JP2014224225A - カーボンナノチューブを含む潤滑油 - Google Patents

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Abstract

【課題】カーボンナノチューブを従来よりも十分に分散して包含し、フラーレンを含む潤滑油と同程度以上の潤滑効果を奏する潤滑油を得る。【解決手段】本発明のカーボンナノチューブを含む潤滑油は、基油に少なくともカーボンナノチューブを有した流体を混合してなる、カーボンナノチューブを含む潤滑油であって、粒子を分散して含むことが可能な媒質である分散媒と、前記分散媒中に均一に分散する複数のカーボンナノチューブとを含んでいるpH値が2.5〜8.0のものであり、前記カーボンナノチューブが多層グラファイト層を備え、前記カーボンナノチューブ表面の活性点の少なくとも一部にOH基が修飾されていることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は流体に関し、より詳細にはカーボンナノチューブ(以下、CNTと表現する場合がある。)を含む潤滑油に関するものである。
従来から、カーボンナノチューブを有した潤滑油が公知となっている。例えば、下記特許文献1のものが挙げられる。
特開2006−45350号公報
カーボンナノチューブは、溶液中において分散しがたいものとして認識されている。したがって、上記特許文献1に開示されているカーボンナノチューブを有した潤滑油は、一定の効果を奏することができるとは思われるが、上記特許文献1にも記載の通り、フラーレンに比べると従来のカーボンナノチューブの潤滑油中の分散性は悪く、フラーレンを含む潤滑油ほどの潤滑効果を得ることができないことは容易に予想できる。
そこで、本発明は、カーボンナノチューブを従来よりも十分に分散して包含し、フラーレンを含む潤滑油と同程度以上の潤滑効果を奏する潤滑油の提供を目的とした。
(1) 本発明のカーボンナノチューブを含む潤滑油は、基油に少なくともカーボンナノチューブを有した流体を混合してなる、カーボンナノチューブを含むものである。また、前記カーボンナノチューブを有した流体は、粒子を分散して含むことが可能な媒質である分散媒と、前記分散媒中に均一に分散する複数のカーボンナノチューブとを含んでいるpH値が2.5〜8.0(好ましくは、6.0〜8.0)のものであるとともに、前記カーボンナノチューブが多層グラファイト層を備え、前記カーボンナノチューブ表面の活性点の少なくとも一部にOH基、CH基及びCHO基のうちいずれか1つ以上が修飾されていることを特徴とする。
(2) 上記(1)のカーボンナノチューブを含む潤滑油においては、前記カーボンナノチューブが、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硫化物、金属窒化物、ホウ酸塩金属、または合金を充填したものであってもよい。
(3) 上記(1)のカーボンナノチューブを含む潤滑油においては、前記カーボンナノチューブの直径が0.01nm〜500nmであることが望ましく、さらに好ましくは0.01nm〜50nmである。なお、前記カーボンナノチューブの直径が0.01nm〜50nmの範囲に含まれる場合には、電気的特性がよいだけでなく、使用する量も少量ですむ。
(4) 上記(3)のカーボンナノチューブを含む潤滑油においては、前記分散媒が、水、又は、水と有機溶媒との混合物であってもよい。
(5) 上記(4)のカーボンナノチューブを含む潤滑油においては、前記有機溶媒がアルコールであってもよい。
(6) 上記(5)のカーボンナノチューブを含む潤滑油においては、前記分散媒が、水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、t−ペンタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、スチレン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、及び、アセトンの中から選択される1以上の液体であってもよい。
(7) 前記基油は、鉱物油を主体に構成された潤滑油であることが好ましい。
本発明によれば、カーボンナノチューブを従来よりも十分に分散して包含し、フラーレンを含む潤滑油と同程度以上の潤滑効果を奏する潤滑油を安価に提供できる。また、本発明の流体中のカーボンナノチューブにおいては、分散安定性が優れており、長期間分散できるという効果を奏する。また、本発明の潤滑油に含まれるCNTは円筒形であるため、転がることが可能であることから、エンジンオイルなどの潤滑剤に含まれる場合、すべりの摩擦抵抗よりも摩擦抵抗が低い転がり摩擦が起きていると考えられる。特に、本発明の潤滑油に含まれるCNTは、表面粗さが低いために表面に凹凸が少ない。また、本発明の潤滑油に含まれるCNTのヤング率は比較的高いことから、窪みの程度が低い。これらの事項から、本発明の潤滑油に含まれるCNTは、転がり摩擦が従来のCNTに比べて低いと言える。したがって、このようなCNTを含む潤滑油の潤滑効果は、安価でありながら、フラーレンを含む潤滑油と同程度以上の潤滑効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るカーボンナノチューブを有した流体の製造工程を示すフローチャートである。 比較例及び本発明に係る実施例の各流体におけるpH値と流動性(分散性)との関係を示すグラフである。 (a)が試料1(比較例)、(b)が試料2(比較例)に係る流体の実験の様子を示す写真である。 (a)が試料3(実施例)、(b)が試料4(実施例)に係る流体の実験の様子を示す写真である。 (a)が試料5(実施例)、(b)が試料6(実施例)に係る流体の実験の様子を示す写真である。 (a)が試料7(実施例)、(b)が試料8(実施例)に係る流体の実験の様子を示す写真である。 実施例2に係るCNTを有した流体(試料7,8)について実験する直前の様子を示した写真である。 (a)が、本発明に係る実施例1における試料8の流体中の溶媒を蒸発させて得たCNT粉末と、原料のCNT粉末、及び、高配向性熱分解黒鉛のX線吸収スペクトルを示すグラフ、(b)が、(a)の一部拡大グラフであって、OK端X線吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明に係る実施例1における試料8の流体中の溶媒を蒸発させて得たCNT粉末と、原料のCNT粉末、及び、高配向性熱分解黒鉛のCK端X線吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明に係る実施例1における試料8の流体中の溶媒を蒸発させて得たCNT粉末のOK端X線吸収スペクトルを示すグラフである。 本発明に係る実施例5における測定原理を説明するための図である。 摩擦力のスペクトル出力(出力電圧)例を示すグラフである。 本発明に係る実施例5における摩擦力のスペクトル出力(出力電圧)結果を示すグラフである。 本発明に係る実施例6におけるグリースを塗布した箇所を示す写真である。
続いて、本発明の一実施形態に係る潤滑油について、詳細に説明する。本実施形態の潤滑油は、基油に少なくともカーボンナノチューブを有した流体を混合してなる、カーボンナノチューブを含むものである。
本実施形態における基油は、自動車(四輪車、二輪車、トラクター等の農機、パワーショベル等の建機等の種々の車両を包含する。以下同じ。)用、船用、工業用の潤滑油として用いられる鉱物油である。具体例を挙げると、自動車用潤滑油としては、エンジンオイル、ギヤオイル、及び自動車用グリースが挙げられる。ギヤオイルとしては、例えば、パワーステアリングフルード、トランスミッションオイル、オートマチックトランスミッションオイル、及びディファレンシャルオイルが挙げられる。自動車用グリースとしては、例えば、ホイールベアリンググリース、ウォーターポンプグリース、及びシャシーグリースが挙げられる。船用潤滑油としては、船用エンジン油、シリンダー油が挙げられる。また、工業用潤滑油としては、特に限定されないが、冷凍機油、エアコンプレッサ油、真空ポンプ油、チェンソーオイル油、摺動面油、工業用ギヤ油、グリース等に用いられるものが挙げられる。
本実施形態におけるカーボンナノチューブを有した流体は、分散媒及びCNTを有したpH2.5〜pH8.0のものであり、該流体中のCNTの割合は、0.01wt%〜10wt%程度に調整されている。分散剤については、必要に応じて使用してよい。
本実施形態の流体における分散媒としては、CNTと反応せずに、分散剤を用いた場合でも該分散剤と共に安定した溶媒である。具体的には、水、又は、水と水溶性有機溶媒のいずれか一種以上とからなる混合溶媒でも良い。
上記水溶性有機溶媒としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ベンジルアルコールなど)、多価アルコール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコールなど)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテルなど)、アミン類(エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミンなど)、アミド類(ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、複素環類(2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、スルホン類(スルホランなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)、その他、テトラヒドロフラン、尿素、アセトニトリルなどを使用することができる。
本実施形態の流体に必要に応じて使用する分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルカリ金属塩等の水溶性樹脂、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類が好ましく、さらにカルボキシメチルセルロースが好ましい。これらの水溶性樹脂及び/又はセルロース類を採用した場合には、他の分散剤を併用することも可能である。ここで、分散媒に含有される分散剤の濃度は、含有される分散質であるCNTの量によっても異なるが、CNTが溶媒に充分になじむ程度の濃度であることが必要である。
なお、上記の水溶性樹脂及び/又はセルロース類を併用可能なその他分散剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の分散性向上作用を有する公知の分散剤を使用できる。
アニオン性界面活性剤としては、芳香族スルホン酸系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、ドデシルフェニルエーテルスルホン酸塩等)、モノソープ系アニオン性界面活性剤、エーテルサルフェート系界面活性剤、フォスフェート系界面活性剤、カルボン酸系界面活性剤などである。コール酸、オレイン酸なども好適に使用でき、アニオン性官能基を有する糖類であるアルギン酸、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸等はそのまま好適に使用でき、シクロデキストリンなどはアニオン性官能基で修飾することによって使用することが可能である。エステル基を有するポリマー、オリゴマーは、エステル部分を加水分解してアニオン性官能基に変換して使用することも可能である。
カチオン性界面活性剤としては、第4級アルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルアミン塩等のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリアクリルアミド等のカチオン性基を有する化合物である。
ノニオン性界面活性剤としては、エーテル系(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等)およびエステル系(ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等)、ソルビトールおよびグリセリン等の多価アルコール脂肪酸のアルキルエーテルおよびアルキルエステル、アミノアルコール脂肪酸アミド等を使用できる。
両性界面活性剤としてはアルキルベタイン系界面活性剤(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、プロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、スルホベタイン系界面活性剤、アミンオキサイド系界面活性剤を使用することができる。
CNTとしては、直径が0.01nm〜500nm(好ましくは0.01nm〜50nm)であり、多層グラファイト層を備えたものであって、分散液の用途に応じて選択することができる。またCNTの製造方法に関しても特に制限されるものではなく、炭素含有ガスを触媒と接触させる熱分解法、炭素棒間にてアーク放電を発生させてなるアーク放電法、カーボンターゲットにレーザーを照射するレーザー蒸発法、金属微粒子の存在下で炭素源のガスを高温で反応させるCVD法、一酸化炭素を高圧下で分解するHiPco法等のいずれでも良い。また、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硫化物、金属窒化物、ホウ酸塩金属、または合金を充填されてなるCNTであっても良い。また、該多層グラファイト層に、窒素、ホウ素、リン、または硫黄原子がドープされていてもよい。なお、CNT濃度が低すぎると分散されたCNTを得る効率が悪く、CNT濃度が高すぎるとCNTの分散が困難になる。また、本実施形態における流体中のCNTの表面の活性点(欠陥)の少なくとも一部には、OH基、CH基及びCHO基のうちいずれか1つ以上が修飾されている。これにより、水素結合を利用することができるので、該CNTの分散媒中への分散性を高めることができる。特に、水を分散媒として利用した場合、顕著である。
本発明における流体に配合が可能な他の成分としては、各種の水溶性樹脂や水分散性樹脂、タンパク質等の生体内の高分子等、CNTの用途に応じて必要な成分を配合することが可能である。
(CNTを有した流体の製造方法、及び、潤滑油の製造方法)
次に、本実施形態に係るCNTを有した流体の製造方法、及び、本実施形態に係る潤滑油の製造方法について説明する。図1に、本実施形態に係るCNTを有した流体の製造工程を示す。本実施形態のCNTを有した流体の製造工程においては、CNTを原料とし、最終製品として、CNTの分散安定性が優れているものを得ることができる。以下、詳細に説明する。
まず、CNT粉末と硫酸とを少量ずつ所定の割合で混合撹拌し、混合液を生成する(工程S1)。続いて、この混合液に所定の割合で硝酸を混合し撹拌する(工程S2)。その後、十分に煮沸するまで該混合液を加熱(工程S3)した後、加熱を止め、冷却する(工程S4)。続いて、該混合液を水で希釈(工程S5)した後、さらに大気中において冷却する(工程S6)。該混合液を十分に冷却した後、該混合液をろ過して、ろ過水を取り出す(工程S7)。そして、該混合液を水で希釈する(工程S8)。ここで、工程S7及び工程S8については、さらに1回以上繰り返しても良い。続いて、遠心分離機を用いて該混合液をろ過(工程S9)した後、さらに超音波洗浄機を用いてろ過を行う(工程S10)。ここで、工程S9及び工程S10については、それぞれさらに1回以上繰り返してもいいし、工程S9又は工程S10のいずれか一方のみをさらに1回以上繰り返してもよい。続いて、水で希釈して、所定の濃度に調整することで、本実施形態に係るCNTを有した流体は完成する。その後、基油に該流体を添加した後に撹拌し、該基油と該流体とを混合することによって、本実施形態に係る潤滑油を得る。なお、一変形例として、本実施形態に係るCNTを有した流体については、必要に応じて、上述した分散媒又は/及び分散剤を加えて、該流体をさらに調整しても良い。なお、一変形例として、CNT表面への官能基の形成は、水中においてCNT表面をプラズマ処理することによって得ても良い。
本実施形態によれば、カーボンナノチューブを従来よりも十分に分散して包含し、フラーレンを含む潤滑油と同程度以上の潤滑効果を奏する潤滑油を安価に提供できる。また、本発明の流体中のカーボンナノチューブにおいては、分散安定性が優れており、長期間分散できるという効果を奏する。また、本発明の潤滑油に含まれるCNTは円筒形であるため、転がることが可能であることから、エンジンオイルなどの潤滑剤に含まれる場合、すべりの摩擦抵抗よりも摩擦抵抗が低い転がり摩擦が起きていると考えられる。特に、本発明の潤滑油に含まれるCNTは、表面粗さが低いために表面に凹凸が少ない。また、本発明の潤滑油に含まれるCNTのヤング率は90.0×1010(Pa)と比較的高いことから、窪みの程度が低い。これらの事項から、本発明の潤滑油に含まれるCNTは、転がり摩擦が従来のCNTに比べて低いと言える。したがって、このようなCNTを含む潤滑油の潤滑効果は、安価でありながら、フラーレンを含む潤滑油と同程度以上の潤滑効果を奏する。
(実施例1)
続いて、本発明に係るCNTを有した流体について、実施例を用いて説明する。上述した製造方法によって実際に製造したCNTを有した流体(試料1〜8)のpH値(商品名:デジタルpH計 PH−201(株式会社佐藤商事製 型番:pH−201)を下記表1に示す。また、各流体中のCNTの分散性を調査した結果も併せて表1に示す。なお、CNTの分散性については、流体の流動性と密接な関係を有していることは明白なことから、以下のようにして調査した。すなわち、CNTを有した流体を透明のガラス容器の途中の高さまで入れ、蓋をした後(例えば図7の状態)、上下逆さまに反転させ、該ガラス容器内壁が透明になるまでの時間(CNTを有した流体が、該ガラス容器内壁から該流体の水面上に落ちきるまでの時間)を計測することによって調査した。上記分散性の結果については、pH値と対応させた図2のグラフ、及び、図3〜図6(実験の様子を示した写真)にも示した。なお、各流体中のCNTの割合は、各流体に対して0.35wt%に調整されており、各流体の分散媒としては水を使用しているが、他の分散媒及び分散剤は使用していない。また、ここでのCNTには、宇部興産株式会社製のAMC(登録商標)を用いた。
図2のグラフ及び図3〜図6の写真から、pH値が3.40以上の試料3〜試料8においては、流体の流動性が高い、つまり、CNTの分散性が高いことがわかる。これに対して、比較例(従来例)のpH値が2.00以下である試料1及び試料2は、流体の流動性が低い、つまり、CNTの分散性が低いことがわかる。
(実施例2)
続いて、本発明に係るCNTを有した流体の機能について、実施例を用いて説明する。本実施例においては、廃棄する予定の廃バッテリー又は使用中のバッテリー内のバッテリー液に、CNTを有した流体(表1における試料3)を添加(バッテリー液全体に対してCNT1wt%となるように添加)し、各バッテリーの電圧変化について試験した。該試験条件及び結果を下記表2に示す。ここで、電圧測定用のテスターとして「商品名:デジタルマルチメータ(株式会社カスタム製 型番:KM−320N)」、比重測定用の比重計として「商品名:比重計(エーモン工業株式会社製 商品コード:B651)」を用いた。また、試験5〜7においては、試験対象の各バッテリーについて5Aの電流で6時間充電を行ってから、各バッテリー内のバッテリー液に本発明に係るCNTを有した流体を添加した後、表2に記載の車両に取り付けて試験を行った。
各試験において、本発明に係るCNTを有した流体を各バッテリー液に添加した直後は、各バッテリー液が黒く濁ったような色となったが、2、3日後には透明度の高いバッテリー液にいずれもが変化していた。上記表2の結果から、本発明に係るCNTを有した流体を添加した後の廃バッテリーの電圧が、十分実用で使用できる程度、又は、メーカー発表の新品の電圧程度にまで回復していることがわかる。
(実施例3)
続いて、本発明に係るCNTを有した流体の機能について、別の実施例を用いて説明する。本実施例においては、市販のエンジンオイル(商品名:トヨタ キャッスル モーターオイル(トヨタ自動車株式会社製)、粘度規格:SAE 10W−30、API規格:SN、ILSAC規格:GF5)に、CNTを有した流体(表1における試料3)を添加し、実際の自動車のエンジンに適用する実験を行った。なお、エンジンオイルの交換量に対してCNTが1wt%となるように、本発明に係る流体を各エンジンオイルに添加した。そして、6日後に車両にどのような変化が見られるか調査した。以上の実験についての条件及び結果を下記表3に併せて示す。
ここで、表3において「車が軽くなった感じがする」と記載したが、具体的に説明すると、以下のとおりである。通常、アクセルを踏むと、車は回転数が上がり速度が上がる仕組みになっている。速度をあげる際、運転者は自身の希望する速度に到達させる為にアクセルペダルを踏んで動力をアップさせ、速度を上昇させようとするが、その際、運転者のイメージする目標速度になるまでの時間tと、エンジンから出力されるパワーが伝達され該目標速度に到達するまでの時間に、Δtの時間差が生じる。大抵、運転者のイメージよりゆっくりと車は速度上昇していく。ところが本発明に係る流体を注入したことで、エンジン内において摩擦抵抗が著しく低下したことで、動力の無駄を節約し、パワーを無駄なく伝達することができるようになる。すると、エンジン回転の吹き上がりが俊敏(トルクアップ)となり、結果として運転者のイメージに近い時間tで希望速度に到達する現象に変わる。よって、運転者は車が軽く俊敏に動くと感じられる。以上のことを、表3において「車が軽くなった感じがする」と表現した。また、表3における「堕走距離」とは、60kmで走行しているときに、ギヤチェンジしてドライブ状態からニュートラル状態にした場合の空走距離のことをいう。
上記表3の結果から、本発明に係るCNTを有した流体を添加した後のエンジンオイルを用いることで、燃費が大幅に良くなったことがわかる。また、表3には記載していないが、本発明に係るCNTを有した流体を添加する前は、各実験に用いた自動車のアクセルを解放してから2秒〜3秒もすれば時速60kmから時速5kmほどに落ちたのに、本発明に係るCNTを有した流体をエンジンオイルに添加した後の各自動車では、5秒〜6秒経過してから時速5kmほどになるという結果を得られた。
(実施例4)
本発明に係る実施例1における試料8の流体中のCNTの構造を、全電子収量法による軟X線吸収分光法(TEY-XAS: total electron yield X-ray absorption spectroscopy)で調べた。この全電子収量法による軟X線吸収分光法では、試料電流を計測することによって、炭素表面の状態分析を行うことができる。以下、具体的に説明する。
(分析方法)
測定試料は、本発明に係る実施例1における試料8の流体中の溶媒を蒸発させて得た該CNT粉末と、原料のCNT粉末(宇部興産株式会社製のAMC(登録商標))、及び、高配向性熱分解黒鉛(ロシアのNT−MDT社製のHOPG)とした。放射光軟X線吸収測定は、米国の研究施設であるAdvanced Light Source (ALS)のビームラインBL-6.3.2(光源は偏向電磁石)において実施し、試料電流を計測する全電子収量法で計測した。具体的には、光学素子評価装置を吸収測定に使用し、分光素子には刻線密度1200本/mmの不等間隔刻線平面回折格子を使用し、出射スリット幅を40μmとした。測定エネルギー範囲はOK端の二次回折光(約265eV)から、CK端(約285eV)を経てOK端(約530eV)をカバーする200eV〜600eVに設定した。この領域での入射光の理論エネルギー分解能(E/ΔE)は約15000(200eV)〜1500(600eV)である。
これらの条件下で、絶縁性ガラス基板にはりつけた3つのインジウムシートそれぞれに各試料粉末を別々に押し付けて保持し、それぞれの試料粉末ごとに直入射(90°入射角)の放射光を照射した。そして、放射光照射により流れる各試料粉末の試料電流値(I)を、インジウムシートに結線したリード線を介して電流計で読み取った。また清浄な金シートの試料電流を入射光強度(I)とし、I/Iを入射光エネルギーに対してプロットすることによりTEY-XASスペクトルを得た。測定時の真空度は10−5Pa台であり、1スペクトルあたりの測定時間は約5分である。なお、各試料のスペクトル形状は5分間程度の放射光照射ではほとんど変化せず、この間の試料分解はほとんど無視できることをあらかじめ確認した。
(結果と考察)
各試料の軟X線吸収スペクトル(200eV〜600eV)を図8(a)に示す。いずれの試料もCK吸収端のスペクトル形状はほぼ同一であるが、本発明に係るCNTにのみOK吸収端にピークが現れる。これはOK端領域を拡大した図8(b)から明瞭である。したがって、該CNTは酸化され、酸素官能基がCNTのエッジ炭素に結合していると判断できる。CK端X線吸収スペクトルを図9に示す。該CNTとCNT原料のスペクトル形状は高配向性熱分解黒鉛の形状とほぼ一致することから、これらは炭素六角網面構造を基本構造とするCNTであることが確認できる。つまり、分散処理した本発明に係るCNTもCNTの基本構造を保持している。しかし、該CNTには288.5eV付近に小さなピークが現れ、下記文献[1,2]との比較より、これはカルボニル基によるピークであると考えられる。
[1] 上田聡, 村松康司,
Eric M. Gullikson, X線分析の進歩, 39,105-116 (2008).
[2] Y. Muramatsu, S. Ueda, and
E. M. Gullikson, Tanso, 236, 9-14(2009).
次に、本発明に係るCNTのOK端X線吸収スペクトルを図10に示す。これは533eV付近のπ*ピークと540eV付近のσ*ピークを示している。このピーク形状から、該CNTに結合した酸素は、二重結合をもつ酸素、即ちカルボニル基あるいはカルボキシル基であることが推定される。これは図9に示した該CNTの288.5eVピークの出現と整合する。ただし、π*ピーク形状が幅広いことから、酸素官能基を特定することは困難である。
CK端とOK端との吸収強度比から炭素原子に対する酸素原子の存在比を定量することができる。上記文献[1,2]による定量法においては、CK端では290eV〜305eVのσ*ピーク領域、OK端では535eV〜550eVのσ*ピーク領域の面積を算出し、そのOKσ*/CKσ*比を求める。本発明に係るCNTのOKσ*/CKσ*比は0.059であり、この値を既報の検量線に適用すると、検出限界以下であった。しかし、本法の検出限界は数%であることから、本発明に係るCNTの酸素量は炭素に対して数%以下であると推定できる。
(実施例5)
次に、エンジンオイル(ダフニースーパーコートNR 出光興産株式会社製に本発明に係る実施例1における試料7を2wt%添加して得たCNT潤滑剤及び他の一般的な潤滑剤等のそれぞれについて、金属表面上における摩擦測定を行った。以下、具体的に説明する。
(測定原理)
表面性測定機(「トライボギアHEIDON−14」新東科学株式会社製)を用いて、金属表面上における各試料の摩擦測定を行った。以下、図11を用いて、簡単に測定原理を示す。図11に示したように、上記表面性測定機の主要部分には、分銅10を載置可能な台座11と、一端側で台座11を支え、他端側に接触板12に接触可能な接触球13aを有した棒状部材13と、が設けられている。ここで、分銅による垂直荷重をN、接触球13aと接触板12との間の摩擦力をF、摩擦係数をμとすると、μ=F/Nの関係が成立する。なお、上記表面性測定機には、図示しない力検出器も設けられており、この力検出器の電圧出力Y(単位:V)とF(単位:N)の関係は、F=20Yであるので、摩擦係数は、μ=20Y/Nで表される。
(測定条件)
分銅は100gの重さのもの、接触板はステンレスSUS304、接触球はベアリング球USJ2とした。駆動盤の移動距離は10mm、力検出器のサンプリング周波数は500Hzとし、表面性測定機の設定条件はダイヤル48、支持固定ピン30とした。
(測定方法)
各試料(潤滑剤など)20を塗布した各接触板12に対して,上記分銅10で加重した接触球13aを接触させる。接触板12を固定した駆動盤(図示せず)を水平方向に距離10mm移動させ、このときの摩擦力Fを力検出器で0.002秒ごと(500Hz)に電圧出力する。スペクトル出力(出力電圧)がほぼ一定となる動摩擦領域を適当な範囲で設定し(図12の摩擦力のスペクトル例を参照)、この範囲の平均出力電圧を求めてμ=20Y/Nの式から摩擦係数μを算出する。なお、往復移動を繰り返し、適切な往復回数ごとに摩擦係数を計測した。
(結果と考察)
摩擦係数μ(往復1回目)の結果を下記表4に示す。
上記結果から、本発明の試料7は、摩擦係数が非常に低いことがわかる。また、図13に示したスペクトル出力(出力電圧)の結果から、往復を繰り返しても、本発明の試料7が最も動摩擦の振れ幅が小さく安定していることがわかる。
(実施例6)
次に、本発明に係る実施例1における試料7を2wt%の割合でグリース(ダフニーエポネックスグリース(グレード NLGI No.2) 出光興産株式会社製)に混合し、該グリースをルータ式基板分割機(SAM−CT23NJ 株式会社サヤカ製)内部の4ヶ所の摺動部分(図14参照)に適量を塗布して、潤滑効果を検証した。ここで、比較例として、上記ルータ式基板分割機の同箇所において、精製鉱油を基油としたリチウム系増ちょう剤のAFB−LFグリース(THK株式会社製)を使用した場合の潤滑効果の検証も行った。なお、これらの潤滑効果の検証は、各グリースを使用した上記ルータ式基板分割機において、同作業を行った場合の電気消費量を電力計(クランプ式無線電力計 製品品番:CHE−TSTCLW サンワサプライ株式会社製)を用いて測定し比較することによって行った。
各グリースの潤滑効果の検証結果を下記表5に示す。この結果からわかるように、本発明に係る実施例1における試料7を2wt%含んだグリースは、従来のものよりも十分な節電効果を奏している。すなわち、実施例のグリースにおいては、従来品よりも高い潤滑効果を備えていることが実証された。
※1 実施例の比較例に対する節電率
※2 実施例の比較例に対する適用効果
(実施例7)
次に、エンジンオイル(ENEOS
FINE MOTOR OIL 10W−30 JX日鉱日石エネルギー株式会社製)に本発明に係る実施例1における試料7を20cc添加して、車両(2002年式 ゴルフ(登録商標)ワゴンGLI VOLKSWAGEN社製)による燃費改善効果の検証を行った。具体的には、通勤による約25.3kmの区間において、平成25年6月12日〜18日に上記エンジンオイルのみで検証し(比較例)、平成25年6月18日の検証直後に、上記エンジンオイルに本発明に係る実施例1における試料7を20cc添加して、平成25年6月19日〜平成25年6月27日(下記表6にない日は車両を稼働させていない)にかけて検証した。
上記検証結果から、本発明に係る実施例1における試料7を上記エンジンオイルに20cc添加するだけで、燃費改善効果が顕著に現れていることがわかる。
なお、上記CNTを有した流体は、上述した用途の他にも、電気的な接点(金属)部分に関する表面改質、研磨剤、レンズ仕上げ剤、金型仕上げ剤、染色用途、メッキ用途、塗料への添加、生体認識を始めとした医療分野など、様々な用途に使用することができる。

Claims (7)

  1. 基油に少なくともカーボンナノチューブを有した流体を混合してなる、カーボンナノチューブを含む潤滑油であって、
    前記カーボンナノチューブを有した流体が、
    粒子を分散して含むことが可能な媒質である分散媒と、
    前記分散媒中に均一に分散する複数のカーボンナノチューブと
    を含んでいる、pH値が2.5〜8.0のものであり、
    前記カーボンナノチューブが多層グラファイト層を備え、
    前記カーボンナノチューブ表面の活性点の少なくとも一部にOH基、CH基及びCHO基のうちいずれか1つ以上が修飾されていることを特徴とするカーボンナノチューブを含む潤滑油。
  2. 前記カーボンナノチューブが、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硫化物、金属窒化物、ホウ酸塩金属、または合金を充填したカーボンナノチューブであることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブを含む潤滑油。
  3. 前記カーボンナノチューブの直径が0.01nm〜500nmであることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブを含む潤滑油。
  4. 前記分散媒が、水、又は、水と有機溶媒との混合物であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブを含む潤滑油。
  5. 前記有機溶媒が、アルコールであることを特徴とする請求項4記載のカーボンナノチューブを含む潤滑油。
  6. 前記アルコールが、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、t−ブタノール、t−ペンタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、スチレン、酢酸エチル、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、及び、アセトンの中から選択される1以上の液体であることを特徴とする請求項5記載のカーボンナノチューブを含む潤滑油。
  7. 前記基油は鉱物油を主体に構成された潤滑油であることを特徴とする請求項1記載のカーボンナノチューブを含む潤滑油。
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