JP2014222054A - 車両用エンジンの排気ガス還流装置 - Google Patents

車両用エンジンの排気ガス還流装置 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制する。
【解決手段】排気マニホルド13と吸気マニホルド12とを連絡する排気ガス還流通路18として、シリンダヘッド2内の気筒列方向一方の端部側で気筒列方向と交差する方向の他方の端部から一方の端部に向けて形成された第1排気ガス還流通路部24、第1排気ガス還流通路部24の上流端部で分岐してシリンダヘッド2内で気筒列方向一方の端部から他方の端部に向けて形成され且つシリンダヘッド側ウォータジャケット10を囲繞する第2排気ガス還流通路部25、第1排気ガス還流通路部24の上流端部で分岐してシリンダブロック1側に向け且つシリンダブロック1内で気筒列方向一方の端部から他方の端部に向けて形成され且つシリンダブロック側ウォータジャケット11を囲繞する第3排気ガス還流通路部26を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の気筒を有する車両用エンジンの排気ガス還流装置に関し、排気マニホルド内の排気ガスの一部を吸気マニホルドに還流する排気ガス還流通路部をエンジン本体に形成する場合に好適なものである。
このように排気ガス還流通路部をシリンダヘッドに形成する車両用エンジンの排気ガス還流装置としては、例えば下記特許文献1に記載されるものがある。この車両用エンジンの排気ガス還流装置では、シリンダヘッドの気筒列方向と交差する方向の一方の端部に吸気マニホルドを取付け、シリンダヘッドの気筒列方向と交差する方向の他方の端部には排気マニホルドを取付ける。そして、排気マニホルドと吸気マニホルドを連絡する排気ガス還流通路部をシリンダヘッドのウォータジャケットに接触するように形成し、この排気ガス還流通路部を開閉するように排気ガス還流バルブを設ける。
特開2002−4953号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載される車両用エンジンの排気ガス還流装置では、排気ガス還流通路部とウォータジャケットとの接触面積が十分でない場合に、排気ガス還流通路部を流れる排気ガスの温度を十分に冷却できない虞がある。また、吸気マニホルド側に還流される排気ガスの温度は一定又はほぼ一定であるから、エンジンの負荷状態が小さい場合に還流排気ガスの温度が低いと燃焼効率や安定性が低下し、エンジンの負荷状態が大きい場合に還流排気ガスの温度が高いとノッキングが発生しやすい。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することが可能な車両用エンジンの排気ガス還流装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、複数の気筒が形成され、少なくとも前記複数の気筒の周囲にシリンダブロック側ウォータジャケットが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダブロックのエンジン上方に取付けられ、シリンダヘッド側ウォータジャケットが形成されたシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドの前記気筒列方向と交差する方向の一方の端部に取付けられ、前記各気筒の吸気ポートに接続される吸気マニホルドと、前記シリンダヘッドの前記気筒列方向と交差する方向の他方の端部に取付けられ、前記各気筒の排気ポートに接続される排気マニホルドと、を備えた車両用エンジンの排気ガス還流装置において、前記排気マニホルドと前記吸気マニホルドとを連絡するように前記シリンダヘッド及び前記シリンダブロックの少なくとも何れか一方に形成され、前記排気マニホルド内の排気ガスを複数の段階の温度に冷却可能な複数の経路を有する排気ガス還流通路と、エンジンの運転負荷状態に応じて前記排気ガス還流通路の複数の経路による前記排気マニホルド及び前記吸気マニホルドの連絡状態を選択的に調整可能な排気ガス還流バルブとを備えることを特徴とする。
上記課題を解決するため、本発明の第2の態様は、前記排気ガス還流通路の複数の経路として、前記シリンダヘッド内の前記気筒列方向一方の端部側で前記気筒列方向と交差する方向の他方の端部から前記気筒列方向と交差する方向の一方の端部に向けて形成された第1排気ガス還流通路部と、前記第1排気ガス還流通路部の上流端部で分岐して前記シリンダヘッド内で前記気筒列方向一方の端部から前記気筒列方向他方の端部に向けて形成され、前記第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に接続する第2排気ガス還流通路部と、前記第1排気ガス還流通路部の上流端部で分岐して前記シリンダブロック側に向けて形成され且つ前記シリンダブロック内で前記気筒列方向一方の端部から前記気筒列方向他方の端部に向けて形成され、前記第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に接続する第3排気ガス還流通路部とを備えるのが好ましい。
上記課題を解決するため、本発明の第3の態様は、前記第2排気ガス還流通路部及び前記第3排気ガス還流通路部が合流する前記第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に断面が均一で一連な合流部を形成し、前記合流部に前記排気ガス還流バルブを配置し、前記排気ガス還流バルブによって移動されるピストンを前記合流部の内部に配置するのが好ましい。
上記課題を解決するため、本発明の第4の態様は、前記エンジンの負荷状態が予め設定された負荷状態よりも小さい場合には、前記排気ガス還流バルブによって前記第1排気ガス還流通路部のみが前記排気マニホルドと前記吸気マニホルドとを連絡する状態とし、前記エンジンの負荷状態が予め設定された負荷状態よりも大きい場合には、前記排気ガス還流バルブによって前記第排気ガス還流通部と前記第2排気ガス還流通路部及び前記第3排気ガス還流通路部の少なくとも何れか一方とが前記排気マニホルドと前記吸気マニホルドとを連絡する状態とするのが好ましい。
上記課題を解決するため、本発明の第5の態様は、前記第2排気ガス還流通路部の通路断面積及び前記第3排気ガス還流通路部の通路断面積を前記第1排気ガス還流通路部の通路断面積より小さく設定し、前記エンジンの負荷状態が大きくなるにつれて、前記排気ガス還流バルブによって、前記第1排気ガス還流通路部、前記第1排気ガス還流通路部及び前記第2排気ガス還流通路部、前記第1排気ガス還流通路部及び前記第2排気ガス還流通路部及び前記第3排気ガス還流通路部の順に各排気ガス還流通路部が前記排気マニホルドと前記吸気マニホルドとを連絡する状態とするのが好ましい。
このように、前記の第1の態様によれば、車両用エンジンが複数の気筒を有する場合に、吸気マニホルドをシリンダヘッドの気筒列と交差する方向の一方の端部に取付け、排気マニホルドをシリンダヘッドの気筒列と交差する方向の他方の端部に取付ける。また、排気マニホルドと吸気マニホルドとを連絡し且つ排気マニホルド内の排気ガスを複数の段階の温度に冷却可能な排気ガス還流通路の複数の経路をシリンダヘッド及びシリンダブロックの少なくとも何れか一方に形成する。そして、排気ガス還流バルブは、エンジンの運転負荷状態に応じて排気ガス還流通路の複数の経路による排気マニホルド及び吸気マニホルドの連絡状態を選択的に調整可能とした。そのため、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めることが可能となると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することが可能となる。
また、前記の第2の態様によれば、排気ガス還流通路の複数の経路として、シリンダヘッド内の気筒列方向一方の端部側で気筒列方向と交差する方向の他方の端部から一方の端部に向けて形成された第1排気ガス還流通路部と、第1排気ガス還流通路部の上流端部で分岐してシリンダヘッド内で気筒列方向一方の端部から他方の端部に向けて形成され且つ第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に接続する第2排気ガス還流通路部と、第1排気ガス還流通路部の上流端部で分岐してシリンダブロック側に向けて形成され且つシリンダブロック内で気筒列方向一方の端部から他方の端部に向けて形成され且つ第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に接続する第3排気ガス還流通路部とを備える。第2排気ガス還流通路部は第1排気ガス還流通路部よりもシリンダヘッド側ウォータジャケットに接触する面積が大きく、第1排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度よりも第2排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度を低くすることができる。また、シリンダブロック側ウォータジャケット内の冷却水の温度はシリンダヘッド側ウォータジャケット内の冷却水の温度よりも低い。更に、第3排気ガス還流通路部の全長を第1排気ガス還流通路部や第2排気ガス還流通路部の全長よりも長く設定することができるため、第3排気ガス還流通路部内の還流排気ガスの上流端部から下流端部への到達時間を長くすることができ、第3排気ガス還流通路部内の還流排気ガスの温度を低下し易い。そのため、第2排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度よりも第3排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度を低くすることができる。従って、第1排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度よりも第2排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度を低くすることができ、第2排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度よりも第3排気ガス還流通路部からの還流排気ガス温度を低くすることができる。従って、複数の排気ガス還流通路部からの還流排気ガス温度を3段階の冷却温度に設定することができ、これらの還流排気ガスを吸気マニホルドの手前で運転状況に応じて選択したり又は選択されたものを連続的に混合したりして、吸気マニホルドに還流することで、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することができる。
また、前記の第3の態様によれば、第2排気ガス還流通路部及び第3排気ガス還流通路部が合流する第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に断面が均一で一連な合流部を形成し、排気ガス還流バルブによって移動されるピストンを合流部の内部に配置した。そのため、1つの排気ガス還流バルブのピストンを合流部内で移動することにより、第1〜第3排気ガス還流通路部による排気マニホルド及び吸気マニホルドの連絡状態を選択的に調整することができる。従って、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することができる。
また、前記の第4の態様によれば、エンジンの負荷状態が小さい場合には、排気ガス還流バルブによって第1排気ガス還流通路部のみが排気マニホルドと吸気マニホルドとを連絡する状態とし、エンジンの負荷状態が大きい場合には、排気ガス還流バルブによって第1排気ガス還流通路部と第2排気ガス還流通路部及び第3排気ガス還流通路部の少なくとも何れか一方とが排気マニホルドと吸気マニホルドとを連絡する状態とする。前述のように、第1排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度よりも第2排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度が低く、更に第2排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度よりも第3排気ガス還流通路部からの還流排気ガスの温度が低い。従って、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することができる。
また、前記の第5の態様によれば、第2排気ガス還流通路部の通路断面積及び第3排気ガス還流通路部の通路断面積を第1排気ガス還流通路部の通路断面積より小さく設定する。そのため、第2排気ガス還流通路部や第3排気ガス還流通路部では、第1排気ガス還流通路部よりも還流排気ガスを冷却することができる。また、エンジンの負荷状態が大きくなるにつれて、排気ガス還流バルブによって、第1排気ガス還流通路部、第1排気ガス還流通路部及び第2排気ガス還流通路部、第1排気ガス還流通路部及び第2排気ガス還流通路部及び第3排気ガス還流通路部の順に各排気ガス還流通路部が排気マニホルドと吸気マニホルドとを連絡する状態とする。そのため、エンジンの負荷状態が大きいほど、低温の還流排気ガスを吸気マニホルドに還流することができ、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することができる。
図1は、本発明の排気ガス還流装置が適用された車両用エンジンの一実施形態を示す平面図である。 図2は、図1の車両用エンジンの正面図である。 図3は、図1の車両用エンジンの側面図である。 図4は、図1の車両用エンジンのシリンダブロックの平面図である。 図5は、図1の車両用エンジンにおける排気ガス還流通路部の合流部周辺の拡大図である。 図6は、図1の車両用エンジンにおける排気ガス還流通路部の合流部周辺の拡大図である。 図7は、図1の車両用エンジンにおける排気ガス還流通路部の合流部周辺の拡大図である。 図8は、図1の車両用エンジンにおける排気ガス還流通路部の合流部周辺の拡大図である。 図9は、図1の制御装置で行われる演算処理のフローチャートである。
次に、本発明の車両用エンジンの排気ガス還流装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の車両用エンジンの概略構成を示す平面図、図2は、図1の車両用エンジンの正面図、図3は、図1の車両用エンジンの側面図、図4は、図1の車両用エンジンのシリンダブロックの平面図である。本実施形態の車両用エンジンは、シリンダブロック1の上端面にシリンダヘッド2が取付けられ、シリンダヘッド2の上端面にシリンダヘッドカバー3が取付けられる。シリンダブロック1の下部にはクランクケースが形成され、このクランクケース内にクランク軸5が回転自在に収納される。また、シリンダブロック1の下端面には、オイルパン4が取付けられる。この車両用エンジンには、例えば図1の図示右方に図示しない変速機が取付けられる。
シリンダヘッド2のシリンダブロック1との接合面には、気筒列に沿って複数、本実施形態では3つの燃焼室6が形成される。従って、クランク軸5の軸線は、燃焼室6の配列方向、即ち気筒列と平行である。また、シリンダブロック1のうち、各燃焼室6の下方には気筒(シリンダボア)7が形成されている。なお、エンジン本体は、種々の向き(傾きを含む)で車両に搭載されるが、凡そシリンダブロック1に対してシリンダヘッド2が上方になるように搭載されるので、その方向をエンジン上方、逆方向をエンジン下方と定義する。
各燃焼室6には、当該燃焼室6に混合気を吸気するための吸気ポート8、及び当該燃焼室から排気ガスを排気するための排気ポート9が接続される。本実施形態では、各燃焼室6に、吸気ポート8及び排気ポート9が夫々2つずつ接続される。吸気ポート8の燃焼室6側端部の吸気口は図示しない吸気バルブによって開閉され、排気ポート9の燃焼室6側端部の排気口は図示しない排気バルブによって開閉される。なお、特に燃焼室6や排気ポート9は高温になるため、それらの周囲にはシリンダヘッド側ウォータジャケット10と呼ばれる冷却水通路が形成され、このシリンダヘッド側ウォータジャケット10を流れる冷却水によってシリンダヘッド2が冷却される。同様に、シリンダブロック1のうち、気筒(シリンダボア)7の周囲にはシリンダブロック側ウォータジャケット11が形成され、このシリンダブロック側ウォータジャケット11を流れる冷却水によってシリンダブロック1が冷却される。
図1には、シリンダヘッド側ウォータジャケット10における冷却水の流れを破線の矢印で示す。また、図4には、シリンダブロック側ウォータジャケット11における冷却水の流れを破線の矢印で示す。また、図2には、シリンダブロック側ウォータジャケット11からシリンダヘッド側ウォータジャケット10に流れる冷却水の流れを破線の矢印で示す。前述のように、気筒(シリンダボア)7よりも燃焼室6や排気ポート9の方が高温なので、シリンダヘッド側ウォータジャケット10内の冷却水の温度はシリンダブロック側ウォータジャケット11内の冷却水の温度よりも高い。そのため、冷却水をシリンダブロック側ウォータジャケット11からシリンダヘッド側ウォータジャケット10に流して冷却効率を高めている。
全気筒7の吸気ポート8は吸気マニホルド12に接続され、全気筒7の排気ポート9は排気マニホルド13に接続される。吸気マニホルド12は、シリンダヘッド2のうち、図1の上側端面、即ち気筒列方向と交差する方向の一方の端面に取付けられている。また、排気マニホルド13は、シリンダヘッド2のうち、図1の下側端面、即ち気筒列方向と交差する方向の他方の端面に取付けられている。吸気マニホルド12は図示しない吸気ダクトに接続され、排気マニホルド13には、触媒コンバータなどを介装する排気管14が接続される。
燃焼室6で発生した排気ガスは排気ポート9から排気マニホルド13を経て排気管14から外部に排出される。本実施形態では、この排気ガスの一部を吸気側に還流する排気ガス還流装置がシリンダヘッド2に設けられている。図中の符号15は、この排気ガスの還流を制御するための制御バルブで、一般に排気ガス還流バルブ(EGRバルブ)と呼ばれる。このEGRバルブ15は、例えばエンジン制御装置16によって制御されており、排気ガス還流装置による排気マニホルド13及び吸気マニホルド12の連絡状態を調整する。本実施形態では、EGRバルブ15に接続されたピストン17の位置を制御することによって、吸気マニホルド12に還流する排気ガスの量(還流する・しないを含む)を調整すると共に、還流する排気ガスの温度調整も行う。
排気ガスは高温であるから、排気ガスの一部を吸気側に還流する際には、それを冷却しておくことが望ましい。そこで、本実施形態の排気ガス還流装置を構成する排気ガス還流通路18として、シリンダヘッド2及びシリンダブロック1内に複数の排気ガス経路を形成し、夫々の排気ガス経路を通過する還流排気ガスの温度を複数の段階の温度に調整する。本実施形態では、シリンダヘッド2のうち、図1の右方端部、即ち気筒列方向の一方の端部で且つ排気マニホルド13が取付けられている図1の下側端面、即ち気筒列方向と交差する方向の他方の端面に凹部を形成し、この凹部を分岐部19とする。この分岐部19と排気マニホルド13は排気マニホルド側接続管路20によって接続される。また、シリンダヘッド2のうち、図1の右方端部、即ち気筒列方向の一方の端部で且つ吸気マニホルド12が取付けられている図1の上側端面、即ち気筒列方向と交差する方向の一方の端面に凹部を形成し、この凹部を接続部21とする。この接続部21と吸気マニホルド12は吸気マニホルド側接続管路22によって接続される。
この接続部21に接続して、図1の右側端面、即ち気筒列方向の一方の端面には、半径が一定の円形断面を一連に有する合流部23が形成されている。前述したEGRバルブ15は、この合流部23を閉塞するように取付けられており、EGRバルブ15のピストン17は合流部23の内部に収納されている。ピストン17は、この合流部23の円形断面を閉塞する大きさと形状を有し、EGRバルブ15によってピストン17を合流部23の軸線方向に移動することで、ピストン17による合流部23の閉塞領域を調整することができる。
本実施形態では、還流排気ガスの温度を複数の段階に調整することが可能な排気ガス還流通路18の複数の経路として、第1〜第3排気ガス還流通路部24〜26の3つの経路を有する。このうち、第1排気ガス還流通路部24は、シリンダヘッド2内の図1の右方端部、即ち気筒列方向の一方の端部側で、図1の下方端部、即ち気筒列方向と交差する方向の他方の端部から図1の上方端部、即ち気筒列方向と交差する方向の一方の端部に向けて形成されている。この第1排気ガス還流通路部24の排気ガス上流端部は分岐部19に接続され、排気ガス下流端部は合流部23に接続されている。第2排気ガス還流通路部25は、第1排気ガス還流通路部24の上流端部である分岐部19から分岐し、シリンダヘッド2内で図1の右方端部、即ち気筒列方向一方の端部から図1の左方端部、即ち気筒列方向他方の端部に向けて形成され、前記シリンダヘッド側ウォータジャケット10を平面視で囲繞して排気ガス下流端部が合流部23に接続されている。第3排気ガス還流通路部26は、第1排気ガス還流通路部24の上流端部である分岐部19から分岐し、シリンダヘッド2の内部からシリンダブロック1側に向けて形成され、更にシリンダブロック1内でエンジン下方に向けて延長され、そこからシリンダブロック1内で図1の右方端部、即ち気筒列方向一方の端部から図1の左方端部、即ち気筒列方向他方の端部に向けて形成され、前記シリンダブロック側ウォータジャケット11を平面視で囲繞して排気ガス下流端部が合流部23に接続されている。
図5〜図8は、図1の車両用エンジンにおける排気ガス還流通路18の合流部23周辺の拡大図である。これらの図から明らかなように、本実施形態では、第1〜第3排気ガス還流通路部24〜26が合流する合流部23に対し、接続部21側から第1排気ガス還流通路部24、第2排気ガス還流通路部25、第3排気ガス還流通路部26の順に並んで接続されている。従って、EGRバルブ15によってピストン17の位置を合流部23における第1排気ガス還流通路部24の合流位置より接続部21側に設定すれば、全ての排気ガス還流通路部は吸気マニホルド12に接続されない。また、ピストン17の位置を合流部23における第1排気ガス還流通路部24の合流位置と第2排気ガス還流通路部25の合流位置との間に設定すれば、第1排気ガス還流通路部24が吸気マニホルド12に接続される。また、ピストン17の位置を合流部23における第2排気ガス還流通路部25の合流位置と第3排気ガス還流通路部26の合流位置との間に設定すれば、第1排気ガス還流通路部24及び第2排気ガス還流通路部25が吸気マニホルド12に接続される。また、ピストン17の位置を合流部23における第3排気ガス還流通路部26の合流位置よりも接続部21の反対側位置に設定すれば、第1排気ガス還流通路部24〜第3排気ガス還流通路部26の全てが吸気マニホルド12に接続される。また、図から明らかなように、第2排気ガス還流通路部25の通路断面積及び第3排気ガス還流通路部26の通路断面積を第1排気ガス還流通路部24の通路断面積より小さく設定している。更に、本実施形態では、第3排気ガス還流通路部26の通路断面積を第2排気ガス還流通路部25の通路断面積より小さく設定している。
前述のように、第1排気ガス還流通路部24は、シリンダヘッド2内において、図1の右方端部側で図1の下側端部から図1の上側端部に向けて形成されている。そのため、この第1排気ガス還流通路部24は、シリンダヘッド側ウォータジャケット10に接触しているが、その接触長さは比較的短く、結果的にシリンダヘッド側ウォータジャケット10への接触面積が比較的小さい。これに対し、第2排気ガス還流通路部25は、シリンダヘッド2内において、図1の下側端部側で図1の右方端部から図1の左方端部へと形成され、更にシリンダヘッド側ウォータジャケット10を囲繞して合流部23に合流している。そのため、この第2排気ガス還流通路部25のシリンダヘッド側ウォータジャケット10に接触している接触面積は、第1排気ガス還流通路部24のシリンダヘッド側ウォータジャケット10に接触している面積よりも大きい。従って、第2排気ガス還流通路部25から還流される排気ガスの温度は第1排気ガス還流通路部24から還流される排気ガスの温度よりも低くなっている。
更に、第3排気ガス還流通路部26は、シリンダヘッド2からシリンダブロック1の内部に向けて形成された後、シリンダブロック1内において、図4の下側端部側で図4の右方端部から図4の左方端部へと形成され、更にシリンダブロック側ウォータジャケット11を囲繞して合流部23に合流している。前述のように、シリンダブロック側ウォータジャケット11内の冷却水温度はシリンダヘッド側ウォータジャケット10内の冷却水温度よりも低い。その上、シリンダヘッド2からシリンダブロック1内を迂回するようにしてシリンダヘッド2に還流する第3排気ガス還流通路部26は、その上流端部から下流端部までの長さが長く、その分だけ、シリンダブロック側ウォータジャケット11内の冷却水でより一層冷却される。そのため、第3排気ガス還流通路部26から還流される排気ガスの温度は第2排気ガス還流通路部25から還流される排気ガスの温度よりも低くなっている。
しかも、本実施形態では、第2排気ガス還流通路部25の通路断面積及び第3排気ガス還流通路部26の通路断面積を第1排気ガス還流通路部24の通路断面積より小さく設定し、第3排気ガス還流通路部26の通路断面積を第2排気ガス還流通路部25の通路断面積より小さく設定している。排気ガス還流通路部の通路断面積が小さい場合には、通路断面積が大きい場合に比して、ウォータジャケット内の冷却水温度の影響を受けやすい。従って、第1排気ガス還流通路部24から還流される排気ガスの温度よりも第2排気ガス還流通路部25及び第3排気ガス還流通路部26から還流される排気ガスの温度をより一層低くすることができる。更に、第2排気ガス還流通路部25から還流される排気ガスの温度よりも第3排気ガス還流通路部26から還流される排気ガスの温度をより一層低くすることができる。
ここで、還流排気ガスの温度とエンジン性能の関係について説明する。一般に、エンジンの負荷状態は、例えばスロットル開度やエンジン回転速度などから求めることができる。そして、エンジンの負荷状態が大きいときには、燃焼室6に供給される混合気の温度を低くすることで、ノッキングを抑制することができる。従って、エンジンの負荷状態が大きいときには、還流排気ガスの温度を低くするとよい。一方、エンジンの負荷状態が小さいときには、燃焼室6に供給される混合気の温度を低くしすぎると、燃焼効率や燃焼安定性が損なわれる。従って、エンジンの負荷状態が小さいときには、還流排気ガスの温度を高くするとよい。
図9は、エンジン制御装置16で実施されるEGRバルブ15制御のための演算処理を示すフローチャートである。この演算処理は、予め設定されたサンプリング周期毎に、例えばタイマ割込によって実行される。この演算処理では、まずステップS1で、図示しないスロットル開度センサやエンジン回転速度センサなどの各種センサ類の出力を検出する。次にステップS2に移行して、前記ステップS1で検出したセンサ類の出力から、エンジンの負荷状態を算出する。本実施形態では、算出されたエンジンの負荷状態を予め設定された負荷状態閾値と比較して第1負荷状態〜第4負荷状態の4段階に区分し、第1負荷状態〜第4負荷状態の順に、エンジンの負荷が大きいものとした。
次にステップS3に移行して、前記ステップS2で算出したエンジンの負荷状態を判定し、エンジンの負荷状態が第1負荷状態である場合にはステップS4に移行し、エンジンの負荷状態が第2負荷状態である場合にはステップS5に移行し、エンジンの負荷状態が第3負荷状態である場合にはステップS6に移行し、エンジンの負荷状態が第4負荷状態である場合にはステップS7に移行する。前記ステップS4では、全ての排気ガス還流通路部が吸気マニホルド12に接続されない状態にEGRバルブ15を制御してからメインプログラムに復帰する。前記ステップS5では、第1排気ガス還流通路部24が吸気マニホルド12に接続される状態にEGRバルブ15を制御してからメインプログラムに復帰する。前記ステップS6では、第1排気ガス還流通路部24及び第2排気ガス還流通路部25が吸気マニホルド12に接続される状態にEGRバルブ15を制御してからメインプログラムに復帰する。前記ステップS7では、第1排気ガス還流通路部24〜第3排気ガス還流通路部26の全てが吸気マニホルド12に接続される状態にEGRバルブ15を制御してからメインプログラムに復帰する。
この演算処理によれば、エンジンの負荷状態が比較的小さい第1負荷状態にある場合には、全ての排気ガス還流通路部が吸気マニホルド12に接続されない状態にEGRバルブ15が制御される。そのため、図5に示すように、ピストン17の位置は合流部23における第1排気ガス還流通路部24の合流位置より接続部21側に設定され、還流排気ガスは吸気マニホルド側接続管路22から吸気系に還流されない。また、エンジンの負荷状態が第1負荷状態より大きい第2負荷状態にある場合には、第1排気ガス還流通路部24が吸気マニホルド12に接続される状態にEGRバルブ15が制御される。そのため、図6に示すように、また、ピストン17の位置は合流部23における第1排気ガス還流通路部24の合流位置と第2排気ガス還流通路部25の合流位置との間に設定され、第1排気ガス還流通路部24からの還流排気ガスが吸気マニホルド側接続管路22から吸気系に還流される。また、エンジンの負荷状態が第2負荷状態より大きい第3負荷状態にある場合には、第1排気ガス還流通路部24及び第2排気ガス還流通路部25が吸気マニホルド12に接続される状態にEGRバルブ15が制御される。そのため、図7に示すように、ピストン17の位置は合流部23における第2排気ガス還流通路部25の合流位置と第3排気ガス還流通路部26の合流位置との間に設定され、第1排気ガス還流通路部24及び第2排気ガス還流通路部25からの還流排気ガスが吸気マニホルド側接続管路22から吸気系に還流される。また、エンジンの負荷状態が第3負荷状態より大きい第4負荷状態にある場合には、全ての排気ガス還流通路部24〜26が吸気マニホルド12に接続される状態にEGRバルブ15が制御される。そのため、図8に示すように、ピストン17の位置は合流部23における第3排気ガス還流通路部26の合流位置よりも接続部21の反対側位置に設定され、第1排気ガス還流通路部24〜第3排気ガス還流通路部26からの還流排気ガスが吸気マニホルド側接続管路22から吸気系に還流される。従って、エンジンの負荷状態が小さいほど還元排気ガス温度が高く、エンジンの負荷状態が大きいほど還元排気ガス温度が低いことから、ノッキングの抑制と燃焼効率・燃焼安定性の両立が可能となる。
このように本実施形態の車両用エンジンの排気ガス還流装置では、車両用エンジンが複数の気筒7を有する場合に、吸気マニホルド12をシリンダヘッド2の気筒列と交差する方向の一方の端部に取付け、排気マニホルド13をシリンダヘッド2の気筒列と交差する方向の他方の端部に取付ける。また、排気マニホルド13と吸気マニホルド12とを連絡し且つ排気マニホルド13内の排気ガスを複数の段階の温度に冷却可能な排気ガス還流通路18の複数の経路をシリンダヘッド2及びシリンダブロック1の少なくとも何れか一方に形成する。そして、EGRバルブ15は、エンジンの運転負荷状態に応じて排気ガス還流通路18の複数の経路による排気マニホルド13及び吸気マニホルド12の連絡状態を選択的に調整可能とした。そのため、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めることが可能となると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することが可能となる。
また、排気ガス還流通路18の複数の経路として、シリンダヘッド2内の気筒列方向一方の端部側で気筒列方向と交差する方向の他方の端部から一方の端部に向けて形成された第1排気ガス還流通路部24と、第1排気ガス還流通路部24の上流端部で分岐してシリンダヘッド2内で気筒列方向一方の端部から他方の端部に向けて形成され且つ第1排気ガス還流通路部24の排気ガス下流端部に接続する第2排気ガス還流通路部25と、第1排気ガス還流通路部24の上流端部で分岐してシリンダブロック1側に向けて形成され且つシリンダブロック1内で気筒列方向一方の端部から他方の端部に向けて形成され且つ第1排気ガス還流通路部24の排気ガス下流端部に接続する第3排気ガス還流通路部26とを備える。第2排気ガス還流通路部25は第1排気ガス還流通路部24よりもシリンダヘッド側ウォータジャケット10に接触する面積が大きく、第1排気ガス還流通路部24からの還流排気ガスの温度よりも第2排気ガス還流通路部25からの還流排気ガスの温度を低くすることができる。また、シリンダブロック側ウォータジャケット11内の冷却水の温度はシリンダヘッド側ウォータジャケット10内の冷却水の温度よりも低い。更に、第3排気ガス還流通路部26の全長を第1排気ガス還流通路部24や第2排気ガス還流通路部25の全長よりも長く設定することができるため、第3排気ガス還流通路部26内の還流排気ガスの上流端部から下流端部への到達時間を長くすることができ、第3排気ガス還流通路部26内の還流排気ガスの温度を低下し易い。そのため、第2排気ガス還流通路部25からの還流排気ガスの温度よりも第3排気ガス還流通路部26からの還流排気ガスの温度を低くすることができる。従って、第1排気ガス還流通路部24からの還流排気ガスの温度よりも第2排気ガス還流通路部25からの還流排気ガスの温度を低くすることができ、第2排気ガス還流通路部25からの還流排気ガスの温度よりも第3排気ガス還流通路部26からの還流排気ガス温度を低くすることができる。従って、複数の排気ガス還流通路部24〜26からの還流排気ガス温度を3段階の冷却温度に設定することができ、これらの還流排気ガスを選択的に吸気マニホルド12に還流することで、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することができる。
また、第2排気ガス還流通路部25及び第3排気ガス還流通路部26が合流する第1排気ガス還流通路部24の排気ガス下流端部に断面が均一で一連な合流部23を形成し、EGRバルブ15によって移動されるピストン17を合流部23の内部に配置した。そのため、1つのEGRバルブ15のピストン17を合流部23内で移動することにより、第1〜第3排気ガス還流通路部24〜26による排気マニホルド13及び吸気マニホルド12の連絡状態を選択的に調整することができる。従って、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することができる。
また、エンジンの負荷状態が小さい場合には、EGRバルブ15によって第1排気ガス還流通路部24のみが排気マニホルド13と吸気マニホルド12とを連絡する状態とし、エンジンの負荷状態が大きい場合には、EGRバルブ15によって第1排気ガス還流通路部24と第2排気ガス還流通路部25及び第3排気ガス還流通路部26の少なくとも何れか一方とが排気マニホルド13と吸気マニホルド12とを連絡する状態とする。前述のように、第1排気ガス還流通路部24からの還流排気ガスの温度よりも第2排気ガス還流通路部25からの還流排気ガスの温度が低く、更に第2排気ガス還流通路部25からの還流排気ガスの温度よりも第3排気ガス還流通路部26からの還流排気ガスの温度が低い。従って、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することができる。
また、第2排気ガス還流通路部25の通路断面積及び第3排気ガス還流通路部26の通路断面積を第1排気ガス還流通路部24の通路断面積より小さく設定する。そのため、第2排気ガス還流通路部25や第3排気ガス還流通路部26では、第1排気ガス還流通路部24よりも還流排気ガスを冷却することができる。また、エンジンの負荷状態が大きくなるにつれて、EGRバルブ15によって、第1排気ガス還流通路部24、第1排気ガス還流通路部24及び第2排気ガス還流通路部25、第1排気ガス還流通路部24及び第2排気ガス還流通路部25及び第3排気ガス還流通路部26の順に各排気ガス還流通路部が排気マニホルド13と吸気マニホルド12とを連絡する状態とする。そのため、エンジンの負荷状態が大きいほど、低温の還流排気ガスを吸気マニホルド12に還流することができ、エンジンの負荷状態が小さい場合の燃焼効率や燃焼安定性を高めると共に、エンジンの負荷状態が大きい場合のノッキングを抑制することができる。
なお、前記実施形態では、エンジンの運転負荷状態を4段階に区分し、夫々の運転負荷状態に応じて第1〜第3排気ガス通路部24〜26の排気ガスを選択的に吸気マニホルド12に還流した。しかしながら、例えばEGRバルブ15のピストン1を図6と図7の中庸の状態とすれば、第2排気ガス還流部25から還流される排気ガスの流量を少なくすることができる。つまり、EGRバルブ15のピストン17の位置をより細かく制御することで、各排気ガス通路部24〜26から還流される排気ガスの流量を細かく調整することができ、これを用いて、選択された排気ガス通路部24〜26の排気ガスを事前に連続的に混合して吸気マニホルド12に還流することも可能である。即ち、本実施形態の車両用エンジンの排気ガス還流装置では、エンジンの運転負荷状態に応じた還流排気ガス温度の連続的な調整も可能である。
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。更に、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組合せに限定されるものではなく、全ての開示された夫々の特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組合せによって画され得る。
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
3 シリンダヘッドカバー
4 オイルパン
5 クランク軸
6 燃焼室
7 気筒(シリンダボア)
8 吸気ポート
9 排気ポート
10 シリンダヘッド側ウォータジャケット
11 シリンダブロック側ウォータジャケット
12 吸気マニホルド
13 排気マニホルド
14 排気管
15 排気ガス還流バルブ(EGRバルブ)
16 エンジン制御装置
17 ピストン
18 排気ガス還流通路部
19 分岐部
20 排気マニホルド側接続管路
21 接続部
22 吸気マニホルド側接続管路
23 合流部
24 第1排気ガス還流通路部
25 第2排気ガス還流通路部
26 第3排気ガス還流通路部

Claims (5)

  1. 複数の気筒が形成され、少なくとも前記複数の気筒の周囲にシリンダブロック側ウォータジャケットが形成されたシリンダブロックと、
    前記シリンダブロックのエンジン上方に取付けられ、シリンダヘッド側ウォータジャケットが形成されたシリンダヘッドと、
    前記シリンダヘッドの前記気筒列方向と交差する方向の一方の端部に取付けられ、前記各気筒の吸気ポートに接続される吸気マニホルドと、
    前記シリンダヘッドの前記気筒列方向と交差する方向の他方の端部に取付けられ、前記各気筒の排気ポートに接続される排気マニホルドと、
    を備えた車両用エンジンの排気ガス還流装置において、
    前記排気マニホルドと前記吸気マニホルドとを連絡するように前記シリンダヘッド及び前記シリンダブロックの少なくとも何れか一方に形成され、前記排気マニホルド内の排気ガスを複数の段階の温度に冷却可能な複数の経路を有する排気ガス還流通路と、
    エンジンの運転負荷状態に応じて前記排気ガス還流通路の複数の経路による前記排気マニホルド及び前記吸気マニホルドの連絡状態を選択的に調整可能な排気ガス還流バルブと、
    を備えることを特徴とする車両用エンジンの排気ガス還流装置。
  2. 前記排気ガス還流通路の複数の経路として、
    前記シリンダヘッド内の前記気筒列方向一方の端部側で前記気筒列方向と交差する方向の他方の端部から前記気筒列方向と交差する方向の一方の端部に向けて形成された第1排気ガス還流通路部と、
    前記第1排気ガス還流通路部の上流端部で分岐して前記シリンダヘッド内で前記気筒列方向一方の端部から前記気筒列方向他方の端部に向けて形成され、前記第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に接続する第2排気ガス還流通路部と、
    前記第1排気ガス還流通路部の上流端部で分岐して前記シリンダブロック側に向けて形成され且つ前記シリンダブロック内で前記気筒列方向一方の端部から前記気筒列方向他方の端部に向けて形成され、前記第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に接続する第3排気ガス還流通路部と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンの排気ガス還流装置。
  3. 前記第2排気ガス還流通路部及び前記第3排気ガス還流通路部が合流する前記第1排気ガス還流通路部の排気ガス下流端部に断面が均一で一連な合流部を形成し、
    前記合流部に前記排気ガス還流バルブを配置し、
    前記排気ガス還流バルブによって移動されるピストンを前記合流部の内部に配置した
    ことを特徴とする請求項2に記載の車両用エンジンの排気ガス還流装置。
  4. 前記エンジンの負荷状態が予め設定された負荷状態より小さい場合には、前記排気ガス還流バルブによって前記第1排気ガス還流通路部のみが前記排気マニホルドと前記吸気マニホルドとを連絡する状態とし、
    前記エンジンの負荷状態が予め設定された負荷状態より大きい場合には、前記排気ガス還流バルブによって前記第排気ガス還流通部と前記第2排気ガス還流通路部及び前記第3排気ガス還流通路部の少なくとも何れか一方とが前記排気マニホルドと前記吸気マニホルドとを連絡する状態とする
    ことを特徴とする請求項3に記載の車両用エンジンの排気ガス還流装置。
  5. 前記第2排気ガス還流通路部の通路断面積及び前記第3排気ガス還流通路部の通路断面積を前記第1排気ガス還流通路部の通路断面積より小さく設定し、
    前記エンジンの負荷状態が大きくなるにつれて、前記排気ガス還流バルブによって、前記第1排気ガス還流通路部、前記第1排気ガス還流通路部及び前記第2排気ガス還流通路部、前記第1排気ガス還流通路部及び前記第2排気ガス還流通路部及び前記第3排気ガス還流通路部の順に各排気ガス還流通路部が前記排気マニホルドと前記吸気マニホルドとを連絡する状態とする
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用エンジンの排気ガス還流装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016087445A (ja) * 2015-10-15 2016-05-23 株式会社三洋物産 遊技機
DE102020133977A1 (de) 2020-12-17 2022-06-23 Volkswagen Aktiengesellschaft Abgasrückführungsbaugruppe

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