JP2014218608A - セラミックコーティング剤組成物およびその塗装品 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のシリコーン系樹脂のもつ耐熱性、防汚性および強度が損なわれず、金属基材の表面に厚膜塗装が可能であるセラミックコーティング剤組成物と、このセラミックコーティング剤組成物が金属基材に塗布されて防汚塗膜が形成された塗装品を提供すること。【解決手段】オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)、金属酸化物微粒子(B)、鱗片状ガラス(C)、および無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)を含有する。【選択図】なし

Description

本発明は、セラミックコーティング剤組成物およびその塗装品に関する。
エアコン、冷蔵庫、IH調理器等の家電製品の筺体や、ノートPC、デジタルカメラ、携帯電話等の電子機器の筺体、また、自動車、航空機、バイク等の筐体および部品、さらに金属サイディングやカーテンウォール等の建材等に用いられる金属基材は、使用時に高温や紫外線、埃等にさらされる。このような様々な過酷な環境から金属基材を保護するために、金属基材の表面にコーティング塗膜を設けることで耐久性を向上させている。
従来、コーティング塗膜には、金属基材の熱による膨張収縮に追従することができ、下地の欠陥や色ムラを隠蔽できるだけの厚膜塗装が可能な、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を主成分とする有機塗料が一般的に適用されていた(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、特許文献1に記載された有機塗料の塗膜は、強度に乏しく、耐熱性、耐候性などの性能も十分ではないため、被塗装品が日光や高温熱源にさらされることで、変色や光沢低下が発生するという問題があった。この問題に対応するため、有機無機複合材料を塗料として用いた例もあるが、特許文献2に記載された有機無機複合材料からなる塗膜の鉛筆硬度は、3〜4H程度であり、必ずしも十分な耐久性を確保できているとは言い難い。
一方、無機塗料による塗膜は、耐候性、耐熱性、耐磨耗性に優れ、ガラス、タイル、窯業系外装材等の建材、厨房機器や冷暖房機器、車載部品、プラスチック成型品、ディスプレイ、タッチパネル等に用いられるフィルム材等に幅広く使用されている。しかし、無機塗料による塗膜は、硬化反応により著しく収縮するため、クラックや剥離が起こりやすく、数μm以上の膜厚を要する用途においては適用することが困難であった。
これらの問題を解決するために、シラン化合物に小板状の硬質材料フィラーを含有するコーティング組成物を用いて、金属支持体の表面に超硬複合体層を形成することが提案されている(特許文献3)。特許文献3に記載されたコーティング組成物は、硬質材料フィラーを含有するため、乾燥中および高密度化中のクラック発生が抑制され、極めて高い耐引っ掻き性および耐摩耗性を備えた超硬複合体層が形成される。
特開2004−73936号公報 特開2004−168979号公報 特表2010−532722号公報
しかしながら、特許文献3に記載されたコーティング組成物については、乾燥中および高密度化中にクラック発生を起こすことはないものの、完全硬化した超硬複合体層を加熱した際のクラック発生が抑制されるかについては不明である。また、特許文献3に記載されたコーティング組成物については、指紋、水、油、油脂、界面活性剤および塵埃による汚れをつけない効果を有することが開示されているものの、一般的な記載に留まっており、実用レベルの防汚性を備えているかについての検討が十分になされているとは言い切れない。
本発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来のシリコーン系樹脂のもつ耐熱性、防汚性および強度が損なわれず、金属基材の表面に厚膜塗装が可能であるセラミックコーティング剤組成物と、このセラミックコーティング剤組成物が金属基材に塗布されて防汚塗膜が形成された塗装品を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明のセラミックコーティング剤組成物は、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)、金属酸化物微粒子(B)、鱗片状ガラス(C)、および無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)を含有することを特徴としている。
このセラミックコーティング剤組成物は、オルガノアルコキシシランの構造式が下記式(1)で表わされるものであることが好ましい。
Si(OR’)4−n (1)
(式中、nは0〜3のいずれかの整数を表す。また、RおよびR’は、炭素数1〜8の有機基である)
また、このセラミックコーティング剤組成物は、鱗片状ガラス(C)の幅方向の平均粒径が5〜500μmの範囲内であり、幅方向と厚み方向のアスペクト比が5:1〜200:1の範囲内であることが好ましい。
また、このセラミックコーティング剤組成物は、無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)の配合量が、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)と金属酸化物微粒子(B)とを反応させたゾルゲル反応組成物100質量部(固形分換算)に対して、0.1〜20質量部の範囲内であることが好ましい。
また、本発明の塗装品は、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)、金属酸化物微粒子(B)、鱗片状ガラス(C)、および無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)を含有するセラミックコーティング剤組成物が金属基材に塗布されて防汚塗膜が形成されることを特徴としている。
本発明のセラミックコーティング剤組成物によれば、従来のシリコーン系樹脂のもつ耐熱性、防汚性および強度が損なわれず、金属基材の表面に厚膜塗装が可能である。
また、本発明の塗装品によれば、従来のシリコーン系樹脂のもつ耐熱性、防汚性および強度が損なわれず、金属基材の表面に厚膜塗装が可能であるセラミックコーティング剤組成物が金属基材に塗布されて防汚塗膜が形成された塗装品が実現される。
以下に、本発明のセラミックコーティング剤組成物およびその塗装品について詳細に説明する。
本発明のセラミックコーティング剤組成物は、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)、金属酸化物微粒子(B)、鱗片状ガラス(C)、および無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)を含有することを特徴とする。
オルガノアルコキシシランは、下記式(1)で表わされるものである。
Si(OR’)4−n (1)
上記式(1)中、nは0〜3のいずれかの整数を表す。また、RおよびR’は、炭素数1〜8の有機基が好適であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基等が例示される。炭素数が3以上の有機基としては、例えば、n−プロピル基、n−ブチル基等のように直鎖状のものや、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基等のように分岐を有するものや、シクロアルカンのような環構造のものが例示される。
このようなオルガノアルコキシシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジ−n−プロピルジメトキシシラン、ジ−n−プロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリエトキシシラン等が例示される。これらは、単体または2種類以上を混合して用いることができる。
また、本発明では、前記オルガノアルコキシシランの部分加水分解物を用いることもできる。
金属酸化物微粒子(B)は、粒子径1〜1000nm程度の金属酸化物を溶媒中に分散させたコロイド溶液であり、水分散性あるいはアルコール等の親水性の有機溶媒分散性のものを使用することができる。水分散性金属酸化物微粒子には、酸性分散体と塩基性分散体があるが、塩基性分散体を用いた場合、塗料の安定性が低下する可能性があるため、酸性分散体を用いることが好ましい。
一般に、このような金属酸化物微粒子(B)は、金属酸化物を5〜50質量%含有しており、この値から金属酸化物微粒子(B)の配合量を決定することができる。この金属酸化物微粒子(B)の配合量は、特に限定されるものではないが、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)100質量部に対して、金属酸化物微粒子(B)が10〜80質量部(固形分換算)の範囲内であることが好ましい。
金属酸化物微粒子(B)の配合量が、上記範囲内であれば、金属酸化物が均一に分散するためゲル化等を起こすことがなく、塗膜の耐磨耗性および密着性が良好となる。
金属酸化物微粒子(B)としては、例えば、ナノユースZR−30AH、ZR−30BF、ZR−30AL、ZR−20AS、コロイダルアルミナ100、200、300、OZ−S30m、ライトスターLA−S23A、LA−S233A、LA−OS253M、スノーテックス-OXS,スノーテックス-OS,スノーテックス-O,スノーテックス-O40,スノーテックス-OL,スノーテックス-OUP,メタノールシリカゾル,IPA-ST,IPA-ST-UP,IPA-ST-ZL,EG-ST,NPC-ST-30,PGM-ST,PMA-ST(日産化学(株)製),PL-1-IPA,PL-2L-PGME(扶桑化学(株)製),20H12,20H12E,30CAL25,30CAL50,30HB25K,30HB50K(AZエレクトロニックマテリアルズ製)、アルミゾル-10A、アルミゾル-10D(川研ファインケミカル(株)製)等が例示される。これらは、単体または2種類以上を混合して用いることができる。
鱗片状ガラス(C)は、塗膜の収縮を緩和させ、耐クラック性を向上させるために用いられる。アスペクト比が高い構造であるため、硬化収縮によるクラックを防止することができる。また、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)と化学的に結合することができるため、強固な塗膜を得ることができる。
鱗片状ガラス(C)は、幅方向の平均粒径が5〜500μmであり、幅方向と厚み方向のアスペクト比が5:1〜200:1の範囲内であることが好ましい。幅方向の平均粒径およびアスペクト比が、上記範囲内であれば、塗膜表面が滑らかになり防汚性およびクラック防止効果が良好となる。
鱗片状ガラス(C)の配合量は、特に限定されるものではないが、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)と金属酸化物微粒子(B)との合計量100質量部(固形分換算)に対して、鱗片状ガラス0.1〜20質量部(固形分換算)であることが好ましい。
鱗片状ガラス(C)の配合量が、上記範囲内であれば、塗膜が緻密になるためクラック防止効果が良好なものとなる。
鱗片状ガラス(C)としては、例えば、NTS30K3TA、NPT30K3TA、F01、F11、F02、F12、RCF−600、RCF−160、RCF−015、RCF−2300、REF−600、REF−160、REF−015、1030シリーズ、1040シリーズ、1080シリーズ、1120シリーズ、1018シリーズ、2080シリーズ、5480、5230、5150、5090、2025(日本板硝子(株)製)、LS−5−300M、K−808、CM251−H4、KP3103(旭硝子(株)製)、サンラブリーシリーズ(AGCエスアイテック(株)製)等が例示される。これらは、単体または2種類以上を混合して用いることができる。
無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)は、塗膜の収縮を緩和させ、耐クラック性を向上させるために用いられる。また、塗膜の表面張力を低下させ、防汚性を向上させる効果もある。無機系のポリシロキサンは、一般に表面エネルギーが低い性質をもつ。そのため、塗料組成物を硬化させる際、シリコーンオイルが気液界面に配向することによって塗膜の表面張力を低下させることができる。
無機系のポリシロキサンとしては、例えば、L−7001、8211ADDITIVE、FZ−2123、SH200、57ADDITIVE、8526ADDITIVE(東レダウコーニング(株)製)、TSF400、TSF401、TSF4300、TSF4440、TSF4700、TSF4701、TSF4421、XF42−B0970、XF42−334、XF42−B3629、YF33シリーズ、TSF458シリーズ、TSF433(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製)、KF−96−350cs、KF−965−100cs、KF−54、KF−965、X−22−4039、X−22−4015、X21−5841、KF−9701、KF−6001、KF−6002、KF−6003、X−22−9452(信越化学工業(株)製)等が例示される。
フッ素基含有シリコーン樹脂組成物の具体例としては、オブツールDSX(ダイキン工業(株)製)、FG−5010、FG−5020、FG−5060、FG−5070、FG−2050、FG−5040(フロロテクノロジー(株)製)、KY−108(信越化学工業(株)製)等が例示される。これらは、単体または2種類以上を混合して用いることができる。
無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)の配合量は特に限定されるものではないが、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)と金属酸化物微粒子(B)との合計量(固形分換算)100質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ましい。
無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)の配合量が、上記範囲内であれば、より防汚効果を高めることができる。また、クラックが緩和され、塗膜硬度が良好なものとなる。
なお、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)と、金属酸化物微粒子(B)については、別々に配合することができるが、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)と金属酸化物微粒子(B)を反応させたゾルゲル反応組成物として配合することもできる。このゾルゲル反応組成物を調製するにあたっては、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)と金属酸化物微粒子(B)が共存した状態で加水分解が生じるようにする。これにより、アルコキシシラン同士で反応するだけではなく、アルコキシシランが金属酸化物微粒子(B)の表面とも反応し、化学的に結合された状態になる。その結果、ゾルゲル反応組成物を用いない場合よりも緻密な塗膜が形成され、硬く耐磨耗性に優れた塗膜を得ることができる。また、鱗片状ガラス(C)および無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)を用いることで、ゾルゲル反応組成物の収縮が緩和され、耐クラック性を向上させることができる。
このようなゾルゲル反応組成物を得る際には、溶媒として脱イオン水を添加することができる。 溶媒の配合量は、特に限定されるものではないが、オルガノアルコキシシラン100質量部に対して、溶媒が50〜300質量部の範囲内であることが好ましい。溶媒の配合量が、上記の範囲内であれば、得られるゾルゲル反応組成物のハンドリングが良好なものとなる。
また、本発明のセラミックコーティング剤組成物では、金属酸化物、金属粉などの顔料成分や、その他物性および塗装性を改良するために混合するものとして、例えば、抗菌剤、防黴剤、艶消し剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、レベリング剤、分散剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ワックス成分、溶媒成分等が例示される。
本発明では、このようにして得られるセラミックコーティング剤組成物を金属基材に塗布した塗装品を提供することができる。
金属基材の材質は、特に制限されるものではなく、例えば、アルマイト、鉄、ステンレス等が例示される。
セラミックコーティング剤組成物の塗膜の厚さは、硬化時において1〜30μm、好ましくは3〜20μmの範囲になるように設定することができる。塗膜の厚さの設定は、セラミックコーティング剤組成物の塗布時においてスプレー量を調節すること等によって適宜行うことができる。
塗膜の厚さが、上記の範囲にあれば、クラック緩和性能を発揮し、金属基材との長期密着性を確保することができる。
セラミックコーティング剤組成物の金属基材への塗布回数は、特に制限はなく、一回または二回以上塗布することができる。また、金属基材の表面にあらかじめプライマーやベースコートを施した後、セラミックコーティング剤組成物を塗布することができる。
塗布方式としては、従来公知の方法を適用することができ、例えば、フローコーター、ロールコーター、カーテンコート、ナイフコート、スピンコート、テーブルコート、シートコート、枚葉コート、ダイコート、バーコート、吹き付け法、エアレススプレー法、エアスプレー法、刷毛塗り、コテ塗り、浸漬法、引き上げ法等が例示される。これらの塗布方法は、自動化してもよく、手動にて塗布してもよい。
以下に実施例を示すが、本発明のセラミックコーティング剤組成物は、実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
KBM13(メチルトリメトキシシラン:信越化学工業(株)製)100質量部、IPA−ST(オルガノゾル:日産化学(株)製)150質量部、イオン交換水80質量部を混合し、常温で8時間以上攪拌した後、WSH−1800(ウォラストナイト:キンセイマテック(株)製)15質量部、タイペーク PFC105(酸化チタン:石原産業(株)製)25質量部を加え、ビーズミルで60分間分散し、下地用塗料組成物を得た。下地用塗料組成物を、アルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が30μmになるように塗布した後、100℃の乾燥炉で10分間加熱硬化させた。
次に、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)としてKBM13(メチルトリメトキシシラン:信越化学工業(株)製)100質量部、金属酸化物微粒子(B)としてIPA−ST(オルガノゾル:日産化学(株)製)100質量部、溶媒としてイオン交換水150質量部を混合し、常温で3時間以上攪拌した。得られたゾルゲル反応組成物に、鱗片状ガラス(C)としてRCF−600(日本板硝子(株)製)0.7質量部、無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)としてTSF401(ポリシロキサン化合物:モメンティブパフォーマンスマテリアルズ合同会社製)3質量部を加え、さらに1時間攪拌し、セラミックコーティング剤組成物を得た。
セラミックコーティング剤組成物を、下地塗装を施したアルマイト基材にエアスプレーを用いて膜厚が10μmになるように塗布した後、180℃の乾燥炉で30分間硬化させて評価用サンプルを作製した。
(実施例2)
セラミックコーティング剤組成物の組成を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得た。
すなわち、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)としてKBM13(メチルトリメトキシシラン:信越化学工業(株)製)100質量部、金属酸化物微粒子(B)としてIPA−ST(オルガノゾル:日産化学(株)製)150質量部、溶媒としてイオン交換水150質量部を混合し、常温で3時間以上攪拌した。得られたゾルゲル反応組成物に、鱗片状ガラス(C)として5150PS(日本板硝子(株)製)1.5質量部、無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)としてFS−2050(フッ素基含有シリコーン樹脂組成物:フロロテクノロジー(株)製)3質量部を加え、さらに1時間攪拌し、セラミックコーティング剤組成物を得た。
(比較例1)
セラミックコーティング剤組成物の組成を以下のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、評価用サンプルを得た。
すなわち、オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)としてKBM13(メチルトリメトキシシラン:信越化学工業(株)製)100質量部、金属酸化物微粒子(B)としてIPA−ST(オルガノゾル:日産化学(株)製)150質量部、溶媒としてイオン交換水150質量部を混合し、常温で3時間以上攪拌した。得られたゾルゲル反応組成物に、鱗片状ガラス(C)として5150PS(日本板硝子(株)製)1質量部を加え、さらに1時間攪拌し、防汚塗料組成物を得た。
実施例および比較例で得られた評価用サンプルについて、鉛筆硬度、密着性、耐熱性、防汚性を評価した。評価の基準は下記の通りである。
<鉛筆硬度>
JIS K5600に基づき、塗膜硬度を測定した。
<密着性>
JIS K5600に基づく碁盤目密着試験(25升目)により、密着性を下記の基準で判定した。
○: 25/25 剥離なし
△: 20/25以上 部分剥離(該当なし)
×: 20/25未満 剥離面積多い(該当なし)
<耐熱性>
耐熱性の評価として、得られた評価用サンプルを300℃で1時間加熱した後、塗膜を倍率50倍で拡大観察し、下記の基準で判定した。
○: クラックなし
×: クラック発生
<防汚性>
防汚性の評価として、得られた評価用サンプルを200℃に加熱した状態で、糖、タンパク質、脂質を混合した擬似汚れ成分を付着させて焦げ付かせた後、水洗いによって除去できるかを確認し、下記の基準で判定した。
○: 焦付きなし
△: 洗浄で除去可能(該当なし)
×: 洗浄で除去不可能
評価結果を表1に示す
Figure 2014218608
表1に示されるように、実施例1、2については、鉛筆硬度、密着性、耐熱性、防汚性がいずれも良好であることが確認された。
しかしながら、無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)を添加しなかった比較例1は、鉛筆硬度、密着性が良好であるものの、クラックが生じ、耐熱性および耐汚性が低下することが確認された。
これらの結果から、従来のシリコーン系樹脂のもつ耐熱性、防汚性および強度が損なわれず、金属基材の表面に厚膜塗装が可能であるセラミックコーティング剤組成物と、このセラミックコーティング剤組成物が金属基材に塗布されて防汚塗膜が形成された塗装品が得られることが確認された。

Claims (5)

  1. オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)、金属酸化物微粒子(B)、鱗片状ガラス(C)、および無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)を含有することを特徴とするセラミックコーティング剤組成物。
  2. 前記オルガノアルコキシシランの構造式が下記式(1)で表わされることを特徴とする請求項1に記載のセラミックコーティング剤組成物。
    Si(OR’)4−n (1)
    (式中、nは0〜3のいずれかの整数、RおよびR’は炭素数1〜8の有機基である)
  3. 前記鱗片状ガラス(C)の幅方向の平均粒径が5〜500μmの範囲内であり、幅方向と厚み方向のアスペクト比が5:1〜200:1の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックコーティング剤組成物。
  4. 前記無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)の配合量が、前記オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)と前記金属酸化物微粒子(B)とを反応させたゾルゲル反応組成物100質量部(固形分換算)に対して、0.1〜20質量部の範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミックコーティング剤組成物。
  5. オルガノアルコキシシランまたはその部分加水分解物(A)、金属酸化物微粒子(B)、鱗片状ガラス(C)、および無機系のポリシロキサンまたはフッ素基含有シリコーン樹脂組成物(D)を含有するセラミックコーティング剤組成物が金属基材に塗布されて防汚塗膜が形成されることを特徴とする塗装品。
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