JP2014224599A - トーショナルダンパ - Google Patents

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Abstract

【課題】金属板のプレス成形品からなるハブ本体と、ボスとを結合したハブを有するトーショナルダンパにおいて、コストの低減及び品質の向上を図る。【解決手段】内径部が回転軸に取り付けられるハブ1と、このハブ1と同心的に配置された環状の質量体2と、ハブ1と質量体2を弾性的に連結する弾性体3を備え、ハブ1が、プレス成形されたハブ本体10と円筒状のボス20からなり、ハブ本体10の内径部に形成されたカシメ部11が、ボス20の一端内周面に形成した内向き突縁22に、この内向き突縁22を内周側及び軸方向両側からつかんだ状態でカシメられたものである。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車の内燃機関のクランクシャフト等、回転軸の軸端に装着されて主にこの回転軸の捩り方向の振動を吸収するトーショナルダンパに関するものである。
自動車用内燃機関のクランクシャフトの端部に取り付けられるプーリには、内燃機関の駆動に伴ってクランクシャフトに生じる捩り振動(回転方向の振動)による不具合の発生を防止するための捩り振動低減機能を備えており、すなわちトーショナルダンパが構成されている。図10に示すように、この種のトーショナルダンパは、基本的にはクランクシャフトの軸端に固定されるハブ101と、このハブ101の外周側に同心的に配置された鋳物からなる環状質量体(プーリ)102を環状の弾性体103を介して弾性的に連結した構成を備え、前記環状質量体102と弾性体103からなる共振系が、ハブ101を介して入力されるクランクシャフトの捩り振動の振動変位の位相と逆の位相で共振することによって動的吸振効果を発揮するものである。
この種のトーショナルダンパには、ハブ101に金属板のプレス成形品からなるハブ本体101aを用いることによって軽量化を図ったものがある。この場合、不図示のオイルシールとの摺動部を設ける必要から、金属板のプレス成形品からなるハブ本体101aの内径フランジ部を、鋳物からなるボス101bに結合しており、従来の技術においては、ハブ本体101aの内径フランジ部とボス101bを、円周方向等間隔でスポット溶接WDしたものや、あるいは円周方向等間隔で配置したボルトによって結合したものや、あるいは下記の特許文献1のように、ボス101bの端部をカシメたものや、特許文献2のように、ハブ本体101aの内径部を、ボス101bの内周を通してその軸方向両側からカシメたものが知られている。
特開2011−226645号公報 特開平04−231723号公報
しかしながら、ハブ本体101aの内径フランジ部をボス101bに対して円周方向複数箇所でボルト締めしたものでは、複数のボルトが必要になるため部品点数が多くなるばかりでなく、ボルトの本数だけ締め付け工程が必要となるため、コストが高くなってしまう問題があった。また、スポット溶接によるものでは、溶接工程によってコストが高くなるばかりでなく、溶接によって寸法精度が悪くなるため、回転時における振れが大きくなるおそれがあった。
また、特許文献1のような構成では、ボス101bの端部を塑性変形させることによりカシメるために、ボス101bの材質として鋳物を用いることができず、特許文献2のような構成では、ボス101bの内周がハブ本体101aから延びる筒部で覆われるため、ボス101bの内周面にキー溝を形成することができないといった問題がある。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、のプレス成形品からなるハブ本体とボスとを結合したハブを有するトーショナルダンパにおいて、コストの低減及び品質の向上を図ることにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係るトーショナルダンパは、内径部が回転軸に取り付けられるハブと、このハブと同心的に配置された環状の質量体と、前記ハブと質量体を弾性的に連結する弾性体を備え、前記ハブが、プレス成形されたハブ本体と円筒状のボスからなり、前記ハブ本体の内径部に形成されたカシメ部が、前記ボスの一端内周面に形成した内向き突縁に、この内向き突縁を内周側及び軸方向両側からつかんだ状態でカシメられたものである。
請求項2の発明に係るトーショナルダンパは、請求項1に記載の構成において、ボスの内向き突縁の内径が前記ボスの円筒状本体の内周面よりも小径で、前記内向き突縁と円筒状内周面の間に環状凹部を有するものである。
請求項3の発明に係るトーショナルダンパは、請求項1又は2に記載の構成において、ハブ本体のカシメ部は、ボスの内向き突縁の内周に接触すると共に端部が前記内向き突縁の背面側に圧接されたものである。
請求項4の発明に係るトーショナルダンパは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成において、ボスの端部外周面が、ハブ本体にカシメ部の外周側に位置して形成された筒状部の内周面にインロー又は締まり嵌め状態で接触されたものである。
請求項5の発明に係るトーショナルダンパは、請求項1〜4のいずれかに記載の構成において、ボスの内向き突縁が円周方向へ分割されたものである。
請求項6の発明に係るトーショナルダンパは、請求項5に記載の構成において、ボスの内周面に、前記ボスの内向き突縁の分割部を通って、キー溝又はスプライン溝が形成されたものである。
請求項1の発明に係るトーショナルダンパによれば、プレス成形体からなるハブ本体と円筒状のボスを、ボルト締結や溶接によらずにカシメにより結合したものであるため、部品数や工数を低減し、しかも、ハブ本体の内径部に形成されたカシメ部をカシメるため、ボスを鋳物からなるものすることができ、安価な製品を提供することができる。
請求項2の発明に係るトーショナルダンパによれば、ハブ本体の内径部に形成されたカシメ部をボスの内向き突縁に嵌合させて環状凹部へ向けて開くように塑性加工した構造となるので、ハブ本体とボスを一層強固に結合することができる。
請求項3の発明に係るトーショナルダンパによれば、ハブ本体のカシメ部を、ボスの内向き突縁の内周にインロー又は締まり嵌めによって接触させてからその端部を前記内向き突縁の背面側で拡径するように塑性加工するだけで、容易に請求項1の構成を実現することができる。
請求項4の発明に係るトーショナルダンパによれば、ボスの端部外周面が、ハブ本体の筒状部の内周面にインロー又は締まり嵌めされるので、ハブ本体とボスとが径方向へ位置決めを、ハブ本体のカシメ部とボスの内向き突縁に依存する必要がなく、したがってハブ本体とボスの同心性がカシメ部の偏肉等による悪影響を受けず、品質を向上させることができる。
請求項5又は請求項6の発明に係るトーショナルダンパによれば、カシメ部の端部は、カシメの過程で、内向き突縁が円周方向へ分割された部分へ僅かに食い込むため、ハブ本体とボスが互いに回り止めされ、一層強固に結合される。
本発明に係るトーショナルダンパの好ましい第一の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。 本発明に係るトーショナルダンパの第一の実施の形態において、ハブ本体とボスの結合工程を示す説明図である。 本発明に係るトーショナルダンパの好ましい第二の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。 本発明に係るトーショナルダンパの第二の実施の形態において、ハブ本体とボスの結合工程を示す説明図である。 本発明に係るトーショナルダンパの第二の実施の形態の形状変更例において、ハブ本体とボスの結合工程を示す説明図である。 本発明に係るトーショナルダンパの好ましい第三の実施の形態において用いられるボスを、軸心を通る平面で切断して示す説明図である。 本発明に係るトーショナルダンパの好ましい第三の実施の形態において用いられるボスの形状変更例を、軸心を通る平面で切断して示す説明図である。 本発明に係るトーショナルダンパの好ましい第四の実施の形態を、軸心を通る平面で切断して示す説明図である。 本発明に係るトーショナルダンパの好ましい第四の実施の形態において、ハブ本体とボスの結合工程を示す説明図である。 従来の技術に係るトーショナルダンパの一例を、軸心を通る平面で切断して示す断面図である。
以下、本発明に係るトーショナルダンパの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において「正面側」とは、図における左側であって車両のフロント側のことであり、「背面側」とは図における右側であって不図示の内燃機関が存在する側のことである。
まず図1は、第一の実施の形態を示すもので、このトーショナルダンパは、ハブ1と、このハブ1の外周に同心的に配置された環状質量体2と、ハブ1と環状質量体2を弾性的に連結するゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)からなる環状の弾性体3とを備える。
ハブ1は、ハブ本体10と、このハブ本体10の内径部の背面に同心的に結合されたボス20からなる。詳しくは、ハブ本体10は金属板のプレス成形によって製作されたものであって、内径のカシメ部11と、このカシメ部11から外径側へ展開した円盤部12と、その外径端部から正面側へ延在されたリム部13とを有する。
一方、ボス20は金属の鋳物等からなるものであって、内燃機関のクランクシャフト(不図示)の端部に外挿される円筒状本体21と、その正面側の端部内周面から内径側へ突出した内向き突縁22を有し、円筒状本体21の内周面21aと内向き突縁22の間に環状凹部23が形成されている。したがって、内向き突縁22の内径は、円筒状本体21の内周面21aよりも適宜小径となっている。また、ボス20の円筒状本体21の内周面には、軸方向へ延びる不図示のキー溝が形成されている。
ハブ本体10におけるカシメ部11は、ボス20の内向き突縁22を内周側及び軸方向両側からつかむように円盤部12の内径部を背面側へ略J字形に折り返してボス20の環状凹部23へ向けて拡径した形状に塑性加工され(カシメられ)、これによってハブ本体10とボス20が互いに結合してハブ1を構成している。
環状質量体2は金属の鋳物等により製作されたものであって、ハブ1のハブ本体10におけるリム部13の外周側に同心的に配置されており、外周面には不図示の無端ベルトを巻き掛けて補機へ回転力を伝達するためのポリV溝2aが形成されている。
弾性体3は、例えば耐熱性、耐寒性及び機械的強度に優れると共に内部発熱の少ないゴム状弾性材料(ゴム材料又はゴム状弾性を有する合成樹脂材料)によって環状に成形された後、ハブ1のハブ本体10におけるリム部13の外周面と、これに径方向に対向する環状質量体2の内周面との間に圧入されたものである。そして互いに対向するハブ本体10のリム部13と環状質量体2の内周面は、弾性体3との間での軸方向への滑りによる脱落を防止するために、径方向へ緩やかにうねった形状となっている。このため、弾性体3は径方向へうねった状態でハブ本体10のリム部13と環状質量体2の間に介在している。
環状質量体2と弾性体3によって構成される共振系の捩り方向(円周方向)共振周波数は、環状質量体2の円周方向慣性質量と、弾性体3の円周方向剪断ばね定数によって、クランクシャフトの捩り振動の振幅が極大となる周波数帯域に設定されている。
上述の構成を備える第一の実施の形態のトーショナルダンパは、ハブ1におけるハブ本体10の円盤部12の内径部とボス20が、内燃機関のクランクシャフトの一端に外挿されると共に、ボス20の内周面の円周方向一カ所に形成された不図示のキー溝がキーを介して前記クランクシャフトに円周方向へ係止された状態で、不図示のセンターボルトによって軸方向に締め付け固定されることによって、前記内燃機関の駆動時に、クランクシャフトと共に回転されるものである。また、環状質量体2の外周面のポリV溝2aには無端ベルトが巻き掛けられ、クランクシャフトの回転力を補機へ伝達するようになっている。
そしてクランクシャフトからハブ1を介して入力される捩り振動の周波数が、クランクシャフトの振幅が極大となる帯域付近になると、環状質量体2と弾性体3によって構成される共振系が、入力振動と異なる位相角をもって共振し、その振動変位によるトルクが入力振動のトルクと逆方向に生じることによる動的吸振効果を発揮する。このため、クランクシャフトの捩り振動のピークを有効に低減することができる。
上述の構成によれば、ハブ本体10のカシメ部11がボス20の内向き突縁22の内周側を廻り込むようにカシメられているので、ハブ1をクランクシャフトに締結するセンターボルトとの接触面積が大きくなり、クランクシャフトに強固に固定することができる。
また、ハブ本体10のカシメ部11は、ボス20の内向き突縁22のみを覆うようにカシメられているので、ボス20の円筒状本体21の内周面21aにクランクシャフトとの廻り止めのためのキー溝を形成できないといった不都合がない。
このトーショナルダンパの組み立てにおいて、ハブ本体10とボス20を結合する作業では、図2の(A)に示すように、あらかじめハブ本体10のカシメ部11は背面側へ円筒状にまっすぐ延びており、その外径は、ボス20の内向き突縁22の内径より僅かに小径に形成されている。
次に、図2の(B)に示すように、ボス20の内向き突縁22の内周へ、ハブ本体10の円筒状のカシメ部11を、円盤部12がボス20の端面に当接するまで挿入する。前記カシメ部11は、その外径がボス20の内向き突縁22の内径より小径であるため、容易に挿入することができる。
そして図2の(C)に示すように、ハブ本体10のカシメ部11を、内周側から拡径させてボス20の内向き突縁22の内周面に圧接させ、さらにこのカシメ部11の端部を、前記内向き突縁22の背面側の環状凹部23内へ向けて開くように塑性加工することで、断面略J字形をなして前記内向き突縁22を内周側及び軸方向両側からつかむようにカシメる。そしてこれによってハブ本体10とボス20が互いに結合される。
上述の組み立て作業には複数のボルトによる締め付け工程や、溶接工程などを含まないため、製造コストを低減することができると共に、ハブ本体10とボス20を高精度の同心性をもって結合することができる。また、カシメ部11をハブ本体10側に形成したため、ボス20をステンレス製などとする必要がなく、鋳物からなるものとすることができるため、この点でもコストを低減することができる。
しかも、ボス20の内向き突縁22の内径が円筒状本体21の内周面21aよりも適宜小径であることに加え、内向き突縁22の背面側に環状凹部23が形成されているため、前記内向き突縁22に対するカシメ部11の嵌合面積を大きくして、ハブ本体10とボス20を強固に結合することができる。
次に図3は、本発明に係るトーショナルダンパの第二の実施の形態を示すもので、この実施の形態において、上述した第一の実施の形態と異なるところは、ハブ本体10のカシメ部11の外周面が、ボス20の内向き突縁22の内周にインロー又は締まり嵌めによって接触されており、かつボス20の内周面に形成されたキー溝24が、内向き突縁22を円周方向1箇所で分割するように延在されている点にある。なお、参照符号12aは、軽量化等のためにハブ本体10の円盤部12に円周方向所定間隔で開設された窓部である。
この構成によれば、先に説明した第一の実施の形態と同様、ハブ本体10のカシメ部11が、ボス20の内向き突縁22を内周側及び軸方向両側からつかむように円盤部12の内径部を背面側へ略J字形に折り返してボス20の内向き突縁22の背面側の円錐面22aと圧接した形状に塑性加工され(カシメられ)ているので、ハブ1をクランクシャフトに締結するセンターボルトとの接触面積が大きくなり、クランクシャフトに強固に固定することができる。しかもカシメ部11の一部は、カシメの過程で、キー溝24が内向き突縁22を円周方向1箇所で分割するように延在された部分24aへ僅かに食い込むため、ハブ本体10とボス20は互いにしっかりと回り止めされた状態で結合されている。
このトーショナルダンパの組み立てにおいて、ハブ本体10とボス20を結合する作業では、まず図4の(A)に示すように、ハブ本体10のカシメ部11は背面側へ円筒状にまっすぐ延びた状態となっており、その外径は、ボス20の内向き突縁22の内径と同等もしくはそれより僅かに大径に形成されている。
次に、図4の(B)に示すように、ボス20の内向き突縁22の内周へ、ハブ本体10の円筒状のカシメ部11を、円盤部12がボス20の端面に当接するまで挿入する。前記カシメ部11は、その外径がボス20の内向き突縁22の内径と同等もしくはそれより僅かに大径であるため、両者は互いにインロー状態又は締まり嵌め状態となる。
次に、図4の(C)に示すように、カシメ部11の端部を円錐状に開いてボス20の内向き突縁22の背面側の円錐面22aと圧接するように塑性加工することで、断面略J字形をなして前記内向き突縁22を内周側及び軸方向両側からつかむようにカシメる。またその過程で、カシメ部11の一部は、キー溝24が内向き突縁22を円周方向へ分割するように延在された部分24aへ僅かに食い込む。そしてこれによってハブ本体10とボス20が互いに回り止めされた状態で結合される。
そして第二の実施の形態によれば、カシメ部11は、あらかじめその外径がボス20の内向き突縁22の内径と同等もしくはそれより僅かに大径に形成されているため、第一の実施の形態のように、ハブ本体10のカシメ部11をカシメる過程で、内周側から拡径させてボス20の内向き突縁22の内周面に圧接させるといった工程は不要である。しかもこのカシメは、例えば後述する図5に示すように、押さえ治具でハブ本体10を正面側から押さえつつ、ボス20の内周へ背面側から挿入した棒状のカシメ治具によってカシメ部11の先端を開くように軸方向へ押圧するだけで、容易に行うことができる。したがって製造コストを一層低減することができる。
また上述のように、カシメにおいて、ハブ本体10のカシメ部11を内周側から拡径させてボス20の内向き突縁22の内周面に圧接させる工程は不要であるため、ボス20が鋳物等からなる場合であっても、カシメ部11からの拡径方向の荷重によってボス20に割れが発生するのを防止することができる。
またこの場合、図5に第二の実施の形態の形状変更例を示すように、あらかじめハブ本体10のカシメ部11が、内周面が先端側へ向けて大径となる内周円錐面11bをなす部分と、その先端の薄肉部11cを有するものとすることが好ましい。そしてこの場合、図5の(B)に示すようにカシメ部11をボス20の内向き突縁22の内周へ挿入したときに、前記薄肉部11cが内向き突縁22の背面側の円錐面22aの内周に位置するように、カシメ部11の各部の寸法が設定される。
このように構成すれば、ハブ本体10とボス20を結合する作業において、まず図5の(A)に示す状態から、同(B)に示すようにハブ本体10のカシメ部11をボス20の内向き突縁22の内周へ、ハブ本体10の円盤部12がボス20の端面に当接するまで挿入する。カシメ部11は、その外径がボス20の内向き突縁22の内径と同等もしくはそれより僅かに大径であるため、両者は互いにインロー又は締まり嵌めによる接触状態となり、また上述のとおり、カシメ部11の先端の薄肉部11cが内向き突縁22の背面側の円錐面22aの内周に位置している。
次に図5の(C)に示すように、ハブ本体10の正面側に押さえ治具30を衝合させると共にこの押さえ治具30に突設された突起31をカシメ部11の内周孔と嵌合させ、ボス20の内周にその背面側から棒状のカシメ治具40を挿入する。カシメ治具40の先端部外周面には、先端へ向けて小径となる外周円錐面41が形成されており、その傾斜角度はハブ本体10のカシメ部11の内周円錐面11bと対応するものとなっている。
そして図5の(D)に示すように、カシメ治具40の先端の外周円錐面41がハブ本体10のカシメ部11の内周円錐面11bに当接するまでこのカシメ治具40を挿入していくと、その過程で前記外周円錐面41がカシメ部11の先端の薄肉部11cと干渉してこれをテーパ状に開くように塑性変形させてボス20の内向き突縁22の背面側の円錐面22aに圧接させることで、断面略J字形をなして前記内向き突縁22を内周側及び軸方向両側からつかむようにカシメる。そしてこれによって、図5の(E)に示すように、ハブ本体10とボス20を互いに結合させることができる。
またこの場合も、カシメの過程で、カシメ部11の薄肉部11cの一部が、キー溝24による内向き突縁22の分割部分24aへ僅かに食い込むため、ハブ本体10とボス20を互いに回り止めされた状態で結合することができる。
次に図6は、本発明に係るトーショナルダンパの第三の実施の形態を示すもので、この実施の形態において、上述した第一又は第二の実施の形態と異なるところは、内向き突縁22を円周方向複数個所で分割したことにある。
この場合も、ハブ本体のカシメ部をボスの20内向き突縁22にカシメる際に、前記カシメ部の一部が、内向き突縁22の分割部分22bへ僅かに食い込むため、ハブ本体とボス20を互いに回り止めされた状態で結合することができる。したがって、ボス20に第二の実施の形態のようなキー溝24が存在しないものであってもハブ本体10とボス20の互いの滑りトルクを増大することができる。またこのため、分割部分22bの凹み形状や数などは、必要な滑りトルクを考慮して適切に設定される。
また、図7に第三の実施の形態におけるボスの形状変更例を示すように、ボス20の内周面に、スプライン溝25を、円周方向複数個所で分割された内向き突縁22の分割部を通るように形成し、言い換えれば、内向き突縁22を円周方向へ分割するようにスプライン溝25を形成することができる。そしてこの場合は、ボス20のフレッティングも有効に防止することができる。
次に図8は、本発明に係るトーショナルダンパの第四の実施の形態を示すもので、この実施の形態において、上述した第一、第二又は第三の実施の形態と異なるところは、ハブ本体10のカシメ部11をボスの20内向き突縁22にカシメた構成に加え、ボス20における円筒状本体21の正面側端部に形成された鍔部26の外周面26aが、ハブ本体10にカシメ部11の外周側に位置して同心的に形成された筒状部14の内周面14aにインロー又は締まり嵌め状態で接触された構成を備える点にある。
なお、この第四の実施の形態においては、ボス20の内向き突縁22を円周方向1箇所で分割するようにキー溝24を形成した構成としているが、先に説明した図6あるいは図7に示すように、ボス20の内向き突縁22を円周方向複数個所で分割した構成としてもよい。
このように構成されたトーショナルダンパは、ハブ本体10とボス20を結合する作業において、まず図9の(A)に示す状態では、ハブ本体10のカシメ部11は背面側へ円筒状にまっすぐ延びており、その外径は、ボス20の内向き突縁22の内径と同等あるいはそれより僅かに小径に形成されている。一方、ハブ本体10の筒状部14の内周面14aは、ボス20の鍔部26の外周面26aと同等あるいはそれより僅かに小径に形成されている。
このため、図9の(A)に示す状態から、同(B)に示すように、ボス20の鍔部26をハブ本体10の筒状部14の内周へ挿入することによって、ハブ本体10のカシメ部11をボス20の内向き突縁22の内周へ挿入する。このとき、ハブ本体10の筒状部14の内周面14aは、ボス20の鍔部26の外径と同等もしくはそれより僅かに小径であるため、両者は互いにインロー又は締まり嵌め状態となり、ハブ本体10の筒状部14の内径は、ボス20の鍔部26の外径と同等あるいはそれより僅かに小径であるため、両者は互いにインロー又はスキマ嵌め状態となる。また、ボス20の鍔部26を、その正面側の端面26bがハブ本体10のカシメ部11と筒状部14との間の壁面12bと当接するまで前記筒状部14の内周へ挿入することによって、カシメ部11の先端部がボス20の内向き突縁22の背面側の内周位置に達する。
次に、図9の(B)に示すように、カシメ部11の端部を円錐状に開いてボス20の内向き突縁22の背面側の円錐面22aと圧接するように塑性加工することで、断面略J字形をなして前記内向き突縁22を内周側及び軸方向両側からつかむようにカシメる。このカシメ加工も、先に図5において説明したように、押さえ治具でハブ本体10の壁面12bを正面側から押さえつつ、棒状のカシメ治具によってカシメ部11の先端を開くように軸方向へ押圧するだけで、容易に行うことができる。そしてこれによってハブ本体10とボス20が互いに結合される。
この第四の実施の形態によれば、ボス20の鍔部26の外周面26aが、ハブ本体10の筒状部14の内周面14aにインロー又は締まり嵌めされるので、ハブ本体10とボス20の径方向への位置決めを、ハブ本体10のカシメ部11とボス20の内向き突縁22のインロー又は締まり嵌めに依存する必要がなく、すなわちカシメ部11の外周面と内向き突縁22の内周面との間には隙間があっても良い。
そして、ハブ本体10のプレス成形の際に、カシメ部11には偏肉を生じることがあるが、上述のようにハブ本体10とボス20の径方向への位置決めは、ボス20の鍔部26の外周面26aとハブ本体10の筒状部14の内周面14aのインロー又は締まり嵌めによりなされるものであるため、ハブ本体10とボス20の同心性が、前記カシメ部11の偏肉等による芯ずれなどの悪影響を受けず、しかも、ハブ本体10のカシメ部11とボス20の内向き突縁22をインロー又は締まり嵌めさせる場合よりも嵌合面の円周が長くなるので、インロー又は締まり嵌めの精度も向上する。このため、芯ずれによるトーショナルダンパの振れ回りも有効に防止することができる。
1 ハブ
2 環状質量体
3 弾性体
10 ハブ本体
11 カシメ部
12 円盤部
13 リム部
14 筒状部
14a 内周面
20ボス
21 円筒状本体
21a 内周面
22 内向き突縁
23 環状凹部
24 キー溝
25 スプライン溝
26 鍔部
26a 外周面
30 押さえ治具
40 カシメ治具

Claims (6)

  1. 内径部が回転軸に取り付けられるハブと、このハブと同心的に配置された環状の質量体と、前記ハブと質量体を弾性的に連結する弾性体を備え、前記ハブが、プレス成形されたハブ本体と円筒状のボスからなり、前記ハブ本体の内径部に形成されたカシメ部が、前記ボスの一端内周面に形成した内向き突縁に、この内向き突縁を内周側及び軸方向両側からつかんだ状態でカシメられたことを特徴とするトーショナルダンパ。
  2. ボスの内向き突縁の内径が前記ボスの円筒状本体の内周面よりも小径で、前記内向き突縁と円筒状内周面の間に環状凹部を有することを特徴とする請求項1に記載のトーショナルダンパ。
  3. ハブ本体のカシメ部は、ボスの内向き突縁の内周に接触すると共に端部が前記内向き突縁の背面側に圧接されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のトーショナルダンパ。
  4. ボスの端部外周面が、ハブ本体にカシメ部の外周側に位置して形成された筒状部の内周面にインロー又は締まり嵌め状態で接触されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のトーショナルダンパ。
  5. ボスの内向き突縁が円周方向へ分割されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のトーショナルダンパ。
  6. ボスの内周面に、前記ボスの内向き突縁の分割部を通って、キー溝又はスプライン溝が形成されたことを特徴とする請求項5に記載のトーショナルダンパ。
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