JP2014219113A - 燃焼炉内の温度計測システムおよび燃焼炉の燃焼制御システム - Google Patents

燃焼炉内の温度計測システムおよび燃焼炉の燃焼制御システム Download PDF

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吉司 松田
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Abstract

【課題】 非接触で、時間応答性が速く、しかも燃焼炉内のガス温度分布を正確に測定することができる温度計測システムおよび現実の燃焼炉の運転状態を理想の運転状態に近づけることができる燃焼炉の燃焼制御システム。【解決手段】 燃焼炉10内の同一平面20状に、相互に交点を有する複数の方向の光路が形成されるように設けられた複数の光ファイバ30と、該光ファイバ30によって取り出された光から複数の波長域の光の強度を測定する光測定手段40と、を有し、該光測定手段40によって得られた複数の波長域の光の強度を基に、燃焼炉10内の温度分布を演算する。【選択図】 図1

Description

本発明は燃焼炉内の温度計測システムおよび燃焼炉の燃焼制御システムに関し、特に、ごみ焼却炉などの燃焼管理に好適な技術に関する。
近年、ごみ処理施設においては、排ガス中の窒素酸化物(NOx)濃度の低減やダイオキシン類の発生防止を図って環境汚染を防止するとともに、熱回収の高効率化および排ガス処理設備の小型化等を可能とした次世代型燃焼方式が多く提案されている。この次世代型燃焼方式においては、安定した燃焼制御が要求され、具体的には(i)燃焼熱量の安定化、(ii)目標とする空気比での安定燃焼、(iii)ダイオキシンや一酸化炭素(CO)の発生抑制およびNOxの変動抑制などが要求されることになる。
そのためには、燃焼炉内のガス温度分布の把握は重要な意味があり、従来は、接触式の熱電対が用いられてきた一方、こうした接触式では、使用環境下での耐久性、時間応答性や取付位置と長さによる定点測定しかできないことから、非接触で時間応答性の速い温度計測方法が求められ、こうした測定方法を用いた燃焼制御装置が提案されてきた。
例えば、図7に例示するような燃焼制御装置を挙げることができる。一次燃焼部111の代表温度であるごみ表面温度と二次燃焼部112の代表温度である炉内温度を精度良く計測して燃焼制御を行うことで燃焼制御の信頼性を高め、ダイオキシン類等の有害ガスを低減させることができる。具体的には、ごみ焼却炉100における一次燃焼部111のごみ表面温度を、赤外線を介して測定するごみ表面温度測定器220と、炉内温度を測定する炉内温度センサ210と、ごみ表面温度および炉内温度に基づいて、燃焼制御を行う制御装置300とを備えている(例えば特許文献1参照)。
また、水平ストーカ式ごみ焼却炉とその計装系において、図8に示すようなストーカ温度制御装置を挙げることができる。各ストーカ温度、現在の各ごみ層厚さ指標や炉内画像を画像処理して得られる燃え切り点位置のような情報に基づいてあらかじめ作成された知識ベースから求めることで、ストーカの温度を望ましい範囲内に制御する。具体的には、焼却すべきごみ611はホッパ612に供給され、ホッパ612の底部に設けられたフィーダ613の周期的なオン/オフ動作により、焼却炉の炉内614に供給される。炉内614の底部には炉内614に供給されたごみ611を載置し、炉内614の出口615、すなわち焼却灰の出口に向かってごみを移動させるストーカ616が設けられている。ストーカ616は、ここでは4つのゾーン616−1〜616−4に分割され、各ゾーン毎にストーカ616の速度、すなわちごみの移送速度を操作できる構成になっている。ストーカ616には各ゾーン毎にそれぞれ、ストーカの温度を測定するための温度測定装置631−1〜631−4が設けられている。ここでは、各ゾーンを代表する位置のストーカに直接熱電対が埋め込まれて温度測定が行われる(例えば特許文献2参照)。ここで、618−1〜618−4はダクト、619−1〜619−4はダンパ、623は二次燃焼空気供給口を示す。
特開2003−106509号公報 特許3763963号公報
しかしながら、上記従来技術には、次のような課題がある。
(i)接触式の熱電対の場合、高温で水分量も多く、腐蝕性ガスが共存する等、厳しい使用環境下での耐久性が求められることが多く、従前こうした要請に対応するには、比較的短期間での定期的な部品等の交換が必要であった。具体的には、1〜2ケ月程度での定期交換を実施されることが多くあった。
(ii)また、接触式については、そのポイントでの測定は正確に行うことができるが、上記のように応答性に劣ることから、制御を目的とする場合には時間遅れTd及び応答時間(例えば90%応答T90)の補正等を必要とする。例えば、時間遅れTdが約7分程度となることがあり、昨今要求される高速制御には適さない。
(iii)一方、一般的な非接触式の温度測定装置として多用されている赤外線放射温度計を用いた場合、炉壁からの輻射の影響を受け、燃焼炉内のガス温度そのものの測定が困難となること、あるいは測定精度が悪くなるために正確な燃焼制御ができないという課題があった。こうした現状から、実用可能な非接触式の燃焼炉内の温度分布の測定方法に対する強い要請があった。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題点に鑑みて、非接触で、時間応答性が速く、しかも燃焼炉内のガス温度分布を正確に測定することができる温度計測システムおよび炉内燃焼状況を最適な燃焼状態(理想の燃焼状態)に近づけるように、ごみ送りや燃焼空気量などを制御し、現実の燃焼炉の運転状態を理想の運転状態に近づけることができる燃焼炉の燃焼制御システムを提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す燃焼炉内の温度計測システムおよび燃焼炉の燃焼制御システムにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明に係る燃焼炉内の温度計測システムは、燃焼炉内の同一平面状に、相互に交点を有する複数の方向の光路が形成されるように設けられた複数の光ファイバと、該光ファイバによって取り出された光から複数の波長域の光の強度を測定する光測定手段と、を有し、該光測定手段によって得られた複数の波長域の光の強度を基に、前記燃焼炉内の温度分布を演算することを特徴とする。
こうした構成によって、燃焼炉内において直接燃焼ガスと接触することなく、時間応答性が速く、しかも温度分布を正確に測定することが可能となった。つまり、1つの光ファイバは1つの光路に対応するとともに、複数の光ファイバによって、同一平面状の複数の光路が相互に交点を有するように複数の方向の光路が形成され、燃焼炉内の放射温度を2次元情報として取り出すことができる。また、耐熱性が高く光路中のロスの殆どない光ファイバを用いることによって、より精度のよい温度情報を時間遅れなく取り出すことができる。さらに、予め設定温度と所定波長域の放射光量の相関を求めておき、異なる波長域の放射光量を演算することによって、燃焼炉内のダストや飛沫等による減光や散乱あるいは光ファイバから光測定手段までの光学系の温度影響等の外乱影響を補正することができる。こうした優れた機能を有する温度計測システムによって、従前困難であった燃焼炉内の温度分布を正確かつ迅速に測定することが可能となった。
本発明は、上記燃焼炉内の温度計測システムであって、前記光測定手段において、前記光ファイバによって取り出された光から分光器あるいは光学フィルタを用いて複数の波長域の光が取り出され、該複数の波長域の光のうちの可視領域の2つの単色光から得られた色温度を基に、前記燃焼炉内の温度分布を演算することを特徴とする。
上記のように、非接触式による燃焼炉内の温度測定において、赤外線放射温度計を用いた場合には、炉壁からの輻射による影響が無視できない場合がある。また、検証過程において、光ファイバを用いて放射光を取り出す場合に、赤外領域の光に対して端面での反射や屈折等による減光や散乱等の影響を受けることがある。いずれも、可視領域においてはこうした影響が少ないことが判った。さらに、燃焼炉内に存在するダスト等は温度測定に影響を及ぼすことがある。本発明は、非接触式の放射温度計において、温度計測に用いる光の波長域を、可視領域に特定することによって、こうした影響を低減・排除するとともに、可視領域の2つの単色光、例えば赤色(R)と緑色(G)を用い、その光の強度の差分あるいは強度比を演算することによって、ダスト等による外乱影響の少ない温度情報を得ることを可能とした。なお、ここでいう「単色光」とは、特定の波長に限定されず、後述するように所定の領域を有する光をいう。
本発明は、上記燃焼炉内の温度計測システムであって、前記光ファイバが配設された平面状の形態が、複数段積層状に設けられ、前記燃焼炉内の3次元の温度分布が演算されることを特徴とする。
上記のように、本発明に係る温度計測システムによれば、平面状に配設された複数の光ファイバによって燃焼炉内の放射温度を2次元情報として取り出すことができる。一方、例えば助燃空気や燃料を2段階に供給する2次燃焼式等のように、3次元の温度分布を把握することが好ましい場合がある。こうした場合、燃焼炉内の温度分布を代表する平面状の2次元情報を基に、その時間変化を追跡することによって、3次元の温度分布を所定の精度で推算する方法を用いることが可能であるが、より精度の高い燃焼炉内の燃焼制御システムにおいては、直接3次元情報を取り出し正確な温度分布を算出することが必要となる。本発明は、2次元情報を形成する平面状の複数の光ファイバを、さらに多段の積層状に形成させることによって、精度の高い3次元の温度分布情報を得ることができるとともに、こうした3次元情報を用いることによって、後述する複数の指標を基に、より効率的かつ迅速な燃焼制御を実現することが可能となった。
本発明に係る燃焼炉の燃焼制御システムは、上記いずれかの温度計測システムから取得された燃焼炉内の温度分布に基づいて、少なくとも燃焼炉に投入される燃焼対象物の量、燃焼対象物の質、燃焼空気の量、燃焼空気の温度、あるいはストーカ速度のいずれかを制御対象として、燃焼制御されることを特徴とする。
燃焼炉内の燃焼状態は、燃焼対象物の量と質あるいは炉内の堆積量、燃焼空気の供給量や供給位置、燃焼空気の温度、あるいはストーカ速度を主たる変動要素として変化する。炉内の温度分布も、その変化に応じて変動し、特定の変動要素の変化に応じた温度分布の変動を、所定の精度でシミュレートすることが可能である。つまり、燃焼炉内の温度分布に基づいて、こうした変動要素を制御対象として燃焼制御することによって、より精度の高い燃焼炉内の燃焼管理を行うことが可能となる。
本発明は、上記燃焼炉の燃焼制御システムであって、前記燃焼炉内の温度分布に加え、少なくとも燃焼炉内のガス濃度、ガス流れ方向、ガス流速、あるいは蒸発量のいずれかを制御指標として、燃焼制御されることを特徴とする。
上記の変動要素の変化に伴う燃焼炉内の燃焼状態の変化は、燃焼炉内の温度分布(主としてガスの温度分布)だけではなく、燃焼炉内のガス濃度,ガス流れ方向,ガス流速あるいは蒸発量等も変動する。こうした変動に伴い最適な燃焼状態から乖離した場合は、燃焼効率の低下を招来するとともに、燃焼炉内での未燃成分の発生や、局部的な過熱等に伴うNOxやダイオキシン等の発生等を招来する。本発明は、燃焼炉内の温度に加え、少なくともガス濃度、ガス流れ方向、ガス流速、蒸発量のいずれかを制御指標として、燃焼制御を行うことによって、こうした状態の発生を未然に防止することができる。
本発明に係る燃焼炉内の温度計測システムの第1構成例を示す概略図 本発明に係る燃焼炉内の温度計測システムを示す概略ブロック図 本発明に係る燃焼炉内の温度計測システムの第1構成例を示す概略図 本発明に係る燃焼炉内の温度計測システムによって測定された温度分布を例示すする概略図 本発明に係る燃焼炉内の温度計測システムの第2構成例を示す概略図 本発明に係る燃焼炉の燃焼制御システムの構成例を示す概略図 従来技術に係る燃焼制御装置の構成例を示す概略図 従来技術に係るストーカ温度制御装置の構成例を示す概略図
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ここでは、本発明に係る燃焼炉内の温度計測システムおよび燃焼炉の燃焼制御システムを、ストーカ式ごみ焼却炉(燃焼炉に相当し、以下「焼却炉」ということがある)に適用した場合について説明する。
<本発明に係る燃焼炉内の温度計測システム>
本発明に係る燃焼炉内の温度計測システム(以下「本計測システム」という)は、燃焼炉内の同一平面状に、相互に交点を有する複数の方向の光路が形成されるように設けられた複数の光ファイバと、該光ファイバによって取り出された光から複数の波長域の光の強度を測定する光測定手段と、を有する。該光測定手段によって得られた複数の波長域の光の強度を基に、燃焼炉内の温度分布を演算することによって、非接触で、時間応答性が速く、しかも燃焼炉内のガス温度分布を正確に測定することができる。ここでは、燃焼炉として、ストーカ式ごみ焼却炉に対して適用された場合を例示する。
図1は、ごみ焼却炉(燃焼炉)10に適用された本計測システムの概略全体構成例を示す(第1構成例)。燃焼炉10内に同一平面20状に、相互に交点を有する複数の方向の光路が形成されるように設けられた複数の光ファイバ30、光ファイバ30によって取り出された光の強度を測定する光測定手段40、燃焼炉10内の温度分布が演算され、燃焼炉10の燃焼制御を担う制御装置50が設けられる。
燃焼炉10は、処理されるごみ(燃焼対象物に相当)を貯留するホッパ1とごみを燃焼させるストーカ3が炉本体2に設けられ、ホッパ1のごみは、ごみ供給装置4によってストーカ3に送られる。ストーカ3は、乾燥ストーカ3aと燃焼ストーカ3bと後燃焼ストーカ3cとから構成され、それぞれ別々に往復移動駆動されてごみを送給する。炉本体2には、ストーカ3の上部に設けられた一次燃焼ゾーン2aと、さらにその上部の二次燃焼ゾーン2bと、ストーカ3と一次燃焼ゾーン2aおよび二次燃焼ゾーン2bに燃焼空気を供給する燃焼空気供給装置(図示せず)と、塵灰を排出する塵灰排出部(図示せず)と、排ガスを排出する排ガス排出部(図示せず)が設けられる。
ホッパ1に投入されたごみは、乾燥ストーカ3a・燃焼ストーカ3b・後燃焼ストーカ3cの順に送られながら、一次燃焼ゾーン2aにおいて、一次燃焼空気によって一次燃焼する。乾燥ストーカ3aでは、後段の燃焼ストーカ3b・後燃焼ストーカ3cでの燃焼により生じる高温燃焼ガスによって主としてごみが乾燥し、一部燃焼が始まる。乾燥ストーカ3a上のごみから発生するガスは、水分の蒸発による水蒸気、乾留によって生じる炭化水素ガス、不完全燃焼によって生じるCOや完全燃焼による二酸化炭素(CO)などである。燃焼ストーカ3bでは、一次燃焼空気により、主としてごみが燃焼する。燃焼ストーカ3bに供給される一次燃焼空気はごみの燃焼に必要十分な量であり、燃焼ストーカ3b上のごみから発生するガスは高濃度のNOxを含んでいる。後燃焼ストーカ3cでは、焼却灰中の未燃分の燃え切りを図る。二次燃焼ゾーン2bでは、その下部,中部,上部に二次燃焼空気を供給して、一次燃焼ゾーン2aからの未燃物または不完全燃焼物を完全燃焼させる。燃焼によって発生した塵灰は、灰排出部から排出され、炉内の排ガスは、排ガス排出部から排出される。このとき、排ガス中のCOやNOxおよび酸素(O)などが所定濃度以下となるように管理される。
〔燃焼炉内の温度分布の測定〕
燃焼炉10内の温度は、図2に例示するように、複数の光ファイバ30によって取り出された光が光測定手段40によって測定され、光測定手段40から送信された放射光の強度が制御装置50によって2次元の温度情報として演算され、燃焼炉10内の温度分布が作成される。具体的には、燃焼炉10内の各高温部位から放射光が発せられ、光ファイバ30によって、これらの放射光が取り出され、光ファイバ30を介して光測定手段40に導入される。光測定手段40において、光ファイバ30を介して導入された燃焼炉10内の各部からの放射光が、分光器45あるいは光学フィルタ(図示せず)を用いて複数の波長域の光として取り出され、センサ部46において、該複数の波長域の光のうちの可視領域の2つの単色光から得られた色温度が測定される。測定された色温度情報は、送信部47によって制御装置50に送信される。
放射光の強度と温度の対照は、一般的に知られた既知温度の黒体輻射の関係に基づき行われる。本計測システムにおいては、予めタングステンの設定温度と所定波長域の放射光量の相関を校正表あるいは校正関数として求めておき、測定された特定の複数の波長域の放射光量の比から温度換算される。異なる波長域の放射光量の比を演算することによって燃焼炉10内のダストや飛沫等による減光や散乱あるいは光ファイバ30から光測定手段40までの光学系の温度影響等の外乱影響を補正することができる。
本計測システムにおいては、燃焼炉10に配設された複数の光ファイバ30によって同一平面状に形成された複数の光路から放射光が取り出され、複数の放射光を基に複数の光測定手段40によって測定された2次元の光の強度(色温度)に係る情報が、制御装置50に送信され、制御装置50において、平面状の温度情報として演算され、データ処理されることによって、燃焼炉10内の温度分布を測定することができる。具体的には、図3に例示するように、放射光が取り出される光ファイバ30は、平面20の2つの端面に対し、水平方向にm個のファイバ[31a,31b,・・31m]、垂直方向にn個のファイバ[32a,32b,・・32n]が配設される。それぞれ水平方向の光路[21a,21b,・・21m]および垂直方向の光路[22a,22b,・・22n]が形成され、各光路は、相互に交点[23aa,23ab,・・23am,23ba,23bb,・・23bm,・・23na,23nb,・・23nm]を有する。
例えば、ファイバ31aは、交点[23aa,23ba,・・23na]を含む光路21aからの放射光を受光し、光測定手段41aに伝達する。光測定手段41aにおいて放射光の強度(色温度)が測定される。このとき測定された色温度は、各光路における燃焼炉10内の高温部位からの放射光の平均値を表わす。また、水平方向に配設されたm個のファイバ[31a,31b,・・31m]によって伝達された放射光の強度は、連続性の高い2次元的な温度分布を示し、垂直方向に配設されたn個のファイバ[32a,32b,・・32n]によって伝達された放射光の強度は、連続性の高い垂直方向の温度分布を示す。従って、両方向の(1次元の)放射光の強度を基に、データ処理・演算することによって、燃焼炉10内の2次元的な温度分布を得ることができる。
光測定手段40において、伝達された放射光から分光器45あるいは光学フィルタ(図示せず)を用いて、複数の波長域の光が取り出され、該複数の波長域の光のうちの可視領域の2つの単色光から得られた色温度を基に、炉内の温度分布が演算される。このとき、温度計測に用いる光の波長域を可視領域に特定することによって、炉壁の輻射等の影響を低減・排除することができる。具体的には、可視領域の2つの単色光、例えば赤色(R)と緑色(G)を用い、その光の強度の差分あるいは強度比を演算することによって、外乱の影響の少ない温度情報を得ることができる(以下「2色温度法」という)。なお、ここでいう「単色光」は、例えば緑色(G)を波長546nmに限定するのではなく、一般的な概念として規定される500〜570nmの狭帯域の光をいい、赤色(R)は620〜750nm、青色(B)は450〜500nmの狭帯域の光をいう。
本計測システムにおける2色温度法は、放射光に対して2つの波長域における光の強度を計測し、両者の比率をとって温度を求める。このときの温度測定に影響を与える要素として、上記のような炉壁からの輻射の影響や測定部位(炉内の高温部位)から光測定手段40までの光導入路でのロス(具体的には、光ファイバ30の光導入端での反射や散乱あるいは光ファイバ30導入光路での吸光や散乱等によるロス)が挙げられる。可視領域の2つの単色光から得られた色温度を利用することによって、こうした要素による影響を低減・排除することができる。
つまり、波長λおよびλの単色光を用いた2色温度法において、温度Tの測定部位の放射率をε,ε、測定部位から光測定手段40までの透過率をτ,τとすると、Wienの放射エネルギーの近似式から、2つの波長域の放射エネルギーの比率Rは、下式1となる(cは、放射定数を示す)。
Figure 2014219113
このとき、炉壁を構成する素材を含めた多くの金属やセラミックでは、2つの可視領域での放射率ε、εは、ほぼ等しく、ε/ε=1となる。また、測定部位から光測定手段40までの光導入路の透過率τ,τも、2つの可視領域では、ほぼ等しく、τ/τ=1となる。つまり、使用波長λおよびλが選択・設定された場合には、比率Rは、温度の逆数に比例する。従って、当該比率Rを演算することによって、測定部位の放射率に無関係であり、レンズやガラス、ガス等物体と測定システムとの間に介在するもの透過率にも、影響されることがなく、精度の高い温度計測が可能となる。
本計測システムに使用する2色温度計の構成・構造は、特に限定されるものではない。例えば、2色温度計に導入された放射光を、回折格子等によって2つの波長域λおよびλの光に分波して2つの該波長域に対する選択性の高いセンサで受光する構成を挙げることができる。また、2色温度計に導入された放射光を、ビームスプリッタによって分岐し、2つの波長域λおよびλの選択透過性の高い光学フィルタが設けられた2つのセンサで受光する構成を挙げることができる。あるいは、センサとしてCCD等画像センサが使用され、その出力が制御装置50で2色温度処理され、温度分布が演算される構成を挙げることができる。
また、温度分布の演算には、種々のデータ処理方法や演算方法が適用できるが、本計測システムでは、以下の方法が好ましい。
(i)予め理想(所定)の燃焼条件下での2次元的な温度分布を設定しておき、そのときの水平方向および垂直方向の温度分布と実測の温度分布との差異から、2次元的な温度分布を推算する方法
(ii)予め安定な燃焼条件となる部位を多く含む光路の色温度を基準に、実測の色温度を補正し、2次元的な温度分布を推算する方法
(iii)予め各交点と交点間の光路における色温度の変位を実測し、各光路における温度分布を(複数)標準化し、実測の色温度から各光路の温度分布を補正し、2次元的な温度分布を推算する方法
(iv)有限要素法を用い、平面20を複数に分割した小区分の平均温度を有限要素として設定し、炉内形状および実測の燃焼前の炉内ガス温度と燃焼開始後の排ガス温度(平均温度)を境界条件とする2次元解析を行い、2次元的な温度分布を推算する方法
(v)有限要素法を用い、平面20の各交点を有限要素(実質的に発熱源とみなすことができる)として設定し、実測の燃焼前の炉内ガス温度と燃焼開始後の排ガス温度を境界条件とする2次元解析を行い、2次元的な温度分布を推算する方法
上記、(iv)および(v)有限要素法については、汎用の有限要素解析プログラム(例えばANSYS,MARC等)を用いて2次元(あるいは3次元)解析を行い、2次元(あるいは3次元)の温度分布を推算することができる。
ここで、図3中の水平方向の光路[21a,21b,・・21m]をX軸,垂直方向の光路[22a,22b,・・22n]をY軸として、それぞれの光路によって測定された色温度をZ軸として表示すると、図4に例示するように、X−Z面における2次元の温度分布(図3中の水平方向の平均温度分布),Y−Z面における2次元の温度分布(図3中の垂直方向の平均温度分布),およびこれらを合成した3次元の温度分布(図3中の平面20の温度分布)を得ることができる。
以上のような構成によって、本計測システムは、少なくとも、
(i)燃焼炉内の1つの光路の光が1つの光ファイバの端部に集光されることによって、該光路の放射温度の平均値に相当する温度情報を取り出す機能と、
(ii)同一平面状の複数の光路が相互に交点を有するように複数の方向の光路が形成されることによって、各光ファイバが対応する光路上の複数の交点の積算(平均)された光ファイバごとの温度情報を取り出す機能と、
(iii)上記(ii)の各光ファイバが対応する温度情報を、マトリックス演算処理を行うことによって、各交点の放射温度を演算する機能と、
を備えることができる。
〔本計測システムの他の構成例〕
本計測システムの他の構成例を、図5に示す(第2構成例)。光ファイバが配設された平面状の形態が、複数段積層状に設けられることによって、燃焼炉10内の3次元の温度分布を得ることができる。精度の高い3次元の温度分布を計測することができるとともに、得られた3次元情報を、燃焼炉10の燃焼制御の指標として用いることによって、より効率的かつ迅速な燃焼制御を実現することができる。
具体的には、燃焼炉10内に、同一平面状に複数の光路が形成された複数の平面20a〜20cが形成され、各平面20a〜20cの光路からの放射光が、複数の光ファイバ30a〜30cによって、各平面20a〜20cごとの2次元空間の温度情報として光測定手段40a〜40cに伝達され、各光測定手段40a〜40cにおいて2次元空間の放射光の強度(色温度)が測定される。各光測定手段40a〜40cにおいて測定された色温度に係る情報は、制御装置50に送信され、制御装置50において3次元に集約された温度情報としてデータ処理・演算される。ここで、各平面20a〜20cには、上記図3の構成例のように、それぞれ水平方向の光路[21a,21b,・・21m]および垂直方向の光路[22a,22b,・・22n]が形成され、各光路は、相互に交点[23aa,23ab,・・23am,23ba,23bb,・・23bm,・・23na,23nb,・・23nm]を有する。また、各光ファイバ30a〜30cは、各々2次元空間の温度情報が伝達できるように、上記図3の構成例のような平面方向に配設されたファイバ[31a,31b,・・31m]および垂直方向に配設されたファイバ[32a,32b,・・32n]から構成される。
こうした構成によって、各平面20a〜20cに対応した、複数の上記図4に例示するような3次元の温度分布を得ることができる。従って、こうした3次元の温度分布を合成することによって、3次元空間の3次元の温度分布を得ることができる。
<本発明に係る燃焼炉の燃焼制御システム>
本発明に係る燃焼炉の燃焼制御システム(以下「本燃焼システム」という)は、上記本計測システムから取得された燃焼炉内の温度分布に基づいて、少なくとも燃焼炉に投入されるごみ(燃焼対象物)の量、ごみの質、燃焼空気の量、燃焼空気の温度、あるいはストーカ速度のいずれかが制御対象として、燃焼制御される。本燃焼システムは、処理されるごみおよび助燃用空気を入力とし、発生する熱量、排ガスおよび塵灰を出力とする。燃焼炉内の燃焼状態は、ごみの量と質あるいは炉内の堆積量、燃焼空気の供給量や供給位置、燃焼空気の温度、およびストーカ速度を主たる変動要素として変化する。こうした要素の変動に伴う燃焼状態の変化は、燃焼炉内の温度、ガス濃度、ガス流れ方向、ガス流速、あるいはこれらの燃焼炉10内の分布(以下「炉内分布」ということがある)や蒸発量(以下、これらを「プロセスデータ」ということがある)を指標として制御することが好ましい。特に、燃焼炉10内の温度分布は、上記変動要素のいずれの変動に対しても、その変動に対応した独自の変化を生じることから、本燃焼システムは、これを測定対象とする本計測システムを適用することによって最適な燃焼状態に近づけることができる。
本燃焼システムの具体的な構成は、図6に例示するように、以下の構成要素を備える。
(a)焼却炉10に設けられ、制御操作が行われる各制御対象に係る制御機構OP
(b)プロセスデータが得られる各制御指標に係る測定手段を有する計測手段SE
(c)制御機構OPとの間の制御信号および計測手段SEとの間の出力信号を送受信するとともに、所定の制御を行う制御装置50
(d)制御対象に係る制御量あるいは/および制御指標についてのプロセスデータを解析して、境界条件あるいは炉内分布を作成する燃焼解析装置60
(e)必要に応じて備えられ、制御量あるいは/およびプロセスデータを基に、特定の制御指標についてのシミュレーションを行い、シミュレーションデータを作成するシミュレーション装置70
(f)必要に応じて備えられ、理想状態と実測状態の2つの解析結果データを対比させて表示される燃焼状態比較表示装置80
こうした構成によって、上記本計測システムによって得られた燃焼炉10内の温度分布を含むプロセスデータにより燃焼炉10内の燃焼状態を正確に把握し、それを制御指標として反映させることにより燃焼空気の最適分配等の燃焼制御に適応することができる。具体的には、燃焼熱量の安定化、目標とする空気比での安定燃焼、ダイオキシン、CO、NOxの発生抑制等の最適な燃焼制御を行うことができる。また、シミュレーション解析の検証にも用いることによって、シミュレーション解析内容の精度向上、さらに最適な燃焼炉の形状や燃焼空気の吹込位置等を決定することができる。さらに、既設の施設にも、簡便に、安価で容易に設置できるため、広い範囲に適用することができる。以下、本燃焼システムの構成要素(a)〜(e)について詳述する。
(a)制御機構OP
本燃焼システムの制御機構OPは、以下の機構を有することが好ましい。
(a−1)ごみの投入量を制御操作するごみ供給装置4、
(a−2)ストーカ3の速度を制御操作するストーカ駆動装置、
(a−3)一次,二次燃焼空気供給装置に設けられ、一次,二次燃焼空気の全量を制御操作する送風機と、ストーカ3a〜3cに対応するように各空気量を制御操作する調整弁あるいはノズル、
(a−4)一次,二次燃焼空気の温度を制御操作する一次,二次燃焼空気予熱器
燃焼空気供給位置あるいは供給量は、燃焼炉10内の温度等の分布に大きな影響を与えることから、一次,二次燃焼空気量のバランスおよび一次,二次燃焼空気の調整弁やノズルの配置とそこから供給する空気量のバランスを適切に制御することが必要となる。一次,二次燃焼空気供給装置の配置については、本燃焼システムの設計条件から、理想の燃焼状態を形成できるように設定され、空気量は、実動条件での燃焼状態から制御操作される。
(b)計測手段SE
本燃焼システムは、少なくとも以下の測定手段を備えた計測手段SEを有することが好ましい。
(b−1)燃焼炉10内の温度分布を測定する測定手段として、上記本計測システムのように、燃焼炉10内に同一平面20状に、相互に交点を有する複数の方向の光路が形成されるように設けられた複数の光ファイバ30と、光ファイバ30によって取り出された光の強度を測定する光測定手段40と、から構成される測定手段が設けられる。
(b−2)ホッパ1に投入されるごみの量と質を測定する測定手段として、ごみ投入重量検出センサやレーザ距離計が設けられる。レーザ距離計により、ごみ表面までの距離を測定して、投入されるごみ体積を測定する。ごみ投入重量検出センサは、ごみの重量を測定する。ごみの体積と重量を検出することにより、ごみの比重の変化を所定時間間隔で検出することができる。ごみ比重が分かれば、ある程度ごみ質を予測することができる。
(b−3)焼却炉10内の燃焼状態を検出する測定手段が設けられている。つまり、ガス分布に関するプロセスデータを検出する測定手段として、例えば、NOx濃度計、O濃度計、CO濃度計が二次燃焼ゾーン2b、一次燃焼ゾーン2aの少なくとも一方に設けられている。ここで、NOx濃度計、O濃度計、CO濃度計としては、レーザ発信器(図示せず)が波長をスキャンしながら強さ一定のレーザ光をガスに照射し、レーザ受信器によって残存のレーザ光を測定することにより、ガスの濃度や温度を検出する方式を採用してもよい。また、各ガスの濃度を検出する公知の測定手段を使用してもよい。さらに、ガス流れ方向に関するセンサ部として、例えば、ガス流速計が一次燃焼ゾーン2aに設けられる。燃焼炉10の終端には、燃焼に伴うエネルギー量に相当する蒸発量を測定する測定手段として、ごみから生じる蒸気流量を検出する蒸気流量計が設けられる。他の測定手段としては、発電量検出計などを用いることが可能である。これら測定手段からの各検出信号(検出情報)が、プロセスデータとしてそれぞれ制御装置50に入力される。
(c)制御装置
本燃焼システムにおいて、制御装置50は、上記本計測システムの機能に加え、制御機構OPとの間の制御信号および計測手段SEとの間の出力信号を送受信するとともに、この計測手段SEからのプロセスデータを取得するプロセスデータ取得部50aと、燃焼解析装置60からの解析データに基づいて制御機構OPを制御操作する操作量を算出する操作量算出部50bとを備えることが好ましい。つまり、プロセスデータ取得部50aで取得されたデータは、燃焼解析装置60へ送信される。また、操作量算出部50bには、燃焼解析装置60からの理想の燃焼状態における境界条件あるいは炉内分布と、実動の燃焼状態における境界条件あるいは炉内分布との差異に対応した、操作量が算出されるとともに、制御機構OPが制御操作される。このとき、演算前にプロセスデータに対し次のような所定の処理を行うことが好ましく、こうした処理機能を有することによって、より正確な演算処理を行うことができる。
(c−1)所定時間あるいは所定数のデータの平均処理機能、特に移動平均処理機能
(c−2)いわゆるスパイクノイズを削除するために、所定時間内のデータあるいは所定数のデータから上位値および下位値を削除して平均する機能
(c−3)特定のプロセスデータを基準にし、他のプロセスデータの時間遅れを補正する機能
(d)燃焼解析装置
本燃焼システムは、制御装置50からのプロセスデータを取得するプロセスデータ記憶部60aと、境界条件あるいは炉内分布を作成する境界条件設定部60bと、理想燃焼状態算出部60cと、現実燃焼状態算出部60dとを備えた燃焼解析装置60を有する。境界条件設定部60bは、境界条件あるいは炉内分布を作成するための、制御対象に係る制御量あるいは/および制御指標についてのプロセスデータを解析する演算条件、演算式などが記憶され、本燃焼システムの設置条件や要求仕様あるいは設計条件が入力可能に記憶される。例えば、要求蒸発量や法規制の対象となる排ガス中のCOやNOx等の濃度なども記憶される。理想燃焼状態算出部60cは、本燃焼システムの設計条件等(制御対象に係る制御量あるいは制御指標についてのプロセスデータを含む)から、理想の燃焼状態における境界条件あるいは炉内分布を算出し作成する。このとき、解析手段としては、多変量解析法やARアルゴリズムを用いた自己回帰推定法などを基本とし、本燃焼システムにおける模擬試験あるいは実装試験の結果や従前の炉内燃焼実績などに合致するように、修正された手法を用いることが好ましい。現実燃焼状態算出部60dは、制御対象に係る制御量および制御指標についてのプロセスデータを解析して、実動の燃焼状態における境界条件あるいは炉内分布を算出し作成する。このとき、特定の制御指標についてのシミュレーション解析を行い、後述するシミュレーション装置70において得られたシミュレーションデータから、その境界条件あるいは炉内分布が作成される。また、上記(c)と同様、演算前にプロセスデータに対し所定の処理(c−1)〜(c−3)を行うことが好ましく、理想燃焼状態算出部60cおよび現実燃焼状態算出部60dには、こうした処理機能を有することが好ましい。
(e)シミュレーション装置
シミュレーション装置70は、予め設定した、実動条件における制御量あるいは/およびプロセスデータを基に、特定の制御指標についてのシミュレーションを行い、シミュレーションデータを作成するとともに、得られたシミュレーションデータから、その境界条件あるいは炉内分布を作成する。ごみの質(組成)や含有水分量などが時々刻々変化するごみ焼却炉等においては、ごみの燃焼状態の変化に伴う炉内燃焼状況の変化を局部的な観点ではなく、システム全体としての燃焼状況を把握しながら理想の燃焼状態に近づけるように制御することによって、常に最適な燃焼制御を行うことができ、突発的なCOピークや有害ガスの発生などを未然に防止することが可能となる。具体的には、作成された境界条件あるいは炉内分布を、理想の燃焼状態における境界条件あるいは炉内分布と比較し、その差異に対応した、操作量が算出されるとともに、制御機構OPが制御操作される。このとき、上記(c),(d)と同様、演算前にプロセスデータに対し所定の処理(c−1)〜(c−3)を行うことが好ましく、こうした処理機能を有することが好ましい。
(f)燃焼状態比較表示装置
本燃焼システムにおいて、理想と現実の2つの解析結果データを対比させて表示するために、燃焼状態比較表示装置80を設けることが好ましい。例えば、燃焼炉10内の温度分布を、図4のように、可視化することによって、制御量やプロセスデータを基に燃焼状態の適否を判断するだけではなく、燃焼炉10全体の動きから燃焼状態の適否を判断することができる。起動時あるいは実動運転時に定期的に点検確認作業を行うときに有用である。また、こうした表示から測定手段の配置や本燃焼システムの制御方法全体の見直しを図ることが可能となる。
本発明に係る温度計測システムおよび燃焼制御システムを適用できる燃焼炉としては、焼却炉に限定されるものではなく、電気式灰溶融炉、ガス化溶融炉などであってもよい。その場合、電気式灰溶融炉が取得するプロセスデータとしては、灰供給、スラグ流れ、電極間距離、温度分布、O分布、CO分布、NOx分布、ガス流れ方向、ガス流速などを例示できる。また、ガス化溶融炉が取得するプロセスデータとしては、温度分布、O分布、CO分布、NOx分布、ガス流れ方向、ガス流速などを例示できる。
1 ホッパ
2 炉本体
2a 一次燃焼ゾーン
2b 二次燃焼ゾーン
3 ストーカ
3a 乾燥ストーカ
3b 燃焼ストーカ
3c 後燃焼ストーカ
4 ごみ供給装置
5 ヒータ(加熱手段)
10 ごみ焼却炉(燃焼炉)
20 平面
30 光ファイバ
40 光測定手段
50 制御装置

Claims (5)

  1. 燃焼炉内の同一平面状に、相互に交点を有する複数の方向の光路が形成されるように設けられた複数の光ファイバと、該光ファイバによって取り出された光から複数の波長域の光の強度を測定する光測定手段と、を有し、該光測定手段によって得られた複数の波長域の光の強度を基に、前記燃焼炉内の温度分布を演算することを特徴とする燃焼炉内の温度計測システム。
  2. 前記光測定手段において、前記光ファイバによって取り出された光から分光器あるいは光学フィルタを用いて複数の波長域の光が取り出され、該複数の波長域の光のうちの可視領域の2つの単色光から得られた2つの色温度を基に、前記燃焼炉内の温度分布を演算することを特徴とする請求項1記載の燃焼炉内の温度計測システム。
  3. 前記光ファイバが配設された平面状の形態が、複数段積層状に設けられ、前記燃焼炉内の3次元の温度分布が演算されることを特徴とする請求項1または2記載の燃焼炉内の温度計測システム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の温度計測システムから取得された燃焼炉内の温度分布に基づいて、少なくとも燃焼炉に投入される燃焼対象物の量、燃焼対象物の質、燃焼空気の量、燃焼空気の温度、あるいはストーカ速度のいずれかを制御対象として、燃焼制御されることを特徴とする燃焼炉の燃焼制御システム。
  5. 前記燃焼炉内の温度分布に加え、少なくとも燃焼炉内のガス濃度、ガス流れ方向、ガス流速、あるいは蒸発量のいずれかを制御指標として、燃焼制御されることを特徴とする請求項4記載の燃焼炉の燃焼制御システム。
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