012108303A (ja) * 2010-11-17 2012-06-07 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用導電性エラストマー部材

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006330229A (ja) * 2005-05-25 2006-12-07 Bando Chem Ind Ltd 弾性部材
JP2009271328A (ja) * 2008-05-08 2009-11-19 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用導電性エラストマー部材
JP2011074217A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Dic Corp 弾性層用ポリウレタン樹脂組成物、及びそれを用いてなる画像形成用ロール
JP2012108303A (ja) * 2010-11-17 2012-06-07 Bando Chem Ind Ltd 電子写真装置用導電性エラストマー部材

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10268147B2 (en) 2017-01-30 2019-04-23 Canon Kabushiki Kaisha Addition-curable liquid silicone rubber mixture, electrophotographic member and production method therefor, and fixing apparatus
US10386763B2 (en) 2017-01-30 2019-08-20 Canon Kabushiki Kaisha Addition-curable liquid silicone rubber mixture, electrophotographic member and production method therefor, and fixing apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP6116364B2 (ja) 2017-04-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101626735B1 (ko) 현상 부재, 프로세스 카트리지 및 전자 사진 장치
KR101711522B1 (ko) 도전성 롤러 및 화상 형성 장치
JP6113014B2 (ja) 電子写真用部材、電子写真用部材の製造方法および電子写真装置
JP5986472B2 (ja) 電子写真用部材
JP2018022074A (ja) 電子写真用部材、プロセスカートリッジ及び電子写真装置
JP6154139B2 (ja) 導電性高分子材料、導電性高分子材料の製造方法、及び画像形成装置部材
KR100898447B1 (ko) 현상 부재, 현상 어셈블리 및 전자 사진 화상 형성 장치
JP4745793B2 (ja) 弾性ローラ、現像装置及び画像形成装置
JP6116364B2 (ja) 電子写真装置用導電性エラストマー部材
JP6116363B2 (ja) 電子写真装置用導電性エラストマー部材
JP5046386B2 (ja) ローラの製造方法
JP5314927B2 (ja) 電子写真装置用導電性現像ローラ
JP5792532B2 (ja) 現像ローラ
JP7189139B2 (ja) 導電性ウレタンフォーム及びトナー供給ローラ
JP5649922B2 (ja) 電子写真装置用導電性エラストマー部材
JP6055045B2 (ja) 現像ローラ
JP4324009B2 (ja) 電子写真装置用の現像ローラおよびその製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置
JP4885614B2 (ja) 導電性ローラ
JP5361342B2 (ja) 現像ローラ、現像ローラの製造方法、プロセスカートリッジ及び電子写真用画像形成装置
JP4208765B2 (ja) 現像ローラ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
JP5897964B2 (ja) 導電性ローラの製造方法
JP5662823B2 (ja) 電子写真機器用導電性ロール
EP2246747B1 (en) Toner carrying roller and image formation apparatus employing the same
CN116209834A (zh) 显影辊
JP2008145853A (ja) 現像ローラ及びその製造方法及びそれを用いたプロセスカートリッジ及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160422

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170217

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170321

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6116364

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150