JP2014224258A - 金属結晶含有のアルギン酸モノマー、金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー及び金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲル及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1アルギン酸モノマーと少なくとも1つの第1金属結晶とを含む金属結晶含有のアルギン酸モノマーである。第1アルギン酸モノマーは、第1ウロン酸分子と第2ウロン酸分子とが結合して構成され、第1ウロン酸分子の炭素鎖の2番目の炭素(C2)に第1カルボニル基が形成され、第1ウロン酸分子の炭素鎖の1番目の炭素(C1)と第2ウロン酸分子の炭素鎖の4番目の炭素(C4)とが第1モノマー間グリコシド結合を形成する。第1金属結晶は、第1ウロン酸分子と第2ウロン酸分子との間に形成される。
【選択図】図2
Description
(1)第1アルギン酸高分子に対して15‐25%重量比の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムをアルカリ性加水分解・酸化剤として用いる、又は
(2)第1アルギン酸高分子に対して0.1‐3%重量比の自動酸化剤(auto-oxidant)を弱酸に混合したものを、弱酸性加水分解・酸化剤として用いる。前記自動酸化剤は、過酸化水素(hydrogen peroxide)、アスコルビン酸(ascorbate)、亜硫酸塩(sulphites)又はポリフェノール類を用いる。さらに、選択的に補助剤として0.1‐1mMの第1金属粒子溶液を第1溶液に加えることができる。前記第1金属粒子としては、市販の金属粒子あるいは電気化学的に還元された金属粒子などを用いることができる。第1金属粒子は、自動酸化剤と共役酸化還元剤を形成することができる。言及に値することは、第1金属粒子は本発明に係る第1金属結晶と同じく複数の第1金属原子凝集(agglomeration)から由来されるが、前記第1金属結晶は、すでに複数の修飾されたアルギン酸モノマーと安定した構造を形成するため、ここでは補助剤として作用しない。
先ず、第1アルギン酸高分子を含む第1溶液を提供する。前記第1アルギン酸高分子を用いて複数の図1A‐1Cに示す異なる金属結晶含有のアルギン酸モノマー100を製造することができる。本実施例において、第1溶液中の第1アルギン酸高分子の含量は約2‐10%重量比である。
次いで、第1溶液と第2アルギン酸高分子とを十分に混合する。ここでは、第1アルギン酸モノマー内の第1金属結晶を安定させるため、少量のリン酸及び/又は水酸化ナトリウム溶液を選択的に加えることにより、第1溶液のpHを約4.5‐5.5に調整することができる。
11 第1ウロン酸分子と
12 第2ウロン酸分子
13 第1モノマー間グリコシド結合
14 第1金属結晶
20 第2アルギン酸モノマー
21 第3ウロン酸分子
22 第4ウロン酸分子
23 第2モノマー間グリコシド結合
24 第2金属イオン
100 金属結晶含有のアルギン酸モノマー
112 第1カルボニル基
126 第1カルボキシル基
200 金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー
200' 第1型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー
200'' 第2型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー
Claims (20)
- 第1アルギン酸モノマーと少なくとも1つの第1金属結晶とを含む金属結晶含有のアルギン酸モノマーであって、
前記第1アルギン酸モノマーは、第1ウロン酸分子と第2ウロン酸分子とが結合して構成され、前記第1ウロン酸分子の炭素鎖の2番目の炭素(C2)に第1カルボニル基が形成され、前記第1ウロン酸分子の炭素鎖の1番目の炭素(C1)と前記第2ウロン酸分子の炭素鎖の4番目の炭素(C4)とが第1モノマー間グリコシド結合を形成し、
前記少なくとも1つの第1金属結晶は、前記第1ウロン酸分子と前記第2ウロン酸分子との間に形成されることを特徴とする金属結晶含有のアルギン酸モノマー。 - 前記第2ウロン酸分子には、第1カルボキシル基が形成され、前記第1金属結晶は、前記第1カルボニル基と前記第1カルボキシル基との間に配置される請求項1に記載の金属結晶含有のアルギン酸モノマー。
- 前記第2ウロン酸分子には第2カルボニル基が形成され、前記第1金属結晶は、前記第1カルボニル基と前記第2カルボニル基との間に配置される請求項1又は2に記載の金属結晶含有のアルギン酸モノマー。
- 前記第1ウロン酸分子及び前記第2ウロン酸分子は、それぞれα-L-グルロン酸及びb-D-マンヌロン酸から選択される請求項1から3のいずれか1つに記載の金属結晶含有のアルギン酸モノマー。
- 前記第1金属結晶は、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、銀(Ag)及び金(Au)から選択される請求項1から4のいずれか1つに記載の金属結晶含有のアルギン酸モノマー。
- 前記第1金属結晶の寸法は20ナノメートル以上である請求項1から5のいずれか1つに記載の金属結晶含有のアルギン酸モノマー。
- 第1型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー又は第2型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーを含む金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーであって、
前記第1型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーは、請求項1から6のいずれか1つに記載の2つの前記第1アルギン酸モノマーと、少なくとも1つの第2金属イオンと、少なくとも1つの第1金属結晶とを含み、前記2つの第1アルギン酸モノマーは逆平行状態となり、前記少なくとも1つの第2金属イオンは前記2つの第1モノマー間グリコシド結合の間に結合し及び前記少なくとも1つの第1金属結晶は前記第1アルギン酸モノマー内に形成され、あるいは
前記第2型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーは、請求項1から6のいずれか1つに記載の1つの前記第1アルギン酸モノマーと、1つの第2アルギン酸モノマーと、少なくとも1つの第2金属イオンと、少なくとも1つの第1金属結晶とを含み、前記第1アルギン酸モノマーと第2アルギン酸モノマーは逆平行状態となり、前記第2アルギン酸モノマーは、第3ウロン酸分子と、第4ウロン酸分子と、第2モノマー間グリコシド結合とを含み、前記少なくとも1つの第2金属イオンは前記第1モノマー間グリコシド結合と前記第2モノマー間グリコシド結合との間に結合し、前記少なくとも1つの第1金属結晶は前記第1アルギン酸モノマー内に形成されることを特徴とする金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー。 - 前記第1ウロン酸分子、前記第2ウロン酸分子、前記第3ウロン酸分子及び前記第4ウロン酸分子は、それぞれα-L-グルロン酸及びb-D-マンヌロン酸から選択される請求項7に記載の金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー。
- 前記第2金属イオンは、カルシウムイオン(Ca2+)、銅イオン(Cu2+)、ストロンチウムイオン(Sr2+)、バリウムイオン(Ba2+)及び亜鉛イオン(Zn2+)から選択される請求項7又は8に記載の金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー。
- 前記第1金属結晶は、鉄(Fe)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、銀(Ag)及び金(Au)から選択される請求項7から9のいずれか1つに記載の金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー。
- 前記第1金属結晶の寸法は20ナノメートル以上である請求項7から9のいずれか1つに記載の金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー。
- 複数の請求項1に記載の金属結晶含有の第1アルギン酸モノマーと、少なくとも1つの第2アルギン酸高分子とを含む金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルであって、
前記第2アルギン酸高分子は、複数の第2アルギン酸モノマーが重合してなるものであり、
前記請求項1から6のいずれか1つに記載の複数の金属結晶含有の第1アルギン酸モノマーと前記第2アルギン酸高分子は、複数の第2金属イオンを通して、交互に結合し請求項7から11のいずれか1つに記載の第1型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーと第2型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーを形成し、
前記金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルにおいて、前記第2アルギン酸高分子は、前記複数の第2金属イオンを通して、複数の第1金属結晶含有の第1アルギン酸モノマーと結合し複数の前記第2型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーを形成し、
各前記第2型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーの前記第1金属結晶には、前記第1金属結晶を中心として複数の第1型金属結晶含有のアルギン酸モノマーが凝集し、さらに複数の前記第1金属結晶と前記第2金属イオンとによって複数の前記第1型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマー及び複数の前記第2型金属結晶含有のアルギン酸塩モノマーが反覆架橋することにより、網状アルギン酸塩ヒドロゲルを形成し、前記第1金属結晶が前記アルギン酸塩ヒドロゲル内に安定に形成されることを特徴とする金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲル。 - 金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法であって、
少なくとも1つの第1アルギン酸高分子を含む第1溶液を提供する工程と、
前記第1アルギン酸高分子を加水分解・酸化することにより、請求項1から6のいずれか1つに記載の複数の第1アルギン酸モノマーを形成する工程と、
複数の第1金属イオンを前記第1溶液に加え、かつ前記複数の第1金属イオンを還元させることにより、前記複数の第1アルギン酸モノマー内に複数の第1金属結晶を形成する工程と、
少なくとも1つの第2アルギン酸高分子と複数の第2金属イオンとを前記第1溶液に加える工程と、
前記複数の第1金属結晶を含む前記複数の第1アルギン酸モノマーと、前記第2アルギン酸高分子と、前記複数の第2金属イオンとを反応させることにより、請求項12に記載の金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルを形成する工程と、を含むことを特徴とする金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法。 - 前記第1アルギン酸高分子を加水分解・酸化することにより、請求項1から6のいずれか1つに記載の複数の第1アルギン酸モノマーを形成する工程は、
前記第1アルギン酸高分子を加水分解することにより、それぞれ少なくとも1つの水酸基を有する複数のアルギン酸モノマーを形成する工程と、
一部の前記水酸基を酸化することで前記第1カルボニル基を形成することにより、前記複数のアルギン酸モノマーを請求項1から6のいずれか1つに記載の第1アルギン酸モノマーを形成する工程と、を含む請求項13に記載の金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法。 - 前記複数のアルギン酸モノマーを形成する工程と、一部の前記水酸基を酸化することで前記第1カルボニル基を形成する工程とは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムをアルカリ性加水分解・酸化剤として又は弱酸に自動酸化剤を混合したものを弱酸性加水分解・酸化剤として選択することを含む請求項14に記載の金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法。
- 前記自動酸化剤は、過酸化水素(hydrogen peroxide)、アスコルビン酸(ascorbate)、亜硫酸塩(sulphites)又はポリフェノール類(polyphenols)である請求項15に記載の金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法。
- 前記第1金属イオンは、鉄イオン、亜鉛イオン、銅イオン、銀イオン及び金イオンから選択される請求項13から16のいずれか1つに記載の金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法。
- 前記第2金属イオンは、カルシウムイオン、銅イオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン及び亜鉛イオンから選択される請求項13から17のいずれか1つに記載の金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法。
- 前記複数の第1金属結晶を形成する工程は、
前記一部の第1金属イオンが前記第1カルボニル基に結合し、
前記第1カルボニル基に結合している前記第1金属イオンと、前記第1カルボニル基に結合していない前記第1金属イオンとを還元することにより、前記第1カルボニル基に結合している複数の第1金属原子種晶と、複数の第1金属原子とを形成し、
前記第1金属原子が前記第1金属原子種晶に凝集し、前記第1金属結晶を形成することを含む請求項14に記載の金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法。 - 前記第1金属イオンを還元する工程は、還元剤として、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4;Sodium borohydride)、アスコルビン酸(Ascorbate)、澱粉(Starch)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、グルコース(Glucose)又はクエン酸(Citrate)を用いることを含む請求項19に記載の金属結晶含有のアルギン酸塩ヒドロゲルの製造方法。
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