JP2014228179A - 太陽光コジェネ装置、太陽光コジェネシステム - Google Patents

太陽光コジェネ装置、太陽光コジェネシステム Download PDF

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Abstract

【課題】太陽光から太陽エネルギーと熱エネルギーとを得ることができ、簡易な構成としつつ光電変換装置における変換効率の低下を抑制することのできる太陽光コジェネ装置を提供すること。【解決手段】太陽光Bを受光面11aで受光して電気に変換する光電変換装置11と、太陽光Bから熱を得て貯留空間Aの熱媒体Mへと伝達する太陽光集熱装置12と、貯留空間Aにおいて、太陽光Bにおける一部の光を透過するとともに、それ以外の光の透過を阻む波長分離部(13)と、貯留空間Aにおいて、波長分離部により透過が阻まれた光の少なくとも一部を吸収して熱に変換する光吸収部(13)と、を備え、太陽光集熱装置12は、光電変換装置11の受光面11aの上に設けられ、光電変換装置11は、太陽光集熱装置12の貯留空間Aに設けられた波長分離部を透過した太陽光Bを受光面11aで受光して電気に変換する。【選択図】図1

Description

本発明は、太陽エネルギーを利用するための太陽光コジェネ装置、およびそれを備える太陽光コジェネシステムに関する。
従来、太陽エネルギーを利用するために、太陽光を電気エネルギーに変換する光電変換装置としての太陽電池を用いることが考えられている。その太陽電池では、太陽光のうちの所定の波長帯域の光を吸収することにより、電気エネルギーに変換(電気を生成(発電))する。
しかしながら、太陽電池では、一般に可視光(大略波長帯域400nm〜700nm)を電気エネルギーに変換するものであり、例えば、アモルファスシリコン太陽電池で長波長側が700nm程度までとされている。また、太陽電池では、より長波長側を利用することができるものとして、微結晶シリコン太陽電池も知られているが、せいぜい1000nm程度である。この他に、カドミウムテルル(CdTe)太陽電池や、CIGS太陽電池も考えられているが、そのバンドギャップの計算から長波長側が900nm程度までとなる。このことから、太陽電池を用いた光電変換装置では、太陽光のうちの700nm〜2500nmの近赤外光(その太陽エネルギー)を有効に利用することができない。このことは、当該光電変換装置における太陽光(太陽エネルギー)から利用可能なエネルギーへの変換効率(以下では、単に変換効率ともいう)の向上を妨げる一因となっている。また、その光電変換装置(太陽電池)では、自身の温度の上昇に伴って、太陽光から電気エネルギーへの変換効率が低下してしまうことが知られている。これは、半導体のバンドギャップが温度の上昇に伴って減少し、起電力が低下することによる。
ここで、近赤外光(大略波長帯域700nm〜2500nm)は、一般に電気エネルギーに変換するよりも熱エネルギーに変換した方が変換効率を向上できることが知られている。このため、上記した光電変換装置(太陽電池)に加えて、近赤外光を熱エネルギーに変換する太陽光集熱装置を併せ持つ太陽光コジェネ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。その従来技術の太陽光コジェネ装置は、光電変換装置の下に太陽光集熱装置としての太陽熱温水装置を重ねて構成されており、光電変換装置が太陽光(その可視光)を受けることで発電し、太陽熱温水装置が光電変換装置を透過した近赤外光を受けることで水を温める。その太陽光コジェネ装置では、太陽光において、利用可能なエネルギーに変換する波長帯域を広げることができるので、変換効率を向上させることができる。また、この太陽光コジェネ装置では、光電変換装置と太陽熱温水装置(太陽光集熱装置)とを一体的な構成としているので設置のためのスペースを有効に利用することができる。
しかしながら、上記した従来の太陽光コジェネ装置では、既設の光電変換装置(太陽電池)を用いる場合には、当該光電変換装置を一度取り除き、太陽熱温水装置(太陽光集熱装置)を設置した後に、その太陽熱温水装置の上に当該光電変換装置を設置する必要がある。
また、その太陽光コジェネ装置では、光電変換装置(太陽電池)の熱をそこに接する太陽熱温水装置(太陽光集熱装置)で吸収することができるが、光電変換装置を十分に冷却することができず、当該光電変換装置における変換効率の低下を抑制することは困難である。これは、当該太陽光コジェネ装置では、太陽熱温水装置の上に光電変換装置(太陽電池)を重ねるものであるため、太陽熱温水装置において温めた水(温水)を光電変換装置に接触させるので、温水以下の温度に冷却することができないことによる。
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、太陽光から太陽エネルギーと熱エネルギーとを得ることができ、簡易な構成としつつ光電変換装置における変換効率の低下を抑制することのできる太陽光コジェネ装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の太陽光コジェネ装置は、太陽光を受光面で受光して電気に変換する光電変換装置と、太陽光から熱を得て貯留空間の熱媒体へと伝達する太陽光集熱装置と、前記貯留空間において、太陽光における一部の光を透過するとともに、それ以外の光の透過を阻む波長分離部と、前記貯留空間において、前記波長分離部により透過が阻まれた光の少なくとも一部を吸収して熱に変換する光吸収部と、を備え、前記太陽光集熱装置は、前記光電変換装置の前記受光面の上に設けられ、前記光電変換装置は、前記太陽光集熱装置の前記貯留空間に設けられた前記波長分離部を透過した太陽光を前記受光面で受光して電気に変換することを特徴とする。
本発明に係る太陽光コジェネ装置では、太陽光から太陽エネルギーと熱エネルギーとを得ることができ、簡易な構成としつつ光電変換装置における変換効率の低下を抑制することができる。
本発明の実施例1の太陽光コジェネ装置10を俯瞰した様子で示す説明図である。 太陽光コジェネ装置10を側方から見た様子を示す説明図である。 近赤外吸収板13として用いる五鈴精工硝子社製のISK370(商品名)の光学特性を示すグラフであり、横軸を光の波長帯域で示し、縦軸を透過率(%)で示す。 実施例2の太陽光コジェネ装置102の構成を説明するための図2と同様の説明図である。 波長帯域に対する水の透過率特性(Tw)および太陽光Bのエネルギーの特性(E)を示すグラフであり、横軸を光の波長帯域で示し、左側の縦軸を水の透過率(%)で示し、右側の縦軸をエネルギー(W/(m×nm))で示す。 実施例3の太陽光コジェネ装置103の構成を説明するための図1と同様の説明図である。 太陽光コジェネ装置103の構成を説明するための図2および図4と同様の説明図である。 測定のために作成した太陽光コジェネ装置103´の構成を示す説明図である。 太陽光コジェネ装置103´の太陽光集熱装置123の貯留空間A3において供給される水(熱媒体M)の温度(Ti)と排出する水の温度(To)とを示すグラフであり、縦軸を水(熱媒体M)の温度(℃)とし、横軸を経過時間(sec)としている。 太陽光コジェネ装置103´における光電変換装置11からの出力電圧(V1)と、その光電変換装置11を単独で用いた際の当該光電変換装置11からの出力電圧(V2)と、を示すグラフであり、縦軸を出力電圧(V)とし、横軸を経過時間(sec)としている。 実施例4の太陽光コジェネ装置104の構成を説明するための図1および図6と同様の説明図である。 太陽光コジェネ装置104の太陽光集熱装置124(その筐体部124a)の構成を説明するための説明図である。 太陽光集熱装置124の筐体部124aの貯留空間A4(その下層空間Ad4および上層空間Au4)において熱媒体Mが流れる様子を説明するための説明図である。 傾斜仕切壁12gとして用いられる波長分離部としての長波長カットフィルタの光学特性を示すグラフであり、縦軸は透過率(%)を示し、横軸は波長(波長帯域)(nm)を示す。 貯留空間A4(その下層空間Ad4および上層空間Au4)において太陽光Bが進行する様子を説明するための説明図である。 貯留空間A4(下層空間Ad4および上層空間Au4)における傾斜仕切壁12gの角度設定を説明するための説明図である。 実施例5の太陽光コジェネシステム50の構成を説明するための説明図である。
以下に、本発明に係る太陽光コジェネ装置およびそれを備える太陽光コジェネシステムの各実施例について図面を参照しつつ説明する。
本発明に係る太陽光コジェネ装置の一実施例としての実施例1の太陽光コジェネ装置10の構成を、図1および図2を用いて説明する。以下の説明では、太陽光コジェネ装置10において、図1に示すように、水平面と平行な平坦面に設置された状態における鉛直方向を上下方向(矢印UD参照(上側がU))とする。また、以下の説明では、太陽光コジェネ装置10において、上下方向に直交しつつ図1における奥行方向を前後方向(矢印FB参照(手前側がF))とし、上下方向および前後方向に直交する方向を左右方向(矢印LR参照(右側がR))とする。
太陽光コジェネ装置10は、太陽光Bから太陽エネルギーと熱エネルギーとを得るものであり、実施例1では、図1および図2に示すように、光電変換装置11と太陽光集熱装置12とを備える。その光電変換装置11は、受けた太陽光Bのうちの所定の波長帯域の光を吸収して電気を生成(発電)することにより、太陽光Bを電気エネルギーに変換する。光電変換装置11は、全体に薄い(上下方向の大きさ寸法が小さい)直方体形状を呈し、上下方向上側に太陽光Bを受ける受光面11aが設けられている。この光電変換装置11は、太陽電池を用いて構成することができる。その太陽電池としては、多結晶シリコン太陽電池や、アモルファスシリコン太陽電池や、微結晶シリコン太陽電池や、カドミウムテルル(CdTe)太陽電池や、合金系太陽電池を用いることができる。また、光電変換装置11は、これらの太陽電池を積層した構造の太陽電池を用いるものであってもよい。なお、合金系太陽電池としては、銅(Cu)、インジウム(In)、セレン(Se)元素からなる化合物半導体の薄膜を利用して発電するCIS太陽電池や、銅(Cu)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、セレン(Se)元素からなる化合物半導体の薄膜を利用して発電するCIGS太陽電池等がある。光電変換装置11は、実施例1では、アモルファスシリコン太陽電池を用いて構成している。このアモルファスシリコン太陽電池は、大略700nm以上の波長帯域の光を殆ど吸収することはない、換言すると大略700nm以上の光からは電力(電気)を生成しない特性とされている。この光電変換装置11は、受光面11aで太陽光Bを受光して電力を生成し、その生成した電力を電力線により外部機器へと出力する。
太陽光集熱装置12は、太陽光Bから熱エネルギーを得るものであり、得た熱エネルギー(集めた熱)を熱を交換する媒体としての熱媒体Mに伝達し、その熱媒体Mを通じて外部機器へと移動させる。この太陽光集熱装置12は、全体に薄い(上下方向の大きさ寸法が小さい)直方体形状を呈し、上下方向で見て光電変換装置11と略等しい大きさ寸法および形状とされた筐体部12aを有する。太陽光集熱装置12は、その筐体部12aが光電変換装置11の受光面11aの上に置かれて設けられている。すなわち、太陽光集熱装置12は、光電変換装置11の受光面11aに筐体部12a(その下面)を接触させて設けられている。
その筐体部12aは、太陽光B少なくとも可視光および近赤外光を透過する材料から形成されて、内方に熱媒体Mを貯めることのできる空間(以下では、貯留空間Aともいう)を形成する直方体形状の箱状を呈する。筐体部12aでは、上下方向上側が太陽光Bを受ける受光面12bとされている。この筐体部12aには、左右方向左側の端面に取入口14が設けられているとともに、左右方向右側の端面に排出口15が設けられている。その取入口14と排出口15とは、それぞれ筐体部12aの貯留空間Aに接続されている。取入口14は、実施例1では、上下方向で見て筐体部12aの左側端面における下部に設けられている(図2参照)。また、排出口15は、実施例1では、上下方向で見て筐体部12aの右側端面における上部に設けられている(図2参照)。この筐体部12aでは、取入口14から熱媒体Mを取り入れることにより、貯留空間Aが熱媒体Mで満たされる。また、筐体部12aでは、貯留空間Aの熱媒体Mを排出口15から排出する。
この筐体部12aは、貯留空間Aに貯めた熱媒体Mを、後述するように太陽光Bにおける近赤外光を利用して温める。このため、筐体部12aは、熱媒体Mを効率よく温める観点から、の熱媒体Mの可視光透過率や赤外線吸収率、筐体部12a内における熱媒体Mの流量等を勘案して、受光面12bに直交する方向の大きさ寸法(厚さ寸法)を設定する。その厚さ寸法は、数mm〜数十mmが好適である。これは、厚さ寸法が大きくなると、太陽光集熱装置12延いては太陽光コジェネ装置10の装置全体としての重量の増加を招いてしまうことによる。また、厚さ寸法が大きくなると、熱媒体Mを効率よく温めることが困難となる、特に後述するように熱媒体Mを実施例1と同様に水とした場合に温水を得ることが困難となることにもよる。
その筐体部12aの貯留空間Aには、近赤外吸収板13(近赤外吸収フィルム)が設けられている。この近赤外吸収板13(近赤外吸収フィルム)は、光電変換装置11の特性に合わせた光学特性、すなわち光電変換装置11が吸収して電気を生成(発電)する波長帯域の光を透過するとともに、少なくとも近赤外光におけるそれ以外の波長帯域の光を吸収する光学特性とする。近赤外吸収板13は、実施例1では、光電変換装置11をアモルファスシリコン太陽電池により構成していることから、可視光すなわち大略700nm以下の波長帯域の光を透過し、近赤外光すなわち以上の波長帯域の光を吸収する光学特性とする。この近赤外吸収板13は、実施例1では、図3に示す光学特性を有する五鈴精工硝子社製のISK370(商品名)を用いている。このため、近赤外吸収板13は、図1および図2に示すように、筐体部12aの貯留空間Aに満たされた熱媒体Mの中において太陽光Bを受けると、可視光を透過させるとともに、近赤外光を吸収して集熱する。
この近赤外吸収板13は、上下方向に直交する面と平行な方向において、筐体部12aの貯留空間Aの略全面に渡って存在する大きさ寸法の長方形状とされている。すなわち、近赤外吸収板13は、太陽光集熱装置12に対して上下方向で太陽光Bが照射したものとすると、受光面12bから貯留空間A(そこの熱媒体M(水))に進行した太陽光Bの殆ど全てを受ける。そして、近赤外吸収板13は、その太陽光Bのうちの可視光を透過させるとともに、近赤外光を吸収して熱に変換する(集熱する)。このため、近赤外吸収板13は、当該太陽光Bのうちの可視光を、筐体部12a(その下面)から光電変換装置11の受光面11aへと向かわせる。また、近赤外吸収板13は、近赤外光を吸収して得た(集めた)熱を、自身が設けられた筐体部12aの貯留空間Aを満たす熱媒体M(水)に伝達させる。このため、近赤外吸収板13は、太陽光Bにおける一部の光(所定の波長帯域の光)を透過するとともにそれ以外の光(所定の波長帯域以外の波長帯域の光)の透過を阻む波長分離部として機能する。また、近赤外吸収板13は、波長分離部により透過が阻まれた光(所定の波長帯域以外の波長帯域の光)の少なくとも一部を吸収して熱に変換する光吸収部としても機能する。すなわち、近赤外吸収板13は、太陽光集熱装置12(その筐体部12a)に設けられた波長分離部となるとともに光吸収部となる。
この近赤外吸収板13は、筐体部12aの貯留空間Aにおいて、上下方向で見た中間位置に設けられており、実施例1では上下方向で見た中央に位置されている(図2参照)。これは、近赤外吸収板13は、光吸収部として機能するすなわち自身が発熱することとなるので、上下方向上側すなわち受光面12bに近接していると当該受光面12bから放熱させてしまい、エネルギーロスを生じさせてしまうことによる。また、近赤外吸収板13は、上下方向下側すなわち光電変換装置11に近接していると、自身の熱を当該光電変換装置11に伝達させてしまい、その光電変換装置11における変換効率の低下を招いてしまう虞があることによる。なお、この変換効率とは、光電変換装置11(太陽光集熱装置12においても同様である)における太陽光(太陽エネルギー)から利用可能なエネルギーへの変換効率のことをいう。
この太陽光コジェネ装置10では、太陽光Bが照射されると、太陽光集熱装置12における筐体部12aの受光面12bで太陽光Bを受光し、当該太陽光Bを受光面12bから貯留空間Aの熱媒体Mとしての水へと進行させて近赤外吸収板13に至らせる。そして、太陽光コジェネ装置10では、近赤外吸収板13により、当該太陽光Bを可視光とそれ以外の波長帯域の光(近赤外光)とに分離する。その太陽光コジェネ装置10では、可視光を光電変換装置11の受光面11aへと向かわせるとともに、近赤外光を近赤外吸収板13で吸収する。すると、光電変換装置11では、アモルファスシリコン太陽電池で構成されていることから、受光面11aに到達した光(太陽光B)の略全ての波長帯域の光から電力を生成し、その生成した電力を電力線により外部機器へと出力する。また、太陽光集熱装置12では、近赤外吸収板13が近赤外光を吸収することにより熱に変換し、貯留空間Aを満たして当該近赤外吸収板13の周囲に存在する熱媒体M(水)に当該熱を伝達する。これにより、太陽光集熱装置12では、取入口14から取り入れた熱媒体Mとしての水を筐体部12aの貯留空間Aで温め、その温めた水すなわち温水を排出口15から排出する。よって、太陽光コジェネ装置10では、太陽光Bが照射されると、その太陽光Bを電気エネルギーと熱エネルギーとに変換して、電力と温水とを得ることができる。
このように、本発明に係る実施例1の太陽光コジェネ装置10では、太陽光Bから電気エネルギーと熱エネルギーとを得ることができる。
また、太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の受光面11a上に太陽光集熱装置12を配置するものであることから、簡易な構成とすることができる。
さらに、太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の受光面11a上に太陽光集熱装置12を配置するものであることから、太陽光集熱装置12の熱媒体Mのうちの温められていないものを受光面11aに接触させることができる。このため、太陽光コジェネ装置10では、太陽光集熱装置12により光電変換装置11(その受光面11a)の熱を効率よく吸収することができるので、光電変換装置11を冷却することができる。これにより、太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11における変換効率の低下を防止することができる。
太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の受光面11a上に太陽光集熱装置12を配置するものであることから、既存の光電変換装置の受光面上に太陽光集熱装置12を配置することで構成することができる。このため、太陽光コジェネ装置10では、既存の光電変換装置を用いても簡単に構成することができ、容易に設置することができる。
太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の受光面11a上に太陽光集熱装置12を配置するものであることから、当該受光面11aを太陽光集熱装置12により保護することができる。このため、太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の受光面11aを保護のためだけに強化する必要がなくなるので、より簡易な構成とすることができ、コストの削減を図ることができる。
太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の上に太陽光集熱装置12を設ける構成であることから、太陽光集熱装置12における変換効率を向上させることができる。これは以下のことによる。例えば、単に光電変換装置の下に太陽光集熱装置を設ける構成とする場合、光電変換装置を少なくとも近赤外光を透過させる光学特性を有するものとする必要がある。ここで、光電変換装置では、シリコン材料からなる太陽電池を用いるとともに、透明電極を用いることで近赤外光を透過させる光学特性を有するものとすることができる。ところが、シリコン材料からなる太陽電池であっても近赤外光をある程度反射または吸収してしまい、また、透明電極であっても、近赤外光の波長帯域における透過率の高い数値を確保することは困難である。このことから、当該構成では、光電変換装置における近赤外光の透過率が低下してしまうので、下方の太陽光集熱装置へと到達させる近赤外光の減少を招いてしまい、当該太陽光集熱装置における変換効率を低下させてしまう。これに対し、太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の上の太陽光集熱装置12が位置していることから、太陽光Bをそのまま当該太陽光集熱装置12に到達させることができるので、太陽光集熱装置12における変換効率を向上させることができる。
太陽光コジェネ装置10では、波長分離部(実施例1では近赤外吸収板13)を、光電変換装置11の特性に合わせた光学特性としている。換言すると、太陽光コジェネ装置10では、波長分離部(近赤外吸収板13)を、光電変換装置11が吸収して電気を生成(発電)する波長帯域の光を透過するとともに、少なくとも近赤外光におけるそれ以外の波長帯域の光を吸収する光学特性としている。このため、太陽光コジェネ装置10では、太陽光Bが照射された際、太陽光集熱装置12における波長分離部(近赤外吸収板13)により、光電変換装置11が吸収する波長帯域以外の光が当該光電変換装置11に到達することを防止することができる。これにより、太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11が電気エネルギーに変換する波長帯域以外の光により加熱されることを防止することができるので、効果的に光電変換装置11の温度上昇を防止することができる。
太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の上に太陽光集熱装置12を設けて、波長分離部(近赤外吸収板13)により光電変換装置11が吸収する波長帯域以外の光が当該光電変換装置11に到達することを防止する。このため、太陽光コジェネ装置10では、複雑な構成となることを防止しつつ光電変換装置11における変換効率を向上させることができる。これは以下のことによる。例えば、光電変換装置の下に太陽光集熱装置を設ける構成とする場合、光電変換装置を、鋭角を為して対向する2つの透明反射板を設けるとともに、それらが交わる頂角に対向する底辺で鉛直方向に起立させて太陽電池を設ける構成とすることが考えられる。このため、光電変換装置の構成の複雑化を招いてしまうとともに、太陽電池を鉛直方向に起立させる必要があることから、既存の太陽電池を用いることも困難である。また、このような構成では、2つの反射板の間を複数回反射させることで、太陽光を太陽電池に到達させることとなるので、その反射の度に太陽光(その光量)の減少を招いてしまい、太陽電池すなわち光電変換装置における変換効率の減少を招いてしまう。これに対し、太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の上に太陽光集熱装置12を位置させるものであるので、複雑な構成となることを防止することができる。また、太陽光コジェネ装置10では、太陽光Bのうち太陽光集熱装置12の波長分離部(近赤外吸収板13)を透過した光を光電変換装置11に導くものであるため、太陽光Bが光学部材を経る回数を低減することができるので、光電変換装置11における変換効率を向上させることができる。
太陽光コジェネ装置10では、太陽光集熱装置12における光吸収部を、波長分離部としても近赤外吸収板13で構成している。このため、太陽光コジェネ装置10では、太陽光集熱装置12の構成を簡易でかつ小さなものとすることができる。このことは、太陽光コジェネ装置10における大きさ寸法の低減と軽量化を図ることができ、設置の自由度を高めることができる。
太陽光コジェネ装置10では、近赤外吸収板13が可視光を透過するとともに近赤外光を吸収するものとされていることから、太陽光Bが照射されても光電変換装置11に到達する近赤外光を極めて少ないものとすることができる。このため、太陽光コジェネ装置10では、太陽光Bにおける近赤外光が照射されることに起因して光電変換装置11の温度が上昇することを防止することができるので、より効果的に光電変換装置11の温度上昇を防止することができる。
太陽光コジェネ装置10では、近赤外吸収板13を、太陽光集熱装置12の筐体部12aの貯留空間Aにおける上下方向で見た中間位置に設けている。このため、太陽光コジェネ装置10では、太陽光集熱装置12における変換効率を向上させることができるとともに、光電変換装置11における変換効率の低下を防止することができる。これは、以下のことによる。近赤外吸収板13は、光吸収部として機能するすなわち自身が発熱することとなるので、上下方向上側すなわち受光面12bに近接していると当該受光面12bから放熱させてしまい、エネルギーロスを生じさせてしまうことによる。また、近赤外吸収板13は、上下方向下側すなわち光電変換装置11に近接していると、自身の熱を当該光電変換装置11に伝達させてしまい、その光電変換装置11における変換効率の低下を招いてしまう虞があることにもよる。
したがって、本発明に係る実施例1の太陽光コジェネ装置10では、太陽光Bから太陽エネルギーと熱エネルギーとを得ることができ、簡易な構成としつつ光電変換装置11における変換効率の低下を抑制することができる。
なお、実施例1では、太陽光集熱装置12において熱媒体Mとしての水を用いていたが、実施例3のように他のものを用いるものであってもよく、上記した実施例1に限定されるものではない。
次に、本発明の実施例2に係る太陽光コジェネ装置102について、図4および図5を用いて説明する。この実施例2は、実施例1の太陽光コジェネ装置10とは太陽光集熱装置122の構成が異なる例である。この実施例2の太陽光コジェネ装置102は、基本的な構成は上記した実施例1の太陽光コジェネ装置10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図4は、太陽光コジェネ装置102の構成を説明するための図2と同様の説明図である。図5は、波長帯域に対する水の透過率特性(Tw)および太陽光Bのエネルギーの特性(E)を示すグラフであり、横軸を光の波長帯域で示し、左側の縦軸を水の透過率(%)で示し、右側の縦軸をエネルギー(W/(m×nm))で示す。
実施例2に係る太陽光コジェネ装置102では、太陽光集熱装置122において、波長分離部および光吸収部としての近赤外吸収板13を設けることを止めている。そして、この太陽光集熱装置122では、熱媒体Mとして水を用いており、その水(熱媒体M)を太陽光集熱装置122における波長分離部および光吸収部としている。すなわち、太陽光集熱装置122では、近赤外吸収板13が設けられておらず、取入口14から取り入れた熱媒体Mとしての水を筐体部12aの貯留空間Aに貯めて構成されており、その水(熱媒体M)を適宜排出口15から排出する。このことについて、以下で説明する。
図5は、10(mm)の石英セルを用いて、波長帯域(可視光および近赤外光)に対する水の透過率Twの変化を測定した結果を示している。水は、図5に示すように、可視光から1000(nm)の波長帯域の光を殆ど透過させるが、1000(nm)から1350(nm)の波長帯域の光では透過率を減少させ、1350(nm)以上の波長帯域の光は殆ど透過させない。このため、熱媒体Mとして用いた水は、1000(nm)以下の波長帯域の光を透過させるとともに、1000(nm)から1350(nm)の波長帯域の光の一部を透過させる。また、熱媒体Mとして用いた水は、1350(nm)以上の波長帯域の光を透過させることなく吸収するとともに、1000(nm)から1350(nm)の波長帯域の光の一部を透過させることなく吸収する。このため、熱媒体Mとしての水は、太陽光集熱装置122において、波長分離部として機能するとともに光吸収部として機能する。
このため、太陽光コジェネ装置102では、波長分離部としての水(熱媒体M)の光学特性に合わせて、光電変換装置11を構成する太陽電池を選定することが望ましい。すなわち、太陽光コジェネ装置102では、水(熱媒体M)が透過する波長帯域の光を吸収して電力を生成(発電)することのできる太陽電池を用いて光電変換装置11を構成することが望ましい。このような太陽電池としては、例えば、微結晶シリコン太陽電池や、カドミウムテルル(CdTe)太陽電池や、合金系太陽電池を用いることができる。
この太陽光コジェネ装置102では、太陽光Bが照射されると、図4に示すように、太陽光集熱装置122における筐体部12aの受光面12bで太陽光Bを受光し、当該太陽光Bを受光面12bから貯留空間Aの熱媒体Mとしての水に至らせる。そして、太陽光コジェネ装置102では、水(熱媒体M)により当該太陽光Bを分離して、透過した光を光電変換装置11の受光面11aへと向かわせるとともに、それ以外の光を水(熱媒体M)で吸収する。すると、光電変換装置11では、受光面11aに到達した光(太陽光B)から電力を生成し、その生成した電力を電力線により外部機器へと出力する。また、太陽光集熱装置122では、水(熱媒体M)が透過させなかった光を吸収することにより熱に変換し、自ら(水(熱媒体M))の温度を上昇させる。これにより、太陽光集熱装置122では、取入口14から取り入れた熱媒体Mとしての水を筐体部12aの貯留空間Aで温め、その温めた水すなわち温水を排出口15から排出する。よって、太陽光コジェネ装置102では、太陽光Bが照射されると、その太陽光Bを電気エネルギーと熱エネルギーとに変換して、電力と温水とを得ることができる。
この実施例2の太陽光コジェネ装置102は、基本的には実施例1の太陽光コジェネ装置10と等しい構成であることから、同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例2の太陽光コジェネ装置102では、太陽光集熱装置122の筐体部12aの内方に貯める熱媒体Mとしての水を、太陽光集熱装置122における波長分離部および光吸収部としても機能させる。このため、太陽光コジェネ装置102では、太陽光集熱装置122の構成をより簡易なものとすることができ、全体としての構成の簡易化およびコストの低減を図ることができる。
したがって、本発明に係る実施例2の太陽光コジェネ装置102では、太陽光Bから太陽エネルギーと熱エネルギーとを得ることができ、簡易な構成としつつ光電変換装置11における変換効率の低下を抑制することができる。
次に、本発明の実施例3に係る太陽光コジェネ装置103について、図6および図7を用いて説明する。この実施例3は、実施例1の太陽光コジェネ装置10とは太陽光集熱装置123の構成が異なる例である。この実施例3の太陽光コジェネ装置103は、基本的な構成は上記した実施例1の太陽光コジェネ装置10と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。図6は、太陽光コジェネ装置103の構成を説明するための図1と同様の説明図である。図7は、太陽光コジェネ装置103の構成を説明するための図2および図4と同様の説明図である。なお、図7では、理解容易のために、リブ部材12fを省略して示している。
実施例3に係る太陽光コジェネ装置103では、図6および図7に示すように、太陽光集熱装置123の筐体部123aの貯留空間A3において、上下方向で見た中間位置に仕切壁12dが設けられている。この仕切壁12dは、上下方向に直交する方向で貯留空間A3の全領域に渡って存在されており、当該貯留空間A3を上側の空間(以下では、上層空間Auともいう)と下側の空間(以下では、下層空間Adともいう)との2層に分けている。このため、仕切壁12dは、太陽光集熱装置123において貯留空間A3に設けられた区画部として機能する。このことから、太陽光集熱装置123では、下層空間Adが光電変換装置11(その受光面11a)と接しているとともに、上層空間Auの上壁面が受光面12bとなる。仕切壁12dは、太陽光B少なくとも可視光および近赤外光を透過する材料から形成されており、実施例3では筐体部123aと等しい材料から形成されている。その仕切壁12dには、上下方向に貫通する接続貫通孔12eが設けられている。この接続貫通孔12eは、実施例3では、仕切壁12dにおける左右方向で見た左端の近傍であって前後方向で見た前端の近傍に設けられている。
また、筐体部123aでは、取入口143が、当該筐体部123aの左右方向で見た右側の端面における下部であって、前後方向で見た前側の端部に設けられている。この取入口143は、筐体部123aの貯留空間A3における下層空間Adに通じるものとされている。さらに、筐体部123aでは、排出口153が、当該筐体部123aの左右方向で見た右側の端面における上部であって、前後方向で見た後側の端部に設けられている。この排出口153は、筐体部123aの貯留空間A3における上層空間Auに通じるものとされている。
このため、太陽光集熱装置123では、取入口143から熱媒体Mが供給されると、その熱媒体Mが貯留空間A3における下層空間Adを満たしていく。そして、下層空間Adが熱媒体Mで満たされると、当該熱媒体Mが接続貫通孔12eから貯留空間A3における上層空間Auへと流入し(図6の部分的に拡大した一点鎖線の円参照)、その上層空間Auを満たしていく。そして、上層空間Auが熱媒体Mで満たされると、当該熱媒体Mが排出口153から排出される。このように、太陽光集熱装置123では、筐体部123aに接続貫通孔12eを有する仕切壁12dを設けることにより、貯留空間A3において下層空間Adを経て上層空間Auに至る熱媒体Mの流れる経路(流路)を形成している。
加えて、筐体部123aの貯留空間A3では、図6に示すように、複数のリブ部材12f(図示の例では2つ)が設けられている。この各リブ部材12fは、下層空間Adおよび上層空間Auの内方に適宜設けられ、それぞれの空間を上下方向に架け渡して形成されている。各リブ部材12fは、下層空間Ad内における熱媒体Mの流れる経路(流路)を形成するとともに、上層空間Au内における熱媒体Mの流れる経路(流路)を形成するために設けられる。このため、各リブ部材12fは、下層空間Ad内において、その中での流路を所望のものとすべく、取入口143および接続貫通孔12eの位置関係、下層空間Adの大きさ寸法および形状、用いる熱媒体Mの材質等を勘案して、数および位置が適宜設定されて設けられる。また、各リブ部材12fは、上層空間Au内において、その中での流路を所望のものとすべく、接続貫通孔12eおよび排出口153の位置関係、上層空間Auの大きさ寸法および形状、用いる熱媒体Mの材質等を勘案して、数および位置が適宜設定されて設けられる。
そして、太陽光集熱装置123では、熱媒体Mとして、水、シリコーンオイル、ダウサムA(ビフェニルとジフェニルエーテルとの3:7混合物)、綜研テクニックス社製のSK−OIL(商品名)など、公知の熱交換媒体が適用可能である。そして、熱媒体Mとしては、引火点が高く外気温の範囲で流動性を維持し、かつ腐食性および/または毒性のない熱交換媒体が好適である。このようなものとしては、例えば、信越シリコーン社製のKF−96(商品名)や、綜研テクニックス社製のNeoSK−OIL F−05(商品名)があげられる。
ついで、太陽光集熱装置123では、光吸収部を、筐体部123aの貯留空間A3の上層空間Auにおいて熱媒体Mに熱を伝達するように設ける。なお、太陽光集熱装置123では、実施例1と同様の近赤外吸収板13を用いており、光吸収部と波長分離部との双方の機能を有するものとしている。そして、太陽光集熱装置123では、近赤外吸収板13を、筐体部123aの貯留空間A3の上層空間Auにおいて、仕切壁12d上に配置している。なお、太陽光集熱装置123では、近赤外吸収板13を区画部としての機能を有するもの、すなわち仕切壁12dに替えて近赤外吸収板13により貯留空間A3を下層空間Adと上層空間Auとに区画するものとしてもよい。
この太陽光コジェネ装置103では、太陽光Bが照射されると、太陽光集熱装置123における筐体部123aの受光面12bで太陽光Bを受光し、当該太陽光Bを受光面12bから貯留空間A3の上層空間Auの熱媒体Mへと進行させて近赤外吸収板13に至らせる。そして、太陽光コジェネ装置103では、近赤外吸収板13が太陽光Bの一部を透過させるとともに、太陽光Bのそれ以外の光を吸収して、当該太陽光Bを分離する。その近赤外吸収板13を透過した光は、仕切壁12dおよび貯留空間A3の下層空間Adを経て光電変換装置11の受光面11aへと向かう。すると、光電変換装置11では、受光面11aに到達した光(太陽光B)から電力を生成し、その生成した電力を電力線により外部機器へと出力する。また、太陽光集熱装置123では、近赤外吸収板13が近赤外光を吸収することにより熱に変換し、その熱を貯留空間A3の上層空間Auを満たして当該近赤外吸収板13の周囲に存在する熱媒体Mに伝達する。これにより、太陽光集熱装置123では、取入口143から下層空間Adに取り入れた熱媒体Mを上層空間Auで温め、その温めた熱媒体M(水である場合は温水)を排出口153から排出する。よって、太陽光コジェネ装置103では、太陽光Bが照射されると、その太陽光Bを電気エネルギーと熱エネルギーとに変換して、電力と温めた熱媒体M(温水)とを得ることができる。
図8に示すように、この太陽光コジェネ装置103´を作成して下記のような測定を行った。太陽光コジェネ装置103´では、光電変換装置11に出力線11bを設けるとともに、その出力線11bに負荷抵抗Rと電圧計Vとを並列に接続している。これにより、太陽光コジェネ装置103´では、光電変換装置11から出力される出力電圧を電圧計Vで測定することができる。この光電変換装置11は、パワーフィルム社の太陽電池MPT3.6−75(商品名)を用いて構成している。なお、当該太陽電池は、75(mm)角の正方形状とされているので、太陽光コジェネ装置103´では外周部分をマスクして50(mm)の正方形状として用いている。これは、後述するように、太陽光コジェネ装置103´の太陽光集熱装置123の筐体部123aを、上下方向で見て50(mm)の正方形状としていることによる。
また、太陽光コジェネ装置103´では、太陽光集熱装置123の筐体部123aにおける上壁部(受光面12b)と、筐体部123aにおける下壁部と、仕切壁12dと、に厚さ100(μm)のPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム31を用いている。そして、3つのPETフィルム31の間において、弾性部材32を環状に設けることで、貯留空間A3としての下層空間Adと上層空間Auとを作成する。なお、取入口143と排出口153とは、弾性部材32を貫通して設ける。そして、その下層空間Adと上層空間Auとの上下方向での大きさ寸法を共に5(mm)としている。また、筐体部123aすなわち貯留空間A3(下層空間Adおよび上層空間Au)は、明確な図示は略すが、上下方向で見て、左右方向および前後方向の大きさ寸法をともに50(mm)とする正方形状としている。なお、この太陽光コジェネ装置103´では、太陽光集熱装置123の貯留空間A3(下層空間Adおよび上層空間Au)に各リブ部材12fを設けていない。
そして、太陽光コジェネ装置103´の太陽光集熱装置123では、近赤外吸収板13として、上述したように五鈴精工硝子社製のISK370(商品名)を用いている。すなわち、太陽光集熱装置123では、近赤外吸収板13が光吸収部と波長分離部との双方の役割を担っている。その近赤外吸収板13は、厚さ寸法(上下方向で見た大きさ寸法)が3(mm)とされており、仕切壁12dとしてのPETフィルム31の上に配置している。このため、上層空間Auでは、3(mm)の上方に2(mm)の隙間が設けられており、その2(mm)の隙間が熱媒体Mを通す空間となる。
さらに、太陽光コジェネ装置103´の太陽光集熱装置123では、熱媒体Mとして水を用いている。太陽光コジェネ装置103´では、その熱媒体Mとして水を取入口143から流速1.08(ml/min)で貯留空間A3(その下層空間Ad)に供給し、接続貫通孔12eを経て貯留空間A3(その上層空間Au)に至らせて、排出口153から排出する。その取入口143と排出口153とには、それぞれに温度検出器33を設けており、貯留空間A3(その下層空間Ad)に供給する水の温度と、貯留空間A3(その上層空間Au)から排出される水の温度と、を検出することが可能とされている。また、取入口143には、ポンプPが設けられており、取入口143から貯留空間A3(その下層空間Ad)への水(熱媒体M)の供給を行う。
そして、この測定では、疑似太陽光源34を用いている。この疑似太陽光源34は、出力を1.11(KW/m)とし、太陽光集熱装置123(その筐体部123aの受光面12b)に適合させた50(mm)角の照射エリアを有している。この疑似太陽光源34からの太陽光B´で太陽光コジェネ装置103´を照射することにより、測定した結果を図9および図10のグラフに示す。図9は、貯留空間A3において供給される水(熱媒体M)の温度(Ti)と排出する水の温度(To)とを示すグラフであり、縦軸を水(熱媒体M)の温度(℃)とし、横軸を経過時間(sec)としている。また、図10は、太陽光コジェネ装置103´における光電変換装置11からの出力電圧(V1)と、その光電変換装置11を単独で用いた際の当該光電変換装置11からの出力電圧(V2)と、を示すグラフであり、縦軸を出力電圧(V)とし、横軸を経過時間(sec)としている。
太陽光コジェネ装置103´(太陽光集熱装置123)では、図9に示すように、貯留空間A3(その下層空間Ad)に供給する水の温度Tiが略25度で一定であるのに対して、貯留空間A3(その上層空間Au)から排出される水の温度Toを35度付近まで上昇させている。このため、太陽光コジェネ装置103´(太陽光集熱装置123)では、7000(sec)の測定時間において、熱媒体Mとして水の温度を約10度上昇させることができた。
また、太陽光コジェネ装置103´(光電変換装置11)では、図10に示すように、光電変換装置11を単独で用いること(特性線V2参照)と比較して、出力電圧(特性線V1参照)が低下することを抑制できていることが解る。その太陽光コジェネ装置103´では、光電変換装置11(その受光面11a)の上方に太陽光集熱装置123を設けていることから、疑似太陽光源34からの太陽光B´が、先ず太陽光集熱装置123(その受光面12b)を照射している。そして、太陽光コジェネ装置103´では、光電変換装置11(その受光面11a)に太陽光集熱装置123(その筐体部123aの下層空間Ad)が接している。これに対し、単独で用いた光電変換装置11では、受光面11aが疑似太陽光源34からの太陽光B´により直接照射されている。このため、太陽光コジェネ装置103´では、単独で光電変換装置11を用いることと比較して、光電変換装置11を効率よく冷却できていることが解る。
この実施例3の太陽光コジェネ装置103は、基本的には実施例1の太陽光コジェネ装置10と等しい構成であることから、同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例3の太陽光コジェネ装置103では、太陽光集熱装置123の貯留空間A3を仕切壁12d(区画部)で下層空間Adと上層空間Auとに区画するとともに、下層空間Adを経て上層空間Auに至る熱媒体Mの流れる経路(流路)を形成している。このため、太陽光コジェネ装置103では、太陽光集熱装置123において、光電変換装置11(その受光面11a)に接触させる箇所を、熱を伝達させる前の熱媒体Mが存在する下層空間Adとすることができる。これにより、太陽光コジェネ装置103では、光電変換装置11をより効果的に冷却することができ、その光電変換装置11の変換効率の向上を図ることができる。
また、太陽光コジェネ装置103では、太陽光集熱装置123の貯留空間A3(下層空間Adおよび上層空間Au)に、複数のリブ部材12f(図6の例では2つ)を設けている。その各リブ部材12fは、下層空間Ad内における熱媒体Mの流れる経路(流路)を形成するとともに、上層空間Au内における熱媒体Mの流れる経路(流路)を形成するために設けられている。このため、太陽光コジェネ装置103では、貯留空間A3(下層空間Adおよび上層空間Au)における熱媒体Mの流路を適宜設定することで、太陽光集熱装置123での変換効率を向上させることができる。
さらに、太陽光コジェネ装置103では、太陽光集熱装置123の貯留空間A3(下層空間Adおよび上層空間Au)に複数のリブ部材12fを設けることにより、太陽光集熱装置123での変換効率を向上させるものであることから、簡易な構成とすることができる。
太陽光コジェネ装置103では、太陽光集熱装置123の貯留空間A3(下層空間Adおよび上層空間Au)に設けた各リブ部材12fを、下層空間Adもしくは上層空間Auを上下方向に架け渡して形成している。このため、太陽光コジェネ装置103では、太陽光集熱装置123(その筐体部123a)における剛性を容易に確保することができる。
したがって、本発明に係る実施例3の太陽光コジェネ装置103では、太陽光Bから太陽エネルギーと熱エネルギーとを得ることができ、簡易な構成としつつ光電変換装置11における変換効率の低下を抑制することができる。
なお、上記した実施例3では、接続貫通孔12e、取入口143および排出口153の位置が設定された上で、各リブ部材12fの数および位置を適宜設定するものとしていたが、下層空間Adおよび上層空間Auの中での流路を所望のものとすべく、当該各リブ部材12fとともに接続貫通孔12e、取入口143および排出口153の位置を適宜設定するものであってもよく、上記した実施例3の構成に限定されるものではない。
次に、本発明の実施例4に係る太陽光コジェネ装置104について、図11から図15を用いて説明する。この実施例4は、実施例1の太陽光コジェネ装置10および実施例3の太陽光コジェネ装置103とは太陽光集熱装置124の構成が異なる例である。この実施例4の太陽光コジェネ装置104は、基本的な構成は上記した実施例3の太陽光コジェネ装置103(すなわち実施例1の太陽光コジェネ装置10)と同様であることから、等しい構成の個所には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図11は、太陽光コジェネ装置104の構成を説明するための図1および図6と同様の説明図である。図12は、太陽光コジェネ装置104の太陽光集熱装置124(その筐体部124a)の構成を説明するための説明図である。図13は、太陽光集熱装置124の筐体部124aの貯留空間A4(その下層空間Ad4および上層空間Au4)において熱媒体Mが流れる様子を説明するための説明図である。図14は、傾斜仕切壁12gとして用いられる波長分離部としての長波長カットフィルタの光学特性を示すグラフであり、縦軸は透過率(%)を示し、横軸は波長(波長帯域)(nm)を示す。図15は、貯留空間A4(その下層空間Ad4および上層空間Au4)において太陽光Bが進行する様子を説明するための説明図である。図16は、貯留空間A4(下層空間Ad4および上層空間Au4)における傾斜仕切壁12gの角度設定を説明するための説明図である。なお、図11では、理解容易のために、プリズムシート42を一点鎖線で示している。また、図12では、理解容易のために、上基板12jを一点鎖線で示すとともに、プリズムシート42を省略して示している。さらに、図13では、理解容易のために、前後方向で見た両端位置に交互に設けられる下側接続穴12kおよび上側接続穴12mを、左右方向で並んで設けられているように記載している。
実施例4に係る太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124の筐体部124aの貯留空間A4において、傾斜仕切壁12gと鉛直仕切壁12hとが設けられている。ここで、筐体部124aにおいて、貯留空間A4の下端を規定する壁部を下基板12iとし、貯留空間A4の上端を規定する壁部を上基板12jとする。このため、下基板12iと上基板12jとは、太陽光Bのうちの少なくとも可視光および近赤外光を透過する材料から形成されている。この下基板12iは、光電変換装置11の受光面11aと接する箇所となり、上基板12jは、上面が筐体部124aにおける受光面12bとなる。この下基板12iと上基板12jとは、互いに平行とされている。
傾斜仕切壁12gと鉛直仕切壁12hとは、貯留空間A4を前後方向に架け渡しつつ左右方向に並列して設けられている。その各傾斜仕切壁12gは、下基板12iと上基板12jと架け渡す平坦な板状を呈し、下基板12iおよび上基板12jに対して所定の傾斜角度θで傾斜を為して設けられている(図15および図16参照)。この各傾斜仕切壁12gは、基本的に、太陽光Bのうちの少なくとも可視光および近赤外光を透過する材料から形成する。この傾斜仕切壁12gでは、左右方向で隣接する2つにおいて、一方における下基板12iに接続する下端部と、他方における上基板12jに接続する上端部と、が上下方向で見て互いに重なる位置関係とされている。各傾斜仕切壁12gには、図12、図13および図15に示すように、下基板12i側の下端部に下側接続穴12kが設けられ、上基板12j側の上端部に上側接続穴12mが設けられている。この各下側接続穴12kと各上側接続穴12mとは、対応する傾斜仕切壁12gにおける上下方向で見て互いに重なる位置関係とされた箇所を貫通して設けられている。実施例4では、ある傾斜仕切壁12gでは、前側端部に下側接続穴12kが設けられかつ後側端部に上側接続穴12mが設けられ、並列する左右方向で当該傾斜仕切壁12gの隣に設けられた傾斜仕切壁12gでは、後側端部に下側接続穴12kが設けられかつ前側端部に上側接続穴12mが設けられている。すなわち、下側接続穴12kは、隣接する一方の傾斜仕切壁12gでは一端部に設けられるとともに隣接する他方の傾斜仕切壁12gでは他端部に設けられている。また、上側接続穴12mは、隣接する一方の傾斜仕切壁12gでは一端部に設けられるとともに隣接する他方の傾斜仕切壁12gでは他端部に設けられている。このため、各上側接続穴12mと各下側接続穴12kとは、左右方向で隣接する2つの傾斜仕切壁12gにおいて、前後方向で見た前側の端部と後側の端部とで交互に存在する位置関係とされている。
各鉛直仕切壁12hは、左右方向で隣接する2つの傾斜仕切壁12gにおいて、上下方向で見て互いに重なる位置関係とされた箇所を上下方向に架け渡して設けられている。この各鉛直仕切壁12hは、下端が下側接続穴12kよりも左右方向左側で傾斜仕切壁12gに接続しているとともに、上端が上側接続穴12mよりも左右方向右側で傾斜仕切壁12gに接続している。このため、各鉛直仕切壁12hは、各傾斜仕切壁12gと協働して、貯留空間A4を、各傾斜仕切壁12gの下側(下基板12i側)で左右方向に並列する複数の下層室部rd4と、各傾斜仕切壁12gの上側(上基板12j側)で左右方向に並列する複数の上層室部ru4と、に区画する。そして、各傾斜仕切壁12gには、上述した位置関係とされて下側接続穴12kを設けていることから、左右方向に隣接する複数の下層室部rd4を下側接続穴12kを介して互いに接続させている(図13等参照)。また、各傾斜仕切壁12gには、上述した位置関係とされて上側接続穴12mを設けていることから、左右方向に隣接する複数の上層室部ru4を上側接続穴12mを介して互いに接続させている(図13等参照)。そして、上述した位置関係とされていることから、互いに通じる複数の下層室部rd4と、互いに通じる複数の上層室部ru4と、は、基本的に通じることのないものとされている。加えて、上述した位置関係により、各傾斜仕切壁12gのうち最も左側の傾斜仕切壁12gに設けられた上側接続穴12mは、最も左側の下層室部rd4と最も左側の上層室部ru4とを通じさせることとなる(図13参照)。
このことから、太陽光集熱装置124の筐体部124aでは、各傾斜仕切壁12gと各鉛直仕切壁12hとにより、貯留空間A4が、下側で互いに通じる複数の下層室部rd4と、上側で互いに通じる複数の上層室部ru4と、に区画されている。このため、太陽光集熱装置124の筐体部124aでは、各下層室部rd4が貯留空間A4の下層空間Ad4となり、各上層室部ru4が貯留空間A4の上層空間Au4となる。そして、最も左側の傾斜仕切壁12gに設けられた上側接続穴12mは、貯留空間A4における下層空間Ad4と上層空間Au4とを接続する接続貫通孔12eとして機能する。なお、最も右側の傾斜仕切壁12gには、下側接続穴12kが設けられておらず、最も右側の下層室部rd4と最も右側の上層室部ru4とは通じていない。このことから、各傾斜仕切壁12gと各鉛直仕切壁12hとは、貯留空間A4内において上下方向で見た高さ位置を変位させるべく屈曲された鋸歯状を呈し、貯留空間A4を下側の下層空間Ad4と上側の上層空間Au4とに区画する区画部として機能する。すなわち、筐体部124aでは、区画部(各傾斜仕切壁12gおよび各鉛直仕切壁12h)が、前後方向で見てZ字形状に複数回折り曲げられて、ジグザグ形状とされている。
この筐体部124aでは、図11に示すように、取入口144が、最も右側の傾斜仕切壁12gの下方に設けられた下層室部rd4に通じるものとされており、実施例4では、前後方向で見た前側の端面における右側の下部に設けられている。また、筐体部124aでは、排出口154が、最も右側の傾斜仕切壁12gの上方に設けられた上層室部ru4に通じるものとされており、実施例4では、前後方向で見た後側の端面における右側の上部に設けられている。
このため、太陽光集熱装置124では、取入口144から熱媒体Mが供給されると、その熱媒体Mが最も右側の傾斜仕切壁12gの下方に設けられた下層室部rd4を満たしていく。そして、当該下層室部rd4が熱媒体Mで満たされる過程において、当該熱媒体Mが下側接続穴12kから隣設する下層室部rd4へと流入し、その下層室部rd4を満たしていく(図13の矢印a1参照)。これを繰り返すことにより、各下層室部rd4すなわち貯留空間A4における下層空間Ad4が熱媒体Mで満たされる。すると、最も左側の下層室部rd4の上方に存在する傾斜仕切壁12gの接続貫通孔12e(上側接続穴12m)から、熱媒体Mが最も左側の上層室部ru4へと流入し、その上層室部ru4を満たしていく(図13の矢印a2参照)。そして、当該上層室部ru4が熱媒体Mで満たされると、当該熱媒体Mが上側接続穴12mから隣設する上層室部ru4へと流入し、その上層室部ru4を満たしていく(図13の矢印a3参照)。これを繰り返すことにより、各上層室部ru4すなわち貯留空間A4における上層空間Au4が熱媒体Mで満たされる。そして、上層空間Au4が熱媒体Mで満たされると、当該熱媒体Mが排出口154から排出される。
このように、太陽光集熱装置124では、筐体部124aに各傾斜仕切壁12gおよび各鉛直仕切壁12hを設け、その各傾斜仕切壁12gに下側接続穴12kと上側接続穴12mとを設けることにより、貯留空間A4において下層空間Ad4の各下層室部rd4を経てから上層空間Au4の各上層室部ru4に至る熱媒体Mの流れる経路(流路)を形成している。ここで、隣接する2つの下層室部rd4では、それぞれの下部に存在する下側接続穴12kが、前後方向で見て前側の端部と後側の端部とに位置されている、すなわち下層室部rd4の長さ方向で見た両端位置で交互に位置して下側接続穴12kが設けられている(図12参照)。このことから、下層空間Ad4では、各下層室部rd4を経る熱媒体Mの流路を、前後方向の前側へと向かう流れと前後方向の後側へと向かう流れとを交互に存在させることができる。このため、貯留空間A4の下層空間Ad4において、熱媒体Mを均一に流すことができる。同様に、隣接する2つの上層室部ru4では、その長さ方向で見た両端位置で交互に位置して上側接続穴12mが設けられている。このことから、上層空間Au4では、各上層室部ru4を経る熱媒体Mの流路を、前後方向の前側へと向かう流れと前後方向の後側へと向かう流れとを交互に存在させることができ、熱媒体Mを均一に流すことができる。
太陽光集熱装置124の筐体部124aでは、貯留空間A4に波長分離部が設けられるとともに、貯留空間A4の上層空間Au4となる各上層室部ru4に光吸収部が設けられる。実施例4の筐体部124aでは、各傾斜仕切壁12gを、上記した各下層室部rd4および各上層室部ru4を形成するとともに波長分離部としての機能を有する材料で形成する。加えて、実施例4の筐体部124aでは、各傾斜仕切壁12gを、透過を阻んだ光を、自らの上方に設けられた鉛直仕切壁12h(後述する光吸収部材41)へ向けて反射する機能(図15参照)を有する材料で形成する。このような材料としては、誘電体多層膜のように、特定の波長帯域の光を反射し、かつ光電変換装置11が発電に利用する波長帯域の光を透過するものであれば適用可能である。実施例4では、一例として、図14に示す光学特性を有する、朝日分光社製の長波長カットフィルタ(SIO990(商品名))を用いて、各傾斜仕切壁12gを形成する。このため、各傾斜仕切壁12gは、区画部の一部としての機能と、波長分離部としての機能と、を併せ持つこととなる。
また、実施例4の筐体部124aでは、光吸収部として光吸収部材41(図12、図13および図15参照)を用いる。その光吸収部材41は、波長分離部としての各傾斜仕切壁12gにより反射された波長帯域の光を吸収することにより熱に変換する機能を有する材料で形成する。このような材料としては、CAS登録番号(1333−86−4)のカーボンブラックを含有する薄膜や、アルマイトブラック等の赤外線を吸収し易い材料が好適である。実施例4では、光吸収部材41は、カーボンブラックを含有する薄膜で形成している。この光吸収部材41は、各傾斜仕切壁12gにおける上層室部ru4に臨む面、すなわち左右方向左側の面を覆うように設けられている。このため、光吸収部材41は、傾斜仕切壁12gにより反射された波長帯域の光を吸収して熱に変換し、その熱を対応する上層室部ru4に貯められた熱媒体Mへと伝達する。
太陽光集熱装置124の筐体部124aでは、図11、図13および図15に示すように、受光面12bすなわち上基板12jの上に、プリズムシート42を設けている。このプリズムシート42は、日周運動や季節の変化や設置緯度の変化等に起因する太陽の高度の変化、すなわち当該プリズムシート42への入射角度の変化に関わらず、太陽光Bの受光面12bへの入射角度を当該受光面12bに略直交させる機能を有する。このようなプリズムシート42は、公知の構成とされたものを用いることができるので(例えば、特開2009‐229581の図39に記載された太陽光集光シート等)、詳細な説明は省略する。このため、太陽光集熱装置124の筐体部124aでは、太陽光Bが受光面12bに略直交する方向で受光面12b(上基板12j)から貯留空間A4の上層空間Au4(その各上層室部ru4)へと入射する(図15等参照)。
これに伴って、太陽光集熱装置124の筐体部124aでは、波長分離部としての傾斜仕切壁12gの下基板12iおよび上基板12jに対する傾斜角度θが設定されている。各上層室部ru4では、図15に示すように、上述した構成により、大略太陽光Bが受光面12bすなわち上基板12jに直交する方向で、内方に貯められた熱媒体Mへと進行する。そして、太陽光Bのうちの傾斜仕切壁12g(波長分離部)により反射された光は、一部が上基板12jへと向かい(矢印a4参照)、他部が鉛直仕切壁12hの光吸収部材41へと向かう(矢印a5参照)。その一部の光は、熱媒体Mと上基板12jとの境界面、上基板12jとプリズムシート42との境界面、およびプリズムシート42とその外方(すなわち空気)との境界面を経ることで、太陽光集熱装置124の外方へと到達する。このため、熱媒体Mと空気とにおいてスネルの公式を用いることで、当該光を太陽光集熱装置124の外方へと到達させないための当該一部の光の上基板12jへの入射角度を求めることができる。その一部の光の上基板12jへの入射角度は、図16に示すように、傾斜仕切壁12g(波長分離部)の下基板12iおよび上基板12jに対する傾斜角度θを2倍したもの(2θ)となる。このことから、波長分離部としての傾斜仕切壁12gの傾斜角度θが、下記の式(1)の条件を満たすものとすることで、当該光を太陽光集熱装置124の外方へと逃がすことを防止することができる。
th×sin(2θ)>nair (0°<θ<90°) ・・・(1)
なお、式(1)では、nairを空気の屈折率とし、nthを熱媒体Mの屈折率としている。
実施例4では、波長分離部としての各傾斜仕切壁12gの傾斜角度θを、式(1)(条件式)を満たすように設定している。このため、太陽光集熱装置124の筐体部124aでは、太陽光Bがプリズムシート42を経て受光面12b(上基板12j)から入射して、太陽光Bのうちの傾斜仕切壁12g(波長分離部)により反射された光(上記した一部の光)が上基板12jを経て太陽光集熱装置124の外方へと逃げることを防止することができる。その光は、図15に示すように、上層室部ru4において、主に熱媒体Mと上基板12jとの境界面で反射されて、鉛直仕切壁12hの光吸収部材41へと向かう(矢印a6参照)。また、図示は略すが、上基板12jとプリズムシート42との境界面、およびプリズムシート42とその外方(すなわち空気)との境界面を経て、鉛直仕切壁12hの光吸収部材41へと向かうものもある。このため、太陽光集熱装置124の筐体部124aでは、プリズムシート42を設けるとともに、傾斜仕切壁12g(波長分離部)の傾斜角度θを上記した設定とすることで、太陽光Bのうちの各傾斜仕切壁12g(波長分離部)で反射した光を効率よく利用して熱に変換することができる。なお、太陽光集熱装置124では、熱媒体Mとして、実施例3と同様のものを用いることができ、実施例3と同様のものとしている。
この太陽光コジェネ装置104では、太陽光Bが照射されると、太陽光集熱装置124における筐体部124aの受光面12b(上基板12j)上に設けられたプリズムシート42を経てその受光面12bで太陽光Bを受光する。太陽光コジェネ装置104では、その太陽光Bを受光面12b(上基板12j)から貯留空間A4の上層空間Au4の各上層室部ru4の熱媒体Mへと進行させて、波長分離部としての各傾斜仕切壁12gに至らせる。その太陽光コジェネ装置104では、各傾斜仕切壁12g(波長分離部)が太陽光Bの一部を透過させるとともに、太陽光Bのそれ以外の光を反射して、当該太陽光Bを分離する。その各傾斜仕切壁12g(波長分離部)を透過した光は、貯留空間A4の下層空間Ad4の各下層室部rd4および下基板12iを経て光電変換装置11の受光面11aへと向かう。すると、光電変換装置11では、受光面11aに到達した光(太陽光B)から電力を生成し、その生成した電力を電力線により外部機器へと出力する。また、太陽光集熱装置124では、各傾斜仕切壁12g(波長分離部)により反射された光が、上述したように各鉛直仕切壁12hの光吸収部材41へと向かい、その光吸収部材41が近赤外光を吸収することにより熱に変換する。そして、太陽光集熱装置124では、光吸収部材41の熱を貯留空間A4の上層空間Au4の対応する上層室部ru4を満たして当該光吸収部材41の周囲に存在する熱媒体Mに伝達する。これにより、太陽光集熱装置124では、取入口144から貯留空間A4の下層空間Ad4の各下層室部rd4に取り入れた熱媒体Mを、筐体部124aの貯留空間A4の上層空間Au4の各上層室部ru4で温め、その温めた熱媒体M(水である場合は温水)を排出口154から排出する。よって、太陽光コジェネ装置104では、太陽光Bが照射されると、その太陽光Bを電気エネルギーと熱エネルギーとに変換して、電力と温めた熱媒体M(温水)とを得ることができる。
この実施例4の太陽光コジェネ装置104は、基本的には実施例3の太陽光コジェネ装置103と等しい構成であることから、同様の効果を得ることができる。
それに加えて、実施例4の太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124の筐体部124aの貯留空間A4内において上下方向で見た高さ位置を変位させるべく屈曲された鋸歯状を呈する区画部(上記した実施例4では各傾斜仕切壁12gおよび各鉛直仕切壁12h)が設けられている。その区画部は、貯留空間A4を下側の下層空間Ad4と上側の上層空間Au4とに区画する機能を有する。このため、太陽光コジェネ装置104では、貯留空間A4を下層空間Ad4と上層空間Au4とに区画する区画部を平坦な面とした場合と比較して、太陽光集熱装置124の筐体部124aにおける剛性を当該区画部で向上させることができる。
また、太陽光コジェネ装置104では、区画部(各傾斜仕切壁12gおよび各鉛直仕切壁12h)により、太陽光集熱装置124の筐体部124aにおける剛性を向上させることができる。このため、太陽光コジェネ装置104では、例えば、屋根等の傾斜された面に沿って設置する場合であっても、太陽光集熱装置124の筐体部124aの厚さ寸法(上下方向で見た大きさ寸法)を均一なものとすることができる。これは、太陽光集熱装置(その筐体部)における剛性が不足している場合、傾斜された面に沿って設置するために、当該筐体部の厚さ寸法を不均一にすることが考えられることによる。これにより、太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124による光電変換装置11(その受光面11a)を均一に冷却することができ、光電変換装置11の変換効率の向上をより効果的なものとすることができる。
さらに、太陽光コジェネ装置104では、区画部(各傾斜仕切壁12gおよび各鉛直仕切壁12h)により、太陽光集熱装置124の筐体部124aにおける剛性を向上させることができる。このため、太陽光コジェネ装置104では、貯留空間A4を下側の下層空間Ad4と上側の上層空間Au4とに区画する区画部を設けるだけでよいので、簡易な構成とすることができる。これは、貯留空間A4を下層空間Ad4と上層空間Au4とに区画する区画部を平坦な面としている場合には、下層空間Ad4および上層空間Au4に適宜リブ部材を設ける必要があることによる。
太陽光コジェネ装置104では、区画部(各傾斜仕切壁12gおよび各鉛直仕切壁12h)を、貯留空間A4内において上下方向で見た高さ位置を変位させるべく屈曲させた鋸歯状を呈するものとしている。このため、太陽光コジェネ装置104では、当該区画部により貯留空間A4(下層空間Ad4および上層空間Au4)における熱媒体Mの流路を適宜設定することができ、太陽光集熱装置124での変換効率を向上させることができる。
太陽光コジェネ装置104では、区画部を、貯留空間A4を前後方向に架け渡しつつ左右方向に並列して設けた各傾斜仕切壁12gおよび各鉛直仕切壁12hにより形成している。その各傾斜仕切壁12gは、平坦な板状を呈し下基板12iと上基板12jと架け渡している。また、各鉛直仕切壁12hは、左右方向で隣接する2つの傾斜仕切壁12gにおいて、上下方向で見て互いに重なる位置関係とされた箇所を上下方向に架け渡している。このため、太陽光コジェネ装置104では、互いに入り組んで組み合わせて各傾斜仕切壁12gと各鉛直仕切壁12hとを設けているので、筐体部124aにおける剛性をより効果的に向上させることができる。
太陽光コジェネ装置104では、各傾斜仕切壁12gに下側接続穴12kと上側接続穴12mとを設けることにより、貯留空間A4において下層空間Ad4の各下層室部rd4を経てから上層空間Au4の各上層室部ru4を経る熱媒体Mの流路を形成している。このため、太陽光コジェネ装置104では、貯留空間A4の下層空間Ad4を全体に渡って熱媒体Mを流すことができるとともに、貯留空間A4の上層空間Au4を全体に渡って熱媒体Mを流すことができる。これにより、太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124での変換効率をより向上させることができる。
太陽光コジェネ装置104では、各傾斜仕切壁12gにおいて、下側接続穴12kを各下層室部rd4の長さ方向で見た両端位置で交互に位置して設けるとともに、上側接続穴12mを各上層室部ru4の長さ方向で見た両端位置で交互に位置して設けている。このため、太陽光コジェネ装置104では、下層空間Ad4の各下層室部rd4を経る熱媒体Mの流路において、前後方向の前側へと向かう流れと前後方向の後側へと向かう流れとを交互に存在させることができる。また、太陽光コジェネ装置104では、上層空間Au4の各上層室部ru4を経る熱媒体Mの流路において、前後方向の前側へと向かう流れと前後方向の後側へと向かう流れとを交互に存在させることができる。これにより、太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124の貯留空間A4において熱媒体Mを均一に流すことができ、変換効率をより向上させることができる。
太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124の筐体部124aの貯留空間A4内において上下方向で見た高さ位置を変位させるべく屈曲された鋸歯状を呈する区画部(各傾斜仕切壁12gおよび各鉛直仕切壁12h)により、各上層室部ru4を形成している。そして、太陽光コジェネ装置104では、その区画部の一部の面に波長分離部(実施例4では各傾斜仕切壁12g)を設けるとともに、他の一部の面に光吸収部(実施例4では光吸収部材41)を設けている。このため、太陽光コジェネ装置104では、光吸収部(光吸収部材41)が熱媒体Mに接触する面積を増大させることが容易となり、熱媒体Mをより効率よく加熱する(熱を伝達する)ことができる。
太陽光コジェネ装置104では、区画部の一部を構成する各傾斜仕切壁12gを波長分離部の機能も併せ持つものとしているので、簡易な構成とすることができる。
太陽光コジェネ装置104では、上下方向に伸びる各鉛直仕切壁12hに光吸収部(光吸収部材41)を設けているので、太陽光集熱装置124(その筐体部124a)に入射した太陽光Bを、先ず波長分離部(各傾斜仕切壁12g)へと進行させることができる。そして、太陽光コジェネ装置104では、波長分離部(各傾斜仕切壁12g)の下方に、貯留空間A4の下層空間Ad4(各上層室部ru4(下基板12i))と、その下の光電変換装置11とを位置させている。このため、太陽光コジェネ装置104では、波長分離部(各傾斜仕切壁12g)を透過した光を、光電変換装置11(その受光面11a)へと進行させることができる。これにより、太陽光コジェネ装置104では、光吸収部(光吸収部材41)が吸収してしまう波長帯域の光であっても、光電変換装置11(その受光面11a)へと進行させることができる。よって、太陽光コジェネ装置104では、光電変換装置11に近赤外光からも電力を生成することのできる太陽電池を用いることができ、光電変換装置11での変換効率をより向上させることができる。
太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124における筐体部124aの受光面12b(上基板12j)上にプリズムシート42を設けている。このため、太陽光コジェネ装置104では、日周運動や季節の変化や設置緯度の変化等に起因する太陽の高度の変化、すなわち当該プリズムシート42への入射角度の変化に関わらず、太陽光Bの受光面12bへの入射角度を当該受光面12bに略直交させることができる。これにより、太陽光コジェネ装置104では、光電変換装置11および太陽光集熱装置124における太陽光Bの進行方向を設計した状態とすることができ、それぞれの変換効率をより向上させることができる。
太陽光コジェネ装置104では、プリズムシート42を設けるとともに、各傾斜仕切壁12gの傾斜角度θを、上述した式(1)を満たすように設定している。このため、太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124の筐体部124aの各上層室部ru4へと入射して、傾斜仕切壁12g(波長分離部)により反射した光の殆どを鉛直仕切壁12hの光吸収部材41へと向かわせることができる。これにより、太陽光コジェネ装置104では、太陽光集熱装置124において、太陽光Bのうちの各傾斜仕切壁12gで反射した光を効率よく利用して熱に変換することができ、変換効率をより向上させることができる。
したがって、本発明に係る実施例4の太陽光コジェネ装置104では、太陽光Bから太陽エネルギーと熱エネルギーとを得ることができ、簡易な構成としつつ光電変換装置11における変換効率の低下を抑制することができる。
なお、上記した実施例4では、傾斜仕切壁12gを長波長カットフィルタで構成して波長分離部としての機能を併せ持つものとしていたが、透過を阻む光を光吸収部(光吸収部材41)へと反射するものであればよく、上記した実施例4の構成に限定されるものではない。
また、実施例4では、光吸収部としての光吸収部材41)を鉛直仕切壁12hに沿わせて設けていたが、波長分離部(傾斜仕切壁12g)で反射された光を吸収して生成した熱を筐体部124aの各上層室部ru4の熱媒体Mに伝達するものであればよく、上記した実施例4の構成に限定されるものではない。
さらに、実施例4では、各傾斜仕切壁12gにおいて、下側接続穴12kを各下層室部rd4の長さ方向で見た両端位置で交互に位置して設けるとともに、上側接続穴12mを各上層室部ru4の長さ方向で見た両端位置で交互に位置して設けている。しかしながら、その各下側接続穴12kは、各下層室部rd4を接続するものであればよく、上記した実施例4の構成に限定されるものではない。また、各上側接続穴12mは、各上層室部ru4を接続するものであればよく、上記した実施例4の構成に限定されるものではない。
実施例4では、波長分離部(各傾斜仕切壁12g)の下基板12iおよび上基板12jに対する傾斜角度θを式(1)を満たすものとしていたが、式(1)を満たさないものとしてもよく、上記した実施例4の構成に限定されるものではない。
実施例4では、太陽光集熱装置124の筐体部124aの受光面12b(上基板12j)の上にプリズムシート42を設けていたが、当該プリズムシート42を設けないものとしてもよく、上記した実施例4の構成に限定されるものではない。
次に、本発明の太陽光コジェネ装置を用いて構成する太陽光コジェネシステムの一例としての実施例5の太陽光コジェネシステム50について説明する。本発明の太陽光コジェネシステムでは、本発明に係る太陽光コジェネ装置を用いるものであれば良いことから、熱媒体Mとして水を用いることで、実施例1から実施例4の各太陽光コジェネ装置(10、102、103、104)を用いることができる。この実施例5に係る太陽光コジェネシステム50では、熱媒体Mとして水を用いた実施例1の太陽光コジェネ装置10を用いているものとする。この太陽光コジェネシステム50について、図17を用いて説明する。その図17は、太陽光コジェネシステム50の構成を説明するための説明図である。
実施例5に係る太陽光コジェネシステム50は、図17に示すように、太陽光コジェネ装置10と第1切替弁51と貯水槽52とポンプ53とサーモスタット栓54と第2切替弁55と給湯器56と給水部57と第3切替弁58とエア抜弁59と逆止弁61とが、循環パイプ62により接続されて構成されている。
その太陽光コジェネ装置10は、実施例1で説明した通りであることから、その詳細な説明は省略する。太陽光コジェネ装置10では、光電変換装置11の出力線11bが制御部63に接続されている。その制御部63は、太陽光コジェネシステム50の各部(51、53、54、55、56、57、58、59)の動作を統括的に制御するものであり、光電変換装置11で生成(発電)した電力、あるいは外部電源からの電力で動作する。その制御部63は、外部機器および/または配電路に接続されており、光電変換装置11で生成(発電)した電力を外部機器および/または配電路へと出力する。
また、太陽光コジェネ装置10では、太陽光集熱装置12の排出口15(outlet)が循環パイプ62を介して第1切替弁51に接続されている。この第1切替弁51は、循環パイプ62を介して、貯水槽52とサーモスタット栓54とに接続されており、サーモスタット栓54へ至る第1流路51aと、貯水槽52へ至る第2流路51bと、に切り替えることができる。その貯水槽52は、太陽光コジェネ装置10の太陽光集熱装置12で温められた熱媒体Mとしての水を適宜貯める箇所である。このため、貯水槽52は、実施例5では、貯めた温水の温度を保つことを可能とする保温構造とされている。貯水槽52は、実施例5では、鉛直方向(重力方向)で見て、太陽光コジェネ装置10よりも低い位置に設けられている。ポンプ53は、循環パイプ62を介して、貯水槽52とサーモスタット栓54とに接続されている。このポンプ53は、貯水槽52に貯められた温水を、サーモスタット栓54および第2切替弁55を経て、給湯器56へと送る。このポンプ53には、逆止弁が設けられており、サーモスタット栓54側から貯水槽52へと温水もしくは水を流すことを防止している。
サーモスタット栓54は、循環パイプ62を介して、第2切替弁55(その後述する第1流路55a)と給水部57とに接続されている。このサーモスタット栓54は、基本的にはポンプ53側と第2切替弁55とを接続させるものであり、自らの内方を流れる温水の温度が設定温度を超えた場合に当該温水に給水部57からの水を混合させるべく双方の流路を開放する。その設定温度は、給湯器56から得る温水の温度として利用者により設定されるものである。第2切替弁55は、循環パイプ62を介して、給湯器56と第3切替弁58(その後述する第2流路58b)とに接続されている。この第2切替弁55は、サーモスタット栓54からの第1流路55aと、第3切替弁58からの第2流路55bと、に切り替えることができる。給湯器56は、第2切替弁55から供給された温水または水を、設定温度として利用者に供給する。すなわち、給湯器56は、第2切替弁55から供給された温水が設定温度である場合にはそのまま供給し、第2切替弁55から供給された温水(水)が設定温度未満である場合には適宜温めてから供給する。
給水部57は、循環パイプ62を介して、サーモスタット栓54と第3切替弁58とに接続されている。この給水部57は、熱媒体Mとしての水を、太陽光コジェネ装置10の太陽光集熱装置12や給湯器56に適宜供給する供給源であり、実施例5では水道水の供給を可能としている。第3切替弁58は、循環パイプ62を介して、第2切替弁55(第2流路55b)と逆止弁61とに接続されている。この第3切替弁58は、逆止弁61への第1流路58aと、第2切替弁55への第2流路58bと、に切り替えることができる。エア抜弁59は、第3切替弁58(その第1流路58a)と逆止弁61とを接続する循環パイプ62上に設けられており、外部からの空気(大気圧)を導入することが可能とされている。逆止弁61は、循環パイプ62を介して、太陽光コジェネ装置10の太陽光集熱装置12の取入口14(inlet)に接続されている。この逆止弁61は、第3切替弁58(その第1流路58a)またはエア抜弁59から取入口14へと流体が流れることを許容するとともに、その逆方向へと流体が流れることを防止する。逆止弁61は、実施例5では、鉛直方向(重力方向)で見て、太陽光コジェネ装置10と等しい高さ位置に設けられている。
次に、太陽光コジェネシステム50のいくつかの特徴的な各場面における動作について説明する。なお、太陽光コジェネシステム50の各部(51、53、54、55、56、57、58、59)は、制御部63の制御下で適宜動作する。
[日中で、太陽エネルギーが温水を得るのに十分であり、かつ温水を使用中の場合]
先ず、太陽光コジェネシステム50では、第2切替弁55において、第1流路55a(サーモスタット栓54からの流路)を開放し、第2流路55b(第3切替弁58からの流路)を閉じる。また、太陽光コジェネシステム50では、第3切替弁58において、第1流路58a(逆止弁61に至る流路)を開放し、第2流路58b(第2切替弁55に至る流路)を閉じる。そして、太陽光コジェネシステム50では、エア抜弁59を閉じるとともに、第1切替弁51において、第1流路51a(サーモスタット栓54に至る流路)を開放し、第2流路51b(貯水槽52に至る流路)を閉じる。
この太陽光コジェネシステム50では、加圧された水道水が、給水部57から逆止弁61を経て、太陽光コジェネ装置10の太陽光集熱装置12の取入口14(inlet)へと供給される。そして、太陽光コジェネ装置10では、太陽光集熱装置12によりその水を温めて、当該太陽光集熱装置12の排出口15(outlet)から第1切替弁51へと排出する。太陽光コジェネ装置10では、その第1切替弁51の第1流路51aを開放させていることから、サーモスタット栓54および第2切替弁55を経て給湯器56へと温水を供給する。ここで、太陽光コジェネ装置10では、当該温水が設定温度を超えている場合、サーモスタット栓54が双方の流路を開放して、当該温水に給水部57からの水を混合させて設定温度とする。そして、太陽光コジェネ装置10では、サーモスタット栓54からの温水が設定温度である場合、給湯器56により加熱することなく当該温水を供給する。また、太陽光コジェネ装置10では、サーモスタット栓54からの温水が設定温度に満たない場合、当該温水を給湯器56により適宜加熱して供給する。
このように、太陽光コジェネシステム50では、太陽光集熱装置12からサーモスタット栓54を経て供給された温水が、給湯器56での設定温度よりも高い温度である場合、給湯器56で加熱を行うことがないので、光熱費を大幅に節減することができる。
また、太陽光コジェネシステム50では、太陽光集熱装置12からサーモスタット栓54を経て供給された温水が、給湯器56での設定温度に満たない場合であっても、既にある程度の温度とされていることから、給湯器56での加熱に伴う光熱費を節減することができる。
[日中で、太陽エネルギーが温水を得るのに十分であり、かつ温水を使用していない場合]
先ず、太陽光コジェネシステム50では、第2切替弁55において、第1流路55a(サーモスタット栓54からの流路)を開放し、第2流路55b(第3切替弁58からの流路)を閉じる。また、太陽光コジェネシステム50では、第3切替弁58において、第1流路58a(逆止弁61に至る流路)を開放し、第2流路58b(第2切替弁55に至る流路)を閉じる。そして、太陽光コジェネシステム50では、エア抜弁59を閉じるとともに、第1切替弁51において、第2流路51b(貯水槽52に至る流路)を開放し、第1流路51a(サーモスタット栓54に至る流路)を閉じる。
この太陽光コジェネシステム50では、加圧された水道水が、給水部57から逆止弁61を経て、太陽光コジェネ装置10の太陽光集熱装置12の取入口14(inlet)へと供給される。そして、太陽光コジェネ装置10では、太陽光集熱装置12によりその水を温めて、当該太陽光集熱装置12の排出口15(outlet)から第1切替弁51へと排出する。太陽光コジェネ装置10では、その第1切替弁51の第2流路51bを開放させていることから、温水が貯水槽52に供給されて当該貯水槽52で貯められる。この太陽光コジェネ装置10では、温水が必要となると、貯水槽52で貯められた温水をポンプ53で汲み上げて、サーモスタット栓54および第2切替弁55を経て給湯器56へと温水を供給する。ここで、太陽光コジェネ装置10では、当該温水が設定温度を超えている場合、サーモスタット栓54が双方の流路を開放して、当該温水に給水部57からの水を混合させて設定温度とする。そして、太陽光コジェネ装置10では、サーモスタット栓54からの温水が設定温度である場合、給湯器56により加熱することなく当該温水を供給する。また、太陽光コジェネ装置10では、サーモスタット栓54からの温水が設定温度に満たない場合、当該温水を給湯器56により適宜加熱して供給する。
このように、太陽光コジェネシステム50では、太陽光集熱装置12により太陽光Bから得た熱エネルギーを、温水として貯水槽52で貯めて適宜使用することができるので、より便利に太陽エネルギーを利用することができる。
また、太陽光コジェネシステム50では、太陽光集熱装置12からサーモスタット栓54を経て供給された温水が、給湯器56での設定温度よりも高い温度である場合、給湯器56で加熱を行うことがないので、光熱費を大幅に節減することができる。
さらに、太陽光コジェネシステム50では、太陽光集熱装置12からサーモスタット栓54を経て供給された温水が、給湯器56での設定温度に満たない場合であっても、既にある程度の温度とされていることから、給湯器56での加熱に伴う光熱費を節減することができる。
[夜間や雨天等で太陽エネルギーが得られず、かつ貯水槽52に温水がない場合]
先ず、太陽光コジェネシステム50では、第2切替弁55において、第2流路55b(第3切替弁58からの流路)を開放し、第1流路55a(サーモスタット栓54からの流路)を閉じる。また、太陽光コジェネシステム50では、第3切替弁58において、第2流路58b(第2切替弁55に至る流路)を開放し、第1流路58a(逆止弁61に至る流路)を閉じる。そして、太陽光コジェネシステム50では、エア抜弁59は閉じる。
この場合、太陽光コジェネシステム50では、加圧された水道水が、給水部57から第3切替弁58および第2切替弁55を経て給湯器56へと供給される。そして、太陽光コジェネシステム50では、給湯器56が供給された水を適宜加熱し、設定温度として供給する。
このように、太陽光コジェネシステム50では、太陽光コジェネ装置10で太陽エネルギーを得ることができない場合、通常の給湯器56と同様に使用することができる。
[熱媒体Mとしての水の凍結が懸念される場合]
先ず、太陽光コジェネシステム50では、第2切替弁55において、第2流路55b(第3切替弁58からの流路)を開放し、第1流路55a(サーモスタット栓54からの流路)を閉じる。また、太陽光コジェネシステム50では、第3切替弁58において、第2流路58b(第2切替弁55に至る流路)を開放し、第1流路58a(逆止弁61に至る流路)を閉じる。そして、太陽光コジェネシステム50では、エア抜弁59を開放する。さらに、太陽光コジェネシステム50では、第1切替弁51において、第2流路51b(貯水槽52に至る流路)を開放し、第1流路51a(サーモスタット栓54に至る流路)を閉じる。
この場合、太陽光コジェネシステム50では、エア抜弁59から、逆止弁61、太陽光集熱装置12の筐体部12a(その貯留空間A)、第1切替弁51を経て、貯水槽52へと至る流路の両端が、大気に開放されている。これは、エア抜弁59が開放されているとともに、第1切替弁51の貯水槽52に至る第2流路51bが開放されていることによる。また、太陽光コジェネシステム50では、鉛直方向(重力方向)で見て、太陽光コジェネ装置10および逆止弁61よりも低い位置に貯水槽52が設けられている。このため、太陽光コジェネシステム50では、太陽光集熱装置12の筐体部12aの貯留空間Aに貯められた水(熱媒体M)を、貯水槽52へと排出することができる。
このように、太陽光コジェネシステム50では、太陽光集熱装置12の筐体部12aの貯留空間Aに貯められた水(熱媒体M)を、貯水槽52へと排出することができるので、気温が0℃に近くとなっても、太陽光集熱装置12(太陽光コジェネ装置10)内で水(熱媒体M)が凍結することを防止することができる。
また、太陽光コジェネシステム50では、太陽光コジェネ装置10で太陽エネルギーを得ることができない場合と同様に、通常の給湯器56と同様に使用することができる。
この実施例5の太陽光コジェネシステム50は、実施例1の太陽光コジェネ装置10を用いるものであることから、同様の効果を得ることができる。
また、太陽光コジェネシステム50は、上記した各効果を得ることができる。
それに加えて、実施例5の太陽光コジェネシステム50では、省スペースで、太陽エネルギーを効率よく利用して電気と温水とを得ることができる。
なお、上記した各実施例では、本発明に係る太陽光コジェネ装置の一例としての太陽光コジェネ装置10、102、103、104について説明したが、太陽光を受光面で受光して電気に変換する光電変換装置と、太陽光から熱を得て貯留空間の熱媒体へと伝達する太陽光集熱装置と、前記貯留空間において、太陽光における一部の光を透過するとともに、それ以外の光の透過を阻む波長分離部と、前記貯留空間において、前記波長分離部により透過が阻まれた光の少なくとも一部を吸収して熱に変換する光吸収部と、を備え、前記太陽光集熱装置は、前記光電変換装置の前記受光面の上に設けられ、前記光電変換装置は、前記太陽光集熱装置の前記貯留空間に設けられた前記波長分離部を透過した太陽光を前記受光面で受光して電気に変換する太陽光コジェネ装置であればよく、上記した各実施例に限定されるものではない。
また、上記した各実施例では、太陽光コジェネ装置10、102、103、104の各構成について説明したが、それぞれの構成を他の構成に適宜組み合わせるものであってもよく、上記した各実施例の構成に限定されるものではない。
さらに、実施例5では、実施例1の太陽光コジェネ装置10を用いていたが、熱媒体Mとして水を用いて、太陽光を受光面で受光して電気に変換する光電変換装置と、太陽光から熱を得て貯留空間の熱媒体へと伝達する太陽光集熱装置と、前記貯留空間において、太陽光における一部の光を透過するとともに、それ以外の光の透過を阻む波長分離部と、前記貯留空間において、前記波長分離部により透過が阻まれた光の少なくとも一部を吸収して熱に変換する光吸収部と、を備え、前記太陽光集熱装置は、前記光電変換装置の前記受光面の上に設けられ、前記光電変換装置は、前記太陽光集熱装置の前記貯留空間に設けられた前記波長分離部を透過した太陽光を前記受光面で受光して電気に変換する太陽光コジェネ装置を用いるものであればよく、実施例5に限定されるものではない。なお、熱媒体Mとして水を用いて実施例2から実施例4の各太陽光コジェネ装置(102、103、104)を用いた場合には、実施例2から実施例4で述べたことと同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の太陽光コジェネ装置、それを備える太陽光コジェネシステムを各実施例に基づき説明してきたが、具体的な構成については各実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
10、102、103、104 太陽光コジェネ装置
11 光電変換装置
11a 受光面
12、122、123、124 太陽光集熱装置
12d (区画部の一例としての)仕切壁
12i 下基板
12j 上基板
12g 傾斜仕切壁(波長分離部の一例としても機能する)
12h 鉛直仕切壁
12k 下側接続穴
12m 上側接続穴
13 (波長分離部および光吸収部の一例としての)近赤外吸収板
41 (光吸収部の一例としての)光吸収部材
42 プリズムシート
50 太陽光コジェネシステム
51 (切替弁の一例としての)第1切替弁
52 貯水槽
57 給水部
56 給湯器
A、A3、A4 貯留空間
Ad、Ad4 下層空間
Au、Au4 上層空間
B 太陽光
rd4 下層室部
ru4 上層室部
M 熱媒体
特開2006−317128号公報

Claims (10)

  1. 太陽光を受光面で受光して電気に変換する光電変換装置と、
    太陽光から熱を得て貯留空間の熱媒体へと伝達する太陽光集熱装置と、
    前記貯留空間において、太陽光における一部の光を透過するとともに、それ以外の光の透過を阻む波長分離部と、
    前記貯留空間において、前記波長分離部により透過が阻まれた光の少なくとも一部を吸収して熱に変換する光吸収部と、を備え、
    前記太陽光集熱装置は、前記光電変換装置の前記受光面の上に設けられ、
    前記光電変換装置は、前記太陽光集熱装置の前記貯留空間に設けられた前記波長分離部を透過した太陽光を前記受光面で受光して電気に変換することを特徴とする太陽光コジェネ装置。
  2. 前記貯留空間には、前記光電変換装置の前記受光面の上に位置する下層空間と、前記下層空間の上に位置する上層空間と、に区画する区画部が設けられ、
    前記貯留空間では、前記下層空間を経て前記上層空間に至る前記熱媒体の流路が形成され、
    前記光吸収部は、前記上層空間内に存在する前記熱媒体へと熱を伝達することを特徴とする請求項1に記載の太陽光コジェネ装置。
  3. 前記区画部は、前記貯留空間内において上下方向で見た高さ位置を変位させるべく屈曲された鋸歯状を呈し、前記貯留空間を前記下層空間と前記上層空間とに区画していることを特徴とする請求項2に記載の太陽光コジェネ装置。
  4. 前記区画部では、一部の面に前記波長分離部が設けられ、他の一部の面に前記光吸収部が設けられ、
    前記波長分離部は、太陽光における透過させた一部の光以外の光を、前記光吸収部へ向けて反射することを特徴とする請求項3に記載の太陽光コジェネ装置。
  5. 前記太陽光集熱装置では、前記貯留空間の下端を規定する下基板と、前記貯留空間の上端を規定する上基板と、を有し、
    前記区画部は、前記上基板と前記下基板とを架け渡しつつ前記上基板および前記下基板に対して所定の傾斜角度で傾斜を為して設けられた複数の傾斜仕切壁と、隣接する2つの前記傾斜仕切壁を上下方向に架け渡して設けられた複数の鉛直仕切壁と、を有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の太陽光コジェネ装置。
  6. 前記各傾斜仕切壁と前記各鉛直仕切壁とは、前記下層空間を前記傾斜仕切壁の下方に位置する複数の下層室部に区画するとともに、前記上層空間を前記傾斜仕切壁の上方に位置する複数の上層室部に区画し、
    前記各傾斜仕切壁には、前記各下層室部を互いに接続する下側接続穴と、前記各上層室部を互いに接続する上側接続穴と、が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の太陽光コジェネ装置。
  7. 前記下側接続穴は、隣接する一方の前記傾斜仕切壁では一端部に設けられるとともに隣接する他方の前記傾斜仕切壁では他端部に設けられ、
    前記上側接続穴は、隣接する一方の前記傾斜仕切壁では一端部に設けられるとともに隣接する他方の前記傾斜仕切壁では他端部に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の太陽光コジェネ装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の太陽光コジェネ装置であって、
    前記太陽光集熱装置では、前記貯留空間の下端を規定する下基板と、前記貯留空間の上端を規定し前記下基板と平行とされた上基板と、を有し、
    さらに、太陽光の入射角度の変化に関わらず、太陽光の前記上基板への入射角度を前記上基板に直交させるプリズムシートを備え、
    前記波長分離部は、前記上基板および前記下基板に対して所定の傾斜角度で傾斜を為して設けられ、
    th×sin(2θ)>nair(但し、nairを空気の屈折率とし、nthを前記熱媒体の屈折率とし、θを前記所定の傾斜角度(0°<θ<90°)とする)の条件式を満たすことを特徴とする太陽光コジェネ装置。
  9. 前記波長分離部は、太陽光において前記光電変換装置が電気に変換する波長帯域の光を透過するとともに、それ以外の波長帯域の光の透過を阻む光学特性であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の太陽光コジェネ装置。
  10. 前記熱媒体として水を用いる請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の太陽光コジェネ装置と、
    前記太陽光コジェネ装置の前記太陽光集熱装置に水を供給する給水部と、
    前記太陽光集熱装置からの温水を貯める貯水槽と、
    前記太陽光集熱装置または前記貯水槽からの温水を利用して温水を供給する給湯器と、
    前記太陽光集熱装置から前記貯水槽への流路と前記太陽光集熱装置から前記給湯器への流路とを切り替える切替弁と、を備えることを特徴とする太陽光コジェネシステム。
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US9780724B2 (en) 2014-08-29 2017-10-03 Ricoh Company, Ltd. Transparent solar-heat collecting apparatus, solar water heating system, and solar cogeneration system
WO2019198536A1 (ja) * 2018-04-12 2019-10-17 東レ株式会社 反射ミラーを備えた太陽光発電システム

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