JP2014221439A - 成形加飾システム及びプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】成形品の複数の面に対して好適に印刷を行うことができる成形加飾システムを提供する。
【解決手段】成形加飾システムは、材料から成形品51を成形する成形機と、成形機とインラインで接続され、成形品51に印刷を行うプリンタ7とを有している。プリンタ7は、成形品51とヘッド27とをその対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置101と、成形品51とヘッド27とを相対回転させる旋回装置103とを有している。旋回装置103は、端面51cを副走査方向へ向けて主面15bとヘッド27とを対向させる状態と、主面51aを副走査方向へ向けて端面51cとヘッド27とを対向させる状態と、端面51cを副走査方向へ向けて側面51bとヘッド27とを対向させる状態との間で成形品51とヘッド27とを相対回転可能である。
【選択図】図2
【解決手段】成形加飾システムは、材料から成形品51を成形する成形機と、成形機とインラインで接続され、成形品51に印刷を行うプリンタ7とを有している。プリンタ7は、成形品51とヘッド27とをその対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置101と、成形品51とヘッド27とを相対回転させる旋回装置103とを有している。旋回装置103は、端面51cを副走査方向へ向けて主面15bとヘッド27とを対向させる状態と、主面51aを副走査方向へ向けて端面51cとヘッド27とを対向させる状態と、端面51cを副走査方向へ向けて側面51bとヘッド27とを対向させる状態との間で成形品51とヘッド27とを相対回転可能である。
【選択図】図2
Description
本発明は、材料から成形品を成形するとともに、成形した成形品に加飾を施す成形加飾システム及び当該システムに好適なプリンタに関する。なお、加飾は、印刷、塗装又は成膜等によって成形品の表面を装飾乃至は保護するための処理である。
一般に、材料から成形品を成形する工程と、成形品に加飾を施す工程とは、別の業者によって行われている。その結果、種々の問題が生じる。例えば、成形品を成形した工場から成形品に加飾を施す工場へ搬送する際に成形品にコンタミネーション(異物)が付着する。その結果、加飾の不良が生じる。また、例えば、成形品を成形する工場においては、常に在庫を抱えなければならない。
特許文献1では、そのような課題に鑑み、建物の内部に配置された成形機と、建物の外部に駐車された印刷車両と、成形機から印刷車両へ成形品を搬送するコンベアとを備えた生産システムを提案している。この生産システムでは、成形機で成形された成形品は、コンベアによって印刷車両の内部へ搬送され、印刷車両の内部で印刷が施される。
成形品は、紙とは異なり、立体的であることが多い。従って、上記のような生産システムにおいては、成形品の一の面だけでなく、他の面に対しても印刷を行うことが可能であることが望ましい。しかし、特許文献1では、そのような課題については言及されていない。
上記の課題に想到したと仮定すると、複数の面に対する印刷を実現する方法としては、例えば、一の面の印刷を終えた後、プリンタヘッドに対する成形品の向きを変えて他の面の印刷を行うという動作を繰り返し、複数の面に対して順次印刷を行うことが考えられる。また、複数の面に印刷される画像としては、例えば、各面に互いに連続性のない画像を形成するのではなく、複数の面に亘って広がるような一の画像を形成することが考えられる。しかし、このような印刷方法及び画像を想定した場合、各面の印刷状態の相違によって、各面に印刷された画像間の境界が目立つおそれがある。
従って、成形品の複数の面に対して好適に印刷を行うことができる成形加飾システム及びプリンタが提供されることが望ましい。
本発明の第1の観点に係る成形加飾システムは、材料から成形品を成形する成形機と、前記成形機とインラインで接続され、前記成形品に印刷を行うプリンタと、を有し、前記成形機は、前記成形品が、最も面積の広い主面、当該主面に交差する側面、及び、前記主面及び前記側面に交差する端面を有するように成形を行い、前記プリンタは、前記成形品にインクを付着させるヘッドと、前記成形品と前記ヘッドとをその対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置と、前記成形品と前記ヘッドとを相対回転させる旋回装置と、を有し、前記旋回装置は、前記端面を前記副走査方向へ向けて前記主面と前記ヘッドとを対向させる状態と、前記主面を前記副走査方向へ向けて前記端面と前記ヘッドとを対向させる状態と、前記端面を前記副走査方向へ向けて前記側面と前記ヘッドとを対向させる状態と、の間で前記成形品と前記ヘッドとを相対回転可能である。
好適には、前記移動装置は、前記旋回装置と前記ヘッドとを前記副走査方向へ相対移動させ、前記旋回装置は、前記対向方向に平行な第1軸の回りに回転可能な第1回転部と、前記第1軸に垂直な第2軸の回りに回転可能に前記第1回転部に支持された第2回転部と、前記第2軸に垂直な第3軸の回りに回転可能に前記第2回転部に支持され、前記第3軸の延びる方向に前記主面を向けて前記成形品を保持する第3回転部と、を有する。
本発明の第2の観点に係る成形加飾システムは、材料から成形品を成形する成形機と、前記成形機とインラインで接続され、前記成形品に印刷を行うプリンタと、を有し、前記プリンタは、前記成形品を保持する旋回装置と、前記成形品にインクを付着させるヘッドと、前記旋回装置と前記ヘッドとを前記成形品と前記ヘッドとの対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置と、を有し、前記旋回装置は、前記対向方向に平行な第1軸の回りに回転可能な第1回転部と、前記第1軸に垂直な第2軸の回りに回転可能に前記第1回転部に支持された第2回転部と、前記第2軸に垂直な第3軸の回りに回転可能に前記第2回転部に支持され、前記成形品を保持する第3回転部と、を有する。
好適には、前記プリンタは、前記第1回転部の前記第1軸回りの回転位置を前記第2軸が前記副走査方向に対して垂直になる位置とし、前記第2回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記第3軸が前記第1軸に対して同一方向になる位置とし、前記第3回転部の前記第3軸回りの回転位置を所定の基準位置として、前記第3回転部と前記ヘッドとを前記副走査方向に相対移動させながら前記ヘッドにより前記成形品にインクを付着させる第1印刷工程と、前記第1回転部の前記第1軸回りの回転位置を前記第2軸が前記副走査方向に対して垂直になる位置とし、前記第2回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記第3軸が前記第1軸に対して傾斜する又は垂直になる位置とし、前記第3回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記基準位置として、前記第3回転部と前記ヘッドとを前記副走査方向に相対移動させながら前記ヘッドにより前記成形品にインクを付着させる第2印刷工程と、前記第1回転部の前記第1軸回りの回転位置を前記第2軸が前記副走査方向に対して同一方向になる位置とし、前記第2回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記第3軸が前記第1軸に対して傾斜する又は垂直になる位置とし、前記第3回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記基準位置から90°回転した位置として、前記第3回転部と前記ヘッドとを前記副走査方向に相対移動させながら前記ヘッドにより前記成形品にインクを付着させる第3印刷工程と、を行う。
好適には、前記プリンタによる印刷の前に、前記成形品に金属膜を形成する金属膜形成装置を更に有し、前記プリンタは、前記成形品に複数のドットを形成することにより画像を印刷し、前記画像の少なくとも一部と前記金属膜の少なくとも一部とが重なっている。
本発明の第3の観点に係るプリンタは、前記成形品を保持する旋回装置と、前記成形品にインクを付着させるヘッドと、前記旋回装置と前記ヘッドとを前記成形品と前記ヘッドとの対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置と、を有し、前記旋回装置は、前記対向方向に平行な第1軸の回りに回転可能な第1回転部と、前記第1軸に垂直な第2軸の回りに回転可能に前記第1回転部に支持された第2回転部と、前記第2軸に垂直な第3軸の回りに回転可能に前記第2回転部に支持され、前記成形品を保持する第3回転部と、を有する。
本発明によれば、より好適に成形及び加飾を行うことができる。
図1は、本発明の実施形態に係る成形加飾システム1の構成を示す模式的な上面図(一部に断面図を含む)である。
成形加飾システム1は、材料から成形品を成形するとともに、成形品の表面に加飾を施すものである。成形品は、例えば、電子機器(例えば携帯電話機)の筐体、当該筐体を覆うオプション的なカバー、自動車の外部に露出する部品(例えばサイドミラー)である。
成形加飾システム1は、材料から成形品を成形する成形機3と、成形品に金属膜を形成するスパッタ装置5と、成形品に画像を印刷するプリンタ7と、成形品にトップコーティングを施すコート装置9と、これら装置の間で成形品を搬送する搬送部11とを有している。なお、本願において、画像は、絵だけでなく、模様及び文字を含むものとする。
成形機3は、例えば、樹脂材料から成形品を成形する射出成形機である。成形機3の構成は、公知の種々の方式のものと同様とされてよい。例えば、成形機3は、固定型13及び移動型15の型開閉及び型締めを行う型締装置17と、型締めされた固定型13及び移動型15の間(キャビティ19)に溶融状態の樹脂材料を射出する射出装置21と、キャビティ19にて凝固した成形品を固定型13又は移動型15から押し出す不図示の押出装置等を有している。
スパッタ装置5の構成は、公知の種々の方式のものと同様とされてよい。例えば、スパッタ装置5は、成形品及びターゲット(金属)を収容する容器23と、容器23内の雰囲気に電圧を印加してプラズマを発生させる不図示の電極及び電源装置と、(必要に応じて)容器23内に磁界を発生させる不図示の磁石とを有している。容器23内では、ターゲットの原子がイオンにより跳ね飛ばされて成形品の表面に付着し、これにより金属膜が形成される。
プリンタ7は、例えば、インクジェット方式のプリンタ(インクジェットプリンタ)により構成されている。プリンタ7は、例えば、成形品を保持する保持装置25と、保持装置25に保持された成形品に複数のノズルからインク滴を吐出するヘッド27とを有している。
コート装置9は、例えば、インクジェット方式のプリンタと同様の構成とされている。ただし、コート装置9は、インクの液滴を成形品に向けて吐出するのではなく、塗料の液滴を成形品に向けて吐出する。
なお、一般に、塗料は有機溶剤を含み、インクは有機溶剤を含まない。ただし、近年は、水性の塗料も多くなっている。また、塗料は成形品の表面を保護する機能を有するもの、インクはそのような機能を有さないものとして分類し、樹脂の成分乃至は量が両者の相違とされる場合もある。塗料及び/又はインクの提供業者においては、当然に、塗料であるのかインクであるのか、製品名若しくはカタログ等において明示しているので、これを塗料であるか否かの判断基準としてもよい。
コート装置9は、成形品を最終的にコーティングするものであるから、コート装置9が用いる塗料は、透光性を有しており、一般的には無色である。ただし、塗料は、透光性を有する有色の塗料であってもよい。
コート装置9は、例えば、プリンタ7と同様に、成形品を保持する保持装置29と、保持装置29に保持された成形品に複数のノズルからインク滴を吐出するヘッド31とを有している。
搬送部11は、公知の種々の方式の搬送装置を含んで構成されてよい。図1では、搬送部11が2台の多関節式のロボット33を含んで構成されている場合を例示している。2台のロボット33は、把持又は吸着等により成形品を保持し、成形機3、スパッタ装置5、プリンタ7、コート装置9の順に成形品を搬送する。なお、2台のロボット33の役割分担は、適宜に設定されてよい。
スパッタ装置5、プリンタ7及びコート装置9は、搬送部11により成形機3から搬送される成形品に対して順次に処理を行う。すなわち、成形加飾システム1は、成形材料に対して、成形機3、スパッタ装置5、プリンタ7及びコート装置9が流れ作業を行うライン生産を実現している。別の観点では、成形機3、スパッタ装置5、プリンタ7及びコート装置9は、互いにインラインで接続されている。
なお、インラインで接続されているか否かは、適宜に判断されてよい。例えば、任意の2つの装置間において、ロボット又はコンベアのように比較的搬送距離の短い搬送装置のみにより成形品が搬送されており、自動車のように比較的搬送距離の長い輸送手段が成形品の搬送に利用されていなければ、その2つの装置はインラインで接続されているといえる。任意の2つの装置は、必ずしも同一の建物内に配置されている必要はないが、同一の建物内に配置されていれば、その2つの装置は、インラインで接続されているといえる場合が多い。
成形加飾システム1内の各種装置(3、5、7、9及び11)は、互いに同期がとられており、成形加飾システム1においては、常に一定の数の成形品がラインを流れる。同期は、各装置間において信号が送受信されることによってとられてもよいし、各種装置の動作タイミングを調整する制御装置と各種装置との間で信号が送受信されることによってとられてもよい。
図2は、プリンタ7の構成を模式的に示す斜視図であり、図3は、プリンタ7の構成を模式的に示す副走査方向(x方向)に見た図である。
なお、副走査方向は、通常のプリンタと同様に、印刷のときにヘッド27と印刷対象(成形品)とが相対移動する方向であり、ヘッド27と成形品51との対向方向(z方向)に垂直である。
上述のように、プリンタ7は、ヘッド27と、成形品51を保持する保持装置25を有している。
成形品51は、例えば、概ね薄型の直方体状に成形されており、最も面積の広い主面51aと、主面51aに交差(本実施形態では直交)する2つの側面51bと、主面51a及び側面51bに交差(本実施形態では直交)する2つの端面51cとを有している。なお、主面51aとは反対側は、例えば開口とされている。
主面51aは、例えば、概ね長方形の平面である。側面51bは、例えば、主面51aの長辺に設けられており、概ね長方形の平面である。端面51cは、例えば、主面51aの短辺に設けられており、概ね長方形の平面である。なお、各面は、適宜に湾曲していてもよいし、面間の角部が面取りされていてもよい。
ヘッド27の構成は、公知の種々の方式のインクジェットヘッドと同様とされてよい。なお、ヘッド27は、生産性を向上させるために、主走査方向(幅方向、y方向)において成形品51全体に亘る長さを有するラインヘッドであることが望ましい。
プリンタ7は、白黒画像のような2値画像を印刷するものであってもよいし、いわゆるカラー画像を印刷するものであってもよい。換言すれば、プリンタ7は、1色のインクに対応した1つのヘッド27のみを有するものであってもよいし、複数(一般には3又は4)色のインクに対応した複数のヘッド27を有するものであってもよい。
保持装置25は、成形品51を副走査方向(x方向)に移動させることが可能であるとともに、主面51a、側面51b及び端面51c(5面)をヘッド27に向けるように成形品51を回転(傾斜)させることが可能である。具体的には、以下のとおりである。
保持装置25は、例えば、成形品51を副走査方向へ移動させるための移動装置101と、成形品51を回転させるための旋回装置103とを有している。旋回装置103は、成形品51を保持しており、移動装置101は、旋回装置103ごと成形品51を副走査方向へ移動させる。
移動装置101は、例えば、副走査方向へ延びるリニアガイド105と、リニアガイド105によって副走査方向において案内される可動基部107と、可動基部107をリニアガイド105に対して駆動するリニアモータ109(図3)とを有している。リニアモータ109は、特に図示しないが、リニアガイド105及び可動基部107の一方に設けられた不図示の磁石と、他方に設けられたコイルとを有している。
旋回装置103は、例えば、可動基部107(移動装置101と共用)と、可動基部107に回転可能に支持された第1回転部111と、第1回転部111に回転可能に支持された第2回転部113と、第2回転部113に回転可能に支持され、成形品51を保持する第3回転部115とを有している。
第1回転部111は、可動基部107に対して、ヘッド27が面する方向(z方向)に平行な第1軸A1の回りに回転可能である。第1回転部111は、例えば、可動基部107又は第1回転部111(本実施形態では可動基部107)に設けられた回転式の第1軸モータ117(図3)によって回転駆動される。
第2回転部113は、第1回転部111に対して、第1軸A1に垂直な第2軸A2の回りに回転可能である。第2回転部113は、例えば、第1回転部111又は第2回転部113(本実施形態では第1回転部111)に設けられた回転式の第2軸モータ119(図3)によって回転駆動される。
第2軸A2は、旋回装置103を小型化する観点からは、(各軸を無限長さと考えたときに)第1軸A1に対して垂直なだけでなく直交していることが好ましい。なお、直交は、厳密に第1軸A1と第2軸とが交わる場合に限定されないものとする。例えば、第1軸A1と第2軸A2とが、第2軸A2から第3回転部115の先端(成形品51)までの距離の10%以内の差でずれている場合も直交に含まれるものとする。
第2軸A2は、別の観点から、第1軸A1に直交しないようにされてもよい。例えば、後述する動作説明において理解されるように、両軸のずれ量は、側面51bに印刷を行うときの側面51bのヘッド27に対する主走査方向(y方向)の位置に影響するから、両軸のずれ量を適宜に設定して、側面51bがヘッド27の中央付近に位置するようにしてもよい。
第3回転部115は、第2回転部113に対して、第2軸A2に垂直な第3軸A3の回りに回転可能である。第3回転部115は、第2回転部113又は第3回転部115(本実施形態では第2回転部113)に設けられた回転式の第3軸モータ121(図3)によって回転駆動される。
第3軸A3は、旋回装置103を小型化する観点からは、(各軸を無限長さと考えたときに)第2軸A2に対して垂直なだけでなく直交していることが好ましい。なお、第1軸A1及び第2軸A2と同様に、直交は、厳密に第2軸A2と第3軸A3とが交わる場合に限定されないものとする。例えば、第2軸A2と第3軸A3とが、第2軸A2から第3回転部115の先端までの距離の例えば10%以内の差でずれている場合も直交に含まれるものとする。
また、旋回装置103を小型化する観点からは、第1軸A1が第2軸A2に交わる位置と、第3軸A3が第2軸A2に交わる位置とは、同一であることが好ましい。すなわち、第2回転部113の第2軸A2回りの回転位置を、第3軸A3が第1軸A1と同一方向に延びる位置としたときに、第1軸A1と第3軸A3とが同軸になることが好ましい。なお、2つの交わる位置が同一は、厳密に2つの交わる位置が同一の場合に限定されないものとする。例えば、2つの交わる位置が、第2軸A2から第3回転部115の先端までの距離の10%以内の差でずれている場合も同一に含まれるものとする。
第3回転部115は、特に図示しないが、成形品51を保持するための保持部を有している。保持部は、例えば、第3回転部115のうち第3軸A3の延びる方向の先端に設けられている。保持方法は、真空吸着等の公知の方法とされてよい。
成形品51が第3回転部115に保持されている状態において、主面51aは、第3軸A3の延びる方向に面している(第3軸A3に垂直である。)。側面51b及び端面51cは、第3軸A3の半径方向外側に面している。なお、成形品51の可動範囲を小さくする観点からは、第3軸A3は、(無限長さと考えたときに)主面51aの中央に直交することが好ましい。
プリンタ7は、ヘッド27、リニアモータ109、第1軸モータ117、第2軸モータ119及び第3軸モータ121を制御する制御装置123を有している。制御装置123は、不図示のドライバ等を介してヘッド27及び各種モータに供給する電力を制御する。特に図示しないが、制御装置123は、各モータに設けられたエンコーダの検出値に基づいて、各モータの位置(回転位置)をフィードバック制御する。なお、可動基部107、第1回転部111、第2回転部113及び第3回転部115の位置(回転位置)を検出する位置センサを設け、当該位置センサの検出値に基づいて、各モータがフィードバック制御されてもよい。
プリンタ7は、上記の他、特に図示しないが、ヘッド27と成形品51との距離を調整するためにヘッド27及び/又は成形品51をその対向方向(z方向)において近接離間させるための距離調整装置(z方向が鉛直方向である場合においては昇降装置)を有している。印刷の際には、距離調整装置によってヘッド27と印刷対象の面との距離は常に適宜な距離に維持されるが、以下では、距離調整装置の動作についての説明は省略する。
図4(a)〜図4(d)は、成形加飾システム1の動作を説明するための図であり、成形品51の主面51a付近の拡大断面図である。
成形加飾システム1では、まず、成形機3により成形品51が成形される。成形された成形品51は、搬送部11により成形機3からスパッタ装置5に搬送される。
スパッタ装置5は、図4(a)に示すように、容器23内においてイオン53を金属からなるターゲット55に衝突させ、ターゲット55の原子57を跳ね飛ばし、これを成形品51の表面(例えば主面51a)に付着させる。
その結果、図4(b)に示すように、成形品51の表面に金属膜59が形成される。なお、金属膜59を構成する金属の種類及び金属膜59の厚みは、成形品51の種類等に応じて適宜に設定されてよい。また、金属膜59は、成形品51のうち加飾の対象とされている領域の全面に形成されてもよいし、一部に形成されてもよい。一部に形成される場合、金属膜59は、画像を形成してもよい。
次に、成形品51は、搬送部11によりスパッタ装置5からプリンタ7に搬送される。プリンタ7は、図4(b)に示すように、ヘッド27の複数のノズル27hからインク滴61を成形品51に向けて吐出する。その結果、図4(c)に示すように、インク滴61が成形品51に付着して、ドット63が形成され、ひいては、複数のドット63からなる画像65が成形品51に印刷される。
なお、当然に、画像65の具体的内容に応じて、複数のノズル27hからの吐出量及び吐出タイミングは個別に制御される。従って、例えば、図4(b)に示すように、一のノズル27hからインク滴61が吐出されているときに、他のノズル27hからはインク滴61が吐出されていなかったり、一のノズルと他のノズルとでインク滴の数が相違したりする。
図4(c)に示すように、画像65の少なくとも一部は、金属膜59の少なくとも一部に重なる。一方、画像65は、複数のドット63により構成されているから、ドット63間において金属膜59は露出する。その結果、人間の目により画像65と金属膜59との重複領域を視認した場合、当該重複領域は、メタリック感のある画像が形成されているように視認される。なお、金属膜59に画像65と重ならない領域がある場合、当該領域は、装飾としてはもちろん、鏡として使用することも可能である。
画像65が印刷されると、成形品51は、搬送部11によりコート装置9に搬送される。コート装置9は、図4(c)に示すように、ヘッド31の複数のノズル31hから塗料の液滴67を成形品51に向けて吐出する。その結果、図4(d)に示すように、塗料の液滴67が成形品51に付着して、透光性を有するコーティング膜69が形成される。
コーティング膜69は、例えば、隙間なく金属膜59及び画像65を覆う。加飾の対象とする領域において、金属膜59及び画像65の形状によっては両者が形成されない部分が生じるが、コーティング膜69は当該部分も覆う。
コート装置9においては、コーティング膜69が隙間なく且つ効率的に形成されるように、例えば、図4(c)に示すように、加飾の対象とする領域と重なる全ての複数のノズル31hから塗料の液滴67が吐出される。また、その吐出の時間間隔は、例えば、最小とされる。また、必要に応じて、ヘッド31と成形品51とを副走査方向において1往復以上相対移動させてもよいし、複数のヘッド31を用いてもよい。ライン式のヘッド31を主走査方向に揺動させるような機構を設けてもよい。
図5(a)〜図5(c)は、プリンタ7の動作例を説明するための模式図である。
図2及び図3に示したxyz座標系と図5に示したxyz座標系との比較から理解されるように、矢印L1は、移動装置101による旋回装置103(及び成形品51)の副走査方向(x方向)における移動を示している。ヘッド27は、z方向の正側から成形品51に面している。そして、成形品51(第3回転部115)とヘッド27とを副走査方向に相対移動させながらヘッド27により成形品51にインクが付着される。
図5(a)〜図5(c)では、それぞれ主面51a、端面51c及び側面51bがz方向の正側(ヘッド27側)に向けられている。これにより、主面51aの反対側を除く全ての面(5面)に対する印刷が実現される。
図5(a)〜図5(c)それぞれの状態は、具体的には、以下のとおりである。
図5(a)では、旋回装置103は、端面51cを副走査方向へ向けて主面51aとヘッド27とを対向させている。この状態を実現するために、第1回転部111の第1軸A1回りの回転位置は、第2軸A2が副走査方向に対して垂直になる位置とされ、第2回転部113の第2軸A2回りの回転位置は、第3軸A3が第1軸A1に対して同一方向になる位置とされ、第3回転部115の第3軸A3回りの回転位置は、所定の基準位置とされている。
図5(b)では、旋回装置103は、主面51aを副走査方向へ向けて端面51cとヘッド27とを対向させている。この状態を実現するために、図5(b)では、図5(a)に比較して、成形品51が第2軸A2回りに90°回転されている。すなわち、第1回転部111の第1軸A1回りの回転位置は、第2軸A2が副走査方向に対して垂直になる位置とされ、第2回転部113の第2軸A2回りの回転位置は、第3軸A3が第1軸A1に対して垂直になる位置とされ、第3回転部115の第3軸A3回りの回転位置は、図5(a)で述べた基準位置とされている。
図5(c)では、旋回装置103は、端面51cを副走査方向へ向けて側面51bとヘッド27とを対向させている。この状態を実現するために、図5(c)では、図5(b)に比較して、成形品51が第1軸A1回りに90°回転されるとともに、第3軸A3回りに90°回転されている。すなわち、第1回転部111の第1軸A1回りの回転位置は、第2軸A2が副走査方向に対して同一方向になる位置とされ、第2回転部113の第2軸A2回りの回転位置は、第3軸A3が第1軸A1に対して垂直になる位置とされ、第3回転部115の第3軸A3回りの回転位置は、図5(a)で述べた基準位置から90°回転された位置とされている。
なお、図5(a)〜図5(c)の印刷は、いずれが先に行われてもよい。印刷は、成形品51がx方向の正負のいずれに移動されるときに行われてもよい。成形品51が1往復以上移動される場合においては、x方向の正負の双方において印刷が行われてもよい。
図5(a)〜図5(c)において、x方向の正負と各軸との位置関係は逆にされてもよい。同様に、y方向の正負と各軸との位置関係は逆とされてもよい。2つの端面51cの印刷は、第3軸A3回りの回転位置が互いに逆(180°回転された位置)とされてもよいし、第2軸A2回りの回転位置が互いに逆とされてもよい。2つの側面51bの印刷も同様である。
図6(a)〜図6(c)はプリンタ7の作用を比較例との対比において説明するための図である。
図6(a)は、比較例に係る旋回装置の構成及び動作を説明する図5と同様の模式図である。
この比較例に係る旋回装置は、実施形態の第1軸A1回りに第2回転部113及び第3回転部115(第2軸A2及び第3軸A3)を回転させる機能を有していない。
この変形例に係る構成において、主面51a及び端面51cの印刷を行うときの第2回転部113の第2軸A2回りの回転位置及び第3回転部115の第3軸A3回りの回転位置は、図5(a)及び図5(b)と同様である。
一方、側面51bを印刷するときは、図5(c)とは異なり、図6(a)に示すように、第3回転部115の第3軸A3回りの回転位置が、図5(b)の位置から90°回転した位置とされる。
図6(b)は、比較例における、各面と副走査方向との関係を示す成形品51の展開図である。図6(b)において、矢印La0、Lb0及びLc0は、それぞれ、主面51a、側面51b及び端面51cを印刷するときの副走査方向を示している。
この図に示されるように、主面51a及び端面51cは、その繋ぎ目において副走査方向(La0,Lc0)が同一方向となっている。一方、主面51a及び側面51bは、その繋ぎ目において副走査方向(La0,Lb0)が互いに異なる方向(垂直な方向)となっている。
ここで、ヘッド27が形成する画像は、主走査方向(y方向)と副走査方向(x方向)とで品位が異なる。例えば、インクジェットヘッドでは、連続的に吐出された複数のインク滴61により1つのドット63を形成するところ、その複数のインク滴61を吐出しているとき、ヘッド27と成形品51とは副走査方向に相対移動していることから、ドット63は副走査方向に長くなる。また、ラインヘッドを用いて1パスで印刷する場合、主走査方向におけるドット63のピッチはノズル27hのピッチと一致するが、副走査方向におけるドット63のピッチは、インク滴61を吐出するタイミングによって変化する。
このような印刷方向による印刷品位の差は、各面(51a、51b及び51c)に別個独立した画像を形成するのであれば殆ど問題とはならない。しかし、複数の面に亘るような一の画像を形成する場合においては、2面間の繋ぎ目においてその品位の差が視認されるおそれがある。その結果、画像が分断されているような印象を与えてしまうおそれがある。
従って、比較例においては、主面51aと側面51bとの繋ぎ目において、印刷方向による品位の差が視認されてしまうおそれがある。
図6(c)は、実施形態における、各面と副走査方向との関係を示す成形品51の展開図である。図6(c)において、矢印La1、Lb1及びLc1は、それぞれ、主面51a、側面51b及び端面51cを印刷するときの副走査方向を示している。
この図に示されるように、主面51a及び端面51cは、その繋ぎ目において副走査方向(La1,Lc1)が同一方向となっている。さらに、主面51a及び側面51bも、その繋ぎ目において副走査方向(La1,Lb1)が互いに同一方向となっている。
従って、本実施形態では、主面51aと側面51bとの繋ぎ目において、印刷方向による品位の差が視認されるおそれが低減される。
なお、側面51b及び端面51cの繋ぎ目に着目すると、比較例では、副走査方向(Lb0、Lc0)が同一方向となり、実施形態では、副走査方向(Lb1、Lc1)が互いに異なる方向となる。しかし、ユーザの最も目を引く面は、最も面積の広い主面51aであること、側面51bと端面51cとの繋ぎ目は相対的に短いことなどから、実施形態の方が比較例よりも印刷方向による品位の差が目立たない。
図7(a)は、プリンタ7の他の動作例を示す模式図であり、図7(b)は図7(a)の領域VIIbの拡大図である。
成形品151は、側面151bが湾曲するとともに、主面151aに対して傾斜している。乃至は、主面151aと側面151bとの角部は、比較的大きな曲率半径の曲面によって面取りされている。
このような形状の成形品151に対して、図5(a)に示した印刷又は図5(c)に示した印刷を行うと、主面151aと側面151bとの繋ぎ目付近(中間面151e)と、ヘッド27との距離が長くなり過ぎ、画像の品位が低下するおそれがある。
そこで、この動作例では、図5(a)〜図5(c)の印刷に加えて、図7に示す印刷も行う。すなわち、端面151cを副走査方向(x方向)に向けて中間面151eとヘッド27とを対向させた状態で印刷を行う。
図6の旋回装置103の状態は、図5(c)と第2回転部113の第2軸A2回りの回転位置のみが相違する。すなわち、図5(c)では、第2回転部113は、第3軸A3が第1軸A1に対して垂直になる位置とされたのに対して、図7では、第2回転部113は、第3軸A3が第1軸A1に対して傾斜する位置とされている。傾斜角は、中間面151eの形状及び大きさに応じて適宜に設定されてよく、例えば45°である。
そして、図7に示す印刷においては、中間面151eに対して印刷が行われ、図5(a)に示す印刷では、主面151aから中間面151eを除いた領域に印刷が行われ、図5(c)に示す印刷では、側面151bから中間面151eを除いた領域に印刷が行われる。図7の印刷において印刷対象とされる範囲(中間面151e)の広さ及び位置は、適宜に設定されてよい。
図7(b)に示すように、中間面151eの形状及び大きさによっては、第3軸A3を第1軸A1に対して傾斜させても、中間面151eとヘッド27との距離d1が大きく、画像の品位が要求される品位を満たさないおそれがある。このような場合は、2以上の中間面を主面151aと側面151bとの繋ぎ目付近に設定する。別の観点では、中間面151eを2以上に分割する。図7では2分割された中間面151ea及び151ebを例示している。そして、分割された中間面毎に、第3軸A3の傾斜角を適宜に設定して印刷を行えばよい。
側面151bの全体が主面151aに垂直な方向に対して傾斜しているような場合においては、側面151bに対する印刷として、中間面151e(若しくは151ea及び151eb)に対する印刷(第3軸A3が第1軸A1に対して傾斜した状態の印刷)のみを行い、図5(c)に示す印刷(第3軸A3が第1軸A1に対して垂直な状態の印刷)を行わないようにしてもよい。
なお、側面について説明したが、端面についても同様である。すなわち、図5(b)に示した状態において、第3軸A3を第1軸A1に対して垂直な方向にする代わりに、第3軸A3を第1軸A1に対して適宜な角度で傾斜させた状態で印刷を行ってよい。そのような印刷を図5(b)の印刷に加えて又は代えて行ってよい。
その他、主面の全体的若しくは局部的な湾曲、又は、主面に垂直な方向から見たときの側面若しくは端面の湾曲に対しても、適宜に印刷対象の面を分割し、その分割された面毎に各軸の傾斜角を適宜に設定し、順次に印刷を行うことによって対応可能である。
以上のとおり、本実施形態では、成形加飾システム1は、材料から成形品51(151)を成形する成形機3と、成形機3とインラインで接続され、成形品51に印刷を行うプリンタ7と、を有している。成形機3は、成形品51が、最も面積の広い主面51a、当該主面51aに交差する側面51b、及び、主面51a及び側面51bに交差する端面51cを有するように成形を行う。プリンタ7は、成形品51にインクを付着させるヘッド37と、成形品51とヘッド27とをその対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置101と、成形品51とヘッド27とを相対回転させる旋回装置103と、を有している。
さらに、本実施形態では、旋回装置103は、端面51cを副走査方向へ向けて主面15bとヘッド27とを対向させる状態(図5(a))と、主面51aを副走査方向へ向けて端面51cとヘッド27とを対向させる状態(図5(b))と、端面51cを副走査方向へ向けて側面51bとヘッド27とを対向させる状態(図5(c))と、の間で成形品51とヘッド27とを相対回転可能である。
従って、図6を参照して説明したように、主面51aの外周の繋ぎ目において、主面51a、側面51b及び端面51cの印刷方向を揃えることができる。その結果、繋ぎ目において印刷方向による印刷品位の相違が視認されるおそれが低減され、成形品51全体としての印刷品位が向上する。
また、成形品51に対する加飾をインクジェット方式のプリンタ7やコート装置9等によって行い、スプレー塗装を利用していないことから、種々の利点がある。例えば、歩留まり向上、省エネルギー、無駄なインクの極小化が図られる。また、例えば、スプレー塗装を行う場合においては、専用の塗装ブース、当該塗装ブースから排気を行うための設備等が必要であるが、そのような周辺設備が不要である。また、例えば、プリンタ7やコート装置9は、ラインから切り離して単体で使用可能である。また、例えば、版・フィルムなどの副資材は不要である。すなわち、データ及びインクさえ用意されればよい。
また、本実施形態では、移動装置101は、旋回装置103とヘッド27とを副走査方向へ相対移動させる。旋回装置103は、成形品51とヘッド27との対向方向に平行な第1軸A1の回りに回転可能な第1回転部111と、第1軸A1に垂直な第2軸A2の回りに回転可能に第1回転部111に支持された第2回転部113と、第2軸A2に垂直な第3軸A3の回りに回転可能に第2回転部113に支持され、第3軸A3の延びる方向に主面51aを向けて成形品51を保持する第3回転部115と、を有している。
従って、図5(a)〜図5(c)に示した印刷を小型乃至は簡素な構成で実現することが容易である。具体的には、第3回転部115は、第3軸A3の延びる方向に主面51aを向けて成形品51を保持することから、例えば、その軸方向先端にて成形品51を保持する、第3軸A3回りの可動領域が小さい構成とされることが可能である。また、例えば、図6(a)に示した構成は、主面51aと側面51bとの印刷方向を合わせる必要がない場合においては好適な構成であり、当該構成と第2軸A2から成形品までの構成が共通化されると、比較例との一部共通化によるコスト削減も期待される。
成形加飾システム1の製造又は販売においては、成形機3に保持される型(13、15)が成形加飾システム1に含まれる場合と、含まれない場合とがある。含まれない成形加飾システム1においては、どのような形状の成形品が、第3軸A3に対してどのような向きで第3回転部115に保持されるか不明である。プリンタ7のみが製造又は販売される場合も同様である。しかし、成形品の形状等が不明であっても、本実施形態では、従来技術に対して有利な効果を奏する構成を抽出可能である。
すなわち、本実施形態では、成形加飾システム1は、材料から成形品51(151)を成形する成形機3と、成形機3とインラインで接続され、成形品51に印刷を行うプリンタ7と、を有している。プリンタ7は、成形品51を保持する旋回装置103と、成形品51にインクを付着させるヘッド27と、旋回装置103とヘッド27とを成形品51とヘッド27との対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置101と、を有している。
さらに、本実施形態では、旋回装置103は、成形品51とヘッド27との対向方向に平行な第1軸A1の回りに回転可能な第1回転部111と、第1軸A1に垂直な第2軸A2の回りに回転可能に第1回転部111に支持された第2回転部113と、第2軸A2に垂直な第3軸A3の回りに回転可能に第2回転部113に支持され、成形品51を保持する第3回転部115と、を有している。
この構成によれば、成形品51が、最も面積の広い主面51a、当該主面51aに交差する側面51b、及び、主面51a及び側面51bに交差する端面51cを有するものである場合、主面51aを第3軸A3の延びる方向に向けて第3回転部115に成形品51を保持させることにより、上述した主面51aの周囲の繋ぎ目において印刷方向を揃える効果を奏する印刷が実現される。また、上述のように、そのような印刷が小型化乃至は簡素に行われる。なお、主面51aの周囲の繋ぎ目において印刷方向を揃える課題に着想していない場合においては、図6(a)に示した比較例の構成で十分であるとともに、第1軸A1回りの回転は不要である。換言すれば、成形品51の形状等が不明であっても、第1軸A1回りの回転が可能であることによって、従来に比較した有利な効果を奏する構成が特定されている。
また、本実施形態では、プリンタ7は、インクジェットプリンタである。従って、プリンタ7が小型化され、ひいては、プリンタ7をインラインシステムに加えることが容易化される。また、曲面に対する印刷も可能となる。
また、本実施形態では、成形加飾システム1は、プリンタ7による印刷の前に、成形品51に金属膜59を形成するスパッタ装置5を更に有する。プリンタ7は、成形品51に複数のドット63を形成することより画像65を印刷する。画像65の少なくとも一部と金属膜59の少なくとも一部とは重なっている。
従って、既に述べたように、ドット63間にて金属膜59を露出させて、メタリック感のある画像65を実現することができる。なお、当該効果は、スパッタ装置5のみ又はプリンタ7のみからは予測不可能な効果である。
なお、以上の実施形態において、スパッタ装置5は本発明の金属膜形成装置の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形加飾システムが含む装置は、実施形態に例示したものに限定されない。例えば、成形加飾システムは、加飾後の成形品における加飾等の不良を検査する検査装置、成形品と他の部品とを固定する組立装置、及び/又は、加飾後(場合によっては更に組立後)の成形品をストッカに整列させる整列装置(ただし、整列装置は搬送部の一部として捉えられてもよい。)を含んでいてもよい。また、成形加飾システムは、成形機及びコート装置等の組み合わせを、2種以上の成形品に対応して2組以上含むとともに、その2種以上の成形品を組み立てる組立装置を含んでいてもよい。
成形機は、樹脂材料を成形する射出成形機に限定されず、例えば、アルミニウムを成形するダイカストマシンであってもよい。金属膜形成装置は、スパッタ装置に限定されず、めっき法を行うものであってもよい。プリンタは、インクジェット方式に限定されず、例えば、スクリーン印刷を行うものであってもよい。コート装置は、インクジェットプリンタと同様の構成を有するものでなくてもよく、圧縮ガスによって塗料を霧状にして吹き付ける(スプレーする)ものであってもよい。
実施形態では、金属膜と(インクによる)画像とが少なくとも一部において重複した。しかし、これらは、互いに異なる領域に形成されて、互いに重複しないようにしてもよい。
主面の周囲の繋ぎ目において、主面、側面及び端面の印刷方向を揃えるような成形品とヘッドとの相対回転を可能とする旋回装置は、実施形態に例示した構成以外にも種々可能である。
図8(a)〜図8(c)は、そのような例を模式的に示す図である。なお、これらの図においては、特に断りがない限り、実施形態の図面と同様に、ヘッド27は、z方向の正側から成形品51に対向する。また、矢印L1は、移動装置によるヘッド27と成形品51との相対移動の方向(副走査方向、x方向)を示している。
図8(a)に示す構成では、旋回装置203は、副走査方向に垂直な第2軸A2回りに回転可能な第2回転部213と、第2軸A202に垂直な第3軸A203回りに回転可能に第2回転部213に支持された第3回転部215とを有している。実施形態の第1軸A1は設けられておらず、第2軸A202は副走査方向に垂直なままである。成形品51は、第3軸A203の径方向に主面51aを向けて第3回転部215に保持されている。
この構成においては、図8(a)に示す状態において主面51aの印刷が行われる。また、図8(a)に示す状態から第3軸A203回りに第3回転部215を90°回転させた状態で側面51bの印刷が行われる。また、図8(a)に示す状態から第2軸A202回りに第2回転部213を90°回転させた状態で端面51cの印刷が行われる。
図8(b)に示す構成では、旋回装置303は、副走査方向に平行な第2軸A302回りに回転可能な第2回転部313と、第2軸A302に垂直な第3軸A303回りに回転可能に第2回転部313に支持された第3回転部315とを有している。実施形態の第1軸A1は設けられておらず、第2軸A302は副走査方向に平行なままである。成形品51は、第3軸A303の径方向に主面51aを向けて第3回転部315に保持されている。
この構成においては、図8(b)に示す状態において主面51aの印刷が行われる。また、図8(b)に示す状態から第2軸A302回りに第2回転部313を90°回転させた状態で側面51bの印刷が行われる。また、図8(b)に示す状態から第3軸A303回りに第3回転部315を90°回転させた状態で端面51cの印刷が行われる。
図8(c)に示す構成では、旋回装置403は、副走査方向に垂直な第2軸A402回りに回転可能な第2回転部413を有している。実施形態の第1軸A1は設けられておらず、第2軸A402は副走査方向に垂直なままである。また、実施形態の第3軸A3は設けられておらず、成形品51は、第2軸A402の径方向に主面51aを向けて第2回転部413に保持されている。
また、旋回装置403は、ヘッド27を副走査方向に平行な第4軸A404回りに回転可能な機構を有している。なお、ヘッド27と成形品51とを副走査方向に相対移動させる移動装置は、例えば、旋回装置403のうち成形品51を(絶対座標系に対して)第2軸A402回りに旋回させる機構を、旋回装置403のうちヘッド27を(絶対座標系に対して)第4軸A404回りに旋回させる機構に対して副走査方向へ相対移動させる。ヘッド27は、第4軸A404から離れており、第4軸A404回りに回転することによって、成形品51の周囲において回転可能である。
この構成においては、図8(c)に示す状態(ヘッド27の位置は実線で示す状態)で主面51aの印刷が行われる。また、図8(c)に示す状態からヘッド27を第4軸A404回りに90°回転させた状態(2点鎖線で示す状態)で側面51bの印刷が行われる。また、図8(c)に示す状態から第2軸A402回りに第2回転部413を90°回転させた状態で端面51cの印刷が行われる。
ヘッドと成形品との副走査方向における相対移動は、成形品が絶対座標系に対して移動されることによって実現されるものに限定されず、ヘッドのみ、又は、ヘッド及び成形品の双方が絶対座標系に対して移動されることによって実現されるものであってもよい。また、図8(c)において例示したように、ヘッドと成形品との相対回転は、成形品が絶対座標系に対して移動されることによって実現されるものに限定されず、ヘッドのみ、又は、ヘッド及び成形品の双方が絶対座標系に対して移動されることによって実現されるものであってもよい。
既に述べたように、成形加飾システムの運用(使用される型)によって成形品の形状は変わるから、成形品は、必ずしもその形状が特定されなくてもよい。また、成形品が主面、側面及び端面を有する場合において、成形品は、5面を有さなくてもよい。すなわち、側面は1つでもよいし、端面は1つでもよい。主面は、概略形状が長方形でなくてもよく、正方形であってもよい。側面及び端面は、主面の平面視において、いずれが他方よりも長くてもよいし、同一の長さであってもよい。
1…成形加飾システム、3…成形機、5…スパッタ装置、7…プリンタ、9…コート装置、11…搬送部、27…ヘッド、51…成形品、51a…主面、51b…側面、51c…端面、101…移動装置、103…旋回装置。
Claims (6)
- 材料から成形品を成形する成形機と、
前記成形機とインラインで接続され、前記成形品に印刷を行うプリンタと、
を有し、
前記成形機は、前記成形品が、最も面積の広い主面、当該主面に交差する側面、及び、前記主面及び前記側面に交差する端面を有するように成形を行い、
前記プリンタは、
前記成形品にインクを付着させるヘッドと、
前記成形品と前記ヘッドとをその対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置と、
前記成形品と前記ヘッドとを相対回転させる旋回装置と、を有し、
前記旋回装置は、
前記端面を前記副走査方向へ向けて前記主面と前記ヘッドとを対向させる状態と、
前記主面を前記副走査方向へ向けて前記端面と前記ヘッドとを対向させる状態と、
前記端面を前記副走査方向へ向けて前記側面と前記ヘッドとを対向させる状態と、の間で前記成形品と前記ヘッドとを相対回転可能である
成形加飾システム。 - 前記移動装置は、前記旋回装置と前記ヘッドとを前記副走査方向へ相対移動させ、
前記旋回装置は、
前記対向方向に平行な第1軸の回りに回転可能な第1回転部と、
前記第1軸に垂直な第2軸の回りに回転可能に前記第1回転部に支持された第2回転部と、
前記第2軸に垂直な第3軸の回りに回転可能に前記第2回転部に支持され、前記第3軸の延びる方向に前記主面を向けて前記成形品を保持する第3回転部と、を有する
請求項1に記載の成形加飾システム。 - 材料から成形品を成形する成形機と、
前記成形機とインラインで接続され、前記成形品に印刷を行うプリンタと、
を有し、
前記プリンタは、
前記成形品を保持する旋回装置と、
前記成形品にインクを付着させるヘッドと、
前記旋回装置と前記ヘッドとを前記成形品と前記ヘッドとの対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置と、を有し、
前記旋回装置は、
前記対向方向に平行な第1軸の回りに回転可能な第1回転部と、
前記第1軸に垂直な第2軸の回りに回転可能に前記第1回転部に支持された第2回転部と、
前記第2軸に垂直な第3軸の回りに回転可能に前記第2回転部に支持され、前記成形品を保持する第3回転部と、を有する
成形加飾システム。 - 前記プリンタは、
前記第1回転部の前記第1軸回りの回転位置を前記第2軸が前記副走査方向に対して垂直になる位置とし、前記第2回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記第3軸が前記第1軸に対して同一方向になる位置とし、前記第3回転部の前記第3軸回りの回転位置を所定の基準位置として、前記第3回転部と前記ヘッドとを前記副走査方向に相対移動させながら前記ヘッドにより前記成形品にインクを付着させる第1印刷工程と、
前記第1回転部の前記第1軸回りの回転位置を前記第2軸が前記副走査方向に対して垂直になる位置とし、前記第2回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記第3軸が前記第1軸に対して傾斜する又は垂直になる位置とし、前記第3回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記基準位置として、前記第3回転部と前記ヘッドとを前記副走査方向に相対移動させながら前記ヘッドにより前記成形品にインクを付着させる第2印刷工程と、
前記第1回転部の前記第1軸回りの回転位置を前記第2軸が前記副走査方向に対して同一方向になる位置とし、前記第2回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記第3軸が前記第1軸に対して傾斜する又は垂直になる位置とし、前記第3回転部の前記第2軸回りの回転位置を前記基準位置から90°回転した位置として、前記第3回転部と前記ヘッドとを前記副走査方向に相対移動させながら前記ヘッドにより前記成形品にインクを付着させる第3印刷工程と、を行う
請求項3に記載の成形加飾システム。 - 前記プリンタによる印刷の前に、前記成形品に金属膜を形成する金属膜形成装置を更に有し、
前記プリンタは、前記成形品に複数のドットを形成することにより画像を印刷し、
前記画像の少なくとも一部と前記金属膜の少なくとも一部とが重なっている
請求項1〜4のいずれか1項に記載の成形加飾システム。 - 前記成形品を保持する旋回装置と、
前記成形品にインクを付着させるヘッドと、
前記旋回装置と前記ヘッドとを前記成形品と前記ヘッドとの対向方向に垂直な副走査方向へ相対移動させる移動装置と、を有し、
前記旋回装置は、
前記対向方向に平行な第1軸の回りに回転可能な第1回転部と、
前記第1軸に垂直な第2軸の回りに回転可能に前記第1回転部に支持された第2回転部と、
前記第2軸に垂直な第3軸の回りに回転可能に前記第2回転部に支持され、前記成形品を保持する第3回転部と、を有する
プリンタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013100975A JP2014221439A (ja) | 2013-05-13 | 2013-05-13 | 成形加飾システム及びプリンタ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Family Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105772336A (zh) * | 2016-05-18 | 2016-07-20 | 厦门欣力巨软件有限公司 | 手机屏侧边封胶机 |
JP2016215438A (ja) * | 2015-05-18 | 2016-12-22 | 東芝機械株式会社 | 加飾装置及び成形加飾システム |
-
2013
- 2013-05-13 JP JP2013100975A patent/JP2014221439A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016215438A (ja) * | 2015-05-18 | 2016-12-22 | 東芝機械株式会社 | 加飾装置及び成形加飾システム |
CN105772336A (zh) * | 2016-05-18 | 2016-07-20 | 厦门欣力巨软件有限公司 | 手机屏侧边封胶机 |
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