JP2014228598A - 電子写真装置用導電性エラストマー部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のポリエステルポリオールを用いたポリウレタンエラストマーに黒鉛とともに小サイズなカーボンブラックを多量に含有させた導電性エラストマーによって形成された電子写真装置用導電性エラストマー部材を提供する。
【選択図】 図1
Description
また、この種のエラストマー部材としては、カーボンブラックや金属粉末などの導電性フィラーを含有させて所定の導電性を付与した導電性エラストマー部材などが知られている。
そして、電子写真装置用の導電性エラストマー部材としては、具体的には、現像部材、帯電部材、及び転写部材などが知られており、例えば、表面担持したトナーを帯電させるための導電性エラストマー部材たる現像ローラは、芯金の外周に弾性体層が所定の肉厚で備えられており、該弾性体層が前記導電性エラストマーによって形成されている。
この液体現像剤を使用する液体現像電子写真装置は、印刷品質にも優れ、写真やイラストなどを一度に数百枚、或いは、千枚以上印刷するような用途において広く用いられている。
特に現像ローラのように帯電粒子であるトナーの移動を制御する役割を担っている導電性エラストマー部材においては、弾性体層の電気抵抗が上昇するとトナーの移動を制御しにくくなるため、画像濃度の低下など、画質の悪化を招くおそれを有する。
しかしながら、黒鉛とカーボンブラックとを併用した場合においても導電性エラストマー部材に十分な抵抗安定性を発揮させるのが困難な場合があり、従来、さらなる改善が要望されている。
なお、導電性エラストマー部材に対するこのような要望は、長時間の連続使用が実施される機会の多い液体現像電子写真装置において特に強く求められているものであるが、乾式現像電子写真装置に利用される導電性エラストマー部材にも同様に求められている事項である。
そして、本発明は、このような要望を満足させることを課題としており安定した電気特性を発揮しうる電子写真装置用導電性エラストマー部材を提供することを課題としている。
また、本発明者は、導電性エラストマー部材中でカーボンブラック間やカーボンブラックと黒鉛との間がオングストロームオーダーやナノオーダーで離間して電気的に不連続になっており、通電時においてこの不連続箇所にトンネル電流が生じていること、及び、連続通電によって許容範囲を超えた電荷の蓄積が起きることでトンネル電流による通電が阻害されることが抵抗値の時間変化に関連していると判断して上記課題の解決を図った。
そして、本発明者は、特定のエラストマーに特定のカーボンブラックと黒鉛とを分散させて導電性エラストマーを形成させることで、電荷の蓄積量を大きく確保させることができ当該導電性エラストマーに優れた抵抗安定性を発揮させ得ることを見出して本発明を完成させるに至った。
従って、導電性エラストマーの体積に対する当該カーボンブラックの表面積の割合を大きくすることができ数多くの導電ネットワークを形成させることができる。
即ち、本発明においては、導電性エラストマーを電荷の蓄積量が大きなものとすることができる。
ただし、カーボンブラックは凝集を生じ易いために単にDBP吸油量の値の小さなカーボンブラックを用いるだけでは導電性エラストマー中に良好な状態で導電ネットワークを形成することが困難であるものの本発明においては特定のポリウレタンエラストマーに前記カーボンブラックを分散させることから該カーボンブラックが従来の導電性エラストマーに比べて均一分散されやすく、該導電性エラストマーに良好な状態で導電ネットワークを形成させ得る。
本実施形態における前記現像ローラ1は、該芯金2の外周に略一定の厚みで備えられた弾性体層3と、該弾性体層3の表面を覆う表面層4とを有している。
即ち、本実施形態における前記現像ローラ1は、円筒状の弾性体を芯金2の外周に装着させた状態となって形成されている。
なお、前記弾性体層3は、当該現像ローラ1が他の部材との接触によって所望の弾性変形を示すように設けられたものであり、前記表面層4は、表面の耐摩耗性、並びに離型性を向上させるべく現像ローラ1の最表面側に設けられたものである。
そして、前記現像ローラは、前記のようにステンレス板に当接させた状態で前記芯金と前記ステンレス板との間に実効値500mVの交流電圧を1Hzから20kHzにわたる周波数で印加して電圧に対する電流の位相差を測定した際にこの周波数領域全域にわたって前記位相差が−90°以上−60°以下となるように形成されていることが好ましい。
従って、電気特性の安定性に優れた現像ローラを得る上においては、上記測定方法にて測定した位相差が上記範囲となるように弾性体層の使用材料や配合割合等を調整することが好ましい。
なお、より具体的には、この現像ローラの電気特性は、実施例記載の方法により求めることができる。
また、現像ローラ以外の、例えば、シート状の導電性エラストマー部材であれば、2枚の金属板の間に挟んで上記と同様に金属板間に電気をかけて位相差や抵抗値変化を測定することができる。
具体的には、前記弾性体層3は、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるポリウレタンエラストマーと、黒鉛と、カーボンブラックとを含有する導電性エラストマーによって形成されていることが重要である。
さらに、詳細に説明すると、前記弾性体層3は、前記導電性エラストマーが前記カーボンブラックを1質量%以上3質量%以下の割合で含有し、前記黒鉛を3質量%以上8質量%以下の割合で含有しており、前記カーボンブラックのDBP吸油量が45cm3/100g以上64cm3/100g以下で、前記黒鉛の平均粒子径が3μm以上10μm以下であることが重要である。
また、前記弾性体層3は、前記ポリウレタンエラストマーを構成する前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上のグリコール(A1)と、炭素数2又は3の直鎖状のグリコール(A2)と、水酸基を3個以上有するグリコール(A3)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をアジピン酸(B)と反応させた数平均分子量が2000以上3000以下で水酸基価が80mg/KOHg以上88mg/KOHg以下のポリエステルポリオールであることが重要である。
しかも、黒鉛は、カーボンブラックに比べて結晶構造を発達させており、電子状態が半金属的で、通常、粒子自体の導電性がカーボンブラックに比べて優れている。
そのため、黒鉛だけで弾性体層全体を比較的均一に前記のような中抵抗値とすることは難しい。
そして、本実施形態においては上記に示すようにDBP吸油量の値が小さく、サイズの小さなカーボンブラックを多量に用いて弾性体層に安定した電気特性を付与している。
しかし、このカーボンブラックは、使用量が過度に多くなるとポリオールに分散させて得られる分散液が高粘度となるためにカーボンブラックだけでも弾性体層を前記のような中抵抗とすることは難しい。
即ち、本実施形態においては、カーボンブラック及び黒鉛の含有量を前記範囲とすることで弾性体層3への好適な電気特性の付与するのに際して互いの短所を相手側に補完させるようにしている。
また、弾性体層の表面を平滑にし易い点においても、黒鉛は、平均粒子径が10μm以下であることが好ましい。
このようなことから黒鉛の平均粒子径は、4μm以上6μm以下であることが特に好ましい。
この黒鉛の平均粒子径とは、レーザ回折・散乱法による粒度分布分析における累積50%径(d50)を意味する。
前記ポリエステルポリオールの出発物質の一つである第一グリコール(A1)は、グリコール成分(A)における主成分たるもので、側鎖を含めて炭素数が4以上のグリコールである。
なお、該第一グリコールとしては、前記炭素数が9以下であることが好ましい。
該第一グリコール(A1)としては、例えば、炭素数4〜9のジオールが挙げられ、具体的には、2−メチルプロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールや3−メチル−2,4−ペンタンジオールといった3−メチルペンタンジオール(略称3MPD)、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。
なお、これら第一グリコールは上記例示の化合物を1種単独で用いても2種以上を組み合わせて前記グリコール成分に含有させるようにしてもよい。
炭素数2〜3の直鎖構造を有する前記第二グリコールは、圧縮永久歪の低減(残留歪み抑制)効果を導電性エラストマーに対して発揮させるのに有効な成分であり、また、キャリア耐性(膨潤抑制)効果を有する。
該第二グリコール(A2)としては、例えば、エチレングリコール(略称EG)、1,3−プロピレングリコール(1,3PD)等の炭素数2〜3のジオールが挙げられる。
なお、これら第二グリコールは上記例示の化合物を1種単独で用いても2種以上を組み合わせて前記グリコール成分に含有させるようにしてもよい。
水酸基を3個以上有する三官能以上のポリオールである前記第三グリコール(A3)は、弾性体層を構成する導電性エラストマーに架橋構造を導入させて変形に対する優れた復元力を弾性体層に付与するのに有効な成分である。
また、本実施形態の現像ローラを、液体現像方式の電子写真装置に用いる場合には、当該第三グリコールは、弾性体層にキャリアによる膨潤を抑制する効果を発揮させることができる。
これらの中では、前記第三グリコールとして、トリメチロールプロパン、グリセリンを採用することが好ましく、ハンドリングの点からはトリメチロールプロパンを採用することがより好ましい。
なお、これら第三グリコールは上記例示の化合物を1種単独で用いても2種以上を組み合わせて前記グリコール成分に含有させるようにしてもよい。
具体的には前記グリコール成分(A)は、第一グリコール(A1)と第二グリコール(A2)とが90/10〜30/70のモル比((A1)/(A2))となって含有されることが好ましく、80/20〜50/50の前記モル比で含有されることが特に好ましい。
前記第一グリコール(A1)と前記第二グリコール(A2)との合計に対し、3官能以上の前記第三グリコール(A3)は、モル比[{(A1)+(A2)}/(A3)]で、99/1〜85/15となるようにグリコール成分に含有させることが好ましく、97/3〜90/10の前記モル比でグリコール成分に含有させることが特に好ましい。
なお、ポリエステルポリオールの数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)を用いて測定することができ、例えば、東ソー社製GPC:型名「HLC−8020」を用いて、カラム「G−4000」、「G−3000」、「G−2000」(いずれも東ソー社製)を三本連結させて、移動相にクロロホルムを使用することにより測定することができる。
また、前記水酸基価は、JIS K0070に準じた方法により求められる値である。
そのため、本実施形態の弾性体層は、カーボンブラックどうしやカーボンブラックと黒鉛との間がオングストロームオーダーで離間するような箇所が従来の弾性体層に比べて多く形成され、従来の弾性体層に比べて大きな静電容量を示す状態となる。
このことから本実施形態の弾性体層は、トンネル電流による導電パスを従来の弾性体層よりも多く存在させているとともにトンネル電流が阻害されるまでの電荷の蓄積量を大きく確保することができるため連続通電時における優れた抵抗安定性が発揮されることになる。
なお、弾性体層が前記キャリアなどによって膨潤された場合には、導電性フィラーどうしの間隔も変化し、静電容量を変化させるおそれがあるが、本実施形態の弾性体層は、上記のようにその形成にキャリアに対する耐性に優れたポリエステルポリオールが用いられる。
従って、本実施形態の現像ローラは、キャリアによっても抵抗安定性が変化し難いという利点を有する。
そのため、本実施形態の現像ローラは、その効果をより顕著に発揮させ得る点において液体現像電子写真装置において使用されることが好ましいといえる。
なお、これらのポリイソシアネートは、1種が単独で、又は2種以上が組み合わされて用いられ得る。
また、前記ポリイソシアネートは、2,4−TDIと2,6−TDIとを7:3〜9:1の質量比率で併用することが最も好ましい。
即ち、前記ポリイソシアネートとしては、一般に“変性HDI”などと呼ばれているポリイソシアネートものを好適に採用することができる。
また、本実施形態におけるポリイソシアネートとしては、イソシアネート基と反応する官能基を2以上有する有機化合物によって複数のヘキサメチレンジイソシアネートが結合されて、分子末端がヘキサメチレンジイソシアネートで構成されたポリイソシアネートが特に好ましい。
即ち、ヘキサメチレンジイソシアネートどうしを結合する前記有機化合物としては、置換もしくは非置換の飽和脂肪族炭化水素が好ましく、本実施形態のポリイソシアネートとしては、この置換もしくは非置換の飽和脂肪族炭化水素を介して複数のヘキサメチレンジイソシアネートが結合され、且つ、分子末端がヘキサメチレンジイソシアネートとなるように前記結合されたものが好ましい。
即ち、本実施形態のポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート基と前記グリコールの水酸基とを縮合反応によって結合させたものが好ましい。
即ち、これらの多価アルコールの水酸基とヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアネート基とを結合させた分子末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネートも本実施形態のポリウレタンエラストマーを構成するためのポリイソシアネートとして好適に採用しうる。
また、本実施形態におけるポリイソシアネートは、そのNCO%が、12%以上20%以下であることが好ましい。
また、本実施形態の弾性体層3には、弾性体層の物性に実質的に悪影響を及ぼさない範囲において前記カーボンブラック及び前記黒鉛以外の導電性フィラーや、その他の無機フィラー、シランカップリング剤、可塑剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、抗菌剤等を適宜含有させることができる。
まず、作製する弾性体層3の外径よりも僅かに径大な円柱状のキャビティを有する金型の中心部に芯金2をセットするとともに上述した前記ポリエステルポリオールと前記ポリイソシアネートと前記カーボンブラックと前記黒鉛とを準備し、一旦、前記カーボンブラックと前記黒鉛とを前記ポリエステルポリオールにミキサーやビーズミル等を用いて分散させて分散液を作製する。
次いで、この分散液と前記ポリイソシアネートとを混合した混合液を前記金型に流し込み、該混合液を前記金型ごと加熱することにより型内で硬化させた後、脱型し、さらに加熱してポリウレタンエラストマーの後架橋を実施し、表面研磨による外径調整を行って芯金2の外周に弾性体層3が設けられた半製品を作製する。
しかも、本実施形態の現像ローラ1は、黒鉛とともに小サイズなカーボンブラックが多量に含有されることで導電性エラストマーの体積に占める導電性フィラーの表面積を従来の現像ローラなどに比べて増大させている。
従って、前記導電性エラストマーによって形成されている弾性体層3は、長期通電を行っても電気特性の変化が少なく、電子写真装置に安定した印刷品質を発揮させることができる。
また、本実施形態においては、芯金という導電性エラストマー以外の材料を用いて形成された現像ローラを本発明の電子写真装置用導電性エラストマー部材の例として挙げているが、導電性エラストマーのみで形成されたベルト状やシート状の部材も、現像ローラなどのローラ状の部材と同様に本発明の電子写真装置用導電性エラストマー部材として意図するものであり形態等に関して特に限定されるものでもない。
電子写真装置用導電性エラストマー部材としてローラを作製した。
そして、このローラの作製には、下記のような材料を用いた。
・カーボンブラック1(CB1):
三菱化学社製カーボンブラック(粒子径24nm、DBP吸油量約45cm3/100g)、商品名「#45L」
・カーボンブラック2(CB2):
三菱化学社製カーボンブラック(粒子径23nm、DBP吸油量約64cm3/100g)、商品名「#47」
・カーボンブラック3(CB3):
三菱化学社製カーボンブラック(粒子径24nm、DBP吸油量約78cm3/100g)、商品名「#44」
・黒鉛1(GF1):
日本黒鉛社製天然黒鉛(平均粒子径5μm) 、商品名「UP5」
・ポリオール1(PO1):
側鎖を有する炭素数4以上のグリコール(A1):3−メチル−1,5−ペンタンジオール
炭素数2又は3の直鎖状のグリコール(A2):エチレングリコール
水酸基を3個以上有するグリコール(A3):トリメチロールプロパン
を(A1):(A2):(A3)の質量比で100:5.8:14.8となるように含有するポリオール成分(A)、及び、アジピン酸(B)を100:111.8(A:B)の質量比率で反応させてなる数平均分子量が2000で、水酸基価が86mg/KOHgのポリエステルポリオール
・ポリオール2(PO2):
ジエチレングリコールとトリメチロールプロパンとアジピン酸との縮重合エステルである低分岐ポリオール(日本ポリウレタン工業社製、商品名「ニツポランN−4032」、平均官能基数2.35、水酸基価60mg/KOHg)
・ポリイソシアネート1(PI1):
トリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネートの混合物[(2,4−TDI)/(2,6−TDI)=80/20 質量比]
前記ポリオール1(PO1)、前記カーボンブラック1(CB1)、及び、前記黒鉛1(GF1)とが100:1.9:3.5(PO1:CB1:GF1)の質量比となるように分散液(DL)を調整した後に、この分散液(DL)と前記ポリイソシアネート1(PI1)とを100:11.1(DL:PI1)の質量比で混合して混合液を作製した。
内径20mm、長さ300mmの細長い円柱状の内部空間を有する成形型に前記内部空間の中心を通るように直径6mmの芯金を仕込み、前記混合液を注型した。
そして、前記混合液を成形型ごと加熱して硬化させて芯金の外周に弾性体層が装着された太さ(直径)20mmの成形物を作製し、該成形物の外周を研磨してローラ試料を作製した。
なお、ローラ試料は、前記弾性体層の径方向における厚みが6mm、軸方向における長さが23cmとなるように形成させて当該弾性体層形成部分における太さ(直径)が18mmとなるように作製した。
そして、前記混合液は、低粘度な物となっており、注型作業が容易であった。
また、前記弾性体層における最終的なカーボンブラック1(CB1)の含有量は1.6質量%であり、前記黒鉛1(GF1)の含有量は3.0質量%であった。
前記ローラ試料に形成させた弾性体層の平面視における面積よりも大面積なステンレス板を用意し、該ステンレス板を平置きした上に前記ローラ試料を乗せ、弾性体層が全長に亘ってステンレス板の上面と接するように前記ローラ試料を配置した。
この状態で芯金の両端に片端5Nずつ(合計10N)の荷重をかけて前記ローラ試料をステンレス板に向けて加圧し、前記弾性体層の外周面を略一定のニップ幅でステンレス板に当接させた。
そして、前記芯金と前記ステンレス板との間に100μAの直流電流を高圧電源(トレック・ジャパン社製、型名「610C」)を使って5時間通電し続け、通電開始直後における抵抗値(R0)に対する通電開始1時間後の抵抗値(R1)の比率(R1/R0)及び通電開始5時間後の抵抗値(R5)の比率(R5/R0)をそれぞれ求め通電抵抗安定性を評価した。
結果を、各抵抗値(R0、R1、R5)とともに下記の表1に示す。
前記の通電抵抗安定性評価と同様にローラ試料をステンレス板に合計10Nの荷重をかけて加圧した状態で、LCRメータ(日置電機社製、型名「3522−50」)を用いて前記芯金と前記ステンレス板との間に実効値500mVの交流電圧を1Hzから20kHzにわたる周波数で印加してインピーダンス測定を行い電圧に対する電流の位相差を測定した。
このとき、電圧波形に対する電流波形の遅れ角は、1Hzから20kHzまでの間、−90°から−60°までの間に収まっていた。
そして、電圧波形に対する電流波形の遅れ角の内、最も遅れ角の小さな値(位相差の最大値)を下記表1に示す。
用いるカーボンブラックの種類や、当該カーボンブラック、及び、黒鉛の含有量を表1、2に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にローラ試料を作製して実施例1と同様に評価した。
結果を、表1、2に示す。
用いるカーボンブラックやポリオールの種類、カーボンブラック及び黒鉛の含有量を表3に示す通りに変更したこと以外は実施例1と同様にローラ試料を作製して実施例1と同様に評価した。
結果を、表3に示す。
なお、比較例1、4、7、8については、カーボンブラック及び黒鉛をポリオールに分散させた分散液の粘度が高く、注型成形自体が困難であったため評価可能なローラ試料を得ることができなかった。
Claims (3)
- ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを反応させてなるポリウレタンエラストマーと、黒鉛と、カーボンブラックとを含有する導電性エラストマーによって形成されている電子写真装置用導電性エラストマー部材であって、
前記導電性エラストマーが前記カーボンブラックを1質量%以上3質量%以下の割合で含有し、前記黒鉛を3質量%以上8質量%以下の割合で含有しており、前記カーボンブラックのDBP吸油量が45cm3/100g以上64cm3/100g以下で、前記黒鉛の平均粒子径が3μm以上10μm以下であり、前記ポリウレタンエラストマーは、前記ポリエステルポリオールが、側鎖を有する炭素数4以上のグリコール(A1)と、炭素数2又は3の直鎖状のグリコール(A2)と、水酸基を3個以上有するグリコール(A3)とを少なくとも含むグリコール成分(A)をアジピン酸(B)と反応させた数平均分子量が2000以上3000以下で水酸基価が80mg/KOHg以上88mg/KOHg以下のポリエステルポリオールであることを特徴とする電子写真装置用導電性エラストマー部材。 - 前記導電性エラストマーからなる円筒状の弾性体が芯金の外周に装着されてなるローラである請求項1記載の電子写真装置用導電性エラストマー部材。
- 前記ローラは、芯金の片端に5Nずつ、合計10Nの荷重をかけてステンレス板に外周面を当接させた状態で、前記芯金と前記ステンレス板との間に実効値500mVの交流電圧を1Hzから20kHzにわたる周波数で印加して電圧に対する電流の位相差を測定した際に該位相差が−90°以上−60°以下であり、且つ前記当接させた状態で前記芯金と前記ステンレス板との間に100μAの直流電流を5時間通電し続けた際における抵抗値が通電開始直後における抵抗値の2倍以下である請求項2記載の電子写真装置用導電性エラストマー部材。
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