JP2014217456A - 素肌または化粧肌の質感評価方法 - Google Patents

素肌または化粧肌の質感評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】素肌または化粧肌の視覚的質感を光学的な指標値を用いて定量的に評価する。さらに詳細には、素肌または化粧肌の不均一性を適切に分類し、分類された各不均一性の関係から生じる質感を定量的に評価する。【解決手段】素肌または化粧肌の質感の評価方法であって、(a)素肌または化粧肌の撮像画像を得る工程と、(b)前記撮像画像の各空間周波数帯域における成分を得る工程と、(c)前記各空間周波数帯域における成分を少なくとも4帯域以上の複数帯域に分類する工程と、(d)前記複数帯域毎の変化量の指標値を得る工程と、(e)前記複数帯域の変化量の関係から生じる質感の指標値を得る工程と、(f)前記質感の指標値を基に、素肌または化粧肌の質感を評価する工程を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、素肌または化粧肌の視覚的質感の評価方法に関する。
スキンケア化粧品やメイクアップ化粧品による肌の視覚的質感(以下、「質感」という。)に対する作用を評価するために、素肌または化粧肌を撮像した画像から、光学的な指標値を得ることが行われていた。例えば、素肌または化粧肌を撮像した画像から、分散や歪度を質感の指標値とすることが行われていた(特許文献1)。また、質感は面上における輝度や色の不均一性によって生じ、どのような空間周波数の不均一性が含まれているかによってどのような質感であるかが大きく変化する。そのため、素肌を撮像した画像から鏡面反射成分を抽出し、さらに鏡面反射成分から得る特定の空間周波数成分を基に見かけの粗さを求める手法などが行われていた(特許文献2)。
特開2009−131336号公報 特開2004−166801号公報
質感と光学的な指標値の関係は、その全てが明らかにされているわけではなく、光学的な指標値を用いた質感の評価方法においても、目的となる質感に対してより適切に評価し得る評価方法の開発が望まれていた。また、しばしば肌における不均一性は「ムラ」として美しさを損ねる要素とされてきたものの、肌は元来均一面ではなく、均一さは逆に人工的な不自然さを生じさせる。そのため、肌が美しさのために有するべき低周波帯域の不均一性や、キメとも呼ばれる肌が美しさのために有するべき高周波帯域の不均一性、美しさを損ねる不均一性である「ムラ」はそれぞれ適切に分類する必要があった。さらに、従来の質感評価方法においては、その容易化、低コスト化、省資源化等が望まれていた。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、素肌または化粧肌の視覚的質感を光学的な指標値を用いて定量的に評価することである。さらに詳細には、素肌または化粧肌の不均一性を適切に分類すること、並びに分類された各不均一性の関係から生じる質感を定量的に評価することである。
かかる課題を解決するために、本発明者らは、複数の頬を撮像した画像から空間周波数成分を取得し、各空間周波数成分における変化量を算出した結果、特定帯域における変化量が相対的に低いことによって見た目の「透け感」が生じることを見出した。さらにこの知見から、肌の不均一性は、「質感に寄与しない陰影」、「透け感を生じさせる低周波帯域の不均一性」、「透け感を損なう不均一性(ムラ)」、「透け感を生じさせる高周波帯域の不均一性(キメ)」の4帯域に分類できることを見出し、本発明を完成するに至った。なお、以降では、見た目に「透け感」が生じることを、単に「透ける」とも呼ぶ。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、素肌または化粧肌の質感を評価する方法が提供される。この方法は、(a)素肌または化粧肌の撮像画像を得る工程と、(b)前記撮像画像の各空間周波数帯域における成分を得る工程と、(c)前記各空間周波数帯域における成分を少なくとも4帯域以上の複数帯域に分類する工程と、(d)前記複数帯域毎の変化量の指標値を得る工程と、(e)前記複数帯域の変化量の関係性から生じる質感の指標値を得る工程と、(f)前記質感の指標値を基に、素肌または化粧肌の質感を評価する工程と、を備える。この形態の方法によれば、素肌または化粧肌の撮像画像を空間周波数成分毎に分類し、指標値を得るので、各帯域の指標値から生じる質感を客観的に評価することができる。換言すると、スキンケア化粧品またはメイクアップ化粧品を使用した際に起こる各帯域の指標値の変化から生じる質感の変化を、客観的に評価することができる。なお、「前記複数帯域の変化量の関係性から生じる質感」としては、例えば、第1〜4帯域の4帯域に分類した際の、第2〜4帯域の変化量の関係から、第3帯域の変化量が相対的に低いことによって生じる透け感があげられる。また、前記工程(c)の分類は、4帯域に分類することがより好ましいが、本発明の趣旨を損なわない範囲で、更に細分化することもできる。
(2)上記形態の方法において、前記工程(c)の分類は、各空間周波数成分を抜いた画像を用いた心理物理実験により、抜くことで透けて見える帯域(以下、「当該帯域」という。)を抽出し、第1帯域:1cycle/画像幅、第2帯域:2cycle/画像幅〜当該帯域未満、第3帯域:当該帯域、第4帯域:当該帯域よりも高い帯域、の4帯域として分類してもよい。この形態の方法によれば、人の質感知覚機構に準じて分類するので、適切に分類することができる。
(3)上記形態の方法において、前記工程(c)の分類は、顔面頬部の幅を基準として、第1帯域:1cycle/頬幅、第2帯域:2〜8cycle/頬幅、第3帯域:16〜32cycle/頬幅、第4帯域:64cycle〜/頬幅の4帯域として分類してもよい。この形態の方法によれば、短時間で解析結果を得ることができる。
(4)上記形態の方法において、前記工程(e)は、第1〜4帯域の4帯域に分類した際の、第2〜4帯域の変化量の指標値をそれぞれSDとして、式1によって得る値を指標値としてもよい。式1では、第3帯域の変化量の指標値が第2または第4帯域の変化量の指標値よりも多い時にマイナスの値を取り、相対的に少ないほど高い値を取る。この形態の方法によれば、第3帯域の変化量が相対的に低いことによって生じる透け感を短時間で評価することができる。
(式1)指標値=(SD―SD)×(SD―SD
但し、SD>SDかつSD>SDの場合は評価不能とする
(5)上記形態の方法において、前記工程(e)は、、第1〜4帯域の4帯域に分類した際の、第2帯域の変化量の指標値を、肌が有するべき不均一性の強さの指標値としてもよい。この形態の方法によれば、人の質感知覚機構に準じて分類された肌が有するべき不均一性の強さを短時間で評価することができる。
(6)上記形態の方法において、前記工程(e)は、、第1〜4帯域の4帯域に分類した際の、第3帯域の変化量の指標値を、ムラの強さの指標値としてもよい。この形態の方法によれば、人の質感知覚機構に準じて分類されたムラの強さを短時間で評価することができる。
(7)上記形態の方法において、前記工程(e)は、、第1〜4帯域の4帯域に分類した際の、第4帯域の変化量の指標値を、キメの強さの指標値としてもよい。この形態の方法によれば、人の質感知覚機構に準じて分類されたキメの強さを短時間で評価することができる。
(8)上記形態の方法において、前記工程(b)は、ウェーブレット変換を用いてもよい。この形態の方法によれば、容易に各空間周波数成分を得ることができるので、短時間で解析結果を得ることができる。
(9)上記形態の方法において、前記工程(d)の指標値は、画素値から統計的に得られる値としてもよい。この形態の方法によれば、統計的手法により得られる値を指標値とするので、客観的な解析結果を得ることができる。
本発明は、種々の態様で実現することも可能である。例えば、上述した評価方法の少なくとも一部の工程を実現する装置や、コンピュータープログラムや、そのコンピュータープログラムを記録した一時的でない記録媒体などの形態で実現することができる。
本実施形態における質感の評価方法の手順を示すフローチャートである。 ステップS115において、空間周波数成分を4帯域に分類する方法の手順を示すフローチャートである。 ステップS210の処理結果を模式的に示す説明図である。 ステップS125における質感の指標値の一例を示す説明図である。 第1実施例の撮像画像を示す説明図である。
A.実施形態
A1.素肌または化粧肌の質感評価方法
図1は、本実施形態における、素肌または化粧肌の質感評価方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態において、化粧肌とは、化粧下地や、ファンデーションや、おしろいや、チークなど、皮膚に塗布し得る任意の化粧料を、いずれかひとつまたは組み合わせて塗布した肌を意味する。
図1に示すように、まず素肌または化粧肌の撮像画像を得る(ステップS105)。撮像装置としては、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなど、デジタル画像データを得ることができる任意のデバイスを採用することができる。但し、頬の質感に寄与する成分(例えば、キメ)を解析するのに十分な解像度と、頬全体の輝度や色の空間的な変化を解析するのに十分な撮像範囲の画像を得ることが可能なデバイスが好ましい。また撮像画像は、頬幅に合わせてトリミングすることが好ましい。なお、以降では、画素値として輝度を用いて説明するが、輝度に限らず、色相や彩度などの画素値を採用することができる。
ステップS105で得られた撮像画像を空間周波数成分に分解する(ステップS110)。具体的な処理手順としては、先ず、撮像画像から各画素の輝度値データを取得し、ウェーブレット変換等によって各空間周波数成分を得る。撮像画像を頬幅に合わせてトリミングした画像を基にすることにより、頬幅を基準として2cycle/頬幅(n=0,1,2...)の空間周波数成分を得ることができる。ウェーブレット変換を用いた場合には最も単純なアルゴリズムであるHaarの基底を採用することができ、プログラムを作成し、パーソナルコンピューター等の演算装置に実装することによって実行することができる。
得られる空間周波数成分を第1〜4帯域の4帯域に分類する(ステップS115)。本実施形態では、分類方法として、顔面の頬幅を基準として、第一帯域:1cycle/頬幅、第2帯域:2〜8cycle/頬幅、第3帯域:16〜32cycle/頬幅、第4帯域:64cycle〜/頬幅として分類する方法を採用する。
ステップS115で得られた各帯域成分を統合し、各帯域の変化量の指標値を取得する(ステップS120)。前記統合は、パーソナルコンピューターなどの演算装置によって加算処理を行うことで実行することができる。また前記指標値には、分散や標準偏差など、変化量を表す指標値を採用することができる。
ステップS120で得られた各帯域成分の変化量の指標値から、それらの関係によって生じる質感の指標値を取得する(ステップS125)。この工程は、前記指標値を基に、前述の式1を透け感の指標値とする算出方法を採用することができる。
前記質感の指標値としては、上述した透け感の指標値の他、各帯域の変化量の指標値をそのまま質感の指標値として採用することもできる。具体的には、第2帯域の変化量の指標値を肌が有するべき不均一性の強さの指標値とする方法、第3帯域の変化量の指標値を肌のムラの指標値とする方法、第4帯域の変化量の指標値を肌のキメの指標値とする方法を採用することができる。なお、第1帯域は、陰影の情報を含み、質感への寄与は低い。
指標値が算出されると、得られた指標値に基づき、撮像した素肌または化粧肌の質感を評価する(ステップS130)。具体的には、上述した質感の指標値のうち、前記透け感の指標値を採用した場合、指標値がより高いほど、透け感がより高いと評価する。
以上のように素肌または化粧肌の質感を評価することができるので、化粧品を選定する際に、質感制御効果を考慮することができる。例えば、肌の質感改善効果を有する基礎化粧品を選定する場合に、連用前後に撮像した画像を用いて、上述した処理を行うことにより連用前後の肌の質感を把握して、質感改善効果の高さに基づき、いずれの基礎化粧品を選定するかを決定することができる。また別の例としては、メイクアップ化粧品を選定する場合に、複数のメイクアップ化粧品を製作し、これら試料を対象として上述した処理を行うことにより各試料によってつくられる肌の質感を把握して、かかる質感の制御効果に基づき、いずれのメイクアップ化粧品を選定するかを決定することができる。なお、各帯域成分の変化量は、メイクアップ化粧品の形態、メイクアップ化粧品に配合する原材料、塗布具の形態や材質、複数のメイクアップ化粧品の組み合わせ方法など種々の要素によって制御することができる。したがって、質感の制御効果の評価結果に基づき、前述の要素を調節することもできる。
A2.帯域の分類方法
図2は、上述したステップS115において、空間周波数成分を4帯域に分類する処理の手順を示すフローチャートである。上述したように、本実施形態のステップS115において、各空間周波数成分の分類は、顔面の頬幅を基準として第1帯域:1cycle/頬幅、第2帯域:2〜8cycle/頬幅、第3帯域:16〜32cycle/頬幅、第4帯域:64cycle〜/頬幅として分類する。かかる分類は、以下のようにして決定することができる。
先ず、空間周波数成分ごとの変化量が一定のノイズ画像を作成する(ステップS205)。ノイズ画像の作成は、例えば、グレースケールのホワイトノイズ画像からウェーブレット変換により各空間周波数成分に分解し、各空間周波数成分の変化量として、0.0〜1.0のスケールにおける標準偏差を0.1とする規格化を行い、それらの空間周波数成分を再度統合することで作成する。なお、かかる画像の大きさとしては、例えば、縦及び横がいずれも256ピクセルの画像を採用することができる。また、このノイズ画像は、位相を変えて複数種類作成することが望ましい。
ステップS205で得たノイズ画像を基に、特定帯域成分だけを抜いた画像群を作成する(ステップS210)。例えば、1cycle/画像幅の成分だけを抜いた画像や、32cycle/画像幅の成分だけを抜いた画像などを作成する。特定帯域成分だけを抜いた画像の作成方法としては、例えば、ノイズ画像をウェーブレット変換によって各空間周波数成分に分解し、特定帯域成分だけを抜いて統合することで作成することができる。
図3は、ステップS210において作成される画像を示す説明図である。各画像は、空間周波数成分ごとの変化量が一定のノイズから、各画像の下に示された空間周波数成分を抜いて作成された画像である。
特定帯域成分を抜いた画像群が得られると、被験者により、当該帯域が心理物理実験により特定される(ステップS215)。図3に示すように、特定空間周波数成分を抜いた画像のうち幾つかのものは、単一の層ではなく手前と奥に異なる複数の層が存在し、手前の層が透けているように知覚される。
図4に示す例では、4人の被験者により、暗室に10分間順応した後、72dpiの提示装置から60cmの距離でランダムな順序で画像が提示され、透け感について「感じない(スコア0.0点)」、「やや感じる(スコア0.5点)」、「感じる(スコア1.0点)」の3つの回答から選択する心理物理実験を実施した。なお、回答は、同じ画像に対してノイズの位相を変えて6回の回答を行った。なお、ここでいう「透ける」とは、より厳密には、異なる別々の層が透過していることで重なり合っているように知覚されることと定義され、被験者にもそのように説明された。被験者はいずれも裸眼又は矯正された状態であり、正常の視力を有していた。
図4に示すように、16cycle/画像幅および32cycle/画像幅の帯域成分を抜いた画像において、透け感が増幅される。これは、16cycle/画像幅および32cycle/画像幅の成分を抜くことで、透け感が起こることを意味する。したがって、図4の例によると、ステップS210における抜くことで透ける帯域として、16〜32cycle/画像幅が決定され得る。なお、図4の例による2〜8cycle/画像幅の帯域は逆に抜くことで透け感が低下する。したがって、2〜8cycle/画像幅の帯域は透け感を生じさせるために必要な帯域であり、16〜32cycle/画像幅の帯域とは分類されるべきであることがわかる。
抜くことで透ける帯域が特定されると、各空間周波数成分の分類を決定する(ステップS220)。具体的には、第1帯域:1cycle/画像幅、第2帯域:2cycle/画像幅〜当該帯域未満、第3帯域:当該帯域、第4帯域:当該帯域よりも高い帯域として分類する。したがって、図4の例によると、第1帯域:1cycle/画像幅、第2帯域:2〜8cycle/画像幅、第3帯域:16〜32cycle/画像幅、第4帯域:64cycle〜/画像幅として分類され得る。なお、上記分類を基に、ステップS210で得られる画像群から前述の式1により得られる透け感の指標値を算出すると、16cycle/画像幅および32cycle/画像幅の帯域成分を抜いた画像において高い値を取り、その他の画像においては0に近似した値かマイナスの値を取る。
以上説明した実施形態における質感の評価方法に依れば、心理物理実験によって空間周波数成分の分類が決定されるので、人の質感知覚機構に準じた適切な分類ができる。したがって、適切に分類された空間周波数成分を基に光学的指標値を得ることにより、「透け感を生じさせる低周波帯域の不均一性」、「透け感を損なう不均一性(ムラ)」、「透け感を生じさせる高周波帯域の不均一性(キメ)」を人の質感知覚機構に準じて客観的に分類し、評価することができる。
さらに、従来明らかにされていなかった、複数の空間周波数成分の関係から生じる質感を定量的に評価することができる。具体的には、本発明の実施形態における質感の評価方法に依れば、抜くことで透ける帯域が心理物理実験によって特定される。換言すれば、他の帯域に比べ相対的に変化量が無いことで透ける第3帯域と、透け感を生じさせるために変化量が必要な帯域である第2帯域が特定されるため、光学的指標値である第2〜4帯域の変化量の関係性から、第3帯域の変化量の相対的な低さによって生じる透け感を定量的に評価することができる。
また、頬を撮像した画像を基に、ウェーブレット変換を行って各空間周波数成分を取得し、それを基に肌の質感の光学的指標値を得るので、短期間で解析結果を得ることができる。
B.実施例
実施例では、前述のステップS105において、皮膚角質層の透過性を高める美容液による1カ月の連用試験を行い、連用試験開始前、1カ月の連用試験後でそれぞれ頬をデジタルカメラによってストロボ光下で撮像し、頬幅に合わせてトリミングした。
図5は、実施例の連用試験前後の画像を用いた説明図である。図5(a)は、連用試験開始前の画像を示す。図5(b)は、1カ月の連用試験後の画像を示す。なお、この画像は9名の連用試験被験者を連用前後で撮像した画像のうち、最も皮膚の透け感を高める効果があらわれた画像として複数の専門家によって目視により選出されたものである。
撮像した2枚の画像をそれぞれ、ウェーブレット変換によって空間周波数成分を取得し(ステップS110)、各空間周波数成分を第1帯域:1cycle/頬幅、第2帯域:2〜8cycle/頬幅、第3帯域:16〜32cycle/頬幅、第4帯域:64cycle〜/頬幅として4帯域に分類した(ステップS115)。
前述の2枚の画像において取得した各帯域の輝度(L*値)標準偏差をそれぞれ各帯域の変化量の指標値として算出し(ステップS120)、前述の式1により得られる値を透け感の指標値として算出した(ステップS125)。その結果、連用試験開始前の値は−0.6×10−3であり、1カ月の連用試験後は1.5×10−2であった。したがって、ステップS130では、1カ月の連用試験後の方が透け感が高いと評価された。この画像は最も透け感を高める効果が表れた画像として選出された画像であることからも、上述した評価方法により得られた結果は、官能評価に沿ったものであった。
C.変形例
C1.変形例1
上述した実施形態及び実施例では、ステップS110において、ウェーブレット変換を行うことにより各空間周波数成分を取得していたが、ウェーブレット変換に代えて、フーリエ変換を用いて各空間周波数成分を得ることもできる。すなわち、一般には、撮像画像を空間周波数解析可能な任意の手法を採用することができる。
C2.変形例2
上述した実施形態及び実施例では、ステップS120において、指標値を得るために4帯域に分類された各空間周波数成分を統合するとしたが、これを省略し、各帯域の指標値を、各帯域に該当する空間周波数成分の指標値から平均値を算出することによって得てもよい。
C3.変形例3
上述した実施形態及び実施例において、肌の撮像(ステップS105)を、質感の評価とは別に既に実行されている場合には、質感の評価手順におけるステップS105を省略することもできる。この場合、ステップS105に代えて、「肌画像を取得する」工程を行う。肌画像の取得とは、例えば、ステップS110〜125を実行する演算装置に対して、肌の画像データを入力する工程を意味する。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必要なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。

Claims (10)

  1. 素肌または化粧肌の質感の評価方法であって、
    (a)素肌または化粧肌の撮像画像を得る工程と、
    (b)前記撮像画像の各空間周波数帯域における成分を得る工程と、
    (c)前記各空間周波数帯域における成分を少なくとも4帯域以上の複数帯域に分類する工程と、
    (d)前記複数帯域の変化量の指標値を得る工程と、
    (e)前記複数帯域の指標値から生じる質感の指標値を得る工程と、
    (f)前記指標値を基に、素肌または化粧肌の質感を評価する工程と、
    を備える、方法。
  2. 請求項1記載の方法において、
    前記工程(c)の分類は、4帯域である、方法。
  3. 請求項2記載の方法において、
    前記工程(c)の分類は、各空間周波数成分を抜いた画像を用いた心理物理実験により、抜くことで透けて見える帯域(当該帯域)を抽出し、第1帯域:1cycle/画像幅、第2帯域:2cycle/画像幅〜当該帯域未満、第3帯域:当該帯域、第4帯域:当該帯域よりも高い帯域、の4帯域として分類する、方法。
  4. 請求項2記載の方法において、
    前記工程(c)の分類は、顔面頬部の幅を基準として、第1帯域:1cycle/頬幅、第2帯域:2〜8cycle/頬幅、第3帯域:16〜32cycle/頬幅、第4帯域:64cycle〜/頬幅の4帯域として分類する、方法。
  5. 請求項2〜4のいずれか記載の方法において、
    前記工程(e)は、第2〜4帯域の変化量の指標値をそれぞれSD2〜4として、式1によって得る値を透け感の指標値とする、方法。
    (式1)指標値=(SD―SD)×(SD―SD
    但し、SD>SDかつSD>SDの場合は評価不能とする
  6. 請求項2〜4のいずれか記載の方法において、
    前記工程(e)は、第2帯域の変化量の指標値を、肌が有するべき不均一性の強さの指標値とする、方法。
  7. 請求項2〜4のいずれか記載の方法において、
    前記工程(e)は、第3帯域の変化量の指標値を、ムラの強さの指標値とする、方法。
  8. 請求項2〜4のいずれか記載の方法において、
    前記工程(e)は、第4帯域の変化量の指標値を、キメの強さの指標値とする、方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか記載の方法において、
    前記工程(b)は、ウェーブレット変換である、方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか記載の方法において、
    前記工程(d)の変化量の指標値は、画素値から統計的に得られる値である、方法。
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