JP2014220353A - 太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】太陽光の有効利用波長範囲が広い、変換効率に優れた太陽電池モジュールおよびその製造方法を提供すること。【解決手段】課題を解決するために、光電変換素子と、光電変換素子と電気的に接続された電極と、前記光電変換素子を有する第1の透明樹脂と、第1の透明樹脂の裏面に位置するバックシートと、第1の透明樹脂の表面に位置する保護ガラスと、第1の透明樹脂が位置する面と異なる、保護ガラスの面に密着して形成され、蛍光体を有する第2の透明樹脂と、を備えた太陽電池モジュールであって、第2の透明樹脂が、複数の透明樹脂層の積層により形成されており、複数の透明樹脂層中で、保護ガラスと最も近接した層の端面と前記保護ガラスの面とがなす角度が、30度より大きく70度より小さいことを特徴とする太陽電池モジュールを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子の前面に蛍光体を配置してなる太陽電池モジュールに関するものである。
太陽電池は、一般に短波長領域において感度特性が低く、太陽光に含まれる紫外線などの短波長領域の光を有効に利用できていない。この課題を解決する手段として、従来からこの短波長領域の光を吸収し、長波長領域の蛍光を発する蛍光体、いわゆる波長変換材料を利用し、感度特性の高い長波長領域の光量を増加させ、太陽電池の変換効率を向上させる取組みが行われてきた。
例えば、特許文献1や特許文献2においては、太陽電池モジュールにおいて、ポリアクリレート系の透明樹脂中に有機蛍光体を溶解し、得られた重合体を用いる。短波長部の光をより長波長の光へ効率よく変換でき、かつ耐候性の優れた成形体を提案している。
また、特許文献3では、太陽電池モジュールにおいて、光電変換素子の保護樹脂であるエチレン−酢酸ビニル共重合体中に、レアアース系の蛍光体を配合する、波長を変換することで、効率向上を行う提案がなされている。
以上のような課題解決に向けた取組みは知られているものの、一般に蛍光体を一つの層に多く配置しようとすると、層内において蛍光体の濃度が高くなり、蛍光体同士の相互作用による濃度消光や、あるいは飽和濃度を超えて配合された蛍光体が透明樹脂表面に析出するなどして、入射光を遮り効率の低下を招くという問題があった。
このような問題を解決する手段としては、濃度消光や析出などが起こらない程度に低濃度に蛍光体を配合し厚く塗布する方法が考えられる。このような構成とすることにより、透明層に配合された蛍光体の総量を多くすることができ、より多くの波長変換された光子によって、光電変換素子がより多く発電することが可能となる。
特開昭57−28149号公報 特開昭57−189号公報 WO2008/047427号公報
しかしながら、このような方法では蛍光体が配合された層を厚く塗布する必要があるが、スピンコートやダイコートなど公知の方法では均一に厚く、塗布することが難しく、厚みや表面形状が製品ロットによってばらつくこととなり、安定した製品設計とならない。
本発明は、かかる点に鑑みて発明者らの鋭意努力の結果なされたものである。その目的とするところは、蛍光体が析出あるいは濃度消光しない程度に低濃度配合し、均一に塗布した透明樹脂からなる波長変換膜を複数層形成し、総量として蛍光体の配置量を多くする。結果、蛍光体によって波長変換された光がより多く、光電変換素子に向かうことにより、より高い変換効率を有する。さらには、複数層積層された前記波長変換膜を、光の入射方向に向かって凸構造とすることにより、波長変換された光の集光効率を多くし、さらに高効率の太陽電池を提供することにある。
上記課題を解決するため、光電変換素子と、前記光電変換素子と電気的に接続された電極と、前記光電変換素子を有する第1の透明樹脂と、前記第1の透明樹脂の裏面に位置するバックシートと、前記第1の透明樹脂の表面に位置する保護ガラスと、前記第1の透明樹脂が位置する面と異なる、前記保護ガラスの面に密着して形成され、蛍光体を有する第2の透明樹脂と、を備えた太陽電池モジュールであって、前記第2の透明樹脂が、複数の透明樹脂層の積層により形成されており、前記複数の透明樹脂層中で、前記保護ガラスと最も近接した層の端面と前記保護ガラスの面とがなす角度が、30度より大きく70度より小さいことを特徴とする太陽電池モジュールを用いる。
本発明の太陽電池モジュールでは入射した光の中で感度特性が低い短波長領域の光が、積層された透明樹脂の各層に配合された蛍光体に吸収され、光電変換素子に感度特性の高い長波長側の蛍光へと波長変換される。
各層には蛍光体が濃度消光したり、析出したりしない程度の蛍光体が含有されており、総量として多くの蛍光体により波長変換された光が光電変換素子に向かうことになり、光電変換効率の高いものとすることができる。
また、少なくとも保護ガラスに最近接の透明樹脂の端部が一定の接触角θを持って形成されているので、各層から発せられた蛍光が光電素子に向かって集光されることになり、さらに光電変換効率の高い太陽電池モジュールとすることができる。
(a)実施の形態1の太陽電池モジュールの断面図、(b)(a)の端部拡大図 (a)〜(m)実施の形態1の製造プロセスを表す各工程の断面図 (a)実施の形態2の太陽電池モジュールの断面図、(b)(a)の端部拡大図 (a)〜(m)実施の形態2の製造プロセスを表す各工程の断面図 (a)実施の形態3の太陽電池モジュールの断面図、(b)(a)の端部拡大図 (a)〜(m)実施の形態3の製造プロセスを表す各工程の断面図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、実施の形態1に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。実施の形態1の太陽電池モジュールでは、少なくとも光電変換素子101と、光電変換素子101を保護する第1の透明樹脂102と、バックシート103と、光電変換素子101同士を接続しかつ外部へ得られた電流を取り出す電極104と、保護ガラス105と、それぞれに蛍光体を含有する積層された透明樹脂からなる第2の透明樹脂106を備えている。
光電変換素子101は、特に限定されるものではないが、単結晶シリコン系、多結晶シリコン系、アモルファスシリコン系などのシリコン半導体、ガリウム砒素、カドミウムテルルなどの化合物半導体などとすることができ、またこれらを電気的に接合する電極104として、公知の金属材料や合金材料とすることができる。
光電変換素子101を保護する第1の透明樹脂102は、特に限定するものではないが、エチレン酢酸ビニル共重合体、ビスフェノールエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂などとすることができる。第1の透明樹脂102は、光電変換素子101にとって、感度特性が低く劣化の原因となる350nm以下の光を吸収する公知の紫外線吸収剤が含有されていても良い。
保護ガラス105は、特に限定するものではなく、透光性および遮水性を有する公知の板状ガラスとすることができる。保護ガラス105上に配置された、蛍光体含有の透明樹脂が積層されてなる第2の透明樹脂106は実施の形態1の骨子となる重要な部位であり、その詳細を以下に述べる。
第2の透明樹脂106は、透明樹脂が積層してなり、各層を構成する第2の透明樹脂層106a、106b、106cは限定するものではないが、エチレン酢酸ビニル共重合体、ビスフェノールエポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂などとすることができ、積層される透明樹脂の種類としては同一であっても異なっていても良い。3層に限られない。
また、各層の厚みとしては0.5μm以上300μm以下とし、第2の透明樹脂106の総厚みとして600μm以下とすることができる。各層の厚みが0.5μmより薄いと、含有される蛍光体の絶対量が減少し、感度特性の低い光の波長を感度特性の高い光へ変換する十分な効果が得られない。
一方、300μmより厚いと、均一な厚みに塗布することが難しくなることに加えて、2層より多く積層した際に、第2の透明樹脂106の総厚みが600μmを超えることとなり、第2の透明樹脂106樹脂自体の吸光により前記光電変換素子101での変換効率の低下を招く。さらに、積層数としては2層以上10層以下とすることができる。1層では、蛍光体配合濃度に限界があるため、多くの蛍光体を使用しようとした場合濃度消光や蛍光体析出という問題が起こり、10層より多い場合、製造プロセス上工数が多くなり高コスト化の要因となる。
図1(b)に示したように、積層された第2の透明樹脂106の中で、保護ガラス105に最近接の第2透明樹脂層106aとしてはその断面を見たときに、保護ガラス105のエッジ部分に接する箇所で透明樹脂の接触角θが30度より大きく70度より小さいことが望ましい。
ここでの接触角θは、保護ガラス105と後述する未硬化透明樹脂の原料液体の硬化時における粘度による、曲率をもったエッジ部分の形状によって決まる値であり、後述するように未硬化透明樹脂が保護ガラス105上でその表面張力により広がり切るまえに硬化することによって形成される形状によって決まる。
保護ガラス105のエッジ部分に接する箇所で第2の透明樹脂層106aの接触角θが30度より小さい場合には、その角度の制御が難しく、後述する透明樹脂原料液体の塗布工程において、液体をその表面張力で保護ガラス105のエッジ部分で止めることが難しい。また、70度より大きい場合には、積層された各層の蛍光体から発せられた蛍光の、集光効果が十分でなくなり光電変換素子において効率向上の度合いが小さくなる。
第2の透明樹脂106を構成する積層透明樹脂のうち、保護ガラス105に最近接層の第2の透明樹脂層106aの上に積層される樹脂としては、前記最近接層の第2の透明樹脂層106aと同一でも良い。また、異なっていても良いが、保護ガラス105から遠ざかるにつれて、各層の屈折率を小さくしていくと、それぞれの層に配合された蛍光体から光電素子と反対方向に発せられた蛍光がより多く光電変換素子の方向に反射される。その結果、光電変換効率が向上するという観点からさらに望ましい。尚、図1には第2の透明樹脂106中の蛍光体は図示されていない。
第2の透明樹脂106を構成する積層されたそれぞれの第2の透明樹脂層106a、106b、106cには、析出や濃度消光が起こらない。例えば、0.1mol/L程度の低濃度の蛍光体が配合されている。それぞれの層の厚みは均一である必要はなく、0.5μmより厚く300μmより薄い。0.5μmより薄いと、含有される蛍光体の絶対量が減少する。結果、感度特性の低い光の波長を感度特性の高い光へ変換する十分な効果が得られず、300μmより厚いと、均一な厚みに塗布することが難しい。厚みや表面形状が製品ロットによってばらつくこととなり、安定した製品設計とならない。さらに樹脂自体の吸光により前記光電変換素子101での変換効率の低下を招くこととなる。
さらに、積層されてなる第2の透明樹脂106の中で、少なくとも保護ガラス105と最近接の第2の透明樹脂層106aの保護ガラス105のエッジ部分において、その断面が30度よりおおきく70度より小さい接触角θもって形成された構成とする。このことで、各層に含有された蛍光体から発せられた蛍光は、より効率よく光電素子に向かって集光され、光電素子の光電変換効率を高めることができる。
第2の透明樹脂106中に含有される蛍光体としては、組成、系統共に限定されるものではないが、積層される各層において無機蛍光体、有機蛍光体、無機−有機錯体蛍光体などを単独もしくは併用などし、適宜使用することができる。それぞれの層で蛍光体種類が異なっていてもよい。
本発明においては、太陽電池の感度特性の低い波長の光を吸収し、感度特性の高い波長の光を蛍光として発し、光電変換効率を向上させる。この観点から、400nm以下の紫外光を吸収し、400nmより長い波長の蛍光を発することが好ましい。実施の形態1の例では、Eu(3価)錯体である(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を0.1mol/L配合している。また、2種類の蛍光体を使用する際には、第1の蛍光体が発した蛍光波長と第2の蛍光体の吸収波長が重なるように蛍光体を選択すると、より広い範囲の波長の蛍光を発することになり、光電変換効率向上の観点から好ましい。また各透明樹脂層における蛍光体の濃度としては、蛍光体の各波長における吸光係数や第2の透明樹脂106の厚みにもよるが、例えば各蛍光体の吸収ピーク波長における吸光度が0.1より大きく3より小さくなる濃度とすることができる。
例えば、実施の形態1の例で使用している蛍光体(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を使用し、後述する製造プロセスで製造される。第2の透明樹脂106が3層で構成される場合、それぞれの層中におけるその濃度は0.009mol/L以上、0.28mol/L以下である。第2の透明樹脂106の吸光度が0.1より小さいと、蛍光の光量として十分な光量が得られず、また吸光度が3より大きいと、蛍光体自身の吸収による濃度消光によって発光効率が低減するためである。
無機蛍光体としては、特に限定するものではなく公知のものを使用することができる。一般的には、母結晶に金属元素が発光イオンとして賦活した酸化物や窒化物、硫化物などとすることができる。B、Gd、O、S、Al、Ga、Ba、Sr、K、V、La、Cl、P、In、Zn、Y、Ca、Mg等の元素を1種類以上用い、発光イオンとしてZn、Ho、Tb、Nd、Ag、Mn、Ce、Eu、Dy、Tm等が1種類以上賦活され用いられている無機蛍光体が挙げられる。尚、本発明に無機蛍光体を使用する際には、光電変換素子にとって感度特性の高い波長の光を、前記無機蛍光体の粒子による散乱で損失しないよう、その粒径としては300nmより小さいことが望ましい。
有機蛍光体としては、特に限定するものではないが、例えば炭化水素系を使用することができる。一般に炭化水素は、a、b、cをそれぞれ、構造式に含まれる環の数、炭素同士の2重結合の数、炭素同士の3重結合の数として、CnH2n+2−2a−2b−4cで表されるが、nが5より大きく40より小さくかつ、蛍光を発するものを使用することができる。5以下の場合には、炭化水素として紫外線を吸収し、感度特性の高い400nmより長波長の蛍光体を発する蛍光体として機能するものが少なく、40以上の場合には吸収波長が長波長側にシフトし、感度特性の高い光をも吸収することとなり、光電変換素子の光電変換効率の低下を招くことになる。
ここでa、b、cは、それぞれ、構造式に含まれる環の数、炭素同士の2重結合の数、炭素同士の3重結合の数である。尚、前記構造式の中で炭素に該当する箇所が適宜、酸素原子や窒素原子、硫黄原子に置き換わってもよく、イオン化されたものであるか否かは限定するものではないが、化学的安定性の観点から、例えばアントラセン、フェナントレン、ペンタセン、ピレン、ペリレン、ベンツピレン、コロネンといった縮合環化合それ自身またはこれらの誘導体を好適に使用することが出来る。その他有機蛍光体の具体例としては、ローダミン類、クマリン誘導体、キナクリドン誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、アリールアミン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、カルバゾール誘導体、シロール誘導体、スピロ化合物、トリフェニルアミン誘導体、ナフタルイミド誘導体、トリフマニルアミン誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ヒドラゾン誘導体、ピリジン環化合物、フルオレン誘導体、ベンゾオキサジノン誘導体、フェナントロリン誘導体、キナゾリノン誘導体、キノフタロン誘導体、フェニレン化合物、ペリノン誘導体、ルブレン誘導体、スチリル誘導体(ジスチリルベンゼン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、スチルベン誘導体)、チオフェン誘導体(オリゴチオフェン誘導体)、ジエン系(シクロペンタジエン誘導体、テトラフェニルブタ誘導体)、アゾール誘導体(オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾアザトリアゾール誘導体)、ピラゾール誘導体(ピラゾリン誘導体)、ピロール誘導体(ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体)を1種類以上含む蛍光体等が挙げられる。
錯体蛍光体としては、特に限定されるものではないが一般的な定義にもとづく、少なくとも1種以上の配位子が少なくとも1種類以上の中心金属原子に、配位結合または水素結合により少なくとも1つ以上配位されてなりかつ中心金属原子が発光中心となっている分子性化合物であり、中心金属原子がイオンであるか否かは限定されない。発光中心となる中心金属原子としては、例えばFe、Cu、Zn、Al、Auなどの遷移金属が挙げられるが、特にランタノイド系に属するGd、Yb、Y、Eu、Tb、Yb、Nd、Er、Sm、Dy、Ceなどでは吸収する光の波長と、発光する光の波長の差が大きく蛍光の再吸収などによる発光効率の低下が小さい、量子効率が高いなどの利点があり好ましい。
(製造方法)
実施の形態1の製造プロセスとしては、限定するものではないが、例えば、次に説明するような、工法が可能である。図2(a)から図2(m)は本発明の実施の形態1の製造プロセスを表す各工程の断面図である。
例えば、アクリルやシリコーンなどの透明樹脂モノマーに溶解や分散などによって蛍光体を含有させた第1の透明樹脂モノマー溶液108を用意する(図2(a))。本製造工程では蛍光体として(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を屈折率が1.54である公知のシリコーン樹脂のモノマー液体に0.1mol/L配合している。
次に、第1の透明樹脂モノマー溶液108を保護ガラス105に適量滴下させ(図2(b))、スクリーン印刷やダイコートなどの方法で塗布する(図2(c))。または、保護ガラス105を適宜傾けながら、液体を保護ガラス105全面に広げてもよい。いずれの塗布方法においても液体が保護ガラス105のエッジ部分で界面張力により、その断面形状として一定の接触角θをもっている形状とする。その後、乾燥させ、第2の透明樹脂層106aを形成する。その部分拡大図を図2(e)に示す。
この際、接触角θとしては30度より大きく70度より小さいことが望ましい。30度より小さい場合にはその角度の制御が難しく、後述する透明樹脂原料液体の塗布工程において、液体の広がりを制御することが困難である。70度より大きい場合には、その上の層から発せられた蛍光の集光が十分でなくなり、光電変換素子において効率向上の度合いが小さくなる。
30度より大きく70度より小さい接触角θとするために、第1の透明樹脂モノマー溶液108として粘度が0.1Pa・sec以上、10Pa・sec以下ものを塗布し、液体が保護ガラス105のエッジに到達後、保護ガラス105のエッジ部分を超えて保護ガラス105から漏れ出すより早く硬化する。これによって形成される。粘度が0.1Pa・secよりも小さいと保護ガラス105のエッジ部分で液の端が停止せず、10Pa・secよりも大きいと保護ガラス105の全面に広げることが困難となる。実施の形態1では、屈折率が1.54である公知のシリコーン樹脂のモノマー液体に(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を0.1mol/L溶解させた溶液を保護ガラス105に手作業で塗布し、保護ガラス105の全面に広げた後、5分を越えない時間内に120℃に加熱された恒温槽内に投入し、2時間で硬化させている。
一定の接触角θを有して形成されたエッジ部分以外の箇所における膜厚としては限定するものではないが、例えば0.5μm以上300μm以下とすることができる。0.5μmより薄いと、含有される蛍光体の絶対量が減少し、感度特性の低い光の波長を感度特性の高い光へ変換する十分な効果が得られず、300μmより厚いと樹脂自体の吸光により前記光電変換素子101での変換効率の低下を招く。
乾燥としては、第1の透明樹脂モノマー溶液108を塗布した保護ガラス105を、第1の透明樹脂モノマー溶液108が上方となるように略水平に放置し硬化させる。硬化の際、紫外線硬化の樹脂の際には紫外線を照射するが、熱硬化性樹脂の場合は加熱による硬化など選択した樹脂によって適切な硬化方法で硬化させれば良い。
さらに、上記と同様に、第2の透明樹脂モノマー溶液109を、第2の透明樹脂層106a上に滴下し、同様の処理をする(図2(f)、図2(g)、図2(h))。第2の透明樹脂モノマー溶液109は、第1の透明樹脂モノマー溶液108と同一であっても良いし、異なっていても良いが、実施の形態1では、第1の透明樹脂モノマー溶液108と同様の蛍光体を0.1mol/L含有しており、透明樹脂モノマーとして屈折率1.54の公知のシリコーン樹脂のモノマー液体と屈折率1.41の公知のシリコーン樹脂のモノマー液体を50重量%ずつ混合したものを使用する。これらが共重合した後、屈折率が、1.50となるシリコーン樹脂のモノマー液体を使用している。
同様の方法で、蛍光体含有透明樹脂を積層していくことが可能であり、これらの積層工程を経て、実施の形態1における複数の蛍光体含有透明樹脂が積層されてなる第2の透明樹脂106とすることができる。
実施の形態1では、三層を積層した場合として、さらに、図2(i)、図2(j)、図2(k)を実施した。第3の透明樹脂モノマー溶液110を用い、第2の透明樹脂層106cを形成したものである。
第3の透明樹脂モノマー溶液110は、前記第1の透明樹脂モノマー溶液108と同一であっても良いし、異なっていても良いが、実施の形態1では、第1の透明樹脂モノマー溶液108と同様の蛍光体を0.1mol/L含有しており、透明樹脂モノマーとして屈折率1.41のシリコーン樹脂のモノマー液体を使用している。
次に、低濃度の蛍光体を含有した透明樹脂を積層してなる第2の透明樹脂106が形成された保護ガラス105(図2(k))と、太陽電池における第1の透明樹脂102a、第1の透明樹脂102bと、公知の方法で電極104が電気的に接合された光電変換素子101と、バックシート103とを、ラミネート処理する(図2(l)、図2(m))。
この結果、蛍光体が析出したり、濃度消光されることなく、第2の透明樹脂106中に配置され、蛍光体から発せられた蛍光がより効率よく光電変換素子に集光され到達する。
また、積層された構造である第2の透明樹脂106中において、屈折率が保護ガラス105から遠ざかる方向に段階的に小さくなっていることで、それぞれの層に配合された蛍光体から発せられた蛍光のうち、光電素子と反対方向に発せられた蛍光がより多く光電変換素子の方向に反射され、従ってさらに発電効率の高い太陽電池モジュールとすることができる(図2(m))。
(実施の形態2)
図3(a)は、本発明の実施の形態2に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。図3(b)は、その部分拡大断面図である。実施の形態1と異なる点は、第2の透明樹脂106が積層される際、保護ガラス105の一つ上の層が、その上の層によって密封されているという点である。その他は第1の実施の形態と同様である。
このような構成とすることにより、保護ガラス105の最近接層に含有された蛍光体から発せられた蛍光のうち、層の端面から漏れ出す光量が小さくなり、結果としてより効率よく光電素子に向かう光量が増大し、光電素子の光電変換効率を高めることができる。
実施の形態2の太陽電池モジュールでは、少なくとも光電変換素子101と、光電変換素子を保護する第1の透明樹脂102と、バックシート103と、光電変換素子101同士を接続しかつ外部へ得られた電流を取り出す電極104と、保護ガラス105と、それぞれに蛍光体を含有する積層された透明樹脂からなる第2の透明樹脂106を備えている。
積層されてなる第2の透明樹脂106の中で、保護ガラス105と最近接の第2の透明樹脂層106dは、その直上の第2の透明樹脂層106eと保護ガラス105の表面によって密封されている。第2の透明樹脂層106dは、図3(b)に示したように、保護ガラス105の表面に接する端部で透明樹脂の保護ガラス105との接触角θは30度より大きく70度より小さいことが望ましい。
30度より小さい場合にはその角度の制御が難しく、後述する透明樹脂原料液体の塗布工程において、液体の広がりを制御することが困難である。70度より大きい場合には、その上の層から発せられた蛍光の集光が十分でなくなり、光電変換素子において効率向上の度合いが小さくなる。ここでの接触角θは、保護ガラス105と後述する第2の透明樹脂層106dの原料液体の硬化時における粘度による、曲率をもったエッジ部分の形状によって決まる値であり、後述するように第2の透明樹脂106が保護ガラス105上でその表面張力により広がり切るまえに硬化することによって形成される形状によって決まる。
第2の透明樹脂層106dの樹脂の上に積層される樹脂としては、第2の透明樹脂層106dと同一でも良いし、異なっていても良いが、保護ガラス105から遠ざかるにつれて、各層の屈折率を小さくしていくと、それぞれの層に配合された蛍光体から光電素子と反対方向に発せられた蛍光がより多く光電変換素子の方向に反射され、光電変換効率が向上するという観点からさらに望ましい。尚、図3には第2の透明樹脂106中の蛍光体は図示されていない。
第2の透明樹脂106を構成するそれぞれの樹脂層には、析出や濃度消光が起こらない程度の低濃度の、例えば、実施の形態2においては0.1mol/Lの蛍光体が配合されている。それぞれの層の厚みは同一である必要はなく、均一厚み箇所における厚みが0.5μmより厚く300μmより薄い。0.5μmより薄いと、含有される蛍光体の絶対量が減少し、感度特性の低い光の波長を感度特性の高い光へ変換する十分な効果が得られず、300μmより厚いと、均一な厚みに塗布することが難しい。結果、厚みや表面形状が製品ロットによってばらつくこととなる。安定した製品設計とならず、さらに樹脂自体の吸光により前記光電変換素子101での変換効率の低下を招くこととなる。
さらに、少なくとも前記積層された透明樹脂のなかで少なくとも保護ガラス105と最近接の第2の透明樹脂層106dの断面を観察した際、その端部において一定の接触角θを有して形成された構成とすることにより、各層から発せられた蛍光体から発せられた蛍光は、より効率よく光電素子に向かって集光され、光電素子の光電変換効率を高めることができる。
さらに、実施の形態2では、第2の透明樹脂層106dの端部が上の第2の透明樹脂層106eによって覆われているため、第2の透明樹脂層106dから発せられた蛍光体の層端部からの漏れ出しが小さい。さらに、第2の透明樹脂層106dは凸レンズとして作用し、その上方にある層に含有される蛍光体から発せられた蛍光が、光電素子に向かって集光させる効果がある。このことから、さらに、効率よく光電素子に向かって蛍光が集光されることになり、光電素子の光電変換効率をより高める効果が発現し好ましい。
(製造方法)
実施の形態2の製造プロセスとしては限定するものではないが、例えば、次に説明するような、工法が可能である。図4(a)から図4(m)は本発明の実施の形態2の製造プロセスを表す各工程の断面図である。
例えば、アクリルやシリコーンなどの透明樹脂モノマーに溶解や分散などによって蛍光体を含有させた第1の透明樹脂モノマー溶液108を用意する(図4(a))。本製造工程では蛍光体として(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を、屈折率が1.54である公知のシリコーン樹脂のモノマー液体に0.1mol/L配合している。
次に、第1の透明樹脂モノマー溶液108を保護ガラス105に適量滴下させ(図4(b))、スクリーン印刷やダイコートなど公知の方法で保護ガラス105のエッジに液体の端が到達しないように塗布する(図4(c))。または、作業者の手により、保護ガラス105を適宜傾けながら、液体を保護ガラス105表面に広げてもよい。いずれの塗布方法においても液体が保護ガラス105のエッジ部に到達することなく広がった形状とする。その後、乾燥させ、第二の透明樹脂層106dを形成する(図4(d))。図4(e)にその部分拡大図を示す。
この際、広がった液の端部において接触角θとしては30度より大きく70度より小さいことが望ましい。30度より小さい場合にはその角度の制御が難しく、後述する透明樹脂原料液体の塗布工程において、液体の広がりを制御することが困難である。70度より大きい場合には、その上の層から発せられた蛍光の集光が十分でなくなり、光電変換素子において効率向上の度合いが小さくなる。
30度より大きく70度より小さい接触角θとするために第1の透明樹脂モノマー溶液108として粘度が0.1Pa・sec以上、10Pa・sec以下ものを塗布し、液体が表面張力により広がり切るよりも早く硬化することによって形成される。粘度が0.1Pa・secよりも小さいと保護ガラス105上で第1の透明樹脂モノマー溶液108が素早く広がり、接触角θが30度以上とならず、10Pa・secよりも大きいと保護ガラス105に均一な膜厚で広げることが困難となる。実施の形態2では、屈折率が1.54である公知のシリコーン樹脂のモノマー液体に(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を0.1mol/L溶解させた溶液を保護ガラス105に手作業で塗布後5分を越えない時間内に120℃に加熱された恒温槽内に投入し、2時間で硬化させている。硬化の際、紫外線硬化の樹脂の際には紫外線を照射するが、熱硬化性樹脂の場合は加熱による硬化など選択した樹脂によって適切な硬化方法で硬化させれば良い。
均一厚み箇所における膜厚としては限定するものではないが、例えば0.5μm以上300μm以下とすることができる。0.5μmより薄いと、含有される蛍光体の絶対量が減少し、感度特性の低い光の波長を感度特性の高い光へ変換する十分な効果が得られず、300μmより厚いと樹脂自体の吸光により前記光電変換素子101での変換効率の低下を招く。
以上の工程により、第2の透明樹脂層106dを形成することができる。ただし、実施の形態2では、第2の透明樹脂層106dの端部は保護ガラス105のエッジ箇所には到達していない。
さらに、第2の透明樹脂モノマー溶液109を、第2の透明樹脂層106d上に、実施の形態1の場合と同様に滴下し、硬化させる(図4(f)、図4(g)、図4(h))。第2の透明樹脂モノマー溶液109は、前記第1の第1の透明樹脂モノマー溶液108と同一であっても良いし、異なっていても良い。実施の形態2では、第1の透明樹脂モノマー溶液108と同様の蛍光体を0.1mol/L含有しており、透明樹脂モノマーとして屈折率1.54の公知のシリコーン樹脂のモノマー液体と屈折率1.41の公知のシリコーン樹脂のモノマー液体を50重量%ずつ混合したものを使用した。これらが共重合した後屈折率が1.50となるシリコーン樹脂のモノマー液体を使用している同様の方法で蛍光体含有透明樹脂を積層していくことが可能であり、これらの積層工程を経て、実施の形態2における複数の蛍光体含有透明樹脂が積層されてなる第2の透明樹脂層106e(図4(h))とすることができる。
実施の形態2では、三層を積層した場合として、さらに図4(i)、図4(j)、図4(k)を追記しており、第3の透明樹脂モノマー溶液110、第2の透明樹脂層106fは、それぞれ第3の透明樹脂モノマー溶液110を、滴下し、乾燥した第2の透明樹脂層106fある。第3の透明樹脂モノマー溶液110は第1の透明樹脂モノマー溶液108と同一であっても良いし、異なっていても良いが、実施の形態2では、第1の透明樹脂モノマー溶液108と同様の蛍光体を0.1mol/L含有しており、透明樹脂モノマーとして屈折率1.41の公知のシリコーン樹脂のモノマー液体を使用している。
次に、低濃度の蛍光体を含有した透明樹脂を積層してなる第2の透明樹脂106が塗布された保護ガラス105(図4(k))を、太陽電池における第1の透明樹脂102a、102b、公知の方法で電極104が電気的に接合された光電変換素子101およびバックシート103と共に公知の方法でラミネート処理する(図4(l))。結果、蛍光体が析出したり濃度消光されることなく第2の透明樹脂106中に配置され、蛍光体から発せられた蛍光がより効率よく光電変換素子101に集光され到達する。また、積層された構造である第2の透明樹脂106中において、屈折率が保護ガラス105から遠ざかる方向に段階的に小さくなっている。このことで、それぞれの層に配合された蛍光体から発せられた蛍光のうち、光電素子と反対方向に発せられた蛍光がより多く光電変換素子の方向に反射され、従ってさらに発電効率の高い太陽電池モジュールとすることができる(図4(m))。
(実施の形態3)
図5は、実施の形態3に係る太陽電池モジュールの構造を示す断面図である。本発明の実施の形態1と異なる点は、第2の透明樹脂106において蛍光体濃度が小さい層が積層される際、保護ガラス105から見て一番目の第2の透明樹脂層106gは保護ガラス105とその一つ上の第2の透明樹脂層106hにより密封される。つまり、各層はその一つ下の層を完全に密封しているという点である。その他は本発明の実施の形態1と同様である。このような構成とすることによって、各層に含有される蛍光体から発せられた蛍光は、一つ下の層の凸状表面による集光効果によって、より効率よく光電素子へと向かうことにより、さらに光電変換効率の高い太陽電池モジュールとすることができる。
実施の形態3の太陽電池モジュールでは、少なくとも光電変換素子101と、光電変換素子101を保護する第1の透明樹脂102と、バックシート103と、光電変換素子101同士を接続しかつ外部へ得られた電流を取り出す電極104と、保護ガラス105と、それぞれに蛍光体を含有する積層された透明樹脂からなる第2の透明樹脂106を備えている。
図5では、第2の透明樹脂106中において積層された層は3層としているが、4層以上であっても同様であり、一番目の層と最上層以外は一つ下の層と一つ上の層および保護ガラス105の表面によって密封されている。各層の断面を見たときに、図5に示したように第2の透明樹脂106を構成する、積層されたそれぞれの透明樹脂の端部において保護ガラス105との接触角θは30度より大きく70度より小さいことが望ましい。
30度より小さい場合にはその角度の制御が難しく、後述する透明樹脂原料液体の塗布工程において、液体の広がりを制御することが困難である。70度より大きい場合には、各層中の蛍光体から発せられた蛍光の、より下層の透明樹脂層による集光が十分でなくなり、光電変換素子において効率向上の度合いが小さくなる。ここでの接触角θは、保護ガラス105と後述する第2の透明樹脂層106gの原料液体の硬化時における粘度による、曲率をもったエッジ部分の形状によって決まる値であり、後述するように第2の透明樹脂106が保護ガラス105上で、その界面張力により広がり切るまえに硬化することによって形成された形状によって決まる。実施の形態3では、第1の透明樹脂モノマー溶液108を保護ガラス105に手作業で塗布後5分を越えない時間内に120℃に加熱された恒温槽内に投入し、2時間で硬化させている。
第2の透明樹脂層106gの上に積層される樹脂としては、前記最近接層樹脂と同一でも良いし、異なっていても良いが、保護ガラス105から遠ざかるにつれて、各層の屈折率を小さくしていくと、それぞれの層に配合された蛍光体から光電素子と反対方向に発せられた蛍光がより多く光電変換素子の方向に反射され、光電変換効率が向上するという観点からさらに望ましい。尚、図1には第2の透明樹脂106中の蛍光体は図示されていない。
第2の透明樹脂106を構成するそれぞれの樹脂層には、析出や濃度消光が起こらない程度の低濃度の蛍光体が配合されており、それぞれの層の厚みは同一である必要はなく、最も薄い箇所において0.5μmより厚く100μmより薄い。0.5μmより薄いと、含有される蛍光体の絶対量が減少し、感度特性の低い光の波長を感度特性の高い光へ変換する十分な効果が得られず、100μmより厚いと、均一な厚みに塗布することが難しく厚みや表面形状が製品ロットによってばらつくこととなり、安定した製品設計とならず、さらに樹脂自体の吸光により前記光電変換素子101での変換効率の低下を招くこととなる。
(製造方法)
実施の形態3の製造プロセスとしては限定するものではないが例えば次に説明するような、工法が可能である。図6(a)から図6(m)は本発明の実施の形態3の製造プロセスを表す各工程の断面図である。
例えば、アクリルやシリコーンなどの透明樹脂モノマーに溶解や分散などによって蛍光体を含有させた第1の透明樹脂モノマー溶液108を用意する(図6(a))。本製造工程では蛍光体として(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を屈折率が1.54である公知のシリコーン樹脂のモノマー液体に0.1mol/L配合している。
次に、第1の透明樹脂モノマー溶液108を保護ガラス105に適量滴下させ(図6(b))、スクリーン印刷やダイコートなど公知の方法で塗布する(図6(c))。または、作業者の手により、保護ガラス105を適宜傾けながら、第1の透明樹脂モノマー溶液108を保護ガラス105の表面において広げてもよい。いずれの塗布方法においても液体が保護ガラス105のエッジ部に到達することなく界面張力により、その端部の断面形状として一定の接触角θを有した形状とする。その後、乾燥させ、第二の透明樹脂層106gを形成した(図6(d))。図6(e)は、その部分拡大図である。
この際、接触角θとしては30度より大きく70度より小さいことが望ましい。30度より大きく70度より小さい接触角θとするために第1の透明樹脂モノマー溶液108として粘度が0.1Pa・sec以上、10Pa・sec以下ものを塗布し、液体が界面張力により広がり切るよりも早く硬化することによって形成される。粘度が0.1Pa・secよりも小さいと保護ガラス105上で第1の透明樹脂モノマー溶液108が素早く広がり、接触角θが30度以上とならず、10Pa・secよりも大きいと保護ガラス105に均一な膜厚で広げることが困難となる。実施の形態3では、屈折率が1.54である公知のシリコーン樹脂のモノマー液体に(1,10−Phenanthroline)tris[4,4,4−trifluoro−1−(2−thienyl)−1,3−butanedionato]europium(III)を0.1mol/L溶解させた溶液を保護ガラス105に手作業で塗布後5分を越えない時間内に120℃に加熱された恒温槽内に投入し、2時間で硬化させている。
膜厚が最小となる箇所における膜厚としては限定するものではないが、例えば0.5μm以上100μm以下とすることができる。0.5μmより薄いと、含有される蛍光体の絶対量が減少し、感度特性の低い光の波長を感度特性の高い光へ変換する十分な効果が得られず、100μmより厚いと樹脂自体の吸光により前記光電変換素子101での変換効率の低下を招く。
乾燥は、第1の透明樹脂モノマー溶液108を塗布した保護ガラス105を、第1の透明樹脂モノマー溶液108が上方となるように略水平に放置し硬化させる。硬化の際、紫外線硬化の樹脂の際には紫外線を照射するが、熱硬化性樹脂の場合は加熱による硬化など選択した樹脂によって適切な硬化方法で硬化させれば良い。以上の工程により、前記第2の透明樹脂106を構成する第2の透明樹脂層106gを形成することができる。ただし、実施の形態3では、第2の透明樹脂層106gの端部は保護ガラス105のエッジ箇所には到達していない。
さらに、第2の透明樹脂モノマー溶液109を、第2の透明樹脂層106g上に滴下し、第2の透明樹脂層106gの場合と同様に硬化させる(図6(f)、図6(g)、図6(h))。第2の透明樹脂モノマー溶液109は第1の透明樹脂モノマー溶液108と同一であっても良いし、異なっていても良いが、実施の形態3では、第1の透明樹脂モノマー溶液108と同様の蛍光体を0.1mol/L含有しており、透明樹脂モノマーとして屈折率1.54の公知のシリコーン樹脂のモノマー液体と屈折率1.41の公知のシリコーン樹脂のモノマー液体を50重量%ずつ混合したものを使用しこれらが共重合した後屈折率が1.50となるシリコーン樹脂のモノマー液体を使用している。同様の方法で蛍光体含有透明樹脂を積層していくことが可能であり、これらの積層工程を経て、実施の形態3における複数の蛍光体含有透明樹脂が積層されてなる第2の透明樹脂106とすることができる。
図6では、三層を積層した場合として、さらに図6(i)、図6(j)、図6(k)を追記している。第3の透明樹脂モノマー溶液110は、前記第1の透明樹脂モノマー溶液108と同一であっても良いし、異なっていても良いが、実施の形態3では、第1の透明樹脂モノマー溶液108と同様の蛍光体を0.1mol/L含有しており、透明樹脂モノマーとして屈折率1.41の公知のシリコーン樹脂のモノマー液体を使用している。
次に、上記図6(k)の保護ガラス105を、太陽電池における第1の透明樹脂102a、102b、公知の方法で電極104が電気的に接合された光電変換素子101およびバックシート103と共に公知の方法でラミネート処理することにより(図6(l))、蛍光体から発せられた蛍光がより効率よく光電変換素子に集光され到達する、発電効率の高い太陽電池モジュールとすることができる(図6(m))。
なお、上記実施の形態1から3は、組み合わせることができる。
以上説明したように、本発明の太陽電池モジュールは、蛍光体を低濃度含有された透明樹脂層が積層されてなる透明樹脂が配置されており、蛍光体により波長変換された感度特性の高い波長の光をより効率よく光電変換素子に導くことで、太陽電池モジュールの光電変換効率を向上させることができ、産業上の利用可能性は高い。
101 光電変換素子
102 第1の透明樹脂
102a 第1の透明樹脂
102b 第1の透明樹脂
103 バックシート
104 電極
105 保護ガラス
106 第2の透明樹脂
106a〜106i 第2の透明樹脂層
108 第1の透明樹脂モノマー溶液
109 第2の透明樹脂モノマー溶液
110 第3の透明樹脂モノマー溶液

Claims (7)

  1. 光電変換素子と、
    前記光電変換素子と電気的に接続された電極と、
    前記光電変換素子を含む第1の透明樹脂と、
    前記第1の透明樹脂の裏面に位置するバックシートと、
    前記第1の透明樹脂の表面に位置する保護ガラスと、
    前記第1の透明樹脂が位置する面と異なる、前記保護ガラスの面に密着して形成され、蛍光体を有する第2の透明樹脂と、を備えた太陽電池モジュールであって、
    前記第2の透明樹脂が、複数の透明樹脂層の積層により形成されており、
    前記複数の透明樹脂層中で、前記保護ガラスと最も近接した層の端面と前記保護ガラスの面とがなす角度が、30度より大きく70度より小さいことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記複数の透明樹脂層中で、前記保護ガラスと最も近接した層が、前記保護ガラス表面と直上の前記透明樹脂層とで密封されている請求項1記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記第2の透明樹脂を構成する積層されたそれぞれの層が、前記保護ガラスから最も離れた最上層を除き、一つ上の層によって密封されている請求項1記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記複数の透明樹脂層中で、それぞれの層の屈折率が、光の入射方向に向かって段階的に低くなっている請求項1から3記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記蛍光体が無機系蛍光体、有機系蛍光体、錯体蛍光体のいずれか、もしくは、これらを複数組み合わせている請求項1から4記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記有機系蛍光体が、aを分子中における二重結合数、bを分子中における環の数、cを分子中における三重結合の数として、CnH2n+2−2a−2b−4cの一般式で表した炭化水素である場合、nが5より大きく40より小さい請求項5記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記炭化水素において、少なくとも1個以上の炭素原子が酸素原子、または窒素原子、またはリン原子、または硫黄原子のいずれかに置き換わり、それに応じて水素の数も変化した請求項6記載の太陽電池モジュール。
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KR101792323B1 (ko) 2015-02-17 2017-10-31 주식회사 엘지화학 광학시트

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