以下、図面を参照して本発明に係る実施の形態を説明する。
<スロットマシンの構成>
図1は、遊技用装置の一例となるカードユニット3および遊技機の一例となるスロットマシン2Sを示す正面図である。図2は、カードユニット3およびスロットマシンを示す背面図である。
図1および図2を参照して、遊技場内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、スロットマシン(以下、S台と略称することがある)2Sが併設されており、そのS台2Sの所定側の側方位置に該S台2Sに対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。
S台2Sは、遊技者がメダルを手に取り投入口11に投入することなく、また遊技者の手元にメダルが払出されることもない遊技機である。このため、貸出操作等に応じてメダルが、案内通路330を通ってCU3からS台2Sの投入口11へ投入される。なお、案内通路330は、全てが透明であっても、一部が透明であってもよく、少なくとも遊技者がメダルの通過を確認することができればよい。さらに、CU3から伸びる案内通路330は、投入口11から外れないように、例えば、案内通路330の先端部に設けたツメ部と投入口11の凹部とが嵌合するように連結されている。これに限られず、案内通路330と投入口11とが外れなければ、いずれの連結手段であってもよい。
案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入されたメダルは、S台2Sの内部に設けたメダルセンサ19により検出され、クレジット(ゲームに使用可能な遊技点(以下、「遊技玉」ともいう))に加算される。加算された遊技玉数は、遊技玉数表示器50に表示される。遊技玉数として加算可能な上限数は、遊技玉数表示器50に表示可能な数の範囲内で設ければよく、従来のスロットマシンのクレジットのように「50」に限定する必要はない。また、上限数を設けなくてもよい。
メダルセンサ19で検出されたメダルは、S台2Sに設けた排出通路335を介してCU3へ排出される。CU3は、S台2Sから排出されたメダルを、回収通路336を介してホッパー34に回収する。なお、排出通路335と回収通路336とは外れないように連結されている。例えば、排出通路335に設けたツメ部と回収通路336に設けた凹部とが嵌合するように排出通路335と回収通路336とが連結されている。これに限られず、排出通路335と回収通路336とが外れなければ、いずれの連結手段であってもよい。
ホッパー34に回収されたメダルは、再びS台2Sの投入口11に投入できるように案内通路330へ揚送される。メダルの案内通路330への揚送は、メダルセンサ334と、揚送装置332と、ホッパー34から揚送装置332へ送り出す送出装置331とにより行なわれている。揚送装置332および送出装置331は、例えばモータにより駆動されるスクリューが設けられており、当該スクリューが回転することでメダルが揚送されたり、送り出されたりする。なお、ホッパー34を設けずに、回収通路336と揚送装置332とを直接連結する構成でもよい。
具体的に、メダルセンサ334は、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入するため待機しているメダルの有無を検出している。そして、メダルセンサ334は、待機しているメダルが無いことを検出した場合、揚送装置332および送出装置331に対してメダルの揚送を要求する信号を出力する。
メダルセンサ334からの信号を受けた送出装置331は、ホッパー34に回収されたメダルを揚送装置332に順次送り出す。揚送装置332は、送出装置331によりホッパー34から送り出されてきたメダルを案内通路330へ揚送する。メダルセンサ334は、揚送装置332により揚送されたメダルが案内通路330に十分待機していることを検出した場合、揚送装置332および送出装置331へ停止信号を出力する。
CU3は、貸出操作等に応じてメダルストッパ333が稼働して、案内通路330に待機しているメダルをS台2Sの投入口11に投入する。CU3からS台2Sに貸出すメダル枚数は、CU3が受け付けたカードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持点、あるいは貯メダル(以下、「貯玉数」ともいう)等)の使用量に基づいてメダルストッパ333を制御することで行なっている。なお、S台2Sの投入口11にメダルを連続して投入することができるように、投入口11にメダルを投入する速度は、揚送装置332によりメダルを揚送する速度に比べて遅い。また、ホッパー34から送り出されたメダルが滞ってしまうことを防止するため、揚送装置332は、ホッパー34がメダルを揚送装置332へ送り出す速度よりも速い速度でメダルを案内通路330へ揚送する。
このように、S台2SおよびCU3は、貸出操作等でS台2Sの投入口11にメダルを投入する際、遊技者がメダルに直接触れることなく、メダルをCU3およびS台2S内で循環させている封入循環式スロットマシンである。そのため、不正なメダルを持ち込んだり、メダルの投入口11に挿入した器具でセンサを反応させて遊技玉数を加算させたりする不正を防止することができ、セキュリティ性が向上する。
以下、CU3は、貸出操作等に応じてS台2Sに遊技玉を加算する場合、前述したようにメダルを、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入することで行なう。また、S台2Sは、計数操作に応じて遊技玉を減算して持点(以下、「持玉数」ともいう)に変換する場合、遊技者の手元にメダルが払出されることもなく減算数のデータをCU3に送信する。
S台2Sの内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が透視窓10から見えるように配置されている。
図3は、リール2L、2C、2Rに配列された図柄を示す図である。リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「黒チェリー」、「白チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓10において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられたリールモータ32L、32C、32R(図2参照)によって回転する。これにより、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓10に連続的に変化しつつ表示される。また、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓10に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)と、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED(図示せず)と、が設けられている。また、リールLEDは、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
透視窓10よりも下方の所定位置からは奥から手前側へと緩やかに傾斜する傾斜面14が形成され、そこからさらに手前側に張り出すように操作部9が形成されている。操作部9の上面には1BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6が設けられ、操作部9の手前側側面にはスタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、計数スイッチ12、および遊技玉数表示器50が設けられている。
傾斜面14には第1表示器54が取り付けられている。この第1表示器54の表示面は正面から見て奥行き方向に傾斜しており、その奥行き方向を有効活用して、画面サイズが大きい第1表示器54を取付けられるように工夫されている。また、画面が傾斜しているため、遊技者がその画面を見易くなるという効果も奏される。第1表示器54はタッチパネル式の液晶表示装置である。第1表示器54の表示画面には、表示面に対する遊技者からの指示(たとえば、タッチ操作)を検出し、当該位置(たとえば、タッチ操作された位置)を特定するためのタッチパネル(図示省略)が設けられている。第1表示器54には、ゲームにおいて設定された賭数、入賞発生時の獲得点数、その他の各種の情報が表示される。
操作部9の下方には、第2表示器55が設けられている。第2表示器55も第1表示器54と同様にタッチパネル式の液晶表示装置が採用されている。メダルを投入口11に手で投入し、精算時にメダルを払い出すような従来のメダル払出し方式のスロットマシンの場合には、第2表示器55が設けられておらず、前面パネル自体にその機種のキャラクタなどのデザイン画が描かれている場合が多い。第2表示器55には、そのようなキャラクタなどの他、その機種の入賞役の説明、ゲーム方法、あるいは攻略情報など、様々な情報が表示される。
操作部9に設けられた各種の操作手段について説明する。
1枚BETスイッチ5は、メダル1枚分に相当する「遊技玉=1」を用いて賭数を設定する際に操作されるスイッチである。MAXBETスイッチ6は、遊技状態に応じて定められた最大の賭数(たとえば、BB発生前の通常遊技状態およびリプレイの当選確率が高確率となるRT(Replay Time)においては「遊技玉=3」、ボーナスにおいては「遊技玉=2」)を設定する際に操作されるスイッチである。
スタートスイッチ7は、賭数設定後にリールを回転開始させるためのスイッチである。ストップスイッチ8L、8C、8Rは、回転中のリールを停止操作するためのスイッチであり、8Lが左、8Cが中、8Rが右のそれぞれのリールに対応する。
計数スイッチ12は、遊技玉数を計数して持玉数に変換する際に操作されるスイッチである。
次に、S台2Sにおけるゲームの流れについて説明する。S台2Sにおいてゲームを行なう場合には、まず、CU3において貸出操作をして遊技玉を確保する。この貸出操作は、従来のメダル払出し方式のスロットマシンにおいて、「メダルの貸出操作」と「貸し出されたメダルを手で投入口11に投入する操作」との2ステップの操作に対応する。貸出操作をすると、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入されたメダル枚数に応じて遊技玉数が加算される。なお、賭数が0の状態で貸出操作をした場合には、メダルが投入口11に投入されることによって賭数が優先して設定され、賭数が上限まで設定されると、以降、メダルが投入口11に投入されるごとに遊技玉数が加算されるようにしてもよい。
遊技玉数が存在する状態で1BETスイッチ5を操作すると賭数が1追加されて遊技玉数が1減算される。また、遊技玉数が存在する状態でMAXBETスイッチ6を操作すると、遊技玉数の範囲で賭数が最大数になるように追加設定され、遊技玉数がその追加設定分だけ減算される。
賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5のうち賭数および遊技状態に応じて定められた入賞ラインが有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。
ここで、入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓10に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するために設定されるラインである。本実施の形態では、図1に示すように、各リール2L、2C、2Rの中段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL1、各リール2L、2C、2Rの上段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL2、各リール2L、2C、2Rの下段に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL3、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL4、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインL5の5種類が入賞ラインとして定められている。なお、入賞ラインは、L1〜L5に示すラインに限らず、他のラインであってもよい。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓10に表示結果が導出表示される。
全てのリール2L、2C、2Rが停止することで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組合せが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。
入賞が発生すると、その入賞に応じて定められた点数が遊技者に対して付与される。この点数は、遊技玉数に加算される。
遊技玉数は、計数スイッチ12を操作することによって、その一部または全部を計数し、持玉数に変換することができる。持玉数に変換することによって、持玉数の一部を他の遊技者に分け与えるような持玉数共有処理や、持玉数をジュースなどと交換できるワゴンサービスを受けることが可能となる。さらに、持玉数に変換することによって、遊技終了時にはその持玉数をカードに記録することが可能となる。
計数スイッチ12を長押し操作(たとえば、3秒以上の操作)すると、全遊技玉数が計数されて持玉数に変換される。一方、計数スイッチ12を長押し操作検出時間に満たない時間だけ操作(以下、これを“短押し操作”と称する)すると、1回の操作で遊技玉数1玉(1クレジット)のみが計数されて持玉数1玉に変換される。なお、短押し操作1回で2玉あるいはそれ以上の複数玉が計数されるようにしてもよい。
<カードユニットの構成>
次に、引き続き図1を参照して、本実施の形態に係るカードユニットの構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記録媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記録媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
それらのカードを受け付けたCU3は、カードの記録情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばカード残高、持玉数、あるいは貯玉数等)を遊技玉数に変換する機能を有する。
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、装置前面より装置前方方向に突出形成された突出部305、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがカードリーダライタ(図示省略)に受付けられ、そのカードに記録されている情報が読取られる。
前述の突出部305において、遊技者と対向する面には、表示器312と、会員カードを受付けた場合において、該会員カードに記録された会員カードID(単に、カードIDともいう)ならびに会員カードIDにより特定される貯玉数(貯メダル数)を用いた再プレイ遊技を実施するための再プレイボタン319と、遊技場の係員が所持するリモコン(図示略)から赤外線信号を受信して電子信号に変換して出力するIR感光ユニット320が設けられている。
表示器312は、S台2S側の第1表示器54と同様に、挿入された遊技用記録媒体(カード)に記録されているプリペイド残高(カード残高または単に残高ともいう)や、持玉数、遊技玉数、その他の各種情報を表示可能であるとともに、表面が透明タッチパネルで構成されている。表示器312の表示部に表示された各種表示項目を指でタッチすることにより各種操作が入力可能となるように構成されている。
持玉ボタン324を操作した場合、挿入されたカードに記録されている持玉数の一部が引き落とされて遊技玉数に変換される。具体的には、持玉ボタン324を操作することで引き落とされる持玉数に応じてメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入され遊技玉数が加算される。
再プレイボタン319を操作した場合、ホール用管理コンピュータ等に記録されている貯玉数の一部が引き落とされて遊技玉数に変換される。具体的には、再プレイボタン319を操作することで引き落とされる貯玉数に応じてメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入され遊技玉数が加算される。
ここで、「遊技玉数」とは、賭数設定に使用可能であるとともに、「持玉数」に変換可能なデータである。「遊技玉数」は、プリペイドカードの残高、持玉数、あるいは貯玉数を引き落とすことと引き換えにして生成される。
「持玉数」とは、遊技者が遊技機により遊技を行なった結果遊技者の所有となった遊技玉数を計数変換したものである。この「持玉数」は、遊技者のカードによって特定可能に記憶される。なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。
「貯玉数」とは、遊技場に預入れられた持玉数である。遊技者が遊技で獲得した持玉数は、当日中は持玉数として管理されるが、獲得した翌日以降は「貯玉数」として管理される。すなわち、遊技場において当日遊技者が獲得して計数した遊技玉数を「持点」と言い、前日以前に遊技者が獲得して遊技場に預入れられた持玉数を「貯玉数」と言う。この「貯玉数」は、一般的に当該遊技場に設置されたホール用管理コンピュータやその他の管理コンピュータにより管理される。
以上の「残高」、「貯玉数」、「持玉数」、「遊技玉数」の各データの変換可能方向を矢印で表すと、「『残高、貯玉数、持玉数』→『遊技玉数』→『持玉数』→『貯玉数』」となる。
本実施形態では、貯玉数データは会員カードに直接記録させずホール用管理コンピュータ等の上位サーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉数を検索できるように構成されている。一方、持玉数は、カードに直接記録している。
しかし、両者ともに上位サーバにカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉数は、ビジターカードに直接記録している。しかし、持玉数を上位サーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。この上位サーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、上位サーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残高についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
なお、持玉数を、カード(会員カード、ビジターカード)、または上位サーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数スイッチ12が操作されて計数処理が行なわれるタイミングである。しかしながら、これに代えて、カードを返却するときに一括して記憶させるようにしてもよい。
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。
CU3の前面側には、さらに、貸出ボタン321とカード返却ボタン322とが設けられている。貸出ボタン321は、挿入されたカードに記録されている残高を引き落として遊技玉数を得るための操作を行なうボタンである。具体的には、貸出ボタン321を操作することで引き落とされる残高に応じてメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入され遊技玉数が加算される。カード返却ボタン322は、遊技者が遊技を終了するときに操作され、挿入されているカードに遊技終了時の確定した持玉数(カード挿入時の持玉数−持玉数から遊技玉数への変換数+精算操作によって計数された数)を記憶させて排出するための操作ボタンである。
以上、説明したように、本実施の形態に係るS台2Sによれば、カードで特定される持玉数に応じてメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入され遊技玉数に変換し、さらには遊技玉数を用いて賭数設定が可能となるため、メダルの貸し出しを受けて、そのメダルを投入してクレジットを確保し、そのクレジットを用いて賭数設定が行なわれるような従来のスロットマシンに慣れている遊技者に混乱を与えることなく、メダルを直接触れさせることがない新たなメダル循環式のスロットマシンによる遊技を提供できる。
<カードユニットとスロットマシンとの構成>
図4は、CU3とS台2Sとの構成を示すブロック図である。図4を参照して、CU3とS台2Sとの制御回路の概略を説明する。
CU3にはS台2S側への接続部327が設けられており、S台2SにはCU3側への接続部328が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタ等で構成されている。CU3とS台2Sとは、接続部327−328間を接続する通信ケーブル329で接続されている。
CU3とS台2Sとでは、この通信ケーブル329を介して、遊技玉数の加算・減算、その他の処理に関する各種のコマンドとレスポンスとがやりとりされるとともに、第1表示器54および第2表示器55の情報が送信される。
CU3には、マイクロコンピュータ等から構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
CU制御部323には、S台2Sの払出制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行なうためのセキュリティ基板325が設けられている。CU側のセキュリティ基板325とS台側の払出制御基板17とは、接続部327,328および通信ケーブル(接続配線)329を介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と払出制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、S台2Sのセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bとが設けられている。
前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されてその識別結果信号がCU制御部323に入力される。遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線をIR感光ユニット320が受光すれば、その受光信号がCU制御部323に入力される。挿入されたカードの記録情報をカードリーダライタが読取って、その読取り情報がCU制御部323に入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタに対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタはそのデータを挿入されているカードに書込む。
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の各種の遊技データを記憶する。CU制御部323からカード残高、持玉数、遊技玉数等のデータが表示制御部350に出力され、表示制御部350で表示用データに変換される。CU側の表示器312および第1表示器54に対し、表示制御部350で変換した表示用データが出力され、その出力された表示用データを表示器312および第1表示器54が表示する。その結果、表示器312、および可変表示装置(リール2L,2C,2R)と操作部9との間に設けられた第1表示器54には、カード残高、持玉数、遊技玉数等のデータが表示される。また、表示器312および第1表示器54の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が表示制御部350を介してCU制御部323に入力される。
遊技者が貸出ボタン321を操作することにより、その操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が再プレイボタン319を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者が持玉ボタン324を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。遊技者がカード返却ボタン322を操作することによりその操作信号がCU制御部323に入力される。
CU制御部323には、送出装置331、揚送装置332、メダルストッパ333、およびCU3側メダルセンサ334が接続され、メダルセンサ334からの信号に基づき送出装置331および揚送装置332の駆動を制御したり、貸出ボタン321等の操作に基づいてメダルストッパ333の駆動を制御したりする。
CU制御部323には、通信制御装置であるT−BOX(ターミナルボックス)400を介して、ホールに設置されたホール用管理コンピュータやホールの外部で各ホールを集中管理する集中ホール管理用コンピュータ500と通信を行なうための通信制御部326が設けられている。
T−BOX400と集中ホール管理用コンピュータ500とは、インターネットを介して接続されている。また、T−BOX400は、インターネットを介して後述する機種関連情報を記憶しているサーバ600(図5)とも接続されている。なお、集中ホール管理用コンピュータ500によって、機種関連情報を記憶しているサーバ600を構築してもよい。すなわち、集中ホール管理用コンピュータ500に機種関連情報を記憶するようにしてもよい。
CU制御部323は、貸出操作に伴うカード残高の使用額を特定可能なカード残高使用情報を集中ホール管理用コンピュータ500あるいはホール用管理コンピュータへ送信する。CU制御部323は、持玉数使用操作に伴う持玉の使用数を特定可能な持玉数使用情報を集中ホール管理用コンピュータ500あるいはホール用管理コンピュータへ送信する。CU制御部323は、貯玉数使用操作に伴う貯玉数の使用数を特定可能な貯玉数使用情報を集中ホール管理用コンピュータ500あるいはホール用管理コンピュータへ送信する。
S台2Sには、S台2Sの遊技の進行制御を行なう主制御基板16と、メダル点およびクレジットを記憶する払出制御基板17と、第1表示器54と、第2表示器55と、遊技玉数表示器50と、S台2S側メダルセンサ19と、計数スイッチ12と、各種操作スイッチ5,6,7,8L,8C,8R,56と、各リール4L,4C,4Rを駆動するためのリールモータ32L,32C,32Rと、各リール4L,4C,4Rの停止位置を特定するためのリールセンサ33L,33C,33Rと、スピーカ52、53とが設けられている。
第1表示器54、第2表示器55は、ともにCU3側の表示制御部350により表示制御される。なお、これに代えて、S台2Sが第1表示器54、第2表示器55の双方または一方を表示制御するものとしてもよい。
主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
主制御部161には、メダルセンサ19、1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L,8C,8R、リールセンサ33L,33C,33R、および設定スイッチ56の検出信号が入力される。
さらに、主制御部161には、計数スイッチ12が接続されている。主制御部161には、この計数スイッチ12の検出信号が入力される。主制御部161は、これらの検出信号を払出制御部171へ送信する。
設定スイッチ56は、係員が鍵を用いてS台2Sの前面扉を開けないと操作できないよう、S台2Sの内部に設けられている。この設定スイッチ56を操作することによって、ビッグボーナス後の自動精算の有無、ビッグボーナス後の打止の有無を設定できる。
ビッグボーナス後の自動精算とは、ビッグボーナスが終了した際に自動的に全遊技玉数を持玉数に計数変換する機能である。打止機能との相違は、自動精算後、再び同じ遊技者が遊技を行なうことが許容されている点である。再度遊技を行ないたい遊技者は、持玉数を引き落とすなどして遊技玉数を入手すればよい。このような自動精算機能をONにすることによって、遊技者に対して遊技の一区切りを示し、その台での遊技を終える契機を遊技者に与えることができる。
ビッグボーナス後の打止とは、ビッグボーナスが終了した後に、その台を遊技ができない遊技禁止状態にすることである。本実施の形態では、ビッグボーナス終了後の自動精算が終わり、遊技者のカードを排出した後、打止状態となる。この打止機能をONにすることによって、ビッグボーナス終了後に遊技者が同じ台で続けて遊技することを禁止できる。
打止状態の解除は、設定スイッチ56の操作により行なうことが可能である。係員がS台2Sの設定スイッチ56の操作により打止の解除操作をすると、その信号が主制御部161に入力される。すると、主制御部161は、打止状態(遊技禁止状態)を解除するとともに、解除を通知する信号を払出制御部171へ送信する。払出制御部171はこれを受けて、CU3へ許可信号を送信する。これによって、CU3は、再度カードを受付可能となる。なお、打止状態の解除操作を行なうための解除操作スイッチを別個にS台2Sに設けてもよい。
主制御部161は、スタートスイッチ7より検出信号が入力されると、リールモータ32L,32C,32Rを回転駆動させるとともに、入賞役の抽選を行なう。
入賞役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)への移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役(リプレイ)とがある。
主制御部161は、入賞役の抽選をし、リールを回転駆動させた後、遊技者によるリールの停止操作を待つ。主制御部161は、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転を停止させる。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、その結果として当該図柄から6コマ先までの図柄を上段に表示させることができる。すなわち、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を含めて7コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に引込んで停止表示させることができる。このようなリールの制御を引込み制御と称する。
このように主制御部161は、停止操作時を基準にして、所定のコマ数範囲に当選役に対応する図柄があればそれを引き込み、なければ、他の図柄を引込む制御を行ない、3つの図柄を停止させ、入賞の有無を判定する。主制御部161は、入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた数の遊技玉数を遊技者に付与する。
主制御部161は、遊技玉数の加算時に、スピーカ52、53からメダルの払出音を出力する。また、主制御部161は、計数スイッチ12が操作されて遊技玉数が計数される際には、スピーカ52、53からメダルの精算音(計数音)を出力する。これらの払出し音、および精算音は、たとえば、遊技玉数1玉の変動に対して1つの音が出力されるものである。これにより、玉数というデータを用いながらも、あたかもメダルの払出し・精算が行なわれているような感覚を遊技者に与えることができる。
また、主制御部161は、メダルセンサ19でメダルを検出できない等の異常の有無を判定し、異常有と判定されたときにエラー情報を払出制御部171に送信する。払出制御部171は、CU3に受信したエラー情報を送信する。CU3は、当該エラー情報を受信すると第1表示器54などに異常が発生したことを報知するとともに、さらにS台2Sの投入口にメダルが投入されないようにメダルストッパ333を制御する。もちろん、CU3は、当該エラー情報を上位サーバのホールサーバ801などに報知してもよい。
払出制御基板17には、払出制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。払出制御部171は、制御中枢としてのCPU(Central Processing Unit)、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM(Read Only Member)、CPUのワークエリアとして機能するRAM(Random Access Memory)、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス等が設けられている。
払出制御部171には遊技玉数が記憶されており、さらには、遊技玉数の精算に伴う持玉数の加算数も記憶されている。主制御部161から払出制御部171へは1枚BETスイッチ5やMAXBETスイッチ6、計数スイッチ12などの操作手段の操作を示す情報などが送信される。さらに、主制御部161から払出制御部171へは遊技状態(リール回転開始、リール停止、入賞発生、ビッグボーナス終了など)を示す情報も送信される。
払出制御部171は、遊技玉数の減算に応じて遊技玉数表示器50の表示を減算して表示するとともに、遊技玉数の加算に応じて遊技玉数表示器50の表示を加算して表示する。
払出制御部171は、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11にメダルが投入されたことで主制御部161を介してメダルセンサ19から検出信号が入力される。払出制御部171は、当該検出信号に基づいて遊技玉数を加算する。払出制御部171は、主制御部161を介して計数スイッチ12から入力される検出信号に基づいて、遊技玉数を減算し、その分を持玉加算数としてCU3へ送信する。
表示制御部350から第1表示器54へ送信される情報(表示情報)および第1表示器54から表示制御部350へ送信される情報(タッチパネル操作情報)、表示制御部350から第2表示器55へ送信される情報(表示情報)および第2表示器55から表示制御部350へ送信される情報(タッチパネル操作情報)、CU3側の通信制御IC325aとS台2S側の払出制御部171との間で送受信される各種の情報は、CU3の接続部327と、S台2Sの接続部328とを接続する通信ケーブル329を介してやりとりされる。
図5は、第2表示器55に機種関連情報を表示するための制御の概要を説明するための図である。第2表示器55には、S台2Sの機種関連情報が表示される。
この機種関連情報は、S台2Sの各機種に対応する情報である。CU3は、S台2Sから送信されてくる遊技機チップ情報に基づいてS台2Sの機種を特定する。さらに、CU3は、ネットワークによって接続されているホール外部のサーバ600から機種に応じた各種の機種関連情報を受信し、その機種関連情報をS台2Sの第2表示器55に表示する。
以下、図5に基づいて、機種関連情報を表示するためのCU3、S台2S、およびサーバ600の間での制御について説明する。S台2Sの主制御部161は主制御チップ情報を記憶し、払出制御部171は払出制御チップ情報を記憶している。主制御チップ情報および払出制御チップ情報を併せて遊技機チップ情報という。主制御チップ情報および払出制御チップ情報の各々は、図4に示されるように、チップIDと遊技台メーカコードと遊技台型式コードとを含んでいる。
CU3のセキュリティチップ325bは、電源投入時あるいは任意のタイミングにおいて、通信制御IC325aを介してS台2Sへ遊技機チップ情報を要求する。S台2Sの払出制御部171はCU3からの要求を受けて主制御部161へ主制御チップ情報を要求する。主制御部161は、これを受けて払出制御部171へ主制御チップ情報を送信する。払出制御部171は、主制御部161より受信した主制御チップ情報および自ら記憶している払出制御チップ情報をCU3へ送信する。
CU3のセキュリティチップ325bは、通信制御IC325aを介して遊技機チップ情報(主制御チップ情報および払出制御チップ情報)を受信し、その遊技機チップ情報をCU制御部323へ送信する。CU制御部323は、受信した遊技機チップ情報を記憶する。
これにより、CU制御部323は、CU3に接続されているS台2Sの機種等(遊技台メーカー、遊技台型式)を特定可能となる。さらに、CU制御部323は、その機種に応じた機種関連情報の送信をサーバ600に対して要求する。図4に示したように、CU3には、T−BOX400を介して集中ホール管理用コンピュータ500と通信するための通信制御部326が設けられており、この通信制御部326は、同じくT−BOX400を介して、サーバ600と接続されている。
このサーバ600は、たとえば、各社のスロットマシンの機種関連情報を機種別に管理する管理装置である。本サーバは、たとえば、スロットマシンのメーカー各社の管理コンピュータと接続されており、各社から機種関連情報を収集して記憶している。あるいは、サーバ600は、スロットマシンのメーカー各社に設置された複数台のサーバであってもよい。
図5に示したように、サーバ600には、機種のキャラクタ画像のデータ、機種紹介用の動画のデータ、入賞図柄の説明用データ、攻略方法など、様々な機種関連情報が記憶されており、メーカー各社からの情報提供によって、その情報の内容が日々更新されている。サーバ600は、CU3からの要求に応じた機種の機種関連情報をCU3へ送信する。
CU制御部323は、通信制御部326を介して機種関連情報を受信する。CU制御部323は受信した機種関連情報を表示制御部350へ送信する。表示制御部350は、この機種関連情報の表示制御情報を、接続部327を介してS台2Sに送信する。S台2Sは、この表示制御情報を、接続部328を介して受信し、その受信情報は第2表示器55に入力される。第2表示器55は、その受信情報に従い、機種関連情報を画面に表示する。このように、第2表示器55は、CU3で表示制御するため、表示制御に関するS台2S側の処理負担を軽減できる。
なお、第2表示器55の表示画面にはタッチパネルが設けられているため、タッチパネルを利用して、機種関連情報に対する遊技者の応答を入力できるようにしてもよい。たとえば、機種に関するアンケートなどの入力受付画面に表示し、入力受付画面への遊技者の入力結果を、表示制御部350を介してCU制御部323が収集できるようにする。この場合、CU制御部323は、遊技者の入力結果をサーバ600へ送信するものとし、サーバ600はこれを集計できるようにしてもよい。
以上のように構成することで、CU3は、T−BOX400を介した集中ホール管理用コンピュータ500との通信に用いる通信制御部326を利用して、サーバから機種関連情報を入手できるため、カードユニット3の通信制御部326を有効利用して、S台2Sに様々な機種関連情報を表示可能となる。
また、S台2Sは、通信により得られる数多くの機種関連情報を表示できるために、特定の機種関連情報が予め描かれた表示パネルを前面に設けた場合よりも多種多様な機種関連情報を遊技者に知らせることができる。しかも、機種関連情報は、カードユニット3に設けられたT−BOX400との通信部、およびS台2SとCU3との接続部327、328間の既存の接続構成を利用して取得できるため、外部の装置と通信して機種関連情報を得るための専用の通信部をS台2Sに設ける必要がなく、S台2Sのコストダウンを図ることができる。
さらに、S台2Sは、カードユニット3に対して払出制御部171および主制御部161に記憶されたチップ情報を送信することによって、機種をCU3に特定させるため、S台2Sの機種をわざわざホールの係員などがCU3に入力するなどの手間を省くことができる。
なお、上記の構成では、機種を特定するためのチップ情報は、払出制御部171および主制御部161の夫々に記憶しているが、一方のみに記憶させてもよい。あるいは、双方に記憶しつつも、機種特定のためにはいずれか一方の情報のみをCU3へ送信するようにしてもよい。
<カードユニットおよびスロットマシンに発生した異常の通知処理>
図6は、相互認証の結果、異常を検知した場合の通知処理を説明するための説明図である。
図6を参照して、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16において異常が発生した場合には、図6の矢印で示す方向に対して通知が行なわれる。ここで言う異常には、CU制御部323、セキュリティ基板325、払出制御部171、あるいは主制御基板16を、不正に製造された他のものに差し替えるとか、あるいはノイズ等により誤作動したり故障したりした場合や、断線等によるオフライン状態などが含まれる。図6に示される鍵管理サーバ800は、CU3内部の電子部品のシリアルID(SIDとも言う)毎に対応付けて、CU通信制御部のSIDと認証鍵とを記憶している鍵の管理サーバである。また、鍵管理サーバ800は、主制御基板16と互いに通信可能なサーバである。
まず、CU3のセキュリティ基板325により異常が発生した場合には、前述したCU制御部323とセキュリティ基板325との間で行なわれる相互認証の結果、CU制御部323が異常を検知する。この相互認証では、後述するシリアルID認証と機器認証の他に、セッション鍵による機器認証も含まれている。
シリアルIDは、セキュリティ基板325のシリアルID(基板シリアルID)であり、セキュリティ基板325のセキュリティチップ325bを製造する段階において、該セキュリティチップ325bのROMに記憶されている。また、CU3が遊技場に搬入された後、ホールサーバ801に接続されたときに、鍵管理センタの鍵管理サーバ800からホールサーバ801経由で基板シリアルIDがダウンロードされてCU制御部323に記憶される。
CU制御部323がセキュリティ基板325の異常を検知した場合、CU制御部323はホールサーバ801にその旨を通知するとともに、CU3の表示制御部350に異常報知コマンドを送信する。CU制御部323は、表示器312に異常発生した旨の表示を行なう制御を表示制御部350に行なわせるとともに、異常報知ランプ(図示せず)を点灯または点滅させて異常報知を行なう。さらに、CU制御部323は、外部通信部からホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
CU3のCU制御部323により異常が発生した場合には、前述した相互認証によりセキュリティ基板325が異常発生を検知し、その旨を示す信号(異常通知信号)を払出制御部171に通知する。払出制御部171はそれを受けて異常発生した旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16は、前述と同様に、異常報知ランプを作動させる制御を行なうとともにホール用管理コンピュータへ異常が発生した旨の信号を送信する。
セキュリティ基板325が払出制御部171の異常を検知した場合には、その旨をCU制御部323へ通知し、CU制御部323がその旨をホールサーバ801へ通知する。
このように、セキュリティ基板325は、CU制御部323の異常を検知したときにはその旨を払出制御部171へ通知する一方、払出制御部171の異常を検知したときには、その旨をCU制御部323へ通知するものであり、セキュリティ基板325による異常発生の通知先がそれぞれ異なる。その理由は、異常が発生した制御部に対して異常が発生した旨を通知しても、何ら異常報知のための制御が行なわれず、異常防止対策にはならないためである。しかも、セキュリティ基板325は、通信制御の機能は有しているものの異常報知制御の機能は有していない。よって、自ら異常報知の制御が行なえず、そのために必ず異常が発生した制御部とは反対側の制御部の方向に異常発生した旨の通知を行なうのである。なお、セキュリティ基板325からの異常発生の通知を受けた払出制御部171は、その旨を主制御基板16へ通知する。主制御基板16はその通知を受けて、前述と同様の異常報知のための制御を行なう。
払出制御部171に異常が発生した場合には、その旨がセキュリティ基板325により検知され、異常が発生した旨がCU制御部323へ通知され、CU制御部323は前述した異常報知制御を行なうとともにホールサーバ801へ異常が発生した旨を通知する。また、払出制御部171に異常が発生した場合には、主制御基板16が異常発生した旨を検知し、その通知を受けて前述した異常発生報知用の制御を行なう。
払出制御基板17は、前述したように、セキュリティ基板325に異常が発生した場合にはそれを検知して主制御基板16へ通知する一方、主制御基板16に異常が発生した場合にはそれを検知してセキュリティ基板325へ異常が発生した旨を通知する。この払出制御基板17も、前述したセキュリティ基板325と同様に、異常が発生した旨を検知した場合にはその異常が発生した制御部に対して通知を行なっても異常報知用の制御が行なわれないために、異常が発生した制御部とは反対側の制御部あるいは制御基板に通知を行なう。なお、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していない。なお、上記の説明では、セキュリティ基板325と払出制御基板17とは、異常報知ランプや異常報知用表示器等の異常報知手段が接続されておらず、異常を検知しても自ら異常報知制御する機能を有していないこととして説明したが、セキュリティ基板325と払出制御基板17とに異常報知の機能を設け、直接異常を発生した旨を通知させてもよい。
<カードユニット側とスロットマシン側との送受信態様>
次に、図7は、CU3側とS台2S側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を示す模式図である。図7を参照して、CU(カードユニット)3側とS台(スロットマシン)2S側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を説明する。
本実施の形態においては、S台2S側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行なっているが、その遊技玉数はS台2S側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉数(カード持玉数)や貯玉数、カード残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
図7では、CU3側のCU制御部323に設けられているRAMの記憶データと、S台2S側の払出制御基板17に搭載されているRAMの記憶データとを示している。まず、S台2SとCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、S台2S側の払出制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、払出制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。
CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とS台2S側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からS台2S側へ送信され、S台2S側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とS台2S側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、S台2S側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。
CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じS台2Sが接続されているか否かを判別する。なお、接続時刻のデータは、電源が立上げられる度にCU3側とS台2S側との通信が開始された新たな接続時刻データがCU3側からS台2S側へ送信されてその新たな接続時刻データをS台2S側において記憶することとなる。
CU3およびS台2Sの双方は、電文に「通番」を付加して送信する。また、CU3およびS台2Sの双方は、相手から受信した「通番」を記憶する。「通番」には、「通常通番」、「加算通番」および「計数通番」の3種類がある。「通常通番」は、電文のシーケンス番号を示す。「通常通番」は、CU3側(一次局側)が初期値を「1」として送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する。ただし、再送時は、「通常通番」をカウントアップしない。S台2S側(二次局側)は受信した通番をそのまま送信する。なお、通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。「加算通番」はCU3がS台2Sに対して遊技玉の加算を要求する際に用いられる通番である。「計数通番」は、S台2SがCU3に対して遊技玉の計数を要求する際に用いられる通番である。
通常通番の更新権はCU3のみが有する。CU3は、送信した通常通番と同じ通常通番が返信されてきたときに、通常通番をバックアップ記憶した上で、更新した通常通番を送信する。加算通番の加算更新権はCU3のみが有する。CU3は、加算要求をする場合には、それまで通信に用いていた加算通番に+1した加算通番をS台2Sへ送信する。S台2Sは、要求を承諾するときには、同じ加算通番を返信する。要求を拒否するときには、前回、受信した加算通番(今回受信した加算通番−1)を返信する。計数通番の加算更新権はS台2Sのみが有する。S台2Sは、計数要求をする場合には、それまで通信に用いていた計数通番に+1した計数通番をCU3へ送信する。CU3は、要求を承諾するときには、同じ計数通番を返信する。要求を拒否するときには、受信した計数通番(今回受信した計数通番−1)を返信する。
以下では、「通常通番」について、CU3が送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信する構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、S台2SおよびCU3のそれぞれが、またはS台2Sが送信時に受信した通番をカウントアップ(+1)して送信し、他方は受信した通番をそのまま送信する構成であってもよい。
また、「加算通番」および「計数通番」は、それぞれ、加算要求の処理および計数要求の処理においてカウントアップされる特別な通番である。以下では、この「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際、「通常通番」もカウントアップする構成について説明する。しかし、本発明は当該構成に限定されるものではなく、「加算通番」および「計数通番」がカウントアップされる際に「通常通番」のカウントアップを停止する構成であってもよい。なお、以下では、「通常通番」を単に「通番」と称する。また、「加算通番」および「計数通番」を併せて「要求通番」とも称する。
S台2S側からCU3側へは、最新遊技台情報(カウント中の遊技台情報)が送信される。この最新遊技台情報は、S台2S側の払出制御部171(図4参照)のRAMの最新遊技台情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技台情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてS台2S側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技台情報に含めてもよい。
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU3側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、入賞の発生により払い出された(入賞の発生により遊技玉数に加算された)「払出玉数」である。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉数に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「賭数」である。つまり、1BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作することで賭数として追加された数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。ここで、「払出玉」は、入賞の種類に応じた数の遊技玉数である。
たとえば、主制御部161が入賞と判定した場合には、入賞の種類に応じた入賞情報が払出制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をS台2S側からCU3側へ送信する。また、1BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作したことに基づいて減算玉数カウンタが賭数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をS台2S側からCU3側へ送信する。
あるいは、払出制御部171は、計数スイッチ12の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をS台2S側からCU3側へ送信する。
S台2S側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技台情報記憶領域(払出制御部171のRAM等)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技台情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施の形態において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
その結果、前回遊技台情報(直前に送信した遊技台情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技台情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、S台2S側からCU3側へ最新遊技台情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技台情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
また、払出制御基板17は、入賞の発生、賭数の設定、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
S台2S側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、S台2S側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、S台2Sから送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、S台2Sより逐一送信されてくる最新遊技台情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
CU3は、図示のとおり、遊技玉を記憶する領域を備えているとともに、S台2S側から遊技玉数カウンタのカウント値(遊技玉数または遊技玉トータル個数情報とも言う)も受信している。CU3は、遊技玉を記憶する領域を以下の手順で更新する。すなわち、CU3は、S台2S側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)、減算玉数カウンタの値(減算玉数)、および計数玉数カウンタの値に基づいて、記憶している遊技玉数を更新するとともに、同じタイミングでS台2S側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値と、更新後の遊技玉数とが一致しているか否かを判定する。一致していれば、遊技の続行を許容するが、一致していなければ、エラー状態に移行する制御を行なう。
その結果、たとえば、異常報知ランプや表示器312によりエラー報知が行なわれ、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信される(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。その結果、係員による人為的な対応を促す所定の報知が行なわれる。
なお、エラー状態に移行して遊技を停止させることに代えて、CU3側で記憶している遊技玉数をS台2S側から送信されてきた遊技玉数カウンタのカウント値に置き換えるようにしてもよい。または、それに代えて、CU3側で管理している遊技玉数と、S台2S側で記憶している遊技玉数との平均値に補正してもよい。
このように、本実施の形態では、CU3側にも遊技玉数を記憶させているが、その遊技玉数がS台2S側で管理記憶している遊技玉数と整合するか否かの判定を行なえるようにしている(CU3側機能)。そのため、仮に不正行為その他の事情で、S台2S側で記憶している遊技玉数がCU3側で記憶している遊技玉数と一致しない状況が発生しても、その旨をチェックできる。なお、ここでは、CU3側にその判定機能を設けたが、たとえば、CU3と接続されるホールサーバ801またはホール用管理コンピュータによって、CU3側で記憶している遊技玉数とS台2S側で記憶している遊技玉数とを受信し、両者が整合しているか否かの判定を行なうものとしてもよい。
図7に示すように、CU3は、カード持玉数、貯玉数を記憶する記憶領域と、受付けた(挿入された)カードのカード残額を記憶する記憶領域と、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)およびカード挿入時持玉を記憶する記憶領域をさらに有する。CU制御部323(図4参照)は、貯玉の使用を要求する入力(たとえば、CU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉無しのとき))に応じて貯玉を記憶する記憶領域から所定数の貯玉を減算する。
CU制御部323(図4参照)は、持玉の使用を要求する入力(たとえば、持玉有のときのCU3に設けられた再プレイボタン319の押圧入力(ただし、持玉有のとき))に応じて持玉を記憶する記憶領域から所定数の持玉を減算する。さらに、CU制御部323(図4参照)は、カード残額の使用を要求する入力(たとえば、貸出ボタン321の押圧入力)に応じてカード残額を記憶する記憶領域から所定値を減算する。
遊技者所有の遊技用価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数)から価値を引き落として遊技に使用する操作を遊技者が行なった場合に、引き落とされる価値に応じてメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入されS台2Sの遊技玉数が加算される。つまり、案内通路330を通ってメダルがCU3側からS台2S側に移動することで、CU3で引き落とされる価値に応じた加算玉数の情報がCU3側からS台2S側へ送られている。S台2Sは、CU3から加算玉数の情報を受け取ることで、引き落とし分の玉数を遊技玉数カウンタに加算更新することができる。なお、案内通路330を通ってメダルがCU3側からS台2S側に移動するとともに、加算玉数の情報をCU3側からS台2S側へ送信してもよい。
本実施の形態に係る遊技システムでは、一方、遊技者所有の遊技用価値を引き落としてドリンク等に交換するといういわゆるワゴンサービスのオーダ等を受付けることが可能である。ただし、遊技玉でワゴンサービスを受けることが制限されており、持玉でしかワゴンサービスを受けることができない。これは、メダルが払出される従来のスロットマシンにおいて、皿に残っている計数前のメダルを手で掴み出してワゴンサービスに用いることを禁止するようなイメージである。
このため、本実施の形態では、ワゴンサービスを行なう操作が実行されたときに、持玉数がワゴンサービスの希望メニューに対応する玉数に満たない場合、遊技者に計数操作を促すように構成されている。その際に遊技者が計数操作を実行すると、その操作に基づく計数玉数がS台2S側からCU3側へ送信される。CU3側では、それを受けて、遊技玉数を減算し、カード持玉数を加算して更新する。
<通信で用いられるフレーム構成>
次に、本実施の形態に係るCU3とS台2Sとの間での通信について、さらに詳しく説明する。当該通信で用いられる電文は、所定のフォーマットからなるフレームで構成されている。送信データ(電文)は、必ず1フレーム単位で送信される。つまり、電文の分割送信は行なわない。また、連続で電文を送信する場合は、1ミリ秒以上の間隔をあける。
1フレームの送信データは、データ長、通常通番、加算通番、計数通番、コマンド、データ部を含む。「データ長」は、送信データのデータ長(通番〜データ部(業務電文範囲))を示す。「コマンド」は、電文のコマンドコードである。「データ部」は、電文のデータである。
<CUとS台との間で送受信するコマンドおよびレスポンス>
次に図8を参照して、CU(カードユニット)3とS台(スロットマシン)2Sとの間で送受信されるコマンドおよびレスポンスの概略を説明する。
図8には、送信方向および送信されるデータがコマンドかレスポンスかの別と送信情報の名称とその概略が示されている。
<<1.リカバリ要求、2.リカバリ応答>>
まず、CU3からS台2Sに対してリカバリ要求という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求のコマンドは、S台2Sに対してリカバリ情報を要求するものである。このリカバリ要求に対応して、S台2SからCU3に対してリカバリ応答という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してリカバリ情報を通知するものである。
リカバリ要求のコマンドは、CU3が認証を完了した後にCU3からS台2Sに対して送信される。リカバリ要求のコマンドは、CU3からS台2Sに対してリカバリ情報を要求し、CU3が認証完了後、最初に同コマンドを送信する。リカバリ要求は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回最終送信計数通番」、「店舗コード」および「SC基板ID」が含まれている。「通番」は、シーケンス番号(1〜255)である。「コマンド」は、状態情報要求のコマンドコードであり、16進表現のバイナリデータで示してある。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にS台2Sに対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの通番である。「前回最終送信通番」が“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信通番」は、S台2Sにおいて状態情報応答を送信時に、CU3において状態情報応答受信時に「通番」をS台2S、CU3側ともに前回最終送信通番(通番)として記憶する通番である。
「前回最終送信計数通番」は、前回接続時にS台2Sに対して最後に送信した状態情報要求のレスポンスの計数通番である。「前回最終送信計数通番」は、“0”の場合、記憶している通番が無い状態を示している。なお、「前回最終送信計数通番」は、S台2Sにおいて状態情報応答を送信時に、CU3に状態情報応答受信時に計数通番をS台2S、CU3側ともに前回最終送信計数通番として記憶する通番である。
S台2Sのリカバリ処理(計数玉数)において、セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。不一致の場合には、計数前の遊技球数に戻す。
S台2SはCU3より通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU3が計数要求に対する計数処理を実施していなかった場合は計数要求がなかったものとする。この場合、S台2Sは自らCU3に通知した計数要求に対応する遊技玉の減算処理を実行しない。一方、S台2SはCU3より通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CU3が計数処理を実施済と判定したときには計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。なお、S台2Sが保持している店舗コードが全て“0”または“1”の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
リカバリ応答のレスポンスは、CU3に対してS台2Sで保持しているリカバリ情報を応答するものである。リカバリ情報は、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信通番」、「前回挿入中カードID」、「前回カード挿入時刻」、「前回最終送信加算通番」、「遊技情報格納有無」、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」を含んでいる。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「前回最終送信通番」は、前回接続時にCU3に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる通番のデータであり、“0”のときは保持している通番がない場合である。「前回挿入中カードID」は、前回接続時に挿入中だったカードのカードIDのデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。S台2Sの払出制御部171は、CU3から送信される情報に基づいて挿入中であったカードIDを記憶保持している。
「前回カード挿入時刻」は、前回接続時に挿入中だったカードの挿入時刻のデータであり、“0”のときは挿入中のカードがない場合である。このデータも、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にCU3に対して最後に送信した状態情報応答のレスポンスに含まれる加算通番であり、“0”のときは当該加算通番がない場合である。「遊技情報格納有無」は、遊技情報を格納していない場合“0x00”、遊技情報を格納している場合“0x01”である。
「前回遊技台情報」は、CU3に前回通知した遊技台情報であり、「遊技玉数」、「賭数」、「払出玉数」、「計数玉数」および「計数通番」の情報を含んでいる。「遊技玉数」は、CU3に前回通知した遊技玉数である。「賭数」は、CU3に前回通知した賭数である。「払出玉数」は、CU3に前回通知した払出玉数である。「計数玉数」は、CU3に前回通知した計数玉数である。「計数通番」は、CU3に前回通知した計数通番である。
「前回遊技情報」は、CU3に前回通知した遊技情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「払出情報1」〜「払出情報n」の情報を含んでいる。「遊技情報数」は、CU3に前回通知した遊技情報の個数(0〜n)である。なお、n=0〜22で可変長である。「種別情報1」は、CU3に前回通知した遊技種別情報1である。「種別情報n」は、CU3に前回通知した遊技種別情報nである。「払出情報1」は、CU3に前回通知した遊技払出情報1である。「払出情報n」は、CU3に前回通知した遊技払出情報nである。
なお、「前回最終送信加算通番」は、CU3において状態情報要求を送信時、S台2Sにおいて状態情報要求受信時に、CU3側、S台2Sともに前回最終送信加算通番として記憶する通番である。
S台2Sのリカバリ処理(遊技情報)において、セキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、「店舗コード」が不一致の場合には、リカバリデータを無しとして処理する。一致している場合には以下の処理を行なう。
遊技情報のリカバリデータがある時は「遊技情報格納無」を格納無:0x00にし、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」にS台2Sが保持しているリカバリデータをセットする。遊技情報のリカバリデータがない時または前回最終送信通番が0の時は「遊技情報格納有無」を格納無“0x00”にし、「前回遊技台情報」および「前回遊技情報」をALL“0”をセットする。なお、S台2Sが保持している店舗コードが全て“0”または“1”の場合は、店舗コードが一致していると判定する。
なお、CU3は、S台2Sより通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、前回遊技台情報を使用してリカバリ処理を行なう。なお、「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、CU3は、前回遊技台情報のみ使用してリカバリ処理を行なう。ただし、計数玉数のリカバリは実施しない。
また、通信相手の不一致等(たとえばCU3またはS台2Sの交換等)でリカバリ処理が実施できない場合、S台2Sの表示情報を元にPOSで手補正することが考えられる。たとえば、S台2Sの表示情報は、第1表示器54の液晶表示画面を利用して表示することが考えられる。あるいは、S台2Sに対して、払出制御部171が制御する表示器をさらに設けておき、その表示器に対して手補正のための情報を表示することも考えられる。なお、POSとは、景品管理システムのことであり、景品交換や景品の管理を行なうものである。また、POSは、景品交換や景品の管理を行なうものに限定されず、店舗で商品を販売するごとに商品の販売情報を記録し、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる一般的な販売時点管理(Point Of Sales system)であってもよい。
<<3.リカバリ要求2、4.リカバリ応答2>>
CU3からS台2Sに対してリカバリ要求2という名称のコマンドが送信される。このリカバリ要求2のコマンドは、S台2Sに対して加算リカバリ情報を通知するものである。このリカバリ要求2に対応して、S台2SからCU3に対してリカバリ応答2という名称のレスポンスが送信される。このリカバリ応答2のレスポンスは、CU3に対して加算リカバリ情報の処理結果を通知するものである。
リカバリ要求2のコマンドは、S台2Sに対して加算リカバリ情報を通知するものであり、「通番」、「コマンド」、「前回最終送信加算通番」および「加算玉数」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。リカバリ要求2は、S台2Sにおいて加算玉リカバリ処理を実施する必要有とCU3が判定したときに送信される。CU3は、S台2Sより受信したリカバリ応答に含まれる「前回最終送信加算通番」と自身で記憶している「前回最終送信加算通番」とを比較して一致している場合には加算玉リカバリ処理の必要無と判定し、不一致の場合には加算玉リカバリ処理の必要有と判定する。加算玉リカバリ処理の必要有と判定したときにはリカバリ要求2を送信する。
リカバリ要求2に含まれる「前回最終送信加算通番」は、前回接続時にS台2Sに対して最後に送信した状態情報要求のコマンドの加算通番のデータであり、「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数のデータである。
次に、S台2Sのリカバリ処理について詳しく説明する。S台2Sのリカバリ処理は、S台2Sがリカバリ要求2に基づいて、CU3より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう処理である。
リカバリ応答2のレスポンスは、CU3に対してS台2Sで加算リカバリ情報の処理結果を通知するもので、「通番」、「コマンド」および「リカバリ結果」を含んでいる。「リカバリ結果」は、“0x00”の場合リカバリ結果OK、“0x01”の場合リカバリ結果NGである。なお、S台2Sが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果として処理NGを応答する。
<<5.通信開始要求、6.通信開始応答>>
CU3からS台2Sに対して通信開始要求のコマンドが送信される。この通信開始要求のコマンドは、S台2Sに対して通信開始を要求するものである。この通信開始要求に対応して、S台2SからCU3に対して通信開始応答のレスポンスが送信される。この通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して通信開始を応答するものである。
通信開始要求のコマンドは、S台2Sに対して正常に通信開始したことを通知するものである。通信開始要求を受信したS台2Sは、それまで記憶していたリカバリ情報をクリアする。通信開始要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3は、通信開始要求後、計数通番を“0”(初期値)に、S台2Sも通信開始要求受信後、計数通番を“0”(初期値)にする。
通信開始応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信開始したことを通知するものであり、CU3が、リカバリ情報をクリアする。通信開始応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<7.通信終了要求、8.通信終了応答>>
CU3からS台2Sに対して通信終了要求のコマンドが送信される。この通信終了要求のコマンドは、S台2Sに対して通信終了を要求するものである。この通信終了要求に対応して、S台2SからCU3に対して通信終了応答のレスポンスが送信される。この通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して通信終了を応答するものである。
通信終了要求のコマンドは、S台2Sに対して正常に通信終了したことを通知するものであり、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
通信終了応答のレスポンスは、CU3に対して、正常に通信終了したことを通知するものであり、CU3およびS台2Sが、該通知以降、通信を停止し再起動待ちとする。通信終了応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<9.状態情報要求>>
CU3からS台2Sに対して状態情報要求のコマンドが送信される。この状態情報要求のコマンドは、S台2Sに対してCU3の状態を要求するものである。CU3はこのコマンドを使用して、S台2Sの状態を定期的に確認する。また、案内通路330を通ってメダルがCU3側からS台2S側に移動するとともに、加算玉数の情報をCU3側からS台2S側へ送信する場合、状態情報要求のコマンドには、図7に示したCU3側からS台2S側へ向かう加算玉数が含まれる。
この状態情報要求の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「CU状態」、(加算玉数の情報をCU3側からS台2S側へ送信する場合のみ「加算玉数」)、「加算通番」および「計数通番」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「CU状態」は、S台2Sに対して通知するCU3の状態を表わし、Bit0が“1”のときにカード挿入中を、“0”のときカード未挿入をそれぞれ示している。つまり、Bit0は、CU3にカード(一般カード/会員カード)が挿入されている状態を表わしている。また、CU3のカードストック部に予めストックされているストックカード(一般0円0玉カード)への入金により一般カード挿入中となる。
Bit1が“1”のときカードユニット開店中を、“0”のときカードユニット閉店中をそれぞれ示している。つまり、Bit1は、CU3の状態により、S台2Sに対してカードユニット開店状態を通知する。カードユニット開店中を通知するタイミングは、たとえば、開店完了時である。カードユニット閉店中を通知するタイミングは、たとえば、閉店時である。なお、S台2Sは同状態が開店中から閉店中に変化時、保持している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3に通知する。
Bit2が“1”のときカード返却準備中を、“0”のときカード返却準備中以外をそれぞれ示している。CU3は、カード返却、簡易離席、および食事休憩のそれぞれの操作時に、このビットを立てることによって、S台2Sに対して「カード返却準備中」を一定時間(10秒)通知する。S台2Sは、計数スイッチ12の操作が検出されたときに、このカード返却準備中のビットがオンの状態情報要求を受信していれば、計数スイッチ12を1回操作したか複数回操作したかに関わらず、あるいは操作継続時間に関わらず、記憶している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答にてCU3に通知する。
加算玉数の情報をCU3側からS台2S側へ送信する場合のみ、Bit3が“1”のとき遊技玉加算要求を、“0”のとき遊技玉加算要求無をそれぞれ示している。つまり、Bit3は、玉貸、持玉払出、および貯玉払出の操作時に遊技玉の加算(加算玉数)を要求する。
Bit4が“1”のとき計数玉受領完了を、“0”は計数玉未受領をそれぞれ示している。Bit4は、計数玉受領時に受領完了したことをS台2Sに通知する。つまり、状態情報応答のレスポンス「計数玉数」の送達を確認するために用いている。
Bit5が“1”のときカード抜き取り待ち中を、“0”はカード抜き取り完了をそれぞれ示している。Bit5は、CU3からカード抜き取り待ちとなっている状態をS台2Sに通知する。なお、Bit6〜Bit7は未使用である。
「加算玉数」は、遊技玉の加算玉数であり、加算玉数の情報をCU3側からS台2S側へ送信する場合でCU状態のBit3が“1”のときにのみ加算玉数のデータが有効となる。「加算通番」は、加算用シーケンス番号(0〜255)であり、遊技玉加算要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時に受信した計数通番をそのまま通知する。ただし、計数通番の連続性が成立しない場合は計数受領を出さない。
<<10.状態情報応答>>
状態情報要求に対応して、S台2SからCU3に対して状態情報応答のレスポンスが送信される。この状態情報応答のレスポンスは、CU3に対してS台2Sの情報・状態を通知するものである。状態情報応答のレスポンスには、図7に示した最新遊技台情報や遊技玉数が含まれている。
この状態情報応答の具体的データには、「通番」、「コマンド」、「遊技玉数」、「賭数」、「払出玉数」、「計数要求玉数」、「計数通番」、「遊技台状態」、「不正検知情報」および「遊技情報」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「遊技玉数」は、現在の遊技玉数(加算・減算を演算した結果の遊技玉数)である。「遊技玉数」は、CU3が後述する「払出玉数」「賭数」および「計数玉数」を使用してCU3の保持している遊技玉数を計算する。その後、CU3は、計算したCU3の遊技玉数と、S台2Sの遊技玉数とが一致するかをチェックする。
「賭数」は、1BETスイッチ5またはMAXBETスイッチ6を操作したことに基づいて設定される1回の遊技に使用される玉数である。つまり、「賭数」(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算するデータである。カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
「払出玉数」は、払出情報1−nの払出玉数の合計である。この払出情報1−nとは、たとえばビッグボーナス(BB)や、レギュラーボーナス(RB)などの入賞役の種類毎の払出玉数のことである。なお、「払出玉数」(加算)は、CU3より送信する「加算要求玉数」は含まない。また、CU3は保持している遊技玉数に払出玉数のデータを加算する。カードを保持していない状態で払出玉数のデータを受信した場合、CU3は遊技玉数の加算は行なわない。
「計数要求玉数」は、計数要求した遊技玉の個数である。つまり「計数玉数」(減算)は、CU3が保持している遊技玉数から減算し、カード持玉数に加算するデータである。なお、S台2SからCU3に送信する減算玉数のデータに計数玉数は利用しない。また、カードを保持してない状態で該データを受信した場合、CU3は遊技玉数の減算を行なわない。また、CU3は、CU3自体の保持している遊技玉数が0玉の場合、減算を行なわない。
ただし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、遊技機が保持している遊技玉を計数して計数玉数として設定する。カードユニット開店状態が開店中のときには計数スイッチ12の操作が行なわれたことにより遊技玉を計数して計数玉数として設定する。しかし、カードユニット開店状態が開店中から閉店中に変化した場合は、計数スイッチ12の操作を待つことなく自動的に遊技玉を計数して計数玉数として設定する。
「計数通番」は、計数用シーケンス番号(0〜255)であり、計数要求時にシーケンス番号を更新(+1)して通知する。
「遊技台状態」は、CU3からS台2Sに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、S台2Sの状態を示し、「遊技台状態1」、「遊技台状態2」、「遊技台状態3」、および「遊技台エラー状態」の情報を含んでいる。
「遊技台状態1」のBit0は、遊技を許可しているか、禁止しているかを示しており、“0”のときに遊技許可中であり、“1”のとき遊技禁止中である。Bit1は、ファン(遊技者)がプレイ中(例えば、リールが回転している)か否かを示しており、0”のとき待機中(例えば、リールが回転していない状態)、“1”のとき遊技中(例えば、リールが回転している状態)である。ただし、賭数が設定されて有り、スタートスイッチ7を操作することで遊技中となる。
Bit2は、遊技玉の有無(遊技玉無の検知)を示している。“0”のとき遊技玉数有、“1”のとき遊技玉数無である。Bit3は、全てのリールが停止しているか否かを示している。“0”のとき遊技未完了(全てのリールが停止していない状態)、“1”のとき遊技完了(全てのリールが停止している状態)である。なお、S台2Sは、リールを回転させてから所定の時間以上遊技の完了を確認できなかった場合、タイムアウトし、遊技完了とする。
Bit4は、遊技玉の計数要求の有無(計数スイッチ12押下の有無)を示しており、“0”のとき要求無、“1”のとき計数開始時の計数玉の払出要求がある場合である。S台2Sは、計数操作が検出されたときに、この計数要求ONの状態情報応答をCU3へ送信し、計数要求が受領されたか否かを確認する。“1”のとき計数要求である。Bit5は、遊技玉加算の処理結果を示しており、“0”のとき加算OK、“1”のとき加算NGである。Bit6〜Bit7は予備である。
「遊技台状態2」は、入賞した入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)や、レギュラーボーナス(RB)など)の種類の情報を表わす。
「遊技台状態3」は、内部抽選結果に応じた情報(操作手順など)を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(AT)などの遊技状態情報を表わす。
「遊技台エラー状態」は、S台2Sで発生中のエラーコードを示し、Bit0〜Bit5を用いて各エラーコードを表現している。なお、Bit0〜Bit5が全て“0”のときにはエラー無である。Bit6は、エラーが発生している場所を特定する情報であり、“0”のとき払出制御、“1”のとき主制御をそれぞれ表わしている。Bit7は、エラーの出力方法を示し、“0”のとき発報のみ、“1”のとき発報+ホールサーバ801への出力を表わしている。
「不正検知情報」は、CU3からS台2Sに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、S台2Sで検知した情報であり、「不正検知状態1」、「不正検知状態2」、「不正検知情報1」〜「不正検知情報4」および「加算通番」の情報を含んでいる。
「不正検知状態1」は、主制御基板16の不正検知情報である。「不正検知状態1」のBit0は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき磁気センサ検知不の正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき不正入賞検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3〜Bit7は予備である。
「不正検知状態2」は、払出制御基板17の不正検知情報である。「不正検知状態2」のBit0は、“1”のとき前面扉開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit1は、“1”のとき枠本体開放の不正検知情報であることを表わしている。Bit2は、“1”のとき電波センサ検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit3は、“1”のとき近接センサ異常の不正検知情報であることを表わしている。Bit4は、“1”のとき払出ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。ここで、「ゴト」とは、スロットマシンにおいて不正な方法で出玉を獲得する不正行為のことである。Bit5は、“1”のとき複合ゴト検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit6は、“1”のとき不正加算検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit7は、“1”のとき夜間枠開放・監視SW異常検知の不正検知情報であることを表わしている。
「不正検知情報1」は、払出センサゴト検知(入賞不整合玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報1」は、「不正検知状態2」のBit4が“1”のとき有効となる。「不正検知情報2」は、複合センサゴト検知(賭数の不整合)の情報を示すデータである。つまり、賭数と遊技玉数との不整合を検知したときの情報を示すデータである。「不正検知情報2」は、「不正検知状態2」のBit5が“1”のとき有効となる。「不正検知情報3」は、不正加算検知(不正加算玉数)の情報を示すデータである。「不正検知情報3」は、「不正検知状態2」のBit6が“1”のとき有効となる。「不正検知情報4」は、夜間枠開放情報を示すデータである。「不正検知情報4」は、「不正検知状態2」のBit7が“1”のとき有効となる。
「不正検知情報4」のBit7は、夜間監視スイッチ異常4が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常4発生を表わしている。Bit6は、夜間監視スイッチ異常3が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常3発生を表わしている。Bit5は、夜間監視スイッチ異常2が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常2発生を表わしている。Bit4は、夜間監視スイッチ異常1が発生しているかを示す情報で、“0”のとき正常、“1”のとき異常1発生を表わしている。Bit0〜3は、本体枠開放回数を示す情報で、“0”のとき開放なし、“1”〜“15”は開放回数を表わしている。なお、開放回数は、15回までカウントし、16回以降のカウントは15回でホールドされる。
「加算通番」は、加算用シーケンス番号であり、加算要求時に受信した加算通番をそのまま通知する。ただし、加算通番の連続性が成立しない場合は無応答となる。
「不正検知状態3」は、払出制御基板17の不正検知情報である。「不正検知状態3」のBit0は、“1”のとき他店舗遊技玉検知の不正検知情報であることを表わしている。Bit1〜Bit7は予備である。なお、他店舗遊技玉検知は、たとえばS台2Sの回収玉通過経路にセンサが設けてあり、当該センサが遊技玉に設けてある識別情報(表面の刻印など)を読取り、自店舗の遊技玉の識別情報と一致するか否かを判定する。不一致の場合、遊技玉に他店舗の遊技玉が混入しているとして「不正検知状態3」のBit0を“1”にして、CU3に通知する。
「遊技情報」は、CU3からS台2Sに対して状態情報要求のコマンドが送信された時点の、S台2Sの情報であり、「遊技情報数」、「種別情報1」〜「種別情報n」、「払出情報1」〜「払出情報n」を含んでいる。
「遊技情報数」は、入賞役情報・払出情報の個数(n)であり、n=0〜22(可変長)である。入賞役情報は、Bit4からBit7までがデータ種別の情報で、遊技情報のデータ種別を示しており、“0”のとき情報無、“1”のときビッグボーナス(BB)、“2”のときレギュラーボーナス(RB)、“3”のとき小役である。Bit0からBit3までがデータ番号の情報で、遊技情報のデータ種別毎のデータ番号を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のときそれぞれのデータ番号を表わしている。
「入賞役情報1」〜「入賞役情報n」は、入賞役情報1〜入賞役情報nをそれぞれ示し、「払出情報1」〜「払出情報n」は、遊技払出情報1〜遊技払出情報nをそれぞれ示している。
ここで、払出情報は、Bit0からBit3までが払出玉数の情報で、遊技情報のデータ種別毎に入賞時の払出玉数を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のとき払出玉数のデータをそれぞれ表わしている。Bit4からBit7までが入賞個数の情報で、遊技情報のデータ種別毎に入賞個数(累計)を示しており、“0”のとき情報無、“1”〜“15”のとき入賞個数のデータをそれぞれ表わしている。
<<11.カード挿入通知、12.カード挿入応答>>
CU3からS台2Sに対してカード挿入通知のコマンドが送信される。このカード挿入通知のコマンドは、S台2Sに対してカード挿入を通知するものである。このカード挿入通知に対応して、S台2SからCU3に対してカード挿入応答のレスポンスが送信される。このカード挿入応答のレスポンスは、CU3に対してカード挿入通知を受信した旨の応答である。
カード挿入通知のコマンドは、カード挿入時に、S台2Sに対して挿入されたカードのカードIDと挿入時刻を通知し、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」、「店舗コード」および「SC基板ID」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
「カードID」は、CU3に挿入されたICカードの識別ID情報であり、S台2Sが保持している遊技玉との紐付に使用する。「カード挿入時刻」は、CU3のカード挿入/排出口309(図1参照)にICカードが挿入された時刻であり、年情報を2桁YY、月情報を2桁MM、日情報を2桁DD、時間情報を2桁hh、分情報を2桁mm、秒情報を2桁ssで表されるデータである。カード挿入時刻は、S台2S保持の遊技玉が当日玉か過去玉かの判断に使用する。
「店舗コード」は、CU3が設置されている店舗識別コードであり、S台2Sが保持している遊技玉との紐付に使用する。また、CU3が店舗移動されたか否かを判定するためにも使用する。CU3は、自らが設置されている店舗コードを記憶している。なお、店舗コードは、セキュリティ基板325より情報付加してS台2Sに通知する。「SC基板ID」は、CU3を識別するためのSC基板IDであり、CU3が交換されたか否かを判定するために使用する。SC基板IDは、セキュリティ基板325より情報付加してS台2Sに通知する。S台2Sの払出制御部171は、これらのカードID(C-ID)やカード挿入時刻等のカード挿入通知コマンドで通知される情報を記憶する。
カード挿入応答のレスポンスは、CU3に対して正常にカード挿入通知を受信したことを通知するもので、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
<<13.カード返却通知、14.カード返却応答>>
CU3からS台2Sに対してカード返却通知のコマンドが送信される。このカード返却通知のコマンドは、S台2Sに対してカード返却を通知するものである。このカード返却通知に対応して、S台2SからCU3に対してカード返却応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却を応答するものである。
カード返却通知のコマンドは、S台2Sに対してカード返却を通知するもので、CU3が、「カード返却」ボタン押下時に同通知を送信する。カード返却通知には、「通番」、「コマンド」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。
カード返却応答のレスポンスは、CU3に対してカード返却通知の応答を送信するもので、「通番」、「コマンド」、「カードID」、「カード挿入時刻」のデータが含まれている。「通番」、「コマンド」、「カードID」および「カード挿入時刻」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。なお、CU3は、カード返却応答の際、コマンドに含まれるカードIDと現在挿入中のカードのIDとが一致しない場合や、コマンドに含まれるカード挿入時刻に問題がある場合、カード返却を行なわない、持玉のカードへの書込みを禁止するなどの処理を行なう。
ここで、カード挿入通知時またはカード返却通知時のS台2Sの動作について説明する。カード挿入通知時に、CU3で会員カード挿入、一般カード挿入、または一般0円0玉カードへの入金の操作を行なうと、S台2SはカードIDおよびカード挿入時刻のバックアップを行なう。カード返却通知時に、CU3で「カード返却」ボタンの押下の操作を行なうと、S台2SはカードIDおよびカード挿入時刻のクリアを行なう。
<<15.通信テスト要求、16.通信テスト応答>>
CU3からS台2Sに対して、通信テスト要求のコマンドが送信される。この通信テスト要求のコマンドは、S台2Sに対してテストデータを通知するものである。この通信テスト要求に対応して、S台2SからCU3に対して、通信テスト応答のレスポンスが送信される。このカード返却応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを応答するものである。
通信テスト要求のコマンドは、S台2Sに対してテストデータを通知するものである。なお、S台2Sに対して通知するテストデータは暗号化していない。通信テスト要求のコマンドは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、S台2Sに対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
通信テスト応答のレスポンスは、CU3に対してテストデータを通知するものである。なお、CU3に対して通知するテストデータも暗号化していない。通信テスト応答のレスポンスは、「通番」、「コマンド」、および「テストデータ」のデータが含まれている。「通番」および「コマンド」は、前述と同じであるので説明を繰返さない。「テストデータ」は、CU3に対して通知するテスト用のデータで任意のデータである。
<CUとS台との通信における主なシーケンス>
<<コマンド、レスポンスの送信>>
まず、CU3とS台2Sとの間でのコマンドおよびレスポンスの送信について説明する。CU3(1次局)からS台2S(2次局)に対してコマンドが送信され、S台2Sはそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。つまり、業務電文の送信は、CU3を1次局、S台2Sを2次局としたコマンド/レスポンス方式である。
CU3からS台2Sへの最初のコマンドの送信から次のコマンドの送信までの期間が、200msすなわち0.2秒に制御される。またS台2SからCU3へのレスポンスの送信を行なった後次のレスポンスの送信までの期間が200msすなわち0.2秒に制御される。
このように、CU3とS台2Sとの間で200msの間隔でコマンドおよびレスポンスの双方が送信される。
なお、ここでは、コマンドおよびレスポンスの送信間隔を200msにしたが、送信間隔をこれよりも長い間隔としても、また、より短い間隔としてもよい。
<<CU側の通信回線断検知>>
次に、CU3側で通信断が検知された場合の処理について説明する。CU3がS台2Sに対してコマンドを送信してから200ms間にレスポンスを受信できなかった場合、再度同じコマンドをS台2Sに送信する。さらにその200ms後までの間にレスポンスを受信できなかった場合には、同じコマンドをS台2Sに送信するという2回目の再送を行なう。同じコマンドを最大14回までS台2Sに再送する。14回目の再送を行なってもS台2Sからレスポンスを受信できなかった場合、CU3は3秒後に通信異常と判断して「通信断」とする。この通信異常は、CU3のコネクタとS台2Sのコネクタとが離脱している場合あるいは接続配線の断線さらにはS台2Sの電源断などの原因が考えられる。CU3は、コマンドの再送時に通番のカウントアップを行なわない。
<<S台側の通信回線断検知>>
S台2S側で通信断を検知した場合の処理について説明する。CU3からS台2Sへコマンドが送信され、S台2Sではそのコマンドに応答してレスポンスをCU3に返信する。その後CU3からのコマンドがS台2Sに送信されてこない状態が3秒間継続した場合、S台2Sは通信断と判断し、リールモータ32L,32C,32Rの回転駆動を停止させて遊技を停止する。この通信断の発生原因も、CU3のコネクタとS台2Sのコネクタとの離脱、接続配線の断線、あるいはCU3の電源断などが考えられる。
なお、S台2S側で通信断を検知するコマンド、レスポンスには、リカバリ要求/リカバリ応答、リカバリ要求2/リカバリ応答2、通信開始要求/通信開始応答、通知終了要求/通信終了応答、および通信テスト要求/通信テスト応答のコマンド、レスポンスを含まない。
<<電源投入>>
次に、電源投入時の接続シーケンスの処理について説明する。図9に示すシーケンス処理は、CU3とS台2Sとの通信が正常に終了した後の通信再開時に実行される処理である。具体的には、カードが挿入されていない待機中において、CU3の電源をOFFにした後の通信再開時に実行される。典型例は、遊技場において1日の営業が終了して電源を立下げ、翌日営業開始時に電源を立上げる場合である。
まず、電源を投入する。電源投入時においては、S台2Sではリールモータ32L,32C,32Rを停止させて遊技を停止させてから通信を開始する。その後、認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、前回最終送信通番および前回最終送信計数通番を含むリカバリ要求をS台2Sへ送信し、S台2Sに対してリカバリ情報を要求する。S台2Sは、CU3より通知された前回最終送信計数通番を参照して、計数リカバリ処理を実行する。具体的に、S台2Sは、前回最終送信計数通番を参照して、CU3が計数処理を実施していなかった場合、計数要求をなかったものとし、CU3が計数処理を実施済の場合、計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉を確定する。
計数リカバリ処理の実行後、S台2Sは、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている遊技情報リカバリデータをレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答)。リカバリ情報としては、前回最終送信通番、前回挿入中カードID、前回カード挿入時刻、前回最終送信加算通番および前回遊技台情報などが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報に含まれる前回最終送信加算通番の処理を実行していなかった場合、リカバリ情報に含まれる前回遊技台情報を使用してCU3の加算リカバリ処理を実施する。CU3は、加算玉リカバリ処理を実施する場合、S台2Sに対して、リカバリ要求2をS台2Sへ送信し、S台2Sに対してリカバリデータを送信する。このリカバリデータには、前回最終送信通番、および加算玉数が含まれている。
それを受けたS台2Sでは、受信したリカバリデータに基づいて加算リカバリ処理を実行し、その結果をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答2)。なお、S台2Sが加算玉数を受けられない状態の場合はリカバリ結果としてリカバリ処理NGを応答する。
このリカバリ処理は、CU3とS台2Sとの間での互いのデータの整合性を回復するための処理であり、電源起動時に実行されるばかりでなく、トラブルが発生し復旧したときにも、実行される。
CU3は、リカバリ要求などのコマンドを送信する度に通番をカウントアップする。ただし、コマンドの再送時の際にはカウントアップしない。S台2Sは、前回受信した通番と同じ通番のコマンドを受信した場合には、通信不良が発生してCU3がコマンドを再送したと判断する。CU3はコマンドの送信し、同じ通番のレスポンスがS台2Sから通知された時に通番をバックアップする。S台2Sは、受信したコマンドに対応するレスポンスを送信する際に、受信した通番をそのままCU3に通知する。S台2Sはレスポンスの送信時に通番をバックアップする。
CU3は、認証シーケンスが終了した後、通番を“1”としてリカバリ要求のコマンドをS台2Sに送信する。S台2Sは、受信した通番“1”をそのままリカバリ応答のレスポンスとしてCU3に返信する。さらに、CU3は、通番を“2”としてリカバリ要求2のコマンドをS台2Sに送信する。S台2Sは、受信した通番“2”をそのままリカバリ応答2のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“3”として、通信開始要求のコマンドをS台2Sへ送信する。なお、CU3は、リカバリ要求2を送信しなかった場合、通番は1カウントダウン(−1)した“2”となる。S台2Sでは、それを受けて、リカバリデータをクリアする。そして、S台2Sは、受信した通番“3”のまま、通信開始応答のレスポンスをCU3へ返信する。これ以降、CU3とS台2Sとの間で、状態情報要求のコマンドと状態情報応答のレスポンスとの送受信が行なわれる。
CU3は、通番をカウントアップして“4”として、状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sは、それを受けて、遊技台情報、遊技情報および前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの送信毎にバックアップする。そして、S台2Sは、受信した通番“4”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3は、それを受けて、前回最終送信通番を更新し、更新したデータを状態情報応答のレスポンスの受信毎にバックアップする。
その後、CU3は、通番をカウントアップして“5”として、状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信し、S台2Sは、受信した通番“5”のまま、状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<カード挿入>>
カードが挿入されたときのCU3およびS台2Sの処理について説明する。図10に示すCU3は、カード挿入前、通番=n、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sでは、それを受けて、通番=n、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、CU3では、カードが挿入されると、カードリーダライタにカードを取込む指令信号を出力するとともに、取込んだカードに記録されている情報(カードID等)をカードリーダライタが読取って、その読取り情報を受信する等の、カード挿入時処理が実行される。
CU3は、カードの挿入が行なわれた後の所定期間、カード情報問合せ中の状態になる。これは、挿入されたカードの適否や当該遊技場で登録されている会員カードであるか否か、あるいは持玉、貯玉やカード残額等をたとえばホールサーバ801に問合せて認証している最中であることを表示器312に表示するとともにS台2S側の第1表示器54に表示させる処理を実行している最中であることを意味している。
CU3は、表示器312に挿入されたカードの問合せ中であることを表示している間、挿入されたカードを認証していないので、通番=n+1、カード返却準備状態=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。S台2Sでは、それを受けて、通番=n+1、遊技禁止を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、S台2S側の第1表示器54は、CU3の表示制御部350により表示制御が行なわれ、カードの問合せ中である旨の表示がなされる。
その後、CU3は、挿入されたカードが認証されると、そのカードのカードIDとカード挿入時刻とをCU制御部323のRAMに記憶させるとともに、通番=n+2、カードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDを含むカード挿入通知のコマンドをS台2Sへ送信する。なお、店舗コードおよびSC基板IDは、カード挿入通知のコマンドがセキュリティ基板325を通過するときに当該コマンドに付加される情報である。S台2Sでは、それを受けて、受信したカードID、カード挿入時刻、店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップするとともに、通番=n+2を含むカード挿入応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、CU3においても、挿入されたカードのカードIDをCU制御部323のRAM等に記憶する。
CU3は、それを受けて、通番=n+3、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信することで、カード挿入中である状態をS台2Sに対して通知する。S台2Sは、カード挿入中である状態の通知を受けて遊技を許可し、通番=n+3、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信することで、遊技許可中である状態をCU3に対して通知する。
カード挿入中、CU3は、通番=n+4、カード返却準備状態=ONを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信し、S台2Sは、通番=n+4、遊技許可を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<プリペイド貸出>>
次に、挿入されたカードのプリペイド残額から遊技玉を貸出すときの処理について説明する。図11に示すシーケンス処理では、挿入されたカードに記録されているプリペイド残額が500円で、遊技玉数が50玉である。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFF、加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=50、加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、遊技者が1回「貸出」ボタンを押下する貸出操作(玉貸操作)を行なうことにより、CU3は、残額の500円分すなわち25玉の貸出を行なう。CU3は、貸出ボタン321が押下操作された場合、500円分のプリペイド消費を確定させるとともに、加算玉数=25のデータをバックアップする。このように、残額消費は、貸出操作が行なわれた段階でCU3側単独で確定する。その後、CU3は加算表示中となる。この加算表示中では、残額から25玉分引き落として遊技玉に加算している最中であることを第1表示器54に表示させる。
次に、CU3は、S台2Sに対して遊技玉の加算要求を行なう。そのため、CU3は、通番=n+1、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3は、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。具体的には、メダルの投入制御が開始され、メダルストッパ333を解除して、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11にメダルを順次投入する。
それを受けて、S台2Sは、S台2Sの投入口11に投入されたメダルをメダルセンサ19で検出することで遊技玉数を加算する。そのため、1枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されるまで、S台2Sは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップして、通番=n+1、加算玉数=50、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、1枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されると、CU3から送信された、通番=n+a、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドに対して、S台2Sは、通番=n+a、50(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)=51に更新した遊技玉数、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。S台2Sは、1枚目のメダルをメダルセンサ19で検出すると、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)として、遊技玉数表示器50の表示を「50」から「51」に更新する。さらに、S台2Sは、遊技玉数を加算して更新したことをCU3に通知するとともに、遊技玉の加算が継続していることを示すため遊技玉加算結果=実行中となる。
さらに、25枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されると、CU3から送信された、通番=n+b(b>a)、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドに対して、S台2Sは、通番=n+b、74(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)=75に更新した遊技玉数、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。S台2Sは、25枚目のメダルをメダルセンサ19で検出すると、遊技玉数=74(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)として、遊技玉数表示器50の表示を「74」から「75」に更新する。さらに、S台2Sは、遊技玉数を加算して更新したことをCU3に通知するとともに、遊技玉の加算が終了したことを示すため遊技玉加算結果=OKとなる。CU3は、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスを受信すると、当該レスポンスに含まれる遊技玉数=74+1として、表示器312に表示する遊技玉数を更新する。さらに、S台2Sの投入口11へのメダルの投入を停止する。具体的には、メダルの投入制御が停止され、メダルストッパ333を設定して、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11にメダルが投入されるのを停止する。
その後、CU3は、通番=n+b+1、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信し、S台2Sは、通番=n+b+1、加算玉数=75および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求がOFFの場合、状態情報要求および状態情報応答は、通番をカウントアップするが、加算通番はカウントアップしない。
<<持玉払出・貯玉払出(再プレイ)>>
次に、持玉払出、貯玉払出をして再プレイする処理について説明する。この図12では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。このように、加算要求が発生していない間は、加算通番が更新されることはない。
その後、持玉または貯玉が存在する状態で、遊技者が持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319を押下すると、CU3は、持玉または貯玉からの25玉分の消費を確定させる。このように、持玉または貯玉の消費は、持玉払出ボタンまたは再プレイボタン319を押下する操作がなされた段階でCU3側単独で確定する。なお、持玉と貯玉との双方が存在する場合には、持玉消費が優先される。
この持玉を優先して消費する制御に代えて、貯玉再プレイボタンと持玉再プレイボタンとを設け、遊技者が選択して操作することにより、貯玉消費または持玉消費のいずれかを選べるようにしてもよい。すなわち、再プレイボタンは、貯玉から遊技玉を得るための貯玉再プレイボタンと、持玉から遊技玉を得るための持玉再プレイボタンとの2つで構成してもよい。
CU3は、持玉または貯玉からの消費を確定させた後、加算玉数=125の加算要求をS台2Sに通知する。具体的に、CU3は、遊技玉の加算処理中であることを表示するとともに、通番=n+1、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。通番をカウントアップして“n+1”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3は、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。具体的には、メダルの投入制御が開始され、メダルストッパ333を解除して、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11にメダルを順次投入する。
それを受けて、S台2Sは、S台2Sの投入口11に投入されたメダルをメダルセンサ19で検出することで遊技玉数を加算する。そのため、1枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されるまで、S台2Sは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップして、通番=n+1、加算玉数=50、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。遊技玉の加算要求に対する応答であるため、加算通番をカウントアップせずに、そのまま“m+1”とする。
その後、1枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されると、CU3から送信された、通番=n+a、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドに対して、S台2Sは、通番=n+a、50(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)=51に更新した遊技玉数、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。S台2Sは、1枚目のメダルをメダルセンサ19で検出すると、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)として、遊技玉数表示器50の表示を「50」から「51」に更新する。さらに、S台2Sは、遊技玉数を加算して更新したことをCU3に通知するとともに、遊技玉の加算が継続していることを示すため遊技玉加算結果=実行中となる。
さらに、25枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されると、CU3から送信された、通番=n+b(b>a)、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドに対して、S台2Sは、通番=n+b、74(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)=75に更新した遊技玉数、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。S台2Sは、25枚目のメダルをメダルセンサ19で検出すると、遊技玉数=74(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)として、遊技玉数表示器50の表示を「74」から「75」に更新する。さらに、S台2Sは、遊技玉数を加算して更新したことをCU3に通知するとともに、遊技玉の加算が終了したことを示すため遊技玉加算結果=OKとなる。CU3は、遊技玉加算結果=OKを含む状態情報応答のレスポンスを受信すると、当該レスポンスに含まれる遊技玉数=74+1として、表示器312に表示する遊技玉数を更新する。さらに、S台2Sの投入口11へのメダルの投入を停止する。具体的には、メダルの投入制御が停止され、メダルストッパ333を設定して、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11にメダルが投入されるのを停止する。
その後、CU3は、通番=n+b+1、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信し、S台2Sは、通番=n+b+1、加算玉数=75および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
<<遊技玉計数(通常)>>
次に、遊技玉の一部を計数して減算する通常時の計数処理について説明する。この図13では、カード返却の操作が検出されることなく計数スイッチ12が押下された場合を示している。それゆえ、CU3からS台2Sへ送信されるカード返却準備状態のビットは、いずれもOFF(=0)となっている。このため、以下ではカード返却準備状態のビットの説明を省略する。
また、この図13では、挿入された記録媒体(会員用カードまたはビジターカード)により特定される持玉数が「0」玉であり、当初の遊技玉数が「800」玉の状態となっている。
なお、ここでは、計数スイッチ12の操作が検出されている間、100点単位での計数が継続し、計数スイッチ12の操作が検出されなくなった段階で計数動作が終了する例を説明する。
まず、CU3は、通番=n、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0、計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
CU3から送信された通番nに対して、S台2Sから通番n+1が返信されている。CU3から送信された計数通番mに対して、S台2Sからは同じ計数通番mが返信されている。これは、計数通番が、計数要求の発生を契機として更新され、計数の完了をもって更新が終了される特別な通番だからである。
その後、遊技者が、計数スイッチ12を押下する。この図13では、計数スイッチ12を1回押下する操作がなされた直後に、通番=n+1、カード返却準備状態=OFF、計数通番=m、計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドがCU3からS台2Sへ送信されている。
S台2Sは、計数スイッチ12の操作を検出した場合、状態情報要求のコマンドに対する応答として、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+1の状態情報応答をCU3へ送信する。ただし、この段階でS台2Sは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求を示す電文であるため、計数通番が“m+1”にカウントアップされている。S台2Sは、このとき、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+1の状態情報応答を受信したCU3は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を100に更新する。すなわち、CU制御部323は、表示制御部350に対して計数表示の指令を送信する。表示制御部350は、その指令を受けてS台2S側の第1表示器54を表示制御する。その結果、第1表示器54には、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示が行なわれる。
この場合、遊技玉が一発ずつ、各台計数器に案内されて計数されていくような演出表示を行なうことが考えられる。この演出表示の他の例としては、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示であってもよい。たとえば、遊技玉数のデータと持玉数のデータとを棒グラフで示し、遊技玉数の棒グラフを減少させつつ持玉数の棒グラフを増加させたり、遊技玉数の棒グラフの一部を持玉数の棒グラフに移動させる表示を繰返したりしてもよい。さらに演出表示の他の例としては、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰返したり、種々の演出表示が考えられる。
さらに、CU3は、前回最終送信計数通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3は、S台2Sに対して、通番n+2、計数通番m+1、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したS台2Sは、ようやく、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器50の表示を800から700に更新する。この段階で、S台2Sは計数要求状態がOFFとなるが、計数スイッチ12の押下が継続しているため、S台2Sは2度目の計数要求をCU3へ送信する。すなわち、計数要求値を具体的に100に設定した通番n+2の状態情報応答をCU3へ送信する。ただし、この段階でもS台2Sは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+2の状態情報応答では、遊技玉数=700とされている。また、この状態情報応答は、新たな計数要求として送信される電文であるため、計数通番を“m+2”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
通番n+2の状態情報応答を受信したCU3は、要求されている計数玉数相当の持玉を加算するとともに、持玉の表示を200に更新する。さらに、CU3は、前回最終送信計数通番を“m+2”に更新して、そのデータをバックアップする。続いて、CU3は、S台2Sに対して、通番n+3、計数通番m+2、計数応答=ONの状態情報要求を送信し、要求された計数を終えたことを通知する。
この状態情報要求を受信したS台2Sは、計数玉数=100に対応する数だけ遊技玉数を減算し、遊技玉数表示器50の表示を700から600に更新する。ところが、この段階で、計数スイッチ12から遊技者の手が離れており、計数操作が終了している。このため、S台2Sは計数完了を通番n+3の状態情報応答でCU3へ通知する。すなわち、現在の遊技玉数=600とともに、計数要求=OFF、計数玉数=0の状態情報応答をCU3へ送信する。また、計数要求に対応するすべての計数動作が済んでいるため、この状態情報応答に含まれる計数通番もm+2のままで更新されていない。
この状態情報応答を受信したCU3は、計数完了と判定する。図示を省略しているが、CU3は、通番n+4、計数通番m+2、カード返却準備状態=OFF、計数応答=OFFの状態情報応答をS台2Sへ送信する。
このように、本実施の形態では、計数玉数を通知する情報状態応答をS台2SからCU3へ送信する際に、S台2S側で早々と計数玉分の遊技玉の減算を行なっているのではなく、計数玉数を通知する情報状態応答を送信してからこれに対する受領確認をCU3から受けた段階で、S台2Sは遊技玉の減算を行なっている。
<<遊技玉計数(カード返却)>>
次に、カードを返却する際の遊技玉の計数処理について説明する。図14は、遊技者がカード返却操作を行なった場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。図14では、挿入された記録媒体(会員用カード等)により特定されるカード持玉数が0玉であり、当初の遊技玉数が800玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=800、計数通番=m、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。
その後、遊技者が、遊技を止める場合や別の遊技台に移動する場合に「カード返却」ボタンを押下する。しかし、遊技者が「カード返却」ボタンを押下した時点では、S台2Sの遊技玉数が800玉で、CU3はS台2Sの遊技玉数が0玉でないと判定する。また、CU3は、遊技者が「カード返却」ボタンを押下したのでカード返却準備状態=ONとして、通番=n+1、CU開店状態=ON、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。なお、CU3は、カード返却準備状態=ONの通知を10秒間、S台2Sに通知する。さらに、CU3は、S台2Sの遊技玉数が800玉で、0玉でないため、カード返却待機として、第1表示器54等に計数操作を促す表示を行なう。
計数操作を促す表示を受けて、遊技者が計数スイッチ12を押下して、遊技玉を持玉に変換する操作を行なう。S台2Sは、計数スイッチ12を押下する計数操作が、カード返却準備状態=ONでの計数操作であると判定し、たとえば100玉単位での計数ではなく、一括して計数を処理する。
S台2Sは、遊技玉数800玉の計数受付要求および遊技玉数800玉を一括計数した計数玉数800玉をCU3に通知するために、通番=n+1、遊技玉数=800、計数通番=m+1、計数玉数=800および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、この段階でS台2Sは計数要求分の計数を実行しない。このため、通番n+1の状態情報応答では、依然として遊技玉数=800とされている。また、この状態情報応答は、計数要求の電文であるため、S台2Sは、計数通番を“m+1”にカウントアップして、前回最終送信計数通番を更新し、更新した前回最終送信計数通番と計数要求状態ONとのデータをバックアップする。
これを受けて、CU3は、計数玉数800玉を持玉数に加算して、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から0玉に減算する。また、CU3は、更新した前回最終送信計数通番のデータをバックアップする。そして、CU3は、計数玉受取りを通知するため、通番=n+2、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=ON、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。
S台2Sは、CU3からの応答を受けて、計数玉数800玉を遊技玉数800玉から減算して遊技玉数0玉を第1表示器54等に表示する。さらに、S台2Sは、遊技玉数0玉、計数完了した旨をCU3に通知するために、通番=n+2、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数要求=OFFを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、計数要求がOFFとなるので、計数通番はm+1のままカウントアップせずにCU3に送信される。
CU3は、遊技者がカード返却ボタン322を押下してから10秒経過する前、つまり、カード返却準備状態中に、計数スイッチ12を押下して遊技玉を持玉に一括計数して遊技玉数を0玉にしているので、カード返却処理を実行する。つまり、CU3は、通番=n+3を含むカード返却通知のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n+3、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻を含むカード返却応答のレスポンスをCU3に返信する。カードIDおよびカード挿入時刻をCU3に返信後、払出制御基板17に保持してあるカードIDおよびカード挿入時刻のデータをクリアする。
それを受けて、CU3は、挿入しているカードに記憶しているカードIDと、S台2Sから受信したカードIDとの一致判別を行ない、一致した場合は挿入しているカードを返却し、不一致の場合エラー処理を行ないホールサーバ801などに報告する。CU3は、カードIDが一致した場合、カード挿入/排出口309に挿入してあったカード(挿入カード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。また、遊技者がカード挿入/排出口309にカードを挿入することなく入金操作により遊技を開始している場合には、CU3に設けられているカードストック部にストックされているカード(ストックカード)に持玉数800を記憶させてそのカードを遊技者に返却する。挿入カードまたはストックカードの返却の際、CU3は当該カードのカードIDと持玉数のデータとをホールサーバ801へ送信し、ホールサーバ801が当該カードのカードIDに対応付けて持玉数のデータを記憶してもよい。
その後、CU3から返却されたカードは、カード挿入/排出口309から抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309から突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。CU3は、カード抜き取り可能状態であるか否かを判定することが可能なセンサをカード挿入/排出口309の近傍に取り付けてあり、当該センサの信号がON状態の場合、カード抜き取り可能状態と判定し、OFF状態の場合、カード抜き取り完了状態と判定する。
そして、CU3は、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をS台2Sに通知する。そのため、CU3は、通番=n+4、CU開店状態=ON、カード返却準備状態=OFF、カード抜き取り待ち中=ON、計数通番=m+1および計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。これを受けて、S台2Sは、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」とCU3を介して第1表示器54に表示する。また、S台2Sは、カードの抜き取りを報知するため、LEDを点灯させたり、スピーカ52,53で「カード抜き取って下さい」と音声出力させたりしてもよい。さらに、S台2Sは、通番=n+4、遊技玉数=0、計数通番=m+1、計数玉数=0および計数応答=OFFを含む状態情報応答のコマンドをCU3へ送信する。
カード挿入/排出口309の近傍に取り付けたセンサがON状態であれば、CU3は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。しかし、遊技者がカード挿入/排出口309からカードを抜き取った場合、カード挿入/排出口309の近傍に取り付けたセンサがOFF状態となるので、CU3は、通番=n+5およびカード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。
これを受けて、S台2Sは、CU3を介して第1表示器54に表示していた「カード抜き取って下さい」の表示を止め、カードの抜き取りの報知を終了する。なお、カードの抜き取りの報知は、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまで報知を継続する。さらに、S台2Sは、通番=n+5を含む状態情報応答のコマンドをCU3へ送信する。
なお、図14で説明したカードを返却する際の遊技玉の計数処理のシーケンスは、カード返却時に限定されるものではなく、簡易離席・食事休憩時にも同様の処理を適用することができる。ここで、簡易離席とは、遊技者が小用を済ませるために5〜10分程度の短い時間遊技を中断するものである。食事休憩とは、簡易離席よりも長いたとえば30分間等遊技を中断して食事や休憩を行なうものである。
<<異常系シーケンス1>>
次に、図15を参照して、電源断/通信回線断により状態情報要求が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図15は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、S台2Sの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報要求が未到達(CU3からS台2Sへコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
図15を参照して、遊技中において電源断が発生する前に、CU3は、通番=nを含む状態情報要求をS台2Sに送信している。それを受けて、S台2Sは、遊技台情報CU3に通知するため、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答をCU3に送信する。S台2Sは、前回遊技台情報となる前回最終送信通番を“n”に更新する。
CU3は、通番=nの状態情報応答を受け、前回最終送信通番を“n”に更新してバックアアップする。また、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23の情報に基づいて、自ら記憶している遊技玉数や加算玉数、減算玉数を更新する。
そして、遊技中においてS台2Sに電源断が発生した後に、通番=n+1を含む状態情報要求がCU3からS台2Sへ送信された場合に、S台2Sが電源断の状態であるためにその状態情報要求を受信できない。それ以降S台2Sからの状態情報応答が送信されてこないためにCU3は、3秒後に通信回線断を検知して停止する制御を行なう。S台2Sが状態情報応答のレスポンスをCU3に送信してから、電源断発生までの間、S台2Sにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
その後、S台2Sの電源断が復旧してONの状態になってS台2Sが動作を開始する。S台2Sが動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信通番=n、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。S台2Sは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが一致しているか否かを判定する。一致している場合には、通信断の前にS台2SからCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していると判断でき、この場合には、その状態情報応答に含まれる遊技情報に基づいてCU3側でも遊技情報が更新されていることになる。このため、この場合には、S台2Sは、遊技情報格納無(具体的には前回遊技台情報無)としてリカバリ応答(通番=1)をCU3へ返信する。仮に、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=nと、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信通番=nとが不一致の場合には、通信断の前にS台2SからCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していないと判断できるため、このような場合には、遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)として遊技情報を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3へ返信する。なお、S台2Sは、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
図15において、CU3は、リカバリ応答に含まれる遊技情報格納がないため、加算リカバリ処理は行なわない。なお、リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図28(a)に基づいて後述する。遊技情報格納がないため、CU3は、リカバリ要求2をS台2Sに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をS台2Sに送信する。なお、CU3が通信開始要求のコマンドをS台2Sに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。S台2Sは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、S台2Sは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、S台2Sとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をS台2Sに送信する。それを受けたS台2Sでは、未通知の遊技台情報(最新遊技台情報である遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3に通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3は、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス2>>
次に、図16を参照して、電源断/通信回線断により状態情報応答が未到達となったときの遊技玉数のリカバリ処理について説明する。図16は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、S台2Sの電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報応答が未到達(S台2SからCU3へコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
図16を参照して、遊技中において電源断が発生した後に、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答がS台2SからCU3へ送信された場合に、CU3が電源断の状態であるためにその状態情報応答をCU3が受信できない。それ以降CU3からの状態情報要求が送信されてこないためにS台2Sは、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171が主制御基板16へ停止コマンドを送信し、リールモータ32L,32C,32Rの回転駆動を停止する。この3秒間の間、S台2Sにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
一方、CU3では、電源断が発生したために、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なう。その際、現時点における持玉数をカードに記憶させて排出する。なお、CU3の故障等が原因で持玉数をカードに記憶させることができない場合は、定期的に(たとえば5秒毎に)CU3から持玉数を受信してバックアップ記憶しているホールサーバ801の記憶データ(持玉数)を基に遊技者に損失補填するようにしてもよい。その後、CU3の電源断が復旧してONの状態になってCU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信通番=n−1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。S台2Sは、受信したリカバリ要求の前回最終送信通番=n−1と、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信通番=nとを比較判定する。その結果、両者が不一致であるので、電源断の発生前に最後に送信した状態情報応答がCU3へ到達していないものと判断する。そこで、S台2Sは、CU3に対して未通知の遊技情報を有しているとして遊技情報格納有(具体的には前回遊技台情報有)を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3へ返信する。つまり、前回遊技台情報である遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23をリカバリ応答に含めてCU3へ送信する。なお、S台2Sは、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
CU3は、リカバリ応答に含まれる遊技情報に基づいてリカバリ処理を実行する。ただし、通信回線断を検知する直前に遊技玉の加算要求を送信していないため、加算リカバリ処理は不要である。このため、リカバリ応答を受信した後、リカバリ要求2を送信することなく、通信開始要求を送信する。CU3は、この通信開始要求の送信前に、第1チェック処理を実行する。第1チェック処理では、リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323によって、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かがチェックされる。この第1チェック処理は、図28(a)に基づいて後述する。CU3は、リカバリ要求2をS台2Sに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をS台2Sに送信する。なお、CU3は、S台2Sから受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをS台2Sに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。S台2Sは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、S台2Sは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、S台2Sとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をS台2Sに送信する。それを受けたS台2Sでは、電源断の発生前にCU3にまで到達しなかった状態情報応答に含まれる未通知の遊技台情報(遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3に通知するとともに、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3は、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。なお、状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
なお、再挿入されたカードのカードIDがカード情報読取処理により適正に読取られた場合に、その読取ったカードIDとリカバリ応答に含まれているカードIDとを照合して一致しているか否かをCU3のCU制御部323が判定するとともに、電源断発生前の遊技開始時に挿入されたカードの挿入時刻をCU制御部323のRAMが記憶しておりその記憶しているカードの挿入時刻とリカバリ応答に含まれているカード挿入時刻とを比較して一致するか否かをCU3のCU制御部323が判定してもよい。その場合、両者一致すると判定し、加算リカバリが無い場合には、CU3は、通信開始要求をS台2Sへ送信する。それを受けたS台2Sでは、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3へ返信する。
本実施例では、この遊技者の同一性を判断するときの遊技者を特定可能な遊技者特定情報として、カードIDとカード挿入時刻とを用いている。このカードIDは、会員の遊技者個人を特定する会員用カードのカードIDばかりでなく、ビジターとして来店した遊技者が用いるビジターカードのカードIDも含む。このビジターカードの場合には、不特定の遊技者に使用されるものであり、特定の遊技者個人を特定するものではない。つまり、このカードIDの場合には、電源断/通信回線断の発生前に遊技を行なっていた遊技者と電源断復旧後に遊技を行なおうとしている遊技者とが同一の遊技者であるか否かは特定できるが、その遊技者がどの特定の個人であるかまでは特定できない。よって、上記「遊技者特定情報」とは、特定の遊技者個人を特定するものに限らず、電源断/通信回線断の発生前に遊技を行なっていた遊技者と電源断復旧後に遊技を行なおうとしている遊技者との同一性が判別できる情報をも含む広い概念である。
<<異常系シーケンス3>>
次に、図17を参照して、電源断/通信回線断により状態情報応答が未到達となったときの遊技玉数の別のリカバリ処理について説明する。図17は、特に、電源断/通信回線断線(たとえば、CU3の電源が一旦OFFにした後再度ONになった場合)があって、状態情報応答が未到達(S台2SからCU3へコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が不一致の場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。この電源のOFF,ONは、たとえばCU3の故障、または電源を手動でOFF,ONする、あるいはCU3をカードユニットホルダから抜き差しすることによっても、電源がOFF,ONとなる。
図17を参照して、遊技中において電源断が発生した後に、通番=n、遊技玉数=480、加算玉数=3および減算玉数=23を含む状態情報応答がS台2SからCU3へ送信された場合に、CU3が電源断の状態であるためにその状態情報応答をCU3が受信できない。それ以降CU3からの状態情報要求が送信されてこないためにS台2Sは、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171が主制御基板16へ停止コマンドを送信し、リールモータ32L,32C,32Rの回転駆動を停止する。この3秒間の間、S台2Sにおいて遊技が続行されて遊技台情報が変化し、遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36となり、これが最新遊技台情報となる。一方、既に送信した遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23の遊技台情報は前回遊技台情報となる。
一方、CU3では、電源断が発生したために、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なう。その後、CU3の電源断が復旧してONの状態になり、さらにCU3を交換して新たなCU3が動作を開始する。
なお、CU交換前に稼働していたCU3が持玉数を記憶していたときには、その持玉数を別のカード(たとえば、CU内部のカード)に記憶させて排出するようにしてもよい。その際に、CU3の故障等が原因で持玉数をカードに記憶させることができない場合は、定期的に(たとえば5秒毎に)CU3から持玉数を受信してバックアップ記憶しているホールサーバ801の記憶データ(持玉数)を基に遊技者に損失補填するようにしてもよい。
交換後のCU3が動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバ(ホールサーバ801を経由して鍵管理サーバ800)へ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照合してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。しかし、CU3は、交換したため前回最終送信通番を有していない。それを受けたS台2Sでは、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。S台2Sは、交換後のCU3から送信される前回最終送信通番=0と、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信通番=nとを比較判定する。その結果、両者が不一致であるので、リカバリ処理を行なうためS台2Sに格納してある遊技情報をCU3へ送信する。具体的に、S台2Sは、交換後のCU3に対してリカバリ処理を行なうため遊技情報を有しているとして遊技情報格納有を含むリカバリ応答(通番=1)をCU3へ返信する。このリカバリ応答でCU3に通知するリカバリ情報には、前回最終送信通番=n、挿入されていたカードのカードID、カード挿入時間、前回遊技台情報として前回最終送信加算通番=mおよび前回遊技台情報が含まれている。前回遊技台情報には、遊技玉数=480、加算玉数=3、減算玉数=23を含んでいる。なお、S台2Sは、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図28(a)に基づいて後述する。CU3は、リカバリ要求2をS台2Sに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をS台2Sに送信する。なお、CU3は、S台2Sから受信した前回遊技台情報を使用してリカバリ処理(遊技玉数=480、加算玉数累計=+3、減算玉数累計=+23)を行ない、前回最終送信通番を更新して、当該データおよびカードID、カード挿入時刻をバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをS台2Sに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。S台2Sは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、S台2Sは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、S台2Sとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をS台2Sに送信する。それを受けたS台2Sでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=450、加算玉数=6、減算玉数=36)を状態情報応答でCU3に通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=450、加算玉数=6および減算玉数=36を含む。CU3は、未通知の遊技台情報を含む状態情報応答を受けて、前回挿入中だったカードの挿入待ち、または店員リモコン操作(遊技玉計数)待ちの状態となる。この状態でカードが挿入されると、CU3は、その挿入されたカードのIDをカードリーダライタにより読み取る。そして、読み取ったカードIDと、リカバリ応答に基づいて記憶しているリカバリカードID(前回挿入されていたカードのカードID)とが一致しているか否かを判定する。一致していると判定した場合には、遊技を再開させるための店員のリモコン操作待ちとなる。リモコン操作があれば、店舗コードおよびSC基板ID等を含むカード挿入通知のコマンドがCU3からS台2Sへ送信される。S台2Sでは、通信断以前の前回のカード挿入時に受信した店舗コードおよびSC基板IDのデータを払出制御部171のRAM等にバックアップしており、そのバックアップしているデータとCU3から送信されてきた店舗コードおよびSC基板IDとを比較して一致するか否か判別する。一致していれば、遊技が再開可能となる。なお、リモコン操作を待つことなく、店舗コードおよびSC基板ID等を含むカード挿入通知のコマンドがCU3からS台2Sへ送信されるようにしてもよい。不一致の場合には、たとえばS台2Sの遊技玉数データを無効にする等のエラー処理が行なわれる。あるいは、これに代えて、またはこれに加えてエラー報知がなされるようにしてもよい。さらには、挿入されているカードを強制的に排出して遊技者に返却する制御を行なうようにしてもよい。
なお、状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス4>>
次に、電源断/通信回線断により加算要求が未到達となったときの加算玉数のリカバリ処理について説明する。図18は、特に、電源断、通信回線断線により、加算要求が未到達(CU3からS台2Sへの加算要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
この図18では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、貯玉の消費を確定し、加算玉数=25とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。
しかし、S台2Sは、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。また、電源断が発生したことにより、メダルの投入制御が停止され、S台2Sの投入口11に1枚のメダルも投入されずに停止する。そのため、S台2Sは、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。また、S台2Sの遊技玉数に加算されることなく、遊技玉数表示器50の表示も更新されない。
CU3は、S台2Sが停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、S台2Sで電源断が復旧し、S台2Sが動作を開始する。S台2Sが動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する。ここでは、前回最終送信加算通番=mが送信される。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回最終送信加算通番と、記憶している前回最終送信加算通番と一致しているか否かを判断する。CU3は、S台2Sのリカバリデータの最終送信加算通番=mに比べて、バックアップしているCU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1の方が大きい値(新しい)の場合(不一致)、前回の状態情報要求のコマンドが未到達であったと判断して加算リカバリ処理を行なう。
具体的な加算リカバリ処理としては、S台2Sに対して加算玉数=25玉のリカバリを要求する。そのため、CU3は、リカバリ要求2(加算玉数=25、前回最終送信加算通番=m+1)をS台2Sへ送信する。なお、加算リカバリ処理の場合、加算玉数のデータがCU3からS台2Sに送信されるだけで、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されることはない。もちろん、加算リカバリ処理の場合であっても、加算玉数のデータを送信せずに、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されるようにしてもよい。また、加算玉数のデータを送信しつつ、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されるようにしてもよい。この場合、送信した加算玉数のデータとS台2Sの投入口11に投入されたメダルの枚数とを比較することで遊技玉数の加算が正しく行なわれたか否かを確認することができる。
S台2Sは、リカバリ要求2に含まれる加算玉数への加算処理を実施し、前回最終送信加算通番を更新して、当該テータをバックアップする。このタイミングで、電源断によって実現されなかった加算処理が実現され、CU3側とS台2S側とで遊技玉数が整合する。さらに、S台2Sでは、加算処理がOKであった旨をリカバリ応答2としてCU3へ返信する(リカバリ応答2(処理結果=処理OK))。それを受けたCU3は、加算要求状態をクリアする。なお、リカバリ応答2を受信したCU3のCU制御部323は、前述のリカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第3チェック処理を実行する。この第3チェック処理は、図29に基づいて後述する。
さらに、CU3は、通信開始要求をS台2Sへ送信する。それを受けたS台2Sでは、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3へ返信する。また、CU3は、状態情報要求をS台2Sへ送信する。それを受けたS台2Sでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=75)を状態情報応答でCU3に通知する。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス5>>
次に、電源断/通信回線断により加算応答が未到達となったときの加算玉数のリカバリ処理について説明する。図19は、特に、電源断、通信回線断線により、加算応答が未到達(S台2SからCU3への加算応答のレスポンスが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
この図19では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、貯玉の消費を確定し、加算玉数=25とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、S台2Sは、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができない。S台2Sが通信回線断を検知するには、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できない期間が必要である。なお、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入された後に、CU3で電源断が発生したものとする。
そのため、S台2Sでは、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=75、遊技玉加算結果=OKおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。なお、S台2Sでは、CU3へ状態情報応答のレスポンスを返信するとともに、前回最終送信加算通番を更新し、更新したデータおよび遊技玉数=75のデータをバックアップする。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、前回最終送信通番=n+1を含むリカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答(前回最終送信通番=n+1、前回最終送信加算通番=m+1))。このリカバリ情報としては、前回最終送信通番=n+1、カードID、カード挿入時刻および前回最終送信加算通番=m+1が含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報のカードID、およびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、S台2Sのリカバリデータの前回最終送信加算通番=m+1と、CU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが一致した場合、加算リカバリ処理を要求せず、加算要求状態をクリアする。また、リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図28(a)に基づいて後述する。
さらに、CU3は、通信開始要求をS台2Sへ送信する。それを受けたS台2Sでは、通信開始応答をCU3へ返信する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス6>>
次に、電源断/通信回線断により加算応答が未到達となったときの加算玉数の別のリカバリ処理について説明する。図20は、特に、電源断、通信回線断線により、加算応答が未到達(S台2SからCU3への加算応答のレスポンスが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
この図20では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、貯玉の消費を確定し、加算玉数=25とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。
その後、CU3で電源断が発生し、CU3の動作が停止する。しかし、S台2Sは、CU3で電源断が発生した直後、CU3の動作が停止していることを検知することができない。S台2Sが通信回線断を検知するには、1秒以上CU3から次のコマンドを受信できない期間が必要である。
そのため、S台2Sでは、CU3の動作が停止していることを知らずに、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、加算要求を処理する。ところが、何らかの原因(たとえば、遊技玉数が上限値に達しているなど)によって、遊技玉を加算できない状況が発生する。なお、引き落とされる1枚目のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入される前に、CU3で電源断が発生したものとする。この場合、S台2Sは、通番=n+1、遊技玉数=50、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。ただし、CU3に返信した状態情報応答のレスポンスは、CU3の動作が停止しているため、CU3へ未到達となる。なお、S台2Sでは、遊技玉加算異常が発生しているので、CU3からの加算玉を処理することができず、前回最終送信加算通番=mのままで更新していない。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。なお、S台2Sでは、遊技玉加算異常の状態である。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、前回最終送信通番=n+1を含むリカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する(リカバリ応答(前回最終送信通番=n+1、前回最終送信加算通番=m))。このリカバリ情報としては、前回最終送信通番=n+1、カードID、カード挿入時刻および前回最終送信加算通番=mが含まれている。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報のカードID、およびカード挿入時刻と、記憶しているカードIDおよびカード挿入時刻と一致しているか否かを判断する。CU3は、カードIDおよびカード挿入時刻が一致し、S台2Sのリカバリデータの前回最終送信加算通番=mと、CU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが不一致の場合、加算リカバリ処理を要求する。そのため、CU3は、前回最終送信加算通番=m+1、加算玉数=25を含むリカバリ要求2をS台2Sに送信する。なお、加算リカバリ処理の場合、加算玉数のデータがCU3からS台2Sに送信されるだけで、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されることはない。このため、メダルを順次投入する場合に比較して、リカバリを早く終了させることができる。もちろん、加算リカバリ処理の場合であっても、加算玉数のデータを送信せずに、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されるようにしてもよい。また、加算玉数のデータを送信しつつ、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されるようにしてもよい。この場合、送信した加算玉数のデータとS台2Sの投入口11に投入されたメダルの枚数とを比較することで遊技玉数の加算が正しく行なわれたか否かを確認することができる。
それを受けてS台2Sは、遊技玉加算異常により、遊技玉加算が処理されていないこと(遊技玉加算NG)をリカバリ応答2で通知する。リカバリ応答2には、リカバリ結果=処理NGが含まれている。
それを受けたCU3は、後述する第3チェックを行ない。さらに、CU3は、通信開始要求をS台2Sへ送信する。それを受けたS台2Sでは、通信開始応答をCU3へ返信する。
さらに、CU3は、S台2Sに再度加算要求を通知するために、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=25、加算通番=m+1を含む状態情報要求をS台2Sに送信する。それを受けたS台2Sは、加算異常状態のため、遊技玉数=50、遊技玉加算結果=NG、加算通番=mを含む状態情報応答をCU3に送信する。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス7>>
次に、電源断/通信回線断により加算要求が未到達となったときの加算玉数の別のリカバリ処理について説明する。図21は、特に、電源断、通信回線断線により、加算要求が未到達(CU3からS台2Sへの加算要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が不一致の場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
この図21では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=nおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が再プレイボタンを押下する。そのため、CU3は、貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=25玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信して、貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、貯玉の消費を確定し、加算玉数=25とし、前回最終送信加算通番、および加算要求状態ONのデータをバックアップする。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。
しかし、S台2Sは、遊技者が再プレイボタンを押下した後、状態情報要求のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、S台2Sは、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。さらに、S台2Sに電源断が発生しているので、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入されたメダルは、メダルセンサ19に検出されることなく、ホッパー34に回収される。つまり、25玉分のメダルをS台2Sの投入口11に投入したが、遊技玉数は加算されない状態である。
CU3は、S台2Sが停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、S台2Sで電源断が復旧し、さらにS台2Sを交換して新たなS台2Sが動作を開始する。S台2Sが動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。なお、CU3は、S台2Sが交換されても加算リカバリは実施する。
認証シーケンス後、CU3は、リカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしているリカバリ情報をレスポンスとしてCU3へ返信する。しかし、S台2Sは、新たに交換したため前回最終送信加算通番はバックアップしておらず、初期値“0”をCU3に送信することになる。
リカバリ応答を受けたCU3では、リカバリ情報の前回最終送信加算通番と、記憶している前回最終送信加算通番と一致しているか否かを判断する。CU3は、S台2Sのリカバリデータの最終送信加算通番=0と、バックアップしているCU3で記憶している前回最終送信加算通番=m+1とが不一致の場合、前回の状態情報要求のコマンドが未到達であったと判断して加算リカバリ処理を行なう。具体的な加算リカバリ処理としては、S台2Sに対して加算玉数=25玉のリカバリを要求する。そのため、CU3は、リカバリ要求2(加算玉数=25、前回最終送信加算通番=m+1)をS台2Sへ送信する。なお、加算リカバリ処理の場合、加算玉数のデータがCU3からS台2Sに送信されるだけで、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されることはない。もちろん、加算リカバリ処理の場合であっても、加算玉数のデータを送信せずに、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されるようにしてもよい。また、加算玉数のデータを送信しつつ、メダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入されるようにしてもよい。この場合、送信した加算玉数のデータとS台2Sの投入口11に投入されたメダルの枚数とを比較することで遊技玉数の加算が正しく行なわれたか否かを確認することができる。
S台2Sは、リカバリ要求2に含まれる加算玉数への加算処理を実施し、前回最終送信加算通番を更新して、当該テータをバックアップする。さらに、S台2Sでは、加算処理がOKであった旨をリカバリ応答2としてCU3へ返信する(リカバリ応答2(処理結果=処理OK))。それを受けたCU3は、加算要求状態をクリアする。なお、リカバリ応答2を受信したCU3のCU制御部323は、前述のリカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第3チェック処理を実行する。この第3チェック処理は、図29に基づいて後述する。
さらに、CU3は、通信開始要求をS台2Sへ送信する。それを受けたS台2Sでは、リカバリデータ(遊技情報)をクリアして、通信開始応答をCU3へ返信する。また、CU3は、状態情報要求をS台2Sへ送信する。それを受けたS台2Sでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=175)を状態情報応答でCU3に通知する。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
ここでは、貯玉払出によって遊技を開始する再プレイボタンを押下した場合について説明したが、持玉払出によって遊技を開始する持玉払出ボタンを押下した場合も同様な動作となる。
<<異常系シーケンス8>>
次に、電源断/通信回線断により計数応答が未到達となったときの計数玉数のリカバリ処理について説明する。図22は、特に、電源断、通信回線断線により、計数応答が未到達(CU3からS台2Sへの計数応答のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
この図22では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。その後、S台2Sでは、計数スイッチ12が押下され、CU3に対して計数要求を送信する。具体的には、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、S台2Sでは、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3に通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
それを受けてCU3は、計数玉数を持玉数に加算して持玉数=100にし、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータをバックアップする。しかし、S台2Sは、状態情報要求のコマンドを受信した後に、電源断が発生し、動作が停止する。そのため、S台2Sは、CU3からの通番=n+1、計数通番=m+1および計数応答=ONを含む状態情報要求のコマンドを受信することができない。つまり、S台2Sは、CU3からの計数応答が未到達となる。
CU3は、S台2Sが停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、S台2Sで電源断が復旧し、S台2Sが動作を開始する。S台2Sが動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信計数通番=m+1、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。S台2Sは、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=m+1と、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致しているので、通信断の前にS台2SからCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していると判断できる。この場合には、S台2Sは、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行し、計数要求状態をOFFにする。つまり、S台2Sは、この時点で遊技玉数=500から遊技玉数=400に更新される。また、S台2Sは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3へ返信する。なお、S台2Sは、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図28(a)に基づいて後述する。なお、CU3は、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3は、リカバリ要求2をS台2Sに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をS台2Sに送信する。なお、CU3は、S台2Sから受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをS台2Sに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。S台2Sは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、S台2Sは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、S台2Sとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をS台2Sに送信する。それを受けたS台2Sでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=400)を状態情報応答でCU3に通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=400を含む。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス9>>
次に、電源断/通信回線断により計数要求が未到達となったときの計数玉数のリカバリ処理について説明する。図23は、特に、電源断、通信回線断線により、計数要求が未到達(S台2SからCU3への計数要求のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
この図23では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。その後、S台2Sでは、計数スイッチ12が押下され、CU3に対して計数要求を送信する。具体的には、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、S台2Sでは、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3に通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
しかし、CU3は、状態情報応答のコマンドを受信する前に、電源断が発生し、動作が停止する。つまり、CU3は、S台2Sからの計数要求が未到達となる。それ以降、CU3からの状態情報要求が送信されてこないために、S台2Sは、3秒後に通信回線断を検知して遊技を停止する制御を行なう。具体的には、払出制御部171が主制御基板16へ停止コマンドを送信し、リールモータ32L,32C,32Rの回転駆動を停止する。
その後、CU3で電源断が復旧し、CU3が動作を開始する。CU3が動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信計数通番=m、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。S台2Sは、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=mと、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致していないので(不一致)、通信断の前にS台2SからCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していないと判断できる。この場合には、S台2Sは、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行せず、計数要求状態をOFFにする。つまり、S台2Sは、電断発生直前に送信した計数要求を取り消し、この時点で遊技玉数=500のまま維持する。また、S台2Sは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3へ返信する。なお、S台2Sは、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図28(a)に基づいて後述する。CU3は、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3は、リカバリ要求2をS台2Sに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をS台2Sに送信する。なお、CU3は、S台2Sから受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをS台2Sに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。S台2Sは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、S台2Sは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、S台2Sとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をS台2Sに送信する。それを受けたS台2Sでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=500)を状態情報応答でCU3に通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=500を含む。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
<<異常系シーケンス10>>
次に、電源断/通信回線断により計数応答が未到達となったときの計数玉数の別のリカバリ処理について説明する。図24は、特に、電源断、通信回線断線により、計数応答が未到達(CU3からS台2Sへの計数応答のコマンドが未到達)で、復旧後通信相手が一致する場合の計数処理を説明するためのシーケンス図である。
この図24では、当初の持玉数が0玉、遊技玉数が500玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、計数通番=mおよび計数応答=OFFを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。その後、S台2Sでは、計数スイッチ12が押下され、CU3に対して計数要求を送信する。具体的には、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=500、計数通番m+1、計数玉数=100、計数通番m+1および計数要求=ONを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、S台2Sでは、遊技玉数=500、計数玉数=100およびカウントアップした計数通番=m+1をCU3に通知するとともに、前回最終送信計数通番を更新し、更新したデータおよび計数要求状態ONのデータをバックアップする。
それを受けてCU3は、計数玉数を持玉数に加算する処理を実行するが、何らかの異常が発生して加算処理ができない。このため、CU3からは計数通番=mおよび計数応答=OFF(計数異常状態のため)を含む状態情報要求のコマンドが送信される。ところが、S台2Sは、状態情報要求のコマンドを受信した後に、電源断が発生し、動作が停止している。そのため、S台2Sは、CU3からの状態情報要求のコマンドを受信することができない。つまり、S台2Sは、CU3からの計数応答が未到達となる。
CU3は、S台2Sが停止しているので、コマンド送信後200ミリ秒間レスポンスを受信できないので、最大14回までコマンドを再送信する。CU3は、コマンドを再送信してもレスポンスを受信できないことにより、通信回線断を検知する。
その後、S台2Sで電源断が復旧し、S台2Sが動作を開始する。S台2Sが動作を開始すると、まず、CU3とS台2Sとの間で認証シーケンスが開始され、S台2SからCU3に対して、メインチップIDと払出チップIDとが含まれる情報が送信される。CU3は、受信したメインチップIDと払出チップIDとを上位の管理サーバへ送信してメインチップIDと払出チップIDとが正規に登録されているか否か照会してもらいその結果を返信してもらう。正規に登録されていれば適正な認証結果となる。
認証シーケンス後、CU3は、通番=1、前回最終送信計数通番=m、店舗コードおよびSC基板IDを含むリカバリ要求をS台2Sへ送信する。つまり、CU3は、S台2Sに対してリカバリ情報の通知を要求する。それを受けたS台2Sでは、まずCU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合には以下の処理を行なう。S台2Sは、受信したリカバリ要求の前回最終送信計数通番=m(計数異常のため“m”のままの更新されていない)と、S台2S内部(具体的には払出制御基板17)でバックアップしている前回最終送信計数通番=m+1とが一致していないので(不一致)、通信断の前にS台2SからCU3に対して最後に送信した状態情報応答はCU3に到達していないと判断できる。この場合には、S台2Sは、計数した玉数を遊技玉数から減算する処理を実行せず、計数要求状態をOFFにして、前回最終送信計数通番を1つ減らす(−1)。S台2Sは、この時点で電断発生前の計数要求を取り消して遊技玉数=500のまま維持する。また、S台2Sは、受信したリカバリ要求のコマンドに基づいて、レスポンスであるリカバリ応答をCU3へ返信する。なお、S台2Sは、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」とが不一致の場合、遊技の継続を禁止する。
リカバリ応答を受信したCU3のCU制御部323は、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値になっているか否かをチェックする第1チェック処理を実行する。この第1チェック処理は、図28(a)に基づいて後述する。CU3は、加算リカバリ処理は行なわないため、CU3は、リカバリ要求2をS台2Sに送信することなく、通番=2を含む通信開始要求をS台2Sに送信する。なお、CU3は、S台2Sから受信した前回遊技台情報を処理して、前回最終送信通番を更新して、当該データをバックアップする。CU3が通信開始要求のコマンドをS台2Sに送信する際、計数通番は“0”(初期値)にクリアされる。S台2Sは、通信開始要求を受け、通番=2を含む通信開始応答をCU3へ送信する。また、S台2Sは、通信開始要求を受信後、リカバリデータ(遊技情報)をクリアするとともに、計数通番も“0”(初期値)にクリアする。
CU3は、S台2Sとの通信が開始されると、通番=3を含む状態情報要求をS台2Sに送信する。それを受けたS台2Sでは、未通知の遊技台情報(遊技玉数=500)を状態情報応答でCU3に通知する。具体的には、状態情報応答として送信通番=3、遊技玉数=500を含む。状態情報応答を受信したCU3のCU制御部323は、状態情報応答として送信されてくる遊技台情報に含まれている遊技玉数が適正な値であるか否かをチェックする第2チェック処理を実行する。この第2チェック処理は、図28(b)に基づいて後述する。
<<加算要求異常>>
次に、加算要求異常の処理について説明する。図25は、特に、玉貸・持玉払出・貯玉払出時の遊技玉の加算結果が異常である場合の処理を説明するためのシーケンス図である。
この図25では、当初の遊技玉数が50玉の状態となっている。まず、CU3は、通番=n、遊技玉加算要求=OFFおよび加算通番=mを含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。それを受けて、S台2Sは、通番=n、遊技玉数=50および加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。なお、状態情報応答のレスポンスに含まれる計数要求がOFF(図示せず)であるので、計数通番はmのまま、カウントアップすることなくCU3に送信される。
その後、遊技者が持玉払出ボタンを押下する。そのため、CU3は、持玉・貯玉の消費を確定し、通番=n+1、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信して、持玉・貯玉を遊技玉に変換した情報を通知する。その際、CU3は、遊技玉数=50(更新前遊技玉数)+25(加算玉数)=75、更新した前回最終送信加算通番および加算要求状態ONのデータをバックアップする。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。
その後、S台2Sで遊技玉を加算する処理に異常が発生する。さらに、S台2Sで遊技玉を加算する処理に異常が発生しているので、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入されたメダルは、メダルセンサ19に検出されることなく、ホッパー34に回収される。つまり、25玉分のメダルをS台2Sの投入口11に投入したが、遊技玉数は加算されない状態である。そのため、S台2Sは、CU3の状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+1、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。S台2Sは、CU3に対して遊技玉加算結果=NG、前回最終送信加算通番の情報を通知する。
遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを受信したCU3は、通番=n+2、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ再送する。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるが、通番は更新されn+1からn+2へカウントアップし、加算通番はm+1のままで状態情報要求のコマンドを再送する。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが再度案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。
しかし、S台2Sは、遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、S台2Sは、CU3の再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+2、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。また、S台2Sで遊技玉を加算する処理に異常が発生しているので、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入されたメダルは、メダルセンサ19に検出されることなく、ホッパー34に回収される。
さらに、遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスを再度受信したCU3は、通番=n+3、遊技玉加算要求=ON、加算玉数=25玉および加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ2回目の再送を行なう。なお、CU3は、状態情報要求のコマンドの再送であるが、通番は更新されn+2からn+3へカウントアップし、加算通番はm+1のままで状態情報要求のコマンドを再送する。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが再度案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。
S台2Sは、まだ遊技玉を加算する処理に異常が発生している状態のままである。そのため、S台2Sは、CU3の再送した状態情報要求のコマンドを受けて、通番=n+3、遊技玉数=50(遊技玉加算前の遊技玉数)、遊技玉加算結果=NGおよび加算通番=mを含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。また、S台2Sで遊技玉を加算する処理にまだ異常が発生しているので、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に投入されたメダルは、メダルセンサ19に検出されることなく、ホッパー34に回収される。
CU3は、状態情報要求のコマンドを2回再送しても、S台2Sから遊技玉加算結果=NGを含む状態情報応答のレスポンスの応答を受信する場合、S台2Sで遊技玉を加算する処理に異常が発生しているとして、加算異常復旧待ちの状態となる。
S台2Sにおいて加算異常が復旧後、CU3は、通番=n+X、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ再送を行なう。具体的に、CU3は、通番=n+1、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。通番をカウントアップして“n+X”とするとともに、遊技玉の加算要求を行なうため、加算通番もカウントアップして“m+1”とする。CU3は、加算通番を“m+1”にカウントアップするとともに、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップする。さらに、S台2Sに遊技玉を加算するため、引き落とされる25玉分のメダルが案内通路330を通ってS台2Sの投入口11に順次投入される。具体的には、メダルの投入制御が開始され、メダルストッパ333を解除して、案内通路330を通ってS台2Sの投入口11にメダルを順次投入する。
それを受けて、S台2Sは、S台2Sの投入口11に投入されたメダルをメダルセンサ19で検出することで遊技玉数を加算する。そのため、1枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されるまで、S台2Sは、遊技玉数=50(現在の遊技玉数)、前回最終送信加算通番を“m+1”に更新して、そのデータをバックアップして、通番=n+1、加算玉数=50、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する(図25では図示せず)。
その後、1枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されると、CU3から送信された、通番=n+a、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンドに対して、S台2Sは、通番=n+X+1、50(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)=51に更新した遊技玉数、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する(図25では図示せず)。
さらに、25枚目のメダルがメダルセンサ19で検出されると、CU3から送信された、通番=n+Z(Z>X+1)、遊技玉加算要求=ONおよび加算通番=m+1を含む状態情報要求のコマンド(図25では図示せず)に対して、S台2Sは、通番=n+Z、74(現在の遊技玉数)+1(検出したメダル)=75に更新した遊技玉数、遊技玉加算結果=実行中および加算通番=m+1を含む状態情報応答のレスポンスをCU3に返信する。これを受けて、CU3は、加算要求状態をOFFにする。
<加算通番に関する動作>
図26は、加算通番に関するS台2SおよびCU3の動作を説明するための概念図である。遊技玉の加算要求が発生していないときには、CU3とS台2Sとの間で、図26の(1)〜(4)に示すような通常通番および加算通番を含む電文が送受信される。
(1)では、CU3からS台2Sに対して、通常通番n、加算通番mを含む電文が送信される。(1)の電文を受信したS台2Sは、(2)のように、受信した電文と同じ通常通番nおよび加算通番mを含む(2)の電文を返信する。
(2)の電文を受信したCU3は、通常通番が1つ更新された(3)の電文(通常通番n+1、加算通番m)を送信する。(3)の電文を受信したS台2Sは、受信した電文と同じ通常通番nおよび加算通番mを含む(4)の電文を返信する。
このようにCU3は、S台2Sから電文を受信するごとに、通常通番を1つ更新して次の電文を送信する。一方、S台2Sは通常通番を更新しない。また、加算要求が発生しない限り、加算通番は更新されない。
次に、加算要求(玉貸し操作や貯玉引き落とし操作による)が発生したときには、CU3からS台2Sに対して加算通番が1つ更新された(5)の要求電文が送信される(通常通番n+2、加算通番m+1)。この要求電文には加算要求ビットをONにしたデータも含まれている。なお、CU3は、この段階で既に加算要求に対する処理(カード残高の引き落としや貯玉の引き落とし)を確定させている。
S台2Sは、(5)の要求電文を受信し、加算通番が前回から1つ更新されていることに基づいて加算要求を認識する。その上で、今回の加算要求を承諾するか否かを判定する。この判定は、たとえば、S台2Sの払出制御部171が行なう。払出制御部171は、S台2S側で遊技玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。遊技玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、遊技玉が既に予め定めた上限値に達している場合である。
要求を承諾する場合には、(6)の2つの電文のうちの承諾電文を送信し、要求を拒否する場合には、(6)の2つの電文のうちの拒否電文を送信する。承諾電文では、加算通番が(5)の要求電文に含まれていた加算通番m+1とされている。一方、拒否電文では、加算通番が(6)よりも1つ前に送受信した電文に含まれる加算通番mとされている。なお、通常通番は、承諾電文および拒否電文のいずれも(5)の要求電文に含まれていたn+2である。
CU3は、直前の送信電文に含めた加算通番をバックアップ記憶するエリアと、受信電文に含まれる通常通番をバックアップ記憶するエリアとを備えている。これらのエリアは、たとえば、CU3のCU制御部323のマイクロコンピュータ内に設けられている。(6)の電文を受信したCU3のCU制御部323は、バックアップ記憶している加算通番と、(6)の電文に含まれる加算通番とを比較判定する。その結果、記憶している加算通番と送信されてきた電文に含まれる加算通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が承諾されたと判定する。これに対して、送信されてきた加算通番の方が1つ遅れている場合(この例ではm)には、要求が拒否されたと判定する。
図26の(5)’は、要求電文がノイズその他の要因によりS台2Sに到達しなかった場合について示している。この場合、S台2SはCU3からの電文到達を待つため、S台2SからCU3に対して電文が送信されることはない。CU3は、(5)’の要求電文を送信してから所定期間(200ms)だけ待機し、S台2Sからの応答がないので、同じ要求電文(5)’’を再送する。
<計数通番に関する動作>
図27は、計数通番に関するS台2SおよびCU3の動作を説明するための概念図である。計数要求が発生していないときには、CU3とS台2Sとの間で、図27の(1)〜(3)に示すような通常通番および計数通番を含む電文が送受信される。
(1)では、CU3からS台2Sに対して、通常通番n、計数通番mを含む電文が送信される。(1)の電文を受信したS台2Sは、(2)のように、受信した電文と同じ通常通番nおよび計数通番mを含む(2)の電文を返信する。
(2)の電文を受信したCU3は、通常通番が1つ更新された(3)の電文(通常通番n+1、計数通番m)を送信する。このようにCU3は、S台2Sから電文を受信するごとに、通常通番を1つ更新して次の電文を送信する。一方、S台2Sは通常通番を更新しない。また、計数要求が発生しない限り、計数通番は更新されない。
次に、計数要求(計数操作の検出)が発生したときには、S台2SからCU3に対して計数通番が1つ更新された(4)の要求電文が送信される(通常通番n+1、計数通番m+1)。この要求電文には計数要求ビットをONにしたデータも含まれている。なお、S台2Sは、この段階では計数処理を実行していない。
S台2Sは、(4)の要求電文を受信し、計数通番が前回から1つ更新されていることに基づいて計数要求を認識する。その上で、今回の計数要求を承諾するか否かを判定する。この判定は、たとえば、CU3のCU制御部323が行なう。CU制御部323は、計数処理(持玉の加算処理)が可能であるか否かを判定する。計数処理が可能でない場合とは、たとえば、持玉を用いた処理(ワゴンサービスなど)の途中である場合である。
要求を承諾する場合には、(5)の2つの電文のうちの承諾電文を送信し、要求を拒否する場合には、(5)の2つの電文のうちの拒否電文を送信する。承諾電文では、計数通番が(4)の要求電文に含まれていた計数通番m+1とされている。一方、拒否電文では、計数通番が(4)よりも1つ前に送受信した電文に含まれる計数通番mとされている。なお、通常通番は、承諾電文および拒否電文のいずれも(5)の要求電文から更新されており、n+2である。
S台2Sは、直前の送信電文に含めた計数通番と通常通番とをバックアップ記憶するエリアを備えている。このようなエリアは、たとえば、S台2Sの払出制御部171のマイクロコンピュータ内に設けられている。(5)の電文を受信したS台2Sの払出制御部171は、バックアップ記憶している計数通番と、(5)の電文に含まれる計数通番とを比較判定する。その結果、記憶している計数通番と送信されてきた電文に含まれる計数通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が承諾されたと判定する。これに対して、送信されてきた計数通番の方が1つ遅れている場合(この例ではm)には、要求が拒否されたと判定する。
図27の(4)’は、要求電文がノイズその他の要因によりS台2Sに到達しなかった場合について示している。この場合、CU3は、(3)の電文を送信してから所定期間(200ms)だけ待機し、S台2Sからの応答がないので、同じ電文(3)を再送する。再送されてきた(3)の電文を受けたS台2Sは、その電文に含まれる通常通番がn+1であり、先に(4)’の要求電文を送信しているにも関わらず、通常通番が変化していないことから、(4)’の要求電文が到達しなかったと判定する。そして、S台2Sは、(4)’と同じ要求電文(4)’’を再送する。
以上、説明したように、本実施の形態では、通常通番とは別の要求通番(加算通番、計数通番)が電文に含められて送信される。これらの要求通番は、通信相手に対して加算要求や計数要求等の動作を要求するときに加算更新され、それ以外では、電文の送受信が行なわれても加算更新されない。
これに対して、通常通番は、通信相手に対する要求の有無に関わらず、CU3から電文が送信されるごとに更新される(なお、通常の通番は、CU3およびS台2Sの双方で互いに更新する動作をしてもよい。)。
このため、通常通番の場合、送信した要求電文が相手に届いたか否かを相手先からの受信電文に含まれる通番を用いて判定できるものの、その受信電文が要求承諾を示す承諾電文であるのか、要求拒絶を示す拒否電文であるのかまでは特定できない。
ところが、上記のとおり、本実施の形態のように加算通番や計数通番といった要求通番を利用して、要求通番を更新した要求電文を送信し、これに対する応答として要求電文に含まれていた要求通番と同じ要求通番を含む電文を受信した場合には、その通番の値によって、送信した要求電文が相手に届いたか否かのみならず、相手から返信されてきた電文が承諾電文であるのか否かまでを特定できる。もちろん、本実施の形態のように、要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータが含まれるため、このデータを判定することでも、受信電文が承諾電文であるのか拒否電文であるのかを特定できる。しかしながら、要求通番を利用すれば、このような要求ビットを電文から削除することも可能である。これによって電文データ量を削減でき、また、電文データの要求ビットを判定する処理も不要とすることができる。
なお、本実施の形態では、要求が発生したときの要求通番に対する更新値を+1としているが、これは一例であって、+2や+3、−1や−2などの他の更新値を採用してもよい。
<第1〜第3チェック処理>
次に、図28(a)、(b)、図29に基づいて、CU制御部323により実行される第1チェック処理、第2チェック処理および第3チェック処理について説明する。
まず図28(a)を参照して、第1チェック処理を説明する。ステップS(以下単にSという)300により、遊技台情報の格納があるか否かの判断がなされる。これは、S台2Sから送信されてきたリカバリ応答の中に遊技台情報が含まれているか否かを判断するものであり、前述した図16、図17の場合に遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)が含まれているために、S300によりYESの判断がなされる。遊技台情報が含まれていないと判断された場合にはこの第1チェック処理が終了する。
遊技台情報の格納があると判断された場合には制御がS301へ進み、その受信した遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)に含まれている加算玉数が予め定められた閾値N1以上であるか否かの判断がなされる。この閾値N1は、CU3とS台2Sとの間での状態情報要求と状態情報応答との1周期(200ms)の間に入賞に伴う遊技玉の加算数の最大(たとえば大当り時の最大加算玉数120)よりも少し大きい値(たとえば125)に設定されている。したがって、正常な場合には、受信した加算玉数がこの閾値N1よりも小さな値になっている筈である。ところが、閾値N1よりも大きな加算玉数となっているということは、オフライン中にS台2Sに不正等が行なわれて不正に増加した加算玉数および遊技玉数を含む遊技台情報がリカバリ応答としてCU3へ送信されてきた虞がある。その場合には、制御がS304へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312により報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801の代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がS305へ進み、CU制御部323がリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320に入力されるまでCU制御部323が制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323がリセット状態となって電源投入(図9参照)と同じ状態に復帰する。
S301、S303のチェック処理の結果異常判定されたとしても、その原因が通信断後にCU3またはS台2Sを新たなものに交換し、その後通信を復旧させたことにより、CU3側が記憶している情報とリカバリ処理時にS台2Sから送信されてくる情報とが全く食い違っていることに起因する場合がある。このような不正行為ではないにも拘らず異常判定する場合があり、そのために、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット待ち状態を解除できるようにし、遊技場の係員による人為的な判断を介在させて正常な対応ができるようにしている。
一方、S301によりNOの判断がなされた場合には制御がS302へ進み、CU制御部323が記憶している遊技玉数に対してS台2Sから受信した加算玉数を加算するとともに減算玉数を減算してその算出結果であるR1を算出する演算が行なわれる。すなわち、S台2Sから受信した遊技台情報に含まれている加算玉数が適正であると判断された場合には、その加算玉数と減算玉数とを用いて最新の遊技玉数R1を算出するのである。次にS303により、その算出されたR1−受信した遊技玉数の絶対値すなわちR1と受信した遊技玉数との差を演算し、その差が予め定められた閾値N2以上であるか否かの判断がなされる。本来、R1と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU側とS台2Sとでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N2と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N2以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がS304以降に進む。
一方、R1と受信した遊技玉数との差が閾値N2未満であった場合には、受信した遊技玉数が適正な値であると判断され、その受信した遊技玉数を新たな遊技玉数としてCU制御部323のRAMが記憶する。
次に図28(b)に基づいて第2チェック処理を説明する。通信開始応答直後の状態情報要求に対して返信されてくるS台2Sからの状態情報応答に含まれている遊技台情報(具体的には今回遊技台情報)の中の加算玉数が予め定められた閾値N3以上であるか否かの判断がS310により行なわれる。この受信した加算玉数は、S台2SがCU3へ最後に状態情報応答を送信してからS台2Sに電源断が発生するまであるいはS台2Sが通信回線断を検知して遊技が停止するまでの間において変動した加算玉数であり、このような比較的短い限られた期間内の加算玉数の変動量はそれほど大きな値にはならず、ある決まった上限の範囲内となる。故に、その上限(たとえば120)よりも少し大きな値(たとえば125)を閾値N3と定めている。そして、受信した加算玉数がその閾値N3以上の場合には、制御がS314へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312により報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801の代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がS315へ進み、CU制御部323がリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320に入力されるまでCU制御部323が制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323がリセット状態となって電源投入(図9参照)と同じ状態に復帰する。
一方、S310によりNOの判断がなされた場合には制御がS311へ進み、CU制御部323が記憶している遊技玉数に対して受信した加算玉数を加算するとともに受信した減算玉数を減算してR2を算出する演算が行なわれる。なお、ここでいう「記憶している遊技玉数」とは、前述したように、S303によりNOの判断がなされたときのS台2Sから受信した遊技玉数のことである。そして、S312により、そのR2とS台2Sから受信した遊技玉数との差が予め定められた閾値N4以上であるか否かの判断がなされる。本来、R2と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU3側とS台2S側とでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N4と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N4以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がS314以降に進む。
S312によりNOの判断がなされた場合には制御がS313へ進み、CU制御部323は、S台2Sから受信した遊技玉数を初期値の遊技玉数として記憶した後、この第2チェック処理の制御が終了する。
このS313の処理がなされた後には、CU3とS台2Sとの間で通常の状態情報要求および状態情報応答の送受信が行なわれるのであり、その際、CU制御部323は、S313により初期値の遊技玉数として記憶された遊技玉数を初期値として、加算玉数と減算玉数とに基づいて現在の遊技玉数を算出し、その現在の遊技玉数に基づいてS台2Sから送信されてくる遊技玉数との差が予め定められた誤差玉数(たとえば5)を超えているか否か判定し、超えている場合には異常判定して、前述のS304、S305、S314、S315と同様の制御を行なう。
次に、図29に基づいて第3チェック処理の制御を説明する。CU制御部323は、S台2Sからリカバリ応答2を受信した直後にこの第3チェック処理を実行する(図18、図20、図21参照)。
このリカバリ要求2およびリカバリ応答2は、前述したように、CU3がS台2Sに対して遊技玉数の加算要求を出力したにも拘らずS台2Sがその遊技玉加算要求に従った遊技玉の加算処理を行なっていない場合にその遊技玉数の加算リカバリを行なうためのものである。そして、S台2SからCU3へ送られてくるリカバリ応答2によりその加算リカバリの処理が正常に行なわれたか否かの処理結果が通知される。CU制御部323は、S320により、そのリカバリ結果が処理NGであるか否かの判断を行なう。処理NGすなわち加算リカバリが正常に行なわれなかった場合には、制御がS324へ進み、エラーの発生を異常報知ランプや表示器312により報知する制御が行なわれるとともに、ホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号を送信する制御がなされる(この場合、ホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。なお、ホールサーバ801の代わりにまたはそれに加えて、ホール用管理コンピュータへエラー通知信号を送信するように制御してもよい。
次に制御がS325へ進み、CU制御部323がリセット待ち状態となる。このリセット待ち状態となった後は、遊技場の係員によるリモコン操作によってリセット解除信号がIR感光ユニット320に入力されるまでCU制御部323が制御を停止し、リセット信号が入力されたときにCU制御部323がリセット状態となって電源投入(図9参照)と同じ状態に復帰する。
一方、リカバリ結果が処理OKであった場合には制御がS321へ進み、CU制御部323が現在記憶している遊技玉数に対してS台2Sへ送信した加算玉数を加算する処理を行なう。これは、CU3が出力した遊技玉加算要求での加算玉数分の加算リカバリがS台2Sにおいて正常に行なわれたために、その加算玉数を遊技玉数に加算して現時点における正常な遊技玉数を算出するための処理である。
次に制御がS322へ進み、その加算後の遊技玉数に対してS台2Sから送信されてきた加算玉数を加算するとともに減算玉数を減算してR3を算出する演算が行なわれる。この加算玉数と減算玉数とは、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる遊技台情報(具体的には前回遊技台情報)であり、リカバリ応答にその前回遊技台情報が含まれていない場合には、加算玉数と減算玉数とは共にゼロであり、その結果、加算後の遊技玉数=R3を算出することとなる。
次にS323により、その算出されたR3とCU3が受信した遊技玉数との差が予め定められた閾値N2以上であるか否かの判断がなされる。本来、R1と受信した遊技玉数とは同じ値の筈であり、その差はゼロとなる筈である。しかし、遊技中におけるCU3側とS台2S側とでの制御の進行に伴って両者間に誤差玉が発生する場合がある。その誤差玉(たとえば5個)を閾値N2と定めている。よって、R1と受信した遊技玉数との差がこの閾値N2以上である場合には、前述と同様に不正行為の発生の虞が想定され、前述と同様に制御がS324以降に進む。
一方、R1と受信した遊技玉数との差が閾値N2未満であった場合には、受信した遊技玉数が適正な値であると判断され、その受信した遊技玉数を新たな遊技玉数としてCU制御部323が記憶する。
以上説明したように、S台2SからCU3へ、遊技台情報として前回遊技台情報が先に送信され、その後今回遊技台情報が送信され、CU3側において両遊技台情報を区別可能となるように送信されるために、CU制御部323においては、その両遊技台情報のそれぞれの適性を判別することが可能となる。その結果、S台2Sから送られてくる前回遊技台情報中のたとえば遊技玉数データは、CU制御部323が現時点で記憶している遊技玉数データと大きな差はない筈であり、また、その後に送られてくる今回遊技台データ中のたとえば遊技玉数データも、CU3が受信した前回遊技台情報中の遊技玉数データとそれほど大きな差はない筈である。もし、これらのデータの差に大きな開きがある場合には、不正に遊技玉数データが水増しされていると異常判別することができる。
仮に、前回遊技台データと今回遊技データとを合算した合算データがS台2SからCU3へ一括送信される場合には、前回遊技台データと今回遊技台データとをそれぞれ個別に判別する場合に比べて大まかな判別しかできず、その分不正を判別しにくくなる。このような不都合を防止するべく、遊技台データを2段階で送信してCU制御部323においてそれら両データを区別できるようにし、それぞれの遊技台データについての木目細かな異常判別を可能とし、異常判別しやすくしている。
なお、前述した第1チェック処理〜第3チェック処理においては、先に加算玉数の適否を判定した後、適正である場合にその加算玉数に基づいて現在の遊技玉数を算出してその遊技玉数とS台2Sから送信されてきた遊技玉数を比較して送信されてきた遊技玉数が適正であるか否かの判定を行なっているが、単に、S台2Sから送信されてきた遊技玉数をCU3が記憶している遊技玉数と比較してその適否判定を行なうようにしてもよい。
さらに、CU3は、リカバリ処理以前に記憶している最終の遊技玉数(以下「CU遊技玉数」と言う)と、S台2Sから受信した前回遊技台情報中の遊技玉数(以下「S台前回遊技玉数」と言う)と、S台2Sから受信した最新遊技台情報中の遊技玉数(以下「S台最新遊技玉数」と言う)との3者間で比較判定して適否判定を行なうようにしてもよい。3者間での比較判定の具体例としては、CU遊技玉数とS台前回遊技玉数とを比較判定して正しければそのS台前回遊技玉数とS台最新遊技玉数とを比較判定する。あるいは、CU遊技玉数とS台前回遊技玉数とを比較判定して正しければCU遊技玉数とS台最新遊技玉数とを比較判定する。さらには、先にS台前回遊技玉数とS台最新遊技玉数とを比較判定して正しければCU遊技玉数とS台前回遊技玉数とを比較判定し、さらにCU遊技玉数とS台最新遊技玉数とを比較判定する。
なお、上記の第1チェック処理〜第3チェック処理は、CU3やS台2Sの交換(入替え)が行なわれていないときに実行するのが望ましい。通信断時に交換(入替え)が行なわれているときには、リカバリ処理でCU3側とS台2S側との遊技玉数が大幅に相違するのが一般的であるために、それが原因で上記の第1チェック処理〜第3チェック処理の結果エラー判定されるためである。ゆえに、通信断後にCU3またはS台2Sを交換した場合に、通信復旧時におけるリカバリ処理において第1チェック処理〜第3チェック処理を行なわないように制御してもよい。具体的には、リカバリ応答としてS台2Sから送信されてくる前回最終送信通番とCU制御部323が記憶している前回最新送信通番との差が2以上の場合に、CU3またはS台2Sが交換されたとCU制御部323が判断し、CU制御部323が第1チェック処理〜第3チェック処理を行なわないように制御する。
さらに、CU3またはS台2Sの交換であるか否かに拘らず、リカバリ時にはCU3側で前回遊技台データおよび今回遊技台データのチェックを一切行なわないように制御してもよい。このようにすれば、CU3またはS台2Sの交換に起因したチェック異常判定が生ずる煩わしさを防止することができる。
<要求通番に関する動作>
次に、図6〜図27で示した通信シーケンスで説明した通番の更新方法は一例であり、当該方法に限定されるものではない。たとえば、以下に説明するような通番の更新方法を図6〜図27で示した通信シーケンスに適用してもよい。
<<通番および要求通番をともに更新>>
図30は、要求通番に関するS台2SおよびCU3の動作を説明するための概念図である。図30に示すA装置およびB装置の一方はS台2Sであり他方はCU3である。相手方に対しての要求が発生する装置をA装置とし、A装置からの要求を受信する装置をB装置としている。
A装置がCU3でB装置がS台2Sの場合には、要求通番は加算通番であり、要求は遊技玉の加算要求である。この場合の具体的な通信シーケンスは図11に示したとおりである。
A装置がS台2SでB装置がCU3の場合には、要求通番は計数通番であり、要求は遊技玉の計数要求である。この場合の具体的な通信シーケンスは図13に示したとおりである。
ここでは、これらの双方の場合を概念化して説明する。A装置は、B装置に対する要求がない間は、(1)のとおり、要求通番mが更新されていない電文を送信する。ただし、通常の通番nは電文の送信ごとに更新する。B装置は、これを受信して、(2)のとおり電文を返信する。この電文では、通常の通番がn+1に更新されている。しかし、要求通番はmのまま更新されていない。
A装置で要求が発生しない間は、(1)(2)のように、通常の通番を更新しつつ、双方で電文を送信し合う。この間は、相手から受けた電文に含まれる通常の通番を見て、直前に送信した電文が相手にまで到達したか否かを判定する。
A装置で要求が発生すると、A装置は要求通番をm+1に更新し、(3)に示すように更新後の要求通番m+1を含む要求電文をB装置へ送信する。このとき、通常の通番もn+2に更新されている。なお、この要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータも含まれている。
要求通番m+1を含む要求電文を受信したB装置は、要求を承諾するか否かを判定する。たとえば、計数要求であれば、CU3側で持玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。あるいは、加算要求であれば、S台2S側で遊技玉を加算する処理が可能であるか否かを判定する。持玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、持玉を用いた処理(ワゴンサービスなど)の途中である場合である。また、遊技玉の加算処理が可能でない場合とは、たとえば、遊技玉が既に予め定めた上限値に達している場合である。
要求を承諾する場合には、(4)の上に記載のとおり、要求通番をm+2に更新した承諾電文をA装置へ送信する。これに対して、要求を拒絶する場合には、(4)の下に記載のとおり、要求通番がm+1のまま更新されていない拒絶電文(拒否電文ともいう。以下、同じ。)をA装置へ送信する。通常の通番は、いずれの場合にもn+3に更新される。
A装置は、直前の送信電文に含めた要求通番を記憶する記憶手段を備えている。(4)の電文を受信したA装置は、記憶手段に記憶している要求通番と、(4)の電文に含まれる要求通番とを比較判定する。その結果、記憶している要求通番と送信されてきた電文に含まれる要求通番とが同じ(この例ではm+1)であれば、要求が拒否されたと判定する。これに対して、記憶している要求通番に所定数(この例では1)を加えた値と送信されてきた電文に含まれる要求通番とが同じ(この例ではm+2)であれば(換言すると、送信されてきた要求通番が1つ進んでいれば)、要求が承諾されたと判定する。なお、要求が承諾されたと判定した場合には、さらに要求通番を1つ更新し、具体的な要求値(計数玉数や加算玉数)を含む電文をB装置へ送信する。一方、要求が拒否されたと判定した場合には、受信した要求通番を含む電文をB装置へ送信する。
仮に、(3)の要求電文がノイズその他の要因によりB装置に到達しなかった場合について、図30の(3)’に示している。この場合、B装置は(2)の電文を送信してから所定の待機時間(たとえば、200ms)が経過したときに無応答と判定して、(2)の電文を再送する。その結果、(3)’を送信したA装置には(2)の電文が届く。すると、A装置は、要求通番m+1の要求電文を送信したにも関わらず、これに対する返信電文の要求通番が要求承諾および要求拒否のいずれにも該当しないため(要求電文に含めた要求通番より1遅れた要求通番であるため)、要求電文が到達していないと判定する。なお、このような判定は、通常の通番の方を利用してすることも可能である。すなわち、要求通番に含めた通常の通番はn+3であるのに対して、返信電文に含まれる通常の通番はn+2であるため、このような状況に基づいて要求電文の未到達と判定できる。
A装置は、要求電文が到達していないと判定したときには、(3)の要求電文を再送する。
以上、説明したように、本実施の形態では、通常の通番とは別に要求通番が電文に含められて送信される。この要求通番は、通信相手に対して加算要求や計数要求等の動作を要求するときを契機として更新が開始され、要求動作の終了時あるいは要求に対する拒絶の際に更新が停止する。それ以外の間では、電文の送受信が行なわれても更新されない。
これに対して、通常の通番は、通信相手に対する要求の有無に関わらず、電文がやりとりされるごとに更新される(なお、通常の通番は、A装置およびB装置の一方でのみ更新され、他方は相手から受けた通番をそのまま返信する動作をしてもよい。)。
このため、通常の通番の場合、送信した要求電文が相手に届いたか否かを相手先からの受信電文に含まれる通番を用いて判定できるものの、その受信電文が要求承諾を示す承諾電文であるのか、要求拒絶を示す拒絶電文であるのかまでは特定できない。
ところが、上記のとおり、本実施の形態のように要求通番を利用した場合には、要求通番によって、送信した要求電文が相手に届いたか否かのみならず、相手から返信されてきた電文が承諾電文であるのか拒絶電文であるのかまでを特定できる。もちろん、本実施の形態のように、要求電文には要求ビット(加算要求ビットあるいは計数要求ビット)をONにしたデータが含まれるため、このデータを判定することでも、受信電文が承諾電文であるのか拒絶電文であるのかを特定できる。しかしながら、要求通番を利用すれば、このような要求ビットを電文から削除することも可能である。これによって電文データ量を削減でき、また、電文データの要求ビットを判定する処理も不要とすることができる。
<<通番と要求通番とのうち、一方のみ更新>>
図31は、通常の通番および要求通番に関するS台2SおよびCU3の動作の変形例を説明するための図である。この変形例は、要求通番が更新されるときには通常の通番は更新されていない点で、図30に示した例と相違する。
つまり、この変形例は、通常の通番と要求通番とのうち、要求が発生していないときには通常の通番のみが更新されて電文がやりとりされる。ところが、要求が発生すると、通常の通番の更新が停止して要求通番のみが更新される。その後、要求に対する一連の処理が終了するか、若しくは要求に対する拒絶電文が送信されるときに要求通番の更新が停止して、代わりに通常の通番の更新が開始される。
このため、図31の(1)(2)に示される、要求発生前の電文のやりとりでは、通常の通番がn、n+1に更新されている一方で要求通番mは更新されていない。ところが、要求の発生によって送信される(3)の要求電文では、通常の通番がn+1のままで更新されていない一方、要求通番がm+1に更新されている。同様に、要求電文に対する(4)の承諾電文および拒絶電文のいずれも、通常の通番はn+1のままで更新されていない。
この場合でも、(4)の電文を受信したA装置は、その電文に含まれる要求通番を判定することによって、その電文が承諾電文であるか拒絶電文であるかを判断できる。
また、(3)’に示すように、要求電文がB装置に届かずにB装置から(2)の電文が再送されてきた場合にも、A装置は、要求通番に基づいて要求電文が到達しなかったことを判定できる。
この変形例のように、要求発生時から要求に対する処理が終了するまで、通常の通番の更新を停止しても、その間は、要求通番が通常の通番の機能を肩代わりするために、何ら問題が生じない。また、その間は、通常の通番を更新したり、通常の通番を照合したりする処理が不要になるという効果も奏される。
次に、本実施の形態に係る遊技用システムが、営業時間外に遊技機の稼働を防止するための処理について説明する。
<営業終了の報知方式>
まず、ホールは、営業終了時刻を経過すると、ホールの従業員が閉店作業などを行なう都合上、遊技者に遊技を終了してもらい営業時間外でのS台2Sの稼働を停止させる必要がある。しかしながら、多くの遊技者は、遊技者が遊技に没頭して時間の経過を忘れてしまい、ホールの営業終了時刻を経過した後であっても遊技を継続する場合も多い。そのため、ホールは、遊技者に営業時間が終了したことを遊技者に適切に報知する必要がある。また、ホールの営業が終了して、その後に遊技機が不正に稼働されてしまうことを防ぐ必要もあった。そこで、以下にこのような遊技者に営業時間が終了したことを報知する報知方式について説明する。
図32は、本実施形態に係る遊技用システム2000を示す概略図である。図32の例では、ホール(店舗A)に設置される複数のS台2Sと、各々のS台2Sに接続されたCU3と、複数のCU3に接続されたホールサーバ801とが示されている。ホールサーバ801は、S台2SおよびCU3を管理する装置である。ホールサーバ801には、図示していないが制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、HDDなどの大容量記憶装置、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス、外部装置と通信するための通信インターフェイス、時刻を計時するためのタイマ等が設けられている。以下、図32に示す(1)〜(4)の符号に従い、各々のS台2Sにおいて営業が終了したことを報知するまでの処理の流れについて具体的に説明する。
(1)まず、ホールサーバ801は、サーバの導入時または営業時間の変更時に店舗Aの従業員が端末を操作して、店舗Aの営業終了時刻を特定可能な情報を少なくとも含む営業情報を直接入力することで、営業情報を設定する。好ましくは、営業情報は、店舗Aの営業開始時刻を特定可能な情報をさらに含む。この場合、営業情報は、営業開始時刻情報および営業終了時刻情報をそれぞれ含む場合であってもよいし、これらを特定できる営業時間帯情報を含む場合であってもよい。たとえば、営業開始時刻情報であれば営業開始時刻である「10:00」の時刻を示す情報、営業終了時刻情報であれば営業終了時刻である「22:00」の時刻を示す情報、営業時間帯情報であれば「10:00〜22:00」の時間帯を示す情報である。なお、ホールサーバ801は、店舗Aの営業情報が含まれるコマンドを店舗外の管理装置から受信することで営業情報を設定してもよい。また、ホールサーバ801は、設定した営業情報をRAM、HDDなどの記憶装置に記憶させておいてもよい。
(2)ホールサーバ801は、設定された営業情報に基づいて、現時刻が営業終了時刻を経過したか否かを判定する。具体的には、ホールサーバ801は、営業情報に含まれる営業終了時刻を特定可能な情報と、現時刻とを比較することで現時刻が営業終了時刻を経過したか否か(店舗Aの営業時間が終了したか否か)を判定する。なお、現時刻が営業終了時刻を経過したか否かの判定には、現時刻が営業終了時刻と同じ時刻になったか否か、現時刻が営業終了時刻より遅い時刻になったか否かの判定を含んでいる。
(3)ホールサーバ801は、現時刻が営業終了時刻を経過したと判定した場合には、営業終了時刻が経過したことを示す営業終了情報を各々のS台2Sに送信する。図32の例では、ホールサーバ801が、CU3aを介してS台2Sa(機種ID:機種A)に、CU3bを介してS台2Sb(機種ID:機種B)に、CU3cを介してS台2Sc(機種ID:機種C)に当該営業終了情報を送信する構成が示されている。営業終了情報は、たとえば、営業が終了したことを示す営業終了フラグ情報(たとえば、営業終了時刻を経過した場合「1」の情報、営業終了時刻を経過していない場合「0」の情報)や営業終了時刻情報(たとえば、営業終了時刻「22:00」の情報)などである。なお、ホールサーバ801は、CU3を介さずS台2Sに当該営業終了情報を送信してもよい。S台2Sは、CU3を介さずにホールサーバ801から直接送信されてきた当該営業終了情報に基づいて、S台2Sに内蔵してあるタイマが示す時刻が営業終了時刻を経過しているか否かを判定してもよい。
ホールサーバ801は、前述したようにCU3を介してS台2Sに営業終了情報を送信する。そのため、営業終了情報は、ホールサーバ801からCU3に一旦送信され、さらにCU3からS台2Sに送信されることになる。そのため、CU3は、ホールサーバ801から受信した営業終了情報を単に中継して、そのまま同じデータとしてS台2Sに送信するだけでも、少なくとも営業終了時刻が経過したことを示す情報が含まれる範囲で異なるデータに変換してS台2Sに送信してもよい。営業終了情報を異なるデータに変換する場合、たとえば、ホールサーバ801から受信した営業終了フラグ情報を、CU3とS台2Sとの間の通信コマンドに変換したり、ホールサーバ801から受信した営業終了フラグ情報にCU3の状態を示す情報を付加したデータに変換したりしてもよい。
さらに、営業終了フラグ情報を、CU3とS台2Sとの間の通信コマンドに変換する場合について具体的に説明する。CU3は、前述したようにS台2Sに対して状態情報要求のコマンドを送信する。この状態情報要求のコマンドには、「通番」、「コマンド」、「CU状態」、「加算玉数」、「加算通番」および「計数通番」のデータが含まれている。さらに、営業終了フラグ情報をS台2Sに送信するために、状態情報要求のコマンドに「営業終了フラグ情報」を追加する。つまり、状態情報要求のコマンドは、営業終了フラグ情報を示すビットが付加され、当該ビットが「1」の場合営業終了時刻を経過した情報、「0」の場合営業終了時刻を経過していない情報を含む。
なお、CU3が、営業終了フラグ情報を状態情報要求のコマンドに変換してS台2Sに送信する場合、営業終了時刻が経過したことを示す情報以外に、カード挿入の有無、カード返却準備中か否かなどの「CU状態」も当該コマンドに含めて送信されることになる。
(4)S台2Sは、ホールサーバ801から送信された営業終了情報を受信する。そして、S台2Sは、受信した営業終了情報に基づいて店舗Aでの営業が終了したことを報知する。具体的には、S台2Sは、営業終了フラグ情報が「1」であるので、営業が終了したことを示す画像(営業終了画像)を図1に示す第1表示器54に表示させる。あるいは、S台2Sは、営業が終了したことを示す音声(営業終了音声)をスピーカ52,53から出力する。営業終了画像および営業終了音声はそれぞれ、たとえば「本日の営業は終了しました。」を示す画像および音声である。さらに、営業が終了したことの報知は、直接的な文字の表示や音声の出力に限定されるものではく、営業の終了を示唆するキャラクタの表示や音楽の演奏などでもよい。また、営業が終了したことの報知は、遊技機のランプ点灯制御(たとえば、営業終了にともなって輝度を下げるように変化させたり、色合いを淡い色に変化させたりする)などによって行なってもよい。
なお、S台2Sは、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当たり遊技状態、確変状態、時短状態など)である場合に、営業が終了したことを報知すると、遊技者が期待していた当該遊技状態の演出を妨げるなどの不利益を生じさせる場合がある。そこで、S台2Sは、営業が終了したことを報知する際に特定遊技状態であれば、通常遊技状態時と比較してより小さい営業終了画像を第1表示器54に表示させたり、より小さい営業終了音声をスピーカ52,53から出力させたりしてもよい。なお、S台2Sは、営業終了画像を表示するとともに営業終了音声を出力させて報知してもよい。また、特定遊技状態中に営業が終了したことを報知することは、遊技者の気分を害してしまう可能性もあるため、S台2Sは、特定遊技状態が終了するまでは報知を猶予し、特定遊技状態の終了後に報知を行なう場合でもよい。もちろん、特定遊技状態中であっても、猶予せずに営業終了情報を受信後、すぐに報知を行なう場合でもよい。これにより、遊技の状況に応じた報知が可能となるため、不利益を与えることなく遊技者に営業が終了したことを適切に伝えることができる。
ここで、S台2Sは、受信した営業終了情報をRAMなどで構成される記憶部Eに記憶する。S台2Sは、記憶部Eに記憶されている営業終了情報に基づいて店舗Aでの営業が終了したことを報知することもできる。そのため、S台2Sは、ホールサーバ801から営業終了情報を受信し続けなくとも営業が終了したことを報知することが可能となる。すなわち、S台2Sの記憶部Eは、ホールサーバ801に営業終了情報を常時送信させ続けることなく、遊技者に営業の終了を報知することを可能にするデータバッファとして機能する。これにより、S台2SがCU3から取り外された場合であっても営業が終了したことを報知して、営業時間外での稼働を防止することができる。なお、S台2Sが記憶部Eを有していない場合、営業終了情報が送信されている期間、S台2Sは営業が終了したことを報知することになる。
なお、記憶部Eは、S台2Sによって検知可能な操作が行なわれたか否かを示す操作履歴情報を記憶してもよい。なお、記憶部Eは、操作履歴情報以外に、入賞履歴や特定遊技状態(たとえば大当たり遊技状態、確変状態、時短状態など)に制御されたか否かの遊技履歴を含む情報を記憶してもよい。S台2Sによって検知可能な操作とは、たとえば、S台2Sの電源ON操作、前面扉の開閉操作など、S台2Sに設けられたセンサによって検知可能な操作が含まれる。これにより、営業時間外でのS台2Sの不正使用を防止することができる。
CU3は、ホールサーバ801から受信した営業終了情報をS台2Sに送信するだけに限定されるものではなく、当該営業終了情報に基づいて閉店状態とする処理を行なってもよい。具体的に、CU3が、営業終了フラグ情報を状態情報要求のコマンドに変換してS台2Sに送信する場合、S台2Sに対して送信する状態情報要求のコマンドに、「営業終了フラグ情報」=「1」の情報を付加するとともに、「CU状態」のBit1をカードユニット開店中を示す“1”から、カードユニット閉店中を示す“0”に変更する。
S台2Sは、CU3から「CU状態」のBit1が“0”の状態情報要求のコマンドを受信すると、保持している遊技玉を全て計数玉数として処理する自動計数処理を開始する。つまり、S台2Sは、保持している遊技玉を全て計数玉数として状態情報応答でCU3に通知する。
その後、CU3から返却されたカードは、カード挿入/排出口309から抜き取り可能となるため、カードの一部がカード挿入/排出口309から突き出た状態(カード抜き取り可能状態)で保持される。
そして、CU3は、カード返却処理が実行され、カード抜き取り可能状態となった場合、カード返却準備状態OFFおよびカード抜き取り待ち中ONの情報をS台2Sに通知する。そのため、CU3は、「CU状態」のBit5が“1”の状態情報要求のコマンドをS台2Sへ送信する。これを受けて、S台2Sは、カード抜き取り忘れを防止するため、遊技者に対して「カード抜き取って下さい」と第1表示器54に表示する。
なお、後述するように、CU3は、ホールサーバ801から受信した営業開始情報をS台2Sに送信するが、営業終了情報の処理と同様、当該営業開始情報に基づいて開店状態とする処理を行なってもよい。具体的に、CU3が、営業開始フラグ情報を状態情報要求のコマンドに変換してS台2Sに送信する場合、S台2Sに対して送信する状態情報要求のコマンドに、「営業開始フラグ情報」=「1」の情報を付加するとともに、「CU状態」のBit1をカードユニット閉店中を示す“0”から、カードユニット開店中を示す“1”に変更する。
次に、S台2Sにおける営業終了の報知が停止されるまでの処理の流れについて説明する。以下、図32に示す(5)〜(7)の符号に従い、各々のS台2Sが営業終了の報知を停止するまでの処理の流れについて具体的に説明する。なお、ホールサーバ801は、営業開始時刻を特定可能な情報をさらに含む営業情報を設定しているものとする。さらに、S台2Sは、営業終了の報知を維持しているものとする。
(5)ホールサーバ801は、設定された営業情報に基づいて、現時刻が営業開始時刻を経過したか否かを判定する。具体的には、ホールサーバ801は、営業情報に含まれる営業開始時刻を特定可能な情報と、現時刻とを比較することで現時刻が営業開始時刻を経過したか否か(店舗Aの営業時間が開始したか否か)を判定する。
(6)ホールサーバ801は、現時刻が営業開始時刻を経過したと判定した場合には、営業開始時刻が経過したことを示す営業開始情報を各々のS台2Sに送信する。営業開始情報は、たとえば、営業が開始したことを示す営業開始フラグ情報(たとえば、営業開始時刻を経過した場合「1」の情報、営業開始時刻を経過していない場合「0」の情報)や営業開始時刻情報(たとえば、営業開始時刻「10:00」の情報)などである。なお、営業開始情報は、営業終了情報をリセットする情報であってもよい。
(7)S台2Sは、ホールサーバ801から送信された営業開始情報を受信する。そして、S台2Sは、受信した営業開始情報に基づいて店舗Aでの営業終了の報知を停止する。なお、営業終了報知の停止は、電源オフ後の電源投入、店員による操作や、営業終了の報知から一定期間経過などのタイミングで行なってもよい。このように、S台2Sは、現時刻が営業開始時刻を経過すると営業終了の報知を自動的に停止するため、従業員に対して当該報知を停止させるなどの余計な負担をかけることがない。なお、S台2Sは、営業開始情報を受信すると、それまで記憶部Eに記憶されていた営業終了情報を削除して当該営業開始情報を記憶する。また、営業終了情報を営業終了フラグ情報とする場合、S台2Sが営業終了を報知している間、記憶部Eに営業終了フラグ情報「1」が記憶されている。そのため、S台2Sは、営業開始情報を受信すると、記憶部Eに記憶されている営業終了フラグ情報を「0」に更新することで、営業終了の報知を停止する。営業終了フラグ情報は、電断しても記憶が消去されない記憶部に記憶されるか、バックアップされている。そのため、遊技機は、故意に電源をオフ状態にして営業終了の報知や制限を停止させても、営業終了フラグ情報が記憶されているので、再度電源を投入しても営業終了の報知や制限を継続して行うことができる。
<営業終了時の遊技の制限方式>
上記では、S台2Sが営業終了情報を受信すると営業の終了を報知する場合について説明したが、以下では、S台2Sが営業終了情報を受信するとS台2Sでの遊技を制限する場合について説明する。以下、図32に示す(1)〜(4)の符号に従い、各々のS台2Sにおいて営業終了時における遊技が制限されるまでの流れについて説明する。なお、(1)〜(3)までの流れについては、上述した<営業終了時の報知方式>での(1)〜(3)までの流れと同様であるためその詳細な説明は繰り返さない。
(4)S台2Sは、ホールサーバ801から送信された営業終了情報を受信する。そして、S台2Sは、受信した営業終了情報に基づいてS台2Sでの遊技を制限する。具体的には、S台2Sは、S台2Sのリールモータ32L,32C,32Rを制御してリール2L、2C、2Rの回転を停止したり、貸出ボタン321を押下しても遊技玉への貸出を禁止したりする。
なお、S台2Sは、遊技状態が遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当たり遊技状態、確変状態、時短状態など)である場合に、S台2Sでの遊技を制限すると、遊技者が期待していた遊技を行なえず不利益を生じさせる場合がある。そこで、S台2Sは、遊技を制限する際に特定遊技状態であれば、通常遊技状態時と比較してより弱い制限をかけるように制限内容を変更する。たとえば、S台2Sは、通常遊技状態時であればリール2L、2C、2Rの回転を停止するのに対して、特定遊技状態時であれば遊技玉への貸玉を制限して、現時点での遊技玉数内の遊技に制限してもよい。さらに、S台2Sは、通常遊技状態時であればリール2L、2C、2Rの回転を停止するのに対して、特定遊技状態時であれば営業終了時刻以降の入賞による抽選を行なわないように制限してもよい。また、特定遊技状態中に遊技を制限することは、遊技者の気分を害してしまう可能性もあるため、S台2Sは、特定遊技状態が終了するまでは制限を猶予し、特定遊技状態の終了後に制限を行なう場合でもよい。もちろん、特定遊技状態中であっても、猶予せずに営業終了情報を受信後、すぐに制限を行なう場合でもよい。このように、遊技の状況に応じた制限が可能となるため、不利益を与えることなく遊技者に遊技を終了してもらうことを適切に促すことができる。
ここで、S台2Sは、受信した営業終了情報をRAMなどで構成される記憶部Eに記憶する。S台2Sは、記憶部Eに記憶されている営業終了情報に基づいて遊技を制限することもできる。そのため、S台2Sは、ホールサーバ801から営業終了情報を受信し続けなくとも遊技を制限することが可能となる。すなわち、S台2Sの記憶部Eは、ホールサーバ801に営業終了情報を常時送信させ続けることなく、遊技を制限することを可能にするデータバッファとして機能する。これにより、S台2SがCU3から取り外された場合であっても遊技を制限して、営業時間外での稼働を防止することができる。なお、S台2Sが記憶部Eを有していない場合、営業終了情報が送信されている期間、S台2Sは遊技を制限することになる。
次に、S台2Sにおける遊技の制限が解除されるまでの流れについて説明する。以下、図32に示す(5)〜(7)の符号に従い、各々のS台2Sにおいて遊技の制限が解除されるまでの流れについて具体的に説明する。なお、S台2Sは、営業開始時刻を特定可能な情報をさらに含む営業情報を設定しているものとする。さらに、S台2Sは、遊技の制限がかかった状態であるものとする。なお、(5)〜(6)までの流れについては、上述した<営業終了時の報知>での(5)〜(6)までの流れと同様であるためその詳細な説明は繰り返さない。
(7)S台2Sは、ホールサーバ801から送信された営業開始情報を受信する。そして、S台2Sは、受信した営業開始情報に基づいてS台2Sでの遊技の制限を解除する。このように、S台2Sは、現時刻が営業開始時刻を経過すると遊技の制限を自動的に解除するため、従業員に対して当該制限を解除させるなどの余計な負担をかけることがない。
<営業終了情報の送信処理>
ホールサーバ801は、前述したように営業情報と現時刻とを比較した結果、営業終了時刻が経過したと判定した場合には、営業終了情報を送信する。ここでは、ホールサーバ801が実行する営業終了情報の送信処理について、フローチャートを用いて説明する。
図33は、本実施形態に係るホールサーバ801が実行する営業終了情報の送信処理を説明するためのフローチャートである。図33を参照して、まず、ホールサーバ801は、営業情報を設定する(S251)。具体的には、ホールサーバ801は、店舗Aの営業終了時刻を特定可能な情報を少なくとも含む営業情報を設定する。
次に、ホールサーバ801は、当該営業情報と現時刻とに基づいて、現時刻が営業終了時刻を経過したか否かを判断する(S253)。ホールサーバ801は、営業終了時刻を経過していないと判断した場合には(S253:NO)、S253の処理を繰り返す。これに対して、ホールサーバ801は、営業終了時刻を経過したと判断した場合には(S253:YES)、営業終了情報をS台2Sに送信して(S255)、処理を終了する。
なお、ホールサーバ801が営業開始情報を送信する場合の処理は、上記処理において「営業終了」を「営業開始」に置き換えたものに相当する。
<営業終了の報知処理>
S台2Sは、前述したように営業終了情報を受信すると営業終了を報知する。ここでは、S台2Sが実行する営業終了の報知処理について、フローチャートを用いて説明する。
図34は、本実施形態に係るS台2Sが実行する営業終了の報知処理を説明するためのフローチャートである。図34を参照して、まず、S台2Sは、CU3を介してホールサーバ801から営業終了情報を受信する(S271)。
次に、S台2Sは、現在の遊技状態が特定遊技状態か否かを判断する(S273)。S台2Sは、現在の遊技状態が特定遊技状態ではないと判断した場合には(S273:NO)、通常の報知態様で営業終了を報知する(S275)。これに対して、S台2Sは、現在の遊技状態が特定遊技状態であると判断した場合には(S273:YES)、通常よりも目立たないように小さく営業終了を報知する(S277)。具体的には、S台2Sは、通常遊技状態時と比較してより小さな営業終了画像を第1表示器54に表示させたり、より小さな営業終了音声をスピーカ52,53から出力させたりする。あるいは、S台2Sは、営業終了画像を表示させるとともに営業終了音声を出力させてもよい。
なお、S台2Sが営業終了情報を受信した場合に遊技を制限する処理は、上記のS275の処理をS台2Sでの遊技を制限する処理、S277の処理をS台2Sでの遊技の制限をより弱くする処理にそれぞれ置き換えたものに相当する。
<営業終了の報知方式および遊技の制限方式の変形例>
図32で説明した遊技用システム2000では、ホールサーバ801が営業情報を設定し、設定した営業情報に基づいて営業終了時刻が経過したか否かを判断し、営業終了時刻が経過している場合にはCU3を介してS台2Sに営業終了情報を送信する。そして、S台2Sが受信した営業終了情報に基づいて営業終了を報知する(または遊技を制限する)。また、ホールサーバ801が、設定した営業情報に基づいて営業開始時刻が経過したか否かを判断し、営業開始時刻が経過している場合にはS台2Sに営業開始情報を送信する。そして、S台2Sが受信した営業開始情報に基づいて営業終了の報知を停止する(または遊技の制限を解除する)。
しかし、営業終了の報知方式(遊技の制限方式)には様々な変形例が考えられる。以下に、営業終了の報知方式(遊技の制限方式)の代表的な変形例について図面に基づいて説明する。なお、営業終了の報知方式(遊技の制限方式)は、以下で説明する構成に限定されるものではない。
<変形例1>
図35は、変形例1に係る遊技用システム2100を示す概略図である。図35に示す遊技用システム2100では、ある局面では、ホールサーバ801が営業情報を設定し、設定した営業情報をCU3に送信する。CU3は、受信した営業情報に基づいて営業終了時刻が経過したか否かを判断し、営業終了時刻が経過している場合には営業終了情報を生成して記憶部Aに記憶する。さらに、CU3は、記憶した営業終了情報をS台2Sに送信する。そして、S台2Sが当該営業終了情報に基づいて営業終了を報知する(または遊技を制限する)。
また、別の局面では、CU3が設定した営業情報に基づいて営業開始時刻が経過したか否かを判断し、営業開始時刻が経過している場合には営業開始情報を生成して記憶部Aに記憶する。さらに、CU3は、記憶した営業開始情報をS台2Sに送信する。そして、S台2Sが受信した営業開始情報に基づいて営業終了の報知を停止する(または遊技の制限を解除する)。
以下、図35に示す(1A)〜(7A)の符号に従い、変形例1に係る遊技用システム2100の動作について具体的に説明する。なお、図35に示す概略図は、図32に示す概略図と同じ構成について同じ符号を付して詳細な説明は繰返さない。
(1A)まず、ホールサーバ801は、店舗Aの営業終了時刻を特定可能な情報を少なくとも含む営業情報を設定する。好ましくは、営業情報は、店舗Aの営業開始時刻を特定可能な情報をさらに含む。この場合、営業情報は、営業開始時刻情報および営業終了時刻情報をそれぞれ含む場合であってもよいし、これらを特定できる営業時間帯情報を含む場合であってもよい。なお、ホールサーバ801は、店舗Aの営業情報を店舗外の管理装置からの指示を受け付けて変更したり、店舗Aの従業員からの指示を受け付けて変更したりすることが可能に構成されていてもよい。また、ホールサーバ801は、設定した営業情報をRAM、HDDなどの記憶装置に記憶させておいてもよい。
(2A)ホールサーバ801は、設定された当該営業情報を各々のCU3に送信する。図35の例では、ホールサーバ801が、CU3a、CU3b、CU3cに営業情報を送信する場合が示されている。
(3A)各々のCU3は、ホールサーバ801から送信されてきた営業情報に基づいて、現時刻が営業終了時刻を経過したか否かを判定する。具体的に、各々のCU3は、営業終了時刻を経過したか否かを判定するための判定基準として、ホールサーバ801で設定され、送信されてきた営業情報を記憶する。そして、各々のCU3は、計時している現時刻と、判定基準としてあらかじめ記憶してある営業情報に含まれる営業終了時刻を特定可能な情報とを比較することで現時刻が営業終了時刻を経過したか否か(店舗Aの営業時間が終了したか否か)を判定する。なお、各々のCU3は、時刻を計時するためのタイマ等が設けられている。また、各々のCU3が、営業情報に基づいて、現時刻が営業終了時刻を経過したか否かを判定する場合、前述のようにホールサーバ801から送信されてきた営業情報をあらかじめ記憶して判定基準として用いても、営業情報を記憶せずに判定を行なう際にホールサーバ801に問い合わせた営業情報を判定基準として用いてもよい。もちろん、ホールサーバ801から各々のCU3に対して、所定の間隔で営業情報を送信する構成にしておき、各々のCU3は、現時刻が営業終了時刻を経過したか否かを判定するときに送信されてきた営業情報を利用する構成でもよい。各々のCU3は、現時刻が営業終了時刻を経過したと判定した場合には、現時刻が営業終了時刻を経過したことを示す営業終了情報をRAMなどで構成される記憶部Aに記憶する。記憶部Aに記憶する営業終了情報は、たとえば、営業が終了したことを示す営業終了フラグ情報(たとえば、営業終了時刻を経過した場合「1」の情報、営業終了時刻を経過していない場合「0」の情報)や営業終了時刻情報(たとえば、営業終了時刻「22:00」の情報)などである。CU3の記憶部Aは、営業終了情報をS台2Sへ送信するためのデータバッファとして機能する。これにより、CU3がホールサーバ801との接続が切断された場合であっても営業が終了したことを報知して、営業時間外での稼働を防止することができる。
(4A)CU3は、記憶部Aに記憶する営業終了情報をS台2Sに送信する。S台2Sは、受信した営業終了情報に基づいて店舗Aでの営業が終了したことを報知する。具体的には、S台2Sは、営業終了フラグ情報が「1」であるので、営業終了画像を図1に示す第1表示器54に表示させる。あるいは、S台2Sは、営業終了音声をスピーカ52,53から出力する。なお、CU3は、記憶部Aに記憶されている営業終了情報をS台2Sに常時送信することで、S台2Sは、受信した営業終了情報に基づいて営業終了の報知を維持することができる。これにより、S台2Sでは別途営業終了情報を記憶するための記憶領域を確保しなくても、当該報知を維持することができる。
なお、S台2Sは、営業が終了したことを報知する際に特定遊技状態であれば、通常遊技状態時と比較してより小さい営業終了画像を第1表示器54に表示させたり、より小さい営業終了音声をスピーカ52,53から出力させたりしてもよい。これにより、遊技の状況に応じた報知が可能となるため、不利益を与えることなく遊技者に営業が終了したことを適切に伝えることができる。
また、記憶部Aは、S台2Sによって検知可能な操作が行なわれたか否かを示す操作履歴情報をS台2Sから受信して記憶してもよい。これにより、営業時間外でのS台2Sの不正使用を防止することができる。
次に、S台2Sにおける営業終了の報知が停止されるまでの流れについて説明する。以下、図35に示す(5A)〜(7A)の符号に従い、各々のS台2Sにおいて営業終了の報知が停止されるまでの流れについて具体的に説明する。なお、ホールサーバ801は、上記(1A)において営業開始時刻を特定可能な情報をさらに含む営業情報を設定しているものとする。さらに、S台2Sは、CU3から送信される営業終了情報に基づいて営業終了の報知を維持しているものとする。
(5A)ホールサーバ801は、営業開始時刻を特定可能な情報をさらに含む営業情報を各々のCU3に送信する。図35の例では、ホールサーバ801が、CU3a、CU3b、CU3cに営業情報を送信する場合が示されている。
(6A)各々のCU3は、設定された営業情報に基づいて、現時刻が営業開始時刻を経過したか否かを判定する。具体的には、各々のCU3は、営業情報に含まれる営業開始時刻を特定可能な情報と、現時刻とを比較することで現時刻が営業開始時刻を経過したか否か(店舗Aの営業時間が開始したか否か)を判定する。各々のCU3は、現時刻が営業開始時刻を経過したと判定した場合には、営業開始時刻が経過したことを示す営業開始情報をRAMなどで構成される記憶部Aに記憶する。記憶部Aに記憶する営業開始情報は、たとえば、営業が開始したことを示す営業開始フラグ情報(たとえば、営業開始時刻を経過した場合「1」の情報、営業開始時刻を経過していない場合「0」の情報)や営業開始時刻情報(たとえば、営業開始時刻「10:00」の情報)などである。
(7A)CU3は、記憶部Aに記憶する営業開始情報をS台2Sへ送信する。S台2Sは、受信した営業開始情報に基づいて営業終了の報知を停止する。(または、遊技の制限を解除する)。たとえば、S台2Sは、営業開始情報として営業開始フラグ情報(「1」の情報)を受信した場合、営業終了の報知を停止する処理が開始され、営業終了フラグ情報を「1」から「0」に変更する。また、S台2Sは、営業開始情報として営業開始時刻情報(「10:00」の情報)を受信した場合、あらかじめ登録してある基準(たとえば営業開始と判断する時間帯8:00〜11:00)内に当該営業開始時刻情報があるとき、営業終了の報知を停止する処理が開始され、営業終了フラグ情報を「1」から「0」に変更する。なお、S台2Sにあらかじめ登録してある基準は、製造時または電源投入時などにS台2Sに登録される。このように、S台2Sは、現時刻が営業開始時刻を経過すると営業終了の報知を自動的に停止するため(または、遊技の制限を自動的に解除するため)、従業員に対して当該報知を停止させる(または、当該制限を解除させる)などの余計な負担をかけることがない。
<変形例2>
図36は、変形例2に係る遊技用システム2200を示す概略図である。図36に示す遊技用システム2200は、図32に示す遊技用システム2000に各店舗のホールサーバに接続された管理センタ800Bをさらに含むシステムである。管理センタ800Bは、たとえば都道府県ごとに設けられており、各自治体の条例で定められた営業時間が設定されている。なお、管理センタ800Bの機能は、鍵管理サーバ800に含まれるように構成してもよい。管理センタ800Bには、図示していないが制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データ等を記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、HDDなどの大容量記憶装置、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェイス、各店舗のホールサーバと通信するための通信インターフェイス等が設けられている。
図36に示す遊技用システム2200では、ある局面では、管理センタ800Bが営業情報を設定し、設定した営業情報に基づいて営業終了時刻が経過したか否かを判断し、営業終了時刻が経過している場合にはホールサーバ801に営業終了情報を送信する。次に、ホールサーバ801が受信した営業終了情報を、CU3を介してS台2Sに送信する。そして、S台2Sが受信した営業終了情報に基づいて営業終了を報知する(または遊技を制限する)。
また、別の局面では、管理センタ800Bが設定した営業情報に基づいて営業開始時刻が経過したか否かを判断し、営業開始時刻が経過している場合にはホールサーバ801に営業開始情報を送信する。次に、ホールサーバ801が受信した営業開始情報をS台2Sに送信する。そして、S台2Sが受信した営業開始情報に基づいて営業終了の報知を停止する(または遊技の制限を解除する)。
以下、図36に示す(1B)〜(7B)の符号に従い、変形例2に係る遊技用システム2200について具体的に説明する。ここでは、説明の容易化のため、店舗Aのホールサーバ801に営業終了情報または営業開始情報を送信する場合について説明する。なお、図36に示す概略図は、図32に示す概略図と同じ構成について同じ符号を付して詳細な説明は繰返さない。
(1B)まず、管理センタ800Bは、店舗Aの営業終了時刻を特定可能な情報を少なくとも含む営業情報を設定する。好ましくは、営業情報は、店舗Aの営業開始時刻を特定可能な情報をさらに含む。この場合、営業情報は、店舗Aの営業開始時刻情報および営業終了時刻情報をそれぞれ含む場合であってもよいし、これらを特定できる営業時間帯情報を含む場合であってもよい。なお、管理センタ800Bは、各店舗の営業情報を管理者からの指示を受け付けて変更可能に構成されていてもよい。また、管理センタ800Bは、設定した営業情報をRAM、HDDなどの記憶装置に記憶させておいてもよい。
(2B)管理センタ800Bは、設定された営業情報に基づいて、現時刻が店舗Aの営業終了時刻を経過したか否かを判定する。具体的には、管理センタ800Bは、営業情報に含まれる店舗Aの営業終了時刻を特定可能な情報と、現時刻とを比較することで現時刻が営業終了時刻を経過したか否か(店舗Aの営業時間が終了したか否か)を判定する。管理センタ800Bは、現時刻が店舗Aの営業終了時刻を経過したと判定した場合には、当該営業終了時刻が経過したことを示す営業終了情報をホールサーバ801に送信する。
(3B)ホールサーバ801は、管理センタ800Bから営業終了情報を受信すると、受信した営業終了情報を各々のS台2Sに送信する。図36の例では、ホールサーバ801が、CU3aを介してS台2Sa(機種ID:機種A)に、CU3bを介してS台2Sb(機種ID:機種B)に、CU3cを介してS台2Sc(機種ID:機種C)に営業終了情報を送信する場合が示されている。営業終了情報は、たとえば、営業が終了したことを示す営業終了フラグ情報(たとえば、営業終了時刻を経過した場合「1」の情報、営業終了時刻を経過していない場合「0」の情報)や営業終了時刻情報(たとえば、営業終了時刻「22:00」の情報)などである。
(4B)S台2Sは、ホールサーバ801から送信された営業終了情報を受信する。そして、S台2Sは、受信した営業終了情報に基づいて店舗Aでの営業が終了したことを報知する。具体的には、S台2Sは、営業終了フラグ情報が「1」であるので、営業が終了したことを示す画像(営業終了画像)を図1に示す第1表示器54に表示させる。あるいは、S台2Sは、営業が終了したことを示す音声(営業終了音声)をスピーカ52,53から出力する。営業終了画像および営業終了音声はそれぞれ、たとえば「本日の営業は終了しました。」を示す画像および音声である。
なお、S台2Sは、営業が終了したことを報知する際に特定遊技状態であれば、通常遊技状態時と比較してより小さい営業終了画像を第1表示器54に表示させたり、より小さい営業終了音声をスピーカ52,53から出力させたりしてもよい。これにより、遊技の状況に応じた報知が可能となるため、不利益を与えることなく遊技者に営業が終了したことを適切に伝えることができる。
ここで、S台2Sは、受信した営業終了情報をRAMなどで構成される記憶部Eに記憶する。S台2Sは、記憶部Eに記憶されている営業終了情報に基づいて店舗Aでの営業が終了したことを報知することもできる。そのため、S台2Sは、ホールサーバ801から営業終了情報を受信し続けなくとも営業が終了したことを報知することが可能となる。すなわち、S台2Sの記憶部Eは、ホールサーバ801に営業終了情報を常時送信させ続けることなく、遊技者に営業の終了を報知することを可能にするデータバッファとして機能する。これにより、S台2SがCU3から取り外された場合であっても営業が終了したことを報知して、営業時間外での稼働を防止することができる。なお、S台2Sが記憶部Eを有していない場合、営業終了情報が送信されている期間、S台2Sは営業が終了したことを報知する。
なお、記憶部Eは、S台2Sによって検知可能な操作が行なわれたか否かを示す操作履歴情報を記憶してもよい。これにより、営業時間外でのS台2Sの不正使用を防止することができる。
次に、S台2Sにおける営業終了の報知が停止されるまでの流れについて説明する。以下、図36に示す(5B)〜(7B)の符号に従い、各々のS台2Sにおいて営業終了の報知が停止されるまでの流れについて具体的に説明する。なお、管理センタ800Bは、上記(1B)において営業開始時刻を特定可能な情報をさらに含む営業情報を設定しているものとする。さらに、S台2Sは、CU3から送信される営業終了情報に基づいて営業終了の報知を維持しているものとする。
(5B)管理センタ800Bは、設定された営業情報に基づいて、現時刻が店舗Aの営業開始時刻を経過したか否かを判定する。具体的には、管理センタ800Bは、営業情報に含まれる店舗Aの営業開始時刻を特定可能な情報と、現時刻とを比較することで現時刻が営業開始時刻を経過したか否か(店舗Aの営業時間が開始したか否か)を判定する。管理センタ800Bは、現時刻が店舗Aの営業開始時刻を経過したと判定した場合には、当該営業開始時刻が経過したことを示す営業開始情報をホールサーバ801に送信する。
(6B)ホールサーバ801は、管理センタ800Bから営業開始情報を受信すると、受信した営業開始情報を対応するCU3を介して各々のS台2Sに送信する。図36の例では、ホールサーバ801が、CU3aを介してS台2Sa(機種ID:機種A)に、CU3bを介してS台2Sb(機種ID:機種B)に、CU3cを介してS台2Sc(機種ID:機種C)に営業開始情報を送信する場合が示されている。
(7B)S台2Sは、ホールサーバ801から送信された営業開始情報を受信する。そして、S台2Sは、受信した営業開始情報に基づいて営業終了の報知を停止する(または、遊技の制限を解除する)。このように、S台2Sは、現時刻が営業開始時刻を経過すると営業終了の報知を自動的に停止するため(または、遊技の制限を自動的に解除するため)、従業員に対して当該報知を停止させる(または、当該制限を解除させる)などの余計な負担をかけることがない。なお、S台2Sは、営業開始情報を受信すると、それまで記憶部Eに記憶されていた営業終了情報を削除して当該営業開始情報を記憶する。また、営業終了情報を営業終了フラグ情報とする場合、S台2Sが営業終了を報知している間、記憶部Eに営業終了フラグ情報「1」が記憶されている。そのため、S台2Sは、営業開始情報を受信すると、記憶部Eに記憶されている営業終了フラグ情報を「0」に更新することで、営業終了の報知を停止する。
<変形例や特徴点など>
次に、以上、説明した本実施の形態の変形例や特徴点などを列挙する。
(1) 本実施の形態では、加算通番と計数通番とはそれぞれ別のデータとして電文フォーマットに規定されているが、これらを要求通番として共通化してもよい。特に、遊技玉の加算と遊技玉の計数とは逆の処理であるため、両処理が同時に発生することは考えにくく、その観点からも両通番を共通化して電文データ量を削減することは可能である。
また、本実施の形態では、要求通番は、予め定めた上限値に達するまで、新たな要求が発生した場合には、先に更新済みの値を元にして通番更新が行なわれる。しかながら、このような制御に代えて、1つの要求に対応する処理がすべて終了した場合には、要求通番を予め定めた初期値に初期化するようにしてもよい。たとえば、図13の例の場合には、計数完了を示す最後の状態情報応答に含める計数通番をm+2ではなく、予め定めた初期値にすることが考えられる。
また、加算通番や計数通番といった要求通番、さらには通常の通番は、1ずつカウントアップされるのではなく、S台2SおよびCU3の双方が記憶している所定の規則に従って更新(加算更新、減算更新、その他の演算式による更新)するものであってもよい。この場合、通番は、1,2,3といった“連続する番号”ではなく、A、B、Cなどといった概念で更新されるデータとなる。
(2) 本実施の形態に係るS台では、賭数を設定すると遊技玉数が減算され、入賞が発生すると遊技玉数が加算される。また、遊技玉数が所定数に達すると、計数操作を促す表示がなされ、計数操作をすることによって、遊技玉数が持点に変換される。このため、従来のS台のようにクレジットが上限に達してメダルを払い出す必要がない。その結果、本実施の形態に係るS台にはホッパーを設ける必要がない。
その結果、遊技場は、大量のメダルを確保する必要がなく、経済的負担が軽減される。また、遊技場は、メダルの補充・回収といった業務やメダル詰まりなどに対応するためのメンテナンス業務からも解放される。遊技客は、クレジットが満タンになった後で賭け操作毎にメダルを投入する煩わしさから解放され、遊技に集中しやすくなる。
(3) 本実施の形態では、カード度数を消費することによって、遊技玉数が加算される。あるいは、貯玉を消費することによって、遊技玉数が加算される。つまり、カード度数あるいは貯玉から遊技玉数に変換される。一方、カード度数および貯玉から持玉(計数玉)には変換されない。しかしながら、カード度数および貯玉から一旦、持玉に変換されるようにしてもよい。
(4) 本実施の形態では、計数操作によって、遊技玉が持玉に変換される。この場合の変換率は1:1である。しかしながら、変換される場合の変換率を1:1以外としてもよい。たとえば、遊技玉数100玉を変換した場合、そのうちの3玉を差し引いた97玉が持玉に変換されるようにしてもよい。または、持玉に対して10割未満の所定割合を乗じて得られた数の遊技玉に変換されるようにしてもよい。
(5) 持玉を特定可能に記録するための記録媒体は、スマートフォンなどの携帯端末を利用したものとしてもよい。この場合、CU3に携帯端末と通信するための通信部を設けて、携帯端末を通信部にかざすことによって、携帯端末内に記憶されているIDをCU3が認識し、後は本実施の形態に記載したような手順で遊技を可能とする。一方、遊技終了時には、再度、携帯端末を通信部にかざすことによって、遊技終了時の持点がIDを通じて遊技者の持玉に加算されるようにする。
(6) 遊技玉数を計数するための操作手段は、CU3側に設けてもよい。その場合の操作手段は、タッチパネルに表示されるものとしてもよく、物理的なスイッチで構成してもよい。
(7) 本実施の形態では、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技玉数が残っているときには、S台2SあるいはCU3側の表示器にて計数を促すメッセージを表示する。しかし、このような構成に代えて、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技玉数が残っているときには、自動的に計数表示を開始するとともに、S台2SあるいはCU3側の表示器にて、未計数の遊技玉数が残っているために自動計数を開始したこと、あるいは、さらにそれに加えて、自動計数が完了した後にカードが返却されることを報知してもよい。
あるいは、カード返却操作をしたときに、未計数の遊技玉数が残っているときには、遊技者が一時的に離席する可能性があると判断し、表示器(CU側あるいはS台側)に、一時的な離席であるか否かを確認するメッセージを表示してもよい。さらに、表示器をタッチパネルで構成し、そのメッセージに対して遊技者が応答入力できるようにしてもよい。さらに、その応答入力が遊技終了であれば、計数操作を促すメッセージを表示する。一方、応答入力が一時離席であれば、CU3側あるいはS台2S側または双方でカードのIDを記憶した状態のままで一旦、カードを排出するようにしてもよい。その後、同じIDのカードが挿入されたときには、元の状態から遊技を再開させる。
(8) 遊技玉を計数するための計数操作手段としては、2回以上の所定回数操作したときに、計数機能を発揮するようなものを採用してもよい。これによって、誤操作を防止できる。また、この場合、1回操作では、計数機能とは異なる他の機能を発揮させるようにしてもよい。たとえば、1回操作をしてから所定時間(たとえば、1秒以内)、操作が無い場合には、店員を呼び出すためのランプを点灯させるような機能を発揮させ、1操作から1秒以内に2回目の操作が検出されたときには、計数機能を発揮させることも考えられる。
(9) 「所定の記録媒体処理操作を検出したときに、前記遊技点を前記持点として、所定の処理が可能となるように処理する記録媒体処理手段」の「所定の処理」は、たとえば、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理(カードで特定可能に記録された持玉を引き落として遊技玉に変換する処理や持玉共有処理、あるいはワゴンサービス処理等)を意味する。あるいはまた、「所定の処理」とは、景品交換用の景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理であってもよい。
また、上述した「持点として所定の処理が可能となるように処理するための記録媒体処理操作」とは、たとえば、カードの返却操作である。また、「所定の処理」とは、カードの返却操作を検出したときに、CUに挿入されているカードに持点を特定可能に記録し、当該カードを返却する処理である。ここで、「特定可能に記録」とは、カードに直接、持点を記録することの他、カードには持点を記録せずにカードのIDと持点とをCUに接続されたサーバに送信し、サーバ内でIDと持点とを対応付けて記憶するような方式を含む。
(10) 遊技中の計数操作を無効とする場合の「遊技中」とは、たとえば、リール2L、2C、2Rが回転開始してから停止するまでの期間である。あるいは、スタート操作が検出されてからリール2L、2C、2Rが停止するまでの期間である。
(11) 図13を参照して、S台は、計数された計数玉(持玉)を一時記憶する計数玉数カウンタを備えているものの、計数玉の累積値を記憶するカウンタを備えていない。しかしながら、S台側に、計数玉の累積値を記憶する計数玉累積記憶カウンタを備えてもよい。また、CU側には、カード持玉(計数玉)を記憶する領域が備えられているが、この領域には、挿入されたカード自体に持玉が記録されていた場合には、そのカード持玉も含めて現在の遊技者の持玉数が記憶される。このため、この領域のみでは、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を特定できない。そこで、今回の遊技で遊技者が計数した計数玉の数を記憶する領域をCU側にさらに設けてもよい。CUは、この場合、遊技が開始してからS台から送られてくる計数玉数の情報に基づいて当該領域に持玉を加算し、持玉が遊技玉に変換されると、当該領域から持玉を減算する。
(12) 図14の計数操作を促す表示としては、文章にて「遊技玉が残っているので計数して下さい」という表示であってもよく、あるいは画面上に計数スイッチ12を表示させて点滅するような表示であってもよい。また、カード返却準備状態ONを受けたS台2Sは、遊技玉数表示器50の遊技玉を点滅表示させるなどしてもよく、あるいは、遊技玉数表示器50を画像表示装置で構成した場合には、上記実施の形態として説明したメッセージを遊技玉数表示器50に表示して計数操作を促すようにしてもよい。
(13) 計数スイッチ12を押し続ける時間に応じて、1回の操作で持点変換する遊技点数が異なるようにするために、たとえば、長押し(たとえば、1秒以上連続操作)のときには遊技点のすべてが計数される一方、短押し(たとえば、1秒未満の連続操作)のときには、200玉だけが計数されるようにしてもよい。ただし、この場合には、遊技玉の残数が少ない場合、たとえば、200玉未満の場合には、計数スイッチ12の操作ですべての遊技玉が計数されるようにするのが望ましい。
(14) 遊技点の残数に応じて、計数スイッチ12の1回の短押下操作で計数される点数が異なるようにする場合、たとえば、次のようにすることが考えられる。たとえば、遊技点が200点未満のときには、計数スイッチ12の1回の短押下操作ですべての遊技点が計数されるようにする。遊技点が200以上1000未満のときには、1回の短押下操作で200点が計数されるようにする。遊技点が1000以上5000未満のときには、1回の短押下操作で1000点が計数されるようにする。遊技点が5000以上10000未満のときには、1回の短押下操作で2000点が計数されるようにする。遊技点が10000以上のときには、1回の短押下操作で2500点が計数されるようにする。なお、以上の数値は具体例であって、適宜、設定できる。
(15) 遊技玉(遊技点)を計数して持点変換する際には、計数表示のみならず、計数音をスピーカ52,53から出力する制御をしてもよい。また、遊技点の計数の際には、玉が1つずつ、玉貯留皿から計数器へと落下していくような画像表示を行なうことが考えられる。
(16) 計数操作に基づいて遊技点を持点に変換する変換表示(遊技玉を計数していき、持玉が増えていく様を示す表示)を行なうタイミングと、データ上で遊技点を減算し、持点を加算する演算を行なうタイミングとは様々なものとすることができる。変換表示が終わってから、前記演算を実行してもよい。また、そのために、変換表示が終わった後に遊技機からCUに対して計数データが送信されるようにしてもよい。なお、このような変形例は、持点を遊技点に変換する場合についても同様に適用可能である。
(17) 本実施の形態では、CUと遊技機との間の通信において、CUを一次局、遊技機を二次局とするコマンド−レスポンス方式が採用されているが、一次局と二次局との関係を逆にしてもよい。あるいは、このような主従の関係がある通信方式を採用するのではなく、通信すべき要求が生じたときに双方が相手にデータを送信するような方式を採用してもよい。
(18) 本実施の形態では、遊技機側およびCU側の双方で遊技玉(遊技点)を記憶するようにしているが、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、CU側では記憶しないようにしてもよい。一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶しているが、遊技機側でも記憶するようにしてもよい。特に、遊技玉(遊技点)は遊技機側のみで記憶し、一方、カード持玉(持点)は、CU側でのみ記憶するようにして、データの記憶管理の役割分担を明確にしてもよい。
(19) 第1表示器54で行なう計数表示や各種の報知は、同様に表示器312で行なうようにしてもよい。
(20) CU3において、S台2S側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)および減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて、記憶している遊技玉数を更新し、S台2S側から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいて記憶している遊技玉数を減算したときに、遊技玉数の値がマイナスになる場合には、エラー(異常)判定し、エラー処理を行なうようにしてもよい。エラー処理の具体例として、異常報知ランプ等によりエラー報知が行なわれたり、あるいは、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801にエラーが発生した旨のエラー通知信号が送信されたりする(この場合、ホール用管理コンピュータやホールサーバ801によるエラー報知が行なわれるようにしてもよい)。
(21) 貸出操作あるいは持点(持玉)から遊技点(遊技玉)への変換操作(貸出操作)が検出された場合、遊技点は、1点ずつカウントアップするようにしてもよいが、遊技者の待ち時間を短くするために、複数点(たとえば、100円相当の25点)ずつカウントアップするように表示してもよい。また、逆に、遊技点の計数操作が実行されたときにも、複数点ずつ持点がカウントアップするように表示してもよい。さらに、遊技点あるいは持点をカウントアップ表示するときの単位数を複数種類の中から設定できるようにしてもよい。その設定の際には、S台2Sの表示器のタッチパネルを利用することが考えられる。
(22) 貸出ボタン、カード返却ボタン、再プレイボタン、および計数スイッチ12のうちの少なくとも1つ、あるいはすべては、遊技機側に設けてもよく、あるいはCU側に設けてもよい。また、そのボタンは、タッチパネル式の表示器として説明した遊技機側あるいはCU側の表示器に表示することが考えられる。
(23) 本実施の形態に係る遊技用システムは、持点を使用した所定の持点使用処理を実行するための持点使用操作手段を含む。ここで、所定の持点使用処理とは、ワゴンサービスを実行するための処理や、あるいは、持点(持玉)を分割して共有する処理(持点を他人に分割譲渡する処理)を含む概念である。また、持点使用操作手段は、たとえば、タッチパネルである。あるいは、持点使用操作手段は、CU又は遊技機に対して持点使用処理の実行を指令するために遊技店の係員に与えられるリモコンであってもよい。
(24) 図9〜図27で示したシーケンス制御は、CU3、S台2S等の遊技機器単体内の制御装置間の送受信シーケンスに限定されるものではなく、たとえば、CU3、S台2S、ジェットカウンタ、POS端末等の複数の遊技機器間の送受信シーケンスに適用してもよい。また、図30、図31に示した要求通番の制御は、CU3の内部のCU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用してもよい。
たとえば、遊技玉の加算要求に関する処理を、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間に適用した場合には、遊技玉の加算要求電文をCU制御部323が送信し、これに対する承諾または拒否電文をSC325bがS台2S側の応答に基づいて通信制御IC325a経由で返信する。
遊技玉の加算要求に関する処理を、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用した場合には、遊技玉の加算要求電文をCU制御部323経由でセキュリティチップ(SC)325bが送信し、これに対する承諾または拒否電文を通信制御IC325aがS台2S側の応答に基づいて返信する。
計数要求に関する処理を、CU制御部323とセキュリティチップ(SC)325bとの間に適用した場合には、計数要求電文をSC325bがS台2S側の要求に基づいて通信制御IC325a経由でCU制御部323に送信し、これに対する承諾または拒否電文をCU制御部323が返信する。
計数要求に関する処理を、セキュリティチップ(SC)325bと通信制御IC325aとの間に適用した場合には、計数要求電文を通信制御IC325aがS台2S側の要求に基づいて送信し、これに対する承諾または拒否電文をセキュリティチップ(SC)325bがCU制御部323の指示に基づいて返信する。
(25) 前述の実施の形態では、カードIDにより遊技者の同一性の判別を行なっているが、それに代えてまたはそれに加えて、遊技者の指紋や網膜等のバイオマスにより遊技者の同一性の判別を行なってもよい。
(26) 前述の実施の形態では、カードIDと挿入時刻とが一致することを条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶しているが、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)が経過するまでに通信が開始されたことを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCU3が現時点での得点として記憶するように制御してもよい。具体的には、遊技機とCU3との通信が途絶えてから所定時間(たとえば20分)を計時するタイマをCU制御部323に設け、遊技機とCU3との通信の開始時(復旧時)に該タイマが未だ計時中(タイムアップしていない状態)であるか否か判定し、計時中との判定結果であることを更なる条件として、遊技機から送信された得点をCU3が現時点での得点として記憶するように制御する。
また、挿入時刻の代わりに、CU3とS台2Sとの間で用いられた最終通番等の一致を条件に遊技機から送信された得点をCUが現時点での得点として記憶するようにしてもよい。
(27) 前述の実施の形態では、入賞の発生により直接遊技玉数や遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、入賞の発生により持点を加算し、その加算された持点を引き落として遊技玉数や遊技点を加算するように制御してもよい。
(28) 前述の実施の形態では、遊技者所有の有価価値(プリペイド残額、持玉、貯玉)の範囲内で価値を引き落として該引き落とし相当分の遊技点を加算するにおいて、引き落とした価値と同じ価値の遊技点を加算するものを示したが、その代わりに、たとえば、実際に引き落とした価値に対し消費税相当額分少ない遊技点を加算するように制御してもよい。
(29) 本実施の形態では、遊技場から離れた鍵管理センタに鍵管理サーバを設置した。しかしながら、鍵管理サーバは遊技場内に設置してもよい。これにより、遊技場外に鍵管理サーバを設置する場合と比較すると、CUと鍵管理サーバとの通信を高速化し易く、また、通信障害の発生率を低減できる。
(30) CU制御部323は、ホールサーバ801を介して鍵管理サーバ800から基板セキュリティ情報(基板認証鍵や更新情報を含む)を受信する。しかしながら、これに代えて、鍵管理サーバ800とCU制御部323との間にホールサーバ801を介することなく、鍵管理サーバ800からCU制御部323へ基板セキュリティ情報が送信される構成とてもよい。たとえば、鍵管理サーバ800とCUとを直接、回線接続することや、鍵管理サーバ800と各CUとの間にホールサーバ801と異なる中継用の通信装置を設けることが考えられる。
(31) 前述の実施の形態では、遊技の中断操作(簡易離席操作または食事休憩操作)に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込み排出することで、中断処理を行ない、その後、遊技を中断した遊技者が戻ってきて、そのカードを再度元のCU3に挿入し、持玉を遊技玉に変換する操作により、25玉ずつ遊技玉に変換されて遊技が可能になるものを示した。しかし、それに代えて、中断操作時に自動計数された計数玉を遊技玉や持玉とは別の預かり玉(C−IDと挿入時刻も記憶)としてCU3が記憶し、持玉加算せず、持玉を記録させることなくカードを排出することで中断処理を行ない。その排出カードが再挿入されると、預かり玉がすべて一括で自動的にS台の遊技玉に変換されて遊技可能となるように制御してもよい。あるいは、この場合の預かり玉は、中断操作に基づいてS台からCUへと送信され、CU側またはホールサーバ側で記憶しておき、カードが再度挿入されたときにCUまたはホールサーバから自動的にS台側へ預かり玉の情報が送信されて遊技玉としてS台側に記憶されるものとしてもよい。また、この場合に預かり玉の情報を送信する際には、遊技玉の加算指令としてCUからS台に送信してやればよい。
さらに、上記実施の形態では、中断操作に基づいて自動的に計数処理された計数玉数を一旦、持玉に加算してカードに書込んで排出したとき、そのカードに中断中フラグを記録しておくことによって、そのカードでは景品交換できないようにした。このように景品交換を禁止する手法としては、カードの中断中フラグを利用する以外の次のような手法を採用することも考えられる。
まず、中断操作が行なわれたときに、CUからホールサーバにその情報(カードIDを含む)を送信し、ホールサーバ側で中断中の遊技者のカードを中断カードとして記憶する。景品交換時にはPOSなどからホールサーバに問合せをし、景品交換に用いられているカードが中断カードであるか否かをホールサーバが判定する。あるいは、全中断カード情報を予めホールサーバからPOS側に送信しておいてもよい。その上で、景品交換に用いられているカードが中断カードであれば、当該カードを用いた景品交換を禁止する。
(32) 上記実施の形態において、遊技機は、「全遊技点に対する変換処理が終了したことを条件に(遊技点=0)、前記遊技点を前記持点として遊技用装置(CU)が所定の処理(景品交換機でカードを受付けて当該カードで特定される持点を消費して景品交換を可能とする処理、CUから排出されたカードを他の遊技機に接続された別のCUに挿入して使用する場合のCUの処理)をするための記録媒体処理操作(カード返却操作(カード返却ボタン322の操作))を有効化する有効化手段」を含む。
(33) 本実施の形態では、遊技情報の一例として、持玉、遊技玉、カードの残額、貯玉、その他、玉数情報や遊技台情報を挙げて説明した。しかしながら、遊技情報は、遊技機での遊技に関連したその他の情報をも含む。たとえば、遊技者が選択あるいはカスタマイズした遊技者の好みのキャラクタを第1表示器54などに表示可能にした場合には、そのキャラクタを特定可能な情報も遊技情報に含まれる。このような遊技者の嗜好に合うキャラクタを含む画面デザインの情報は、たとえば、遊技者のカードIDと対応付けて遊技の終了時にサーバに送信して記憶させ、新たに遊技を開始する際にはサーバからCUあるいはS台へダウンロードするようにしてもよい。
(34) 遊技玉数表示器50では、賭数入力または計数動作に連動して玉数が1つずつ減っていく表示がなされる。また、遊技玉数表示器50では、玉貸操作等に応じて玉数が1つずつあるいは所定単位数ずつ増加する表示がなされる。遊技玉数表示器50を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、単に遊技玉数をデジタル表示するのではなく、遊技玉数の変化が賭数入力によるものであるのか、計数によるものであるのか、払出の発生によるものであるのか、貯玉の引き落としによるものであるのか、貸出操作によるものであるか、など、その種類に応じた画像を遊技玉数の表示更新と併せて表示するようにしてもよい。
また、計数操作が行われた場合、遊技玉数表示器50では、計数動作に連動した計数表示が行われるが、遊技玉数表示器50を液晶表示装置などの画像表示器で構成した場合には、第1表示器54と同様に、遊技玉が計数されてその数が減少する一方で、持玉が増加する画像表示を行なうようにしてもよい。この場合、先の第1表示器54の表示の変形例として説明したように、遊技玉数のデータが持玉数のデータに経時的に変換されていく表示(たとえば、棒グラフの表示)や、現在の遊技玉数のデータと持玉数のデータをそのままデジタル表示し、遊技玉数を減少させつつ持玉数を増加させたり、遊技玉数の一部を持玉数に移動させる表示を繰り返したりすることが考えられる。
(35) 図14に示したように、上記の実施の形態では、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されることによって、計数処理完了後に有効化されてカード返却処理に移行する。
一方、待機期間が経過しても計数操作が検出されない場合の処理としては、たとえば、先のカード返却操作を無効とすることが考えられる。この場合、CU3あるいはS台2S側の表示器には待機期間が経過しても計数操作が検出されないため、カード返却操作が無効化された旨を表示してもよい。
あるいは、遊技玉が残っている状態で検出されたカード返却操作は、所定の待機期間で計数操作が検出されるか否かに関わらず、無効化してもよい。この場合には、カード返却操作が検出された後の計数操作に応じて全遊技玉を計数し終えた後、再度、カード返却操作を実行することによってカード返却処理を実行するものとしてもよい。あるいは、全遊技玉の計数を終えたとき、または、その前後で、カード返却操作を促す表示をCU3あるいはS台2S側の表示器で行なうようにしてもよい。
また、本実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉が1点でも残っていると、図14に示した処理が実行される。しかしながら、カード返却操作が検出されたときに残っている遊技玉の数が2以上の予め定めた数であるときに、図14に示した処理が実行されるようにしてもよい。
また、カード返却操作が検出された後の計数操作では遊技玉の計数表示速度を通常時よりも早くしてもよい。たとえば、通常の計数操作では遊技玉が1つずつ計数される表示をする一方、カード返却操作が検出された後の計数操作では、遊技玉が複数ずつまとめて計数される表示、あるいは、全遊技玉が一括して計数される表示をするようにすることが考えられる。
さらに、カード返却操作が検出された後の計数操作では全遊技玉が計数対象とされるのではなく、通常の計数操作のときよりも多い数の所定数の遊技玉が計数対象とされるものとしてもよい。たとえば、通常時には1回の計数操作で最大100点の遊技玉が計数対象とされるが、カード返却操作が検出された後の計数操作では、それよりも多い200点の遊技玉が計数対象とされるようにしてもよい。この場合でも、事前にカード返却操作があった場合にはカード返却操作がなかった場合に比べると、全遊技玉を計数するための計数操作回数が減り、早期に全遊技玉を計数完了させることができる。
また、遊技玉が残っている状態でカード返却操作が検出された場合には、計数操作の検出がなくても、全遊技玉の計数を開始させ、その後にカード返却処理に移行するようにしてもよい。この場合、全遊技玉の計数を開始させるときに、全遊技玉の計数を開始させる旨をS台2SあるいはCU3で表示してもよい。あるいは、全遊技玉の計数を開始させてもよいか否かを確認するメッセージを表示し、所定操作(たとえば、S台2SあるいはCU3のタッチパネルでの操作、再度のカード返却操作など)が検出されたことを条件として、全遊技玉の計数を開始させるようにしてもよい。
また、遊技中(玉の発射中)の場合に検出されたカード返却操作を無効にしてもよいが、カード返却操作を無効にするのではなく、S台側の方で遊技中の計数操作に基づいた計数の処理を無効にしてもよい。
さらに、上記実施の形態では、カード返却操作が検出されたときに遊技玉数が0であるか否かをCU3が判定している。しかしながら、このような判定をS台2Sが行なうようにしてもよい。この場合、たとえば、カード返却操作が検出されたときに、カード返却操作有を示すデータをCU3からS台2Sへ送信し、それを受けたS台2Sが自ら記憶している遊技玉数が0であるか否かを判定する。0であれば、遊技玉数が0であることまたはカード返却を許可するデータをCU3へ送信する一方、0でなければ、遊技玉数が0でないことまたはカード返却の待機あるいはカード返却の禁止を示すデータをCU3へ送信する。
また、上記実施の形態では、計数スイッチ12の操作が検出されたときに、その操作の検出前にカード返却操作が検出されているか否かをS台2Sが判定する。しかしながら、このような判定手段をCU3が備えるようにしてもよい。この場合、たとえば、S台2Sは、計数スイッチ12の操作が検出されたときに、その旨を示すデータをCU3へ送信する。それを受けたCU3は、そのデータを受信する前の所定期間内にカード返却操作があったか否かを判定するようにすることが考えられる。
また、上記の実施の形態では、計数操作をS台2Sが検出する一方、カード返却操作をCU3が検出するが、計数操作をCU3が検出する一方、カード返却操作をS台2Sが検出する構成としてもよく、両操作共にS台2SあるいはCU3が検出する構成としてもよい。また、計数スイッチ12およびカードカード返却ボタンの取り付け位置は、双方共にCU3としてもS台2Sとしてもよく、一方がCU3またはS台2Sとしてもよい。
(36) 持玉または遊技玉の数の変化の有無をCUまたはS台でチェックし、所定期間、持玉または遊技玉の数が変化しない場合には、CUまたはS台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、S台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、残り僅かな玉が放置されたままで遊技放棄された台を店員が把握しやすくする。
(37) あるいは、カードがCUに挿入されていないにも関わらず、遊技者の遊技玉が変化した場合には、CUまたはS台でその旨を報知するようにしてもよい。あるいは、報知のための信号を外部装置(ホールコンピュータ、S台上の呼び出しランプ)に出力してもよい。これにより、たとえば、遊技を終えてカードを排出した後に、遊技盤に引っ掛かっていた玉が入賞して遊技玉が払い出されたまま放置されているような台を店員が把握しやすくする。
(38) 本実施の形態において、CU3はS台2Sからの前回遊技台情報と最新遊技台情報とを自ら記憶しているデータと比較判定して、S台2S側のデータに不正水増しのないことを確認してデータを補正する。仮に、CU3側でエラー判定されると、このような状況は、単にCU3の交換が要因(交換後のCU3には比較対象の正規のデータが記憶されていない)であって、不正行為に基づくものではない可能性もあるため、ホールの店員が確認の上で、リモコン等の携帯型端末装置でエラーを解除する。ただし、このように、CU3が新たなものに交換されていたときには、当該CU3は上記のエラー判定を一切しないようにしてもよい。また、あるいは、CU3には、交換されたものであるか否かに関わらず、上記のエラー判定機能を設けないようにしてもよい。
(39) 本実施の形態において、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体であるカードを、遊技開始時にカード挿入/排出口309に挿入し、遊技終了後にカード挿入/排出口309から抜き取る構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、カードを、遊技開始時にカード読み取り部に載置し、遊技終了後にカード読み取り部から外す構成であってもよい。つまり、遊技者所有の有価価値を特定可能な記録媒体を受付ける記録媒体受付手段に対して、遊技開始時に記録媒体受付手段に取り付け、遊技終了後に記録媒体受付手段から取り外す構成であればよい。
(40) 本実施の形態において、CU3は、S台2Sに対してカード抜き取り待ち中の情報を通知し、当該情報の通知を受けたS台2Sが「カード抜き取って下さい」と第1表示器54に表示するなど、カードの抜き取りの報知を行なう構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、CU3は、S台2Sに対してカード抜き取り待ち中の情報を通知しつつ、第1表示器54および/または表示器312に「カード抜き取って下さい」と表示するように制御してCU側でカードの抜き取りの報知を行なう構成であってもよい。
(41) 本実施の形態において、S台2Sは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでカードの抜き取りの報知を継続する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、S台2Sは、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、一定期間カードの抜き取りの報知を行なっても、カード抜き取り待ち中=ONを含む状態情報要求のコマンドを受取ってから、カード抜き取り待ち中=OFFを含む状態情報要求のコマンドを受取るまでの間、カードの抜き取りの報知を間欠的に行なってもよい。
(42) 本実施の形態において、S台2Sは、カードを受付けたとき、および通信復旧したときに、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」および「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「店舗コード」および「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成について説明した。しかし、本発明はこれに限られず、S台2Sは、CU3のセキュリティ基板325から通知された「店舗コード」と、S台2Sで保持している「店舗コード」との一致判定を行なう、またはCU3のセキュリティ基板325から通知された「SC基板ID」と、S台2Sで保持している「SC基板ID」との一致判定を行ない、一致している場合にはリカバリ処理を行ない、不一致の場合、遊技の継続を禁止する構成であってもよい。
(43) 本実施形態では、ホールサーバ801または管理センタ800Bで営業情報を設定する構成について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技用装置(CU3または呼出しランプ装置)が、営業情報を設定する構成であってもよい。特に、遊技機が封入循環式スロットマシンでないスロットマシンの場合、当該スロットマシンと、それ接続された呼出しランプ装置(遊技用装置に相当)と、複数の呼出しランプ装置に接続されるホールコン(管理装置に相当)とで遊技用システムを構成してもよい。
(44) 本実施形態では、ホールサーバ801または管理センタ800Bで設定された営業情報に基づいて、現時刻が営業終了時刻を経過したか否かを判定する場合について説明したが、これに限られない。たとえば、遊技用装置で営業情報を設定し、遊技用装置において、現時刻が営業終了時刻(または営業開始時刻)を経過したか否かを判定する構成であってもよい。なお、当該判定処理を行なう装置は、営業情報の設定処理を行なう装置と同じ装置であってもよいし、それよりも遊技機側の装置であってもよい。異なる装置の場合には、判定処理を行なう装置が、より上位側(たとえば、CU3に対するホールサーバ801)にある装置から営業情報を受信して当該受信した営業情報に基づいて当該判定処理を行なう。
(45) 本実施形態では、ホールサーバ801またはCU3が営業終了情報(または営業開始情報)を遊技機に送信する構成について説明したが、これに限られない。たとえば、管理センタ800Bが、ホールサーバ801やCU3を介して営業終了情報(または営業開始情報)を遊技機に直接送信するように構成されていてもよい。なお、当該送信処理を行なう装置は、判定処理を行なう装置と同じ装置であってもよいし、それよりも遊技機側の装置であってもよい。異なる装置の場合には、送信処理を行なう装置が、判定処理を行なう装置から受信した営業終了情報(または営業開始情報)を送信する。
(46) 上述した設定処理を行なう装置、判定処理を行なう装置、および送信処理を行なう装置は、すべて同じであってもよい。たとえば、遊技用装置または管理装置(ホールサーバ801、管理センタ800B)が、遊技機が設置された店舗の営業時間を設定し、設定された営業時間に基づいて、営業が終了したか否かを判定し、営業が終了したと判定した場合に遊技機に営業終了を報知させるための営業終了情報を遊技機に送信するように構成されていてもよい。
(47) 本実施形態では、遊技機(S台2S)が営業終了情報を受信すると、営業終了の報知または遊技機での遊技を制限する構成について説明したが、これに限られない。たとえば、営業終了情報が営業終了時刻である場合には、遊技機は、内蔵されているRTC(Real Time Clock)から得られる現時刻が、当該受信した営業終了時刻を経過しているか否かを再確認し、経過していると判断した場合に営業終了の報知または遊技の制限を行なうように構成されていてもよい。これにより、ホールサーバ801で営業終了時刻を経過しているか否かを確認するとともに、遊技機内でも営業終了時刻を経過しているか否かを確認することができ、二重にチェックすることができる。
(48) 本実施形態では、遊技者を報知対象とする場合について説明したが、店舗の従業員や店舗自体を報知対象とする場合であってもよい。
(49) 遊技機は、機種に応じて報知態様を変更させる場合であってもよいし、機種に関わらず同じ報知態様とする場合であってもよい。たとえば、機種Aに対しては音声のみで営業終了時刻を経過したことを報知し、機種Bに対しては営業終了画像を表示して営業終了時刻を経過したことを報知してもよい。また、遊技機は、機種に応じて制御内容を変更させる場合であってもよいし、機種に関わらず同じ制御内容とする場合であってもよい。たとえば、機種Aに対しては遊技玉の発射が制限され、機種Bに対しては遊技玉への貸出を禁止してもよい。
(50) 本実施形態では、遊技機が営業終了情報を受信すると、営業終了の報知または遊技機での遊技を制限する構成について説明したが、営業終了を報知するとともに遊技を制限するように構成されていてもよい。これにより、営業時間外に遊技機が稼働することをより一層防止することができる。
(51) 遊技機は、内蔵している記憶部Eに営業終了情報を記憶させた場合には、営業開始情報を受信するまで遊技ができないように構成されていてもよい。
(52) 本実施の形態では、S台2Sが特定遊技状態中である場合、S台2Sが受信した営業終了情報に基づく報知や制限を行なうことを猶予する方式について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。S台2Sが報知や制限を行なうことを猶予することができれば、S台2Sに対して営業終了情報を送信するタイミングを遅らせることや、営業終了時刻を経過したと判断するタイミングを遅らせることなどの方式であってもよい。
(53) 本実施の形態では、管理センタ800Bが、たとえば都道府県ごとに設けられ、各自治体の条例で定められた営業時間が設定されている例を説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば複数の店舗を経営する企業単位に設けて、各店舗の営業時間を設定する構成でもよい。
(54) 本実施の形態では、図1および図2に示すように、案内通路330を通ってCU3からS台2Sの投入口11へメダルを投入し、投入されたメダルをCU3に設けたホッパー34に回収して、再度案内通路330からS台2Sの投入口11へ投入可能となるようにメダルをホッパー34から案内通路330へ揚送する封入循環式スロットマシンについて説明した。しかし、これに限定されるものではなく、たとえばS台2S内にホッパーを設け、S台2Sの投入口11へ投入したメダルを当該ホッパーに回収して再度投入口11へ投入するような、S台2S内のみでメダルが循環する封入循環式スロットマシンでもよい。さらに、S台2Sの投入口11にメダルが投入されたように擬似的に行ないつつ、CU3内のみでメダルが循環する封入循環式スロットマシンでもよい。S台2Sの投入口11にメダルが投入されたように擬似的に行なう構成の具体例として、例えばCU3からS台2Sの投入口11の近傍に張り出した通路を設け、当該通路をメダルが通過することで擬似的にS台2Sの投入口11にメダルが投入されたようにする。なお、循環する遊技媒体は、本実施の形態ではメダルを用いて説明したが、パチンコ玉のような球体にしてもよい。
(55) 本実施の形態では、案内通路330、送出装置331および揚送装置332などを設けてメダルを循環させる構成を説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば、複数のメダルを帯状に連結させた擬似メダルを、図2で示した案内通路330などの経路を移動させてあたかもメダルが循環しているように見せる構成でも、複数のアームのそれぞれに擬似メダルを取り付けた回転体を利用してあたかもメダルが循環しているように見せる構成でもよい。なお、本実施の形態で説明した案内通路330、送出装置331および揚送装置332などを設けてメダルを循環させる構成に、擬似メダルを取り付けた回転体を組み合わせて、S台2Sへのメダル投入は案内通路330を含む構成で実現し、メダル払出しは擬似メダルを取り付けた回転体で実現する遊技機でもよい。
以下に、複数のアームのそれぞれに擬似メダルを取り付けた回転体を利用する例を詳しく説明する。具体的に、図1に示す第2表示器55を小さくして、第2表示器55を取り付ける前面パネル57に、擬似メダルを表示するための透視窓を設け、あたかもメダルが循環しているように見せる構成である。
図37は、擬似メダル124を表示するための透視窓部分の構成を示す図である。図1に示したS台2Sの第2表示器55を設けた前面パネル57(図1では、前面パネル57の大きさと第2表示器55の大きさが同じであるため、前面パネル57が図示されていない。)には、図37に示すように透視窓W0、W1が設けられている。
図示のとおり、透視窓W0、W1の内側には擬似メダルを回転させるための機構が配置されている。透視窓W0に対応する機構としては、加算用擬似メダルユニット(図示せず)が配置されており、透視窓W1に対応する機構としては、加算用擬似メダルユニット(図示せず)が配置されている。両メダルユニットはともに図37にその一部を示すように、放射状に配置された8本のアーム125の先端に取り付けられた擬似メダル124を回転させる回転体を構成する。
透視窓W1、W0からは、アーム125の先端に取り付けられた3枚の擬似メダル124が覗く。透視窓W0では符号A0に示す向きに回転体が回転し、透視窓W1では符号A1に示す向きに回転体が回転する。ただし、円弧状の透視窓W0、W1の切り欠き幅は、透視窓W1、W0からアーム125自体が見えないようにメダル幅以下にされている。このため、透視窓W1、W0の内側で回転体を回転させることによって透視窓W1、W0を通してメダルが通路を転がり移動していくかのような様子を遊技者に見せることができる。透視窓W0ではカードユニット3に近い方向からS台2S方向へとメダルが転がるように見えるために、メダルが排出されてS台2Sに転がり込む様子を演出することができる。逆に、透視窓W1ではS台2Sに近い方向からS台2S方向へとメダルが転がるように見えるために、メダルが回収されていく様子を演出することができる。
図38は、加算用擬似メダルユニット120の構成を示す図である。特に、図38(a)は図38(b)のX−X線断面図であり、図38(b)は図38(a)のY−Y線断面図である。なお、図38には、加算用擬似メダルユニット120が示されているが、減算用擬似メダルユニットもこれと同じ構成である。そこで、ここでは、加算用擬似メダルユニット120の構成を代表例として説明し、減算用擬似メダルユニットの構成の説明は省略する。
図38(a)(b)において、加算用擬似メダルユニット120は、円状の中空の筐体122を備える。透視窓W0から筐体122の内部が見えるように、筐体122の正面側の外壁122bがS台2Sの前面扉の内壁に固着される。
筐体122内の中央部には、回転体123が回転可能に設けられている。回転体123は、複数(図では、8個)の擬似メダル124と、複数(この場合、8本)のアーム125と、円筒状の支持部材126とを含む。回転体123は、プラスチックあるいは金属により一体的に形成されている。また、擬似メダル124は、いわゆるパチスロにおいて遊技に用いられる遊技用メダルと略同じ寸法、形状に形成されている。
なお、図38に示す擬似メダル124をパチンコ玉のような球体にしてもよい。複数の擬似メダル124は、支持部材126の回転中心線の周りに等角度間隔で円形に配置されている。各擬似メダル124の中心を垂直に貫通する中心線は、支持部材126の回転中心線と同じ方向に向けられている。各擬似メダル124の端面は、アーム125を介して支持部材126の外周面に固定されている。
筐体122の一方側(図では左側)の側面の中央部には、モータ127が固定されている。モータ127としては、たとえば、駆動パルスφPが入力される毎に回転軸127aを微小な所定角度だけ回転駆動させるステッピングモータが使用される。モータ127の回転軸127aは、筐体122と支持部材126の孔を貫通しており、その先端部は図示を省略した軸受によって回転可能に支持される。
駆動パルスφPをモータ127に供給すると、回転軸127aが回転駆動され、回転体123が回転駆動されて複数の擬似メダル124が円環状の通路を循環する。駆動パルスφPの供給を停止すると、回転軸127aの回転は即座に停止される。
筐体122の側面の上端部の中央の孔には、擬似メダル124の通路に対向して光センサ130が設けられている。光センサ130は、擬似メダル124の通路に向けて光を照射し、反射光を検出し、反射光強度に応じたレベルの信号φS0を出力する。光センサ130に擬似メダル124が対向している場合は、光センサ130から出射された光は擬似メダル124で反射して光センサ130に入射し、信号φS0はたとえば「H」レベルになる。光センサ130に擬似メダル124が対向していない場合は、光センサ130から出射された光は擬似メダル124で反射せず、信号φS0はたとえば「L」レベルになる。光センサ130出力信号φS0は、S台2Sの電源オン時に擬似メダル124の位置を基準位置にリセットするために使用される。
筐体122の側面の下端部の中央の孔には、擬似メダル124の通路に対向して光センサ131が設けられている。光センサ131は、擬似メダル124の通路に向けて光を照射し、反射光を検出し、反射光強度に応じたレベルの信号φS1を出力する。光センサ131に擬似メダル124が対向している場合は、光センサ131から出射された光は擬似メダル124で反射して光センサ131に入射し、信号φS1はたとえば「H」レベルになる。光センサ131に擬似メダル124が対向していない場合は、光センサ131から出射された光は擬似メダル124で反射せず、信号φS1はたとえば「L」レベルになる。光センサ131の出力信号φS1は、通路を通った擬似メダル124の数をカウントするために使用される。
なお、擬似メダル124の光センサ130、131側の表面の中央部に擬似メダル124の表面と光反射率が異なるマークを設けて、擬似メダル124の検出精度を高めてもよい。擬似メダル124の表面に設けた反射膜、凸部、凹部等が、マークとして使用可能である。また、複数の擬似メダル124のうちの1つの擬似メダル124のみにマークを設け、電源オン時には、マークを検出したときに駆動パルスφPの供給を停止することにより、擬似メダル124の位置を初期位置にリセットしてもよい。また、光センサ130、131のうちのいずれか1つのみを設け、1つの光センサの出力信号を用いて電源オン時における擬似メダル124の位置決めと、擬似メダル124の数のカウントの両方を行なってもよい。
また、複数の光センサ130,131を用いて擬似メダル124の数をカウントすることにより、カウント精度を高めたり、不正行為を防止したりしてもよい。また、光センサ130、131の代わりに磁気センサを用いてもよい。磁気センサを使用する場合は、擬似メダル124を磁性体で形成する必要がある。また、透視窓W0、W1を無くし、遊技者が擬似メダル124を見ることができないようにしてもよい。
また、各擬似メダル124の中心位置をアーム125の先端で回転駆動可能に軸支し、回転軸127aを中心にして8本のアームを回転駆動するとともに各擬似メダルも各アーム125の先端で同じ回転方向に回転駆動させるようにしてもよい。これにより、透視窓W0、W1から見たときに通路をメダルが転がっているように見せる演出をより一層効果的に行なうことができる。なお、図37および図38では、S台2Sに加算用擬似メダルユニット120を設ける例を説明したが、これに限定れるものではなく、CU3に加算用擬似メダルユニット120を設ける構成でもよい。また、加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニットをS台2Sに設けなくても遊技機として成立するのであれば、加算用擬似メダルユニット120および減算用擬似メダルユニットを設けなくてもよい。
(56) 案内通路330は、CU3に対して取り外し不能に設けられており、遊技場にCU3とS台2Sとを設置する際にCU3の案内通路330の先端部に設けたツメ部と投入口11の凹部とが嵌合するように連結される。一旦、案内通路330が投入口11に連結されると、CU3の固定状態を解除してCU3を取り外さない限り、案内通路330を投入口11から取り外すことができないようになる。このため、不正を企む者が案内通路330を投入口11から取り外してメダルを取り出したり、投入口11へ異物を挿入して遊技玉数を加算させるような行為を行なうことを防止できる。
なお、投入口11と案内通路330との連結状態を検出するセンサを案内通路330先端あるいは投入口11に設けて、連結状態が解除された場合に、解除信号がセンサからS台2SまたはCU3あるいはその双方に入力されるようにしてもよい。その場合、信号の入力を受けたS台2SまたはCU3はアラームを発生するものとしてもよい。アラームはS台2SおよびCU3が制御する表示装置やスピーカにて行なうことができる。CU3の場合には、解除信号を外部出力するものとしてもよい。
また、案内通路330はS台2Sの投入口11に対して予め取り外し不能に設けられるものとし、遊技場にCU3とS台2Sとを設置する際にS台2Sの案内通路330の先端部に設けたツメ部とCU3側に設けたメダル送出口の凹部とが嵌合するように連結されるようにしてもよい。また、この場合にも、メダル送出口部分の連結状態が解除されたことを検出するセンサを設けることが望ましい。
さらには、案内通路330は、S台2SおよびCU3のいずれの構成部品でもなく、遊技場にCU3とS台2Sとを設置する際に、案内通路330の両端をS台2SとCU3とに連結させるものとしてもよい。この場合には、案内通路330の両端に連結状態の解除を検出するセンサを設けることが望ましい。
(57) 本実施の形態では、案内通路330からメダルが投入口11に自動的に投入され、投入されたメダルが検出されたことに応じて遊技玉数が加算されるものとした。しかしながら、CU3から遊技玉数の加算数を示すコマンドをS台2Sに送信し、S台2Sは、そのコマンドに従って遊技玉数を加算するものとし、演出の一つとして加算数に応じたメダルを投入口11に自動投入するものとしてもよい。
(58) 復帰手順について
本実施の形態では、CUとS台との間で通信断が発生した後の復旧手順として、以下の手順を採用している。
「リカバリ要求1」の送信
CUは、S台に「リカバリ要求1」を送信することにより、S台に対してリカバリ情報を要求する。「リカバリ要求1」は、「前回最終送信通番」と、「前回最終送信計数通番」とを含む。
S台はCUより通知された「前回最終送信計数通番」を参照して、CUが計数処理を実施していなかった場合は、遊技玉数を計数前の遊技玉数に戻す。CUが計数処理を実施済の場合は計数前の遊技玉数から計数玉数を減算して遊技玉数を確定する。
「リカバリ応答1」の返信
S台は、「リカバリ要求1」を受信すると、CUに「リカバリ応答1」を返信することにより、S台が保持しているリカバリ情報をCUに与える。
「リカバリ要求2」の送信
CUは、「リカバリ応答1」を受信すると、リカバリ処理の要/不要を判断する。CUはS台より通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合は、「前回遊技台情報」を使用してリカバリ処理を行なう。「前回最終送信通番」の処理を実施している場合は、リカバリ処理しない。CUは、リカバリ処理要の場合にのみ、S台に「リカバリ要求2」を送信する。「リカバリ要求2」には加算玉リカバリ情報(遊技玉の加算数)が含まれる。S台は、CUより通知された「前回最終送信通番」の処理を実施していなかった場合、加算玉数を参照して遊技玉に対して加算を行なう。
「リカバリ応答2」の返信
CUは、「リカバリ要求2」を受信すると、「リカバリ応答2」を返信し、加算リカバリ情報の処理結果を通知する。S台が加算玉数を受けた場合にはリカバリ結果として処理結果OKを、受けられない状態の場合はリカバリ結果として処理NGを、それぞれ通知する。
「変形例」
上記の復帰手順では、CUから送信される「リカバリ要求1」に対して、S台から返信される「リカバリ応答2」に、リカバリのために必要なリカバリ情報の詳細データ(各種の遊技情報)が含まれている。しかしながら、CUは、「リカバリ要求1」をS台に送信し、S台から復旧用の詳細データを受信してリカバリ処理をする前に、そもそもリカバリ処理が必要であるかを判定するためのレスポンスをS台より受信し、CUは、リカバリ処理が必要であると判定したときに、S台に対してリカバリ情報の詳細データの送信を促すコマンドを送信するようにしてもよい。
そのようにすれば、通信断後に、そもそもデータのリカバリが必要でない場合にはリカバリのための詳細データをS台から受信するための処理を必要としないため、無駄な処理が発生する不都合を極力防止することができる。
「リカバリ処理が必要であるか否かを判定するためのレスポンス」に含むデータとしては、「前回最終送信通番」、「前回に挿入中であったカードのID」、「前回にカードが挿入された時刻」などを例に挙げることができる。S台は、これらのデータを含むレスポンスをCUに返信する。
すると、CUは、自らが記憶している前回最終送信通番、前回挿入中カードID、および前回カード挿入時刻とレスポンスデータとを比較して、両者が一致しているか否かを判定する。一致している場合には、たとえば、通信断の前後で同じ遊技者による同じS台での遊技が継続されることなるためにリカバリの必要があるということになる。一方、一致していない場合にはS台交換等が発生しており、わざわざ、新たに交換されたS台との間でリカバリをする必要がないということになる。
CUは、このような判定を行ない、リカバリの必要がある場合には、S台に対して、リカバリの詳細データを要求するためのコマンドを送信し、S台はこれを受けて詳細データを含むレスポンスをCUへ返信する。
なお、ここでは、CUがS台のデータに基づいてリカバリする場合を例に挙げて説明したが、逆にS台がCUのデータに基づいてリカバリする場合についても同様の手順を採用してもよい。すなわち、S台は、CUからリカバリ情報の詳細データを受信する前に、リカバリの必要性の有無をCUから受信するコマンドに基づいて判定することが考えられる。
このような変形例により、「遊技者により遊技が行なわれる遊技機と、該遊技機と通信可能に接続され、遊技者所有の遊技用価値を使用し該遊技機での遊技を可能にする遊技用装置とを備える遊技用システムであって、前記遊技用装置は、前記遊技機と通信できない通信不能状態から復旧させて前記遊技機との間でのデータの整合性を回復させる復旧処理を行なう復旧処理手段を含み、該復旧処理手段は、前記遊技機からの復旧用の詳細データを受信して復旧処理を行なう前に、当該復旧処理を行なう条件が成立するか否かを判定するための判定用データを前記遊技機から受信し、該受信した判定用データ(リカバリ応答1)に基づいて前記条件が成立すると判定したことを条件として、前記復旧用の詳細データを前記遊技機から受信するための処理を行なう、遊技用システム」が開示される。
(59) 本実施の形態では、案内通路330を含む経路に遊技媒体(メダル、または遊技玉)を研磨する研磨装置を設けていないが、当該経路に研磨装置を設けてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。