JP2014225510A - 垂直共振器型面発光レーザの製造方法 - Google Patents

垂直共振器型面発光レーザの製造方法 Download PDF

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靖浩 長友
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Abstract

【課題】膜厚の精密な制御が難しい工程を含む場合であっても、設計値からのずれを抑制した波長でレーザ発振することが可能な素子を安定して製造することできる垂直共振器型面発光レーザの製造方法を提供する。【解決手段】基板上に、第1の反射鏡、活性層および第2の反射鏡を有する垂直共振器型面発光レーザの製造方法であって、前記基板上に、前記第1の反射鏡と前記活性層を含む多層膜構造を形成する第1の工程と、前記第1の工程で形成した前記多層膜構造の膜厚の設計値からのずれを取得する第2の工程と、前記第2の工程において取得された前記多層膜構造の膜厚の設計値からのずれに応じて、前記第2の反射鏡における反射時の位相がずれるように該第2の反射鏡の膜厚を調整する工程と、を含む構成とされている。【選択図】 図1

Description

本発明は、垂直共振器型面発光レーザの製造方法に関する。
近年、垂直共振器型面発光レーザ(以下、VCSELと呼ぶ)の開発が行われている。特に、青紫色領域のVCSELの実用化に向けた検討が盛んになってきているが、いまだ商業レベルで実用化されたものはない。
共振器を形成する反射鏡として窒化物半導体を使った良質な分布ブラック反射鏡(以下DBRと呼ぶ)を形成することが困難であることが、青紫色領域のVCSELの実用化を妨げる一因になっている。
特許文献1には、このような作製が困難な窒化物半導体DBRを使用せず、誘電体DBRを使用して共振器を形成した青紫色領域のVCSELが開示されている。
特開2010−123921号公報
上記の特許文献1に示された構造を用いれば、作製が困難な窒化物半導体DBRを使用せずに青紫色領域のVCSELを実現できる。
しかしながら、上記のような構造を使用したものにおいても、以下のような課題を有している。
共振器の上下両面に誘電体DBRを形成するためには、基板を除去する必要がある。しかし、窒化物半導体では、選択的なウエットエッチングにより基板を除去する方法が確立されておらず、そのため研磨等により物理的に基板を削って除去する手法が採られる。
なお、サファイア基板を使用した場合には、レーザリフトオフで基板を剥離することも可能であるが、この場合にも剥離面を平坦化するために研磨工程が用いられる。
一般に、研磨時の研磨レートを常に一定に保つことは難しいので、研磨後の膜厚を精密に制御することは難しい。さらに、基板に反りがある場合などは研磨後の膜厚に面内分布が生じる。
その場合、研磨後に膜厚を測定して、設計値からのずれを補正することが考えられる。
研磨後の膜厚が設計値より厚くなってしまった場合は、追加の研磨を行うことができる。しかし、その場合でも上記の問題が解決されるわけではないので、膜厚誤差を数10nm以下に抑えることは困難である。
研磨後の膜厚が設計値より薄くなってしまった場合は、追加の結晶成長を行うことが可能である。しかしながら、研磨工程の前に金属電極等を形成している場合、結晶成長炉が汚染されてしまう可能性があるため好ましくない。
そのため、研磨工程を含む製造方法では所望の膜厚を得られない場合がある。
VCSELの共振器を形成する層の膜厚が設計値からずれた場合、レーザ発振波長が設計値からずれてしまうという課題が生じる。
これらについて、図6に具体的な計算結果を示して、更に説明する。
図6(a)は、計算に使用したVCSELの断面模式図である。
波長400nmを1λとして、7λに相当する厚さのGaN層630の上下を一対の反射鏡で挟んだ構成となっている。
上部反射鏡620は、五酸化ニオブ(Nb)と二酸化ケイ素(SiO)を交互にλ/4ずつの厚さで7ペア積層して構成された誘電体DBRである。
下部反射鏡610は、NbとSiOを交互にλ/4ずつの厚さで11ペア積層して構成された誘電体DBRである。
図6(b)に示したグラフは、GaN層630の厚さが設計値からずれた量と、共振波長の関係を計算した結果を示している。
グラフの横軸は、GaN層630の厚さが設計値からずれた量を示している。
グラフの縦軸は、VCSELの共振波長を示している。
GaN層630の膜厚が設計値からずれていないときは設計波長の400nmで共振するが、膜厚がずれるとそれに比例して共振波長(レーザ発振波長)がずれることが読み取れる。
以上述べたように、共振器の形成に研磨など
の工程を含み膜厚の精密な制御が難しいVCSELにおいては、設計どおりの波長でレーザ発振する素子を安定して製造することは難しい。
本発明は、上記課題に鑑み、膜厚の精密な制御が難しい工程を含む場合であっても、設計値からのずれを抑制した波長でレーザ発振することが可能な素子を安定して製造することできる垂直共振器型面発光レーザの製造方法の提供を目的とする。
本発明の垂直共振器型面発光レーザの製造方法は、基板上に、第1の反射鏡、活性層および第2の反射鏡を有する垂直共振器型面発光レーザの製造方法であって、
前記基板上に、前記第1の反射鏡と前記活性層を含む多層膜構造を形成する第1の工程と、
前記第1の工程で形成した前記多層膜構造の膜厚の設計値からのずれを取得する第2の工程と、
前記第2の工程において取得された前記多層膜構造の膜厚の設計値からのずれに応じて、前記第2の反射鏡における反射時の位相がずれるように該第2の反射鏡の膜厚を調整する工程と、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、膜厚の精密な制御が難しい工程を含む場合であっても、設計値からのずれを抑制した波長でレーザ発振することが可能な素子を安定して製造することできる垂直共振器型面発光レーザの製造方法を実現することができる。
本発明の実施形態におけるVCSELの一例を示す断面模式図である。 膜厚変調DBRの反射光の位相について説明するための模式図とグラフである。 膜厚変調DBRの反射光の位相について説明するための模式図とグラフである。 DBRの反射光の位相について説明するための模式図である。 本発明の実施例におけるVCSELを説明する断面模式図とグラフである。 従来技術が抱える課題を説明するための模式図とグラフである。
以下に、本発明の実施形態における垂直共振器型面発光レーザ(以下、VCSELと呼ぶ)の構成例について説明する。
まず、本明細書における用語の定義を行う。
本明細書中では、素子の基板側を下側、基板と反対側を上側と定義する。
本明細書中で層の厚さに言及する場合、特に断りが無ければ物理膜厚ではなく光学膜厚を意味することとする。
本明細書中では、DBRを構成する2種類の層のうち、相対的に屈折率の低い材料からなる層を低屈折率層、相対的に屈折率の高い材料からなる層を高屈折率層と呼ぶこととする。
本明細書中では、DBRに光が入射する場合、光が入射する側に近い順から第1の層、第2の層と呼ぶこととする。
一般的にDBRは第1の層と第2の層を交互に積層して構成される。一対のDBRを対向させて共振器を形成した場合、光は共振器内側からDBRに入射するとみなし、共振器内側から順に第1の層、第2の層となる。
本明細書中では、DBRを構成する各層の光学膜厚がλ/4になっているものを無変調DBRと呼ぶこととする。
本明細書中では、膜厚変調とは、DBRを構成する各層の光学膜厚をλ/4からずらすことを意味する。膜厚変調されたDBRのことを膜厚変調DBRと呼ぶこととする。
本明細書中では、DBRを構成する各層の光学膜厚がλ/4であると言った場合、光学特性が光学膜厚λ/4と同等の場合も含むこととする。具体的には、光学膜厚がλ/4の奇数倍である場合も含む。
また、ここで、本明細書における膜厚変調の方向について定義する。
便宜的に、各DBRの第1の層を光学膜厚λ/4より薄くする場合の膜厚変調の方向を負(−)、それとは逆に第1の層を光学膜厚λ/4より厚くする場合の膜厚変調の方向を正(+)と定義する。
本発明では、DBRの膜厚変調の度合いに応じて反射光の位相がずれることを利用して、VCSELの共振波長を調整する。
具体的には、VCSELの上部反射鏡を形成する前に共振器の膜厚の誤差を測定し、その誤差を打ち消すように設計した膜厚変調DBRを上部反射鏡として形成する。
共振器の膜厚が設計値より薄くなった場合は、上部反射鏡での反射時の位相変化量を正の方向にずらし、膜厚が設計値より厚くなった場合は反射時の位相変化量を負の方向にずらす。
そうすることで、実効的な光路長のずれを補正することが可能となり、設計値に近い波長でのレーザ発振が可能になる。
本発明は、DBRに膜厚変調が加わると変調の度合いに応じて反射光の位相がずれるという、新たな知見に基づくものである。
図2を用いて、DBRの膜厚変調の度合いが反射光の位相に与える影響について説明する。
図2(a)は、膜厚変調DBR210に上側から光が入射した場合の反射の様子を示す模式図である。図中の矢印は、反射される光の様子を概略的に示したものである。
屈折率が2.09の低屈折率層211と、屈折率が2.54の高屈折率層212が交互に積層されている。前述の定義に従い、低屈折率層211を第1の層、高屈折率層212を第2の層とみなす。
なお、図2(a)において、DBR210の上面215のみで光反射が起こっているような描写になっているが、実際には上面215だけでなく各層の界面で光反射が起こり、それらを合成したものがDBR全体としての反射光となる。
本明細書中の計算では、DBR上面215における入射光と反射光(合成波)の位相の差を計算で求めて、その差を反射時の位相ずれと見なしている。
一般的な、光学膜厚λ/4の層を積層した無変調DBRの場合、波長λにおける反射光の位相ずれは0またはπである。
入射側媒質の屈折率がDBRの第1の層の屈折率より大きい場合には位相ずれは0となり、逆に第1の層の屈折率より小さい場合には位相ずれはπとなる。
図2(a)に示したDBR210の入射側媒質は屈折率2.54であるとした。第1の層は屈折率2.09であり、第1の層より入射側媒質の屈折率が大きいので、膜厚変調を加えていない場合の反射光の位相ずれは0である。
ここで膜厚変調が加わる場合を考える。
図2(b)は図2(a)のDBR210の膜厚変調の度合いと反射光の位相ずれの関係を計算した結果である。
なお、本計算において、反射率の低下を抑えるために1周期の光学膜厚はλ/2を保つようにした。例えば、低屈折率層の膜厚を薄くする場合はそのぶん高屈折率層の膜厚を厚くして調整する。
図2(b)から、膜厚変調の度合いに比例して反射光の位相が変化していることが読み取れる。
第1の層である低屈折率層211の膜厚を薄くして第2の層である高屈折率層212の膜厚を厚くすると位相が負の方向にずれ、逆に低屈折率層211の膜厚を厚くして高屈折率層212の膜厚を薄くすると位相が正の方向にずれる。
DBRでの光反射時の位相が変化すると、実効的な光路長が伸び縮みすることになる。位相が正の方向にずれる場合は光路長が伸びることと等価であり、位相が負の方向にずれる場合は光路長が縮むことと等価である。
膜厚変調DBRでの反射光の位相ずれの仕組み(どのような構成でどのように位相がずれるか)をより詳細に説明するために、図3に別の計算結果を示す。
光の入射側から見て低屈折率層が先に並んでいる場合、つまり第1の層が低屈折率層である場合(図3(a))と、高屈折率層が先に並んでいる場合、つまり第1の層が高屈折率層である場合(図3(b))の2通りのDBR構造について、平面波を入射した場合の反射光の位相を計算した。
なお、図中の矢印の向きは光の入射方向を表している。
計算に使用したパラメータは、入射側と出射側の屈折率は1.5、低屈折率層の屈折率は1.0、高屈折率層の屈折率は2.0または3.0、DBRのペア数は10とした。
また、ここでもDBRの1周期の光学膜厚はλ/2を保つようにし、その中の膜厚比率を変えて計算を行った。
図3(c)は図3(a)に示した構造の、図3(d)は図3(b)に示した構造の計算結果である。
それぞれ、高屈折率層の屈折率が2.0の場合と3.0の場合をグラフに示している。
図3(c)と図3(d)を比較すると、どちらも位相のずれは膜厚変調の度合いに比例している。しかしグラフの傾きの正負は逆である。
図3(c)では、低屈折率層が厚くなるにしたがって位相ずれが大きくなる。
図3(d)では、低屈折率層が厚くなるにしたがって位相ずれが小さくなる。
これは、光の入射側から見て先に並んでいる層の膜厚が増すと位相が正に、膜厚が減ると位相が負にずれるというように理解できる。また、高屈折率層の屈折率が2.0の場合と3.0の場合の比較より、グラフの傾きの大きさはDBRを構成する層の屈折率に依存することがわかる。
このしくみを簡単なモデルを使って説明する。
図4に、DBR410に平面波が入射した場合の反射の様子をあらわした模式図を示す。光の入射側から第1の層411、第2の層412が並んでおり、それ以降も第1の層、第2の層、第1の層といった具合に第1の層と第2の層が交互に同一周期で積層されている。
なお、ここでは理論を簡略化するために、多重反射を無視して各界面で一度だけ反射された光のみを取り扱うこととする。
DBR410の上側の界面415で反射される光を基準に、各界面で反射されて界面415まで戻ってきた光の位相差を考える。
界面415で反射した光と、界面425で反射して界面415まで戻ってきた光との位相差は、
第1の層の光学膜厚×2×2π/λ+反射時位相ずれπ
であらわされる。
第1の層の光学膜厚がλ/4の場合には位相差は2πとなり、実質的な位相差はない。第1の層の光学膜厚がλ/4より薄い場合には位相差は2πより小さく、λ/4より厚い場合には位相差は2πより大きくなる。
界面415で反射した光と、界面435で反射して界面415まで戻ってきた光との位相差は、次の式であらわされる。

(第1の層の光学膜厚+第2の層の光学膜厚)×2×2π/λ

第1の層の光学膜厚と第2の層の光学膜厚を足し合わせた1周期の光学膜厚がλ/2であれば、界面415と界面435での反射光の位相差は2πとなり、実質的な位相差はない。
前述したように、これ以降の層も第1の層と第2の層を同一周期で積層しているので、これ以降の反射光も位相差という点では同様の関係となる。
結局、1周期の光学膜厚がλ/2を保ったままの膜厚変調DBRの場合は、反射光の位相が無変調DBRに比べて正の方向にずれるか負の方向にずれるかは第1の層の光学膜厚だけで表現することができる。
前述のように、第1の層の光学膜厚がλ/4より薄い場合には位相差は2πより小さく、λ/4より厚い場合には位相差は2πより大きくなる。
全体の反射光は各界面からの反射光の合成波なので、各界面での反射光がそれぞれどの程度の強度をもっているかによって全体に及ぼす影響が変わってくる。各界面での反射光の強度は各界面の反射率に依存する。界面における光の反射率はその界面の前後の屈折率に依存する。そのため、DBRを構成する材料の屈折率が変化すると、図3に示したように位相ずれの大きさが変わる。
以上、膜厚変調DBRでの反射光の位相ずれについて説明した。
図1に、本発明を適用した製造方法で作製されたVCSELの一例を示す。
基板100上に形成された多層膜構造からなるVCSELであり、波長λで共振するように設計されている。
量子井戸構造で形成された活性層140を含む半導体層130の上下に、誘電体DBRで構成された第1の反射鏡110と第2の反射鏡120を対向して配置することで共振器を形成している。
なお、図を簡略化するために反射鏡は3周期だけ図示している。
つぎに、図1のVCSELを作製する工程について説明する。
まず、第1の工程として、基板100上に第1の反射鏡110と半導体層130を形成する。
第1の反射鏡110と半導体層130を同一基板上に続けて成膜することは難しいため、半導体層130は基板100とは別の基板上に結晶成長した後に第1の反射鏡110上に接合し、その後にその基板の除去と研磨による平坦化を行った。
第2の工程で、半導体層130の膜厚を測定する。
半導体層130の厚さは、光学膜厚が2λに相当するように設計されたが、前記第1の工程に研磨工程を含むため、膜厚の精密な制御が難しく、半導体層130の厚さが設計値より薄くなってしまった場合を想定する。
次に、第2の工程において、半導体層130の膜厚は、様々な方法で測定することができる。
物理膜厚を測定する例としては、電子顕微鏡などが挙げられる。
光学膜厚を測定する例としては、反射光や発光のスペクトルを測定してピーク波長やディップ波長から推定する方法や、反射光の光学的位相を干渉計などを用いて測定する方法が挙げられる。
分光エリプソメトリーなどを使用すれば、物理膜厚と屈折率を同時に推定することもできる。
光学膜厚を測定する際に、半導体層130と空気の界面における反射率が小さすぎてピーク波長やディップ波長の検出が困難な場合は、半導体層130の上面に多層膜などを形成して反射率を上げてもよい。形成した多層膜は、測定後に除去してもよいし、VCSELの特性に悪影響を及ぼさないものであればそのまま残してもよい。
なお、半導体層130の膜厚の設計値からのずれを取得できる限り、本工程において半導体層の膜厚を測定することを必須としない。
次に、第3の工程で、第2の工程での測定結果に応じて第2の反射鏡120の膜厚を調整し、半導体層130の上に形成する。
上記第2の工程において、半導体層130の膜厚は設計値より薄くなっていることが判明したため、第2の反射鏡120でそれを補正するように反射光の位相を調整する。
具体的には、無変調DBRに比べて反射光の位相が正の方向にずれるように、正の方向に膜厚変調した膜厚変調DBRを形成する。
その結果、半導体層130が設計値より薄くなった分と、第2の反射鏡で反射光の位相を調整した分が釣り合って、図1のVCSEL
は当初の設計どおり波長λでレーザ発振することができる。
図1の例とは逆に、半導体層の膜厚が設計値より厚くなってしまった場合は、無変調DBRに比べて反射光の位相が負の方向にずれるように、負の方向に膜厚変調した膜厚変調DBRを第2の反射鏡として形成すればよい。
本発明において膜厚変調DBRを使用する場合、DBRの全ての層を一様に膜厚変調する必要は無い。DBRを構成する一部の層のみ膜厚変調を行った構成であってもよい。
一部の層のみ膜厚変調を行ったDBRを一部膜厚変調DBRと呼ぶこととする。一部膜厚変調DBRでも、その膜厚変調の度合いに応じて反射光の位相は変化する。したがって、共振波長のずれに合わせて膜厚変調の度合いを調整することで、本発明の効果を得ることが可能である。
本発明において、DBRの各層の界面が急峻ではなく組成が連続的に変化するグレーデッドDBRと呼ばれる構造を使用することも可能である。その場合、組成が連続的に変化している領域(グレーデッド領域)の中心を疑似的な界面とみなして膜厚を見積もる。
本発明は特定の材料系に限らず、DBRを形成することが可能なあらゆる材料系に適用することができる。DBRは誘電体多層膜や半導体多層膜で構成することができる。材料の組み合わせとしては、例えば、GaN/AlGaN、GaN/AlInN、InGaN/GaN、GaAs/AlGaAs、GaInAsP/InP、TiO/SiO、Ta/SiO、Nb/SiOなどである。
本発明を適用した面発光レーザは、複写機、レーザプリンタなどの画像形成装置が有す
る感光ドラムへ描画を行うための光源としても利用することができる。また、本発明を適用した面発光レーザを同一平面上に複数配列してアレイ光源として使用してもよい。
以下に、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下に説明する実施例の構成に限定されるものではない。例えば、材料の種類や組成、形状や大きさは本発明の範囲内で適宜変更できる。
以下の実施例では、レーザ発振波長として400nm付近のものを示したが、適切な材料・構造の選択により、任意の波長での動作も可能である。
本実施例として、本発明の製造方法を適用して作製したVCSELについて、図5を用いて説明する。図5(a)は、本実施例におけるVCSELの層構造を示す断面模式図である。
本実施例におけるVCSELは窒化物半導体と誘電体で形成され、真空中の波長λ=400nmでレーザ発振するように設計されている。
第1の工程として、Si基板500上に第1の反射鏡510と半導体層530を形成した。
第1の反射鏡510は、五酸化ニオブ(Nb)と二酸化ケイ素(SiO)を交互にλ/4ずつの厚さで11ペア積層して構成された誘電体DBRである。
半導体層530は、InGaNの量子井戸構造で形成された活性層540を含むGaN層で構成されている。
半導体層530はSi基板500とは別のサファイア基板上に結晶成長した後に第1の反射鏡510上に接合し、その後にレーザリフトオフによるサファイア基板の除去と研磨による平坦化を行った。
第2の工程で、半導体層530の膜厚を測定した。
半導体層530の厚さは、光学膜厚が2λに相当するように設計されたが、前記第1の工程に研磨工程を含むため、膜厚の精密な制御が難しい。
半導体層530の膜厚は、第1の工程後に半導体層530の上から光を入射して反射スペクトルを測定し、その結果から推定した。ディップ波長が393nm付近に見られたことから、物理膜厚で8nm程度設計値より薄くなっていると推定された。
第3の工程で、第2の工程での測定結果に応じて第2の反射鏡520の膜厚を調整し、半導体層530の上に形成した。
第2の反射鏡520は、NbとSiOを交互に7ペア積層して構成された誘電体DBRである。
第2の工程において、半導体層530の膜厚
は設計値より薄くなっていることが判明しているため、第2の反射鏡520ではそれを補正するように反射光の位相を調整した。具体的には、無変調DBRに比べて反射光の位相が正の方向にずれるように、SiOを0.385λ、Nbを0.115λの厚さで形成した膜厚変調DBRとした。
図5(b)に示した計算結果を用いて、その効果を説明する。
横軸は第2の反射鏡520を構成するSiO層の厚さを示している。なお、本実施例においても膜厚変調時にDBRの1周期の光学膜厚がλ/2を保つようにしている。
縦軸はVCSELの共振波長を示している。
第2の反射鏡520を無変調DBRで構成した場合、つまり横軸の値が0.25λの場合は、共振波長は393nm付近となる。一方、本実施例では第2の反射鏡520を前述したように膜厚変調DBRで構成し、横軸の値が0.385λとなるようにしている。
その結果、設計どおりの波長400nm付近でレーザ発振させることができる。
100:基板
110:第1の反射鏡
120:第2の反射鏡
130:半導体層
140:活性層

Claims (10)

  1. 基板上に、第1の反射鏡、活性層および第2の反射鏡を有する垂直共振器型面発光レーザの製造方法であって、
    前記基板上に、前記第1の反射鏡と前記活性層を含む多層膜構造を形成する第1の工程と、
    前記第1の工程で形成した前記多層膜構造の膜厚の設計値からのずれを取得する第2の工程と、
    前記第2の工程において取得された前記多層膜構造の膜厚の設計値からのずれに応じて、前記第2の反射鏡における反射時の位相がずれるように該第2の反射鏡の膜厚を調整する工程と、
    を含むことを特徴とする垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  2. 前記第1の工程に、前記多層膜構造を研磨する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  3. 前記第2の工程に、前記多層膜構造の上面に多層膜を形成して反射率を上げて前記ずれを取得する工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  4. 前記第2の反射鏡が、膜厚変調DBRで構成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  5. 前記膜厚変調DBRは、一部の層が膜厚変調された層で構成されている膜厚変調DBRを含むことを特徴とする請求項4に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  6. 前記多層膜構造が、窒化物半導体を含み構成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  7. 前記第1および第2の反射鏡が、誘電体多層膜で構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  8. 前記第1および第2の反射鏡が、半導体多層膜で構成されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  9. 前記第1および第2の反射鏡が、組成が連続的に変化するグレーデッドDBRで構成されることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
  10. 前記第2の工程は、前記多層膜構造の膜厚を測定する工程と、前記測定する工程において測定された前記多層膜構造の膜厚の測定値と前記多層膜構造の膜厚の設計値とのずれを取得する工程とを含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザの製造方法。
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