JP2014224706A - 二次電池診断装置及び二次電池診断方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】参照用データ保持部2は、データ収集測定二次電池の劣化要因に関する情報と、データ収集測定二次電池の複素インピーダンスに関する情報とが関連付けられた参照用データを記憶する。インピーダンス算出部3は、被測定二次電池1の複素インピーダンスを算出する。劣化要因推定部4は、参照用データ保持部2に記憶された参照用データと、インピーダンス算出部3により算出された複素インピーダンスの出力情報とにより、被測定二次電池1の劣化要因を推定する。
【選択図】図1
Description
これら大容量の高容量密度の二次電池では、従来の一般的な二次電池に比べ、容量が大きいだけではなく、自動車内、屋外など温度環境が格段に厳しい条件下で長期間にわたって既定の仕様を満足する状態を維持することが要求されている。
このような劣化を起こした電池では、正規の方法で充電を行っても仕様のように電池容量を回復することができなかったり、或いは、仕様のように電力が引き出せないなどの現象を呈する場合がある。
しかしながら、現在のところ、実際の二次電池の使用の場において劣化の程度を十分な精度で推定する方法は未だ確立しておらず、一般的には、電池特性の劣化の程度を大まかに推定しているに過ぎない。
これまでに提案されている二次電池の劣化の程度を推定する方法のうち主なものは、以下のようなものがある。
(2)放電、放電休止、充電、充電休止の充放電サイクルを与えて放電中止時と充電中止時の電圧を計測する方法。例えば、二次電池に対して電流の放電、放電中止後の休止、電流の充電、充電中止後の休止を所定時間行う単位充放電サイクルを1回又は連続して複数回繰り返し、最後の単位充放電サイクルにおける放電の中止時の電圧と充電の中止時の電圧との電圧差を求め、予め設定した所定の設定値とこの電圧差とを比較して二次電池の劣化状態を判定する。
セルがリチウムイオン電池である場合は、過充電及び/又は過放電保護回路によって、充電時には最大電圧、放電時には最小電圧が制限される。このために、多数直列接続されたセル間の電圧がばらつくと以下の問題が生じる。
また、特許文献2では、交流インピーダンスの絶対値又は実数部の値から電池容量を推定している。
また、特許文献3では、交流インピーダンスの虚数部の値が0に近い周波数での絶対値または実数部の値から電池容量を推定している。
また、特許文献5では、交流インピーダンス法によるインピーダンス測定データを基に、サイクル劣化により劣化した二次電池においてのみ、現在の劣化状態を推定し、放電容量を推定している。
また、特許文献4では、放電容量の推定の仕方については開示していない。また、劣化領域と領域ごとの交流インピーダンスの値と最大出力密度の関係についても開示していない。
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記複素インピーダンスが、異なる周波数を用いて算出される複素インピーダンスであることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記複素インピーダンスが、特定の周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部と、前記特定の周波数とは異なる周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部であることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記複素インピーダンスが、異なる周波数を用いて算出される複素インピーダンスであることを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、請求項6,7又は8に記載の発明において、前記複素インピーダンスが、特定の周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部と、前記特定の周波数とは異なる周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部であることを特徴とする。
なお、本発明では、複数の二次電池を各種条件で劣化させ、劣化要因ごとに複素インピーダンスや容量といったデータを収集し、それらのデータに関する情報を関連付けることによって参照用データを作成する。このようなデータ収集を行うための二次電池をデータ収集測定二次電池と称する。また、実際の使用に供され、劣化要因や容量に関する情報を診断する対象となる二次電池を被測定二次電池と称する。当然のことながら、データ収集測定二次電池と被測定二次電池は、同一材料、同一設計、同一製造プロセスで作られた同じ製品の二次電池である。
また、「電流容量」とは、充電電流容量と放電電流容量の総称をいう。また、「充電電流容量」とは、電池が完全放電状態から満充電状態になる間に蓄えられた電気量を示す。また、「満充電状態」とは、仕様の充電電圧に達した状態をいう。また、「完全放電状態」とは、仕様の放電電圧に達した状態をいう。
本実施例1の二次電池診断装置は、充電又は放電の際に二次電池の電池状態を判定する二次電池診断装置である。
また、劣化要因推定部4は、参照用データ保持部2に記憶された参照用データと、インピーダンス算出部3により算出された複素インピーダンスの出力情報とにより、被測定二次電池1の劣化要因を推定するものである。また、診断判定部5は、劣化要因推定部4の推定結果に基づいて診断判定を行い、その診断結果を出力するものである。
また、複素インピーダンスは、特定の周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部と、特定の周波数とは異なる周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部であることがより好ましい。
本実施例2の二次電池診断装置における参照用データ保持部2には、データ収集測定二次電池の劣化要因に関する情報と、データ収集測定二次電池の複素インピーダンスに関する情報と、さらにデータ収集測定二次電池の容量に関する情報とが関連付けられた参照用データが記憶されている。
また、容量推定部6は、参照用データと、劣化要因推定部4からの出力情報と、インピーダンス算出部3により算出された複素インピーダンスの出力情報とにより、被測定二次電池1の容量に関する情報を推定するものである。
まず、所定の条件(劣化要因)で劣化させたデータ収集測定二次電池の充放電データと、EIS(Electrochemical Impedance Spectrocopy:電気化学インピーダンス分光法)測定による複素インピーダンスデータを取得し、これら測定データを保存することによるデータ収集を実施する(ステップS1)。次に、データ収集により取集された複素インピーダンスより特徴量を決定し、特徴量データを作成する(ステップS2)。次に、特徴量データから学習用データと評価用データを作成し、学習用データから評価用劣化要因モデルを作成する(ステップS3)。次に、評価用データを用いて評価用劣化要因モデルの推定精度の評価を実施する(ステップS4)。次に、推定精度は所定の精度以上かどうかを判断する(ステップS5)。次に、精度以下であれば、ステップS2に戻り、精度以上であれば、各評価用劣化要因モデルを劣化要因モデル(識別関数)として採用する(ステップS6)。次に、電池状態を判定する対象の被測定二次電池において特徴量を測定する(ステップS7)。次に、劣化要因モデルと被測定二次電池の特徴量を比較する(ステップS8)。次に、比較結果により被測定二次電池の劣化要因を推定する(ステップS9)。上述したステップS2において特徴量データを作成した後に、特徴量データと、データ収集測定二次電池の容量に関する情報との関係データを劣化要因別に作成する(ステップS10)。次に、被測定二次電池の推定された劣化要因と劣化要因別に作成されたデータ収集測定二次電池の容量に関する情報との関係データから被測定二次電池の容量を推定する(ステップS11)。
正極材にコバルト酸リチウム(LiCoO2)、負極材に炭素系材料を使った市販のノートPCバッテリ用高電流容量(2.5Ah)18650円筒電池(以下、「A電池」という)でのデータ収集を実施する。標準環境を室温(25℃)とし、劣化を進める条件(劣化要因)は、次の6種類とした。
1)25℃環境下でのサイクル劣化(25℃サイクル劣化)
2)45℃環境下でのサイクル劣化(45℃サイクル劣化)
3)60℃環境下でのサイクル劣化(60℃サイクル劣化)
4)25℃環境下での満充電保存劣化(25℃保存劣化)
5)45℃環境下での満充電保存劣化(45℃保存劣化)
6)60℃環境下での満充電保存劣化(60℃保存劣化)
サイクル劣化の充放電プロファイルは、この「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」と「0.5C3.0V打ち切りCC放電」を所定の時間の休止(充電も放電も行わない状態)を挟んで繰り返すものとした。
サイクル劣化の容量測定の充放電プロファイルは、最初に3時間の休止(被検電池が標準環境と同一温度になるのを待つ時間)を行い、その後に「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」を行い、10分間の休止の後に「0.5C3.0V打ち切りCC放電」を行い、10分間の休止の後に「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」を行い、10分間の休止という「3時間休止−充電−休止−放電−休止−充電−休止」を1回行う充放電プロファイルである。
A電池の満充電状態は、標準環境下での「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」による充電直後の状態とする。同様に、完全放電状態は、標準環境下での「0.5C3.0V打ち切りCC放電」による放電直後の状態とする。
満充電劣化の容量測定の充放電プロファイルは、最初に3時間の休止(被検電池が標準環境と同一温度になるのを待つ時間)を行い、その後に「0.5C3.0V打ち切りCC放電」を行い、10分間の休止の後に「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」を行い、10分間の休止の後に「0.5C3.0V打ち切りCC放電」を行い、10分間の休止の後に「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」を行い、10分間の休止という「3時間休止−放電−休止−充電−休止−放電−休止−充電−休止」を1回行う充放電プロファイルである。
なお、劣化要因下の影響を排除するため、使用する容量の測定値は、各容量測定プロファイルの後半の放電と充電を採用した。
但し、60℃サイクル劣化の被検電池は、70%に達する前に故障が起こったため、故障発生時でデータ収集を終了した。また、25℃保存劣化は劣化速度が遅いため、概ね80%になった時点までのデータの収集である。さらに、25℃保存劣化の測定間隔は、途中から1ヶ月から2ヶ月程度の間隔としている。
1Cは、定格電流容量で決定したが、各被検電池に対しては、劣化前の初期状態で充電電流容量、放電電流容量、充電電力容量、放電電力容量を標準環境下にて満充電劣化の容量測定の充放電プロファイルを使って測定している。電流容量低下の割合である電流容量維持率は、この初期値を基に算出している。各周波数の複素インピーダンスに関しても各被検電池に対しては、劣化前の初期状態でEISプロファイルで測定している。また、本発明における実施例では、特に断りがある場合を除き、容量は放電容量を用い、電流容量は放電電流容量を用い、容量維持率は放電電流容量維持率を用いる。
まず、標準環境で劣化前新品のデータ収集測定二次電池の初期容量を測定する(ステップS21)。次に、複数の所定の条件(劣化要因)でデータ収集測定二次電池を劣化させる(ステップS22)。次に、定期的にデータ収集測定二次電池を標準環境に移し、所定の充放電プロファイルにより容量と、所定のEISプロファイルによるEIS測定により各周波数の複素インピーダンスを測定する(ステップS23)。次に、測定値した容量と初期容量から劣化度(容量維持率=(容量/初期容量)×100)を算出する(ステップS24)。次に、容量、劣化度及び測定した各周波数の複素インピーダンスを保存する(ステップS25)。次に、劣化度は所定の閾値以上かどうかを判断する(ステップS26)。次に、閾値以上であれば、ステップS22に戻り、閾値以下であれば、データ収集を完了する(ステップS27)。
A電池で収集した複素インピーダンスの値の中で容量維持率93%から70%のデータに対して、4.0V休止後に、次に示す周波数のデータを抽出した。
0.1Hz、4Hz(3.99Hz)、10Hz、50.2Hz、100Hz、1,000Hz
上記のデータに関して、分離する劣化要因を分離するための特徴量となる複素インピーダンスの「異なる周波数の実数部の値と実数部の値」、「異なる周波数の虚数部の値と虚数部の値」、「異なる周波数の実数部の値と虚数部の値」又は「同じ周波数の実数部の値と虚数部の値」の組を選択するために、X軸をインピーダンスの虚数部、Y軸をインピーダンスの実数部としたグラフ36種類(各周波数の虚数部と実数部の異なる組み合わせ全て)、X軸をインピーダンスの実数部、Y軸をインピーダンスの実数部としたグラフ15種類(各周波数の実数部と実数部の異なる組み合わせ全て)、X軸をインピーダンスの虚数部、Y軸をインピーダンスの虚数部としたグラフ15種類(各周波数の虚数部と虚数部の異なる組み合わせ全て)を観察し特徴量を決定した。
なお、ここで、容量維持率93%から70%のデータと言っている各劣化要因での実際の測定データのサンプル数と容量維持率の範囲は以下の通りで、合計133サンプルである。
25℃サイクル:19サンプル(容量維持率:91.9%〜71.1%)
45℃サイクル:25サンプル(容量維持率: 90.4%〜71.0%)
60℃サイクル:18サンプル(容量維持率: 92.9%〜73.2%)
25℃保存:32サンプル(容量維持率: 93.0%〜81.1%)
45℃保存:28サンプル(容量維持率: 92.1%〜69.1%)
60℃保存:11サンプル(容量維持率: 92.8%〜70.2%)
「45℃サイクルと60℃サイクルの組」分離後の「25℃サイクル、25℃保存、45℃保存と60℃保存の組」だけを取り出して100Hzの複素インピーダンス虚数部と1,000Hzの複素インピーダンス実数部の関係を見ると、「25℃保存」が他の「25℃サイクル、45℃保存と60℃保存の組」から分離できることが示唆される(図7の破線)。すなわち、100Hzの複素インピーダンス虚数部と1,000Hzの複素インピーダンス実数部は「25℃保存」と他の「25℃サイクル、45℃保存と60℃保存の組」を分離するための特徴量となることがわかる。
「25℃保存」分離後の「25℃サイクル、45℃保存と60℃保存の組」だけを取り出して4Hzの複素インピーダンス虚数部と1,000Hzの複素インピーダンス実数部の関係を見ると、「60℃保存」が他の「25℃サイクルと45℃保存の組」から分離できることが示唆される(図8の破線)。すなわち、4Hzの複素インピーダンス虚数部と1,000Hzの複素インピーダンス実数部は「60℃保存」と他の「25℃サイクルと45℃保存の組」を分離するための特徴量となることがわかる。
「60℃保存」分離後の「25℃サイクルと45℃保存の組」だけを取り出して0.1Hzの複素インピーダンス虚数部と0.1Hzの複素インピーダンス実数部の関係を見ると、「25℃サイクル」と「45℃保存」から分離できることが示唆される(図9の破線)。すなわち、0.1Hzの複素インピーダンス虚数部と0.1Hzの複素インピーダンス実数部は、「25℃サイクル」と「45℃保存」を分離するための特徴量となることがわかる。
ステップS33で「100Hzの複素インピーダンス虚数部と1,000Hzの複素インピーダンス実数部」を特徴量として「25℃保存」と他の「25℃サイクル、45℃保存と60℃保存の組」を分離する。
A電池の4.0V休止後の2次元特徴量での劣化要因推定精度を評価するために、評価用劣化要因モデル作成のための学習用データと、学習用データで作成した評価用劣化モデルの劣化要因推定精度を評価するための評価用データを作成した。その上で、学習用データでSVM(Support Vector Machine;サポートベクターマシン)による評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成した。SVM(サポートベクターマシン)は、教師あり学習を用いる識別手法の一つであり、パターン認識や回帰分析へ適用できる。また、このサポートベクターマシンは、現在知られている多くの手法の中で一番認識性能が優れた学習モデルの一つである。評価用データを、作成した劣化要因モデルを使って劣化要因の推定(分離)し、どの程度正しく推定できたかの割合により劣化要因推定精度を評価した。以下にステップごとに詳細を説明する。なお、学習用データは次の3点を考慮して選ぶ。
2)複数の劣化要因を含む劣化要因の組の場合、各劣化要因の特徴量の個数が各劣化要因のデータ数に概ね比例するようにする。
3)各劣化要因の学習用データに含まれる特徴量に対応する劣化度(容量維持率)が偏らないように選ぶ。
ステップS31;「45℃サイクルと60℃サイクルの組」と「25℃サイクル、25℃保存、45℃保存と60℃保存の組」を分離、特徴量は「100Hzの複素インピーダンス虚数部と0.1Hzの複素インピーダンス実数」での学習データと評価データと評価用劣化要因モデルの作成は次のように行った。
「45℃サイクル」の特徴量のデータは25サンプル、「60℃サイクル」の特徴量は18サンプルで合計43サンプルであった。一方「25℃サイクル」の特徴量のデータは19サンプル、「25℃保存」の特徴量は32サンプル、「45℃保存」の特徴量のデータは28サンプル、「60℃保存」の特徴量のデータは11サンプルで合計90サンプルであった。
「25℃保存」の特徴量は32サンプルである、一方「25℃サイクル」の特徴量のデータは19サンプル、「45℃保存」の特徴量のデータは28サンプル、「60℃保存」の特徴量のデータは11サンプルで合計58サンプルである。
容量維持率の値で並べた「25℃サイクル」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうからなるべく等間隔になるように抜き出して全部で5サンプル選び、これを学習用データとした。同様に容量維持率の値で並べた「45℃保存」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうからなるべく等間隔になるように抜き出して全部で8サンプル選び、これを学習用データとした。同様に「60℃保存」の特徴量を全部で3サンプル選び、これを学習用データとした。これら合計16サンプルを「25℃サイクル、45℃保存と60℃保存の組」の学習用データとし、残り42サンプルを評価用データとした。
「60℃保存」の特徴量は11サンプルである、一方「25℃サイクル」の特徴量のデータは19サンプル、「45℃保存」の特徴量のデータは28サンプルで合計47サンプルである。
容量維持率の値で並べた「25℃サイクル」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうからなるべく等間隔になるように抜き出して全部で5サンプル選び、これを学習用データとした。同様に容量維持率の値で並べた「45℃保存」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうからなるべく等間隔になるように抜き出して全部で8サンプル選び、これを学習用データとした。これら合計13サンプルを「25℃サイクルと45℃保存の組」の学習用データとし、残り34サンプルを評価用データとした。
ステップS34で選んだ「25℃サイクル」の学習用データ5サンプルを学習用データとし、残り14サンプルを評価用データとした。同様にステップS34で選んだ「45℃保存」の学習用データ8サンプルを学習用データとし、残り20サンプルを評価用データとした。
A電池で決定した2次元特徴量は、「100Hzの複素インピーダンス虚数部と0.1Hzの複素インピーダンス実数」「0.1Hzの複素インピーダンス虚数部と4Hzの複素インピーダンス虚数部」「100Hzの複素インピーダンス虚数部と1,000Hzの複素インピーダンス実数部」「4Hzの複素インピーダンス虚数部と1,000Hzの複素インピーダンス実数部」「0.1Hzの複素インピーダンス虚数部と0.1Hzの複素インピーダンス実数部」であった。
ステップS71;「45℃サイクルと60℃サイクルの組」と「25℃サイクル、25℃保存、45℃保存と60℃保存の組」を分離、特徴量は「0.1Hz、4Hz、100Hz、1,000Hzの4周波数の複素インピーダンスからなる8次元データ」である。
「45℃サイクルと60℃サイクルの組」の学習用データ22サンプルと「25℃サイクル、25℃保存、45℃保存と60℃保存の組」の学習用データ25サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成した。次に、「45℃サイクルと60℃サイクルの組」の評価用データ21サンプルと「25℃サイクル、25℃保存、45℃保存と60℃保存の組」の評価用データ65サンプル合計86サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち1サンプルが誤推定され劣化要因推定精度は98.8%であった。
学習用データと評価用データの作成方法(選び方)は2次元特徴量でのステップ32と同様の方法で行った。
学習用データと評価用データの作成方法(選び方)は、2次元特徴量でのステップ33と同様の方法で行った。
学習用データと評価用データの作成方法(選び方)は2次元特徴量でのステップS34と同様の方法で行った。
学習用データと評価用データの作成方法(選び方)は、2次元特徴量でのステップS35と同様の方法で行った。
なお、SVMはサンプルを二つに分けるモデル(評価関数)しか作ることができないため、m種類の劣化要因のどれに当たるかを推定(分離)する場合、m−1ステップを準備する必要があり、その推定(分離)順番を適切に選ぶことが、推定精度を上げる上で必要である。その順番はn種類の周波数の複素インピーダンスを選ぶ際に検討した2次元特徴量から決定すのが適切である。
A電池で収集した複素インピーダンスの値の中で容量維持率93%から70%のデータで3.2V休止後に対して、次に示す4.0V休止後と同じ周波数のデータを抽出した。
0.1Hz、4Hz(3.99Hz)、10Hz、50.2Hz、100Hz、1,000Hz
3.2V休止後でも、4.0V休止後と同様に上記のデータに関して、X軸をインピーダンスの虚数部、Y軸をインピーダンスの実数部としたグラフ36種類(各周波数の虚数部と実数部の異なる組み合わせ全て)、X軸をインピーダンスの実数部、Y軸をインピーダンスの実数部としたグラフ15種類(各周波数の実数部と実数部の異なる組み合わせ全て)、X軸をインピーダンスの虚数部、Y軸をインピーダンスの虚数部としたグラフ15種類(各周波数の虚数部と虚数部の異なる組み合わせ全て)を観察した。
まず、2次元の特徴量で次に示すステップS91からステップS95の5ステップでA電池の6種類の劣化要因を分離できることがわかった。
ステップS91で図12に示すように「4Hzの複素インピーダンス虚数部と100Hzの複素インピーダンス実数」を特徴量として「60℃サイクルと60℃保存の組」と他の「25℃サイクル、45℃サイクル、25℃保存と45℃保存の組」の分離が可能であることが示唆される。
ステップS92で図13に示すように「100Hzの複素インピーダンス虚数部と0.1Hzの複素インピーダンス実数部」を特徴量として「60℃サイクル」と「60℃保存」の分離が可能であることが示唆される。
ステップS93で図14に示すように「4Hzの複素インピーダンス虚数部と1,000Hzの複素インピーダンス実数部」を特徴量として「25℃保存」と他の「25℃サイクル、45℃サイクルと45℃保存の組」の分離が可能であることが示唆される。
ステップS94で図15に示すように「4Hzの複素インピーダンス虚数部と100Hzの複素インピーダンス虚数部」を特徴量として「45℃サイクル」と他の「25℃サイクルと45℃保存の組」の分離が可能であることが示唆される。
ステップS95で図16に示すように「0.1Hzの複素インピーダンス虚数部と4Hzの複素インピーダンス虚数部」を特徴量として「25℃サイクル」と「45℃保存」の分離が可能であることが示唆される。
ステップS91;「60℃サイクル」の特徴量のデータは18サンプル、「60℃保存」の特徴量は11サンプルで合計29サンプルであった。一方「25℃サイクル」の特徴量のデータは19サンプル、「45℃サイクル」の特徴量のデータは25サンプル、「25℃保存」の特徴量は32サンプル、「45℃保存」の特徴量のデータは28サンプル、で合計104サンプルであった。
「60℃サイクル」の学習用データ9サンプルと「60℃保存」の学習用データ6サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成した。次に、「60℃サイクル」の評価用データ9サンプルと「60℃保存」の評価用データ6サンプル合計15サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
容量維持率の値で並べた「25℃保存」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうから一つ置きに全部で16サンプル選び、これを学習用データとし、残り16サンプルを評価用データとした。
容量維持率の値で並べた「45℃サイクル」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうから一つ置きに全部で13サンプル選び、これを学習用データとし、残り12サンプルを評価用データとした。
「25℃サイクル」の学習用データ5サンプルと「45℃保存」の学習用データ8サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成した。次に、「25℃サイクル」の評価用データ14サンプルと「45℃保存」の評価用データ20サンプル合計34サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
A電池で収集した複素インピーダンスの値の中で容量維持率93%から70%のデータで3.2V休止後に対して、抽出した周波数0.1Hz、4Hz(3.99Hz)、10Hz、50.2Hz、100Hz、1,000Hzのデータを観察すると、4.0V休止後と同様の0.1Hz、4Hz、100Hz、1,000Hzの4種類だけではなく、4Hz,10Hz,100Hzの3種類の周波数のデータであってもA電池の6種類の劣化要因を分離できることがわかった。
図18は、すべての劣化要因の4Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)と10Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)との関係を示す図である。
図19は、60℃サイクルと60℃保存の4Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)と100Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)との関係を示す図である。
図20は、60℃サイクルと60℃保存を除いた25℃サイクル、45℃サイクル、25℃保存と45℃保存の4Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)と10Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)との関係を示す図である。
図21は、さらに25℃サイクルを除いた45℃サイクル、25℃保存と45℃保存の4Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)と100Hzの複素インピーダンス実数部(Ω)との関係を示す図である。
図22は、さらに25℃保存を除いた45℃サイクルと45℃保存の10Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)と100Hzの複素インピーダンス虚数部(Ω)との関係を示す図である。
以上で確認できた2次元特徴量は、「4Hzの複素インピーダンス虚数部と10Hzの複素インピーダンス虚数部」「4Hzの複素インピーダンス虚数部と100Hzの複素インピーダンス虚数部」「4Hzの複素インピーダンス虚数部と10Hzの複素インピーダンス虚数部」「4Hzの複素インピーダンス虚数部と100Hzの複素インピーダンス実数部」「10Hzの複素インピーダンス虚数部と100Hzの複素インピーダンス虚数部」であり、4Hz、10Hz、100Hzの3周波数の複素インピーダンスの虚数部、実数部からなる6次元のデータは劣化要因分離(推定)の特徴量として使えることがわかる。
ステップS101;学習用データと評価用データの作成方法(選び方)は、8次元特徴量でのステップ1と同様の方法で行った。
「60℃サイクル」の学習用データ9サンプルと「60℃保存」の学習用データ6サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成した。次に、「60℃サイクル」の評価用データ9サンプルと「60℃保存」の評価用データ6サンプル合計15サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
容量維持率の値で並べた「25℃サイクル」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうから一つ置きに全部で9サンプル選び、これを学習用データとし、残り10サンプルを評価用データとした。
容量維持率の値で並べた「25℃保存」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうから一つ置きに全部で16サンプル選び、これを学習用データとし、残り16サンプルを評価用データとした。
容量維持率の値で並べた「45℃サイクル」の特徴量のデータを、容量維持率の大きいほうから一つ置きに全部で12サンプル選び、これを学習用データとし、残り13サンプルを評価用データとした。
「45℃サイクル」の学習用データ12サンプルと「45℃保存」の学習用データ14サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成した。次に、「45℃サイクル」の評価用データ13サンプルと「45℃保存」の評価用データ14サンプル合計27サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
A電池4.0V休止後において2次元特徴量データを作成する際に、異なる周波数の虚数部と実数部、または異なる周波数の虚数部と虚数部を使用した。しかし、同一周波数の実数部と虚数部を使って2次元特徴量データを作成することで劣化要因の分離することも可能である。具体的にA電池4.0V休止後の0.1Hz、4Hz、100Hzの複素インピーダンスデータで見てみる。
図29は、4Hzの複素インピーダンスの実数部(Ω)と容量維持率(%)との関係を示す図(その1)である。A電池において、容量維持率93%から70%のデータで、4.0V休止後の8次元特徴量に含まれる4Hzの複素インピーダンスの実数部をX軸、4Hzの複素インピーダンスの実数部のデータに対応する容量維持率をY軸にとったグラフを図29に示す。容量維持率97%から80%の各劣化要因での実際の測定データのサンプル数と容量維持率の範囲は以下の通りで、合計133サンプルである。
45℃サイクル:25サンプル(容量維持率: 90.4%〜71.0%)
60℃サイクル:18サンプル(容量維持率: 92.9%〜73.2%)
25℃保存:32サンプル(容量維持率: 93.0%〜81.1%)
45℃保存:28サンプル(容量維持率: 92.1%〜69.1%)
60℃保存:11サンプル(容量維持率: 92.8%〜70.2%)
これらのデータで4.0V放電休止後の4Hz複素インピーダンス実数値から容量維持率を推定する場合の推定精度を検証する。
この精度(近似曲線の容量維持率推定精度)を実測されたサンプルの容量維持率と、そのサンプルの4.0V放電休止後の4Hz複素インピーダンス実数値を近似曲線に代入し得られた容量維持率との誤差をΔCとしたとき、ΔCの標準偏差の2倍(2σΔC)、すなわち、ΔCが正規分布すると仮定した場合、推定値から±何パーセントの幅を想定すれば95%の実測値がその誤差の間に入るか、で評価する。2σΔCが0%に近いほど、推定精度が高いことになる。
全データ:133サンプル(2σΔC=5.83%)
25℃サイクル:19サンプル(2σΔC=7.98%)
45℃サイクル:25サンプル(2σΔC=4.02%)
60℃サイクル:18サンプル(2σΔC=3.06%)
25℃保存:32サンプル(2σΔC=2.93%)
45℃保存:28サンプル(2σΔC=3.92%)
60℃保存:11サンプル(2σΔC=4.04%)
各劣化要因ごとの精度評価値は、各劣化要因のデータだけで近似曲線に対する2σΔCを計算した結果である。
25℃サイクルのサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図31に示す。このときの2σΔCは5.95%である。この精度は全データでの推定精度5.83%より少し悪く、全データを使った近似曲線で25℃サイクルの推定精度7.98%よりは精度が高くなっている。
45℃サイクルのサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図32に示す。このときの2σΔCは3.30%である。この精度は全データでの推定精度5.83%、全データを使った近似曲線で45℃サイクルの推定精度4.02%より精度が高くなっている。
60℃サイクルのサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図33に示す。このときの2σΔCは2.59%である。この精度は全データでの推定精度5.83%、全データを使った近似曲線で60℃サイクルの推定精度3.06%より精度が高くなっている。
25℃保存のサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図34に示す。このときの2σΔCは1.88%である。この精度は全データでの推定精度5.83%、全データを使った近似曲線で25℃保存の推定精度2.93%より精度が高くなっている。
45℃保存のサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図35に示す。このときの2σΔCは2.98%である。この精度は全データでの推定精度5.83%、全データを使った近似曲線で45℃保存の推定精度3.92%より精度が高くなっている。
60℃保存のサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図36に示す。このときの2σΔCは1.46%である。この精度は全データでの推定精度5.83%、全データを使った近似曲線で60℃保存の推定精度4.04%より精度が高くなっている。
複素インピーダンスは、実数部に限らず虚数値を用いても同様である。
図37は、4Hzの複素インピーダンスの虚数部(Ω)と容量維持率(%)との関係を示す図(その1)である。A電池において、容量維持率93%から70%のデータで、4.0V休止後の8次元特徴量に含まれる4Hzの複素インピーダンスの虚数部をX軸、4Hzの複素インピーダンスの虚数部のデータに対応する容量維持率をY軸にとったグラフを図37に示す。4.0V放電休止後の4Hz複素インピーダンス実数値の場合と同じ容量維持率97%から80%の各劣化要因での実際の測定データ、合計133サンプルにおいて、4.0V放電休止後の4Hz複素インピーダンス虚数値から容量維持率を推定する場合の推定精度を検証する。
この精度(近似曲線の容量維持率推定精度)を実測されたサンプルの容量維持率と、そのサンプルの4.0V放電休止後の4Hz複素インピーダンス虚数値を近似曲線に代入し得られた容量維持率との誤差をΔCとしたとき、ΔCの標準偏差の2倍(2σΔC)、すなわち、ΔCが正規分布すると仮定した場合、推定値から±何パーセントの幅を想定すれば95%の実測値がその誤差の間に入るか、で評価する。2σΔCが0%に近いほど、推定精度が高いことになる。
全データ:133サンプル(2σΔC=8.42%)
25℃サイクル:19サンプル(2σΔC=8.89%)
45℃サイクル:25サンプル(2σΔC=6.05%)
60℃サイクル:18サンプル(2σΔC=4.69%)
25℃保存:32サンプル(2σΔC=3.58%)
45℃保存:28サンプル(2σΔC=7.40%)
60℃保存:11サンプル(2σΔC=9.73%)
各劣化要因ごとの精度評価値は、各劣化要因のデータだけで近似曲線に対する2σΔCを計算した結果である。
45℃サイクルのサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線の近似曲線では2σΔCは3.17%である。この精度は全データでの推定精度8.42%、全データを使った近似曲線で45℃サイクルの推定精度6.05%より精度が高くなっている。
25℃保存のサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線での近似曲線では2σΔCは2.48%である。この精度は全データでの推定精度8.42%、全データを使った近似曲線で25℃保存の推定精度3.58%より精度が高くなっている。
60℃保存のサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線での近似曲線では2σΔCは2.29%である。この精度は全データでの推定精度8.42%、全データを使った近似曲線で60℃保存の推定精度9.74%より精度が高くなっている。
以上の結果より、劣化要因を推定識別することにより容量維持率の推定精度が向上することが判る。
これらの結果から、今回のA電池で測定した4.0V休止後の8次元特徴量をSVNを劣化要因モデルとして使い、データ収集測定二次電池とは別に劣化させた被測定二次電池の容量維持率を推定する場合について述べる。
被測定二次電池の特徴量(0.1Hz、4Hz、100Hz、1,000Hzの4周波数の複素インピーダンス)を測定する。図1及び図2ではこれらの測定が3インピーダンス算出部で行われる。
図1及び図2ではこれらの劣化要因推定が劣化要因推定部4で行われる。
実施例2では、図2の参照用データ保持部2には、データ収集測定二次電池の劣化要因に関する情報と、データ収集測定二次電池の複素インピーダンスに関する情報と、さらにデータ収集測定二次電池の容量に関する情報とが関連付けられた参照用データが記憶されているが、たとえば、データ収集測定二次電池の容量に関する情報とが関連付けられた参照用データとして、各劣化要因ごとの4Hz複素インピーダンスの実数部の値と容量維持率の近似曲線を保持している。
実施例2では、容量推定部6の推定結果に基づいて診断判定を行い、その診断結果をたとえば人間にわかるようなテキストなどの表示として、また、たとえば他の装置への電気信号に変換された出力として診断判定部5から出力する。出力は推定された容量維持率や、劣化要因と容量維持率の組み合わせから判定される被測定二次電池を使用し続けてもよいか、交換の時期かの判定結果などである。
A電池とは異なる、三元系の正極材(Li(NiCoMn)O2)、負極材に炭素系材料を使った市販のパワーツール用高出力低電流容量(1.6Ah)18650円筒電池(以下、「B電池」という)でのデータ収集を実施する。標準環境を室温(25℃)とし、劣化を進める条件(劣化要因)は、次の3種類とした。
1)25℃環境下でのサイクル劣化(25℃サイクル劣化)
2)50℃環境下でのサイクル劣化(50℃サイクル劣化)
3)50℃環境下での満充電保存劣化(50℃保存劣化)
サイクル劣化の充放電プロファイルは、この「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」と「0.5C3.0V打ち切りCC放電」を所定の時間の休止(充電も放電も行わない状態)を挟んで繰り返すものとした。
サイクル劣化の容量測定の充放電プロファイルは、最初に3時間の休止(被検電池が標準環境と同一温度になるのを待つ時間)を行い、その後に「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」を行い、10分間の休止の後に「0.5C3.0V打ち切りCC放電」を行い、10分間の休止の後に「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」を行い、10分間の休止という「3時間休止−充電−休止−放電−休止−充電−休止」を1回行う充放電プロファイルである。
B電池の満充電状態は、標準環境下での「1CCC−4.2V50mA打ち切りCV充電」による充電直後の状態とする。同様に、完全放電状態は、標準環境下での「0.5C3.0V打ち切りCC放電」による放電直後の状態とする。B電池の定格電流容量は1.6Ahであるので、1Cは、1.6A、0.5Cは0.8Aとした。
4.10V休止後と3.20V休止後で、上記のデータに関して、X軸をインピーダンスの虚数部、Y軸をインピーダンスの実数部としたグラフ64種類(各周波数の虚数部と実数部の異なる組み合わせ全て)、X軸をインピーダンスの実数部、Y軸をインピーダンスの実数部としたグラフ28種類(各周波数の実数部と実数部の異なる組み合わせ全て)、X軸をインピーダンスの虚数部、Y軸をインピーダンスの虚数部としたグラフ28種類(各周波数の虚数部と虚数部の異なる組み合わせ全て)を観察した。
25℃サイクル:8サンプル(容量維持率:93.5%〜84.2%)
50℃サイクル:14サンプル(容量維持率: 93.8%〜70.5%)
50℃保存:15サンプル(容量維持率: 93.0%〜81.1%)
1)分離する二つの劣化要因の組で学習データの特徴量の個数を概ね同じにする。
2)複数の劣化要因を含む劣化要因の組の場合各劣化要因の特徴量の個数が各劣化要因のデータ数に概ね比例するようにする。
3)各劣化要因の学習用データに含まれる特徴量に対応する劣化度(容量維持率)が偏らないように選ぶ。
図41は、劣化要因の分離を説明するためのフローチャートを示す図(その1)である。
4.10V休止後の場合は、図41に示したとおりのステップで劣化要因を分離した。
「25℃サイクル」の学習データ4サンプルと「50℃サイクルと50℃保存の組」の学習用データ9サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成し、「25℃サイクル」の評価用データ4サンプルと「50℃サイクルと50℃保存の組」の評価用データ20サンプル合計24サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
「50℃サイクル」の学習データ6サンプルと「50℃保存」の学習用データ7サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成し、「50℃サイクル」の評価用データ8サンプルと「50℃保存」の評価用データ8サンプル合計16サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
3.20V休止後の場合は、図42に示したとおりのステップで劣化要因を分離した。
ステップ131;「25℃サイクル」と他の「50℃サイクルと50℃保存の組」を分離、特徴量は「4Hz、50.2Hzの2周波数の複素インピーダンスからなる4次元データ」である。
「50℃サイクル」の学習データ6サンプルと「50℃保存」の学習用データ7サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成し、「50℃サイクル」の評価用データ8サンプルと「50℃保存」の評価用データ8サンプル合計16サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
B電池の4.10V休止後と3.20V休止後で収集した複素インピーダンスの値の中で容量維持率97%から70%のデータに対して、93%から70%のデータと同じ周波数のデータを抽出した。
0.1Hz、1Hz、4Hz(3.99Hz)、10Hz、50.2Hz、100Hz、502Hz、1,000Hz
4.10V休止後と3.20V休止後で、上記のデータに関して、X軸をインピーダンスの虚数部、Y軸をインピーダンスの実数部としたグラフ64種類(各周波数の虚数部と実数部の異なる組み合わせ全て)、X軸をインピーダンスの実数部、Y軸をインピーダンスの実数部としたグラフ28種類(各周波数の実数部と実数部の異なる組み合わせ全て)、X軸をインピーダンスの虚数部、Y軸をインピーダンスの虚数部としたグラフ28種類(各周波数の虚数部と虚数部の異なる組み合わせ全て)を観察した。
25℃サイクル:10サンプル(容量維持率:97.2%〜84.2%)
50℃サイクル:17サンプル(容量維持率: 97.1%〜70.5%)
50℃保存:19サンプル(容量維持率: 97.2%〜81.1%)
4.10V休止後の場合は、図47に示したとおりのステップで劣化要因を分離した。
ステップ141;「25℃サイクル」と他の「50℃サイクルと50℃保存の組」を分離、特徴量は「0.1Hz、1Hz、100Hz、1,000Hzの4周波数の複素インピーダンスからなる8次元データ」である。
「50℃サイクル」の学習データ8サンプルと「50℃保存」の学習用データ9サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成し、「50℃サイクル」の評価用データ9サンプルと「50℃保存」の評価用データ10サンプル合計19サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
ステップ151;「25℃サイクル」と他の「50℃サイクルと50℃保存の組」を分離、特徴量は「1Hz、4Hz、50.2Hz、1,000Hzの4周波数の複素インピーダンスからなる8次元データ」である。
「50℃サイクル」の学習データ8サンプルと「50℃保存」の学習用データ9サンプルでSVMによる評価用劣化要因モデル(識別関数)を作成し、「50℃サイクル」の評価用データ9サンプルと「50℃保存」の評価用データ10サンプル合計19サンプルに対して作成した劣化要因モデルを用い劣化要因を推定した。結果として評価用データのうち誤推定されたサンプルは無く、劣化要因推定精度は100%であった。
図49は、1,000Hzの複素インピーダンスの実数部(Ω)と容量維持率(%)との関係を示す図(その1)である。B電池において、容量維持率97%から80%のデータ(50℃保存以外は容量維持率80%程度までのデータしかないため)で、4.10V休止後の8次元特徴量に含まれる1,000Hzの複素インピーダンスの実数部をX軸、1,000Hzの複素インピーダンスの実数部のデータに対応する容量維持率をY軸にとったグラフを図49に示す。容量維持率97%から80%の各劣化要因での実際の測定データのサンプル数と容量維持率の範囲は以下の通りで、合計38サンプルである。
50℃サイクル:9サンプル(容量維持率: 97.1%〜81.0%)
50℃保存:19サンプル(容量維持率: 97.2%〜81.1%)
これらのデータで4.10V放電休止後の1,000Hz複素インピーダンス実数値から容量維持率を推定する場合の推定精度を検証する。
この精度(近似曲線の容量維持率推定精度)をA電池の場合と同様に実測されたサンプルの容量維持率と、そのサンプルの4.10V放電休止後の1,000Hz複素インピーダンス実数値を近似曲線に代入し得られた容量維持率との誤差をΔCとしたとき、ΔCの標準偏差の2倍(2σΔC)、すなわち、ΔCが正規分布すると仮定した場合、推定値から±何パーセントの幅を想定すれば95%の実測値がその誤差の間に入るか、で評価する。2σΔCが0%に近いほど、推定精度が高いことになる。
全データ:38サンプル(2σΔC=6.79%)
25℃サイクル:10サンプル(2σΔC=4.35%)
50℃サイクル:9サンプル(2σΔC=8.05%)
50℃保存:19サンプル(2σΔC=4.09%)
各劣化要因ごとの精度評価値は、各劣化要因のデータだけで近似曲線に対する2σΔCを計算した結果である。
25℃サイクルのサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図51に示す。このときの2σΔCは2.46%である。この精度は全データでの推定精度6.79%、全データを使った近似曲線で25℃サイクルの推定精度4.35%より精度が高くなっている。
50℃サイクルのサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図52に示す。このときの2σΔCは1.36%である。この精度は全データでの推定精度6.79%、全データを使った近似曲線で50℃サイクルの推定精度8.05%より精度が高くなっている。
50℃保存のサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図53に示す。このときの2σΔCは1.54%である。この精度は全データでの推定精度6.79%、全データを使った近似曲線で50℃保存の推定精度4.09%より精度が高くなっている。
以上の結果より、劣化要因を推定識別することにより容量維持率の推定精度が向上することが判る。
図54は、1,000Hzの複素インピーダンスの実数部(Ω)と電力容量維持率(%)との関係を示す図(その1)である。B電池において、電力容量維持率97%から80%のデータ(50℃保存以外は電力容量維持率80%程度までのデータしかないため)で、4.10V休止後の8次元特徴量に含まれる1,000Hzの複素インピーダンスの実数部をX軸、1,000Hzの複素インピーダンスの実数部のデータに対応する電力容量維持率をY軸にとったグラフを図54に示す。各劣化要因での実際の測定データのサンプル数と電力容量維持率の範囲は以下の通りで、合計38サンプルである。
50℃サイクル:9サンプル(電力容量維持率:97.0%〜80.6%)
50℃保存:19サンプル(電力容量維持率:97.1%〜81.2%)
これらのデータで4.10V放電休止後の1,000Hz複素インピーダンス実数値から電力容量維持率を推定する場合の推定精度を検証する。劣化要因を問わず、全データをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図54に示す。この3次近似曲線を用いることにより4.10V放電休止後の1,000Hzインピーダンスの測定から、その電池の電力容量維持率をある精度で推定できる。
全データ:38サンプル(2σΔC=7.19%)
25℃サイクル:10サンプル(2σΔC=4.79%)
50℃サイクル:9サンプル(2σΔC=8.36%)
50℃保存:19サンプル(2σΔC=4.92%)
各劣化要因ごとの精度評価値は、各劣化要因のデータだけで近似曲線に対する2σΔCを計算した結果である。
以上の結果より、劣化要因を推定識別することにより電力容量維持率の推定精度が向上することが判る。
図59は、1,000Hzの複素インピーダンスの実数部(Ω)と4.0Vでの残存電流容量(Ah)との関係を示す図(その1)である。なお、「4.0Vでの残存電流容量」とは、4.0Vの状態から完全放電状態まで0.5Cで放電させた際の放電電流容量をいうものとする。
50℃サイクル:9サンプル(電力容量維持率:96.0%〜80.2%)
50℃保存:18サンプル(電力容量維持率:96.7%〜81.3%)
これらのデータで4.10V放電休止後の1,000Hz複素インピーダンス実数値から4.0V残存電流容量を推定する場合の推定精度を検証する。劣化要因を問わず、全データをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図59に示す。この3次近似曲線を用いることにより4.10V放電休止後の1,000Hzインピーダンスの測定から、その電池の4.0V残存電流容量をある精度で推定できる。なお、電池の電圧は容易に測定できるので、電池電圧から残存電流容量を正確に推定することは実用上重要である。
全データ:38サンプル(2σΔC=8.15%)
25℃サイクル:11サンプル(2σΔC=5.14%)
50℃サイクル:9サンプル(2σΔC=8.01%)
50℃保存:18サンプル(2σΔC=5.57%)
各劣化要因ごとの精度評価値は、各劣化要因のデータだけで近似曲線に対する2σΔCを計算した結果である。
25℃サイクルのサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図61に示す。このときの2σΔCは3.71%である。この精度は全データでの推定精度8.15%、全データを使った近似曲線で25℃サイクルの推定精度5.14%より精度が高くなっている。
50℃サイクルのサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図62に示す。このときの2σΔCは1.83%である。この精度は全データでの推定精度8.15%、全データを使った近似曲線で50℃サイクルの推定精度8.01%より精度が高くなっている。
50℃保存のサンプルのみをプロットし、二乗誤差が最小となる3次曲線で近似したグラフを図63に示す。このときの2σΔCは0.88%である。この精度は全データでの推定精度8.15%、全データを使った近似曲線で50℃保存の推定精度5.57%より精度が高くなっている。
2 参照用データ保持部
3 インピーダンス算出部
4 劣化要因推定部
5 診断判定部
6 容量推定部
Claims (12)
- 二次電池の電池状態を判定する二次電池診断装置において、
データ収集測定二次電池の劣化要因に関する情報と、前記データ収集測定二次電池の複素インピーダンスに関する情報とが関連付けられた参照用データが記憶される参照用データ保持部と、
電池状態を判定する対象である被測定二次電池の複素インピーダンスを算出するインピーダンス算出部と、
前記参照用データ保持部に記憶された前記参照用データと、前記インピーダンス算出部により算出された複素インピーダンスの出力情報とにより、前記被測定二次電池の劣化要因を推定する劣化要因推定部と、
前記劣化要因推定部の推定結果に基づいて診断判定を行い、その診断結果を出力する診断判定部と
を備えていることを特徴とする二次電池診断装置。 - 前記複素インピーダンスが、少なくとも2種類の複素インピーダンスであることを特徴とする請求項1に記載の二次電池診断装置。
- 前記複素インピーダンスが、異なる周波数を用いて算出される複素インピーダンスであることを特徴とする請求項2に記載の二次電池診断装置。
- 前記複素インピーダンスが、特定の周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部と、前記特定の周波数とは異なる周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部であることを特徴とする請求項3に記載の二次電池診断装置。
- 前記参照用データ保持部には、前記データ収集測定二次電池の劣化要因に関する情報と、前記データ収集測定二次電池の複素インピーダンスに関する情報と、さらに前記データ収集測定二次電池の容量に関する情報とが関連付けられた参照用データが記憶され、
前記参照用データと、前記劣化要因推定部からの出力情報と、前記インピーダンス算出部により算出された複素インピーダンスの出力情報とにより、前記被測定二次電池の容量に関する情報を推定する容量推定部と、
前記容量推定部の推定結果に基づいて診断判定を行い、その診断結果を出力する診断判定部と
を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の二次電池診断装置。 - 二次電池の電池状態を判定する二次電池診断方法において、
データ収集測定二次電池の劣化要因に関する情報と、前記データ収集測定二次電池の複素インピーダンスに関する情報とが関連付けられた参照用データを参照用データ保持部に記憶するステップと、
電池状態を判定する対象である被測定二次電池の複素インピーダンスをインピーダンス算出部で算出するステップと、
前記参照用データ保持部に記憶された前記参照用データと、前記インピーダンス算出部により算出された複素インピーダンスの出力情報とにより、劣化要因推定部で前記被測定二次電池の劣化要因を推定するステップと、
前記劣化要因推定部の推定結果に基づいて、診断判定部により診断判定を行い、その診断結果を出力するステップと
を有していることを特徴とする二次電池診断方法。 - 前記複素インピーダンスが、少なくとも2種類の複素インピーダンスであることを特徴とする請求項6に記載の二次電池診断方法。
- 前記複素インピーダンスが、異なる周波数を用いて算出される複素インピーダンスであることを特徴とする請求項7に記載の二次電池診断方法。
- 前記複素インピーダンスが、特定の周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部と、前記特定の周波数とは異なる周波数で測定した時の複素インピーダンスの実部又は虚部であることを特徴とする請求項6,7又は8に記載の二次電池診断方法。
- 前記参照用データ保持部には、前記データ収集測定二次電池の劣化要因に関する情報と、前記データ収集測定二次電池の複素インピーダンスに関する情報と、さらに前記データ収集測定二次電池の容量に関する情報とが関連付けられた参照用データが記憶され、
前記参照用データと、前記劣化要因推定部からの出力情報と、前記インピーダンス算出部により算出された複素インピーダンスの出力情報とにより、容量推定部で前記被測定二次電池の容量に関する情報を推定するステップと、
前記容量推定部の推定結果に基づいて、診断判定部により診断判定を行い、その診断結果を出力するステップと
を有していることを特徴とする請求項6乃至9のいずれかに記載の二次電池診断方法。 - 二次電池の電池状態を判定する二次電池診断方法において、
まず、所定の条件で劣化させた前記データ収集測定二次電池の充放電データと複素インピーダンスデータを保存するデータ収集ステップと、
次に、前記データ収集ステップにより取集された複素インピーダンスより特徴量を決定して特徴量データを作成するステップと、
次に、前記特徴量データから学習用データと評価用データを作成して、前記学習用データから評価用劣化要因モデルを作成するステップと、
次に、前記評価用データを用いて評価用劣化要因モデルの推定精度の評価を実施するステップと、
次に、推定精度を判断して、所定の精度以上であれば、前記評価用劣化要因モデルを劣化要因モデルとして採用するステップと、
次に、電池状態を判定する対象の被測定二次電池において特徴量を測定するステップと、
次に、前記劣化要因モデルと前記被測定二次電池の特徴量を比較するステップと、
次に、前記比較結果により該被測定二次電池の劣化要因を推定するステップと
を有することを特徴とする二次電池診断方法。 - 前記特徴量データを作成した後に、該特徴量データとデータ収集測定二次電池の容量に関する情報との関係データを劣化要因別に作成するステップと、
次に、前記被測定二次電池の推定された劣化要因と、前記劣化要因別に作成されたデータ収集測定二次電池の容量に関する情報との関係データから被測定二次電池の容量に関する情報を推定するステップと
を有することを特徴とする請求項11に記載の二次電池診断方法。
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