以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)4と遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
下皿4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。スティックコントローラ122は、遊技者が把持する操作桿122Aを含み、操作桿122Aの所定位置(例えば遊技者が操作桿122Aを把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手(例えば左手など)で把持した状態で、所定の操作指(例えば、人差し指)で押引操作することによって所定の指示操作ができるように構成されている。操作桿122Aの内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されている。スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部には、操作桿122Aに対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットが設けられている。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、遊技者の側からみて操作桿122Aの中心位置よりも右側で遊技盤6の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含む。なお、下皿におけるスティックコントローラ122の取付位置は、下皿の中央部分に限定されず、左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば、スティックコントローラ122の上方)に、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的または電磁的に検出する。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部には、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサが設けられている。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿および下皿の中央部分において上下の位置関係にある。しかし、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120およびスティックコントローラ122の取付位置を、上皿3および下皿4において左右のいずれかに寄せた位置であってもよい。また、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあってもよい。
スティックコントローラ122に設けられたトリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを操作手で把持した状態において、操作指で押引操作することなどにより指示操作ができるように構成されている。また、プッシュボタン120は、スティックコントローラ122とは別個に、上皿3を形成するガラス扉枠2の所定位置に設けられている。遊技者がスティックコントローラ122の操作桿122Aを把持しない状態では、操作手で押下操作することによって指示操作ができるように構成されている。従って、トリガボタンは、プッシュボタン120に比べて、連続的な指示操作となる連打操作が困難である。
また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータが内蔵されている。本実施例では、例えば、バイブレータ用モータの軸の重心を偏らせたおもりを取り付け、演出制御用マイクロコンピュータ100によりバイブレータ用モータを回転制御することによって振動を生じさせ、スティックコントローラ122を振動動作させる。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球がゲート32A,32Bを通過したこと、または普通可変入賞球装置20を通過(入賞)したこと)にもとづいて各々を識別可能な複数種類の演出用の演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)し表示結果を導出表示する演出表示装置9が配置されている。本実施例では、演出表示装置9は液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(演出図柄表示エリア)に演出図柄が表示制御されるように構成されている。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである。
本実施例では、演出表示装置9の3つの表示領域に表示される演出図柄として、打球がゲート32A,32Bを通過したことで後述する普通図柄表示器10にて普通図柄の変動表示が実行される場合は、「零」〜「九」の漢数字の図柄を用いる。また、打球が特別可変入賞球装置15を通過したことで後述する特別図柄表示器8にて特別図柄の変動表示が実行される場合は、「0」〜「9」の英数字の図柄を用いる。演出図柄の変動(可変)表示中、原則として、「零」〜「九」または「0」〜「9」の演出図柄が番号順に表示される。
尚、本実施例では、普通図柄の変動と連動するときの演出図柄と、特別図柄の変動と連動するときの演出図柄とを異なる種類とすることで、連動している変動表示が、普通図柄の変動表示であるのか、特別図柄の変動表示であるのかを遊技者が容易に認識できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、普通図柄の変動に連動するときでも特別図柄の変動に連動するときでも同じ種類の演出図柄を用いるようにしても良い。
また、本実施例では、演出表示装置9において普通図柄の変動と連動するときの演出図柄の変動表示と、特別図柄の変動と連動するときの演出図柄の変動表示を実行可能としているが、本発明はこれに限定されず、演出表示装置9においては、これら普通図柄の変動と連動するときの演出図柄の変動表示と、特別図柄の変動と連動するときの演出図柄の変動表示とを実行しないようにしてもよく、また、これら普通図柄の変動と連動するときの演出図柄の変動表示と、特別図柄の変動と連動するときの演出図柄の変動表示とのいずれか一方のみを実行するようにしても良い。
演出表示装置9の右部には、識別情報としての特別図柄を変動表示(可変表示ともいう)する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。本実施例では、特別図柄表示器8は、例えば、「0」〜「9」の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、「0」〜「99」など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示器8は、遊技制御基板に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。
遊技領域7における右上方には、ゲート32Bが形成されている。ゲート32Bを通過した遊技球は、ゲートスイッチ32bによって検出された後、下方に流下する。遊技領域7における下部には、遊技球が入賞可能な特別可変入賞球装置(大入賞口に相当)15が設けられている。特別可変入賞球装置15に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、大入賞口スイッチ14aによって検出される。特別可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。特別可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が入賞可能になり、遊技者にとって有利な状態になる。
また、図1に示すように、遊技領域7におけるゲート32Bの下方には、普通可変入賞球装置20が設けられている。普通可変入賞球装置20は開閉板を備え、普通図柄表示器10に当り図柄が導出表示されたときにソレノイド21によって、開閉板が開放状態に制御されることによって、普通可変入賞球装置20が、遊技球が入賞しやすい開放状態になる。普通可変入賞球装置20に入賞した遊技球は始動口スイッチ23で検出される。なお、普通可変入賞球装置20が閉状態になっている状態では、遊技球は入賞不能である。ただし、普通可変入賞球装置20が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
演出表示装置9の左方には、普通図柄を変動表示(可変表示ともいう)する普通図柄表示器10が設けられている。本実施例では、普通図柄表示器10は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器10は、「0」〜「9」の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。なお、普通図柄表示器10は、例えば、「00」〜「99」の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。また、普通図柄表示器10は、7セグメントLEDに限らず、例えば、所定の記号表示を点灯表示可能な表示器(例えば、「○」や「×」を交互に点灯表示可能な装飾ランプ)で構成されていてもよい。
演出表示装置9の下方における特別可変入賞球装置15よりも上方位置には、ゲート32Aが形成されている。ゲート32Aを通過した遊技球は、ゲートスイッチ32aによって検出された後、下方に流下する。更に、ゲート32Aと特別可変入賞球装置15との間には、普通入賞口33Aが形成されており、ゲート32Aを通過した遊技球の一部が該普通入賞口33Aに入賞し、普通入賞口33A内に設けられた入賞口スイッチ33aにて検出されるようになっている。
尚、本実施例では、遊技領域7の左側の領域にゲート32B及び普通可変入賞球装置20が設けられているが、本発明はこれに限定されず、ゲート32B及び普通可変入賞球装置20は遊技領域7の右側の領域に設けられていてもよい。
ゲート32Aまたはゲート32Bを遊技球が通過しゲートスイッチ32aまたはゲートスイッチ32bで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、普通可変入賞球装置20の状態は、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(開放状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32A,32Bを通過した入賞球数(ゲート通過記憶数)を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32Aまたはゲート32Bへの遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。なお、本実施例では、ゲート通過記憶数の上限値を4とするが、上限値をより大きい値にしてもよい。さらに、上限値を、遊技状態に応じて変更可能であるようにしてもよい。
なお、演出表示装置9の表示画面には、ゲート通過記憶数(普通図柄保留記憶数)を表示する領域(以下、普通図柄保留記憶表示部18dという。)が設けられている。普通図柄保留記憶表示器41におけるLEDの点灯数と同数の表示が、普通図柄保留記憶表示部18dにおいてなされる。
本実施例では、演出表示装置9は、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示期間中に、演出用( 装飾用)の図柄としての演出図柄(漢数字)の変動表示を行う。すなわち、普通図柄表示器10による普通図柄の変動表示と演出表示装置9による演出図柄の変動表示とは同期している。なお、普通図柄の変動表示を行う普通図柄表示器10は、主基板(遊技制御基板)31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。
また、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞し、該遊技球が始動口スイッチ23で検出されると、特別図柄表示器8の表示の変動表示が開始される。つまり、本実施例の普通可変入賞球装置20は、始動入賞口を構成している。そして、特別図柄表示器8における停止図柄が所定の図柄(大当り図柄)である場合に、特別可変入賞球装置15の状態は、遊技者にとって不利な状態(閉状態)から有利な状態(開放状態)に変化する。
本実施例では、演出表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、演出用(装飾用)の図柄としての演出図柄(英数字)の変動表示を行う。すなわち、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示と演出表示装置9による演出図柄の変動表示とは同期している。尚、特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示器8は、主基板(遊技制御基板)31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。
遊技盤6の遊技領域7の下端部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
パチンコ遊技機1には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bを通過しゲートスイッチ32aまたはゲートスイッチ32bで検出されると、普通図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、普通可変入賞球装置20の開放動作がなく、かつ、普通図柄の変動表示が実行されていない場合)、普通図柄の当り判定が行われる。本実施例では、普通図柄が当りになる確率(普通図柄の当選確率)は、図6に示すように、遊技状態が後述する第1高ベースフラグまたは第2高ベースフラグがセットされていない低ベース状態のときには1/80であり、遊技状態が後述する第1高ベースフラグまたは第2高ベースフラグがセットされている高ベース状態(本実施例では、普通図柄の変動時間が通常遊技状態に比べて短縮されている時短状態でもある)のときは79/80である。そして、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示(変動)が開始されるときに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。普通図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、普通図柄保留記憶表示器41についてのゲート通過記憶数を上限数である4までの範囲内で1増やす。本実施例では、時短状態(高ベース状態)である状態が特別遊技状態に相当し、特別遊技状態ではない遊技状態が通常遊技状態(通常状態)に相当する。
普通可変入賞球装置(入賞領域を形成するとともに始動領域も形成する)20に遊技球が入賞し始動口スイッチ23で検出されると、特別図柄の大当り判定が行われる。本実施例では、特別図柄が大当りになる確率は、遊技状態が通常状態のときは1/4(25%)であり、遊技状態が確変状態のときは約99/100(99%)である。大当りにすることに決定されると、大当りの種別(大当りの種類)が決定される。
普通可変入賞球装置20への遊技球の入賞にもとづいて特別図柄の変動が開始されると、該特別図柄の変動開始時に決定された変動時間の経過後に停止して停止図柄が導出表示される。大当りにすることに決定されている場合には、特別図柄表示器8において大当り図柄が特別図柄の停止図柄として導出表示され、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態に移行すると、大当り遊技が2ラウンドだけ実行される。本実施例では、特別可変入賞球装置15が開放されてから一定期間(例えば0.5秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば1個)の打球が大入賞口(特別可変入賞球装置15)に入賞するまでが大当り遊技における1ラウンドである。尚、本実施例における特別可変入賞球装置15の開放期間(ラウンド期間)は0.5秒であるが、本発明はこれに限定されず、特別可変入賞球装置15の開放期間は、0.5秒よりも長い、または短い期間であっても良い。また、ラウンド期間における特別可変入賞球装置15への入賞可能個数は本実施例では1個であるが、本発明はこれに限定されず、ラウンド期間における特別可変入賞球装置15への入賞可能個数は2個以上であっても良い。
本実施例では、大当りが遊技状態を高ベース状態にすることに対応する大当り(後述する大当り2−B以外の大当り)であった場合は、大当り遊技が終了するときに遊技状態が高ベース状態に移行される。遊技状態が高ベース状態のときは、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は79/80であるから、遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bを通過すると、ほぼ当りになる。当りになると、普通可変入賞球装置20が開放され、遊技球が入賞すると、大当り判定および大当り種別の決定が行われる。
大当りが遊技状態を低ベース状態にすることに対応する大当り(後述する大当り2−B)であった場合は、大当り遊技が終了するときに遊技状態が低ベース状態に移行される。遊技状態が低ベース状態のときは、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が1/80であるから、遊技球がゲート32A,32Bを通過しても当りになる可能性は低くなり、普通可変入賞球装置20が開放される可能性は低い。その結果、始動領域への遊技球の入賞が発生し難くなるので、大当り遊技状態に移行されにくくなる。
以上のように、本実施例では、低ベース状態のときは、普通図柄が当りになる確率が低いが、一旦、普通図柄が当りになって、さらに、特別図柄が大当りとなると、遊技状態が必ず(100%の確率で)高ベース状態に制御される。その結果、普通図柄の当りが連続して発生することになる。尚、本実施例では、前述のように、低ベース状態において普通図柄が当りとなり、更に特別図柄が大当りとなることで、遊技状態が必ず高ベース状態に制御されるようになっているが、本発明はこれに限定されず、低ベース状態において普通図柄が当りとなり、更に特別図柄が大当りとなる場合は、高い確率(例えば80%の確率)で遊技状態が高ベース状態に制御される一方、低い確率(例えば20%の確率)で遊技状態が低ベース状態に制御されるようにしても良い。
また、本実施例では、高ベース状態において確変大当りが所定回(本実施例では、10回)連続して発生すると、遊技状態は50%の確率で低ベース状態に移行する。
次に、普通図柄の停止図柄、特別図柄の停止図柄、および演出図柄の停止図柄について説明する。
(1)普通図柄の停止図柄:普通図柄表示器10で変動表示される普通図柄は「0」〜「9」である。このうち、「7」が当り図柄であり、その他はハズレ図柄である。
(2)特別図柄の停止図柄:上述したように、特別図柄表示器8で変動表示される特別図柄は「0」〜「9」である。このうち、「1」が第1大当り図柄であり、「2」が第2−1大当り図柄であり、「3」が第2−2大当り図柄であり、「4」が第2−A大当り図柄であり、「5」が第2−B大当り図柄である。また、ハズレ図柄は「0」である(図23参照)。
(3)演出図柄の停止図柄:上述したように、演出表示装置9で変動表示される左中右の演出図柄は、それぞれ、普通図柄の変動表示時である場合は「零」〜「九」であり、特別図柄の変動表示時である場合は「0」〜「9」である。ここで、演出図柄のハズレ図柄は、左中右の演出図柄が同一図柄で揃っていない状態の図柄(例えば、「358」など)である。なお、左右の演出図柄が同一図柄で揃っているが(すなわち、リーチになっているが)、中の演出図柄だけ揃っていない状態もハズレ図柄である。演出図柄の当り図柄は、左中右の演出図柄が同一図柄で揃った状態の図柄である。
なお、本実施例では、普通図柄及び特別図柄の停止図柄と演出図柄の停止図柄とが対応している。すなわち、普通図柄または特別図柄の停止図柄がハズレ図柄になると演出図柄の停止図柄もハズレ図柄になり、普通図柄または特別図柄の停止図柄が当り(大当り)図柄になると演出図柄の停止図柄も当り(大当り)図柄(例えば、七−七−七や7−7−7等)になる。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。本実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかにRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数を発生する乱数回路503が内蔵されている。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100に搭載されている演出制御用CPU101についても同様である。
また、ゲートスイッチ32a,32b、大入賞口スイッチ14a、入賞口スイッチ33aおよび始動口スイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、普通可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および特別可変入賞球装置15(開閉板)を開閉するソレノイド16を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を変動表示する特別図柄表示器8、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100が、ランプドライバ基板35を介して、遊技枠に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、盤側に設けられているLEDの表示制御を行う。また、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
尚、本実施例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70にはマイクロコンピュータは搭載されていないが、これらランプドライバ基板35および音声出力基板70にマイクロコンピュータを搭載するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ100から受信するコマンドに応じて、ランプドライバ基板35および音声出力基板70が直接LEDの表示制御やスピーカ27からの音出力の制御を実行するようにしても良い。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAM(図示せず)を含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ(図示せず)および入力ポート(図示せず)を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
本実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、フレームメモリを介してVRAM内の画像データを演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポートを介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポートを介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバを介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、LEDを駆動する信号を増幅して盤側に設けられている各LEDに供給する。また、枠側に設けられている枠LED28に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバを介して音声合成用ICに入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROMには、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御用CPU101は、入力ポートを介して、トリガセンサから、トリガボタンに対する遊技者の操作を検出したことを示す信号としての操作検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、入力ポートを介して、プッシュセンサから、プッシュボタン120に対する遊技者の操作を検出したことを示す信号としての操作検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、入力ポートを介して、傾倒方向センサユニットから、スティックコントローラ122の操作桿122Aに対する遊技者の操作を検出したことを示す信号としての操作検出信号を入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122を振動動作させるために、出力ポートを介してバイブレータ用モータに駆動信号を出力する。
次に、遊技機の動作について説明する。先ず、CPU56は、パチンコ遊技機1に電源が投入されることで、以下の処理を実行する。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か判定する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。本実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、普通図柄プロセスフラグ、確変フラグ、出力待機フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分、待機期間タイマを示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。
なお、本実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機にしてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムR(大当り判定用乱数)の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。本実施例では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。本実施例では、表示用乱数とは、普通図柄変動パターンを判定するための乱数(普通図柄変動パターン判定用乱数)であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。本実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か判定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数(ランダム3初期値決定用乱数)である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置9、可変入賞球装置20、球払出装置97等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図4に示すステップS21〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS21)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a,32b、大入賞口スイッチ14aおよび始動口スイッチ23、入賞口スイッチ33aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS22)。
次に、CPU56は、特別図柄表示器8、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS23)。特別図柄表示器8および普通図柄表示器10については、ステップS33,S34で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
次に、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用や大当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS24)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS25,S26)。
図5は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。(1)ランダム1:大当りの種別を決定する(大当り種別決定用)。(2)ランダム2:普通図柄の変動パターンを判定する(普通図柄変動パターン判定用)。(3)ランダム3:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か判定する(普通図柄当り判定用)。(4)ランダム4:ランダム3の初期値を決定する(ランダム3初期値決定用)。(5)ランダム5:特別図柄の変動パターン(変動時間)を判定する(特別図柄変動パターン判定用)。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS24では、CPU56は、(1)の大当り種別決定用乱数、および(3)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(1)〜(5)の乱数以外の乱数も用いるようにしてもよい。また、本実施例では、大当り判定用乱数は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(乱数回路503)が生成する乱数であるが、大当り判定用乱数として、CPU56によってプログラムにもとづいて生成されるソフトウェア乱数を用いてもよい。この場合、大当り判定用乱数の初期値を決定するためのソフトウェア乱数(大当り判定初期値決定用乱数)を用いて大当り判定用乱数の初期値を変更(更新)するように構成するのが好ましい。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。特別図柄プロセス処理では、特別図柄表示器8および大入賞口(特別可変入賞球装置15)を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS28)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10および普通可変入賞球装置20を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出表示装置9における演出図柄の表示制御に関する演出制御コマンドなどを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報や始動情報、確率変動情報、遊技状態情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、大入賞口スイッチ14aおよび始動口スイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、大入賞口スイッチ14aおよび始動口スイッチ23、入賞口スイッチ33aのいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。具体的に、CPU56は、大入賞口スイッチ14aがオンとなった場合に球払出装置97に対して遊技球を10玉払い出すことを示す賞球個数信号を出力し、始動口スイッチ23がオンとなった場合に球払出装置97に対して遊技球を9玉払い出すことを示す賞球個数信号を出力し、入賞口スイッチ33aがオンとなった場合に球払出装置97に対して遊技球を3玉払い出すことを示す賞球個数信号を出力する。
本実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、本実施例では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS22〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、本実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図6は、遊技状態の変化等を説明するための説明図である。
図6に示すように、遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bを通過したことにもとづいて、普通図柄に関する抽選が実行され、抽選結果が当りであることにもとづいて、普通可変入賞球装置20が開放される。
始動入賞口を構成する普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞したことにもとづいて、特別図柄に関する抽選が実行される。このとき、初当り時(低確低ベースである通常状態における大当り)を含み、大当り回数カウンタの値が2以上の値である場合と大当り回数カウンタの値が0である場合(初当り時を含む)は、特別図柄の変動表示結果が大当りとなることに決定されると、大当りの種別が第1大当り、第2−1大当り、第2−2大当りのいずれかに決定される。第1大当りは、大当り遊技後の遊技状態が特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が低い通常状態(低確(低確率)状態とも言う)よりも特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が高い高確状態(高確率状態とも言う)となる確変大当りであり、第2−1大当り及び第2−2大当りは、大当り遊技後の遊技状態が特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が低い通常状態(低確(低確率)状態とも言う)となる非確変大当りである。
尚、第2−A大当りは、大当り遊技後に普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が低い低ベース状態よりも普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が高い高ベース状態に移行し、遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bを通過することで、普通図柄の当り確率が79/80である状態で普通図柄の変動表示が実行される。
また、前述した大当り回数カウンタとは、遊技状態が特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が低い通常状態において特別図柄の変動表示結果が第1大当りとなった場合にセットされるカウンタであって、確変大当りである第1大当りが所定回数(本実施例では10回)以上連続することを防ぐための、所謂確率変動(確変)のリミッタ機能を発動させるためのカウンタである。尚、本実施例の大当り回数カウンタは、特別図柄の変動表示結果が第1大当り以外の大当りとなることでクリア(0がセット)される。
大当り回数カウンタの値が0である場合にこれら大当り種別のうち第1大当りに決定される場合は、大当り回数カウンタに初期値として10がセットされ、大当り回数カウンタの値が2以上である場合にこれら大当り種別のうち第1大当りに決定される場合は、大当り回数カウンタの値が−1される。尚、本実施例の大当り回数カウンタの値は、初期値として10がセットされるようになっているが、本発明はこれに限定されず、大当り回数カウンタの値は、10以外の2以上の値にセットされるようにしても良い。
一方、大当り回数カウンタの値が0である場合と2以上である場合の双方において、大当り種別が第2−1大当りまたは第2−2大当りに決定される場合は、大当り回数カウンタの値に0がセットされる。
尚、本実施例では、特別図柄の変動表示結果が第1大当り以外の大当り(第2−1大当り、第2−2大当り、第2−A大当り、第2−B大当り)となることで大当り回数カウンタの値に0がセットされるが、本発明はこれに限定されず、特別図柄の変動表示結果が第1大当り以外の大当りとなる場合は、例えば、特別図柄の変動表示結果が第1大当り以外の大当りとなったことを示す第2大当り当選フラグをセットし、後述する大当り終了処理のステップS473aの処理において、第2大当りフラグがセットされているか否かを判定することで、該判定結果に応じて大当り回数カウンタの値を−1するか、大当り回数カウンタの値に10をセットしても良い。
尚、第1大当り、第2−1大当り、第2−2大当りは、いずれも大当り遊技後に普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が低い低ベース状態よりも普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が高い高ベース状態に移行し、遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bを通過することで、普通図柄の当り確率が79/80である状態で普通図柄の変動表示が実行される。つまり、本実施例における第1大当りの大当り遊技後の遊技状態は、特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が高い高確状態且つ、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が高い高ベース状態(高確高ベース状態)となる。また、第2−1大当り及び第2−2大当りの大当り遊技後の遊技状態は、特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が低い低確状態且つ、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が高い高ベース状態(低確高ベース状態)となる。
一方、始動入賞口を構成する普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞したことにもとづいて、特別図柄に関する抽選が実行される際に、大当り回数カウンタの値が1である場合は、特別図柄の変動表示結果が大当りとなることに決定されると、大当りの種別が第2−A大当り、第2−B大当りのいずれかに決定される。第2−A大当り及び第2−B大当りは、大当り遊技後の遊技状態が特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が低い通常状態(低確(低確率)状態とも言う)となる非確変大当りであり、大当り回数カウンタの値に0がセットされる。
尚、第2−A大当りは、大当り遊技後に普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が低い低ベース状態よりも普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が高い高ベース状態に移行し、遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bを通過することで、普通図柄の当り確率が79/80である状態で普通図柄の変動表示が実行される。
また、第2−B大当りは、大当り遊技後に普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が低い低ベース状態に移行し、遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bを通過することで、普通図柄の当り確率が1/80である状態で普通図柄の変動表示が実行される。つまり、本実施例における第2−A大当りの大当り遊技後の遊技状態は、特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が低い低確状態且つ、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が高い高ベース状態(低確高ベース状態)となる。また、第2−B大当りの大当り遊技後の遊技状態は、特別図柄の変動表示結果が大当りとなる確率が低い低確状態且つ、普通図柄の変動表示結果が当りとなる確率が低い低ベース状態(低確低ベース状態)となる。
尚、低ベース状態においてハズレにすることに決定された場合は低ベース状態が維持される一方で、高ベース状態においてハズレにすることに決定された場合は、高ベース状態における変動表示回数が予め定められた変動表示回数に達していなければ(後述する高ベースカウンタの値が0となっていなければ)、高ベース状態が維持され、高ベース状態における変動表示回数が予め定められた変動表示回数に達していれば(後述する高ベースカウンタの値が0となっていれば)、遊技状態が低ベース状態に制御される。
また、本実施例では、大当り回数カウンタの初期値として10をセットし、大当り回数カウンタの値が2以上であるときに大当り種別のうち第1大当りに決定された場合は、大当り回数カウンタの値を−1しているが、本発明はこれに限定されず、大当り回数カウンタの初期値として0をセットし、大当り回数カウンタの値が8以下であるときに大当り種別のうち第1大当りに決定された場合は、大当り回数カウンタの値を+1するようにしても良い。この場合は、大当り回数カウンタの値が9である場合は、特別図柄の変動表示結果が大当りとなることに決定されると、大当りの種別を第2−A大当り、第2−B大当りのいずれかに決定するようにし、大当り回数カウンタの値が8以下である場合は、特別図柄の変動表示結果が大当りとなることに決定されると、大当りの種別を第1大当り、第2−1大当り、第2−2大当りのいずれかに決定するようにすれば良い。
以上の制御では、第1大当り、第2−1大当りまたは第2−2大当りが初めて発生した(初当り)後、大当り回数カウンタの値1となるまで遊技状態は必ず高ベース状態であるから、第2−1大当りまたは第2−2大当りが発生することは、普通図柄の当りが頻出することによる普通可変入賞球装置20の開放が頻出し、該開放された普通可変入賞球装置20への遊技球の入賞により賞球が見込める状態が継続することを意味するため、遊技者にとって相対的に有利である。高ベース状態が長期継続した上で大当り回数カウンタの値が初期値である10にセットされ、かつ、高ベース状態が維持されるからである。また、特別遊技状態において第1大当りが発生することは遊技者にとってさほど有利なことではない。大当り回数カウンタの値が、遊技状態を低ベース状態に移行させる大当り2−Bとなる可能性のある1に近づくからである。
図7は、普通図柄および普通図柄における演出図柄の変動表示、可変入賞球装置の制御状態、特別図柄の変動表示、特別図柄における演出図柄の変動表示を説明するための説明図である。
図7に示すように、遊技球がゲート32Aまたはゲート32Bを通過すると、普通図柄の変動を開始できる状態であれば、普通図柄表示器10および演出表示装置9において普通図柄および演出図柄の変動が実行される。普通図柄の表示結果が当り図柄である場合には、普通可変入賞球装置20が所定期間(本実施例では、最大6秒)開放状態に制御される。普通可変入賞球装置20が開放状態に制御されている間は、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞可能(通過可能)になり、特別図柄の始動条件が成立することが可能になる。尚、普通可変入賞球装置20は、上述のように6秒間の経過と、普通可変入賞球装置20に遊技球が7個入賞することのいずれか一方の条件が成立することで閉鎖状態に制御される。
特別図柄表示器8において特別図柄の変動を開始できる状態であれば、特別図柄の始動条件の成立(普通可変入賞球装置20への遊技球の入賞)にもとづいて、特別図柄表示器8において特別図柄の変動が、演出表示装置9における演出図柄の変動と連動して実行される。特別図柄の表示結果が大当り図柄である場合には、大当り遊技が実行される。すなわち、大入賞口(特別可変入賞球装置15)が、所定時間(この実施の形態では、0.2秒)の閉鎖時間を挟んで所定回(例えば、2回)開放状態に制御される。開放時間は、この実施の形態では、最大0.5秒である。
図8は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。本実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成である。1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図8に示す例において、コマンド80XX(H)は、普通図柄の変動表示に同期して演出表示装置9において変動表示される、演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。尚、普通図柄における演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドは、演出図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド81XX(H)は、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置9において変動表示される、演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。尚、特別図柄における演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンドは、演出図柄の変動開始を指定するためのコマンドでもある。
コマンド8B00(H),8B01(H)は、普通図柄表示器10における普通図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。すなわち、ハズレにするか当りにするかを示す演出制御コマンドである。以下、コマンド8B00(H),8B01(H)を、普通図柄表示結果特定コマンドということがある。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、特別図柄表示器8における特別図柄の停止図柄(表示結果)の内容を指定する演出制御コマンドである。すなわち、ハズレにするか、第1大当りにするか、第2−1大当りにするか、第2−2大当りにするか、第2−A大当りにするか、第2−B大当りにするかを示す演出制御コマンドである。以下、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を、表示結果特定コマンドということがある。
コマンド8F00(H)は、普通図柄表示器10における普通図柄の停止を知らせるとともに演出表示装置9における演出図柄の変動表示(変動)の停止を指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。コマンド8F02(H)は、演出表示装置9における特別図柄の変動終了を知らせる演出制御コマンド(特別図柄変動終了指定コマンド)である。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。CPU56は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、大当り遊技が開始されることを指定する演出制御コマンド(ファンファーレ指定コマンド)である。
コマンドA1XX(H)は、2ラウンドの大当り遊技におけるラウンド中の表示を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。コマンドA2XX(H)は、2ラウンドの大当り遊技におけるラウンド後の表示(ラウンド間のインターバルの表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、「XX」に表示するラウンド数が設定される。
コマンドA301(H)は、大当り遊技が終了することを指定する演出制御コマンド(エンディング指定コマンド)である。
コマンドB0XX(H)は、特別遊技状態における大当りの発生回数を指定するコマンド(大当り回数指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、大当り回数指定コマンドを送信せず、演出制御用マイクロコンピュータ100が、特別遊技状態における大当りの発生回数を計数するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)は、XXで示される数のゲート入賞記憶数(普通図柄保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(普通図柄保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC501(H)は、ゲート入賞記憶数の減算(1減らすこと)を指定する演出制御コマンド(普通図柄保留記憶数減算指定コマンド)である。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、例えば、図8に示された内容に応じて演出表示装置9の表示状態を変更したり、LEDの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
本実施例では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
次に、CPU56が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS28)を説明する。図9は、普通図柄プロセス処理を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理において、CPU56は、ゲート32(ゲート32Aまたはゲート32B)がオン状態となったこと、すなわち遊技球がゲート32を通過したことを検出すると(ステップS111)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS112)を実行する。その後、ステップS100〜S104のいずれかの処理を実行する。なお、以下、ゲート32Aとゲート32Bとをゲート32と総称することがある。
ステップS100〜S104の処理は、以下のような処理である。
普通図柄通常処理(ステップS100):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS100を示す値になっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示が実行されている状態でなく、かつ、可変入賞球装置15の開放状態でない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、当りとするか否か(普通図柄の停止図柄を当り図柄とするか否か)を判定する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を示す値(この例では「1」)に更新する。
普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101):普通図柄の変動表示の変動パターン(図柄変動中の演出態様:変動パターンによって変動時間も特定される。)を、遊技球がゲート32を通過したときに抽出した普通図柄変動パターン判定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の普通図柄変動パターンの中から選択する。また、判定された変動パターンにもとづいて、普通図柄が変動表示され導出表示されるまでの変動表示時間(普通図柄の変動時間)に相当する値を普通図柄プロセスタイマにセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせる。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に応じた値(この例では「2」)に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS102):CPU56は、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止する。また、演出表示装置9における演出図柄の変動表示の停止を指定する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を演出制御基板80に送信する。そして、停止期間タイマに普通図柄停止図柄表示時間に相当する値をセットすることによって普通図柄プロセスタイマをスタートさせ、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄停止処理(ステップS103)を示す値(この例では「3」)に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS103):CPU56は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であるか否か判定する。当り図柄でなければ(ハズレ図柄であれば)、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(この例では「0」)に更新する。普通図柄の停止図柄が当り図柄であれば、電動役物動作期間スタイマに普通電動役物作動時間に相当する値をセットすることによって電動役物動作期間タイマをスタートさせる。また、普通可変入賞球装置(普通電動役物)20を開放する。そして、普通図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物開放中処理(ステップS104)を示す値(この例では「4」)に更新する。
普通電動役物開放中処理(ステップS104):CPU56は、普通電動役物(普通可変入賞球装置20)への遊技球の入賞個数(始動入賞口への入賞個数)をカウントする。電動役物動作期間タイマがタイムアウトすると、普通可変入賞球装置20を閉鎖して、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(この例では「0」)に更新する。
図10は、ゲートスイッチ通過処理を示すフローチャートである。ゲートスイッチ通過処理において、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か判定する(ステップS115)。最大値に達していなければ、CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1し(ステップS116)、ソフトウェア乱数である普通図柄変動パターン判定用乱数(ランダム2)および普通図柄当り判定用乱数(ランダム3)の値を抽出して、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する(ステップS117)。また、CPU56は、普通図柄保留記憶表示器41の点灯個数を1増やす(ステップS118)。また、CPU56は、ゲート通過記憶数(普通図柄保留記憶数)を示す普通図柄保留記憶数指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS119)。なお、ステップS117の処理で普通図柄変動パターン判定用乱数の値を抽出せず、普通図柄変動パターン判定用乱数の値を、普通図柄の変動開始時に(例えば、普通図柄変動パターン設定処理において)抽出するようにしてもよい。
また、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する場合には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS29)において演出制御コマンドを送信する。
図11は、普通図柄通常処理(ステップS100)を示すフローチャートである。普通図柄通常処理において、CPU56は、変動待機タイマ(図19におけるステップS158の処理でセットされる)がタイムアウトしているか否か判定する(ステップS270)。タイムアウトしていない場合には、変動待機タイマの値を−1して(ステップS278)、普通図柄通常処理を終了する。変動待機タイマが既にタイムアウトしている場合には、ゲート通過記憶数が0であるか否かを判定する(ステップS271)。具体的には、ゲート通過記憶数カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0であれば、普通図柄通常処理を終了する。ゲート通過記憶数が0でなければ、CPU56は、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数および普通図柄変動パターン判定用乱数を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS272)。
そして、CPU56は、ゲート通過記憶数カウンタの値を1減らし、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS273)。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および普通図柄変動パターン判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値および普通図柄変動パターン判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
また、普通図柄保留記憶表示器41において点灯している表示器の数を1減らす(ステップS274)。また、ゲート通過記憶数を1減算することを指定する普通図柄保留記憶数減算指定コマンドを送信する(ステップS275)。なお、普通図柄保留記憶数減算指定コマンドを送信せずに、減算後のゲート通過記憶数を指定するコマンドを送信してもよい。
次いで、CPU56は、読み出した乱数値にもとづいて当りとするかハズレとするか判定する普通図柄当り判定処理を実行する(ステップS276)。
そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄変動パターン設定処理(ステップS101)を示す値(具体的には「1」)に更新し(ステップS277)、普通図柄通常処理を終了する。
図12は、普通図柄当り判定処理を示すフローチャートである。図12に示すように、普通図柄当り判定処理において、CPU56は、まず、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認するために高ベースフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS91)。
高ベース状態は、遊技球が普通可変入賞球装置20に入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である。この実施例では、高ベース状態は、時短状態に相当する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合(低ベース状態すなわち通常遊技状態である場合)と比較して、例えば、普通図柄の当り確率が高くなり、その結果、始動入賞しやすくなる。具体的には、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞しやすい状態になる。すなわち、普通可変入賞球装置20が開放状態になりやすい状態であり、低ベース状態に比べて、普通図柄の当り確率が高められている状態と普通可変入賞球装置20の開放回数が多くなっている状態と、開放時間が長くなっている状態と、普通図柄の変動表示時間が短縮されている状態と、のうちで少なくともいずれかの状態であるとともに(普通可変入賞球装置20が開放されやすい状態)、普通図柄の変動表示時間が短縮されている状態(普通図柄の変動表示の実行頻度が多くなっている状態)である。
尚、本実施例では、普通図柄の変動表示結果が当たりとなることで普通可変入賞球装置20を6秒に亘って開放し、該普通可変入賞球装置20へ遊技球が入賞し易くしているが、本発明はこれに限定されず、普通図柄の変動表示結果が当りとなることで更に普通可変入賞球装置20の開放時間を、例えば、6秒、0.1秒、0秒から決定し、開放時間として0.1秒や0秒が決定された場合には、遊技球の普通可変入賞球装置20への入賞を困難または不可能としても良い。
CPU56は、遊技状態が通常遊技状態であるときは低ベース状態当り判定テーブルを選択し(ステップS92)、遊技状態が高ベース状態(高ベースフラグがセットされているとき)であるときには高ベース状態当り判定テーブルを選択する(ステップS95)。そして、ステップS272の処理で読み出した普通図柄当り判定用乱数の値と当り判定テーブル(低ベース状態判定テーブルまたは高ベース状態当り判定テーブル)に設定されている当り判定値とを比較する(ステップS93)。
図13は、普通図柄当り判定テーブル(高ベース状態当り判定テーブルおよび低ベース状態当り判定テーブル)を示す説明図である。図13(A)に示すように、高ベース状態のときに当りに決定される確率は79/80である。図13(B)に示すように、低ベース状態のときに当りに決定される確率は1/80である。よって、遊技状態が低ベース状態のときは低い確率で当りになり、高ベース状態のときは極めて高い確率(この例では、98.75%)で当りになる。
CPU56は、ステップS93の処理による比較の結果が当りとなるか否かを判定する(ステップS94)。当りになる場合(普通図柄当り判定用乱数の値がいずれかの当り判定値と一致した場合)には、普通図柄当りフラグをセットしてから(ステップS96)普通図柄当り判定処理を終了し、ハズレになる場合には、そのまま普通図柄当り判定処理を終了する。
図14は、普通図柄プロセス処理における普通図柄変動パターン設定処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、普通図柄当りフラグがセットされているか否か判定する(ステップS131)。普通図柄当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否か確認するために高ベースフラグがセットされているか否か判定する(ステップS132)。遊技状態が高ベース状態でなく低ベース状態である場合には、低ベース当り変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS133)。
遊技状態が高ベース状態であるとき(高ベースフラグがセットされているとき)は、高ベース状態において当りになるときに使用する高ベース当り変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS134)。
図15は、本実施例で用いられる普通図柄変動パターンを示す説明図である。図15において、「EXT」とは、2バイト構成の演出制御コマンドにおける2バイト目のEXTデータを示す。また、「時間」は普通図柄の変動時間(識別情報の変動表示期間)を示す。
この例では、普通図柄の各変動パターンは、演出図柄の停止図柄が「ハズレ図柄」になる場合の普通図柄変動パターン(ハズレ専用の普通図柄変動パターン)と、演出図柄の停止図柄が「当り図柄」になる場合の普通図柄変動パターン(当り専用の普通図柄変動パターン)とに区別されている。
ハズレ専用の普通図柄変動パターンとして、リーチを伴わない通常変動の普通図柄変動パターンと、ハズレ時ノーマルリーチ(単純なリーチ態様)の普通図柄変動パターンと、ロングリーチを伴う普通図柄変動パターンとがある。
当り専用の普通図柄変動パターンとして、高ベース状態のときにのみ使用される高ベース時通常変動パターンと、通常遊技状態のときにのみ使用される当り時ノーマルリーチの変動パターンと、通常遊技状態のときにのみ使用されるスーパーリーチの変動パターンとがある。
低ベース当り変動パターン判定テーブルには、当りのときに選択される普通図柄変動パターン(図15における「05(H)」,「06(H)」の変動パターン)のそれぞれに対応する複数の判定値が割り当てられている。
高ベース当り変動パターン判定テーブルには、高ベース状態において当りのときにのみ選択される普通図柄変動パターン(図15における「02(H)」)に対応する判定値のみが設定されている。
また、ステップS131において、普通図柄当りフラグがセットされていないときは、CPU56は、ハズレになるときに使用するハズレ用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS135)。
ハズレ用変動パターン判定テーブルには、ハズレのときにのみ選択される普通図柄変動パターン(図15における「01(H)」,「03(H)」,「04(H)」)のそれぞれに対応する複数の判定値が割り当てられている。
そして、CPU56は、乱数格納バッファに格納されている普通図柄変動パターン判定用乱数の値にもとづいて、ステップS133,S134,S135の処理で選択した変動パターン判定テーブルを用いて普通図柄の変動パターンを決定する(ステップS136)。なお、CPU56は、ハズレにする場合に、低ベース状態において、ハズレ用変動パターン判定テーブルを選択し、高ベース状態であるときには、普通図柄変動パターンを「通常変動」の変動パターンに決定する。
また、本実施例では、ハズレにすることに決定された場合に、普通図柄変動パターン判定用乱数とハズレ用変動パターン判定テーブルとにもとづいて普通図柄の変動パターンが判定されるが、ハズレにすることに決定された場合には、リーチ決定用乱数を使用して、リーチ決定用乱数の値にもとづいてリーチにするか否か決定するようにしてもよい。
また、本実施例では、普通図柄変動パターンは、演出図柄の停止図柄が「ハズレ図柄」になる場合にのみ使用されるハズレ専用の普通図柄変動パターンと、演出図柄の停止図柄が「当り図柄」になる場合にのみ使用される当り専用の普通図柄変動パターンとに区別されているが、「ハズレ図柄」になる場合にも「当り図柄」になる場合にも使用される普通図柄変動パターン(例えば、ロングリーチを伴う変動パターンおよびスーパーリーチの変動パターン)があるようにしてもよい。
次いで、CPU56は、普通図柄プロセスタイマに、普通図柄変動パターンで特定される普通図柄の変動時間に相当する値をセットする(ステップS137)。また、CPU56は、ステップS136の処理で決定した普通図柄変動パターンに応じた普通図柄変動パターンコマンドを送信する制御を行う(ステップS138)。
そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄変動処理(ステップS102)に対応した値(具体的には「2」)に更新する(ステップS139)。
図16は、普通図柄変動処理(ステップS102)を示すフローチャートである。普通図柄変動処理において、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値が0になったかどうか、すなわち、普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する(ステップS141)。普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしていなければ、CPU56は、普通図柄プロセスタイマの値を−1し(ステップS142)、普通図柄変動処理を終了する。
普通図柄プロセスタイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄の変動時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄表示器10における普通図柄の変動を停止させる(ステップS143)。そして、CPU56は、図柄停止指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS144)。
また、CPU56は、停止期間タイマに普通図柄停止図柄表示時間をセットする(ステップS145)。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、普通図柄停止処理(ステップS103)を示す値(具体的には「3」)に更新し(ステップS146)、普通図柄変動処理を終了する。
図17は、普通図柄停止処理(ステップS103)を示すフローチャートである。普通図柄停止処理において、CPU56は、停止期間タイマの値が0になったかどうか、すなわち、停止期間タイマがタイムアウトしたか否か判定する(ステップS151)。停止期間タイマがタイムアウトしていなければ、停止期間タイマの値を−1し(ステップS152)、普通図柄停止処理を終了する。
停止期間タイマがタイムアウトしたとき、すなわち、普通図柄停止図柄表示時間が経過したときは、CPU56は、普通図柄当りフラグがセットされているか否か判定する(ステップS153)。
普通図柄当りフラグがセットされているときは、CPU56は、電動役物動作期間タイマに普通電動役物作動時間(例えば、6秒)に相当する値をセットする(ステップS154)。なお、普通電動役物作動時間を、遊技状態が通常状態のときと確変状態のときとで異なる時間にしてもよい。
また、CPU56は、普通可変入賞球装置(普通電動役物)20を開放状態にし(ステップS155)、入賞個数カウンタの値を0にクリアしておく(ステップS156)。
そして、普通図柄プロセスフラグの値を、普通電動役物開放中処理(ステップS104)を示す値(具体的には「4」)に更新し(ステップS157)、普通図柄停止処理を終了する。
ステップS153において、普通図柄当りフラグがセットされていないと判定したときは、CPU56は、変動待機タイマに次回変動待機時間(例えば、2.0秒)に相当する値をセットする(ステップS158)。そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新する(ステップS159)。
図18は、普通電動役物開放中処理(ステップS104)を示すフローチャートである。普通電動役物開放中処理において、CPU56は、先ず、普通図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS162)。
そしてCPU56は、始動口スイッチ23がオンとなったか否か、つまり、始動口スイッチ23にて遊技球が検出されたか否かを判定する(ステップS163)。始動口スイッチ23がオンとなっていない場合はステップS168に移行し、始動口スイッチ23がオンとなっている場合には、入賞個数カウンタの値を+1する(ステップS164)。そして、入賞個数カウンタの値が7になったか否か判定する(ステップS165)。入賞個数カウンタの値が7でない場合にはステップS168に移行し、入賞個数カウンタの値が7になった場合には、電動役物動作期間タイマをクリアする(ステップS165a)。そして、CPU56は、普通可変入賞球装置(普通電動役物)20を閉鎖状態にし(ステップS166)、普通図柄当りフラグをクリアする(ステップS166a)。更に、CPU56は、変動待機タイマに次回変動待機時間(例えば、2.0秒)に相当する値をセットする(ステップS166b)。
そして、普通図柄プロセスフラグの値を普通図柄通常処理(ステップS100)を示す値(具体的には「0」)に更新し(ステップS167)、普通電動役物開放中処理を終了する。
尚、ステップS163において始動口スイッチ23がオンとなっていない場合、またはステップS165において入賞個数カウンタの値が7でない場合、ステップS168では、電動役物動作期間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する(ステップS168)。電動役物動作期間タイマがタイマアウトしていない場合は、普通電動役物開放中処理を終了し、電動役物動作期間タイマがタイマアウトしている場合は、前述したステップS166〜S167の制御を実行して普通電動役物開放中処理を終了する。
次に、特別図柄および大入賞口の制御を説明する。図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS27)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では特別図柄表示器8および大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、ステップS300〜S307のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S307の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。CPU56は、特別図柄の変動表示が開始できる状態になると、大当りにするか否か(特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か)を判定する。大当りにする場合には、大当りフラグをセットし、大当りの種別を決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300+に応じた値(この例では「1」)に更新する。
変動パターン設定処理(ステップS300+)は、特別図柄プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。CPU56は、特別図柄の変動表示結果が大当りであるか否かや、遊技状態に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では「2」)に更新する。
特別図柄変動開始処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。特別図柄の変動表示が開始されてから導出表示されるまでの変動表示時間(変動時間)に相当する値を特別図柄プロセスタイマにセットすることによって特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。尚、本実施例では、特別図柄の変動時間は図25及び図26に示すように複数パターンが用意されている。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値(この例では「3」)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。特別図柄変動開始処理でセットされた変動時間が経過(ステップS301でセットされた特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値(この例では「4」)に更新する。
特別図柄停止処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。特別図柄表示器8における変動表示を停止して停止図柄を表示させる。また、大当りフラグがセットされているか否か判定する。大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値(この例では「5」)に更新する。大当りフラグがセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値(この例では「0」)に更新する。
大当り表示処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100が大当りの発生を報知するための制御を行っている時間が経過したら、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では「6」)に更新する。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大当り表示時間が経過したときに、大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置15を開状態にして大入賞口を開放する。また、ラウンド中タイマに大入賞口開放中処理の実行時間(ラウンド時間)を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に応じた値(この例では「7」)に更新する。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を判定する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したら、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置15を閉状態にして大入賞口を閉鎖する。全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では8)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では「0」)に更新する。
図20は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる変動開始条件が成立しているか否か(特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値(例えば「0」)になっている場合、つまり、特別図柄表示器8において特別図柄の変動表示がなされていない状態であり、かつ、大当り遊技中でもない場合)を判定する(ステップS51)。変動開始条件が成立していない場合は特別図柄通常処理を終了し、変動開始条件が成立している場合は、始動口スイッチ23がオンしたか否かを判定する(ステップS52)。尚、本実施例のパチンコ遊技機1においては、普通可変入賞球装置20の開放時間は最大6秒であるのに対し、遊技状態が低確低ベース状態である場合は、特別図柄の変動表示時間は一義的に10秒(図25及び図26参照)となっているため、遊技状態が低確低ベース状態である場合の特別図柄の変動表示は、普通可変入賞球装置20に最初に入賞した遊技球に基づく1回のみとなっている。
CPU56は、始動口スイッチ23がオン状態でない場合は特別図柄通常処理を終了し、始動口スイッチ23がオン状態である場合は、乱数回路503から大当り判定用乱数であるランダムR、大当り種別決定用乱数であるランダム1、特別図柄変動パターン判定用乱数であるランダム5となる値を抽出する(ステップS53)。そして、CPU56は、大当り判定処理を実行する(ステップS54)。
図21は、大当り判定処理を示すフローチャートである。図21に示すように、大当り判定処理において、CPU56は、まず、現在の遊技状態は、特別図柄の変動表示結果として大当りとなる大当り確率が通常状態(低確率状態)の大当り確率(本実施例では1/4)よりも高い確率(本実施例では99/100)に制御されている確変状態(高確率状態)であるか否かを確認するために確変フラグがセットされているか否か判定する(ステップS81)。
遊技状態が通常状態である場合(確変フラグがセットされていないとき)には、CPU56は、通常状態のときの大当り判定で使用する通常時大当り判定テーブルを選択し(ステップS82)、ステップS53で読み出したランダムR(大当り判定用乱数)の値と通常時大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値とを比較して大当りにするか否か判定する。大当り判定用乱数の値がいずれかの大当り判定値と一致したら大当りにすることに判定する。また、CPU56は、確変フラグがセットされている場合には、確変時大当り判定テーブルを選択し(ステップS84)、ステップS53で読み出した大当り判定用乱数の値と確変時大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値とを比較する(ステップS85)。
そして、CPU56は、ステップS83またはステップS84におけるランダムRの値と大当り判定テーブルにおける判定値との比較結果として、ランダムRの値が大当り判定テーブルにおける判定値内の値であるか否か、つまり、大当りにすることに判定するか否かを判定する(ステップS86)。大当りにすることに決定した場合には、大当りフラグをセットして(ステップS87)大当り判定処理を終了する一方、大当りにすることに決定していない、つまり、ハズレにすることに決定した場合には、大当り判定処理を終了する。
図22(A)は、通常時大当り判定テーブルを示す説明図であり、図22(B)は確変時大当り判定テーブルを示す説明図である。図22(A)に示すように、通常時大当り判定テーブルには、大当り判定値として0〜16383が設定されており、ハズレ判定値として16384〜65535が設定されている。大当り判定用乱数であるランダムRの値が取りうる範囲0〜65535であるから、通常遊技状態のときに大当りに決定される確率(特別図柄の当選確率)は約1/4(25%)である。
図22(B)に示すように、確変時大当り判定テーブルには、大当り判定値として0〜64880が設定されており、ハズレ判定値として64881〜65535が設定されている。従って、確変状態のときに大当りに決定される確率(特別図柄の当選確率)は約99/100(99%)である。尚、確変状態においては、大当り判定用乱数であるランダムRの値が取りうる範囲0〜65535を全て大当り判定値に設定することで、普通可変入賞球装置20への視導入が常に大当りにするようにしても良い。
以上のように、本実施例では、遊技状態が通常状態のときは低い確率(25%の確率)で大当りになり、遊技状態が確変状態のときは高い確率(99%の確率)で大当りになる。
なお、本実施例では、確変状態のときに大当りに決定される確率(特別図柄の当選確率)は99%であるが、確変状態のときに大当りに決定される確率が100%である場合は、ステップS84,S85の処理を実行しないようにしてもよい。さらに、確変フラグがセットされているときには、直ちに大当りフラグをセットするようにしてもよい。
大当り判定処理を実行した後、図22に示すように、CPU56は、大当り判定処理において大当りフラグがセットされたか否か判定する(ステップS55)。大当りフラグがセットされていない場合、すなわち、ハズレに決定された場合には、ステップS63に移行する。
大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、大当り回数カウンタの値が1であるか否かを判定する(ステップS56b)。
大当り回数カウンタの値が1でない場合、CPU56は、ステップS53において抽出したランダム1と、大当り種別決定テーブル(大当り回数カウンタ≠1)に基づいて大当り種別を決定する(ステップS56c)。
図23(A)は、大当り種別決定テーブル(大当り回数カウンタ≠1)を示す説明図である。図23(A)に示すように、大当り種別決定テーブル(大当り回数カウンタ≠1)では、第1大当りの決定値として0〜37が設定されており、第2−1大当りの決定値として38が設定されており、第2−2大当りの決定値として39が設定されている。このため、大当り種別決定用乱数であるランダム1と大当り種別決定テーブル(大当り回数カウンタ≠1)に基づいて大当り種別を決定する場合は、第1大当りに決定される確率は95%であり、第2−1大当り・第2−2大当りに決定される確率は共に2.5%である。ステップS56cにおいて大当り種別決定後、CPU56は、ステップS60に移行する。
ステップS56bにおいて大当り回数カウンタが1である場合は、CPU56は、ステップS53において抽出したランダム1と、大当り種別決定テーブル(大当り回数カウンタ=1)に基づいて大当り種別を決定する(ステップS56d)。
図23(B)は、大当り種別決定テーブル(大当り回数カウンタ=1)を示す説明図である。図23(B)に示すように、大当り種別決定テーブル(大当り回数カウンタ=1)では、第2−A大当りの決定値として0〜19が設定されており、第2−B大当りの決定値として20〜39が設定されている。このため、大当り種別決定用乱数であるランダム1と大当り種別決定テーブル(大当り回数カウンタ=1)に基づいて大当り種別を決定する場合は、第2−A大当り・第2−B大当りに決定される確率は共に50%である。
ステップS56dにおいて大当り種別決定後、CPU56は、ステップS60に移行する。
ステップS60では、CPU56は、ステップS56c、ステップS56d、ステップS56gのいずれかで決定された大当り種別をRAM55の所定の記憶領域に記憶し、ステップS63に移行する。尚、ステップS60において、既にRAM55の所定の記憶領域に前回の大当り種別が記憶されている場合は、該前回の大当り種別を今回の大当りにおいてステップS56c、ステップS56dのいずれかで決定された大当り種別に更新する。
そして、ステップS63では、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する。ただし、本実施例では、大当り図柄は大当り種別に応じて各々一種類しか設けられていないので、大当りの種別が決定されることによって、大当り図柄も自動的に決定されている。具体的には、図23に示すように、「1」が第1大当り図柄であり、「2」が第2−1大当り図柄であり、「3」が第2−2大当り図柄であり、「4」が第2−A大当り図柄であり、「5」が第2−B大当り図柄である。なお、大当り図柄として、大当りの種別に応じて一種類の停止図柄を使用するのではなく、複数種類の図柄から選択するようにしてもよい。
また、ハズレ図柄も一種類「0」しか設けられていないので、ハズレに決定されたことによって、ハズレ図柄も自動的に決定される。
なお、本実施例では、まず大当りとするか否かを決定し、大当りとすることに決定した後に大当り種別を決定する場合を示したが、大当りとするか否かの決定と大当り種別の決定方法は、本実施例で示したものに限られない。例えば、各々の大当りの種別のそれぞれに決定値が割り当てられたテーブルを用意し、そのテーブルにもとづいて、いずれかの大当りの種別にすることに決定された場合には、大当りとすることに決定されたことにしてもよい。つまり、大当りとするか否かと大当りの種別とを同時に決定してもよい。また、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
その後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS300+)に対応した値(例えば「1」)に更新する(ステップS64)。そして、特別図柄通常処理を終了する。
図24は、変動パターン設定処理として、図19のステップS300+にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す変動パターン設定処理において、CPU56は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS281)。そして、大当りフラグがオンであれば、高ベースフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS282)。尚、本実施例における高ベースフラグとは、後述する大当り終了処理において、大当り種別が第2−1大当りである場合にセットされる第1高ベースフラグと、大当り種別が第1大当り、第2−2大当り、第2−A大当りである場合にセットされる第2高ベースフラグとの双方を含んでいる。更に、後述する第1低確高ベースとは、第1高ベースフラグがセットされている状態の低確高ベース状態を指し、第2低確高ベースとは、第2高ベースフラグがセットされている状態の低確高ベース状態を指す。
高ベースフラグがセットされていない場合は、図25(A)に示す低確低ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS284)、ステップS296aに移行する。また、高ベースフラグがセットされている場合は、更に確変フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS286)。確変フラグがセットされている場合は、図25(D)に示す高確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS288)、ステップS296aに移行する。
また、確変フラグがセットされていない場合は、更にセットされている高ベースフラグが第1高ベースフラグであるか否かを判定する(ステップS287a)。高ベースフラグが第1高ベースフラグである場合は、図25(B)に示す第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS287b)ステップS296aに移行し、高ベースフラグが第1高ベースフラグではない場合、つまり、高ベースフラグが第2高ベースフラグである場合は、図25(C)に示す第2低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS287c)ステップS296aに移行する。
ステップS281において、大当りフラグがオンでない場合は、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS289)。
高ベースフラグがセットされていない場合は、図26(A)に示す低確低ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS291)、ステップS296aに移行する。また、高ベースフラグがセットされている場合は、更に確変フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS293)。確変フラグがセットされている場合は、図26(D)に示す高確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS295)、ステップS296aに移行する。
また、確変フラグがセットされていない場合は、更にセットされている高ベースフラグが第1高ベースフラグであるか否かを判定する(ステップS294a)。高ベースフラグが第1高ベースフラグである場合は、図26(B)に示す第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS294b)ステップS296aに移行し、高ベースフラグが第1高ベースフラグではない場合、つまり、高ベースフラグが第2高ベースフラグである場合は、図26(C)に示す第2低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS294c)ステップS296aに移行する。
そして、ステップS296aでは、CPU56は、ステップS53にて抽出されたランダム5と、ステップS284、ステップS288、ステップS287b、ステップS287c、ステップS291、ステップS295、ステップS294b、ステップS294cのいずれかで選択された特別図柄の変動パターン判定テーブルに基づいて、特別図柄変動パターンを決定する(ステップS296a)。
図25(A)は、低確低ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図25(A)に示すように、低確低ベース時の大当り変動パターン判定テーブルでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1の判定値として0〜999が設定されており、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPA2と変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3には判定値が設定されていない。つまり、低確低ベース時の大当り変動パターン判定テーブルが選択される初当り時は、必ず変動時間10秒の特別図柄変動パターンPA1が実行されるようになっている。
図25(B)は、第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図25(B)に示すように、第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1の判定値として0〜986が設定されており、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPA2の判定値として987〜994が設定されており、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA1の判定値として995〜999が設定されている。
また、図25(C)は、第2低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図25(C)に示すように、第2低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1の判定値として0〜986が設定されており、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPA2の判定値として987〜996が設定されており、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3の判定値として997〜999が設定されている。
つまり、本実施例における第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルと第2低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルとでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1の判定値として同数の判定値が設定されている一方で、第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルでは、第2低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルよりも変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3に対して多くの判定値が設定されている。このため、第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合と第2低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合とでは、第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合の方が、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3が実行される確率が高く設定されている。
図25(D)は、高確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図25(D)に示すように、高確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1の判定値として0〜994が設定されており、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPA2の判定値として995〜998が設定されており、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3の判定値として999が設定されている。
このため、高確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合は、第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルまたは第2低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合よりも変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPA2及び変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3が実行される確率が低く設定されている。
図26(A)は、低確低ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図26(A)に示すように、低確低ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPB1の判定値として0〜999が設定されており、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPB2と変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPB3には判定値が設定されていない。つまり、低確低ベース時の特別図柄の変動表示においては、変動表示結果が大当りであるかハズレであるかに拘わらず、必ず変動時間10秒の特別図柄変動パターンPA1またはPB1が実行されるようになっている。
図26(B)は、第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図26(B)に示すように、第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPB1の判定値として0〜874が設定されており、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPB2の判定値として875〜949が設定されており、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPB1の判定値として950〜999が設定されている。
また、図26(C)は、第2低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図26(C)に示すように、第2低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPB1の判定値として0〜874が設定されており、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPB2の判定値として875〜974が設定されており、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPB3の判定値として975〜999が設定されている。
つまり、本実施例における第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルと第2低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルとでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPB1の判定値として同数の判定値が設定されている一方で、第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルでは、第2低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルよりも変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPB3に対して多くの判定値が設定されている。このため、第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合と第2低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合とでは、第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合の方が、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPB3が実行される確率が高く設定されている。
図26(D)は、高確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを示す説明図である。図26(D)に示すように、高確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルでは、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPB1の判定値として0〜949が設定されており、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPB2の判定値として950〜989が設定されており、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPB3の判定値として990〜999が設定されている。
このため、高確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルが選択されて特別図柄変動パターンが決定される場合は、第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルまたは第2低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合よりも変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPB2及び変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPB3が実行される確率が低く設定されている。つまり、本実施例では、第1低確高ベース時及び第2低確高ベース時においてハズレの変動パターンが決定される場合は、高確高ベース時においてハズレの変動パターンが決定される場合よりも変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPB2及び変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPB3が実行されやすい状態となっている。
更に、図25及び図26に示すように、第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルが選択されて変動パターンが決定される場合は、高ベース時に特別図柄の変動表示結果がハズレとなる場合の方が、高ベース時に特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合よりも変動時間が150秒・300秒である変動パターンに多くの判定値が設定されている。つまり、本実施例では、高ベース時に特別図柄の変動表示結果がハズレとなる場合は、高ベース時に特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合よりも変動時間が150秒または300秒となる変動パターンが実行される確率が高く設定されていることで、高ベース時に特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合よりも変動時間が150秒である特別図柄変動パターン及び変動時間が300秒である特別図柄変動パターンが実行されやすい状態となっている。
そして、ステップS296aの実行後、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動開始処理(ステップS301)に応じた値(この例では「2」)に更新し、変動パターン設定処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動開始処理(ステップS301)を示すフローチャートである。特別図柄変動開始処理において、CPU56は、特別図柄プロセスタイマに変動パターン設定処理において決定された特別図柄の変動パターンの変動時間に相当する値を設定する(ステップS211)。そして、CPU56は、特別図柄の変動を開始させる(ステップS212)。また、特別図柄変動パターン指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS213)。さらに、表示結果特定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS214)。その後、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS302)に対応した値(例えば「3」)に更新し(ステップS215)特別図柄変動開始処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS302)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、まず、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS221)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしているか否か確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)し(ステップS222)、タイムアウトしていない場合には、特別図柄変動中処理を終了する。特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしている場合には、CPU56は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動を停止させ、停止図柄として変動表示結果が大当りの場合は、該大当りの大当り種別に応じた大当り図柄(「1」〜「5」)を導出表示し、変動表示結果がハズレの場合は、ハズレ図柄(「0」)を導出表示する(ステップS223)。
また、CPU56は、特別図柄変動終了指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS224)。また、特別図柄プロセスタイマに特別図柄の停止図柄を停止表示させる期間である図柄停止時間に相当する値をセットする(ステップS225)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS303)に対応した値(例えば「4」)に更新し(ステップS226)特別図柄変動中処理を終了する。
図29は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、特別図柄プロセスタイマの値を−1する(ステップS231)。そして、特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしているか否か確認(すなわち特別図柄プロセスタイマの値が0であるか否かを確認)する(ステップS232)。タイムアウトしていない場合には、特別図柄停止処理を終了する。
特別図柄プロセスタイマがタイムアウトしている場合には、CPU56は、特別図柄表示器8において特別図柄の停止図柄を導出表示し(ステップS232a)、大当りフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS233)。大当りフラグがセットされている場合には、確変状態であることを示す確変フラグ、および高ベース状態であることを示す高ベースフラグをクリアし(ステップS234)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS235)。また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS236)。そして、開放回数カウンタに大当り遊技中における大入賞口の開放回数(例えば、2)をセットする(ステップS237b)。更に、特別図柄プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS304)に対応した値(例えば「5」)に更新し(ステップS238)、特別図柄停止処理を終了する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、後述する大当り終了処理のステップS478、ステップS475、ステップS474b、ステップS477のいずれかでセットされる高ベースカウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS239)。尚、高ベースカウンタにセットされている値は、低確高ベース状態において実行が許容される特別図柄の変動回数を示している。
高ベースカウンタの値が0である場合は、ステップS241に移行し、高ベースカウンタの値が0でない場合は、高ベースカウンタの値を−1する(ステップS240a)。そして、再び高ベースカウンタの値が0であるか否かを判定し(ステップS240b)、高ベースカウンタの値が0で無い場合は、ステップS241に移行する。また、高ベースカウンタの値が0である場合は、高ベースフラグをクリアして(ステップS240c)、ステップS241に移行する。
そして、ステップS241では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値(例えば「0」)に更新し(ステップS241)、特別図柄停止処理を終了する。
図30は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS305)を示すフローチャートである。大入賞口開放前処理において、CPU56は、先ず、インターバルタイマがセットされているか否かを判定する(ステップS400)。インターバルタイマがセットされている場合は、インターバルタイマを−1して(ステップS401)、ステップS402に移行し、インターバルタイマがセットされていない場合は、そのままステップS402に進む。そして、インターバルタイマの値が0であるか否かを確認し(ステップS402)、インターバルタイマの値が0になっていなければ、大入賞口開放前処理を終了する。
インターバルタイマの値が0になっている場合には、CPU56は、大入賞口の開放中(ラウンド中)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A1XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS403)。なお、CPU56は、ラウンド数を、大当り遊技中のラウンド数をカウントするための開放回数カウンタの値を確認することにより認識する。そして、CPU56は、は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置15)を開放する制御を行う(ステップS404)。そして、開放回数カウンタを−1する(ステップS405)。
また、ラウンド中タイマに、ラウンドにおいて大入賞口が開放可能な最大時間に応じた値(例えば0.5秒)を設定する(ステップS406)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放中処理(ステップS306)に応じた値(例えば「7」)に更新し(ステップS415)大入賞口開放前処理を終了する。
図31は、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放中処理(ステップS306)を示すフローチャートである。大入賞口開放中処理において、CPU56は、ラウンド中タイマの値を−1する(ステップS420)。
そして、CPU56は、ラウンド中タイマの値が0になったか否か判定する(ステップS421)。ラウンド中タイマの値が0になっているときは、ステップS435に移行し、ラウンド中タイマの値が0になっていないときは、始動口スイッチ23がオンしたか否か判定する(ステップS432)。始動口スイッチ23がオンしていなければ、大入賞口開放中処理を終了する。始動口スイッチ23がオンした場合には、大入賞口への遊技球の入賞個数をカウントするための入賞個数カウンタ(大入賞口入賞個数カウンタ)の値を+1する(ステップS433)。そして、CPU56は、入賞個数カウンタの値が上限数(本実施例では1)になっているか否か判定する(ステップS434)。入賞個数カウンタの値が所定数になっていなければ、大入賞口開放中処理を終了し、入賞個数カウンタの値が所定数になっているときには、ステップS435に移行する。なお、S421とS432の判定順は逆でもよい。
ステップS435において、CPU56は、ソレノイド21を駆動して大入賞口(特別可変入賞球装置15)を閉鎖する制御を行う(ステップS435)。そして、入賞個数カウンタの値を0にクリアする(ステップS436)。
次いで、CPU56は、大入賞口の開放後(ラウンドの終了後)におけるラウンド数に応じた表示状態を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A2XX(H))を演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS439)。そして、ラウンド中タイマをクリアし(ステップS440)、開放回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS440a)。開放回数カウンタの値が0である場合は、特別図柄プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS307)に応じた値(例えば「8」)に更新して(ステップS441)大入賞口開放中処理を終了する。
また、開放回数カウンタの値が0でない場合は、インターバルタイマにラウンド間で大入賞口を閉鎖するインターバル時間に応じた値(例えば、0.2秒)を設定する(ステップS440b)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口処理(ステップS307)に応じた値(例えば「6」)に更新して(ステップS440c)大入賞口開放中処理を終了する。
図32は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、まず、特別図柄通常処理のステップS60にて記憶した大当り種別が第1大当りであるか否かを判定する(ステップS473)。
第1大当りであったときは、大当り回数カウンタの値が0であるか否かを判定する(ステップS473a)。大当り回数カウンタの値が0でない場合は、CPU56は、大当り回数カウンタの値を−1し、確変フラグおよび第2高ベースフラグをセットし、更に高ベースカウンタに0をセットする。(S478a)。また、大当り回数カウンタの値が0である場合は、CPU56は、大当り回数カウンタの値に10をセットし、確変フラグおよび第2高ベースフラグをセットし、更に高ベースカウンタに0をセットする。(S478b)。つまり、本実施例では、遊技状態が高確高ベース状態である場合は、高ベースカウンタに0がセットされるため、前述した特別図柄停止処理のステップS239において必ずステップS241に移行するため、ステップS240a〜240cの処理を実行することで高ベースフラグがクリアされてしまうことがない。つまり、高確高ベース状態では、必ず次の大当りまで高確高ベース状態が維持されるようになっている。そして、ステップS480aに移行する。また、特別図柄通常処理のステップS60にて記憶した大当り種別が第1大当りでない場合は、該大当り種別が第2−1大当りであるか否かを判定する(ステップS474)。第2−1大当りである場合は、第1高ベースフラグをセットし、更に高ベースカウンタに100をセットして(ステップS475)、ステップS479に移行する。
また、大当り種別が第2−1大当りでない場合は、特別図柄通常処理のステップS60にて記憶した大当り種別が第2−2大当りであるか否かを判定する(ステップS474a)。大当り種別が第2−2大当りである場合は、第2高ベースフラグをセットし、更に高ベースカウンタに100をセットして(ステップS474b)、ステップS479に移行する。
また、大当り種別が第2−2大当りでない場合は、特別図柄通常処理のステップS60にて記憶した大当り種別が第2−A大当りであるか否かを判定する(ステップS476)。大当り種別が第2−A大当りである場合は、第2高ベースフラグをセットし、更に高ベースカウンタに100をセットするとともに、出力待機フラグをセットして(ステップS477)、ステップS479に移行する。本実施例では、出力待機フラグは、後述する特定信号の出力を待機させるために用いられる。出力待機フラグは、特定信号の出力を所定の待機期間停止させるときにセットされ、所定の待機期間が経過するとリセットされる。また、出力待機フラグは、RAM55の所定の記憶領域に記憶されているが、電源断検出処理において、電源断信号が出力されたことが検出されると、後述する特定信号の出力を待機させる期間を示す待機期間タイマとともに、バックアップRAMに記憶される。そのため、遊技機への電力供給が停止しても出力待機フラグ(および待機期間タイマ)が保持されるので、遊技機への電力供給停止後に再び電力供給が開始されても復旧処理が実行された場合には、出力待機フラグ(および待機期間タイマ)が保持されていることにもとづいて情報出力処理(詳細については後述する)が実行されることにより、停電復旧後に再び出力待機フラグ(および待機期間タイマ)の状態にもとづく特定信号の外部出力が再開されることになる。特定信号は、大当り遊技状態または高ベース状態であるときに、情報出力回路64(出力ポート)からターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力される。また、本実施例では、大当り種別が第2−A大当りであるとき、すなわちリミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後の遊技状態が低確高ベース状態となるときに、出力待機フラグがセットされ、特定信号の出力が所定の待機期間停止される。このようにすることによって、後述するように、外部装置で特定信号の出力が所定の待機期間停止されたことを認識することで、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に移行されたことを認識可能にすることができる。
また、大当り種別が第2−A大当りでない場合は、該大当り種別が第2−B大当りであるとして、ステップS479に移行する。
つまり、本実施例では、遊技状態が低確高ベース状態である場合は、大当り終了処理のステップS474b、ステップS475、ステップS477のいずれかを実行することで高ベースカウンタに100がセットされるため、特別図柄の変動表示結果がハズレとなる毎に前述した特別図柄停止処理のステップS240aにて高ベースカウンタにセットされている値が−1されていく。そして、高ベースカウンタにセットされている値が0となることで高ベースフラグがクリアされてしまうため、本実施例では、第2−B大当りの大当り遊技の実行後でなくとも、高ベースカウンタが0となることでも遊技状態が低ベース状態に移行することがある。
尚、本実施例では、大当り回数カウンタの値が2以上である場合において第2−1大当り、第2−2大当りが発生したときと、大当り回数カウンタの値が1である場合において第2−A大当り、第2−B大当りが発生したときには、大当り回数カウンタの値に0がセットされる。これら大当り回数カウンタの値に0がセットされているときには、図6の下方に示されている「大当り回数カウンタ=0で大当り(初当りを含む)」の項目内に示すように、第1大当り、第2−1大当り及び第2−2大当りのうちからいずれかの種別が選択される。つまり、本実施例では、通常状態から高ベースとなった最初の大当り(初当り)に限らず、大当り回数カウンタの値が0ではない場合においても、上記したように、第2−1大当りや第2−2大当り、若しくは第2−A大当りや第2−B大当りが発生したときには、大当り回数カウンタの値が0にセットされるので、これらの大当りの後に第1大当り、第2−1大当り及び第2−2大当りが発生する場合がある。
尚、本実施例では、確変大当りである第1大当りの大当り遊技後は確変フラグをセットすると共に高ベースカウンタに0をセットすることで、高ベース状態が次の大当りまで継続するようにしているが、本発明はこれに限定されず、確変大当りである第1大当りの大当り遊技後は、高ベースカウンタに0をセットする代わりに高ベースフラグをセットするようにしてもよい。このように高ベースフラグをセットする場合は、特別図柄停止処理のステップS239の処理において該高ベースフラグがセットされているか否かを判定することで、遊技状態が高確高ベース状態である場合にはステップS240a〜ステップS240cの処理を実行せず、次の大当りまで高確高ベース状態が継続するようにしても良い。
ステップS479では、CPU56は、大当り回数カウンタに初期値である10をセットして、ステップS480aに移行する。
そして、CPU56は、大当りフラグをクリアする(ステップS480a)。更に、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応する値(具体的には「0」)に更新し(ステップS481)、大当り終了処理を終了する。
尚、本実施例では、大当り回数カウンタの値が2以上の場合と1の場合とで特別図柄表示器8に導出表示される大当り種別の図柄が異なり(例えば、大当り回数カウンタの値が2以上の場合は第1大当りを示す「1」、第2−1大当りを示す「2」、第2−2大当りを示す「3」であり、大当り回数カウンタの値が1の場合は第2−A大当りを示す「4」、第2−B大当りを示す「5」)、大当り遊技終了後は、該大当り種別に応じた遊技状態に制御されるようになっているが、本発明はこれに限定されず、特別図柄表示器8に大当りを示す図柄が導出表示されたとき、該導出表示された図柄が示す大当り種別と、大当り回数カウンタの値や確変状態であるか否か、高ベース状態であるか否かを含む特別図柄の変動表示結果が大当りとなった時点での遊技状態に応じて、大当り遊技後に制御される遊技状態が異なるようにしても良い。
具体的には、例えば、本実施例において実行される大当りの大当り種別を、大当り回数カウンタの値に拘らず第1大当り、第2−1大当り、第2−2大当りの3種類とし、大当り回数カウンタの値が2以上のときに特別図柄変動表示器8に第1大当りを示す「1」が導出表示される場合は大当り遊技後に遊技状態を高確高ベース状態に制御し、特別図柄変動表示器8に第2−1大当りを示す「2」が導出表示される場合は大当り遊技後に遊技状態を第1低確高ベース状態に制御し、特別図柄変動表示器8に第2−2大当りを示す「3」が導出表示される場合は大当り遊技後に遊技状態を第2低確高ベース状態に制御する。一方、大当り回数カウンタの値が1のときに特別図柄変動表示器8に第1大当りを示す「1」または第2−2大当りを示す「3」が導出表示される場合は大当り遊技後に遊技状態を低確低ベース状態に制御し、特別図柄表示器8に第2−1大当りを示す「2」が導出表示される場合は大当り遊技後に遊技状態を低確高ベース状態に制御するようにすれば良い。
次に、情報出力処理について説明する。本実施例では、情報出力回路64(出力ポート)から、ターミナル基板160を介して、外部装置(例えば、ホールコンピュータ)に対して、各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、特定信号(大当り2信号。以下、単に特定信号と称する)、大当り3信号、大当り4信号、入賞信号、セキュリティ信号)の出力データが出力される。なお、本実施例では、賞球情報(賞球払出を10個検出するごとに出力される信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力される。この場合、払出制御基板37側において、賞球払出が検出され、賞球情報が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、主基板31に入力された賞球情報は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
図柄確定回数1信号は、特別図柄の変動回数を通知するための信号である。始動口信号は、普通可変入賞球装置20への入賞個数を通知するための信号である。図柄確定回数1信号を確認することによって、特別図柄の変動回数をホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、例えば、後述する特定信号とあわせて確認することによって、特定の期間中における特別図柄の変動回数をホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようになるため、特定の期間中の変動回数を集計して表示したり、平均変動回数を算出して表示したりすることができる。
また、大当り1信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置15の動作中)であることを通知するための信号である。
また、特定信号は、大当り遊技中(特別可変入賞球装置15の動作中)であること、または高ベース状態であることを通知するための信号である。特定信号を確認することによって、遊技状態(大当り遊技中(特別可変入賞球装置15の動作中)であること、または高ベース状態であること)、または後述するリミッタ作動後に高頻度状態に移行したことをホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。
また、大当り3信号は、特別可変入賞球装置15が開放状態に制御されていることを通知するための信号である。また、大当り4信号は、大当り遊技状態のうち、大当り遊技終了後に高ベース状態に移行することとなる大当り遊技状態であることを通知するための信号である。
本実施例では、特定信号の他に、大当り1信号や大当り3信号、大当り4信号を遊技状態に応じて出力する構成とすることで、外部装置(ホールコンピュータ)において、それらの複数の信号の状態を組み合わせて、詳細な遊技状態(および特定期間の変動回数や賞球数)を把握することができる。例えば、外部装置(ホールコンピュータ)において、大当り3信号および大当り4信号が出力されておらず、特定信号が出力されていることを認識することで、大当り遊技中でなく、高ベース状態であることを認識することができる。なお、全ての遊技状態に応じて、それぞれ信号出力手段を設けるように構成してもよいが、本実施例のようにホールコンピュータなどの外部装置において複数の信号の状態を組み合わせて判断するように構成することによって、情報を出力するための機構の部品数の増加や配線作業の複雑化を防ぐことができる。
また、入賞信号は、所定数分(例えば10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(普通可変入賞球装置20、特別可変入賞球装置15、普通入賞口33Aへの入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。具体的には、近接スイッチ(始動口スイッチ23、大入賞口スイッチ14a、入賞口スイッチ33a)からの検出信号を入力したことを条件として、所定の払出条件が成立したと判定されたこと。)を示す信号である。入賞信号を確認することによって、払い出される賞球数の予定数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、例えば、特定信号とあわせて確認することによって、特定の期間中における払い出される賞球数の予定数をホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようになるため、特定の期間中の賞球数の予定数を集計して表示したり、賞球数の平均予定数を算出して表示したりすることができる。
また、賞球情報は、賞球払出を特定数(例えば10個)検出するごとに出力される信号である。賞球情報を確認することによって、実際に払い出された賞球数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、例えば、特定信号とあわせて確認することによって、特定の期間中における払い出される賞球数をホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようになるため、特定の期間中の賞球数を集計して表示したり、平均賞球数を算出して表示したりすることができる。また、入賞信号で示される賞球の予定数と賞球情報で示される払出済みの賞球数とを確認することによって、賞球払出が正常に行われたか否かや賞球過不足数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。なお、入賞信号にもとづいて外部装置(例えば、ホールコンピュータ)側で賞球数の把握を行うことができるため、賞球情報については、外部出力しないように構成してもよい。
また、セキュリティ信号は、遊技機のセキュリティ状態を示す信号である。例えば、磁石センサの検出結果にもとづいて磁気異常が発生したと判定された場合や、電波センサの検出結果にもとづいて電波異常が発生したと判定された場合に、セキュリティ信号がホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、磁石や電波を用いて不正に遊技球を入賞口に誘導させるような不正行為が行われたことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、大入賞口や始動入賞口への異常入賞が検出された場合や、各種スイッチにおいて異常が検出された場合にも、セキュリティ信号が所定期間ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、何らかの入賞異常が発生したことを、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。また、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。また、セキュリティ信号が出力されていることをホールコンピュータなどの外部装置側で認識すると、ランプ等が点灯するようにしてもよい。そのように構成することで、セキュリティ状態に問題があることを管理者等が確実に認識できるようにすることができる。
なお、ターミナル基板160を介して外部出力される信号は、本実施例で示したものに限られない。例えば、遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号や、賞球信号1(賞球払出を1個検出するごとに出力される信号)、遊技機エラー状態信号(遊技機がエラー状態(本例では、球切れエラー状態または満タンエラー状態)であることを示す信号)も、ターミナル基板160を介して外部装置に出力されるようにしてもよい。この場合、払出制御基板37側において、遊技枠が開放状態であることや、賞球払出、遊技機のエラー状態も検出され、ドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号が主基板31に入力される。そして、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を経由することなく、主基板31上をそのまま経由してターミナル基板160を介して外部出力される。なお、この場合も、主基板31に入力されたドア開放信号や賞球信号1、遊技機エラー状態信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を一旦経由してから、ターミナル基板160を介して外部出力されるようにしてもよい。
また、例えば、特別図柄表示装置を2つ備えるように遊技機を構成する場合、特別図柄の変動回数を通知するための図柄確定回数信号として図柄確定回数1信号に加えて図柄確定回数2信号も、ターミナル基板160を介して外部出力するようにしてもよい。この場合、例えば、いずれか一方の特別図柄の変動回数のみを通知するための信号として図柄確定回数2信号を外部出力するようにし、両方の特別図柄の変動回数を通知するための信号として図柄確定回数1信号を外部出力するように構成すればよい。そのように構成すれば、ホールコンピュータなどの外部装置側において、いずれか一方の特別図柄のみの変動回数に加えて、両方の特別図柄の合計の変動回数も把握することができる。
図33は、ステップS30の情報出力処理を示すフローチャートである。なお、図33に示す例では、情報出力処理で実行される大当り情報や始動情報、確率変動情報、遊技状態情報、入賞情報、賞球情報などのデータ(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、特定信号、大当り3信号、大当り4信号、入賞信号、セキュリティ信号)を出力する処理のうち、特定信号を外部出力する処理の部分について示し、その他の処理については記載を省略しているが、実際には、情報出力処理では、図33に示す処理の他に大当り情報や始動情報、確率変動情報、入賞情報、賞球情報等を示す信号(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、特定信号、大当り3信号、大当り4信号、入賞信号、セキュリティ信号)を外部出力する処理も実行される。なお、既に説明したように、本実施例では、大当り遊技状態または高ベース状態であるときに、遊技状態を示す信号として、特定信号が外部出力される。つまり、外部装置では、特定信号が出力されていることを認識することによって、大当り遊技状態または高ベース状態であることを認識することができる。
情報出力処理において、CPU56は、大当り遊技状態または高ベース状態であるか否かを確認する(ステップS1001)。例えば、特別図柄プロセスフラグの値が5〜8のいずれかであるか、または高ベースフラグがセットされているか否かを確認する。
次いで、大当り遊技状態または高ベース状態でなければ、CPU56は、ステップS1005に移行する。また、大当り遊技状態または高ベース状態であれば、CPU56は、停電復旧時のときには、特定信号の出力を待機させる期間を示す待機期間タイマと出力待機フラグとを、バックアップRAMに記憶された状態から復旧させる(S1001a)。既に説明したように、出力待機フラグおよび待機期間タイマは、RAM55の所定の記憶領域に記憶されているが、電源断検出処理において、電源断信号が出力されたことが検出されると、バックアップRAMに記憶される。つまり、ステップS1001aでは、バックアップRAMに出力待機フラグまたは待機期間タイマが記憶されていれば、それらのデータをRAM55の所定の記憶領域に記憶させる。そのため、遊技機への電力供給が停止しても出力待機フラグおよび待機期間タイマが保持されるので、遊技機への電力供給停止後に再び電力供給が開始されても復旧処理が実行された場合には、出力待機フラグおよび待機期間タイマが保持されていることにもとづいて情報出力処理が実行されることにより、停電復旧後に再び出力待機フラグおよび待機期間タイマの状態にもとづく特定信号の外部出力が再開されることになる。なお、本実施例では、電源断検出処理において、電源断信号が出力されたことが検出されると、待機期間タイマをバックアップRAMに記憶させ、停電復旧時にバックアップRAMに記憶された状態から復旧させているが、例えば、停電復旧時に新たに待機期間タイマに所定の待機期間(本例では4秒)をセットするようにしてもよい。
次いで、CPU56は、待機期間タイマの値が0より大きいか否か(すなわち待機期間タイマが作動中であるか否か)を確認する(ステップS1002)。待機期間タイマの値が0より大きくない場合、CPU56は、出力待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS1003)。そして、待機期間タイマの値が0であり(すなわち待機期間タイマが作動しておらず)、出力待機フラグがセットされているときには(ステップS1003のY)、CPU56は、待機期間タイマに所定の待機期間(本例では4秒)をセットする。その後、CPU56は、ステップS1005に移行する。
また、ステップS1002で、待機期間タイマの値が0より大きい場合(すなわち待機期間タイマが作動中である場合)、CPU56は、待機期間タイマの値を1減算し(ステップS1008)、減算した結果、待機期間タイマがタイムアウトすれば(ステップS1009のY)、出力待機フラグをリセットし(ステップS1010)、ステップS1005に移行する。また、減算した結果、待機期間タイマがタイムアウトしなければ(ステップS1009のN)、そのまま、ステップS1005に移行する。
ステップS1003,S1004,S1007,S1008,S1009,S1010が実行されることによって、大当り種別が第2−A大当りであるとき、すなわちリミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後の遊技状態が低確高ベース状態となるときに、特定信号の出力が所定の待機期間停止され、外部装置では、特定信号の出力が所定の待機期間停止されたことを認識することで、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に移行されたことを認識することができる。例えば、外部装置(ホールコンピュータ)では、特定信号の出力が停止されると、タイマを作動させ、所定の待機期間(本例では4秒)後に特定信号の出力が再開されるか否かを確認し、出力が再開されるとリミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後の遊技状態が低確高ベース状態となったと判断し、出力が再開されなければ、低確低ベース状態となったと判断する。
また、待機期間タイマの値が0であり(すなわち待機期間タイマが作動しておらず)、出力待機フラグがセットされているときには(ステップS1003のN)、CPU56は、情報バッファの特定信号出力ビット位置をセットする(ステップS1004)。情報バッファの特定信号出力ビット位置をセットすると、CPU56は、情報バッファを出力値にセットし(ステップS1005)、出力値を出力ポートに出力する(ステップS1006)ことによって、特定信号が出力ポートから出力される(オン状態となる)。なお、例えば、特定信号以外の信号(例えば、図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り3信号、大当り4信号、入賞信号、セキュリティ信号)を外部出力する場合には、CPU56は、ステップS1004の処理と同様に、情報バッファの図柄確定回数1信号、始動口信号、大当り1信号、大当り3信号、大当り4信号、入賞信号またはセキュリティ信号の出力ビット位置をセットし、情報バッファを出力値にセットし、出力値を出力ポートに出力することによって、信号を出力する。
なお、本実施例では、タイマ割込ごとに図33に示す情報出力処理において対応する信号の出力ビット位置をセットして(ステップS1004参照)、ステップS1005,S1006を実行して出力ポートから外部出力する処理例を示しているが、各信号の出力状態に関しては、対応する出力ビットの値が前回の設定と変化しないかぎり変化しない。例えば、対応する出力ビットの値が「1」にセットされていれば、セットされている間、信号は出力が継続されることになる。また、特定信号の出力ビット位置がセットされずに(ステップS1001、S1007、S1009、S1010の後に)、ステップS1005,S1006が実行される場合には、特定信号に対応する出力ビットの値が「1」にセットされていないため、特定信号は出力ポートから外部出力されない。
また、本実施例では、電源断検出処理において、電源断信号が出力されたことが検出されると、出力待機フラグおよび待機期間タイマがバックアップRAMに記憶されるが、上述の情報バッファ(または情報バッファのうちのいずれの出力ビット位置がセットされているかを示すデータ)も合わせてバックアップRAMに記憶されるように構成してもよい。このように構成することによって、特定信号の出力中に遊技機への電力供給が停止し、再び電力供給が開始されても復旧処理(例えば、ステップS1001aでバックアップRAMに記憶されている出力待機フラグ、待機期間タイマおよび情報バッファをRAM55の所定の記憶領域に記憶させる)が実行された場合には、出力待機フラグ、待機期間タイマおよび情報バッファが保持されていることにもとづいて情報出力処理が実行されることにより、停電復旧後に再び情報バッファにもとづく特定信号の外部出力が再開されることになる。
以上に示した処理によって、大当り遊技状態または高ベース状態のときには、特定信号が継続的に出力されるため、大当り遊技状態または高ベース状態に制御されていることを外部装置で認識することができる。また、大当り遊技状態または高ベース状態であっても、待機期間タイマが作動している間(待機期間(本例では4秒間))には特定信号の出力が行われないため(つまり特定信号の出力が4秒間停止されるため)、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に移行されたことを外部装置で認識することができる。
次に、特定信号の出力タイミングについて説明する。図34は、特定信号の出力タイミングを示す説明図である。図34に示す例では、特別図柄が変動状態から停止状態になり、第1大当り(確変大当り(大当り回数カウンタの値が2以上))が発生して、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態の終了後に、高確率状態かつ高頻度状態に制御されている。また、図34に示すように、特定信号は、大当り遊技状態に制御され、大当り遊技状態の終了後に、高頻度状態に制御されている期間中出力されている。
その後、図34に示す例では、特別図柄が変動状態から停止状態になり、第2−A大当り(大当り回数カウンタの値が1)が発生している。このときには、リミッタが作動しているため、大当り遊技後に高確率状態に制御されないが、大当り種別が第2−A大当りであるので、高頻度状態には制御される(大当り遊技中には高確率状態または高頻度状態には制御されない)。そして、特定信号は、待機期間(本例では4秒)が経過するまでは、出力が一旦停止され、待機期間経過後に再度出力される。このように、本実施例では、特定信号は、高頻度状態に制御されているときには、原則的に出力されるが、リミッタ機能が作動された大当りの大当り遊技後に高ベース状態に制御されたときには、待機期間(本例では4秒)が経過するまでは、出力が一旦停止される。そのため、大当り遊技状態または高ベース状態に制御されていることと、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に制御されたこととを外部装置で認識可能にすることを単一の信号出力手段(本例では、情報バッファの特定信号出力ビット等によって実現される)を用いて実現することができる。
次に、図34に示す例を参照して、特定信号以外の信号の出力タイミングについて説明する。図柄確定回数1信号は、例えば、特別図柄の変動停止から500ms間出力される。また、始動口信号は、例えば、始動口スイッチによって遊技球が1個検出されると1回100ms間出力される。また、例えば、始動口信号の出力中に新たに始動口スイッチによって遊技球が1個検出されると、始動口信号の出力終了後から所定期間(例えば、100ms)経過後に、新たに始動口信号が100ms間出力される。
また、大当り1信号は、大当り遊技(または小当り遊技)期間中出力される。また、大当り3信号は、特別可変入賞球装置15が開放状態に制御されている期間中出力される。また、大当り4信号は、大当り遊技状態のうち、大当り遊技終了後に高ベース状態に移行することとなる大当り遊技期間中出力される。
また、入賞信号は、例えば、入賞口スイッチの検出時に賞球個数を合計し、合計した賞球個数10個につき1回100ms間出力される。また、セキュリティ信号は、例えば、電源投入時から20000msまたは異常状態(異常入賞や、磁石センサエラー、電波センサエラーなど)を検出した時点から200000ms間出力される。また、例えば、セキュリティ信号の出力中に新たな異常状態を検出した場合には、新たに異常事態を検出した時点から200000ms間出力される。
なお、図34に示すように、本実施例では、待機期間が4秒間設けられているが、待機期間は任意の期間であってよい。ただし、大当り遊技状態の終了後、1回目の特別図柄の変動によって新たに大当りが発生し、それに基づいて特定信号を出力することも考えられる。すなわち、待機期間が経過する前に新たに特定信号を出力する必要が生じることが考えられる。そのため、大当りとなる特別図柄の変動時間(変動パターン)を待機期間以上とする、または全て特別図柄の変動時間(変動パターン)よりも待機期間が短くなるようにすることが望ましい。また、本実施例では、リミッタ機能が発動された第2−A大当りの大当り遊技終了後から待機期間(4秒)が経過するまで、特定信号の出力を一旦停止させているが、待機期間を開始するタイミングは、図34に示す例に限らず、例えば、図51に示すようにしてもよい。図51は、特定信号の出力タイミングを示す説明図である。図51に示す例では、リミッタ機能が発動された第2−A大当りの大当り遊技終了後から第1期間(図51の例では1秒間)まで特定信号の出力が継続され、その後、第2期間(図51の例では4秒間)が経過するまで、特定信号の出力を一旦停止させている。図34および図51に示すように、待機期間を任意のタイミングで開始しても、特定信号の出力を一旦停止させることによって、リミッタ機能が発動された第2−A大当りの大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されたことを外部装置で認識することができる。また、大当り遊技状態または高ベース状態に制御されていることと、リミッタ機能が発動された第2−A大当りの大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されたこととを外部装置で認識可能にすることを単一の信号出力手段を用いて実現することができる。
また、図34に示すように、本実施例では、特別図柄の変動が停止し、所定期間経過後にリミッタが作動してから、高確率状態および高頻度状態が未作動となり、大当り遊技状態が作動するように構成されているが、特別図柄の変動が停止してから、所定期間が経過前に(すなわち特別図柄の変動が停止するタイミングで)リミッタが作動し、高確率状態および高頻度状態が未作動となり、大当り遊技状態が作動するように構成してもよい。
また、図34に示すように、本実施例では、リミッタ作動後の大当り遊技状態が終了すると、特定信号の出力が所定期間(4秒間)停止されるように構成されているが、これに限らず、例えば、リミッタ作動後の大当り遊技における最後の大入賞口の開放が終わった後(大入賞口が閉鎖された後)に所定期間(例えば、0.003秒)が経過すると、特定信号の出力を所定期間(4秒間)停止するように構成してもよい。
以上のように、リミッタ機能が発動された第2−A大当りの大当り遊技終了後に高ベース状態に制御されたことを外部装置で認識することができることで、高確率状態に制御されてから、高確率状態に制御される大当り(確変大当り)が連続して発生した回数が所定値(リミッタ)に達するまでを外部装置で管理することができるようになり、さらにこの間に出力された入賞信号や賞球情報にもとづいて賞球数等も管理することができる。例えば、管理者は、この期間の賞球数にもとづいて遊技機の釘を調整することで、出玉の調整を行うことができる。また、例えば、各遊技機について、この期間の賞球数や変動回数の総数や平均値を表示する(遊技者も閲覧可能)ように構成すれば、遊技者はそれらの情報を遊技機選びの参考にすることができる。なお、本実施例では、リミッタ機能が発動されることなく、大当り遊技終了後に低確高ベース状態に制御される場合(すなわち高確率状態に制御されてから、高確率状態に制御される大当り(確変大当り)が連続して発生した回数が所定値(リミッタ)に達する前に、低確率状態に制御される大当り(非確変大当り)が発生する場合)があるが、この場合には、特定信号は所定期間(4秒間)停止されずに継続して出力される。したがって、外部装置において、この場合とリミッタ機能が発動された場合とを混同することを回避することができる。
なお、本実施例では、リミッタ機能が作動された大当りの大当り遊技後に高ベース状態に制御されたときには、待機期間(本例では4秒)が経過するまでは、出力を一旦停止させることによって、大当り遊技状態または高ベース状態に制御されていることと、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に制御されたこととを外部装置で認識可能にすることを単一の信号出力手段を用いて実現しているが、それぞれ、信号出力手段を設けるようにしてもよい。つまり、それぞれ設けられた信号出力手段で所定の信号を出力することによって、大当り遊技状態または高ベース状態に制御されていることと、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に制御されたこととを外部装置で認識可能としてもよいし、単一の信号出力手段を用いて、1の信号を出力することと、1の信号を所定期間出力しないこととによって、大当り遊技状態または高ベース状態に制御されていることと、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に制御されたこととを外部装置で認識可能としてもよい。
なお、本実施例の構成に限らず、例えば、外部装置(ホールコンピュータ)において、電断復旧時のセキュリティ信号の出力期間中(20000ms)において、大当り3信号および大当り4信号が出力されておらず、かつ特定信号も出力されていないときに、待機期間に相当する4秒間が経過する前に特定信号の出力が開始されたか否かを判定し、開始されたと判定したことにもとづいて、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に移行されたことを認識するようにしてもよい。例えば、特定信号の出力が一旦停止される4秒間の待機期間のうち、2秒を経過した時点で電断が発生すると、電断復旧時に待機期間タイマ(残りの2秒間の待機期間を示す)にもとづいて、2秒後に特定信号の出力が開始される。また、リミッタ機能が発動されていなければ、特定信号は、電断復旧時にセキュリティ信号とともに出力される(すなわち待機期間が設定されていなければ、最初から特定信号が出力されている)。また、大当り3信号および大当り4信号が出力されておらず、特定信号が出力されていることで、大当り遊技状態ではなく、高ベース状態であることを確認することができる。したがって、上記の判定によって、リミッタ機能が発動された大当りの大当り遊技後に遊技状態が高ベース状態に移行されたことを認識することができる。また、この場合には、外部装置(ホールコンピュータ)において、例えば、認識結果にもとづいて所定のランプを点灯させたり、各種集計(回数表示など)等に反映させたりすることで、電断前の情報を反映させることができる。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図35は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS702)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS703)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS702に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS704)、ステップS705〜S707の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を実行する(コマンド解析処理:ステップS705)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、普通図柄演出制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。普通図柄演出制御プロセス処理では、演出表示装置9における演出図柄の変動制御等を実行する。また、特別図柄演出制御プロセス処理を実行する(ステップS707)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御等を実行する。その後、ステップS702に移行する。
図36および図37は、演出制御処理におけるコマンド解析処理(ステップS705)を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図8参照)であるのか解析する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か判定する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されていない場合には、コマンド解析処理を終了し、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが普通図柄変動パターン指定コマンド(上記のように、普通図柄の変動表示に同期して演出表示装置9において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド)であれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、その普通図柄変動パターン指定コマンドを、RAMに形成されている普通図柄変動パターン指定コマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが普通図柄ハズレ指定コマンドであれば(ステップS620)、演出制御用CPU101は、普通図柄ハズレ指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS621)。
また、受信した演出制御コマンドが普通図柄当り指定コマンドであれば(ステップS622)、演出制御用CPU101は、普通図柄当り指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS623)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS624)、演出制御用CPU101は、図柄確定指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS625)。
受信した演出制御コマンドが普通図柄保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS626)、演出制御用CPU101は、その普通図柄保留記憶数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で示された数の表示を普通図柄保留記憶表示部18dに表示する(ステップS627)。
受信した演出制御コマンドが普通図柄保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS628)、演出制御用CPU101は、普通図柄保留記憶表示部18dの表示を1減らす(ステップS629)。
受信した演出制御コマンドが特別図柄変動パターン指定コマンドであれば(ステップS630a)、演出制御用CPU101は、その特別図柄変動パターン指定コマンドを、RAMに形成されている特別図柄変動パターン指定コマンド格納領域に格納する(ステップS630b)。そして、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS630c)。
受信した演出制御コマンドが特別図柄変動終了指定コマンドであれば(ステップS633)、演出制御用CPU101は、特別図柄変動終了指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS634)。
受信した演出制御コマンドが表示結果特定コマンド(特別図柄ハズレ指定コマンド、第1大当り指定コマンド、第2−1大当り指定コマンド、第2−2大当り指定コマンド、第2−A大当り指定コマンド、第2−B大当り指定コマンド)であれば(ステップS641)、演出制御用CPU101は、その表示結果特定コマンドを、RAMに形成されている表示結果特定コマンド格納領域に格納する(ステップS642)。
受信した演出制御コマンドが大当り回数指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、大当り回数指定コマンドの2バイト目のデータ(EXTデータ)で示された数を、RAMにおける大当り回数エリアに保存する(ステップS652)。尚、大当り回数エリアに保存されている値は、大当り回数カウンタの値を指す。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS670)。そして、ステップS611に移行する。
図38は、メイン処理における普通図柄演出制御プロセス処理(ステップS706)を示すフローチャートである。演出図柄プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先ず、演出表示装置9の普通図柄保留記憶表示部18dに、普通図柄保留記憶数を表示する保留表示処理を実行する(ステップS800−)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出図柄プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S803のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から普通図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か判定する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か判定する。普通図柄変動パターン指定コマンドを受信していれば、普通図柄演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、普通図柄演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、普通図柄演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、普通図柄演出制御プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図39は、図38に示された普通図柄演出制御プロセス処理における普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か判定する(ステップS811)。普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされていれば、普通図柄変動パターン指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、後述する特別図柄演出制御プロセスフラグの値が特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値にセットされているか否かを判定する(ステップS812a)。つまり、ステップS812aでは、演出表示装置9において特別図柄の変動中であるか、大当り遊技中であるかを判定する。
特別図柄演出制御プロセスフラグの値が特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値にセットされている場合は、後述するステップS912aの処理を実行することで演出表示装置9の中央で通常のサイズで変動表示が実行されている特別図柄における演出図柄とともに普通図柄における演出図柄の変動表示を実行するため、または、大当り遊技中において普通図柄における演出図柄の変動表示を実行するために、普通図柄における演出図柄の変動表示及び普通図柄の保留表示を演出表示装置9の右上部にて縮小表示する縮小表示設定を行い(図49(B)参照)(ステップS812b)、ステップS813に移行する。また、特別図柄演出制御プロセスフラグの値が特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理に対応した値にセットされていない場合は、普通図柄における演出図柄の変動表示及び普通図柄の保留表示を演出表示装置9の中央で通常のサイズで表示する通常表示設定を行い(ステップS812c)、ステップS813に移行する。そしてステップS813では、普通図柄演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新し(ステップS813)、普通図柄変動パターンコマンド受信待ち処理を終了する。
図40は、図38に示された普通図柄演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、RAMの普通図柄変動パターン指定コマンド格納領域から、受信した普通図柄変動パターン指定コマンドを読み出す(ステップS820)。また、受信した普通図柄表示結果特定コマンド(普通図柄ハズレ指定コマンド、普通図柄当り指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS821)。なお、普通図柄ハズレ指定コマンドを受信した場合には普通図柄ハズレ指定コマンド受信フラグがセットされ、普通図柄当り指定コマンドを受信した場合には普通図柄当り指定コマンド受信フラグがセットされている(図36参照)。演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。そして、セットされている普通図柄ハズレ指定コマンド受信フラグまたは普通図柄当り指定コマンド受信フラグ(普通図柄表示結果特定コマンド)をリセットする(ステップS822)。そして、演出制御用CPU101は、普通図柄変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS829)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS830)。
ステップS830の実行後、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種LED)の制御を実行する(ステップS832)。すなわち、表示制御実行データに従って、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種LEDを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、普通図柄変動パターン指定コマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS835)。また、変動制御タイマに所定時間を設定する(ステップS836)。なお、所定時間は例えば30msであり、演出制御用CPU101は、所定時間が経過する毎に左中右の演出図柄の表示状態を示す画像データをVRAMに書き込み、VDP109がVRAMに書き込まれた画像データに応じた信号を演出表示装置9に出力し、演出表示装置9が信号に応じた画像を表示することによって演出図柄の変動が実現される。その後、普通図柄演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新し(ステップS837)、演出図柄変動開始処理を終了する。
図41は、普通図柄演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ、変動時間タイマ、変動制御タイマのそれぞれの値を−1する(ステップS840A,S840B,S840C)。
また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマがタイムアウトしたか否か判定する(ステップS841)。プロセスタイマがタイムアウトしていない場合はステップS846に移行し、プロセスタイマがタイムアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う(ステップS842)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(ステップS843)。また、次に設定されている表示制御実行データおよびランプ制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し(ステップS845)、ステップS846に移行する。
また、ステップS846において、演出制御用CPU101は、変動制御タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS846)。変動制御タイマがタイムアウトしていない場合は、ステップS851に移行し、変動制御タイマがタイムアウトしている場合には、変動制御タイマに所定値を再セットし(ステップS849)ステップS851に移行する。
また、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしているか否か判定する(ステップS851)。変動時間タイマがタイムアウトしていれば、ステップS853に移行し、変動時間タイマがタイムアウトしていない場合は、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す図柄確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS852)。図柄確定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、演出図柄変動中処理を終了し、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合は、ステップS853に移行する。
そして、ステップS853では、普通図柄演出制御プロセスフラグの値を演出図柄プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新し(ステップS853)、演出図柄変動中処理を終了する。
図42は、普通図柄演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す図柄確定コマンド受信フラグがセットされているか否か判定する(ステップS861)。図柄確定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、演出図柄変動停止処理を終了し、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、決定されている停止図柄(ハズレ図柄または当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS863)。
ステップS863で導出表示された演出図柄の停止図柄が当り図柄である場合は、普通図柄の停止図柄も当り図柄が導出表示(停止表示)され、普通可変入賞球装置20の開閉動作が実行される。そこで、本実施例では、当り図柄を停止表示した場合には、演出表示装置9に、遊技方法を示唆するための表示を行う(ステップS864)。遊技方法を示唆するための表示は、一例として、「デンチュー(普通可変入賞球装置20)を狙え」(図48(B)参照)の文字表示を行う。
そして、普通図柄演出制御プロセスフラグの値を普通図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS865)。
なお、本実施例では、演出制御用CPU101が、遊技制御用マイクロコンピュータ560から図柄確定指定コマンドを受信したことに応じて演出図柄を停止表示する制御を行うが、変動時間タイマがタイムアップしたことにもとづいて演出図柄を停止表示するようにしてもよい。
図43は、演出制御メイン処理における特別図柄演出制御プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。特別図柄演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、特別図柄演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS881〜S888のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
ステップS881〜S888の処理は、以下のような処理である。
特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS881):遊技制御用マイクロコンピュータ560から特別図柄変動パターン指定コマンドを受信しているか否か判定する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か判定する。特別図柄変動パターン指定コマンドを受信していれば、特別図柄演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動開始対応処理(ステップS882)に対応した値に変更する。
特別図柄変動開始対応処理(ステップS882):特別図柄変動パターン指定コマンド格納領域から特別図柄変動パターン指定コマンドを読み出し、演出図柄の変動表示を開始する。そして、特別図柄演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動中対応処理(ステップS883)に対応した値に更新する。
特別図柄変動中対応処理(ステップS883):特別図柄の変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、特別図柄演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動終了対応処理(ステップS884)に対応した値に更新する。
特別図柄変動終了対応処理(ステップS884):大当りの場合には特別図柄演出制御プロセスフラグの値を、大当り表示対応処理(ステップS885)に対応した値に更新し、ハズレの場合には特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS881)に対応した値に更新する。
大当り表示対応処理(ステップS885):例えば、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御等を行う。そして、特別図柄演出制御プロセスフラグの値をラウンド中対応処理(ステップS886)に対応した値に更新する。
ラウンド中対応処理(ステップS886):例えば、ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、特別図柄演出制御プロセスフラグの値を大当り終了対応処理(ステップS888)に対応した値に更新する。
大当り終了対応処理(ステップS888):例えば、演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、特別図柄演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS881)に対応した値に更新する。
図44は、図43に示された特別図柄演出制御プロセス処理における特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS881)を示すフローチャートである。特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か判定する(ステップS911)。特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了し、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、特別図柄変動パターン指定コマンド受信フラグをリセットする(ステップS912)。そして、特別図柄における演出図柄の変動表示を演出表示装置9の中央で通常のサイズで表示する表示設定を行い(ステップS912a)、特別図柄演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動開始対応処理(ステップS882)に対応した値に更新し(ステップS913)、特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理を終了する。
図45は、図43に示された特別図柄演出制御プロセス処理における特別図柄変動開始対応処理(ステップS882)を示すフローチャートである。特別図柄変動開始対応処理において、演出制御用CPU101は、特別図柄変動パターン指定コマンド格納領域から特別図柄変動パターン指定コマンドを読み出し(ステップS924a)、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドに応じて演出図柄の停止図柄を決定する(ステップS924b)。
また、演出制御用CPU101は、表示結果指定コマンドが大当り(第1大当り、第2−1大当り、第2−2大当り、第2−A大当り、第2−B大当りのいずれか)を指定しているか否かを判定する。表示結果指定コマンドが大当りを指定している場合には、特別図柄変動パターンに応じたプロセステーブルを選択してステップS928に移行し、表示結果指定コマンドがハズレを指定している場合には、ハズレの変動パターンに応じたプロセステーブルを選択してステップS928に進む。
そして、演出制御用CPU101は、選択したプロセステーブルのプロセスタイマをスタートし(ステップS928)、プロセスデータ1に応じて演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種LED)の制御や音番号データを音声出力基板70に出力する(ステップS929)。
次いで、演出制御用CPU101は、特別図柄用変動時間タイマに、ステップS924aにて読み出した特別図柄変動パターン指定コマンドが指定する特別図柄変動パターンの変動時間に相当する値を設定するとともに(ステップS932)、特別図柄演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動中対応処理(ステップS883)に対応した値に更新し(ステップS933)、特別図柄変動開始対応処理を終了する。
図46は、図43に示された特別図柄演出制御プロセス処理における特別図柄変動中対応処理(ステップS883)を示すフローチャートである。特別図柄変動中対応処理において、演出制御用CPU101は、特別図柄用変動時間タイマの値を−1し(ステップS941)、変動時間タイマの値に基づいて特別図柄の残り変動時間を特定する(ステップS941a)。尚、特別図柄の残り変動時間は、ステップS926aまたはステップS926bにおいて選択した変動パターンに応じたプロセステーブルの各プロセスデータ内に記述されているため、演出制御用CPU101は、このプロセスデータを参照することで、特別図柄の残り変動時間を特定することができるようになっている。
そして、実行中のプロセスタイマを参照し、特別図柄の残り変動時間表示開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS941b)。尚、本実施例における特別図柄の残り変動時間表示開始タイミングとは、特別図柄の変動表示が開始されたタイミングである。残り変動時間表示開始タイミングである場合には、演出表示装置9の右下部(図49(A)参照)において特別図柄の残り変動時間の表示を開始して(ステップS941c)、ステップS942に移行し、残り変動時間表示開始タイミングでない場合は、更に残り変動時間表示の更新タイミングであるか否かを判定する(ステップS941d)。
残り変動時間表示の更新タイミングでない場合は、ステップS942に移行し、残り変動時間表示の更新タイミングである場合は、演出表示装置9の右下部に表示されている残り変動時間の表示を更新して(ステップS941e)、ステップS942に移行する。
また、演出制御用CPU101は、特別図柄用変動時間タイマがタイムアウトしているか否か判定する(ステップS942)。変動時間タイマがタイムアウトしている場合には、ステップS944に移行し、変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、特別図柄変動終了指定コマンドを受信したことを示す特別図柄変動終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS943)。特別図柄変動終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、特別図柄変動中対応処理を終了し、特別図柄変動終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合は、ステップS944に移行する。
そして、ステップS944において、演出制御用CPU101は、特別図柄演出制御プロセスフラグの値を大当り終了対応処理(ステップS884)に応じた値に更新し(ステップS944)、特別図柄変動中対応処理を終了する。
尚、本実施例では、特別図柄の残り変動時間表示開始タイミングとなった時点で特別図柄の残り変動時間を表示しているが、本発明はこれに限定されず、特別図柄の残り変動時間の表示は、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPA2及びPB2、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3及びPB3でのみ実行するようにしても良い。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示が開始された時点から演出表示装置9の右下部において特別図柄の残り変動表示時間の表示を実行しているが、本発明はこれに限定されず、特別図柄の残り変動表示時間の表示は、例えば、特別図柄の変動表示が開始されてから5秒後や、特別図柄変動パターンPA1及びPB1の変動表示時間である10秒が経過した時点等の特別図柄の変動表示中であっても良い。特に、このように特別図柄の残り変動表示時間の表示を特別図柄変動パターンPA1及びPB1の変動表示時間である10秒が経過した時点から実行することで、遊技者は特別図柄の変動表示が開始されてから10秒が経過するまでの間、特別図柄の変動表示が150秒または300秒まで継続することを期待することができるので、興趣を向上させることができる。
更に、特別図柄の残り変動表示時間の表示を特別図柄の変動表示が開始されてから5秒後や、特別図柄変動パターンPA1及びPB1の変動表示時間である10秒が経過した時点から実行するまでの間は、特別図柄変動パターンが150秒や300秒の特別図柄変動パターンであることを示唆する演出を実行するようにしても良い。
図47は、図43に示された特別図柄演出制御プロセス処理における大当り終了対応処理(ステップS888)を示すフローチャートである。大当り終了対応処理において、演出制御用CPU101は、大当り終了時間タイマが動作しているか否か判定する(ステップS951)。大当り終了時間タイマが動作している場合には、ステップS956に移行する。大当り終了時間タイマが動作していない場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされているか否か判定する(ステップS952)。大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされていない場合には、大当り終了対応処理を終了し、大当り終了指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、大当り終了指定コマンド受信フラグをリセットし(ステップS953)、大当り終了時間タイマに大当り終了時間(大当り終了処理に要する時間に相当する時間)に相当する値を設定し(ステップS954)、大当り終了対応処理を終了する。
一方、演出制御用CPU101は、大当り終了時間タイマが動作中である場合には、大当り終了時間タイマの値を1減算する(ステップS956)。そして、演出制御用CPU101は、大当り終了時間タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了時間が経過したか否か判定する(ステップS957)。経過していない場合には大当り終了対応処理を終了する。大当り終了時間が経過している場合には、演出制御用CPU101は、大当り種別を判定する。なお、大当りの種類は、表示結果特定コマンド格納領域に格納されている表示結果特定コマンドで確認される。
具体的には、演出制御用CPU101は、先ず、大当り種別が第1大当りであるか否かを判定する(ステップS959)。大当り種別が第1大当りである場合は、演出表示装置9に表示されている背景画像を昼間の画像(図49(A)参照)に更新して(ステップS959a)、ステップS963に移行し、大当り種別が第2−2大当りまたは第2−A大当りである場合は(ステップS960)、背景画像を夕方の画像(図49(G)参照)に更新して(ステップS960a)、ステップS963に移行する。
更に、大当り種別が第2−1大当りである場合は(ステップS961)、演出表示装置9に表示されている背景画像を夜の画像(図50(B)参照)に更新して(ステップS961a)、ステップS963に移行し、大当り種別が第2−B大当りである場合は、演出表示装置9に表示されている背景画像を街中の画像に(図50(D)参照)に更新して(ステップS962a)、ステップS963に移行する。
そして、演出制御用CPU101は、ステップS963において特別図柄演出制御プロセスフラグの値を特別図柄変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS881)に応じた値に更新し(ステップS963)、大当り終了対応処理を終了する。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1において実行される演出表示装置9での表示態様について、図48〜図50に基づいて説明する。先ず、図48(A)及び図48(B)に示すように、遊技状態が低確低ベース状態において普通図柄における演出図柄の変動表示において当りを示す図柄が導出表示されると、演出表示装置9において、遊技者に対して普通可変入賞球装置20に遊技球を入賞させるよう指示する表示として、「デンチュー(普通可変入賞球装置20)を狙え」の文字表示が行われる。
そして、演出図柄が当りを示す図柄で導出表示されたことに基づいて普通可変入賞球装置20が開放され、該開放された普通可変入賞球装置20に対して遊技球が入賞すると、図48(C)に示すように、演出表示装置9において特別図柄における演出図柄の変動表示が開始される。同時に、演出表示装置9の右下部においては、特別図柄における演出図柄の残り変動時間の表示が開始される。尚、特別図柄における演出図柄の変動表示の実行中、普通図柄の保留記憶が存在している場合は、普通図柄における演出図柄の変動表示と普通図柄の保留表示が演出表示装置9の右上部において実行される。
また、遊技状態が低確低ベース状態である場合において、特別図柄における演出図柄の変動表示は、図48(D)及び図48(E)に示すように、本実施例では、1/4(25%)の確率で大当りを示す図柄が導出表示される一方、3/4(75%)の確率でハズレを示す図柄が導出表示される。このとき、演出表示装置9の右下部において実行されている演出図柄の残り変動時間の表示が0秒となり、該演出図柄の残り変動時間の表示が終了する。尚、特別図柄における演出図柄の変動表示が大当りを示す図柄で導出表示された場合は、遊技状態が低確高ベース状態または高確高ベース状態に移行し、特別図柄における演出図柄の変動表示がハズレを示す図柄で導出表示された場合は、演出表示装置9において普通図柄における演出図柄の変動表示及び普通図柄の保留表示を演出表示装置9の中央で通常のサイズで表示する。
尚、遊技状態が低確低ベース状態である場合、演出表示装置9に表示されている背景画像は街中を示す画像が表示されているが、該低確低ベース状態において当たった大当りが第1大当りである場合は、大当り遊技後、図49(A)に示すように、演出表示装置9に表示される背景画像が昼を示す画像に更新される。尚、低確低ベース状態において当たった大当りが第2−1大当りである場合は、大当り遊技後、図50(B)に示すように、演出表示装置9に表示される背景画像が夜を示す画像に更新され、低確低ベース状態において当たった大当りが第2−2大当りである場合は、大当り遊技後、図49(F)に示すように、演出表示装置9に表示される背景画像が夕方を示す画像に更新される。
次に、遊技状態が低確高ベース状態または高確高ベース状態である場合は、遊技球がゲート32Bを通過することにより普通図柄が当たると、普通可変入賞球装置20が開放される。そして、該開放された普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞すると、図49(A)に示すように演出表示装置9において特別図柄における演出図柄の変動表示が開始される。以降、演出表示装置9において特別図柄における演出図の変動表示中は、低確低ベース状態時の普通図柄における演出図柄の変動表示及び普通図柄の保留表示と特別図柄における演出図柄の残り変動時間の表示が実行されるため、これら普通図柄における演出図柄の変動表示及び普通図柄の保留表示と特別図柄における演出図柄の残り変動時間の表示については説明を省略する。
図49(A)に示すように、低確低ベース状態において大当りとなり、大当り遊技が実行された後は、遊技状態が低確高ベース状態、または高確高ベース状態となることで、前述のように演出表示装置9に表示される背景画像が昼、夕方、または夜の画像に更新される(図49(A)では昼の画像を例示)。そして、低確高ベース状態または高確高ベース状態において遊技球がゲート32Bを通過したことにより普通図柄が当り、開放された状態の普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞すると、演出表示装置9において特別図柄における演出図柄が10秒である変動パターン、150秒である変動パターン、300秒である変動パターンのいずれかの変動時間で変動表示される。
この高ベース状態において、特別図柄における演出図柄の変動表示中は、ゲート32Bを遊技球が通過し続けることで普通図柄が79/80の確率で当り続けるため、普通可変入賞球装置20内に遊技球が立て続けに入賞し、賞球が払い出され続ける状態となる。つまり、本実施例のパチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示結果が大当りとなるまで低ベース状態に制御されている状態においては、賞球が発生する入賞が普通入賞口33Aへの入賞と、低確率(1/80の確率)で開放される普通可変入賞球装置20への入賞のみであるため、遊技者が打ち込んだ遊技球に対する賞球数の割合が1を下回る値(例えば、0.2〜0.4)となり、持ち球の増加が見込めない。
一方、特別図柄の変動表示結果が大当りとなり、該大当りの大当り遊技終了後から特別図柄の変動表示結果として大当りを示す図柄が導出表示されるまでである、本発明における単位期間において高ベース状態に制御されている状態においては、遊技者によって打ち出された遊技球が高確率(79/80の確率)で開放される普通可変入賞球装置20へ入賞するとともに、特別図柄の変動時間として150秒や300秒が実行されるほど開放された状態の普通可変入賞球装置20内に遊技球が継続して入賞する。
このため、大当り遊技終了後から特別図柄の変動表示結果として大当りを示す図柄が導出表示されるまでの期間である高ベース状態中に遊技者が打ち込んだ遊技球数に対しての、高ベース状態中に普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞したことによる賞球数の割合(高ベース中出玉率)が、低ベース状態において遊技者が打ち込んだ遊技球に対する賞球数の割合(低ベース中出玉率:例えば、0.2〜0.4)よりも高い割合(例えば、1.1〜1.4)となる。
更に、普通可変入賞球装置20内に遊技球が入賞したことにより実行される特別図柄の変動表示結果が大当りとなることで特別可変入賞球装置15が開放されると、該特別可変入賞球装置15には、高ベース状態にて遊技者によって打ち出された遊技球の一部が入賞する。
尚、本実施例における高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)は、前述したように、本発明における1の終了条件として、特別図柄の変動表示結果として大当りを示す図柄が導出表示されることで、特別図柄停止処理のステップS234で高ベースフラグがクリアされ、低ベース状態に制御されるが、本実施例における高ベース状態は、第2−1大当り、第2−2大当り、第2−A大当りの大当り遊技後から高ベースカウンタの値が0となること、大当り遊技後から特別図柄の変動表示結果として第2−B大当りを示す図柄が導出表示されることでも低ベース状態(低確低ベース状態)に制御されるようになっている。つまり、本実施例における1の終了条件とは、これら第2−1大当り、第2−2大当り、第2−A大当りの大当り遊技後から高ベースカウンタの値が0となることと、大当り遊技後から特別図柄の変動表示結果として第2−B大当りを示す図柄が導出表示されることを含んでいる。
また本実施例では、遊技状態が高確高ベース状態または低確高ベース状態である場合の特別図柄の変動表示において、遊技状態を低確低ベース状態に制御するか否かを抽選する転落抽選を実行するようにし、該転落抽選で遊技状態を低確低ベース状態に制御することが決定されることを1の終了条件としても良い。
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、大当り遊技終了後から特別図柄の変動表示結果として大当りを示す図柄が導出表示されるまでの期間である高ベース状態中に遊技者が打ち込んだ遊技球数に対しての、高ベース状態中に普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞したことによる賞球数の割合(高ベース中出玉率)が、低ベース状態において遊技者が打ち込んだ遊技球に対する賞球数の割合(低ベース中出玉率)よりも高い割合である1.1〜1.4となるよう説明しているが、本発明はこれに限定されず、高ベース中出玉率は、低ベース中出玉率よりも高い割合であれば1未満であっても良い。
また、本実施例のパチンコ遊技機1は、大当り遊技終了後から特別図柄の変動表示結果として大当りを示す図柄が導出表示されるまでの期間である高ベース状態中に遊技者が打ち込んだ遊技球数に対しての、高ベース状態中に普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞したことによる賞球数の割合(高ベース中出玉率)が、低ベース状態において遊技者が打ち込んだ遊技球に対する賞球数の割合(低ベース中出玉率)よりも高い割合である1.1〜1.4となるよう説明しているが、本発明はこれに限定されず、高ベース中出玉率を1未満の割合(例えば、0.6〜0.8)となるように構成するとともに、該高ベース中出玉率に高ベース状態後に実行される大当り遊技中における賞球を加味することによって、高ベース状態中及び大当り遊技中に遊技者が打ち込んだ遊技球数に対しての、普通可変入賞球装置20及び特別可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことによる賞球数の割合(高ベース+大当り中出玉率)が低ベース中出玉率よりも高い割合である1未満(例えば、0.9)または1以上(例えば、1.1〜1.4)となるようにしても良い。
更に、低確低ベース状態において特別図柄の変動表示結果が大当りとなり、該大当りの大当り遊技終了後に低確高ベース状態または高確高ベース状態に制御されてから、特別図柄の変動表示結果が第2−B大当りとなることで該第2−B大当りの大当り遊技終了後に低確低ベース状態に制御されるまでの期間中に遊技者が打ち込んだ遊技球数に対しての、該期間中において普通可変入賞球装置20及び特別可変入賞球装置15に遊技球が入賞したことによる賞球数の割合が低ベース中出玉率よりも高い割合である1未満(例えば、0.9)または1以上(例えば、1.1〜1.4)となるようにしても良い。
そして、図49(B)に示すように、特別図柄における演出図柄の変動表示結果としてハズレを示す組み合わせで演出図柄が導出表示された場合は、演出表示装置9の背景画像は更新されること無く維持され、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞することで再び別図柄における演出図柄の変動表示が実行される。
また、図49(C)及び図49(D)に示すように、特別図柄における演出図柄の変動表示結果として第1大当りを示す組み合わせで演出図柄が導出表示された場合は(本実施例では演出図柄が7揃いで導出表示された場合)、大当り遊技終了後、演出表示装置9の背景画像が、遊技状態が高確高ベース状態であることを示す昼の画像に更新される。更に、図49(E)及び図49(F)に示すように特別図柄における演出図柄の変動表示結果として第2−2大当り、または第2−A大当り(高ベース状態における大当りが10回された場合)を示す組み合わせで演出図柄が導出表示された場合は(本実施例では演出図柄が6揃いで導出表示された場合)、大当り遊技終了後、演出表示装置9の背景画像が、遊技状態が第1低確高ベースであることを示す夕方の画像に更新される。
また、47(A)及び図50(B)に示すように、特別図柄における演出図柄の変動表示結果として第2−1大当りを示す組み合わせで演出図柄が導出表示された場合は(本実施例では演出図柄が6揃いで導出表示された場合)、大当り遊技終了後、演出表示装置9の背景画像が、遊技状態が第1低確高ベース状態であることを示す夜の画像に更新される。
更に、図50(C)及び図50(D)に示すように、特別図柄における演出図柄の変動表示結果として第2−B大当り(高ベース状態における大当りが10回された場合)を示す組み合わせで演出図柄が導出表示された場合は(本実施例では演出図柄が4揃いで導出表示された場合)、大当り遊技終了後、演出表示装置9の背景画像が、遊技状態が低確低ベース状態であることを示す街中の画像に更新される。
また、本実施例では、確変大当りである第1大当り時に導出表示される演出図柄を7揃いとし、他の非確変大当たりである第2−1大当り、第2−2大当り、第2−A大当り、第2−B大当り時に導出表示される演出図柄を2〜8の偶数揃いとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、大当り遊技後に高ベース状態が継続する第1大当り、第2−1大当り、第2−2大当り、第2−A大当り時に導出表示される演出図柄を7揃いまたは1〜9のいずれかの奇数揃いとし、大当り遊技後に低ベース状態に移行する第2−B大当り時に導出表示される演出図柄を2〜8の偶数揃いとしても良い。
このように、本実施例のパチンコ遊技機1は、従来のパチンコ遊技機のように特別図柄の変動表示結果が大当りとなることによって開放される特別可変入賞球装置内に遊技球を入賞させ、該入賞により発生する賞球によって持ち球を増やす仕様ではなく、高ベース状態において普通図柄が当りとなることによって開放される普通可変入賞球装置20内に遊技球を入賞させ、該入賞により発生する賞球によって持ち球を増やす仕様となっている。このため、本実施例における高ベース状態とは、遊技者が打ち込んだ遊技球数に対しての賞球数の割合(出玉率)が1を超えるよう高く設定されている状態を指し、遊技者が打ち込んだ遊技球数に対しての賞球数の割合(出玉率)が1を超えないよう設定されている従来のパチンコ遊技機における高ベース状態とは異なっている。
以上、本実施例におけるパチンコ遊技機1にあっては、リミッタが作動したことにもとづいて、遊技状態が通常確率状態かつ高頻度状態に制御されたことが特定可能となるように特定信号を外部装置に出力する出力手段を備えている。そのため、高確率状態に制御されてから、リミッタが作動するまでを外部装置で管理することができる。また、本実施例では、所定の情報をバックアップすることによって、遊技機への電力供給が停止された後に電力供給が再開された場合にも、リミッタが作動したことにもとづいて、遊技状態が通常確率状態かつ高頻度状態に制御されたことが特定可能となるように特定信号を外部装置に出力することができる。
また、出力手段は、特定遊技状態または高頻度状態に制御されているときには、原則的に特定信号を継続して出力し、リミッタが作動したことにもとづいて特定遊技状態に制御された後の遊技状態が通常確率状態かつ高頻度状態に制御されたときには、出力待機フラグと待機期間タイマとを用いて、特定信号を所定期間出力せず、該所定期間経過後に特定信号を再度出力することによって、そのような遊技状態に制御されたことが特定可能となるように構成されている。そのため、それぞれ専用の出力手段を設けることなく、特定遊技状態または高頻度状態に制御されていることと、通常確率状態かつ高頻度状態に制御されたこととを外部装置で管理することができる。また、本実施例では、電源断検出処理において、電源断信号が出力されたことが検出されると、出力待機フラグと待機期間タイマとをバックアップRAMに記憶させ、停電復旧時にはバックアップRAMに記憶された状態から復旧させているため、遊技機への電力供給が停止された後に電力供給が再開された場合にもリミッタが作動したことにもとづいて、遊技状態が通常確率状態かつ高頻度状態に制御されたことが特定可能となるように特定信号を外部装置に出力することができる。
また、大当り遊技状態に制御される確率が通常確率であっても、遊技者が打ち込んだ遊技球数と賞球数との比率が特別比率に制御されるので、遊技が単調となってしまうことを防ぐことができるとともに、現在の遊技状態が、変動表示時間が150秒または300秒に決定され易い低確高ベース状態であるのか、変動表示時間が150秒または300秒に決定され難い高確高ベース状態であるのかに注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2−1大当りの大当り遊技終了後は演出表示装置9に表示される背景画像を夜の画像に切り替え、第2−2大当り及び第2−A大当りの大当り遊技終了後は演出表示装置9に表示される背景画像を夕方の画像に切り替えることで、変動表示時間が150秒または300秒に決定されることに対する遊技者の期待感を高めることができるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、遊技者は、1の特別図柄の変動表示中においてより多くの普通図柄の変動表示を実施することのできる150秒または300秒の特別図柄の変動表示が実行されていることを認識できるようになるとともに、残りの特別図柄の変動表示時間を認識できるようになるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、当選した大当りが第2−1大当りであるか、第2−2大当りであるかで、遊技者に、第1低確高ベース状態と第2低確高ベース状態のいずれの遊技状態になるのかについて注目させることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
尚、本実施例においては、図25及び図26に示すように、遊技状態が高ベース状態であれば、第1低確高ベース状態、第2低確高ベース状態、高確高ベース状態の全てにおいて変動時間が150秒の特別図柄変動パターンであるPA2及びPB2と、変動時間が300秒の特別図柄変動パターンであるPA3及びPB3が実行される例を示したが、本発明はこれに限定されず、変形例1として、遊技状態が第1低確高ベース状態または第2低確高ベース状態である場合は、図25(b)、図25(c)、図26(b)及び図26(c)と同様に判定値が変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1及びPB1、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPA2及びPB2、変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3及びPB3の全てに設定されていることで、第1低確高ベース状態、第2低確高ベース状態において変動時間が10秒の特別図柄変動パターンであるPA1及びPB1と、変動時間が150秒の特別図柄変動パターンであるPA2及びPB2と、変動時間が300秒の特別図柄変動パターンであるPA3及びPB3とが実行されるとともに、図52及び図53に示すように、遊技状態が高確高ベース状態である場合は、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1及びPB1の判定値として0〜999を設定することで、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1及びPB1のみが実行されるようにしても良い。つまり、本変形例1においては、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンPA2及びPB2と変動時間が300秒である特別図柄変動パターンPA3及びPB3は、高確高ベース状態では実行されず、第1低確高ベース状態及び第2低確高ベース状態でのみ実行されるようにしても良い。
このように、本変形例1におけるパチンコ遊技機1にあっては、大当り遊技状態に制御される確率が通常確率であっても、遊技者が打ち込んだ遊技球数と賞球数との比率が高ベースに制御されるので、遊技が単調となってしまうことを防ぐことができるとともに、現在の遊技状態が、変動表示時間が150または300秒に決定される場合がある低確高ベース状態であるのか、変動表示時間が150秒及び300秒に決定されることがない高確高ベース状態であるのかに注目させることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施例においては、図25及び図26に示すように、特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合とハズレとなる場合の双方において変動時間が150秒の特別図柄変動パターンであるPA2及びPB2と、変動時間が300秒の特別図柄変動パターンであるPA3及びPB3が実行される例を示したが、本発明はこれに限定されず、変形例2として図54(A)〜図54(C)及び図55(A)〜図55(C)に示すように、特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合は、第1低確高ベース状態、第2低確高ベース状態、高確高ベース状態において変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1の判定値として0〜999を設定することで、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1のみが実行されるようにする一方、特別図柄の変動表示結果がハズレとなる場合は、第1低確高ベース状態、第2低確高ベース状態、高確高ベース状態においてPB1〜PB3に図26と同様に判定値を設定することで、変動時間が150秒である特別図柄変動パターンと変動時間が300秒である特別図柄変動パターンは、特別図柄の変動表示結果がハズレである場合のみ実行されるようにしても良い。つまり、本変形例2においては、変動時間が150秒の特別図柄変動パターンと変動時間が300秒の特別図柄変動パターンは、特別図柄の変動表示結果として大当りとなる場合は実行されず、特別図柄の変動表示結果としてハズレとなる場合のみ実行されるようにしても良い。
更に、変形例3として、図56(A)〜図56(D)に示すように、特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合は、低確低ベース状態、第1低確高ベース状態、第2低確高ベース状態、高確高ベース状態の全てにおいて変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1の判定値として0〜999を設定することで、変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPA1のみが実行されるようにする一方、図57(A)〜図57(D)に示すように、特別図柄の変動表示結果がハズレとなる場合は、低確低ベース状態、第1低確高ベース状態、第2低確高ベース状態においてPB1〜PB3に図26と同様に判定値を設定するとともに、高確高ベース状態において変動時間が10秒である特別図柄変動パターンPB1の判定値として0〜999を設定することで、特別図柄の変動表示結果がハズレであり、且つ遊技状態が第1低確高ベース状態及び第2低確高ベース状態である場合のみ変動時間が150秒と300秒の特別図柄変動パターンが実行されるようにしても良い。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示において変動時間が10秒、150秒、300秒の変動パターンのいずれかを実行しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、変形例4として、本実施例の普通図柄と同様に、普通可変入賞球装置20に遊技球が入賞することで、抽出した大当り判定用乱数であるランダムR、大当り種別決定用乱数であるランダム1、特別図柄変動パターン判定用乱数であるランダム5を保留記憶として所定数(例えば、4個)まで記憶可能するとともに、該記憶した保留記憶を演出表示装置9に表示し、特別図柄の変動表示結果がハズレとなり、且つ特別図柄の変動表示において150秒または300秒の変動パターンが実行される保留記憶の表示については、通常とは異なる表示を行うようにしても良い。
具体的な構成について、図58〜図65に基づいて説明する。尚、本変形例4では、特別図柄の変動表示結果として大当りとなる場合及び遊技状態が高確高ベース状態である場合では変動表示時間が150秒及び300秒の変動パターンが決定されない変動パターン判定テーブルとして、図56(A)〜図56(D)に示す大当り変動パターン判定テーブルと、図57(A)〜図57(D)に示すハズレ変動パターン判定テーブルを参照する。
本変形例4においては、先ず図58に示すように、RAM102に、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図58に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151と、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151は、普通可変入賞球装置20を遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したものの未だ開始されていない特別図柄の変動表示の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151は、普通可変入賞球装置20への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路503等から抽出された大当り判定用乱数であるランダムR、大当り種別決定用乱数であるランダム1、特別図柄変動パターン判定用乱数であるランダム5を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして特図保留記憶部151に記憶された保留データは、特別図柄の変動表示の実行が保留されていることを示し、この特別図柄の変動表示における変動表示結果に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
また、演出制御基板80に搭載されたRAMには、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図59(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図59(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置9の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
このうち、演出制御バッファ設定部194の所定領域には、図59(B)に示すような始動入賞時受信コマンドバッファ194Aを構成するデータが記憶される。始動入賞時受信コマンドバッファ194Aには、特別図柄保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1」〜「4」に対応した領域)が設けられている。また、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aは、主基板31から演出制御基板80に送信された変動パターン指定コマンドと特別図柄の保留記憶数指定コマンドが送信順に分けて格納できるよう領域が確保されている。
また、本変形例4における特別図柄プロセス処理としては、図60に示すように、先ず、普通可変入賞球装置20への始動入賞の発生に基づき、変動表示結果が大当りに決定されるか否か、大当りの種別、特別図柄変動パターン判定用乱数であるランダム5がいずれの判定値の範囲になるかを判定する始動入賞判定処理を実行する(ステップS300−)。尚、本変形例4における特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理以降の処理は、特別図柄通常処理においてランダムR、ランダム1、ランダム5を抽出しない以外は実施例1の特別図柄プロセス処理と同一の処理を実行する。
図61は、図60に示された特別図柄プロセス処理における始動入賞判定処理(ステップS300−)を示すフローチャートである。先ず、CPU56は、始動口スイッチ23がオンとなったか否かを判定する(ステップS1205)。始動口スイッチ23がオンになっていない場合は、始動入賞判定処理を終了し、始動口スイッチ23がオンとなった場合は、特別図柄保留記憶数カウント値が上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS1206)。特別図柄保留記憶数カウント値が上限値である場合は、始動入賞判定処理を終了し、特別図柄保留記憶数カウント値が上限値でない場合は、特別図柄保留記憶数カウント値を+1し(ステップS1207)、乱数回路503等から大当り判定用乱数であるランダムR、大当り種別決定用乱数であるランダム1、特別図柄変動パターン判定用乱数であるランダム5の数値データを抽出する(ステップS1209)。
こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、特別図柄保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS1210)。ステップS1210の実行後は、特別図柄変動パターン判定処理を実行する(ステップS1212)。その後、例えばROM54における保留記憶数指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して保留記憶数指定コマンドを送信するための設定を行い(ステップS1213)、始動入賞判定処理を終了する。こうして設定された保留記憶数指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図4に示すステップS29の演出制御コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。尚、特別図柄保留記憶数カウント値は、特別図柄変動開始処理において特別図柄の変動表示が開始されることで−1される。
図62は、図61に示された始動入賞判定処理における特別図柄変動パターン判定処理(ステップS1212)を示すフローチャートである。先ず、CPU56は、図62に示す変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りに当選しているか否かを判定する(ステップS1281)。具体的には、遊技制御用データ保持エリア150の特図保留記憶部151において、ランダムR、ランダム1、ランダム5の数値データが記憶されているエントリのうち、最も下位のエントリに記憶されているランダムRの数値データの値が、遊技状態が通常状態(低確状態)であれば判定値0〜16383の範囲内であるか否か、遊技状態が確変状態であれば判定値0〜64880の範囲内であるか否かを判定する(図22参照)。そして、大当りに当選していれば、高ベースフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1282)。
高ベースフラグがセットされていない場合は、図56(A)に示す低確低ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS1284)、ステップS1296aに移行する。また、高ベースフラグがセットされている場合は、更に確変フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1286)。確変フラグがセットされている場合は、図56(D)に示す高確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS1288)、ステップS1296aに移行する。
また、確変フラグがセットされていない場合は、更にセットされている高ベースフラグが第1高ベースフラグであるか否かを判定する(ステップS1287a)。高ベースフラグが第1高ベースフラグである場合は、図56(B)に示す第1低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS1287b)ステップS1296aに移行し、高ベースフラグが第1高ベースフラグではない場合、つまり、高ベースフラグが第2高ベースフラグである場合は、図56(C)に示す第2低確高ベース時の大当り変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS1287c)ステップS1296aに移行する。
ステップS1281において、大当りに当選していない場合は、CPU56は、高ベースフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1289)。
高ベースフラグがセットされていない場合は、図57(A)に示す低確低ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS1291)、ステップS1296aに移行する。また、高ベースフラグがセットされている場合は、更に確変フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS1293)。確変フラグがセットされている場合は、図57(D)に示す高確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを選択し(ステップS1295)、ステップS1296aに移行する。
また、確変フラグがセットされていない場合は、更にセットされている高ベースフラグが第1高ベースフラグであるか否かを判定する(ステップS1294a)。高ベースフラグが第1高ベースフラグである場合は、図57(B)に示す第1低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS1294b)ステップS1296aに移行し、高ベースフラグが第1高ベースフラグではない場合、つまり、高ベースフラグが第2高ベースフラグである場合は、図57(C)に示す第2低確高ベース時のハズレ変動パターン判定テーブルを選択して(ステップS1294c)ステップS1296aに移行する。
そして、ステップS1296aでは、CPU56は、ステップS1209にて抽出されたランダム5と、ステップS284、ステップS288、ステップS287b、ステップS287c、ステップS291、ステップS295、ステップS294b、ステップS294cのいずれかで選択された特別図柄の変動パターン判定テーブルに基づいて、特別図柄変動パターンを判定する(ステップS296a)。
その後、演出制御基板80に対して特別図柄変動パターン指定コマンドを送信するための設定を行い(ステップS1213)、始動入賞判定処理を終了する。こうして設定された変動パターン指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図17に示すステップS29の演出制御コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
また、本変形例4における特別図柄演出制御プロセス処理としては、図63に示すように、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファに記憶されている変動パターン指定コマンドに基づき、演出表示装置9に表示される保留表示の表示態様を決定する保留表示予告演出決定処理を実行する(ステップS880−)。尚、本変形例4における特別図柄演出制御プロセス処理における保留表示予告演出決定処理以降の処理は、実施例1の特別図柄演出制御プロセス処理と同一の処理を実行する。
図64は、図63のステップS880−にて実行される保留表示予告演出決定処理の一例を示すフローチャートである。図64に示す保留表示予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、先ず、始動入賞時受信コマンドバッファ194Aにおける記憶内容をチェックする(ステップS711)。そして、始動入賞時のコマンドのうち主基板31から最後に送信されるコマンドの受信が有るか否かを判定する(ステップS712)。つまり、本実施例では、前述したように、始動入賞時のコマンドとして変動パターン指定コマンド、保留記憶数指定コマンドが1セットとして1割り込みにおいて送信されるので、最後に送信される始動入賞時のコマンドである保留記憶数指定コマンドの受信があるか否かを判定することで、1セットの始動入賞時のコマンドの受信があったか否か、つまり、始動入賞があったか否かを判定できる。主基板31から最後に送信される始動入賞時のコマンドの受信が無い場合は、先読み予告演出決定処理を終了し、始動入賞が有る場合は、受信したコマンドから特別図柄変動パターン指定コマンドを特定するとともに、受信したコマンドの順序と内容をチェックして(ステップS713)、正常に受信できているか否かを判定する(ステップS714)。ステップS714の処理では、例えば始動入賞時の受信コマンドが順番通りであるか否か、欠落なくすべて受信できたか否か、などの確認を行う。
受信したコマンドが正常に受信できていない場合は、保留表示として、特別図柄保留記憶数を示す表示部位をそれぞれ、所定の非正常表示態様に変更して、新たに保留されたことに対応する表示部位の変更を行い(ステップS719)、保留表示予告演出決定処理を終了する。また、受信したコマンドが正常に受信できている場合は、ステップS713にて特定した特別図柄変動パターンがPA1〜PA3のいずれかであるか否か、つまり、特別図柄の変動表示結果が大当りとなる特別図柄変動パターンであるか否かを判定する(ステップS714a)。特定した特別図柄変動パターンがPA1〜PA3のいずれかである場合は、ステップS717に移行し、特定した特別図柄変動パターンがPA1〜PA3のいずれでもない場合は、特定した特別図柄変動パターンに基づいて、保留表示予告演出決定テーブルを参照することにより、保留表示予告演出を実行するか否かと、保留表示予告演出を実行する場合における保留表示予告演出の演出態様に対応した保留表示予告パターンと、を決定する(ステップS715)。ステップS715においては、例えば、図65に示すような決定割合で、保留表示予告演出の有無と保留表示予告パターンを決定する。図65に示す決定割合の設定例では、ステップS713の処理において特定した特別図柄変動パターンに応じて、保留表示予告演出の有無や保留表示予告演出の予告パターンの決定割合を異ならせている。
具体的には、保留表示予告演出の予告パターンとして、予告α及び予告βの2種類が設けられている。このうち、保留表示予告演出の予告パターンが予告αに決定された場合には、保留記憶表示が丸型の金色表示で演出表示装置9に表示され、保留表示予告演出の予告パターンが予告βに決定された場合には、保留記憶表示が丸型の桜柄表示で演出表示装置9に表示される。保留表示予告演出が実行されない場合には、保留表示が前述した丸型の白色表示で演出表示装置9に表示される。
また、図65に示すように、変動パターンPB1〜PB3のうち、特定された特別図柄変動パターンが、変動時間が10秒である変動パターンPB1である場合には、保留表示予告演出が実行される割合(「予告なし」以外に決定される割合)が最も低く設定されており、特定された特別図柄変動パターンが、変動時間が150秒である変動パターンPB2である場合には、変動パターンPB1よりも保留表示予告演出が実行される割合が高く設定されている。
更に、特定された特別図柄変動パターンが、変動時間が300秒である変動パターンPB3である場合には、変動パターンPB1及びPB2よりも保留表示予告演出が実行される割合が高く設定されている(保留表示予告演出実行割合:PB3>PB2>PB1)。
更に、特定された変動パターンが変動パターンPB1及びPB2である場合において保留表示予告演出が実行される際には、予告αが実行される割合が、予告βが実行される割合よりも高く設定されている。一方、特定された変動パターンが変動パターンPB3である場合において保留表示予告演出実行される際には、予告βが実行される割合が、予告αが実行される割合よりも高く設定されている。
このような設定により、本変形例4においては、保留表示予告演出の予告パターンとして予告βが実行された場合には、特別図柄の変動表示時間として300の変動表示が実行される可能性が最も高く、保留表示予告演出の予告パターンとして予告βが実行された場合の次に特別図柄の変動表示時間として300の変動表示が実行される可能性が高くなっている。このような設定により、保留表示予告演出の保留表示予告パターンが予告β>予告α>「予告なし」の順番で、特別図柄の変動表示時間として300の変動表示が実行される可能性が高くなり、遊技者の期待度も高くなる。
以上、本変形例4におけるパチンコ遊技機1にあっては、特別図柄の保留表示予告演出を実行することにより、大当り図柄が導出表示されないときには変動表示時間が150秒または300秒に決定される場合があるので、大当り図柄が導出表示されないときの遊技の興趣を高めることができるとともに、変動表示時間が150秒または300秒である変動表示が実施される可能性があることを変動表示時間が150秒または300秒である変動表示が開始される前に事前に保留表示によって認識できるようになるので、遊技の興趣を高めることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、パチンコ遊技機1において確変大当りが所定回数以上連続することを防止する大当り回数カウンタの値に応じて大当り遊技後の遊技状態を高確高ベース状態、低確高ベース状態、低確低ベース状態のいずれかに制御しているが、本発明はこれに限定されず、大当り遊技後の遊技状態を高確高ベース状態、低確高ベース状態、低確低ベース状態のいずれかに制御可能であれば、大当り回数カウンタの値により大当り遊技後の遊技状態を制御しないようにしても良い。
また、前記実施例では、普通可変入賞球装置20を、閉鎖されている状態では遊技球が入賞しないものとしているが、本発明はこれに限定されず、普通可変入賞球装置20は、閉鎖されている状態であっても遊技球が入賞可能であるが、該閉鎖されている状態では、開放されている状態よりも著しく遊技球の入賞が困難であるものであっても良い、 また、前記実施例では、確変大当りである第1大当りが所定回数以上連続することを防ぐために大当り回数カウンタを設けているが、本発明はこれに限定されず、該大当り回数カウンタではなく、大当り遊技後に所定回数以上高ベース状態に連続して制御されることを防ぐための高ベース制御回数カウンタを設けることで、大当り遊技後に所定回数連続して高ベース状態に制御された場合は、次回の大当り遊技後に強制的に遊技状態を低ベース状態に制御するようにしても良い。
また、前記実施例では、特別図柄の変動表示が開始された時点から演出表示装置9の右下部において特別図柄の残り変動表示時間の表示を実行しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機1に演出表示装置9とは別にLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成するサブ演出表示装置が搭載されている場合には、該サブ演出表示装置において特別図柄の残り変動表示時間の表示を実行するようにしても良い。
また、前記実施例では、特別図柄の変動表示が開始された時点から演出表示装置9の右下部において特別図柄の残り変動表示時間の表示を実行しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、パチンコ遊技機1に演出表示装置9とは別にLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成するサブ演出表示装置が搭載されている場合には、特別図柄における演出図柄の変動表示中に普通図柄の変動表示が開始されることで、該サブ演出表示装置において普通図柄における演出図柄の変動表示を実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、特別図柄の変動表示中においても普通図柄の変動表示を実行しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、遊技状態が低確低ベース状態であるときに遊技球がゲート32Aを通過したことに基づく普通図柄が当たり、普通可変入賞球装置20が開放された場合は、普通可変入賞球装置20が閉鎖されてから次の普通図柄の変動表示が実行されるまでの期間を図25、図26に示す低確低ベース状態における特別図柄の変動表示パターンであるPA1・PB1の変動表示時間(10秒)よりも長い時間(例えば、12秒)を設定することで、低確低ベース状態における特別図柄の変動表示中は、普通図柄の変動表示が実行されないようにしても良い。
また、前記実施例では、特別図柄の変動表示中においても普通図柄の変動表示を実行しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、遊技状態が低確低ベースであるときに遊技球がゲート32Aまたは32Bを通過したことに基づく普通図柄の変動表示において当り図柄が導出表示されるとともに、開放された普通可変入賞球装置20内に遊技球が入賞したことに基づく特別図柄の変動表示が実行された場合は、普通可変入賞球装置20が閉鎖されてから次の普通図柄の変動表示が実行されるまでの期間を、特別図柄の変動表示時間と特別可変入賞球装置15の開放時間の和から普通図柄の変動表示時間を差し引いた時間に基づいて決定しても良い。一方、遊技状態が低確高ベース状態または高確高ベース状態であるときに遊技球がゲート32Bをしたことに基づく普通図柄の変動表示において当り図柄が導出表示されるとともに、開放された普通可変入賞球装置20内に遊技球が入賞したことに基づく特別図柄の変動表示が実行された場合は、普通可変入賞球装置20が閉鎖されてから次の普通図柄の変動表示が実行されるまでの期間を特別図柄の変動表示時間や特別可変入賞球装置15の開放時間、普通図柄の変動表示時間に拘らず、低確低ベース状態の場合よりも短い時間(例えば、1秒)に決定することで、普通可変入賞球装置20の開放や、特別可変入賞球装置15の開放とともに普通図柄の変動表示が実行されるようにしても良い。
また、前記実施例では、特別図柄の変動表示結果として第1大当りとなった場合は、第1大当りの大当り遊技終了後から特別図柄の変動表示結果が次の大当り(第1大当り、第2−1大当り、第2−2大当り、第2−A大当り、第2−B大当りのいずれか)となるまで高確状態(高確高ベース状態)が維持されるが、本発明はこれに限定されず、第1大当りの大当り遊技終了後の高確状態は、必ずしも特別図柄の変動表示結果が次の大当りまで維持されずとも良い。具体的には、大当り回数カウンタの値が2以上である場合は、第1大当りの大当り遊技終了後に高確状態が継続する特別図柄の変動表示回数として所定の値(例えば10)を高確率カウンタにセットし、特別図柄の変動表示結果がハズレとなる毎に該高確率カウンタの値を−1していく。そして、高確率カウンタの値が0になった場合は(即ち、確変状態が終了した場合)、遊技状態を低確状態(低確高ベース状態)に制御すればよい。また、第1大当りの大当り遊技終了後の高確状態中は、特別図柄の変動表示において、遊技状態を低確高ベース状態に制御するか否かを抽選する転落抽選を実行するようにし、該転落抽選に当選することで遊技状態を低確状態(低確高ベース状態)に制御するようにしても良い。
尚、前述のように高確率カウンタの値や転落抽選の抽選結果に応じて遊技状態を高確状態から低確状態に制御する場合は、高ベース状態も終了するようにしても良い。つまり、高確率カウンタの値が0になった場合と転落抽選に当選した場合は、遊技状態を高確高ベース状態から低確低ベース状態に制御しても良い。
また、前記変形例4では、未だ変動表示が実行されていない特別図柄の保留記憶の表示態様を、変動表示結果がハズレである場合に通常とは異なる表示態様で表示する保留表示予告演出を実行したが、本発明はこれに限定されず、例えば、未だ変動表示が実行されていない特別図柄の保留記憶に変動表示結果がハズレとなる保留記憶が存在している場合、該変動表示結果がハズレとなる保留記憶の変動表示をターゲット変動とし、ターゲット変動が実行されるまでの特別図柄の複数の変動表示に亘って連続演出を実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球に対応する価値データや、入賞に応じた賞球数に対応する価値データを、記憶している価値データに対して加算して記憶する一方、遊技に使用された遊技球数に対応する価値データを、記憶されている価値データから減算し記憶する、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
尚、本パチンコ遊技機1を封入式遊技機として構成する場合は、遊技球が普通可変入賞球装置20、特別可変入賞球装置15、普通入賞口33Aに入賞することで、例えば、メダル等の遊技球以外の遊技価値が付与されるようにしても良い。すなわち、本実施例における遊技価値とは、遊技に使用される遊技球、賞球処理の実行によって払い出される賞球の他、封入式遊技機の場合には、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球またはメダル、遊技球や賞球等の遊技媒体数に対応した価値データ等を含む。封入式遊技機における遊技価値を前記価値データとする場合には、遊技者による貸出球の貸出要求がなされることで価値データが加算され、遊技により入賞が発生することで価値データが増加され、遊技に使用されることで価値データが減算されるようにすれば良い。尚、この場合、付与される価値データは、遊技者が携帯端末を使用することでアクセスが可能な特定のサーバにおいて、携帯端末で使用可能な壁紙や着信音等のコンテンツをダウンロードするために使用されるポイント等であっても良い。
また、前記実施例では、普通図柄及び特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置9で変動表示される演出図柄などの変動パターンを演出制御用CPU101に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU101に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連や滑り演出等の有無、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU101は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU101の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより普通図柄及び特別図柄の変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技状態が第1低確高ベース状や第2低確高ベース状態等の低確高ベース状態では、高確高ベース状態よりも特別図柄の変動表示時間が150秒や300秒である特別図柄変動パターンが実行されやすく、且つ特別図柄の変動表示結果がハズレとなる場合の方が特別図柄の変動表示結果が大当りとなる場合よりも特別図柄の変動表示時間が150秒や300秒である特別図柄変動パターンが実行され易い例を示したが、本発明はこれに限定されず、特別図柄の変動表示時間が150秒や300秒である特別図柄変動パターンは、特別図柄の変動表示結果に依らず、遊技状態が低確高ベース状態であることのみを条件として高確高ベース状態よりも実行され易いようにしても良い。
なお、前記実施例において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=40%:60%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。