JP2014227842A - 地熱発電システム - Google Patents

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山下 勝也
Katsuya Yamashita
勝也 山下
古屋 修
Osamu Furuya
修 古屋
アスハリ モハメッド ハディアント
Mohammand Ashari Hadianto
アスハリ モハメッド ハディアント
高柳 幹男
Mikio Takayanagi
幹男 高柳
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Abstract

【課題】地熱エネルギーの利用効率を向上し発電量を増加可能な発電プラントを提供する。【解決手段】本実施形態において、第1の超臨界圧ガス加熱部では、気液分離部で分離された熱水と、第2の超臨界圧ガス加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体との間において熱交換が行われる。第2の超臨界圧ガス加熱部では、蒸気タービンから抽気された蒸気と、擬臨界温度加熱部で加熱された低沸点媒体との間において熱交換が行われる。擬臨界温度加熱部では、蒸気タービンから排気された蒸気と、超臨界圧液加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体との間において熱交換が行われることによって、当該蒸気が復水された後に超臨界圧液加熱部に排出され、当該低沸点媒体が擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲になるように加熱される。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、地熱発電システムに関する。
地熱流体(地熱水)を用いて発電を行う地熱発電システムとして、フラッシュ型とバイナリ型とが知られている。また、フラッシュ型とバイナリ型との両者を組み合せた地熱コンバインド発電システムが知られている(たとえば、特許文献1から7参照)。
上記の地熱コンバインド発電システムでは、地熱流体から分離された蒸気(フラッシュ蒸気)を作動媒体として用いて蒸気タービンを駆動させる。この他に、地熱コンバインド発電システムでは、水よりも沸点が低い低沸点媒体を作動媒体として用いて媒体タービンを駆動させる。ここでは、低沸点媒体は、たとえば、蒸気タービンから排出された蒸気(排気蒸気)と、地熱流体から分離された熱水(ドレン)とを用いて加熱された後に、媒体タービンに作動媒体として供給される。
特開2009-221961号公報 米国特許第5400598号明細書 米国特許第5531073号明細書 米国特許第6009711号明細書 米国特許第7775045号明細書 米国特許第7797940号明細書 米国特許第7823386号明細書
しかしながら、上記の地熱発電システムでは、地熱エネルギーの利用効率が十分でなく、その結果、発電量の増加を十分に実現することが困難な場合がある。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、地熱エネルギーの利用効率を向上し、発電量の増加を容易に実現することができる発電プラントを提供することである。
本実施形態の地熱発電システムは、気液分離部と蒸気タービンと加熱部と媒体タービンとを備える。気液分離部は、生産井から供給される地熱流体を、蒸気と熱水とに分離する。蒸気タービンは、気液分離部によって分離された蒸気が、作動媒体として供給される。加熱部は、気液分離部によって分離された熱水、および、蒸気タービンから排出された蒸気を用いて、水よりも沸点が低い超臨界圧の低沸点媒体を加熱する。媒体タービンは、加熱部によって加熱された超臨界圧の低沸点媒体が作動媒体として供給される。
加熱部は、第1の超臨界圧ガス加熱部と第2の超臨界圧ガス加熱部と擬臨界温度加熱部と超臨界圧液加熱部とを含む。加熱部は、超臨界圧液加熱部と擬臨界温度加熱部と第2の超臨界圧ガス加熱部と第1の超臨界圧ガス加熱部とにおいて、順次、超臨界圧の低沸点媒体を加熱する。
第1の超臨界圧ガス加熱部では、気液分離部で分離された熱水が第1の加熱媒体として供給されると共に、第2の超臨界圧ガス加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体が供給される。そして、第1の超臨界圧ガス加熱部では、当該第1の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われた後に、当該低沸点媒体が超臨界圧ガスとして媒体タービンに供給される。
第2の超臨界圧ガス加熱部では、蒸気タービンにおいて初段と最終段との間に位置する中段のタービン段落から抽気された蒸気が第2の加熱媒体として供給されると共に、擬臨界温度加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体が供給される。そして、第2の超臨界圧ガス加熱部では、当該第2の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われた後に、当該低沸点媒体が超臨界圧ガスとして第1の超臨界圧ガス加熱部に供給される。
擬臨界温度加熱部では、蒸気タービンにおいて最終段のタービン段落を介して排気された蒸気が第3の加熱媒体として供給されると共に、超臨界圧液加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体が供給される。そして、擬臨界温度加熱部では当該第3の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われることによって、当該第3の加熱媒体が復水された後に超臨界圧液加熱部に排出され、当該低沸点媒体が擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲になるように加熱された後に第2の超臨界圧ガス加熱部に供給される。
図1は、第1実施形態に係る地熱発電システムを示す系統図である。 図2は、第1実施形態に係る地熱発電システムの加熱部20において、熱水・蒸気(地熱流体)の温度推移と、低沸点媒体の温度推移とを示す図である。 図3は、第1実施形態に係る地熱発電システムの擬臨界温度加熱部23において、低沸点媒体の温度と、比熱との関係を示す図である。 図4は、第2実施形態に係る地熱発電システムを示す系統図である。 図5は、第3実施形態に係る地熱発電システムを示す系統図である。 図6は、第4実施形態に係る地熱発電システムを示す系統図である。
実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
[A]発電システムの構成
図1は、第1実施形態に係る地熱発電システムを示す系統図である。
地熱発電システムは、地熱コンバインド発電システムであって、図1に示すように、気液分離部10と、蒸気タービン11と、加熱部20と、ガスクーラ25と、媒体タービン31と、凝縮部41と、超臨界圧媒体ポンプ42と、冷却水供給部50とを有する。
以下より、地熱発電システムを構成する各部について順次説明する。
[A−1]気液分離部10
気液分離部10は、気液分離器(セパレータ)であって、生産井(図示省略)から供給された地熱流体F0(地熱水)を、蒸気F10A(フラッシュ蒸気)と熱水F10B(ドレン)とに分離する。
具体的には、気液分離部10は、生産井(図示省略)との間に配管が設けられており、その配管を介して、生産井から地熱流体F0が供給される。そして、気液分離部10は、その供給された地熱流体F0を減圧することによって、蒸気F10Aと熱水F10Bとのそれぞれに分離する。
[A−2]蒸気タービン11
蒸気タービン11は、気液分離部10で分離された蒸気F10Aが作動媒体として供給されて、駆動する。
蒸気タービン11は、主蒸気止め弁VF10A(MSV)が設置された配管が気液分離部10との間に設けられており、その配管を介して、気液分離部10から蒸気F10Aが作動媒体として流入する。蒸気タービン11は、ケーシング(図示省略)の内部にタービンロータ(図示省略)が設置されており、蒸気F10Aの供給によって、ケーシングの内部においてタービンロータが回転する。
具体的には、蒸気タービン11は、たとえば、軸流タービンであって、静翼(ノズル翼)と動翼(タービン羽根)とによって構成されるタービン段落が、タービンロータの回転軸に沿って、複数段、設けられている。そして、蒸気タービン11において、一方の端部に位置する初段のタービン段落に蒸気F10Aが作動媒体として供給された後に、その蒸気F10Aが各タービン段落において仕事を行ってタービンロータを回転させる。
蒸気タービン11に作動媒体として供給された蒸気F10Aは、一方の端部から他方の端部へ流れるに従って温度および圧力が低下する。そして、蒸気タービン11において他方の端部に位置する最終段のタービン段落を通過した後に、蒸気タービン11から蒸気F11B(排気蒸気)が外部へ排出される。
この他に、本実施形態では、蒸気タービン11において並ぶ複数のタービン段落の途中から蒸気F11A(抽気蒸気)が抽気される。つまり、蒸気タービン11において初段と最終段との間に位置する中段のタービン段落を介して、蒸気F11A(抽気蒸気)が外部へ排出される。
また、蒸気タービン11は、タービンロータの回転軸に発電機12が連結されており、タービンロータの回転によって発電機12が駆動して、発電が行なわれる。なお、本実施形態では、上記のように、蒸気タービン11が軸流式である場合について示したが、これに限らない。蒸気タービン11は、半径流式(幅流式)などの種々の方式であってもよい。
[A−3]加熱部20
加熱部20は、気液分離部10で分離された熱水F10B、および、蒸気タービン11から排出された蒸気F11A,F11B(抽気蒸気,排気蒸気)を加熱媒体(加熱源)として用いて、水よりも沸点が低い低沸点媒体を加熱する。加熱部20は、たとえば、フロン(ハイドロフルオロカーボン(HFC)など)、炭化水素(ブタンなど)などの低沸点媒体を加熱し、その加熱された低沸点媒体が媒体タービン31に作動媒体として供給される。
本実施形態では、加熱部20は、第1の超臨界圧ガス加熱部21と、第2の超臨界圧ガス加熱部22と、擬臨界温度加熱部23と、超臨界圧液加熱部24とを含む。
加熱部20において、第1の超臨界圧ガス加熱部21と第2の超臨界圧ガス加熱部22と擬臨界温度加熱部23と超臨界圧液加熱部24とのそれぞれは、熱交換器(加熱器)を有する。加熱部20では、超臨界圧液加熱部24と擬臨界温度加熱部23と第2の超臨界圧ガス加熱部22と第1の超臨界圧ガス加熱部21とにおいて、順次、熱交換が行われ、超臨界圧の低沸点媒体(M25A,M24A,M23A,M22A)が加熱される。ここでは、低沸点媒体(M25A,M24A,M23A,M22A)は、たとえば、3℃以上、温度が高い加熱媒体(蒸気または熱水)との間において熱交換が行われる。
加熱部20を構成する各部について、詳細に説明する。
[A−3−1]第1の超臨界圧ガス加熱部21(超臨界圧ガス高温加熱器)
加熱部20のうち、第1の超臨界圧ガス加熱部21は、第2の超臨界圧ガス加熱部22から供給された超臨界圧の低沸点媒体M22の一部M22Aを加熱する。第1の超臨界圧ガス加熱部21は、気液分離部10で分離された熱水F10Bを用いて、その低沸点媒体M22の一部M22Aを加熱する。
具体的には、第1の超臨界圧ガス加熱部21は、気液分離部10との間に配管が設けられており、その配管を介して、気液分離部10から排出された熱水F10Bが、加熱媒体(第1の加熱媒体)として流入する。
これと共に、第1の超臨界圧ガス加熱部21は、第2の超臨界圧ガス加熱部22との間に配管が設けられており、その配管を介して、第2の超臨界圧ガス加熱部22から流出した低沸点媒体M22の一部M22Aが流入する。
そして、第1の超臨界圧ガス加熱部21では、熱水F10Bと低沸点媒体M22の一部M22Aとの間において、熱交換が行われる。第1の超臨界圧ガス加熱部21は、たとえば、対向流式の熱交換器であって、熱水F10Bと低沸点媒体M22の一部M22Aとが互いに対向する向きに流れ、両者の間で熱交換が行われる。
第1の超臨界圧ガス加熱部21においては、熱水F10Bが低沸点媒体M22の一部M22Aとの熱交換によって、冷却される。そして、第1の超臨界圧ガス加熱部21から熱水F21が排出される。
この一方で、第1の超臨界圧ガス加熱部21においては、低沸点媒体M22の一部M22Aが熱水F10Bとの熱交換によって加熱される。そして、第1の超臨界圧ガス加熱部21から超臨界圧ガスの低沸点媒体M21が流出する。つまり、第1の超臨界圧ガス加熱部21では、擬臨界温度よりも高い温度の超臨界圧流体として、低沸点媒体M21が媒体タービン31へ排出される。
[A−3−2]第2の超臨界圧ガス加熱部22(超臨界圧ガス中温加熱器)
加熱部20のうち、第2の超臨界圧ガス加熱部22は、擬臨界温度加熱部23から流出した超臨界圧の低沸点媒体M23の一部M23Aを加熱する。第2の超臨界圧ガス加熱部22は、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)を用いて、その低沸点媒体M23の一部M23Aを加熱する。
第2の超臨界圧ガス加熱部22においては、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)が復水(凝縮)されるときの潜熱によって、低沸点媒体M23の一部M23Aが加熱される。
具体的には、第2の超臨界圧ガス加熱部22は、蒸気タービン11の抽気口との間に配管が設けられており、その配管を介して、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)が、加熱媒体(第2の加熱媒体)として流入する。
これと共に、第2の超臨界圧ガス加熱部22は、擬臨界温度加熱部23との間に配管が設けられており、その配管を介して、擬臨界温度加熱部23から流出した低沸点媒体M23の一部M23Aが流入する。
そして、第2の超臨界圧ガス加熱部22では、蒸気F11A(抽気蒸気)と低沸点媒体M23の一部M23Aとの間において、熱交換が行われる。第2の超臨界圧ガス加熱部22は、たとえば、対向流式の熱交換器であって、蒸気F11A(抽気蒸気)と低沸点媒体M23の一部M23Aとが互いに対向する向きに流れ、両者の間で熱交換が行われる。
第2の超臨界圧ガス加熱部22においては、蒸気F11A(抽気蒸気)が低沸点媒体M23の一部M23Aとの熱交換によって冷却されて復水(凝縮)する。そして、第2の超臨界圧ガス加熱部22から熱水F22が排出される。
この一方で、第2の超臨界圧ガス加熱部22においては、低沸点媒体M23の一部M23Aが蒸気F11A(抽気蒸気)との熱交換によって加熱される。そして、第2の超臨界圧ガス加熱部22から超臨界圧ガスの低沸点媒体M22が流出する。
[A−3−3]擬臨界温度加熱部23(擬臨界温度加熱器−復水器)
加熱部20のうち、擬臨界温度加熱部23は、超臨界圧液加熱部24から流出した超臨界圧の低沸点媒体M24の一部M24Aを加熱する。擬臨界温度加熱部23は、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)を用いて、その低沸点媒体M24の一部M24Aを加熱する。
擬臨界温度加熱部23においては、蒸気タービン11から排出された蒸気F11B(排気蒸気)が復水(凝縮)されるときの潜熱によって、低沸点媒体M24が加熱される。
具体的には、擬臨界温度加熱部23は、蒸気タービン11の排気口との間に配管が設けられており、その配管を介して、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)が、加熱媒体(第3の加熱媒体)として流入する。
これと共に、擬臨界温度加熱部23は、超臨界圧液加熱部24との間に配管が設けられており、その配管を介して、超臨界圧液加熱部24から流出した低沸点媒体M24の一部M24Aが流入する。
そして、擬臨界温度加熱部23では、蒸気F11B(排気蒸気)と低沸点媒体M24の一部M24Aとの間において、熱交換が行われる。擬臨界温度加熱部23は、たとえば、対向流式の熱交換器であって、蒸気F11B(排気蒸気)と低沸点媒体M24の一部M24Aとが互いに対向する向きに流れて、両者の間で熱交換が行われる。
擬臨界温度加熱部23においては、蒸気F11B(排気蒸気)が低沸点媒体M24の一部M24Aとの熱交換によって復水(凝縮)する。また、擬臨界温度加熱部23は、蒸気F11B(排気蒸気)を、熱水F23A(復水)とガス成分F23Bとに分離する。そして、擬臨界温度加熱部23においては、熱水F23Aが超臨界圧液加熱部24へ排出される。また、熱水F23Aが分離されたガス成分F23Bが、擬臨界温度加熱部23からガスクーラ25へ排出される。
この一方で、擬臨界温度加熱部23においては、低沸点媒体M24の一部M24Aが、蒸気F11B(排気蒸気)との熱交換によって加熱される。擬臨界温度加熱部23では、低沸点媒体M24の一部M24Aが、擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲(擬臨界温度付近)になるように加熱される。そして、その加熱された低沸点媒体M23が擬臨界温度加熱部23から排出される。
[A−3−4]超臨界圧液加熱部24(超臨界圧液加熱器)
加熱部20のうち、超臨界圧液加熱部24は、ガスクーラ25から流出した超臨界圧の低沸点媒体M25の一部M25Aを加熱する。超臨界圧液加熱部24は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21と、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22と、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23Aとが合流した熱水(F21+F22+F23A)を、加熱媒体として用いて、その低沸点媒体M25を加熱する。
具体的には、超臨界圧液加熱部24は、気液分離部10で分離された熱水F10B(第1の加熱媒体)が、第1の超臨界圧ガス加熱部21で熱交換された後に供給される。
また、超臨界圧液加熱部24は、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)(第2の加熱媒体)が、第2の超臨界圧ガス加熱部22で熱交換がされた後に供給される。
さらに、超臨界圧液加熱部24は、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)(第3の加熱媒体)が、擬臨界温度加熱部23で熱交換がされた後に供給される。
つまり、超臨界圧液加熱部24は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から熱水F21が供給され、第2の超臨界圧ガス加熱部22から熱水F22が供給され、擬臨界温度加熱部23から熱水F23Aが供給される。
ここでは、超臨界圧液加熱部24は、擬臨界温度加熱部23との間に配管が設けられており、その配管を介して、擬臨界温度加熱部23から熱水F23Aが流入する。また、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22が流れる配管が、擬臨界温度加熱部23と超臨界圧液加熱部24との間に設置された配管の途中に連結されており、超臨界圧液加熱部24は、その配管を介して、第2の超臨界圧ガス加熱部22から熱水F22が流入する。さらに、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21が流れる配管が、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22が流れる配管の途中に連結されており、超臨界圧液加熱部24は、その配管を介して、第1の超臨界圧ガス加熱部21から熱水F21が流入する。
このように、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21と、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22と、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23Aとのそれぞれが合流した熱水(F21+F22+F23A)が、超臨界圧液加熱部24に、加熱媒体として流入する。なお、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21は、減圧弁VF21を介して、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23Aに合流する。また、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22は、減圧弁VF22を介して、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21に合流する。
これと共に、超臨界圧液加熱部24は、ガスクーラ25との間に配管が設けられており、その配管を介して、ガスクーラ25から流出した低沸点媒体M25の一部M25Aが流入する。この低沸点媒体M25の一部M25Aは、媒体タービン31から排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された状態で、ガスクーラ25で加熱された後に供給される。
そして、超臨界圧液加熱部24では、その合流した熱水(F21+F22+F23A)と、低沸点媒体M25の一部M25Aとの間において、熱交換が行われる。超臨界圧液加熱部24は、たとえば、対向流式の熱交換器であって、熱水(F21+F22+F23A)と低沸点媒体M25の一部M25Aとが互いに対向する向きに流れて、両者の間で熱交換が行われる。
超臨界圧液加熱部24においては、熱水(F21+F22+F23A)が低沸点媒体M25の一部M25Aとの熱交換によって冷却される。そして、超臨界圧液加熱部24から熱水F24が還元井(図示省略)へ還元される。
この一方で、超臨界圧液加熱部24においては、低沸点媒体M25の一部M25Aが、熱水(F21+F22+F23A)との熱交換によって加熱される。超臨界圧液加熱部24で加熱された低沸点媒体M24は、超臨界圧液加熱部24から超臨界圧液として流出する。つまり、超臨界圧液加熱部24では、擬臨界温度よりも低い温度の超臨界圧流体として、低沸点媒体M24が排出される。
[A−4]ガスクーラ25
ガスクーラ25は、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)(第3の加熱媒体)のうち、擬臨界温度加熱部23において熱水F23Aが分離されたガス成分F23Bを冷却する。ガスクーラ25は、超臨界圧媒体ポンプ42から供給された低沸点媒体M42を冷媒(冷却源)として用いて、そのガス成分F23Bを冷却する。
具体的には、ガスクーラ25は、擬臨界温度加熱部23との間に配管が設けられており、その配管を介して、擬臨界温度加熱部23から排出されたガス成分F23Bが流入する。ガス成分F23Bは、地熱流体F0に含有する炭酸ガスなどの不凝縮ガスを含んだ状態で、ガスクーラ25に流入する。
これと共に、ガスクーラ25は、超臨界圧媒体ポンプ42との間に配管が設けられており、その配管を介して、超臨界圧媒体ポンプ42から流出した低沸点媒体M42が流入する。この低沸点媒体M42は、媒体タービン31から排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された状態で供給される。
そして、ガスクーラ25では、ガス成分F23Bと低沸点媒体M42との間において、熱交換が行われる。ガスクーラ25は、たとえば、多管式の熱交換器である。
ガスクーラ25においては、ガス成分F23Bが低沸点媒体M42との熱交換によって冷却される。これにより、ガス成分F23Bの一部が凝縮し、熱水F25Aとして、還元井(図示省略)へ排出される。また、ガス成分F23Bにおいて凝縮されなかった不凝縮ガスF25Bが、ガスクーラ25から外部へ排出される。
この一方で、ガスクーラ25においては、低沸点媒体M42が、ガス成分F23Bとの熱交換によって加熱される。そして、ガスクーラ25で熱交換が行われた低沸点媒体M25が、ガスクーラ25から流出する。
[A−5]媒体タービン31
媒体タービン31は、加熱部20によって加熱された低沸点媒体(M21,M22B,M23B,M24B)が作動媒体として供給される。
具体的には、媒体タービン31は、第1の超臨界圧ガス加熱部21で熱交換が行われた低沸点媒体M21が作動媒体として供給される。この低沸点媒体M21は、媒体タービン31において、初段のタービン段落(第1のタービン段落)を介して流れるように供給される。ここでは、主蒸気止め弁VM21(MSV)が設置された配管が、媒体タービン31と第1の超臨界圧ガス加熱部21との間に設けられており、その配管を介して、その低沸点媒体M21が媒体タービン31に作動媒体として流入する。
また、媒体タービン31は、第2の超臨界圧ガス加熱部22で熱交換が行われた低沸点媒体M22の残りの一部M22B、及び、擬臨界温度加熱部23で熱交換が行われた低沸点媒体M23の残りの一部M23Bが、作動媒体として供給される。これらの低沸点媒体M22B,M23Bは、互いに合流した後に、媒体タービン31において、初段のタービン段落(第1のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第2のタービン段落)を介して流れるように供給される。ここでは、第2の超臨界圧ガス加熱部22で熱交換が行われた低沸点媒体M22の残りの一部M22Bが流れる配管と、擬臨界温度加熱部23で熱交換が行われた低沸点媒体M23の残りの一部M23Bが流れる配管とが互いに連結されており、その配管を介して、両者の低沸点媒体M22B,M23Bが合流した後に、媒体タービン31に流入する。その合流した低沸点媒体(M22B+M23B)は、弁VM22を介して、媒体タービン31に流入する。
また、媒体タービン31は、超臨界圧液加熱部24で熱交換が行われた低沸点媒体M24の残りの一部M24Bが、作動媒体として供給される。この低沸点媒体M24Bは、媒体タービン31において、上記のように合流した低沸点媒体(M22B+M23B)が流入するタービン段落(第2のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第3のタービン段落)を介して流れるように供給される。ここでは、超臨界圧液加熱部24で熱交換が行われた低沸点媒体M24の残りの一部M24Bが流れる配管が、擬臨界温度加熱部23と超臨界圧液加熱部24との間に設置された配管に連結されており、その配管を介して、その低沸点媒体M24Bが媒体タービン31に流入する。その低沸点媒体M24Bは、弁VM24を介して、媒体タービン31に流入する。
さらに、媒体タービン31は、ガスクーラ25によって加熱された低沸点媒体M25Bの残りの一部25Bが作動媒体として供給される。この低沸点媒体M25Bは、媒体タービン31において、超臨界圧液加熱部24で熱交換が行われた低沸点媒体M24の残りの一部M24Bが流入するタービン段落(第3のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第4のタービン段落)を介して流れるように供給される。ここでは、ガスクーラ25によって加熱された低沸点媒体M25Bの残りの一部25Bが流れる配管が、超臨界圧液加熱部24とガスクーラ25との間に設置された配管に連結されており、その配管を介して、その低沸点媒体M25Bが媒体タービン31に流入する。その低沸点媒体M25Bは、弁VM25を介して、媒体タービン31に流入する。
そして、媒体タービン31は、低沸点媒体(M21,M22B,M23B,M24B,M25B)の供給によって、ケーシング(図示省略)の内部に設置されたタービンロータ(図示省略)が回転する。
媒体タービン31は、蒸気タービン11と同様に、たとえば、軸流タービンであって、静翼(ノズル翼)と動翼(タービン羽根)とによって構成されるタービン段落が、タービンロータの回転軸に沿って、複数段、設けられている。低沸点媒体(M21,M22B,M23B,M24B,M25B)は、媒体タービン31の内部に流入した後に、各タービン段落において仕事を行ってタービンロータを回転させる。低沸点媒体(M21,M22B,M23B,M24B,M25B)は、一方の端部から他方の端部へ流れるに従って、圧力および温度が低下し、他方の端部に位置する最終段のタービン段落を通過した後に流出する。
媒体タービン31においてタービンロータの回転軸には、発電機32が連結されており、タービンロータの回転によって発電機32が駆動して、発電が行なわれる。なお、本実施形態では、上記のように、媒体タービン31が軸流式である場合について示したが、これに限らない。媒体タービン31は、半径流式(幅流式)などの種々の方式であってもよい。
[A−6]凝縮部41(凝縮器)
凝縮部41は、凝縮器であって、媒体タービン31から排気された低沸点媒体M31(排気蒸気)を凝縮する。凝縮部41は、冷却水供給部50から供給される冷却水f52を冷媒として用いて、その低沸点媒体M31を冷却して凝縮する。
具体的には、凝縮部41は、媒体タービン31の排気口との間に配管が設けられており、その配管を介して、媒体タービン31から低沸点媒体M31が流入する。
また、凝縮部41は、冷却水供給部50との間に配管が設けられており、その配管を介して、冷却水供給部50から冷却水f52が流入する。
そして、凝縮部41では、低沸点媒体M31と冷却水f52との間において、熱交換が行われる。凝縮部41は、たとえば、並流式の熱交換器である。
凝縮部41においては、低沸点媒体M31が冷却水f52との熱交換によって冷却されて凝縮される。そして、その凝縮された液体の低沸点媒体M41が、凝縮部41から流出し、超臨界圧媒体ポンプ42に供給される。
この一方で、凝縮部41においては、冷却水f52が、低沸点媒体M31との熱交換によって加熱される。そして、その加熱された冷却水f41が、凝縮部41から外部へ排出される。
[A−7]超臨界圧媒体ポンプ42
超臨界圧媒体ポンプ42は、凝縮部41によって凝縮された低沸点媒体M41を昇圧し、ガスクーラ25に送る。
具体的には、超臨界圧媒体ポンプ42は、凝縮部41との間に配管が設けられており、その配管を介して、凝縮部41から液体の低沸点媒体M41が流入する。そして、超臨界圧媒体ポンプ42は、その低沸点媒体M41を臨界圧以上に昇圧する。
超臨界圧媒体ポンプ42は、その超臨界圧に昇圧した低沸点媒体M42を、ガスクーラ25に移送する。
[A−9]冷却水供給部50
冷却水供給部50は、冷却水ポンプ51と冷却器52と冷却ファン53とを含み、凝縮部41に冷却水f52を供給する。
具体的には、冷却水供給部50においては、冷却水ポンプ51が外部から冷却水f0を吸引し、その吸引した冷却水f51を冷却器52に送る。そして、冷却ファン53による冷却風を用いて、冷却器52に送られた冷却水f51を冷却する。そして、冷却器52で冷却された冷却水f52が、凝縮部41に供給される。
[B]地熱発電システムでの動作
上記の地熱発電システムにおける動作について、図1を参照して説明する。
ここでは、地熱発電システムにおける動作に関して、地熱流体の流れ(実線の矢印)と、低沸点媒体の流れ(破線の矢印)とに分けて、詳細に説明する。
[B−1]地熱流体の流れ(図1中の実線の矢印)について
地熱流体(実線の矢印)は、図1に示すように、生産井(図示省略)から、各部を介して、還元井(図示省略)に還元される。つまり、地熱流体(実線の矢印)は、フラッシュサイクルにおいて用いられる。
具体的には、まず、地熱流体F0が生産井(図示省略)から気液分離部10に流入する。そして、その地熱流体F0が気液分離部10において蒸気F10Aと熱水F10Bとに分離される。
ここで、気液分離部10で分離された熱水F10Bは、加熱部20のうち、第1の超臨界圧ガス加熱部21に加熱媒体(第1の加熱媒体)として流入する。そして、その熱水F10Bは、第1の超臨界圧ガス加熱部21において、擬臨界温度加熱部23から供給された低沸点媒体M23との熱交換が行われた後に、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出される。
この一方で、気液分離部10で分離された蒸気F10Aは、作動媒体として蒸気タービン11に流入した後に、蒸気タービン11から排出される。蒸気タービン11においては、複数のタービン段落の途中から蒸気F11A(抽気蒸気)が抽気される。また、蒸気タービン11において最終段のタービン段落を通過した後に、蒸気タービン11から蒸気F11B(排気蒸気)が排気される。
蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)は、最初に、加熱部20のうち、第2の超臨界圧ガス加熱部22に加熱媒体(第2の加熱媒体)として供給される。その蒸気F11Aは、第2の超臨界圧ガス加熱部22において、擬臨界温度加熱部23から排出された低沸点媒体M23の一部M23Aとの熱交換により復水(凝縮)し、第2の超臨界圧ガス加熱部22から熱水F22として排出される。
また、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)は、最初に、加熱部20のうち、擬臨界温度加熱部23に加熱媒体(第3の加熱媒体)として供給される。その蒸気F11Bは、擬臨界温度加熱部23において、超臨界圧液加熱部24から排出された低沸点媒体M24との熱交換により復水(凝縮)し、擬臨界温度加熱部23から熱水F23Aとして排出される。この他に、擬臨界温度加熱部23では、蒸気タービン11から排気された蒸気F11Bのうち、熱水F23Aが分離されたガス成分F23Bが排出される。
つぎに、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21と、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22と、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23Aとのそれぞれが、合流する。その後、その合流した熱水(F21+F22+F23A)が、加熱媒体として、超臨界圧液加熱部24に流入する。その合流後の熱水(F21+F22+F23A)は、超臨界圧液加熱部24において、ガスクーラ25から供給された低沸点媒体M25との熱交換が行われた後に、超臨界圧液加熱部24から排出される。超臨界圧液加熱部24から排出された熱水F24は、還元井(図示省略)に還元される。
このように、気液分離部10で分離された熱水F10Bは、加熱部20において、第1の超臨界圧ガス加熱部21と超臨界圧液加熱部24とのそれぞれに、加熱媒体(第1の加熱媒体)として、順次、供給されて、熱交換が行われる。蒸気タービン11から抽気された蒸気F11Aは、加熱部20において、第2の超臨界圧ガス加熱部22と超臨界圧液加熱部24とのそれぞれに、加熱媒体(第2の加熱媒体)として順次、供給されて、熱交換が行われる。蒸気タービン11から排気された蒸気F11Bは、加熱部20において、擬臨界温度加熱部23と超臨界圧液加熱部24とのそれぞれに、加熱媒体(第3の加熱媒体)として、順次、供給されて、熱交換が行われる。
擬臨界温度加熱部23から排出されたガス成分F23Bは、超臨界圧媒体ポンプ42から供給された低沸点媒体M42との熱交換がガスクーラ25において行われ、冷却される。これにより、ガス成分F23Bは、一部が凝縮し、熱水F25Aとして、ガスクーラ25から還元井(図示省略)へ還元される。この一方で、ガス成分F23Bのうち、ガスクーラ25で凝縮されなかった不凝縮ガスF25Bが、分離され、ガスクーラ25から外部へ排出される。
[B−2]低沸点媒体の流れ(図1中の破線の矢印)について
低沸点媒体(破線の矢印)は、図1に示すように、各部(媒体タービン31と凝縮部41と超臨界圧媒体ポンプ42とガスクーラ25と加熱部20)を、順次、循環する。つまり、低沸点媒体(破線の矢印)は、バイナリサイクルにおいて用いられる。
具体的には、低沸点媒体M21,M22B,M23B,M24B,M25Bが、媒体タービン31の内部に作動媒体として流入した後に、媒体タービン31から流出する。
つぎに、媒体タービン31から流出した低沸点媒体M31は、凝縮部41に流入し、凝縮部41で凝縮される。
つぎに、凝縮部41によって凝縮された低沸点媒体M41は、超臨界圧媒体ポンプ42に流入し、超臨界圧媒体ポンプ42において超臨界圧に昇圧されて排出される。
つぎに、超臨界圧媒体ポンプ42で超臨界圧に昇圧された低沸点媒体M42は、ガスクーラ25と加熱部20とにおいて加熱された後に、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
ここでは、超臨界圧媒体ポンプ42から流出した超臨界圧の低沸点媒体M42は、まず、ガスクーラ25に流入する。そして、その低沸点媒体M42は、擬臨界温度加熱部23から供給されたガス成分F23Bとの熱交換によって加熱された後に、ガスクーラ25から流出する。
ガスクーラ25から流出した超臨界圧の低沸点媒体M25は、一部M25Aが、超臨界圧液加熱部24に流入し、残りの一部M25Bが、媒体タービン31に作動媒体として流入する。
そして、超臨界圧液加熱部24に流入した超臨界圧の低沸点媒体M25の一部M25Aは、第1の超臨界圧ガス加熱部21と第2の超臨界圧ガス加熱部22と擬臨界温度加熱部23とのそれぞれから排出された後に合流した熱水(F21+F22+F23A)との熱交換によって加熱される。その後に、超臨界圧液加熱部24において加熱された低沸点媒体M24が、超臨界圧液加熱部24から流出する。
超臨界圧液加熱部24から流出した超臨界圧の低沸点媒体M24は、一部M24Aが、擬臨界温度加熱部23に流入し、残りの一部M24Bが、媒体タービン31に作動媒体として流入する。
そして、擬臨界温度加熱部23に流入した低沸点媒体M24の一部M24Aは、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)との熱交換によって加熱される。ここでは、低沸点媒体M24の一部M24Aが、擬臨界温度よりも低い温度の超臨界圧液の状態から、擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲になるように加熱される。本実施形態では、ガスクーラ25において不凝縮ガスF25Bを放出する圧力によって、蒸気タービン11から排気される蒸気F11Bの圧力を設定することで、擬臨界温度加熱部23において、低沸点媒体M23が擬臨界温度付近の温度になるように加熱される。その後、擬臨界温度加熱部23で加熱された低沸点媒体M23は、擬臨界温度加熱部23から流出する。
擬臨界温度加熱部23から流出した超臨界圧の低沸点媒体M23は、一部M23Aが、第2の超臨界圧ガス加熱部22に流入し、残りの一部M23Bが、媒体タービン31に作動媒体として流入する。
そして、第2の超臨界圧ガス加熱部22に流入した低沸点媒体M23の一部M23Aは、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)との熱交換によって加熱される。第2の超臨界圧ガス加熱部22では、低沸点媒体M23の一部M23Aが、擬臨界温度よりも高い温度の超臨界圧ガスになるように加熱される。その後、第2の超臨界圧ガス加熱部22で加熱された低沸点媒体M22は、第2の超臨界圧ガス加熱部22から流出する。
第2の超臨界圧ガス加熱部22から流出した超臨界圧の低沸点媒体M22は、一部M22Aが、第1の超臨界圧ガス加熱部21に流入し、残りの一部M22Bが、媒体タービン31に作動媒体として流入する。
そして、第1の超臨界圧ガス加熱部21に流入する低沸点媒体M22の一部M22Aは、気液分離部10で分離された熱水F10Bとの熱交換によって加熱される。ここでは、第2の超臨界圧ガス加熱部22で加熱されたときよりも高い温度の超臨界圧ガスになるように加熱される。その後、第1の超臨界圧ガス加熱部21で加熱された超臨界圧の低沸点媒体M21は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から媒体タービン31に作動媒体として流入する。
加熱部20のうち、第1の超臨界圧ガス加熱部21で加熱された低沸点媒体M21は、媒体タービン31において、初段のタービン段落(第1のタービン段落)を介して流れるように供給される。
加熱部20のうち、第2の超臨界圧ガス加熱部22で加熱された低沸点媒体M22の残りの一部M22B、及び、擬臨界温度加熱部23で加熱された低沸点媒体M23の残りの一部M23Bは、互いに合流した後に、媒体タービン31に作動流体として供給される。両者が合流した低沸点媒体(M22B+M23B)は、媒体タービン31において、初段のタービン段落(第1のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第2のタービン段落)を介して流れるように供給される。
加熱部20のうち、超臨界圧液加熱部24で加熱された低沸点媒体M24の残りの一部M24Bは、媒体タービン31において、合流後の低沸点媒体(M22B+M23B)が流入するタービン段落(第2のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第3のタービン段落)を介して流れるように供給される。
ガスクーラ25で加熱された低沸点媒体M25Bの残りの一部25Bは、媒体タービン31において、超臨界圧液加熱部24で熱交換が行われた低沸点媒体M24の残りの一部M24Bが流入するタービン段落(第3のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第4のタービン段落)を介して流れるように供給される。
[B−3]地熱流体と低沸点媒体の温度推移について
図2は、第1実施形態に係る地熱発電システムの加熱部20において、熱水・蒸気(地熱流体)の温度推移と、低沸点媒体の温度推移とを示す図である。図2では、低沸点媒体の場合を破線で示し、熱水・蒸気(地熱流体)の場合を実線で示している。
また、図2において、縦軸は、温度Tである。横軸は、加熱部20において、熱水・蒸気と低沸点媒体とのそれぞれが流れる位置xである。すなわち、低沸点媒体(破線)の場合には、加熱部20を構成する各部(第1の超臨界圧ガス加熱部21、第2の超臨界圧ガス加熱部22、擬臨界温度加熱部23、超臨界圧液加熱部24)において、低沸点媒体が流入する入口が左側に位置し、流出する出口が右側に位置する。一方で、熱水・蒸気(実線)の場合には、加熱部20を構成する各部において、熱水または蒸気が流入する入口が右側に位置し、流出する出口が左側に位置する。
[B−3−1]低沸点媒体の温度推移
図2において破線で示すように、低沸点媒体は、加熱部20を構成する各部を流れることで、温度が上昇する。つまり、低沸点媒体は、超臨界圧液加熱部24と擬臨界温度加熱部23と第2の超臨界圧ガス加熱部22と第1の超臨界圧ガス加熱部21とのそれぞれにおいて、入口(図2の左側)から出口(図2の右側)に向かって、順次、流れることで、温度が上昇する。
加熱部20のうち、擬臨界温度加熱部23では、低沸点媒体は、たとえば、入口温度が擬臨界温度TEよりも低い状態から、擬臨界温度TEを経て、出口温度が擬臨界温度TEよりも高い状態になるように推移する。
[B−3−2]熱水・蒸気の温度推移
図2において実線で示すように、熱水・蒸気は、第1の超臨界圧ガス加熱部21において、入口(図2の右側)から出口(図2の左側)に向かって流れることで、温度が下降する。
第2の超臨界圧ガス加熱部22においては、熱水・蒸気は、ほぼ一定の温度で入口(図2の右側)から出口(図2の左側)へ向かって流れる。第2の超臨界圧ガス加熱部22では、熱水・蒸気は、第1の超臨界圧ガス加熱部21の出口温度よりも低く、かつ、超臨界圧液加熱部24の入口温度よりも高い温度を保持して、入口と出口の間を推移する。
擬臨界温度加熱部23においても、熱水・蒸気は、ほぼ一定の温度で入口(図2の右側)から出口(図2の左側)へ向かって流れる。擬臨界温度加熱部23では、熱水・蒸気は、第2の超臨界圧ガス加熱部22の出口温度よりも低く、かつ、超臨界圧液加熱部24の入口温度よりも低い温度を保持して、入口と出口の間を推移する。
超臨界圧液加熱部24においては、第1の超臨界圧ガス加熱部21の場合と同様に、入口(図2の右側)から出口(図2の左側)に向かって流れることで、温度が下降する。熱水・蒸気は、超臨界圧液加熱部24の入口温度が、第2の超臨界圧ガス加熱部22の出口温度よりも低く、擬臨界温度加熱部23の出口温度よりも高い温度であって、超臨界圧液加熱部24の出口温度が、擬臨界温度加熱部23の出口温度よりも低い温度になるように推移する。
[B−4]擬臨界温度加熱部23での温度推移について
上記のように、擬臨界温度加熱部23では、熱水・蒸気は、飽和温度で、ほぼ一定に推移して、復水(凝縮)される。つまり、擬臨界温度加熱部23では、熱水・蒸気は、低沸点媒体との熱交換量に依存せずに、温度がほぼ一定の状態で流れる。
また、擬臨界温度加熱部23では、低沸点媒体は、第1の超臨界圧ガス加熱部21及び超臨界圧液加熱部24の場合よりも、温度が変化する割合が小さい。
図3は、第1実施形態に係る地熱発電システムの擬臨界温度加熱部23において、低沸点媒体の温度と、比熱との関係を示す図である。図3において、横軸は、温度T(℃)を示し、縦軸は、比熱Cp(定圧比熱)を示している。
図3に示すように、擬臨界温度TEは、比熱Cpが極大値になる温度である。擬臨界温度加熱部23では、この擬臨界温度TEを含んだ所定の温度範囲R(擬臨界温度TE付近)になるように、低沸点媒体M23が熱交換によって加熱される。このため、擬臨界温度加熱部23では、超臨界圧の低沸点媒体は、比熱Cpが大きく、熱容量が大きくなるので、温度が上昇する。そして、擬臨界温度加熱部23では、熱水・蒸気は、飽和温度で一定に保持される。
これに対して、低沸点媒体が超臨界圧より小さい亜臨界圧である場合には、擬臨界温度付近での比熱Cpの挙動(図3参照)のように、比熱Cpが極大値になることがないので、熱容量が大きい状態にならない。このため、亜臨界圧の低沸点媒体を気化(蒸発)させる場合には、熱水・蒸気(ここでは、蒸気)を復水させる場合と同様に、亜臨界圧の低沸点媒体が一定の飽和温度で推移する。したがって、亜臨界圧の低沸点媒体を気化(蒸発)させるためには、熱水・蒸気(ここでは、蒸気)と、亜臨界圧の低沸点媒体との両者のトータルの潜熱量が、ほぼ等しくなる圧力に設計する必要がある。その結果、各部の条件(各部の圧力、低沸点媒体の種類など)について自由度が小さくなる場合がある。
しかし、本実施形態では、上記したように、擬臨界温度加熱部23において、超臨界圧の低沸点媒体M23が、擬臨界温度TEを含んだ所定の温度範囲R(擬臨界温度TEの付近)になるように加熱される。このため、本実施形態においては、低沸点媒体が亜臨界圧の場合のように特定の条件にする必要性が減少し、条件(各部の圧力、低沸点媒体の種類など)の自由度を大きくすることができる。
なお、上記において、「擬臨界温度TEを含んだ所定の温度範囲R」とは、たとえば、下限値が臨界温度TCであって、上限値が、擬臨界温度TEと臨界温度TCとの差分値(TE−TC)を、擬臨界温度TEに対して加算した値に相当する(つまり、TC≦R≦(TE+(TE−TC))(図3参照)。
[C]まとめ
以上のように、本実施形態の地熱発電システムにおいて、加熱部20は、第1の超臨界圧ガス加熱部21と、第2の超臨界圧ガス加熱部22と、擬臨界温度加熱部23と、超臨界圧液加熱部24とを含む。加熱部20では、超臨界圧の低沸点媒体M25A,M24A,M23A,M22Aが加熱された後に、媒体タービン31に作動媒体として供給される。このように、本実施形態では、媒体タービン31の作動媒体が超臨界圧であるので、バイナリサイクルの発電効率を向上させることができる。
本実施形態の加熱部20において、第1の超臨界圧ガス加熱部21は、気液分離部10で分離された熱水F10Bを加熱媒体(第1の加熱媒体)として用いて、第2の超臨界圧ガス加熱部22から供給された低沸点媒体M22Aを加熱する。また、第2の超臨界圧ガス加熱部22は、蒸気タービン11において初段と最終段との間に位置する中段のタービン段落から排出(抽気)された蒸気F11A(抽気蒸気)を加熱媒体(第2の加熱媒体)として用いて、擬臨界温度加熱部23から供給された低沸点媒体M23Aを加熱する。第2の超臨界圧ガス加熱部22では、蒸気F11A(抽気蒸気)が復水するときの潜熱によって低沸点媒体M23Aを加熱し、超臨界圧ガスである低沸点媒体M22を排出する。このため、本実施形態では、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)の熱を効率良く利用して低沸点媒体M23Aを加熱するので、バイナリサイクルの発電効率を向上させることができる。
擬臨界温度加熱部23は、蒸気タービン11において最終段のタービン段落を介して排出された蒸気F11B(排気蒸気)を加熱媒体(第3の加熱媒体)として用いて、超臨界圧液加熱部24から供給された低沸点媒体M24Aを加熱する。擬臨界温度加熱部23では、蒸気F11B(排気蒸気)が復水するときの潜熱によって、擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲に、低沸点媒体M24Aが加熱される。このように、擬臨界温度加熱部23においては、超臨界圧の低沸点媒体M23が擬臨界温度TEの付近に加熱されるので、上記したように、条件(各部の圧力、低沸点媒体の種類など)の自由度を大きくすることが可能である。
超臨界圧液加熱部24は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21と、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22と、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23Aとのそれぞれが合流した熱水(F21+F22+F23A)を、加熱媒体として用いて、ガスクーラ25から供給された低沸点媒体M25Aを加熱する。そして、超臨界圧液加熱部24では、その加熱された超臨界圧液の低沸点媒体M24を排出する。このため、超臨界圧液加熱部24では、効率良く、低沸点媒体M25Aを加熱することができる。その結果、本実施形態では、バイナリサイクルの発電効率を向上させることができる。
本実施形態の地熱発電システムは、ガスクーラ25を有し、ガスクーラ25は、擬臨界温度加熱部23から排出されるガス成分F23Bを加熱媒体として用いて、低沸点媒体M42を加熱する。このため、本実施形態は、ガス成分F23Bの熱を効率良く利用して低沸点媒体M42を加熱するので、バイナリサイクルの発電効率を向上させることができる。
更に、本実施形態においては、媒体タービン31の途中のタービン段落から低沸点媒体M22B,M23B,M24B,M25Bを作動媒体として流入させている。このため、本実施形態においては、媒体タービン31の出口から排気される低沸点媒体M31の過熱度を低減させることができる。その結果、凝縮部41の負荷を低減させることができる。また、媒体タービン31の出口から排気された低沸点媒体M31の湿り度を小さくすることが可能であるので、タービン翼に対して影響を及ぼす、微小な液滴量を減少させることができる。
したがって、本実施形態の地熱発電システムは、上記したように、地熱エネルギーの利用効率を向上することができ、発電量の増加を実現することができる。
<第2実施形態>
[A]構成等
図4は、第2実施形態に係る地熱発電システムを示す系統図である。
図4に示すように、本実施形態の地熱発電システムは、超臨界圧液加熱部24の構成が、第1実施形態の場合と異なる。本実施形態は、上記の点、および、関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記の実施形態と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
[A−1]超臨界圧液加熱部24
超臨界圧液加熱部24は、図4に示すように、第1の超臨界圧液加熱部241と、第2の超臨界圧液加熱部242と、第3の超臨界圧液加熱部243とを含む。超臨界圧液加熱部24では、第3の超臨界圧液加熱部243と第2の超臨界圧液加熱部242と第1の超臨界圧液加熱部241とにおいて、順次、低沸点媒体(M25A,M243A,M242A)を加熱する。
以下より、超臨界圧液加熱部24を構成する各部(第1の超臨界圧液加熱部241,第2の超臨界圧液加熱部242,第3の超臨界圧液加熱部243)について、詳細に説明する。
[A−1−1]第1の超臨界圧液加熱部241(第1の超臨界圧液加熱器)
超臨界圧液加熱部24のうち、第1の超臨界圧液加熱部241は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21が、加熱媒体(第1の加熱媒体)として流入する。
これと共に、第1の超臨界圧液加熱部241は、第2の超臨界圧液加熱部242から排出された低沸点媒体M242の一部242Aが流入する。
そして、第1の超臨界圧液加熱部241では、熱水F21と低沸点媒体M242の一部M242Aとの間において、熱交換が行われる。
第1の超臨界圧液加熱部241においては、熱水F21が、低沸点媒体M242の一部M242Aとの熱交換によって冷却された後に排出される。第1の超臨界圧液加熱部241から排出された熱水F241は、第2の超臨界圧液加熱部242に供給される。
この一方で、第1の超臨界圧液加熱部241においては、低沸点媒体M242の一部M242Aが、熱水F21との熱交換によって加熱された後に排出される。第1の超臨界圧液加熱部241から流出した低沸点媒体M241は、一部M241Aが、擬臨界温度加熱部23に供給され、残りの一部M241Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−1−2]第2の超臨界圧液加熱部242(第2の超臨界圧液加熱器)
超臨界圧液加熱部24のうち、第2の超臨界圧液加熱部242は、第1の超臨界圧液加熱部241から排出された熱水F241と、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22との両者が合流した後に、加熱媒体として供給される。第1の超臨界圧液加熱部241から排出された熱水F241は、減圧弁VF241を介して第2の超臨界圧液加熱部242に流入する。つまり、熱水F10B(第1の加熱媒体)が第1の超臨界圧ガス加熱部21と第1の超臨界圧液加熱部241とを通過し、蒸気F11A(抽気蒸気)(第2の加熱媒体)が第2の超臨界圧ガス加熱部22を通過した後に、両者が合流し、第2の超臨界圧液加熱部242に加熱媒体(第1の加熱媒体+第2の加熱媒体)として流入する。
これと共に、第2の超臨界圧液加熱部242は、第3の超臨界圧液加熱部243から流出した低沸点媒体M243の一部M243Aが供給される。
そして、第2の超臨界圧液加熱部242では、その合流した熱水(F22+F241)と、低沸点媒体M243の一部M243Aとの間において、熱交換が行われる。
第2の超臨界圧液加熱部242においては、熱水(F22+F241)が低沸点媒体M243の一部M243Aとの熱交換によって冷却される。熱水(F22+F241)は、第2の超臨界圧液加熱部242において、熱水F242Aとガス成分F242Bとに分離さる。そして、その分離された熱水F242Aが第3の超臨界圧液加熱部243へ排出される。また、その分離されたガス成分F242Bが、第2の超臨界圧液加熱部242からガスクーラ25へ排出される。
この一方で、第2の超臨界圧液加熱部242においては、低沸点媒体M243の一部M243Aが、熱水(F22+F241)との熱交換によって加熱された後に流出する。第2の超臨界圧液加熱部242から流出した低沸点媒体M242は、一部M242Aが、第1の超臨界圧液加熱部241に供給され、残りの一部M242Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−1−3]第3の超臨界圧液加熱部243(第3の超臨界圧液加熱器)
超臨界圧液加熱部24のうち、第3の超臨界圧液加熱部243は、第2の超臨界圧液加熱部242から排出された熱水F242Aと、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23Aとの両者が合流した後に、加熱媒体として供給される。第2の超臨界圧液加熱部242から排出された熱水F242Aは、減圧弁VF242を介して第3の超臨界圧液加熱部243に流入する。つまり、第2の超臨界圧液加熱部242に加熱媒体(第1の加熱媒体+第2の加熱媒体)として流入した熱水(F22+F241)と、擬臨界温度加熱部23に加熱媒体(第3の加熱媒体)として流入した蒸気F11B(排気蒸気)とのそれぞれが、第2の超臨界圧液加熱部242と擬臨界温度加熱部23とのそれぞれを介して、第3の超臨界圧液加熱部243に流入する。
これと共に、第3の超臨界圧液加熱部243は、ガスクーラ25から低沸点媒体M25の一部M25Aが供給される。
そして、第3の超臨界圧液加熱部243では、その合流した熱水(F23A+F242A)と、低沸点媒体M25の一部M25Aとの間において、熱交換が行われる。
第3の超臨界圧液加熱部243においては、熱水(F23A+F242A)が、低沸点媒体M25の一部M25Aとの熱交換によって冷却される。その後、第3の超臨界圧液加熱部243から熱水F243が還元井(図示省略)へ還元される。
この一方で、第3の超臨界圧液加熱部243においては、低沸点媒体M25の一部M25Aが、熱水(F23A+F242A)との熱交換によって加熱された後に流出する。第3の超臨界圧液加熱部243から流出した低沸点媒体M243は、一部M243Aが、第2の超臨界圧液加熱部242に供給され、残りの一部M243Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−2]ガスクーラ25
ガスクーラ25は、第2の超臨界圧液加熱部242から排出されたガス成分F242Bと、擬臨界温度加熱部23から排出されたガス成分F23Bとの両者が合流した後に、供給される。つまり、第2の超臨界圧液加熱部242に加熱媒体(第1の加熱媒体+第2の加熱媒体)として流入した熱水(F22+F241)から分離されたガス成分F242Bと、擬臨界温度加熱部23に加熱媒体(第3の加熱媒体)として流入した蒸気F11B(排気蒸気)から分離されたガス成分F23Bとが合流した後に、ガスクーラ25に流入する。
これと共に、ガスクーラ25は、超臨界圧媒体ポンプ42から低沸点媒体M42が冷媒として供給される。
そして、ガスクーラ25では、その合流したガス成分(F23B+F242B)と、低沸点媒体M42との間において、熱交換が行われる。
ガスクーラ25においては、ガス成分(F23B+F242B)の一部が低沸点媒体M42との熱交換によって冷却されて凝縮し、熱水F25Aとして、還元井(図示省略)へ排出される。また、ガス成分(F23B+F242B)のうち、熱水F25Aが分離された不凝縮ガスF25Bが、ガスクーラ25から外部へ排出される。
この一方で、ガスクーラ25においては、低沸点媒体M42がガス成分(F23B+F242B)との熱交換によって加熱された後に排出される。ガスクーラ25から排出された低沸点媒体M25は、一部M25Aが、第3の超臨界圧液加熱部243に供給され、残りの一部M25Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−3]媒体タービン31
媒体タービン31においては、第1の超臨界圧ガス加熱部21で加熱された低沸点媒体M21が、初段のタービン段落(第1のタービン段落)から流入する。
第2の超臨界圧ガス加熱部22で加熱された低沸点媒体M22の残りの一部M22Bは、媒体タービン31において、初段のタービン段落(第1のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第2のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
擬臨界温度加熱部23で加熱された低沸点媒体M23は、擬臨界温度加熱部23から排出された後には分岐せずに、第2の超臨界圧ガス加熱部22に全てが流入する。このため、上記の実施形態と異なり、擬臨界温度加熱部23で加熱された低沸点媒体M23は、直接的には媒体タービン31に作動媒体として供給されず、全てが第2の超臨界圧ガス加熱部22を介して間接的に作動媒体として供給される。
第1の超臨界圧液加熱部241で加熱された低沸点媒体M241の一部M241B、及び、第2の超臨界圧液加熱部242で加熱された低沸点媒体M242の一部M242Bは、互いに合流した後に、媒体タービン31に作動媒体として供給される。ここでは、その合流した低沸点媒体(M241B+M242B)は、第2の超臨界圧ガス加熱部22で加熱された低沸点媒体M22の残りの一部M22Bが流入するタービン段落(第2のタービン段落)よりも、下流に位置するタービン段落(第3のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
第3の超臨界圧液加熱部243で加熱された低沸点媒体M243の一部M243B、及び、ガスクーラ25で加熱された低沸点媒体M25の一部M25Bは、互いに合流した後に、媒体タービン31に作動媒体として供給される。ここでは、その合流した低沸点媒体(M243B+M25B)は、他の合流した低沸点媒体(M241B+M242B)が流入するタービン段落(第3のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第4のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
[B]まとめ
本実施形態の地熱発電システムにおいて、加熱部20は、第1実施形態と同様に、第1の超臨界圧ガス加熱部21と、第2の超臨界圧ガス加熱部22と、擬臨界温度加熱部23と、超臨界圧液加熱部24とを含む。このため、第1実施形態の場合と同様に、地熱エネルギーの利用効率を向上することができ、発電量の増加を実現することができる。
また、本実施形態の地熱発電システムでは、上記のように、超臨界圧液加熱部24は、第1の超臨界圧液加熱部241と、第2の超臨界圧液加熱部242と、第3の超臨界圧液加熱部243とを含む。ここでは、第1の超臨界圧液加熱部241は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から供給された熱水F21を加熱媒体として用いて、第2の超臨界圧液加熱部242から供給された低沸点媒体M242Aを加熱する。また、第2の超臨界圧液加熱部242は、第1の超臨界圧液加熱部241から排出された熱水F241と、第2の超臨界圧ガス加熱部22から排出された熱水F22との両者が合流した熱水(F22+F241)を加熱媒体として用いて、第3の超臨界圧液加熱部243から供給された低沸点媒体M243Aを加熱する。さらに、第3の超臨界圧液加熱部243は、第2の超臨界圧液加熱部242から排出された熱水F242Aと、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23Aとの両者が合流した熱水(F23A+F242A)を加熱媒体として用いて、ガスクーラ25から供給された低沸点媒体M25Aを加熱する。このため、超臨界圧液加熱部24では、第1の超臨界圧液加熱部241と、第2の超臨界圧液加熱部242と、第3の超臨界圧液加熱部243のそれぞれにおいて、効率良く、低沸点媒体を加熱することができる。その結果、本実施形態では、バイナリサイクルの発電効率を更に向上させることができる。
<第3実施形態>
[A]構成等
図5は、第3実施形態に係る地熱発電システムを示す系統図である。
図5に示すように、本実施形態の地熱発電システムは、加熱部20の構成が、第1実施形態の場合と異なる。本実施形態は、上記の点、および、関連する点を除き、第1実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記の実施形態と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
[A−1]加熱部20
加熱部20は、第1実施形態の場合と同様に、第1の超臨界圧ガス加熱部21(超臨界圧ガス加熱部)と擬臨界温度加熱部23と、超臨界圧液加熱部24とを含むが、第1実施形態の場合と異なり、第2の超臨界圧ガス加熱部22については設けられていない。このため、本実施形態の加熱部20では、超臨界圧液加熱部24と擬臨界温度加熱部23と第1の超臨界圧ガス加熱部21とにおいて、順次、熱交換が行われ、低沸点媒体(M25A,M242A,M241A,M23A)が加熱される。
加熱部20を構成する各部について、詳細に説明する。
[A−1−1]第1の超臨界圧ガス加熱部21
加熱部20のうち、第1の超臨界圧ガス加熱部21は、気液分離部10で分離された熱水F10Bが加熱媒体(第1の加熱媒体)として流入する。
これと共に、第1の超臨界圧ガス加熱部21は、擬臨界温度加熱部23で加熱された低沸点媒体M23の一部M23Aが流入する。
そして、第1の超臨界圧ガス加熱部21では、熱水F10Bと低沸点媒体M23の一部M23Aとの間において、熱交換が行われる。
第1の超臨界圧ガス加熱部21においては、熱水F10Bが、低沸点媒体M23の一部M23Aとの熱交換によって冷却される。そして、第1の超臨界圧ガス加熱部21から、熱水F21が排出される。
この一方で、第1の超臨界圧ガス加熱部21においては、低沸点媒体M23の一部M23Aが、熱水F10Bとの熱交換によって加熱される。そして、第1の超臨界圧ガス加熱部21から、その加熱された低沸点媒体M21が流出する。
[A−1−2]擬臨界温度加熱部23
加熱部20のうち、擬臨界温度加熱部23は、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)が、加熱媒体(第2の加熱媒体)として流入する。
これと共に、擬臨界温度加熱部23は、超臨界圧液加熱部24で加熱された低沸点媒体M241の一部M241Aが流入する。
そして、擬臨界温度加熱部23では、蒸気F11A(抽気蒸気)と低沸点媒体M241の一部M241Aとの間において、熱交換が行われる。
擬臨界温度加熱部23では、蒸気F11A(抽気蒸気)が、低沸点媒体M241の一部M241Aとの熱交換によって冷却される。そして、擬臨界温度加熱部23から、熱水F23が排出される。
この一方で、擬臨界温度加熱部23においては、低沸点媒体M241の一部M241Aが、蒸気F11A(抽気蒸気)との熱交換によって加熱される。ここでは、低沸点媒体M241の一部M241Aは、蒸気F11A(抽気蒸気)が復水(凝縮)されるときの潜熱によって、擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲になるように加熱される。その後、擬臨界温度加熱部23から、その加熱された低沸点媒体M23が流出する。擬臨界温度加熱部23から供給された低沸点媒体M23は、一部M23Aが、第1の超臨界圧ガス加熱部21に供給され、残りの一部M23Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−1−3]超臨界圧液加熱部24
加熱部20のうち、超臨界圧液加熱部24は、第1の超臨界圧液加熱部241と、第2の超臨界圧液加熱部242とを含む。超臨界圧液加熱部24では、第2の超臨界圧液加熱部242と第1の超臨界圧液加熱部241とにおいて、順次、低沸点媒体(M25A,M242A)を加熱する。
[A−1−3−1]第1の超臨界圧液加熱部241
超臨界圧液加熱部24において、第1の超臨界圧液加熱部241は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21と、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23とが合流した後に、加熱媒体として、供給される。つまり、熱水F10B(第1の加熱媒体)と蒸気F11A(抽気蒸気)(第2の加熱媒体)とのそれぞれが、第1の超臨界圧ガス加熱部21と擬臨界温度加熱部23とのそれぞれを介して、合流した後に、第1の超臨界圧液加熱部241に加熱媒体(第1の加熱媒体+第2の加熱媒体)として流入する。
これと共に、第1の超臨界圧液加熱部241は、第2の超臨界圧液加熱部242で加熱された低沸点媒体M242の一部M242Aが供給される。
そして、第1の超臨界圧液加熱部241では、その合流した熱水(F21+F23)と、その低沸点媒体M242の一部M242Aとの間において熱交換が行われる。
第1の超臨界圧液加熱部241では、熱水(F21+F23)が、低沸点媒体M242の一部M242Aとの熱交換によって冷却される。そして、第1の超臨界圧液加熱部241から、熱水F241が還元井(図示省略)に還元される。
この一方で、第1の超臨界圧液加熱部241においては、低沸点媒体M242の一部M242Aが、熱水(F21+F23)との熱交換によって加熱されて流出する。第1の超臨界圧液加熱部241から流出した低沸点媒体M241は、一部M241Aが、擬臨界温度加熱部23に供給され、残りの一部M241Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−1−3−2]第2の超臨界圧液加熱部242
超臨界圧液加熱部24において、第2の超臨界圧液加熱部242は、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)が、加熱媒体(第3の加熱媒体)として供給される。
これと共に、第2の超臨界圧液加熱部242は、ガスクーラ25から流出した低沸点媒体M25の一部M25Aが供給される。
そして、第2の超臨界圧液加熱部242では、蒸気F11B(排気蒸気)と低沸点媒体M25の一部M25Aとの間において、熱交換が行われる。
第2の超臨界圧液加熱部242においては、蒸気F11B(排気蒸気)が、低沸点媒体M25の一部M25Aとの熱交換によって冷却される。また、蒸気F11B(排気蒸気)は、第2の超臨界圧液加熱部242において、熱水F242Aとガス成分F242Bとに分離される。そして、その分離された熱水F242Aが、還元井(図示省略)に還元される。また、熱水F242Aが分離されたガス成分F242Bが、第2の超臨界圧液加熱部242からガスクーラ25へ排出される。
この一方で、第2の超臨界圧液加熱部242においては、低沸点媒体M25の一部M25Aが、蒸気F11B(排気蒸気)との熱交換によって加熱された後に流出する。第2の超臨界圧液加熱部242から流出した低沸点媒体M242は、一部M242Aが、第1の超臨界圧液加熱部241に供給され、残りの一部M242Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−2]ガスクーラ25
ガスクーラ25は、第2の超臨界圧液加熱部242から排出されたガス成分F242Bが供給される。
これと共に、ガスクーラ25は、超臨界圧媒体ポンプ42から低沸点媒体M42が、冷媒として供給される。
そして、ガスクーラ25では、ガス成分F242Bと低沸点媒体M42との間において、熱交換が行われる。
ガスクーラ25においては、ガス成分F242Bの一部が低沸点媒体M42との熱交換によって冷却されて凝縮し、熱水F25Aとして還元井(図示省略)へ排出される。また、ガス成分F242Bのうち、熱水F25Aが分離された不凝縮ガスF25Bが、ガスクーラ25から外部へ排出される。不凝縮ガスF25Bは、ポンプ251を介して排出される。
この一方で、ガスクーラ25においては、低沸点媒体M42がガス成分F242Bとの熱交換によって加熱された後に流出する。ガスクーラ25から流出した低沸点媒体M25は、一部M25Aが、第2の超臨界圧液加熱部242に供給され、残りの一部M25Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−3]媒体タービン31
媒体タービン31においては、第1の超臨界圧ガス加熱部21で加熱された低沸点媒体M21が、初段のタービン段落(第1のタービン段落)から流入する。
擬臨界温度加熱部23で加熱された低沸点媒体M23の残りの一部M23B、及び、第1の超臨界圧液加熱部241で加熱された低沸点媒体M241の一部M241Bは、互いに合流した後に、弁VM23を介して、媒体タービン31に作動媒体として供給される。ここでは、両者が合流した低沸点媒体(M23B+M241B)は、初段のタービン段落(第1のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第2のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
第2の超臨界圧液加熱部242で加熱された低沸点媒体M242の一部M242Bは、合流した低沸点媒体(M23B+M241B)が流入するタービン段落(第2のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第3のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
ガスクーラ25で加熱された低沸点媒体M25の一部M25Bは、第2の超臨界圧液加熱部242で加熱された低沸点媒体M242の一部M242Bが流入するタービン段落(第3のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第4のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
[B]まとめ
本実施形態の地熱発電システムにおいて、加熱部20は、第1の超臨界圧ガス加熱部21(超臨界圧ガス加熱部)と、擬臨界温度加熱部23と、超臨界圧液加熱部24とを含む。加熱部20では、超臨界圧の低沸点媒体(M25A,M242A,M241A,M23A)を加熱した後に、媒体タービン31に作動媒体として供給する。このように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、媒体タービン31の作動媒体が超臨界圧であるので、バイナリサイクルの発電効率を向上させることができる。
本実施形態の擬臨界温度加熱部23では、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11(抽気蒸気)を加熱媒体(第2の加熱媒体)として用いて、超臨界圧液加熱部24から排出された低沸点媒体M241Aを加熱している。ここでは、蒸気F11A(抽気蒸気)が復水されるときの潜熱によって、低沸点媒体M241Aが擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲になるように加熱される。このため、本実施形態では、蒸気タービン11から抽気された蒸気F11A(抽気蒸気)の熱を効率良く利用して低沸点媒体M241Aを擬臨界温度付近に加熱するので、バイナリサイクルの発電効率を向上させることができる。
また、本実施形態の地熱発電システムでは、上記のように、超臨界圧液加熱部24は、第1の超臨界圧液加熱部241と、第2の超臨界圧液加熱部242とを含む。ここでは、第1の超臨界圧液加熱部241は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から供給された熱水F21と、擬臨界温度加熱部23から供給された熱水F23とが合流した熱水(F21+F23)を加熱媒体として用いて、第2の超臨界圧液加熱部242から供給された低沸点媒体M242の一部M242Aを加熱する。また、第2の超臨界圧液加熱部242は、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)を加熱媒体として用いて、ガスクーラ25から排出された低沸点媒体M25の一部M25Aを加熱する。このため、超臨界圧液加熱部24では、第1の超臨界圧液加熱部241と、第2の超臨界圧液加熱部242とのそれぞれにおいて、効率良く、低沸点媒体を加熱することができる。その結果、本実施形態では、バイナリサイクルの発電効率を更に向上させることができる。
<第4実施形態>
[A]構成等
図6は、第4実施形態に係る地熱発電システムを示す系統図である。
図6に示すように、本実施形態の地熱発電システムは、超臨界圧液加熱部24とガスクーラ25と凝縮部41との関係が、第3実施形態の場合と異なる。本実施形態は、上記の点、および、関連する点を除き、第3実施形態の場合と同様である。このため、本実施形態において、上記の実施形態と重複する個所については、適宜、説明を省略する。
[A−1]超臨界圧液加熱部24
[A−1−1]第1の超臨界圧液加熱部241
超臨界圧液加熱部24において、第1の超臨界圧液加熱部241は、第1の超臨界圧ガス加熱部21から排出された熱水F21と、擬臨界温度加熱部23から排出された熱水F23とが合流した後に、供給される。つまり、熱水F10B(第1の加熱媒体)と蒸気F11A(抽気蒸気)(第2の加熱媒体)とのそれぞれが、第1の超臨界圧ガス加熱部21と擬臨界温度加熱部23とのそれぞれを介して合流後に、第1の超臨界圧液加熱部241に加熱媒体(第1の加熱媒体+第2の加熱媒体)として流入する。
これと共に、第1の超臨界圧液加熱部241は、第2の超臨界圧液加熱部242で加熱された低沸点媒体M242が供給される。
そして、第1の超臨界圧液加熱部241では、その合流した熱水(F21+F23)と、その低沸点媒体M242との間において熱交換が行われる。
第1の超臨界圧液加熱部241では、熱水(F21+F23)が、低沸点媒体M242との熱交換によって冷却される。また、熱水(F21+F23)は、第1の超臨界圧液加熱部241において、熱水F241Aとガス成分F241Bとに分離される。そして、その分離された熱水F241Aが、還元井(図示省略)に還元される。また、その分離されたガス成分F241Bが、第1の超臨界圧液加熱部241からガスクーラ25へ排出される。
この一方で、第1の超臨界圧液加熱部241においては、低沸点媒体M242が、熱水(F21+F23)との熱交換によって加熱されて排出される。第1の超臨界圧液加熱部241から排出された低沸点媒体M241は、一部M241Aが、擬臨界温度加熱部23に供給され、残りの一部M241Bが、媒体タービン31に作動媒体として供給される。
[A−1−2]第2の超臨界圧液加熱部242
超臨界圧液加熱部24において、第2の超臨界圧液加熱部242は、蒸気タービン11から排気された蒸気F11B(排気蒸気)が、加熱媒体(第3の加熱媒体)として供給される。これと共に、第2の超臨界圧液加熱部242は、超臨界圧媒体ポンプ42から供給された低沸点媒体M42の一部M42Aが供給される。
そして、第2の超臨界圧液加熱部242では、蒸気F11B(排気蒸気)と、低沸点媒体M42の一部M42Aとの間において、熱交換が行われる。
第2の超臨界圧液加熱部242においては、蒸気F11B(排気蒸気)が、低沸点媒体M42の一部M42Aとの熱交換によって冷却される。また、蒸気F11B(排気蒸気)は、第2の超臨界圧液加熱部242において、熱水F242Aとガス成分F242Bとに分離される。そして、その分離された熱水F242Aが、還元井(図示省略)に還元される。また、その分離されたガス成分F242Bが、第2の超臨界圧液加熱部242からガスクーラ25へ排出される。
この一方で、第2の超臨界圧液加熱部242においては、低沸点媒体M42の一部M42Aが、蒸気F11B(排気蒸気)との熱交換によって加熱されて排出される。第2の超臨界圧液加熱部242から排出された低沸点媒体M242は、第1の超臨界圧液加熱部241に供給される。
[A−2]ガスクーラ25
ガスクーラ25は、第1の超臨界圧液加熱部241から排出されたガス成分F241Bと、第2の超臨界圧液加熱部242から排出されたガス成分F242Bとが合流した後に、供給される。つまり、第1の超臨界圧液加熱部241に加熱媒体(第1の加熱媒体+第2の加熱媒体)として流入した熱水(F21+F23)から分離されたガス成分F241Bと、第2の超臨界圧液加熱部242に加熱媒体(第3の加熱媒体)として流入した蒸気F11B(排気蒸気)から分離されたガス成分F242Bとが合流した後に、ガスクーラ25に流入する。
これと共に、ガスクーラ25は、凝縮部41から排出された冷却水f41が、冷媒として供給される。つまり、媒体タービン31から排気された低沸点媒体M31を凝縮するときに用いた冷却水f41が、ガスクーラ25に流入する。
そして、ガスクーラ25では、その合流したガス成分(F241B+F242B)と冷却水f41との間において、熱交換が行われる。
ガスクーラ25においては、ガス成分(F241B+F242B)の一部が冷却水f41との熱交換によって冷却されて凝縮し、熱水F25Aとして還元井(図示省略)へ排出される。また、ガス成分(F241B+F242B)のうち、熱水F25Aが分離された不凝縮ガスF25Bが、ガスクーラ25から外部へ排出される。不凝縮ガスF25Bは、ポンプ251を介して排出される。
この一方で、ガスクーラ25においては、冷却水f41がガス成分(F241B+F242B)との熱交換によって加熱された後に排出される。ガスクーラ25から排出された冷却水f25は、還元井(図示省略)に還元される。
[A−3]媒体タービン31
媒体タービン31においては、第1の超臨界圧ガス加熱部21で加熱された低沸点媒体M21が、初段のタービン段落(第1のタービン段落)から流入する。
擬臨界温度加熱部23で加熱された低沸点媒体M23の残りの一部M23Bは、弁VM23を介して、媒体タービン31に作動媒体として供給される。ここでは、その低沸点媒体M23の一部M23Bは、初段のタービン段落(第1のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第2のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
第1の超臨界圧液加熱部241で加熱された低沸点媒体M241の一部M241Bは、弁VM24を介して、媒体タービン31に作動媒体として供給される。ここでは、その低沸点媒体M241の一部M241Bは、第1の超臨界圧液加熱部241で加熱された低沸点媒体M241の一部M241Bが流入するタービン段落(第2のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第3のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
超臨界圧媒体ポンプ42から流出した低沸点媒体M42の一部M42Bは、弁VM42を介して、媒体タービン31に作動媒体として供給される。ここでは、その低沸点媒体M42の一部M42Bは、第1の超臨界圧液加熱部241で加熱された低沸点媒体M241の一部M241Bが流入するタービン段落(第3のタービン段落)よりも下流に位置するタービン段落(第4のタービン段落)から媒体タービン31に流入する。
[B]まとめ
本実施形態の地熱発電システムにおいて、加熱部20は、第1の超臨界圧ガス加熱部21(超臨界圧ガス加熱部)と、擬臨界温度加熱部23と、超臨界圧液加熱部24とを含む。加熱部20では、超臨界圧の低沸点媒体(M25A,M242A,M241A,M23A)を加熱した後に、媒体タービン31に作動媒体として供給する。このように、本実施形態では、第3実施形態と同様に、媒体タービン31の作動媒体が超臨界圧であるので、バイナリサイクルの発電効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、ガスクーラ25は、凝縮部41から排出された冷却水f41を冷媒として用いて、ガス成分(F241B+F242B)を冷却する。このため、本実施形態においては、蒸気タービン11の背圧を低くすることができる。その結果、本実施形態では、バイナリサイクルの発電効率を更に向上させることができる。
<その他>
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…気液分離部、11…蒸気タービン、12…発電機、20…加熱部、21…第1の超臨界圧ガス加熱部、22…第2の超臨界圧ガス加熱部、23…擬臨界温度加熱部、24…超臨界圧液加熱部、25…ガスクーラ、31…媒体タービン、32…発電機、41…凝縮部、42…超臨界圧媒体ポンプ、50…冷却水供給部、51…冷却水ポンプ、52…冷却器、53…冷却ファン、241…第1の超臨界圧液加熱部、242…第2の超臨界圧液加熱部、243…第3の超臨界圧液加熱部

Claims (13)

  1. 生産井から供給される地熱流体を蒸気と熱水とに分離する、気液分離部と、
    前記気液分離部によって分離された蒸気が作動媒体として供給される、蒸気タービンと、
    前記気液分離部によって分離された熱水および前記蒸気タービンから排出された蒸気を用いて、水よりも沸点が低い超臨界圧の低沸点媒体を加熱する、加熱部と、
    前記加熱部によって加熱された超臨界圧の低沸点媒体が作動媒体として供給される、媒体タービンと
    を備え、
    前記加熱部は、第1の超臨界圧ガス加熱部と第2の超臨界圧ガス加熱部と擬臨界温度加熱部と超臨界圧液加熱部とを含み、前記超臨界圧液加熱部と前記擬臨界温度加熱部と前記第2の超臨界圧ガス加熱部と前記第1の超臨界圧ガス加熱部とにおいて、順次、前記低沸点媒体を加熱し、
    前記第1の超臨界圧ガス加熱部では、前記気液分離部で分離された熱水が第1の加熱媒体として供給されると共に、前記第2の超臨界圧ガス加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体が供給され、当該第1の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われた後に、当該低沸点媒体が超臨界圧ガスとして前記媒体タービンに供給され、
    前記第2の超臨界圧ガス加熱部では、前記蒸気タービンにおいて初段と最終段との間に位置する中段のタービン段落から抽気された蒸気が第2の加熱媒体として供給されると共に、前記擬臨界温度加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体が供給され、当該第2の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われた後に、当該低沸点媒体が超臨界圧ガスとして前記第1の超臨界圧ガス加熱部に供給され、
    前記擬臨界温度加熱部では、前記蒸気タービンにおいて最終段のタービン段落を介して排気された蒸気が第3の加熱媒体として供給されると共に、前記超臨界圧液加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体が供給され、当該第3の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われることによって、当該第3の加熱媒体が復水された後に前記超臨界圧液加熱部に排出され、当該低沸点媒体が擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲になるように加熱された後に前記第2の超臨界圧ガス加熱部に供給されることを特徴とする、
    地熱発電システム。
  2. 前記超臨界圧液加熱部では、前記第1の超臨界圧ガス加熱部で熱交換が行われた第1の加熱媒体と、前記第2の超臨界圧ガス加熱部で熱交換が行われた第2の加熱媒体と、前記擬臨界温度加熱部で熱交換が行われた第3の加熱媒体とのそれぞれが供給されると共に、前記媒体タービンから排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された低沸点媒体が供給され、当該第1の加熱媒体と当該第2の加熱媒体と当該第3の加熱媒体とが合流した加熱媒体と、当該低沸点媒体との間において熱交換が行われ、
    当該超臨界圧液加熱部において熱交換が行われた低沸点媒体は、前記超臨界圧液加熱部から前記擬臨界温度加熱部に超臨界圧液として供給される、
    請求項1に記載の地熱発電システム。
  3. 前記擬臨界温度加熱部で熱交換が行われた第3の加熱媒体のガス成分が供給されると共に、前記媒体タービンから排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された低沸点媒体が供給され、当該ガス成分と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われる、ガスクーラ
    を備え、
    前記ガスクーラにおいて熱交換がされた低沸点媒体は、前記ガスクーラから前記超臨界圧液加熱部に供給される、
    請求項1または2に記載の地熱発電システム。
  4. 前記第1の超臨界圧ガス加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体は、前記媒体タービンにおいて第1のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記第2の超臨界圧ガス加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部、及び、前記擬臨界温度加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、互いに合流した後に、前記媒体タービンにおいて前記第1のタービン段落よりも下流に位置する第2のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、前記媒体タービンにおいて前記第2のタービン段落よりも下流に位置する第3のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記ガスクーラで熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、前記媒体タービンにおいて前記第3のタービン段落よりも下流に位置する第4のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給される、
    請求項3に記載の地熱発電システム。
  5. 前記超臨界圧液加熱部は、第1の超臨界圧液加熱部と、第2の超臨界圧液加熱部と、第3の超臨界圧液加熱部とを含み、前記第3の超臨界圧液加熱部と前記第2の超臨界圧液加熱部と前記第1の超臨界圧液加熱部とにおいて、順次、前記低沸点媒体を加熱し、
    前記第1の超臨界圧液加熱部では、前記第1の超臨界圧ガス加熱部で熱交換がされた第1の加熱媒体が供給されると共に、前記第2の超臨界圧液加熱部で加熱された低沸点媒体が供給され、当該第1の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われ、
    前記第2の超臨界圧液加熱部では、前記第1の超臨界圧液加熱部で熱交換がされた第1の加熱媒体と、前記第2の超臨界圧ガス加熱部で熱交換がされた第2の加熱媒体とのそれぞれが供給されると共に、前記第3の超臨界圧液加熱部で加熱された低沸点媒体が供給され、当該第1の加熱媒体と当該第2の加熱媒体とが合流した加熱媒体と、当該低沸点媒体との間において熱交換が行われ、
    前記第3の超臨界圧液加熱部では、前記第2の超臨界圧液加熱部において第1の加熱媒体と第2の加熱媒体とが合流された後に熱交換が行われた加熱媒体と、前記擬臨界温度加熱部で熱交換がされた第3の加熱媒体とのそれぞれが供給されると共に、前記媒体タービンから排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された低沸点媒体が供給され、当該第1の加熱媒体と当該第2の加熱媒体と当該第3の加熱媒体とが合流した加熱媒体と、当該低沸点媒体との間において熱交換が行われる、
    請求項1に記載の地熱発電システム。
  6. 前記擬臨界温度加熱部において第3の加熱媒体から分離されたガス成分と、前記第2の超臨界圧液加熱部において、前記第1の加熱媒体と前記第2の加熱媒体とが合流した加熱媒体から分離されたガス成分とが合流して供給されると共に、前記媒体タービンから排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された低沸点媒体が供給され、当該ガス成分と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われる、ガスクーラ
    を備え、
    前記ガスクーラにおいて熱交換がされた低沸点媒体は、前記ガスクーラから前記第3の超臨界圧液加熱部に供給される、
    請求項5に記載の地熱発電システム。
  7. 前記第1の超臨界圧ガス加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体は、前記媒体タービンにおいて第1のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記第2の超臨界圧ガス加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、前記媒体タービンにおいて前記第1のタービン段落よりも下流に位置する第2のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記第1の超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部、及び、前記第2の超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、互いに合流した後に、前記媒体タービンにおいて前記第2のタービン段落よりも下流に位置する第3のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記第3の超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部、及び、前記ガスクーラで熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、互いに合流した後に、前記媒体タービンにおいて前記第3のタービン段落よりも下流に位置する第4のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給される、
    請求項6に記載の地熱発電システム。
  8. 生産井から供給される地熱流体を蒸気と熱水とに分離する、気液分離部と、
    前記気液分離部によって分離された蒸気が作動媒体として供給される、蒸気タービンと、
    前記気液分離部によって分離された熱水および前記蒸気タービンから排出された蒸気を用いて、水よりも沸点が低い超臨界圧の低沸点媒体を加熱する、加熱部と、
    前記加熱部によって加熱された超臨界圧の低沸点媒体が作動媒体として供給される、媒体タービンと
    を備え、
    前記加熱部は、超臨界圧ガス加熱部と擬臨界温度加熱部と超臨界圧液加熱部とを含み、前記超臨界圧液加熱部と前記擬臨界温度加熱部と前記超臨界圧ガス加熱部とにおいて、順次、前記低沸点媒体を加熱し、
    前記超臨界圧ガス加熱部では、前記気液分離部で分離された熱水が第1の加熱媒体として供給されると共に、前記擬臨界温度加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体が供給され、当該第1の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われた後に、当該低沸点媒体が超臨界圧ガスとして前記媒体タービンに供給され、
    前記擬臨界温度加熱部では、前記蒸気タービンにおいて初段と最終段との間に位置する中段のタービン段落を介して抽気された蒸気が第2の加熱媒体として供給されると共に、前記超臨界圧液加熱部で加熱された超臨界圧の低沸点媒体が供給され、当該第2の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われることによって、当該第2の加熱媒体が復水された後に前記超臨界圧液加熱部に排出され、当該低沸点媒体が擬臨界温度を含んだ所定の温度範囲になるように加熱された後に前記超臨界圧ガス加熱部に供給される、
    地熱発電システム。
  9. 前記超臨界圧液加熱部は、第1の超臨界圧液加熱部と、第2の超臨界圧液加熱部とを含み、前記第2の超臨界圧液加熱部と前記第1の超臨界圧液加熱部とにおいて、順次、前記低沸点媒体を加熱し、
    前記第1の超臨界圧液加熱部では、前記超臨界圧ガス加熱部で熱交換がされた第1の加熱媒体と、前記擬臨界温度加熱部で熱交換がされた第2の加熱媒体とが供給されると共に、前記第2の超臨界圧液加熱部で加熱された低沸点媒体が供給され、当該第1の加熱媒体と当該第2の加熱媒体とが合流した加熱媒体と、当該低沸点媒体との間において熱交換が行われ、
    前記第2の超臨界圧液加熱部では、前記蒸気タービンにおいて最終段のタービン段落を介して排気された蒸気が第3の加熱媒体として供給されると共に、前記媒体タービンから排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された低沸点媒体が供給され、当該第3の加熱媒体と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われる、
    請求項8に記載の地熱発電システム。
  10. 前記第2の超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた第3の加熱媒体のガス成分が供給されると共に、前記媒体タービンから排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された低沸点媒体が供給され、当該ガス成分と当該低沸点媒体との間において熱交換が行われる、ガスクーラ
    を備え、
    前記ガスクーラにおいて熱交換がされた低沸点媒体は、前記ガスクーラから前記第2の超臨界圧液加熱部に供給される、
    請求項9に記載の地熱発電システム。
  11. 前記超臨界圧ガス加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体は、前記媒体タービンにおいて第1のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記擬臨界温度加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部、及び、前記第1の超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、互いに合流した後に、前記媒体タービンにおいて前記第1のタービン段落よりも下流に位置する第2のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記第2の超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、前記媒体タービンにおいて前記第2のタービン段落よりも下流に位置する第3のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記ガスクーラで熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、前記媒体タービンにおいて前記第3のタービン段落よりも下流に位置する第4のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給される、
    請求項10に記載の地熱発電システム。
  12. 前記第1の超臨界圧液加熱部において第1の加熱媒体と第2の加熱媒体とが合流後に熱交換が行われた加熱媒体のガス成分と、前記第2の超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた第3の加熱媒体のガス成分とのそれぞれが合流して供給されると共に、前記媒体タービンから排出された低沸点媒体を凝縮するときに用いた冷媒が供給され、当該合流したガス成分と、当該冷媒との間において熱交換が行われる、ガスクーラ
    を備える、
    請求項9に記載の地熱発電システム。
  13. 前記超臨界圧ガス加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体は、前記媒体タービンにおいて第1のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記擬臨界温度加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、前記媒体タービンにおいて前記第1のタービン段落よりも下流に位置する第2のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記第1の超臨界圧液加熱部で熱交換が行われた低沸点媒体の一部は、前記媒体タービンにおいて前記第2のタービン段落よりも下流に位置する第3のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給され、
    前記媒体タービンから排出され凝縮された後に超臨界圧に昇圧された低沸点媒体の一部は、前記媒体タービンにおいて前記第3のタービン段落よりも下流に位置する第4のタービン段落を介して流れるように、前記媒体タービンに供給される、
    請求項12に記載の地熱発電システム。
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