JP2014226974A - 伸展バネを用いたスペースデブリ除去デバイス固定装置、並びに、これを備えるスペースデブリ除去デバイス - Google Patents

伸展バネを用いたスペースデブリ除去デバイス固定装置、並びに、これを備えるスペースデブリ除去デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】 低コストかつ簡素な構成で、スペースデブリにスペースデブリ除去デバイスを固定することが可能な、デバイス固定装置およびこれを備えるスペースデブリ除去デバイスを提供する。【解決手段】 スペースデブリ除去デバイス固定装置10は、少なくとも伸展バネ13で構成される伸展部11と、この伸展部11の前端に取り付けられ、放射状に配置された複数本の伸展バネ13を備える係合部12と、これら伸展バネ13を収納状態で保持し、その保持を解除することにより収納状態から突出状態に復帰させるバネ状態切換部と、を備えている。伸展部11の伸展バネ13が伸展することにより、スペースデブリのPAFの開口内に係合部12を挿入し、その後に、係合部12の伸展バネ13が伸展することにより、PAF内に係合部12が係合される。【選択図】 図1

Description

本発明は、スペースデブリ除去デバイスをスペースデブリに固定するためのデバイス固定装置、並びに、このデバイス固定装置を備えるスペースデブリ除去デバイスに関する。特に、スペースデブリがPAF(Payload Attach Fitting)を有する場合に、このPAFに対してスペースデブリ除去デバイスを容易に固定することが可能なスペースデブリ除去デバイス固定装置と、これを備えるスペースデブリ除去デバイスとに関する。
スペースデブリは年々増加の一途をたどっており、宇宙利用や宇宙開発に大きな影響を及ぼしつつある。そこで、現存するスペースデブリを積極的に除去するためにさまざまな技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、地球磁場との電磁気的な相互作用によってスペースデブリを軌道変更させる力を得る導電性のテザー(EDT)を備える、スペースデブリ軌道変換用テザー装置が開示されている。このテザー装置は、スペースデブリ除去作業を行う作業衛星に設けられ、テザーを伸展可能に保持するテザー機構、スペースデブリの構造部分を把持可能な捕獲機構、並びに、作業衛星が備えるロボットアームに結合・分離可能な取っ手等を備えている。
作業衛星のロボットアームによってテザー装置がスペースデブリの捕獲部位に近接させられると、テザー装置は、捕獲機構によって捕獲部位を把持し、その後にテザーを伸展する。さらにその後、テザー装置は、取っ手をロボットアームから分離する。これにより、テザー装置は、作業衛星から分離されるので、スペースデブリとともに対象軌道から投棄されることになる。
特許第3809524号公報
特許文献1に開示の技術では、作業衛星が備えるロボットアームによって、テザー装置をスペースデブリの捕獲部位に近傍させる必要があるため、ロボットアームは、高度の位置制御や動作制御が必要となる。また、テザー装置の捕獲機構は、構造部分を把持するために開閉可能な指および指駆動部を備える構成となっているため、捕獲機構の構造は非常に複雑なものとなる。それゆえ、特許文献1に開示の技術では、テザー装置もこれを搭載する作業衛星もその構成が複雑になり、かつ、重量増加も招くおそれがある。そのため、特許文献1に開示の方法では、スペースデブリの除去が可能であっても、高コストな方法となり、技術的難度も高いものになってしまう。
言い換えれば、テザー装置等のスペースデブリ除去デバイスをスペースデブリに固定する際に、簡素かつ軽量化可能な手法を採用することができれば、低コストでスペースデブリを除去することが可能になる。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、低コストかつ簡素な構成で、スペースデブリにスペースデブリ除去デバイスを固定することが可能な、デバイス固定装置およびこれを備えるスペースデブリ除去デバイスを提供することを目的とする。
本発明に係るスペースデブリ除去デバイス固定装置は、前記の課題を解決するために、PAF(Payload Attach Fitting)を有するスペースデブリに対して、スペースデブリ除去デバイスを固定するデバイス固定装置であって、前記スペースデブリ除去デバイスに取り付けられ、前方向に伸展する伸展部と、当該伸展部の前端に取り付けられ、当該伸展部が伸展していないときには、その全体が前記PAFの開口よりも小さく、当該伸展部が伸展して前記PAFの開口内に挿入された後には、当該開口よりも広がって当該PAF内に係合するよう構成される、係合部と、を備え、前記伸展部および前記係合部には、中空で棒状の突出状態から当該突出状態よりも短い収納状態に移行可能な弾性体である、伸展バネが用いられ、前記伸展部は、少なくとも前記伸展バネで構成され、当該伸展バネの前端に前記係合部が取り付けられ、前記係合部は、突出状態では、前記PAFの開口の半径よりも長い棒状となる複数本の前記伸展バネと、これら伸展バネを放射状に配置した状態で、前記伸展部となる前記伸展バネの前端に固定する伸展バネ固定部材と、を備え、さらに、前記伸展部および前記係合部に用いられる前記伸展バネを収納状態で保持し、その保持を解除することにより収納状態から突出状態に復帰させる、バネ状態切換部と、を備えている構成である。
前記構成によれば、伸展部および係合部がいずれも伸展バネを備えており、これら伸展バネは、バネ状態切換部により収納状態で保持されている。それゆえ、バネ状態切換部が収納状態の保持を順次解除するだけで、伸展バネが突出状態に移行(復帰)できるので、伸展部であれば、伸展バネを容易に伸展させてPAFの開口内に係合部を挿入することができ、また、係合部であれば、伸展バネを伸展させて係合部をPAF内に係合させることができる。これにより、低コストかつ簡素な構成で、スペースデブリにスペースデブリ除去デバイスを固定することが可能となる。
前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置においては、前記伸展部が備える前記伸展バネを前方伸展バネとし、前記係合部が備える伸展バネを放射伸展バネとしたときに、前記バネ状態切換部は、前記前方伸展バネを、突出状態から収納状態となるように前端側から押さえ付けて保持するとともに、その押さえ付けを解除することにより、当該前方伸展バネを収納状態から突出状態に復帰させる、伸展部バネ状態切換部と、4本の前記放射伸展バネを、突出状態から基端側に引き付けて収納状態となるように保持するとともに、その引き付けを解除することにより、これら放射伸展バネを収納状態から突出状態に復帰させる、係合部バネ状態切換部と、から構成されてもよい。
また、前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置においては、前記伸展部バネ状態切換部は、前記前方伸展バネを、少なくとも後端側で支持するバネ支持部と、前記係合部の前方に設けられる蓋部材と、当該蓋部材を前記バネ支持部に対して解除可能に固定することで、前記前方伸展バネを、前記係合部とともに押さえ付けた状態で保持する、蓋部材固定部と、を備えている構成であってもよい。
また、前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置においては、前記放射伸展バネは、当該放射伸展バネの伸展を抑止して収納状態に保持する伸展抑止部材を備え、当該伸展抑止部材は、その一端が前記放射伸展バネの中空の内径よりも大きく、その本体が前記放射伸展バネの中空内に挿入可能な外径を有し、かつ、収納状態の前記放射伸展バネよりも長い柱状であり、前記係合部バネ状態切換部は、それぞれの前記放射伸展バネの中空内に挿入された前記伸展抑止部材の他端を、当該放射伸展バネの基端から露出させた状態で、まとめて解除可能に固定することにより、各放射伸展バネを収納状態に保持する構成であってもよい。
また、前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置においては、前記スペースデブリ除去デバイスは、巻き取られた状態のEDT(ElectroDynamic Tether)を備え、前記バネ支持部の前方には前記前方伸展バネが支持されるとともに、その後方には、前記EDTの一端が接続され、前記伸展部バネ状態切換部は、前記前方伸展バネおよび前記放射伸展バネがいずれも突出状態となった後に、巻き取られた状態の前記EDTを繰り出すために、前記伸展部および前記係合部とともに前記バネ支持部を切り離す、バネ支持部切離し部を、さらに備えている構成であってもよい。
また、前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置においては、前記バネ状態切換部は、その内部に前記伸展部バネ状態切換部および前記係合部バネ状態切換部の一部を収容可能とする筐体状であって、後端側で前記スペースデブリ除去デバイスに直接取り付けられているとともに、前端側で前記バネ支持部を切り離し可能に取り付けている、バネ状態切換本体部を備えており、前記バネ支持部切離し部は、前記バネ支持部の一部に設けられるバネ支持部めねじ部と、当該バネ支持部めねじ部に螺合するおねじ部と、前記バネ状態切換本体部内に設けられ、前記おねじ部を回転させるおねじ部回転駆動部と、を備えており、前記おねじ部の回転により当該おねじ部が前記バネ支持部めねじ部から外れることにより、前記バネ支持部が前記バネ状態切換本体部から切り離される構成であってもよい。
また、前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置においては、前記バネ支持部切離し部の前記おねじ部は、前記前方伸展バネに平行な状態で前記バネ支持部を貫通するように配置され、前記蓋部材の後面には、前記おねじ部の前端が螺合する蓋部材めねじ部が設けられ、前記おねじ部、前記おねじ部回転駆動部、および前記蓋部材めねじ部により前記蓋部材固定部が構成され、前記おねじ部が前記蓋部材めねじ部に螺合した状態で、前記前方伸展バネが、前記蓋部材により前記係合部とともに押さえ付けられた状態で保持され、前記おねじ部回転駆動部により前記おねじ部が回転して当該おねじ部が前記蓋部材めねじ部から外れることにより、前記蓋部材による前記前方伸展バネを押さえ付けた状態が解除される構成であってもよい。
また、前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置においては、前記放射伸展バネが前記伸展抑止部材を備えている構成である場合、前記係合部バネ状態切換部は、前記伸展抑止部材の他端を固定する抑止部材固定部材と、前記前方伸展バネの中空内に入る大きさを有し、当該前方伸展バネの前端から露出した位置で、前記抑止部材固定部材に係合または連結状態にあり、前記前方伸展バネの中空内に引き込む方向に移動することにより前記抑止部材固定部材を固定位置から解除位置に切り換える、固定解除部材と、前記前方伸展バネの中空内を貫通するように設けられ、一端が前記固定解除部材に接続される線状部材と、当該線状部材の他端に接続され、当該線状部材を巻き取ることにより、前記固定解除部材を前記前方伸展バネの中空内に引き込む方向に移動させる、線状部材巻取部と、を備え、前記線状部材巻取部は、前記バネ状態切換本体部内に設けられている構成であってもよい。
また、前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置においては、前記蓋部材固定部により、前記蓋部材が前記バネ支持部に固定された状態から解除されて、前記前方伸展バネが収納状態から伸長を開始すれば、前記線状部材巻取部は、前記前方伸展バネの伸長の程度に応じて、中空内の前記線状部材を繰り出し、前記前方伸展バネが突出状態に移行した後に、前記線状部材の巻き取りを開始する構成であってもよい。
また、本発明には、前記構成のスペースデブリ除去デバイス固定装置を備えるスペースデブリ除去デバイスも含まれる。
前記構成のスペースデブリ除去デバイスにおいては、スペースデブリ除去衛星に取り付けられている構成であってもよい。
また、前記構成のスペースデブリ除去デバイスにおいては、前記スペースデブリ除去デバイス固定装置が、前記バネ状態切換部として、前記伸展部バネ状態切換部を備えており、当該伸展部バネ状態切換部が、前記バネ支持部、前記バネ状態切換本体部、および前記バネ支持部切離し部を備えている場合には、前記スペースデブリ除去デバイス固定装置が、前記伸展部および前記係合部とともに前記バネ支持部を切り離した後に、前記デブリ除去衛星から分離するよう構成されてもよい。
本発明では、以上の構成により、低コストかつ簡素な構成で、スペースデブリにスペースデブリ除去デバイスを固定することが可能な、デバイス固定装置およびこれを備えるスペースデブリ除去デバイスを提供することができる、という効果を奏する。
本発明の実施の形態に係るスペースデブリ除去デバイス固定装置およびこれを備えるスペースデブリ除去デバイスの概略構成の一例を示す模式図である。 図1に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置が備える伸展部および係合部の代表的な構成の一例を示す模式図である。 図2に示す伸展部および係合部が備える伸展バネが収納状態から突出状態に移行したときの構成の一例を、スペースデブリ除去デバイスがスペースデブリに係合固定した状態とともに示す模式図である。 図1または図3に示すスペースデブリ除去デバイスを備えたスペースデブリ除去衛星が、スペースデブリに接近する過程の一例を示す模式図である。 図1または図3に示すスペースデブリ除去デバイスを備えたスペースデブリ除去衛星が、スペースデブリに接近する過程の他の例を示す模式図である。 図1および図3に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置による、係合部のPAFへの係合までの動作を示す模式図である。 図6に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態を詳細に説明する図であって、その初期状態を示す模式図である。 図6に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態の詳細に説明する図であって、蓋部材を分離した状態を示す模式図である。 図6に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態の詳細に説明する図であって、伸展部が伸展した状態を示す模式図である。 図6に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態の詳細に説明する図であって、係合部が備える伸展バネの収納状態を解除する状態を示す模式図である。 図6に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態の詳細に説明する図であって、係合部が備える伸展バネが突出状態に移行した状態を示す模式図である。 図6に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置によってスペースデブリ除去デバイスがスペースデブリに固定された後に、EDTが繰り出される動作を示す模式図である。 図12に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態の詳細に説明する図であって、EDTの繰出し過程を示す模式図である。 図12に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態の詳細に説明する図であって、図13に続くEDTの繰出し過程を示す模式図である。 図12に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態の詳細に説明する図であって、図14に続くEDTの繰出し過程を示す模式図である。 図12に示すスペースデブリ除去デバイス固定装置の動作状態の詳細に説明する図であって、図15に続くEDTの繰出し過程を示す模式図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
[スペースデブリ除去デバイス固定装置の構成例]
まず、本実施の形態に係るスペースデブリ除去デバイス固定装置の代表的な構成例について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。
図1に示すように、本発明に係るスペースデブリ除去デバイス固定装置10は、伸展部11、係合部12、バネ状態切換部15および16を備えており、図2に示すように、伸展部11および係合部12には、伸展バネ13が用いられている。また、スペースデブリ除去デバイス固定装置10は、スペースデブリ除去デバイス20の前方に取り付けられており、このスペースデブリ除去デバイス20は、その後方がスペースデブリ除去衛星30に取り付けられている。スペースデブリ除去デバイス20内には、EDT(ElectroDynamic Tether)21がEDT用リール22に巻き取られた状態で設けられている。
このスペースデブリ除去デバイス固定装置10は、図3に示すように、PAF(Payload Attach Fitting)101を有するスペースデブリ100に対して、スペースデブリ除去デバイス20を固定(あるいは把持)するために用いられる。PAF101は、人工衛星をロケットに固定するための機械的インターフェースであって、図3に示すように、開口102を有する略円錐形である。スペースデブリ100がロケットの一部等であれば、本体である構造体103がPAF101を備えている構成となっている。
なお、以下の説明では、便宜上、スペースデブリ除去デバイス固定装置10を「デバイス固定装置10」と略記し、スペースデブリ除去デバイス20を「除去デバイス20」と略記し、スペースデブリ除去衛星30を「除去衛星30」と略記する。また、図1に示すように、除去衛星30、除去デバイス20、およびデバイス固定装置10は、この順で連結しているが、本実施の形態では、除去衛星30側を後方とし、デバイス固定装置10側を前方とする。
伸展部11および係合部12に用いられる伸展バネ13は、基本的に同様の構成であって、外力を加えることにより突出状態から収納状態に移行可能な弾性体である。突出状態では、例えば、図3に示すような棒状であって、収納状態では、例えば、図2に示すように、棒状の突出状態よりも短くなっている。突出状態にある伸展バネ13の前端を外力によって後端側に押さえ込むことにより、伸展した部分が内部に収納されて収納状態となる。
なお、説明の便宜上、伸展部11が備える伸展バネ13については、除去デバイス20の前方に伸展することから「前方伸展バネ13A」と称する。また、係合部12が備える伸展バネ13については、伸展部11(前方伸展バネ13A)の前端において四方に放射状に広がるように伸展することから「放射伸展バネ13B」と称する。さらに、放射伸展バネ13Bは、デバイス固定装置10の前端において放射状に伸展することから、説明の便宜上、当該放射伸展バネ13Bの伸展側の端部(一端)を「伸展端」と称し、非伸展側の端部(他端)を「基端」と称する。
また、伸展バネ13の具体的な構成は特に限定されず、本実施の形態では、例えば、弾性を有する金属板を円錐状に巻き回したタケノコバネ(volute spring)状の構成が採用される。また、伸展バネ13は、前方伸展バネ13Aであっても放射伸展バネ13Bであっても、基本的に内部は中空であるが、本実施の形態では、放射伸展バネ13Bは、図2に示すように、中空内に挿入される伸展抑止部材131を備えているので、収納状態では中空ではない。ただし、突出状態となれば、伸展抑止部材131が挿入されている位置は伸展端近傍のみとなるので、大部分が中空となっている。
伸展部11は、図1に示すように、除去デバイス20の前方に取り付けられ、当該除去デバイス20の前方向に伸展する。伸展部11は、図1および図2に示すように、本発明では少なくとも1本の前方伸展バネ13Aで構成されている。
係合部12は、図1に示すように、伸展部11となる前方伸展バネ13Aの前端に取り付けられており、本発明では、図2に示すように、4本の放射伸展バネ13Bと、これら放射伸展バネ13Bを放射状に配置した状態で、前方伸展バネ13Aの前端に固定する伸展バネ固定部材14と、を備えている。後述するように、係合部12は、伸展部11の伸展によりPAF101の開口102(図3参照)からPAF101内に挿入される。
係合部12は、伸展部11が伸展していないとき(前方伸展バネ13Aが収納状態にあるとき)には、その全体がPAF101の開口102よりも小さくなるように構成されている。また、係合部12は、伸展部11が伸展することにより(前方伸展バネ13Aが突出状態になることにより)PAF101の開口102内に挿入された後には、図3に示すように、放射伸展バネ13Bが収納状態から突出状態に移行する。これにより、係合部12は、開口102よりも広がって当該PAF101内に係合する。
したがって、係合部12に用いられる4本の放射伸展バネ13Bは、収納状態かつ放射状に配置された状態では、開口102の開口102の直径よりも小さく、突出状態では、開口102の半径よりも長い棒状となる。
なお、本実施の形態では、4本の放射伸展バネ13Bは、互いに90°の角度となるように、伸展バネ固定部材14により前方伸展バネ13Aの前端に固定されている。しかしながら、放射伸展バネ13Bの配置はこれに限定されず、それぞれの放射伸展バネ13B同士の角度が等角度とならない配置であってもよい。また、伸展バネ固定部材14は、図2に示す例では、4本の放射伸展バネ13Bを前面で固定する板状部材となっているが、伸展バネ固定部材14の構成は、板状部材に限定されず、複数の放射伸展バネ13Bを放射状に配置できるような公知の支持部材あるいは枠体等であればよい。
バネ状態切換部は、伸展部11および係合部12に用いられる伸展バネ13を収納状態で保持し、その保持を解除することにより収納状態から突出状態に復帰させる構成である。本実施の形態では、バネ状態切換部は、伸展部11となる前方伸展バネ13Aを収納状態から突出状態に復帰させる伸展部バネ状態切換部15と、係合部12に用いられる放射伸展バネ13Bを収納状態から突出状態に復帰させる係合部バネ状態切換部16との2つで構成されている。
また、伸展部バネ状態切換部15および係合部バネ状態切換部16の一部は、筐体状のバネ状態切換本体部17内に収容されている。したがって、本実施の形態では、伸展部バネ状態切換部15および係合部バネ状態切換部16、並びにバネ状態切換本体部17により「バネ状態切換部」が構成されている、と見なすことができる。なお、バネ状態切換本体部17は、その後端側にスペースデブリ除去デバイス20に直接取り付けられているとともに、前端側には、伸展部バネ状態切換部15の一部(後述するバネ支持部151等)を切り離し可能に取り付けられている。
[伸展部バネ状態切換部の構成例]
次に、伸展部バネ状態切換部15の具体的な構成について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。
伸展部バネ状態切換部15は、伸展部11となる前方伸展バネ13Aを、突出状態から収納状態となるように前端側から押さえ付けて保持するとともに、その押さえ付けを解除することにより、当該前方伸展バネ13Aを収納状態から突出状態に復帰(移行)させる構成である。本実施の形態では、図1に示すように、伸展部バネ状態切換部15は、バネ支持部151、蓋部材152、バネ支持部めねじ部153、蓋部材めねじ部154、おねじ部155、おねじ部回転駆動部156、および切離しガイド部材157を備えている。
バネ支持部151は、その前方で、前方伸展バネ13Aを、少なくとも後端側で支持するものであり、本実施の形態では、筐体状に構成されている。具体的には、バネ支持部151の前方が開口となり後方が略平坦な底面部となり周囲が壁面部となっており、底面部の前面で前方伸展バネ13Aの後端を支持している。したがって、前方伸展バネ13Aは、バネ支持部151の内部に収容された状態で、その後端が支持されていることになる。また、前方伸展バネ13Aの前端には係合部12が設けられており、この係合部12もバネ支持部151の開口内に収容されている。したがって、伸展部11だけでなく係合部12もバネ支持部151内に収容されていることになる。
バネ支持部151の前方には蓋部材152が設けられている。バネ支持部151の前方は開口となっているので、蓋部材152はバネ支持部151の開口を閉止することになる。なお、本実施の形態では、蓋部材152は、係合部12の前方に取り付けられているので、係合部12と蓋部材152とは実質的に一体化している。
伸展部11(前方伸展バネ13A)が伸展せずに収納状態にあるときには、蓋部材152はバネ支持部151に対して解除可能に固定されている。このとき、蓋部材152は、バネ支持部151内に収容されている前方伸展バネ13Aを、係合部12とともに押さえ付けた状態で保持していることになる。したがって、蓋部材152の固定が解除されると、前方伸展バネ13Aは収納状態から突出状態に復帰することになる。
蓋部材152には、蓋部材めねじ部154が設けられており、この蓋部材めねじ部154には、おねじ部155の前端が螺合している。おねじ部155は、表面にねじ山が形成された棒状構造であり、蓋部材めねじ部154は、おねじ部155が挿入可能な穴を有している。この穴は、図1に示す例では、底を有する穴(貫通孔ではない「底付き穴」)であり、蓋部材152の後面(バネ支持部151の内部に相対する面、内側面)に向かって位置している。底付き穴の内周には、おねじ部155に螺合するねじ山が形成されている。
棒状構造のおねじ部155の前端は、前記の通り蓋部材めねじ部154に螺合可能となっているが、その後端がおねじ部回転駆動部156に連結されている。おねじ部回転駆動部156は、バネ状態切換本体部17内に設けられているので、おねじ部155は、バネ状態切換本体部17からバネ支持部151を貫通して蓋部材152に達するように、前後方向に配置されている。したがって、おねじ部155は、前方伸展バネ13Aに対して平行となる位置関係でバネ支持部151内を貫通するように設けられている。おねじ部回転駆動部156は、例えば公知のシーケンス制御のモータ(必要に応じて変速用のギヤ機構等)で構成されていればよい。
バネ支持部151の底面部には、おねじ部155に螺合するバネ支持部めねじ部153が設けられている。バネ支持部めねじ部153は、おねじ部155を貫通可能とする貫通孔を有しており、その内部におねじ部155に螺合するねじ山が形成されている。なお、本実施の形態では、おねじ部155は、バネ支持部151を貫通して蓋部材152に達しているので、バネ支持部めねじ部153および蓋部材めねじ部154は、前方または後方から投影した位置が同じとなるような位置関係にある。また、バネ支持部めねじ部153に形成されているねじ山と蓋部材めねじ部154に形成されているねじ山とは、同じピッチとなっている。
切離しガイド部材157は、おねじ部155に対して平行となる位置に設けられている棒状部材である。図1に示す例では、おねじ部155が、伸展部11から見て図中下方に位置しているが、切離しガイド部材157は、伸展部11から見て図中上方に位置しており、これらが互いに平行の位置関係にある。切離しガイド部材157の一端は、蓋部材152の後面に設けられているガイド部材挿入孔152aに挿入されており、切離しガイド部材157の他端は、バネ状態切換本体部17の底面部に固定されている。
また、バネ支持部151には、ガイド部材貫通孔151aが設けられており、切離しガイド部材157は、このガイド部材貫通孔151aを介してバネ支持部151の底面部を貫通している。なお、バネ支持部151に設けられているガイド部材貫通孔151aも蓋部材152に設けられているガイド部材挿入孔152aも、いずれも内部にねじ山等は形成されておらず、棒状の切離しガイド部材157が挿入可能な内径を有する貫通孔または底付き穴となっている。
なお、伸展バネ固定部材14が図2に示すような板状部材である場合には、図1に示すように、バネ支持部151と蓋部材152との間に、板状の伸展バネ固定部材14が位置することになる。それゆえ、図1および図2には図示しないが、隣接する放射伸展バネ13Bの間に、後述するおねじ部155を貫通させる貫通孔、もしくは、切離しガイド部材157を貫通させる貫通孔が形成されてもよい。
バネ状態切換本体部17は、図1に示すように、バネ支持部151と同様に筐体状に構成されており、このバネ状態切換本体部17の前方にバネ支持部151が着脱可能に固定されている。また、バネ状態切換本体部17の底面部にはEDT繰出し孔17aが設けられている。このEDT繰出し孔17aは、バネ状態切換本体部17および除去デバイス20を貫通する貫通孔として形成されている。
除去デバイス20内のEDT21は、その大部分がEDT用リール22により巻き取られているが、EDT21の一端は、EDT用リール22から繰り出されてEDT繰出し孔17aを介してバネ状態切換本体部17内に達し、さらに、バネ状態切換本体部17の前方の開口に取り付けられているバネ支持部151の後面に接続されている。したがって、バネ支持部151の底面部の前面には、前方伸展バネ13Aの後端が支持されているが、底面部の後面には、EDT21の一端が接続されていることになる。
ここで、蓋部材めねじ部154、おねじ部155およびおねじ部回転駆動部156は、蓋部材152をバネ支持部151に対して解除可能に固定することで、前方伸展バネ13Aを係合部12とともに押さえ付けた状態で保持する「蓋部材固定部」を構成している。つまり、おねじ部155が蓋部材めねじ部154に螺合した状態では、前方伸展バネ13Aは、蓋部材152により係合部12とともに押さえ付けられた状態で保持されているが、おねじ部回転駆動部156によりおねじ部155が回転することで、当該おねじ部155が蓋部材めねじ部154から外れると、蓋部材152による前方伸展バネ13Aを押さえ付けた状態が解除される。
これにより、前方伸展バネ13Aの前端は、前方に延伸して突出状態となるので、前方伸展バネ13Aの前端に設けられている係合部12は、デバイス固定装置10(バネ支持部151およびバネ状態切換本体部17)から見て前方に移動する。それゆえ、除去衛星30により除去デバイス20およびデバイス固定装置10を、スペースデブリ100のPAF101に面する位置に移動させて、蓋部材152の固定を解除することによって、PAF101の開口102内に係合部12を挿入することができる。この点については、デバイス固定装置10の動作とともに後述する。
また、バネ支持部めねじ部153、おねじ部155およびおねじ部回転駆動部156は、伸展部11および係合部12とともにバネ支持部151を切り離す「バネ支持部切離し部」を構成している。図3に示すように、前方伸展バネ13Aおよび放射伸展バネ13Bがいずれも突出状態となって、PAF101の開口102内に係合された後には、後述するように、除去デバイス20内から巻き取られた状態のEDT21を繰り出す必要がある。
そこで、おねじ部回転駆動部156によりおねじ部155が回転して、当該おねじ部155がバネ支持部めねじ部153から外れることにより、バネ支持部151が、伸展部11および係合部12とともにバネ状態切換本体部17から切り離される。バネ支持部151にはEDT21の一端が接続されているので、バネ支持部151が切り離されることによって、EDT21は除去デバイス20内から繰出し可能な状態となる。
なお、伸展部バネ状態切換部15が備える、バネ支持部151、蓋部材152、バネ支持部めねじ部153、蓋部材めねじ部154、おねじ部155、おねじ部回転駆動部156、および切離しガイド部157の具体的な構成は特に限定されず、公知の種々の構成を好適に用いることができる。また、伸展部バネ状態切換部15は、バネ支持部151、蓋部材152、バネ支持部めねじ部153、蓋部材めねじ部154、おねじ部155、おねじ部回転駆動部156、および切離しガイド部157以外の構成を備えてもよい。さらに、前方伸展バネ13Aも、バネ本体以外の公知の構成を備えてもよい。
[係合部バネ状態切換部の構成例]
次に、係合部バネ状態切換部16の具体的な構成について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。
係合部バネ状態切換部16は、4本の放射伸展バネ13Bを、突出状態から基端側に引き付けて収納状態となるように保持するとともに、その引き付けを解除することにより、これら放射伸展バネ13Bを収納状態から突出状態に復帰させる構成である。本実施の形態では、図1および図2に示すように、係合部バネ状態切換部16は、抑止部材固定部材161、固定解除部材162、線状部材163、および線状部材巻取部164を備えており、放射伸展バネ13Bは、伸展抑止部材131を備えている。
伸展抑止部材131は、図2に示すように、その一端である頭部131aが放射伸展バネ13Bの中空の内径よりも大きく、その本体131bが放射伸展バネ13Bの中空内に挿入可能な外径を有し、かつ、収納状態の放射伸展バネ13Bよりも長い柱状となっている。言い換えれば、伸展抑止部材131はピン状部材であって、その頭部131aが本体131bよりも大きな頭部であり、本体131bが放射伸展バネ13B内に挿入可能な柱状となっている。
放射伸展バネ13Bが収納状態であれば、伸展抑止部材131の他端である固定端131cが放射伸展バネ13Bの基端から露出している。この固定端131cには、例えば段差部131dが設けられており、この段差部131dに抑止部材固定部材161が係合することにより、放射伸展バネ13Bの伸展が抑止(阻害)され収納状態に保持される。つまり、放射伸展バネ13Bは、その前方が伸展可能となっているが、伸展抑止部材131の固定端131cが抑止部材固定部材161により固定されていることにより、放射伸展バネ13Bの伸展端が基端側に引き付けられた状態で保持される。
これにより、放射伸展バネ13Bは、収納状態に保持され、かつ、抑止部材固定部材161による固定端131cの固定が解除されれば、速やかに突出状態に復帰する。抑止部材固定部材161は、本実施の形態ではラッチ部材であるので、固定端131cの段差部131dに係合することで、当該固定端131cを解除可能に固定している。なお、伸展抑止部材131は、放射伸展バネ13Bの伸展端に固定されることにより、当該放射伸展バネ13Bの一部として一体化されればよいが、放射伸展バネ13Bとは独立した部材(別体)として構成されてもよい。
また、抑止部材固定部材161による固定端131cの固定状態は、固定解除部材162によって解除される。なお、図1および図2等では、便宜上、固定解除部材162は黒く塗りつぶして図示している。本実施の形態では、4個のラッチ部材(抑止部材固定部材161)それぞれが、4本の放射伸展バネ13Bのそれぞれが備える伸展抑止部材131の固定端131cに係合することにより、当該放射伸展バネ13Bを収納状態に保持している。これら4個の抑止部材固定部材161は、固定端131cに係合している状態では固定位置にあるが、本実施の形態では、1個のピン状の固定解除部材162により、4個の抑止部材固定部材161を固定位置から解除位置に切り換えることで、固定端131cの固定状態を一斉に解除することができる。
本実施の形態では、固定解除部材162は、前方伸展バネ13Aの中空内に入る大きさを有し、当該前方伸展バネ13Aの前端から露出した位置で、抑止部材固定部材161に係合状態または連結状態にある。また、固定解除部材162には、ワイヤ等で構成される線状部材163の一端が接続されている。この線状部材163は、前方伸展バネ13Aの中空内を貫通するように設けられており、他端が線状部材巻取部164に接続されている。
線状部材巻取部164は、バネ状態切換本体部17内に設けられ、線状部材163を巻き取ったり繰り出したりする機構であって、例えば、シーケンス制御される公知のモータと当該モータで回転するリールとから構成されている。
本実施の形態では、線状部材巻取部164は、蓋部材152がバネ支持部151に固定された状態から解除されて、前方伸展バネ13Aが収納状態から伸長を開始すれば、前方伸展バネ13Aの伸長の程度に応じて、中空内の線状部材163を繰り出す。また、前方伸展バネ13Aが突出状態に移行した後には、線状部材巻取部164は、線状部材163の巻き取りを開始する。
線状部材163は固定解除部材162に接続されているので、線状部材163を巻き取ることにより、固定解除部材162を後方(つまり、前方伸展バネ13Aの中空内に引き込む方向)に移動させることができる。これにより、単一の固定解除部材162と4個の抑止部材固定部材161(ラッチ部材)との係合状態または連結状体が解除されるので、抑止部材固定部材161の位置が、固定位置から解除位置に切り換えられる。
また、線状部材巻取部164は、前方伸展バネ13Aの伸展に伴って、その張力を保持しながら線状部材163を繰り出すことによって、4個の抑止部材固定部材161に対する固定解除部材162の相対的な位置を保持することができる。それゆえ、固定解除部材162による抑止部材固定部材161の位置の切り換えは、前方伸展バネ13Aの伸展中ではなく伸展完了後(つまり収納状態から突出状態に移行した後)のタイミングで実施することができる。
なお、放射伸展バネ13Bが備える伸展抑止部材131、係合部バネ状態切換部16が備える、抑止部材固定部材161、固定解除部材162、線状部材163、および線状部材巻取部164の具体的な構成は特に限定されず、公知の種々の構成を好適に用いることができる。また、放射伸展バネ13Bは、バネ本体および伸展抑止部材131以外に他の構成を備えてもよいし、係合部バネ状態切換部16は、抑止部材固定部材161、固定解除部材162、線状部材163、および線状部材巻取部164以外の構成を備えてもよい。
[スペースデブリ除去デバイスおよびスペースデブリ除去衛星の構成例]
次に、スペースデブリ除去デバイス20の構成例について、図1および図3に加えて、図4および図5を参照して具体的に説明する。
本実施の形態に係る除去デバイス20は、図1に示すように、前述したデバイス固定装置10を備えており、さらに前述した通り、EDT用リール22に巻き取られたEDT21を備えている。また、本実施の形態では、除去デバイス20は、除去衛星30に取り付けられている。
EDT21は、導電性を有するテザーであり、デバイス固定装置10がスペースデブリ100のPAF101に係合することで、当該スペースデブリ100に固定される。スペースデブリ100が地球を周回する軌道上を進行するに伴ってEDT21が地球磁場中を移動すると、当該EDT21に誘導起電力およびローレンツ力が生じる。その結果、スペースデブリ100に対しては、その進行方向とは逆方向に推進力が生じるので、当該スペースデブリ100の推進速度を低減させることができる。推進速度が低減すれば、スペースデブリ100の高度も徐々に低下するので、最終的にスペースデブリ100は軌道上から離脱して大気圏に突入することになる。
また、本実施の形態では、デバイス固定装置10が、伸展部11および係合部12とともにバネ支持部151を切り離した後には、除去デバイス20は、除去衛星30から分離するよう構成されている。したがって、図1には具体的に図示していないが、除去デバイス20と除去衛星30との間には、公知の分離結合機構が設けられていればよい。さらに、バネ支持部151が切り離されたことを検知可能とする公知のセンサ等が設けられてもよい。
なお、本実施の形態の除去デバイス20は、EDT21を備える構成に限定されず、公知の他の構成であってもよい。例えば、公知のスラスタを備える構成を挙げることができる。このようなスラスタを備える除去デバイス20は、デバイス固定装置10に直接連結されてもよいが、EDT21のようなテザーを介してデバイス固定装置10に連結されてもよい。
また、本実施の形態では、図1および図3に示すように除去デバイス20については、模式的に図示して概略的な説明に留めているが、除去デバイス20の構成はこれに限定されず、EDT21およびEDT用リール22、並びに分離結合機構以外の公知の構成を備えていればよい。
本実施の形態では、除去デバイス20を備えた除去衛星30は、スペースデブリ100に対して相対位置計測を実施しながら接近する。この接近方法は具体的に限定されないが、代表的な一例としては、遠距離域、中距離域、近距離域および固定域(あるいは把持域)に順次接近し、その後に固定動作(あるいは把持動作)を行う方法が挙げられる。
まず、除去衛星30は、例えば200〜300mの範囲内の遠距離域において、除去対象となるスペースデブリ100を同定して分析する。次に、除去衛星30は、同定したスペースデブリ100から見て例えば30m付近の中距離域に移動して相対的な位置の調整を行い、さらに、例えば約8m程度の近距離域に移動して相対的な位置の調整を行う。そして、最終的に、その前方(すなわち除去デバイス20およびデバイス固定装置10の位置)がスペースデブリ100のPAF101に面するように、伸展部11の伸展長さに応じた固定域(例えば1.5m前後)に移動する。
除去衛星30は、固定域に到達すれば、デバイス固定装置10は固定動作を開始する。まず、デバイス固定装置10の伸展部11(前方伸展バネ13A)が伸展し、PAF101の開口102内に係合部12が挿入される。その後、係合部12の放射伸展バネ13Bが伸展することにより、係合部12がPAF101内に係合固定される。その後、除去デバイス20からEDT21が繰り出されるとともに、除去衛星30が除去デバイス20から分離することになる。
ここで、除去衛星30は、軌道上を周回するスペースデブリ100の状態に応じて、当該スペースデブリ100のPAF101に接近する。PAF101を有するスペースデブリ100、例えば、ロケットの2段部等は、軌道上で回転しながら周回している状態と、軌道上で揺動しながら周回している状態とが想定される。なお、揺動状態では、スペースデブリ100は、重力傾斜安定により長手方向を地心方向に向けて揺動していると推定される。
例えば、図4に示すように、スペースデブリ100が、その本体である構造体103の長手方向の中央部を中心として揺動していれば、除去衛星30は、中距離域から近距離域への移動時に、側方から長手方向に回り込み、近距離域から固定域への移動時にスペースデブリ100のPAF101に接近する。また、図5に示すように、スペースデブリ100が構造体103を中心に回転していれば、除去衛星30は、中距離域から近距離域への移動時に、回転軌道の接線方向から接近し、さらに、近距離域から固定域への移動時には、スペースデブリ100のPAF101の回転移動に合わせて移動しながら接近する。
なお、除去デバイス20が取り付けられる除去衛星30については、図1、図3、図4および図5では、いずれも模式的に図示しているが、これら図示は除去衛星30の具体的構成を示すものではなく、本発明に係る除去デバイス20(およびデバイス固定装置10)が、公知の様々な除去衛星30に適用可能であることを意味する。さらに、デバイス固定装置10を備える除去デバイス20は、除去衛星30ではなく、公知の他の宇宙航行体に設けられてもよい。
[スペースデブリ除去デバイス固定装置の動作]
次に、本実施の形態に係るデバイス固定装置10の動作の代表的な一例について、図1〜図5に加えて、図6〜図16を参照して具体的に説明する。
まず、図4または図5に示すように、除去衛星30がスペースデブリ100に対して固定域まで接近し、図6上に示すように、前方のデバイス固定装置10がスペースデブリ100のPAF101に対向する。このとき、デバイス固定装置10は、図7に示す初期状態にある。この初期状態は、図1に示す状態と同じであり、蓋部材152が、バネ支持部151の前方の開口を閉止する形でバネ支持部151に固定されている。そのため、伸展部11となる前方伸展バネ13Aは、蓋部材152により前方から押さえ付けられて、収納状態に保持されている。また、図7の拡大図に示すように、係合部12では、伸展抑止部材131の固定端131cの段差部131dが抑止部材固定部材161に係合されることによって、放射伸展バネ13Bが収納状態に保持されている。
次に、デバイス固定装置10は、図8に示すように、おねじ部回転駆動部156がおねじ部155を回転させる。このとき、前述したように、バネ支持部めねじ部153および蓋部材めねじ部154には、同じピッチのねじ山が形成されているため、バネ状態切換本体部17から見て、蓋部材152とバネ支持部151とは、同じだけ前方に移動する。これによって、おねじ部155の前端が、蓋部材152の蓋部材めねじ部154に螺合している状態から抜け出るが、図8バネ支持部151のバネ支持部めねじ部153にはおねじ部155が螺合した状態のままである。
ここで、移動前の蓋部材152では、その後面に設けられているガイド部材挿入孔152aには、切離しガイド部材157の前端が挿入しており、移動前のバネ支持部151では、その底面部に設けられているガイド部材貫通孔151aにも切離しガイド部材157が貫通している。それゆえ、おねじ部155の回転に伴って蓋部材152およびバネ支持部151が前方に移動するに際して、これらの回転移動を切離しガイド部材157によって防止することができる。
具体的には、回転するおねじ部155が蓋部材めねじ部154およびバネ支持部めねじ部153内から抜け出る方向に移動すると、蓋部材152およびバネ支持部151には、おねじ部155を中心とするトルクが作用する。それゆえ、そのままでは、おねじ部155の回転に伴って蓋部材152およびバネ支持部151も回転してしまう。しかしながら、蓋部材152およびバネ支持部151には、おねじ部155に平行な位置にある切離しガイド部材157が貫通または挿入している。これにより、蓋部材152およびバネ支持部151は、これら自身が回転することなく前方に移動することになる。
このように、おねじ部155の回転によって、蓋部材152およびバネ支持部151は前方に円滑に移動することができるので、おねじ部155の前端は、蓋部材めねじ部154から円滑に抜け出ることになる。そのため、図8の拡大図に示すように、バネ支持部151に対する蓋部材152の固定状態が解除されるので、当該蓋部材152がバネ支持部151から分離する。このとき、切離しガイド部材157の前端も、蓋部材152の分離に伴って、蓋部材152のガイド部材挿入孔152aから容易に抜け出る。このように、おねじ部155およびおねじ部回転駆動部156は、蓋部材めねじ部154ともに、伸展部バネ状態切換部15の蓋部材固定部を構成しており、切離しガイド部材157は、ガイド部材挿入孔152aとともに「蓋部材分離ガイド部」を構成している。
蓋部材152がバネ支持部151から分離すれば、前方伸展バネ13Aの押さえ付けが解除されるので、図6中および図9に示すように、前方伸展バネ13Aが伸展して収納状態から突出状態に移行する。このとき、除去衛星30の前方(すなわち除去デバイス20およびデバイス固定装置10が設けられている位置)は、スペースデブリ100のPAF101に面しているので、前方伸展バネ13Aの伸展によりPAF101の開口102内に係合部12が挿入される。
ここで、前方伸展バネ13Aの伸展過程では、線状部材巻取部164は、線状部材163の張力を収納状態と同程度に保持しながら、当該線状部材163を前方に繰り出す。これにより、前方伸展バネ13Aが伸展するに伴って、線状部材163も前方に伸展されるので、伸展抑止部材131の固定端131cに係合している抑止部材固定部材161と、この抑止部材固定部材161に係合または連結している固定解除部材162との位置関係は、収納状態での位置関係と略同等のままで保持される。したがって、伸展部11の伸展が完了するまでの間には、係合部12の放射伸展バネ13Bは収納状態のままで突出状態には移行しない。
次に、前方伸展バネ13Aが完全に伸展して突出状態になると、図10上に示すように、線状部材巻取部164は、線状部材163の繰出しを停止し、逆に、線状部材163の巻取りを開始する。伸展部11の伸展が完了した直後には、図10上の拡大図に示すように、抑止部材固定部材161は、伸展抑止部材131の段差部131dに係合しているとともに、固定解除部材162とも係合または連結している。この位置を定常位置とすれば、線状部材巻取部164が線状部材163の巻取りを開始すると、固定解除部材162は定常位置から後方への移動を開始する。
そして、図10下に示すように、固定解除部材162は、線状部材163の巻取りによって前方伸展バネ13Aの中空内に移動するが、これに伴って、固定解除部材162と抑止部材固定部材161との係合または連結状態が解除される。固定解除部材162が定常位置にあるときの抑止部材固定部材161の位置を固定位置(図10上の拡大図、並びに、図7および図8の拡大図参照)とすれば、図10下の拡大図に示すように、固定解除部材162の後方移動によって抑止部材固定部材161は、固定位置から解除位置に切り換えられる。その結果、伸展抑止部材131の段差部131dと抑止部材固定部材161との係合が解除される。
ここで、固定位置にある1個の抑止部材固定部材161は、1本の伸展抑止部材131の段差部131dに対して係合しているので、抑止部材固定部材161は合計4個存在する。定常位置にある固定解除部材162は、これら4個の抑止部材固定部材161全てに係合または連結している。そのため、固定解除部材162が定常位置から後方に移動すれば、4個の抑止部材固定部材161は全て固定位置から解除位置に切り換えられる。
その結果、図6下および図11に示すように、係合部12が備える4本の放射伸展バネ13Bは、全て収納状態の保持が解除されるので、突出状態に復帰する。突出状態にある放射伸展バネ13Bは、PAF101の開口102の内径よりも大きな広がりを有するので、係合部12はPAF101に係合することになる。
次に、係合部12がPAF101に係合すれば、図13に示すように、おねじ部回転駆動部156がおねじ部155を再び回転させる。おねじ部155は、バネ支持部めねじ部153に螺合しているので、おねじ部155の回転によりバネ支持部めねじ部153からおねじ部155が抜け出ることになる。この動きをバネ状態切換本体部17から見れば、おねじ部155の回転によってバネ支持部151が前方に移動していく。ここで、前述したように、バネ支持部151の底面部の後面には、EDT21の一端が接続されている。そのため、バネ支持部151が前方に移動するに伴って、EDT21は、EDT繰出し孔17aを介して、除去デバイス20内のEDT用リール22から徐々に繰り出される。
最終的には、図12上および図14に示すように、おねじ部155はバネ支持部めねじ部153から完全に抜け出て、バネ支持部151がバネ状態切換本体部17から切り離される。バネ支持部151が切り離されれば、除去衛星30はスペースデブリ100から離れる方向に移動する。これにより、バネ支持部151とバネ状態切換本体部17(およびこれを取り付けている除去デバイス20)との距離が広がっていくので、除去デバイス20内からEDT21が徐々に繰り出される。このように、おねじ部155およびおねじ部回転駆動部156は、蓋部材めねじ部154とともに蓋部材固定部を構成するだけでなく、バネ支持部めねじ部153とともにバネ支持部切離し部も構成している。
また、移動前のバネ支持部151では、その底面部に設けられているガイド部材貫通孔151aには、切離しガイド部材157が貫通している。それゆえ、前述した蓋部材152の分離時と同様に、おねじ部155の回転に伴ってバネ支持部151が前方に移動するに際して、当該バネ支持部151の回転移動を切離しガイド部材157によって防止することができる。
これにより、おねじ部155の回転によって、バネ支持部151が円滑に前方に移動するので、おねじ部155は、バネ支持部めねじ部153から円滑に抜け出ることができ、その結果、前記の通り、バネ支持部151がバネ状態切換本体部17から切り離される。また、ガイド部材貫通孔151aに挿入されている切離しガイド部材157は、図14に示すように、バネ支持部151の切り離しに伴って、ガイド部材貫通孔151aから容易に抜け出る。このように、切離しガイド部材157は、蓋部材152のガイド部材挿入孔152aとともに蓋部材分離ガイド部を構成するだけでなく、バネ支持部151のガイド部材貫通孔151aとともに「バネ支持部切離しガイド部」を構成している。
次に、図12中および図15に示すように、除去衛星30は、除去デバイス20およびデバイス固定装置10を分離し、スペースデブリ100の周回軌道から離脱する。除去衛星30が離脱した後も、除去デバイス20は、スペースデブリ100から離れる方向に移動を続けるため、図12下および図16に示すように、除去デバイス20からのEDT21の繰り出しが継続し、EDT21が大きく延伸する。EDT21は、最終的には数キロメートル(例えば5〜10km)まで延伸する。その後は、EDT21の作用によってスペースデブリ100の推進速度が低減し、地球周回軌道からデオービットされる。
このように、本発明に係るデバイス固定装置10は、伸展部11となる前方伸展バネ13Aを伸展させて、スペースデブリ100のPAF101内に係合部12を挿入し、その後、係合部12から放射状に4本の放射伸展バネ13Bを伸展させる。放射伸展バネ13Bは、突出状態ではPAF101の開口102の半径よりも長い棒状で維持されるので、この状態の係合部12は、PAF101の開口102よりも大きい広がりを有することになる。PAF101の内部は一般に開口102よりも広いものが多いため、複数の放射伸展バネ13Bが伸展した係合部12はPAF101内で抜け落ちることなく係合される。それゆえ、簡素な構成で除去デバイス20をスペースデブリ100に容易に固定することが可能となる。
しかも、PAF101は、人工衛星をロケットに固定するための機械的インターフェースであって、その構成は基本的に規格化されている。それゆえ、係合部12の構成に合わせて規格化することが可能となる。加えて、PAF101の開口102の直径は相対的に大きいため、係合部12をPAF101の開口102よりも小さくなるように構成しやすくなる。それゆえ、伸展部11によってPAF101内に係合部12を挿入する際にも、高精度な位置制御を行う必要性がない。
さらに、本発明では、伸展部11および係合部12がいずれも伸展バネ13(前方伸展バネ13Aおよび放射伸展バネ13B)を備えており、これら伸展バネ13は、バネ状態切換部により収納状態で保持されている。それゆえ、バネ状態切換部が収納状態の保持を順次解除するだけで、前方伸展バネ13Aを伸展させてPAF101の開口102内に係合部12を挿入することができ、かつ、放射伸展バネ13Bを伸展させて係合部12をPAF101内に係合させることができる。これにより、低コストかつ簡素な構成で、スペースデブリ100に除去デバイス20を固定することが可能となる。
また、本実施の形態では、バネ状態切換部として、前方伸展バネ13Aの押さえ付けを解除することにより収納状態から突出状態に切り換える伸展部バネ状態切換部15と、放射伸展バネ13Bの基端側への引き付けを解除することにより収納状態から突出状態に切り換える係合部バネ状態切換部16とを備えている。
このうち、前方伸展バネ13Aの押さえ付けは、バネ支持部151に蓋部材152を固定することにより行われるので、蓋部材152を取り外すだけで前方伸展バネ13Aは容易に伸展することができる。また、前方伸展バネ13Aを支持するバネ支持部151を筐体状に構成することで、伸展前の前方伸展バネ13Aを筐体内(蓋部材152で閉止されたバネ支持部151内)に収容して保護することもできる。それゆえ、前方伸展バネ13Aが伸展前に外部の影響を受けることを抑制できるので、伸展部11の信頼性を向上することができる。
また、バネ支持部151にEDT21を接続することにより、伸展部11もろともバネ支持部151を切り離すだけで、除去デバイス20からEDT21を容易に繰り出して延伸することができる。さらに、本実施の形態では、蓋部材固定部およびバネ支持部切離し部におねじ部155およびおねじ部回転駆動部156を用いているので、おねじ部155に螺合する「めねじ部」(蓋部材めねじ部154およびバネ支持部めねじ部153)以外の構成を一つにまとめることもできる。それゆえ、蓋部材固定部およびバネ支持部切離し部としてそれぞれ複数の機構を設ける必要がないため、デバイス固定装置10の構成を簡素化できるとともに重量増加を回避することも可能となる。
また、放射伸展バネ13Bの基端側への引き付けは、放射伸展バネ13Bの中空内に伸展抑止部材131を挿入してその固定端131cを固定することにより行われるので、固定端131cの固定を解除するだけで放射伸展バネ13Bは容易に伸展することができる。しかも、放射伸展バネ13Bは放射状に配置されているため、その基端を1箇所に集中することができる。これにより、1個の固定解除部材162を用いるだけで、4本の放射伸展バネ13Bを収納状態に保持でき、かつ、収納状態から突出状態への移行を一斉に実施することができる。それゆえ、各放射伸展バネ13Bに複数の固定解除機構を設ける必要がなくなり、デバイス固定装置10の構成を簡素化できるとともに重量増加を回避することも可能となる。
さらに、バネ状態切換部が本実施の形態のような構成であれば、おねじ部155を回転させたり固定解除部材162を移動させたりする構成として、公知のシーケンス制御によるモータを好適に用いることができる。このようなモータは、複雑な制御が不要であり、かつ、多くの分野で利用されていることから動作信頼性も高い。それゆえ、デバイス固定装置10の制御構成の複雑化を回避できるとともに、伸展部11および係合部12の動作の信頼性を向上することもできる。
なお、本実施の形態では、伸展部バネ状態切換部15は、おねじ部155およびおねじ部回転駆動部156を用いることにより、蓋部材固定部およびバネ支持部切離し部を兼用する構成となっているが、本発明はこれに限定されず、蓋部材固定部およびバネ支持部切離し部は、それぞれ独立した機構であってもよい。また、おねじ部155に螺合する「めねじ部」(蓋部材めねじ部154またはバネ支持部めねじ部153)の構成も特に限定されず、例えば、蓋部材めねじ部154は、図1に示すような底付き穴を有する構成ではなく、バネ支持部めねじ部153のような貫通孔を有する構成であってもよい。
また、蓋部材固定部は、蓋部材152をバネ支持部151に対して解除可能に固定することで、前方伸展バネ13Aを、係合部12とともに押さえ付けた状態で保持する構成であればよく、バネ支持部切離し部は、伸展部11および係合部12とともにバネ支持部151を切り離す構成であればよい。したがって、蓋部材固定部およびバネ支持部切離し部は、おねじ部155およびおねじ部回転駆動部156を備える構成に限定されない。
また、係合部バネ状態切換部16は、本実施の形態では、4本それぞれの放射伸展バネ13Bの中空内に挿入された伸展抑止部材131の固定端131cを、当該放射伸展バネ13Bの基端から露出させた状態で、まとめて解除可能に固定することにより、それぞれの放射伸展バネ13Bを収納状態に保持する構成であるが、本発明はこれに限定されず、収納状態で保持し、その保持を解除することにより収納状態から突出状態に復帰させる構成であればよい。例えば、伸展抑止部材131以外の手法で、放射伸展バネ13Bを、突出状態から基端側に引き付けて収納状態に保持してもよいし、前方伸展バネ13Aと同様に、枠体等を利用して伸展端から押さえ付けて収納状態に保持してもよい。
さらに、本実施の形態では、抑止部材固定部材161としてラッチ部材を用い、固定解除部材162として、ラッチ部材に係合または連結するピン部材を用い、線状部材163としては、公知のワイヤを用いているが、本発明はこれに限定されず、同様の機能を有するものであれば、公知の他の構成であっても好適に用いることができる。
また、本実施の形態では、伸展部11が1本の前方伸展バネ13Aで構成され、係合部12が4本の放射伸展バネ13Bを備えているが、本発明はこれに限定されず、伸展部11が2本以上の伸展バネ13を備えてもよいし、係合部12が備える放射伸展バネ13Bは、3本または5本以上であってもよい。また、伸展部11には伸展バネ13以外の構成を備えてもよいし、係合部12は、伸展バネ13および伸展バネ固定部材14以外の構成を備えてもよい。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、PAFまたはこれに類似する構造を有するスペースデブリを除去する分野に広く好適に用いることができる。
10 デバイス固定装置
11 伸展部
12 係合部
13 伸展バネ
13A 前方伸展バネ
13B 放射伸展バネ
14 伸展バネ固定部材
15 伸展部バネ状態切換部
16 係合部バネ状態切換部
17 バネ状態切換本体部
20 スペースデブリ除去デバイス
21 EDT
30 スペースデブリ除去衛星
100 スペースデブリ
101 PAF
102 PAFの開口
103 構造体(スペースデブリの一部)
131 伸展抑止部材
151 バネ支持部
152 蓋部材
153 バネ支持部めねじ部(バネ支持部切離し部)
154 蓋部材めねじ部(蓋部材固定部)
155 おねじ部(蓋部材固定部、バネ支持部切離し部)
156 おねじ部回転駆動部(蓋部材固定部、バネ支持部切離し部)
157 切離しガイド部材
161 抑止部材固定部材
162 固定解除部材
163 線状部材
164 線状部材巻取部

Claims (12)

  1. PAF(Payload Attach Fitting)を有するスペースデブリに対して、スペースデブリ除去デバイスを固定するデバイス固定装置であって、
    前記スペースデブリ除去デバイスに取り付けられ、前方向に伸展する伸展部と、
    当該伸展部の前端に取り付けられ、当該伸展部が伸展していないときには、その全体が前記PAFの開口よりも小さく、当該伸展部が伸展して前記PAFの開口内に挿入された後には、当該開口よりも広がって当該PAF内に係合するよう構成される、係合部と、
    を備え、
    前記伸展部および前記係合部には、中空で棒状の突出状態から当該突出状態よりも短い収納状態に移行可能な弾性体である、伸展バネが用いられ、
    前記伸展部は、少なくとも前記伸展バネで構成され、当該伸展バネの前端に前記係合部が取り付けられ、
    前記係合部は、突出状態では、前記PAFの開口の半径よりも長い棒状となる複数本の前記伸展バネと、これら伸展バネを放射状に配置した状態で、前記伸展部となる前記伸展バネの前端に固定する伸展バネ固定部材と、を備え、
    さらに、前記伸展部および前記係合部に用いられる前記伸展バネを収納状態で保持し、その保持を解除することにより収納状態から突出状態に復帰させる、バネ状態切換部と、
    を備えていることを特徴とする、
    スペースデブリ除去デバイス固定装置。
  2. 前記伸展部が備える前記伸展バネを前方伸展バネとし、前記係合部が備える伸展バネを放射伸展バネとしたときに、
    前記バネ状態切換部は、
    前記前方伸展バネを、突出状態から収納状態となるように前端側から押さえ付けて保持するとともに、その押さえ付けを解除することにより、当該前方伸展バネを収納状態から突出状態に復帰させる、伸展部バネ状態切換部と、
    4本の前記放射伸展バネを、突出状態から基端側に引き付けて収納状態となるように保持するとともに、その引き付けを解除することにより、これら放射伸展バネを収納状態から突出状態に復帰させる、係合部バネ状態切換部と、
    から構成されていることを特徴とする、
    請求項1に記載のスペースデブリ除去デバイス固定装置。
  3. 前記伸展部バネ状態切換部は、
    前記前方伸展バネを、少なくとも後端側で支持するバネ支持部と、
    前記係合部の前方に設けられる蓋部材と、
    当該蓋部材を前記バネ支持部に対して解除可能に固定することで、前記前方伸展バネを、前記係合部とともに押さえ付けた状態で保持する、蓋部材固定部と、
    を備えていることを特徴とする、
    請求項2に記載のスペースデブリ除去デバイス固定装置。
  4. 前記放射伸展バネは、当該放射伸展バネの伸展を抑止して収納状態に保持する伸展抑止部材を備え、
    当該伸展抑止部材は、その一端が前記放射伸展バネの中空の内径よりも大きく、その本体が前記放射伸展バネの中空内に挿入可能な外径を有し、かつ、収納状態の前記放射伸展バネよりも長い柱状であり、
    前記係合部バネ状態切換部は、それぞれの前記放射伸展バネの中空内に挿入された前記伸展抑止部材の他端を、当該放射伸展バネの基端から露出させた状態で、まとめて解除可能に固定することにより、各放射伸展バネを収納状態に保持することを特徴とする、
    請求項2または3に記載のスペースデブリ除去デバイス固定装置。
  5. 前記スペースデブリ除去デバイスは、巻き取られた状態のEDT(ElectroDynamic Tether)を備え、
    前記バネ支持部の前方には前記前方伸展バネが支持されるとともに、その後方には、前記EDTの一端が接続され、
    前記伸展部バネ状態切換部は、
    前記前方伸展バネおよび前記放射伸展バネがいずれも突出状態となった後に、巻き取られた状態の前記EDTを繰り出すために、前記伸展部および前記係合部とともに前記バネ支持部を切り離す、バネ支持部切離し部を、さらに備えていることを特徴とする、
    請求項4に記載のスペースデブリ除去デバイス固定装置。
  6. 前記バネ状態切換部は、その内部に前記伸展部バネ状態切換部および前記係合部バネ状態切換部の一部を収容可能とする筐体状であって、後端側で前記スペースデブリ除去デバイスに直接取り付けられているとともに、前端側で前記バネ支持部を切り離し可能に取り付けている、バネ状態切換本体部を備えており、
    前記バネ支持部切離し部は、
    前記バネ支持部の一部に設けられるバネ支持部めねじ部と、
    当該バネ支持部めねじ部に螺合するおねじ部と、
    前記バネ状態切換本体部内に設けられ、前記おねじ部を回転させるおねじ部回転駆動部と、
    を備えており、
    前記おねじ部の回転により当該おねじ部が前記バネ支持部めねじ部から外れることにより、前記バネ支持部が前記バネ状態切換本体部から切り離されることを特徴とする、
    請求項5に記載のスペースデブリ除去デバイス。
  7. 前記バネ支持部切離し部の前記おねじ部は、前記前方伸展バネに平行な状態で前記バネ支持部を貫通するように配置され、
    前記蓋部材の後面には、前記おねじ部の前端が螺合する蓋部材めねじ部が設けられ、
    前記おねじ部、前記おねじ部回転駆動部、および前記蓋部材めねじ部により前記蓋部材固定部が構成され、
    前記おねじ部が前記蓋部材めねじ部に螺合した状態で、前記前方伸展バネが、前記蓋部材により前記係合部とともに押さえ付けられた状態で保持され、
    前記おねじ部回転駆動部により前記おねじ部が回転して当該おねじ部が前記蓋部材めねじ部から外れることにより、前記蓋部材による前記前方伸展バネを押さえ付けた状態が解除されることを特徴とする、
    請求項6に記載のスペースデブリ除去デバイス。
  8. 前記放射伸展バネが前記伸展抑止部材を備えている構成である場合、
    前記係合部バネ状態切換部は、
    前記伸展抑止部材の他端を固定する抑止部材固定部材と、
    前記前方伸展バネの中空内に入る大きさを有し、当該前方伸展バネの前端から露出した位置で、前記抑止部材固定部材に係合または連結状態にあり、前記前方伸展バネの中空内に引き込む方向に移動することにより前記抑止部材固定部材を固定位置から解除位置に切り換える、固定解除部材と、
    前記前方伸展バネの中空内を貫通するように設けられ、一端が前記固定解除部材に接続される線状部材と、
    当該線状部材の他端に接続され、当該線状部材を巻き取ることにより、前記固定解除部材を前記前方伸展バネの中空内に引き込む方向に移動させる、線状部材巻取部と、
    を備え、
    前記線状部材巻取部は、前記バネ状態切換本体部内に設けられていることを特徴とする、
    請求項6または7に記載のスペースデブリ除去デバイス固定装置。
  9. 前記蓋部材固定部により、前記蓋部材が前記バネ支持部に固定された状態から解除されて、前記前方伸展バネが収納状態から伸長を開始すれば、
    前記線状部材巻取部は、前記前方伸展バネの伸長の程度に応じて、中空内の前記線状部材を繰り出し、
    前記前方伸展バネが突出状態に移行した後に、前記線状部材の巻き取りを開始することを特徴とする、
    請求項8に記載のスペースデブリ除去デバイス固定装置。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のスペースデブリ除去デバイス固定装置を備える、
    スペースデブリ除去デバイス。
  11. スペースデブリ除去衛星に取り付けられていることを特徴とする、
    請求項10に記載のスペースデブリ除去デバイス。
  12. 前記スペースデブリ除去デバイス固定装置が、前記バネ状態切換部として、前記伸展部バネ状態切換部を備えており、当該伸展部バネ状態切換部が、前記バネ支持部、前記バネ状態切換本体部、および前記バネ支持部切離し部を備えている場合には、
    前記スペースデブリ除去デバイス固定装置が、前記伸展部および前記係合部とともに前記バネ支持部を切り離した後に、前記デブリ除去衛星から分離するよう構成されていることを特徴とする、
    請求項11に記載のスペースデブリ除去デバイス。

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