以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態1におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態または一部閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を、大当り図柄やハズレ図柄としてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。なお、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される大当り種別(例えば「突確」など)を設けてもよい。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンドの上限回数が第2ラウンド数(例えば2)よりも多い第1ラウンド数(例えば15)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば50)よりも多い第1回数(例えば100)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の可変表示態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の可変表示態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行われているように見せる可変表示演出として擬似連の可変表示演出が実行されることがある。擬似連の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、予め定めた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として仮停止し、その後に再変動を行う。擬似連の可変表示演出では、例えば、再変動の繰返し実行回数(擬似連の再変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出や擬似連の可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
また、飾り図柄の可変表示中には、例えば、擬似連の可変表示演出が実行されることや、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることなどといった遊技に関する事象の発生を示唆する示唆演出としてルーレット演出が実行可能に設定されている。なお、遊技に関する事象の発生には、上記した擬似連の可変表示演出が実行されることやスーパーリーチのリーチ演出が実行されること以外にも、例えば普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となることや、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となること、画像表示装置5にキャラクタ画像やメッセージ画像などが表示される予告演出が実行されること、「滑り」の可変表示演出が実行されることなどの一部または全部といった、遊技の進行中に起こる様々な事象の発生が含まれていてもよい。
この実施の形態では、最大3つのルーレット演出が同時期に実行可能に設定されている。各ルーレット演出は、飾り図柄の可変表示中において擬似連の可変表示演出が実行されるか否か、または、飾り図柄の可変表示中においてスーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否かを示唆する演出である。
擬似連の可変表示演出が実行されるか否かを示唆するルーレット演出(以下、擬似連のルーレット演出という。)では、画像表示装置5において図20(A)に示すルーレットRGが回転表示され、所定時間経過後にルーレットRGの回転が停止して演出結果として「擬似連」または「×」の図柄が白黒反転で点滅表示される。「擬似連」が点滅表示された場合には、擬似連の可変表示演出が実行されることが示唆され、また、「×」が点滅表示された場合には、擬似連の可変表示演出が実行されないことが示唆される。スーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否かを示唆するルーレット演出(以下、スーパーリーチのルーレット演出という。)では、図20(B)に示すルーレットRSが回転表示され、所定時間経過後にルーレットRSの回転が停止して演出結果として「SP」または「×」の図柄が白黒反転で点滅表示される。「SP」が点滅表示された場合には、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることが示唆され、また、「×」が点滅表示された場合には、スーパーリーチのリーチ演出が実行されないことが示唆される。なお、「擬似連」、「SP」又は「×」の図柄が点滅表示されることを「演出結果が導出される」ともいう。
飾り図柄の可変表示中に1回の擬似連(1回の再変動を実行する擬似連変動)を行う可変表示演出が実行される場合には、実行されたルーレット演出のうち1つのルーレット演出において、演出結果として「擬似連」が導出される。また、飾り図柄の可変表示中に2回の擬似連(2回の再変動を実行する擬似連変動)を行う可変表示演出が実行される場合には、実行されたルーレット演出のうち2つのルーレット演出において、演出結果として「擬似連」がそれぞれ導出される。飾り図柄の可変表示中にスーパーリーチのリーチ演出が実行される場合には、実行されたルーレット演出のうち1つのルーレット演出において、演出結果として「SP」が導出される。また、3回の擬似連(3回の再変動を実行する擬似連変動)を行う可変表示演出、及び、スーパーリーチのリーチ演出が実行される場合には、実行されたルーレット演出のうち2つのルーレット演出において、演出結果として「擬似連」がそれぞれ導出され、かつ、1つのルーレット演出において、演出結果として「SP」が導出される。
擬似連の可変表示演出が実行されることを示唆するルーレット演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄が仮停止して最初の再変動が行われるより前に実行(開始)されて演出結果が導出されるものであればよい。また、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることを示唆するルーレット演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がスーパーリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されて演出結果が導出されるものであればよい。
複数のルーレット演出が実行される場合には、各々のルーレット演出において演出結果が導出されるタイミングが異なる。例えば、第1ルーレット演出、第2ルーレット演出及び第3ルーレット演出の3つのルーレット演出が実行された場合には、最初に第1ルーレット演出の演出結果が導出され、その次に第2ルーレット演出の演出結果が導出され、最後に第3ルーレット演出の演出結果が導出される。また、第1ルーレット演出及び第2ルーレット演出の2つのルーレット演出が実行された場合には、最初に第1ルーレット演出の演出結果が導出され、その次に第2ルーレット演出の演出結果が導出される。このように、同時期に実行される複数のルーレット演出は、各々のタイミングで演出結果が導出されるものであればよい。こうしたルーレット演出を実行する場合における演出動作の内容に対応して、複数の演出パターンが予め用意されている。
同時期に実行される複数のルーレット演出には、例えば1つのルーレット演出におけるルーレットが回転表示しているときに、他のルーレット演出におけるルーレットの回転表示が開始する場合や、1つのルーレット演出におけるルーレットの回転が停止してルーレットが停止表示しているときに、他のルーレット演出におけるルーレットの回転表示が開始する場合などのように、ルーレットの回転表示の開始時間(ルーレット演出の開始時間)からルーレットの停止表示の終了時間(ルーレット演出の停止時間)までの実行時間が、少なくとも2つのルーレット演出において重複しているものが含まれる。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある(非リーチ)。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある(リーチハズレ)。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM101がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とがあればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を、例えば「非確変」や「確変」といった複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かが判定される。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数を更新するための第1始動入賞処理が行われる。一方、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数を更新するための第2始動入賞処理が行われる。
一例として、第1始動入賞処理では、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第1特図保留記憶数が上限値に達していれば、第1始動入賞処理を終了する。一方、第1特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第1特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
第2始動入賞処理では、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき第2特図保留記憶数が上限値に達していれば、第2始動入賞処理を終了する。一方、第2特図保留記憶数が上限値未満であれば、RAM102の所定領域(例えば遊技制御カウンタ設定部)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。その後、始動入賞の発生に対応した所定の遊技用乱数を抽出して、RAM102の所定領域(例えば第2特図保留記憶部)に保留データとして記憶させる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。なお、大当り種別に「突確」を設けた場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。例えば、大当り種別が「確変」であるか「非確変」であるかに応じて、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われる。その後、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図4は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図4に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図5(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図5(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図5(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、確変制御の有無に応じた所定割合で特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図5(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、所定割合で大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれかに決定される。なお、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、決定可能な大当り種別を異ならせてもよいし、大当り種別の決定割合を異ならせてもよい。一例として、変動特図が第1特図である場合には所定割合で大当り種別が「突確」に決定可能とする一方、変動特図が第2特図である場合には大当り種別が「突確」には決定されないように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。より具体的には、大当り種別が「非確変」の場合には「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。大当り種別が「確変」の場合には「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245の処理にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図6(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図6(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図6(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、複数の変動パターン(PA1−1〜PA1−3、PB1−1〜PB1−3、PA2−1〜PA2−3、PB2−1〜PB2−3)が予め用意されている。また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターン(PA3−1〜PA3−3、PB3−1〜PB3−3)が予め用意されている。なお、変動パターンPB1−3、PB2−1〜PB2−3、PB3−1〜PB3−3は、擬似連変動を含む変動パターンである。
図6(A)に示すステップS262の処理では、例えば予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図6(A)に示すステップS263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意した複数のハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。複数のハズレ変動パターン決定テーブルでは、通常時であるか時短中であるかや、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数が所定数(例えば「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられていればよい。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
図7(A)は、大当り時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA3−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA3−2、PA3−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンや変動パターンPB3−1、PB3−2、PB3−3といった擬似連の可変表示演出が実行される変動パターンの決定割合よりも低くなるように設定されている。
図7(B)は、ハズレ時における変動パターンの決定例を示している。この決定例では、変動パターンPA2−1といった、ノーマルのリーチ演出だけが実行される変動パターンの決定割合が、変動パターンPA2−2、PA2−3といったスーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンや変動パターンPB2−1、PB2−2、PB2−3といった擬似連の可変表示演出が実行される変動パターンの決定割合よりも高くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーリーチのリーチ演出が実行される変動パターンや擬似連の可変表示演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも高くなるように設定されている。これにより、スーパーリーチのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときや擬似連の可変表示演出が実行されてから可変表示結果が導出されるときには、その可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高められる。
図7(B)に示す決定例において、スーパーAのリーチ演出が実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−2の決定割合は、スーパーBのリーチ演出が実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPA2−3の決定割合よりも高くなるように設定されている。これに対して、図7(A)に示す決定例において、変動パターンPA3−2の決定割合が変動パターンPA3−3の決定割合よりも低くなるように設定されている。また、大当り時には、スーパーBのリーチ演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、スーパーBのリーチ演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
また、図7(B)に示す決定例において、1回〜3回の擬似連を行う可変表示演出が実行されて可変表示結果が導出される変動パターンPB2−1〜PB2−3の決定割合は、変動パターンPB2−1、変動パターンPB2−2、変動パターンPB2−3の順に低くなるように設定されている。即ち、変動パターンPB2−1〜PB2−3の決定割合は、擬似連の変動回数が多くなるにつれて低くなるように設定されている。これに対して、図7(A)に示す決定例において、変動パターンPB3−1〜PB3−3の決定割合は、変動パターンPB3−1、変動パターンPB3−2、変動パターンPB3−3の順に高くなるように設定されている。
大当り時には、1回〜3回の擬似連を行う可変表示演出が実行される変動パターンの決定割合が、ハズレ時よりも十分に高くなるように設定されている。したがって、可変表示結果が「大当り」となって遊技状態が大当り遊技状態となる場合には、大当り遊技状態とならない場合よりも高い割合で、変動回数の多い擬似連を行う可変表示演出が実行されてから可変表示結果が導出される。
図6(B)に示すように、変動パターンPA2−1〜PA2−3及びPB2−1〜PB2−3と、変動パターンPA3−1〜PA3−3及びPB3−1〜PB3−3とでは、特図変動時間や内容が共通している一方で、可変表示結果が「ハズレ」となるか「大当り」となるかが異なっている。図7(A)および(B)に示す決定割合の設定により、スーパーリーチのリーチ演出が実行されたときには、ノーマルのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。スーパーBのリーチ演出が実行されたときには、スーパーAのリーチ演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。また、2回の擬似連を行う可変表示演出が実行されたときには、1回の擬似連を行う可変表示演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。3回の擬似連を行う可変表示演出が実行されたときには、2回の擬似連を行う可変表示演出が実行されたときよりも大当り期待度が高められる。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図6(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図8は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出用設定処理を実行する(ステップS160)。演出用設定処理は、携帯電話機などの端末装置を所持して操作する遊技者を遊技システムの管理サーバなどにおいて登録するための情報を提供する処理や、パチンコ遊技機1の遊技者による各種の設定を行うための処理などを含んでいる。
図9は、図8のステップS160にて実行される演出用設定処理の一例を示すフローチャートである。この演出用設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、メインメニューを表示中であるか否かを判定する(ステップS301)。メインメニューを表示中ではない場合には(ステップS301;No)、メインメニューの表示操作があったか否かを判定する(ステップS302)。演出制御用CPU120は、パチンコ遊技機1における遊技が行われていないときに、例えばプッシュボタン31Bが押下操作されるといった、所定の指示入力が検出されたときに、メインメニューの表示操作があったと判定すればよい。
ステップS302にてメインメニューの表示操作があった場合には(ステップS302;Yes)、パスワードの入力の有無に応じたメインメニューを表示する処理を実行する。すなわち、パスワードを入力済みであるか否かを判定して(ステップS303)、入力が済んでいない場合には(ステップS303;No)、パスワード入力前のメインメニューを画像表示装置5に表示させる(ステップS304)。例えば演出制御用CPU120が演出制御基板12に搭載された表示制御部123に所定の表示制御指令を送って、パスワード入力前のメインメニューに対応する画像を、画像表示装置5の表示領域に表示させればよい。
図10(A)は、パスワード入力前におけるメインメニューの表示例を示している。パスワード入力前のメインメニューには、「会員登録」、「パスワード入力」、「簡単スタート」、「ストックコインのヒント」、「終了」といった項目が設けられている。このメインメニューが表示されたときには、例えばパチンコ遊技機1におけるスティックコントローラ31Aを用いた所定の指示入力(操作桿の傾倒操作など)により選択対象の項目(白黒反転で表示)を変更することができる。また、スティックコントローラ31Aを用いた所定の指示入力(トリガボタンの押引操作など)あるいはプッシュボタン31Bを用いた所定の指示入力(押下操作など)により、選択対象として表示された項目の選択が確定され、その項目に応じた処理が実行される。
図9に示すステップS303にてパスワードが入力済みであると判定された場合には(ステップS303;Yes)、パスワード入力後のメインメニューを画像表示装置5に表示させる(ステップS305)。例えば演出制御用CPU120が演出制御基板12に搭載された表示制御部123に所定の表示制御指令を送って、パスワード入力後のメインメニューに対応する画像を、画像表示装置5の表示領域に表示させればよい。
図10(B)は、パスワード入力後におけるメインメニューの表示例を示している。パスワード入力後のメインメニューには、「データクリア」、「本日の結果」、「2次元コードの作成」、「終了」といった項目が設けられている。パスワード入力後のメインメニューが表示されたときには、パスワード入力前のメインメニューが表示されたときと同様に、例えばパチンコ遊技機1におけるスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを用いた所定の指示入力により、選択対象となる項目を変更したり選択対象として表示された項目の選択を確定したりできればよい。
図9に示すステップS301にてメインメニューを表示中であると判定された場合には(ステップS301;Yes)、そのメインメニューがパスワード入力前に対応したものであるか否かを判定する(ステップS306)。そして、パスワード入力前のメインメニューである場合には(ステップS306;Yes)、入力前メニュー操作処理を実行する(ステップS307)。一方、パスワード入力後のメインメニューである場合には(ステップS306;No)、入力後メニュー操作処理を実行する(ステップS308)。
ステップS302にてメインメニューの表示操作がないと判定された場合には(ステップS302;No)、パスワード入力設定処理(ステップS309)や、その他の設定処理(ステップS310)が実行される。
図11は、図9のステップS307にて実行される入力前メニュー操作処理の一例を示すフローチャートである。この入力前メニュー操作処理において、演出制御用CPU120は、まず、入力前のメインメニューに設けられた「ストックコインのヒント」の項目に対する選択があったか否かを判定する(ステップS321)。このとき、「ストックコインのヒント」の項目に対する選択があった場合には(ステップS321;Yes)、ヒント画面となる所定画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる(ステップS322)。演出制御用CPU120は、RAM122のストックコイン格納領域に格納されているストックコインデータを参照し、蓄積されているストックコインの状況に応じて、予め用意された複数の画面のうちいずれかを選択して表示すればよい。
ステップS321にて「ストックコインのヒント」の項目に対する選択がない場合には(ステップS321;No)、「会員登録」の項目に対する選択があったか否かを判定する(ステップS323)。このとき、「会員登録」の項目に対する選択があった場合には(ステップS323;Yes)、会員登録用の2次元コードを示す所定画像を、画像表示装置5の表示領域に表示させる(ステップS324)。このとき表示される2次元コードは、遊技システムにおける管理サーバの会員登録ページの所在を示すURLが特定されるものであればよい。遊技者は、携帯電話機などの端末装置を操作して、表示された2次元コードを撮像させ、端末装置の内部に取り込ませることができる。2次元コードの表示中に、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが操作されるか、パチンコ遊技機1における遊技が開始されるか、あるいは、何も操作されない状態で所定時間が経過すると、メインメニューなどの基本画面に戻ればよい。
ステップS323にて「会員登録」の項目に対する選択がない場合には(ステップS323;No)、「簡易スタート」の項目に対する選択があったか否かを判定する(ステップS325)。このとき、「簡易スタート」の項目に対する選択があった場合には(ステップS325;Yes)、簡易スタート用の演出設定を行う(ステップS326)。例えば、パチンコ遊技機1における演出状態を通常演出モードから特定演出モードに変更する制御を行う。
ステップS325にて「簡易スタート」の項目に対する選択がない場合には(ステップS325;No)、「パスワード入力」の項目に対する選択があったか否かを判定する(ステップS327)。このとき、「パスワード入力」の項目に対する選択があった場合には(ステップS327;Yes)、演出制御用CPU120は、パスワード取得用の2次元コードを生成する(ステップS329)。そして、生成したパスワード取得用の2次元コードを示す画像を、画像表示装置5の表示領域に表示する(ステップS330)。
図12(A)は、パスワード取得用のコード表示例を示している。パスワード取得用の2次元コードは、管理サーバのパスワード発行ページの所在を示すURLが特定されるものであればよい。
図11に示すステップS327にて「パスワード入力」の項目に対する選択がない場合には(ステップS327;No)、「終了」の項目に対する選択があったか否かを判定する(ステップS331)。このとき、「終了」の項目に対する選択があった場合には(ステップS331;Yes)、終了確認画面となる所定画像を画像表示装置5の表示領域に表示させる(ステップS332)。終了確認画面では、例えば「終了しますか?」のメッセージを示す画像が表示されるとともに、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを用いた所定の指示入力により「YES」と「NO」のいずれかを選択できればよい。そして、「YES」が選択された場合には、基本画面に切り替わる。一方、「NO」が選択された場合には、メインメニューの表示に戻る。
図13は、図9のステップS309にて実行されるパスワード入力設定処理の一例を示すフローチャートである。このパスワード入力設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、パスワード取得用の2次元コードを表示中であるか否かを判定する(ステップS341)。このとき、2次元コードを表示中である場合には(ステップS341;Yes)、例えばパチンコ遊技機1におけるプッシュボタン31Bに対する押下操作といった、所定のボタン操作があったか否かを判定する(ステップS342)。図12(A)に示されたパスワード取得用の2次元コードを表示しているときに、例えばパチンコ遊技機1におけるプッシュボタン31Bを用いた所定の指示入力(押下操作など)が検出されたときには(ステップS342;Yes)、パスワード入力画面を表示する(ステップS343)。一方、ボタン操作がない場合には(ステップS342;No)、パスワード入力設定処理を終了して待機する。
図12(B)は、パスワード入力画面の表示例を示している。遊技者は、遊技システムにおける管理サーバから発行されたパスワードを、携帯電話機などの端末装置の表示画面に表示させる。このパスワードを見ながら、例えばパチンコ遊技機1におけるスティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bなどを操作して、パスワード入力画面にてパスワードの入力を行うことができる。
図13のステップS341にてパスワード取得用の2次元コードを表示中ではないと判定された場合には(ステップS341;No)、パスワード入力画面の表示中であるか否かを判定する(ステップS344)。表示中ではない場合には(ステップS344;No)、パスワード入力設定処理を終了する。パスワード入力画面の表示中である場合には(ステップS344;Yes)、パスワードの決定の操作がなされたことなどに基づいて、パスワードの入力が完了したか否かを判定する(ステップS345)。
パスワードの入力が完了していない場合には(ステップS345;No)、パスワードを入力する操作があったか否かを判定する(ステップS346)。そして、入力する操作がなければ(ステップS346;No)、そのままパスワード入力設定処理を終了し、入力する操作があれば(ステップS346;Yes)、入力情報を更新する制御を行ってから(ステップS347)、パスワード入力設定処理を終了する。このように、パスワード入力画面の表示中にパスワードを入力する操作が行われたことに応じて、パスワードの入力が受け付けられる。
ステップS345にてパスワードの入力が完了した場合には(ステップS345;Yes)、入力されたパスワードの照合を行う(ステップS348)。ステップS348にてパスワードの照合を行った結果、正当なパスワードであったか否かを判定する(ステップS351)。このとき、照合結果が不当なものであれば(ステップS351;No)、パスワードNG画面を表示する(ステップS352)。パスワードNG画面では、パスワードの照合結果が異常であったことを報知するメッセージや、パスワードの再入力を促すメッセージなどに対応する画像が表示されればよい。
ステップS351にてパスワードの照合結果が正当なものである場合には(ステップS351;Yes)、パスワードOK画面を表示する(ステップS353)。パスワードOK画面では、パスワードの照合結果が正常であったことを報知するメッセージなどに対応する画像が表示されればよい。その後、パスワードに基づく演出設定を行ってから(ステップS354)、パスワード入力設定処理を終了する。ステップS354の処理では、例えばパスワードから特定されるレベルや経験値その他の遊技履歴に応じて、画像表示装置5の表示領域に表示される演出画像の表示態様や、スピーカ8L、8Rから出力される楽曲などの種類、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどの点灯パターンが、予め用意された複数種類のいずれかに設定されればよい。また、遊技履歴に応じた演出モードを設定して、その演出モードに応じた演出画像の表示などが行われるようにしてもよい。
こうしてパスワードに基づく演出設定が行われた後に、パチンコ遊技機1での遊技が行われることで、遊技者ごとの遊技履歴が更新可能となる。パチンコ遊技機1での遊技を終了するときには、図10(B)に示す「2次元コードの作成」の項目に対する選択がある。このときには、例えば図12(A)に示すようなパスワード取得用の2次元コードに代えて、遊技履歴更新用の2次元コード(遊技後コード)を示す画像が、画像表示装置5の表示領域に表示される。遊技者は、携帯電話機などの端末装置を操作して、表示された2次元コードを撮像させ、端末装置の内部に取り込ませることができる。
演出用設定処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S176の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11から伝送される第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。第2変動開始コマンドは、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されることを通知する演出制御コマンドである。このような第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンドのいずれかを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類、さらには遊技履歴の設定の有無などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
この実施の形態では、遊技履歴の設定の有無に応じて異なる演出制御パターンを選択することができる。遊技履歴は、図8に示すステップS160の演出用設定処理を実行することなどにより、可変表示が開始される以前に、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bの所定操作などに応じて設定できればよい。また、遊技履歴の設定がある場合には、履歴内容に応じて異なる演出制御パターンを選択することができるようにしてもよい。
遊技において予め定められた条件が成立したときには、遊技者に対して、管理サーバから所定特典の付与を受ける際の交換価値となるコイン(金・銀・銅の3種類)が付与される。特典には、例えば音楽、壁紙、待受画面などのコンテンツデータや、所定の物品と交換できる交換券を示すデータ(例えば2次元コード)などが含まれる。これらのコインは、パスワードの入力有無にかかわらず、所定の条件が成立すると、加算されて蓄積される。蓄積されたコインは「ストックコイン」ともいう。ストックコインを示すデータ(ストックコインデータ)は、演出制御基板12に搭載されたRAM122に設けられたストックコイン格納領域に格納される。また、ストックコインの蓄積量が一定値を超えるごとに、演出設定として選択可能な項目を増加させてもよい。なお、パスワードの入力がある場合にコインが加算されて蓄積されたり、パスワードの入力がある場合にパスワードの入力がない場合よりも高い割合でコインが加算されて蓄積されたりしてもよい。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の可変表示停止処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。可変表示停止処理は、可変表示結果通知コマンドにより通知された可変表示結果や、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したか否かの判定結果などに基づいて、大当り遊技状態が開始されるか否かを判定する処理を含んでいる。そして、可変表示結果が「大当り」に対応して大当り遊技状態が開始される場合には、演出プロセスフラグの値が“4”に更新される一方で、可変表示結果が「ハズレ」に対応して大当り遊技状態が開始されない場合には、演出プロセスフラグがクリアされて、その値が“0”に初期化される。
ステップS174の大当り表示処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り表示処理は、主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドを受信したことなどに基づいて、大当り遊技状態の開始を報知する大当り報知演出(ファンファーレ演出)を実行するための処理を含んでいる。そして、大当り報知演出の実行が終了するときには、演出プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS175の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信したことなどに対応して、演出制御プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS176の大当り終了演出処理は、演出プロセスフラグの値が“6”のときに実行される処理である。この大当り終了演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグをクリアして、その値を“0”に初期化する。
図14(A)は、図8のステップS171にて実行される可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。図14(A)に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS401)。このとき、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドで示された変動パターンや、可変表示結果通知コマンドで示された可変表示結果といった、変動開始時決定内容に基づいて、最終停止図柄を決定する。この実施の形態では、変動パターンや可変表示結果の組合せに応じた変動開始時決定内容として、「非リーチ(ハズレ)」、「リーチ(ハズレ)」、「非確変(大当り)」、「確変(大当り)」がある。
図14(B)は、ステップS401の処理における最終停止図柄となる飾り図柄の決定例を示している。この例では、変動開始時決定内容が「非リーチ(ハズレ)」である場合に、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて異なる(不一致の)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
変動開始時決定内容が「リーチ(ハズレ)」である場合には、「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」や「確変(大当り)」である場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の(一致する)飾り図柄を最終停止図柄に決定する。演出制御用CPU120は、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このときには、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれであるかや、大当り中昇格演出が実行されるか否かなどに応じて、通常図柄と確変図柄のいずれを確定飾り図柄とするかが決定されればよい。具体的には、大当り種別が「非確変」である場合には、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。また、大当り種別が「確変」で大当り中昇格演出を実行しないと決定されたときには、複数種類の確変図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これに対して、大当り種別が「確変」であっても大当り中昇格演出を実行すると決定されたときには、複数種類の通常図柄のうちから、確定飾り図柄となるものを決定する。これにより、確定飾り図柄として確変図柄が揃って導出表示されたにもかかわらず、大当り中昇格演出が実行されてしまうことを防止して、遊技者に不信感を与えないようにすればよい。
ステップS401の処理では、変動開始時決定内容が「非確変(大当り)」または「確変(大当り)」である場合に、再抽選演出や大当り中昇格演出といった確変昇格演出を実行するか否かが決定されてもよい。再抽選演出では、飾り図柄の可変表示中に同一の通常図柄からなる非確変大当り組合せの飾り図柄が一旦表示されることによって、確変状態に制御されることを一旦は認識困難または認識不能とし、飾り図柄を再び可変表示(再変動)させて同一の確変図柄からなる確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることによって確変状態に制御されることを報知できる。なお、再抽選演出にて飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せの飾り図柄が停止表示されることにより、確変状態に制御されることを報知しない場合もある。また、大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出を実行することによって確変状態に制御されることを報知できればよい。ステップS401の処理にて再抽選演出を実行すると決定された場合には、再抽選演出の実行前に仮停止表示する飾り図柄の組合せなどを決定すればよい。
ステップS401における最終停止図柄などの決定に続いて、擬似連決定処理を実行する(ステップS401A)。擬似連の可変表示演出を実行する場合に、擬似連の可変表示演出における演出態様や、仮停止表示する擬似連チャンス目となる飾り図柄の組合せを決定する。なお、擬似連が複数回の場合は、各回における擬似連チャンス目となる飾り図柄の組合せを決定する。
ステップS401Aに続いて、示唆演出決定処理を実行する(ステップS402)。一例として、ステップS402の処理では、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される示唆演出決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された示唆演出決定テーブルを参照することにより、第1〜第3ルーレット演出の実行の有無、及び、実行する場合における演出結果などを決定すればよい。
図15は、示唆演出決定テーブルの内容を示している。示唆演出決定テーブルでは、例えば、乱数値と比較される数値(決定値)が、第1〜第3ルーレット演出の一部又は全部の実行の有無、並びに、ルーレット演出を実行する場合における示唆する事象の種類及び演出結果に、主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドなどにより特定される飾り図柄の可変表示態様(可変表示態様が「擬似連(3回)+スーパーリーチ」であるか、可変表示態様が「擬似連(2回)」であるか、可変表示態様が「擬似連(1回)」であるか、可変表示態様が「スーパーリーチ」であるか)に応じて割り当てられていればよい。
例えば、可変表示態様が「擬似連(3回)+スーパーリーチ」である場合には、第1〜第3の全てのルーレット演出を実行することに決定される。第1ルーレット演出については、示唆する事象の種類が「擬似連」で、演出結果が「○(当たり)」となる演出に決定される。即ち、第1ルーレット演出は擬似連のルーレット演出で、「擬似連」の図柄が点滅表示される演出結果に決定される。第2ルーレット演出については、示唆する事象の種類が「擬似連」で、演出結果が「○(当たり)」となる演出に決定される。即ち、第2ルーレット演出も擬似連のルーレット演出で、「擬似連」の図柄が点滅表示される演出結果に決定される。第3ルーレット演出については、示唆する事象の種類が「スーパーリーチ」で、演出結果が「○(当たり)」となる演出に決定される。即ち、第3ルーレット演出はスーパーリーチのルーレット演出で、「SP」の図柄が点滅表示される演出結果に決定される。
また、可変表示態様が「擬似連(2回)」である場合には、図15に示す決定割合で、第1〜第3の全てのルーレット演出を実行すること、または、第1ルーレット演出及び第2ルーレット演出を実行することに決定される。可変表示態様が「擬似連(1回)」である場合には、図15に示す決定割合で、第1ルーレット演出及び第2ルーレット演出を実行すること、または、第1ルーレット演出を実行することに決定される。可変表示態様が「スーパーリーチ」である場合には、図15に示す決定割合で、第1ルーレット演出及び第2ルーレット演出を実行すること、または、第1ルーレット演出を実行することに決定される。なお、図15において「×」は、演出結果がハズレとなることを示す。即ち、擬似連のルーレット演出又はスーパーリーチのルーレット演出において、「×」の図柄が点滅表示される演出結果に決定されることを示す。また、図15において「−」は、該当するルーレット演出が実行されないことを示す。
図14のステップS402の処理に続き、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS403)。例えば、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドで示された変動パターン、及び、ステップS401AやステップS402の処理で決定した内容などに対応して、複数用意された特図変動時演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットする。
ステップS403の処理を実行した後には、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS404)。そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS405)。このときには、例えばステップS403にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示画面に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
ステップS405の処理に続き、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留記憶表示を更新するための設定を行う(ステップS406)。例えば、始動入賞記憶表示エリア5Hにおいて保留番号が「1」に対応した表示部位を消去するとともに、全体の表示部位を1つずつ左方向に移動させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS407)、可変表示開始設定処理を終了する。
図16(A)は、図14のステップS403で決定される演出制御パターンの構成例を示す説明図である。図16(A)に示す構成例において、演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値、表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データ、終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御プロセスタイマ判定値は、RAM122における所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの格納値である演出制御プロセスタイマ値と比較される値(判定値)であって、各演出動作の実行時間(演出時間)に対応した判定値が予め設定されている。なお、演出制御プロセスタイマ判定値に代えて、例えば主基板11から所定の演出制御コマンドを受信したことや、演出制御用CPU120において演出動作を制御するための処理として所定の処理が実行されたことといった、所定の制御内容や処理内容に対応して、演出制御の切換タイミング等を示すデータが設定されていてもよい。
表示制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における各飾り図柄の可変表示態様を示すデータといった、画像表示装置5における演出画像の表示態様を示すデータが含まれている。すなわち、表示制御データは、画像表示装置5における演出画像の表示動作を指定するデータである。音声制御データには、例えば飾り図柄の可変表示中における飾り図柄の可変表示動作に連動した効果音等の出力態様を示すデータといった、スピーカ8L,8Rからの音声出力態様を示すデータが含まれている。すなわち、音声制御データは、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作を指定するデータである。ランプ制御データには、各種LED等の発光体における点灯動作態様を示すデータが含まれている。すなわち、ランプ制御データは、発光体の点灯動作を指定するデータである。
操作検出制御データには、例えばスティックコントローラ31Aの操作桿に対する指示操作(傾倒操作)とトリガボタンに対する指示操作(押引操作)とを有効に検出する操作有効期間、あるいはプッシュボタン31Bに対する指示操作(押下操作)を有効に検出する操作有効期間や、各々の操作を有効に検出した場合における演出動作の制御内容等を指定するデータといった、遊技者の操作行為に応じた演出動作態様を示すデータが含まれている。
なお、これらの制御データは、全ての演出制御パターンに含まれなければならないものではなく、各演出制御パターンによる演出動作の内容に応じて、一部の制御データを含んで構成される演出制御パターンがあってもよい。また、演出制御パターンに含まれる複数種類のプロセスデータでは、各タイミングで実行される演出動作の内容に応じて、それぞれのプロセスデータを構成する制御データの種類が異なっていてもよい。すなわち、表示制御データや音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データの全部を含んで構成されたプロセスデータもあれば、これらの一部を含んで構成されたプロセスデータもあってよい。
図16(B)は、演出制御パターンの内容に従って実行される各種の演出動作を示している。演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれる各種の制御データに従って、演出動作の制御内容を決定する。例えば、演出制御プロセスタイマ値が演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したときには、その演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた表示制御データにより指定される態様で飾り図柄を表示させるとともに、キャラクタ画像や背景画像、ルーレットといった演出画像を画像表示装置5に表示させる制御を行う。また、音声制御データにより指定される態様でスピーカ8L,8Rから音声を出力させる制御を行うとともに、ランプ制御データにより指定される態様で各種LED等の発光体を点滅させる制御を行い、操作検出制御データにより指定される操作有効期間にてスティックコントローラ31Aのトリガボタンや操作桿あるいはプッシュボタン31Bに対する操作を受け付けて演出内容を決定する制御を行う。なお、演出制御プロセスタイマ判定値と対応していても制御対象にならない演出用部品に対応するデータには、ダミーデータ(制御を指定しないデータ)が設定されてもよい。
演出制御用CPU120は、例えば飾り図柄の可変表示を開始するときなどに、変動パターン指定コマンドに示された変動パターンなどに基づいて演出制御パターンをセットする。ここで、演出制御パターンをセットする際には、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータをROM121から読み出してRAM122の所定領域に一時記憶させてもよいし、該当する演出制御パターンを構成するパターンデータのROM121における記憶アドレスを、RAM122の所定領域に一時記憶させて、ROM121における記憶データの読出位置を指定するだけでもよい。その後、演出制御プロセスタイマ値が更新されるごとに、演出制御プロセスタイマ判定値のいずれかと合致したか否かの判定を行い、合致した場合には、対応する各種の制御データに応じた演出動作の制御を行う。こうして、演出制御用CPU120は、演出制御パターンに含まれるプロセスデータ#1〜プロセスデータ#n(nは任意の整数)の内容に従って、演出装置(画像表示装置5、スピーカ8L,8R、各種LED等の発光体など)の制御を進行させる。なお、各プロセスデータ#1〜プロセスデータ#nにおいて、演出制御プロセスタイマ判定値#1〜#nと対応付けられた表示制御データ#1〜表示制御データ#n、音声制御データ#1〜音声制御データ#n、ランプ制御データ#1〜ランプ制御データ#n、操作検出制御データ#1〜操作検出制御データ#nは、演出装置における演出動作の制御内容を示し、演出制御の実行を指定する演出制御実行データ#1〜演出制御実行データ#nを構成する。
こうしてセットした演出制御パターンに従った指令が、演出制御用CPU120から表示制御部123や音声制御基板13などに対して出力される。演出制御用CPU120からの指令を受けた表示制御部123では、その指令に示される画像データをCGROMから読み出してVRAMに一時記憶させることなどにより展開させる。また、演出制御用CPU120からの指令を受けた音声制御基板13では、例えば音声合成用ICがその指令に示される音声データを音声データROMから読み出して音声RAM等に一時記憶させることなどにより展開させる。
図17は、図8のステップS172にて実行される可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS451)。一例として、ステップS451の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して所定の演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)から終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップ451にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS451;No)、示唆演出の実行があるか否かを判定する(ステップS452)。一例として、演出制御用CPU120は、予め複数用意された示唆演出制御パターン(例えば第1〜第3ルーレット演出制御パターン)のいずれかが使用パターンにセットされているか否かに応じて、示唆演出の有無を判定すればよい。そして、示唆演出の実行があると判定された場合には(ステップS452;Yes)、示唆演出動作制御処理を実行する(ステップS453)。
ステップS452にて示唆予告演出の実行がないと判定された場合や(ステップS452;No)、ステップS453の示唆演出動作制御処理を実行した後には、擬似連の可変表示演出の実行があるか否かを判定する(ステップS453A)。擬似連の可変表示演出の実行があると判定された場合には(ステップS453A;YES)、擬似連動作制御処理を実行する(ステップS453B)。ステップS453Bでは、飾り図柄の可変表示をステップS401Aで決定した仮停止図柄で一旦仮停止した後、すぐに再変動を行う。
ステップS453Aにて擬似連の可変表示演出の実行がないと判定された場合や(ステップS453A;No)、ステップS453Bの擬似連動作制御処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS454)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて使用パターンに決定された演出制御パターン(例えば特図変動時演出制御パターン)において、予め定められていればよい。ステップS454にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS454;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS455)。例えば、ステップS455の処理では、演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データ(例えば表示制御データまたはランプ制御データなど)に応じて、所定の演出態様によるリーチ演出を実行するために、各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、演出用模型を動作させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にてリーチ演出を実行できればよい。
ステップS454にてリーチ演出期間ではないと判定されたときや(ステップS454;No)、ステップS455の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS456)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS451にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS451;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS457)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS457;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS457にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS457;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS458)。また、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS459)。そして、演出プロセスフラグの値を可変表示停止処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS460)、可変表示中演出処理を終了する。
図18は、示唆演出動作制御処理として、図17のステップS453にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す示唆演出動作制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、第1ルーレット演出を実行するための第1ルーレット演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS511)。第1ルーレット演出実行期間は、例えば第1ルーレット演出を実行する場合に、ステップS403にて決定された第1ルーレット演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値と第1ルーレット演出制御パターンとにより、第1ルーレット演出実行期間であるか否かを判定できればよい。
ステップS511にて第1ルーレット演出実行期間であると判定されたときには(ステップS511;Yes)、演出制御用CPU120は、第1ルーレット演出を実行する制御を行う(ステップS512)。
ステップS512の処理を実行した後や、ステップS511にて第1ルーレット演出実行期間でないと判定されたときには(ステップS511;No)、演出制御用CPU120は、第2ルーレット演出を実行するための第2ルーレット演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS513)。第2ルーレット演出実行期間は、例えば第2ルーレット演出を実行する場合に、ステップS403にて決定された第2ルーレット演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値と第2ルーレット演出制御パターンとにより、第2ルーレット演出実行期間であるか否かを判定できればよい。
ステップS513にて第2ルーレット演出実行期間であると判定されたときには(ステップS513;Yes)、演出制御用CPU120は、第2ルーレット演出を実行する制御を行う(ステップS514)。
ステップS514の処理を実行した後や、ステップS513にて第2ルーレット演出実行期間でないと判定されたときには(ステップS513;No)、演出制御用CPU120は、第3ルーレット演出を実行するための第3ルーレット演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS515)。第3ルーレット演出実行期間は、例えば第3ルーレット演出を実行する場合に、ステップS403にて決定された第3ルーレット演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。演出制御用CPU120は、演出制御プロセスタイマ値と第3ルーレット演出制御パターンとにより、第3ルーレット演出実行期間であるか否かを判定できればよい。
ステップS515にて第3ルーレット演出実行期間であると判定されたときには(ステップS515;Yes)、演出制御用CPU120は、第3ルーレット演出を実行する制御を行う(ステップS516)。
ステップS516の処理を実行した後や、ステップS515にて第3ルーレット演出実行期間でないと判定されたときには(ステップS515;No)、演出制御用CPU120は、示唆演出動作制御処理を終了する。
図19は、ルーレット演出の実行タイミングを示すタイミング図である。例えば、図19(A)に示すように変動パターンPB2−3又はPB3−3(擬似連(3回)→スーパーリーチ変動パターン)に基づく特図変動(特別図柄の変動)が開始されると、第1ルーレット演出として擬似連のルーレット演出、第2ルーレット演出として擬似連のルーレット演出及び第3ルーレット演出としてスーパーリーチのルーレット演出が、時刻Tsにおいて同時に開始される。その後、時刻T1において第1ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出され、時刻T2において第2ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出され、時刻T3において第3ルーレット演出の演出結果として「SP」が導出される。なお、この実施の形態では、擬似連の可変表示演出における最初の再変動が実行される前に、第1〜第3の全てのルーレット演出において演出結果が導出される。
また、例えば、図19(B)に示すように変動パターンPB2−2又はPB3−2(擬似連(2回)→ノーマルリーチ変動パターン)に基づく特図変動(特別図柄の変動)が開始されると、第1ルーレット演出として擬似連のルーレット演出及び第2ルーレット演出として擬似連のルーレット演出が、時刻Tsにおいて同時に開始される。その後、時刻T1において第1ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出され、時刻T2において第2ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出される。
また、例えば、図19(C)に示すように変動パターンPB2−1又はPB3−1(擬似連(1回)→ノーマルリーチ変動パターン)に基づく特図変動(特別図柄の変動)が開始されると、第1ルーレット演出として擬似連のルーレット演出が、時刻Tsにおいて開始される。その後、時刻T1において第1ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出される。
また、例えば、図19(D)に示すように変動パターンPA2−2、PA2−3、PA3−2又はPA3−3(スーパーリーチ変動パターン)に基づく特図変動(特別図柄の変動)が開始されると、第1ルーレット演出としてスーパーリーチのルーレット演出が、時刻Tsにおいて開始される。その後、時刻T1において第1ルーレット演出の演出結果として「SP」が導出される。なお、この実施の形態では、スーパーリーチのリーチ演出が実行される前に、第1ルーレット演出において演出結果が導出される。
図20は、各ルーレット演出の態様例を示す図である。擬似連のルーレット演出では、図20(A)に示すルーレットRGが用いられる。ルーレットRGは、「擬似連」を示す複数の図柄と、「×」を示す複数の図柄とを備えている。擬似連のルーレット演出では、ルーレットRGを回転表示させ、所定時間経過後にルーレットRGの回転を停止して、上述したステップS402の示唆演出決定処理において決定された内容に基づいて「擬似連」又は「×」の図柄のうちいずれか1つを白黒反転で点滅表示する。また、スーパーリーチのルーレット演出では、図20(B)に示すルーレットRSが用いられる。ルーレットRSは、「SP」を示す複数の図柄と、「×」を示す複数の図柄とを備えている。スーパーリーチのルーレット演出では、ルーレットRSを回転表示させ、所定時間経過後にルーレットRSの回転を停止して、上述したステップS402の示唆演出決定処理において決定された内容に基づいて「SP」又は「×」の図柄のうちいずれか1つを白黒反転で点滅表示する。
次に、ルーレット演出が実行されるときの主な演出画面について図21を参照して説明する。この実施の形態では、図21に示すように画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」のルーレット表示エリア150L、150C、150Rが配置されている。「左」のルーレット表示エリア150Lは、第1ルーレット演出におけるルーレットが表示される表示エリアである。「中」のルーレット表示エリア150Cは、第2ルーレット演出におけるルーレットが表示される表示エリアである。また、「右」のルーレット表示エリア150Rは、第3ルーレット演出におけるルーレットが表示される表示エリアである。なお、画像表示装置5の表示領域に配置されるルーレット表示エリアの位置は「左」「中」「右」に限られず、例えば、「上」「中」「下」や、「左上」「右上」「右下」などとしてもよい。
図21(A)に示すように飾り図柄の可変表示中に、第1ルーレット演出、第2ルーレット演出、第3ルーレット演出が実行され、ルーレット表示エリア150L、150C、150Rにおいて、第1ルーレット演出に対応するルーレットRG1、第2ルーレット演出に対応するルーレットRG2、第3ルーレット演出に対応するルーレットRSが同時に回転表示される。そして、図21(B)に示すようにルーレット表示エリア150LにおいてルーレットRG1の回転が停止して、「擬似連」の図柄が点滅表示する。次に、図21(C)に示すようにルーレット表示エリア150CにおいてルーレットRG2の回転が停止して、「擬似連」の図柄が点滅表示する。次いで、図21(D)に示すようにルーレット表示エリア150RにおいてルーレットRSの回転が停止して、「SP」の図柄が点滅表示する。その後、図21(E)に示すようにルーレット表示エリア150LではルーレットRG1が消去され、図21(F)に示すようにルーレット表示エリア150CではルーレットRG2が消去されて、最後にルーレット表示エリア150RでルーレットRSが消去される。なお、図21では、第1ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出され、第2ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出され、第3ルーレット演出の演出結果として「SP」が導出されたので、3回の擬似連を行う可変表示演出、及び、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることが示唆されたことになる。
以上説明したように、上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図19(A)に示すように第1〜第3の3つのルーレット演出を同時に実行し、第1ルーレット演出、第2ルーレット演出、第3ルーレット演出の順に、演出結果を導出する。従って、ルーレット演出を複数実行して遊技の興趣を向上させることができるとともに、各々のルーレット演出の演出結果が異なるタイミングで導出されるので、実行された複数のルーレット演出のうちいずれのルーレット演出の演出結果に注目すればよいか分かりやすくすることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図19(A)に示すように第1ルーレット演出として擬似連のルーレット演出(擬似連の可変表示演出が実行されるか否かを示唆するルーレット演出)、第2ルーレット演出として擬似連のルーレット演出及び第3ルーレット演出としてスーパーリーチのルーレット演出(スーパーリーチのリーチ演出が実行されるか否かを示唆するルーレット演出)を実行する。従って、複数のルーレット演出において、擬似連の可変表示演出が実行されることやスーパーリーチのリーチ演出が実行されることといった各々異なる事象の発生が示唆されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図19(A)に示すように擬似連のルーレット演出とスーパーリーチのルーレット演出とを実行する場合には、擬似連のルーレット演出の演出結果を先に導出し、スーパーリーチのルーレット演出の演出結果を後に導出する。このように、擬似連やスーパーリーチといった示唆される事象の種類に応じて、擬似連よりもスーパーリーチの演出結果が後に導出されるといったように演出結果が導出されるタイミングが異なるので、演出結果が導出されるタイミングに注目させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図21に示すように画像表示装置5の表示領域における「左」のルーレット表示エリア150Lは第1ルーレット演出のルーレットRG1が表示される表示エリアであり、「中」のルーレット表示エリア150Cは第2ルーレット演出のルーレットRG2が表示される表示エリアであり、「右」のルーレット表示エリア150Rは第3ルーレット演出のルーレットRSが表示される表示エリアである。そして、第1〜第3ルーレット演出を実行した場合には、「左」のルーレット表示エリア150L、「中」のルーレット表示エリア150C、「右」のルーレット表示エリア150Rの順に、ルーレット演出の演出結果を導出する。このように、「左」、「中」、「右」といったルーレット演出の実行態様に応じて演出結果が導出されるタイミングが分かるので、演出結果が導出されるタイミングに注目させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図15に示すように演出結果としてハズレとなることを示す「×」に決定される場合があり、この場合には、ルーレット演出の演出結果として「×」が導出される。従って、擬似連の可変表示演出などの遊技に関する事象が発生しない場合にもルーレット演出を実行することができるため、ルーレット演出の実行頻度を向上させることができる。
上記実施の形態に係るパチンコ遊技機1によれば、例えば図15に示すように3つのルーレット演出を実行する場合や、2つのルーレット演出を実行する場合には、演出結果として「×」が導出される数は最大で1つとなっている。また、実行された全てのルーレット演出について演出結果が「×」となることはない。従って、擬似連の可変表示演出やスーパーリーチのリーチ演出といった遊技に関する事象のいずれの発生も示唆しない演出結果である「×」の導出頻度が抑制されるため、遊技の興趣の低下を防止することができる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、図21に示すように画像表示装置5の表示領域における「左」のルーレット表示エリア150Lを第1ルーレット演出のルーレットRG1が表示される表示エリアとし、「中」のルーレット表示エリア150Cを第2ルーレット演出のルーレットRG2が表示される表示エリアとし、「右」のルーレット表示エリア150Rを第3ルーレット演出のルーレットRSが表示される表示エリアとした。そして、第1〜第3ルーレット演出を実行した場合には、「左」のルーレット表示エリア150L、「中」のルーレット表示エリア150C、「右」のルーレット表示エリア150Rの順に、ルーレット演出の演出結果を導出した。しかし、複数のルーレット演出を実行する場合の実行態様及び演出結果の導出タイミングは、上記のものに限られない。
例えば、図22(A)に示すように、ルーレットRG1にキャラクタAが付随する実行態様で第1ルーレット演出を実行し、ルーレットRG2にキャラクタBが付随する実行態様で第2ルーレット演出を実行し、ルーレットRSにキャラクタCが付随する実行態様で第3ルーレット演出を実行してもよい。この場合にはキャラクタAが付随する実行態様、キャラクタBが付随する実行態様、キャラクタCが付随する実行態様の順に、ルーレット演出の演出結果を導出すればよい。
また、例えば、図22(B)に示すように、ルーレットRG1の背景をドットパターンとする実行態様で第1ルーレット演出を実行し、ルーレットRG2の背景を斜線パターンとする実行態様で第2ルーレット演出を実行し、ルーレットRSの背景を斜線格子パターンとする実行態様で第3ルーレット演出を実行してもよい。この場合には背景がドットパターンである実行態様、背景が斜線パターンである実行態様、背景が斜線格子パターンである実行態様の順に、ルーレット演出の演出結果を導出すればよい。なお、背景のパターンは、ドット、斜線、斜線格子に限られない。
ルーレット演出の実行態様は、図21や図22(A)、(B)に示すもの以外にも、例えば、ルーレットの背景に番号が表示されている実行態様や、ルーレットやルーレットの背景の色がそれぞれ異なる実行態様であってもよい。また、2つのサブ液晶A、Bを設け、サブ液晶Aの表示領域に第1ルーレット演出のルーレットRG1が表示される表示エリアを配置し、サブ液晶Bの表示領域に第2ルーレット演出のルーレットRG2が表示される表示エリアを配置し、画像表示装置5の表示領域に第3ルーレット演出のルーレットRSが表示される表示エリアを配置してもよい。また、ルーレット演出を実行可能な役物を複数設けてもよい。
また、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」といった位置や、ルーレットに付随するキャラクタの種類、ルーレットの背景模様などの実行態様によって、ルーレットの停止順が定まっているものに限られない。例えば、ルーレット演出の実行態様によって、「擬似連」や「SP」といった当りが表示される割合が異なってもよい。また、複数の実行態様のうち1つの実行態様のルーレット演出では「擬似連」が導出され易く、別の実行態様のルーレット演出では「SP]が導出され易いなどといったように、ルーレット演出の実行態様によって、示唆する事象の種類の割合が異なってもよい。
上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1では、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態となることや、可変表示回数が所定回数に達したことといった、予め定められたコイン付与許可条件が成立したときに、特典の付与を受ける際の交換価値であるコインを付与するための抽選処理が、例えば図8に示すステップS173内で実行される。この抽選処理で当選した場合には、所定枚数のコインが付与される一方、落選した場合にはコインが付与されない。抽選処理で当選してコインが付与されたときには、例えばルーレット演出において、演出結果がハズレとなることを示唆する「×」の代わりにコインが付与されたことを示唆する「コイン」となる特典付与示唆演出が実行されるようにしてもよい。
ステップS160におけるパスワードに基づく演出設定の一例として、特典付与示唆演出における演出結果を決定するための演出結果決定テーブルを、パスワードの入力がなかった場合とは異なる演出結果決定テーブルに設定する。特典付与示唆演出では、例えばルーレットの各ます目といった選択肢として、可変表示結果が「ハズレ」となることを報知する「×」と、可変表示結果が「大当り」となることを報知する「○」と、遊技者にコイン(所定特典)が付与されたことを報知する「コイン」とのうち、一部または全部の選択肢が表示される。そして、ルーレットを球が回転するような態様で特典付与示唆演出が実行され、演出結果として「×」、「○」、「コイン」のうちいずれの選択肢に球が停止表示されたかに応じて、可変表示結果やコインの付与があったことを報知する。
例えば図17に示すステップS172の処理では、可変表示が開始されることに対応して特典付与示唆演出となる演出動作の制御が開始され、可変表示結果が導出表示される以前に、特典付与示唆演出における演出結果が報知されればよい。こうした特典付与示唆演出における演出結果は、パスワード入力フラグがオンであるか否かに応じた所定割合で決定されればよい。
一例として、パスワード入力フラグがオフである場合には、可変表示結果が「ハズレ」に決定された場合と、可変表示結果が「大当り」に決定された場合との各々に応じた所定割合で、特典付与示唆演出を実行しないこと、演出結果として「×」の選択肢に球が停止表示されること、演出結果として「○」の選択肢に球が停止表示されることのうち、いずれかに決定される。一方、パスワード入力フラグがオンである場合には、これらに加えて、さらに演出結果として「コイン」の選択肢に球が停止表示されることで、コインの付与があったことを報知できればよい。このような設定により、パスワードの入力があった場合には、コインの付与があれば、特典付与示唆演出における演出結果として「コイン」の選択肢に球が停止表示されることで、コインの付与があったことを報知できる。一方、コインの付与がある場合でも、パスワードの入力がない場合には、特典付与示唆演出における演出結果として「○」または「×」の選択肢に球が停止表示され、「コイン」の選択肢に球が停止表示される場合はない。この場合に、「コイン」の選択肢がルーレットにおける選択肢に含まれないように設定してもよいし、ルーレットにおける選択肢に含まれても球が停止表示されることはないように設定してもよい。
図23は、特典付与示唆演出が実行される場合の演出動作例を示している。この演出動作例では、新たな可変表示が開始されて特典付与示唆演出を実行すると決定されたことに基づいて、図23(1)に示すように、画像表示装置5の表示領域に、「○」および「×」の選択肢(ルーレットの各ます目に「○」および「×」が表示されている)を含むルーレットの絵が表示される。続いて、図23(2)に示すように、「ルーレットチャンス!」などのメッセージにより特典付与示唆演出の開始を報知するとともに、ルーレットを球が回転するような演出が開始される。
その後、演出結果の報知タイミングになると、図23(3)に示すように、球が一旦は「×」のます目に入球するような画像表示が行われ、あたかも可変表示結果が「ハズレ」となるかのような演出が実行される。そして、図23(4)に示すように、球が入ったます目が「×」から「コイン」に変化するような演出が実行されて、コインの付与があったことを報知する。
図23に示す演出動作例では、演出結果として「コイン」の選択肢に球が停止表示されているが、「○」の選択肢に球が停止表示される場合には、図23(3)において、「○」のます目に球が入った状態で確定表示される。また、「×」の選択肢に球が停止表示される場合には、図23(3)において、「×」のます目に入球する演出が実行され、入球した「×」のます目が変化することなく、そのまま「×」のます目に球が入った状態で確定表示される。
なお、付与されたコインの種類が金・銀・銅のいずれであるかにかかわらず、共通の態様で「コイン」の選択肢を表示してコインの付与があったことを報知するものに限定されず、例えば「金コイン」、「銀コイン」、「銅コイン」の選択肢を表示したり、「コイン」の選択肢における表示色を異ならせたりすることにより、付与されたコインの種類が金・銀・銅のいずれであるかを特定可能に報知してもよい。例えば「コイン」の選択肢とともに数字を表示することなどにより、コインが付与された枚数も特定可能に報知してもよい。また、例えば、付与されるコインの枚数(例えば3枚)に応じた数(例えば3つ)のルーレット演出においてコインが付与されたことを示唆する演出結果を導出してもよい。
こうした特典付与示唆演出では、パスワードの入力がなければ、演出結果として「○」または「×」の選択肢に球が停止表示され、「コイン」の選択肢には球が停止表示されることがない。そのため、コインが付与されたか否かを特典付与示唆演出における演出結果から遊技者が認識することは不可能になる。これに対して、パスワードの入力があった場合には、演出結果として「コイン」の選択肢に球が停止表示されることで、コインが付与されたことを遊技者が認識可能に報知できる。なお、パスワードの入力がある場合には、パスワードの入力がない場合よりも高い割合で、演出結果として「コイン」の選択肢に球を停止表示することに決定されてもよい。
このように図23に示すような特典付与示唆演出では、例えばコインといった所定特典が付与されるか否かに基づいて、「○」または「×」の選択肢に対応する演出結果のように所定の遊技特典が付与されるか否かを示唆する演出態様と、「コイン」の選択肢に対応する演出結果のように遊技特典とは異なる所定特典が付与されたことを示唆する演出態様とのうち、いずれかの演出態様となる。パスワードの入力があるときには、こうした特典付与示唆演出が実行されることで、遊技者による指示入力を促進して、特典の付与に関する遊技の興趣を向上させることができる。
なお、ステップS160におけるパスワードに基づく演出設定においてパスワードの入力があった場合、ルーレット演出において、演出結果として「コイン」の選択肢以外にも、例えば、保留表示が特定態様に変化する「保留変化」や、演出モードが特別な演出モードに移行する「先読み演出モード」、確変状態であるか否かを報知する「確変潜伏モード」などの選択肢が表示され、これらの選択肢に球が停止表示されることで、「保留変化」や「先読み演出モード」、「確変潜伏モード」などが実行されることを示唆してもよい。ルーレット演出において「保留変化」や、「先読み演出モード」、「確変潜伏モード」などの選択肢を表示させるか否かは、例えばステップS308の入力後メニュー操作処理において遊技者の操作に基づいて決定してもよい。
上記実施の形態では、図15に示す示唆演出決定テーブルを参照することにより、第1〜第3ルーレット演出の実行の有無、及び、実行する場合における演出結果などを決定した。しかし、ルーレット演出の実行の有無や、演出結果などを決定する際に用いるテーブルは、図15に示す示唆演出決定テーブルに限定されない。例えば、1回の擬似連(1回の再変動を実行する擬似連変動)を行う可変表示演出が実行される場合に、第1〜第2の2つのルーレット演出を実行するときは、常に、第1ルーレット演出の演出結果が「×」、第2ルーレット演出の演出結果が「○(当たり)」となる組合せに決定されるようにしてもよい。また、2回の擬似連を行う可変表示演出が実行される場合に、第1〜第3の3つのルーレット演出を実行するときは、演出結果が「×」となるスーパーリーチのルーレット演出を第1ルーレット演出として決定してもよい。このようにすれば、「○(当たり)」となる演出結果よりも、「×」となる演出結果を先に導出するので、同時期に実行されている複数のルーレット演出のうち、演出結果が導出されていないルーレット演出に対して、興趣の低下を防止することができる。
上記実施の形態では、可変表示態様が「擬似連(3回)+スーパーリーチ」である場合には、第1〜第3ルーレット演出の演出結果として「擬似連」「擬似連」「SP」を導出した。しかし、この場合には、例えば第1〜第3ルーレット演出の演出結果として「擬似連」「擬似連」「擬似連」といったように全てのルーレット演出において「擬似連」を導出してもよい。
上記実施の形態では、図15に示すように第1ルーレット演出のみを実行する場合には、「×」となる演出結果を導出せず、また、第1ルーレット演出及び第2ルーレット演出を実行する場合には、「×」となる演出結果を導出するときでも1つだけとした。しかし、例えば、第1ルーレット演出のみを実行する場合に、「×」となる演出結果を導出してもよく、また、第1ルーレット演出及び第2ルーレット演出を実行する場合に、どちらも「×」となる演出結果を導出してもよい。
上記実施の形態では、擬似連のルーレット演出とスーパーリーチのルーレット演出とを実行する場合に、擬似連のルーレット演出の演出結果を先に導出し、スーパーリーチのルーレット演出の演出結果を後に導出した。しかし、例えば、スーパーリーチのルーレット演出の演出結果を先に導出し、擬似連のルーレット演出の演出結果を後に導出するといったように、可変表示結果が「大当り」となる可能性が高い事象の順に導出してもよい。
上記実施の形態では、ルーレット演出において、擬似連の可変表示演出が実行されること及びスーパーリーチのリーチ演出が実行されることを示唆した。しかし、ルーレット演出において、例えば、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となること及び特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となることを示唆してもよい。この場合には、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となることを示唆するルーレット演出(以下、普図ゲームのルーレット演出という。)の演出結果を、特別図柄の可変表示開始から最適なタイミングで導出すればよい。例えば、普通図柄の可変表示時間と普通図柄の停止時間(開放待ち時間)とを足した時間が、最後に実行される第3ルーレット演出の停止時間よりも遅い場合には、普図ゲームのルーレット演出を第3ルーレット演出として実行して、普図ゲームのルーレット演出の演出結果を最後に導出してもよい。また、普通図柄の可変表示時間と普通図柄の停止時間とを足した時間が、第3ルーレット演出の停止時間よりも早い場合には、普図ゲームのルーレット演出を第2ルーレット演出又は第1ルーレット演出として実行して、普通可変入賞球装置6Bが開放状態に変化する前に普図ゲームのルーレット演出の演出結果を導出すればよい。
また、例えば、先読み予告として「保留変化」や「先読み演出モード」などが実行される場合には、ルーレット演出において、「保留変化」や「先読み演出モード」などが実行されることを示唆してもよい。例えば、始動入賞口に遊技球が通過したことに基づいて、「保留変化」や「先読み演出モード」などを実行するか否かを決定する際に、「保留変化」や「先読み演出モード」などの実行を示唆するルーレット演出を実行した直後に「保留変化」や「先読み演出モード」などを実行すると決定したり、ルーレット演出を実行した可変表示の終了時などのタイミングで「保留変化」や「先読み演出モード」などを実行すると決定したりすればよい。また、「確変潜伏モード」を実行する場合には、ルーレット演出において、「確変潜伏モード」が実行されることを示唆してもよい。この場合には、例えば、「確変潜伏モード」が実行されることを示唆するルーレット演出を実行した直後に「確変潜伏モード」を実行したり、ルーレット演出を実行した可変表示の終了時などのタイミングで「確変潜伏モード」を実行したりすればよい。このように「保留変化」や「先読み演出モード」、「確変潜伏モード」などの事象の発生についてもルーレット演出において示唆することができるので、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「ハズレ」となる場合であっても、演出結果が「×」となるルーレット演出以外のルーレット演出の実行頻度を高めることができる。
また、ルーレット演出において、例えば、画像表示装置5にキャラクタ画像やメッセージ画像などが表示される予告演出が実行されること、「滑り」の可変表示演出が実行されること、「チャンス」や「激アツ」などの様な特図表示結果が「大当り」となる期待度などを示唆してもよい。
などとしてもよい。
上記実施の形態では、図19に示すように複数のルーレット演出を実行する場合には、全てのルーレット演出を同時に開始させた。しかし、複数のルーレット演出の開始タイミングをそれぞれ異ならせてもよい。例えば、3つのルーレット演出を実行する場合、2つのルーレット演出を同時に開始させ、少し遅らせて残りの1つのルーレット演出を開始させてもよい。また、3つのルーレット演出を実行する場合、第1ルーレット演出、第2ルーレット演出、第3ルーレット演出の順に、各ルーレット演出を開始させてもよい。
上記実施の形態では、図19(A)に示すようにルーレット演出の開始と同時にルーレットを回転表示させた。しかし、例えば、ルーレット演出の開始時に、すぐにルーレットを回転表示させずにルーレットが停止している状態を一度表示し、その後にルーレットを回転表示させてもよい。このようにすれば何のルーレット演出が実行されるか認識させることができる。
上記実施の形態では、図19(A)に示すように擬似連の可変表示演出における最初の再変動が実行される前に、第1〜第3の全てのルーレット演出において演出結果を導出した。しかし、ルーレット演出の演出結果を導出するタイミングは、擬似連の可変表示演出における最初の再変動が実行される前に限定されない。例えば、第2ルーレット演出の演出結果を、擬似連の可変表示演出における2回目の再変動が実行される前に導出してもよく、また、第3ルーレット演出の演出結果を、擬似連の可変表示演出における3回目の再変動が実行される前に導出してもよい。
上記実施の形態では、第1〜第3ルーレット演出を実行するための第1〜第3ルーレット演出実行期間は、ステップS403にて決定された第1〜第3ルーレット演出制御パターンにおいて予め定められていることとした。しかし、例えば、可変表示中に実行される第1〜第3ルーレット演出の実行時間(開始時間と停止時間)を常に一定となるように予め定めておいてもよい。このようにすれば、ステップS402の示唆演出決定処理にて、実行するルーレット演出の組合せが決定されれば、ステップS453の示唆演出動作制御処理にて、各実行時間に対応して各ルーレット演出が実行されることになる。また、図15に示す示唆演出決定テーブルにおいて各ルーレット演出の実行時間を含めておき、ステップS402の示唆演出決定処理にて、実行するルーレット演出の組合せとともに各ルーレット演出の実行時間を決定してもよい。また、各ルーレット演出の実行時間を定めた実行時間決定テーブルをROM121に予め記憶して用意しておき、ステップS402の示唆演出決定処理にてルーレット演出の組合せなどを決定した後に、実行時間決定テーブルを参照して各ルーレット演出の実行時間を決定してもよい。
また、第3ルーレット演出の停止時間を、例えば最初の再変動が実行される時間よりも所定時間前となるように決定してから、決定した第3ルーレット演出の停止時間から逆算して、第3ルーレット演出の開始時間、第2ルーレット演出の停止時間及び開始時間、第1ルーレット演出の停止時間及び開始時間を決定してもよい。ルーレット演出の開始時間から停止時間までの実行時間が予め定まっている場合には、決定した第3ルーレット演出の停止時間から逆算して、第2ルーレット演出の停止時間、第1ルーレット演出の停止時間を決定すればよい。
上記実施の形態においては、飾り図柄の可変表示時間およびリーチ演出の種類等の可変表示態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、可変表示を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドとして、「滑り」の可変表示演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の前)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとして、リーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には、いわゆる第2停止の後)の可変表示時間や可変表示態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドから導かれる可変表示時間に基づいて可変表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)の方では2つのコマンドのそれぞれにより可変表示時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な可変表示態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込み内で2つのコマンドを送信するようにしてもよいし、1つ目のコマンドを送信した後、所定時間が経過してから(例えば次のタイマ割込みにおいて)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。また、それぞれのコマンドで示される可変表示態様はこの例に限定されるものではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知することで、変動パターン指定コマンドとして予め記憶して用意すべきデータ量を削減することができる。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ遊技機1を用いて説明した。しかしながら、上記実施の形態におけるパチンコ遊技機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。
図24は、この発明を適用したスロットマシンの一例となるスロットマシン500の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン500は、大別して、前面が開口するする筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。スロットマシン500の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリールRL、RC、RRを水平方向に並設した可変表示装置501が設置されている。また、スロットマシン500の前面扉には、表示機能を有する画像表示装置510が設けられている。
リールRL、RC、RRの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リールRL、RC、RRの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置501にて各々上中下三段に表示されている。各リールRL、RC、RRは、各々対応して設けられたリールモータ651L、651C、651R(図22)によって回転させることで、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リールRL、RC、RRの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として、視認可能に導出表示されるようになっている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル520が設けられている。操作テーブル520の奥側には、メダルを投入可能なメダル投入口502、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ503、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ504、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ508が設けられている。メダル投入口502に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。
操作テーブル520の手前側には、スロットマシン500にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー505、リールRL、RC、RRの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ506L、506C、506Rが設けられている。操作テーブル520の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口507が設けられている。
スロットマシン500の前面扉における画像表示装置510の上部には、スロットマシン500での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えていればよい。遊技情報表示部の左右には、効果音を発する2つのスピーカ511L、511Rが設けられている。その他、操作テーブル520の前面左右には、それぞれ遊技効果ランプ513、514が設けられている。
スロットマシン500においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口502から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ503またはMAXBETスイッチ504を操作する。こうして賭数が設定されると、賭数に応じた複数の入賞ラインのいずれかが有効となり、スタートレバー505の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートレバー505が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ505A(図25)により検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リールRL、RC、RRが回転し、各リールRL、RC、RRの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ506L、506C、506Rが操作されると、対応するリールRL、RC、RRの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリールRL、RC、RRの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リールRL、RC、RRの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン500では、スタートレバー505が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン500における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン500では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム(AT))や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ506L、506C、506Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
こうしたスロットマシン500において遊技媒体として用いられるメダルや、その枚数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらのメダルや得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、スロットマシン500で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、スロットマシン500において付与可能となる遊技価値は、景品遊技媒体となるメダルの付与や得点の付与に限定されず、例えばレギュラーボーナスやビッグボーナスや他の特別遊技状態に制御すること、特別遊技状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「25」)よりも多い第1回数(例えば「50」)となることといった、遊技者にとって有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。
スロットマシン500には、例えば図22に示すような主基板600、演出制御基板620、リールユニット650などが搭載されている。その他にも、スロットマシン500には、主基板600に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。主基板600には、遊技制御用マイクロコンピュータ610が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ610は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。
リールユニット650は、リールモータ651L、651C、651R、リールランプ652、リールセンサ653などを備えて構成される。リールモータ651L、651C、651Rは、各リールRL、RC、RRを回転させるためのモータである。リールランプ652は、各リールRL、RC、RRの内部に設けられ、各リールRL、RC、RRに描かれた図柄のうち、可変表示装置501にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ653は、各リールRL、RC、RRの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板620には、演出制御用マイクロコンピュータ630や、表示制御部631、音制御部632、ランプ制御部633などが搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ630は、上記実施の形態における演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120と同様のプログラムに従った制御を行うCPU、ROM121と同様のユーザプログラムやデータを記憶するROM、RAM122と同様のワークエリアとしてCPUにより使用されるRAM、リセット/割込みコントローラなどを備えて構成されている。表示制御部631は、画像表示装置510における表示動作の制御を行うものであり、上記実施の形態における表示制御部123と同様に、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行するVDPと、画像表示装置510の画面上に画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する画像データメモリとを備えて構成されている。
演出制御用マイクロコンピュータ630では、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置510、スピーカ511L、511R、遊技効果ランプ513、514などによる演出動作を制御するための指令や処理が、CPUによって実行される。表示制御部631では、演出制御用マイクロコンピュータ630からの表示制御指令に従った画像データの処理が、VDPによって実行される。
画像表示装置510の画面上には、例えば上記実施の形態における画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示部5L、5C、5Rと同様にして、「左」、「中」、「右」の可変表示部DL、DC、DRが設けられ、可変表示装置501における図柄の可変表示に対応して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄が可変表示される。
例えば、ストップスイッチ506Lが操作されたことによりリールRLの回転を停止させ、続いて、ストップスイッチ506Cが操作されることによりリールRCの回転を停止させることに対応して、画像表示装置510では、「左」の可変表示部DLに飾り図柄を停止表示させ、続いて、「中」の可変表示部DCに飾り図柄を停止表示させる。このとき、可変表示装置501では、リールRLの停止により導出表示された図柄と、リールRCの停止により導出表示された図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。また、画像表示装置510では、「左」の可変表示部DLに停止表示された飾り図柄と、「中」の可変表示部DCに停止表示された飾り図柄とが、いずれかの入賞ライン上でビッグボーナスとなる特別役の入賞を発生可能な組合せを構成するものとする。
演出制御用マイクロコンピュータ630は、主基板600から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンで指定された動画像の表示開始タイミング前に動画像用デコーダに動画像の再生開始を指示する。そして、所定の条件が成立して動画像を表示すべきタイミングになるまで、動画像表示制限指令によりデコードしたフレームのピクセルデータをダミー領域に書き込む制御を行う。そして、動画像を表示すべきタイミングになれば、動画像表示制限解除指令をVDPに送信して、動画像を表示する制御を行えばよい。
スロットマシン500では、上記実施の形態と同様に、例えば図21に示すようなルーレット演出の演出画面を、画像表示装置510の画面上に表示できればよい。ルーレット演出においては、例えば、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナス、アシストタイム(AT)、チャレンジタイム(CT)、リプレイタイム、集中状態となること、連続演出を実行すること、連続演出を実行する場合における連続演出の種類、チャンスアップ演出を実行すること、演出ステージを表示すること、小役が当選することなどといった、遊技の進行中に起こる事象の発生を示唆できればよい。
例えば、ルーレット演出において小役が当選することを示唆する場合には、スイカ、チェリー、ベル、リプレイの図柄のうちいずれの図柄が表示結果として導出表示されるかを示唆すればよい。また、例えばスイカとチェリーといった複数の小役が同時に当選する場合には、2つのルーレット演出においてスイカの図柄とチェリーの図柄を表示結果として導出表示すればよい。このように複数のルーレット演出において複数の小役が当選することを示唆することで、好適に期待感を維持させることができる。なお、リールの停止順や停止位置に応じて、ルーレット演出の演出結果を導出する順番やタイミングを変更してもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ630のROMには、スロットマシン500における各ルーレット演出の実行の有無、及び、実行する場合における演出結果などを決定するための示唆演出決定テーブルなどが記憶されていればよい。
加えて、本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明の遊技機は、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能なスロットマシンに限らず、例えばパチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンなどにも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。